従来行われている物理制御チャネルへの無線リソースの割り当て方法の一例を、下りリンク物理制御チャネルPDCCH(Physical Downlink Control Channel)を例にして説明する。PDCCHは、3GPP(3rd Generation partnership Project)で検討される通信方式であるLTE(Long Term Evolution)にて使用される物理制御チャネルである。
図1は、従来の通信装置の構成図である。参照符号200は基地局装置を示し、参照符号201は情報組立部を示し、参照符号202は符号化部を示し、参照符号203は変調部を示す。参照符号204はアンプを示し、参照符号205はアンテナを示す。
参照符号211はDCI(Downlink Control Information)組立部を示し、参照符号212はPDCCH信号組立部を示し、参照符号213はスクランブラを示し、参照符号214は直交変調器を示し、参照符号215はインタリーバを示す。直交変調器214は、例えば位相偏移変調器や直交振幅変調器である。なお、以下の説明において用語「直交変調」は、位相偏移変調や直交振幅変調を含む。
参照符号216はサイクリックシフト部を示し、参照符号217はリソースエレメント(RE)マッピング部を示し、参照符号218は逆フーリエ変換部(IFFT)を示し、参照符号219はサイクリックプレフィクス(CP)挿入部を示す。
基地局装置200は、情報組立部201と、符号化部202と、変調部203と、アンプ204と、アンテナ205を備える。情報組立部201は、DCI組立部211を備える。
DCI組立部211は、ダウンリンク制御情報(DCI: Downlink Control Information)を含んだDCIペイロードと、DCIフォーマット識別情報を入力する。DCIペイロードは、複数の異なるフォーマットで生成されており、各DCIペイロードのフォーマットはDCIフォーマット識別情報によって識別される。DCI組立部211は、各DCIペイロードのDCIフォーマット識別情報に従って、DCIペイロードを結合してDCI信号を組み立てる。
図2A及び図2Bは、それぞれDCI組立部211に入力されるDCIペイロードを示す。参照符号220〜222は各々第1のDCIフォーマットで生成された異なる3つのDCIペイロードを示し、参照符号223〜225は各々第2のDCIフォーマットで生成されたDCIペイロードを示す。図2Cは、DCI組立部211がDCIペイロード220〜222を結合して組み立てたDCI信号を示す。また図2Dは、DCI組立部211がDCIペイロード223〜225を結合して組み立てたDCI信号を示す。
図1を参照する。DCI組立部211は、生成したDCI信号を符号化部202へ出力する。符号化部202は、PDCCHフォーマット情報に従ってDCI信号を符号化する。図2Eは、符号化部202が図2CのDCI信号を符号化することにより生成された符号化されたDCI信号を示す。図2Fは、符号化部202が図2DのDCI信号を符号化することにより生成された符号化されたDCI信号を示す。
PDCCHフォーマット情報は、DCI信号をどれ位の長さのデータへ符号化するかを指定する。PDCCHフォーマット情報が符号化後のデータ長を指定するデータ長の単位として、CCE(Control Channel Element)が使用されている。図2E及び図2Fに示す符号化後のDCI信号は、それぞれ1CCE及び2CCEに相当するデータ長を有すると仮定する。
1つのCCEは、9つのリソースエレメントグループ(REG: Resource Element Group)が伝送するシンボル数に対応する。以下の説明においてリソースエレメントグループを「REG」と記載することがある。
REGは、制御情報を無線リソースへマッピングする際の無線リソースの単位であり、1つのREGが、4個のリソースエレメント(RE: Resource Element)を含む。1個のリソースエレメントは、1つのべーシックタイムユニット(基本時間ユニット: Basic Time Unit)において1サブキャリアを使用する無線リソースである。
図1を参照する。符号化部202により符号化されたDCI信号は、その後、変調部203によりOFDM信号へ変調される。アンプ204はOFDM信号を増幅する。増幅されたOFDM信号はアンテナ205から送信される。
変調部203は、PDCCH信号組立部212と、スクランブラ213と、直交変調器214と、インタリーバ215と、サイクリックシフト部216とを備える。また変調部203は、リソースエレメントマッピング部217と、逆フーリエ変換部218と、サイクリックプレフィクス挿入部219を備える。
PDCCH信号組立部212は、符号化部202により符号化されたDCI信号を結合する。以下、説明の便宜のため、符号化されたDCI信号をPDCCH信号組立部212が結合して生成されるデータを「PDCCHデータ」と表記する。また、符号化部202により符号化されたDCI信号を「符号化データ」と表記する。
PDCCH信号組立部212は、PDCCHデータ内に符号化データを格納する開始位置を、符号化データを送信する宛先の移動局装置の端末識別子によって定める。PDCCHデータ内に符号化データを格納するための開始位置として、予め1CCEずつシフトした位置が指定されている。PDCCH信号組立部212は、宛先の移動局装置の端末識別子に応じて開始位置を定めるCCE番号の指定に従って、指定されたCCE番号に対応する位置へ符号化データを格納する。
図2Gは、PDCCH信号組立部212により生成されたPDCCHデータの例を示す。PDCCHデータを示す矩形の下方に記載された括弧書きの番号は、PDCCHデータ内に符号化データを格納する開始位置を指示するCCE番号である。図2Gに示す例では、図2Eに示す符号化データ228が、CCE番号7から開始する1CCE長の領域に格納されている。また図2Fに示す符号化データ227が、CCE番号3から開始する2CCE長の領域に格納されている。
PDCCH信号組立部212は、格納すべき符号化データが存在しないPDCCHデータ内の領域には、空であることを示すNILデータを挿入する。図2Gに示す例では、CCE番号1及び2の領域にNILデータが挿入されている。NILデータがマッピングされたREGでは有効なデータが送信されない。
図1を参照する。スクランブラ213は、基地局200に固有のスクランブル系列でPDCCHデータをスクランブルする。直交変調器214は、スクランブルされたPDCCHデータを直交変調することにより直交変調信号を生成する。
インタリーバ215は、直交変調器214から出力される直交変調信号に対して、1REGにて伝送されるシンボルの単位で、インターリーブ処理を行う。サイクリックシフト部216は、インターリーブ処理が施された直交変調信号にサイクリックシフトを与える。
図3Aは、図2Gに示すPDCCHデータを、スクランブラ213、直交変調器214インタリーバ215及びサイクリックシフト部216が処理した後のデータを示す。図3Aは、参照符号230で示す部分に、図2Gに示す符号化データ228に含まれていた情報を示すデータが格納され、参照符号231で示す部分に、符号化データ227に含まれていた情報を示すデータが格納されることを示す。また、参照符号232及び233の部分には、NILデータが格納されている。
図1を参照する。リソースエレメントマッピング部217は、サイクリックシフトを与えられた図3Aのデータを、各リソースエレメントにマッピングする。PDCCHの制御情報をマッピングできるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル数は、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)により伝送されるCFI(control format indicator)の値によって指定される。図3Bは、CFIが3の場合であり、図3Aのデータを、リソースエレメントマッピング部217が、各リソースエレメントにマッピングした状態を示す。図3Bに示すように、図3Aのデータに格納されていたNILが、いくつかのリソースエレメントにマッピングされている。
図1を参照する。リソースエレメントマッピング部217は、制御情報をマッピングするのと共に、主信号をリソースエレメントにマッピングする。主信号に関する処理については説明を省略する。
逆フーリエ変換部218は、各リソースエレメントにマッピングされたシンボルを、逆フーリエ変換することによりOFDM信号を生成する。サイクリックプレフィクス挿入部219は、OFDM信号にサイクリックプレフィクスを挿入する。
上述の通り、符号化部202により符号化された後の符号化データは、CCEの整数倍の長さを有し、1CCEは9つのREGを含む。このため、PDCCHのマッピングのために割り当てられたREGの総数を9で除した余りには、NILデータが格納される。
例えば、第1OFDMシンボルだけにPDCCHがマッピングされる場合を例示する。ここに、1つのOFDMシンボルのサブキャリア数を300個と仮定し、またPCFICHが4REGを使用し、PHICH(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)が3REGを使用する場合を想定する。PHICHは上りリンクのハイブリッドARQ(Automatic repeat-request)の再送制御信号を伝送するチャネルである。
第1OFDMシンボルでは、1つのREGに6つのサブキャリアが割り当てられるので、第1OFDMシンボルには50個のREGが存在する。このため、PDCCHに割り当て可能なREGの数は、50−(4+3)=43個となる。したがって、43を9で除した余りの7個のREGには、制御情報が割り当てられずNILデータが挿入される。
またPDCCH信号組立部212は、宛先の移動局装置の端末識別子によって定まるCCE番号に従って、PDCCHデータ内に符号化データを格納する。このため、PDCCHデータに格納された符号化データ間に隙間が生じることがあり、この隙間にもNILデータが挿入される。
NILデータがマッピングされるREGでは有効なデータが送信されないため、NILデータがマッピングされるREGの数が多いほど、無線リソースの利用効率が低くなる。
なお、無線基地局装置から無線端末装置へ向かう下りリンクにおいて、サブフレーム内の第1OFDMシンボルの先頭のサブキャリアからPCFICHを配置し、無線端末装置から無線基地局装置へ向かう上りリンクのためのACK/NACK (ACK/NACK for UL)信号を周波数領域でブロック化して多重し、周波数分割多重又は時間分割多重を用いてACK/NACK信号とPDCCHを多重する無線端末装置が提案されている。
また、移動通信システム内で基地局装置と無線通信するユーザ装置が提案されている。このユーザ装置は、下りリンクにおいて第1の共有チャネルを受信する受信手段と、上りリンクにおいて前記第1の共有チャネルの送達確認情報と第2の共有チャネルとを送信する送信手段と、を具備する。送達確認情報を要しない上り信号でも、送達確認情報用のビット領域に第2の共有チャネルがマッピングされることは禁止される。
以下、添付される図面を参照して、好ましい実施例について説明する。図4は、通信装置における第1実施例の構成図である。参照符号1は通信装置を示し、参照符号2は単位数決定部を示し、参照符号3は符号化部を示し、参照符号4は変調部を示し、参照符号5は送信部を示し、参照符号6はアンテナを示す。通信装置1は、単位数決定部2と、符号化部3と、変調部4と、送信部5と、アンテナ6を備える。
単位数決定部2は、物理制御チャネルのマッピング用に指定される無線リソースに含まれるリソース単位の総数を、所定の規則に従って複数の物理制御チャネルの間で案分することによって、複数の物理制御チャネルに割り当てる各リソース単位の数を決定する。
任意の数のべーシックタイムユニットにおいて任意の数のサブキャリアを使用する無線リソースを、リソース単位として定めてよい。1つのリソース単位の大きさは、物理制御チャネルのマッピング用に指定される無線リソース全体の大きさを、割り切れる大きさであってよい。またリソース単位は、例えば、LTEにて、制御情報を無線リソースへマッピングする際の無線リソースの単位として定義されたREGであってよい。
単位数決定部2が、物理制御チャネルのマッピングのために用意されたリソース単位の総数を物理制御チャネルの間で案分する際に使用する上記の所定の規則は、どのような規則であってもよい。物理制御チャネルのマッピング用に指定された無線リソースの利用効率を高めるには、物理制御チャネルの間でリソース単位の総数が割り当てられれば足り、案分する割合を定める規則に関わらず、無線リソースの利用効率の向上が達成されるからである。
上記の所定の規則の例示として、例えば単位数決定部2は、複数の物理制御チャネルの数でリソース単位の総数を等分してもよい。また、例えば単位数決定部2は、複数の物理制御チャネル上でそれぞれ伝送する制御情報のデータ量に応じて、リソース単位の総数を案分してよい。制御情報のデータ量に応じてリソース単位の総数を案分することにより、チャネル間の符号化率のバラツキを低下させて、他のチャネルと比べて著しく通信品質が悪いチャネルが発生することを防止することが可能となる。
更に、例えば単位数決定部2は、複数の物理制御チャネル上で伝送する制御情報のデータ量を、各物理制御チャネルのそれぞれの回線品質によって重み付けしたデータ量に応じてリソース単位の総数を案分してよい。回線品質を考慮してリソース単位の割り当て数を決定することにより、回線品質のより悪いチャネルを伝送する制御情報の符号化率を低下させることが可能となる。
符号化部3は、複数の物理制御チャネル上にてそれぞれ伝送される制御情報を、単位数決定部2により決定された数のリソース単位により伝送可能な長さのデータへ符号化する。変調部4は、符号化された制御情報を変調する。送信部5は、変調部4により変調された信号をアンテナ6を介して送信する。
図5は、無線リソースの割り当て方法における実施例の説明図(その1)である。別な実施の態様においては、下記のオペレーションAA〜ACの各オペレーションはステップであってもよい。
オペレーションAAにおいて単位数決定部2は、物理制御チャネルのマッピング用に指定される無線リソースに含まれるリソース単位の総数を、所定の規則に従って複数の物理制御チャネルの間で案分することにより、複数の物理制御チャネルにそれぞれ割り当てるリソース単位の数を決定する。
オペレーションABにおいて符号化部3は、複数の物理制御チャネル上にてそれぞれ伝送される制御情報を、オペレーションAAにおいて決定された数のリソース単位により伝送可能な長さのデータへ符号化する。
オペレーションACにおいて変調部4は、オペレーションABで符号化された制御情報を変調する。送信部5は、変調された信号をアンテナ6を介して送信される。
本実施例によれば、物理制御チャネルのマッピングのために用意されたリソース単位の総数が、各物理制御チャネルへ分配されてマッピングのために使用されるため、無線リソースの利用効率の向上が達成される。本実施例によれば、無線リソースの利用効率の向上により、物理制御チャネルの符号化率を下げることが可能となるため、制御情報の受信成功率を向上させることが可能となる。
図6は、通信装置における第2実施例の構成図である。参照符号7は連結部を示す。図4に示す構成要素と同様の構成要素には図4で使用した参照符号と同じ参照符号を付する。通信装置1は、単位数決定部2と、符号化部3と、連結部7と、変調部4と、送信部5と、アンテナ6を備える。
連結部7は、符号化部3により符号化された一連の制御情報を連続的に連結して変調部4へ供給する。図7は、無線リソースの割り当て方法における実施例の説明図(その2)である。参照符号10及び11は、符号化部3による符号化前の制御情報の例を示す。参照符号12及び13は、それぞれ制御情報10及び11を符号化部3で符号化した制御情報を示す。
連結部7は、参照符号14により示すように、符号化された制御情報12及び13を連続的に連結し、変調部4へ供給する。変調部4は、連続的に連結されることにより、隙間無く連結された制御情報12及び13を無線リソースへマッピングする。
図8は、無線リソースの割り当て方法における実施例の説明図(その3)である。別な実施の態様においては、下記のオペレーションAA、AB、AD及びAEの各オペレーションはステップであってもよい。
オペレーションAA及びABにおける処理は、図5を参照して説明したオペレーションAA及びABの処理とそれぞれ同様である。オペレーションADにおいて連結部7は、参照符号14により示すように、オペレーションABで符号化された複数の制御情報を連続的に連結し変調部4へ供給する。オペレーションAEにおいて変調部4は、オペレーションADにて連続的に連結された制御情報を変調することにより制御情報を無線リソースへマッピングする。
本実施例によれば、変調部4により無線リソースへマッピングされる制御情報に、空のデータを挿入する隙間が発生しないので、データがマッピングされない無線リソースが発生することを防止することができる。
図9は、通信装置における第3実施例の構成図である。参照符号20は通信装置を示し、参照符号21はアンテナを示し、参照符号22は受信部を示し、参照符号23は復調部を示し、参照符号24は復号化部を示し、参照符号25は判定部を示す。
通信装置20は、アンテナ21と、受信部22と、復調部23と、復号化部24と、判定部25を備える。判定部25は、復号化部24の機能の一部であってよく、復号化部24とは別の構成要素であってもよい。
通信装置20は、図6を参照して説明した通信装置1から送信される制御情報を使用する通信装置である。受信部22は、アンテナ21を介して通信装置1から送信される制御情報を受信する。復調部23は、受信信号を復調して、通信装置1の連結部7から変調部4へ入力される状態の信号を再生する。
復号化部24は、復調部23が復調した制御情報に復号化処理を施すことにより、符号化前の制御情報を再生する。判定部25は、復号化された制御情報に、本通信装置20宛の制御情報が含まれているか否かを判定する。
以下、復号化された制御情報に本通信装置20宛の制御情報が含まれているか否かを判定する判定処理の一例を説明する。復号化された制御情報に本通信装置20宛の制御情報が含まれているか否かを判定するために、制御情報は、送信先の通信装置の識別子を含んでいてよい。
図10は、図9に示す通信装置へ送信される制御情報のフォーマットの説明図である。図10は、符号化部3により符号化される前の状態の制御情報を示す。図10に示される制御情報30の例は、ある通信装置へ共に送信される複数の制御情報31及び32を含む。また制御情報30は、所定の位置に、制御情報30の送信先の通信装置の識別子33を含んでいる。
判定部25は、符号化が施された識別情報に、通信装置の識別子33が含まれているか否かを判定することはできない。復号化部24は、復調部23から出力される復調された復号化前のデータの中の異なる位置から始まる及び異なる長さの部分データをそれぞれ読み出す。このとき復号化部24は、データを読み出す先頭位置及びデータ長を変化させて部分データを読み出すことにより、復号化前のデータの中の異なる位置及び異なる長さの部分データをそれぞれ読み出す。判定部25は、それぞれの部分データを復号化部24によって復号化することにより得られる制御情報に、通信装置20の識別子が含まれているか否かを判定する。
図11は、図9に示す通信装置による復号化処理の説明図である。図11のオペレーションBA〜BJの各オペレーションはステップであってもよい。オペレーションBA及びBBにおいて復号化部24は、変数iに値「1」を、変数jに変数iの値を代入する。
オペレーションBCにおいて復号化部24は、復調部23により復調された復号化前の制御情報から読み出される部分データを復号化する。このとき、復調部23により復調された制御情報の中から復号化部24が部分データを読み出すデータ長の単位は、1つのリソース単位で伝送できるデータ長と等しい。すなわち読み出される部分データは、1つのリソース単位で伝送できるデータ長の整数倍の長さを有する。
また復号化部24は、復調された制御情報の中から部分データの読み出す先頭位置を、予め定められた複数の読出先頭位置の候補のいずれかから選択する。読出先頭位置の候補同士の間隔は、1つのリソース単位で伝送できるデータ長に等しく、最初の読出先頭位置の候補は、復調された制御情報の先頭位置に等しい。
このように定められた読出先頭位置の候補を、図12に示す。参照符号33は、復調部23により復調された復号化前の制御情報を示す。制御情報33の下方に記載した複数の破線は、それぞれ読出先頭位置の候補を示す。読出先頭位置の候補にそれぞれ付した括弧書きの数字は、最初の読出先頭位置の候補から数えた各読出先頭位置の候補の順番を示す。隣接する破線間の間隔は、1つのリソース単位で伝送できるデータ長であり、復号化前の制御情報33から部分データを読み出すデータ長の単位に等しい。
言い換えれば、復号化部24が制御情報33から読み出す部分データの単位は、制御情報33を1つのリソース単位で伝送できるデータ長のブロックに分割したときの各ブロックとなる。また、復号化部24が制御情報33から部分データを読み出す各読出先頭位置の候補は、上記のブロックのそれぞれの先頭位置である。
オペレーションBCにおいて復号化部24は、制御情報33から、第i番目の読出先頭位置の候補から始まるブロックから第j番目の読出先頭位置の候補から始めるブロックまでを部分データとして読み出し、復号化する。
オペレーションBDにおいて判定部25は、オペレーションBCで復号化された制御情報の所定位置に、本通信装置20の識別子が格納されているか否かを判定する。復号化されたデータの部分が本通信装置20宛の制御情報と一致する場合には、復号化された制御情報には本通信装置20の識別子が含まれている(オペレーションBD:Y)。復号化された制御情報に本通信装置20の識別子が含まれているとき、処理はオペレーションBIへ移行する。
復号化されたデータの部分が、本通信装置20宛の制御情報と一致しない場合には、正常な復号ができないか、復号化された制御情報には他の通信装置の識別子が含まれている(オペレーションBD:N)。復号化された制御情報に本通信装置20の識別子が含まれていないとき、処理はオペレーションBEへ移行する。
オペレーションBEにおいて復号化部24は、変数jが、物理制御チャネルのマッピング用に指定される無線リソースに含まれるリソース単位の最大数であるか否かを判定する。変数jがリソース単位の最大数であるとき(オペレーションBE:Y)、処理はオペレーションBGへ移行する。変数jがリソース単位の最大数でないとき(オペレーションBE:N)、処理はオペレーションBFへ移行する。オペレーションBFにおいて復号化部24は、変数jの値を1つ増加して、処理をオペレーションBCへ戻す。
オペレーションBGにおいて復号化部24は、変数iが、物理制御チャネルのマッピング用に指定される無線リソースに含まれるリソース単位の最大数であるか否かを判定する。変数iがリソース単位の最大数であるとき(オペレーションBG:Y)、処理はオペレーションBJへ移行する。変数iがリソース単位の最大数でないとき(オペレーションBG:N)、処理はオペレーションBHへ移行する。オペレーションBHにおいて復号化部24は、変数iの値を1つ増加して、処理をオペレーションBBへ戻す。
オペレーションBCにて復号化された識別情報に本通信装置20の識別子が含まれているとき、オペレーションBIにおいて復号化部24は、復号化された制御情報を本通信装置20への制御情報として出力する。その後処理を終了する。
オペレーションBGにて変数iがリソース単位の最大数に至った場合は、復号化部24が、全ての読出先頭位置の候補及び読出データ長のバリエーションについて、試行し尽くしたことを意味する。オペレーションBJにおいて復号化部24は、受信した信号の中に本通信装置20への制御情報が含まれていないと判定し、その後処理を終了する。
本実施例によれば、図6を参照して説明した実施例の通信装置1から送信された制御情報が、本通信装置20を宛先とする制御情報であるか否かを判定することが可能となる。
以下、上述の無線リソースの割り当て方法を適用することにより、PDCCHへ無線リソースを割り当てる実施例を説明する。図13は、通信システムにおける構成例を示す図である。通信システム40は、例えばLTEが適用される通信システムである。
なお、以下に説明する通信システム40の態様は1つの実施例である。したがって、以下の説明は、通信システム40の態様を以下のものに限定することを意図するものではない。すなわち通信システム40は、LTE以外の通信方式を使用する通信システムであってよい。また、上記及び下記に説明する無線リソースの割り当て方法は、PDCCH以外のチャネルの割り当てのために使用されてもよい。
参照符号41はコアネットワークを示し、参照符号42はアクセスゲートウエイ(aGW:access GateWay)装置を示し、参照符号50は基地局(BTS: BaseTransceiver Station)装置を示し、参照符号100−1〜100−3は移動局(MS: Mobile Station)装置を示す。移動局装置100−1〜100−3を総称して、移動局装置100と表記することがある。通信システム40は、基地局装置50と複数の移動局装置100を備える。基地局装置50は、上位局と接続され、上位局はコアネットワーク41と接続される。上位局は、例えばアクセスゲートウエイ装置42であってよい。
図14は、図13に示す基地局装置の構成例を示す図である。参照符号51はハイウエイインタフェース(HWIF)を示し、参照符号52は情報組立/分解部を示し、参照符号53は符号化部を示し、参照符号54は変調部を示し、参照符号55はアンプを示す。参照符号56はアンテナを示し、参照符号57はフィルタを示し、参照符号58は復調部を示し、参照符号59は復号化部を示す。
基地局装置50は、ハイウエイインタフェース51と、情報組立/分解部52と、符号化部53と、変調部54と、アンプ55と、アンテナ56と、フィルタ57と、復調部58と、復号化部59を備える。
ハイウエイインタフェース51は、基地局装置50の上位局、例えばアクセスゲートウエイ装置42に接続される。基地局装置50から移動局装置100へ送信されるデータは、ハイウエイインタフェース51を介してアクセスゲートウエイ装置42から基地局装置50へ入力される。移動局装置100から基地局装置50へ送信されるデータは、ハイウエイインタフェース51を介して基地局装置50からアクセスゲートウエイ装置42へ出力される。
情報組立/分解部52は、基地局装置50と移動局装置100との間で送信されるユーザデータ及び制御情報のベースバンド信号の信号処理を行う。符号化部53は、情報組立/分解部52にて生成された下りリンクチャネル信号を符号化する。変調部54は、符号化部53により符号化された信号を変調し、OFDM信号を生成する。OFDM信号はアンプ55により増幅されアンテナ56から送信される。
フィルタ57は、アンテナ56により移動局装置100から受信した上りリンクチャネル信号の周波数帯域を制限する。復調部58は、フィルタ57により帯域制限された上りリンクチャネル信号を復調して、符号化が施されたデータを取り出す。復号化部59は、復調部58により取り出された符号化済データの復号化処理を行う。復号化されたベースバンド信号は情報組立/分解部52へ入力される。
図15は、図14に示す情報組立/分解部の構成例を示す図である。参照符号60はDCI組立部を示し、参照符号61は使用REG数算出部を示す。情報組立/分解部52は、DCI組立部60と使用REG数算出部61とを備える。その他、情報組立/分解部52は、主信号に関する信号処理や上りリンクチャネルにて受信した信号を処理するための機能を備えるが、簡単のため本明細書では説明を省略する。
DCI組立部60は、ダウンリンク制御情報を含んだDCIペイロードと、DCIフォーマット識別情報を入力する。DCI組立部60は、各DCIペイロードのDCIフォーマット識別情報に従って、チャネル毎にDCIペイロードを結合してDCI信号を組み立てる。DCI組立部60は、組み立てたDCI信号を符号化部53へ出力する。
使用REG数算出部61は、各チャネルのDCI信号を、符号化部53おいてどれ位の長さのデータへ符号化するかを決定する。なお、上記の表記法と同様に、符号化部53により符号化されたDCI信号を「符号化データ」と表記する。
使用REG数算出部61は、各チャネルの符号化データのデータ長として、このデータを伝送できるREG数を算出する。すなわち使用REG数算出部61は、各チャネルの符号化データの伝送のために割り当てるREG数を算出する。
使用REG数算出部61は、PDCCHのマッピング用に使用可能なREGの総数を、所定の規則に従って各チャネルの間で案分することによって、各チャネルの符号化データに割り当てるREG数を算出する。使用REG数算出部61は、特許請求の範囲の単位数決定部の一例として挙げられる。
PDCCHのマッピング用に使用可能なOFDMシンボルの数は、CFIの値によって指定される。以下に説明する実施例では、使用REG数算出部61は、DCI信号のビット数、CQI(Channel Quality Indicator)情報、HI(Hybrid ARQ Indicator)グループ数指示情報に基づいて、各チャネルの符号化データに割り当てるREG数を算出する。CQI情報は、基地局装置50から各移動局装置100への端末(チャネル)毎の無線信号チャネル品質情報であり、HIグループ数指示情報は、上りリンクにおいてHARQ制御を行うHIグループの数を示す。使用REG数算出部61によるREGの算出方法の例は、後に例示する。
使用REG数算出部61は、各チャネルについて算出したREG数を符号化部53へ出力する。符号化部53は、各チャネルのDCI信号を、使用REG数算出部61により指定されたREG数に相当するデータ長の符号化データへ、符号化する。
図16は、図14に示す変調部の構成例を示す図である。参照符号70はPDCCH信号組立部を示し、参照符号71及び75はスクランブラを示し、参照符号72及び76は直交変調器を示し、参照符号73はインタリーバを示し、参照符号74はサイクリックシフト部を示す。参照符号77はリソースエレメント(RE)マッピング部を示し、参照符号78は逆フーリエ変換部(IFFT)を示し、参照符号79はサイクリックプレフィクス(CP)挿入部を示す。
変調部54は、PDCCH信号組立部70と、スクランブラ71及び75と、直交変調器72及び76と、インタリーバ73と、サイクリックシフト部74を備える。また変調部54は、リソースエレメントマッピング部77と、逆フーリエ変換部78と、サイクリックプレフィクス挿入部79とを備える。直交変調器72及び76は、例えば位相偏移変調器や直交振幅変調器である。
スクランブラ71、直交変調器72、インタリーバ73及びサイクリックシフト部74による処理は、それぞれ図1を参照して説明したスクランブラ213、直交変調器214、インタリーバ215及びサイクリックシフト部216による処理と同様である。また、リソースエレメントマッピング部77及び逆フーリエ変換部78による処理は、それぞれリソースエレメントマッピング部217及び逆フーリエ変換部218による処理と同様である。またサイクリックプレフィクス挿入部79による処理は、サイクリックプレフィクス挿入部219による処理と同様である。
スクランブラ75は、符号化部53によって符号化された主信号をスクランブルする。直交変調器76は、スクランブルされた主信号を直交変調することにより、リソースエレメントへマッピングされる主信号のシンボルを生成する。直交変調器76により生成されたシンボルは、リソースエレメントマッピング部77によってリソースエレメントへマッピングされる。
PDCCH信号組立部70は、符号化部53により符号化されたDCI信号、すなわち符号化データを結合する。上記の表記法と同様に、符号化されたDCI信号をPDCCH信号組立部70が結合して生成されるデータを、「PDCCHデータ」と表記する。
PDCCH信号組立部70は、符号化データを結合してPDCCHデータを組み立てるとき、各チャネルの符号化データを連続的に連結する。このためPDCCH信号組立部70は、PDCCHデータ内に格納された符号化データの間にNILデータを挿入する必要はない。このため、NILデータがマッピングされるREGが低減され、無線リソースの利用効率の向上が図られる。PDCCH信号組立部70は、特許請求の範囲の連結部の一例として挙げられる。
次に、使用REG数算出部61によるREGの算出方法の一例を説明する。なお以下に説明する算出方法は、通信システム40にて使用可能なREG数の算出方法の例示である。以下の説明は、通信システム40に使用する算出方法を以下の態様に限定することを意図するものではなく、様々なREG数の算出方法が使用可能である。
図17及び図18は、下りリンク物理制御チャネルへ割り当てるREG数の決定方法の説明図である。別な実施の態様においては、下記のオペレーションCA〜CM及びDA〜DMの各オペレーションはステップであってもよい。
オペレーションCAにおいて使用REG数算出部61は、PDCCHのマッピングのために割り当てられるリソースブロック(RB)の総数を算出する。例えば、周波数リソースの帯域幅が「B」MHzであるとき、使用REG数算出部61は、リソースブロックの総数を、次式、(リソースブロックの総数)=(サブキャリア数)×B/12により算出する。例えば、周波数リソースの帯域幅BがB=5MHzであり、サブキャリア数が60の場合、リソースブロックの総数は、5×60/12=25個になる。
オペレーションCBにおいて使用REG数算出部61は、CFIの値が「1」であるか否かを判定する。CFIの値が「1」であるとき(オペレーションCB:Y)、使用REG数算出部61は処理をオペレーションCCへ移行する。CFIの値が「1」でないとき(オペレーションCB:N)、使用REG数算出部61は処理をオペレーションCDへ移行する。
オペレーションCCにおいて使用REG数算出部61は、PDCCHの伝送に使用されるOFDMシンボルに含まれるREGの総数を、次式、(REGの総数)=(リソースブロックの総数)×2によって算出する。その後使用REG数算出部61は、処理をオペレーションCGへ移行する。
オペレーションCDにおいて使用REG数算出部61は、CFIの値が「2」であるか否かを判定する。CFIの値が「2」であるとき(オペレーションCD:Y)、使用REG数算出部61は処理をオペレーションCEへ移行する。CFIの値が「2」でないとき(オペレーションCD:N)、使用REG数算出部61は処理をオペレーションCFへ移行する。
オペレーションCEにおいて使用REG数算出部61は、PDCCHの伝送に使用されるOFDMシンボルに含まれるREGの総数を、次式、(REGの総数)=(リソースブロックの総数)×5によって算出する。その後使用REG数算出部61は、処理をオペレーションCGへ移行する。
オペレーションCFにおいて使用REG数算出部61は、PDCCHの伝送に使用されるOFDMシンボルに含まれるREGの総数を、次式、(REGの総数)=(リソースブロックの総数)×8によって算出する。その後使用REG数算出部61は、処理をオペレーションCGへ移行する。
オペレーションCGにおいて使用REG数算出部61は、PDCCHのマッピングに割り当て可能な最大数である最大割当REG数を、次式、(最大REG数)=(REGの総数)−CFI×4−(HIグループの数)×3によって算出する。オペレーションCHにおいて使用REG数算出部61は、変数TotalBitに値「0」を代入する。
次に、使用REG数算出部61は、基地局装置50と各移動局装置100との間のPDCCHのそれぞれのチャネルiについて、オペレーションCI〜CLを含むループを実行する。
オペレーションCJにおいて使用REG数算出部61は、各チャネルiの符号化データのビット数Bitiに、各チャネルiのCQI情報の値Qiに応じた重み付け係数w(Qi)を乗じた重み付けビット数をチャネル毎に計算する。チャネルiの重み付けビット数WeightedBitiの値は、次式、WeightedBiti=roundup(Biti×w(Qi))によって与えられる。関数roundupは、小数点以下の桁を切り上げる関数である。各CQI値xに対してそれぞれ定めた重み付け係数w(x)を図19に示す。
図17を参照する。オペレーションCKにおいて使用REG数算出部61は、各チャネルiについて算出した重み付けビット数WeightedBitiを累積して、重み付けビット数の合計値TotalBitを算出する。オペレーションCI〜CLを含むループの実行を完了すると、使用REG数算出部61は処理をオペレーションCMへ移行する。
オペレーションCMにおいて使用REG数算出部61は、合計値TotalBitに相当する長さのデータを伝送するのに必要なREG数である所要REG数を、次式、所要REG数 =roundup(TotalBit/(4×m))により算出する。ここで定数mは、直交復調部72における多値変調において1複素シンボルにて表現可能なビット数である。例えば直交復調部72がQPSK(4位相偏移変調:quadrature phase shift keying)を行う場合にはm=4であり、所要REG数の値は、所要REG数=roundup(TotalBit/8)により算出される。
オペレーションDAにおいて使用REG数算出部61は、変数「割当済みREG数」に値「0」を代入する。次に、使用REG数算出部61は、各チャネルiについて、オペレーションDB〜DEを含むループを実行する。
オペレーションDCにおいて使用REG数算出部61は、次式(1)によって、各チャネルの符号化データに割り当てられるREG数AllocatedREGiの値を、仮に決定する。なお、式(1)において関数rounddownは、小数点以下の桁を切り上げる関数である。
AllocatedREGi=rounddown(最大割当REG数/所要REG数×WeightedBiti/8) (1)
ここで割合(最大割当REG数/所要REG数)は、重み付けビット数WeightedBitiの合計値に相当する長さのデータを伝送するのに必要な所要REG数に対する、実際にPDCCHに割り当て可能なREG数の最大値の比である。したがって、上式(1)は、割合(最大割当REG数/所要REG数)に各チャネルiの符号化データの重み付けビット数を乗じることによって、最大割当REG数を符号化データの重み付けビット数の比率に応じて案分したREG数を算出する。
このように、回線品質Qiによって重み付けしたビット数WeightedBitiに応じてREG数を案分することにより、回線品質のより悪いチャネルを伝送する制御情報の符号化率を低下させることが可能となる。符号化率を低下させることにより制御情報の受信成功率を向上させることが可能となる。
オペレーションDDにおいて使用REG数算出部61は、各チャネルiについて算出したAllocatedREGiを累積して、割当済みREG数を算出する。
オペレーションDB〜DEを含むループの実行を完了すると、使用REG数算出部61は処理をオペレーションDFへ移行する。使用REG数算出部61は、各チャネルiについて、オペレーションDF〜DMを含むループを実行する。オペレーションDF〜DMを含むループにおいて、使用REG数算出部61は、最大割当REG数と割当済みREG数が等しくなるように、各チャネルiに割り当てるREG数を調整する。
オペレーションDGにおいて使用REG数算出部61は、最大割当REG数が割当済みREG数よりも大きいか否かを判定する。最大割当REG数が割当済みREG数よりも大きいとき(オペレーションDG:Y)、使用REG数算出部61は処理をオペレーションDHへ移行する。最大割当REG数が割当済みREG数よりも大きくないとき(オペレーションDG:N)、使用REG数算出部61は処理をオペレーションDJへ移行する。
オペレーションDHにおいて使用REG数算出部61は、チャネルiの符号化データに割り当てられるREG数AllocatedREGiを、1だけ増加する。オペレーションDIにおいて使用REG数算出部61は、割当済みREG数を1だけ減少させる。その後、使用REG数算出部61は処理をオペレーションDFへ戻す。
オペレーションDJにおいて使用REG数算出部61は、最大割当REG数が割当済みREG数よりも小さいか否かを判定する。最大割当REG数が割当済みREG数よりも小さいとき(オペレーションDJ:Y)、使用REG数算出部61は処理をオペレーションDKへ移行する。
オペレーションDKにおいて使用REG数算出部61は、チャネルiの符号化データに割り当てられるREG数AllocatedREGiを、1だけ減少する。オペレーションDLにおいて使用REG数算出部61は、割当済みREG数を1だけ増加させる。その後、使用REG数算出部61は処理をオペレーションDFへ戻す。
オペレーションDJの判断において、最大割当REG数が割当済みREG数よりも小さくないとき(オペレーションDJ:N)、割当済みREG数が最大割当REG数に等しくなったので、使用REG数算出部61はループを脱出して処理を終了する。
図20は、割り当てられるREG数の計算結果を示す図である。本計算例において、周波数リソースの帯域幅を5MHz、CFI=1、HIグループの数を5と仮定した。このため、最大割当REG数の計算値は31となる。
また本計算例において、各グループi(i=0〜4)のCQI値Qiの値は、それぞれ、5、8、2、15及び0であると仮定した。また本計算例において、各グループi(i=0〜4)の符号化データのビット数Bitiの値は、それぞれ、25、20、13、12及び15であると仮定した。図19に示した重み付け係数を使用することにより、各チャネルiの重み付けビット数WeightedBitiの計算値は、それぞれ75、54、43、24及び53となる。従って、重み付けビット数の合計値TotalBitの計算値は249となり、所要REG数の値は32となった。
オペレーションDF〜DMを含むループによるREG数の調整前における、各チャネルiへのREGの割り当て数AllocatedREGiの計算値は、それぞれ、9、6、5、2及び6となる。このとき割り当てられた割当済みREG数の値は、28であり、最大割当REG数31よりも3つ小さい。
オペレーションDF〜DMを含むループによるREG数の調整により、チャネル0、1及び2に割り当てるREG数を1つずつ増加する。したがって、各チャネルiへのREGの割り当てられるREG数AllocatedREGiは、それぞれ、10、7、6、2及び6となる。
次に、図21A〜図21G、図22A及び図22Bを参照して、図14の基地局装置50においてPDCCHの制御情報がリソースエレメントに割り当てられる流れを説明する。図21A及び図21Bは、それぞれ図15に示すDCI組立部60に入力されるDCIペイロードを示す。参照符号80〜82は各々第1のDCIフォーマットで生成された異なる3つのDCIペイロードを示し、参照符号83〜85は各々第2のDCIフォーマットで生成されたDCIペイロードを示す。図21Cは、DCI組立部60がDCIペイロード80〜82を結合して組み立てたDCI信号を示す。また図21Dは、DCI組立部60がDCIペイロード83〜85を結合して組み立てたDCI信号を示す。
図21Eは、図14に示す符号化部53が図21CのDCI信号を符号化することにより生成された符号化データ86を示す。図21Fは、符号化部53が図21DのDCI信号を符号化することにより生成された符号化データ87を示す。符号化部53は、図15に示す使用REG数算出部61により決定されたREG数に相当するデータ長の符号化データ86及び87へ、DCI信号を符号化する。このため、符号化データ86と87とを加えたデータの長さは、PDCCHのマッピングのために割り当てられるREGの合計に相当するデータ長となる。
図21Gは、図16に示すPDCCH信号組立部70によって符号化データ86及び87から組み立てられたPDCCHデータを示す。PDCCH信号組立部70は、符号化データ86及び87を連続的に連結してPDCCHデータを組み立てる。このため、PDCCH信号組立部70は、PDCCHデータに格納される符号化データ86と87との間にNILデータを挿入しない。
また、符号化データ86と87とを加えたデータの長さは、PDCCHのマッピングのために割り当てられるREGの合計に相当するデータ長と同一であるため、PDCCH信号組立部70は、PDCCHデータにNILデータを挿入しない。
図22Aは、図21Gに示すPDCCHデータを、図16に示すスクランブラ71、直交変調器72、インタリーバ73及びサイクリックシフト部74が処理した後のデータを示す。データを表す各矩形内に記載された「PDCCH−a」又は「PDCCH−b」の表示は、それぞれデータが、それぞれ符号化データ86及び87に含まれていた情報を示すデータであることを示す。元のPDCCHデータにNILデータが含まれていないため、図22Aに示すデータもNILデータを含まない。
図22Bは、図22Aのデータを、リソースエレメントマッピング部77が、各リソースエレメントにマッピングした状態を示す。図22Bに示すように、どのリソースエレメントにもNILデータがマッピングされていない。
本実施例によれば、PDCCHのマッピングのために用意された全てのREGが、各チャネルへ案分されてマッピングのために使用されるため、無線リソースの利用効率の向上が達成される。本実施例によれば、無線リソースの利用効率の向上により、PDCCHの符号化率を下げることが可能となるため、制御情報の受信成功率を向上させることが可能となる。
また本実施例によれば、PDCCHデータに格納される符号化データ86と87との間に、NILデータを挿入する隙間が発生しないので、データがマッピングされない無線リソースが発生することを防止することができる。
次に、図13に示す移動局装置によるPDCCHの制御情報の受信動作について説明する。図23は、図13に示す移動局装置の構成例を示す図である。参照符号101は情報組立/分解部を示し、参照符号102は符号化部を示し、参照符号103は変調部を示し、参照符号104はアンプを示し、参照符号105はアンテナを示す。参照符号106はフィルタを示し、参照符号107は復調部を示し、参照符号108は復号化部を示し、参照符号109は判定部を示す。
移動局装置100は、情報組立/分解部101と、符号化部102と、変調部103と、アンプ104と、アンテナ105と、フィルタ106と、復調部107と、復号化部108と、判定部109を備える。判定部109は、復号化部108の機能の一部であってよく、復号化部108とは別の構成要素であってもよい。
情報組立/分解部101は、基地局装置50と移動局装置100との間で送信されるユーザデータ及び制御情報のベースバンド信号の信号処理を行う。符号化部102は、情報組立/分解部101にて生成された上りリンクチャネル信号を符号化する。変調部103は、符号化部102により符号化された信号を変調し無線周波数信号を生成する。無線周波数信号はアンプ104により増幅されアンテナ105から送信される。
フィルタ106は、アンテナ105により基地局装置50から受信した上りリンクチャネルのOFDM信号の周波数帯域を制限する。復調部107は、フィルタ106により帯域制限されたOFDM信号を復調して、符号化が施されたデータを取り出す。復号化部108は、復調部107により取り出された符号化済データの復号化処理を行う。復号化されたベースバンド信号は情報組立/分解部101へ入力される。
復調部107は、OFDM信号を復調することにより、図16に示す基地局装置50のPDCCH信号組立部70が組み立てたPDCCHデータを再生する。復号化部108は、復調部107が復調したPDCCHデータに復号化処理を施すことにより、符号化前のDCI信号を再生する。判定部109は、受信信号に本移動局装置100宛のDCI信号が含まれているか否かを判定する。
以下、判定部109が、受信信号に本移動局装置100宛のDCI信号が含まれているか否かを判定する判定処理の一例を説明する。DCI信号がどの移動局宛の信号であるかを判定するために、DCI信号は、送信先の通信装置の識別子を含んでいてよい。
図24は、図13に示す移動局装置へ送信されるDCI信号のフォーマットの説明図である。図24は、符号化される前の状態のDCI信号を示す。例えばDCI信号は、図21Aを参照して説明したDCIペイロード80〜82を含む。またDCI信号は、所定の位置に、DCI信号の送信先の通信装置の識別子110を含む。
復号化部108は、復調部107から出力される復号化前のPDCCHデータの中の異なる位置から始まる及び異なる長さの部分データをそれぞれ読み出す。このとき復号化部108は、データを読み出す先頭位置及びデータ長を変化させて部分データを読み出すことにより、復号化前のPDCCHデータの中の異なる位置及び異なる長さの部分データをそれぞれ読み出す。判定部109は、それぞれの部分データを復号化部108によって復号化することにより得られるDCI信号に、移動局装置100の識別子が含まれているか否かを判定する。
図25は、図13に示す移動局装置による復号化処理の説明図である。図11のオペレーションEA〜EJの各オペレーションはステップであってもよい。オペレーションEA及びEBにおいて復号化部108は、変数iに値「1」を、変数jに変数iの値を代入する。
オペレーションECにおいて復号化部108は、復調部107により復調されたPDCCHデータから読み出される部分データを復号化する。復号化部108がPDCCHデータから部分データを読み出すデータ長の単位は、1つのREGで伝送できるデータ長と等しい。すなわち読み出される部分データは、1つのREGで伝送できるデータ長の整数倍の長さを有する。
また復号化部108は、PDCCHデータの中から部分データの読み出す先頭位置を、予め定められた複数の読出先頭位置の候補のいずれかから選択する。読出先頭位置の候補同士の間隔は、1つのREGで伝送できるデータ長に等しく、最初の読出先頭位置の候補は、PDCCHデータの先頭位置に等しい。
このように定められた読出先頭位置の候補を、図26に示す。参照符号124は、PDCCHデータを示す。PDCCHデータ124の下方に記載した複数の破線は、それぞれ読出先頭位置の候補を示す。読出先頭位置の候補にそれぞれ付した括弧書きの数字は、最初の読出先頭位置の候補から数えた各読出先頭位置の候補の順番を示す。隣接する破線間の間隔は、1つのREGで伝送できるデータ長であり、PDCCHデータ124から部分データを読み出すデータ長の単位に等しい。
言い換えれば、復号化部108がPDCCHデータ124から読み出す部分データの単位は、PDCCHデータ124を1つのREG単位で伝送できるデータ長のブロックに分割したときの各ブロックとなる。また、復号化部108がPDCCHデータ124から部分データを読み出す各読出先頭位置の候補は、上記のブロックのそれぞれの先頭位置である。
オペレーションECにおいて復号化部108は、PDCCHデータ124から、第i番目の読出先頭位置の候補から始まるブロックから第j番目の読出先頭位置の候補から始めるブロックまでを部分データとして読み出し、復号化する。
オペレーションEDにおいて判定部109は、オペレーションECで復号化されたDCI信号の所定位置に、本移動局装置100の識別子が格納されているか否かを判定する。復号化されたデータの部分が本移動局装置100宛の符号化データと一致する場合には、復号化されたDCI信号には本移動局装置100の識別子が含まれている(オペレーションED:Y)。復号化されたDCI信号に本通信装置100の識別子が含まれているとき、処理はオペレーションEIへ移行する。
復号化されたデータの部分が、本移動局装置100宛の符号化データと一致しない場合には、正常な復号ができないか、復号化されたDCI信号には他の移動局装置の識別子が含まれている(オペレーションED:N)。復号化されたDCI信号に本移動局装置100の識別子が含まれていないとき、処理はオペレーションEEへ移行する。
オペレーションEEにおいて復号化部108は、変数jが、PDCCHのマッピング用に割り当て可能なREGの最大数であるか否かを判定する。変数jがREGの最大数であるとき(オペレーションEE:Y)、処理はオペレーションEGへ移行する。変数jがREGの最大数でないとき(オペレーションEE:N)、処理はオペレーションEFへ移行する。オペレーションEFにおいて復号化部108は、変数jの値を1つ増加して、処理をオペレーションECへ戻す。
オペレーションEGにおいて復号化部108は、変数iが、PDCCHのマッピング用に割り当て可能なREGの最大数であるか否かを判定する。変数iがREGの最大数であるとき(オペレーションEG:Y)、処理はオペレーションEJへ移行する。変数iがREGの最大数でないとき(オペレーションEG:N)、処理はオペレーションEHへ移行する。オペレーションEHにおいて復号化部108は、変数iの値を1つ増加して、処理をオペレーションEBへ戻す。
オペレーションECにて復号化されたDCI信号に本移動局装置100の識別子が含まれているとき、オペレーションEIにおいて復号化部108は、復号化されたDCI信号を本移動局装置100宛のDCI信号として出力する。その後処理を終了する。
オペレーションEGにて変数iがREGの最大数に至った場合は、オペレーションEJにおいて復号化部108は、受信した信号の中に本移動局装置100へのDCI信号が含まれていないと判定し、その後処理を終了する。
図26を参照して、復号化部108及び判定部109によるPDCCHデータ124の復号化処理について説明する。PDCCHデータ124は、本移動局装置100宛の符号化データ122と、他の移動局装置宛の符号化データ121及び123を含む。以下、説明の便宜のためPDCCHデータ124の第i番目の読出先頭位置の候補から始まる1つのブロックを、第i番目のブロックと記載する(i=1〜11)。
まず、復号化部108は、第1番目のブロックから第i番目(i=2〜11)のブロックまでを読み出した各部分データを、それぞれ復号化する。これらの部分データは、本移動局装置100宛の符号化データと一致しない。このため復号化の結果得られた信号の所定位置には、本移動局装置100の識別子は現れない。このため復号化部108は、部分データを読み出す先頭位置を第1番目のブロックから第2番目のブロックへ変更する。
次に、復号化部108は、第2番目のブロックから第i番目(i=3〜11)のブロックまでを読み出した各部分データを、それぞれ復号化する。この場合も復号化の結果得られた信号の所定位置に、本移動局装置100の識別子は現れない。復号化部108は、部分データを読み出す先頭位置を第2番目のブロックから第3番目のブロックへ変更する。
復号化部108は、第3番目のブロックから始める部分データを、データ長を変えながら読み出しそれぞれ復号化する。復号化部108が、第3番目のブロックから始まり第9番目のブロックで終わる部分データを復号化したとき、符号化の結果得られた信号の所定位置に、本移動局装置100の識別子が現れる。復号化部108は、この復号化によって得られたDCI信号を出力する。
本実施例によれば、図14の基地局装置50からPDCCHを介して送信されたDCI信号が、本移動局装置100を宛先とするDCI信号であるか否かを判定することが可能となる。
ここに記載されている全ての例及び条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものであり、具体的に記載されている上記の例及び条件、並びに本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく解釈されるべきものである。本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。