JP5438488B2 - 無線アクセスポイント装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線アクセスポイント装置に関する。
従来、無線通信網の無線アクセスポイントにおけるアクセス制御技術として、例えば特許文献1、2に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の従来技術では、広く一般に無線アクセスポイントを開放することを目的として、無線アクセスポイントで端末の認証を行った結果、認証を失敗した端末に対して所定の接続条件を満たせば接続を許可している。特許文献2に記載の従来技術では、利用者の認証結果に従って該利用者所有の基地局を通信事業者所有の基地局に接続することの可否を決定している。
特開2004−289723号公報 特開2002−359881号公報
しかし、上述した従来技術では、無線アクセスポイントにおいて、利用者ごとに個別のルーティングを行うことが考慮されていないために、通信経路の自由度が制限される。例えば、公衆網の無線アクセスポイントと該公衆網内の中継ノードとの間にGRE(Generic Routing Encapsulation)トンネルが設定されている場合を考える。この場合、端末が送信したパケットは、全て、無線アクセスポイントからGREトンネル経由で中継ノードに転送されることとなり、通信経路の自由度は制限される。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、無線アクセスポイントにおける通信経路の自由度を向上させることのできる無線アクセスポイント装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る無線アクセスポイント装置は、無線通信網の無線アクセスポイント装置において、前記無線通信網の基地局との間で無線接続しデータを送受信する端末部と、無線端末との間で無線接続しデータを送受信する基地局部と、前記基地局部と前記端末部とローカルネットワークとを接続し、通信データを交換するスイッチと、前記無線端末の通信データに含まれるアドレスに基づいて通信経路を決定するルーティング部と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る無線アクセスポイント装置においては、登録済みの無線端末に対して無線接続時に割り当てられた無線接続識別子を記録する無線接続識別子格納部を備え、前記ルーティング部は、前記無線接続識別子の記録に基づいて、前記ローカルネットワークとの間の通信経路の使用可否を判定することを特徴とする。
本発明に係る無線アクセスポイント装置においては、グローバルIPアドレスと前記登録済みの無線端末に割り当てられた前記ローカルネットワーク上のプライベートIPアドレスとを相互変換するアドレス変換部を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、無線アクセスポイントにおける通信経路の自由度を向上させることができるという効果が得られる。
本発明の第1実施形態に係る無線通信網の概略構成図である。 図1に示す無線アクセスポイント装置1の基地局部2の構成を示すブロック図である。 図1に示す無線アクセスポイント装置1の端末部4の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る同期・初期レンジング手順を示すシーケンスチャートである。 登録端末5aの登録時点の登録端末CID管理表60の構成例である。 マネジメントCIDの登録時点の登録端末CID管理表60の構成例である。 本発明の第1実施形態に係る通信ネゴシエーション手順を示すシーケンスチャートである。 トランスポートCIDの登録時点の登録端末CID管理表60の構成例である。 本発明の第1実施形態に係るIP接続設定手順を示すシーケンスチャートである。 本発明の第1実施形態に係るIPパケットのルーティング手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るルーティングテーブル80の概念図である。 登録端末IPアドレス管理表70の構成例である。 本発明の第1実施形態に係るIPパケットの転送処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るIP接続設定手順を示すシーケンスチャートである。 本発明の第2実施形態に係るIPパケットのルーティング手順を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る無線通信網の概略構成図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る無線通信網の概略構成図である。図1において、無線アクセスポイント装置1は、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)準拠の公衆網(WiMAX公衆網)100の無線アクセスポイントを提供する。無線アクセスポイント装置1は、基地局部2とスイッチ3と端末部4を有する。基地局部2は、アンテナ20を有し、アンテナ20を介してWiMAX準拠の端末(WiMAX端末)5a、5bとの間で電波を送受信することにより、WiMAX端末5a、5bと無線接続する。端末部4は、アンテナ40を有し、アンテナ40を介してWiMAX公衆網100のマクロ基地局(マクロBS)110との間で電波を送受信することにより、マクロBS110と無線接続する。基地局部2とWiMAX公衆網100内の中継ノードとの間には、GREトンネル120が設定されている。
スイッチ3は、基地局部2と端末部4の間に設けられ、基地局部2と端末部4に加えて、ある会社の社内LAN300が接続されている。スイッチ3は、基地局部2と端末部4と社内LAN300との間でレイヤ2フレームの交換を行う。
第1実施形態では、無線アクセスポイント装置1に登録済みのWiMAX端末(以下、登録端末と称する)5aについては、無線アクセスポイント装置1から社内LAN300への接続を許可する。従って、登録端末5aは、無線アクセスポイント装置1から直接、社内LAN300上のローカルサーバ310にアクセスすることができる。一方、無線アクセスポイント装置1に非登録のWiMAX端末(以下、非登録端末と称する)5bについては、無線アクセスポイント装置1から社内LAN300への接続を許可しない。従って、非登録端末5bは、社内LAN300上のローカルサーバ310にアクセスすることができない。
又、インターネット200へは、登録端末5a及び非登録端末5bの両方ともに、無線アクセスポイント装置1からGREトンネル120経由で接続することができる。従って、登録端末5a及び非登録端末5bは、無線アクセスポイント装置1を介してインターネット200上のサーバ210にアクセスすることができる。
なお、以下の説明において、登録端末5aと非登録端末5bを特に区別しないときは「端末5」と称する。
図2は、図1に示す無線アクセスポイント装置1の基地局部2の構成を示すブロック図である。図2において、基地局部2は、アンテナ20と無線部21と無線制御部22とルータ部23とメモリ部24とネットワーク制御部25とを有する。
無線部21は、アンテナ20を介して端末5との間で電波を送受信することにより、端末5と無線接続し無線フレームデータを送受する。無線制御部22は、無線接続識別子抽出部26と無線接続識別子設定部27を有する。無線接続識別子抽出部26は、上り方向(端末5から基地局部2への方向)の受信した無線フレームデータから、無線接続識別子(CID:Connection Identifier)を抽出する。無線接続識別子設定部27は、下り方向(基地局部2から端末5への方向)の送信する無線フレームデータに、CIDを設定する。
ルータ部23は、利用者端末認証部28とIP(Internet Protocol)アドレス割当部29とルーティング部30とIPマスカレード部31とGRE処理部37を有する。利用者端末認証部28は、端末5の認証を行うことにより、登録端末5a及び非登録端末5bの判定を行う。IPアドレス割当部29は、登録端末5aに対する社内LAN300上のプライベートIPアドレスの割当を行う。
ルーティング部30は、上り方向の無線フレームデータにより端末5から受信したIPパケットのルーティングを行う。又、ルータ部23は、スイッチ3からネットワーク制御部25を介して入力されたIPパケットのルーティングを行う。IPマスカレード部31は、社内LAN300上のプライベートIPアドレスと登録端末5aに割り当てられたグローバルIPアドレスとの相互変換を行う。GRE処理部37は、WiMAX公衆網100へ伝送するパケットのカプセル化を行う。
メモリ部24は、認証情報格納部32と無線接続識別子格納部33とIPアドレス格納部34とIPアドレス変換情報格納部35とキュー格納部36を有する。認証情報格納部32は、登録端末5aの認証情報を格納する。無線接続識別子格納部33は、登録端末5aのCIDを格納する。IPアドレス格納部34は、利用可能なプライベートIPアドレスの情報を格納する。IPアドレス変換情報格納部35は、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとの相互変換の情報を格納する。キュー格納部36は、IPパケットを一時的に格納する。
ネットワーク制御部25は、ルータ部23から入力されるIPパケットをレイヤ2フレームに乗せてスイッチ3に出力し、又、スイッチ3から入力されるレイヤ2フレーム内のIPパケットをルータ部23に出力する。
図3は、図1に示す無線アクセスポイント装置1の端末部4の構成を示すブロック図である。図3において、端末部4は、アンテナ40と無線部41と無線制御部42とベースバンド制御部43とメモリ部44とネットワーク制御部45とを有する。
無線部41は、アンテナ40を介してマクロBS110との間で電波を送受信することにより、マクロBS110と無線接続し無線フレームデータを送受する。無線制御部42は、マクロBS110との間の無線通信を制御する。ベースバンド制御部43は、認証処理部46とパケット処理部47を有する。認証処理部46は、WiMAX公衆網100における端末5の認証を行う。パケット処理部47は、マクロBS110との間でIPパケットを送受する。
メモリ部44は、キュー格納部48を有する。キュー格納部48は、IPパケットを一時的に格納する。ネットワーク制御部45は、ベースバンド制御部43から入力されるIPパケットをレイヤ2フレームに乗せてスイッチ3に出力し、又、スイッチ3から入力されるレイヤ2フレーム内のIPパケットをベースバンド制御部43に出力する。
次に、第1実施形態に係る無線アクセスポイント装置1の動作を説明する。
まず、図4を参照して、登録端末5aのマネジメントCID(Connection Identifier)の登録に係る動作を説明する。図4は、第1実施形態に係る同期・初期レンジング手順を示すシーケンスチャートである。
登録端末5aは、事前に、無線アクセスポイント装置1に登録される。図5は、登録端末5aの登録時点の登録端末CID管理表60の構成例である。登録端末CID管理表60は、基地局部2においてメモリ部24内の無線接続識別子格納部33に記憶される。登録端末5aの登録時点では、登録端末5aのMAC(Media Access Control)アドレスが登録端末CID管理表60に記録される。
図4において、無線アクセスポイント装置1内の基地局部2は、端末5に対し、無線フレーム毎にDL−MAP(Downlink Map)及びUL−MAP(Uplink Map)を送信する(ステップS1)。端末5は、DL−MAP及びUL−MAPからバーストの割り当て情報を取得し、DCD(Downlink Channel Descriptor)及びUCD(Uplink Channel Descriptor)の情報を取得する(ステップS2)。次いで、端末5は、UCDメッセージに含まれる情報に基づき、初期レンジング・コードを送信する(ステップS3)。
端末5は、初期レンジング・コード送信後、その応答として基地局部2からRNG−RSP(Ranging Response:レンジング応答)メッセージを受信する(ステップS4)。次いで、端末5は、UL−MAPに含まれる「CDMA Allocation IE(Information Element:情報要素)」で割り当てられる上りのリソースを用いて、初期RNG−REQ(Ranging Request:レンジング要求)メッセージを送信する(ステップS5、S6)。初期RNG−REQメッセージは、端末5の固有の識別子であるMACアドレスを含む。
基地局部2は、初期RNG−REQメッセージを受信すると、当該端末5にマネジメントCIDを割り当てし、初期RNG−REQメッセージの応答として、その割り当てたマネジメントCIDを含むRNG−RSPメッセージを送信する(ステップS7)。マネジメントCIDは、制御チャネル用に当該基地局部2で一意に識別されるものであって、ベーシックCID及びプライマリCIDの2種類があり、用途により使い分けされる。
基地局部2は、端末5にマネジメントCIDを割り当てたときに、登録端末CID管理表60を参照し、該端末5のMACアドレスが登録端末CID管理表60に記録されているかを確認する。基地局部2は、その確認の結果、マネジメントCIDを割り当てた端末5のMACアドレスが登録端末CID管理表60に記録されている場合に、該端末5に割り当てたマネジメントCIDを該端末5のMACアドレスに関連付けて登録端末CID管理表60に記録する。このマネジメントCIDの登録時点の登録端末CID管理表60が図6に示される。図6において、登録端末CID管理表60には、登録端末5a毎に、MACアドレスに関連付けてCID及びCID種別(マネジメントCIDは「M」の表記)が記録される。
次いで、端末5がSBC−REQ(Subscriber Station’s Basic Capability-Request:端末機能の登録要求)メッセージを送信し(ステップS8)、基地局部2がその応答としてSBC−RSP(Subscriber Station’s Basic Capability Negotiation Response:端末機能の通知に対する応答)メッセージを送信する(ステップS9)。
次に、図7を参照して、登録端末5aのトランスポートCIDの登録に係る動作を説明する。図7は、第1実施形態に係る通信ネゴシエーション手順を示すシーケンスチャートである。
図7において、端末5は、基本能力ネゴシエーション及び認証・鍵配信の後、レジストレーション(登録)としてREG−REQ(Registration Request:登録要求)メッセージを基地局部2へ送信する(ステップS21)。基地局部2は、REG−REQメッセージを受信すると、当該端末5との運用モード(主にMACレベルの機能の情報)を決定し、REG−RSP(Registration Response:登録応答)メッセージを送信する(ステップS22)。
基地局部2と端末5は、レジストレーションの完了後に、IPアドレス割り当て等の上位レイヤ制御メッセージを伝達するためのデフォルト・トランスポート・コネクションを設定する。次いで、基地局部2と端末5は、DSA(Dynamic Service Addition:動的なサービスの追加)−REQ/RSP/ACKメッセージをやり取りし、端末5に対するトランスポートCIDの割り当てを行う(ステップS23、S24、S25)。トランスポートCIDは、通信チャネル用に当該基地局部2で一意に識別されるものである。
基地局部2は、端末5にトランスポートCIDを割り当てたときに、登録端末CID管理表60を参照し、通信に使用されたマネジメントCIDに基づいて、該端末5のMACアドレスが登録端末CID管理表60に記録されているかを確認する。基地局部2は、その確認の結果、トランスポートCIDを割り当てた端末5のMACアドレスが登録端末CID管理表60に記録されている場合に、該端末5に割り当てたトランスポートCIDを該端末5のMACアドレスに関連付けて登録端末CID管理表60に記録する。このトランスポートCIDの登録時点の登録端末CID管理表60が図8に示される。図8において、登録端末CID管理表60には、登録端末5a毎に、MACアドレスに関連付けてCID及びCID種別(トランスポートCIDは「T」の表記)が記録される。
上記図4及び図7の手順によって、登録端末5aのマネジメントCID及びトランスポートCIDがMACアドレスに関連付けて登録端末CID管理表60に記録される。なお、非登録端末5bには図4及び図7の手順によってマネジメントCID及びトランスポートCIDが割り当てられるが、非登録端末5bのマネジメントCID及びトランスポートCIDは登録端末CID管理表60に記録されない。
次に、図9を参照して、端末5のIPアドレスの設定に係る動作を説明する。図9は、第1実施形態に係るIP接続設定手順を示すシーケンスチャートである。第1実施形態では、コアネットワークが割り当てるグローバルIPアドレスを端末5に設定し、端末5はグローバルIPアドレスを使用してIPパケット通信を行う。
図9において、端末5がDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバを探すためにDHCPディスカバー(探索)・メッセージを中継用ASN−GW(Access Service Network Gateway)へ送信し(ステップS31)、無線アクセスポイント装置1の基地局部2が端末5からのDHCPディスカバー・メッセージをGREトンネル120経由で中継用ASN−GWへ送信する(ステップS32)。
中継用ASN−GWは、そのDHCPディスカバー・メッセージを受信すると、CSN(Connectivity Service Network)内のHA(Home Agent)へ「PMIP(Proxy Mobile IP) REG−REQメッセージ」を送信する(ステップS33)。HAは、その「PMIP(Proxy Mobile IP) REG−REQメッセージ」を受信すると、端末5に割り当てるグローバルIPアドレスの情報を「PMIP REG−RSPメッセージ」で中継用ASN−GWへ送信する(ステップS34)。
中継用ASN−GWは、その「PMIP REG−RSPメッセージ」を受信すると、端末5への応答としてDHCPオファー(提供)・メッセージをGREトンネル120経由で無線アクセスポイント装置1の基地局部2へ送信し(ステップS35)、無線アクセスポイント装置1の基地局部2が中継用ASN−GWからのDHCPオファー・メッセージを端末5へ送信する(ステップS36)。
端末5は、そのDHCPオファー・メッセージを受信すると、IPアドレスの割り当てを要求するDHCPリクエスト・メッセージをDHCPサーバ(ここでは、中継用ASN−GWがDHCPサーバである)へ送信し(ステップS37)、無線アクセスポイント装置1の基地局部2が端末5からのDHCPリクエスト・メッセージをGREトンネル120経由でDHCPサーバ(中継用ASN−GW)へ送信する(ステップS38)。
DHCPサーバ(中継用ASN−GW)は、そのDHCPリクエスト・メッセージを受信すると、端末5に割り当てるグローバルIPアドレスの情報を含む「DHCP ACKメッセージ」をGREトンネル120経由で無線アクセスポイント装置1の基地局部2へ送信し(ステップS39)、無線アクセスポイント装置1の基地局部2がDHCPサーバ(中継用ASN−GW)からの「DHCP ACKメッセージ」を端末5へ送信する(ステップS40)。端末5は、その「DHCP ACKメッセージ」に含まれるグローバルIPアドレスの情報を用いて、グローバルIPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイ及びDNSサーバ・アドレスを設定する。
次に、図10を参照して、端末5のIPパケットのルーティングに係る動作を説明する。図10は、第1実施形態に係るIPパケットのルーティング手順を示すフローチャートである。
無線アクセスポイント装置1の基地局部2は、端末5からの上り方向の無線フレームデータを受信すると、図10の処理を開始する。図10において、まず、ステップS101では、基地局部2が、受信した無線フレームデータに含まれるCIDの種別を判定する。このCID種別の判定の結果、トランスポートCID(TCID)である場合には(ステップS102、YES)、ステップS103に進む。一方、トランスポートCID(TCID)ではない(マネジメントCIDである)場合には(ステップS102、NO)、ステップS110に進む。
ステップS103では、基地局部2が、登録端末CID管理表60を参照し、該トランスポートCIDが登録端末CID管理表60に記録されているかを確認する。この確認の結果、トランスポートCIDが登録端末CID管理表60に記録されている場合には(ステップS104、YES)、ステップS105に進む。一方、トランスポートCIDが登録端末CID管理表60に記録されていない場合には(ステップS104、NO)、ステップS110に進む。
ステップS105では、基地局部2が、事前に設定されているルーティングテーブル80(図11参照)に従って、無線フレームデータに含まれるIPパケット(ルーティング対象パケット)のルーティング先を判定する。図11は、第1実施形態に係るルーティングテーブル80の概念図である。図11に示されるように、第1実施形態では、IPパケットの宛先がローカルネットワーク内である場合には、ルーティング先は社内LAN300であり、IPパケットの宛先がローカルネットワーク外である場合には、ルーティング先はWiMAX公衆網100である。ステップS106では、ルーティング先の判定の結果、ルーティング先が社内LAN300である場合にはステップS107に進み、ルーティング先がWiMAX公衆網100である場合にはステップS110に進む。
ステップS107では、基地局部2が、登録端末IPアドレス管理表70(図12参照)に、トランスポートCIDとルーティング対象パケットの送信元アドレス(登録端末5aのIPアドレス)とルーティング対象パケットのトランスポート番号とを記録する。図12において、登録端末IPアドレス管理表70には、トランスポートCIDと登録端末5aのIPアドレスとトランスポート番号とが関連付けて記録される。
次いで、ステップS108では、基地局部2が、IPマスカレード処理により、ルーティング対象パケットの送信元IPアドレス(グローバルIPアドレス)を、社内LAN300上のプライベートIPアドレスに変更する。次いで、ステップS109では、基地局部2が、送信元IPアドレス変更後のルーティング対象パケットを、社内LAN300へルーティング処理する。なお、社内LAN300が無線アクセスポイント装置1と同一セグメントである場合は、ルーティング処理ではなくブリッジング処理を行う。
ステップS110では、ルーティング対象パケットをGREカプセル化してGREトンネル120経由でWiMAX公衆網100へ送信する。
これにより、登録端末5aからの通信チャネル(トランスポートCID)のIPパケットは、WiMAX公衆網100又は社内LAN300へ、任意に伝送させることができる。一方、非登録端末5bからの通信チャネル(トランスポートCID)のIPパケットは、一律にWiMAX公衆網100へ伝送させることができる。なお、制御チャネル(マネジメントCID)のIPパケットは、登録の有無に関係なく、全端末5について一律にWiMAX公衆網100へ伝送させることができる。
次に、図13を参照して、ローカルネットワーク(社内LAN300)から受信したIPパケットの転送処理を説明する。図13は、第1実施形態に係るIPパケットの転送処理手順を示すフローチャートである。
無線アクセスポイント装置1の基地局部2は、社内LAN300からのIPパケットを受信すると、図13の処理を開始する。図13において、まず、ステップS150では、基地局部2が、受信したIPパケットの宛先アドレス及びトランスポート番号に基づいて、登録端末IPアドレス管理表70から、該宛先アドレス及びトランスポート番号に関連付けて記録されるトランスポートCIDを取得する。この結果、トランスポートCIDの取得に成功した場合には(ステップS151、YES)、ステップS152に進む。ステップS152では、基地局部2が、取得したトランスポートCIDを用いて、社内LAN300からのIPパケットを無線送信する。
一方、該宛先アドレス及びトランスポート番号に関連付けて記録されるトランスポートCIDが存在せず、トランスポートCIDの取得に失敗した場合には(ステップS151、NO)、ステップS153に進む。ステップS153では、基地局部2が、社内LAN300からのIPパケットを廃棄する。
上述した第1実施形態によれば、無線アクセスポイント装置1にルータ部23を設けることにより、登録端末5aからの通信チャネルのIPパケットは、WiMAX公衆網100又は社内LAN300へ、任意に伝送させることができる。これにより、無線アクセスポイントにおける通信経路の自由度を向上させることができるという効果が得られる。
従来、図1のような無線通信網において、端末5が社内LAN300にアクセスする場合には、GREトンネルを用いたWiMAX公衆網100経由になっていたが、本実施形態によれば、無線アクセスポイント装置1から直接に社内LAN300にアクセスすることができる。これにより、社内LAN300への高速アクセスを実現することができると共に、WiMAX公衆網100へのトラヒック負荷の軽減及び無線リソースの節約を図ることができる。さらに、無線アクセスポイント装置1とマクロBS110との間の無線品質が、社内LAN300へのアクセス時における通信品質のボトルネックとなることを回避することができ、ローカルネットワークである社内LAN300への通信の信頼性向上に寄与することができる。
又、登録端末5aに対して無線接続時に割り当てられた無線接続識別子(CID)を記録し、この記録に基づいて社内LAN300との間の通信経路の使用可否を判定することにより、確かに登録端末5aのみに社内LAN300との間の通信経路の使用を許可することができる。これにより、ローカルネットワークである社内LAN300へのアクセスに係るセキュリティ強化を図ることが可能になる。例えば、IPアドレスの不正使用によって登録端末5aになりすますことを防止することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、登録端末5aに対し、コアネットワークが割り当てるグローバルIPアドレスを無線アクセスポイント装置1でプライベートIPアドレスに相互変換し、登録端末5aはプライベートIPアドレスを使用してIPパケット通信を行う。第2実施形態に係る無線通信網及び無線アクセスポイント装置1は、図1と同様の構成である。又、無線アクセスポイント装置1内の基地局部2及び端末部4は、図2及び図3と同様の構成である。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
図14を参照して、第2実施形態に係る端末5のIPアドレスの設定に係る動作を説明する。図14は、第2実施形態に係るIP接続設定手順を示すシーケンスチャートである。この図14において、上述した第1実施形態に係る図9のIP接続設定手順に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図14において、アクセスポイント装置1の基地局部2は、端末5からのDHCPリクエスト・メッセージを受信すると(ステップS37)、該DHCPリクエスト・メッセージを含む無線フレームデータに含まれるトランスポートCID(TCID)を取得し、該トランスポートCIDが登録端末CID管理表60(図8参照)に記録されているかを確認する(ステップS50)。基地局部2は、その確認の結果、トランスポートCIDが登録端末CID管理表60に記録されている場合には、当該DHCPリクエスト・メッセージの送信元が登録端末5aであることを記録する。
基地局部2は、その記録したDHCPリクエスト・メッセージに対する応答の「DHCP ACKメッセージ」をDHCPサーバ(中継用ASN−GW)から受信すると(ステップS39)、該「DHCP ACKメッセージ」に含まれるグローバルIPアドレスの情報(グローバルIPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイ及びDNSサーバ・アドレス)を、プライベートIPアドレスの情報(プライベートIPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイ及びDNSサーバ・アドレス)に変更する(ステップS51)。プライベートIPアドレスの情報は、IPアドレス格納部34から取得する。基地局部2は、変更したグローバルIPアドレスの情報とプライベートIPアドレスの情報との組を、IPアドレス変換情報格納部35に格納する。
基地局部2は、変更後の「DHCP ACKメッセージ」を端末5へ送信する(ステップS40)。端末5は、その「DHCP ACKメッセージ」に含まれるプライベートIPアドレスの情報を用いて、プライベートIPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイ及びDNSサーバ・アドレスを設定する。
なお、ステップS37で受信したDHCPリクエスト・メッセージを含む無線フレームデータに含まれるトランスポートCIDが登録端末CID管理表60に記録されていない場合、当該DHCPリクエスト・メッセージの送信元は非登録端末5bである。この場合には、ステップS39で受信した「DHCP ACKメッセージ」(グローバルIPアドレスの情報)をそのまま非登録端末5bへ送信する。
次に、図15を参照して、第2実施形態に係る端末5のIPパケットのルーティングに係る動作を説明する。図15は、第2実施形態に係るIPパケットのルーティング手順を示すフローチャートである。この図15において、上述した第1実施形態に係る図10のルーティング手順に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
ステップS106のルーティング先の判定の結果、ルーティング先が社内LAN300である場合には、ステップS107で登録端末IPアドレス管理表70にトランスポートCIDとルーティング対象パケットの送信元アドレス(登録端末5aのIPアドレス)とルーティング対象パケットのトランスポート番号とを記録する。次いで、ステップS109で基地局部2が、ルーティング対象パケットを社内LAN300へルーティング処理する。第2実施形態では、登録端末5aはプライベートIPアドレスを使用してIPパケット通信を行うので、IPマスカレード処理は不要であり、登録端末5aからのIPパケットをそのまま社内LAN300へルーティング処理する。
ステップS101のCID種別の判定の結果がトランスポートCIDではない(マネジメントCIDである)場合(ステップS102、NO)、ステップS103のトランスポートCIDの登録確認の結果が登録端末CID管理表60に記録されていない(非登録端末5bである)場合(ステップS104、NO)、及び、ステップS106のルーティング先の判定の結果がWiMAX公衆網100である場合には、ステップS201に進む。
ステップS201では、基地局部2が、登録端末5aに係るIPアドレス変換処理を行う。これは、登録端末5aはプライベートIPアドレスを使用してIPパケット通信を行うので、IPパケットの送信元アドレスをプライベートIPアドレスからグローバルIPアドレスに変更するのである。このIPアドレス変換の情報は、IPアドレス変換情報格納部35に格納されている。なお、非登録端末5bについては、グローバルIPアドレスを使用してIPパケット通信を行うので、IPパケットの送信元アドレスを変更する必要はない。
次いで、ステップS110では、ルーティング対象パケットをGREカプセル化してGREトンネル120経由でWiMAX公衆網100へ送信する。
上述した第2実施形態によれば、無線アクセスポイント装置1が、インターネット200上のグローバルIPアドレスと、ローカルネットワークである社内LAN300上のプライベートIPアドレスとを相互変換する。そして、登録端末5aはプライベートIPアドレスを使用してIPパケット通信を行う。これにより、登録端末5aは、ローカルネットワークと同一のブロードキャストドメインを持つので、ブロードキャストを用いるアプリケーションをローカルネットワーク内と同様に使用することができる。
なお、上述の第2実施形態では、IPアドレス割当部29及びIPアドレス格納部34を無線アクセスポイント装置1の基地局部2内に設けて社内LAN300上のプライベートIPアドレスの割当を行ったが、プライベートIPアドレスの割当は、無線アクセスポイント装置1とは異なる装置が行ってもよい。例えば、社内LAN300上に設けられたローカルDHCPサーバを利用することが可能である。これにより、無線アクセスポイント装置1の構成が簡易になる。
[第3実施形態]
図16は、本発明の第3実施形態に係る無線通信網の概略構成図である。この図16において、上述した第1実施形態に係る図1の無線通信網に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。第3実施形態では、インターネット200へ常時接続可能な固定インターネット回線410を設ける。固定インターネット回線410は、社内ルータ400に接続される。社内ルータ400は、無線アクセスポイント装置1内のスイッチ3に接続される。
無線アクセスポイント装置1の基地局部2は、登録端末5aからの通信チャネル(トランスポートCID)のIPパケットの宛先がローカルネットワーク外である場合には、該IPパケットを社内ルータ400へルーティング処理する。これにより、該IPパケットは固定インターネット回線410経由でインターネット200へ伝送される。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述の実施形態では、WiMAX公衆網の無線アクセスポイント装置を説明したが、本発明は各種の無線通信網の無線アクセスポイント装置に適用可能である。
1…無線アクセスポイント装置、2…基地局部、3…スイッチ、4…端末部、20,40…アンテナ、21,41…無線部、22,42…無線制御部、23…ルータ部、24,44…メモリ部、25,45…ネットワーク制御部、26…無線接続識別子抽出部、27…無線接続識別子設定部、28…利用者端末認証部、29…IPアドレス割当部、30…ルーティング部、31…IPマスカレード部、32…認証情報格納部、33…無線接続識別子格納部、34…IPアドレス格納部、35…IPアドレス変換情報格納部、36…キュー格納部、43…ベースバンド制御部、5a…WiMAX端末(登録端末)、5b…WiMAX端末(非登録端末)、100…WiMAX公衆網、110…マクロBS、120…GREトンネル、200…インターネット、300…社内LAN(ローカルネットワーク)

Claims (2)

  1. 無線通信網の無線アクセスポイント装置において、
    前記無線通信網の基地局との間で無線接続しデータを送受信する端末部と、
    無線端末との間で無線接続しデータを送受信する基地局部と、
    前記基地局部と前記端末部とローカルネットワークとを接続し、通信データを交換するスイッチと、
    前記無線端末の通信データに含まれるアドレスに基づいて通信経路を決定するルーティング部と、
    登録済みの無線端末に対して無線接続時に割り当てられた無線接続識別子を記録する無線接続識別子格納部と、を備え、
    前記ルーティング部は、前記無線接続識別子の記録に基づいて、前記ローカルネットワークとの間の通信経路の使用可否を判定する、
    ことを特徴とする無線アクセスポイント装置。
  2. グローバルIPアドレスと前記登録済みの無線端末に割り当てられた前記ローカルネットワーク上のプライベートIPアドレスとを相互変換するアドレス変換部を備えたことを特徴とする請求項に記載の無線アクセスポイント装置。
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