JP5437813B2 - S.アガラクティエの防御タンパク質、その組み合わせ、およびそれを使用する方法 - Google Patents

S.アガラクティエの防御タンパク質、その組み合わせ、およびそれを使用する方法 Download PDF

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Description

本発明は、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae;S.アガラクティエ)に対する少なくとも二つの防御タンパク質または機能的に活性なその変種を含む組成物;S.アガラクティエに対する防御ペプチド;少なくとも二つのタンパク質および/または防御ペプチドをコードする一つまたは複数の核酸;組成物を産生する方法;組成物および/または少なくとも一つの防御ペプチドを含む、薬学的組成物、特にワクチン;抗体を産生する方法;組成物の少なくとも二つのタンパク質に対する抗体の混合物;被験体の免疫化または処置に向けた医薬の製造のための組成物および/または少なくとも一つの防御ペプチドおよび/または一つもしくは複数の核酸の使用;S.アガラクティエ感染を診断する方法;組成物および/または少なくとも一つの防御ペプチドを結合できるリガンドを同定する方法;ならびに組成物および/またはペプチドの相互作用パートナーの単離および/または精製および/または同定のための組成物および/または少なくとも一つの防御ペプチドの使用に関する。
S.アガラクティエは被包性グラム陽性細菌であり、血液寒天上でのその溶血パターンに基づきB群連鎖球菌(GBS)に属する。莢膜はGBSを異なる9種の血清型に分類する基礎となる。それらの大部分は重篤な疾患を引き起こすことが示されており、二つの最も血清型、つまりIII型およびV型は世界中の侵襲性疾患の大部分(およそ80%)を占めると推定されている。この順位および血清型有病率は年齢群および地理的領域によって異なる。
ストレプトコッカス・アガラクティエは、新生児、妊婦におけるならびに慢性疾患患者および高齢患者における感染症の主な原因である。新生児では、B群連鎖球菌は敗血症、肺炎および髄膜炎などの、致命的な疾患を引き起こす、米国で圧倒的に多い病原体に相当することさえある。GBS疾患は高死亡率(およそ5%)と関連しており、GBS感染症を切り抜けて生き残った小児の大部分(およそ20%)が聴覚障害、学習障害および視覚障害で永久的にハンディキャップを負うようになる。
新生児は、通常、GBSの定着した母親からの分娩時にこの病原体を獲得する。妊婦の25〜40%にGBSが定着しているが、無症候性である。出生時の垂直感染により、定着のある女性に生まれた新生児の50〜70%、すなわち全新生児のおよそ10〜25%は分娩時にGBSが定着するようになり、感染および疾患の前提条件となる。米国では、GBS感染症は新生児1〜5人/生児出生1,000例に影響を与えている。早期産児はその未熟な免疫系および妊娠第34週前の母親由来抗体の移入レベルの低さのために侵襲性疾患のリスクが最も高い。
GBS疾患は世界中で起きている。新生児における侵襲性疾患の最も高い有病率は、他の感染因子の排除および低減により、同様に超未熟新生児の生存の増加により、西洋諸国で見られる。分娩時の抗生物質処置が導入される以前には、約17,000症例の侵襲性GBS疾患(敗血症、肺炎および/または髄膜炎)が毎年米国において報告されていた。重篤なGBS疾患の比率は新生児のなかで、その他任意の年齢群のなかでよりも高い。とはいえ、重篤なB群連鎖球菌感染症は、男性でも女性でもともに他の年齢群に見られる。非妊娠成人のなかでは、重篤な疾患の比率は100,000例あたり4.1〜7.2例に及び、年齢とともに増加する。侵襲性感染症の平均死亡率は年齢18〜64歳の成人では8〜10%であり、年齢65歳を超える成人では15〜25%である。重篤な疾患は、寝たきりの高齢患者および糖尿病、肝疾患、脳卒中の既往歴、がんの既往歴または床擦れを含む重篤な医学的状態に苦しんでいる人に最も多く見られる。
現在、疾患管理は抗生物質、主にペニシリンGに完全に依存している。新生児での侵襲性疾患を予防するためには、妊娠第35週〜第37週の時点でGBSの保因がないか妊婦をスクリーニングする。その後、定着のある母親を分娩時に高用量の抗生物質で処置して、新生児のGBS疾患を予防する。
GBS感染症の現行の標準的処置は同様に、抗生物質に基づいている。経路、投与量、計画および治療期間は病気の重症度によって決まる。菌血症、肺炎および軟部組織感染症の場合には10日の処置が推奨されるが、髄膜炎の場合には2〜3週間の処置、および骨髄炎の場合には3〜4週間の処置が推奨される。
侵襲性GBS疾患は非常に急速かつ劇的な臨床経過によって、有効な抗生物質治療にもかかわらず5%の死亡率および20%の永久的損傷を伴っている。予防以前には、新生児疾患の直接医療費は米国で毎年およそ3億ドルであったが、GBSは依然として相当な経済的負担となっている。
分娩時の予防は早発型GBS疾患の発症率を減らしたものの、現在利用可能な戦略は、それらが遅発型感染症も、侵襲性疾患のリスクが最も高い未熟児での疾患も予防できないので、理想的ではない。
現在、有効な予防ワクチンは利用可能ではない。莢膜多糖類(タンパク質の共役ありまたはなし)を免疫原として用いることに焦点を合わせた努力が認められるが、いくつかの議論がその手法に不利に働いている。多糖類は、IgG1またはIgG3抗体よりも胎盤を横断する効率が低いIgG2抗体を誘導する。これは最も影響を受けやすい早産新生児に特に支障を来す。というのは、胎盤の抗体移行は妊娠第34週の前には低く、分娩の約10%はその時点の前に起こるからである。多糖類ワクチンのさらなる不利点は、GBS血清型のなかでの不十分なワクチン接種率である。適正な生態学的圧力を考慮すれば、非ワクチン血清型株による疾患の置き換え(replacement disease)は、疾患負担の高い領域においてとりわけ、依然として現実の脅威である。
これらの不十分を考慮に入れれば、GBS疾患に対する新世代の免疫介入が必要である。10代の少女において子宮頸がん予防ワクチンの使用がごく最近では受け入れられていることを考慮すれば、新たな手法は、二つ以上のS.アガラクティエ菌株または血清型からの防御を与えるために予防的なGBSワクチンとしてタンパク質の組み合わせを使用することであろう。
したがって、本発明の根底にある一つの問題は、S.アガラクティエ感染に対するワクチンなどの医薬の開発のための代替手段を提供することであった。より詳しくは、一つの問題は、その医薬の製造に使用できるS.アガラクティエ由来の防御タンパク質の組み合わせ、とりわけより有効な組み合わせを提供することであった。
驚いたことに、この目的は、SEQ ID NO:1〜6に定義のアミノ酸配列を含むもしくはからなる防御タンパク質/ペプチド、または機能的に活性なその変種の組み合わせによって解決された。
したがって、本発明の第一の主題は
i)SEQ ID NO:1(gbs0233p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質;
ii)SEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質;
iii)SEQ ID NO:3(gbs1309p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質;
iv)SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質;
v)SEQ ID NO:5(gbs1478p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質;および
vi)SEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質
からなる群より選択される少なくとも二つのタンパク質を含む組成物に関する。
驚いたことに、上記の防御タンパク質の組み合わせは、単独で用いられる場合の防御タンパク質よりもS.アガラクティエに対して良好な防御をもたらすことが分かった。本発明の文脈で良好な防御とは、組み合わせによって与えられる防御が組成物の単一の成分と比べて量的に改善される状況をいうことができる。例えば、その組み合わせは、組成物に存在する防御タンパク質の少なくとも一つが防御しないS.アガラクティエの少なくとも一つの血清型からの防御を与えることができる。したがって、その組み合わせが防御する血清型の数は増える。さらにまたあるいは、その組み合わせによって与えられる防御が組成物の単一の成分と比べて質的に改善される。例えば、GBS菌株を抗原投与されたマウスの生存は、組成物の単一の成分と比べて防御タンパク質の組成物が使用される場合に改善されうる。量的にも質的にも十分な防御は、できる限り高度でありかつできる限り多くの血清型から防御する防御を与えることが努力の目標であるので、成功裏の予防および/または処置に重要である。
さらに、異なる防御タンパク質/抗体を利用したワクチンの場合には、ワクチンの有効性の低下につながる対象病原体の血清型の切り換えの可能性がかなり小さくなるので、異なる防御タンパク質の組み合わせは一般に、単一の防御タンパク質と比べて有利である。これは、各S.アガラクティエ菌株をワクチンに非感受性とするには、規定の部位でのS.アガラクティエタンパク質の二つ以上の突然変異が必要とされるという事実による。
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列からなる防御タンパク質は、S.アガラクティエ菌株12403に由来し、NEM316(ATCC12403)のゲノムにしたがってgbs0233p(部分的gbs0233)で示されている。SEQ ID NO:1のアミノ酸配列からなる防御タンパク質が由来する完全長タンパク質gbs0233(308アミノ酸からなる;SEQ ID NO:229)をコードするDNA配列は、GenBank(登録商標)アクセッション番号AL732656(ストレプトコッカス・アガラクティエNEM316の完全なゲノム)で開示されており、完全長タンパク質のアミノ酸配列はWO2004/099242に開示されている(SEQ ID NO:475参照)。SEQ ID NO:1のアミノ酸配列は実施例および添付の配列表に開示されている。SEQ ID NO:1の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質は、部分群i)の(防御)タンパク質といわれる。
SEQ ID NO:2のアミノ酸配列からなる防御タンパク質は、S.アガラクティエ菌株6313に由来し、NEM316(ATCC12403)のゲノムにしたがってgbs1087p(部分的gbs1087)で示されている。SEQ ID NO:2のアミノ酸配列からなる防御タンパク質が由来する完全長タンパク質gbs1087(FbsAともいわれ、442アミノ酸からなる;SEQ ID NO:230)のアミノ酸配列およびコード化DNA配列は、WO2004/035618に開示されている(図1およびSEQ ID NO:11参照)。SEQ ID NO:2のアミノ酸配列は実施例および添付の配列表に開示されている。SEQ ID NO:2の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質は、部分群ii)の(防御)タンパク質といわれる。
SEQ ID NO:3のアミノ酸配列からなる防御タンパク質は、S.アガラクティエ菌株12403に由来し、NEM316(ATCC12403)のゲノムにしたがってgbs1309p(部分的gbs1309)で示されている。SEQ ID NO:3のアミノ酸配列からなる防御タンパク質が由来する完全長タンパク質gbs1309(403アミノ酸からなる;SEQ ID NO:231)をコードするDNA配列は、GenBank(登録商標)アクセッション番号AL732656(ストレプトコッカス・アガラクティエNEM316の完全なゲノム)に開示されており、完全長タンパク質のアミノ酸配列はWO2004/099242に開示されている(SEQ ID NO:307参照)。SEQ ID NO:3のアミノ酸配列は実施例および添付の配列表に開示されている。SEQ ID NO:3の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質は、部分群iii)の(防御)タンパク質といわれる。
SEQ ID NO:4のアミノ酸配列からなる防御タンパク質は、S.アガラクティエ菌株6313に由来し、NEM316(ATCC12403)のゲノムにしたがってgbs1477p(部分的gbs1477)で示されている。SEQ ID NO:4のアミノ酸配列からなる防御タンパク質が由来する完全長タンパク質gbs1477(PabBともいわれ、674アミノ酸からなる;SEQ ID NO:232)のアミノ酸配列およびコード化DNA配列は、WO2004/035618に開示されている(図16およびSEQ ID NO:18参照)。SEQ ID NO:4のアミノ酸配列は実施例および添付の配列表に開示されている。SEQ ID NO:4の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質は、部分群iv)の(防御)タンパク質といわれる。
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列からなる防御タンパク質は、S.アガラクティエ菌株6313に由来し、NEM316(ATCC12403)のゲノムにしたがってgbs1478p(部分的gbs1478)で示されている。SEQ ID NO:5のアミノ酸配列からなる防御タンパク質が由来する完全長タンパク質gbs1478(PabAともいわれ、901アミノ酸からなる;SEQ ID NO:233)のアミノ酸配列およびコード化DNA配列は、WO2004/035618に開示されている(図16およびSEQ ID NO:17参照)。SEQ ID NO:5のアミノ酸配列は実施例および添付の配列表に開示されている。SEQ ID NO:5の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質は、部分群v)の(防御)タンパク質といわれる。
SEQ ID NO:6のアミノ酸配列からなる防御タンパク質は、S.アガラクティエ菌株12403に由来し、NEM316(ATCC12403)のゲノムにしたがってgbs2018p(部分的gbs2018)で示されている。SEQ ID NO:6のアミノ酸配列からなる防御タンパク質が由来する完全長タンパク質gbs2018(BibA(Santi et al., 2007, Mol. Microbiol. 63:754-767)ともいわれ、643アミノ酸からなる;SEQ ID NO:234)をコードするDNA配列は、GenBank(登録商標)アクセッション番号AL732656(ストレプトコッカス・アガラクティエNEM316の完全なゲノム)で開示されており、完全長タンパク質のアミノ酸配列はWO2004/099242に開示されている(SEQ ID NO:364参照)。SEQ ID NO:6のアミノ酸配列は実施例および添付の配列表に開示されている。SEQ ID NO:6の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質は、部分群vi)の(防御)タンパク質といわれる。
SEQ ID NO:1〜6の配列の防御タンパク質の組み合わせは、動物モデルにおいて異なる血清型に対する防御免疫応答を誘導することおよび/またはS.アガラクティエに対する防御の増大を示すことが明らかにされた(実施例参照)。機能的に活性な変種は、SEQ ID NO:1〜6の防御タンパク質の少なくとも一つの配列を変化させることによって得ることが可能であり、例えば動物モデルにおいて、防御免疫応答を誘導するおよび/またはS.アガラクティエに対する防御を示す能力を含め、変種が由来するSEQ ID NO:1〜6の配列の各防御タンパク質によって示されるものと類似の生物学的活性を有することを特徴とし、いずれの変種も実施例に記載される試験のいずれかで試験することができる。防御タンパク質の機能的に活性な変種は、防御タンパク質中の配列変化によって得ることが可能であり、この配列変化を有するタンパク質は、未変化の防御タンパク質の機能を本質的に保持している、例えば、防御免疫応答を誘導するおよび/またはS.アガラクティエに対する防御を示す能力を含め、未変化の防御タンパク質(上記参照)によって示されるものと類似の生物学的活性を有する。そのような配列変化は(保存的)置換、欠失、突然変異、および挿入を含むことができるが、これらに限定されない。
本発明の好ましい態様において、組成物は、部分群i)〜vi)からなる群より選択される少なくとも三つのタンパク質を含む。本発明のさらにより好ましい態様において、組成物は、部分群i)〜vi)からなる群より選択される少なくとも四つのタンパク質を含む。
本発明の好ましい態様において、本発明の組成物の少なくとも二つ、三つまたは四つのタンパク質は、異なる部分群i)〜vi)より選択される。あるいはまたさらには、本発明の組成物のタンパク質の少なくとも二つは、部分群i)〜vi)の一つより選択される。
第一の選択肢(異なる群からの防御タンパク質の選択)の組み合わせの例は、以下を含む組成物である:
- 部分群i)の一つのタンパク質および部分群ii)の一つのタンパク質;
- 部分群i)の一つのタンパク質および部分群iii)の一つのタンパク質;
- 部分群i)の一つのタンパク質および部分群iv)の一つのタンパク質;
- 部分群i)の一つのタンパク質および部分群v)の一つのタンパク質;
- 部分群i)の一つのタンパク質および部分群vi)の一つのタンパク質;
- 部分群ii)の一つのタンパク質および部分群iii)の一つのタンパク質;
- 部分群ii)の一つのタンパク質および部分群iv)の一つのタンパク質;
- 部分群ii)の一つのタンパク質および部分群v)の一つのタンパク質;
- 部分群ii)の一つのタンパク質および部分群vi)の一つのタンパク質;
- 部分群iii)の一つのタンパク質および部分群iv)の一つのタンパク質;
- 部分群iii)の一つのタンパク質および部分群v)の一つのタンパク質;
- 部分群iii)の一つのタンパク質および部分群vi)の一つのタンパク質;
- 部分群iv)の一つのタンパク質および部分群v)の一つのタンパク質;
- 部分群iv)の一つのタンパク質および部分群vi)の一つのタンパク質;
- 部分群v)の一つのタンパク質および部分群vi)の一つのタンパク質;
- 部分群i)の一つのタンパク質および部分群ii)の一つのタンパク質および部分群iii)〜vi)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群i)の一つのタンパク質および部分群iii)の一つのタンパク質および部分群ii)もしくはiv)〜vi)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群i)の一つのタンパク質および部分群iv)の一つのタンパク質および部分群ii)、iii)、v)もしくはvi)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群i)の一つのタンパク質および部分群v)の一つのタンパク質および部分群ii)〜iv)もしくはvi)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群i)の一つのタンパク質および部分群vi)の一つのタンパク質および部分群ii)〜v)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群ii)の一つのタンパク質および部分群iii)の一つのタンパク質および部分群i)もしくはiv)〜vi)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群ii)の一つのタンパク質および部分群iv)の一つのタンパク質および部分群i)、iii)、v)もしくはvi)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群ii)の一つのタンパク質および部分群v)の一つのタンパク質および部分群i)、iii)、iv)もしくはvi)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群ii)の一つのタンパク質および部分群vi)の一つのタンパク質および部分群i)もしくはiii)〜v)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群iii)の一つのタンパク質および部分群iv)の一つのタンパク質および部分群i)、ii)、v)もしくはvi)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群iii)の一つのタンパク質および部分群v)の一つのタンパク質および部分群i)、ii)、iv)もしくはvi)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群iii)の一つのタンパク質および部分群vi)の一つのタンパク質および部分群i)、ii)、iv)もしくはv)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群iv)の一つのタンパク質および部分群v)の一つのタンパク質および部分群i)〜iii)もしくはvi)のいずれかより選択される一つのタンパク質;
- 部分群iv)の一つのタンパク質および部分群vi)の一つのタンパク質および部分群i)〜iii)もしくはv)のいずれかより選択される一つのタンパク質;または
- 部分群v)の一つのタンパク質および部分群vi)の一つのタンパク質および部分群i)〜iv)のいずれかより選択される一つのタンパク質。
好ましい例は以下である:
- 部分群iv)の一つのタンパク質および部分群vi)の一つのタンパク質;
- 部分群iv)の一つのタンパク質、部分群vi)の一つのタンパク質、および部分群ii)の一つのタンパク質;
- 部分群iv)の一つのタンパク質、部分群vi)の一つのタンパク質、部分群ii)の一つのタンパク質、および部分群v)の一つのタンパク質;
- 部分群iv)の一つのタンパク質、部分群vi)の一つのタンパク質、部分群ii)の一つのタンパク質、部分群v)の一つのタンパク質、および部分群i)の一つのタンパク質;
- 部分群iv)の一つのタンパク質、部分群vi)の一つのタンパク質、部分群ii)の一つのタンパク質、部分群v)の一つのタンパク質および部分群iii)の一つのタンパク質;または
- 部分群iv)の一つのタンパク質、部分群vi)の一つのタンパク質、部分群ii)の一つのタンパク質、部分群v)の一つのタンパク質、部分群i)の一つのタンパク質、および部分群iii)の一つのタンパク質。
本発明の別の好ましい態様において、本発明の組成物のタンパク質の少なくとも二つは、部分群i)〜vi)の一つより選択することができる。少なくとも二つのタンパク質は、S.アガラクティエの異なる菌株または血清型を網羅するように、したがって、例えばS.アガラクティエの異なる菌株または血清型に対する防御を供与するように、選択することができる。ストレプトコッカス・アガラクティエNEM316(菌株12403)の完全なゲノムは、GenBank(登録商標)アクセッション番号AL732656で利用可能である。さらに、ストレプトコッカス・アガラクティエの以下の菌株の完全または不完全なゲノム配列は、表示のアクセッション番号を用いて、GenBank(登録商標)(NIH遺伝子配列データベース;http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)またはNCBI(全米バイオテクノロジー情報センター, Bethesda, MD, USA;http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)で利用可能である。
Figure 0005437813
本記載で特定したSEQ ID NO:1〜6の配列を用いておよび他のS.アガラクティエ菌株の配列(例えば上記参照)を知ることで、当業者は過度の負担なしに12403菌株(SEQ ID NO:1、3および6の場合)または6313菌株(SEQ ID NO:2、4および5の場合)以外のS.アガラクティエ菌株の対応配列を同定することができる。例えば「The Comprehensive Microbial Resource(CMR)」(http://cmr.tigr.org/参照)によって提供される手段および配列を用いて対応する配列を同定することができる。しかしながら、上記の菌株は異なるS.アガラクティエ菌株の例として記載されていること、および本発明はそれらの菌株に限定されるべきではないことが理解されるべきである。
さらに、SEQ ID NO:1〜6に対応しかつ他の血清型に由来するタンパク質の配列の例は、以下に公開または開示されている。
Figure 0005437813
しかしながら、本発明は上記の変種および対応するタンパク質に限定されないことが理解されるべきである。SEQ ID NO:1〜6のものに対応する他の天然タンパク質は、上記のように同定することができ、本発明を実行するために使用することができる。
第二の選択肢(一つの群のみからの防御タンパク質の選択)の組み合わせの例は、以下を含む組成物である:
- SEQ ID NO:1を含むもしくはからなるタンパク質または天然に存在するその変種からなる群より選択されることが好ましい、部分群i)の少なくとも二つの異なるタンパク質;
- SEQ ID NO:2を含むもしくはからなるタンパク質または天然に存在するその変種からなる群より選択されることが好ましい、部分群ii)の少なくとも二つの異なるタンパク質;
- SEQ ID NO:3を含むもしくはからなるタンパク質または天然に存在するその変種からなる群より選択されることが好ましい、部分群iii)の少なくとも二つの異なるタンパク質;
- SEQ ID NO:4を含むもしくはからなるタンパク質または天然に存在するその変種からなる群より選択されることが好ましい、部分群iv)の少なくとも二つの異なるタンパク質;
- SEQ ID NO:5を含むもしくはからなるタンパク質または天然に存在するその変種からなる群より選択されることが好ましい、部分群v)の少なくとも二つの異なるタンパク質;
- SEQ ID NO:6を含むもしくはからなるタンパク質または天然に存在するその変種からなる群より選択されることが好ましい、部分群vi)の少なくとも二つの異なるタンパク質;
- それぞれがSEQ ID NO:55〜60(表7参照)、235〜286、および任意で229より選択される配列を含むまたはからなる、好ましくは少なくとも二つの防御タンパク質;
- それぞれがSEQ ID NO:67〜72(表8参照)、287〜316、および任意で230より選択される配列を含むまたはからなる、好ましくは少なくとも二つの防御タンパク質;
- それぞれがSEQ ID NO:79〜84(表9参照)、317〜359、および任意で231より選択される配列を含むまたはからなる、好ましくは少なくとも二つの防御タンパク質;
- それぞれがSEQ ID NO:185〜203(表11参照)、363〜378、および任意で233より選択される配列を含むまたはからなる、好ましくは少なくとも二つの防御タンパク質;
- それぞれがSEQ ID NO:175〜179(表12参照)、379〜425および任意で234より選択される配列を含むまたはからなる、好ましくは少なくとも二つの防御タンパク質;あるいは
- それぞれがSEQ ID NO:91〜132(表10参照)、360〜362、または223〜228(図5参照)および任意で232より選択される配列を含むまたはからなる、より好ましくは少なくとも二つの防御タンパク質。
好ましい態様において、天然に存在する変種は
Figure 0005437813
からなる群より選択されるS.アガラクティエ菌株に由来するもの、および表7〜13に開示されるものである。
本発明の別の好ましい態様において、本発明の組成物は
- 部分群iv)の少なくとも一つのタンパク質;
- 部分群vi)の少なくとも一つのタンパク質;
- 部分群iv)の少なくとも一つのタンパク質および部分群vi)の少なくとも一つのタンパク質;
- 部分群iv)の少なくとも一つのタンパク質、部分群vi)の少なくとも一つのタンパク質および部分群ii)の少なくとも一つのタンパク質;または
- 部分群iv)の少なくとも一つのタンパク質、部分群vi)の少なくとも一つのタンパク質、部分群ii)の少なくとも一つのタンパク質、および部分群v)の少なくとも一つのタンパク質
を含む。
本発明の好ましい態様において、少なくとも二つのタンパク質の一つは、SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはSEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドまたは天然に存在する機能的に活性なその変種、より好ましくは天然に存在する機能的に活性な表10、13に記載の、および配列表に記載の変種を含むまたはそれらからなる。
本発明の別の好ましい態様において、少なくとも二つのタンパク質の一つは、SEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはSEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチドまたは天然に存在する機能的に活性なその変種、より好ましくは天然に存在する機能的に活性な表12、13に記載の、および配列表に記載の変種を含むまたはそれらからなる。
本発明の別の好ましい態様において、少なくとも二つのタンパク質の一つは、SEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはSEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチドまたは天然に存在する機能的に活性なその変種、より好ましくは天然に存在する機能的に活性な表8、13に記載の、および配列表に記載の変種を含むまたはそれらからなる。
本発明の別の好ましい態様において、少なくとも二つのタンパク質の一つは、SEQ ID NO:5(gbs1478p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはSEQ ID NO:5(gbs1478p)の防御ペプチドまたは天然に存在する機能的に活性なその変種、より好ましくは天然に存在する機能的に活性な表11、13に記載の、および配列表に記載の変種を含むまたはそれらからなる。
本発明の別の好ましい態様において、少なくとも二つのタンパク質の一つは、SEQ ID NO:1(gbs0233p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはSEQ ID NO:1(gbs0233p)の防御ペプチドまたは天然に存在する機能的に活性なその変種、より好ましくは天然に存在する機能的に活性な表7、13に記載の、および配列表に記載の変種を含むまたはそれらからなる。
本発明の別の好ましい態様において、少なくとも二つのタンパク質の一つは、SEQ ID NO:3(gbs1309p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはSEQ ID NO:3(gbs1309p)の防御ペプチドまたは天然に存在する機能的に活性なその変種、より好ましくは天然に存在する機能的に活性な表9、13に記載の、および配列表に記載の変種を含むまたはそれらからなる。
本発明のより好ましい態様において、本発明の組成物の少なくとも二つのタンパク質は以下を包含する:
- SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチド;
- SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチド、およびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチド、およびSEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチド;または
- SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチド、およびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチド、およびSEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチド、およびSEQ ID NO:5(gbs1478p)の防御ペプチド。
本発明のさらに好ましい態様において、上記一覧の組成物のSEQ ID NO:1〜6の防御ペプチドのいずれかの天然に存在する機能的に活性な変種を使用することができる。得られる組み合わせの例は以下:
I. SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の天然に存在する機能的に活性な変種;
II. SEQ ID NO:4(gbs1477p)の天然に存在する機能的に活性な変種およびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチド;
III. SEQ ID NO:4(gbs1477p)の天然に存在する機能的に活性な変種およびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の天然に存在する機能的に活性な変種;
IV. SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:2(gbs1087p)の天然に存在する機能的に活性な変種;
V. SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の天然に存在する機能的に活性な変種およびSEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチド;
VI. SEQ ID NO:4(gbs1477p)の天然に存在する機能的に活性な変種およびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチド;
VII. SEQ ID NO:4(gbs1477p)の天然に存在する機能的に活性な変種およびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の天然に存在する機能的に活性な変種およびSEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチド;
VIII. SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の天然に存在する機能的に活性な変種およびSEQ ID NO:2(gbs1087p)の天然に存在する機能的に活性な変種;
IX. SEQ ID NO:4(gbs1477p)の天然に存在する機能的に活性な変種およびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:2(gbs1087p)の天然に存在する機能的に活性な変種;
X. SEQ ID NO:4(gbs1477p)の天然に存在する機能的に活性な変種およびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の天然に存在する機能的に活性な変種およびSEQ ID NO:2(gbs1087p)の天然に存在する機能的に活性な変種;
XI. SEQ ID NO:5(gbs1478p)の防御ペプチドと組み合わせたI〜Xの組成物のいずれか;または
XII. SEQ ID NO:5(gbs1478p)の天然に存在する機能的に活性な変種と組み合わせたI〜Xの組成物のいずれか
であり、この天然に存在する機能的に活性な変種が、表7〜13および図5に記載のものならびにSEQ ID NO:229〜234および235〜425のものより選択される。
天然に存在する機能的に活性な変種が由来しうる好ましいS.アガラクティエ菌株は、
Figure 0005437813
および表7〜13に開示されるものを含む。
本発明の一つの態様において、本発明の組成物の少なくとも二つのタンパク質の二つまたはそれ以上のタンパク質を結合して少なくとも一つの融合タンパク質にすることができる。得られる融合タンパク質は、上記に定義の部分群i)、ii)、iii)、iv)、v)、および/またはvi)のタンパク質の二つまたはそれ以上を包含することができる。上記の特定の組み合わせのいずれかを結合して、少なくとも一つの融合タンパク質にしてもよい。融合タンパク質は、例えば、組成物の成分に「第一の選択肢(異なる群からの防御タンパク質の選択)の組み合わせの例」の項に記載されているのと同じタンパク質成分を包含することができ、このタンパク質は適当な任意の方法で融合タンパク質に配置されてもよい。
融合タンパク質は、上記に定義の二つまたはそれ以上のタンパク質を含むまたはそれらからなることができる。さらに、融合タンパク質は、二つもしくはそれ以上のタンパク質、またはさらなるC末端配列もしくはN末端配列、例えば、融合タンパク質を精製するためのタグなどを連結するため、タンパク質リンカーなどのリンカーを包含することもできる。融合タンパク質の基礎をなす核酸配列を調製する場合に、遺伝子操作および適当な制限部位の使用から、さらなる配列が生じることもある。
融合タンパク質において結合される部分群i)、ii)、iii)、iv)、v)、および/もしくはvi)のタンパク質は互いに直接連結されてもよく、またはリンカーを介して結合されてもよい。リンカーは、例えば、短いアミノ酸配列であってよい。リンカーは適当な融合タンパク質の遺伝子操作から得られてもよく、または単一のタンパク質を効果的に操作することを可能にするために導入されてもよい。
好ましい態様において、機能的に活性な変種は、
a)防御ペプチドの機能的に活性な断片であって、防御ペプチドの配列の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、および最も好ましくは少なくとも97%、98%、もしくは99%を含む機能的に活性な断片であり;
b)防御ペプチドから少なくとも一つのアミノ酸置換、付加および/もしくは欠失によって得られ、この機能的に活性な変種は、防御ペプチドに対しもしくはa)に定義の機能的に活性な断片に対し少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも75%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、および最も好ましくは少なくとも97%、98%もしくは99%の配列同一性を有し;ならびに/または
c)防御ペプチドもしくは機能的に活性なその変種およびさらに防御ペプチドに対して異種性の少なくとも一つのアミノ酸からなり、
この機能的に活性な変種は、SEQ ID NO:55〜60、67〜72、79〜84、91〜132、175〜179、185〜203、223〜234および235〜425の配列のいずれかの天然に存在する変種のいずれかに由来するもしくは同一であることが好ましい。
SEQ ID NO:1〜6の防御ペプチドの組み合わせは、敗血症モデルにおいて異なる血清型に対する防御免疫応答を誘導することおよび/またはS.アガラクティエに対する防御を示すことが明らかにされた(実施例参照)。機能的に活性な変種は、上記に定義の防御ペプチドの配列を変化させることによって得ることが可能であり、例えば敗血症モデルにおいて、防御免疫応答を誘導するおよび/またはS.アガラクティエに対する防御を示す能力を含め、変種が由来するSEQ ID NO:1〜6の配列の各防御ペプチドによって示されるものと類似の生物学的活性を有することを特徴とし、いずれの変種も上記に定義の少なくとも二つのタンパク質の組成物中で実施例に記載する試験のいずれかで試験することができる。防御ペプチドの機能的に活性な変種は、防御ペプチド中の配列変化によって得ることが可能であり、この配列変化を有するペプチドは、本発明の組み合わせで用いられる場合に、未変化の防御ペプチドの機能を本質的に保持している、例えば、未変化の防御ペプチド(上記参照)によって示されるものと類似の生物学的活性を有する。そのような配列変化は、(保存的)置換、付加、欠失、突然変異および挿入を含むことができるが、これらに限定されることはない。
防御ペプチドの変種は、変種を含む(しかし元のタンパク質を含まない)本発明の組成物の活性が、配列変化なしの防御ペプチド(すなわち元のタンパク質)を含む本発明の組成物の活性の少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、特に少なくとも90%、とりわけ少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%に達するなら、本発明との関連で機能的に活性である。変種を含む組成物の活性は、実施例に記載するように決定または測定され、次いで、変種の代わりにSEQ ID NO:1〜6のアミノ酸配列の各防御ペプチドを含む組成物に対して得られた活性と比較することができる。
防御ペプチドの機能的に活性な断片は、SEQ ID NO:1〜6の防御ペプチドから、防御ペプチドの配列の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、および最も好ましくは少なくとも97%、98%または99%を含むペプチドをもたらす一つまたは複数の欠失によって得られることを特徴とする。配列同一性は下記のように決定することができる。欠失はC末端、N末端、および/または内部にあってもよい。好ましくは断片は1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個、より好ましくは1、2、3、4または5個、さらにより好ましくは1、2または3個、さらにより好ましくは1または2個、最も好ましくは1個の欠失によって得られる。
あるいはまたさらには、変種は防御ペプチドから、少なくとも一つのアミノ酸置換、付加、および/または欠失によって得ることが可能であり、この機能的に活性な変種は防御ペプチドに対しまたはa)に定義の機能的に活性な断片に対し、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも75%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、および最も好ましくは少なくとも97%、98%または99%の配列同一性を有する。配列同一性は下記のように決定することができる。置換、付加、および/または欠失は、C末端、N末端、および/または内部にあってもよい。好ましくは、機能的に活性な変種は、防御ペプチドまたは断片、好ましくは防御ペプチドから、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個、より好ましくは1、2、3、4または5個、さらにより好ましくは1、2または3個、さらにより好ましくは1または2個、最も好ましくは1個のアミノ酸置換、付加、および/または欠失によって得られる。
さらに、変種は防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはa)および/またはb)の変種、ならびにマーカータンパク質などの、防御ペプチドまたはその変種に対して異種性の少なくとも一つのアミノ酸残基からなることができる。「異種アミノ酸」または「防御ペプチドもしくはその変種に対して異種性のアミノ酸」という特徴は、S.アガラクティエの任意の天然タンパク質において防御タンパク質に隣接して位置するそのアミノ酸とは異なり、詳細には菌株12403(SEQ ID NO:1、3および6の場合)または菌株6313(SEQ ID NO:2、4および5の場合)のアミノ酸、特に上記に言及した配列とは異なる、任意のアミノ酸をいう。一つまたは複数のさらなるアミノ酸は、防御ペプチドまたはその変種に対してC末端、N末端、またはC末端およびN末端にあってもよい。
上記に定義の置換されたまたは付加的な配列またはアミノ酸残基は、任意のアミノ酸残基であってよい、天然のおよびそれ以外の、L-アミノ酸および/またはD-アミノ酸のいずれかであってよいアミノ酸残基からなる。好ましくは、アミノ酸はアラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン、またはチロシンなどの任意の天然アミノ酸である。
しかしながら、アミノ酸は修飾アミノ酸または異常アミノ酸であってもよい。それらの例は、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、β-アラニン、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、2,4-ジアミノ酪酸、デスモシン、2,2'-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ヒドロキシリジン、アロ-ヒドロキシリジン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、6-N-メチルリジン、N-メチルバリン、ノルバリン、ノルロイシン、またはオルニチンである。さらに、アミノ酸は翻訳後修飾などの修飾に供されてもよい。修飾の例としてはアセチル化、アミド化、遮断、ホルミル化、γ-カルボキシグルタミン酸ヒドロキシル化、グリコシル化、メチル化、リン酸化、および硫酸化が挙げられる。二つ以上の置換されたまたは付加的な異種アミノ酸残基がペプチドに存在するなら、アミノ酸残基は互いに同じでもまたは異なってもよい。
本発明の一つの好ましい態様において、本発明のペプチドの機能的に活性な変種は、部分群i)〜vi)の防御ペプチドと本質的に同一であるが、S.アガラクティエの異なる菌株または場合により血清型の相同配列に由来するという点で、それぞれ、SEQ ID NO:1〜6のペプチドと異なる。上記に詳述のように、S.アガラクティエの異なる菌株および血清型がこれまでに同定されている。したがって、これらの血清型のいずれも機能的に活性な変種の基礎でありうる。これらは天然に存在する変種といわれる(同様に上記を参照のこと)。好ましくは、これらの天然に存在する変種は、
Figure 0005437813
からなる群より選択されるS.アガラクティエ菌株、および表7〜13に開示されるものに由来する。
しかしながら、「機能的に活性な変種」という用語は、天然に存在する対立遺伝子多型、および変異体またはその他任意の天然に存在しない変種を含む。当技術分野において公知であるように、対立遺伝子多型は、ポリペプチドの生物学的機能を本質的に変化させない一つまたは複数のアミノ酸の置換、欠失、または付加を有するものと特徴付けられる(ポリ)ペプチドの別形態である。「生物学的機能」とは、たとえその機能が細胞の増殖または生存に必要でなくとも、ペプチドの、それが天然に存在する細胞における機能を意味する。例えば、ポリンの生物学的機能は、細胞外培地中に存在する化合物の細胞への移行を可能にすることである。生物学的機能は抗原機能とは異なる。ポリペプチドは二つ以上の生物学的機能を持ちうる。
したがって、本発明は同様に、異なるS.アガラクティエ分離株の防御ペプチドの機能的に活性な変種を含め、防御ペプチドを含む組成物に関する。そのようなホモログは、上記のように本明細書で開示する核酸およびアミノ酸配列に基づき、容易に同定および単離することができる。異なる菌株または場合により血清型の相同防御ペプチドは、例えば、配列アライメントによって同定することができる。相同配列は一つまたは複数のアミノ酸置換、欠失、および/または付加によって、部分群i)〜vi)の防御ペプチドのいずれかと異なることができる。
配列同一性の割合は、例えば、配列アライメントによって判定することができる。比較のための配列のアライメントの方法は当技術分野において公知である。さまざまなプログラムおよびアライメントアルゴリズムは、例えば、Smith and Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482, 1981またはPearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:2444-2448, 1988に記載されている。
NCBI Basic Local Alignment Search Tool(NCBI BLAST)(Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410, 1990)は、配列解析プログラムblastp、blastn、blastx、tblastnおよびtblastxとの関連で用いる場合、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI, Bethesda, MD)を含め、いくつかの供給源からおよびインターネット上で利用可能である。例えばSEQ ID NO:1〜6の配列のいずれかの防御ペプチドの変種は、通常、デフォルトパラメータに設定されたNCBI Blast 2.0, gapped blastpを用いて特徴付けられる。例えば少なくとも85アミノ酸のアミノ酸配列の比較の場合、デフォルトパラメータ(ギャップ存在コストが11、および残基当たりのギャップコストが1)に設定された、デフォルトのBLOSUM62マトリックスを用い「Blast 2配列」機能を利用することができる。
好ましい態様において、上記に定義のペプチドからアミノ酸交換、欠失または挿入によって得られる機能的に活性な変種は同様に、活性(上記に定義)を維持する、またはより好ましくは改善することができる。さらに、これらのペプチドは同様に、同一のまたは好ましくは改善されたT細胞応答を誘発するエピトープを網羅することができる。これらのエピトープは「ヘテロクリティック」といわれる。それらはMHC/HLA分子に対して類似のまたは好ましくは高い親和性を有し、および元のエピトープに向けられるT細胞受容体(TCR)を類似のまたは好ましくはいっそう強い形で刺激する能力を有する。ヘテロクリティックエピトープは合理的デザインにより、すなわち、例えば(Rammensee, H. et al., 1999, Immunogenetics. 50:213-219)によって記載されているように、個々の残基のMHC/HLAとの結合への寄与を、潜在的にTCRと相互作用する残基の系統的交換と組み合わせて考慮し、得られた配列を元のエピトープに対するT細胞を用いて試験することにより得ることができる。そのようなデザインは当業者が多大な実験を行うことなく可能である。
保存的置換は、アミノ酸のファミリーのなかで行われるものであり、かつその側鎖および化学的特性に関連するものである。そのようなファミリーの例は、塩基性側鎖を有するアミノ酸、酸性側鎖を有するアミノ酸、非極性脂肪族側鎖を有するアミノ酸、非極性芳香族側鎖を有するアミノ酸、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸、小さな側鎖を有するアミノ酸、大きな側鎖を有するアミノ酸などである。一つの態様において、一つの保存的置換がペプチドに含まれる。別の態様において、二つの保存的置換またはそれ以下がペプチドに含まれる。さらなる態様において、三つの保存的置換またはそれ以下がペプチドに含まれる。
保存的アミノ酸置換の例としては、以下に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されることはない。
Figure 0005437813
本発明の別の態様において、上記に定義のペプチドを種々の化学的技術により修飾して、修飾ペプチドと(断片および変種に関して上記に定義したのと)本質的に同じ活性を有し、かつ他の望ましい特性を任意で有する誘導体を作製してもよい。例えば、タンパク質のカルボン酸基は、C末端のものであれ側鎖のものであれ、薬学的に許容される陽イオンの塩の形態で提供されても、エステル化されてエステルを形成しても、またはアミドに変換されてもよい。ペプチドのアミノ基は、アミノ末端のものであれ側鎖のものであれ、HCl塩、HBr塩、酢酸塩、安息香酸塩、トルエンスルホン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、および他の有機酸塩など、薬学的に許容される酸付加塩の形態であっても、またはアミドに変換されてもよい。ペプチド側鎖のヒドロキシル基は、よく知られた技術を用いてアルコキシにまたはエステルに変換されてもよい。ペプチド側鎖のフェニルおよびフェノール環は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素など、一つまたは複数のハロゲン原子で置換されても、またはアルキル、アルコキシ、カルボン酸、およびそれらのエステル、もしくはそのようなカルボン酸のアミドで置換されてもよい。チオールはアセトアミド基など、いくつかのよく知られた保護基のいずれか一つで保護することができる。
本発明のペプチドは、外表面タンパク質または他のタンパク質もしくは他のタンパク質の抗原との組み合わせであってもよい。そのような組み合わせにおいて、ペプチドは融合タンパク質の形態であってもよい。本発明の組成物のペプチド/タンパク質は、他の微生物に由来する選択されたペプチドまたはタンパク質に任意で融合されてもよい。例えば、ペプチドまたはタンパク質は、そのN末端またはC末端で、別の病原体由来のポリペプチドにまたは二つ以上のポリペプチドに、順に融合されてもよい。この目的に有用でありうるペプチドは、先行技術によって同定されたポリペプチドを含む。
本発明の好ましい態様において、本発明の組成物のタンパク質/ペプチドは、抗タグ物質が選択的に結合できるエピトープを供与するエピトープタグに融合される。エピトープタグは一般に、ペプチドのN末端またはC末端に置かれるが、生物学的活性の許す限り内部の挿入または置換として組み入れられてもよい。ペプチドのそのようなエピトープタグ付加形態の存在は、タグ付加ペプチドに対する抗体などの物質を用いて検出することができる。同様に、エピトープタグを供与することで、抗タグ抗体またはエピトープタグに結合する別のタイプの親和性マトリックスを用いた親和性精製により、ペプチドを容易に精製できるようになる。種々のタグポリペプチドおよびその各抗体は、当技術分野において公知である。例としてはポリ-ヒスチジン(ポリ-his)タグ、例えば実施例に記載のヘキサ-ヒスチジンタグ、ポリ-ヒスチジン-グリシン(ポリ-his-gly)タグ、HAタグポリペプチド、c-mycタグ、Strepタグ、およびFLAGタグが挙げられる。
融合体は脂質および糖質を含め、アミノ酸以外の成分に融合またはカップリングされた本発明の組成物のペプチド/タンパク質を含むこともできる。さらに、本発明のペプチド/タンパク質/組成物を、先行技術によって記載されている他のワクチン剤と組み合わせて、および他の微生物に由来する他のタイプのワクチン剤と組み合わせて、利用することもできる。そのようなペプチド/タンパク質は、広範囲の連鎖球菌分離株によって引き起こされる疾患の予防、処置、および診断に有用である。
これらの融合タンパク質は、本発明の方法および組成物で用いるために構築される。これらの融合タンパク質または多量体タンパク質は、組み換えにより産生されてもよく、または化学的に合成されてもよい。
本明細書に記載するペプチドおよびタンパク質は、いくつかの従来技術のいずれかによって調製することができる。望ましいペプチドは化学的に合成することができる。代替的アプローチは酵素消化により、例えば、特定のアミノ酸残基によって規定される部位でタンパク質を切断することが公知の酵素でタンパク質を処理することにより、または適当な制限酵素でDNAを消化し、消化されたDNAを発現させ、所望の断片を単離することにより、公知のペプチドの断片を作製することを伴う。別の適当な技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、所望のペプチド断片をコードするDNA断片を単離することおよび増幅することを伴う。PCRにおいては、DNA断片の所望の末端を規定するオリゴヌクレオチドを、5'および3'プライマーとして利用する。DNA内およびしたがって公知の配列を有するタンパク質内の所定の部位に、欠失、挿入、および置換などの突然変異を作出する技術は周知である。当業者はPCRなど従来技術を用いて、本明細書に提供するペプチド、タンパク質、および組成物を容易に使用して、他の類似のタンパク質を同定および単離することができる。本明細書において提供される情報を考慮すれば、そのような方法は日常的であって、過度の実験を要するものとは考えられない。例えば、オリゴヌクレオチドを介した部位特異的突然変異誘発法(Carter et al., Nucl. Acids Res., 13:4431(1985);Zoller et al., Nucl. Acids Res. 10:6487(1987))、カセット式突然変異誘発法(Wells et al., Gene, 34:315(1985))、制限選択突然変異誘発法(Wells et al., Philos. Trans. R. Soc. London SerA, 317:415(1986))、PCR突然変異誘発法を用いて変異を作出してもよく、または他の公知の技術をクローニングしたDNAに行って、本発明のペプチドもしくは組成物を生成してもよい。
本発明の別の主題は、S.アガラクティエからの防御をもたらすことが明らかにされているSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:55〜57、59、60、68、69、71、72、79〜84、91〜132、175〜179、185〜203、223〜234および235〜425からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる防御ペプチドに関する(実施例参照)。
本発明の別の主題は、本発明による組成物に含まれる少なくとも二つのタンパク質および/または本発明による防御ペプチドのいずれかをコードする一つまたは複数の核酸に関する。
本発明の核酸分子は、mRNAもしくはcRNAなど、RNAの形態であっても、あるいは例えばクローニングにより得られるまたは化学的合成技術によりもしくはその組み合わせにより産生される、例えばcDNAおよびゲノムDNAを含めたDNAの形態であってもよい。DNAは三本鎖、二本鎖、または一本鎖であってよい。一本鎖DNAは、センス鎖としても知られるコード鎖であってよく、またはそれはアンチセンス鎖ともいわれる非コード鎖であってもよい。本明細書において用いられる核酸分子は同様に、とりわけ、一本鎖および二本鎖のDNA、一本鎖と二本鎖のRNAとの混合物であるDNA、ならびに一本鎖と二本鎖の領域の混合物であるRNA、一本鎖または、より典型的には、二本鎖もしくは三本鎖、あるいは一本鎖および二本鎖の領域の混合物でありうるDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子を指す。さらに、本明細書において用いられる核酸分子は、RNAもしくはDNA、またはRNAとDNA両方を含む三本鎖領域をいう。
核酸は、S.アガラクティエ中に天然に存在する核酸の断片であってよい。核酸は同様に、遺伝暗号の縮重の結果である配列を含む。20種の天然アミノ酸が存在しており、これらの大部分が二つ以上のコドンによって指定される。それゆえ、上記に定義のペプチドをもたらす全てのヌクレオチド配列が、本発明に含まれる。
本発明による組成物に含まれる少なくとも二つのタンパク質および/または本発明による防御ペプチドのいずれかをコードする核酸の好ましい例は、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:61〜66、SEQ ID NO:73〜78、SEQ ID NO:85〜90、SEQ ID NO:133〜174、SEQ ID NO:180〜184およびSEQ ID NO:204〜222からなる群より選択される少なくとも一つの核酸配列を含むまたはからなるものである。前記の配列は実施例の表7〜12および添付の配列表に示されている。
さらに、核酸は一つまたは複数の修飾塩基を含有してもよい。そのような核酸は、例えばリボースリン酸骨格の中に修飾を含有し、生理的環境でのそのような分子の安定性および半減期を増大してもよい。すなわち、安定性のためにまたは他の理由のために修飾された骨格を有するDNAまたはRNAは、その特徴が本明細書で意図される「核酸分子」である。さらに、二例を挙げると、イノシンなどの非通常塩基、またはトリチル化塩基などの修飾塩基を含むDNAまたはRNAは、本発明との関連のなかで核酸分子である。当業者に公知の多くの有用な目的にかなう多種多様の修飾が、DNAおよびRNAになされていることが理解されよう。核酸分子という用語は、本明細書で利用される場合、そのように化学的、酵素的、または代謝的に修飾された核酸分子の形態、ならびにとりわけ、単純細胞および複雑型細胞を含むウイルスおよび細胞に特徴的な、DNAおよびRNAの化学的形態を包含する。例えば、核酸によってコードされる本発明のペプチドもしくはタンパク質または組成物に影響を与えないヌクレオチド置換をなすことが可能であり、したがって抗原ペプチドもしくは機能的に活性なその変種または上記に定義の本発明の組成物をコードする任意の核酸分子が本発明によって包含される。
さらに、本発明のペプチドまたは組成物をコードする核酸分子のいずれも、標準的なクローニング技術などの標準的な技術を用い、S.アガラクティエ調節配列であれ異種調節配列であれ、任意の所望の調節配列、異種リーダー配列、異種マーカー配列、または異種コード配列に機能的に連結して、融合タンパク質を生成することができる。
本発明の核酸は、一般に、エンドヌクレアーゼおよび/もしくはエキソヌクレアーゼおよび/もしくはポリメラーゼおよび/もしくはリガーゼおよび/もしくはリコンビナーゼ、または核酸を産生するための当業者に公知の他の方法による核酸の操作により、インビトロでまたは培養細胞中で、もともと形成されうる。
本発明の一つの態様において、本発明による核酸はベクターまたはS.アガラクティエ以外の細胞に位置する。
ベクターは複製起点など宿主細胞中で複製するのを可能にする核酸配列と、一つまたは複数の治療遺伝子および/または選択可能なマーカー遺伝子と、コードされるペプチドまたはタンパク質の転写、翻訳、および/または分泌を指令する調節要素など当技術分野で公知の他の遺伝要素とを、さらに含んでもよい。ベクターを用いて、細胞に形質導入し、形質転換させ、または感染させ、それによって細胞に固有のもの以外の核酸および/またはタンパク質を細胞に発現させてもよい。ベクターは任意で、ウイルス粒子、リポソーム、タンパク質コーティングなどのような、細胞への核酸の移行の達成を助ける材料を含んでもよい。タンパク質発現に適した発現ベクターの多くのタイプが当技術分野において公知であり、それらを標準的な分子生物学技術で使用することができる。そのようなベクターは、昆虫、例えばバキュロウイルス発現系、または酵母発現系、真菌発現系、細菌発現系もしくはウイルス発現系を含め、従来のベクタータイプの中から選択される。多くのタイプが当技術分野で公知である他の適した発現ベクターを、この目的に使用することもできる。そのような発現ベクターを得るための方法は周知である(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning. A Laboratory Manual, 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory, New York(1989)を参照のこと)。一つの態様において、ベクターはウイルスベクターである。ウイルスベクターはレトロウイルスベクターおよびアデノウイルスベクターを含むが、これらに限定されない。
この方法によるトランスフェクションに適した宿主細胞または細胞株は、細菌細胞を含む。例えば、大腸菌(E. coli)の各種菌株が、生命工学の分野では宿主細胞として周知である。枯草菌(B. subtilis)、シュードモナス菌(Pseudomonas)、ストレプトマイセス菌(Streptomyces)、および他の桿菌(bacilli)などの各種菌株を、この方法において利用することもできる。当業者に公知の酵母細胞の多くの菌株も、本発明のペプチドの発現用の宿主細胞として利用可能である。他の真菌細胞またはスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugipedera)(Sf9)細胞などの昆虫細胞を、発現系として利用することもできる。あるいは、ヒト293細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、サルCOS-1細胞株またはSwiss、BALB/cもしくはNIHマウスに由来するマウス3T3細胞など、哺乳類細胞を使用してもよい。さらに他の適当な宿主細胞、ならびにトランスフェクション、培養、増幅、スクリーニング、産生、および精製のための方法は、当技術分野において公知である。
本発明のさらなる主題は、
(a)一つまたは複数の核酸を宿主細胞に導入する段階;
(b)タンパク質および/またはペプチドの発現をもたらす条件下で宿主細胞を培養することにより、核酸によってコードされるタンパク質および/またはペプチドを発現させる段階;ならびに
(c)発現された段階(b)のタンパク質および/またはペプチドを回収するおよび/または単離する段階
を含む、本発明による組成物または本発明による防御ペプチドを産生する方法に関する。
本発明のペプチドもしくは組成物、またはその成分は、本発明の核酸を適当な宿主細胞中で発現させることによって産生することができる。ペプチド/タンパク質をコードする核酸は、任意の従来技術によって宿主細胞に導入することができる。例えば、宿主細胞に、例えばエレクトロポレーションなどの従来の手段により、転写調節配列の制御下に本発明の核酸を含有する少なくとも一つの発現ベクターをトランスフェクトすることができる。トランスフェクトまたは形質転換された宿主細胞を次いで、タンパク質の発現を可能にする条件下で培養する。発現されたタンパク質は、当業者に公知の適切な手段によって、細胞から(または細胞外に発現されるなら、培地から)回収され、単離され、かつ任意で精製される。例えば、タンパク質は細胞溶解後に可溶型で単離され、または例えば塩化グアニジン中、公知の技術を用いて抽出される。必要に応じて、本発明のペプチドまたは断片は、融合タンパク質として産生される。そのような融合タンパク質は上記のものである。あるいは、例えば、選択された宿主細胞でのタンパク質の発現を促進するために、または精製を改善するために、融合タンパク質を産生することが望ましいこともある。本発明のペプチドおよび組成物を含む分子は、HPLC、FPLCなどを用いる順相または逆相のような液体クロマトグラフィー;親和性クロマトグラフィー(無機リガンドまたはモノクローナル抗体を用いるような);サイズ排除クロマトグラフィー;固定化金属キレートクロマトグラフィー;ゲル電気泳動などを含むがこれらに限定されない、さまざまな従来の方法のいずれかを用いて、さらに精製されてもよい。当業者は本発明の範囲から逸脱することなく、最も適した単離および精製技術を選択することができる。そのような精製は、微生物の他のタンパク質性材料および非タンパク質性材料を実質的に含まない形で、ペプチド/タンパク質/組成物をもたらす。
本発明の別の主題は、
(i)本発明による組成物および/または本発明による少なくとも一つの防御ペプチド;ならびに
(ii)任意で薬学的に許容される担体または賦形剤
を含む、薬学的組成物、とりわけワクチンに関する。
本発明のペプチドまたは組成物は、S.アガラクティエの感染によって引き起こされた疾患を有するヒトおよび/または動物を免疫するまたは処置するための方法に、使用することができる。それゆえ、ペプチドまたは組成物を薬学的組成物中で使用することができる。本発明の薬学的組成物は、薬学的に許容される担体および/または賦形剤をさらに包含してもよい。本発明において有用な薬学的に許容される担体および/または賦形剤は、従来のものであり、緩衝液、安定剤、希釈剤、保存剤、および可溶化剤を含んでもよい。E. W. Martin, Mack Publishing Co., Easton, PA, 15th Edition(1975)によるRemington's Pharmaceutical Sciencesには、本明細書で開示する(ポリ)ペプチド/タンパク質の薬学的送達に適した組成物および処方物が記載されている。
薬学的組成物が上記に定義の少なくとも二つの防御タンパク質を含む場合、部分群i)〜vi)のタンパク質を一つまたは複数の薬学的組成物に処方することができる。さらに、二つまたはそれ以上の薬学的組成物をともに、同時にまたは連続的に投与してもよい。
一般に、担体または賦形剤の性質は、利用される特定の投与方法に依るであろう。例えば、薬学的処方物は、通常、水、生理食塩水、平衡塩溶液、水性デキストロース、グリセロールなどのような、薬学的および生理学的に許容される流体を媒体として含む注射可能な流体を含む。固体組成物(例えば、粉末、丸剤、錠剤またはカプセル形態)の場合、従来の無毒性の固体担体は、例えば、薬学的等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムを含むことができる。投与される薬学的組成物は、生物学的に中性の担体に加えて、湿潤剤または乳化剤、保存剤およびpH緩衝剤などのような、少量の無毒性の補助物質、例えば酢酸ナトリウムまたはモノラウリン酸ソルビタンを含有することができる。
好ましい態様において、薬学的組成物は、アジュバントのような免疫刺激性の物質をさらに含む。アジュバントは投与の方法に基づいて選択することが可能であり、フロインドの完全および不完全アジュバントなどミネラルオイルに基づくアジュバント、ISAまたはISA206(SEPPIC, Paris, France)などのモンタニド不完全Seppicアジュバント、Ribiアジュバント系などの水中油型乳剤アジュバント、ムラミルジペプチドを含有するシンタックスアジュバント処方物、IC31(登録商標)(Intercell;ペプチドモチーフKLKを含む合成アジュバント[WO 02/32451]およびオリゴヌクレオチドを含む合成アジュバント[WO 01/93905])、またはアルミニウム塩アジュバント、好ましくは水酸化アルミニウムもしくはリン酸アルミニウムを含むことができる。
より好ましい態様において、免疫刺激性の物質は、ポリカチオン性の重合体、とりわけポリアルギニンなどのポリカチオン性のペプチド、免疫刺激性のデオキシヌクレオチド(ODN)、とりわけオリゴ(dIdC)13、少なくとも二つのLysLeuLysモチーフを含有するペプチド、とりわけ
Figure 0005437813
、神経活性化合物、とりわけヒト成長ホルモン、ミョウバン、アジュバント、およびそれらの組み合わせを含む群より選択される。その組み合わせは、ポリカチオン性の重合体と免疫刺激性のデオキシヌクレオチド、または少なくとも二つのLysLeuLysモチーフを含有するペプチドと免疫刺激性のデオキシヌクレオチドのいずれかであることが好ましい。さらにより好ましい態様において、ポリカチオン性の重合体は、ポリカチオン性のペプチドである。
本発明において用いられる「オリゴ(dIdC)13」という用語は、[オリゴ-d(IC)13]という用語によっても定義される、13デオキシ(イノシン-シトシン)モチーフを含有するホスホジエステル骨格の一本鎖DNA分子を意味する。正確な配列は、
Figure 0005437813
である。オリゴ(dIdC)13は、例えばWO 01/93903およびWO 01/93905に明記されているように、(オリゴ-dIC26);オリゴ-dIC26-mer;オリゴ-デオキシIC, 26-mer;またはオリゴ-dIC, 26-merという用語によっても定義することができる。
本発明のさらにより好ましい態様において、免疫刺激性の物質は少なくとも一つの免疫刺激性の核酸である。免疫刺激性の核酸は、例えば、天然もしくは人工のCpG含有核酸、無脊椎動物に由来する短い核酸ストレッチまたは規定の塩基に即して非メチル化シトシン-グアニンジヌクレオチド(CpG)を含有する短いオリゴヌクレオチド(ODN)の形態(例えばWO 96/02555に記載)のものである。あるいは、同様に、例えばWO 01/93903に記載のイノシンおよびシチジンに基づく核酸、またはデオキシ-イノシンおよび/もしくはデオキシウリジンを含有するデオキシ核酸(WO 01/93905およびWO 02/095027に記載されている)を、好ましくは、本発明のなかで免疫刺激性の核酸として使用することもできる。異なる免疫刺激性の核酸の混合物が、本発明において使用されることが好ましい。さらに、上記のポリカチオン性の化合物を、上記の免疫刺激性の核酸のいずれかと組み合わせることもできる。そのような組み合わせは、WO 01/93905、WO 02/32451、WO 01/54720、WO 01/93903、WO 02/13857、WO 02/095027、およびWO 03/047602に記載されているものによることが好ましい。
さらにまたあるいは、そのようなワクチン組成物は、神経活性化合物を含んでもよい。好ましくは、神経活性化合物は、例えばWO 01/24822に記載されているヒト成長因子である。同様に好ましくは、神経活性化合物は、上記に定義のポリカチオン性の化合物および/または免疫刺激性の核酸のいずれかと組み合わされる。
本発明の非常に好ましい態様において、アジュバントは、実施例において使用のもの、例えば、完全フロインドアジュバント、水酸化アルミニウム、または/ならびに
Figure 0005437813
ペプチドおよび[dIdC]13ホスホジエステルssDNA、例えばIC31(登録商標)(Intercell AG, Vienna, Austria;上記)などを含むアジュバントである。
例えば被験体を免疫化または処置するために、組成物を使用することができる。薬学的組成物は、本発明の少なくとも一つのペプチドまたは組成物を包含する;しかしながら、それは、任意で他の病原体の異なる抗原ペプチドまたはタンパク質と混合されてもよい、本発明の異なるペプチドおよび/または組成物を含有するカクテル(すなわち、単純混合物)を含有してもよい。これらのペプチド、ポリペプチド、タンパク質、またはそれらの断片もしくは変種のそのような混合物は、例えば広範囲のS.アガラクティエ分離株に対する所望の抗体の作製において有用である。本発明の(ポリ)ペプチド/組成物を、薬学的に許容される塩の形態で使用することもできる。本発明のペプチドと塩を形成できる適当な酸および塩基は、当業者に周知であり、無機および有機の酸および塩基を含む。
本発明の別の主題は、
(i)本発明による一つもしくは複数の核酸またはそれに相補的な一つもしくは複数の核酸、および
(ii)任意で薬学的に許容される担体または賦形剤
を含む、薬学的組成物に関する。
核酸配列を、単独で、またはペプチド/タンパク質/組成物もしくは他の病原微生物に向けられる抗体をコードする他の核酸配列との組み合わせで、薬学的組成物の成分としてさらに使用することができる。S.アガラクティエの感染によって引き起こされた疾患を有するヒトおよび/または動物を免疫するまたは処置するために、組成物を使用することができる。
薬学的に許容される担体または賦形剤は上記に定義の通りであってよい。
別の態様において、本発明の核酸配列を、単独で、または他の病原微生物由来の他の抗原もしくは抗体をコードする核酸配列との組み合わせで、被験体において病原体に対する防御免疫応答を積極的に誘導することに向けられた組成物にさらに使用することができる。本発明のこれらの成分は、S.アガラクティエの感染に対するヒトおよび/または動物での防御免疫応答を誘導する方法において有用である。
治療組成物またはワクチン組成物の調製で用いる場合、核酸送達の組成物および方法が有用であり、これらは当業者に公知である。本発明の核酸またはそれに相補的な一つもしくは複数の核酸は、本発明の方法でまたはDNA配列として本明細書に記載の組成物で利用され、裸のDNAとして投与されるか、薬学的に許容される担体と結び付けるかされ、抗原、ペプチド、またはポリペプチドのインビボでの発現をもたらしうる。いわゆる「裸のDNA」は、患者においてインビボで本発明のペプチドまたは組成物を発現するために使用することができる。(例えば、J. Cohen, Science, 259:1691-1692を参照されたく、これには「裸のDNA」の類似の用途が記載されている)。例えば、調節配列と結び付いた「裸のDNA」を治療的にまたはワクチン組成物の一部として、例えば、注射により投与することができる。
あるいは、本発明のペプチドもしくは組成物をコードする核酸またはそれに相補的な核酸を、例えば、抗体を誘導するため、例えば本発明のペプチドまたは組成物をインビボで発現させるために、薬学的組成物中で使用してもよい。
本発明の好ましい態様は、核酸がベクターおよび/またはS.アガラクティエ以外の細胞に含まれる薬学的組成物に関する。本発明との関連で適当なベクターおよび細胞は先に記載している。ベクターはDNAワクチンに特に利用される。当業者は送達に適したベクターを容易に選択することができる。インビボでの遺伝子送達のための例示的なベクターは、さまざまな学術的および商業的供給源から容易に入手可能であり、例えば、アデノ随伴ウイルスベクター(国際特許出願第PCT/US91/03440号)、アデノウイルスベクター(M. Kay et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91:2353(1994);S. Ishibashi et al., J. Clin. Invest., 92:883(1993))、または他のウイルスベクター、例えば、種々のポックスウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクターなどを含む。レトロウイルスまたはアデノウイルスのような組み換えウイルスのベクターは、外来性DNAを細胞の染色体に組み入れるのに好ましい。
本発明の別の主題は、以下の段階:
(a)本発明による組成物および/または本発明による少なくとも一つの防御ペプチドの有効量を動物に投与する段階;ならびに
(b)段階(a)の投与に反応して動物により産生された抗体を動物から単離する段階
によって特徴付けられる、抗体を産生する方法に関する。
本発明のさらなる主題は、以下の段階:
(a)B細胞を本発明による組成物および/または本発明による少なくとも一つの防御ペプチドの有効量と接触させる段階;
(b)段階(a)のB細胞を骨髄腫細胞と融合してハイブリドーマ細胞を得る段階;ならびに
(c)培養ハイブリドーマ細胞により産生された抗体を単離する段階
によって特徴付けられる、抗体を産生する方法に関する。
本発明の範囲内に同様に含まれるのは、本発明によるペプチドまたは組成物に対する抗体の産生である。これには、例えば、モノクローナルおよびポリクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、ならびにヒト化抗体に加え、Fab断片またはFab発現ライブラリの産物も含まれ、これらは本発明によるペプチドまたは組成物に特異的に結合することができる。
好ましい態様において、抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体もしくはヒト化抗体、または機能的に活性なその断片である。別の好ましい態様において、機能的に活性な断片はFab断片を含む。
本発明によるペプチドまたは組成物に対して作製される抗体は、本発明によるペプチドもしくは組成物の動物への直接注射により、または本発明によるペプチドもしくは組成物の動物、好ましくはヒト以外の動物への投与により、得ることができる。そのようにして得た抗体はその結果、本発明によるペプチドまたは組成物を結合するであろう。次にそのような抗体を用いて、反応性の抗原、ペプチド、またはタンパク質を、それらを発現する組織から単離することができる。
モノクローナル抗体の調製の場合、細胞株、例えばハイブリドーマ細胞株の連続培養による抗体の産生をもたらす、当技術分野において公知の任意の技術を使用することができる。
本発明による抗原ペプチドまたは組成物に対する一本鎖抗体を産生するために、一本鎖抗体の産生のために記載されている技術(米国特許第4,946,778号)を適合することができる。同様に、トランスジェニックマウスまたは他の哺乳動物などの他の生物を用いて、本発明による抗原ペプチドまたは組成物に対するヒト化抗体を発現させることができる。
抗体はハイブリドーマ細胞株を用いて産生することもできる。所望のモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマ細胞株は、周知の従来技術によって作製される。ハイブリドーマ細胞は、正常な活性化抗体産生B細胞を骨髄腫細胞と融合することにより作製することができる。本発明との関連で、ハイブリドーマ細胞は、本発明による抗原ペプチドまたは組成物に特異的に結合する抗体を産生することができる。
同様に、望ましい高力価抗体は、公知の組み換え技術を、これらのペプチド/タンパク質/組成物に対して開発されたモノクローナルまたはポリクローナル抗体に適用することにより作製される(例えば、PCT特許出願第PCT/GB85/00392号;英国特許出願公開公報第GB2188638A号;Amit et al., Science, 233:747-753(1986);Queen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:10029-10033(1989);PCT特許出願第WO90/07861号;Riechmann et al., Nature, 332:323-327(1988);Huse et al., Science, 246:1275-1281(1988)を参照のこと)。
詳しくは、ヒト以外の動物において、本発明のペプチドまたは組成物を動物に投与することによって免疫応答を惹起し、抗体を含有する体液を前記の動物から取り出し、かつ前記の抗体を含有する体液をさらなる精製段階に供することによって抗体を産生することにより、抗体を産生することができる。
あるいは、ヒト以外の動物において、本明細書で定義のペプチドまたは組成物を前記の動物に投与することによって免疫応答を惹起し、脾臓もしくは脾臓細胞を前記の動物から取り出しかつ/または前記の脾臓もしくは脾臓細胞のハイブリドーマ細胞を産生し、本発明によるペプチドまたは組成物に特異的なハイブリドーマ細胞を選択してローニングし、かつ前記のクローニングされたハイブリドーマ細胞の培養によって抗体を産生することにより、抗体を産生することもできる。
あるいは、ファージディスプレイ抗体ライブラリを利用して抗体を産生することもできる。この方法は、ファージディスプレイ抗体ライブラリの一つまたは複数の成員と表面結合抗原との選択的結合に基づいている。この方法は、例えば、以下のように行うことができる。選択した抗原を、ニトロセルロース、磁気ビーズ、カラムマトリックス、または、ポリスチロール試験管もしくは96ウェルプレートとして最も広く用いられているプラクチック表面など、固体表面に固定化する。抗体ファージを表面結合抗原とともにインキュベートし、引き続き十分な洗浄を行って過剰の非結合物質を除去する。その後、結合した抗体ファージを溶出させ、例えば、大腸菌(Escherichia coli)の感染によって増幅させることができる。この方法は単一の抗体ファージの検出を可能にし、その抗体ファージは、例えばその耐性マーカーにより選択できるので、溶出後に細菌コロニーを生じることができる。ファージディスプレイ抗体ライブラリを用いた抗体の単離は、Mancini et al., New Microbiol. 2004 Oct;27(4):315-328およびPini et al., Curr Protein Pept Sci. 2004 Dec;5(6):487-496によってさらに詳細に記載されている。
好ましい態様において、本発明の方法によって産生された抗体はさらに精製される。精製の方法は当業者に公知である。
抗体は、感染を処置する方法において使用することができる。したがって、本発明の別の主題は、本発明により産生された抗体を含む薬学的組成物、特にワクチンに関する。薬学的組成物は、上記に詳述のさらなる成分を包含することができる。組成物は、T細胞を刺激するその能力を高める物質をさらに包含することができる。これらにはTヘルパー細胞エピトープ、脂質もしくはリポソームまたはWO01/78767に記載の好ましい修飾が含まれる。エピトープのT細胞刺激能を高める別の方法は、免疫刺激物質、例えば、インターロイキン-2、-7、-12、-18、クラスIおよびIIインターフェロン(IFN)、特にIFN-γ、GM-CSF、TNF-α、flt3-リガンドなどのようなサイトカインまたはケモカインとのそれらの製剤である。
本発明の別の主題は、本発明による組成物の少なくとも二つのタンパク質に対するおよび/または本発明による少なくとも一つの防御ペプチドに対する抗体の混合物に関する。抗体の混合物を上記のようにさらに特徴付け、産生することができる。
抗体、抗体の混合物を産生する方法、および抗体の使用は同様に、実施例4および5、ならびに図4、8、および10〜13に記載している。
本発明の別の主題は、好ましくはS.アガラクティエに対する、より好ましくはS.アガラクティエによって引き起こされた肺炎、敗血症、髄膜炎、熱、嘔吐、食欲不振、癇症(irritability)、尿路感染症、および/または膣感染症に対する、被験体の免疫化または処置に向けた医薬の製造のための、本発明による組成物および/または本発明による少なくとも一つの防御ペプチドおよび/または本発明による核酸の一つもしくは複数の使用に関する。
本発明のペプチド、タンパク質、組成物、または核酸は概して、被験体において免疫応答を誘導するのに有用である。免疫化に使用されるワクチンは、経口、局所、鼻腔内、筋肉内、リンパ節内、皮内、腹腔内、皮下、およびそれらの組み合わせを含め、任意の従来の方法で、ただし最も好ましくは筋肉内注射により、S.アガラクティエによる感染を起こしやすい被験体、好ましくは哺乳動物、およびさらにより好ましくはヒトに投与することができる。筋肉内投与のための用量体積は、好ましくは最大約5 mlまで、さらにより好ましくは0.5 ml〜3 ml、および最も好ましくは約1〜2 mlである。皮下注射が投与経路として選択される場合の用量体積は、好ましくは最大約5 mlまで、さらにより好ましくは0.5 ml〜3 ml、および最も好ましくは約1〜2 mlである。各用量中の物質の量は、そのワクチン接種を受ける被験体に対して、S.アガラクティエの感染に対する有効な免疫を与え、かつS.アガラクティエの感染から生じる臨床的兆候を発現するリスクを減らすのに、十分とすべきである。好ましくは、タンパク質の単位用量は最大約5 μgタンパク質/kg体重、より好ましくは約0.2〜3 μgタンパク質/kg体重、さらにより好ましくは約0.3〜1.5 μgタンパク質/kg体重、より好ましくは約0.4〜0.8 μgタンパク質/kg体重、およびさらにより好ましくは約0.6 μgタンパク質/kg体重とすべきである。別の好ましいタンパク質の単位用量は、最大約6 μgタンパク質/kg体重、より好ましくは約0.05〜5 μgタンパク質/kg体重、さらにより好ましくは約0.1〜4 μgでありうる。この用量は、例えば1〜4週の間隔で、1〜3回投与されることが好ましい。1用量あたりの好ましいタンパク質の量は、およそ1 μg〜およそ1 mg、より好ましくはおよそ5 μg〜およそ500 μg、さらにより好ましくはおよそ10 μg〜およそ250 μgおよび最も好ましくはおよそ25 μg〜およそ100 μgである。
本発明の別の局面において、本発明により産生された抗体の混合物もしくは抗体またはそれらの機能的断片は、感染、好ましくはS.アガラクティエ感染の処置に向けた医薬の製造に使用される。この処置は、抗体の有効量を被験体、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに投与することを伴う。このように、本発明のペプチドまたは組成物に対する抗体を利用して、感染、とりわけ細菌感染、および特にS.アガラクティエから生じる感染を阻害するおよび/または処置することができる。
本発明のペプチド、タンパク質、組成物、もしくは核酸、または本発明により産生された抗体の「有効量」は、インビボでの効果を示すことが可能な、例えば感染、とりわけS.アガラクティエ感染の兆候または徴候を予防するまたは改善することが可能なその量として、計算することができる。当業者はそのような量を決定することができる。そのような物質は、経口、局所、鼻腔内、筋肉内、リンパ節内、皮内、腹腔内、皮下、およびそれらの組み合わせを含め任意の従来の方法で、ただし好ましくは筋肉内にまたは皮下に投与することができる。しかしながら、それは経口的にまたは局所的になど、その他任意の経路によって投与されるように処方されてもよい。そのような治療組成物の送達経路および投与量の選択は、当技術分野の技術の範囲内である。
本発明の文脈において処置は、治療的処置および予防的(prophylacticまたはpreventive)手段の両方を指し、その目的は標的とする病的状態または障害を防ぐまたは抑える(軽くする)ことである。処置を必要とするものには、障害を既に有するもの、および障害を有する傾向があるもの、または障害を予防すべきものが含まれる。
本発明の別の主題は、以下の段階:
(a)被験体から得たサンプルを本発明による組成物および/または本発明による少なくとも一つの防御ペプチドと接触させる段階;ならびに
(b)サンプル中の防御ペプチド、機能的に活性な変種、および/または組成物に対する抗体の存在を検出する段階
を含み、
抗体の存在がS.アガラクティエ感染を示す、
S.アガラクティエ感染を診断する方法に関する。
本発明の別の主題は、以下の段階:
(a)被験体から得たサンプルを本発明による抗体の混合物と接触させる段階;ならびに
(b)サンプル中の本発明による組成物の少なくとも二つのタンパク質の存在および/または本発明による少なくとも一つの防御ペプチドの存在を検出する段階
を含み、
少なくとも二つのタンパク質の存在および/または少なくとも一つの防御ペプチドの存在が、S.アガラクティエ感染を示す、
S.アガラクティエ感染を診断する方法に関する。
本発明の防御ペプチドもしくは組成物、または代替として抗体の混合物を、S.アガラクティエの検出に使用することができる。好ましくはそのような検出は、診断のためであり、より好ましくは疾患の診断のためであり、最も好ましくはS.アガラクティエ感染の診断のためである。防御ペプチドまたは組成物を用いて、例えば被験体から得たサンプル中での、S.アガラクティエ特異的な抗体またはその断片の存在を検出することができる。あるいは、抗体の混合物を用いて、例えば被験体から得たサンプル中での、S.アガラクティエタンパク質の存在を検出することもできる。サンプルは例えば血液サンプルであってよい。
本発明は同様に、正常および異常レベルの決定を含め、細胞および組織または体液中の本発明のタンパク質、組成物、および/または抗体の混合物のレベルを検出するための定量アッセイ法および診断アッセイ法などの診断アッセイ法に関する。宿主に由来するサンプル中のペプチド、組成物、または抗体のレベルを決定するために使用できるアッセイ技術は、当業者に周知である。そのようなアッセイ法は、放射免疫アッセイ法、競合的結合アッセイ法、ウエスタンブロット分析、およびELISAを含む。これらの中では、ELISAが好ましいことが多い。ELISAは初めに、ペプチドまたは組成物に特異的な抗体、好ましくはモノクローナル抗体を調製することを含む。さらに、モノクローナル抗体に結合する、通常レポーター抗体が調製される。レポーター抗体は、放射性試薬、蛍光試薬、または西洋ワサビペルオキシダーゼ酵素などの酵素試薬のような検出可能な試薬に付着される。
本発明のペプチドまたは組成物は、アレイの目的でまたはアレイに関連して、使用することもできる。より詳しくは、本発明のペプチドまたは組成物の少なくとも一つを支持体に固定化することができる。この支持体は、通常、本発明のペプチドまたは組成物の一つまたはいくつかを用いることにより多様性をもたらしうる種々のペプチド/タンパク質を含む。そのようなアレイおよび任意のアレイを特徴付ける特徴は、一般に、支持体またはその表面上の異なるまたは所定の領域または位置に、異なるペプチドが固定化されるという事実である。これにより、アレイの異なる位置または領域での任意の活性を、特定のポリペプチドと相関させることができる。支持体上に固定化される本発明の異なるペプチドまたは抗体の数は、わずかに10種から数1000種の本発明の異なるペプチドまたは組成物に及びうる。あるいは、本発明により産生される抗体を用いて、本発明のペプチドまたは組成物を検出することもできる。
そのようなアレイの製造は当業者に公知であり、例えば、米国特許第5,744,309号に記載されている。アレイは、好ましくは、少なくとも第一の表面を有する平面的な、多孔性または非多孔性の固体支持体を含む。好ましい支持体材料は、数ある中でも、ガラスまたはセルロースである。本明細書において記載される診断的適用のいずれにもアレイが使用されることも本発明の範囲内である。本発明のペプチドまたは抗体は別として、同様に、本発明による核酸分子を上記のアレイの作製に使用することができる。
本発明の別の主題は、以下の段階:
(a)被験体から得たサンプルを本発明による一つまたは複数の核酸に特異的なプライマーおよび/またはプローブと接触させる段階;ならびに
(b)サンプル中の本発明による一つまたは複数の核酸の存在を検出する段階
を含み、
一つまたは複数の核酸の存在がS.アガラクティエ感染を示す、
S.アガラクティエの感染を診断する方法に関する。
特異的なプライマーおよび/またはプローブを用いることによりサンプル中の核酸を検出する一連の方法は、当技術分野において公知である。一般に、これらの方法は対象とする核酸とのプライマーまたはプローブの特異的結合に基づいている。この方法は実際の検出段階の前に、核酸、例えばRNAまたはDNAの増幅を伴うことがある。それゆえ、検出可能な量の核酸を生成するために、RNAまたはDNAの転写および/または増幅を特異的に誘導するようにプライマーを使用することができる。適当な周知の技術は、PCRおよびRT-PCRでありうる。本発明の方法に適したプライマーおよびプローブは、本出願で示す配列情報に基づいて作製することができる。特定の核酸に対するプライマーおよびプローブをデザインするためのガイドラインおよびコンピュータ支援プログラム(例えばPrimer Express(登録商標), Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)は、当業者に公知である。
増幅段階の後、増幅された核酸、一般にDNAは、例えば、そのサイズ(例えばアガロースゲル電気泳動を伴うこと)により、または、増幅された核酸に特異的に結合する標識プローブを用いることにより、検出することができる。プローブは、色素、放射性マーカー、蛍光マーカー、酵素結合マーカー、またはその他任意のマーカーで標識することができる。
例えば、FRET(Forster共鳴エネルギー転移)を本発明の核酸の検出に使用することができる。FRETでは、供与体フロオロフォア分子が励起エネルギーを吸収し、双極子間相互作用を介してこれをすぐ近くの受容体フロオロフォア分子に渡す。この過程は、供与体および受容体分子がお互いに十分に近い場合にのみ起こる。供与体および受容体成分の最適な物理的配置を決定するためのいくつかの異なる戦略が、当業者に公知である。このため、蛍光供与体はその特定の蛍光励起波長で励起される。長距離に達する双極子間カップリング機構により、この励起状態は次いで、第二の分子である受容体に非放射的に転移される。供与体は電子基底状態に戻る。記載のエネルギー転移機構は「Forster共鳴エネルギー転移」(FRET)と呼ばれる。この過程は、DNAハイブリダイゼーションの結果としてFRETの供与体および受容体成分が結び付けられる際の蛍光を測定することを伴う。例えば、適当なマーカーで各々が標識された二つのプローブは、FRETが起きるのを可能にする距離の範囲内で本発明の核酸とハイブリダイズする。適当なマーカーの中にはCyan 500、Cy5、Cy3、SYBR Green I、フルオレセイン、HEX、Red 610、およびRed 640があり、含まれる二つのマーカーは、当業者に公知ように、それらの励起および発光スペクトルに基づいて選択されなければならない。核酸の検出に適した系は、LightCycler(登録商標)(Roche Diagnostics)である。
本発明の別の主題は、以下の段階を含む、本発明による組成物および/または本発明による少なくとも一つの防御ペプチドを結合できるリガンドを同定する方法に関する:
(a)ペプチドおよび/または組成物を含む試験系を提供する段階、
(b)試験系を試験化合物と接触させる段階、ならびに
(c)ペプチドおよび/または組成物との試験化合物の結合に応じて生じたシグナルを検出する段階。
より詳しくは、本発明による単離されたまたは固定化された防御ペプチドまたは組成物を、ペプチドに候補リガンドを結合させることが可能な条件下で、候補リガンドと接触させる段階であって、試験系には前記ペプチドとの候補リガンドの結合に応じて検出可能なシグナルを供与できる成分が含まれいる、段階と、ペプチドとリガンドの結合に応じて生じたシグナルの有無を検出する段階とによって、この方法を行うことができる。リガンドは、アゴニストまたはアンタゴニストであってよい。
リガンドの結合の検出のための試験系は当業者に公知であり、例えば、放射性リガンド、蛍光標識リガンド、または酵素標識リガンドなどの標識リガンドを用いた結合アッセイ法を含む。
試験化合物は、天然に存在するか、化学的に合成されるかのいずれかの任意の試験化合物であってよい。天然に存在する試験化合物は、とりわけ抗体、好ましくは本発明の抗体に類似性を示すものを含む。本発明の一つの好ましい態様において、試験化合物は化合物ライブラリの形態で提供される。化合物ライブラリは、複数個の化合物を含み、かつ化学的に合成された分子および天然産物を含めて複数の供給源のいずれかより構築されているか、または組み合わせ化学技術により作製されている。それらはハイスループットスクリーニングに特に適している。それらは特定の構造の化合物、または植物など特定の生物の化合物から構成されてもよい。
本発明のさらなる主題は、組成物および/またはペプチドの相互作用パートナーの単離および/または精製および/または同定のための、本発明による組成物および/または本発明による少なくとも一つの防御ペプチドの使用に関する。リガンドの単離および/または精製および/または同定は、上記に詳述のようにまたは当業者に公知のように行うことができる。本発明の好ましい態様において、親和性装置(affinity device)を使用することができる。親和性装置は、少なくとも支持体材料および支持体材料に付着された、本発明による任意の抗原ペプチドまたは組成物を含みうる。本発明による防御ペプチドおよび/または組成物の、その標的細胞もしくは標的分子またはその相互作用パートナーに対する特異性の理由から、ペプチドおよび/または組成物は、結合のための条件が合えば、支持体材料に適用されたどんな種類のサンプルからでもその相互作用パートナーの選択的除去を可能にする。サンプルは、発酵ブロス、細胞残屑、細胞調製物、組織調製物、臓器調製物、血液、尿、リンパ液、溶液(liquor)などを含むがこれらに限定されない、生物学的または医学的サンプルであってよい。ペプチドまたは組成物は、マトリックスに共有結合的または非共有結合的に付着されてもよい。適当な支持体材料は当業者に公知であり、セルロース、シリコン、ガラス、アルミニウム、常磁性ビーズ、デンプン、およびデキストランを含む群より選択することができる。
[請求項101]
i)SEQ ID NO:1(gbs0233p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質、
ii)SEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質、
iii)SEQ ID NO:3(gbs1309p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質、
iv)SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質、
v)SEQ ID NO:5(gbs1478p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質、および
vi)SEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなる防御タンパク質
からなる群より選択される少なくとも二つのタンパク質を含む、組成物。
[請求項102]
部分群i)〜vi)からなる群より選択される少なくとも三つのタンパク質を含む、請求項101記載の組成物。
[請求項103]
部分群i)〜vi)からなる群より選択される少なくとも四つのタンパク質を含む、請求項101または102記載の組成物。
[請求項104]
少なくとも二つ、三つ、または四つのタンパク質が、異なる部分群i)〜vi)より選択される、請求項101〜103のいずれか一項記載の組成物。
[請求項105]
タンパク質の少なくとも二つが、部分群i)〜vi)の一つより選択される、請求項101〜104のいずれか一項記載の組成物。
[請求項106]
- 部分群iv)の少なくとも一つのタンパク質、
- 部分群vi)の少なくとも一つのタンパク質、
- 部分群iv)の少なくとも一つのタンパク質および部分群vi)の少なくとも一つのタンパク質、
- 部分群iv)の少なくとも一つのタンパク質、部分群vi)の少なくとも一つのタンパク質、および部分群ii)の少なくとも一つのタンパク質、または
- 部分群iv)の少なくとも一つのタンパク質、部分群vi)の少なくとも一つのタンパク質、部分群ii)の少なくとも一つのタンパク質、および部分群v)の少なくとも一つのタンパク質
を含む、請求項101〜105のいずれか一項記載の組成物。
[請求項107]
少なくとも二つのタンパク質の一つが、SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはSEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドまたは天然に存在するその変種を含むまたはからなる、請求項101〜106のいずれか一項記載の組成物。
[請求項108]
少なくとも二つのタンパク質の一つが、SEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはSEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチドまたは天然に存在する機能的に活性なその変種を含むまたはからなる、請求項101〜107のいずれか一項記載の組成物。
[請求項109]
少なくとも二つのタンパク質の一つが、SEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはSEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチドまたは天然に存在する機能的に活性なその変種を含むまたはからなる、請求項101〜108のいずれか一項記載の組成物。
[請求項110]
少なくとも二つのタンパク質の一つが、SEQ ID NO:5(gbs1478p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはSEQ ID NO:5(gbs1478p)の防御ペプチドまたは天然に存在する機能的に活性なその変種を含むまたはからなる、請求項101〜109のいずれか一項記載の組成物。
[請求項111]
少なくとも二つのタンパク質の一つが、SEQ ID NO:1(gbs0233p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはSEQ ID NO:1(gbs0233p)の防御ペプチドまたは天然に存在する機能的に活性なその変種を含むまたはからなる、請求項101〜110のいずれか一項記載の組成物。
[請求項112]
少なくとも二つのタンパク質の一つが、SEQ ID NO:3(gbs1309p)の防御ペプチドまたは機能的に活性なその変種、好ましくはSEQ ID NO:3(gbs1309p)の防御ペプチドまたは天然に存在する機能的に活性なその変種を含むまたはからなる、請求項101〜111のいずれか一項記載の組成物。
[請求項113]
少なくとも二つのタンパク質が、
- SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチド、
- SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチド、または
- SEQ ID NO:4(gbs1477p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:6(gbs2018p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:2(gbs1087p)の防御ペプチドおよびSEQ ID NO:5(gbs1478p)の防御ペプチド
を包含する、請求項101〜112のいずれか一項記載の組成物。
[請求項114]
少なくとも二つのタンパク質の二つまたはそれ以上のタンパク質を結合して、少なくとも一つの融合タンパク質にする、請求項101〜113のいずれか一項記載の組成物。
[請求項115]
機能的に活性な変種が、
a)防御ペプチドの配列の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、および最も好ましくは少なくとも97%、98%、もしくは99%を含む、防御ペプチドの機能的に活性な断片であり、
b)防御ペプチドから少なくとも一つのアミノ酸置換、付加、および/もしくは欠失によって得られ、この機能的に活性な変種は、防御ペプチドに対しもしくはa)に定義の機能的に活性な断片に対して、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも75%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、および最も好ましくは少なくとも97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有し、ならびに/または
c)防御ペプチドもしくは機能的に活性なその変種、およびさらに防御ペプチドに対して異種性の少なくとも一つのアミノ酸からなり、
好ましくは該機能的に活性な変種が、SEQ ID NO:55〜60、67〜72、79〜84、91〜132、175〜179、185〜203、223〜234、および235〜425の配列のいずれかの天然に存在する変種のいずれかに由来するまたは同一である、
請求項101〜114のいずれか一項記載の組成物。
[請求項116]
SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:55〜57、59、60、68、69、71、72、79〜84、91〜132、175〜179、185〜203、223〜234、および235〜425からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる、防御ペプチド。
[請求項117]
請求項101〜115のいずれか一項記載の組成物に含まれる少なくとも二つのタンパク質および/または請求項116記載の防御ペプチドのいずれかをコードする、一つまたは複数の核酸。
[請求項118]
SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:61〜66、SEQ ID NO:73〜78、SEQ ID NO:85〜90、SEQ ID NO:133〜174、SEQ ID NO:180〜184、およびSEQ ID NO:204〜222からなる群より選択される少なくとも一つの核酸配列を含むまたはからなる、請求項117記載の一つまたは複数の核酸。
[請求項119]
核酸が、ベクターまたはS.アガラクティエ(S. agalactiae)以外の細胞内に位置する、請求項117または118記載の一つまたは複数の核酸。
[請求項120]
(a)一つまたは複数の核酸を宿主細胞に導入する段階、
(b)タンパク質および/またはペプチドの発現をもたらす条件下で宿主細胞を培養することにより、核酸によってコードされるタンパク質および/またはペプチドを発現させる段階、ならびに
(c)発現された段階(b)のタンパク質および/またはペプチドを回収するおよび/または単離する段階
を含む、請求項101〜115のいずれか一項記載の組成物または請求項116記載の防御ペプチドを産生する方法。
[請求項121]
(i)請求項101〜115のいずれか一項記載の組成物および/または請求項116記載の少なくとも一つの防御ペプチド、ならびに
(ii)任意で薬学的に許容される担体または賦形剤
を含む、薬学的組成物、特にワクチン。
[請求項122]
(i)請求項117〜119のいずれか一項記載の一つもしくは複数の核酸またはそれに相補的な一つもしくは複数の核酸、および
(ii)任意で薬学的に許容される担体または賦形剤
を含む、薬学的組成物。
[請求項123]
(a)請求項101〜115のいずれか一項記載の組成物および/または請求項116記載の少なくとも一つの防御ペプチドの有効量を動物に投与する段階、ならびに
(b)段階(a)の投与に反応して動物により産生された抗体を動物から単離する段階
によって特徴付けられる、抗体を産生するための方法。
[請求項124]
(a)請求項101〜115のいずれか一項記載の組成物および/または請求項116記載の少なくとも一つの防御ペプチドの有効量と、B細胞を接触させる段階、
(b)段階(a)のB細胞を骨髄腫細胞と融合してハイブリドーマ細胞を得る段階、ならびに
(c)培養したハイブリドーマ細胞により産生された抗体を単離する段階
によって特徴付けられる、抗体を産生するための方法。
[請求項125]
単離された抗体がさらに精製される、請求項123または124記載の方法。
[請求項126]
請求項101〜115のいずれか一項記載の組成物の少なくとも二つのタンパク質に対するおよび/または請求項116記載の少なくとも一つの防御ペプチドに対する抗体の混合物。
[請求項127]
好ましくはS.アガラクティエに対する、より好ましくはS.アガラクティエによって引き起こされた肺炎、敗血症、髄膜炎、熱、嘔吐、食欲不振、癇症(irritability)、尿路感染症、および/または膣感染症に対する、被験体の免疫化または処置に向けた医薬の製造のための、請求項101〜115のいずれか一項記載の組成物および/または請求項116記載の少なくとも一つの防御ペプチドおよび/または請求項117〜119のいずれか一項記載の一つもしくは複数の核酸の使用。
[請求項128]
(a)請求項101〜115のいずれか一項記載の組成物および/または請求項116記載の少なくとも一つの防御ペプチドと、被験体から得たサンプルを接触させる段階、ならびに
(b)サンプル中の該防御ペプチド、その機能的に活性な変種および/または該組成物に対する抗体の存在を検出する段階
を含む方法であって、
抗体の存在がS.アガラクティエ感染を示す、
S.アガラクティエ感染を診断する方法。
[請求項129]
(a)請求項126記載の抗体の混合物と被験体から得たサンプルを接触させる段階、ならびに
(b)サンプル中の請求項101〜115のいずれか一項記載の組成物の少なくとも二つのタンパク質および/または請求項116記載の少なくとも一つの防御ペプチドの存在を検出する段階
を含む方法であって、
少なくとも二つのタンパク質の存在がS.アガラクティエ感染を示す、
S.アガラクティエ感染を診断する方法。
[請求項130]
(a)請求項117〜119のいずれか一項記載の一つまたは複数の核酸に特異的なプライマーおよび/またはプローブと、被験体から得たサンプルを接触させる段階、ならびに
(b)サンプル中の請求項117〜119のいずれか一項記載の一つまたは複数の核酸の存在を検出する段階
を含む方法であって、
一つまたは複数の核酸の存在がS.アガラクティエ感染を示す、
S.アガラクティエの感染を診断するための方法。
[請求項131]
請求項101〜115のいずれか一項記載の組成物および/または請求項116記載の少なくとも一つの防御ペプチドを結合できるリガンドを同定するための方法であって、
(a)該ペプチドおよび/または該組成物を含む試験系を提供する段階、
(b)試験系を試験化合物と接触させる段階、ならびに
(c)該ペプチドおよび/または該組成物と試験化合物との結合に応じて生じたシグナルを検出する段階
を含む、方法。
[請求項132]
請求項101〜115のいずれか一項記載の組成物および/または請求項116記載の少なくとも一つの防御ペプチドの相互作用パートナーの単離および/または精製および/または同定のための、請求項101〜115のいずれか一項記載の組成物および/または請求項116記載の少なくとも一つの防御ペプチドの使用。
本発明は以下の図面、実施例および配列表によってさらに例証され、それによりさらなる特徴、態様、および利点が解釈されうる。本実施例は例証としてのみ与えられており、本開示の限定として与えられるものではないことを理解されたい。
S.アガラクティエ抗原でウサギを免疫することによって作製された、選択された過免疫ウサギ血清での受動免疫化により、マウス致死性モデルにおいて達成された防御を示す。CD-1マウス(1群あたりマウス10匹)の腹腔内に過免疫ウサギ血清150 μlを免疫し、1〜3時間後に、それらのマウスを腹腔内に抗原投与した。(A)gbs1309p、gbs1478p、gbs2018p、Sip、およびPBSによって誘導された過免疫血清、1×107 cfuのC388/90(血清型Ia/c)で抗原投与。(B)gbs1478p、gbs2018p、Sip、およびPBSによって誘導された過免疫血清、5×106 cfuのATCC12401(血清型Ib)で抗原投与。(C)gbs0233p、gbs1087p、gbs1477p、Sip、およびPBSによって誘導された過免疫血清、1×108 cfuのATCC12403(血清型III)で抗原投与。(D)gbs0233p、gbs1087p、gbs2018p、Sip、およびPBSによって誘導された過免疫血清、1×108 cfuのATCC49447(血清型V)で抗原投与。生存を抗原投与後14日間モニターした。生存マウスの数は、マウス全体に占める割合としてプロットしている。 マウス致死性モデルにおいて、S.アガラクティエ抗原特異的な過免疫ウサギ血清の組み合わせで達成された防御を示す。腹腔内抗原投与の1〜3時間前に、CD-1マウス(1群あたりマウス10匹)の腹腔内に過免疫ウサギ血清の異なる組み合わせ(過免疫ウサギ血清1つあたり150 μl)を免疫した。Sipによって誘導された血清と、PBSによって誘導された血清とをそれぞれ、陽性対照および陰性対照として使用した。マウスをgbs1087p、gbs1477p、gbs1478p、およびgbs2018pによって誘導された血清の組み合わせで免疫し;(A)5×106 cfuのATCC12401(血清型Ib);(B)1×108 cfuのATCC 12403(血清型III)、および(C)1×108 cfuのATCC49447(血清型V)で抗原投与した。生存を抗原投与後11日間モニターした。生存マウスの数は、マウス全体に占める割合としてプロットしている。 血清型IIIのGBS菌株ATCC12403の表面染色を示す。過免疫ウサギ血清の結果(黒色)を、各免疫前血清の結果(白色)との比較で示す。 過免疫ウサギ血清および異なるGBS菌株でのオプソニン食作用による殺傷アッセイ法を示す。(A)動物試験に適していない、血清型IIのGBS菌株AC3912。(B)動物試験に用いた、血清型VのGBS菌株BAA23。PI、免疫前血清;HI、過免疫血清。対数期のGBS細胞を、60分間5%モルモット補体の存在下、200倍希釈した血清でオプソニン化した。食細胞(RAW264.7)をオプソニン化された細菌に添加し、37℃でさらに60分間インキュベートした。37℃での終夜インキュベーション後、生存している細菌を寒天プレートにてカウントした。実験手順の下で記載したように、0分および60分のインキュベーション後に免疫前血清で得られたCFUに比べて異なる過免疫血清とのインキュベーション後に得られたCFUに基づき、殺傷の割合を算出した。 図5A〜Dは、ゲノム菌株および配列決定菌株由来のgbs1477相同タンパク質配列の配列アライメントを示す。配列のアライメントはVector NTIからのソフトウェア(Suite 7.1;Invitrogen, Austria)を用いて行った。配列の左側の名称は菌株名称を示す。太字のアミノ酸は、配列の少なくとも50%において同一の残基である。は、停止コドンの位置を示す。 GBS抗原の組み合わせで免疫することによる成体マウスの能動防御を示す。CD-1マウス(1群あたりマウス10匹)を、組み換えタンパク質(gbs1087p、gbs1477p、gbs1478p、およびgbs2018p;各25 μg)の異なる組み合わせで免疫した。陽性対照として、Sipタンパク質25 μg(白丸)を用いた。陰性対照の場合、PBS(白四角)をALUM 1%とともに用いた。最後の追加免疫から1週間後、マウスを(A)3.5×106 cfuの12401;(B)8.8×107 cfuの12403、または(C)1.1×108 cfuの49447で抗原投与した。生存マウスの数は、マウス総数の割合としてプロットしている。 単一のGBS抗原で免疫することによる成体マウスの能動防御を示す。CD-1マウス(1群あたりマウス10匹)を、異なる組み換えタンパク質(gbs0233p、gbs1087p、gbs1309p、gbs1477p、gbs1478p、およびgbs2018p;各50 μg)で免疫した。陽性対照として、Sipタンパク質50 μg(白丸)を用いた。陰性対照の場合、PBS(白四角)をALUM 1%とともに用いた。最後の追加免疫から1週間後、マウスを(A)3.5×106 cfuの12401;(B)8.8×107 cfuの12403、または(C)1.1×108 cfuの49447で抗原投与した。生存マウスの数は、マウス総数の割合としてプロットしている。 組み換えGBS抗原の組み合わせで作製されたウサギ血清での母体の受動免疫化による新生仔マウスの防御を示す。妊娠CD-1マウスを、妊娠後18日目にgbs1087p、gbs1477p、gbs1478p、およびgbs2018pによって誘導された血清の組み合わせで、またはPBSによって誘導された対照血清500 μlで免疫した。新生仔を出生後24〜38時間以内に(A)1.2×107 cfuのC388/90;(B)1.3×106 cfuの12403;(C)5.7×106 cfuのBAA23、または(D)1.8×108 cfuの2603 V/Rの抗原投与の致死量で抗原投与した。生存新生仔の数は、抗原投与新生仔の総数の割合としてプロットしている。 異なる分岐群のgbs1477pタンパク質で免疫することによる成体マウスの能動防御を示す。CD-1マウス(1群あたりマウス10匹)を、異なる分岐群のgbs1477pタンパク質(gbs1477p-2603V/R、gbs1477p-49447、gbs1477p-C388/90、gbs1477p-126H4A、およびgbs1477p-NEM316;各50 μg)で免疫した。陰性対照として、PBS(白四角)をALUM 1%とともに用いた。最後の追加免疫から1週間後、マウスを(A)1.4×107 cfuのC388/90;(B)1.2×108 cfuの12403、または(C)1.6×108 cfuのBAA23で抗原投与した。生存マウスの数は、マウス総数の割合としてプロットしている。 異なる組み換えGBS抗原に対するマウスmAbでの免疫による成体マウスの防御を示す。CD-1マウスの腹腔内に各マウスmAb 50 μgを免疫した。1〜3時間後に、マウスを(A)1.2×108 cfuの12403;(B)1.5×108 cfuの12403、または(C)1.1×108 cfuの49447で腹腔内に抗原投与した。生存マウスの数は、抗原投与マウスの総数の割合としてプロットしている。 異なる組み換えGBS抗原に対する5種のマウスmAbの組み合わせでの免疫による成体マウスの防御を示す。CD-1マウスの腹腔内に各マウスmAb 25 μgを免疫した。1〜3時間後に、マウスを(A)1.2×107 cfuのC388/90;(B)9.6×107 cfuの12403、または(C)1.7×108 cfuのBAA23で腹腔内に抗原投与した。生存マウスの数は、抗原投与マウスの総数の割合としてプロットしている。 血清型IIIのGBS菌株ATCC12403の表面染色を示す。モノクローナル抗体(黒色)の結果を緩衝液対照(白色)とともに示してある。 過免疫ウサギ血清および異なるGBS菌株でのオプソニン食作用による殺傷アッセイ法を示す。ウサギ血清を1,000分の1の血清希釈でオプソニン食作用による殺傷アッセイ法において試験し、殺傷割合(%)を各免疫前血清との関連で計算した。オプソニン食作用による殺傷アッセイに異なる2種類の量、すなわち1.0および0.1 μgを添加して、マウスモノクローナル抗体を試験した。モノクローナル抗体の殺傷割合(%)を補体対照との関連で計算した。
実施例
実施例1:i.p.抗原投与モデルにおいて致死敗血症に対する防御免疫応答を誘導するB群連鎖球菌抗原およびその組み合わせ
実験手順
組み換えB群連鎖球菌タンパク質のクローニングおよび発現
遺伝子のクローニング
関心対象の遺伝子をS.アガラクティエATCC12403(血清型III)のゲノムDNAから、遺伝子特異的なプライマーを用いてPCRにより増幅した。プライマーには、遺伝子特異的な部分とは別に、増幅されたPCR産物の方向性クローニングに役立つ制限部位を持たせた。プライマーの遺伝子アニーリング(特異的)部分は、長さが15〜30塩基に及んだ。得られたPCR産物を適切な制限酵素で消化し、Hisタグ付のタンパク質を得るためpET28b(+)ベクター(Novagen)にクローニングした。組み換えプラスミドが関心対象の遺伝子を含有すると確認されたら、発現宿主としての役割を果たす、大腸菌BL21 star(登録商標)細胞(Invitrogen)を形質転換した。gbs1087、gbs1477およびgbs1478遺伝子のクローニングは、ベクターpET28a(+)において菌株S.アガラクティエ6313(血清型III)のゲノムDNAを用い行った。遺伝子の起源および選択した抗原の完全長遺伝子内の位置を表1に記載する。アミノ酸および核酸配列は以下の通りである。
アミノ酸配列:
Figure 0005437813
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核酸配列:
Figure 0005437813
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タンパク質の発現および精製:
組み換えプラスミドを内部に持つ大腸菌BL21 star(登録商標)細胞を、必要な培養量のなかで対数期に増殖させた。OD600 nm 0.6に達したら、培養物を37℃で3時間0.5 mM IPTGにより誘導した。細胞を遠心分離によって回収し、凍結融解法に続いて「Bug-buster(登録商標)」、(Novagen)での細胞の破壊の組み合わせによって溶解した。遠心分離によって溶解物を可溶性(上清)および不溶性(ペレット)画分に分離した。タンパク質の場所に応じて、異なる精製戦略を適用した。A)Hisタグ付のタンパク質が可溶性画分にあれば、上清をNi-Sepharoseビーズ(Ni-Sepharose(商標)6 Fast Flow, GE Healthcare)に結合させることによってタンパク質の精製を行った。発現されたタンパク質のC末端のヘキサヒスチジン(6×HIS)の存在により、これはNi-Sepharoseに結合したのに対し、その他の混入タンパク質は洗浄用緩衝液によってカラムから洗浄された。20 mM NaH2PO4、0.5 mM NaCl緩衝液pH 7.4中500 mMのイミダゾールによってタンパク質を溶出した。溶出液を濃縮し、タンパク質濃度を目的にBradfordによってアッセイし、SDS-PAGEおよびウエスタンブロットにより調べた。B)タンパク質が不溶性画分にあれば、8 M尿素を含有する適当な緩衝液中でペレットを可溶化し、上記と同じ材料および手順を用い変性条件下(8 M尿素を含有する緩衝液中)でNi-NTAカラムにアプライした。尿素を含まない洗浄用緩衝液によってカラムから混入タンパク質を洗浄した。Hisタグ付のタンパク質の再折り畳みが行われ、タンパク質がNi-NTAマトリックスに固定化された。復元後、500 mMイミダゾールの添加によってタンパク質を溶出した。溶出液を透析して微量の尿素を除去し、容量が大きければ濃縮し、SDS-PAGEによって調べ、Bradford法によって測定した。
動物防御試験
動物:CD-1雌性マウス(6〜8週齢)をこれらの試験に用いた。
能動免疫、過免疫マウス血清の作製
組み換えタンパク質50 μgをCD-1マウスに皮下注射し、完全フロインドアジュバント(CFA)でアジュバントした。動物を14日目および28日目に、同量のタンパク質および不完全フロインドアジュバント(IFA)で2回追加免疫した。公表されている防御Sip(gbs0031)タンパク質抗原(Brodeur et al., Infect Immun. 68(10):5610-5618(2000))を陽性対照として使用し、アジュバントのみで免疫したマウスを陰性対照として役立てた。各組み換えタンパク質を用いてELISAにより、35日目に抗体力価を測定した。過免疫血清の作製の場合、マウスを35日目に最終的に採血した。
過免疫ウサギ血清の作製
ポリクローナルウサギ血清はCharles River Laboratories, Kislegg, Germanyでgbs0031、gbs0233p、gbs1087p、gbs1309p、gbs1477p、gbs1478pおよびgbs2018pに対して作製された。組み換えタンパク質250 μgをNew Zealand Whiteウサギに注射し、完全フロインドアジュバント(CFA)でアジュバントした。動物を28日目、42日目および56日目に、同量のタンパク質で、しかし不完全フロインドアジュバント(IFA)で3回追加免疫した。各組み換えタンパク質を用いてELISAにより、38日目および52日目に抗体力価を測定した。ウサギを70日目に最終的に採血した。
受動免疫:
細菌抗原投与の1〜3時間前にCD-1マウスの腹腔内にマウスまたはウサギ過免疫血清150 μlを免疫した。
細菌抗原投与:
新しく増殖されたS.アガラクティエ菌株C388/90(血清型Ia/c)、A909(血清型Ia/c)、ATCC12401(血清型Ib)、ATCC12403(血清型III)、COH1(血清型III)、BAA22(血清型III)、2603V/R(血清型V)、ATCC49447(血清型V)、BAA23(血清型V)を動物抗原投与試験に使用した。細菌接種物に存在する生存細胞数を決定するために、血液寒天プレートにプレーティングすることによってcfuを決定した。106〜108 cfuをマウスの腹腔内に投与した。免疫による防御を致死敗血症モデルによって測定した。このモデルでは、生存率を抗原投与後1〜2週間追跡し、生存を全動物数(マウス10匹/群)の割合として表現した。
結果
ゲノム規模の抗原同定法を使用することにより、本発明者らは、ヒトでの免疫原性に基づいてB群連鎖球菌抗原を選択し(WO2004/099242)、インビトロアッセイ法に基づいてワクチン候補を予め選択した。ここで本発明者らは、6種のB群連鎖球菌抗原による免疫防御を動物モデルにおいて示す。第一のスクリーニングモデルは生体マウスと、ゲノムライブラリの構築およびワクチン候補のいくつかのクローニングにも使用したマウス適合S.アガラクティエATCC 12403血清型III菌株とを用いてセットアップした。本発明者らは、CD-1マウスを用いた方法をセットアップし、LD90〜LD100用量を規定した。陽性および陰性対照の血清を用いることによって、モデルのセットアップをさらに最適化した。アジュバントだけで免疫されたまたは対照血清で処置された動物に比べてSipまたは抗Sip免疫血清で免疫されたマウスの致死性の低減により、防御を評価した。これらのデータに基づき、CD-1マウスおよび5×107〜1×108 cfuの抗原投与量をさらなる試験に使用した。マウスをCFA/IFAでアジュバントされた組み換え抗原で最初に免疫し、その後の実験において、S.アガラクティエATCC12403(血清型III)による抗原投与の前に未処置の動物に過免疫マウス血清を移入した。能動モデルでも受動モデルでも、Sipに比べて高い、等しいまたは低い生存までの、さまざまな防御レベルを示すいくつかの防御抗原が同定された。いくつかの異なるB群連鎖球菌血清型はヒトにおいて重篤な疾患を引き起こしうるので、動物実験において全ての主要な血清型に対するワクチン候補の交差防御を試験することが重要である。さらに、防御抗原がその一次配列および発現においてのみならず、その防御能においても菌株依存的なバラツキを示すことがはっきりと実証された。そのために、本発明者らは、主要な血清型Ia、Ib、IIIおよびVに相当するいくつかの異なるS.アガラクティエ菌株でスクリーニングモデルをセットアップした。最も一般的な血清型Ia、IIIおよびVのなかの2〜3種の異なる菌株を用いることにより、一つの血清型のなかでの菌株依存的な防御にも取り組んだ。この多数の実験を最低限の動物殺処理および良好な比較可能性で行うために、本発明者らは、選択したインビトロの組み換え抗原の全てに対して過免疫ウサギ血清を作製した。標準的なプロトコルを用いて3羽のウサギを、CFA/IFAでアジュバントされた各個々の抗原で免疫した。動物の血清をELISAで試験することにより既存のGBS特異的な抗体について動物をプレスクリーニングし、顕著な反応がない動物だけを免疫試験に含めた。個々の過免疫血清を次に抗原特異的な抗体レベルについて分析し、さらなる分析のためにプールして用いた。すなわち、全く同じ免疫血清を、本発明者らが動物試験に有用であると見出した異なる9種のGBS菌株による受動防御試験に使用した。これらの実験の結果として、本発明者らは、単独の抗原として用いた場合に少なくとも一つの血清型に対して防御を示した6種の新規のワクチン候補、つまりgbs0233p、gbs1087p、gbs1309p、gbs1477p、gbs1478pおよびgbs2018pを同定することができた(図1)。
異なる抗原成分の組み合わせの利益を調べるために、本発明者らは、異なる抗原特異性を有するウサギ血清を組み合わせることにより受動防御試験を行った。これらの6種の防御ワクチン候補を用いた異なる組み合わせにより、本発明者らは単一のタンパク質と比べて、試験した全GBS血清型に対する防御の増大を実証することができた。gbs1477p + gbs2018pの組み合わせは多くの血清型に対して著しく増加した防御レベルをもたらした。これまでに認められた最良の防御は、大部分のマウスを、試験した全9種のGBS菌株から防御したgbs1087p + gbs1477p + gbs1478p + gbs2018pの組み合わせで達成された(図2)。
実施例2:B群連鎖球菌抗原による機能的抗体の表面曝露および誘導
実験手順
FACS分析:
試験するS.アガラクティエ菌株をグリセロールストックからTHB培地5 mlに植菌し、37℃で終夜インキュベートした。終夜培養物200 μlを新鮮なTHB培地10 mlに添加することによって再び植菌し、OD600 nmおよそ1(細胞およそ5×108個/ml)に達するまでインキュベートした。細菌細胞を5分間4,000 rpmでの遠心分離によってペレットとし、HBSS 2 mlで2回洗浄した。最終のペレットを1% BSA入りのHBSSに再懸濁して細胞5×106個/mlの細胞密度を得た。細菌懸濁液100 μlに血清1 μlを添加し、氷上にて45分間インキュベートした。細菌を4分間1,000 gでの遠心分離によってペレットとし、1% BSA入りのHBSS 150 μlで1回洗浄し、1% BSA入りのHBSS 100 μlに再懸濁した。オプソニン化された細菌に二次抗体(PE結合ヤギF(ab)2断片抗ウサギIgG)1 μlを添加し、これを暗所中、氷上にて45分間インキュベートした。細胞を上記のようにHBSS 150 μlで2回洗浄し、HBSS 250 μlに溶解し、4%パラホルムアルデヒド250 μlの添加によって細胞を固定した。細菌の蛍光染色をFACS分析によって測定した。
オプソニン食作用による殺傷アッセイ法
細菌細胞の調製:
試験するS.アガラクティエ菌株をグリセロールストックからTHB培地5 mlに植菌し、37℃で終夜インキュベートした。終夜培養物200 μlを新鮮なTHB培地10 mlに添加することによって再び植菌し、OD600 nmおよそ1に達するまでインキュベートした。細菌を5分間4,000 rpmでの遠心分離によってペレットとし、HBSS 2 mlで2回洗浄した。最終のペレットを0.125% BSA入りのHBSSに再懸濁して細胞5×104個/85 μlの終濃度を得た。
RAW264.7細胞の調製:
細胞をDMEM高グルコース培地25 mlの入ったT175フラスコ中にて37℃で5% CO2により培養した。細胞をスクレイピングによってフラスコから引きはがし、10分間1,000 rpmでの低速遠心分離によって回収し、10 mMグルコース入りのHBSS 50 mlで2回洗浄し、10 mMグルコース入りのHBSSに再懸濁して細胞1×107個/mlの細胞濃度を得た。
オプソニン食作用による殺傷アッセイ法:
細菌(85 μl)をモルモット補体10 μlおよび予め希釈した血清5 μlと混合し、振盪(500 rpm)しながら6℃で60分間インキュベートした。オプソニン化された細菌に、RAW264.7細胞100 μl(細胞1×106個)を添加した。10 μlのアリコートを3つ取り、それぞれを水1.5 mlに添加し、5分のインキュベーションの後、100 μlを血液寒天プレートにプレーティングして初期細菌数T0を決定した。オプソニン化された細菌およびRAW264.7細胞を含む懸濁液を、振盪(500 rpm)しながら37℃で1時間インキュベートした。60分のインキュベーションの後、10 μlのアリコートを3つ取り出し、それぞれを1.5 mlに希釈し、5分のインキュベーションの後、100 μlを血液寒天プレートにプレーティングしてT60を決定した。終夜培養の後、コロニーカウンタでcfuを決定した。
評価:
各サンプルに対し、T0時のcfuとT60時のcfuの関係を決定した。T0とT60の関係を式100-100×(試験血清/免疫前血清)とともに用いて各免疫前血清に対し各試験血清の殺傷の割合を関連付けた。
結果
動物試験において防御に関する試験をした、まさにそのプールウサギ過免疫血清を用いFACS分析により、gbs0233、gbs1087、gbs1309、gbs1477、gbs1478およびgbs2018の表面発現の分析を行った。これらの6種の防御抗原がB群連鎖球菌菌株の表面に検出された。4種の抗原(gbs1087、gbs1477、gbs1478、gbs2018)は最も一貫して検出され(図3)、gbs0233はインビトロにおいて全菌株により発現されず、gbs1309は細菌上清において主に検出された。インビトロでの発現実験は血清型Ia、Ib、II、III、IVおよびV由来の異なる9種の菌株で行われており、最も包括的な試験は血清型IIIの菌株ATCC12403で行われている。
受動防御のデータによれば、選択した6種のワクチン候補による防御は抗体によって主に媒介されることが確証される。インビトロアッセイ法において機能的抗体を測定する能力は、予防ワクチンと抗体に基づく治療または予防との両方の開発に不可欠である。6種の血清型(Ia、Ib、II、III、IVおよびV)に当たる異なる9種のS.アガラクティエ菌株を用い、機能的抗体の誘導についてgbs0233p、gbs1087p、gbs1309p、gbs1477p、gbs1478pおよびgbs2018pを評価した。動物試験に適さなかった、血清型IIおよびIVに当たる2種のGBS菌株を、オプソニン食作用による殺傷アッセイ法に含めた。インビトロアッセイ法の一例として、2種の菌株での結果を図4、血清型IIの菌株AC3912(図4A)および血清型Vの菌株BAA23(図4B)に示す。オプソニン食作用による殺傷アッセイ法と同時に、ウエスタンブロットおよびFACS分析により試験抗原のインビトロ発現について細胞を調べた。200分の1の血清希釈で、gbs1478pだけが血清型II菌株AC3912の殺傷50%超を示し(図4A)、gbs1477pもgbs1478pもともに血清型V菌株BAA23の殺傷50%超を示した(図4B)。残りの抗原は図4において試験した菌株の殺傷50%未満を示したが、これはほとんどの場合、これらの菌株における抗原のインビトロ発現の不良によって説明することができる。
実施例3:防御B群連鎖球菌抗原の配列保存
実験手順
S.アガラクティエ遺伝子の配列分析:
多様なS.アガラクティエ菌株由来の抗原の配列を決定するために、関心対象の遺伝子に特異的なプライマーでPCRを行った。これらの分析に用いたS.アガラクティエ菌株を表2および13に示す。PCRのプライマーとしてのオリゴヌクレオチドの配列は、選択した抗原に対して遺伝子全体を増幅できるようにデザインされた。PCR産物を鋳型として用い専用プライマーで配列決定を行った。オリゴヌクレオチドの配列を表3に記載する。全てのS.アガラクティエ菌株のゲノムDNAは、WO2004/099242に記載されているように調製した。Taqポリメラーゼ(1 U)、200 nM dNTPs、10 pMolの各オリゴヌクレオチドおよびキットを製造元の使用説明書(Invitrogen, The Netherlands)にしたがって用い25 μlの反応容量でPCRを行った。条件を個々のプライマー対に適合させなければならなかった場合を除き、基準として、30サイクル(1×:5分95℃、30×:30秒95℃、30秒56℃、30秒72℃、1×:4分72℃)を行った。PCRサンプルを表3に記載のオリゴヌクレオチドで配列決定した。
結果
S.アガラクティエの8種の個々の菌株(表2および4)のゲノム配列が公表されており、これらを実施例1の下で防御的であることが示された6種の抗原に対して比較した。タンパク質gbs0233およびgbs1087は、高度に保存されている(それぞれ、99%および91%超の同一性;表2および4)が、gbs1087は種々のGBS菌株においてさまざまな繰り返し数を示す(同様にWO2004/035618参照)ことが比較から明らかになった。この高度のタンパク質配列同一性(gbs0233:>99%;gbs1087:>86%)は、表5、7、8および表13に記載のならびに配列表に記載のDNA配列分析に供された菌株でも認めることができた。分析された菌株のどのgbs0233タンパク質もS.アガラクティエNEM316由来のgbs0233に対して少なくとも98.7%のアミノ酸配列同一性を示し、6アミノ酸位だけが変化を示した。分析された菌株由来のgbs1087タンパク質の配列も高度に保存されていたが、各菌株は高度に保存された17アミノ酸長の配列の繰り返しを1個から29個まで持っていた。タンパク質gbs1309およびgbs2018の配列は7種のゲノム菌株において高い配列保存を示した(それぞれ、87%および77%超の同一性)が、菌株COH1においてはタンパク質の配列はより顕著に異なった(それぞれ、69.9%および47.7%;表4)。gbs1309タンパク質は配列決定されたGBS菌株において同じような高度のアミノ酸配列同一性(89.6%)を示した(表5、9、13および配列表)が、gbs2018タンパク質は二つの分岐群に分類することが可能であり、菌株の95%が少なくとも60.8%の配列同一性を有する一方の分岐群に属し、3種の菌株COH1(III)、BAA22(III)および49447(V)がもう一方の分岐群に属する。タンパク質gbs1478は6種のゲノム菌株において高度に保存されている(87%超の同一性)が、菌株COH1およびA909はおよそ43%のもっと低いアミノ酸配列同一性を示す(表4)。タンパク質gbs1478は、表5、11、13および配列表に示すように、分析されたほとんどのGBS菌株において保存されているが、主要な分岐群(分析された菌株のおよそ80%)では80%超のアミノ酸配列同一性および第二の分岐群では99%超のアミノ酸配列同一性の2つの異なる分岐群として存在する。タンパク質gbs1477は最高度のアミノ酸配列可変性を示し、特徴付けられる異なる6つの分岐群を有する。菌株COH1およびA909は、有意なアミノ酸配列同一性を有する相同タンパク質をコードしていない(表4)。さらに異なるGBS菌株由来のgbs1477遺伝子の配列分析から、選択された全菌株がgbs1477と相同なタンパク質をコードすること、ならびに全6種の分岐群がこれらの配列によって網羅される(表5、6、10、13、配列表および図5)ことが明らかにされた。gbs1477の6つの分岐群に対する原型配列は、以下である:菌株12401(分岐群1;SEQ ID NO:93)、菌株IC254(分岐群2;SEQ ID NO:110)、菌株126H4A(分岐群3;SEQ ID NO:94)、菌株49447(分岐群4;SEQ ID NO:95)、菌株C388/90(分岐群5;SEQ ID NO:100)ならびに菌株NEM316(分岐群6;SEQ ID NO:223およびSEQ ID NO:361);(配列は全て、配列表を参照のこと)。いずれの単分岐群のなかでも、アミノ酸配列同一性のレベルは少なくとも98%に達する。
実施例4:B群連鎖球菌抗原およびその組み合わせ、ならびにこれらの抗原に対して作製されたマウスモノクローナル抗体は、i.p.抗原投与モデルにおいて致死敗血症に対する防御免疫応答を誘導する
実験手順
組み換えB群連鎖球菌タンパク質のクローニングおよび発現
遺伝子のクローニング
関心対象の遺伝子をS.アガラクティエATCC12403(血清型III)のゲノムDNAから、遺伝子特異的なプライマーを用いてPCRにより増幅した。プライマーには、遺伝子特異的な部分とは別に、増幅されたPCR産物の方向性クローニングに役立つ制限部位を持たせた。プライマーの遺伝子アニーリング(特異的)部分は、長さが15〜30塩基に及んだ。得られたPCR産物を適切な制限酵素で消化し、Hisタグ付のタンパク質を得るためpET28b(+)ベクター(Novagen)にクローニングした。組み換えプラスミドが関心対象の遺伝子を含有すると確認されたら、発現宿主としての役割を果たす、大腸菌BL21 star(登録商標)細胞(Invitrogen)を形質転換した。gbs1087、gbs1477およびgbs1478遺伝子のクローニングは、ベクターpET28a(+)において菌株S.アガラクティエ6313(血清型III)のゲノムDNAを用い行った。選択した抗原の構築物を表1に記載する。
タンパク質の発現および精製:
組み換えプラスミドを内部に持つ大腸菌BL21 star(登録商標)細胞を、必要な培養量のなかで対数期に増殖させた。OD600 nm 0.6に達したら、培養物を37℃で3時間0.5 mM IPTGにより誘導した。細胞を遠心分離によって回収し、凍結融解法に続いて「Bug-buster(登録商標)」(Novagen)での細胞の破壊の組み合わせによって溶解した。遠心分離によって溶解物を可溶性(上清)および不溶性(ペレット)画分に分離した。タンパク質の場所に応じて、異なる精製戦略を適用した。A)Hisタグ付のタンパク質が可溶性画分にあれば、上清をNi-Sepharoseビーズ(Ni-Sepharose(商標)6 Fast Flow, GE Healthcare)に結合させることによってタンパク質の精製を行った。発現されたタンパク質のC末端のヘキサヒスチジン(6×HIS)の存在により、これはNi-Sepharoseに結合したのに対し、その他の混入タンパク質は洗浄用緩衝液によってカラムから洗浄された。20 mM NaH2PO4、0.5 mM NaCl緩衝液pH 7.4中500 mMのイミダゾールによってタンパク質を溶出した。溶出液を濃縮し、タンパク質濃度を目的にBradfordによってアッセイし、SDS-PAGEおよびウエスタンブロットにより調べた。B)タンパク質が不溶性画分にあれば、8 M尿素を含有する適当な緩衝液中でペレットを可溶化し、上記と同じ材料および手順を用い変性条件下(8 M尿素を含有する緩衝液中)でNi-NTAカラムにアプライした。尿素を含まない洗浄用緩衝液によってカラムから混入タンパク質を洗浄した。Hisタグ付のタンパク質の再折り畳みが行われ、タンパク質がNi-NTAマトリックスに固定化された。復元後、500 mMイミダゾールの添加によってタンパク質を溶出した。溶出液を透析して微量の尿素を除去し、容量が大きければ濃縮し、SDS-PAGEによって調べ、Bradford法によって測定した。
動物防御試験
動物:CD-1雌性マウス(6〜8週齢)をこれらの試験に用いた。
能動免疫
組み換えタンパク質25 μgをCD-1マウスに皮下注射し、ALUM 1%でアジュバントした。動物を14日目および28日目に、同量のタンパク質およびALUM 1%で2回追加免疫した。公表されている防御Sip(gbs0031)タンパク質抗原を陽性対照として使用し、アジュバントのみで免疫したマウスを陰性対照として役立てた。各組み換えタンパク質を用いてELISAにより、35日目に抗体力価を測定した。
過免疫ウサギ血清の作製
ポリクローナルウサギ血清はCharles River Laboratories, Kislegg, Germanyでgbs0031、gbs0233p、gbs1087p、gbs1309p、gbs1477p、gbs1478pおよびgbs2018pに対して作製された。組み換えタンパク質250 μgをNew Zealand Whiteウサギに注射し、完全フロインドアジュバント(CFA)でアジュバントした。動物を28日目、42日目および56日目に、同量のタンパク質で、しかし不完全フロインドアジュバント(IFA)で3回追加免疫した。各組み換えタンパク質を用いてELISAにより、38日目および52日目に抗体力価を測定した。ウサギを70日目に最終的に採血した。
マウスモノクローナル抗体の作製:
モノクローナルマウス抗体はAbgent, San Diego, USAでgbs0233p、gbs1087p、gbs1477p、gbs1478pおよびgbs2018pに対して作製された。組み換えタンパク質100 μgをBalb/cマウスに注射し、完全フロインドアジュバント(CFA)でアジュバントした。動物を2週目にタンパク質50 μgおよびCFAで追加免疫し;3週目に動物を同量のタンパク質で、しかし不完全フロインドアジュバント(IFA)で追加免疫し、4週目および5週目に動物をPBS中のタンパク質50 μg(アジュバントなし)で追加免疫した。各組み換えタンパク質を用いてELISAおよびウエスタンブロッティングにより、5週目で抗体力価を測定した。最良の力価を有するマウスの脾臓細胞を、PEGプロトコルを用いて骨髄腫細胞F0と融合した。その後、増殖している融合ハイブリドーマクローンを各抗原に対してその特異性および感受性の試験を目的にスクリーニングした。ELISA陽性クローンをウエスタンブロットによって同様に試験した。この試験から選択したクローンを少なくとも2回サブクローニングし、培地からプロテインGアフィニティークロマトグラフィーによって抗体を精製した。
受動免疫(新生仔):
妊娠CD-1マウスに分娩の2〜4日前に腹腔内注射によって無希釈のウサギ過免疫血清0.5 mlを投与した。出生から48時間以内に、産仔を腹腔内に抗原投与した。
細菌抗原投与:
新しく増殖されたS.アガラクティエ菌株C388/90(血清型Ia/c)、A909(血清型Ia/c)、ATCC12401(血清型Ib)、ATCC12403(血清型III)、COH1(血清型III)、ATCCBAA22(血清型III)、2603V/R(血清型V)、ATCC49447(血清型V)、ATCCBAA23(血清型V)を動物抗原投与試験に使用した。細菌接種物に存在する生存細胞数を決定するために、血液寒天プレートにプレーティングすることによってcfuを決定した。106〜108 cfuをマウスの腹腔内に投与した。免疫化による防御を致死敗血症モデルによって測定した。このモデルでは、生存率を抗原投与後1〜2週間追跡し、生存を全動物数(能動免疫の場合マウス10匹/群;新生仔の抗原投与の場合、動物数は産仔数に依る)の割合として表現した。
結果
ゲノム規模の抗原同定法を使用することにより、本発明者らは、ヒトでの免疫原性に基づいてB群抗原を選択し(WO04/099242)、インビトロアッセイ法に基づいてワクチン候補を予め選択した。本発明者らは、6種のB群連鎖球菌抗原による免疫防御を動物モデルにおいて以前に示している。さらに、これらの6種の防御ワクチン候補を用いた異なる組み合わせにより、本発明者らは単一のタンパク質と比べて、試験した全GBS血清型に対する防御の増大を実証した。gbs1477p + gbs2018pの組み合わせは多くの血清型に対して著しく増加した防御レベルをもたらした。これまでに認められた最良の防御は、大部分のマウスを、試験した全9種のGBS菌株から防御したgbs1087p + gbs1477p + gbs1478p + gbs2018pの組み合わせで達成された(実施例1および図2参照)。これまでのところこれらの実験は血清移入実験において得られている。本発明者らは今回、ALUMをアジュバントとして用いた2つ、3つまたは4つの組み換えタンパク質でのマウスの能動免疫によってこれらの結果をさらに立証した(図6)。単一のタンパク質での免疫化から、過免疫ウサギ血清で既に得られたデータが検証された(図7)。
GBS敗血症は主に新生児に影響を与えるので、本発明者らはまた、新生仔マウスにおける防御を実証できるモデルを開発した。本発明者らは、分娩の2〜4日前に過免疫ウサギ血清(500 μl i.p.)で妊娠マウスを受動免疫化すること、および出生から24〜48時間後にS.アガラクティエでその仔を抗原投与することによる、マウスモデルを樹立した。本発明者らは、gbs1087p + gbs1477p + gbs1478p + gbs2018p特異的な免疫血清(4×125 μl)の組み合わせで免疫された母体の仔として生まれた新生仔マウスでの優れた防御を認めた(図8)。個々の抗原に対する過免疫血清もこれに有効であったが、全体としては4つの組み合わせで得られたものよりも低かった(データは示されていない)。異なるGBS菌株によるモデルは非常にストリンジェントであり、24時間以内に感染産仔の死をもたらしたので、これらの所見は非常に意義深い。
タンパク質gbs1477は最も高い配列可変性を有し、異なる分岐群で存在する(表5および6、図5)ので、成体敗血症/致死性モデルを用いて防御を分析した。異なる分岐群に由来する異なる6種のgbs1477タンパク質の断片(菌株6313のgbs1477pに相当する)でマウスを免疫した。防御を同種の分岐群に対しておよび異種の分岐群に対して測定した(図9)。最良の防御は、同種の分岐群で免疫化および抗原投与が行われる場合に常に得られた。異なる分岐群の配列の可変性が高いほど敗血症モデルにおいて得られる防御は低くなる。
本発明はマウスモノクローナル抗体による防御データも含む。mAbはgbs0233p、gbs1087p、gbs1477p、gbs1478pおよびgbs2018pに対して作製された。ハイブリドーマ上清の選択は抗原特異的なELISAおよび/またはFACS分析を用いて行った。1抗原につき2種のmAbを選択し、精製mAb 50 μgを用い受動移入モデルにおいて試験した。本発明者らは本発明において、本発明者らが少なくとも一つの血清型に対して単一のmAbで防御を得られることを実証する(図10)。異なるmAb成分の組み合わせの利点を調べるために、本発明者らは、異なる抗原特異性を有するmAbを組み合わせることによって受動防御試験を行った。本発明者らは単一のmAbと比べて、試験した全GBS血清型に対する防御の増大を実証することができた。これまでに認められた最良の防御は、大部分のマウスを、試験した全9種のGBS菌株から防御したgbs0233p + gbs1087p + gbs1477p + gbs1478p + gbs2018pに対するmAbの組み合わせで達成された(図11)。
実施例5:B群連鎖球菌抗原、およびこれらの抗原に対して作製されたマウスモノクローナル抗体は、B群連鎖球菌に対する機能的抗体を誘導する
実験手順
FACS分析
試験するストレプトコッカス・アガラクティエ菌株をグリセロールストックからTHY培地5 mlに植菌し、37℃で終夜インキュベートした。終夜培養物200 μlを新鮮なTHY培地10 mlに添加することによって再び植菌し、OD600 nmおよそ1(細胞およそ5×108個/ml)に達するまでインキュベートした。細菌を5分間4,000 rpmでの遠心分離によってペレットとし、HBSS 2 mlで2回洗浄した。最終のペレットを1% BSA入りのHBSSに再懸濁して細胞5×106個/mlの細胞密度を得た。細菌100 μlに、免疫血清1 μlを添加し、氷上にて45分間インキュベートした。細菌を4分間1,000 gでの遠心分離によってペレットとし、1% BSA入りのHBSS 150 μlで1回洗浄し、1% BSA入りのHBSS 100 μlに再懸濁した。オプソニン化された細菌に、二次抗体(PE結合ヤギF(ab)2断片抗ウサギIgG)1 μlを添加し、これを暗所中、氷上にて45分間インキュベートした。細胞を上記のようにHBSS 150 μlで2回洗浄し、HBSS 250 μlに溶解し、4%パラホルムアルデヒド250 μlの添加によって細胞を固定した。細菌の蛍光染色をフローサイトメトリーによって測定した。
オプソニン食作用による殺傷アッセイ法
細菌細胞の調製:
試験するストレプトコッカス・アガラクティエ菌株をグリセロールストックからTHY培地5 mlに植菌し、37℃で終夜インキュベートした。終夜培養物200 μlを新鮮なTHY培地10 mlに添加することによって再び植菌し、OD600 nmおよそ1に達するまでインキュベートした。細菌を5分間4,000 rpmでの遠心分離によってペレットとし、HBSS 2 mlで2回洗浄した。最終のペレットを0.125% BSA入りのHBSSに再懸濁して細胞5×104個/85 μlの終濃度を得た。
RAW264.7細胞の調製:
細胞をDMEM高グルコース培地25 mlの入ったT175フラスコ中にて37℃で5% CO2により培養した。細胞をスクレイピングによってプレートから引きはがし、10分間1,000 rpmでの低速遠心分離によって回収し、10 mMグルコース入りのHBSS 50 mlで2回洗浄し、10 mMグルコース入りのHBSSに再懸濁して細胞1×107個/mlの細胞濃度を得た。
オプソニン食作用による殺傷アッセイ条件:
細菌細胞(85 μl)をモルモット補体10 μlおよび予め希釈した血清5 μlと混合し、振盪(500 rpm)しながら6℃で60分間インキュベートした。オプソニン化された細菌に、RAW264.7細胞100 μl(細胞1×106個)を添加した。10 μlのアリコートを3つ取り出し、水1.5 mlに添加し、5分のインキュベーションの後、100 μlを血液寒天プレートにプレーティングした。このCFU決定値を初期細菌数T0として役立てた。オプソニン化された細菌およびRAW264.7細胞の懸濁液を60分間振盪(500 rpm)しながら37℃でさらにインキュベートし、次いで、T0の場合に記載したようにT60を決定した。血液寒天プレートを終夜インキュベートし、次の日にコロニーカウンタを用いてCFUを決定した。
評価:
各サンプルに対し、T0時のCFUとT60時のCFUの関係を免疫前血清および免疫血清について決定した。各免疫血清の殺傷の割合を次式:100-100×(免疫血清/免疫前血清)によって決定した。血清なしの反応を陰性(補体)対照として各アッセイに含めた。
結果
受動防御のデータによれば、選択した6種のワクチン候補による防御は抗体によって主に媒介されることが確証される。インビトロアッセイ法において機能的抗体を測定する能力は、予防ワクチンと抗体に基づく治療または予防との両方の開発に不可欠である。インビトロでの検証のために開発され、ワクチン候補の選択のために使用されたのと同じオプソニン食作用による殺傷アッセイ法を利用して、機能的抗体が存在するか過免疫ウサギ血清を分析した。4種の抗原に対応する4種のウサギ血清および7種のマウスモノクローナル抗体を血清型IIIのGBS菌株ATCC12403のフローサイトメトリーでの染色および機能的抗体に向けたオプソニン食作用による殺傷アッセイ法において試験した(図12および13)。フローサイトメトリーによって測定した場合、モノクローナル抗体は全て血清型IIIのGBS菌株ATCC12403に結合した(図12)。ウサギおよびマウスモノクローナル抗体を用いてのオプソニン食作用による殺傷アッセイ法を図13に示す。ウサギ血清の1,000分の1希釈で、gbs1477#28およびgbs1478#4だけが高い殺傷活性を示し、gbs1087#12は低い殺傷活性を示した。gbs1477pおよびgbs1478pに対して作製されたマウスモノクローナル抗体は高い殺傷活性を示し、gbs1087pおよびgbs2018pに対して作製されたものは高濃度で殺傷活性を示しただけであった。
(表1)発現用に選択した遺伝子の一覧表
タンパク質の命名はNEM316(ATCC12403)のゲノムに由来する。菌株および完全長の遺伝子/タンパク質内での単位複製配列の位置(開始/停止)を示す。
Figure 0005437813
(表2)関心対象の遺伝子の大部分の一回目の配列決定操作に使用したS.アガラクティエ菌株、およびゲノムが公表されているS.アガラクティエ菌株の一覧表(一回目および二回目の操作に使用した菌株の完全な一覧表は表13で見ることができる)
Figure 0005437813
(表3)PCRおよび配列決定に使用したオリゴヌクレオチド
Figure 0005437813
Figure 0005437813
(表4)8種のGBS菌株の公表ゲノムにおけるタンパク質の配列同一性
ORFはゲノムGBS菌株における各遺伝子/タンパク質の名称を示す。% Id、百分率単位のアミノ酸配列同一性。比較は全て、GBS菌株NEM316の各タンパク質に対して行われている。
Figure 0005437813
(表5)一回目の配列決定操作により決定した場合のタンパク質の配列同一性
% Id、DNA配列決定により決定した場合の百分率単位の各タンパク質のアミノ酸配列同一性。比較は全て、GBS菌株NEM316の各タンパク質に対して行われている。
Figure 0005437813
(表6)一回目の配列決定操作により決定した場合のgbs1477タンパク質の配列同一性
% Id、DNA配列決定により決定した場合の百分率単位の各タンパク質のアミノ酸配列同一性。配列決定されたGBS菌株のなかでgbs1477タンパク質に対して対比較が行われている。
Figure 0005437813
(表7)S.アガラクティエの異なる菌株に由来するgbs0233タンパク質のアミノ酸配列およびコード化DNA配列
Figure 0005437813
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(表8)S.アガラクティエの異なる菌株に由来するgbs1087タンパク質のアミノ酸配列およびコード化DNA配列
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(表9)S.アガラクティエの異なる菌株に由来するgbs1309タンパク質のアミノ酸配列およびコード化DNA配列
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(表10)S.アガラクティエの異なる菌株に由来するgbs1477タンパク質のアミノ酸配列およびコード化DNA配列
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(表11)S.アガラクティエの異なる菌株に由来するgbs1478タンパク質のアミノ酸配列およびコード化DNA配列
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(表12)S.アガラクティエの異なる菌株に由来するgbs2018タンパク質のアミノ酸配列およびコード化DNA配列
Figure 0005437813
Figure 0005437813
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(表13(AおよびB))さまざまなGBS菌株由来の6種の抗原の2回の配列決定操作の概要;対応するタンパク質の配列番号が記載されている。
Figure 0005437813
Figure 0005437813
Figure 0005437813
Figure 0005437813

Claims (7)

  1. i)SEQ ID NO:4(gbs1477p)のペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなるタンパク質、および
    ii)SEQ ID NO:5(gbs1478p)のペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなるタンパク質、および
    iii)SEQ ID NO:6(gbs2018p)のペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなるタンパク質、および
    iv)SEQ ID NO:1(gbs0233p)のペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなるタンパク質、および
    v)SEQ ID NO:2(gbs1087p)のペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなるタンパク質、
    を含む組成物であって、i)-v) に規定される該機能的に活性なその変種が、
    a)SEQ ID NO:1,2,4-6のペプチドから少なくとも一つのアミノ酸置換、付加、および/もしくは欠失によって得られ、かつ、該ペプチドに対し少なくとも95%の配列同一性を有し、ならびに/または
    b) S.アガラクティエの異なる菌株又は血清型に由来するという点においてSEQ ID NO:1,2,4-6のペプチドと異なる、SEQ ID NO:1,2 4-6のペプチドの相同配列であり、
    かつ、S.アガラクティエに対する防御的免疫応答を誘導する及び又はS.アガラクティエに対する防御を示す能力を有する、前記組成物。
  2. SEQ ID NO:3 (gbs1309p)のペプチドまたは機能的に活性なその変種を含むまたはからなるタンパク質をさらに含む請求項1に記載の組成物であって、該機能的に活性なその変種が、
    a)SEQ ID NO:3のペプチドから少なくとも一つのアミノ酸置換、付加、および/もしくは欠失によって得られ、かつ、該ペプチドに対し少なくとも95%の配列同一性を有し、ならびに/または
    b) S.アガラクティエの異なる菌株又は血清型に由来するという点においてSEQ ID NO:3のペプチドと異なる、SEQ ID NO:3のペプチドの相同配列であり、
    かつ、S.アガラクティエに対する防御的免疫応答を誘導する及び又はS.アガラクティエに対する防御を示す能力を有する、前記組成物。
  3. - SEQ ID NO:4(gbs1477p)のペプチド、SEQ ID NO:5(gbs1478p)のペプチド、SEQ ID NO:6(gbs2018p)のペプチド、SEQ ID NO:1(gbs0233p)のペプチド、および、SEQ ID NO:2(gbs1087p)のペプチドからなるタンパク質を含む、請求項1または2記載の組成物。
  4. 記タンパク質の二つまたはそれ以上のタンパク質を結合して、少なくとも一つの融合タンパク質にする、請求項1〜3のいずれか一項記載の組成物。
  5. (i)請求項1〜4のいずれか一項記載の組成物、ならびに
    (ii)学的に許容される担体または賦形剤
    を含む、薬学的組成物。
  6. 免疫刺激性の物質をさらに含む、請求項5に記載の薬学的組成物。
  7. S.アガラクティエ感染から被験体を予防または被検体のS.アガラクティエ感染を治療するための、請求項1〜5のいずれか一項記載の組成物。
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