JP5425025B2 - 偏波制御素子 - Google Patents

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本発明は、電磁波の偏波を制御する偏波制御素子に関し、特に、マイクロ波、赤外光、および可視光の偏波または偏光を制御する偏波制御素子に関する。
偏光または偏波を制御する素子は、特定の偏光方向の電界のみを透過あるいは反射させる偏光子と、特定の偏光方向の電界を特定の位相量だけ変化させる位相子と、特定の偏光状態をランダムな偏光状態に変化させる偏光解消素子とに分類される。
上記の位相子は、従来より、有機や無機の複屈折材料を利用したものや、全反射における位相シフトを利用したものなどが知られている。
また、最近では、光の波長よりも小さい周期構造による位相変調技術が開発されている。例えば、基板上に金属の微小構造の集合である金属微小構造の群が形成されており、基板に対して光を照射すると、各金属微小構造にて生じる近接場光によって複数の金属微小構造間で相互作用が生じる。このとき、入射光の偏光に対して金属微小構造の群が非対称に配列されている場合には、金属微小構造間の近接場光の相互作用によって、各金属微小構造間で位相差が生じる。従って、各金属微小構造から出射された光が重畳された反射光あるいは透過光の偏光成分にも位相差が生じることとなり、出射光における偏光状態が変換される(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−330108号公報
有機の複屈折材料を利用した位相子は、高分子材料に特有な分子構造の異方性に伴う屈折率の異方性を利用している。有機材料は安価であるが、耐熱性や耐光性が劣るという問題がある。
また、無機の複屈折材料として水晶や方解石などの結晶を利用した位相子は、耐熱性や耐光性はあるが、複屈折性が小さいため素子のサイズが大きくなるという問題がある。
また、全反射を利用した位相子はフレネルプリズムと呼ばれ、全反射時において、s偏光(電界が全反射面と平行な面内にある偏光)とp偏光(s偏光と垂直な偏光)との位相シフト量(位相変化量)が異なることを利用している。このような位相子は、波長分散が小さい位相量を得ることができるが、素子のサイズが大きくなるという問題がある。
また、特許文献1に開示される偏光制御素子は、位相シフト量が小さいため、1/4波長板(90°)や1/2波長板(180°)といった実際のデバイスに利用するために必要な位相シフト量を得ることが難しい。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、大きな位相シフト量を生じることが可能な小型の偏波制御素子を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明による偏波制御素子は、電磁波の偏波を制御する偏波制御素子であって、電磁波が透過する基板と、基板上に第1の回折格子を形成すべく配設され、導体または半導体からなる第1の層と、第1の回折格子上に、第2の回折格子を形成すべく誘電体層を介して配設され、導体または半導体からなる第2の層とを備え、第1の層は、第1の方向に並設されかつ第1の方向と直交する第2の方向に延びた複数の第1のスリットと、第2の方向に並設されかつ第1のスリットと直交して第1の方向に延びた複数の第2のスリットとを有し、第2の層は、複数の第1のスリットに重なる複数の第3のスリットと、第2の方向に並設されかつ第3のスリットと直交して第1の方向に延びた複数の第4のスリットとを有し、互いに重なる複数の第1および第3のスリットは、第1の方向に第1の間隔で等間隔に配置され、複数の第4のスリットは、複数の第2のスリットの配置間隔の中心に位置し、かつ、複数の第2のスリットおよび複数の第4のスリットは、それぞれ、第2の方向に第2の間隔で等間隔に配置され、第1の間隔および第2の間隔は、電磁波の波長を基板の屈折率で割った値よりも小さいことを特徴とする。
本発明によると、電磁波の偏波を制御する偏波制御素子であって、電磁波が透過する基板と、基板上に第1の回折格子を形成すべく配設され、導体または半導体からなる第1の層と、第1の回折格子上に、第2の回折格子を形成すべく誘電体層を介して配設され、導体または半導体からなる第2の層とを備え、第1の層は、第1の方向に並設されかつ第1の方向と直交する第2の方向に延びた複数の第1のスリットと、第2の方向に並設されかつ第1のスリットと直交して第1の方向に延びた複数の第2のスリットとを有し、第2の層は、複数の第1のスリットに重なる複数の第3のスリットと、第2の方向に並設されかつ第3のスリットと直交して第1の方向に延びた複数の第4のスリットとを有し、互いに重なる複数の第1および第3のスリットは、第1の方向に第1の間隔で等間隔に配置され、複数の第4のスリットは、複数の第2のスリットの配置間隔の中心に位置し、かつ、複数の第2のスリットおよび複数の第4のスリットは、それぞれ、第2の方向に第2の間隔で等間隔に配置され、第1の間隔および第2の間隔は、電磁波の波長を基板の屈折率で割った値よりも小さいため、大きな位相シフト量を生じることが可能な小型の偏波制御素子を提供することが可能となる。
本発明の実施形態による偏波制御素子の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態による偏波制御素子の上面図である。 本発明の実施形態による偏波制御素子の側面図である。 本発明の実施形態による偏波制御素子の動作を説明するための図である。 一般的な偏光子の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態による偏波制御素子による位相シフトの数値計算結果の一例を示すグラフである。
本発明の実施形態について、図面に基づいて以下に説明する。
本実施形態による偏波制御素子は、マイクロ波、赤外光、可視光などの電磁波に対して適用可能である。以下、本実施形態中において、「電磁波」および「偏波」という用語を用いるが、対象とする電磁波の波長が光の領域である場合には、「電磁波」および「偏波」を「光」および「偏光」と読み替えることができるものとする。
図1は、本発明の実施形態による偏波制御素子10の構成を示す斜視図である。また、図2は偏波制御素子10の上面図であり、図3は偏波制御素子10の側面図である。図1に示すように、本実施形態による偏波制御素子10は、石英ガラスなどからなる基板1と、基板1の主面上に形成された金属層2とを備えている。
なお、基板1は、偏波制御素子10に入射された電磁波が透過するために透明であることが望ましい。
次に、偏波制御素子10の構造の詳細について説明する。
金属層2は、基板1上に同一の金属の回折格子21および回折格子22を2層積層して形成されている。すなわち、金属層2は、基板1上に回折格子22(第1の回折格子)を形成すべく配設された第1の層(回折格子22を形成する層)と、回折格子22上に、回折格子21(第2の回折格子)を形成すべく誘電体41(誘電体層)を介して配設された第2の層(回折格子21を形成する層)とから構成される。
図2に示すように、金属層2を構成する回折格子21(図中の実線)および回折格子22(図中の破線)は、x方向に周期Lxで間隔Wxのスリット31が形成され、y方向に周期Lyで間隔Wyのスリット32が形成されている。すなわち、回折格子22を形成する第1の層は、x方向(第1の方向)に並設されかつx方向と直交するy方向(第2の方向)に延びた複数のスリット31(第1のスリット)と、y方向に並設されかつスリット31(第1のスリット)と直交してx方向に延びた複数のスリット32とを有しており、回折格子21を形成する第2の層は、回折格子22の複数のスリット31(第1のスリット)に重なる複数のスリット31(第3のスリット)と、y方向に並設されかつスリット31(第3のスリット)と直交してx方向に延びた複数のスリット32(第4のスリット)を有している。
また、互いに重なる回折格子22,21の複数のスリット31(第1および第3のスリット)は、x方向に電磁波の波長よりも小さい周期Lx(第1の間隔)で等間隔に配置され、回折格子21の複数のスリット32(第4のスリット)は、回折格子22の複数のスリット32(第2のスリット)の配置間隔の中心(0.5Ly)に位置し、かつ、複数のスリット(第2および第4のスリット)は、それぞれ、y方向に電磁波の波長よりも小さい周期Ly(第2の間隔)で等間隔に配置されている。
また、図3に示すように、回折格子21と回折格子22との間には誘電体41(誘電体層)が設けられており、回折格子21と回折格子22とのz方向の間隔はLzとなっている。
次に、偏波制御素子10の動作について説明する。
偏波(偏光)とは、電磁波の電界(あるいは電界と直交する磁界)の振動方向が空間的に偏った状態のことをいう。電界が振動する方向には、電磁波の進行方向に対して垂直であり、かつ互いに直交する独立な2つの方向がある。電磁波の偏波状態は、このような2つの方向の電界の重ねあわせとして示すことができる。従って、任意の偏波状態は、互いに独立する2つの方向の振幅の比と位相差とによって決定される。例えば、直線偏波は、2つの方向の振動の位相差が0の状態である。また、円偏波は、2つの方向の振幅が等しく位相差が90°の状態となっている。
図4は、本発明の実施形態による偏波制御素子10の動作を説明するための図であり、基板1に対して垂直方向11(金属層2が形成された基板1の主面側から裏面側の方向)に電磁波が入射する場合を示している。図4に示すように、入射する電磁波は、電界12が電磁波の進行方向k(kは波数ベクトルの方向を示す)に対して垂直方向に振動する直線偏波である。このとき、電磁波の電界12は、x方向に電界が振動する偏波成分Exと、y方向に電界が振動する偏波成分Eyとの和で表される。なお、直線偏波は、偏波成分Exと偏波成分Eyとの位相差は0である。
入射した電磁波は、偏波制御素子10によって偏波成分が制御される。図4の場合では、偏波制御素子10を透過して出射された電磁波は、電界13が電磁波の進行方向に対して右回りに旋回する右旋偏波となる。このように、入射した電磁波の偏波成分を制御する偏波制御素子10の特性は、金属層2を構成する回折格子21および回折格子22における電磁波の伝播特性に基づいている。
説明容易のために、まず、一方向にスリットが形成されている偏光子における電磁波の伝播特性について説明する。
図5は、一般的な偏光子50の構成を示す斜視図である。図5に示す偏光子50は、ワイヤグリッド偏光子(wire grid polarizer)と呼ばれる偏光子である。図5に示すように、偏光子50は、透光性の基板1の主面上に金属層2Aを形成している。金属層2Aは、y方向に形成された複数のスリット15と交互にx方向に複数並設されている。
偏光子50の特性は、入射される電磁波の波長λとスリット15が形成される周期Lxとの関係によって異なる。なお、基板1中では、電磁波の波長が基板1の屈折率分だけ短くなるため、正確には、電磁波の波長λを基板1の屈折率で割った値と周期Lxとを対比する必要がある。すなわち、図2に示す周期Lx,Ly(第1および第2の間隔)は、電磁波の波長を基板1の屈折率で割った値よりも小さい。以下、簡単のために基板1の屈折率を1として説明する。
周期Lxが電磁波の波長λよりも長い場合では、偏光子50は回折格子として機能する。一方、周期Lxが電磁波の波長λよりも短い場合では、λ=Lx×sinθを満足するθが存在しないため偏光子50は分光作用を持たなくなり、偏光作用が顕著に現れる。
スリット15に電磁波が入射する場合において、スリット15に平行な方向に電界成分Eyを有する偏波は、その波長がスリット15の幅Wxの2倍より短くないとスリット15内を伝播することができない。従って、スリット15に平行な電界成分Eyを有する偏波は、その波長がスリット幅Wxより長くなるにつれて、ほとんど全てが反射されてしまう(すなわち、スリット15を通過しない)。一方、スリット15に垂直な方向に電界成分Exを有する偏波は、その波長がスリット15の幅Wxより長くなったとしてもスリット15内の伝播が制限されない。スリット15内を伝播可能な偏波であっても、スリット15が単一の場合では大部分の偏波が金属層2Aの表面で反射されてしまうが、多数のスリット15を周期的に配列(並設)することによって電磁波を効率的にスリット15内に導くことが可能となる。図5では、電磁波の進行方向kに垂直に振動する電界12のうち、スリット15に垂直な方向の偏波成分14(偏波成分Ex)がスリット15を通過する。
また、偏光子50の特性は、金属層2A中に存在する自由電子の動作によっても説明することができる。導体である金属層2A中の自由電子は、電磁波を受けると当該電磁波に同期して振動する。従って、スリット15に平行な方向に電界を有する直線偏波は、各金属層2A中の自由電子の振動によって遮蔽され、ほとんどが反射される。一方、スリット15に垂直な方向に電界を有する直線偏波では、金属層2中の自由電子の動きがスリット15によって阻止される。従って、スリット15に垂直な方向に電界を有する直線偏波の多くはスリット15を通過する。図5では、y方向に沿って形成されたスリット15がx方向に並設されている場合について説明したが、x方向に沿って形成したスリット15をy方向に並設した場合であっても上記と同様である。すなわち、スリット15に平行な方向の偏波成分は反射され、スリット15に垂直な方向の偏波成分は透過することができる。
図4に示す偏波制御素子10では、金属層2を構成する回折格子21,22の各々に形成されたスリット31,32の周期Lx,Lyは、偏波制御素子10に入射する電磁波の波長λより短い。以下、図4では、進行方向kに対して垂直な方向に電界が振動する直線偏波が、基板1の主面側から垂直方向11で入射するものとして説明する。なお、電磁波が2次元面(xy平面)に対して傾いて入射しても同様の動作を行う。
図5にて説明した偏光子50のスリット15における伝播特性と同様に、図4に示す偏波制御素子10において、x方向に平行な偏波成分Exは、回折格子21,22のy方向に平行なスリット31を通過して基板1に到達する。一方、y方向に平行な偏波成分Eyは、図3に示すように、回折格子21のスリット32を通過した後、回折格子22の金属部にて伝播方向がz方向からy方向に変換され、回折格子21と回折格子22との間(すなわち、誘電体41)を伝播する。その後、回折格子22のスリット32にて伝播方向がy方向からz方向に変換されて基板1に到達する。
このとき、回折格子21,22の厚み(z方向の幅)、スリット幅Wx,Wy、回折格子21と回折格子22とのz方向の間隔Lzが、それぞれ周期Lx,Lyより十分に小さい場合において、誘電体41の屈折率をn、電磁波の波長をλとすると、x方向に平行な偏光成分Exが回折格子21,22のスリット31を通過して基板1に到達するまでの伝播に伴う位相シフト量φxは、
Figure 0005425025
となる。式(1)において、πは円周率である。
一方、y方向に平行な偏波成分Eyが回折格子21のスリット32を通過し、回折格子21,22の間隙を伝播した後に回折格子22のスリット32を通過して基板1に到達するまでの伝播に伴う位相シフト量φyは、
Figure 0005425025
となる。
従って、x方向に平行な偏波成分Exとy方向に平行な偏波成分Eyとの位相差Δφ(=φy−φx)は、上記の式(1)および式(2)より、
Figure 0005425025
となる。
上記の式(3)より、例えば、図4に示すように直線偏波の電磁波が入射した場合には、位相差Δφ=0.5πとなるように周期Ly(第2の間隔)および誘電体41の屈折率nを調整して偏波制御素子19を作製すれば、当該偏波制御素子10から出射される電波は電界13を有する円偏波となる。すなわち、電磁波は、x方向(第1の方向)およびy方向(第2の方向)の各々で電界が振動する互いに同位相である波長λの2つの直線偏波が基板1に入射した場合において、偏波制御素子10を通過した2つの直線偏波間の位相差Δφは、上記の式(3)を満足する。
上記の式(3)は、スリット31,32の幅Wx,Wyが、周期Lx,Lyに比べて十分に小さい場合に成り立つ。より正確な位相差Δφの関係式を導くためには、スリット31,32の光路長を考慮する必要がある。
なお、スリット31,32の周期Lx,Lyは、それぞれ一定ではなくとも偏波(偏光)作用は生じるが、一定の方が電磁波の透過率が大きくなり、また、電磁波の透過率も空間的に一様となるため、好ましい位相子の特性を得ることができる。
また、回折格子21,22の厚みLzは、電磁波が透過しない程度の厚みが最低限必要となる。
次に、偏波制御素子10の具体的な数値計算例について説明する。
図6は、本発明の実施形態による偏波制御素子10による位相シフトの数値計算結果の一例を示すグラフである。図6に示すように、縦軸の左側はx方向に平行な偏波成分とy方向に平行な偏波成分とを有する電磁波の位相シフトの差(位相差)Δφを示し、縦軸の右側は透過振幅比を示す。また、横軸は電磁波の周波数を示す。
上記の式(3)に示されるように、誘電体41の屈折率n、または周期Lyを変えることによって、偏波制御素子10に入射された電磁波の偏波状態の制御が可能となる。図6にて示される結果に用いられたデータは、テラヘルツ波領域の電磁波を用いた場合において有限差分時間領域法によって計算したものである。
なお、数値計算に用いた各パラメータは、Lx=60μm、Wx=30μm、Ly=300μm、Wy=10μm、Lz=10μmである。また、回折格子21,22を構成する金属層の厚みは1μmである。また、誘電体41は真空でn=1であり、電磁波は基板1に対して垂直に入射されるものとする。
上記のパラメータを用いて数値計算を行った結果を図6に示す。図6では、x方向に平行な偏波成分とy方向に平行な偏波成分との位相差および透過振幅比を示しており、それぞれに該当するグラフを楕円と矢印で指示している。0.6THz付近で、x方向に平行な偏波成分とy方向に平行な偏波成分との透過振幅比が略1となり、位相差が180°となる。
以上のことから、本実施形態による偏波制御素子10によれば、大きな位相シフト量を生じることが可能な小型の偏波制御素子を得ることが可能となる。
なお、本実施形態では、金属層2は回折格子21,22の2層で構成されている場合について説明したが、金属層2が3層以上で構成される場合であっても同様の効果を得ることができる。すなわち、回折格子21を形成する層(第2の層)上に、それぞれ誘電体層を介して、回折格子22を形成する層(第1の層)と同一構成の層および回折格子21を形成する層(第2の層)と同一構成の層の少なくとも1層をこの順に交互に所定の層分さらに積層することができる。
また、基板1は、使用する電磁波の波長に対して透明かつ複屈折性のないものが望ましい。例えば、マイクロ波ではプラスティックやセラミクス、赤外領域ではシリコン、可視光領域では石英ガラスなどが、基板として利用することができる。
また、誘電体41は、基板1と同様、使用する電磁波の波長に対して透明であるものが望ましい。例えば、マイクロ波では低温で焼結可能なセラミクス、赤外・可視領域ではゾルゲルガラスやナノ粒子を分散した高分子材料などが、屈折率の調整可能な透明な誘電体として利用することができる。
また、金属層2は、金属材料を基板1の主面側に真空蒸着法などによって形成することができる。金属層の金属材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、白金、およびこれらの材料からなる合金など、導電率の大きい材料(導体)であればよい。また、電磁波の波長がマイクロ波領域であれば、キャリア密度の大きい半導体も利用可能である。すなわち、金属層2として示した層21,22の材質は、導体または半導体から選択することができる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 基板、2,2A 金属層、10 偏波制御素子、11 垂直方向、12,13 電界、14 偏波成分、15 スリット、21,22 回折格子、31,32 スリット、41 誘電体、50 偏光子。

Claims (3)

  1. 電磁波の偏波を制御する偏波制御素子であって、
    前記電磁波が透過する基板と、
    前記基板上に第1の回折格子を形成すべく配設され、導体または半導体からなる第1の層と、
    前記第1の回折格子上に、第2の回折格子を形成すべく誘電体層を介して配設され、導体または半導体からなる第2の層と、
    を備え、
    前記第1の層は、第1の方向に並設されかつ前記第1の方向と直交する第2の方向に延びた複数の第1のスリットと、前記第2の方向に並設されかつ前記第1のスリットと直交して前記第1の方向に延びた複数の第2のスリットとを有し、
    前記第2の層は、前記複数の第1のスリットに重なる複数の第3のスリットと、前記第2の方向に並設されかつ前記第3のスリットと直交して前記第1の方向に延びた複数の第4のスリットとを有し、
    互いに重なる前記複数の第1および第3のスリットは、前記第1の方向に第1の間隔で等間隔に配置され、
    前記複数の第4のスリットは、前記複数の第2のスリットの配置間隔の中心に位置し、かつ、前記複数の第2のスリットおよび前記複数の第4のスリットは、それぞれ、前記第2の方向に第2の間隔で等間隔に配置され
    前記第1の間隔および前記第2の間隔は、前記電磁波の波長を前記基板の屈折率で割った値よりも小さいことを特徴とする、偏波制御素子。
  2. 前記第2の層上に、それぞれ誘電体層を介して、前記第1の層と同一構成の層および前記第2の層と同一構成の層の少なくとも1層をこの順に交互に所定の層分さらに積層することを特徴とする、請求項1に記載の偏波制御素子。
  3. 前記電磁波は、前記第1の方向および前記第2の方向の各々で電界が振動する互いに同位相である波長λの2つの直線偏波が前記基板に入射した場合において、前記偏波制御素子を通過した前記2つの直線偏波間の位相差Δφは、前記誘電体の屈折率をn、前記第2の間隔をLyとすると、
    Figure 0005425025
    の関係を満足することを特徴とする、請求項1または2に記載の偏波制御素子。
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