JP5439118B2 - 騒音制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、騒音制御装置に関し、より特定的には、小型化あるいは低コスト化などのため、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合わない周波数帯域を含む場合でも、その周波数帯域での悪影響を防止しつつ、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合う周波数帯域での騒音を低減させる騒音制御装置に関するものである。
騒音源から出力される騒音と逆位相の音を制御スピーカから再生して騒音を打ち消す、所謂、能動騒音制御の考えは古くから存在している。従来からアナログのフィードバック制御(以降、FB制御と称す)による能動騒音制御の実用化が図られ、アナログのFB制御は現在でもヘッドホンなどで一般的に用いられている。図45は、FB制御の騒音制御装置の基本構成を示す図である。
アナログのFB制御を用いた場合は、コストを比較的低く抑えることはできる。しかし、アナログのFB制御は、複雑な制御特性を実現するのが困難であり、またFB制御に存在する発振条件のため、安定した良好な騒音低減効果を得にくいという問題がある。またヘッドホンなどのように1次元空間におけるアナログFB制御は、上記問題があるとしてもコスト対効果を考えれば適切な選択肢であり、事実、数多くの実用化例がある。
しかし、自動車などの3次元空間において、デジタル制御でFB制御を行う場合には、発振などの関係で、FB制御はフィードフォワード制御(以降、FF制御と称す)よりも処理が複雑となる。その結果、デジタル制御でFB制御を行う実用化例は全くと言ってよいほど存在しない。また空調ダクトなどの1次元制御であったとしても、騒音変化や制御スピーカ特性やマイク特性などの経年変化を考慮し、デジタルでの適応FF制御が主流となっている。そこで、まずFF制御について説明する。
図43は、FF制御の基本構成を示す図である。
騒音源1からの騒音が、騒音伝達系200を経て制御点4に到達するのに合わせて、信号処理部300が騒音信号を処理して制御信号を生成する。そして、信号処理部300は、制御点4において、騒音伝達系200を経て制御点4に到達する騒音に、制御信号を加える。制御点4において両者が合成された結果、騒音が低減される。つまり、信号処理部300は、騒音伝達系200を経て制御点4に到達する騒音と逆特性(同一振幅、かつ、逆位相)を有する制御信号を生成すればよい。また、図43からも明らかなように、FF制御では、騒音伝達系200の騒音伝達時間Tと信号処理部300の処理時間τとは、τ=Tでなければならない。ここで、図43に示したFF制御をデジタル処理で実現する場合、信号処理部300は、通常、FIRフィルタなどのデジタルフィルタで構成される。このため、信号処理部300における処理は、必ず、デジタル遅延による時間遅れ処理となる。よって、例えばFIRフィルタの係数で遅れ時間を微調整できるため、信号処理部300の処理時間条件は、τ≦Tであればよい。これにより、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合うこととなる。
ところで、図43は、騒音伝達系200が変動しないことを前提にしているが、実際は変動することが多い。例えば、排気管などに応用する場合には温度による音速の変化などがあるし、自動車の走行騒音では路面や速度あるいは乗員数や乗員位置などの走行状態での騒音(伝達特性)変化が発生する。このような変化の吸収を図るために、適応FF制御を用いる。図44は、適応FF制御を用いた場合の騒音制御装置の基本構成を示す図であ
る。図44に示すように、制御点4での結果が信号処理部300に誤差信号として戻され、信号処理部300は、その誤差信号を元に信号処理部300の制御特性(係数)を変化させる。
ここで、図44に示した適応FF制御を用いた場合、信号処理部300の制御特性(係数)を正確に収束させるためには、騒音源1から出力された騒音信号である参照信号(図44の信号a)と誤差信号(図44の信号b)との相関性(コヒーレンス)が重要となる。相関性が低いと正確な係数を求めることができないために、騒音低減効果が十分に得られない結果となる(例えば、特許文献1、非特許文献1)。特に特許文献1では、3次元制御を行う場合のマルチコヒーレンスについても言及しており、この場合もコヒーレンスが高いほど騒音低減効果が大きいことが示されている。
以上より、適応FF制御では、
(1) 騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合う
(2) 参照信号と誤差信号との相関性が高い
ことが、騒音低減効果を最大限に得るための条件と言える。
ところで、騒音制御処理を騒音伝達時間内に間に合わせるためには、図43や図44における信号処理部300の処理時間τを騒音伝達時間Tよりも短くする必要があるが、コストなどの問題で必ずしも満たせるとは限らない。例えば、デジタル制御で処理時間τを短くする方法としてはサンプリング周波数を高くすることがまず考えられるが、この場合、逆に信号処理に使用できる時間余裕が短くなり(処理時間余裕はサンプリング周波数の逆数で与えられるため)、演算量が十分確保できないなどの問題が発生する。そのため、信号処理部300内の制御フィルタタップ数を短くしたり、3次元制御の場合は騒音処理数(=制御フィルタ数)を少なくして、全体の演算量を処理時間内に抑えられるように削減する必要が出てくる。すると、タップ数不足で低域の騒音低減効果が得られなかったり、騒音処理数不足でマルチコヒーレンスが低下して騒音低減効果が十分に得られなかったりする。
逆に、演算に要する時間を確保するためにサンプリング周波数を低くすると信号処理部300の処理時間τが大きくなり、騒音制御処理を騒音伝達時間内に間に合わせるためには騒音伝達時間Tをその分大きくする必要が出てくる。このことは通常、騒音源1から制御点4の距離を長くすることを意味する。すると、騒音制御システム全体が大きくなり、あるいはヘッドホンや掃除機など小型の製品に、このような騒音制御システムを適用できなくなるなどの問題が発生する。また、騒音源1から制御点4の距離が長くなると、参照信号と誤差信号との相関性が低くなることが多いのが現状である。例えば、排気用ダクトの場合、ダクト内を騒音源であるファン騒音などが伝達するが、排気も一緒に流体として通過している。そのため、騒音源1から制御点4の間で乱流などを発生して相関度を低下させるので、騒音源1から制御点4の距離が長くなるほど乱流が発生しやすく相関性が低くなる。また、他の例では、自動車や列車などの走行騒音では、エンジンやモーター以外に、ロードノイズや風切り音、周囲の車など、多数の騒音が車内に進入してくる。そのため、確実に全ての騒音をその発生位置である騒音源で、参照信号としての騒音信号を検出することは困難である。その結果、騒音伝達系の途中で、騒音信号を検出することになる。その場合、騒音信号を検出する位置が制御点4に近くなるほど、参照信号と誤差信号との相関性が高くなる。つまり換言すれば、騒音源1から制御点4の距離が長くなると、相関性は低くなる。
このように通常の騒音環境では、騒音制御処理時間を短くすることと、参照信号と誤差信号との相関性を高くすることとは、相反する関係にある。よって、従来は、この両者のバランスを取って実用化してきたのが現状である。
ここで、騒音制御処理を騒音伝達時間内に間に合わせることができない場合の影響について、さらに詳しく説明する。
図46は図43あるいは図44における信号処理部300が、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合う場合の制御係数と騒音低減効果とを示している。(1)が信号処理部300の制御係数(例えば2048タップのFIRフィルタとする)のインパルス特性であり、(2)上が制御前の騒音特性(制御OFF)と制御後の騒音特性(制御ON)とを示し、(2)下が制御OFF−ONの差分特性、すなわち騒音低減効果量を示している。図46では騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っているので、制御係数ではインパルスピークが係数タップ内にきれいに表現されており、騒音低減効果も全ての周波数で60dB程度得られている。
これに対して図47は図43あるいは図44における信号処理部300が、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合わない場合の制御係数と騒音低減効果とを示している。(1)のインパルス特性ではインパルスピークが係数タップ内に収まらず、0タップより前に出てしまっている。つまり、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っていないことを制御係数として表している。また(2)の騒音低減効果も全ての周波数で全く低減されていない。このように、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合わない場合は、騒音低減効果が得られないという問題が発生する。ここで図47では、全周波数で騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合わない条件を示したが、実際には、ある周波数帯域だけが間に合わない場合が多い。これについて、以下に示す。
図48は、図43をアナログ混在の実際例に近い構成として再記述したものである。図48において、信号処理部300の前後にAD(アナログ−デジタル)コンバータ5とDA(デジタル−アナログ)コンバータ6、そしてアンチエイリアス用のアナログLPF(ローパスフィルタ)7〜8を追加している。ここで、ADコンバータ5の遅延(全周波数同一値とする)をτ1、DAコンバータ6の遅延(全周波数同一値とする)をτ2、LPF7〜8の遅延(最大群遅延)をτ3とすると、騒音制御処理を騒音伝達時間内に間に合わせるためには、
τ+τ1+τ2+2×τ3≦T
であることが必要である。ここで、図49は、図48のアナログLPFの特性を示す図である。LPF7〜8が図49に示す特性である場合、最大群遅延τ3は10kHz付近で30サンプル(サンプリング周波数を48kHzとすると、30/48000=0.625msec)以上になっている。τ、τ1、τ2は全ての周波数で同じ値なので、LPF7〜8の最大群遅延τ3に相当する周波数10kHz付近で騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合うかどうかが制御のポイントとなる。
図50は、図49において騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っていない場合の(1)制御係数と(2)騒音低減効果とを示している。図50(2)から分かるように、低域では20〜30dB以上の騒音低減量が得られているが、高域になるに従って効果が劣化していき、LPF7〜8の最大群遅延τ3に相当する周波数10kHz付近では逆に騒音増加になっている。図50(1)でも係数インパルスピークが係数タップ内に収まっていない。
参考までに、図49において騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合う場合の(1)制御係数と(2)騒音低減効果とを図51に示す。図51(2)騒音低減効果を見ると、10kHz以上で騒音低減量は少なくなっているが、図50(2)のように騒音増加することはない。図51(1)制御係数でも係数インパルスピークは係数タップ内に収まっており、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っている。図51(2)において、10kH
z以上で騒音低減量が少なくなっているのは、図49(1)に示すようにLPF7〜8のレベルが急激に低減しているためである。その影響を信号処理部300が受けるため10kHz以上で騒音低減量が少なくなっているだけであり、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っていれば、騒音増加することなく、騒音を低減することができる。
以上は、騒音制御処理時間の影響によって、高域での騒音低減量の劣化および騒音増加について説明したが、低域でも同様に騒音低減量の劣化および騒音増加が起こり得る。低域において、騒音制御処理の大きな遅延要素は制御スピーカの群遅延である。図52は一般的なスピーカの特性を示している。当該スピーカの共振周波数foは約150Hzであり、図52(3)群遅延特性を見ると、当該スピーカは、共振周波数foで2msecの群遅延がある。当該スピーカは、共振周波数fo以下ではさらに群遅延が大きくなるが、共振周波数fo以上では群遅延が小さくなる。
スピーカ特性をHPF(ハイパスフィルタ)で置き換えて、高域での騒音低減量の劣化および騒音増加について説明したのと同様に、低域での騒音低減量の劣化および騒音増加について説明する。図53は、図43の信号処理部の出力にHPFを追加挿入した図である。図54は、図53の1次HPF9〜10の振幅特性と群遅延特性とを示す図である。ここで、図52(1)から、スピーカは−12dB/oct.で低域レベルが下降しているので、同じカットオフ周波数fc=150Hzで遮断特性−6dB/oct.の1次HPFを2段構成とすることで近似している。図54(2)に示すように、1次HPF9〜10の150Hzでの群遅延は、それぞれ25サンプル(25/48000=0.521msec)であるため、1次HPF9〜10の2段構成での群遅延は、約1msecとなる。図54の1次HPF9〜10は、図52のスピーカよりも群遅延は少ないものの、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っていない場合には、図55(2)に示すように低域になればなるほど騒音低減効果が劣化し、100Hz以下では騒音増加になってしまう。つまり、高域での騒音低減効果が劣化および騒音増加と同様のことが、スピーカの群遅延により低域でも発生する。参考までに、図53において騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合う場合の(1)制御係数と(2)騒音低減効果とを図56に示す。高域の場合と同様に、図56(2)騒音低減効果を見ると、低域になればなるほど騒音低減量は少なくなっているものの、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っていれば、図55(2)のように騒音増加することはない。
以上のように、群遅延が小さく、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っている周波数帯域では騒音低減効果が得られるが、群遅延が大きく、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合わない周波数帯域が存在する場合は、その周波数帯域では騒音増加が発生することが分かる。
ところで、ある周波数帯域では騒音低減効果があるが、別の周波数帯域では騒音増加が起こってしまうなどの現象は、先に説明した群遅延の問題のように、騒音制御を実用化する際にはよく直面する問題である。このようなある周波数帯域での不具合を防止する方法が従来提案されている(例えば、特許文献2)。この方法は、騒音制御を行う適応フィルタにおいて、問題となる(騒音増加する)周波数帯域の係数ゲインの上昇を抑えることで、問題発生を防止しようとするものである。
以下、従来の方法について説明する。図57は、特許文献2に記載の基本構成を示す図である。図57に示す騒音制御装置では、片端に開口部を有する容器102内に騒音源101があり、騒音01から開口部に向かって、順に、騒音検出マイク103、消音用スピーカ105、および消音誤差検出マイク104が設置されている。図57に示す騒音制御装置では、適応型デジタルフィルタを用いた制御回路が設けられている。当該適応型デジタルフィルタは、主適応型デジタルフィルタ部と、補助適応型デジタルフィルタ部とから構成されている。主適応型デジタルフィルタ部は、FIRデジタルフィルタ106と、LMS(Least−Mean−Square)アルゴリズムにより制御される係数制御部108とから構成されており、補助適応型デジタルフィルタ部は、FIRデジタルフィルタ110と、LMSアルゴリズムにより制御される係数制御部111とから構成されている。なお、2つのFIRデジタルフィルタ106および110は、係数列ha(i)を共有している。さらに、FIRデジタルフィルタ110の信号入力部にはフィルタ109が接続され、係数制御部108にはデジタルフィルタ107が接続されて構成されている。
当該騒音制御装置では、騒音検出マイク103で検出された騒音は、プリアンプ112を介してA/D変換器115でデジタル信号に変換されて、騒音信号u(n)が生成される。そして、騒音信号u(n)がデジタルフィルタ107、109、およびFIRデジタルフィルタ106に入力される。FIRデジタルフィルタ106では所定の係数列ha(i)に基づいて、制御係数を算出し、消音信号y(n)を生成する。消音信号y(n)は、D/A変換器116によってアナログ信号に変換され、パワーアンプ113を介して、消音用スピーカ105に入力される。そして、騒音源101から出力される音波と消音用スピーカ105から出力される音波とが干渉を起こすことにより騒音源101からの騒音が消される。この消音結果は消音誤差検出マイク104で検出され、プリアンプ114、およびA/D変換器117を介して誤差信号e0(n)として出力され係数制御部108に入力される。係数制御部108では、入力された誤差信号e0(n)が最小となるように、係数列ha(i)が更新制御される。ここで、デジタルフィルタ107は、騒音信号u(n)を補正することによって、係数制御をより正確に行うために挿入しているものである。
一方、デジタルフィルタ109では、騒音信号u(n)が入力され、出力信号u1(n)を出力する。なお、デジタルフィルタ109は、制御不可能な高周波の音を出力しないという周波数特性上の制約を消音信号y(n)に持たせるような高域通過型の周波数特性を有している。そして、デジタルフィルタ109から出力される出力信号u1(n)は、FIRデジタルフィルタ110に入力される。FIRデジタルフィルタ110では所定の係数列ha(i)に基づいて、制御係数を算出し、誤差信号e1(n)を生成する。係数制御部111は、デジタルフィルタ109から出力される出力信号u1(n)と、誤差信号e1(n)とに基づいて、係数列ha(i)を更新する。換言すれば、係数列ha(i)は、FIRデジタルフィルタ110に、デジタルフィルタ109を通過するような高周波信号が入力されると、当該信号を0にするように更新制御される。
このように、図57に示す騒音制御装置では、邪魔になる高周波信号は切り捨てられ、安定に適応動作制御可能な周波帯域において、適応型デジタルフィルタによる消音制御が行われていた。
しかしながら、図57に示す騒音制御装置では、騒音制御を行う適応フィルタを用いて、問題となる(騒音増加する)周波数帯域の係数ゲインの上昇を抑えることによって、問題発生を防止しようとしているものの、その処理が騒音伝達時間内に間に合うことを前提としているため、図43〜図56を用いて説明したように、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合わない周波数帯域が存在する場合は、その周波数帯域では騒音増加の発生が防止できない。
また、騒音制御装置の構成や条件(サンプリング周波数やタップ数など)が決まれば、装置全体に要する処理時間が決まるが、従来の方法では、その総処理時間(例えば図43の時間τ)で騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合うようにするには、騒音源から制御点までの距離を長くする(例えば図43の騒音伝達系の騒音伝達時間Tを大きくする)しか方法がなかった。その場合、先に説明したように、騒音制御システム全体が大きくなり、製品サイズの長大化やあるいは想定していた製品サイズに収められないために実用化できないなどの問題が起こる。また、騒音源から制御点までの距離が長くなることで、例えば図44の場合、信号処理部300の参照信号aと誤差信号bとの相関性が低下し、信号処理部300の係数が十分に求まらないため、期待する騒音低減効果が得られない問題も起こる。
特開平5−52645号公報 特開平5−67948号公報
アクティブ コントロール オブ サウンド(ACTIVE CONTROL OF SOUND)(ピー.エー.ネルソン アンド エス.ジェイ.エリオット,アカデミック プレス(P.A.Nelson & S.J.Elliott,ACADEMIC PRESS),P177)
それ故に、本発明の目的は、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っていない周波数帯域における騒音増加を抑止しつつ、かつ、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っている周波数帯域においては騒音を低減させることができる騒音制御装置を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するための騒音制御装置に向けられており、本発明に係る騒音制御装置は、騒音源から出力される騒音が騒音伝達系を介して伝達され、伝達された騒音を制御点において制御音と合成させて、当該騒音を低減する騒音制御装置であって、騒音源から出力される騒音を検出して、当該騒音に基づく制御信号を生成する信号処理部と、信号処理部から出力される制御信号に基づいて、騒音を打ち消す制御音を生成する制御音響系と、騒音源から騒音が出力されてから信号処理部および制御音響系を介して制御点に制御音が到達するまでの騒音制御処理時間τが、騒音源から騒音が出力されてから騒音伝達系を介して騒音が制御点に到達するまでの騒音伝達時間Tより大きくなる(τ>T)周波数帯域において、信号処理部から出力される制御信号を補正する出力補正部とを備える。
好ましい出力補正部は、騒音伝達系を介して制御点に到達する騒音が有する騒音伝達特性と、制御音響系から出力される制御音が有する騒音制御伝達特性とが同一振幅かつ逆位相となるように、信号処理部から出力される制御信号を補正することを特徴とする。
また、好ましい出力補正部は、信号処理部から出力された制御信号が入力される加算器と、加算器から出力される信号のうち、周波数帯域における信号を抽出するフィルタ回路と、フィルタ回路によって抽出された信号をレベル調整するゲイン調整器とを備え、加算器は、入力される信号処理部から出力された制御信号に、ゲイン調整器によってレベル調整された信号を加算して、当該補正された制御信号を制御音響系に出力することを特徴とする。
さらに、好ましくは、加算器、フィルタ回路、およびゲイン調整器は、1つの帰還系を構成し、出力補正部は複数の帰還系を備え、複数の帰還系は直列接続されることを特徴とする。
また、好ましくは、制御点において、騒音伝達系を介して伝達される騒音と、制御音響系から出力される制御音とが合成された信号を誤差信号として信号処理部に入力させ、信号処理部は、騒音源から出力される騒音を検出して、当該検出された信号を参照信号とし、誤差信号のレベルを最小にするように、参照信号と誤差信号とに基づいて、制御信号を生成することを特徴とする。
また、本発明の騒音制御装置は、騒音源から出力される騒音が騒音伝達系を介して伝達され、伝達された騒音を制御点において制御音と合成させて、当該騒音を低減する騒音制御装置であって、騒音源から出力される騒音を検出して、当該騒音に基づく制御信号を生成するFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、FIRフィルタから出力される制御信号に基づいて、騒音を打ち消す制御音を生成する制御音響系とを備え、FIRフィルタは、騒音源から騒音が出力されてから信号処理部および制御音響系を介して制御点に制御音が到達するまでの騒音制御処理時間τが、騒音源から騒音が出力されてから騒音伝達系を介して騒音が制御点に到達するまでの騒音伝達時間Tより大きくなる(τ>T)周波数帯域において、騒音伝達系を介して制御点に到達する騒音が有する騒音伝達特性と、制御音響系から出力される制御音が有する騒音制御伝達特性とが同一振幅かつ逆位相となるように、制御信号を補正する。つまり、FIRフィルタは、上述した信号処理部と出力補正部とを合わせた特性を近似した特性である。
上述のように、本発明によれば、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っていない周波数帯域における騒音増加を抑止しつつ、かつ、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っている周波数帯域においては騒音を低減させることが可能な騒音制御装置を実現することができる。
第1の実施形態に係る騒音制御装置の回路構成を示す図 図1に示した制御音響系400のHPF401の特性を示す図 図1に示した出力補正部500を動作させないときの制御点4での騒音低減効果を示す図 図1に示した出力補正部500のLPF501の特性を示す図 図1に示した出力補正部500(図4の特性)を動作させたときの制御点4での騒音低減効果を示す図 図1に示した出力補正部500と制御音響系400とを削除した騒音制御装置を示す図 図6に示した騒音制御装置の点X〜点Yの伝達特性を示す図 図1に示した出力補正部500を動作させなかった場合の点X〜点Yの伝達特性を示す図 図1に示した出力補正部500(図4の特性)を動作させた場合の点X〜点Yの伝達特性を示す図 図1に示した出力補正部500のLPF501の他の特性を示す図 図1に示した出力補正部500(図10の特性)を動作させたときの制御点4での騒音低減効果を示す図 図1に示した出力補正部500(図10の特性)を動作させた場合の点X〜点Yの伝達特性を示す図 図1に示したHPF401に共振周波数fc=1kHzの2次HPFを適用したときの騒音低減効果を示す図 図1に示した出力補正部500において、LPF501に共振周波数fc=600Hzの2次LPFを適用して正帰還させたときの騒音低減効果を示す図 図1に示したHPF401に共振周波数fc=10kHzの2次HPFを適用したときの騒音低減効果を示す図 図1に示した出力補正部500において、LPF501に共振周波数fc=6kHzの2次LPFを適用して正帰還させたときの騒音低減効果を示す図 制御音響系に実際のスピーカを用いた場合の騒音制御装置の全体構成を示す図 図17に示した騒音制御装置を信号処理ブロック図として模式的に示す図 図17および図18に示したエラーマイク4003における騒音低減効果を示す図 図17および図18に示したエラーマイク4004における騒音低減効果を示す図 図1に示した出力補正部500において、LPF501に共振周波数fc=60Hzの1次LPFを適用して負帰還させたときの騒音低減効果を示す図 図1に示した出力補正部500において、LPF501に共振周波数fc=600Hzの1次LPFを適用して負帰還したときの騒音低減効果を示す図 図1に示した出力補正部500において、LPF501に共振周波数fc=6kHzの1次LPFを適用して負帰還したときの騒音低減効果を示す図 図1の信号処理部300と出力補正部500との特性を合成し、当該合成された特性を係数としてFIRフィルタ600に設定した構成を示す図 図3に示した騒音低減効果を得る場合の信号処理部300の特性を示す図 図1に示した出力補正部500のLPF501の他の特性を示す図 図1に示した出力補正部500(図26の特性)を動作させたときの制御点4での騒音低減効果を示す図 図24に示したFIRフィルタ600の特性を示す図 図24に示したFIRフィルタ600(タップ数が長い場合)を動作させたときの制御点4での騒音低減効果を示す図 図24に示したFIRフィルタ600(タップ数が短い場合)を動作させたときの制御点4での騒音低減効果を示す図 第2の実施形態に係る騒音制御装置の回路構成を示す図 図31に示した出力補正部500のLPF501の特性を示す図 図31に示した出力補正部500(図4と図32の特性)を動作させたときの制御点4での騒音低減効果を示す図 図31に示した出力補正部500(図4と図32の特性)を動作させた場合の点X〜点Yの伝達特性を示す図 図31に示した出力補正部500のLPF501の他の特性を示す図 図31に示した出力補正部500(図10と図35の特性)を動作させたときの制御点4での騒音低減効果を示す図 図31に示した出力補正部500(図10と図35の特性)を動作させた場合の点X〜点Yの伝達特性を示す図 第3の実施形態に係る騒音制御装置の回路構成を示す図 図38に示した騒音制御装置の騒音低減効果を示す図 図38に示した騒音制御装置の適応フィルタ301の特性(係数)を示す図 図31に示した騒音制御装置の信号処理部300の特性(係数)を示す図 図38に示した騒音制御装置の点X〜点Yの伝達特性を示す図 FF制御の騒音制御装置の基本構成を示す図 適応FF制御を用いた場合の騒音制御装置の基本構成を示す図 FB制御の騒音制御装置の基本構成を示す図 図43あるいは図44における騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合う場合の信号処理部300の係数と制御点4での騒音低減効果を示す図 図43あるいは図44における騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合わない場合の信号処理部300の係数と制御点4での騒音低減効果を示す図 図43に示した騒音制御装置をアナログ混在の構成として再記述した図 図48に示したアナログLPF7〜8の特性を示す図 図48における騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合わない場合の信号処理部300の係数と制御点4での騒音低減効果を示す図 図48における騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合う場合の信号処理部300の係数と制御点4での騒音低減効果を示す図 スピーカ特性を示す図 図43に示した信号処理部300の出力にHPFを追加挿入した図 図53に示した1次HPF9〜10の振幅特性と群遅延特性とを示す図 図53における騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合わない場合の信号処理部300の係数と制御点4での騒音低減効果を示す図 図53における騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合う場合の信号処理部300の係数と制御点4での騒音低減効果を示す図 従来の騒音制御装置を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図1から図42を用いて説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る騒音制御装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る騒音制御装置の回路構成を示す図である。
図1において、騒音源1からの騒音信号が騒音伝達系200を経て、制御点4に到達する。同時に、信号処理部300が騒音源1からの騒音信号を処理し、出力補正部500は、信号処理部300によって処理された信号を処理する。そして、出力補正部500によって処理された信号は、制御音響系400を経て制御点4に到達し、騒音伝達系200からの騒音信号に加えられる。なお、騒音源1から騒音が出力されてから騒音伝達系200を介して制御点4に到達するまでの時間を騒音伝達時間Tとし、騒音源1から騒音が出力されてから、信号処理部300および制御音響系400を介して制御音が制御点4に到達する時間を騒音制御処理時間τとする。ここで、騒音伝達系200には−0.5の値を持つゲイン201が設定され、制御音響系400にはHPF401が設定されている。HPF401は、図2に示す特性を持つ、共振周波数fc=100Hzの2次HPFである。
まず、出力補正部500を動作させず、信号処理部300によって処理された信号がそのまま制御音響系400のHPF401へ入力される。信号処理部300には、出力補正部500を動作させない状態で、騒音伝達系200を経て制御点4に到達する騒音信号が低減されるように特性を設定している。ところで、騒音伝達系200はゲイン201のみで構成されているため、遅延は0である。一方、制御音響系400には図2に示す特性を有するHPF401の群遅延が存在するため、群遅延が大きくなっている低域では、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合わない。このため、制御点4での制御効果は図3のように周波数が低いほど騒音低減効果が少なくなり、60Hz以下では僅かではあるが騒音増加している。
次に、LPF501に図4に示す共振周波数fc=90Hzの2次LPFを適用し、ゲイン調整器503は、LPF501からの出力信号について適切なレベル調整を施す。ゲイン調整器503によってレベル調整された信号は、加算器502に入力され、帰還する。このように、出力補正部500は、FBを構成する。ここで、出力補正部500に構成されたFBは、ゲイン調整器503に−1.0などマイナスの値を設定すれば負帰還に、+1.0などプラスの値を設定すれば正帰還になる。この出力補正部500を正帰還とし
て動作させると図5に示す効果が得られる。図5を見ると、図3での60Hzの騒音増加が防止されているだけでなく騒音低減されており、かつ、200Hz以下での騒音低減効果も向上している。
この理由を以下で説明する。
図6は、図1に示した騒音制御装置の出力補正部500と制御音響系400とを削除した騒音制御装置を示す図である。図6において、信号処理部300と騒音伝達系200との遅延は等しいため、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っており、信号処理部300の特性は点X〜点Yの伝達特性と等しく、図7のようになる。図7から明らかに、点X〜点Yの伝達特性は騒音伝達系200の伝達特性と同一振幅かつ逆位相(つまり、+0.5のゲイン特性)となっている。
図8は、図1に示した騒音制御装置の出力補正部500を動作させなかった場合(=図3の効果)の点X〜点Yの伝達特性を示している。一方、図9は、図1に示した騒音制御装置の出力補正部500を動作させた場合(=図5の効果)の点X〜点Yの伝達特性を示している。図8(1)では、周波数が40Hz以下の低域において、振幅が下がっている。図8(2)では、周波数が200Hz以下の低域において、位相が0度からずれている。これに対して、図9(1)では、振幅は概して−6dBであり、図9(2)では、低域においても位相は0度付近に維持されている。このように、図9に示す特性は、図7に示す特性に近くなっている。つまり、図1に示した騒音制御装置のHPF401の群遅延で騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っていない低域が存在したとしても、図1に示した騒音制御装置は、出力補正部500を動作させることによって、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合う図6に示した騒音制御装置の制御に近い処理を実行できることになる。
別の例として、LPF501に図10に示す共振周波数fc=60Hzの1次LPFを適用した場合、図11に示す騒音低減効果が得られる。図11では、図3での60Hzの騒音増加が防止されているだけでなく騒音低減されており、かつ、2kHz以下での騒音低減効果も向上している。また、このときの図1に示した騒音制御装置の点X〜点Yの伝達特性は図12のようになる。図12(1)では、振幅は概して−6dBであり、図12(2)では、位相は0度付近に維持されている。
LPF501にどのような特性を有するLPFを適用するかは、状況に応じて選択すればよい。例えば、100Hz以下の低域を重視する場合、図5に示す効果が得られるfc=90Hzの2次LPFをLPF501に適用し、100Hz以上の中域を重視する場合、図11に示す効果が得られるfc=60Hzの1次LPFをLPF501に適用すればよい。大切なことは、このような特性を有するLPFをLPF501に適用した上で、図1に示した騒音制御装置の点X〜点Yの伝達特性が、騒音伝達系200の伝達特性と同一振幅かつ逆位相にできる限り等しくすることである。
次に、図1のHPF401の共振周波数を高域に設定した場合、図1に示した騒音制御装置は、上述した騒音低減効果が得られるような制御が可能かを検証する。図13は、HPF401に共振周波数fc=1kHzの2次HPFを適用したときの騒音低減効果を示している。80〜400Hzにおいて、騒音増加になっている。これに対して、図1のLPF501に共振周波数fc=600Hzの2次LPFを適用し、ゲイン調整器503に適切なプラスの値を設定して、出力補正部500に構成されたFBを正帰還としたときの騒音低減効果を図14に示す。図14に示すように、80〜400Hzにおいて、騒音増加が抑制され、さらに1kHz以下で騒音低減効果が向上している。同様に、図15は、HPF401に共振周波数fc=10kHzの2次HPFを適用したときの騒音低減効果
を示している。800〜4000Hzにおいて、騒音増加になっている。これに対して、図1のLPF501に共振周波数fc=6kHzの2次LPFを適用し、ゲイン調整器503に適切なプラスの値を設定して、出力補正部500に構成されたFBを正帰還したときの騒音低減効果を図16に示す。図16に示すように、800〜4000Hzにおいて、騒音増加が抑制され、さらに6kHz以下で騒音低減効果が向上している。
以上から、図1のHPF401の共振周波数が高域に設定した場合でも、つまり制御スピーカの共振周波数foが高域側になったとしても、図1に示した騒音制御装置は、上述した騒音増加を抑制する制御が可能であり、騒音低減効果も向上できることが分かる。
さて、図1に示した騒音制御装置について、制御音響系400にはHPF401を制御スピーカに見立てて説明してきたが、実際のスピーカを用いた場合の動作について以下説明する。
図17は、制御音響系に実際のスピーカを用いた場合の騒音制御装置の全体構成を示す図である。図17において、騒音制御装置は、複数の騒音源1001〜1004をそれぞれ対応する複数の騒音マイク2001〜2004で検出し、検出した騒音を騒音制御システム3000で処理する。そして、騒音制御装置は、騒音制御システム3000からの出力信号を複数のスピーカ4001〜4002で再生することによって、複数の制御点4003〜4004で騒音低減する。図18は、図17に示した騒音制御装置を図1のようにブロック図として模式的に示す図である。図18において、まず騒音制御システム3000は、出力補正部を動作させず(出力補正部の入力をそのまま出力する)に信号処理部を動作させて、騒音マイク2001〜2004で検出した騒音源1001〜1004からの騒音信号を信号処理する。信号処理された騒音信号はスピーカ4001〜4002で再生される。スピーカ4001〜4002から出力される騒音信号は、制御点であるエラーマイク4003〜4004において、未知系である騒音伝達系200を経て到達した騒音源1001〜1004からの騒音と干渉する。そして、当該打ち消された残りのエラー信号が騒音制御システム3000に入力する。騒音制御システム3000は、入力されたエラー信号を最小とするように信号処理部の特性(係数)を求める。これによって、制御点であるエラーマイク4003〜4004での騒音が低減される。
次に、騒音制御システム3000は、求めた係数を用いて信号処理部を固定係数フィルタとして動作させ、出力補正部を動作させる。この出力補正部は、例えば、図1の出力補正部500のような構成であって、出力補正部500におけるLPF501のフィルタ係数やゲイン調整器503のゲインなどのパラメータをこれまで説明してきたように適切な値に設定する。図19は、図17および図18に示したエラーマイク4003における騒音低減効果を示す図である。図19において、騒音制御しない場合の騒音特性「OFF」、出力補正部を動作させないで騒音制御した場合の騒音特性「ON(補正無)」、および出力補正部を動作させて騒音制御した場合の騒音特性「ON(補正有)」を示している。図19に示すように、騒音特性「ON(補正無)」は、騒音特性「OFF」に比べて、80Hz以下で5dB以上の騒音増加が認められる。一方、騒音特性「ON(補正有)」では、当該騒音増加が0〜5dB未満に抑制されている。同様に、図20は、図17および図18に示したエラーマイク4004における騒音低減効果を示す図である。図20に示すように、騒音特性「ON(補正無)」は、騒音特性「OFF」に比べて、70Hz以下で5dB以上の騒音増加が認められる。一方、騒音特性「ON(補正有)」では、当該騒音増加が0〜5dB未満に抑制されている。以上より、実際のスピーカを用いた場合でも本発明の騒音制御装置が有効であることが確認できた。
これまでは、図1のゲイン調整器503にプラスの値を設定する正帰還について説明してきたが、以下にマイナスの値を設定する負帰還について説明する。図1のHPF401
に共振周波数fc=100Hzの2次HPFを適用して出力補正部500を動作させない場合の騒音低減効果は図3であった。そこで、図1のLPF501に共振周波数fc=60Hzの1次LPFを適用して、ゲイン調整器503に適切なマイナスの値を設定して負帰還すると、その騒音低減効果は図21のようになる。図21では、図3と比較すると、60Hz以下の騒音増加は少なくなっているが、完全に無くなっているわけではない。また、100Hz以上でも騒音低減効果が劣化している。同様に、図1のHPF401に共振周波数fc=1kHzの2次HPFを適用し、LPF501に共振周波数fc=600Hzの1次LPFを適用して、ゲイン調整器503に適切なマイナスの値を設定して負帰還すると、その騒音低減効果は図22のようになる。図22では、図13と比較すると、400Hz以下の騒音増加は少なくなっているが、完全に無くなっているわけではない。また、600Hz以上でも騒音低減効果が劣化している。さらに、図1のHPF401に共振周波数fc=10kHzの2次HPFを適用し、LPF501に共振周波数fc=6kHzの1次LPFを適用して、ゲイン調整器503に適切なマイナスの値を設定して負帰還すると、その騒音低減効果は図23のようになる。図23では、図15と比較すると、2kHz以下の騒音増加は少なくなっているが、その量は僅かである。また、4kHz以上でも騒音低減効果が劣化している。
このように、出力補正部500を負帰還制御すると、一定の騒音増加抑制は得られるが、正帰還のように完全に騒音増加を抑えることはできない。しかし、正帰還では低域になるほどレベルが上昇する制御となるため、出力補正部500で低域オーバーフローの可能性がある。これに対して負帰還では、逆に低域になるほどレベルが下降する、あるいは一定レベル以上上昇しない制御となるため、出力補正部500の動作を安定させることができる。正帰還でも条件次第で出力補正部500の動作を安定させることは可能であるため、正帰還または負帰還のいずれの帰還を選ぶかは、適用先の環境、条件によって最もよい方に決めればよい。
次に、図1の信号処理部300と出力補正部500とを1つのフィルタに合成する場合について述べる。図24は、図1の信号処理部300と出力補正部500の特性を合成し、当該合成された特性を係数としてFIRフィルタ600に設定した構成を示す図である。
まず、図24に示したFIRフィルタ600を含む騒音制御装置の元となる図1に示した騒音制御装置において、出力補正部500を動作させずに制御した場合の騒音低減効果は図3のとおりであった。図3に示す騒音低減効果を得る場合、信号処理部300は、例えば2048タップのFIRフィルタで設計した場合、図25に示す特性を有することになる。ここで、図1の出力補正部500のLPF501に図26に示した特性を有する共振周波数fc=60Hzの2次LPFを適用する。図27は、図1に示した出力補正部500(図26の特性)を動作させたときの制御点での騒音低減効果を示す図である。
このように求めた図1の信号処理部300の特性と、出力補正部500の特性とを合わせて、図24のFIRフィルタ600に係数として近似する。図28は、図24に示したFIRフィルタ600の特性を示す図であり、FIRフィルタ600のタップ数は107571である。そして、図29は、図28に示した特性を有するFIRフィルタ600を含む騒音制御装置の騒音低減効果を示す図である。図29に示す騒音低減効果は、図27に示すものとほとんど等しいことが分かる。FIRフィルタ600のタップ数を107571と長くしたために図29に示すような騒音低減効果が得られているが、逆にFIRフィルタ600のタップ数を短くした場合、騒音低減効果は劣化する。図30は、FIRフィルタ600のタップ数を短くした場合の騒音低減効果を示す図である。図30において、出力補正部500の補正による効果向上が大きいほど、騒音低減効果の劣化が著しくなる。当該騒音低減効果の劣化の原因は、図1の出力補正部500が帰還系であるため無限
応答なのに比べて、図24のFIRフィルタ600は有限応答であることによる。
このように、図1の信号処理部300の特性と、出力補正部500の特性とを合成し、当該合成された特性を図24のFIRフィルタ600の係数としてまとめてしまうことは可能である。しかし、FIRフィルタ600のタップ数を長くする必要があるため、結局、図1の帰還系を用いた出力補正部500とする方が演算量を低減できる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る騒音制御装置によれば、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っていない周波数帯域における騒音増加を抑止しつつ、かつ、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っている周波数帯域においては騒音を低減させることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態で説明した騒音制御装置の出力補正部を複数の正帰還で構成する場合について述べる。図31は、第2の実施形態に係る騒音制御装置の回路構成を示す図である。
図31に示すように、出力補正部500は、LPF501、504と加算器502、505とゲイン調整器503、506とを用いて、2つの帰還部を直列構成する。ここで、LPF501には、図4に示す共振周波数fc=90Hzの2次LPFを適用し、LPF504には図32に示す共振周波数fc=10Hzの1次LPFを適用する。そして、ゲイン調整器503、506に適切なプラスの値を設定して正帰還させる構成とすると、そのときの騒音低減効果は図33のようになる。図33では、100Hz以上では図5と同等の騒音低減効果を維持しながら、70Hz以下では図5よりも騒音低減効果が向上している。図31に示す騒音制御装置の点X〜点Yの伝達特性は図34のようになる。図34において、振幅特性は図9と同等、位相特性は30Hz以下で図9よりもさらに0度に近づいている。つまり、出力補正部500に共振周波数fc=10Hzの1次LPFを直列に用いることにより、共振周波数fc=90Hzの2次LPFを単独で用いた図1、図5の場合よりも、さらに低域の騒音低減効果を向上させることができる。
図31におけるLPF501、503に他の特性を設定する例として、LPF501に図10に示す共振周波数fc=60Hzの1次LPFを適用し、LPF503に図35に示す共振周波数fc=30Hzの2次LPFを適用する。このときの騒音低減効果は図36のようになる。図36では、100Hz以上では図11と同等の騒音低減効果を維持しながら、100Hz以下では図11よりも騒音低減効果が大きく向上している。図31に示す騒音制御装置の点X〜点Yの伝達特性は図37のようになる。図37において、振幅特性は図12と同等、位相特性は40Hz以下で図12よりもさらに0度に近づいている。つまり、出力補正部500に共振周波数fc=30Hzの2次LPFを直列に用いることにより、共振周波数fc=60Hzの1次LPFを単独で用いた図1、図11の場合よりも、さらに低域の騒音低減効果を向上させることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、第2の実施形態で説明した騒音制御装置の信号処理部を適応フィルタとして動作させる場合について述べる。図38は、第3の実施形態に係る騒音制御装置の回路構成を示す図である。図38において、第3の実施形態に係る騒音制御装置は、信号処理部300において適応フィルタ301を含む構成としている。
図38において、適応フィルタ301は騒音源1からの騒音信号を信号処理し、制御信号として出力補正部500へ出力する。出力補正部500で補正された制御信号は制御音響系400を経て、制御点4に到達する。制御点4では、騒音源1から騒音伝達系200
を伝達してきた騒音と、制御音響系400からの制御音とが加算され、エラー信号として係数更新部303へ入力される。ところで、信号処理部300のFxフィルタ302の特性(係数)は、出力補正部500の特性と制御音響系400の特性とを合わせた特性に近似している。あるいは、Fxフィルタ302内に出力補正部500と同一の処理を構成し、制御音響系400の特性を近似したフィルタを直列に接続するようにしてもよい。そして、係数更新部303は、このFxフィルタ302の出力信号と制御点4からのエラー信号とに基づいて、エラー信号が最小になるように適応フィルタ301の係数を更新する。これによって、制御点4での騒音が低減することになる。図39は、図38に示した騒音制御装置の騒音低減効果を示す図である。ここで、出力補正部500のLPF501には図10に示す共振周波数fc=60Hzの1次LPFを適用し、LPF503には図35に示す共振周波数fc=30Hzの2次LPFを適用する。図39と図36とを比べると、図39では騒音低減効果が大きく向上している。
ここで、図40は、図38に示した騒音制御装置の適応フィルタ301の特性(係数)を示す図である。図40に示す特性を有する適応フィルタ301を用いることによって、図38に示した騒音制御装置は、図39で示した騒音低減効果を奏している。図41は、図31に示した騒音制御装置の信号処理部300の特性(係数)を示す図である。図41に示す特性を有する信号処理部300を用いることによって、図31に示した騒音制御装置は、図34で示した騒音低減効果を奏している。図40と図41とを比較すると、図40の方が滑らかな特性になっていることが分かる。
また、図38に示す騒音制御装置において図39で示した騒音低減効果を得ている場合、当該騒音制御装置の点X〜点Yの伝達特性は図42のようになる。図31に示す騒音制御装置において図36で示した騒音低減効果を得ている場合、当該騒音制御装置の点X〜点Yの伝達特性は図37のようになる。図42に示す特性は、明らかに図7に示す特性とほとんど一致する特性となっている。これに対して、図37に示す特性は、振幅特性および位相特性共に、図7に示すの特性と比べて微小な誤差が発生している。当該誤差が図36に示す騒音低減効果に影響している。
このように、図38に示したように、騒音制御装置の信号処理部300を適応フィルタ301で構成し、出力補正部500を動作させた状態で、適応フィルタ301の係数を求めるように適応処理を実行すると、全周波数帯域で高精度な制御係数を求めることができる。従って、図38に示した騒音制御装置によれば、低域から高域まで騒音低減効果を向上させることができる。当然、本発明の第3の実施形態に係る騒音制御装置によれば、本発明の第1の実施形態に係る騒音制御装置と同様に、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っていない周波数帯域があっても、騒音増加を抑制しつつ、かつ、さらに騒音を低減させることができる。
本発明に係る騒音制御装置は、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っていない周波数帯域における騒音増加を抑止しつつ、かつ、騒音制御処理が騒音伝達時間内に間に合っている周波数帯域においては騒音を低減させることが可能であり、掃除機や冷蔵庫、エアコンなどの家電製品や、自動車や航空機などの交通機関、工場などの産業機器など、騒音を低減させたいあらゆる分野に広く適用される。
1,101,1001,1002,1003,1004 騒音源
4 制御点
5,115,117 ADコンバータ
6,116 DAコンバータ
7,8 アナログLPF
9,10 1次HPF
102 容器
103 騒音検出マイク
104 消音誤差検出マイク
105 消音用スピーカ
106,110,600 FIRフィルタ
107,109 デジタルフィルタ
108,111 係数制御部
112,113,114 アンプ
200 騒音伝達系
201 ゲイン
300 信号処理部
301 適応フィルタ
302 Fxフィルタ
303 係数更新部
400 制御音響系
401 HPF
500 出力補正部
501,504 LPF
502,505 加算器
503,506 ゲイン調整器
2001,2002,2003,2004 騒音マイク
3000 騒音制御システム
4001,4002 スピーカ
4003,4004 エラーマイク

Claims (4)

  1. 騒音源から出力される騒音が騒音伝達系を介して伝達され、前記伝達された騒音を制御点において制御音と合成させて、当該騒音を低減する騒音制御装置であって、
    前記騒音源から出力される騒音を検出して、当該騒音に基づく制御信号を生成する信号処理部と、
    前記信号処理部から出力される制御信号に基づいて、前記騒音を打ち消す制御音を生成する制御音響系と、
    前記騒音源から騒音が出力されてから前記信号処理部および前記制御音響系を介して前記制御点に前記制御音が到達するまでの騒音制御処理時間τが、前記騒音源から騒音が出力されてから前記騒音伝達系を介して前記制御点に前記騒音が到達するまでの騒音伝達時間Tより大きくなる(τ>T)周波数帯域において、前記信号処理部から出力される制御信号を補正する出力補正部とを備え
    前記出力補正部は、
    前記信号処理部から出力された制御信号が入力される加算器と、
    前記加算器から出力される信号のうち、前記周波数帯域における信号を抽出するフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路によって抽出された信号をレベル調整するゲイン調整器とを備え、
    前記騒音伝達系を介して前記制御点に到達する騒音が有する騒音伝達特性と、前記制御音響系から出力される制御音が有する騒音制御伝達特性とが、同一振幅かつ逆位相となるように、前記信号処理部から出力される制御信号を補正し、
    前記信号処理部から出力される制御信号に、前記ゲイン調整器によってレベル調整された信号を、前記加算器によって加算して、当該加算した制御信号を前記制御音響系に出力することを特徴とする、騒音制御装置。
  2. 前記加算器、前記フィルタ回路、および前記ゲイン調整器は、1つの帰還系を構成し、
    前記出力補正部は複数の前記帰還系を備え、前記複数の帰還系は直列接続されることを特徴とする、請求項に記載の騒音制御装置。
  3. 前記制御点において、前記騒音伝達系を介して伝達される騒音と、前記制御音響系から出力される制御音とが合成された信号を誤差信号として前記信号処理部に入力させ、
    前記信号処理部は、
    前記騒音源から出力される騒音を検出して、当該検出された信号を参照信号とし、
    前記誤差信号のレベルを最小にするように、前記参照信号と誤差信号とに基づいて、前記制御信号を生成することを特徴とする、請求項1記載の騒音制御装置。
  4. 騒音源から出力される騒音が騒音伝達系を介して伝達され、前記伝達された騒音を制御点において制御音と合成させて、当該騒音を低減する騒音制御装置であって、
    前記騒音源から出力される騒音を検出して、当該騒音に係数処理を施すことで制御信号を生成するFIR(Finite Impulse Response)フィルタと、
    前記FIRフィルタから出力される制御信号に基づいて、前記騒音を打ち消す制御音を生成する制御音響系とを備え、
    前記FIRフィルタは、前記騒音源から騒音が出力されてから前記FIRフィルタおよび前記制御音響系を介して前記制御点に前記制御音が到達するまでの騒音制御処理時間τが、前記騒音源から騒音が出力されてから前記騒音伝達系を介して前記制御点に前記騒音が到達するまでの騒音伝達時間Tより大きくなる(τ>T)周波数帯域において、前記騒音伝達系を介して前記制御点に到達する騒音が有する騒音伝達特性と、前記制御音響系から出力される制御音が有する騒音制御伝達特性とが同一振幅かつ逆位相となるように係数を設定することで、前記制御信号を補正するフィルタであり、
    前記FIRフィルタから出力される制御信号が、
    前記騒音源から出力される騒音を検出して当該騒音に基づく制御信号を生成する信号処理部と、当該信号処理部から出力された制御信号が入力される加算器と、当該加算器から出力される信号のうち前記周波数帯域における信号を抽出するフィルタ回路と、当該フィルタ回路によって抽出された信号をレベル調整するゲイン調整器とで構成され、前記騒音伝達特性と前記騒音制御伝達特性とが同一振幅かつ逆位相となるように、前記信号処理部から出力される制御信号を補正し、前記信号処理部から出力される制御信号に前記ゲイン調整器によってレベル調整された信号を前記加算器によって加算して、当該加算された制御信号を前記制御音響系に出力する、制御信号設定装置によって設定された制御信号と同等になるように、
    前記係数が算出されることを特徴とする、騒音制御装置。
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