JP5434924B2 - パウチ詰め流動性食品の殺菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料等の液状食品やカレー等の粘調な流動性食品あるいは経腸栄養剤等の流動性食品を可撓性パウチに充填、密封し摺動式殺菌を行う場合の殺菌方法に関する。
パウチ詰め流動性食品を殺菌する場合、一般には静置式殺菌機と呼ばれる殺菌機が用いられる。しかし、パウチのヘッドスペースが多いとガスが熱伝達を妨げるために殺菌時間が長くなり生産効率が悪くなるので、ヘッドスペースをなるべく少なくして殺菌を行っている。また反対に、回転式殺菌や揺動式殺菌においては、回転や揺動によってパウチ内のヘッドスペースのガスが移動して内容物を強制的に攪拌することにより、内容物の熱伝達を促進し殺菌時間の短縮が図られている。特許文献1は回転式殺菌方法および装置の1例を示すものであり、パウチのヘッドスペースを2〜20%とすることにより攪拌効率を向上させ、殺菌時間の短縮を図っている。
しかしながら、回転式殺菌や揺動式殺菌を行う場合には殺菌機内でパウチが移動することを防止するため、治具などを用いてパウチを拘束したり専用の載置棚を用いたりするが、これらの方法では載置できる数量が少なくなり生産効率が低下したり、専用載置棚を用いるためにコスト高となり経済性を欠くこととなる。また特許文献1記載のものはパウチのヘッドスペースが2〜20%に限定され、それ以外のヘッドスペースのパウチ詰め流動性食品には使用できない。
摺動式殺菌は、可撓性パウチに流動性食品を充填し、次いでヘッドスペースを調整して密封し、このパウチをレトルト殺菌機の棚に載置し、殺菌棚を前後または左右に往復運動させてパウチ食品を摺動式殺菌(特開2008−17726号公報参照)する方法である。この殺菌方法によれば、殺菌棚を摺動運動させて、パウチの波打によりパウチ内のヘッドスペースのガスが移動して内容物を強制的に攪拌することにより、内容物の熱伝達を促進し殺菌時間の短縮が図られる上に、パウチを非拘束状態で棚上に載置して殺菌できるので、複雑な回転機構を必要とするとともに治具を用いてパウチを拘束する必要がある回転式殺菌や同じく複雑な揺動機構を必要とする揺動式殺菌に比べて、棚上に載置できるパウチ数が多く生産効率を向上させることができる。
一般にパウチ詰め流動性食品においては、ヘッドスペースは容器形態と、サイズ、内容物の充填量、充填・密封工程の諸条件によって決まるため、ヘッドスペースを摺動式レトルトの最適な値に合わせることは困難である。ヘッドスペースが適正な値に対して過大であると、ヘッドスペースの動く範囲に重なりが生じ、気液相の滞留部分において内容物が凝集するという問題が生じる。
また内容物が高脂肪、高たんぱく食品(経腸栄養剤、流動食、スープ、牛乳等)の場合は、一定量以上のヘッドスペースを設けると摺動による攪拌効果により泡立ちが生じ、その泡が凝集してしまうという問題が生じる。
またこのような泡立ちやすい内容物を可撓性パウチに充填する場合、泡の噛込みによるシール不良を避けるため、液面を上昇させてヘッドスペースを少なく充填することは難しく、さらにそのヘッドスペースは充填時のパウチの形状(折れ方など)によって左右され、設定値から上下にばらつきを生じる。
また、褐変反応が起こりやすい内容物(アミノ酸と還元糖を含む食品等) においてヘッドスペースが適正な値に対して過大であると、気液相の滞留部分において内容物の過加熱が生じ、局部的な褐変が生じる。
一方パウチ詰め流動性食品の殺菌においては、ヘッドスペース中の酸素は内容物の酸化劣化の原因となるので、食品の酸化劣化を防止するためには、ヘッドスペースを少なくする必要がある。しかし摺動式レトルトにおける殺菌時間短縮効果はその内容物の攪拌によるものであり、ヘッドスペースが少 ないとその攪拌効果を充分に得られない場合が生じる。すなわち、酸化劣化防止の観点からはヘッドスペースは少なければ少ないほど有効であり、攪拌効果を充分に挙げるためにはヘッドスペースは充分に多くなければならないという二律背反的な困難性が存する。
他の問題として、パウチ詰め流動性食品製品においては、製品の梱包形態によっては製品搬送の際の積載効率等何らかの理由でヘッドスペースを大きく取れない場合が生じる。この場合製品のヘッドスペースをごく小さな値に設定すると、摺動式レトルトの際に適正なヘッドスペースの範囲に満たないため、充分な攪拌効果が得られないという問題が生じる。特許文献2は高濃度レトルト流動性食品のレトルト殺菌時の褐色付着物の発生を抑制するため、ヘッドスペースを二酸化炭素を少なくとも80%含むガス組成物で置換した後にレトルト殺菌を行う方法を開示している。しかしこの方法は静置式殺菌に限定されるものであり、摺動式殺菌においてヘッドスペース不足による攪拌効果が得られないという上記問題に対するなんらの解決策も検討されていない。
特開平5−161485号公報 特開2007−110937号公報
本発明は、上記従来のパウチ詰め流動性食品の殺菌方法における問題点にかんがみなされたものであって、本発明の第1の目的は、摺動式レトルト殺菌においてヘッドスペースが不適正のために生じる内容物の凝集や局部的褐変の発生を防止することができる殺菌方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、摺動式レトルトによるパウチ詰め流動性食品の殺菌において、酸化劣化防止のためにヘッドスペースを小さくするという要請と充分な攪拌効果を挙げるためにヘッドスペースを大きくするという要請の双方を満足させる殺菌方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、摺動式レトルトによるパウチ詰め流動性食品製品において、製品搬送の際の積載効率等の理由でヘッドスペースを大きく取れない場合でも摺動式レトルトの際に充分な攪拌効果が得られる殺菌方法を提供することである。
本発明者等はこれらの目的を達成するため、種々実験と研究を重ねた結果、従来一般にパウチ製品の場合、摺動式レトルト殺菌機におけるレトルト釜内の圧力は殺菌温度での飽和蒸気圧にヘッドスペースの膨張を押さえるのに必要な分圧を加えた圧力近傍の一定圧(例えば120℃ではゲージ圧で0.23MPa程度)で制御されており、このため昇温から殺菌、降温に至るまでに
パウチ製品のヘッドスペースが変化し、摺動式レトルトにおける適正なヘッドスペースに考慮が払われていなかったのに対し、摺動式レトルトにおいて、パウチの内容物(所与の温度における粘度等)に合わせて最適な摺動効果が得られるヘッドスペースになるようにレトルト釜内の圧力を調整することが可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、上記本発明の第1〜第3の目的を達成する第1の構成は、可撓性パウチに流動性食品を秤量充填し、次いでヘッドスペースを調整して密封し、レトルト殺菌機内で摺動殺菌する殺菌方法において、ヘッドスペースのガス組成が炭酸ガス、炭酸ガスと窒素の混合ガスおよび炭酸ガスと大気との混合ガスからなる群から選択される気体からなり、ヘッドスペースの調整を、レトルト釜内の飽和蒸気圧とヘッドスペースガス分圧、および炭酸ガスの溶解度からヘッドスペースの量を計算し、レトルト中最適の摺動効果が得られるヘッドスペース量を得るためにレトルト釜内の圧力を減少させるように調整することにより行うことを特徴とするパウチ詰め流動性食品の殺菌方法である。
本発明の第の構成は、摺動式殺菌は、パウチを載置する殺菌棚を摺動させるときの加速度が0.1〜0.3Gの範囲であることを特徴とする構成の殺菌方法である。
本発明の第1の構成によれば、ヘッドスペースのガス組成が炭酸ガス、炭酸ガスと窒素の混合ガスおよび炭酸ガスと大気との混合ガスからなる群から選択される気体からなり、ヘッドスペースの調整を、レトルト釜内の飽和蒸気圧とヘッドスペースガス分圧、および炭酸ガスの溶解度からヘッドスペースを計算し、レトルト中最適の摺動効果が得られるヘッドスペースを得るためにレトルト釜内の圧力を減少させるように調整することにより行うので、気液相の滞留を無くし、あるいは強制的な対流を起こすことによって内容物の凝集を防止し、また局部的な加熱に起因する褐変を防止することができる。
またレトルト中以外の状態では、内容物中への炭酸ガスの溶解によりパウチのヘッドスペースを少なくすることができ、レトルト殺菌中にはレトルト釜内の圧力を減少させることにより、内容物中に溶解していた炭酸ガスをヘッドスペース中に放出させ、充分な摺動効果が得られるヘッドスペースに増大させることができ、攪拌効果が増大するため、内容物の酸化劣化防止と攪拌効果増大の2つの要請を同時に満たすことができる。
本発明の第の構成によれば、摺動式レトルトにより可撓性密封パウチ詰め製品を非拘束の状態でレトルト殺菌する工程において、パウチを載置する殺菌棚を摺動させるときの加速度を0.1〜0.3Gの範囲とすることにより、摺動殺菌中パウチに充分な波打ちが起こり所望の攪拌効果を得ることができるとともに、特別な治具を用いることなくパウチを非拘束状態で棚上に載置して殺菌でき、製品の種類を問わず棚上のパウチの整列乱れや包材の擦り傷の発生を生じるおそれがなく摺動殺菌を行うことができる。
以下添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本発明の殺菌方法は可撓性材料からなるパウチ、特に内容量100g〜1kgの医療用経腸栄養剤乃至流動食パウチ、および1〜10kg、好ましくは1〜5kgの大型パウチに流動性食品を充填し密封して摺動式殺菌を行う場合に好適である。
パウチとしては可撓性の材料からなるものであれば特に限定はないが、通常医療用経腸栄養剤乃至流動食パウチでは外面側から蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)層、ナイロン層、ポリプロピレン層からなる3層乃至は4層構成のパウチが適用される。また、大型パウチとしては外面側からPET(ポリエチレンテレフタレート)層、ナイロン層、アルミ箔層、ポリプロピレン層からなる4層構造のパウチが適用される。
流動性食品としては、飲料や医療用経腸栄養剤乃至流動食等の低・中・高粘度の液状食品、カレー、ポタージュスープ等の肉や野菜などの具材を含む粘調な流動性食品、おかゆなどの粒子状固形物を含む粘調な流動性食品等を含む。
本発明に好適に用いられる流動性食品の粘度としては、殺菌温度において、B型粘度計を用いて50rpmの条件で測定または算出して0.2〜4500mPa・sが殺菌時間短縮の面から好ましく、10〜2500mPa・s、さらには10〜1500mPa・sがより好ましい。なお殺菌温度が1 00℃を超えており、殺菌中の内容物粘度を測定することが困難な場合、本願に置いてはandradeの粘度式(η∝exp(E/RT)、η:粘性率、E:流動の活性化エネルギー、R:気体定数、T:絶対温度(゜K)) を用いて殺菌中の内容物の温度を算出する。粉体食品や固体食品は摺動によってパウチが波打つことが期待できずパウチの波打ちによる攪拌効果が期待できないので本発明の殺菌方法を適用するには不適な場合があるが、カレーなどのように、流動性食品の一部に固形食品が含まれていても問題はない。
パウチに内容物を充填密封した際に形成されるヘッドスペースは大気であってもよく、内容物の酸化劣化を防止する場合には、例えば、窒素ガスの他、炭酸ガスやアルゴンガス、ヘリウムガス、またはこれらの混合ガスを用いて適宜ガス置換充填することができる。
摺動式殺菌を行う装置としては、従来から使用されているクランク式または偏心カム式の摺動レトルト装置を使用することができる。
図1は本発明の方法を実施するための装置の一例を示す断面図であり、クランク方式による殺菌棚摺動機構を示す。A1はレトルト本体、A2はレール等の支持台である。この支持台A2の上には車輪A3を介して可動台A4 が装架され、この可動台A4上に流動性食品詰めパウチを多数並べて収容した殺菌棚(トレー)A5が多段に積載されている。A6は覗き窓であり、レトルト本体A1に装備されている。A10はモーター、A11はモーターA10で駆動されるクランク機構であり、クランク機構A11の他端はレトルト本体A1のシール機構A9を介して可動棚A4から突出させた駆動軸A8に連結されている。
駆動時にモーターA10を駆動すればクランク機構A11によって可動台A4に収容されたパウチが水平往復運動して、パウチ内の流動性食品が移動して波打ち、攪拌が行われる。この流動性食品詰めパウチの波打ち現象は、覗き窓A6から目視で確認することが出来る。
摺動式レトルトは加速度が攪拌効果の要因の1つである。しかし、その加速度にも包材の耐久性や実生産を考慮すれば適正な範囲があると考えられた。
そのため、適正な加速度を導きだすための以下の条件にて実験を行った。
パウチサイズ;240mm×350mm×65mm(横×縦×折り込み幅のスタンディングパウチ)
パウチのラミネート構成;外面側からPETフィルム、ナイロンフィルム、アルミニウム箔、ポリプロピレンフィルムからなる4層構成
内容物;トマトソース(市販業務用トマトソース大型パウチ入り製品をリパ ック、粘度40℃−1040mPa・s、60℃−880mPa・s、80 ℃−724mPa・s)
充填量;2kg(パウチ満注内容積に対して充填率45%)
内容物温度;内容物を40℃でパウチ容器に充填し、試験に供する。
摺動方向;パウチ長手方向が摺動方向と同一方向となるようにパウチを積載し、水平に往復運動させた。
上記条件のパウチ製品において、ストロークと回転数を変化させることにより加速度を変動させ(表1参照)、その加速度による包材の波打ちの度合いおよび包材の整列乱れを観察した。観察した結果を表2に示す。
Figure 0005434924
Figure 0005434924
×:加速度が弱く、『容器の波打ちもごく僅かであった』または『撹拌効果が見られない』
◎:加速度が適正で、『容器の波打ちが適当に起こり』または『撹拌効果がありながら』、包材が大きく動くことがない
○:加速度が強く、『容器の波打ちが大きく起こり』または『大きな撹拌効果が期待できる』が、製品によっては包材の整列乱れを生じる
△:加速度が大変強く、包材の整列乱れおよびダメージを伴う
実験の結果、加速度が0.1G未満では容器の波打ちが極僅かであり、十分な攪拌効果を得られないと判断された。(もしくは、温度測定を行った結果、効果を得られなかった。)
また、そのまま加速度を上げていくと、包材の波打ちは大きくなり、比例して内容物の攪拌効果が得られた。しかし、加速度が0.3Gを超えると包材が殺菌棚上を大きく動き、整列乱れを起こす、または包材と殺菌棚との摩擦から擦り傷が発生したり、包材の屈曲によるアルミ箔層のクラック(擬似ピンホール)の発生が起こることが判った。
したがって、十分な攪拌効果が発揮され、しかも製品の種類を問わず包材の乱れや擦り傷を生じるおそれのない加速度の範囲は0.1G〜0.3Gである。
なお、摺動殺菌中のパウチに充分な波打ちが起こり内容物に所望の攪拌効果を得ることができるのであれば、例えばパウチの周縁シール部のみを治具を用いて殺菌棚上に固定したり、載置する棚板(トレー)を区画壁で1つのパウチのみを収容する区画に分けて、パウチが棚板上を水平方向に移動しないようにしてもよい。
昇温開始から殺菌、冷却終了までのレトルト殺菌中のレトルト釜内の圧力は少なくとも内容物が沸騰しない範囲で、かつ循環ポンプ内でキャビテーションが発生しない範囲であるならば、ヘッドスペースを増大または減少させる圧力とすることができる。少なくとも内容物の蒸気圧以上であるならば、ゲージ圧で−0.07MPaから+1.0MPaの範囲内で調整することが好ましい。特に、0MPaから+0.5MPaの範囲が好ましい。この圧力が0MPa未満であると、バキューム装置を必要とし、一方この圧力が+0.5Mpaを超えると安全性を確保するために装置コストが高くなる。なお、一般に殺菌温度に達温した際での圧力設定はその温度における蒸気圧にヘッドスペースガスの増減を考慮した圧力に設定する。
すなわち、ヘッドスペースの調整を行う場合に、初期ヘッドスペースとレトルト釜内の雰囲気温度または内容物の品温からヘッドスペースの膨張量または収縮量を計算し、レトルト圧力パターンを設定することにより、レトルト釜内の圧力を増加または減少させて最適の摺動効果が得られるヘッドスペースに増減させることができ、これによって本発明の第1の目的である内容物の局部的な凝集と褐変を防止することができる。また、本発明の第2の目的である酸化劣化防止と攪拌効果増大の2つの要請を同時に満たすことができる。
殺菌中のヘッドスペースの変化はボイル・シャルルの法則
Va2 = Va1・Pa1・T2/(Pa2・T1)
= Va1・Pa1・T2/((Pr2−Pw2)・T1)
ここで、
T1 :殺菌前の(レトルト釜内雰囲気または内容物)温度
T2 :殺菌中の(レトルト釜内雰囲気または内容物)温度
Va1 :T1 におけるヘッドスペース
Va2 :T2 におけるヘッドスペース
Pa1 :T1 におけるヘッドスペース分圧
Pa2 :T2 におけるヘッドスペース分圧
Pr2 :T2におけるレトルト圧力(絶対圧)
Pw2 :T2における内容物由来の蒸気分圧(飽和水蒸気圧)
により、ヘッドスペース量を求めることができる(例えば特開平6−225738参照)。本発明では上記式での計算によりレトルト中のヘッドスペースを計算し、レトルト中の温度、圧力を調整することで、望みのヘッドスペースに調整することができる。
ヘッドスペースの膨張量または収縮量と温度は比例するので、ヘッドスペース膨張量または収縮量をモニターするには、小型パウチや比較的に薄いパウチの場合は内容物の品温と雰囲気温度とであまり差がない場合が多いので 、測定がより簡単な雰囲気温度に基づいてヘッドスペースの膨張量を計算することができる。逆に大型パウチや比較的に厚いパウチの場合は内容物の品温と雰囲気温度が相当に異なる場合が多いので、内容物の品温を熱電対等の測定器具により測定する必要がある。また、牛乳のように粘度が低い内容物の場合は雰囲気温度と品温の差があまりないので雰囲気温度をモニターすることによりヘッドスペース膨張量を計算することができるが、カレーのように粘度が高い場合は品温を測定する必要がある。こうしてパウチの種類や内容物の粘度に応じて雰囲気温度または品温のうち適当な温度を選択して測定し、この測定した温度に基づいてヘッドスペースの膨張量を計算し、それに応じてレトルト中のヘッドスペースを所定のヘッドスペースに縮小させるために必要な圧力にレトルト中の圧力を調整する。なお、内容物の品温としては製品の殺菌価(F0値)を求めるために測定される最点(コールドスポット)での値を用いることができる。
一般に、レトルト殺菌において内容物の品温は、昇温時には雰囲気温度よりも低く、冷却時には雰囲気温度よりも高くなる。本発明においては、雰囲気温度あるいは品温を用いて、ヘッドスペースの膨張量を計算し、レトルト圧力パターンを設定するが、医療用の経腸栄養剤や流動食の場合には内容物の凝集防止の観点から、より厳密なヘッドスペースの制御が必要となり、雰囲気温度と品温との温度差を考慮する必要が生じる場合がある。また、内容量が多い、特に内容物粘度が高い、業務用大袋製品の場合にもこの差が大きくなるため、同様にこれらの温度差を考慮することが望ましい。こうした場合には、雰囲気温度と品温の両方から、ヘッドスペースの膨張量を計算し、レトルト圧力パターンを設定する。例えば、昇温開始時から殺菌を経て冷却開始時までは雰囲気温度を用い、冷却開始時以降は品温を用いてレトルト圧力パターンを設定する。あるいは、逆に、昇温開始時から殺菌を経て冷却開始時までは品温を用い、冷却開始時以降は雰囲気温度を用いてレトルト圧力パターンを設定することができる。更には、雰囲気温度と品温のそれぞれにこれらの間の温度となるように一定の係数を掛けて求めた温度(換算温度) を用いて圧力パターンを設定し制御してもよい。この場合、後述する方法により、パウチの膨らみ量を検出しヘッドスペースの膨張量または収縮量を予め求めておくことにより、係数を定めることができる。この場合、係数X(0≦X≦1)を用いると、換算温度Tは殺菌時の各時点tにおけるレトルト釜内の雰囲気温度(Tat)と内容物の品温(Tbt)から(1)式のように表わすことができ、最適の摺動効果が得られるようにレトルト圧力パターンを設定することが可能となる。
Tt=Xt・Tat+(1−Xt)・Tbt (0≦Xt≦1) (1)
パウチの膨らみの変化量を検出するには、アルミ箔をパウチ構成層の一部に含むパウチの場合は、公知の金属センサーによりレトルト中に膨らむパウチのアルミ箔の位置の変化をモニターし、これによってヘッドスペースの膨張量を計算することができる。また、アルミ箔をパウチ構成中に含まないパウチの場合は、アルミテープ等の金属部材をパウチに貼っておけば同様にレトルト中のパウチの膨らみを検出することができる。
次に本発明の好ましい実施形態について説明する。
第1の実施形態
この実施形態は本発明の上記第1の目的を達成するための実施形態である。
この実施形態は、レトルト殺菌中のレトルト釜内の圧力を増大させることによりパウチのヘッドスペースを減少させる殺菌方法である。
比較例1
攪拌により泡立ちやすい濃厚流動食をパウチに充填密封し、パウチ角部のヒートシール部端部近傍に注射針により微細な孔を開け、パウチ内のヘッドスペースのガスを抜き、改めて注射器を用いて窒素ガスを一定量注入した後、ヒートシールにより密封しヘッドスペースのガス量を調整した。なお、注入量は実際の充填シール機を用いた場合のヘッドスペースのガス量が最小値はおよそ10mL、最大値はおよそ40mLであったので、最大50mLとして、この範囲内において10mL間隔で変化させた。その後、摺動式レトルト殺菌を施した(比較例1)。殺菌後、内容物をフィルターで濾して凝集物の発生量を定性的に評価した。以下に詳細条件を示した。また、レトルト殺菌時に測定した初期ヘッドスペースのガス量40mLのパウチ内中心部における品温、レトルト釜内の雰囲気温度と圧力を図2に、凝集物の評価結果を表3に示した。
[充填シール条件]
パウチサイズ;160mm×275mm(横×縦、スパウト付き平パウチ)
パウチのラミネート構成;外面側から蒸着PETフィルム、ナイロンフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルムからなる4層構成
内容物;医療用濃厚流動食
充填量;400ml
充填時ヘッドスペースのガス量;10、20、30、40、50mL
[レトルト条件]
殺菌方式;摺動式熱水シャワーレトルト方式
摺動方式;クランク方式
殺菌条件;121℃−0.21MPa(温度・ゲージ圧)
殺菌価;内容物の最冷点がF0=10に達した時点で冷却工程に進めた
摺動ストローク・回数;75mm−45往復/分(加速度;0.10G)
摺動方向;パウチ長手方向が摺動方向と同一方向となるようにパウチを積載し、水平に往復運動させた。
表3のように、比較例1では実際の生産条件範囲内で凝集物が発生することが明らかとなった。また、凝集物の発生防止の点では初期ヘッドスペースが30mL以下、望ましくは20mL以下の条件が望ましいことが明らかとなった。そこで、比較例1におけるレトルト釜内の雰囲気温度を基準とした場合と品温を基準とした場合のそれぞれについて、初期ヘッドスペースが20mL、30mL、40mLについてレトルト殺菌時におけるヘッドスペースの変化量を計算し、図3に示した。表3及び図3より、ほぼレトルト殺菌時のヘッドスペースが40mL以下、望ましくは30mL以下となる条件が凝集物の発生を抑制する上でよいことが分かった。
実施例1
雰囲気温度を基準として、初期ヘッドスペースが40mLのパウチのレトルト殺菌時のヘッドスペースが30mLとなるようにレトルト圧力パターンを設定した他は比較例1と同様の条件で試料を作製した。
実施例2
パウチ内中心部における品温を基準とした他は実施例1と同様の条件で試料を作製した。
実施例3
昇温開始時から冷却開始時まではレトルト釜内の雰囲気温度を基準とし、冷却開始時以降は内容物の品温を基準とした他は実施例1と同様の条件で試料を作製した。
実施例4
殺菌棚に載置した初期ヘッドスペースが40mLのパウチの上面の中心にアルミニウム箔を貼り、うず電流式のセンサーを用いて可撓性パウチの膨らみの変化量を検出しながら、実施例3と同様の実験を行い、冷却開始に入る直前のパウチの平均的な膨らみ量を求めた。次に、平均的な膨らみ量となるように可撓性パウチの膨らみの変化量を検出しながらレトルト釜内の圧力を調整した他は実施例3と同様の条件で試料を作製した。
実施例1と実施例3について、レトルト殺菌時の初期ヘッドスペースが40mLのパウチ内の中心部における品温、レトルト釜内の雰囲気温度と圧力を図4と図6に、また初期ヘッドスペースが20mL、30mL、40mLについてレトルト殺菌時におけるヘッドスペースの変化量を計算した結果を図5と図7にそれぞれ示した。また、実施例1〜4について、凝集物の評価結果を表3に示した。
尚、図5及び図7においては、初期ヘッドスペースが前記値と相違するが、これは図4及び図6に示すように、レトルト殺菌開始時にレトルト釜内の圧力を上昇させて、目的とするレトルト殺菌時のヘッドスペースになるようにしたためである。
図5および図7において、実際のヘッドスペースの変化は雰囲気温度を基準として求めた計算結果と品温を基準として求めた計算結果の中間値となっていると考えられる。従って、レトルト殺菌中のヘッドスペースは実施例1 では概ね40mL以下となり、実施例3ではほぼ望ましい30mL以下となり、凝集物の発生が抑制されたと考えられる。なお、実施例1〜4では初期ヘッドスペースが40mLのパウチのレトルト殺菌時のヘッドスペースが30mLとなるようにレトルト圧力パターンを設定したが、凝集の発生状況に併せて、実用的な範囲で30mLよりも小さい値となるように設定してもよい。また、実用的な範囲であるならば、計算で求められた圧力に一定の比率を掛けて、あるいは一定の圧力分を加算して、計算で求められた圧力を嵩上げするように圧力調整してもよい。
実施例5
封入ガスを炭酸ガス50%と窒素50%の混合ガスとした他は、実施例3と同様の条件で試料を作製した。実施例5について、凝集物の評価結果を表3に示した。なお、炭酸ガスの溶解を促進させるため、内容物のpH調整には重炭酸ナトリウムを熱湯に溶かして用いた。実施例5では、初期ヘッドスペースが50mLにおいても、凝集の発生を防止することが可能となった。
このように、実施例3と圧力が同じであっても、ヘッドスペースガス組成の炭酸ガスの比率を高めることによりレトルト中のヘッドスペースを小さくすることができる。これによって、初期ヘッドスペースが大きいため圧力制御だけでは所望のヘッドスペースに調整ができない場合や、ヘッドスペースを0mlに近づけたい場合は、炭酸ガスの含有量を増やし、必要に応じて殺菌圧力を増大させることにより、この要求に対応することができる。なお、一般に、炭酸ガスの溶解度は図8のBunsen吸収係数と温度・圧力の関係を表すグラフに示されるように、ヘンリーの法則により炭酸ガスの溶解度は同一温度では圧力が高いほど高くなる。また、炭酸ガスの溶解度は内容物のpH調整に重炭酸ナトリウムなどのpH調整剤を用いることにより溶解し易くできる。
Figure 0005434924
第2の実施形態
この実施形態は本発明の上記第2の目的を達成するための実施形態である。
この実施形態は、パウチへの充填時の初期ヘッドスペースは少なくなるように充填を行い、レトルト殺菌中にはレトルト釜内の圧力を減少させるように調整し、ヘッドスペースを増加して攪拌効果を増大させることにより酸化劣化防止と攪拌効果増大の2つの要請を同時に満たす殺菌方法である。
この実施形態の例として、カレー製品のヘッドスペース量と酸化劣化および殺菌時間(レトルト釜内の温度が殺菌温度に達してからのホールド時間)の関係について実験した結果を表4に示す。
[充填シール条件]
パウチサイズ;240mm×350mm×65mm(横×縦×折り込み幅のスタンディングパウチ)
パウチのラミネート構成;外面側からPETフィルム、ナイロンフィルム、
アルミニウム箔、ポリプロピレンフィルムからなる4層構成
内容物;カレー(市販業務用カレー大型パウチ入り製品をリパック、粘度40℃−3230mPa・s、60℃−2300mPa・s、80℃−1800mPa・s)
*粘度計はB型粘度計を用いて50rpmの条件で測定。
充填量;2kg
充填・密封時(初期)ヘッドスペースのガス量;表4に示した。(ガスは大気100%)
[レトルト条件]
殺菌方式;摺動式熱水シャワーレトルト方式
摺動方式;クランク方式(連続摺動)
殺菌条件;121℃−0.24MPa(温度・ゲージ圧)(比較例2、3)
121℃−0.135MPa(温度・ゲージ圧)(実施例6)
殺菌価;内容物の最冷点がF0=10に達した時点で冷却工程に進めた
摺動ストローク・回数;75mm−60往復/分(加速度;0.18G)
摺動方向;パウチ長手方向が摺動方向と同一方向となるようにパウチを積載し、水平に往復運動させた。
尚、比較例2および比較例3では、殺菌中、ヘッドスペースが変化しないように、レトルト釜内の圧力を0MPaから表4に示した最大圧力(ゲージ圧)の範囲で調整した。また、実施例6ではヘッドスペースが初期量に対し、5倍に増大または近づくようにレトルト釜内の圧力を0MPaから表4に示した最大圧力(ゲージ圧)の範囲で調整した。
この実験において使用したパウチは、前述した適正な加速度を導きだすために使用したパウチと同一であり、ヘッドスペースのガス組成は大気100%である。表4において、HSはヘッドスペースを示し、食味・色調の欄中○印は「良好」、△印は「やや不充分」を示す。
Figure 0005434924
表4から、比較例2は充填時にヘッドスペースが大きく、レトルト中の圧力は従来一般に適用されてきた0.24MPaで摺動殺菌を行ったので攪拌は充分に行われたはずであるが、ヘッドスペース中の酸素量が多いために内容物が酸化劣化を起こし、食味色調はやや不充分であった。また比較例3は充填時にヘッドスペースは減少させたが、レトルト中の圧力が従来使用されてきた0.24MPaであったため、レトルト中のヘッドスペースは増大せず、攪拌が充分に行われなかったため、殺菌時間は比較例2よりも長くかかったため、局部的褐変を生じて食味色調はやや不良であった。これに対して実施例6では、充填時のヘッドスペースを減少させ、レトルト中の圧力を0.135MPaに減少させることによりレトルト中のヘッドスペースが増大し、攪拌効果が充分に得られた結果、殺菌時間は40分で比較例3に比べて短く食味色調は良好であった。
表4の結果から、酸化劣化を防ぐために初期のヘッドスペースを充分に減らす一方レトルト中の圧力を減少させることによりヘッドスペースを摺動式レトルトの攪拌効果が充分に得られるまで増大させると、殺菌時間を短縮することができ、品質の良いパウチ詰め流動性食品が得られることが判る。
第3の実施形態
この実施形態は本発明の上記第3の目的を達成するための実施形態である。
この実施形態においては、レトルト中以外の状態においてはヘッドスペースが少なくなるようにガス組成を炭酸ガス、炭酸ガスと窒素の混合ガスおよび炭酸ガスと大気との混合ガスからなる群から選択された気体で構成する。ヘッドスペースの調整は、レトルト釜内の飽和蒸気圧とヘッドスペースガス分圧、および炭酸ガスの溶解度(図8参照)からヘッドスペースを計算し、レトルト中最適の摺動効果が得られるようヘッドスペースを増大するためにレトルト釜内の圧力を減少させるように調整することにより行う。レトルト圧力を減少させることにより内容物中に溶解していた炭酸ガスがヘッドスペース中に放出されヘッドスペースが増大する結果最適の摺動効果が得られる。
また、ガス組成を炭酸ガスと窒素または大気との混合ガスで構成する場合は、ヘッドスペースは、レトルト中の圧力だけではなく、炭酸ガスと窒素または大気の混合比率を調整することによっても調整することができる。
ガス組成が炭酸ガスと窒素ガスの混合ガスである場合に、混合ガス比率を種々変更した場合におけるレトルト中のヘッドスペースの変化を調べた結果を表5に示す。この実験においては第1の実施形態と同一パウチを用い、内容物として水400mLを充填した。充填・密封時の初期ヘッドスペースを40mLとし、レトルト条件は121℃−0.24MPaとした。表5のように、室温付近ではヘッドスペース中の炭酸ガスは内容物にほぼ溶解するため、充填初期の炭酸ガス濃度を高くすることにより、室温付近ではヘッドスペースを減らすことができ、一方、レトルト殺菌温度では炭酸ガスの溶解度が低くなるため、ヘッドスペースを充填初期の40mLレベルとすることが可能となる。なお、前述したように、炭酸ガスの溶解度は内容物のpHや重炭酸ナトリウム(pH調整剤)を含有することにより異なるので、それぞれの内容物毎に各温度での溶解度を求めることによって初期ヘッドスペースとガス組成とから、レトルト中のヘッドスペースを計算することができる。
Figure 0005434924
以上のように、本発明の殺菌方法によれば、パウチ詰め流動性食品の摺動式レトルト殺菌において、レトルト釜内の圧力を調整することにより、および/またはヘッドスペースのガス組成を調整することにより、ヘッドスペースを最適の摺動効果が得られるようにして殺菌ができ、殺菌時間の短縮や、さらにはヘッドスペースが不適正なために生じる内容物の凝集や褐変を防止することが可能となる。また、摺動式殺菌の加速度を適切な範囲とすることにより、特別な治具を用いることなくパウチを非拘束状態で棚上に載置して上記殺菌を行うことができる。
本発明の方法を実施するための装置の1例を示す断面図である。 比較例1におけるレトルト釜内の雰囲気温度と品温、およびレトルト圧力パターンを示すグラフである。 比較例1において、レトルト釜内の雰囲気温度を基準とした場合と品温を基準とした場合のそれぞれについて、レトルト殺菌時のヘッドスペースの変化を示したグラフである。 実施例1において、本発明の方法による圧力制御によりヘッドスペースを収縮させたときのレトルト釜内の雰囲気温度と品温、およびレトルト圧力パターンを示すグラフである。 実施例1において、レトルト釜内の雰囲気温度を基準とした場合と品温を基準とした場合のそれぞれについて、レトルト殺菌時のヘッドスペースの変化を示したグラフである。 実施例3において、本発明の方法による圧力制御によりヘッドスペースを収縮させたときのレトルト釜内の雰囲気温度と品温、およびレトルト圧力パターンを示すグラフである。 実施例3において、レトルト釜内の雰囲気温度を基準とした場合と品温を基準とした場合のそれぞれについて、レトルト殺菌時のヘッドスペースの変化を示したグラフである。 炭酸ガスの溶解度と温度・圧力の関係を示すグラフである。
本発明は、飲料等の液状食品やカレー等の粘調な流動性食品あるいは経腸栄養剤等の流動性食品を可撓性パウチに充填、密封し摺動式殺菌を行う場合の殺菌方法に適用することができる。

Claims (2)

  1. 可撓性パウチに流動性食品を秤量充填し、次いでヘッドスペースを調整して密封し、レトルト殺菌機内で摺動式殺菌する殺菌方法において、
    ヘッドスペースのガス組成が炭酸ガス、炭酸ガスと窒素の混合ガスおよび炭酸ガスと大気との混合ガスからなる群から選択される気体からなり、
    ヘッドスペースの調整を、レトルト釜内の飽和蒸気圧とヘッドスペースガス分圧、および炭酸ガスの溶解度からヘッドスペースの量を計算し、レトルト中最適の摺動効果が得られるヘッドスペース量を得るためにレトルト釜内の圧力を減少させるように調整することにより行う
    ことを特徴とするパウチ詰め流動性食品の殺菌方法。
  2. 摺動式殺菌は、パウチを載置する殺菌棚を摺動させるときの加速度が0.1〜0.3Gの範囲である
    ことを特徴とする請求項に記載の殺菌方法。
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