JP5427371B2 - データ伝送光電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の分野に関する。より詳しくは、本発明は、モードロックレーザ(mode-locked laser)に関する。
高速光電子装置は、近年のデータ通信システムおよび電気通信システムに幅広く用いられている。10〜100Gb/s以上の超高速で動作するデータ伝送システムにおいて必要である。
現時点の装置は、2つのカテゴリに分けられる。一方は、電流をゲイン領域に注入することによって直接に変調され、他方は、外部で変調される。直接変調は、低コストである利点を提供するが、共振キャビティ(resonant cavity)内に非常に高い光子密度を必要とする。例えば、40Gb/sで動作する端面発光レーザ(edge-emitting laser)が報告されている。
固有速度は、弛張発振周波数に概略比例する、いわゆる“−3dB”帯域幅によって定まる。
Figure 0005427371
[1式]
ここで、gは、差動ゲインを示す。pは、キャビティ内の平均光子密度である。τは、キャビティ光子寿命である。
レーザ帯域幅を増大させるための第1の方法は、キャビティの光子占拠数(photon population)の増大によって、例えば、同じ総電流に対する装置の表面面積を減少させることによって、ポンプ電流密度を増大させることである。パルス励起緩和の下では、70GHzの高い発振周波数が、15Vの印加電圧下で室温でのパルス体制内で実現された。非常に高い電流および消費電力密度での連続波(CW)動作は不可能であった。半導体レーザダイオードの全てのタイプに対して一般的に許容される制限は、熱消費に対して、表面面積当たりの熱電力が〜0.2mW/μmである。光電力の制限は、ほぼ1mW/μmまでである。電力変換効率(wall-plug efficiency)が30%であると仮定した場合の最大電流密度は、約〜2mA/μmあるいは20kA/cmである。
レーザ帯域幅を増大させるための第2の方法は、活性層の大きさを小さくすることによって差動ゲインを増大させることである。状態の密度の修正は、2つの重要な利点を提供する。第1は、差動効率および閾値電流が、広い温度範囲において温度安定とされることである。
より重要なことは、量子井戸(QW)(quantum well)から量子ドット(QD)(quantum dot)に変えることによって、端面発光レーザを、通常のInPのQW装置がレーザ発光を開始する、〜1kA/cmの電流密度で10Gb/sの動作に到達させることができることである。帯域幅は、ほぼ電流密度の平方根で増加する。電流密度〜20kA/cmでは、QDレーザは、寄生温度関連効果およびゲイン飽和効果が避けられる場合には、40Gb/sの直接変調に到達するポテンシャルを有する。QW装置は、約3〜4倍高い電流密度で同じ周波数に近づく。
キャビティのドーピングによって、活性媒体中へのキャリアの閉じ込めが増幅され、発光寿命が低減し、また、差動ゲインが増大する。
レーザ光を発生する光子のエネルギーを、半導体のバンドエッジ(band edge)を越えてゲイン連続(gain continuum)にシフトすることは、分布帰還型レーザ(DFB)(distributed feedback laser)および垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)(vertical cavity surface-emitting laser)に対して可能である。VCSELでは、このアプローチは、特に興味があり、低ゲイン後部状態内でのゲイン飽和効果を回避しながら、高ゲインの範囲内での装置の動作を可能とする。
他の非常に強力であるが殆ど利用されていないアプローチは、VCSELキャビティ内の光モード(optical mode)工学に向けられている。レーザダイオードの多くの欠点は、発光漏洩を高める原因となり、したがって、占拠逆転への素早い到達を妨げる、寄生発光モードに起因する。同じモードは、装置が占拠逆転状態に到達すると、垂直キャビティゲインの閾値以下への有効な減少を引き起こす。これらの寄生作用は、高速動作をねらった解決内;寄生発光再結合およびゲイン漏洩が特に強い、p型にドーピングされた活性媒体内およびゲイン連続内にシフトされたキャビティディップ(降下)を有するキャビティ内、に殆ど述べられている。
この効果を防止するためには、フォトニック結晶閉じ込めVCSELが用いられる。この場合、発光およびゲイン漏洩は、キャビティの周りのフォトニック結晶内の光子状態の欠乏によって部分的に防止される。これにより、寄生発光再結合およびゲインが防止される。このアプローチは、閾値のないレーザを実質上可能とする。誘導放出が単一のモード内で行われると、はるかに高いゲインが可能である。
このアプローチの欠点は、例えば、分布ブラッグ反射器(DBR)(distributed Braggs reflector)層の深い鉄エッチングに関して、かなり高いコストと精密な動作誤差である。抑制された寄生漏洩の効果は、特別のVCSEL設計を選択することによっても達成される。
従来技術における高速動作のためのアプローチのいずれも、VCSEL内の寄生容量、インダクタンスおよび抵抗の問題に取り組んでいない。
低閾値QW装置およびQD装置が実現されていないという事実に拘わらず、VCSEL内の寄生容量、インダクタンスおよび抵抗は、固有パラメータ(弛張発振)が、かなり速いビットレートに対して可能であることを示している場合でも、その高速動作を制限する。
VCSEL内の寄生を低減すること、また、穴のサイズ、ブラッグ反射器領域の厚さ、電流パッドの任意の表面領域および直接バイアスの下でのp−n接合の不可避の高い差動キャパシタンスを低減することは困難である。低閾値電流、高周波数応答、低電力消費および高信頼性を同時に達成することは、直接変調VCSEL(directly-modulated VCSEL)に対して、困難な問題を提供する。
問題は、通常、処理技術の注意深い最適化を持って取り組まれる。従来技術において達成される最高の帯域幅(17.0GHz)は、7μmの穴を有し、4.5mAで動作する装置(〜12kA/cm)で実現された。消費電力は、8.1mWであった。
装置のより速い固有変調応答(同じ電流密度におけるより大きい帯域幅)は、時間応答を妨げる寄生効果を低減するための必要な歩み寄りを達成するために、より多くの柔軟性を加える。40GHzの変調帯域幅は、GaAsベースの端面発光レーザ内で実現され、また、VCSELに対する重要な制限は存在しない。高速VCSELは、多重モードファイバーに基づく高ビットレート長距離LANネットワークで用いられる。しかしながら、重要な制限は、装置が、高変調速度を達成するために、高電流密度で動作しなければならないことである。40Gb/sのVCSELは、まだ実現されていない。
対照的に、逆バイアスの下で電子光効果を用いる間接変調は、40−60Gb/sで動作する超高速送信機において知られている。例えば、700km伝送後の電子吸収変調器の40Gb/sのオープンアイダイアグラムが示されている。
直接変調に対する必要性が放棄されると、超高速信号の管理は、より容易となる。大きいメーザ装置および他の装置を用いる60−100GHzのピンダイオード光検出器が、当技術分野において知られている。
2001年9月4日に特許された、米国特許第6285704号“Field modulated vertical cavity surface-emitting laser with internal optical pumping”は、光ポンピングVCSELを提案している。このVCSELは、活性層に直角に印加される外部電界を用いることによって、活性層のバンドギャップ(禁止帯)を変化させ、また、放射波長を上部ミラーと下部ミラーの間に形成される光学キャビティとの共振および非共振に移動させるためのシュタルク効果(Stark effect)を利用して変調される。したがって、光出力は、電界によって変調され、注入されたキャリアによっては変調されない。しかしながら、装置の活性領域は、連続的な占拠逆転状態下にあるため、バンドギャップを変化させるために逆バイアスを印加することにより、光ポンピング活性領域を激減する、飛躍的な光電流が生じる。
2002年5月28日に特許された、米国特許第6396083号“Optical semiconductor device with resonant cavity tunable wavelength, application to modulation of light intensity”は、共振キャビティを含む装置を開示している。共振キャビティは、2つのミラーと、キャビティ内に配置され、圧電半導体層により形成される少なくとも1つの超格子(super-lattice)によって範囲が定められている。また、装置は、電荷キャリアを超格子内に注入する手段を含んでいる。この装置の1つの欠点は、圧電材料の使用を必要とすることである。圧電半導体層は、Cd0.88Zn0.12Te基板上で成長し、それぞれ10nmの厚さを有するCd0.91Mg0.09Teの層およびCd0.88Zn0.22Teの層を有するパターンを含んでいる。このパターンは、約100回繰り返される。この特許の装置は、2端子装置である。圧電超格子内のキャリアの分離は、長い非占拠時間(depopulation time)を引き起こす。この特許では、波長変調および密度変調は、常に連動している。
VCSEL内の量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)(quantum confined Stark effect)に基づく電子光変調器は、2003年8月26日に特許された、本発明の発明者らによる米国特許第6611539号“Wavelength-Tunable Vertical Cavity Surface Emitting Laser and Method of Making Same”に開示されている。この特許は、参照によって本明細書に組み込まれている。装置は、ゲインを提供し、また、装置のレーザ動作を可能とするために適切な活性媒体と、位置依存電子光変調器領域(position-dependent electrooptic modulator regionを含んでいる。変調器領域に電圧を印加することにより、レーザ光の波長がシフトされる。変調器領域内の吸収は、小さく維持される。装置は、特に、波長変調を用いる超高速データ伝送に適用される。
本発明の発明者らによる米国特許第7075954号“Intelligent wavelength division multiplexing systems based on arrays of wavelength tunable lasers and wavelength tunable resonant photodetectors”は、波長−密度変調変換に基づく高ビットレートデータ伝送装置を開示している。この特許は、参照によって本明細書に組み込まれている。このアプローチでは、波長調節可能VCSELは、レシーバ(受信機)側において波長選択光検出器と関連して動作する。VCSEL波長の変調は、光検出器電流変調に変わる。
本発明の発明者らによる“Electrooptically wavelength-tunable resonant cavity optoelectronic device for high-speed data transfer”という名称の米国特許出願第11/144182号には、2つの結合されたキャビティに基づく、モノシリックに統合された装置が開示されている。装置は、第1のキャビティが、活性媒体がその中に配置される活性キャビティである、VCSELとして動作する。第2のキャビティは、変調器がその中に配置される、変調器キャビティである。逆バイアスが変調器に印加されると、量子閉じ込めシュタルク効果により第2のキャビティの屈折率が変化する。変調器にバイアスを印加することによって、変調器キャビティを、活性キャビティと共振状態あるいは非共振状態に設定可能である。2つのキャビティが共振状態にある場合には、放射されるレーザ光が装置から出る。高周波信号を変調器キャビティに印加することによって、放射されるレーザ光の密度を高周波数変調することができる。
独国特許出願第DE10260378は、高い繰り返しレートを有する特に短い光パルスを発生するように設計されたデータ伝送光電子装置を開示している。2つの活性層あるいは活性層の2つのスタック(stack)は、第1の活性装置(第1のスタック)が、装置の活性セクションに関して最適化される。また、第2の活性層(第2のスタック)は、装置の吸収セクションに関して最適化される。2つの活性層(あるいは2つの活性層スタック)の独立した最適化によって、より良質の活性媒体を得ることができる。このような改良によって、通常のモードロックレーザより高い繰り返しレートを有するより短いパルスを発生するモードロックレーザが得られる。
データ通信応用における光ファイバ信号送信器として最も一般的に用いられる、通常の直接変調レーザは、10Gb/S以上の周波数で動作する時、厳しい困難性に遭遇する。反対に、例えば、電子吸収効果に基づく間接変調装置は、高コスト、複雑性および電力消費に悩まされる。
本発明の目的は、データ伝送のための方法を提供することであり、また、さらに機能的に提供し、前述した装置より大きいデータレートを有するデータ伝送が可能なデータ伝送光電子装置を提供することである。
この目的および他の目的は、請求項1の特徴を有するデータ伝送光電子装置によって、また、請求項1の特徴を有する方法によって達成される。
本発明では、光電子装置は、少なくとも1つの活性セクションと、少なくとも1つの吸収器セクションと、少なくとも1つの電子光変調器を備えている。活性セクションは、フォワードバイアスが印加されると光ゲインを発生する活性要素を含んでいる。吸収セクションは、好適には、ゼロあるいは逆バイアス下で動作する飽和吸収器を含み、これにより、装置は、パルスレーザ光を発生する自己パルス発振モードロック(self-pulsating mode-locked)体制で動作する。電子光変調器は、電子光効果によりその屈折率を変化させ、これにより、出力パルスレーザ光の繰り返し周波数が変化する。したがって、発明性を有する光電子装置は、例えば、データ信号が、非常に高いビットレートで、周波数変調方法(アナログあるいはデジタル)で伝送されるように、更なる機能性を提供する。
好適には、追加の変調器は、印加電界100keV/cmで少なくとも△n[%]=1%の、屈折率の関連する変化を提供する電子光効果を示す材料により構成される。これらの値は、材料屈折率の変化という。装置の機能性へのこの変化の影響は、モード屈折率の変化によって制御される。2つの値は、以下のように近似的に関係づけられる。
△nmodal=Γ×nmaterial’ [2式]
ここで、Γは、電子光効果を示す材料における光モードの光閉じ込め係数(optical confinement factor of the optical mode)である。
好適な実施例では、電子光変調器は、量子井戸、量子線あるいは量子ドットのスタックを含み、逆バイアスで、屈折率が量子閉じ込めシュタルク効果により変化する下で動作する。変調器の屈折率の変化は、装置内の光の有効なグループ速度の変化、したがって、繰り返し周波数の変化を引き起こす。装置は、周波数変調を用いることによって、データ伝送に対して使用可能である。周波数の変化は、周波数検出システムによって検出される。装置は、端面発光レーザ、垂直キャビティ面発光レーザ、傾斜キャビティレーザ(tilted cavity lasert)、分布帰還型レーザ、基板の裏側からの反射を有する波長安定化漏洩波レーザ(wavelength-stabilized leaky wave laser)を基礎とすることができる。
本発明の好適な実施例は、図面を参照することによって最もよく理解できる。
図面には一般的に説明されまた例示されている装置は、広い範囲内で変更可能であることが容易に理解できる。これにより、図1〜10に表されている、本発明の代表的な実施例の以下のより詳細な説明は、請求されている本発明の概念を制限するものではなく、本発明の現時点における好適な実施例の単なる典型例にすぎない。
従来の半導体ダイオードレーザ、とりわけ、端面発光レーザが、図1に示されている。レーザ構造100は、n型にドーピングされた基板101上にエピタキシャル成長される。構造は、更に、n型にドーピングされた被覆層102、ウェイブガイド(waveguide)103、p型にドーピングされた被覆層108およびp型の接触層109を含んでいる。ウェイブガイド103は、n型にドーピングされた層104、内部に活性領域106を有する閉じ込め層(cinfinement layer)105およびp型にドーピングされた層107を含んでいる。n型の接触子111は、基板101に隣接している。p型の接触子112は、p型の接触層109上に設けられている。活性領域106は、フォワードバイアス113が印加されると、光を発生する。ウェイブガイド103は、側面において、前方面116と後方面117によって仕切られている。特別の高反射膜が後方面117に配置されると、レーザ光115は、前方面116を通してのみ放射される。
基板101は、III−V族半導体材料あるいはIII−V族半導体金属のいずれかにより形成される。例えば、GaAs、InP、GaSb、GaAsあるいはInPが、一般的に、レーザ放射の所望の波長に依存して用いられる。代わりに、サファイア、SiCあるいは[111]−Siが、GaNベースのレーザ、すなわち、GaN、AlN、InNあるいはこれらの材料の合金により形成される層を有するレーザ構造に対する基板として用いられる。基板101は、n型あるいはドナー不純物によってドーピングされる。可能なドナー不純物は、これに制限されないが、S、Se、Te、およびSi、Ge、Sn等の両性不純物を含む。後者は、それらが、ドナー不純物として作用するために大部分が陽イオン副格子(sublattice)内に組み入れられるような技術状態の下で導入される。
n型ドーピング被覆層102は、基板101に格子整合(lattice-matched)あるいはほぼ格子整合された材料により形成され、発生される光に対して透明であり、また、ドナー不純物によってドーピングされる。GaAs基板101の場合には、n型にドーピングされた被覆層は、好適には、GaAlAs合金により形成される。
ウェイブガイド103のn型ドーピング層104は、基板101に格子整合あるいはほぼ格子整合された材料により形成され、発生される光に対して透明であり、また、ドナー不純物によってドーピングされる。GaAs基板の場合には、ウェイブガイドのn型ドーピング層104は、好適には、n型ドーピング被覆層102より低いAl含有量を有するGaAsあるいはGaAlAs合金により形成される。
ウェイブガイド103のp型ドーピング層107は、基板101に格子整合あるいはほぼ格子整合された材料により形成され、発生される光に対して透明であり、また、アクセプタ不純物によってドーピングされる。好適には、ウェイブガイドのp型ドーピング層107は、n型ドーピング層104と同じ材料により形成されるが、アクセプタ不純物によってドーピングされる。可能なアクセプタ不純物は、これに制限されないが、Be、Mg、Zn、Cd、Pb、Mn、およびSi、Ge、Sn等の両性不純物を含む。後者は、大部分が陰イオン副格子内に大部分が組み入れられて、アクセプタ不純物として作用するような技術状態の下で導入される
p型ドーピング被覆層108は、基板101に格子整合あるいはほぼ格子整合された材料により形成され、発生される光に対して透明であり、また、アクセプタ不純物によってドーピングされる。好適には、p型ドーピング被覆層108は、n型ドーピング被覆層102と同じ材料により形成されるが、アクセプタ不純物によってドーピングされない。
p型接触層109は、好適には、基板に格子整合あるいはほぼ格子整合された材料により形成され、発生される光に対して透明であり、また、アクセプタ不純物によってドーピングされる。ドーピングレベルは、好適には、p型被覆層108より高い。
金属接触子111および112は、好適には、多層金属構造により形成される。金属接触子111は、これに制限されないが、好適には、Ni−Au−Ge構造を含む構造により形成される。金属接触子112は、これに制限されないが、好適には、Ti−Pt−Au構造を含む構造により形成される。
閉じ込め層105は、基板101に格子整合あるいはほぼ格子整合された材料により形成され、発生される光に対して透明であり、また、ドーピングされないかあるいは弱くドーピングされる。閉じ込め層は、好適には、基板101と同じ材料により形成される。
閉じ込め層105内に配置される活性領域106は、好適には、挿入によって形成され、そのエネルギーバンドギャップは、基板101より狭い。可能な活性領域106は、これに制限されないが、量子井戸、量子線、量子ドットあるいはこれらの任意の結合の単一層あるいは多層システムを含む。GaAs基板上の装置の場合には、活性領域106の例は、これに制限されないが、InAs、In1−xGaAs、InGa1−x−yAlAs、InGa1−xAs1−yあるいは同様の材料の挿入システムを含む。
図2は、従来のモードロック端面発光レーザ200を概略的に示している。レーザは、フォワードバイアス113の下で動作する活性セクション230と、逆あるいはゼロバイアス213の下で動作する受動セクション(あるいは吸収器セクション)240を含む。第1のセクション106内の活性領域は、光ゲインを発生し、これに対し、受動セクション206内の同じ領域は、飽和可能光吸収器として動作する。フォワードバイアス113は、底部接触子111と第1の上部接触子212を通して活性セクション230に印加される。逆バイアス213は、エッチングおよび(または)イオン注入によって活性セクション230と電気的に分離される受動セクション240に、底部接触子111と第2の上部接触子262を通して印加される。上部接触層は、溝(trench)235によって、2つの部分、活性セクション230の上部接触層と吸収器セクション240の上部接触層に分離される。溝235は、また、上部被覆層108の部分を分離する。光215は、パルスの形状で、モードロックレーザから出る。繰り返し周波数は、縞の長さと、縞に沿った方向における光のグループ伝播速度に依存する。
ν=Vgroup/L [3式]
縞の長さは、2つの表面、前方面116と後方面117の間の幾何学的距離である。
装置の欠点は、パルス列が、簡単な方法で密度が変調できないことである。例えば、電子吸収変調器セクションの追加は、実際に、他の飽和可能吸収器を追加し、また、速い密度変調よりもむしろ複雑な干渉および長く続く移行処理をもたらす。
逆バイアスは、通常、発生される非平衡キャリアを収集するために、吸収器セクションに印加される。逆バイアスの印加は、電子光効果の生成を目的とするものではない。特別な場合には、印加電圧は、また、吸収スペクトルとレーザ発光波長の特別の構造に依存する、屈折率の弱い正あるいは負の変調を生成する。
本発明は、電子光効果、言い換えれば、電子屈折効果、すなわち、電界印加状態における媒体の屈折率の変化の計画的な使用を教示する。
図3は、本発明の好適な実施例に対応する、電子光調整モードロックレーザ(electrooptically tuned mode-locked laser)300の概略図を示している。加えて、変調器306が、閉じ込め層105内に配置されている。3つの要素、すなわち、活性領域106、飽和可能吸収器206および変調器306の全ては、同じウェイブガイド103内に配置される。
吸収器セクション240に印加されるバイアス電圧213を変化させることによって、吸収器セクション内の変調器要素306の屈折率も変化する。変調器要素の特別の設計によって、屈折率の非常に重要な変化が可能となる。変調器領域は、好適には、単一または複数の量子井戸、量子線の単一または複数の層、量子ドットの単一または複数の層あるいはそれらの任意の結合を含む。逆バイアス213の下では、変調器領域に印加される電界によって、量子閉じ込めシュタルク効果が発生する。後者は、光吸収ピークの特別な位置のシフトをもたらす。誘電機能の実際の部分と理想の部分の間のクラマー−クローニック関係(Kramer−Kronig relationship)により、吸収スペクトル内の変化は、屈折率の対応する変化を伴う。
本発明の装置の機能性は、電子光効果、すなわち、電界が印加されている時の屈折率の変化に基づいている。電界が層に直角に印加される場合には、半導体装置の伝導帯(conduction band)および荷電子帯(valance band)は、エネルギーレベルのシフトをもたらす外部フィールドのポテンシャルにより傾く。これは、より小さい吸収エネルギーをもたらし、そして、吸収端(absorption edge)は、より長い波長にシフトする。バルク材料における効果は、フランツ−ケルディッシュ効果(Franz-Keldysh effect)として知られている(I.Galbraith、B.Ryvkinらの“Empirical determination of the electroabsorption coefficient in semiconductors”, J. Appl. Phys. 74, 4145(1993))。吸収係数△α(電子吸収)における変化は、また、屈折率変化△n(電子屈折)をもたらす。後者は、クラマーークローニック変換によって算出可能である(D.S.Chelmaらによる“Room Temperature Excitonic Nonlinear Absorption and Refraction in GaAs/AlGaAs Multiple Quantum Well Structures”, IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol.QE-20(3), pp.265-275(1984)参照)。
Figure 0005427371
[4式]
ここで、符号Pは、整数の主値が計算されることを示している。cは、光の速度である。
量子井戸、量子線あるいは量子ドットのような量子閉じ込め構造内の現象は、量子閉じ込めシュタルク効果と呼ばれている。ゼロから数百kV/cmの範囲の現実的な電界においては、電子屈折は、線形電子光効果(ポッケルス効果)(Pockel's effect)と二次電子光効果(カー効果)(Kerr effect)の総和として表される(J.E.Zucker、T.L.Hendrickson、C.A.Burrusらによる“Electro-optic phase modulation in GaAs/AlGaAs quantum well wavegides”, Applied Physics Letters, Vol.52(12), pp.945-947(1988)参照)。
△n=(1/2)n (rF+sF
[5式]
ここで、Fは、電界強度である。nは、ゼロ電界における屈折率である。rおよびsは、線形電子光係数および二次電子光係数である。
GaAs/GaAlAsの量子井戸構造の実験データを分析することによって、二次電子光効果が約50kV/cmの電界において優位であることが分かっている(J.S.Weinerらによる“Quadratic electro-optic effect due to the quantum-confined Stark effect in quantum wells”, Applied Physics Letters, Vol.50(13), pp.842-844(1987)、J.E.Zukerらによる“Quanternary quantum wells for electro-optic intensity and phase modulation at 1.3 and 1.55 μm”, Applied Physics Letters, Vol.54(1), pp.10-12(1989)参照)。更に、GaInAS/InP、GaInAsP/InPおよびGaAs/GaAlAsの量子井戸構造内の二次電子光係数sは、ゼロ電界における励起子エネルギーと、そこでの屈折率が[6式]で表されると考えられているバンドギャップより下の光子エネルギーとの間の離調(detuning)△ωに逆比例することが分かっている。
△n=ηF/△ω
[6式]
ここで、ηは、3×10−5meVcmkV−2の状態にあるように概算された、いわゆる有能指数(figure of merit)である。行動([4式])は、最初、6nmと10nmの間の幅を有し、40meVまで離調する量子井戸に対して実験的に研究された。電子光効果は、より大きな離調(40meVから140meV)において、[4式]で与えられるよりもかなり早く減少する(M.P.Earnshow、D.W.E.Allshopらによる“Electrooptic Effects in GaAs-AlGaAs Narrow Coupled Quantum Wells”, IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol.37(7), pp.897-904、同書, Vol. 37(8), p.1103(2001)、M.V.Kotlyarらによる“electrooptic tuning of InP-based microphotonic Fabry-Perot filters”, J. Lightwave Technology, vol.23, pp.2169-2174(2005)参照)。
励起子ピーク吸収は、印加電界によりかなり減少するが(L.Chen、K.C.Rajkumar、A.Madhukarらによる“Optical Absorption and Modulation Behavior of Strained InxGa1-xAs/GaAs(100)(x≦0.25) multiple quantum well structure grown via molecular beam epitaxy”, Applied Physics Letterts, Vol,57(23), pp.2478-2480(1990)参照)、励起子線の幅(exciton line width)は、対応して増大する。発振器の強度に比例し、ピーク吸収と励起子線の幅の積に比例することが概略的に概算可能である、総励起子吸収は、よりゆっくり減少するか変化しないままのいずれかである。
やや狭い量子井戸内の励起子発振器の強度は、量子井戸の幅が励起子ボーア半径(exciton Bohr radius)の1/2より小さい場合には、印加電界による影響を受けないままである(Fengらによる“Exciton energies as a function of electric field:Confined quantum Stark effect”, Physical Review B, Vol.48(3), pp.1963-1966(1993)参照)。GaAs内のInGaAsの量子井戸に対しては、これは、好適には7nmあるいはそれより薄い量子井戸を意味する。影響を受けない発振器の強度は、影響を受けない総励起子吸収を意味する。加えて、狭い結合量子井戸内に、増大する電子光効果の証拠が存在する。
離調および電界の特別の値、ならびに、本発明に対する変調器に対して特別の量子井戸を選択する場合、以下に引用されている参照中で公表されている、電子光効果およびそれらの理論的モデルを考慮することが重要である。これらの参照は、本明細書中に参照によって組み込まれている。
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吸収器セクション240に印加される逆バイアス電圧213を変化させることによって、変調要素306の屈折率が変化する。これにより、2つの面の間で伝播する光モードのグループ速度Vgroupも変化し、したがって、パルスの繰り返し周波数νが変化する。
本発明の異なる実施例では、変調器領域は、フォワードバイアスの下で動作する。これは、光吸収ピークを変化させ、これにより、光吸収ピークを変化させ、したがって、変調器の屈折率に影響を与える、励起子ブリーチング効果(exciton bleaching effect)が発生する。
電子光効果は、屈折率の電子光変調に対して最適な電圧で動作する追加のキャビティセクションを追加することによって更に増大し、一方、他のキャビティセクションは、有効な飽和可能な吸収に対して用いられる。図4は、本発明のこの実施例に対応する電子光変調モードロックレーザ400を概略的に示している。レーザは、活性セクション230、吸収器セクション240および変調器セクション450を含んでいる。活性セクション230と吸収器セクション240は、溝235によって分離され、また、吸収器セクション240と変調器セクション450は、溝445によって分離されている。溝は、上部接触子を3つの接触子に分割する。フォワードバイアス113は、底部接触子111と第1の上部接触子212を介して活性セクションに印加される。ゼロあるいは逆バイアス213は、底部接触子111と第2の上部接触子262を介して吸収器セクション240に印加される。逆バイアス413は、底部接触子と第3の上部接触子412を介して変調器セクション450に印加される。2つの溝235と445は、上部接触層を第1の接触層209、第2の接触層259および第3の接触層409に分割する。2つの溝は、また、上部被覆層108の部分を分割する。
活性セクション230内の活性層106は、フォワードバイアスが印加される時に光ゲインを発生する。吸収器セクション240内の同じ層は、飽和可能吸収器206として動作する。変調器セクション450内の同じ層は、変調器要素406として動作する。3つの装置が、3つのセクションに独立してバイアスを印加するために使用される。フォワードバイアス113は、活性セクション230に印加される。逆バイアス213は、装置の自己パルス発振動作をもたらす吸収器セクション240に印加される。逆バイアス413は、変調器セクション450に印加される。逆バイアス413は、変調器要素406の屈折率に影響を与え、それにより、レーザ内の光モードの有効なグループ屈折率を変化させる、電界を生成する。これにより、出力レーザ光415内のパルスの繰り返し周波数は、バイアス電圧413によって変化可能である。図4の実施例では、活性領域106、飽和可能吸収器206および変調器406は、同じウェイブガイド103内に配置され、底部被覆層102、上部被覆層108、前方面116および後方面117によって仕切られている。
本発明の他の実施例では、装置400の3つのセクション、すなわち、活性セクション230、吸収器セクション240および変調器セクション450は、異なる配列で配置可能である。
図5は、本発明の他の実施例に対応する、電子光変調分布帰還型モードロックレーザ500を概略的に示している。周期的な格子540は、帰還(フィードバックが発生する、単一の波長を定める。これにより、レーザは、波長安定化レーザとして動作する。吸収器セクション240は、レーザがモードロックレーザとして動作可能とし、また、変調器セクション450は、レーザパルスの繰り返し周波数の調整を可能とする。この実施例では、活性領域106、飽和可能吸収器206および変調器406は、同じウェイブガイド103内に配置され、底部被覆層102、上部被覆層108、前方面116および後方面117によって仕切られている。
図6は、本発明のさらに他の実施例に対応する、電子光変調傾斜キャビティモードロックレーザ(electrooptically-modulated tilted cavity mode-locked laser)600を概略的に示している。傾斜キャビティレーザのコンセプトは、本発明の本発明者らによって提案されている(N.N.Ledentsov、V.A.Shchukinらによる米国特許第7031360号“Tilted cavity semiconductor laser(TCSL) and method of making same”、米国特許出願第2005/0040410号“Tilted cavity semiconductor optoelectronic device and method of making same”。これらは、本明細書に参照として組み込まれている。)。傾斜キャビティレーザは、その有効なモード角度が、典型的な端面発光レーザにおける有効なモード角度と典型的なVCSELにおける有効なモード角度の間の中間の角度である、高次の(傾斜している)垂直光モード(vertical optical mode)で動作する。傾斜キャビティレーザは、高精巧キャビティ(high-finesse cavity)と少なくとも1つの多層干渉反射器(MIR)(multilayer interference reflector)を含む。キャビティとMIRは、2つの要素の共振特徴が、1つの角度および1つの波長でのみ一致するように、構成される。傾斜角度の関数としての高精巧キャビティの反射率ディップ(降下)のスペクトル位置は、第1の分散法則に従い、また、MIRの反射率ストップバンド最大値のスペクトル位置は、第2の分散法則に従う。2つの曲線は、1つの角度でのみ交差する。これは、最適波長において高精巧キャビティ内に閉じ込められる光モードが、MIRが強い反射率を有する、対応する傾斜角度において伝播することを意味する。これは、基板および/または接触層に対する光モードの低い漏洩損失を意味する。波長が最適値から外れると、キャビティおよびMIRの特徴がもはや整合しなくなり、また、光モードは高い漏洩損失を有する。このため、傾斜キャビティレーザは、波長選択性を提供し、したがって、光モードの最小漏洩損失に対応する最適波長におけるレーザ発光を提供する。これは、傾斜キャビティレーザが、波長安定化動作が可能であることを意味する。
図6の実施例は、キャビティ603、底部MIR602および上部MIR668を備える電子光調整傾斜キャビティモードロックレーザ600である。レーザは、n型にドーピングされる基板101上にエピタキシャル成長される。底部MIR602はn型にドーピングされ、上部MIR668はp型にドーピングされる。キャビティ603は、n型にドーピングされる層604と、内部に活性領域を有する閉じ込め層605と、p型にドーピングされる層607を備えている。キャビティ603、底部MIR602および上部MIR668は、レーザ発光が、最小の光損失を有する傾斜光モード(tilted optical mode)620において発生するように、選択される。レーザは、活性セクション630、吸収器セクション640および変調器セクション650を含んでいる。フォワードバイアス113は、底部接触子111と第1の上部接触子612を通して活性セクションに印加される。逆バイアスあるいはゼロバイアスは、底部接触子111と第2の上部接触子642を通して吸収器セクション640に印加される。逆バイアス413は、底部接触子111と第3の上部接触子652を通して変調器セクション650に印加される。吸収器セクション640は、溝635によって活性セクション630と分離され、また、溝645によって変調器セクション650と分離される。溝は、好適には、エッチングおよび/またはイオン注入によって形成される。上部MIR668は、活性セクションと吸収器セクション内および吸収器セクションと変調器セクション内に広がる、電流に対する通路を分離するためにエッチングされる。
モードロックレーザの繰り返し周波数は、縞の長さおよび縞に沿った方向における光のグループ伝播速度に依存する。縞の長さは、2つの面の間の幾何学的距離によって定められ、また、図6に対しては、セクション630、635、640、645および650の合計の長さに等しい。同じ層は、活性セクション630内の活性層606、吸収器セクション640内の飽和可能吸収器206および変調器セクション650内の変調器406として動作する。変調器セクション650への逆バイアス413の印加は、変調器406の屈折率の変化、したがって、光モードの平均グループ速度の変化をもたらす。これは、パルスレーザ光615の繰り返し周波数の変化をもたらす。図6の実施例の特別な特徴は、光パルスの繰り返し周波数は、変調器セクション650に印加されるバイアス413によって調整されるのに対し、傾斜キャビティレーザは、波長が安定化されたレーザ光を提供することである。図6の実施例では、活性領域606、飽和可能吸収器206および変調器406は、同じキャビティ603内に配置され、底部MIR602、上部MIR668、前方面116および後方面117によって仕切られている。
図7は、本発明のさらに他の実施例に対応する、電子光変調モードロックレーザの概略を示している。装置は、以下のように動作する。活性領域106は、フォワードバイアス113が印加される時、ゲインを発生する。ウェイブガイド703は、漏洩ウェイブガイドである。漏洩ウェイブガイド703内に発生される光は、基板101に対して漏洩する。基板内の光は、基板表面の平面に対して任意の漏洩角度θleakyで伝播する。光は、基板の裏面731から反射される。これにより、外部共振器は、漏洩ウェイブガイド703と基板731の裏面の間に形成される。基板の厚さは、真空内の光の波長(300nmと30μmの間の好適な光の波長の範囲)をかなり超えるため、基板内の光の伝播は、幾何光学の法則に従う。したがって、面を通して基板から光が出るのを可能とするためには、漏洩角度θleakyが、半導体−空気接触面での総内部反射角度以下である必要である。そして、光735は、好適には、狭いロウブ(耳たぶ)(lobe)を有する2ロウブ遠方界パターン(two-lobe far-field pattern)を形成する前方面を通して出る。非反射膜716が、好適には、前方面に設けられ、また、高反射膜717が、好適には、後方面に設けられる。
基板731の背面が磨かれている場合には、光は、活性領域層106の後ろで反射し、また、光の重要な部分が失われない。漏洩ウェイブガイド703の名目の漏洩損失が高い場合でも、閾値電流密度は低い。さらに、光は、干渉し、また、任意の波長のみが、構造的な干渉をもたらす。異なるアプローチでは、基板の裏側がコーティングされ、波長調整を可能とするためにエッチングが行われ、波長安定性を追加的に改良するために格子が設けられあるいは格子が基板を通して光を放出するのを可能とする。1つあるいは少数の膜が、表面のミラーのような特性を保護するために、基板の裏面に設けられる。
これにより、装置は、波長安定化されたレーザ発光を提供する。これは、本発明の発明者らによって開示された(N.N.Ledentsovらによる“Future Trends in Microelectronics: Up the Nano Creek”, ed. By S.Luryi、J.XuおよびA.Zaslavsky, Wiley & Sons, New York(2006)参照)
本発明のレーザは、加えて、レーザをモードロックレーザとして動作可能とする吸収器セクション240、また、変調器領域406の屈折率、したがって、レーザ光パルスの繰り返し周波数の電子光調整の可能性を提供する変調器セクション450を含んでいる。
図8は、可能な処理レイアウトの1つの例を有する、図7の実施例の装置の概略図を示している。n型接触子711は、基板の裏側の部分にのみ取り付けられ、一方、基板731の部分は、基板から裏側の基板面に突き当たる、光のミラー反射を可能とするミラーのような状態に維持される。
図9は、本発明の他の実施例に対応する、電子光変調モードロック垂直キャビティ面発光レーザ(electrooptically-modulated mode-locked vertical cavity emitting laser)900の概略を示している。装置900は、基板101、第1の分布ブラッグ反射器902、第1のキャビティ910、第2の分布ブラッグ反射器922、第3の分布ブラッグ反射器971、第2のキャビティ960および第4の分布ブラッグ反射器972を含む。キャビティ910は、活性領域912を含んでいる。
基板101、第1の分布ブラッグ反射器902、活性領域912を含む第1のキャビティ910および第2の分布ブラッグ反射器922を含む装置900の部分は、垂直キャビティ面発光レーザとして動作する。
基板101は、好適には、III−V族半導体材料あるいはIII−V族半導体合金、例えば、GaAs、InP、GaSbにより形成される。GaAsあるいはInPは、好適には、レーザ光の所望の放射波長に依存して用いられる。代わりに、サファイア、SiCあるいはSi(111)が、GaNベースのレーザ、すなわち、その層がGaN、AlN、InNあるいはそれらの材料の合金により形成されるレーザ構造に対する基板として使用可能である。基板101は、n型あるいはドナー不純物によってドーピングされる。可能なドナー不純物は、これに限定されないが、S、Se、Te、およびSi、Ge、Snのような両性不順物を含む。後者は、それらが、陽イオン副格子内に大部分組み入れられ、そして、ドナー不純物として作用するような技術状態の下で導入される。これに限定されないが、100、110、111あるいは高ミラー指数(Miller index)基板を含む任意の基板が用いられる。
第1の分布ブラッグ反射器902は、好適には、発生されるレーザ光に対して透明であり、交互に高反射率と低反射率を有し、また、n型にドーピングされる層の周期構造を含む。層は、好適には、基板101に格子整合あるいはほぼ格子整合された材料によって形成される。GaAsベースの装置では、第1の分布ブラッグ反射器の層は、好適には、GaAsおよびGaAlAsあるいは交互のAl内容物を有するGaAlAsの層により形成されている。
第1のキャビティ910は、好適には、ドーピングされていないあるいは弱くn型にドーピングされる層911、活性領域912およびドーピングされていないあるいは弱くp型にドーピングされる層913を含む。層911と913は、基板101に格子整合あるいはほぼ格子整合された材料により形成され、また、発生されるレーザ光に対して透明である。
活性領域912は、二重へテロ構造(double heterostructure)、量子井戸、量子線のアレイ、量子ドットのアレイあるいはそれらの任意の結合を含む、挿入あるいは挿入の結合によって形成される。活性領域912は、フォワードバイアス941が印加される時に光を発生する。
GaAs基板上に成長する構造に対しては、活性領域に対する材料は、それに限定されないが、GaAs、InGaN、GaAsSb、GaAsP、InGaAsNおよびInGaAsNSbを含む。サファイア、SiCあるいはSi(111)上で成長する構造に対しては、活性領域に対する材料は、それに限定されないが、InGaN、InGaAlNおよびInGaAlNAsを含む。InP上で成長する構造に対しては、活性領域に対する材料は、それに限定されないが、InGAAs、InGaAlAs、UnGaAsPおよびInGaAsNを含む。
フォワードバイアス941は、第1の接触子931(n型接触子)と第2の接触子932(p型接触子)を介して印加される。接触子931と932は、好適には、多層金属構造により形成される。接触子931は、好適には、それに限定されないが、Ni−Au−Ge構造を含む構造により形成される。接触子932は、好適には、それに限定されないが、Ti−PT−Auを含む構造により形成される。
p型接触子932は、好適には、電流拡散p型層924上に取り付けられる。電流拡散p型層924は、好適には、基板101に格子整合あるいはほぼ格子整合された材料により形成され、発生されるレーザ光に対して透明であり、また、p型にドーピングされ、すなわち、アクセプタ不純物によってドーピングされる。可能なアクセプタ不純物は、それに限定されないが、Be、Mg、Zn、Cd、Pb、Mn、およびSi、Ge、Sdのような両性不純物を含む。後者は、それらが、陰イオン副格子内に大部分組み入れられ、そして、アクセプタ不純物として作用するような技術状態の下で導入される。
第2のキャビティ960は、飽和可能吸収器961および変調器962を含む。飽和可能吸収器961は、好適には、量子挿入、すなわち、量子井戸、量子線のアレイ(配列)、量子ドットのアレイ、単一の層または多層、あるいはそれらの任意の結合により形成される。量子挿入は、ゼロあるいは逆バイアスが印加される場合に放射光を吸収し、また、吸収係数が光電力密度の関数として減少し、装置が自己パルス発振体制で動作することを可能とするように、選択される。
変調器962は、1つあるいは複数の量子井戸、量子線あるいは量子ドットの1つあるいは複数の層、あるいはそれらの任意の結合を含む。図9の特別な実施例では、変調器962は、逆バイアス942が印加される時に動作する。変調器の動作は、量子閉じ込めシュタルク効果に基づく。
逆バイアス942は、第2の接触子932(p型接触子)と第3の接触子933(n型接触子)を介して飽和可能吸収器961と変調器962の双方に印加される。第3の分布ブラッグ反射器971は、好適には、高反射率と低反射率を有し、また、n型にドーピングされる交互層の周期構造により形成される。層は、好適には、基板に対して格子整合あるいはほぼ格子整合された材料により形成され、発生されるレーザ光に対して透明であり、また、n型にドーピングされる。
電流穴915は、第1の分布ブラッグ反射器902を第1のキャビティ910と分離し、第1のキャビティ910を第2の分布ブラッグ反射器922と分離し、第3の分布ブラッグ反射器971を第2のキャビティ960と分離し、第2のキャビティ960を第4の分布ブラッグ反射器972と分離する。電流穴915は、好適には、Ga1−xAlAs層のうちのAlAs層の酸化によって形成される。ここで、Al内容物は、好適には、[x>0.92]であるのが好ましい。これにより、AlOあるいはGaAlOの誘電穴が形成される。代わりの実施例では、電流穴は、陽子衝撃(proton bombardment)によって形成される。
レーザ光950は。第4の分布ブラッグ反射器972を通して出る。飽和可能吸収器961により、光は、パルスの形状で出る。変調器962は、媒体の屈折率、したがって、パルスの繰り返し周波数を変化させる。
本発明の他の実施例では、変調器領域は、フォワードバイアスの下で動作する。これは、光吸収ピークを変化させ、したがって、変調器の屈折率に影響を与える、励起子ブリーチング効果に起因する。この場合、変調器は、同じキャビティ内に活性領域として配置される。
本発明の更に他の実施例では、活性領域、飽和可能吸収器および変調器は、3つの異なるキャビティ内に配置される。しかしながら、全ての関係する実施例では、2つあるいは3つあるいはそれ以上のキャビティが結合され、3つの要素、活性領域、飽和可能吸収器および変調器の全てが、単一の光モードを介して相互に作用する。
他の実施利では、バイアスは、活性領域、飽和可能吸収器および変調器に、3つのソースから独立に印加される。
本発明の他の実際例では、電子光変調モードロック傾斜キャビティ面発光レーザを提供する、面発光傾斜キャビティレーザが用いられる。
更に他の実施例では、1つあるいは複数の内部キャビティ接触子(intracabity contact)が用いられ、また、1つあるいは複数の分布ブラッグ反射器は、ドーピングされない。
本発明の他の実施例では、レーザは、1つあるいは多数の外部ミラーとともに動作する。
本発明の更に他の実施例では、レーザと、分布帰還型ミラーである少なくとも1つのミラーを含んでいる。
適切に設計された電子光活性媒体の場合には、変調器セクションへの電圧の印加は、屈折率の非常に重要な変調を引き起こす。モードロック(ML)周波数は、屈折率に強く関係する、光のグループ速度によって調節されるため、ML周波数は、重要な範囲内で調節される。ML周波数は、短い装置の場合(200μmおよびそれ以下)には、200〜400GHzあるいはそれより高い周波数に到達する。垂直キャビティ装置では、周波数はさらに高い。電子吸収セクションは、セクションの非常に小さい表面領域、逆バイアスの下での低い差動キャパシタンスおよび電子光効果の固有の性質により、超高速で動作する。これにより、ML周波数の超高速調整が可能となる。受信セクションが、選択されたML周波数に調節される狭い帯域幅応答を有するように設計される場合には、帯域幅を超えた周波数調整は、信号減少をもたらし、また、周波数変調は、密度変調に変換される。異なる検出態様を適用することができる。ある場合には、例えば、光クロックシステムの周波数調整において、帯域幅選択光検出器を必要としない。
開示されている光電子装置は、パルスレーザ光の繰り返し周波数Ωが任意の周波数ωで変調され、変調周波数ωが繰り返し周波数Ωよりはるかに小さい、周波数変調体制において動作可能である。好適には、繰り返し周波数は、変調周波数ωの少なくとも5倍以上高い。これにより、信号を変調周波数40GHzで変調するために、パルスの繰り返し周波数、言い換えれば、キャリア周波数は、少なくとも200GHzであるのが好ましい。より高い変調周波数、例えば、200GHzに対しては、パルス繰り返し周波数は、少なくとも1THzであるのが好ましい。
周波数変調された信号の典型的なスペクトルは、変調周波数を有する余弦波(コサイン波)の例を考慮することによって図解可能である。光信号が、時間依存位相を有する余弦波の形状を有しているものとする。
A(t)=Acos[φ(t)]
[7式]
ここで、時間依存あるいは変調周波数は、位相の時間微分である。
dφ/dt=Ω(t)=Ω+△Ωcos(ωt)
[8式]
[7式]の時間依存光信号は、以下のように表される。
A(t)=Acos[Ωt+(△Ω/ω)sin(ωt)]
[9式]
[式9]は、周波数Ω、(Ω±ω)、(Ω±2ω)等を有する異なる高調波信号の組みに展開可能である。
Figure 0005427371
[10式]
ここで、パラメータ[β=△Ω/ω]およびJ(β)は、第1種およびn次のベッセル関数である。
多くの実際の状態では、[β<<1]であり、[10式]中のより高次の高調波の振幅は、kと共に急速に減少する。
変調信号が、余弦波([7式])ではなくパルス信号である場合には、キャリア周波数のより高次の高調波を含む。これにより、周波数変調された信号のフーリエ展開は、高調波Ω、[Ω±ω]、[Ω±2ω]、・・・、2Ω、[2Ω±ω]、[2Ω±2ω]、・・・、3Ω、[3Ω±ω]、[3Ω±2ω]等の組みを含む。周波数変調された光信号のスペクトルが、図10に示されている。
周波数変調された信号を検出するために、好適には、共振光検出器が用いられる。一点短鎖線は、周波数変調された信号の1つの結合された高調波が、変調周波数ωの任意の値に対して、光検出器の検出範囲に適するように設定された、光検出器の検出可能スペクトル範囲を図式的に示している。変調周波数が変化すると、選択結合された高調波の周波数が、光検出器の検出可能スペクトル範囲からはずれ、また、信号が、光検出器によって検出されなくなる。このようなアプローチは、周波数変調されたデータ伝送信号の復調を可能とする。
このコンセプトは、遠距離通信、データ通信、家庭に対するファイバ、ファイバ周波数以上の無線通信および無線ネットワークに対する信号分配、光クロックおよび光クロックの周波数調整、光相互接続、事業ネットワーク、暗号技術、検出、医学および他の分野に適用可能である。
明瞭にするために、別々の実施例の文脈において説明されている、本発明の特徴は、1つの実施例中に結合されて提供されている。逆に、簡潔にするために、1つの実施例の文脈に説明されている、本発明の種々の特徴は、別々にあるいは任意の適切なサブコンビネーションにおいて提供可能である。
本発明は、例示的な実施例に関して図示および説明されているが、本発明の精神および概念から逸脱することなく、前述のまた種々の他の変化、削除および追加が可能であることが、当業者に理解される。したがって、本発明は、前述の特別の実施例に制限されるものとして理解されるべきでなく、添付の請求項に記載されている特徴に関して、包含されている概念および等価な概念内で実施可能な全ての実施例を含むものとして理解されるべきである。
なお、本発明は、
「光ゲインを発生する活性要素を有する活性セクション(106、706)と、
前記活性セクション(106、706)に印加されるバイアス(113)と、
吸収セクション(206)と、
前記吸収セクション(206)に印加されるバイアス(213)と、
前記活性セクション(106、706)および前記吸収セクション(206)を含むウェイブガイド(103、603、703)と、
光に対する帰還を提供するミラー(116、117)を備え、
前記ウェイブガイド(103、603、703)は、前記ミラー(116、117)の間に配置され、
該装置は、パルスレーザ光を放射するパルス体制において動作可能であり、
前記ウェイブガイド(103、603、703)は、更に、追加の変調器(306、406)を含み、
該装置は、更に、前記追加の変調器(306、406)に印加されるバイアス(413)を備えているデータ伝送光電子装置(400、500、600、700)であって、
前記追加の変調器(306、406)に印加されるバイアス(413)は、前記追加の変調器(306、406)の屈折率が変調され、それによって、前記パルスレーザ光の繰り返し周波数が周波数変調され、また、周波数変調された光データ信号が発生されるように、前記追加の変調器(306、406)に印加され、
該装置は、周波数変調方法でデータ信号を伝送するように構成されていることを特徴とするデータ伝送光電子装置。」
という態様を採り得る。

図1は、従来の端面発光レーザの概略図を示している。 図2は、従来の2セクションモードロックレーザの概略図を示している。 図3は、本発明の好ましい実施例に対応する、電子光変調モードロックレーザの概略図を示している。 図4は、本発明の他の実施例に対応する。電子光変調モードロックレーザの概略図を示している。 図5は、本発明の他の実施例に対応する、電子光変調モードロック分布帰還型レーザの概略図を示している。 図6は、本発明のさらに他の実施例に対応する、電子光変調飽和可能吸収器を有する2セクション垂直キャビティ面発光レーザの概略図を示している。 図7は、本発明の更に他の実施例に対応する、裏基板側からの光の反射による波長安定化体制で動作する電子光変調傾斜キャビティモードロックレーザの概略図を示している。 図8は、可能な処理レイアウトの1つの例を有する、図7の実施例の装置の概略図を示している。 図9は、本発明の更に他の実施例に対応する、電子光変調飽和可能吸収器を有する2セクション垂直キャビティ面発光レーザの概略図を示している。 図10は、キャリア周波数Ωと変調周波数ωを有する周波数変調光信号の周波数スペクトルの概略図を示している。

Claims (12)

  1. 光ゲインを発生する活性要素を有する活性セクション(106)と、
    前記活性セクション(106)に印加されるバイアス(113)と、
    吸収セクション(206)と、
    前記吸収セクション(206)に印加されるバイアス(213)と、
    前記活性セクション(106)および前記吸収セクション(206)を含むウェイブガイド(103)と、
    光に対する帰還を提供するミラー(116、117)を備え、
    前記ウェイブガイド(103)は、前記ミラー(116、117)の間に配置され、
    該装置は、パルスレーザ光を放射するパルス体制において動作可能であり、
    前記ウェイブガイド(103)は、更に、追加の変調器(306)を含み、
    前記吸収セクション(206)に印加されるバイアス(213)は、前記追加の変調器(306)にも印加されるデータ伝送光電子装置(300)であって、
    前記追加の変調器(306)に印加されるバイアス(213)は、前記追加の変調器(306)の屈折率が変調され、それによって、前記パルスレーザ光の繰り返し周波数が周波数変調され、また、周波数変調された光データ信号が発生されるように、前記追加の変調器(306)に印加され、
    該装置は、周波数変調方法でデータ信号を伝送するように構成されていることを特徴とするデータ伝送光電子装置。
  2. 請求項に記載のデータ伝送光電子装置であって、前記追加の変調器は、印加電界100keV/cmにおいて、少なくとも△n(%)=1%の屈折率の相対変化を提供する電子光効果を示す材料により構成されていることを特徴とするデータ伝送光電子装置。
  3. 請求項1または2に記載のデータ伝送光電子装置であって、前記吸収セクション(206)および前記追加の変調器(306)に印加されるバイアス(213)、または、前記追加の変調器(306、406)に印加されるバイアス(413)は、前記繰り返し周波数が少なくとも2つの異なる繰り返し周波数の間で切り換えられるように、スイッチによって前記吸収セクション(206)および前記追加の変調器(306)、または、前記追加の変調器(306、406)に印加されることを特徴とするデータ伝送光電子装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のデータ伝送光電子装置であって、
    前記活性セクションは、以下の(a)〜(j)からなるグループから選択される、
    (a)端面発光ダイオードレーザ
    (b)垂直キャビティ面発光レーザ
    (c)端面発光幾何学で動作する傾斜キャビティレーザ
    (d)表面発光幾何学で動作する傾斜キャビティレーザ
    (e)基板の裏側からの反射を有する波長安定化漏洩波レーザ
    (f)分布帰還型レーザ
    (g)マイクロディスクレーザ
    (h)フォトニック結晶レーザ
    (i)少なくとも1つの外部ミラーを有するレーザ
    (j)少なくとも1つのミラーが分布帰還型ミラーであるレーザ
    ことを特徴とするデータ伝送光電子装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のデータ伝送光電子装置であって、前記吸収セクションは、前記ゲインセクションに統一され、また、単一のエピタキシャル処理で成長することを特徴とするデータ伝送光電子装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のデータ伝送光電子装置であって、同じ媒体が、ゲイン媒体および電子光活性媒体として用いられていることを特徴とするデータ伝送光電子装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のデータ伝送光電子装置であって、電子光活性媒体として用いられる媒体は、ゲイン媒体として用いられる媒体と異なっていることを特徴とするデータ伝送光電子装置。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のデータ伝送光電子装置であって、前記電子光変調器および前記活性要素は、異なるキャビティ内に配置されていることを特徴とするデータ伝送光電子装置。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載のデータ伝送光電子装置であって、
    前記活性要素は、以下の(a)〜(e)からなるグループから選択される、
    (a)量子井戸
    (b)量子線のアレイ
    (c)量子ドットのアレイ
    (d)量子井戸、量子線あるいは量子ドットのスタック
    (e)(a)〜(d)のいずれかの結合
    ことを特徴とするデータ伝送光電子装置。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載のデータ伝送光電子装置であって、装置のアレイは、同じウェーハー上に組み立てられ、また、全ての装置は、多重チャンネル伝送に対して独立して動作することを特徴とするデータ伝送光電子装置。
  11. 光ゲインを発生する活性要素を有する活性セクション(106)と、吸収セクション(206)と、光に対する帰還を提供するミラー(116、117)と、前記活性セクション(106)および前記吸収セクション(206)を含み、前記ミラー(116、117)の間に配置されているウェイブガイド(103)とを備え、パルスレーザ光を放射するパルス体制において動作可能なデータ伝送光電子装置を用いてパルスレーザ光を発生する方法であって、
    前記ウェイブガイド(103)は、更に、追加の変調器(306)を含んでおり、
    前記追加の変調器(306)の屈折率は、前記パルスレーザ光の繰り返し周波数が周波数変調され、また、周波数変調された光データ信号が発生されるように、変調されることを特徴とする方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、前記パルスレーザ光は、少なくとも2つの異なる繰り返し周波数の間で繰り返し周波数を切り換えることによって周波数変調されることを特徴とする方法。
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