JP5433165B2 - 発光装置の作製方法 - Google Patents

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本発明は有機化合物を含む層の成膜に用いる成膜方法に関する。また、有機化合物を含む層を発光層とする発光装置の作製方法に関する。
薄型軽量、高速応答性、直流低電圧駆動などの特徴を有する有機化合物を発光体として用いた発光素子は、次世代のフラットパネルディスプレイへの応用が期待されている。特に、発光素子をマトリクス状に配置した表示装置は、従来の液晶表示装置と比較して、視野角が広く視認性が優れる点に優位性があると考えられている。
発光素子の発光機構は、一対の電極間にEL層を挟んで電圧を印加することにより、陰極から注入された電子および陽極から注入された正孔がEL層の発光中心で再結合して分子励起子を形成し、その分子励起子が基底状態に緩和する際にエネルギーを放出して発光するといわれている。励起状態には一重項励起と三重項励起が知られ、発光はどちらの励起状態を経ても可能であると考えられている。
発光素子を構成するEL層は、少なくとも発光層を有する。また、EL層は、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などを有する積層構造とすることもできる。
また、EL層を形成するEL材料は低分子系(モノマー系)材料と高分子系(ポリマー系)材料に大別される。一般に、低分子系材料は蒸着法を用いて成膜され、高分子系材料はインクジェット法やスピンコート法などを用いて成膜されることが多い。
本出願人は特許文献1及び特許文献2にインクジェット法を用いてEL層を形成することを開示している。
また、本出願人は、特許文献3にインクジェット法のように「点」で塗布するのではなく、ノズルから「線」で有機EL材料を塗布する技術を開示している。
また、特許文献4にもインクジェット法とは異なる方法で有機EL材料を塗布する技術、所謂ノズルプリンティング装置を用いた成膜方法が開示されている。
特開2001−52864 特開2001−102170 特開2001−189192 特開2002−75640
特許文献1や特許文献2に開示されているインクジェット法は、ノズルから吐出させるために、成膜しようとする材料を溶媒などに溶かす、または分散させて材料を含む液体を調整して用意し、その液体をノズルから吐出を行うことで被成膜基板上に成膜を行う。インクジェット法は、ノズルから吐出する液滴量や液滴の滴下位置を制御することで被成膜基板上に選択的に成膜を行うことができる。
また、特許文献3や特許文献4に開示されている方法も一旦、材料を含む液体を調整し、用意する。特許文献3や特許文献4に開示されている方法は、用いることの可能な材料液の粘度が広く、また、ノズル先端の乾燥などによる目詰まりも問題としない点でインクジェット法に比べ優位である。インクジェット法の欠点は、何らかの原因で口の細いノズルが詰まってしまう目詰まりが生じ、意図せず吐出が行われない箇所が発生すると、結果として点欠陥または線欠陥を有する表示パネルとなり不良品となることである。
なお、特許文献1乃至4のいずれも被成膜基板が後に表示パネルの一部となる。
これらの湿式プロセスを用いると、後に表示パネルの一部となる被成膜基板上に積層構造を構成するのが困難である。例えば、1層目の第1の材料層の上に2層目の第2の材料層を積層すると、1層目の第1の材料層の表面の溶解が生じやすく、第1の材料層に含まれる有機材料が第2の材料層に混入する恐れがある。
また、これらの湿式プロセスは、用いる材料液や溶媒にもよるが、後に表示パネルの一部となる被成膜基板上に一層重ねる毎に溶媒などを蒸発させるための乾燥処理を行う構成であり、乾燥処理にかかる時間は、30分から1時間以上であるため、積層数が増えれば増えるほどスループットの低下を招く。また、用いる材料や溶媒によってはベーク温度が異なるため、例えば、最上層となる材料層のベーク温度が下層の材料層の溶融温度よりも高い場合には、界面が消失して意図せず混合する恐れがある。
上記問題に対して、後に表示パネルの一部となる基板上に異なる複数の材料層を積層する際、スループットを向上しつつ、円滑に材料層の所望のパターン形状を得る成膜方法および発光装置の作製方法を提供することを課題とする。
そこで、後に表示パネルの一部となる基板上に材料層を選択的に形成するのではなく、予め成膜用基板上に材料液を選択的に塗布し、焼成した後、その成膜用基板と、後に表示パネルの一部となる基板とを対向して配置し、光の照射を行って成膜用基板に形成された材料層を加熱することによって、後に表示パネルの一部となる基板上に材料層を選択的に形成する。
予め成膜用基板には、予め、少なくとも光吸収層が設けてある。光吸収層は全面に設けてもよいし、部分的に設けてもよい。光吸収層が部分的に設けた所望のパターン形状であれば、光が照射された光吸収層のパターン形状を反映した成膜パターンが後に表示パネルの一部となる基板に成膜される。なお、後に表示パネルの一部となる基板には光吸収層のパターン上面形状とほぼ同じ材料層のパターン上面形状が得られる。
特に帯状の光吸収層を複数並べてストライプ状とし、ポンプ圧送により材料液をノズルから吐出して光吸収層と重なる材料層を形成する場合、隔壁は光吸収層の両サイドにしか存在しなく、ノズルと基板とを相対的に移動させてある一方向に塗布を行うため、その塗布方向における膜厚均一性を高めることができる。後に表示パネルの一部となる基板にストライプ状の材料層を形成することは、塗布方向における画素間隔を狭く設計することが可能であるため、開口率の向上にも寄与する。
なお、ストライプ状とは縦横比が2以上の細長い長方形状、長径と短径が2以上の細長い楕円形状を含む。
また、後に表示パネルの一部となる基板表面に配線などによる凹凸があったとしても、膜厚均一性の高い成膜を行うことができる。成膜用基板には配線が設けられているのではなく、光吸収層が形成されているが、光吸収層上に均一な膜厚を有する材料層を形成することができれば、光を光吸収層に照射することで、その膜厚均一性を反映した膜を後に表示パネルの一部となる基板上に得ることができる。特にアクティブマトリクス型の発光装置を用いる場合、後に表示パネルの一部となる基板表面には、配線やスイッチング素子がEL層を形成する前に設けられており、凹凸を有しているため、本発明は有用である。粘度の低い材料を用いて従来の方法により塗布を行った場合、後に表示パネルの一部となる基板表面の凹凸により膜厚が不均一となる恐れがある。
また、部分的に設けた光吸収層と重ならない部分に材料液が吐出されたとしても、光吸収層と重なる材料層の一部が加熱されるため、成膜用基板には、意図しない部分に成膜が行われることを防止することができる。ノズルからの材料液の吐出を一時停止することなく、成膜用基板に一筆書きで材料層を形成することができる。また、1枚の基板に複数のパネルを作製する、所謂多面取りにおいても、選択的に成膜を行うことが可能であるため、後に表示パネルの一部となる基板表面にストライプ状の材料層を成膜することができる。
また、本発明は、ピエゾ素子や気泡を発生させるヒータを用いるインクジェット法に比べ、ピエゾ素子や気泡を発生させるヒータを用いることなく、流量計と圧力計を制御することでポンプ圧送によりノズルから同じ流量で材料液を吐出することができ、膜厚均一性に優れている。また、本発明で用いるノズルは、インクジェット法で用いるヘッドに比べて安価である。
また、本発明においては一旦成膜用基板に材料層を成膜した後、もう一枚の基板を対向して配置し、光吸収層への光照射により材料層を加熱することによって対向して配置したもう一枚の基板面に成膜を行う。従って、本発明において用いる材料液は、ポンプ圧送によりノズルから吐出可能な粘度を有する材料液であり、且つ、熱によって蒸発可能な有機化合物材料を含む材料液、具体的には低分子の有機化合物材料を含む材料液である。即ち、本発明においては、材料層に含まれるEL材料として、塗布成膜および乾式成膜の両方が可能な材料を用いる。
9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、9−{4−[10−(4−tert−ブチルフェニル)−9−アントリル]フェニル}−9H−カルバゾール(略称:PTBCzPA)に代表されるカルバゾール誘導体や、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)に代表される芳香族炭化水素化合物や、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)に代表される金属錯体や、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)に代表される芳香族アミン化合物が、塗布成膜および乾式成膜の両方が可能な材料として挙げられる。
材料液の調整に用いる溶媒としては、インクジェット法よりも多くの種類の溶媒を用いることができ、例えば、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、或いはクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、n−プロピルメチルケトン、或いはシクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、或いはアニソールなどの芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、或いは炭酸ジエチルなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、或いはジオキサンなどのエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、或いはジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、エタノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、或いは2−エトキシエタノールなどのアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、ヘキサン、又は水等を用いることができる。また、これらの溶媒複数種を混合して用いてもよい。本発明の成膜方法を用いることにより、材料の利用効率を高めることができ、製造コストを低減させることができる。また、インクジェット法よりも多くの種類の溶媒を用いることができるということは、インクジェット法よりも用いることのできる有機化合物の種類を増やすことに繋がるため、材料の選択肢が広がる長所も本発明の成膜方法は有している。
なお、材料液を調整するために加える溶媒として、キシレンやトルエンを用いる場合は、溶媒が短時間で揮発し、自然乾燥するため、乾燥処理にかかる時間を短縮、またはなくすことができる。
光吸収層には、種々の材料を用いることができる。例えば、窒化チタン、窒化タンタル、窒化モリブデン、窒化タングステンなどの金属窒化物、チタン、モリブデン、タングステンなどの金属、カーボンなどを用いることができる。なお、照射される光の波長に応じて、光吸収層に好適な材料の種類が変化することから、適宜材料を選択する必要がある。また、光吸収層は一層に限らず複数の層により構成されていてもよい。例えば、金属と金属窒化物の積層構造としてもよい。なお、光吸収層は、種々の方法を用いて形成することができる。例えば、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、真空蒸着法などにより形成することができる。
また、光吸収層の膜厚は、材料によって異なるが、照射した光が透過しない膜厚とすることで、照射した光を無駄にすることなく熱に変換することができる。よって、10nm以上2μm以下の膜厚であることが好ましい。また、光吸収層の膜厚が薄い方がより小さいエネルギーの光で光吸収層全体を加熱することができる。よって、光吸収層の膜厚は、10nm以上600nm以下の膜厚であることがより好ましい。例えば、波長532nmの光を照射した場合、光吸収層の膜厚を50nm以上200nm以下の膜厚とすることにより、照射した光を効率良く吸収して発熱させることができる。
なお、光吸収層は、材料層に含まれる材料の成膜可能温度(材料層に含まれる材料の少なくとも一部が被成膜基板へ成膜される温度)まで加熱できるのであれば、照射する光の一部が透過してもよい。
照射する光は、ランプ光源からの光、またはレーザ光源からのレーザ光を用いることができる。
ランプ光源としては、フラッシュランプ(キセノンフラッシュランプ、クリプトンフラッシュランプなど)、キセノンランプ、メタルハライドランプのような放電灯、ハロゲンランプ、タングステンランプのような発熱灯を用いることができる。フラッシュランプは短時間(0.1ミリ秒乃至10秒)で非常に強度の高い光を繰り返し、大面積に照射することができるため、成膜用基板の面積にかかわらず、効率よく均一に加熱することができる。また、発光させる時間の間隔を変えることによって成膜用基板の加熱の制御もできる。また、フラッシュランプは寿命が長く、発光待機時の消費電力が低いため、ランニングコストを低く抑えることができる。
また、レーザ光としては、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。また、上記固体レーザから発振される第2高調波や第3高調波、さらに高次の高調波を用いることもできる。なお、レーザ媒体が固体である固体レーザを用いると、メンテナンスフリーの状態を長く保てるという利点や、出力が比較的に安定している利点を有している。
また、レーザスポットの形状は、線状または矩形状とすることが好ましい。線状または矩形状とすることにより、処理基板にレーザ光を効率よく走査することができる。よって、成膜に要する時間(タクトタイム)が短くなり、生産性が向上する。
上述した成膜方法を用いることにより、発光素子を構成するEL層の少なくとも一層、例えば発光層を形成することができる。また、光吸収層を画素部となる面積とほぼ同程度の面積とし、材料液が所望のパターン形状となるような開口の隔壁を用いることで、所望の領域のみに成膜することが可能である。また、光吸収層を所望のパターン形状とすることで、所望の領域のみに成膜することが可能である。このように、所望の領域のみに成膜することが可能であるため、微細パターンの形成が可能となり、高精細な発光装置を作製することができる。
フルカラーの発光装置を作製する場合には、発光層を作り分ける必要があるため、本発明の成膜方法を用いることにより容易に発光層を作り分けることができる。例えば、赤色発光材料を含む第1の材料液を吐出するノズル、緑色発光材料を含む第2の材料液を吐出するノズル、青色発光材料を含む第3の材料液を吐出するノズルを少なくとも有する成膜装置を用いて、1枚の成膜用基板に3種類の発光層をそれぞれ成膜することができる。また、3種類の発光層をそれぞれ成膜された1枚の成膜用基板を用いて光を照射し、対向して配置した被成膜基板(後に表示パネルの一部となる基板)に短時間で3種類の発光層を形成することができる。また、本発明は、1回の位置アライメントを行うだけで、3種類の発光層を位置精度良く成膜ことができる。
成膜用基板に形成する赤色発光層を形成するための赤色発光材料を含む第1の材料液としては、2−メトキシエタノールを溶媒として用いて吐出を行い、BAlqをホストとして、TPDと(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(acac))を含む赤色発光層を形成することができる。また、成膜用基板に形成する緑色発光層を形成するための緑色発光材料を含む第2の材料液としては、トルエンを溶媒として用いて吐出を行い、CzPAをホストとして、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)を含む緑色発光層を形成することができる。また、また、成膜用基板に形成する青色発光層を形成するための青色発光材料を含む第3の材料液としては、トルエンを溶媒として用いて吐出を行い、CzPAをホストとして、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)を含む青色発光層を形成することができる。
成膜用基板の光吸収層に照射する光の照射面積によっては、複数の異なる材料層が同時に加熱されることもあるが、光照射の際の一対の基板(成膜用基板と、後に表示パネルの一部となる基板の計2枚の基板)の間隔を狭くすることで、混色を防止することができる。なお、本明細書において、基板間隔は、向かい合わせた2つの基板面の最短距離で定義する。
さらに、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などを有する積層構造を形成することもできる。
また、光吸収層の周囲に材料液の広がりを妨げるため、成膜用基板に隔壁を設ける。成膜用基板に隔壁を設ける隔壁は、隔壁の高さによって隔壁全体で囲む空間の体積を精密に制御することができるため、隔壁で囲む領域に材料液を吐出し、隔壁で囲む領域に保持する液体量を制御することができる。従って、隔壁の高さは、光吸収層の膜厚よりも高いことが好ましい。また、吐出された材料液が隔壁の高さを乗り越え、隔壁の外側に溢れて付着しても、隔壁の外側部分に付着した材料は光を照射しても蒸発しない。
また、成膜用基板に隔壁を設ける隔壁の断面形状は、特に限定されないが、矩形または台形とする。また、吐出を行う液体に対して親液性を付与する表面処理を隔壁の表面に行ってもよいし、撥液性を付与する表面処理を隔壁の表面に行ってもよい。また、隔壁の側面の影響により、表面が親液化されていれば側面付近の膜厚が中央部(隔壁に囲まれた領域の中央部)よりも厚くなり、表面が撥液化されていれば側面付近の膜厚が中央部よりも薄くなる傾向がある。従って、この膜厚不均一な部分を避けるために、隔壁と光吸収層との間隔を空ける構成としてもよい。
本明細書で開示する発明の構成は、第1の基板の一方の面に光吸収層を形成し、光吸収層を囲む隔壁を選択的に形成し、ポンプ圧送により材料液をノズルから吐出して隔壁及び光吸収層に接する材料層を選択的に形成し、第1の基板の材料層が形成された面と、第2の基板の被成膜面とを対向させ、第1の基板の他方の面側から光を光吸収層に照射して、光吸収層と重なる位置にある前記材料層の少なくとも一部を選択的に加熱し、第2の基板の被成膜面に成膜を行うことを特徴とする成膜方法である。
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
また、アクティブマトリクス型の発光装置の場合、後に表示パネルの一部となる基板表面には、格子状に開口が設けられた隔壁が設けられる。他の発明の構成は、第1の基板の一方の面に光吸収層を形成し、光吸収層を囲む第1の隔壁を選択的に形成し、ポンプ圧送により材料液をノズルから吐出して第1の隔壁及び光吸収層に接する材料層を選択的に形成し、第1の基板の材料層が形成された面と、第1の電極を有する第2の基板の被成膜面とを対向させ、第1の基板の他方の面側から光を光吸収層に照射して、光吸収層と重なる位置にある材料層の少なくとも一部を選択的に加熱し、第2の基板の被成膜面に設けられた第1の電極上に有機化合物を含む層の形成を行い、該有機化合物を含む層上に第2の電極を形成し、第2の基板の被成膜面には、第1の電極が複数設けられ、互いの間を絶縁する第2の隔壁を有することを特徴とする発光装置の作製方法である。
また、上記作製方法において、第1の隔壁と第2の隔壁の上面形状が異なる。第1の隔壁はストライプ状に開口を有する上面形状であり、第2の隔壁は、格子状に開口が設けられた上面形状である。また、第2の隔壁は、開口がX方向(行方向)及びY方向(列方向)においてマトリクス状に配置されているが、隣り合う開口の間隔が、X方向とY方向とで異なる。
また、アクティブマトリクス型の発光装置を作製する場合、成膜用基板に光を照射する際に光吸収層が設けられていない領域は光が透過し、素子や配線などに光が照射され、素子や配線にダメージを与える恐れがある。ダメージを防ぐため、成膜用基板に光反射層を選択的に設ける構成としてもよい。反射層を選択的に形成することによって、後に表示パネルの一部となる基板に成膜される膜は、反射層のパターンを反映した微細なパターンで選択的に成膜することができる。
反射層は、成膜の際、光吸収層の一部分に選択的に光を照射するために、それ以外の部分に照射される光を反射するための層である。よって、反射層は、照射する光に対して高い反射率を有する材料で形成されていることが好ましい。具体的には、反射層は、照射される光に対して、反射率が85%以上、さらに好ましくは、反射率が90%以上であることが好ましい。
反射層に用いることができる材料としては、例えば、銀、金、白金、銅、アルミニウムを含む合金、銀を含む合金、または酸化インジウム−酸化スズなどを用いることができる。
反射層の膜厚は、材料により異なるが、100nm以上とすることが好ましい。100nm以上の膜厚とすることにより、照射した光が反射層を透過することを抑制することができる。
また、反射層を設ける場合には光吸収層との間に断熱層を形成することが好ましい。断熱層を、照射する光に対する透過率は60%以上とし、かつ熱伝導率が反射層及び光吸収層に用いる材料の熱伝導率よりも小さい材料を用いて形成することが好ましい。断熱層の熱伝導率が低いと、照射された光から得られる熱を効率よく成膜に用いることができる。断熱層に用いる材料としては、例えば、酸化チタン、酸化珪素、窒化酸化珪素、酸化ジルコニウム、炭化珪素等を用いることができる。
従来の湿式法を用いてEL層を形成する場合とは異なり、すでに形成された層の溶解性等を考慮する必要がないため、成膜する材料の種類の選択肢が広がる。また、積層する層の数についても自由に設定できる。よって、所望の材料を用いて、所望の積層構造の発光装置を作製することができる。特に、基板が大型化した場合において、用いる材料の種類や積層構造を自由に設計できるということは、発光装置の性能を向上させる点において、重要である。
本発明の実施形態について、以下に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明に係る成膜用基板および成膜用基板を用いた成膜方法について説明する。なお、本実施の形態では、フルカラーの発光装置を作製するため、赤色発光層、緑色発光層、及び青色発光層をそれぞれ間隔を空けて成膜する場合について図1に説明する。本明細書では、成膜したい材料が設けられており、かつ、被成膜基板に成膜を行うために用いる基板を、以下では成膜用基板(第1の基板)と記す。また、後に表示パネルの一部となる基板を第2の基板と呼ぶ。
成膜用基板である第1の基板104には、光吸収層102が形成されている。第1の基板104としては、例えば、ガラス基板、石英基板などを用いることができる。ガラス基板や石英基板などは、フィルム基板などよりも不純物(水分など)が吸着または付着しにくい。よって、成膜する際に不純物の混入を防ぐことができる。
光吸収層102は、第2の基板上に成膜したい領域に対応するようにパターン形成されている。ここでは光吸収層102の上面形状を長方形とする。また、複数の光吸収層102の間には第1の隔壁101を設ける。この第1の隔壁101は予め、表面に撥液処理を施しておくことが好ましく、ノズルから吐出される材料液の位置制御を補助する役目を果たす。
まず、図1(A)に示すようにノズルからポンプ圧送により材料液を吐出する。材料液を貯蔵したボトルから材料液の流路となるチューブを介して材料液圧送ポンプと接続され、材料液圧送ポンプの圧送によりノズルの開口から材料液を吐出する。材料液圧送ポンプとしては、サンドポンプ、ピストンポンプ、スクイズポンプ等のポンプやタンク式機器を用いることができる。なお、材料液圧送ポンプとノズルとの間には、流量計や圧力計や温度計や異物を取り除くフィルタなどを設け、一定量の流量がノズルの開口から流れるように制御する。ノズルと第1の基板104とを相対的に移動させることによって、材料液の描画を行う。なお、ノズルからの吐出開始と吐出停止は、材料液圧送ポンプの圧力を制御することで行うことができる。ここでは、3つのヘッドを有し、それぞれヘッドのノズル、即ち第1のノズル113R、第2のノズル113G、及び第3のノズル113Bから材料液を吐出する。第1のノズル113Rからは赤色の発光層を形成するための第1の材料液112Rが吐出される。また、第2のノズル113Gからは緑色系の発光層を形成するための第2の材料液112Gが吐出される。また、第3のノズル113Bからは青色系の発光層を形成するための第3の材料液112Bが吐出される。図1(B)では材料液がノズルと光吸収層の両方に繋がっている様子を一例に示したが、特に限定されず、ノズル先端と光吸収層表面との距離や、材料液の粘度やポンプ圧などによっては材料液がノズル先端から光吸収層に到達する間に途切れることもある。
必要であれば、材料液の吐出後は、乾燥または焼成のための加熱処理を行う。
以上の工程により、図1(B)に示すように、第1の隔壁101に囲まれた領域のそれぞれに第1の材料層103R、第2の材料層103G、第3の材料層103Bが第1の基板104上に形成される。
次に、図1(B)に示すように、第1の基板104の一方の面であって、光吸収層102、第1の材料層103R、第2の材料層103G、及び第3の材料層103Bが形成された面に対向する位置に、後に表示パネルの一部となる基板である第2の基板137を配置する。そして、第1の基板104と第2の基板137とを位置合わせを行い、互いに近づけて対向させる。
第2の基板137には予め、発光素子の一方の電極となる第1の電極138、および第2の隔壁139が形成されている。また、正孔注入層141、正孔輸送層145も積層されている。
なお、正孔注入層141、正孔輸送層145は従来の抵抗加熱法などを用いて形成してもよいし、本発明の成膜方法を用いてもよい。
次に、減圧下で図1(C)に示すように第1の基板104の裏面(光吸収層102、第1の材料層103R、第2の材料層103G、及び第3の材料層103Bが形成されていない面)側から光110を照射する。光110はランプ光源の光またはレーザ光源の光を用いる。このとき、第1の基板104上に形成された光吸収層102に照射された光は吸収される。
そして、光吸収層102が吸収した光を熱に変換し、その熱を、それぞれの光吸収層102に接する領域の第1の材料層103R、第2の材料層103G、及び第3の材料層103に与えることにより、第2の基板137に形成された第1の電極138と重なる位置に成膜が行われる。ここではランプ光の照射により、第2の基板137に発光素子の赤色の発光層146、緑色の発光層147、及び青色の発光層148が同時に形成される。ランプ光は、レーザ光源のような点光源に比べて走査するための機構が不要であり、短時間に成膜を行うことができる。
発光層を形成した後は、発光層上に電子輸送層を積層形成し、さらに電子注入層を積層形成し、最後に第2の電極を形成する。なお、第2の電極は、スパッタ法または電子ビーム法などを用いて成膜を行う。以上の工程で第2の基板137上に少なくとも第1の電極と第2の電極とそれらの間に発光層を有する発光ダイオードを作製する。
また、本実施の形態では、赤色の発光層、緑色の発光層、青色の発光層の3色を用いてフルカラーの発光装置を一例としたが、特に限定されず、白色の発光層をさらに設けてもよいし、4色以上の発光層を用いる発光装置としてもよい。
また、電子輸送層や電子注入層も発光層と同様の手順で成膜することができる。その場合、電子輸送層を成膜するための成膜用基板、電子注入層を成膜するための成膜用基板をそれぞれ用意すればよい。また、発光色に合わせて電子輸送層や電子注入層の膜厚を異ならせ、効率よく各色の発光色を取り出す発光装置としてもよい。
また、ここでは第1の電極と第2の電極の間に設けるEL層を5層、即ち、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の積層とする例を示したが、特に限定されず、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の積層としてもよく、実施者が発光材料や発光効率などを考慮して適宜設計すればよい。
また、本実施の形態に示すフルカラー表示が可能な発光装置の作製において、本発明を適用することにより、所望の材料を無駄にすることを低減し、被成膜基板に成膜することが可能である。よって、材料の利用効率が向上し、製造コストの低減を図ることができる。
また、本発明では、成膜用基板に形成される材料層の膜厚をポンプ圧送により制御することによって、被成膜基板上に成膜される膜の膜厚を制御することができるため、被成膜基板上に成膜する際の膜厚モニターは不要となる。よって、膜厚モニターを利用した成膜速度の調節を使用者が行う必要がなく、成膜工程を全自動化することが可能である。そのため、生産性の向上を図ることができる。
こうして得られる発光素子の積層構造の一例を図2(A)、図2(B)に示す。
図2(A)に示す発光素子は、基板901上に第1の電極902、発光層913のみで形成されたEL層903、第2の電極904が順に積層して設けられている。第1の電極902及び第2の電極904のいずれか一方は陽極として機能し、他方は陰極として機能する。陽極から注入される正孔及び陰極から注入される電子がEL層903で再結合して、発光を得ることができる。本実施の形態において、第1の電極902は陽極として機能する電極であり、第2の電極904は陰極として機能する電極であるとする。
また、図2(B)に示す発光素子は、図2(A)のEL層903が複数の層が積層された構造である場合を示しており、具体的には、第1の電極902側から正孔注入層911、正孔輸送層912、発光層913、電子輸送層914、および電子注入層915が順次設けられている。なお、EL層903は、図2(A)に示すように少なくとも発光層913を有していれば機能するため、これらの層を全て設ける必要はなく、必要に応じて適宜選択して設ければよい。
図2に示す基板901は、図1の第2の基板137に相当する。
また、第1の電極902および第2の電極904は、様々な金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
これらの材料は、通常スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。その他、ゾル−ゲル法などを応用して、インクジェット法、スピンコート法などにより作製してもよい。
また、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、アルミニウムを含む合金等を用いることができる。その他、仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(アルミニウム、マグネシウムと銀との合金、アルミニウムとリチウムの合金)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。
アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金の膜は、真空蒸着法を用いて形成することができる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む合金はスパッタリング法により形成することも可能である。また、銀ペーストなどをインクジェット法などにより成膜することも可能である。また、第1の電極902および第2の電極904は、単層膜に限らず、積層膜で形成することもできる。
なお、EL層903で発光する光を外部に取り出すため、第1の電極902または第2の電極904のいずれか一方、または両方が光を通過するように形成する。例えば、インジウム錫酸化物等の透光性を有する導電材料を用いて形成するか、或いは、銀、アルミニウム等を数nm乃至数十nmの厚さとなるように形成する。また、膜厚を薄くした銀、アルミニウムなどの金属薄膜と、ITO膜等の透光性を有する導電材料を用いた薄膜との積層構造とすることもできる。
なお、本実施の形態で示す発光素子のEL層903(正孔注入層911、正孔輸送層912、発光層913、電子輸送層914又は電子注入層915)は、ポンプ圧送によりノズルから材料液を吐出して成膜用基板の材料層を形成し、光を照射する成膜方法を適用して形成することができる。
例えば、図2(A)に示す発光素子を形成する場合、EL層903を形成する材料を含む溶液を調整し、ポンプ圧送によりノズルから材料液を吐出して成膜用基板の材料層を形成し、この成膜用基板を用いて基板901上の第1の電極902上にEL層903を形成する。そして、EL層903上に第2の電極904を形成することにより、図2(A)に示す発光素子を得ることができる。
発光層913としては種々の材料を用いることができる。例えば、蛍光を発光する蛍光性化合物や燐光を発光する燐光性化合物を用いることができる。
また、発光層913として、発光性の高い物質(ドーパント材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させた構成を用いることもできる。発光性の高い物質(ドーパント材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させた構成を用いることにより、発光層の結晶化を抑制することができる。また、発光性の高い物質の濃度が高いことによる濃度消光を抑制することができる。
発光性の高い物質を分散させる物質としては、発光性の高い物質が蛍光性化合物の場合には、蛍光性化合物よりも一重項励起エネルギー(基底状態と一重項励起状態とのエネルギー差)が大きい物質を用いることが好ましい。また、発光性の高い物質が燐光性化合物の場合には、燐光性化合物よりも三重項励起エネルギー(基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差)が大きい物質を用いることが好ましい。
発光層913として、発光性の高い物質(ドーパント材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させた構成を用いる場合には、成膜用基板上の材料層として、ホスト材料とゲスト材料とを混合した層を形成すればよい。または、成膜用基板上の材料層として、ホスト材料を含む層とドーパント材料を含む層とが積層した構成としてもよい。このような構成の材料層を有する成膜用基板を用いて発光層913を形成することにより、発光層913は発光材料を分散させる物質(ホスト材料)と発光性の高い物質(ドーパント材料)とを含み、発光材料を分散させる物質(ホスト材料)に発光性の高い物質(ドーパント材料)が分散された構成となる。なお、発光層913として、2種類以上のホスト材料とドーパント材料を用いてもよいし、2種類以上のドーパント材料とホスト材料を用いてもよい。また、2種類以上のホスト材料及び2種類以上のドーパント材料を用いてもよい。
また、図2(B)に示す発光素子を形成する場合には、EL層903(正孔注入層911、正孔輸送層912、電子輸送層914、および電子注入層915)のそれぞれの層を形成する材料で形成された材料層を有する成膜用基板を各層毎に用意し、各層の成膜毎に異なる成膜用基板を用いて、光を照射して基板901上の第1の電極902上にEL層903を形成することができる。そして、EL層903上に第2の電極904を形成することにより、図2(B)に示す発光素子を得ることができる。
例えば、正孔注入層911としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。この他、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(略称:CuPc)等のフタロシアニン系の化合物によっても正孔注入層を形成することができる。
また、正孔注入層911として、正孔輸送性の高い物質と電子受容性を示す物質を含む層を用いることができる。正孔輸送性の高い物質と電子受容性を示す物質とを含む層は、キャリア密度が高く、正孔注入性に優れている。また、正孔輸送性の高い物質と電子受容性を示す物質とを含む層を、陽極として機能する電極に接する正孔注入層として用いることにより、陽極として機能する電極材料の仕事関数の大小に関わらず、様々な金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。
正孔輸送性の高い物質と電子受容性を示す物質を含む層は、例えば、正孔輸送性の高い物質を含む層と電子受容性を示す物質を含む層とが積層された材料層を有する成膜用基板を用いることにより形成することができる。
正孔注入層911に用いる電子受容性を示す物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。また、遷移金属酸化物を挙げることができる。また元素周期表における第4族から第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
正孔注入層911に用いる正孔輸送性の高い物質としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素など、種々の化合物を用いることができる。なお、正孔注入層に用いる正孔輸送性の高い物質としては、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、正孔注入層911に用いることのできる正孔の輸送性の高い物質を具体的に列挙する。
例えば、正孔注入層911に用いることのできる芳香族アミン化合物としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)等を用いることができる。また、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
正孔注入層911に用いることのできるカルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
また、正孔注入層911に用いることのできるカルバゾール誘導体としては、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、正孔注入層911に用いることのできる芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]−2−tert−ブチル−アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14〜42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、正孔注入層911に用いることのできる芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
これら正孔輸送性の高い物質を含む層と、電子受容性を示す物質を含む層とが積層された材料層を有する成膜用基板を用いることで、正孔注入層911を形成することができる。電子受容性を示す物質として金属酸化物を用いた場合には、成膜用基板上に正孔輸送性の高い物質を含む層を形成した後、金属酸化物を含む層を積層形成することが好ましい。金属酸化物は、正孔輸送性の高い物質よりも蒸着可能温度が高い場合が多いためである。このような積層構成の成膜用基板とすることにより、正孔輸送性の高い物質と金属酸化物とを効率良く成膜することができる。また、成膜した膜において局所的な濃度の偏りを抑制することができる。例えば、ポンプ圧送によりノズルから材料液を吐出して正孔輸送性の高い物質を含む層を形成した後、さらにその上に蒸着法により金属酸化物を含む層を積層して成膜用基板を用意し、光を照射することで、被成膜基板に正孔輸送性の高い物質と金属酸化物とを含む混合層を容易に形成することができる。正孔輸送性の高い物質と金属酸化物の両方を溶解させるまたは分散させる溶媒は種類が少なく、これら両方を含む溶液を調整することが困難である。よって、従来の湿式法を用いて直接形成することは困難であった。
また、正孔輸送性の高い物質と電子受容性を示す物質とを含む層は、正孔注入性だけでなく、正孔輸送性も優れているため、上述した正孔注入層911を正孔輸送層として用いてもよい。
また、正孔輸送層912は、正孔輸送性の高い物質を含む層であり、正孔輸送性の高い物質としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
電子輸送層914は、電子輸送性の高い物質を含む層であり、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等を用いることができる。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ01)バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、電子注入層915としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のようなアルカリ金属化合物、又はアルカリ土類金属化合物を用いることができる。さらに、電子輸送性を有する物質とアルカリ金属又はアルカリ土類金属が組み合わされた層も使用できる。例えばAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたものを用いることができる。なお、電子注入層として、電子輸送性を有する物質とアルカリ金属又はアルカリ土類金属を組み合わせた層を用いることは、第2の電極904からの電子注入が効率良く起こるためより好ましい。
なお、EL層903は、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質または正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等を含む層と、発光層とを適宜組み合わせて構成すればよい。
EL層903で得られた発光は、第1の電極902または第2の電極904のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極902または第2の電極904のいずれか一方または両方は、透光性を有する電極である。第1の電極902のみが透光性を有する電極である場合、光は第1の電極902を通って基板901側から取り出される。また、第2の電極904のみが透光性を有する電極である場合、光は第2の電極904を通って基板901と逆側から取り出される。第1の電極902および第2の電極904がいずれも透光性を有する電極である場合、光は第1の電極902および第2の電極904を通って、基板901側および基板901と逆側の両方から取り出される。
なお、図2では、陽極として機能する第1の電極902を基板901側に設けた構成について示したが、陰極として機能する第2の電極904を基板901側に設けてもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態では、第1の隔壁の上面形状の一例と、第2の隔壁の上面形状の一例と、塗布方向との関係について図3を用いて説明する。
図3(A)は、成膜用基板の一部上面図の一例を示しており、第1の基板204上に長方形の光吸収層202と、長方形の開口206を有する第1の隔壁201を示している。
また、図3(B)はポンプ圧送により3種類のノズルから3種類の材料液を塗布した後の上面図を示している。図3(B)に示すように、第1の基板204上に、第1の材料層203R、第2の材料層203G、及び第3の材料層203Bがストライプ状に形成される。なお、ここでは、ポンプ圧送を停止して第1の材料層203Rを形成しているが、停止することなく隔壁201の外側に塗布し、1行目と4行目を繋げてもよい。なぜなら、後の光照射で加熱される部分は、光吸収層202と重なる領域であり、重ならない領域である隔壁の外側の第1の材料層は加熱されず、後にパネルの一部となる基板には成膜されないからである。なお、第1の基板204に対して移動した一つのノズルの軌道205を図3(B)中の鎖線矢印で示した。なお、光吸収層の長辺方向が塗布方向に相当する。図3(B)においては、一筆書きのように塗布方向を逆転させて次の赤色発光層を形成している例を示している。
なお、本実施の形態においては光吸収層を4行分しか図示していないが、作製するパネルの画素数に合わせて複数行設けている。
また、図3(C)は、発光素子の一方の電極となる第1の電極138、および第2の隔壁139が形成されている第2の基板137の一部上面図の例である。長方形である第1の電極138の周縁を覆うように第2の隔壁139が形成され、開口が設けられている。なお、ストライプ状に材料層を形成するため、第2の隔壁139の複数の開口において、塗布方向の間隔は、狭くすることができ、開口率の向上を図ることができる。第2の隔壁139の複数の開口において、塗布方向の間隔は、少なくとも塗布方向と垂直な方向における間隔よりも狭くすることができる。図3(A)と図3(C)を比べて分かるように、第1の隔壁201と第2の隔壁139の上面形状は異なっている。
図3(B)の第1の基板204と図3(C)の第2の基板137とを向かい合わせて配置し、第1の基板204を通過させて光照射を行うことにより、図3(D)に示すように第2の基板137に発光素子の赤色の発光層146、緑色の発光層147、及び青色の発光層148が同時に形成される。ここでは、レーザ光の照射を行う。また、本実施の形態では、レーザ光として波長532nmのレーザ光を用い、周波数10MHz以上、かつ、パルス幅100fs以上10ns以下のレーザ光を用いる。波長532nmの光を照射する場合、光吸収層202の膜厚を50nm以上200nm以下の膜厚とすることにより、照射した光を効率良く吸収して発熱させることができる。レーザ光の走査は、塗布方向と平行である走査方向としてもよいし、塗布方向と垂直をなす走査方向としてもよい。本実施の形態で用いる周波数10MHz以上、パルス幅100fs以上10ns以下のレーザ光は、短時間のレーザ光の照射が可能であるため、熱の拡散を抑制することができ、微細なパターンの成膜が可能となる。また、周波数10MHz以上、パルス幅100fs以上10ns以下のレーザ光は、高出力が可能であるため、大面積を一度に処理することができ、成膜に要する時間を短縮することができる。よって、生産性を向上させることができる。
また、本実施の形態は実施の形態1と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、成膜用基板に設ける光吸収層の他のバリエーションについて図4を用いて説明する。
実施の形態1では光吸収層の上面形状を長方形とし、ストライプ状となるように配置する例を示したが、本実施の形態では、光吸収層は、表示パネルサイズよりも広い面積に設け、第1の隔壁によって材料液の描画を制御する例を示す。
図4(A)に示すように、成膜用基板である第1の基板304には、光吸収層302と第1の隔壁301が形成されている。
第1の隔壁301の開口パターンが、第2の基板上に成膜したい領域に対応するようにパターン形成されている。この第1の隔壁301は予め、表面に撥液処理を施しておくことが好ましく、ノズルから吐出される材料液の位置制御する役目を果たす。
まず、実施の形態1と同様に、図4(A)に示すようにノズルからポンプ圧送により材料液を吐出する。ここでは、3つのヘッドを有し、それぞれヘッドのノズル、即ち第1のノズル113R、第2のノズル113G、及び第3のノズル113Bから材料液を吐出する。
以上の工程により、図4(B)に示すように、第1の隔壁301に囲まれた領域のそれぞれに第1の材料層303R、第2の材料層303G、第3の材料層303Bが第1の基板304上に形成される。
次に、図4(C)に示すように、第1の基板304の一方の面であって、光吸収層302が形成された面に対向する位置に、後に表示パネルの一部となる基板である第2の基板337を配置する。そして、第1の基板304と第2の基板337とを位置合わせを行い、互いに近づけて対向させる。そして、減圧下で図4(C)に示すように第1の基板304の裏面(光吸収層302が形成されていない面)側から光310を照射する。光310はランプ光源の光またはレーザ光源の光を用いる。このとき、第1の基板304上に形成された光吸収層302に照射された光は吸収される。
なお、第2の基板337には予め、発光素子の一方の電極となる第1の電極338、第1の電極と電気的に接続される薄膜トランジスタ333、および第2の隔壁339が形成されている。また、正孔注入層、正孔輸送層も積層されている。
本実施の形態においては、照射された光は光吸収層に吸収されるため、薄膜トランジスタ333に光照射されることをブロックすることができる。
そして、光吸収層302が吸収した光を熱に変換し、その熱を、それぞれの光吸収層302に接する領域の第1の材料層303R、第2の材料層303G、及び第3の材料層303に与えることにより、第2の基板337に形成された第1の電極338と重なる位置に成膜が行われる。ここではランプ光の照射により、第2の基板337に発光素子の赤色の発光層346、緑色の発光層347、及び青色の発光層348が同時に形成される。
発光層を形成した後は、発光層上に電子輸送層を積層形成し、さらに電子注入層を積層形成し、最後に第2の電極を形成する。なお、第2の電極は、スパッタ法または電子ビーム法などを用いて成膜を行う。以上の工程で第2の基板337上に少なくとも第1の電極と第2の電極とそれらの間に発光層を有する発光ダイオードを作製する。
また、本実施の形態は実施の形態1または実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態4)本実施の形態では、成膜用基板に設ける光吸収層に加え、反射層を設ける例を図5を用いて説明する。
図5(A)に示すように、成膜用基板である第1の基板404には、光吸収層402と、光反射層405と、第1の隔壁401が形成されている。
光吸収層402は、上面形状を長方形とし、ストライプ状となるように配置する。また、光反射層405は、第1の隔壁401上に形成され、後に光照射する際に光吸収層の間を遮断するように配置する。
反射層405は、後の光照射の際、照射される光から薄膜トランジスタなどの素子や配線の保護を行うために、光吸収層の間を通過する光を反射するための層である。
本実施の形態においては、光反射層405が、第1の隔壁401上に設けられるため、隣り合う溝に材料液が吐出されないように防止することができる。即ち、光反射層405も第1の隔壁401と同様に材料液の位置制御に寄与させることができる。反射層405は、照射する光に対して高い反射率を有する材料で形成されていることが好ましい。具体的には、反射層405は、照射される光に対して、反射率が85%以上、さらに好ましくは、反射率が90%以上であることが好ましい。
第1の隔壁401の開口パターンが、第2の基板上に成膜したい領域に対応するようにパターン形成されている。実施の形態1と同様に、ノズルからポンプ圧送により材料液を吐出する。
そして、図5(B)に示すように、第1の隔壁401及び光反射層405に囲まれた領域のそれぞれに第1の材料層403R、第2の材料層403G、第3の材料層403Bが第1の基板404上に形成される。
次に、図5(C)に示すように、第1の基板404の一方の面であって、光吸収層402が形成された面に対向する位置に、後に表示パネルの一部となる基板である第2の基板437を配置する。そして、第1の基板404と第2の基板437とを位置合わせを行い、互いに近づけて対向させる。そして、減圧下で図4(C)に示すように第1の基板404の裏面(光吸収層402が形成されていない面)側から光410を照射する。光410はランプ光源の光またはレーザ光源の光を用いる。このとき、第1の基板404上に形成された光吸収層402に照射された光は吸収される。
なお、第2の基板437には予め、発光素子の一方の電極となる第1の電極438、第1の電極と電気的に接続される薄膜トランジスタ433、および第2の隔壁439が形成されている。また、正孔注入層、正孔輸送層も積層されている。
本実施の形態においては、照射された光は光反射層405及び光吸収層402で反射されるため、薄膜トランジスタ433に光照射されることをブロックすることができる。
そして、光吸収層402が吸収した光を熱に変換し、その熱を、それぞれの光吸収層402に接する領域のそれぞれの材料層に与えることにより、第2の基板437に形成された第1の電極438と重なる位置に成膜が行われる。ここではランプ光の照射により、第2の基板437に発光素子の赤色の発光層446、緑色の発光層447、及び青色の発光層448が同時に形成される。
発光層を形成した後は、発光層上に電子輸送層を積層形成し、さらに電子注入層を積層形成し、最後に第2の電極を形成する。なお、第2の電極は、スパッタ法または電子ビーム法などを用いて成膜を行う。以上の工程で第2の基板437上に少なくとも第1の電極と第2の電極とそれらの間に発光層を有する発光ダイオードを作製する。
また、本実施の形態は実施の形態1、実施の形態2、または実施の形態3と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態5)本実施の形態では、成膜用基板に光吸収層及び反射層及び断熱層を設ける一例を図6を用いて説明する。
図6(A)に示すように、成膜用基板である第1の基板604には、光反射層605と、光反射層605を覆う断熱層606と、断熱層上に光吸収層602とが形成されている。
光反射層605の開口パターンが、第2の基板上に成膜したい領域に対応するようにパターン形成されている。
また、光吸収層602は、表示パネルサイズよりも広い面積に設ける。
実施の形態1と同様に、ノズルからポンプ圧送により材料液を吐出する。反射層605が形成されている部分は、凸部となり、その上に形成される断熱層と光吸収層とにより高さが増え、この部分が隔壁と同じような位置制御の役目を果たす。そして凸部に囲まれた領域のそれぞれに第1の材料層603R、第2の材料層603G、第3の材料層603Bが第1の基板604上に形成される。
反射層605は、後に光照射して第2の基板に成膜する際、光吸収層602の一部分に選択的に光を照射するために、それ以外の部分に照射される光を反射するための層である。よって、反射層605は、照射する光に対して高い反射率を有する材料で形成されていることが好ましい。具体的には、反射層605は、照射される光に対して、反射率が85%以上、さらに好ましくは、反射率が90%以上であることが好ましい。
また、反射層605に開口を形成する際には種々の方法を用いることができるが、ドライエッチングを用いることが好ましい。ドライエッチングを用いることにより、開口の側壁が鋭くなり、微細なパターンを形成することができる。
断熱層606は、成膜の際に照射された光のうち、反射層605によって反射された光の一部が熱となって反射層に残った場合に、その熱が光吸収層602および材料層603R、603G、603Bに伝わるのを防ぐための層である。従って、断熱層606は、熱伝導率が反射層605および光吸収層602を形成する材料よりも低い材料を用いる必要がある。
次に、第1の基板604の一方の面であって、光吸収層602が形成された面に対向する位置に、後に表示パネルの一部となる基板である第2の基板637を配置する。そして、第1の基板604と第2の基板637とを位置合わせを行い、互いに近づけて対向させる。そして、減圧下で図6(B)に示すように第1の基板604の裏面(光吸収層602が形成されていない面)側から光610を照射する。光610はランプ光源の光またはレーザ光源の光を用いる。このとき、第1の基板604上に形成された光吸収層602に照射された光は吸収される。
なお、第2の基板637には予め、発光素子の一方の電極となる第1の電極638、第1の電極と電気的に接続される薄膜トランジスタ633、および第2の隔壁639が形成されている。また、正孔注入層、正孔輸送層も積層されている。
本実施の形態においては、照射された光は光吸収層及び光反射層に吸収されるため、薄膜トランジスタ633に光照射されることをブロックすることができる。
そして、光吸収層602が吸収した光を熱に変換し、その熱を、それぞれの光吸収層602に接する領域のそれぞれの材料層に与えることにより、第2の基板637に形成された第1の電極338と重なる位置に成膜が行われる。ここではランプ光の照射により、第2の基板637に発光素子の赤色の発光層646、緑色の発光層647、及び青色の発光層648が同時に形成される。
発光層を形成した後は、発光層上に電子輸送層を積層形成し、さらに電子注入層を積層形成し、最後に第2の電極を形成する。なお、第2の電極は、スパッタ法または電子ビーム法などを用いて成膜を行う。以上の工程で第2の基板637上に少なくとも第1の電極と第2の電極とそれらの間に発光層を有する発光ダイオードを作製する。
また、本実施の形態では、成膜用基板に隔壁となる絶縁物を形成しない例を示したが、反射層605と重なる位置上方の光吸収層602上に選択的に形成してもよい。
なお、断熱層606に用いる材料としては、例えば、酸化チタン、酸化珪素、窒化酸化珪素、酸化ジルコニウム、炭化珪素等を用いることができる。
また、断熱層606の膜厚は、材料により異なるが、10nm以上2μm以下とすることが好ましく、より好ましくは、100nm以上600nm以下とする。10nm以上2μm以下の膜厚とすることにより、反射層605の開口を透過して照射される光を透過させつつ、反射層605に存在する熱が光吸収層602や材料層603R、603G、603Bに伝わるのを遮断する効果を有する。なお、断熱層606は、図6(A)では、反射層605および反射層605の開口を覆って形成されているが、反射層605と重なる位置のみに断熱層が形成された構造としてもよい。
また、図6(B)に示すように、反射層605の開口を透過した光を、断熱層606を透過させて光吸収層に照射する構成の場合には、断熱層606は透光性を有する必要がある。この場合、本発明における断熱層606は、熱伝導率の低い材料であると共に光透過率の高い材料を用いる必要がある。具体的には、断熱層606には、光に対する透過率が60%以上となる材料を用いることが好ましい。
また、本実施の形態は実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、または実施の形態4と自由に組み合わせることができる。
以上の構成でなる本発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととする。
本実施例では、発光装置を全自動で製造する製造装置を用いて発光装置の作製例を示す。
図7は、製造装置の上面図を示す一例である。
図7に示す製造装置は、第1の搬送室582と、第2の搬送室552とを有し、これらの搬送室を第1の受渡室551を介して連結させている。さらに、第3の搬送室502を有し、第2の搬送室552と第2の受渡室501を介して連結させている。さらに、封止室504を有し、第3の搬送室502と第3の受渡室503を介して連結させている。
第2の搬送室552、第3の搬送室502、及び封止室504は、水分などが混入しないように、真空排気処理室と連結させ、真空排気して真空にすることも、真空排気した後、不活性ガスを導入して大気圧にすることもできる。真空排気処理室としては、磁気浮上型のターボ分子ポンプ、クライオポンプ、またはドライポンプを用いる。これにより各室と連結された搬送室の到達真空度を10−3〜10−6Paにすることが可能であり、さらにポンプ側および排気系からの不純物の逆拡散を制御することができる。
まず、成膜用基板である第1の基板104を第1のカセット室571、第2のカセット室572、或いは第3のカセット室573にセットする。成膜用基板に成膜しようとする膜に合わせて、これら3つのカセット室の一を選択する。なお、第1の基板104には予めフォトリソグラフィ技術などを用いて選択的に形成された光吸収層102及び第1の隔壁101が形成されている。
実施の形態1に示すようにポンプ圧送によりノズルから一定の流量の材料液を吐出して第1の基板104に材料層を選択的に形成する場合には、第1のカセット室571にフェイスアップ方式でセットし、第1のカセット室571に設けられた搬送ユニット524を用いて、流量制御装置583に接続されたノズルを有する処理室574に搬送し、材料液の描画を行う。なお、搬送ユニット524は、基板の表裏を反転させることができ、処理室574に反転させて搬入することができるため、第1の基板104の光吸収層へのゴミ付着を防止するのであれば、フェイスダウン方式で第1のカセット室571にセットしてもよい。
処理室574は、複数のノズルが一軸方向に配列された機構を具備する流量制御装置583、該流量制御装置583に供給する材料液を貯蔵するための3種類のボトル581R、581G、581B、基板を固定しXYθ方向に移動するステージ580等が設けられている。流量制御装置583は、ノズル、流量計、圧力計、ポンプなどを含む。
材料液の描画を行った第1の基板は、処理室574に連結された第1の搬送室582の搬送ユニット522によって、ベーク室576に搬送し、乾燥または焼成を行う。なお、ベーク室576は複数の基板を加熱でき、また第1の基板をストックしておくストック室としても機能させることができる。
また、スピンコート法やスプレー法などを用いたコーティング装置を用いて第1の基板104に材料層を基板全面に形成する場合には、第2のカセット室572にフェイスアップ方式でセットし、コーティング装置を有する処理室575に設けられた搬送ユニット523を用いて、処理室575に搬送し、塗布を行う。なお、搬送ユニット523も、基板の表裏を反転させることができ、ステージ578に反転させて載置することができるため、第1の基板104の光吸収層へのゴミ付着を防止するのであれば、フェイスダウン方式で第2のカセット室572にセットしてもよい。
処理室575は、材料液を滴下するノズルと、基板を固定して回転するステージ578、該ステージの回転数を制御する制御部、コーティングを終えた基板を載置する台579、ノズルに材料液を供給するためのタンク等が設けられている。
3種類の材料層の形成を行った第1の基板は、処理室575に連結された第1の搬送室582の搬送ユニット522によって、ベーク室576に搬送し、乾燥または焼成を行う。
また、抵抗加熱法を用いて材料層を第1の基板に形成する場合には、第3のカセット室573にフェイスダウン方式でセットし、第3のカセット室573に連結された第1の搬送室582の搬送ユニット522によって、第1の受渡室551に搬送する。さらに第1の受渡室551に連結された第2の搬送室552に設けられた搬送ユニット520によって、前処理室553に搬送し、基板に含まれる水分やその他のガスを徹底的に除去するために、脱気のためのアニールを真空(5×10−3Torr(0.665Pa)以下、好ましくは10−4〜10−6Pa)で行う。そして、搬送ユニット520によって処理室555に搬送し、抵抗加熱法により蒸着を行う。
処理室555は、室内において点線で示す軌道で蒸着源557を移動する手段と、基板を固定する手段と、膜厚モニタと、真空排気処理室等が設けられている。蒸着源557は複数のルツボがセットされており、ルツボに収納された蒸着材料が抵抗加熱法によって加熱される。処理室555においては、フェイスダウン方式でセットされた基板の下方で蒸着源を移動させることで蒸着を行う。また、蒸着マスクを用いて選択的に成膜を行う場合には、処理室554にストックされている蒸着マスクを処理室555に搬送し、基板と位置合わせを行って蒸着を行えばよい。
第1のカセット室571、第2のカセット室572、或いは第3のカセット室573にセットし、適宜、処理室で材料層を形成した第1の基板104は、第3の搬送室502に搬送し、第3の搬送室502に設けられた搬送ユニット521により、材料層が設けられた面が上となる状態、即ちフェイスアップでレーザ光照射室515に搬送する。なお、第1の基板の材料層を蒸着法で成膜する場合、成膜後の段階ではフェイスダウンとなっているため、処理室518に設けた基板反転機構により基板の表裏を反転させた後、レーザ光照射室515に搬送する。
処理室518は基板を反転させるだけでなく、基板を複数枚ストックする部屋としてもよい。また、搬送ユニット521が基板の表裏を反転させることができるのであれば、特に処理室518に基板反転機構を設けなくともよく、基板を複数枚ストックする部屋として用いればよい。
また、被成膜基板となる第2の基板は、第4のカセット室570にフェイスダウンでセットし、第4のカセット室570に連結した第1の搬送室582の搬送ユニット522によって、第1の受渡室551に搬送する。さらに第1の受渡室551に連結された第2の搬送室552に設けられた搬送ユニット520によって、前処理室553に搬送し、第2の基板に含まれる水分やその他のガスを徹底的に除去するために、脱気のためのアニールを真空で行う。特に第2の基板にTFTを設ける場合、層間絶縁膜や隔壁の材料として有機樹脂膜を用いると、有機樹脂材料によっては水分を吸着しやすく、さらに脱ガスが発生する恐れがあるため、有機化合物を含む層を形成する前に100℃〜250℃、好ましくは150℃〜200℃、例えば30分以上の加熱を行った後、30分の自然冷却を行って吸着水分を除去する真空加熱を行うことは有効である。
パッシブマトリクス型の発光装置を作製する場合には、第2の基板には少なくともストライプ状の第1の電極を形成しておく。また、アクティブマトリクス型の発光装置を作製する場合には、第2の基板には第1の電極と、該第1の電極と電気的に接続されたスイッチング素子、例えば非晶質半導体膜、多結晶半導体膜、微結晶半導体膜、単結晶半導体膜を活性層とする薄膜トランジスタを形成しておく。
そして、被成膜基板となる第2の基板は、搬送ユニット520によって、第2の受渡室501に搬送し、さらに第2の受渡室501に連結された第3の搬送室502に設けられた搬送ユニット521により、第1の電極が設けられた面が下となる状態、即ちフェイスダウンでレーザ光照射室515に搬送する。
レーザ光照射室515はレーザ光源から射出されたレーザ光をレーザ光照射室内部に導入するための窓120を下部に有している。
第1の基板をレーザ光照射室515に搬送した後、被成膜基板となる第2の基板と対向させて位置合わせを行い、一対の基板保持手段516により基板の間隔dを一定に保持する。その後、一対の基板にレーザ光を照射し、レーザ光照射領域を相対的に移動させてレーザ光の走査を行う。
ここで成膜時における窓120とレーザ光源803との位置関係を示す模式図を図8に示す。
射出されるレーザ光はレーザ発振装置803から出力され、ビーム形状を矩形状とするための第1の光学系804と、整形するための第2の光学系805と、平行光線にするための第3の光学系806とを通過し、反射ミラー807で光路が第1の基板104に対して垂直となる方向に曲げられる。その後、光透過する窓120及び第1の基板104にレーザビームを通過させて、レーザビームを光吸収層102に照射する。窓120をレーザビーム幅と同じまたはそれより小さいサイズとしてスリットとして機能させることもできる。
レーザ発振装置803は、周波数10MHz以上、かつ、パルス幅100fs以上10ns以下のレーザ光を射出する。周波数10MHz以上、かつ、パルス幅100fs以上10ns以下のレーザ光は、短時間のレーザ光の照射が可能であるため、熱の拡散を抑制することができ、レーザ照射前の光吸収層102と重なる材料層の領域サイズと、レーザ照射後の第2の基板に成膜される領域サイズをほぼ同じにすることができ、成膜パターン周縁に薄い膜が形成され、実施者が所望する成膜パターンよりも拡大してことを低減することができる。成膜パターン周縁に薄い膜が形成されると成膜パターンの輪郭がぼけることとなり、パルス幅100fs以上10ns以下のレーザ光は、この輪郭のぼけを低減することができると言える。レーザ光の波長は特に限定されず、様々な波長のレーザ光を用いることができる。例えば、355、515、532、1030、1064nmなどの波長のレーザ光を用いることができる。
また、制御装置816は、一対の基板を移動させる一対の基板保持手段516も制御できるように連動させることが好ましい。さらに、制御装置816は、レーザ発振装置803も制御できるように連動させることが好ましい。さらに、制御装置816は、位置マーカを認識するための撮像素子808を有する位置アライメント機構と連動させることが好ましい。
レーザ光の走査が終わると、第1の基板104においては、光吸収層102と重なる材料層が消失し、対向して配置されていた第2の基板137に選択的に成膜が行われる。
レーザ光の走査を終えた第1の基板104は回収し、残存した材料層を除去すれば、再度使用することができる。レーザ光の走査を終えた第1の基板104は、レーザ照射後の第1の基板を洗浄するための洗浄室577に搬送し、残存した材料層を除去する。
上述の手順で第2の基板137に選択的に材料層の単層を成膜できるが、積層成膜を行う場合には、予め、第3の基板を用意し、レーザ光の走査を終えた第1の基板104と交換して、レーザ光照射室515内で第2の基板137と対向させて位置合わせを行い、一対の基板保持手段516により基板の間隔を一定に保持する。その後、一対の基板にレーザ光を照射し、レーザ光照射領域を相対的に移動させて2回目のレーザ光の走査を行う。
なお、第3の基板は、光吸収層が設けられており、第1の基板と同様に、第1のカセット室571、第2のカセット室572、或いは第3のカセット室573にセットし、適宜、処理室で2層目となる材料層を形成する。
さらにレーザ光照射室515内で積層させる場合には、第2の基板をレーザ光照射室515から搬出させずに、第4の基板を搬入し、第2の基板と第4の基板とを対向させて位置合わせを行い、レーザ光を照射し、レーザ光照射領域を相対的に移動させて3回目のレーザ光の走査を行う。同様の手順で4層以上の積層を行うことができる。
レーザ光照射室515を用いて成膜を行う場合には、第2の基板を搬入する前に予め、第1の基板、第3の基板、第4の基板などにそれぞれ材料層の形成を終えて、処理室518にストックしておき、レーザ光照射室515に第2の基板を搬入した後、成膜用基板を順次交換し、積層成膜を行うと作業効率よく工程を進めることができる。被成膜基板とは異なる基板に予め成膜した材料層をレーザ光で加熱する成膜方法は、成膜に必要な量を制限し、従来の抵抗加熱法よりも蒸発する材料の量を少なく抑えているため、成膜を行うレーザ光照射室515に複数の搬送ロボットや位置合わせ手段や基板移動手段などを設置することができる。また、被成膜基板とは異なる基板に予め成膜した材料層をレーザ光で加熱する成膜方法は、異なる発光層を同一の処理室(レーザ光照射室515)で成膜しても異なる発光材料が混ざることを防止することができる。
また、発光素子を構成するEL層として5層以上の全ての層をレーザ光照射室515を用いて成膜を行うことも可能であるが、少なくとも1層をレーザ光照射室515を用いて成膜を行えばよい。
例えば、レーザ光照射室515を用いて第1の電極上に正孔注入層、正孔輸送層を積層形成した後、さらに赤色の発光層、及び緑色の発光層を選択的に成膜し、青色の発光層を処理室512内で基板を回転させる抵抗加熱法により成膜してもよい。青色の発光層を選択的に成膜する場合には、処理室554にストックされている蒸着マスクを処理室512に搬送し、第2の基板と位置合わせを行って蒸着を行えばよい。処理室512には、蒸着源と、基板回転手段と、蒸着マスクとの位置合わせ手段と、膜厚モニタ等が設けられている。
また、電子輸送層または電子注入層を抵抗加熱法で形成する場合には、処理室513で成膜すればよい。処理室513は、室内において矢印で示す方向に第2の基板を移動させ、蒸着源537の上方を通過させる手段と、膜厚モニタと、真空排気処理室等が設けられている。蒸着源557は線状に長く、蒸着材料が抵抗加熱法によって加熱される。選択的に成膜を行う場合は、処理室554にストックされている蒸着マスクを処理室513に搬送し、第2の基板と位置合わせを行って固定し、第2の基板と蒸着マスクを移動させて蒸着を行えばよい。
また、正孔注入層または正孔輸送層を抵抗加熱法で形成する場合には、処理室555で成膜すればよい。
また、赤色の発光層を抵抗加熱法で形成する場合には、処理室511で成膜すればよい。また、緑色の発光層を抵抗加熱法で形成する場合には、処理室556で成膜すればよい。処理室511、556にはそれぞれ蒸着源と、基板回転手段と、膜厚モニタと、蒸着マスクとの位置合わせ手段と、真空排気処理室等が設けられている。
また、第4のカセット室570に第2の基板をセットした後、他の処理室に搬入することなく第2の搬送室552に搬送する例を示したが、第2の搬送室552に搬送する前に第2の基板に処理室575や処理室574で成膜を行った後、レーザ光照射室515に搬送し、積層を行ってもよい。その場合、第1の電極上に正孔注入層として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等の高分子等を用いることができる。また、正孔注入層に用いる正孔輸送性の高い物質としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。
また、スピンコート法によりPEDOT/PSSを成膜した場合、全面に成膜されるため、第2の基板の端面や周縁部、端子部、陰極(第2の電極)と下部配線との接続領域などは選択的に除去することが好ましく、前処理室553でマスクを使用してOアッシングなどにより選択的に除去することが好ましい。前処理室553にプラズマ発生手段を設け、Ar、H、F、およびOから選ばれた一種または複数種のガスを励起してプラズマを発生させることによって、ドライエッチングを行う。マスクを使用することによって不要な部分だけ選択的に除去することができる。また、陽極(第1の電極)表面処理として紫外線照射が行えるように前処理室553にUV照射機構を備えてもよい。このように、前処理室553は、真空加熱だけでなく、他の処理、例えばプラズマ処理やUV照射処理を行える処理室とすることが好ましい。
上述した成膜手順のいずれか一により、第2の基板へのEL層の成膜を終了させた後、発光素子の第2の電極となる電極を形成する。なお、第2の電極は、スパッタ法または電子ビーム法などを用いて成膜を行う。スパッタ法を用いる場合、処理室514にはプラズマ発生手段を設け、スパッタリングターゲットと、材料ガスを導入する手段を設ける。スパッタ法または電子ビーム法はフェイスダウン方式で成膜を行うため、レーザ光照射室515や抵抗加熱法を用いる処理室からスムーズに第2の基板を搬送することができる。
また、第2の電極を形成した後、搬送ユニット521を用いてゲート弁540を介し受渡室503へ搬入し、さらにゲート弁541を介して封止室504に搬送する。封止室504で封止を終えた基板は、ゲート弁542を介してアンロード室505に搬送され、製造装置外に取り出すことができる。以上の手順で発光ダイオード(EL素子とも呼ぶ)を作製することができる。
なお、図7に示す製造装置において、減圧下とする各処理室または各搬送室にはそれぞれゲート弁530〜535、538、560〜566が設けられている。
また、本実施例は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、または実施の形態5のいずれとも組み合わせることが可能である。本実施例に示す製造装置を用いることで、発光素子の最適化を図ることができる。
発光装置の作製工程を示す図。 発光素子について説明する断面図。 隔壁の上面形状について説明する図。 発光装置の作製工程を示す図。 発光装置の作製工程を示す図。 発光装置の作製工程を示す図。 製造装置の一例を示す上面図。 レーザ光の照射時における斜視図。
符号の説明
101 第1の隔壁
102 光吸収層
103R、103G、103B 材料層
104 第1の基板
112R、112G、112B 材料液
113R、113G、113B ノズル
110 光
120 窓
137 第2の基板
138 第1の電極
139 第2の隔壁
145 正孔輸送層
146 赤色の発光層
147 緑色の発光層
148 青色の発光層

Claims (3)

  1. 第1の基板の一方の面に、開口を有する光反射層を形成し、
    前記光反射層を覆う断熱層を形成し、
    前記断熱層上に光吸収層を形成し、
    ノズルから前記光吸収層にかけて材料液が繋がるように吐出して、前記光吸収層に接するストライプ状の材料層を形成し、
    第1の電極、前記第1の電極の両側面を覆う隔壁、及び前記第1の電極と電気的に接続された薄膜トランジスタを有する第2の基板の一方の面と、前記第1の基板の一方の面とを、前記光吸収層及び前記材料層が接する領域と、前記第1の電極とが重なるように対向させ、
    前記第1の基板の他方の面側から光を前記光吸収層に照射して、前記光吸収層と接する前記材料層の少なくとも一部を加熱し、前記第1の電極上に有機化合物を含む層を形成し、
    前記有機化合物を含む層上に第2の電極を形成する発光装置の作製方法であって、
    前記光を照射する際、前記薄膜トランジスタは、前記光反射層と重なる位置に配置されていることを特徴とする発光装置の作製方法。
  2. 請求項において、
    前記断熱層は、前記光反射層及び前記光吸収層よりも熱伝導率が低いことを特徴とする発光装置の作製方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記光吸収層の膜厚は、10nm以上600nm以下であることを特徴とする発光装置の作製方法。
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