JP5431261B2 - 情報管理システム、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

この発明は、一般的には情報管理システムに関し、より詳しくは、異なるドメインにある情報の間の関連つげを管理するための情報管理システム、方法及びプログラムに関する。
自動車、電機、航空宇宙防衛などの分野では、製品が複雑で、多数の部品からなるので、1つの製品を設計するために、機械、電気、システム設計、ソフトウェア、試験などの多くのドメイン(部門)が関与する。このように多くの部門に分かれていても、結局は統合された製品に集約する必要があるので、ドメインにまたがるデータの関連付けを行う必要がある。
図1は、自動車メーカーにおける異なるドメイン間の連携の例を示す図である。図1からは、システム・モデル、要求管理、制御解析、CAD、電気/電子回路、部品構成管理、及び組み込みソフトウェアという異なるドメインの間で、データのデータの関連付けが行われることが見て取れる。
ところが、現状では、ドメインをまたがるデータの関連付けはアドホックに行われていて、統合された製品全体に対するトレーサビリティの確保や影響分析が困難である。
このような困難の原因の1つとして、各ドメインの専門家が、異なるツールを使っている、ということがある。それを解消するためには、どのドメインでも統一されたツールを使えばいいが、各ドメインの専門家は使い慣れたツールを使いたいという要望が強く、また、ドメインが異なるとツールに要求される機能も異なるので、現実問題として、ツールを統一することは困難である。
そこで、各ドメイン内の情報は、そのまま既存のツールで管理できて、ドメイン間の関連情報だけを一元管理することで、製品全体にまたがるビューを提示し、以って専門家の間のコラボレーションを促進する技術が要望されている。図2はそのような要望されるビューの概要を示すものである。すなわち、図2に示すように、ドメイン202、ドメイン204、ドメイン206及びドメイン208の情報の間の関連情報のビュー212を与える関連情報管理機能210が要望されている。
図3は特に、2つのドメインの間の情報の関連付けをより詳細に示す図である。すなわち、要求管理ドメイン302は、非循環有向グラフ(DAG)の形式で構造化されたデータ要素A1〜A11をもつ。一方、システム・モデル・ドメイン304もやはり、非循環有向グラフの形式で構造化されたデータ要素B1〜B6をもつ。
このように2つのドメインにおいて、データがDAG形式に構造化され、電子的に個別にアクセス可能に、コンピュータの記憶装置に保存されると、好適には、2つのドメインのコンピュータに、ネットワークを介して接続した別のコンピュータを用いて、好適には専門家であるオペレータの操作により、その別のコンピュータの画面上で、2つのドメインのデータ要素間の関連付けのビューを生成することができる。このビューは、図3では、関連性ハブ306として図示されており、実際上、図2に示す関連情報のビュー212の一部をなす。
このようなオペレータの操作によるデータの関連付けによって、ドメイン間の関連付けを可視化することはできるが、各ドメインのデータ量は膨大なので、オペレータの操作により作成された関連付けの網羅性あるいは妥当性を判断することが難しい。
特開2000−90091号公報は、有向順序木として表現された情報の利用者が、情報の構造に関する正確な知識を持たなくても、構造に関する条件を与えることにより、その条件に合致する部分構造を抽出することを目的とするものであり、有向順序木を構成するノードの内容及びノード間の接続関係を定義した検索条件が入力されると、マッチング手段は、情報格納手段1に格納された処理対象情報1aの有向順序木の中間ノードを削除し、中間ノードのあった位置に中間ノード直下のノード列を配置する操作を行った結果得られる均質化有向順序木生成を処理対象として、均質化有向順序木内の検索条件に適合する有向順序木を抽出する。これにより、論理構造が異なる多数の情報に対する検索を行う際においても、ノード間の接続関係を利用した検索条件を利用できるようにすることを開示する。
しかし、特開2000−90091号公報に開示されている技術は、ノード間の接続関係の妥当性を判断するための基準を与えるものではない。
特開2000−90091号公報
従って、この発明の目的は、2つのドメインの間の情報の関連付けの妥当性を判断する基準を与えることを可能ならしめる技法を提供することにある。
この発明の他の目的は、2つのドメインの間の潜在的な関連性を自動的に与える技法を提供することにある。
本発明のシステムは、好適には、複数のドメインのコンピュータに接続された、別の関連性ビューを表示するためのコンピュータで実現される。
関連性ビューを表示するためのコンピュータのオペレータは先ず、ドメインのコンピュータから、ネットワークを経由してデータを取り込む。取り込んだデータは、もとのデータの階層関係を反映して、ドメイン毎にDAGを構成する。
関連性ビューを表示するためのコンピュータのオペレータは次に、ドメインのDAGのノードの間の対応を、GUIツールを使って入力する。入力された対応の情報は、関連性ビューを表示するためのコンピュータに保存される。
こうして、ドメイン毎のDAGのデータの間に関連性が構築されると、次に、本発明による処理モジュールが、一方のドメインのノードvaと、他方のドメインのノードvbに対して、ジョインノードがないものがある限り、以下の処理を繰り返す。
- vaとvbの間にジョインノードvを生成する。
- エッジ(va,v)と、エッジ(vb,v)を生成する。
この結果生成されるグラフが関係性グラフとして、適宜表示される。
ここで、vaとvbのジョインノードとは、この明細書では、va∨vbと記されるものである。さらに、va∨vbとは、va≦z,vb≦z且つva≦y,vb≦yを満たすすべてのy∈Vに対して、z≦yが成立するようなzのことである。
また、z≦yとは、関係性グラフにおいて、zからyに辿り着くエッジの列が存在することである。
ジョインノードとは、ノードvaとノードvbのDAGにおける上流ノード同士の間をつなぐノードであるということもできる。
この結果、元の関連に対応するノードと、生成されたジョインノードからなる関連のDAGが得られる。
上記の結果得られたDAGである関連性グラフは、各ドメインのデータの構造を抽象化したものになっているので、各ドメインのデータを参照しなくても、関連の意味を理解することが可能になる。
潜在的な関連をアルゴリズムによって抽出することで、ジョインノードとして生成するので、利用者からの関連付けの入力数を減少させることができる。
関連のDAGを見ることで、適切に関連付けが行われていることを確認する。例えば、全てのノードに直接到達するジョインノードが1つ追加されたグラフができると、その関連付けは適切でないと判断できる。
異なるドメイン間の連携の例を示す図である。 ドメイン間の関連情報を一元管理するためのビューを示す図である。 2つのドメイン間の情報要素を関連付けるビューを示す図である。 ドメインのコンピュータと、関連性情報管理コンピュータ装置の接続形態を示す図である。 関連性情報管理コンピュータ装置のハードウェア構成のブロック図である。 関連性情報管理コンピュータ装置における機能ブロック図である。 非循環有向グラフの例を示す図である。 外部ツールからデータを取り込み、関連付けを与える処理のフローチャートを示す図である。 関連付けを与える処理のGUIの例を示す図である。 関連付けを与える処理のGUIの例を示す図である。 関連付けを与える処理のGUIの例を示す図である。 関連付け情報に基づき、関連性グラフを作成する処理のフローチャートを示す図である。 x1∨x2の処理のフローチャートを示す図である。 x1≦x2の処理のフローチャートを示す図である。 createNode()の処理のフローチャートを示す図である。 beTopped()の処理のフローチャートを示す図である。 関連性ビュー(グラフ)作成処理の例を示す図である。 関連性ビュー(グラフ)作成処理の例を示す図である。 関連性ビュー(グラフ)作成処理の例を示す図である。 関連性ビュー(グラフ)作成処理の例を示す図である。 関連性ビュー(グラフ)作成処理の例を示す図である。 関連性ビュー(グラフ)作成処理の例を示す図である。 人工衛星の熱設計モデルと構造設計図の関連管理の例を示す図である。 人工衛星の熱設計モデルと構造設計図の関連管理の例を示す図である。 人工衛星の熱設計モデルと構造設計図の関連管理の例を示す図である。 人工衛星の熱設計モデルと構造設計図の関連管理の例を示す図である。
以下、図面に基づき、この発明の実施例を説明する。特に断わらない限り、同一の参照番号は、図面を通して、同一の対象を指すものとする。尚、以下で説明するのは、本発明の一実施形態であり、この発明を、この実施例で説明する内容に限定する意図はないことを理解されたい。
図4は、本発明を実施するためのハードウェア構成の全体を示す概要図である。図4において、ドメイン1 402、ドメイン2 404、ドメイン3 406、及びドメイン4 408は、個々のドメインのコンピュータ装置をあらわす。ここで、ドメインとは、図1に関連して例示した、システム・モデル、要求管理、制御解析、CAD、電気/電子回路、部品構成管理、及び組み込みソフトウェアなどに個々に対応する。
個々のドメインのコンピュータ・システムの、好適にはハードディスク・ドライブである記憶装置には、そのドメインが使用するツールに特有のデータが記憶されている。このデータとして、これには限定されないが、ソフトウェア設計データとしてのUML、ハードウェア設計データとしてのSysML、ツールがデータ交換用にサポートするXML、電子設計データ交換用フォーマットであるEDIFなどがある。その他、ドメインにおけるツール独自のフォーマットのデータであってもよい。
各ドメインにおいて、それらのデータは、DAGとして構成されていてもよいし、DAGでないグラフや、さらにグラフでないデータ形式で保存されていてもよい。
図4には、ドメインは4個しか示されていないが、これは例示であり、さらに多くの、あるいは任意個数のドメインがあってよい。但し、関連性情報を作成するために、少なくとも2個のドメインは必要である。
関連性情報管理コンピュータ装置410は、データの間の関連付けのビューを作成するためのコンピュータ装置であり、ドメイン1 402、ドメイン2 404、ドメイン3 406、及びドメイン4 408のコンピュータ装置とネットワークを介して接続されており、オペレータの操作に従い、少なくとも2つのドメインとの間の接続を確立して、2つのドメインのデータの間の関連付けのビューを作成する機能をもつプログラムを含む。このプログラムの動作は、後で図12以下のフローチャートを参照して詳細に説明する。
図5は、関連性情報管理コンピュータ装置410のより詳細な構成を示すブロック図である。なお、ドメイン1 402、ドメイン2 404、ドメイン3 406、及びドメイン4 408のコンピュータ装置も、限定されないが、基本的にはこれと同様のハードウェア構成であると理解されたい。
図5において、システム・パス502には、CPU504と、主記憶(RAM)506と、ハードディスク・ドライブ(HDD)508と、キーボード510と、マウス512と、ディスプレイ514が接続されている。CPU504は、好適には、32ビットまたは64ビットのアーキテクチャに基づくものであり、例えば、インテル社のPentium(商標) 4、Core(商標)2 Duo、Xeon(商標)、AMD社のAthlon(商標)などを使用することができる。主記憶506は、好適には、2GB以上の容量をもつものである。ハードディスク・ドライブ508は、好適には例えば、320GB以上の容量をもつものである。
ハードディスク・ドライブ508には、個々に図示しないが、オペレーティング・システムが、予め格納されている。オペレーティング・システムは、Linux(商標)、マイクロソフト社のWindows(商標)7、Windows XP(商標)、Windows(商標)2000、アップルコンピュータのMac OS(商標)などの、CPU504に適合する任意のものでよい。
ハードディスク・ドライブ508には、ドメインに対して接続を図りデータを転送する通信モジュール、ドメインから転送されたデータからDAGを構成するためのグラフ作成モジュール、2つのドメイン間の関連性をオペレータに入力させるためのGUIを提供するための関連性入力モジュール、入力された関連性に基づき、2つのドメインのデータの間でノードとリンクを生成するための関連性生成モジュール、生成されたリンクとノードをディスプレイ514に表示するための表示モジュールなどが格納されている。これらのモジュールは、C、C++、C#、Java(R)などの既存のプログラミング言語処理系で作成することができ、オペレーティング・システムの働きで、これらのモジュールは適宜主記憶506にロードされて実行される。これらのモジュールの動作の詳細は、図6の機能ブロック図を参照して、より詳細に説明する。
キーボード510及びマウス512は、関連性情報管理コンピュータ装置410のオペレータが、関連性入力モジュールを操作したりするために使用される。
ディスプレイ514は、好適には、液晶ディスプレイであり、例えば、XGA(1024×768の解像度)、またはUXGA(1600×1200の解像度)などの任意の解像度のものを使用することができる。ディスプレイ114は、業務ログから生成されたグラフを表示するためなどに使用される。
図5のシステムは更に、バス502に接続された通信インターフェース516を介して、LAN、WANなどの外部ネットワークに接続されている。通信インターフェース516は、イーサネット(商標)などの仕組みにより、ドメイン1 402、ドメイン2 404、ドメイン3 406、及びドメイン4 408のコンピュータ装置と通信して、データをやり取りする。
次に、図6を参照して、主としてハードディスク・ドライブ508に格納されている、機能モジュールについて説明する。
通信モジュール602は、TCP/IPなどの既存の通信プロトコルにより、通信インターフェース516を介してドメイン402、404、406、または408の指定したものと通信し、そこから、UMLのブロック、SysMLのブロック、XMLのファイル、EDIFのデータなど、指定したドメインで使われているツールが使っているデータの指定した一部、またはあるグループのデータの全部を、関連性情報管理コンピュータ装置410に転送する機能をもつ。ソースとなるドメイン及びツールの指定は、関連性情報管理コンピュータ装置410のオペレータが操作して行う。
通信モジュール602は、指定したドメインから、ドメインのデータの実体をコピーしてきてもよいし、URLのような、リンク情報だけをコピーしてきてもよい。さらには、ドメインにおけるデータの階層関係や接続関係を記述するファイルがあるなら、それもコピーしてきてもよい。そのようにして転送されたデータは好適には、一旦、ドメイン・データ604として、ハードディスク・ドライブ508に保存される。
グラフ作成モジュール606は、ハードディスク・ドライブ508に保存されたドメイン・データ604から、ドメイン毎に、非循環有向グラフ(DAG)データ608を作成して、好適には、一旦、ドメイン・データ608として、ハードディスク・ドライブ508に保存する。このとき、もしドメインにおけるデータの階層関係や接続関係を記述するファイルが存在するなら、その情報が利用される。あるいは、関連性情報管理コンピュータ装置410のオペレータが、自分の知識または、ドメインの担当者から聞いた知識に基づき、DAGを構成するための補助的データを与えてもよい。図7は、このようにして構成されたDAGの例を示す。
関連性入力モジュール610は、オペレータが操作により、2つのドメインのDAGのデータの間の関係を決定し、その結果を関連性データ612として、ハードディスク・ドライブ508に保存することを可能とする機能をもつ。それは、基本的に、図3に示すような関係を与える処理に相当する。関連性入力モジュール610の処理、及びそのGUI画面の例は、図9〜図11を参照して、後で説明する。
関連性グラフ作成モジュール614は、本発明のアルゴリズムに従い、DAGデータ608と関連性データを参照して、2つのドメインの間の関連性グラフ・データ616を作成して、ハードディスク・ドライブ508に保存する。本発明によれば、関連性グラフ・データ616もまた、DAGになる。
表示モジュール618は、関連性グラフ・データ616のデータを読み取って、ディスプレイ514に表示する機能をもつ。
次に、図8のフローチャートを参照して、データの取り込み処理を説明する。このデータの取り込み処理は、基本的には、関連性情報管理コンピュータ装置410のオペレータの操作に応答して行われる。
図8において、ステップ802では、オペレータは、ドメイン1の外部ツール1で管理しているデータ1を、通信モジュール602の機能を利用して、ドメイン・データ604としてインポートする。
ステップ804では、オペレータは、グラフ作成モジュール606の機能を利用して、インポートしたデータ1から、非循環有向グラフG1 = (V1,E1)を生成する。ここで、V1はノードの集合であり、E1は、エッジの集合である。このとき、データが既にグラフである場合、非循環有向グラフ(DAG)になるように、予め決めておいてルールに従いエッジを取り除くようにする。データがグラフでない場合、データを属性値(例えば、部品番号)に基づいて定義した半順序によって、データのDAGを得ることができる。
次に、ステップ806では、オペレータは、ドメイン2の外部ツール2で管理しているデータ2を、通信モジュール602の機能を利用して、ドメイン・データ604としてインポートする。
ステップ808では、オペレータは、グラフ作成モジュール606の機能を利用して、インポートしたデータ2から、非循環有向グラフG2 = (V2,E2)を生成する。
ステップ810では、オペレータは、G1のノードv1j ∈ V1と、G2のノードv2j ∈ V2の対応を、関連性入力モジュール610が提供するGUIを使って入力する。そして、それらの対応の集合R = {(v11,v21), ...,(v1m,v2m)} ⊆ V1×V2を構成する。
図9は、関連性入力モジュール610が提供する、ディスプレイ514に表示されるGUIの画面の一例を示す図である。
図9において、表形式のビュー902は、ソース、ターゲット及びリンク・タイプの絡むをもつ。ソースは、関連付けする第1のツールの所定のデータ、ターゲットは、関連付けする第2のツールの所定のデータ、リンク・タイプは、関連付けの種類である。
新しく関連付けを作成するためには、オペレータは、マウス512で、リンク追加ボタン904をクリックする。
すると、関連性入力モジュール610は、図10に示すような画面を表示する。図示されているように、図10に示す画面は、ソース・ツール、ソース・エレメント、ターゲット・ツール、ターゲット・エレメント、リンク・タイプと名づけられたコンボ・ボックスを有する。
ソース・ツールは、第1のツールを指定する。ここの指定を変更して別のツールを選ぶと、通信モジュール602の機能により、その別のツールが導入されているドメインとのリンクが図られる。
ソース・エレメントには、ソース・ツールのコンボ・ボックスで指定したツールに関連して、DAGデータ608に保存されたデータの集合がリストされ、プルダウンすることにより、そのデータの集合の要素の1つを選ぶことができる。
ターゲット・ツールは、第2のツールを指定する。ここの指定を変更して別のツールを選ぶと、通信モジュール602の機能により、その別のツールが導入されているドメインとのリンクが図られる。
ターゲット・エレメントには、ターゲット・ツールのコンボ・ボックスで指定したツールに関連して、DAGデータ608に保存されたデータの集合がリストされ、プルダウンすることにより、そのデータの集合の要素の1つを選ぶことができる。
リンク・タイプのコンボ・ボックスは、ソース・エレメントとターゲット・エレメントの間の関係を指定するためのものである。ここでは、Contain(含む)、Satisfy(満たす)から選ばれるが、他の関係も含めることができる。ここで、Satisfyを選んで、「作成」ボタン1002をクリックすると、図11に示すように、ソースがSA:Coolerで、ターゲットがRh:Detectorで、リンク・タイプがSatisfyという関係が作成されて、ビュー902に表示される。リンク・タイプは、この発明では特に使用しないが、他の目的では必要となることがある。この時点で、あるいは、この関係付け処理を完了する時点で、関連性入力モジュール610は、作成された関係付けデータを、関連性データ612として、ハードディスク・ドライブ508に保存する。
次に、図12〜図16のフローチャートを参照して、関連性グラフ作成モジュール614の処理について説明する。この処理は、関連性データ612が用意できた段階で、関連性情報管理コンピュータ装置410が所定の操作開始ボタン(図示しない)をクリックすることによって、開始される。
図12の処理のための入力は、DAGデータ608として保存されている非循環有向グラフG1 = (V1,E1)及び非循環有向グラフG2 = (V2,E2)と、関連性データ612として保存されているR = {(v11,v21), ...,(v1m,v2m)} ⊆ V1×V2である。
ステップ1202では、関連性グラフ作成モジュール614は、処理の結果を収める変数である集合としての変数V、E、F1、F2を用意し、ここでは空にセットする。特に、F1はVの要素からV1の要素へのマッピング、F2はVの要素からV2の要素へのマッピングである。
ステップ1202では、関連性グラフ作成モジュール614は、関数beTopped()を呼び出して、G1とG2を正規化する。
そこで、beTopped()の処理を、図16のフローチャートを参照して説明する。beTopped()は、非循環有向グラフGを入力とし、ステップ1602では、Vを非循環有向グラフGのノードの集合とすると、すべてのva,vb∈Vのペアに対して、va∨vb∈Vが存在するかどうかが判断される。
ここで、va∨vbにおける∨という演算は、図13のフローチャートの処理で定義される。すなわち、図13では、x1∨x2という変数について述べる。ステップ1302では、次の条件を満たすz∈Vを求める。すなわち:
x1≦z
x2≦z
x1≦y,x2≦yを満たすすべてのy∈Vに対して、z≦y
これは、言い換えると、x1とx2というノードのDAGにおける上界の最小元のノードを求める操作である。
ステップ1304で、このようなz∈Vが存在すると判定されると、図13のフローチャートは、ステップ1306でzを返し、そうでないなら、ステップ1308でnullあるいは空集合を返す。
なお、上記x1≦zなどにあらわれる、≦という演算子の処理は、図14のフローチャートの処理で定義される。すなわち、図14では、x1≦x2という変数について述べる。x1∈V且つx2∈Vとして、ステップ1402で、Y:={y|(x1,p1),(p1,p2),...(pm,y)}⊆E}であるようなノードの集合Yが計算される。Yとは、x1から出発してyに至るエッジが、グラフGのエッジの集合Eに含まれるようなyの集合である。言い換えると、Yは、x1の上界の集合である。x2がYに含まれる、すなわち、x2はx2の上界にあるとステップ1404で判断されると、図14のフローチャートは、ステップ1406でtrueを返し、そうでなければ、ステップ1408でfalseを返す。
以上で、x1∨x2と、x1≦x2の演算の定義を説明したので、図16のステップ1602に戻ると、そこで、Vを非循環有向グラフGのノードの集合とすると、すべてのva,vb∈Vのペアに対して、va∨vb∈Vが存在するかどうかが判断され、もしそうなら、beTopped()は、これ以上の処理は不要と判断して、終了する。
va∨vb∈Vが存在しないと判断すると、beTopped()は、ステップ1604で、ノードvtopを作成し、ステップ1606で、va∨vb∈Vが存在しないすべてのペアva,vb∈Vに対して、E:= E∪{(va,vtop),(vb,vtop)}のように、エッジを生成してEに要素として追加し、ステップ1608で、生成したノードvtopをVに要素として追加する。
図12のステップ1202に戻って、beTopped(G1),beTopped(G2)によってG1及びG2の初期化が完了すると、関連性グラフ作成モジュール614は、全ての関係の要素(v1i,v2i)∈Rに対して、createNode(v1i,v2i)を実行する。
createNode()の処理は、図15のフローチャートに示されている。ここでは、createNode(x1,x2)として説明する。図15のステップ1502では、createNode()は、F1(v) = x1, F2(v) = x2を満たすv∈Vが存在するかどうかを判断する。もしそうなら、createNode()は、単にvを返して、処理を終わる。
1(v) = x1, F2(v) = x2を満たすv∈Vが存在しないと、ステップ1506に進み、そこで、createNode()は、ノードvを生成し、ステップ1508でV = V∪{v}で、vをVに要素として追加し、ステップ1510で、F1(v) := x1, F2(v) := x2により、F1とF2において、リンクを作成する。その後、createNode()は、vを返して、処理を終わる。
図12に戻って、関連性グラフ作成モジュール614は、ステップ1208で、すべてのペアva,vb∈Vのペアに対して、va∨vb∈Vが存在するかどうか判断する。もしそうでなければ、ステップ1210に進み、関連性グラフ作成モジュール614は、va∨vb∈Vが存在しないva,vb∈Vの任意のペアを1つ選ぶ。
次にステップ1212で、関連性グラフ作成モジュール614は、x1 := F1(va)∨F1(vb)及びx2 := F2(va)∨F2(vb)によって、x1及びx2の値を決定する。
ステップ1214では、関連性グラフ作成モジュール614は、ステップ1212で値を決定したx1及びx2を用いて、v := createNode(x1,x2)を実行する。このようにして生成されたノードvは、ジョインノードと呼ばれる。ジョインノードとは、ノードx1とノードx2のDAGにおける上流ノード同士の間をつなぐノードであると言うこともできる。
ステップ1216では、関連性グラフ作成モジュール614は、ステップ1212で値を決定したx1及びx2、及びステップ1214で値を決定したvを用いて、E := E∪{(x1,v),(x2,v)}により、エッジを追加する。その後、関連性グラフ作成モジュール614は、ステップ1208に戻って、すべてのペアva,vb∈Vのペアに対してva∨vb∈Vが存在するようになるまで、ステップ1210、ステップ1212、ステップ1214、及びステップ1216までの処理を繰り返す。
そうして、ステップ1208で、すべてのペアva,vb∈Vのペアに対して、va∨vb∈Vが存在することが確認されると、ステップ1218に進み、そこで、不要なエッジを除去するために、全ての(v1,v2)∈Eに対して、v1からv2への経路が(V,E-{(v1,v2)}にある場合、E := E-{(v1,v2)}により、エッジ(v1,v2)をEから除去し、処理を終了する。このようにして作成された関係性グラフ(V,E)は、表示モジュール618により、適当なビューで、ディスプレイ114に表示される。
次に、本発明の処理をより具体的に説明するために、実行例を示す。図17において、図8のステップ802〜808で説明した処理により、ドメイン1のデータA1〜A11と、ドメイン2のデータB1〜B7が既に関連性情報管理コンピュータ装置410に取り込まれているものとする。また、図8のステップ810で示すドメイン間のデータの関連付け処理により、関連付けられている。そのように作成された関係は、R1、R2及びR3として示されている。それらの関係に表示されているRequirement(要求)、Constraint(制約)は、関係の内容を示すが、本発明の処理では、これらの関係の内容は使用しない。図17の段階では、関連性グラフ作成モジュール614は、ジョインがまだ構築されていない関係ノードの対を選ぶ。
次に図18では、存在している関係に基づき、関連性グラフ作成モジュール614が、ステップ1206に従い、関係のもととなっているノードを作成、すなわち、関連性ビューに取り込む。
次に図19では、関連性グラフ作成モジュール614は、ノードを作成して、R2とR3と接続(ジョイン)する。これは、ステップ1214とステップ1216での処理に対応する。
図20では、関連性グラフ作成モジュール614は、取り込まれたノードの接続関係を計算する。ここで計算されるのは、B1によるB2とB3の接続関係であり、A7によるA8とA10の接続関係である。
図21では、関連性グラフ作成モジュール614は、接続するノードB1を取り込んで、それを作成されたノードに関連付ける。同様に、関連性グラフ作成モジュール614は、ノードA7も取り込んで、それを作成されたノードに関連付ける。
そうして、図22に示すように、関連性グラフ作成モジュール614は、関係性ノードが全てジョインノードで接続されるまで、処理を繰り返す。
次に、図23に示す人工衛星の熱設計モデルと構造設計図の関連管理を例にして、本発明の処理と効果を具体的に説明する。人口衛星のような複雑で大規模なシステムの開発には、さまざまな分野の専門家が関わっている。この場合まず、各分野の専門家、例えば、熱設計の専門家と構造設計の専門家は、それぞれの分野で、独自の手法とツールで、成果物を作成するものとする。
このとき、熱設計モデルと構造設計図の関連を効率的に管理したいという要望があるとする。そこで、本発明によればまず、熱設計モデルと構造設計図の各々から、図8のステップ802〜808に示す処理により、データが取り込まれて、非循環有向グラフが構成される。
次に、図8のステップ810に従い、関連性情報管理コンピュータ装置410のオペレータは、図25に示すように、熱設計モデルのデータと、構造設計図のデータとを関連付ける。このとき、各ドメインのデータ量は一般に膨大なので、どのデータ間で関連付ければよいかを適切に選択するのが難しい。また、関連が意味する内容を理解するには、関連付けられる複数ドメインのデータを理解しなければならない。しかし、異なる分野の両方の知識を備えることは困難である。よって、適切に関連付けられているかどうか判断できない。
そこで、本発明によれば、関連性グラフ作成モジュール614により、図26(a)に示す関連付けのデータから、図26(b)に示す、関連性グラフが生成される。
このように生成された関連性グラフは、もともとのドメインのグラフで表現されている関係を保存しつつ、シンプルにしたものなので、他方のドメインのデータを参照しなくても、関連の意味を把握できる。
例えば、左のグラフのCoolerに対して、右のグラフの新たな要素に関連付けを行う場合、右のグラフで、Mission Equipmentの下のノードを選択すればよいことが分かり、検討の範囲が限定される。
また、潜在的な関連をアルゴリズムによって抽出することでジョインノードとして生成するので、オペレータからの関連付けの入力数を減少させることができる。
さらに、生成されたグラフの階層をみることで、関連の適切さが判断できる。すなわち、適切に関連付けられていないと、階層数が少なくなる。そして、これによって、関連付けが適切でないとオペレータが判断した場合は、オペレータは、図8に示すフローチャートの処理からやり直すことができる。
なお、以上の実施例では、2つのドメインの間の関連性グラフを作成するアルゴリズムを用いるものであったが、次のようにして、n個のドメインの間の関連性グラフを作成するアルゴリズムに拡張することができる。
すなわち、上記実施例では、R = {(v11,v21), ...,(v1m,v2m)} ⊆ V1×V2という対応を使用したが、これを先ず、
R = {(v11,,,,mvn1), ...,(v1m,vnm)} ⊆ V1×...×Vnに拡張する。
そして、図12のフローチャートで示した処理におけるF1,F2を、F1,...,Fnと拡張し、サブルーチンcreateNode()において、引数x1,x2を、x1,...,xnに増やし、F1,F2を生成する箇所を、F1,...,Fnを生成するようにする。さらに、x1∨x2という二項演算子∨を、n項演算子に拡張する。
以上のように、特定の実施例に従い、本発明を説明してきたが、本発明は、特定のオペレーティング・システムやプラットフォームに限定されず、任意のコンピュータ・システム上で実現可能である。
また、本発明は、特定のドメインやツールに限定されることなく、一般的に適用可能である。
402、404、406、408・・・ ドメイン
410 関連性情報管理コンピュータ装置
502 システム・パス
504 CPU
506 主記憶
508 ハードディスク・ドライブ
514 ディスプレイ
516 通信インターフェース
602 通信モジュール
604 ドメイン・データ
606 グラフ作成モジュール
608 ドメイン・データ
610 関連性入力モジュール
612 関連性データ
614 関連性グラフ作成モジュール
616 関連性グラフ・データ
618 表示モジュール

Claims (6)

  1. 第1のドメインにおける、DAGに構造化された複数のデータ要素と、第2のドメインにおける、DAGに構造化された複数のデータ要素の間で、予め付与されたデータ要素間の関係に基づき、コンピュータの処理によって、関係情報を構築する方法であって、
    コンピュータの処理によって、前記第1のドメインのDAGと、前記第2のドメインのDAGのデータを、関係性グラフを生成するために取り込むステップと、
    コンピュータの処理によって、第1のドメインのDAGのノードvaと、第2のドメインのDAGのノードvbの間に関係が付与されていることに応答して、前記関係性グラフにおいて、前記ノードvaとノードvbの間に、ノードvaとノードvbのDAGにおける上流ノード同士の間をつなぐノードである、ジョインノードを作成するステップと、
    コンピュータの処理によって、第1のドメインのDAGのノードvaと、第2のドメインのDAGのノードvbに対して、ジョインノードがないものがある限り、
    (a) 前記関係性グラフにおいて、vaとvbの間にジョインノードvを生成するステップと、
    (b) 前記関係性グラフにおいて、エッジ(va,v)と、エッジ(vb,v)を生成するステップを実行する、
    ステップを有する、
    関係情報の構築方法。
  2. 前記データ要素が、SysMLのデータ要素またはUMLのデータ要素である、請求項1に記載の方法。
  3. 第1のドメインにおける、DAGに構造化された複数のデータ要素と、第2のドメインにおける、DAGに構造化された複数のデータ要素の間で、予め付与されたデータ要素間の関係に基づき、コンピュータの処理によって、関係情報を構築するプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    、前記第1のドメインのDAGのデータと、前記第2のドメインのDAGのデータを、関係性グラフを生成するために取り込むステップと、
    前記第1のドメインのDAGのノードvaと、前記第2のドメインのDAGのノードvbの間に関係が付与されていることに応答して、前記関係性グラフにおいて、前記ノードvaとノードvbの間に、前記ノードvaとノードvbのDAGにおける上流ノード同士の間をつなぐノードである、ジョインノードを作成するステップと、
    前記第1のドメインのDAGのノードvaと、前記第2のドメインのDAGのノードvbに対して、ジョインノードがないものがある限り、
    (a) 前記関係性グラフにおいて、vaとvbの間にジョインノードvを生成するステップと、
    (b) 前記関係性グラフにおいて、エッジ(va,v)と、エッジ(vb,v)を生成するステップを実行する、
    ステップを実行させる、、
    関係情報の構築プログラム。
  4. 前記データ要素が、SysMLのデータ要素またはUMLのデータ要素である、請求項3に記載のプログラム。
  5. 複数のドメインのコンピュータに保存されているデータについて、異なるドメインのデータの間のを構築するためのシステムであって、
    記憶装置と、
    前記任意のドメインのコンピュータから、前記データを取り込んで前記記憶装置に保存する手段と、
    前記取り込んだデータについて、ドメイン毎に、DAGに変換して前記記憶装置に保存する手段と、
    ユーザがドメイン間のDAGの間に関連付けを与えることを可能ならしめ、且つ、該関連付けを前記記憶装置に保存する手段と、
    前記記憶装置に保存されている、第1のドメインのDAGのノードvaと、第2のドメインのDAGのノードvbの間に関係が付与されていることに応答して、関係性グラフにおいて、前記ノードvaとノードvbの間に、前記ノードvaとノードvbのDAGにおける上流ノード同士の間をつなぐノードである、ジョインノードを作成する手段と、
    前記第1のドメインのDAGのノードvaと、前記第2のドメインのDAGのノードvbに対して、ジョインノードがないものがある限り、
    (a) 前記関係性グラフにおいて、vaとvbの間にジョインノードvを前記関係性グラフに生成するステップと、
    (b) 前記関係性グラフにおいて、エッジ(va,v)と、エッジ(vb,v)を前記関係性グラフに生成するステップを実行する、
    手段を有する、
    システム。
  6. 前記データ要素が、SysMLのデータ要素またはUMLのデータ要素である、請求項5に記載のシステム。
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