JP5422733B2 - 陽極刺激の検出と回避のシステム - Google Patents

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Description

本発明は、主に心臓ペーシング療法、より具体的には陽極刺激を検出するとともに前記陽極刺激を軽減することによって高度心臓再同期療法を提供する方法とシステムに関する。
健康な心臓は、規則的な同期収縮を生じさせる。心臓の律動収縮は、通常は洞房(SA)結節によって始動される。洞房結節は、上右心房に位置する特異性細胞の一群である。洞房結節は、一般に1分当り60〜100の心拍を起こす正規の心臓ペースメーカである。洞房結節が、心臓を正常にペーシングしている場合、心臓は、正常な洞律動にあると考えられる。
心不整脈は、心律動が不規則な場合か、心拍数が遅すぎるか早すぎる場合に生じる。不整脈症状の発現中、心臓のポンプ作用が、損なわれ得るので、末梢組織への血流が、不十分になり得る。心不整脈は、心筋梗塞、感染症による組織損傷、または収縮を調整する電気インパルスを生成または同期する心臓能力の劣化を含む、いくつかの病因源を有する。徐脈性不整脈は、心臓律動が遅すぎる場合に生じる。この状態は、たとえば洞不全症候群といわれる洞房結節の機能障害、または心房と心室間の電気インパルスの伝播遅延か阻害に起因し得る。徐脈性不整脈は、適切な循環を維持するのに遅すぎる心拍を生じさせる。頻脈性不整脈は、心拍が速すぎる場合に起こる。頻脈性不整脈は、心房か心室のいずれかを起源とし得る。たとえば心臓の心房で生じる頻脈性不整脈には、心房細動および心房粗動が含まれる。両状態は、心房の急速な収縮を特徴とする。血液動態学的に非効率であることに加えて、心房の急速な収縮は、心拍数にも有害な影響を及ぼし得る。
心室性頻脈性不整脈は、電気的活動が、正常な洞律動よりも速い速度で心室心筋において生じる場合に起こる。心室性頻脈性不整脈は、すぐに心室細動へと暗転し得る。心室細動は、心室組織内の極めて速い非協調性電気的活動によって示される状態である。心室組織の急速で異常な興奮は、同期収縮を阻むとともに身体に血液を効率的に送出す心臓の能力を損なう。これは、心臓が数分以内に洞律動に復帰しない限り、致死的状態である。
植込心律動管理(CRM)システムは、重篤な不整脈患者の有効な治療として用いられてきた。心律動管理システムは、比較的高エネルギの電気ショックを心臓に送達することによって、頻脈性不整脈を終結させるように動作するか、相対的に低いエネルギの電気パルスを一つあるいは複数の心腔に送達することによって、心腔を血液動態学的に十分な心拍数で収縮させるように動作するかのうちの少なくとも一方である。
ペーシング療法は、心不全患者の心拍出量の改善にも用いられている。心不全は、たとえば心臓同期不全とポンプ作用の低下につながる脚ブロックの心室内障害と心室内伝導障害のうちの少なくとも一方に関連することが多い。心不全を治療すべく、心律動管理システムは、心房と心室のうちの少なくとも一方をより協調的に収縮させる時限ペースパルスを送達する。ペースパルスは、ポンプ効率と心拍出量において最適な改善を得るべく、特定の間隔で心腔に送達される。心臓再同期ペーシングは、特定の房室遅延後に両心室をペーシングすることを含み得る。心室ペースは、プログラム可能オフセットによって同時か個別に送達され得る。
米国特許第7,123,960号明細書 米国特許出願公開第2009/0043351号明細書 米国特許出願公開第2009/0043352号明細書 米国特許第6,221,011号明細書 米国特許第6,270,457号明細書 米国特許第6,277,072号明細書 米国特許第6,280,380号明細書 米国特許第6,312,378号明細書 米国特許第6,336,903号明細書 米国特許第6,358,203号明細書 米国特許第6,368,284号明細書 米国特許第6,398,728号明細書 米国特許第6,440,066号明細書
本発明は、心室の陽極刺激を検出することを対象とする。本発明の特定の実施形態は、左心室のペーシング時の右心室の陽極刺激を検出することと、右心室の望ましくない陽極刺激を改善することとを対象とする。
様々な実施形態にしたがって、心律動管理システムは、少なくとも1つの拡張双極構成と、前記拡張双極構成とは異なる少なくとも1つの別の双極または単極構成とで構成される、左心室電極と右心室電極とを備える植込リードシステムを含む。左心室電極は、拡張双極構成の陰極を規定し、右心室電極は、拡張双極構成の陽極を規定する。エネルギ送達回路系と検知回路系は、それぞれリードシステムに結合される。コントローラは、検知回路系とエネルギ送達回路系に結合される。コントローラは、心臓の電気的活動を検知するとともに、非ゼロ心室内遅延(IVD)を含むプログラムペーシングパラメータにしたがって心臓に心臓再同期療法(CRT)を送達するプログラム命令を実行するように構成される。コントローラは、拡張双極構成の陰極を規定する左心室電極にペースパルスを送達するように構成される。検出器は、検知回路系とコントローラに結合される。検出器は、ペースパルスに対する応答を検知するとともに、検知した前記応答に基づき右心室の陽極刺激を検出するように構成される。
コントローラは、右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、現拡張双極ペースベクトルから別の双極または単極ペースベクトルに選択的に切換えるように構成される。別のペースベクトルは、現拡張双極ペースベクトルに対して構成が異なるペーシングベクトルであることが好ましく、少なくとも1つの左心室ペース電極を含み、さらに拡張双極ペースベクトル、左心室単独双極ペースベクトル、または少なくとも1つの左心室電極と、たとえば別のリード電極か皮下電極(たとえば活性缶電極または缶の中性電極)などの一つあるいは複数の他の陰極電極を含む単極または双極ペースベクトルであり得る。様々な実施形態において、コントローラは、現拡張双極ペースベクトルから、右心室電極を除外するとともに少なくとも1つの左心室電極を含む別の双極または単極ペースベクトルに切換えるように構成される。いくつかの実装にしたがって、コントローラは、右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、さらなる陽極電極を右心室電極と一緒に作動させることなく、現拡張双極ペースベクトルから別の双極または単極ペースベクトルに選択的に切換えるように構成される。
いくつかの実施形態において、現拡張双極ペースベクトルの陽極は、単一右心室リング電極を含み、現拡張双極ペースベクトルの陰極は、左心室リング電極か左心室チップ電極
のうちの少なくとも1つを含む。他の実施形態において、リードシステムは、多様な左心室リング電極を含む多重極左心室リードを備える。多重極左心室リードの電極のうちの少なくとも1つは、現拡張双極ペースベクトルの陰極を規定し、現拡張双極ペースベクトルの陽極は、単一右心室リング電極を含む。
コントローラは、現拡張双極ペースベクトルから、少なくとも1つの左心室ペーシング電極を備える別の双極または単極ペースベクトルに切換えるように構成され得る。コントローラは、現拡張双極ペースベクトルから、少なくとも2つの左心室ペーシング電極を備える別の双極または単極ペースベクトルに切換えるように構成され得る。コントローラは、現拡張双極ペースベクトルから、現拡張双極構成とは異なる拡張双極ペーシング電極構成を含むとともに、少なくとも1つの左心室ペーシング電極を備える別のペースベクトルに切換えるように構成され得る。コントローラは、さらなる陽極電極を右心室電極と一緒に作動させることなく、現拡張双極ペースベクトルから別の拡張双極ペースベクトルに切換えるように構成され得る。
他の実施形態にしたがって、本発明の方法は、少なくとも1つの拡張双極電極構成と、前記拡張双極電極構成とは異なる、少なくとも1つの別の双極または単極電極構成とを用いて、非ゼロ心室内遅延(IVD)を含むプログラムペーシングパラメータにしたがって心臓に心臓再同期療法(CRT)を選択的に送達することを含む。拡張双極電極構成は、拡張双極電極構成の陰極を規定する少なくとも1つの左心室電極と、拡張双極電極構成の陽極を規定する右心室電極を含む。方法はさらに、ペースパルスを左心室電極に送達することと、ペースパルスに対する応答を検知することと、検知した前記応答に基づき右心室の陽極刺激を検出することとを含む。方法は、右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、現拡張双極ペースベクトルから別の双極または単極ペースベクトルに切換えることを含む。代表的な方法実施形態は、現拡張双極ペースベクトルから、右心室電極を除外するとともに少なくとも1つの左心室電極を含む別の単極ペースベクトルへの切換えを伴う方法を含む。いくつかの実装にしたがって、方法は、右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、さらなる陽極電極を右心室電極と一緒に作動させることなく現拡張双極ペースベクトルから別の双極または単極ペースベクトルに選択的に切換えることを含む。
いくつかの方法実施形態において、現拡張双極ペース構成の陽極は、単一右心室リング電極を備え、現拡張双極ペース構成の陰極は、少なくとも1つの左心室ペース電極を備え、別の双極または単極ペース構成は、少なくとも1つの左心室ペース電極を備える。他の方法実施形態において、現拡張双極ペースベクトルから別のペースベクトルへの切換えは、現拡張双極ペースベクトルとは異なるとともに少なくとも1つの左心室ペース電極を備える別の拡張双極ペースベクトルに切換えることを含む。さらに別の方法実施形態において、現拡張双極ペースベクトルから別のペースベクトルへの切換えは、さらなる陽極電極を単一右心室電極と一緒に作動させることなく、別の拡張単極ペースベクトルに切換えることを含む。
本発明の上記の概要は、本発明のそれぞれの実施形態または全ての実装を説明するように意図されていない。本発明をより完全に理解するとともに利点と功績は、以下の詳細な説明と特許請求の範囲を添付図面と併せて参照することによって、明白になるとともに理解されるだろう。
本発明の実施形態にしたがって陽極刺激を検出するとともに陽極刺激を軽減する手法を例示するフローチャート。 本発明の実施形態にしたがって拡張双極構成を有する、心臓内に植込まれるリードシステム。 本発明の実施形態にしたがって陽極刺激を検出するとともに陽極刺激を軽減する手法を例示するフローチャート。 本発明の実施形態にしたがってタイミング間隔に基づく方法を用いることによって、陽極刺激を検出する手法を例示するフローチャートである。 陽極刺激の不在下で左心室ペースと右心室センス間のタイミング関係。 陽極刺激による左心室ペースの送達後の右心室センスの非存在。 本発明の実施形態にしたがって誘発応答形態に基づく方法を用いることによって陽極刺激を検出する手法を例示するフローチャート。 本発明の実施形態にしたがって陽極刺激の検出を用いる右心室捕捉検証試験を実行する手法を例示するフローチャート。 本発明の実施形態にしたがって陽極刺激の検出を用いる左心室捕捉閾値試験を実行する手法を例示するフローチャート。 本発明の実施形態にしたがって様々な治療を心臓に送達し、さらに陽極刺激を検出および軽減するのに用いられ得る心律動管理装置の実施形態。 本発明の実施形態にしたがって心臓再同期療法を高めるとともに、陽極刺激を軽減すべく選択され得る多重極左心室リードと様々なペーシング電極の組合せを例示する、図8において示される領域Aの組立て分解図。 本発明の実施形態にしたがって心臓再同期療法を送達し、さらに陽極刺激を検出および軽減すべく、メモリに保存されたプログラム命令を実行するように構成されたシステムのブロック線図。
本発明は、様々な改変および別の形態を受け入れるが、その詳細は、図面において例として示されているとともに、下方で詳細に記載されることになる。しかし、当然のことながら、記載される特定の実施形態に本発明を限定することを意図しない。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲内にあるすべての改変、等価物、および代替物を含むように意図される。
例示実施形態の以下の説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照し、さらに本発明が実践され得る様々な実施形態が例として示される。当然のことながら、他の実施形態を用い得るとともに、本発明の範囲から逸脱しなければ、構造的および機能的変更を行い得る。
本発明にしたがうシステム、装置または方法は、本明細書において下述される特徴、構造、方法、またはその組合せのうちの一つあるいは複数を含み得る。たとえば装置またはシステムは、下述される有益な特徴とプロセスのうちの少なくとも一方の一つあるいは複数を含むように実装され得る。そのような装置またはシステムは、本明細書において記載される特徴の全てを含む必要はないが、有用な構造と機能のうちの少なくとも一方を提供する選択された特徴を含むべく実装され得るように意図される。そのような装置またはシステムは、様々な治療的または診断的機能を提供するように実装され得る。
心臓における機械的収縮は、心臓組織を通じて伝わる電気的脱分極波によって惹起される。健常心臓において、それぞれの心臓周期の脱分極波は、洞房結節で始動され、AV結節、ヒス束、左脚と右脚、およびプルキンエ(Purkinje)線維を通じて伝わることによって、心室を収縮させる。年齢、疾病、心筋梗塞による損傷、および他の劣化のうちの少なくとも1つのため、脱分極波面の伝導にかかわる経路と組織のうちの少なくとも一方が、損なわれ得る。
ペースメーカは、患者の代謝要求を満たす十分な同期性と速度で心腔の収縮を生じさせるべく、電気ペースパルスを心臓に送達する。ペーシング療法は、心臓周期中の様々な事
象間でタイミング間隔を実行することを含む。タイミング間隔は、心腔収縮の速度と心腔収縮間の同期性のうちの少なくとも一方の制御に用いられ得る。たとえば固有の心拍数が遅すぎる患者では、ペーシングは、患者の代謝要求量を満たす血流を提供する十分な速度で心臓が収縮するのを支援する。心不全(HF)患者では、心臓ペーシングは、心腔の収縮が、心機能を改善する時限シーケンスで生じることを保証すべく用いられ得る。
ペースメーカは、一般に心筋と電気的に接触するように配置されるとともに、心臓周期中の心脱分極信号の検知と時限シーケンスでの心臓ペースパルスの送達のうちの少なくとも一方を行うように構成される心腔内電極を含む。たとえば心臓周期中、ペーシング補充収縮期間(ペーシング遅延)は、右心房事象か左心房事象と、右心室ペースか左心室ペースとの間(AVD)と、1つの心腔内の心室事象と、反対側か対側の心腔内の心室事象との間(V−V遅延とも称される心室内遅延か非ゼロ心室内遅延)のうちの少なくとも一方の間で規定され得る。両心房検知機能とペーシング機能のうちの少なくとも一方を有する適用において、ペーシング遅延は、1つの心腔内の心房事象と、反対側の心腔内の心房事象との間(IAD)で規定され得る。ペーシング遅延のうちの一つあるいは複数は、心臓のポンプ作用を増強すべく所定値に調整され得る。たとえば心臓再同期ペーシングにおいて、AVDと非ゼロ心室内遅延とIADのうちの少なくとも1つの設定は、血液動態学的機能に及ぼす有意な影響力を有することが可能である。これらのペーシング補充収縮期間は、左と右の心腔脱分極間の融合促進と心室前負荷の増強のうちの少なくとも一方を行うように設定され得る。
たとえばAVDと非ゼロ心室内遅延のうちの少なくとも一方の最適ペーシング間隔を決定することは、患者が安静時にあるか、特定の心拍数である間の固有伝導データの測定を含み得る。最適ペーシング補充収縮期間を決定する技法は、特許文献1に記載され、これは、本明細書において参照文献によってその全体が盛り込まれている。これらの技法と、とくに非ゼロ心室内遅延の調整を含む他の技法は、陽極刺激の好ましくない作用によって悪影響を受け得る。一般に心臓再同期療法(CRT)と他の心律動管理装置によって実行される、たとえば捕捉検証などの様々な種類の他のプロセスは、陽極刺激の好ましくない作用によっても悪影響を受け得る。
陽極刺激は、たとえば拡張双極ペーシング構成などの特定の双極ペーシング構成を用いて心臓をペーシングする場合に生じ得る予想外の電気生理学的現象である。拡張双極ペーシング構成の実施例は、典型的な右心室徐脈リング電極のような1つの心腔(一般に右心室)内に相対的に小さな陽極電極を組み入れるリードシステムである。たとえばICD(植込徐細動器)などのいくつかの装置において、これは、植込徐細動器電極が、専用の双極リードである場合に生じ得る。なぜなら、拡張双極は、右心室リング(右心室コイル(Coil)ではなく)に対してペーシングするか、植込徐細動器リードが存在しない真の徐脈構成でペーシングするからである。陽極刺激は、たとえば左心室双極ペーシングまたは右心室双極ペーシング中に他の双極ペーシング出力構成を用いてペーシングする場合に生じ得る。
左心室自動捕捉閾値(LVAT)試験を伴う前臨床試験の期間中に、とくに拡張双極ステップダウン電圧試験中にペース振幅が上昇した間の陽極刺激は、問題になり得ることが認められた。陽極刺激は、任意のプログラム非ゼロ心室内遅延を効果的にネゲートするので、装置アルゴリズムの観点からと患者の血液学的観点から問題であり得る。たとえば医師が、非ゼロ心室内遅延をプログラムするとき、プログラム非ゼロ心室内遅延が、右心室と左心室間の捕捉間の真の遅延であり得ることが、予想される。陽極刺激は、この右心室捕捉と左心室捕捉間の予測遅延をネゲートする。
本発明の実施形態は、心室の陽極刺激の検出を対象とする。様々な実施形態は、左心室
をペーシングする場合の右心室の陽極刺激を検出することを対象とする。本発明の実施形態は、非ゼロの非ゼロ心室内遅延タイミングを用いるペーシング療法に特定の有用性を見出す。様々な実施形態は、右心室と左心室をプログラム非ゼロ心室内遅延でペーシングする場合の右心室の陽極刺激の検出を対象とする。たとえば実施形態は、単一心室腔ペーシング(たとえば本明細書において左心室単独ペーシングと称される左心室単独ペーシング)と、両心室捕捉(右心室と左心室捕捉)と単一心室捕捉(左心室捕捉)間を識別することによる心室陽極刺激(たとえば右心室(RV)陽極刺激)の検出を対象とする。
本発明の実施形態は、たとえば右心室と左心室をプログラム非ゼロ心室内遅延でペーシングする場合の右心室の陽極刺激などの心室の陽極刺激を軽減または除去することを対象とする。一つあるいは複数のペーシングパラメータの変調と一つあるいは複数の別のペーシングベクトルの選択(自動的または手動的)のうちの少なくとも一方を含む、心室の陽極刺激を軽減または除去する様々な方法が、検討される。実施形態によっては、陽極刺激について非ゼロ心室内遅延と、左心室電位図と右心室電位図のうちの少なくとも一方とを評価する自動的ベクトル選択アルゴリズムが、実装され得る。実施形態は、検出陽極刺激に対処すべく、患者の医師に警告することか、ペーシング構成(たとえばペーシングパラメータとペーシングベクトルのうちの少なくとも一方)を再プログラミングすることを対象とし得る。陽極刺激の検出、軽減、および除去のうちの少なくとも1つを行うべく、ペーシングパラメータとペーシングベクトルのうちの少なくとも一方に変化をもたらす本発明のアルゴリズムへの他の入力には、とくにインピーダンス、センス振幅、横隔神経刺激閾値、および捕捉閾値が含まれ得る。有利なことに、本発明の様々な実施形態にしたがって用いられる新しい検知技術は必要ない。
特定の実施形態は、少なくとも1つの拡張双極構成で構成できる左心室電極と右心室電極を有する植込リードシステムを含む心臓再同期療法システムを対象とする。いくつかの構成において、左心室電極は、拡張双極構成の陰極を規定し、右心室電極は、拡張双極構成の陽極を規定する。エネルギ送達回路系と検知回路系は、それぞれリードシステムに結合される。コントローラは、検知回路系とエネルギ送達回路系に結合され、前記コントローラは、心電気的活動を検知するとともに、非ゼロ心室内遅延を含むプログラムペーシングパラメータにしたがって心臓に心臓再同期療法を送達すべく、メモリに保存されたプログラム命令を実行するように構成される。コントローラは、拡張双極構成の陰極を規定する左心室電極にペースパルスを送達するように構成される。検出器は、検知回路系とコントローラに結合される。検出器は、ペースパルスに対する応答を検知するとともに、検知した前記応答に基づき右心室の陽極刺激を検出するように構成される。
構成によっては、拡張双極構成の陽極は、右心室リング電極を含み、拡張双極構成の陰極は、左心室リングまたはチップ電極を備える。様々な構成において、リードシステムは、多重極左心室リードを規定するいくつかの左心室電極を備える左心室リードを含む。そのような構成において、多重極左心室リードの電極のうちの少なくとも1つは、拡張双極構成の陰極を規定する。他の構成において、多重極左心室リードの電極のうちの1つだけが、拡張双極構成の陰極を規定する。
いくつかの実施形態にしたがって、検出器は、左心室ペースパルスの送達に続く所定遅延後に、予測右心室(RV)センスの有無を検出するように構成され得る。所定遅延後に検出される予測右心室センスの存在は、右心室の陽極刺激がないことを示し、所定遅延後に予測右心室センスが検出されないことは、右心室の陽極刺激を示す。
様々な実施形態において、植込システムのメモリは、双極または単極電極構成を用いることによって、左心室ペーシングに応答する左心室捕捉を示す予測誘発応答テンプレートを保存するように構成される。コントローラは、拡張双極構成を用いて左心室ペーシング
に応答する左心室捕捉を示す第2テンプレートを生成するように構成され、検出器は、予測誘発応答テンプレートと第2テンプレートの比較に基づき右心室陽極刺激の有無を検出するように構成される。
いくつかの実施形態において、検出器は、右心室捕捉検証試験中の右心室陽極刺激を検出するように構成される。たとえばコントローラは、拡張双極構成を用いて所定数の左心室ペースパルスを送達するように構成され得るとともに、検出器は、所定数の左心室ペースパルスに応答するいくつかの右心室捕捉事象を検出するように構成され得る。検出器は、所定数の左心室ペースパルスに対する右心室捕捉事象数の比較に基づき右心室陽極刺激を検出するように構成され得る。
様々な実施形態にしたがって、検出器は、左心室捕捉閾値試験中の右心室陽極刺激を検出するように構成される。たとえばコントローラは、拡張双極構成を用いることによって、左心室捕捉閾値試験を実行するように構成され得る。検出器は、左心室捕捉閾値試験中の左心室捕捉と右心室陽極刺激を検出するとともに、左心室捕捉閾値と右心室陽極刺激閾値を決定するように構成され得る。検出器は、拡張双極ペーシング中の所定数の左心室ペースに対する応答から作成された左心室誘発応答(ER)テンプレートと双極または単極ペーシング中の所定数の左心室ペースに対する心室応答から作成された予測左心室誘発応答形態テンプレートの比較に基づき、左心室試験ペースから生じる右心室陽極刺激を検出するように構成され得る。実施形態によっては、検出器は、たとえば双極または単極ペーシングなどの右心室陽極刺激が生じない所定数の左心室ペースに対する左心室応答から作成された左心室誘発応答テンプレートと、右心室陽極刺激が生じる所定数の左心室ペースに対する心室応答から作成された第2左心室誘発応答テンプレートの比較に基づき融合または非捕捉を検出するように構成され得る。
いくつかの実施形態にしたがって、コントローラは、拡張双極構成を用いて左心室捕捉閾値試験を実行するように構成され得る。検出器は、左心室捕捉閾値試験中の左心室捕捉、右心室陽極刺激、および融合/非捕捉を検出するとともに、左心室捕捉閾値と右心室陽極刺激閾値を決定するように構成され得る。
実施形態によっては、コントローラは、右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、一つあるいは複数の左心室ペーシングパラメータを変調するように構成され得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、現選択ペーシングベクトルから別のペーシングベクトルに切換えるように構成され得る。
ここで図1に戻ると、本発明の実施形態にしたがって陽極刺激を検出する手法を例示するフローチャートが示される。いくつかの実施形態は、陽極刺激の検出を対象とするが、他の実施形態は、陽極刺激の検出と陽極刺激の軽減の両方に関与する。図1において示されるように、リードシステムは、拡張双極電極構成を用いる左心室(LV)ペーシング用に構成される(102)。ペースパルスは、拡張双極構成の陰極として作用する左心室電極と陽極として作用する右心室電極を介して左心室に送達される(104)。左心室ペースパルスに対する心室応答が、評価される(106)。心室応答の検出は、利用可能な任意の検知ベクトルを用いることによって達成され得る。右心室の陽極刺激は、心室応答評価に基づき検出される(108)。いくつかの実施形態において、プロセスは、右心室における陽極刺激を軽減または除去すべく実行される(110)。
図2は、本発明の実施形態にしたがって拡張双極構成を有する、心臓に植込まれるリードシステムを例示する。図2のリードシステムは、右心房リード、右心室リード、および左心室リードを含む。当然のことながら、たとえば左心房リードなど、より少ないか、よ
り多いリードを備えたリード構成を含む他のリード構成が、考慮される。図2において示されるように、左心室リード130は、いくつかの電極134を含む。電極134は、チップ電極であり得るが、遠位リング電極(左心室リング電極)であることが好ましい。他の電極134’,134”および134”’は、遠位電極134に近接して配置されるリング電極(左心室リング電極)である。
チップ電極であり得る遠位電極128とリング電極(単一右心室リング電極。単一右心室電極)126であり得る近位電極126を含む右心室リード120も示される。他の右心室電極構成が、考慮される。CRT−P(心臓再同期療法のペーシング)装置のリード構成は、除細動電極(たとえば電極122、電極123)を排除し得るが、CRT−D(心臓再同期療法の除細動器)装置は、一つあるいは複数の除細動電極122,123を含み得るということが知られている。図2において示される実施形態にしたがって、拡張双極リード構成は、陰極として作用する左心室リード電極(左心室ペーシング電極。左心室ペース電極)134,134’,134”,134’”のうちの1つと、陽極として作用する右心室リードのリング電極126とによって規定される。たとえば拡張双極リード構成125Aは、陰極として作用する左心室リード130の遠位電極134(リングまたはチップ(左心室チップ電極))と、陽極として作用する右心室リードのリング電極126とによって規定される。さらに別の例として、拡張双極リード構成125Bは、陰極として作用する左心室リード130の近位リング電極134’”と、陽極として作用する右心室リードのリング電極126によって規定される。
当然のことながら、たとえば電極134’および134”の左心室リードの他のリング電極が、拡張双極リード構成を形成すべく、右心室リング電極126と電気的に連携するように切換え可能に選択されることが可能である。さらに当然のことながら、いくつかの実施形態において、本発明の自動ベクトル選択実施形態との関連で異なる拡張双極ペーシングリード構成を形成するための陰極電極と陽極電極間の切換えは、拡張双極ペーシング陰極/陽極電極の組合せを規定するために単一陰極電極と単一陽極電極(たとえば唯一の右心室チップ電極だけか、唯一の右心室リング電極だけ)を選択することを指す。同様に当然のことながら、他の実施形態において、本発明の自動ベクトル選択実施形態の関連で異なる拡張双極ペーシングリード構成を形成するための陰極電極と陽極電極間の切換えは、拡張ペーシング双極陰極/陽極電極の組合せを規定するために多重陰極電極と単陽極電極(たとえば単独右心室チップ電極だけか、単独右心室リング電極だけ)を選択することを指す。
一般に、拡張双極ペーシングの利点は、左心室(または冠静脈洞か左心室冠静脈)において一つあるいは複数の陰極電極と単一の右心室陽極電極を含むペーシング構成を自動的または半手動的に選択することによって維持される。たとえば一つあるいは複数の他の陽極電極(たとえば缶電極、中性電極、右心コイル電極、冠静脈洞コイル電極)を右心室陽極電極(たとえば右心室リング)と一緒に作動させることは一般に、対側の心室腔において有益な拡張双極ペーシングを得るのに望ましくない。
1つの代表的な方法にしたがって、心律動管理装置のコントローラは、右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、さらなる陽極電極を右心室電極と一緒に作動させることなく、現選択拡張双極ペースベクトルから別の双極または単極ペースベクトル(拡張または非拡張型)に切換えるように構成される。別の代表的な方法にしたがって、心律動管理装置のコントローラは、右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、さらなる陽極電極を右心室電極と一緒に作動させることなく、現選択拡張双極ペースベクトルから、左心室ペーシングベクトルを変化させる(異なる左心室電極を選択するか、あらかじめ選択された左心室電極を含んでいることも含んでいないこともあり、さらに右心室電極を含んでいることも含んでいないこともある左心室電極の異なる組合せを選択することによって)
別の双極または単極ペースベクトルに切換えるように構成される。他の代表的な方法において、心律動管理装置のコントローラは、右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、さらなる陽極電極を右心室電極と一緒に作動させることなく、現選択拡張双極ペースベクトルから、少なくとも1つの左心室電極と皮下または缶電極(活性缶電極か缶上の中性電極)を含む別の単極ペースベクトルに切換えるように構成される。
図3Aは、本発明の実施形態にしたがって陽極刺激の検出と陽極刺激の軽減を行う手法を例示するフローチャートである。図3Aにおいて、臨床医による左心室単独ステップダウン試験(たとえば捕捉閾値試験)中に実行され得るか、心律動管理装置の外来手術202中に自動的に実行され得る様々なプロセスが、示される。左心室単独ステップダウン検査か外来手術中に様々な心臓信号が、心律動管理装置によって獲得され得る。そのような監視204は、右心室のEGMチャネル、左心室のEGMチャネル、右心室誘発応答チャネル、左心室誘発応答チャネル、またはたとえば広域またはリードレスECG(WECG)チャネルなどの他の遠距離場EGMチャネルのうちの一つあるいは複数の監視を含む。
非ゼロ心室内遅延が、プログラミングによるか、自動装置調整を介するかのいずれかによって非ゼロであり、ブロック204において示される心臓信号のうちの少なくとも1つの一つあるいは複数の特徴を評価することによって右心室の陽極刺激が、検出される(206)場合、たとえばパルス振幅または幅などの左心室ペースパラメータを変調することによって、右心室陽極刺激が、管理され得るかどうかを判定すべく検証される(210)。管理され得る場合、ペースパラメータは、右心室陽極刺激を軽減または除去すべく、変更される(214)。左心室ペースパラメータ調整によって、右心室陽極刺激が軽減または除去されない場合、ペーシングベクトルは、別のペーシングベクトルに変更されることが好ましい(212)。別の適切なペーシングベクトルには、拡張双極ペーシングベクトルを含む様々な双極および単極ペーシングベクトルが含まれる。別のペーシングベクトルへの変更(212)は、双極または単極ペースベクトルを規定すべく異なる左心室電極を選択するか、異なる拡張双極ペースベクトルを選択することを含み得る。ペーシングベクトルの変更によって、右心室陽極刺激の軽減または除去が生じるかどうかを判定する検査を行うことが可能である。
自動ベクトル選択(AVS)機能を用いる実施形態にしたがって、ペーシングパラメータの変化によって軽減または除去できない陽極刺激が検出されると、自動ベクトル選択優先マトリックスに「正の陽極刺激」が付加する(212)。自動ベクトル選択優先マトリックスは、別のペーシングベクトルの優先選択中に自動ベクトル選択アルゴリズムによって用いられる。陽極刺激の検出と軽減/除去のうちの少なくとも1つを含むように実装され得る、自動ベクトル選択を用いる心律動管理装置の実施形態は、特許文献2と3において記載される。これらのそれぞれの特許文献は、本明細書においてその全体が参考文献によって盛り込まれている。
ペーシングベクトルスイッチ(実際の切換え動作または推奨)が適切であるかどうかの判定が、なされる(212)。適切であると思われる場合、別のペーシングベクトルが、選択されるとともに、切換えられるか、医師に切換えるよう推奨されるかのいずれかが行われ得る。ブロック206において試験されるように、非ゼロ心室内遅延が非ゼロでないか(206)、陽極刺激が検出されないかのいずれかの場合、左心室ペーシングパラメータかベクトルは変更されない。
図3Bは、本発明の実施形態にしたがってタイミング間隔に基づく方法を用いることによって、右心室陽極刺激を検出する手法を例示するフローチャートである。図3Bにおいて、心律動管理装置は、専用の双極または単極構成を用いて(252)左心室単独ペーシングを実行するように構成される。所定数N(たとえばN=7)の左心室ペースパルスが
送達され、左心室捕捉を達成する(254)。所定数の左心室ペースパルスは、右心室出力準閾値での同時両心室ペースまたは左心室単独ペースであり得る。左心室ペースと右心室センス間で規定される時間間隔t1は、Nの左心室ペースのうちのそれぞれに対して測定され(256)、これらの間隔の平均値または中央値は、LVp−RVs間の予測間隔(t1)の測定値として算出される。
ペーシングベクトルは、専用の双極または単極構成を用いる左心室ペーシングから拡張双極構成を用いる左心室ペーシングに変更される(258)。所定数の左心室ぺースパルスが送達され、左心室捕捉を達成する(260)。それぞれのNの左心室ペースに続いて、時間t1で実質的に検出される右心室センス数が、測定される。N(たとえばN=7)の左心室ペースのうちの少なくとも所定数M(たとえばM=3)の右心室センスが、検出されると(262)、右心室の陽極刺激は、存在しないと思われる(266)。Nの左心室ペースのうちの所定数Mよりも少ない右心室センスが、検出されると(262)、右心室の陽極刺激が、存在すると思われる(264)。
図4Aは、陽極刺激の不在下での左心室ペースと右心室センス間のタイミング関係を示す。この場合、時間間隔t1は、左心室ペースと右心室センス間で規定される。したがって予測時間遅延t1は、右心室の陽極刺激が起こらない場合に左心室ペースと右心室センス間で生じる。図4Bにおいて、「×」によって「不在である」と表わされる右心室活動度は、実際に左心室ペースと一致することが(すなわち意図的に遅延されない)、理解される。図4Bは、右心室の陽極刺激による左心室ペースの送達後に右心室センスが存在しないこと、したがって時間遅延t1の不在を示す。
図5は、本発明の実施形態にしたがって誘発応答形態に基づく方法を用いることによって、陽極刺激を検出する手法を例示するフローチャートである。図5において示されるように、心律動管理装置によるペーシングは、専用の双極または単極構成を用いる左心室単独ペーシングに構成される(302)。所定数Nの左心室ペースパルスが送達され、左心室捕捉を達成する(304)。所定数の左心室ペースパルスは、両心室ペースか左心室単独ペースであり得る。両心室ペースの場合、右心室出力は、閾値よりも上か下であり得るとともに、非ゼロ心室内遅延は、ゼロか負であり得る。Nの左心室ペースに対する心室応答は、任意の所望センスベクトルを用いることによって検知される。とくにNの左心室ペースのうちのそれぞれに対する誘発応答(ER)の特徴が、検出および保存され、これらの特徴の平均値か中央値が、算出され、それらの値から予測誘発応答形態テンプレートが、生成される(306)。
心律動管理装置は、専用の双極または単極構成を用いる左心室単独ペーシングから拡張双極構成を用いる左心室ペーシングに構成される(308)。所定数Nの左心室ペースパルスが送達され、左心室捕捉を達成する(310)。誘発応答は、それぞれの左心室ペースパルスに対して検出されるとともに保存され、その特徴の平均値または中央値が、算出され、それらの値から第2誘発応答形態テンプレートが、生成される(312)。第2誘発応答形態テンプレートは、予測誘発応答形態のテンプレートと比較される(314)。2つの誘発応答テンプレートが、所定整合基準(たとえば所定相関係数閾値)とは異なる場合(314)、陽極刺激は、存在すると思われ(318)、そうでなければ、存在しないと思われる(316)。
図6は、本発明の実施形態にしたがって陽極刺激の検出を用いる右心室捕捉検証試験を実行する手法を例示するフローチャートである。心律動管理装置は、拡張双極構成を用いる左心室ペーシングに構成される(402)。自動右心室捕捉検証が、有効にされる(404)。所定数Nの左心室ペースパルスが送達され、左心室捕捉を達成する(406)。所定数の左心室ペースパルスは、必然ではないが、負の非ゼロ心室内遅延(たとえば−8
0ms)での両心室順次ペースであることが好ましい。ブロック408において試験されるとき、検出、捕捉される所定数Mの右心室ペースが、存在するなら、陽極刺激は、存在すると思われ(410)、そうでなければ陽極刺激は、存在しないと思われる(412)。
図7は、本発明の実施形態にしたがって陽極刺激の検出を用いる、たとえば自動左心室捕捉閾値(左心室AT)試験などの左心室捕捉閾値試験を実行する手法を例示するフローチャートである。心律動管理装置が、CRT−P装置でないか、そのような方法で動作していない場合(502)、標準左心室自動捕捉閾値検査が、開始する(504)。心律動管理装置が、CRT−P装置の場合、ペーシング構成が、拡張左心室双極電極構成であるかどうかを判定すべく試験される(506)。そうでない場合、標準左心室自動捕捉閾値検査が、開始するか、継続する(504)。
ペーシング構成が、拡張左心室双極電極構成である場合、陽極刺激が捕捉閾値試験の始動振幅レベルで存在するかどうかを判定すべく試験される(508)。そうである場合、陽極刺激を有する左心室ペースに対して第1誘発応答テンプレートが、生成されるか、集められる(510)。第2誘発応答テンプレートは、陽極刺激のない左心室ペースに対して生成されるか集められる(510)。左心室試験ペースパルスに応答する拍動が、第1誘発応答テンプレート(すなわち陽極刺激を有する左心室ペースに対するテンプレート)に適合する場合、捕捉が、検出される(514)。左心室試験ペースパルスに応答する拍動が、第1誘発応答テンプレートに適合しない場合、拍動が、陽極刺激が存在しない場合の誘発応答テンプレート(すなわち第2誘発応答テンプレート)に適合するかどうかを判定すべく試験される(516)。
拍動が、第2誘発応答テンプレート(すなわち陽極刺激が存在しない場合のテンプレート)に適合する場合、陽極刺激を有さないペース振幅レベルで十分な拍動(たとえば2)が存在するかどうかを判定すべく試験される(520)。存在する場合、陽極刺激閾値は、現ペース振幅レベルよりも1段高いとされる(522)。存在しなければ、捕捉が、検出される。ブロック516で試験されるとき、拍動が、第1か第2のいずれのテンプレートにも適合しない場合、融合または非捕捉が、検出される(518)。左心室自動捕捉閾値試験は、継続し(530)、左心室捕捉閾値と陽極刺激閾値はともに戻される(540)。
図8において例示される治療装置600は、本明細書において記載される陽極刺激技法と、それを実行するそれらの実施形態の電極の組合せ選択技法とを実装できる回路系を用いる。治療装置600は、植込ハウジング601内に収納された心律動管理回路系を含む。心律動管理回路系は、心臓内リードシステム610に電気的に結合される。心臓内リードシステム610は、図8において例示されるが、他の様々な種類のリード/電極システムが、追加として、または別に配備され得る。たとえばリード/電極システムは、たとえば心臓ショック、心外膜パッチなどの心臓と心血管系のうちの少なくとも一方の外側に電極を含む心外膜リード/電極システムと、胸郭の外側ではなく皮膚表面下に植込まれた電極を有する皮下システムとのうちの少なくとも一方を含み得る。
患者の心臓内に挿入された心臓内リードシステム610のうちの部分が、示される。リードシステム610は、患者の心臓からの電気信号の検知と心臓へのペースパルスの送達のうちの少なくとも一方を行うべく、一つあるいは複数の心腔内、心腔上または心腔周囲に設置される心ペース/センス電極651〜656を含む。たとえば図8において例示される電極のような心臓内センス/ペース電極651〜656は、左心室、右心室、左心房と右心房のうちの少なくとも一方を含む、一つあるいは複数の心腔の検知とペースのうちの少なくとも一方に用いられ得る。心律動管理回路系は、電極651〜656を介して送
達される電気刺激パルスの送達を制御する。電気刺激パルスは、血液動態学的に十分な速度で心臓が拍動することを保証すべく用いられ得るか、心拍の同期性を改善すべく用いられ得るか、心拍の強度を高めるべく用いられ得るか、処方された治療と一致する心臓機能をサポートする他の治療目的に用いられ得るかのうちの少なくとも1つである。
リードシステム610は、除細動/電気的除細動パルスを心臓に送達する除細動電極641,642を含む。
左心室リード605は、左心室に近接した冠静脈系内の様々な位置に設置される多重電極654a〜654dと655を包含する。左心室内の多重位置か選択された単一位置での心室の刺激は、たとえば心不全患者における心拍出量の増加を提供し得るか、他の利益を提供し得るか、そのうちの少なくとも一方である。電気刺激パルスは、タイミングシーケンスと、心臓機能を高める出力構成とにしたがって選択電極を介して送達され得る。図8は、多重左心室電極を例示するが、他の構成において、多重電極は、右心房、左心房、および右心室のうちの一つあるいは複数において別に、あるいは追加的に提供され得る。
植込装置600のハウジング601のうちの部分は、任意に一つあるいは複数の多重缶電極681または中性電極682として働き得る。ハウジング601は、一つあるいは複数のリードとハウジング601間の着脱自在の取付けを促進するように構成され得る。治療装置600のハウジング601は、一つあるいは複数の缶電極681を含み得る。治療装置600のヘッダ689は、一つあるいは複数の中性電極682を含み得る。缶電極681と中性電極682のうちの少なくとも一方は、心臓にペーシングと除細動刺激のうちの少なくとも一方を送達するか、心臓の電気心臓信号を検知するか、そのうちの少なくとも一方を行うべく用いられ得る。
通信回路系は、心律動管理回路系と、たとえば外部プログラマか高度患者管理(APM)システムなどの患者の外部にある装置との間の通信を促進すべくハウジング601内に配置される。治療装置600はまた、患者の代謝必要量の検出と、心臓に送達されるペースパルスの調整と患者の代謝必要量を提供するための電極の組合せ選択の更新のうちの少なくとも1つを行うセンサと適切な回路系を含み得る。
いくつかの実装において、高度患者管理システムは、とくに評価、推定、比較、順序付け、選択、および更新を含む、本明細書において討議されるプロセスのうちのいくつかを実行すべく用いられ得る。本明細書において記載される方法、構造、および技術のうちの少なくとも1つは、特許文献4〜13のうちの一つあるいは複数において記載される特徴を含む、様々な高度患者管理関連手法を包含し得る。これらの特許文献は、本明細書において参考文献によってそれぞれの全体が盛り込まれている。
特定の実施形態において、治療装置600は、除細動治療と抗頻脈性不整脈ペーシング(ATP)のうちの少なくとも一方を介して心頻脈性不整脈を検出および治療する回路系を含み得る。除細動機能を提供する構成は、頻脈性不整脈を終結させるか軽減すべく、心臓に高エネルギパルスを送達する除細動コイル641,642を使用し得る。
たとえば本明細書において例示されるような多重電極を用いる心律動管理装置は、心臓周期中に心房と心室のうちの少なくとも一方の多重部位にペースパルスを送達できる。特定の患者は、心室の異なる領域にポンプ負荷と脱分極シーケンスのうちの少なくとも一方を分配するため、その時々において、たとえば心室などの心腔のうちの部分の活性化から恩恵を受け得る。マルチ電極ペースメーカは、異なる心臓周期中の心腔内の選択された電極の組合せ間でペースパルスの出力を切換える機能を有する。
図9は、図8において点線の円によって描写される領域Aの拡大図を例示する。図9は
、ペースパルスの送達に用いられ得る様々なペーシング構成754a,754b,754c,754d,754cd,および756を例示する。それぞれのペーシング構成754a,754b,754c,754d,754cd,および756は、共通の陰極電極655(例示目的でチップ電極として示されるが、遠位リング電極でもあり得る)を含む。ペーシング構成754aは、陰極電極655と陽極電極654a間で規定され;ペーシング構成754bは、陰極電極655と陽極電極654b間で規定され;ペーシング構成754cは、陰極電極655と陽極電極654c間で規定され;ペーシング構成754dは、陰極電極655と陽極654d間で規定され;ペーシング構成756は、陰極電極655と陽極電極656間で規定される。拡張双極構成は、左心室内に位置付けられた陰極電極655と右心室内に位置付けられた陽極電極656との間で規定される。いくつかの構成において、ペーシング構成陰極、またはペーシング構成陽極、あるいはその両方は、多重電極を含み得る。たとえばペーシング構成754cdは、陰極電極655および陽極電極654cと654dを含む。
上記のそれぞれのペーシング構成は、電極の組合せに対応し、それぞれのペーシング構成と電極の組合せは、同様にペーシング部位とベクトルのうちの少なくとも一方に対応する。それぞれの電極の組合せを用いる同一の電気療法を送達することによって、患者から異なる応答が誘発されることが可能である。たとえば1つの電極の組合せで送達される療法は、別の部位よりも心腔を捕捉する可能性が高くなり得る。また、1つの電極の組合せを用いて送達される療法は、別の部位よりも隔膜を刺激する可能性が高くなり得る。さらに別の例として、1つの電極の組合せで送達される療法は、陽極刺激を助長し得るが、異なる電極の組合せで同じ療法が送達されると、陽極刺激が抑えられ得る。
したがって、たとえば陽極刺激を軽減または除去するなど、最適な療法が送達され得る電極の組合せを同定することが、重要である。いくつかの場合において、療法に最適な電極の組合せは、望ましくない刺激を生じさせない最小の電力量(たとえば電池貯蔵など)を用いて、所望の応答を生じさせる組合せである。たとえば最適な電極の組合せは、送達された療法が、最小量の電圧と電流を要して対象心腔を捕捉する電極の組合せであり、陽極刺激を生じさせず、隔膜または骨格筋、あるいは他の心臓外組織を刺激しない組合せであり得る。
マルチ電極ペーシングシステムにおいて、多重ペーシング電極は、単一心腔、多重心腔、および患者の体内の他の部分のうちの少なくとも1つにおいて配置され得る。ペースパルスの送達に用いられる電極は、一つあるいは複数の陰極電極および一つあるいは複数の陽極電極を含み得る。ペースパルスは、陰極/陽極電極の組合せを介して送達され、用語「電極の組合せ」は、少なくとも1つの陰極電極と少なくとも1つの陽極電極が用いられることを示す。電極の組合せは、たとえば電気的に接続される多重電極が、陽極として用いられるか、電気的に接続される多重電極が、陰極として用いられるか、そのうちの少なくとも一方である場合などに2つ以上の電極を含み得る。
一般に、ペーシングエネルギは、一つあるいは複数のペーシング部位で陰極電極を介して心臓組織に送達され、帰還路は、陽極電極を介して提供される。捕捉が生じると、陰極電極部位で注入されたエネルギは、他の脱分極波面と結合し得る脱分極の波面の伝播をもたらすことによって、心筋の収縮を惹起する。ペーシングエネルギを送達する陰極と陽極の電極の組合せは、ペーシングに用いられるペーシングベクトルを規定する。心臓組織に対する陰極の位置は、電極の組合せとペーシング部位のうちの少なくとも一方の規定に用いられることが可能である。
ペースパルスは、心臓周期中、時限シーケンスで単一心腔において多重電極(すなわち様々な電極の組合せによって規定されるペーシングベクトル)を通じて適用されることに
よって、心腔の収縮性の改善とポンプ作用の増強を行い得る。それぞれのペーシングパルスは、望ましくない陽極刺激を生じさせないようにしながら、陰極電極に近接する心臓組織を捕捉すべく、多重電極の組合せを介して送達されることが望ましい。心臓の捕捉に要求されるペーシングエネルギは、ペーシングに用いられる電極の組合せに依存し、異なる電極の組合せは、捕捉に必要な種々のエネルギと陽極刺激を生成し得る種々のエネルギを有することが可能である。とくに左心室において、陽極刺激のない捕捉に必要な最小エネルギ(捕捉閾値)は、用いられる特定の電極の組合せに高度に依存し得る。
いくつかの可能な電極の組合せのうちのそれぞれの電極の組合せを用いる治療送達のペーシング特性は、とくに電極間の距離、標的組織との近接性、電極間の組織接触様式、電極間のインピーダンス、電極間の抵抗、および電極の種類を含む多くの因子に依存する。そのような因子は、とくに電極の組合せの捕捉閾値と陽極刺激閾値に影響を及ぼし得る。ペーシング特性は、とくに生理学的変化、電極移動、身体活動レベル、体液化学特性、水和作用、および疾病状態によって変化することが可能である。したがって、それぞれの電極の組合せのペーシング特性は、固有であり、さらにいくつかの電極の組合せは、処方された療法と一致する心臓機能を改善する特定の療法を送達する他の方法よりも良好に機能し得る。
このように、電極の組合せの選択は、処方された療法にしたがって心臓機能をサポートする上でいくつかの電極のうちの一つあるいは複数の電極の組合せの有効性を少なくとも考慮すべきである。処方された療法にしたがって心臓機能をサポートする上でいくつかの電極のうちの一つあるいは複数の電極の組合せの有効性は、たとえば捕捉閾値および陽極刺激閾値などの電気刺激によって生成される一つあるいは複数のパラメータを考慮することによって評価されることが可能である。
所望の治療活性化を生じさせるべく、1つの身体構造に送達される電気刺激は、望ましくないことに別の身体構造の活性化をもたらし得る。たとえば電気心臓ペーシング療法は、神経と筋肉を含む、体組織を気づかずに刺激することが可能である。横隔神経、隔膜、および骨格筋を含む心臓外組織の刺激は、患者を不快にさせるとともに身体機能を妨げることが可能である。
電気的心臓療法からの患者の誘発応答は、電極の組合せ間で予測不可能であり得る。たとえば1つの電極の組合せを用いて送達される電気的心臓療法は、望ましくない活性化を生じさせ得るが、別の電極の組合せを用いて送達される同一の電気的心臓療法は、望ましくない活性化を生じさせないかもしれない。
そのため、たとえば最小エネルギ消費量で所望の心臓応答をもたらすとともに、組織を気づかずに刺激することのないマルチ電極リードによって可能となるいくつかの電極の組合せのうちの1つの電極の組合せなど、適切な電極の組合せの選択は、多くの因子が考慮されるとともに複雑であり得る。
それぞれの可能な陰極−陽極電極の組合せについてそれぞれの対象パラメータを手動で試験することは、医師、臨床医、およびプログラマにとって時間のかかるプロセスであり得る。さらに多重ペーシング電極の組合せのために多数の種々のパラメータをより分けるとともに、様々な電極の組合せを用いて送達される電気的療法の様々な組織活性化応答を理解することは、困難であり得る。陽極刺激検出による左心室自動捕捉閾値検査を用いる本発明のシステムと方法は、これらのプロセスと他のプロセスを簡素化することが可能である。
図10は、本発明の実施形態にしたがってペーシング療法を送達するとともに、陽極刺
激の検出と軽減/除去のうちの少なくとも一方を提供すべく用いられる得るシステムの様々な要素を図示するブロック線図である。図示される要素、機能性、および構成は、そのようなシステムに組み入れられ得る様々な特徴の理解と特徴の組合せを提供するように意図される。当然のことながら、相対的に高機能の設計から相対的に簡素な設計に及ぶ様々な種類の装置構成が、考慮される。そのため、特定の構成は、図10において例示されるいくつかの要素を含み得るが、他の要素は除いてある。特定の実施形態において、機能ブロックの配置は、図示される配置とは異なり得る。
図10において例示されるシステムは、陽極刺激検出を実行するとともに陽極刺激を軽減する機能を提供する。図10において示されるシステムは、陽極刺激データの傾向と傾向データの表示も提供し得る。いくつかの構成において、陽極刺激の検出とその軽減は、もっぱら植込心律動管理装置によって実行され得るか、プログラマ、遠隔サーバ、または他の外部装置と連携して実行され得る。さらに別の実施形態において、機能は、患者植込装置と患者の外部にある装置間で分割され得る。
図10において例示される治療システム700は、心臓電極725を介して適用されるペーシング刺激を生じさせるべく、ペーシング療法回路系730を制御するように構成される治療制御プロセッサ740を含む。治療制御プロセッサ740は、頻脈性不整脈を治療すべく、除細動/電気的除細動回路系735によって生成される高エネルギショックも制御し得る。
心臓信号は、心臓電極725を用いることによって検知される。検知心臓信号は、心臓信号の増幅、フィルタリングおよびデジタル化のうちの少なくとも一方を行う、回路系を含む検知回路系720によって受信される。検知心臓信号は、制御プロセッサ740に信号が送られる前にノイズの低減と信号の信号ノイズ比(SNR)の増大のうちの少なくとも一方を行い得るノイズ低減回路系(表示なし)によって任意に処理され得る。
回路系720は、たとえばR波、A波、QRS群、Q*偏向、ヒス束活性化、および他の心臓信号特性のうちの少なくとも1つなどの様々な心臓信号特性を検出するように構成され得る。回路系720はまた、固有の伝導間隔と、固有の房室間隔(左と右のうちの少なくとも一方)、QRS幅、A−A間隔、V−V間隔および他の心臓間隔のうちのいずれか一方を含む他の心臓間隔とを測定するように構成され得る。回路系720からの情報は、治療制御プロセッサ740に入力される。回路系720からの伝導情報を用いることによって、最適化回路775は、最適ペーシング遅延を算出する。ペーシング間隔コントローラ765は、たとえばQ*とヒス束活性化のうちの少なくとも一方の特殊な心臓事象に応答して初期化される最適ペーシング遅延の時間を計る。
治療制御プロセッサ740は、本明細書において上述される方法で動作する陽極刺激検出器775を含む。ペーシングパラメータコントローラ765は、左心室ペースパラメータと、必要であれば、検出された陽極刺激を軽減または除去するペーシングベクトル選択を調整する。治療制御プロセッサ740は、心頻脈性不整脈を検出すべく、検知心臓信号と他のセンサ入力のうちの少なくとも一方の分析を調整する、たとえば信号プロセッサなどの不整脈検出回路を含み得る。速度に基づくアルゴリズムと形態識別アルゴリズムのうちの少なくとも一方は、不整脈発作の存在と重症度を検出および確認すべく、制御プロセッサ740によって実行され得る。不整脈が検出されると、治療制御プロセッサ740は、たとえば抗頻脈性不整脈ペーシング療法(ATP)、電気的除細動、および除細動/電気的除細動回路系735を介する除細動のうちの少なくとも1つなどの適切な治療の送達を調整することによって、不整脈を終結または軽減させ得る。
通信回路系750は、制御プロセッサ740に結合される。通信回路系750は、たと
えば患者の外部にある装置755および患者に植込まれた装置などの装置間の通信を可能にする。1構成において、通信回路系750および患者の外部にある装置755は、当該分野において公知であるようなワイヤループアンテナと無線周波数遠隔測定リンクを用いることによって、患者の外部にある装置755と通信回路系750間で信号およびデータを受信および送信する。このようにして、プログラミングコマンドとデータは、植込み中と植込み後に患者の外部にある装置755から制御プロセッサ740に転送され得る。患者の外部にあるプログラマを用いることによって、医師は、治療制御プロセッサ740によって用いられる様々なパラメータを設定または修正することができる。たとえば医師は、治療制御プロセッサ740の監視、検出、ペーシング、および除細動機能に作用するパラメータを設定または修正し得る。
特定の実施形態において、制御プロセッサ740は、ペーシングタイミングを決定する情報を患者の外部にある装置755に送信する。情報には、たとえば心臓電気信号、特定の特徴またはポイントのタイミングを示すマーカ、信号の測定特徴か特性、および他の情報のうちの少なくとも1つが含まれ得る。患者の外部にある装置755は、送信された情報を用いることによって、ペーシングタイミング間隔を決定し得るか、情報をフォーマットおよび表示することによって、人間のアナリストによるペーシング遅延の決定を促進し得る。
制御プロセッサ740によって獲得されるか、生成されるか、そのうちの少なくとも一方のたとえば上記のデータのうちのいずれかの陽極刺激データは、患者の外部にある装置755に通信され得るとともに様々な公知の傾向アルゴリズムの対象にされ得る。たとえば陽極刺激データは、高度患者管理システムに送信され得るとともに、高度患者管理システムプロセッサで実行される様々な傾向アルゴリズムによる処理の対象にされ得る。傾向アルゴリズムは、治療装置700(たとえばCRT−PまたはCRT−D装置)の制御プロセッサ740によって同様に実行され得るか、別に実行され得る。傾向データと他のデータは、高度患者管理システムまたはプログラマのディスプレイ(たとえば患者の外部にある装置755のディスプレイ)上に表示され得る。
本発明のいくつかの実施形態にしたがって初期活性化に基づくペースパルスの送達の時期を決めるプロセスは、植込装置によって、たとえばプログラマか高度患者管理システムなどの患者の外部にある装置によって、あるいはたとえば印刷表索引を用いることによって最適値を算出する手動で実行可能な操作によって、およびこれらの技術の任意の組合せによってのうちの少なくとも1つによって実行され得る。
1実施形態において、患者の外部にあるプログラマ755は、遠隔測定リンクを介して制御プロセッサ740と通信し、電位図の生データ、特定の検知事象に対応するマーカ、および植込装置によって算出されるような検知事象または特徴幅間の間隔の測定値のうちの少なくとも1つのうちのいずれかを受信する。次に外部プログラマ755は、直ちに再プログラミングすべく制御プロセッサ740に送信されるか、外部プログラマを操作する臨床医に勧告として提示されるかのいずれかのペーシングタイミング間隔の最適な設定を算出し得る。
別の実施形態において、外部プログラマ755は、アルゴリズムにしたがって制御プロセッサ740をプログラムする人間のアナリストにデータ、マーカ、陽極刺激データ/傾向および測定値のうちの少なくとも1つを提示し得る。さらに別の実施形態において、ペーシングタイミングの決定は、全自動であり得るとともに、植込治療装置によって実行され得る。
様々な改変および追加は、本発明の範囲から逸脱しなければ、本明細書において上述さ
れる好適実施形態に対して行うことが可能である。したがって、本発明の範囲は、上記の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下に示す特許請求の範囲とその等価物によってのみ定義されるべきである。

Claims (6)

  1. 心臓再同期療法システムであって、前記心臓再同期療法システムは、
    少なくとも1つの拡張双極構成と、前記拡張双極構成とは異なる少なくとも1つの別の双極または単極構成とで構成される、左心室電極と右心室電極とを含む植込リードシステムであって、少なくとも1つの前記左心室電極は、前記拡張双極構成の陰極を規定し、前記右心室電極は、前記拡張双極構成の陽極を規定することと;
    前記植込リードシステムに結合されるエネルギ送達回路系と;
    前記植込リードシステムに結合される検知回路系と;
    前記検知回路系と前記エネルギ送達回路系に結合されるコントローラであって、前記コントローラは、心臓電気的活動を検知するとともに、非ゼロ心室内遅延(IVD)を含むプログラムペーシングパラメータにしたがって心臓再同期療法(CRT)を前記心臓に送達するプログラム命令を実行するように構成され、前記コントローラは、前記拡張双極構成の前記陰極を規定する前記少なくとも1つの左心室電極にペースパルスを送達するように構成されることと;
    前記検知回路系と前記コントローラに結合される検出器であって、前記検出器は、前記ペースパルスに対する応答を検知するとともに、この検知した前記応答に基づき前記右心室の陽極刺激を検出するように構成されることと
    を含み、
    前記コントローラは、前記右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、さらなる陽極電極を前記右心室電極と一緒に作動させることなく、現拡張双極ペースベクトルから別の双極または単極ペースベクトルに選択的に切換えるように構成される、
    心臓再同期療法システム。
  2. 前記コントローラは、
    a)前記現拡張双極ペースベクトルから、前記右心室電極を排除するとともに少なくとも1つの左心室電極を含む別の単極ペースベクトルに切換えるように構成されることと;
    b)前記現拡張双極ペースベクトルから、少なくとも1つの左心室ペーシング電極を含む前記別の双極ペースベクトルに切換えるように構成されることと;
    c)前記現拡張双極ペースベクトルから、少なくとも1つの左心室ペーシング電極を含む前記別の双極または単極ペースベクトルに切換えるように構成されることと;
    d)現拡張双極ペースベクトルから、別の双極ペースベクトルに切換えるように構成され、前記別の双極ペースベクトルは、現拡張双極構成とは異なる拡張双極ペーシング電極構成と、少なくとも1つの左心室ペーシング電極とを含むことと;
    のうちの少なくとも1つが成立するように構成される、
    請求項1記載の心臓再同期療法システム。
  3. 前記コントローラは、
    e)左心室閾値試験中の右心室捕捉検証試験を有効にするように構成されることと;
    f)左心室捕捉閾値試験中の右心室陽極刺激を検出するように構成されることと;
    g)前記拡張双極構成を用いて所定数の左心室ペースパルスを送達するように構成され、前記検出器は、前記所定数の左心室ペースパルスに応答するいくつかの右心室捕捉事象を検出するように構成され、前記検出器は、前記所定数の左心室ペースパルスに対する前記右心室捕捉事象の数の比較に基づき、右心室陽極刺激を検出するように構成されることと;
    のうちの少なくとも1つが成立するように構成される、
    請求項1記載の心臓再同期療法システム。
  4. 心臓再同期療法システムであって、前記心臓再同期療法システムは、
    少なくとも1つの拡張双極構成と、前記拡張双極構成とは異なる少なくとも1つの別の双極または単極構成とで構成される、左心室電極と右心室電極とを含む植込リードシステムであって、少なくとも1つの前記左心室電極は、前記拡張双極構成の陰極を規定し、前記右心室電極は、前記拡張双極構成の陽極を規定することと;
    前記植込リードシステムに結合されるエネルギ送達回路系と;
    前記植込リードシステムに結合される検知回路系と;
    前記検知回路系と前記エネルギ送達回路系に結合されるコントローラであって、前記コントローラは、心臓電気的活動を検知するとともに、非ゼロ心室内遅延(IVD)を含むプログラムペーシングパラメータにしたがって心臓再同期療法(CRT)を前記心臓に送達するプログラム命令を実行するように構成され、前記コントローラは、前記拡張双極構成の前記陰極を規定する前記少なくとも1つの左心室電極にペースパルスを送達するように構成されることと;
    前記検知回路系と前記コントローラに結合される検出器であって、前記検出器は、前記ペースパルスに対する応答を検知するとともに、この検知した前記応答に基づき前記右心室の陽極刺激を検出するように構成されることと
    を含み、
    前記コントローラは、前記右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、さらなる陽極電極を前記右心室電極と一緒に作動させることなく、現拡張双極ペースベクトルから別の双極または単極ペースベクトルに選択的に切換えるように構成され、
    前記心臓再同期療法システムは、双極または単極電極構成を用いる左心室ペーシングに応答する左心室捕捉を示す予測誘発応答テンプレートを保存するように構成されるメモリを含み、
    前記コントローラは、前記拡張双極構成を用いる左心室ペーシングに応答する左心室捕捉を示す第2テンプレートを生成するように構成され、
    前記検出器は、前記予測誘発応答テンプレートと前記第2テンプレートの比較に基づき右心室陽極刺激の有無を検出するように構成される
    臓再同期療法システム。
  5. 心臓再同期療法システムであって、前記心臓再同期療法システムは、
    少なくとも1つの拡張双極構成と、前記拡張双極構成とは異なる少なくとも1つの別の双極または単極構成とで構成される、左心室電極と右心室電極とを含む植込リードシステムであって、少なくとも1つの左心室電極は、前記拡張双極構成の陰極を規定し、前記右
    心室電極は、前記拡張双極構成の陽極を規定することと;
    前記植込リードシステムに結合されるエネルギ送達回路系と;
    前記植込リードシステムに結合される検知回路系と;
    前記検知回路系と前記エネルギ送達回路系に結合されるコントローラであって、前記コントローラは、心臓電気的活動を検知するとともに、非ゼロ心室内遅延(IVD)を含むプログラムペーシングパラメータにしたがって心臓再同期療法(CRT)を前記心臓に送達するプログラム命令を実行するように構成され、前記コントローラは、前記拡張双極構成の前記陰極を規定する前記少なくとも1つの左心室電極にペースパルスを送達するように構成されることと;
    前記検知回路系と前記コントローラに結合される検出器であって、前記検出器は、前記ペースパルスに対する応答を検知するとともに、この検知した前記応答に基づき前記右心室の陽極刺激を検出するように構成されることと
    を含み、
    前記コントローラは、前記右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、さらなる陽極電極を前記右心室電極と一緒に作動させることなく、現拡張双極ペースベクトルから別の双極または単極ペースベクトルに選択的に切換えるように構成され、
    前記コントローラは、
    h)前記拡張双極構成を用いて左心室(LV)捕捉閾値試験を実行するように構成され、前記検出器は、前記左心室捕捉閾値試験中の左心室捕捉、右心室(RV)陽極刺激、および融合/非捕捉を検出するとともに、左心室捕捉閾値と右心室陽極刺激閾値を決定するように構成されることと;
    i)前記拡張双極構成を用いて左心室(LV)捕捉閾値試験を実行するように構成され、前記検出器は、前記左心室捕捉閾値試験中の左心室捕捉と右心室(RV)陽極刺激を検出するとともに、左心室捕捉閾値と右心室陽極刺激閾値を決定するように構成されることと;
    j)拡張双極ペーシング中の所定数の左心室ペースに対する左心室応答から作成された左心室誘発応答テンプレートと、双極または単極左心室ペーシング中の所定数の左心室ペースに対する左心室応答から作成された予測左心室誘発応答形態テンプレートとの比較に基づき、左心室(LV)試験ペースから生じる右心室(RV)陽極刺激を検出するように構成されることと;
    のうちの少なくとも1つが成立するように構成される、
    臓再同期療法システム。
  6. 心臓再同期療法システムであって、前記心臓再同期療法システムは、
    少なくとも1つの拡張双極構成と、前記拡張双極構成とは異なる少なくとも1つの別の双極または単極構成とで構成される、左心室電極と右心室電極とを含む植込リードシステムであって、少なくとも1つの左心室電極は、前記拡張双極構成の陰極を規定し、前記右心室電極は、前記拡張双極構成の陽極を規定することと;
    前記植込リードシステムに結合されるエネルギ送達回路系と;
    前記植込リードシステムに結合される検知回路系と;
    前記検知回路系と前記エネルギ送達回路系に結合されるコントローラであって、前記コントローラは、心臓電気的活動を検知するとともに、非ゼロ心室内遅延(IVD)を含むプログラムペーシングパラメータにしたがって心臓再同期療法(CRT)を前記心臓に送達するプログラム命令を実行するように構成され、前記コントローラは、前記拡張双極構成の前記陰極を規定する前記少なくとも1つの左心室電極にペースパルスを送達するように構成されることと;
    前記検知回路系と前記コントローラに結合される検出器であって、前記検出器は、前記ペースパルスに対する応答を検知するとともに、この検知した前記応答に基づき前記右心室の陽極刺激を検出するように構成されることと
    を含み、
    前記コントローラは、前記右心室の検出陽極刺激を軽減または除去すべく、さらなる陽極電極を前記右心室電極と一緒に作動させることなく、現拡張双極ペースベクトルから別の双極または単極ペースベクトルに選択的に切換えるように構成され、
    前記検出器は、
    右心室陽極刺激が生じない所定数の左心室ペースに対する左心室応答から作成された左心室(LV)誘発応答テンプレートと;
    右心室陽極刺激が生じる所定数の左心室ペースに対する左心室応答から作成された第2左心室誘発応答テンプレートと
    の比較に基づき融合または非捕捉を検出するように構成される、
    臓再同期療法システム。
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