JP5435612B2 - リケッチア・ジャポニカ感染症の診断方法 - Google Patents
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Walker,D.H.,Clin.Infect.Dis.45 Suppl 1:S39−44,2007) Eremeeva,M.E.,et al,J.Clin.Microbiol.41:5466−72,2003 Tzianabos,T.,et al,J.Clin.Microbiol.27:2866−8,1989 Brouqui,P.,et al,FEMS Immunol.Med. Microbiol.49:2−12,2007 Giammanco,G.M.,et al,J.Clin.Microbiol.43:6027−31,2005 Tarasevich,I.V.,et al,Ann N Y Acad.Sci.1078:48−59,2006 Unsworth,N.B.,et al,Emerg.Infect. Dis.13:1105−7,2007 Massung,R.F.,et al,Clin.Infect.Dis.32:979−82,2001 Svraka,S.,et al,Emerg.Infect.Dis.12:428−32,2006 Mahara,F.,et al,Kansenshogaku Zasshi 59:1165−71,1985 Uchida,T.,et al,Int.J.Syst.Bacteriol.42:303−5,1992 Hashimoto,S.,et al,J.Epidemiol.17 Suppl:S48−55,2007 Furuya,Y.,et al,J.Clin.Microbiol. 33:487−489,1995 Fenollar,F.,et al,Int.J.Antimicrob.Agents 30 Suppl 1:S7−15,2007 Kidd,L.,et al,Vet.Microbiol.129:294−303,2008 Kutyavin,I.V.,et al,Nucleic.Acids.Res.28:655−61,2000
(a)配列番号1または2で示される塩基配列、
(b)(a)の塩基配列の1個ないし数個が、欠失、付加、置換されてなる塩基配列。
(a)配列表の配列番号5および6に示される塩基配列、
(b)(a)の塩基配列の1個ないし数個が、欠失、付加、置換されてなる塩基配列、
(c)配列番号1または2の塩基配列において、選択される10〜40個の連続した塩基配列と同一の塩基配列、および、対をなすプライマーが、配列番号1または2の塩基配列において、選択される10〜40個の連続した塩基配列と相補的な塩基配列であって、被検体DNAの増幅が可能な塩基配列。
(a)配列表の配列番号7に示される塩基配列、
(b)(a)の塩基配列の1個ないし数個が、欠失、付加、置換されてなる塩基配列、
(c)配列番号1または2の塩基配列において、選択される20〜50個の連続した塩基配列と同一の塩基配列。
表1にあげたリケッチア菌株を使用した。リケッチア・プロワゼキ、リケッチア・リケッチのゲノムDNAは、Gentra Puregene(Qiagen社製)を用いて、Antigen Slide(Panbio社製)から、Furuya Y.等の方法(Furuya,Y.,T.Katayama,Y.Yoshida and I.Kaiho,J.Clin.Microbiol.33:487−489,1995)で調整した。リケッチア・ジャポニカ YH株、リケッチア・コノリ、リケッチア・シビリカ、リケッチア・ティフィのゲノムDNAは、L929細胞を用いて繁殖させた。他のリケッチアDNAはダニ類から抽出したものを用いた。
ターゲット領域を含むDNAの増幅は、Ex Taq PCR DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)とそれぞれ作製したプライマーにより、リアルタイムPCRで行った。リケッチア・ジャポニカ由来のDNAの増幅は、表2に示したプライマーを用いた。増幅したDNA断片は精製後、DNAコピー数換算用および、シークエンス用のDNAテンプレートとして用いた。DNAシークエンスは、BigDye(登録商標)terminator v3.1(Applied Biosystems社製)を用いてABI 7700(Applied Biosystems社製)装置で解析した。各リケッチア・ジャポニカ株間でのDNA配列比較として、ClastalW software(http://clustalw.ddbj.nig.ac.jp/top−j.html)を使用してアライメントを行った。アライメントのパラメーター設定は、Gap penaltyが15、Gap extension penaltyが6.66、Gap distanceが8、Maximum devision penaltyが40の条件で行った。リケッチア・ジャポニカの特異的なORFを、リケッチア・コノリのゲノムと比較した結果、この配列はリケッチア・コノリRC1338 ORFの中に挿入されているかたちで存在した(図1A)。この特異的な領域の塩基配列は、5種類のリケッチア・ジャポニカ菌株(DT−1、FLA−1、HH−8、HH−9、YH)間で保存されていることがわかった(図1B)。このORFは、NCBI Blast (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/Blast.cgi)において、他のDNA塩基配列との同一性は全くないことから、リケッチア・ジャポニカに特異的な領域の塩基配列を、アクセッションナンバー:AB437281として登録した。
表3に示したプライマーとTaqMan(登録商標)MGBのプローブは、Primer Express software,version 2.0(Applied Biosystems社製)によって抽出された候補から、NCBI Blast
(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/Blast.cgi)を利用して、ヒト、マウスや微生物など他の有機体に対して相同性の無いものを選択した。SpRijaMGBの5‘末端をFluorescein Phosphoramidite(FAM)で蛍光標識し、3’末端を非蛍光消去剤とMGBで標識した。
リアルタイムPCRアッセイは、ABI 7500 systems(Applied Biosystems社製)を用いて行った。リアルタイムPCRにおけるDNAポリメラーゼ(Perfect Real−time PCR)は、タカラバイオ株式会社から入手した。反応液は説明書に従って作製した。10 μl の Premix Ex taq(タカラバイオ社製)、0.4μlの10μM PCR フォワード プライマー、0.4μlの10μM PCR リバース プライマー、0.4μlの10μM TaqMan(登録商標)MGB プローブ、0.4μlのROX Reference Dye II、1.5μlのDNAテンプレート、6.9μlの蒸留水からなる20μlのサンプルを96穴のマイクロプレート(Thermo Fischer Scientific社製)の各ウエルで調整した。感度評価の実験では、マイクロチューブ中のDNA断片の吸収を消去するためのDNA希釈液として100μg/mlのSalmon spermを含むTris−EDTAを使用した。加熱サイクルは次のような2つの段階をとった。1段階は、95°Cで20秒間、2段階は、95°Cで5秒間と60°Cで34秒間処理し、これを45回繰り返した。リアルタイムPCRの結果の解析において、検出閾値(threshold line)は、非特異的蛍光の影響を避けるため0.2とした。各DNA濃度はNanoDrop ND−1000(Thermo Fischer Scientific社製)で測定した。
リアルタイムPCRの検量線を作成した。コピー数換算用DNA断片を、102から109コピー数(ゲノムDNA数)の範囲で5点設定した。リアルタイムPCRは独立的に3回行い、平均値と標準誤差を求めた。コピー数換算用のDNAは上記のシークエンス時に使用したDNA精製物を希釈して使用した。図2に、作製した検量線を示した。リアルタイムPCRの反応性は、R(相関係数)>0.99の直線性を示すことが明らかになった。
日本では、臨床検査においてリケッチア症の分子診断としてPCR法が使用されている。リアルタイムPCRと感度を比較するために、リケッチア症診断PCR法であるFuruya Y.等の従来検出法(R1−R2法:Furuya,Y.,T.Katayama,Y.Yoshida and I.Kaiho,J.Clin.Microbiol.33:487−9,1995)との比較検討を行った。従来のPCR診断法は、5‘プライマーとして、R1:TCAATTCACAACTTGCCATT(配列番号8)、3‘プライマーとして、R2:TTTACAAAATTCTAAAAACC(配列番号9)を使用し、PCR用の酵素にはEx Taq(タカラバイオ社製)を用いた。PCR組成は、説明書のとおり行った。被検体DNAは、0.5μlのEx Taq(5u/μl、タカラバイオ社製)、5μlのEx Taq buffer、4μlの2.5mM dNTP mixture(2.5mM)、0.5μlの5’プライマー(100μM)、0.5μlの3’プライマー(100μM)および1μlのDNAテンプレートに蒸留水を使用し50μlとした。PCR反応は、94°Cで3分間の反応後、94°Cで30秒間、52°Cで30秒間、72°Cで30秒間を30サイクル繰り返し、72°Cで3分間反応させた。その後、10μlのPCR産物を、TAE緩衝液で調整した1.5%アガロースで電気泳動を行い、臭化エチジウムで蛍光発色させた。リアルタイムPCRでは、サイクル数だけを60と設定して同様の濃度で行った。
表1の12菌種合計26個のDNAサンプルを、作製したMGBプローブの特異性・感度・正確さを決定するために使用した。結果を表4に示した。リケッチア・ジャポニカMGBプローブは、4株すべてのリケッチア・ジャポニカ株(DT−1、FLA−1、HH−8、HH−9)由来のDNAを検出でき、100%の正確性を示す結果が得られた。また、リケッチア・ジャポニカMGBプローブが、リケッチア・ジャポニカ由来のDNAのみを検出し、他を検出できなかったことから、100%の特異性を有することが示された。
日本紅斑熱と血清学上で陽性と確定した2人の患者由来の血餅から実施例1と同じ方法でゲノムDNAを抽出した。ヒトゲノムDNA(Clontech社製)は、この実験のネガティブコントロールとして用いた。臨床サンプルの取り扱いについては、国立感染症研究所の規定に基づいて使用した。表5でC1と示した臨床検体は、83歳の女性由来で発熱の5日目の血液から採取した血餅より抽出したDNAサンプルであるである。表5でC2と示したもう1つの検体は、65歳の女性由来で発熱3日目の血液から、上記と同様に採取したDNAである。これらのDNAは冷凍庫に約10年保存されていた検体から抽出したものである。新規に開発したリアルタイムPCR検出系は、これらの臨床サンプル中にリケッチア・ジャポニカ由来のゲノムDNAの存在を示した。また、R1−R2法では、リケッチア・ジャポニカ由来のゲノムDNAは検出されていなかったことから、MGBプローブを用いたリアルタイムPCRの検出感度の高さが証明された。
Claims (6)
- リケッチア・ジャポニカのゲノム中に存在するDNA塩基配列からなるDNAであって、リケッチア・ジャポニカ感染症の診断に使用するプライマー、および/またはプローブとして利用できる領域を含む、以下の(a)または(b)のいずれかの塩基配列からなるDNA、および/またはその相補配列からなるDNA。
(a)配列番号1または2で示される塩基配列、
(b)(a)の塩基配列の1個ないし数個が、欠失、付加、置換されてなる塩基配列。 - 請求項1に記載したリケッチア・ジャポニカ感染症の診断に使用するプライマーとして利用できる領域の塩基配列からなるDNA、およびその相補配列からなるDNAが、以下の(a)、(b)または(c)のいずれかの塩基配列からなるDNA。
(a)配列表の配列番号5および6に示される塩基配列、
(b)(a)の塩基配列の1個ないし数個が、欠失、付加、置換されてなる塩基配列、
(c)配列番号1または2の塩基配列において、選択される10〜40個の連続した塩基配列と同一の塩基配列、および、対をなすプライマーが、配列番号1または2の塩基配列において、選択される10〜40個の連続した塩基配列と相補的な塩基配列であって、被検体DNAの増幅が可能な塩基配列。 - 請求項1に記載したリケッチア・ジャポニカ感染症の診断に使用するプローブとして利用できる領域の塩基配列からなるDNA、および/またはその相補配列からなるDNAが、以下の(a)、(b)または(c)のいずれかの塩基配列からなるDNA。
(a)配列表の配列番号7に示される塩基配列、
(b)(a)の塩基配列の1個ないし数個が、欠失、付加、置換されてなる塩基配列、
(c)配列番号1または2の塩基配列において、選択される20〜50個の連続した塩基配列と同一の塩基配列。 - 請求項2および/または請求項3の塩基配列からなるDNAを用いた、PCR法、リアルタイムPCR法、LAMP法、in situ ハイブリダイゼーション法、サザンハイブリダイゼーション法から選択される少なくとも1つの方法によるリケッチア・ジャポニカ感染症の診断のための、被検体DNAの検査法。
- 前記リアルタイムPCR法が、TaqMan(登録商標)MGBを用いたリアルタイムPCR法である請求項4に記載の検査法。
- 配列番号5で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーと、配列番号7で示される塩基配列からなりその5’末端に蛍光タグを有し3’末端に非蛍光消去タグとMGBを有するプローブと、リアルタイムPCR用ポリメラーゼを含む、リケッチア・ジャポニカ感染症の診断に使用するための検査用キット。
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