以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメント(あるいは小数点「.」を含む8セグメント)やドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定の題材やテーマに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第1始動領域とは異なる始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される始動入賞(第1始動入賞)の発生などにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される始動入賞(第2始動入賞)の発生などにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」または「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「6」または「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限回数が比較的に多い回数(例えば「16」など)となる大当り遊技状態は、長期開放大当り状態ともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限回数が比較的に少ない回数(例えば「6」など)となる大当り遊技状態は、短期開放大当り状態ともいう。なお、長期開放大当り状態は第1特定遊技状態ともいい、短期開放大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。また、この実施の形態では、ラウンドの実行回数が「16」となる大当り遊技状態を16R大当り状態ともいう一方、ラウンドの実行回数が「6」となる大当り遊技状態を6R大当り状態ともいう。
大当り図柄となる「3」または「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は16R大当り図柄となり、「3」の数字を示す特別図柄は6R大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として16R大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が導出された後には、長期開放大当り状態としての16R大当り状態に制御される。一方、特図ゲームにおける確定特別図柄として6R大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が導出された後には、短期開放大当り状態としての6R大当り状態に制御される。
特図ゲームにおける可変表示結果としての確定特別図柄が16R大当り図柄となったことに基づく16R大当り状態では、大入賞口が開放状態(第1状態)となるラウンドの上限回数として比較的に多い「16」が設定されることから、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでに大入賞口が開放状態となる実質的な期間が比較的に長期なものとなる。そのため、16R大当り状態では、大入賞口を多くの遊技球が通過しやすい。これに対して、特図ゲームにおける可変表示結果としての確定特別図柄が6R大当り図柄となったことに基づく6R大当り状態では、大入賞口が開放状態(第1状態)となるラウンドの上限回数として比較的に少ない「6」が設定されることから、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでに大入賞口が開放状態となる実質的な期間が比較的に短期なものとなる。そのため、6R大当り状態では、16R大当り状態よりも少ない遊技球しか大入賞口を通過させることができない。こうして、長期開放大当り状態となる16R大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過しやすい第1変化態様で、第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる。一方、短期開放大当り状態となる6R大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過しにくい第2変化態様で、第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる。
大入賞口を第1状態(開放状態)とするラウンドの実行回数に応じて遊技球の通過しやすさを異ならせるものに限定されず、例えば大入賞口を第1状態(開放状態)とする期間(開放期間)に応じて遊技球の通過しやすさを異ならせるようにしてもよい。一例として、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは第1個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、大入賞口を遊技球が通過しやすい第1変化態様で開放状態に変化させる制御を行う。一方、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉は、第1期間よりも短い第2期間となる所定の上限時間(例えば10秒間)が経過するまでの期間、あるいは第2個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、大入賞口を遊技球が通過しにくい第2変化態様で開放状態に変化させる制御を行う。
大当り遊技状態であるときに実行される全部のラウンドにて大入賞口を第1変化態様で変化させる第1大当り状態と、大当り遊技状態であるときに実行される一部のラウンドにて大入賞口を第2変化態様で変化させる第2大当り状態とを設けてもよい。一例として、第1大当り状態と第2大当り状態は、いずれもラウンドの上限回数(総ラウンド数)が「16」であるものの、第1大当り状態では16回のラウンドの全部にて大入賞口を第1変化態様(例えば29秒間または9個の入賞球発生まで)で開放状態に変化させる一方、第2大当り状態では16回のラウンドのうち6回のラウンドにて大入賞口を第1変化態様で開放状態に変化させた後、残り10回のラウンドでは大入賞口を第2変化態様(例えば0.1秒の経過まで)で開放状態に変化させてもよい。このように、第1大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過しやすい第1変化態様で、第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる一方、第2大当り状態であるときには、所定期間にて大入賞口を遊技球が通過しにくい第2変化態様で、第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われてもよい。
例えば16R大当り状態における遊技のように、多数の遊技球が大入賞口を通過しやすい遊技状態における遊技は、6R大当り状態における所定遊技よりも遊技者にとって有利な有利遊技となる。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態として6R大当り状態と16R大当り状態のいずれに制御されるかに応じて、所定遊技と、所定遊技よりも遊技者にとって有利な有利遊技とを実行可能である。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作のいずれか、あるいは、これらの一部または全部の組合せといった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
この実施の形態では、一例として、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が同一である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
確定特別図柄として導出される特別図柄が16R大当り図柄と6R大当り図柄のいずれであるかに応じて、大当り組合せとして停止表示される飾り図柄を異ならせてもよい。一例として、16R大当り図柄が確定特別図柄として導出される場合(16R大当り状態となる場合)には、「1」〜「8」の飾り図柄の全部を対象として、大当り組合せで停止表示する飾り図柄が選択される一方、6R大当り図柄が確定特別図柄として導出される場合(6R大当り状態となる場合)には、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄を対象として、大当り組合せで停止表示する飾り図柄が選択されてもよい。この場合、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」の飾り図柄のいずれかが大当り組合せで停止表示されることにより、16R大当り状態となることが確定的に報知される。一方、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄のいずれかが大当り組合せで停止表示されたときには、16R大当り状態となるか6R大当り状態となるかを遊技者が認識不可能または認識困難となる。
特図ゲームにおける確定特別図柄が6R大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「第1大当り」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。一方、特図ゲームにおける確定特別図柄が16R大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「第2大当り」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。
この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中やラウンド間のインターバル中といった所定期間にて、大当り中演出となるバトル演出が実行される。バトル演出では、自キャラクタが敵キャラクタと対戦する(バトルを行う)ような演出(バトル中演出)が行われる。一例として、バトル演出で自キャラクタが敵キャラクタとの対戦に勝ったときには、16R大当り状態に対応して16回のラウンドが実行されることを、遊技者が認識可能に報知する。一方、バトル演出で自キャラクタが敵キャラクタとの対戦に負けたときには、6R大当り状態に対応して6回のラウンドが実行されること、遊技者が認識可能に報知する。ラウンドの実行回数(総ラウンド数)に応じて対戦の結果を報知する演出は、バトル結果報知演出ともいう。このように、バトル演出には、バトル中演出と、バトル結果報知演出とが含まれていればよい。この実施の形態では、例えば自キャラクタや敵キャラクタがバトル中に使う攻撃技といった、バトル中演出における演出態様が複数態様のいずれであるかに応じて、自キャラクタが対戦に勝つ可能性(16ラウンド期待度)を異ならせている。
この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変制御(確率変動制御)が行われる確変状態に制御される。確変制御が行われることにより、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。
大当り遊技状態が終了した後には、確変制御とともに、あるいは確変制御とは別個に、時短制御(時間短縮制御)が行われてもよい。時短制御が行われることにより、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される。時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいう。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了とは連動しなくてよい。
確変制御は、所定回数(例えば15回など)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。ただし、可変表示結果が再び「大当り」となった場合には、大当り遊技状態の終了後さらに確変制御が行われる確変状態となればよい。時短制御は、確変制御とともに終了してもよい。あるいは、確変制御が終了するより前もしくは確変制御が終了した後を含めて、所定回数(例えば10回もしくは50回など)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、時短制御を終了してもよい。
確変制御とともに時短制御が行われる確変状態(時短付確変状態)は、高確高ベース状態とも称される。また、確変制御のみが行われて時短制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。さらに、確変制御が行われずに時短制御のみが行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御と時短制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。このように、確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御が行われる高確高ベース状態の他に、確変制御のみが行われて時短制御が行われない高確低ベース状態が含まれていてもよい。
確変状態や時短状態において確変制御や時短制御および高開放制御が行われるときには、各特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる確率が通常よりも高くなることや(確変制御の場合)、各特図ゲームにおける特図変動時間が短縮されるとともに第2開始条件が成立しやすくなることにより(時短制御および高開放制御の場合)、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。こうした通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすく遊技者にとって有利な遊技状態は、特定遊技状態としての大当り遊技状態とは異なる「特別遊技状態」と称される。なお、確変状態は第1特別遊技状態ともいう一方、時短状態は第2特別遊技状態ともいう。また、時短制御に伴い高開放制御が行われる確変状態や時短状態は、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい有利変化態様で普通可変入賞球装置6Bの可動部材が通常開放状態と拡大開放状態とに変化する「有利状態」ということもあれば、「高ベース状態」ということもある。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞の発生時における所定の判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドである。この実施の形態では、始動入賞の発生時に抽出した所定の乱数値(特図表示結果決定用の乱数値MR1)について、予め設定した複数の数値範囲のいずれに含まれるかを判定し、その判定結果に応じて異なるデータが、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして設定される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば6R大当り状態や16R大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB0XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンドB000Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンドB001Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンドB002Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することにより第1始動入賞が発生したときに、第1始動条件が成立したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することにより第2始動入賞が発生したときに、第2始動条件が成立したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12へと送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて合計保留記憶数通知コマンドを送信する場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する始動口入賞指定コマンドを送信するようにしてもよい。
この実施の形態では、始動入賞判定処理(図16参照)において、始動入賞の発生に基づき抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1がいずれの数値範囲に含まれるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに、乱数値MR1の判定結果を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに基づいて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを認識できる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図12に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「第1大当り」または「第2大当り」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。
非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図6は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図6に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容(例えばスーパーリーチαであるかスーパーリーチβであるか)に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図6に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図5に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図10に示すような変動パターン決定テーブル133の設定から、特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル133において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1において確変制御が行われない遊技状態(通常状態または時短状態)であるか、確変制御が行われる遊技状態(確変状態)であるかという確変制御の有無に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。特図表示結果決定テーブル130において、複数種類の特図表示結果に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。
図7に示す特図表示結果決定テーブル130の設定例では、遊技状態が確変状態(高確状態)である場合の「確変制御あり」に対応して、通常状態または時短状態(低確状態)である場合の「確変制御なし」よりも多くの決定値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、確変制御が行われない通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、特図表示結果決定テーブル130における決定用データは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときよりも大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、特図表示結果決定テーブル130において同一のテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。この場合には、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合とでは、所定の特図表示結果(例えば「小当り」など)に対する決定値の割当てを異ならせてもよい。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「第1大当り」または「第2大当り」といった大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、短期開放大当り状態としての6R大当り状態に制御するか長期開放状態としての15R大当り状態に制御するかの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「第1大当り」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、6R大当り状態に制御するとの決定結果に対応する一方で、「第2大当り」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、16R大当り状態に制御するとの決定結果に対応している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「1」または「2」)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
図8に示す大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「第1大当り」または「第2大当り」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「第1大当り」または「第2大当り」に決定する割合を、異ならせることができる。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて、大当り種別決定テーブル131において異なるテーブルデータを参照して大当り種別が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、複数種類の大当り種別に対する決定値の割当てが同一のテーブルデータを用意してもよい。
図9は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図9(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「第1大当り」または「第2大当り」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「第1大当り」である場合と「第2大当り」である場合とでは、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aにおける決定値は、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターン種別に決定されるように、各変動パターン種別に割り当てられる部分があってもよい。一例として、大当り種別が「第1大当り」である場合には決定値が割り当てられない特定の変動パターン種別に対して、大当り種別が「第2大当り」である場合にのみ所定の決定値が割り当てられてもよい。これにより、所定の大当り種別に決定された場合には、所定の大当り種別以外に決定された場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bは、例えば遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cは、例えば遊技状態が確変状態や時短状態であるときに、時短制御が行われていることに対応する使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
図10は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、単一または複数の変動パターンに割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図11に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図11に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
図12(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図12(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図12(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出または大当り中演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターンまたは各種演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図13(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図13(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図13(B1)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ194Aと、図13(B2)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ194Bとを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1始動入賞時コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第2始動入賞時コマンドバッファ194Bには、第2特図保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。
第1始動入賞口への始動入賞(第1始動入賞)があったときには、第1保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドといった複数のコマンドが1セットとなり、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞口への始動入賞(第2始動入賞)があったときには、第2保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドといった複数のコマンドが1セットなり、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時コマンドバッファ194Aには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットのコマンド(第1保留記憶数通知コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンド)を対応付けて記憶できるように格納領域が確保されている。第2始動入賞時コマンドバッファ194Bには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットのコマンド(第2保留記憶数通知コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンド)を対応付けて記憶できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信したコマンドを、その受信順序に従って第1始動入賞時コマンドバッファ194Aまたは第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの空き領域に格納していく。例えば、第1始動入賞に基づく第1保留記憶数通知コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドを受信したときには、第1始動入賞時コマンドバッファ194Aのバッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭に、第1保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順番で格納していく。一方、第2始動入賞に基づく第2保留記憶数通知コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドを受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bのバッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭に、第2保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順番で格納していく。
第1始動入賞や第2始動入賞の発生時には、保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図13(B1)および(B2)に示すようなバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、保留記憶数通知コマンド、入賞時判定結果指定コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図13(B1)ではバッファ番号「1」および「2」に対応する格納領域にてコマンドが格納され、図13(B2)ではバッファ番号「1」〜「3」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
第1始動入賞時コマンドバッファ194Aや第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図13(B1)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされるとともに、バッファ番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
図13(B2)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ194Bのうち、バッファ番号「3」に対応した領域については、第2保留記憶数通知コマンドにより通知された第2特図保留記憶数が「1」となり不整合が生じた場合の例が示されている。すなわち、第2保留記憶数通知コマンドで通知された第2特図保留記憶数よりもバッファ番号の方が大きな値になっており、主基板11から通知された第2特図保留記憶数が第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの記憶内容から特定される第2特図保留記憶数と矛盾(不整合)している。なお、飾り図柄の可変表示が開始されるときには各コマンドのシフトが行われることから、保留記憶数通知コマンドで通知された特図保留記憶数よりもバッファ番号が小さな値になっても直ちに矛盾(不整合)とはならない。ただし、コマンドの受信時点における相違は矛盾(不整合)となり得る。
例えば大当り遊技状態に制御されているときには、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納されている始動入賞時のコマンド(第2保留記憶数通知コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンド)に基づいて、可変表示結果が「大当り」となる特図ゲームが保留記憶されているか否かの判定(保留内大当り判定)が行われる。こうした保留内大当り判定の結果に応じて異なる割合で、大当り中演出における演出態様(バトル演出パターン)が決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、保留内大当り判定がなかったものとして演出態様が決定される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図14のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図14に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図15は、特別図柄プロセス処理として、図14に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図16は、始動入賞判定処理として、図15のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図16に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否か、さらには可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図14に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、ステップS209の処理により抽出した数値データに示される特図表示結果決定用の乱数値MR1が、予め設定した複数の数値範囲のいずれに含まれるかを判定する(ステップS212)。この実施の形態では、複数の数値範囲として、「8001」〜「8437」の範囲、「8438」〜「11277」の範囲、および、これら以外の範囲が予め設定されている。一例として、ステップS212の処理では、それぞれの数値範囲における最小値(下限値)と最大値(上限値)とを設定して、ステップS209の処理により抽出した乱数値MR1との比較により、いずれの数値範囲内に含まれるかを判定できればよい。
ステップS212の処理を実行した後には、入賞時判定結果指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS213)。図17は、ステップS213の処理にて送信設定が行われる入賞時判定結果指定コマンドの構成例を示している。図17に示す入賞時判定結果指定コマンドでは、ステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1が複数の数値範囲のうちいずれに含まれるかの判定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド9500Hは、乱数値MR1が「8001」〜「8437」の範囲内に含まれること(第1判定結果)を示す入賞時判定結果第1指定コマンドである。コマンド9501Hは、乱数値MR1が「8438」〜「11277」の範囲内に含まれること(第2判定結果)を示す入賞時判定結果第2指定コマンドである。コマンド9502Hは、乱数値MR1が上記以外の範囲内に含まれること(第3判定結果)を示す入賞時判定結果第3指定コマンドである。
この実施の形態では、図7に示すように、パチンコ遊技機1において確変制御が行われているか否かにかかわらず、乱数値MR1が「8001」〜「8437」の値のいずれかであれば、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、入賞時判定結果第1指定コマンドは、遊技状態が確変状態であるか否かにかかわらず可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御すると決定されることを、演出制御基板12の側において特定可能となるように指定する。乱数値MR1が「8438」〜「11277」の値のいずれかであれば、パチンコ遊技機1において確変制御が行われている場合に限り、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、入賞時判定結果第2指定コマンドは、遊技状態が確変状態であるときに可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御すると決定されることを、演出制御基板12の側において特定可能となるように指定する。入賞時判定結果第3指定コマンドは、可変表示結果が「ハズレ」となり大当り遊技状態には制御しないと決定されることを、演出制御基板12の側において特定可能となるように指定する。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
こうした始動入賞判定処理では、ステップS211の処理を実行した後に、ステップS213の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図14に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)および入賞時判定結果指定コマンドという2つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図15のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄またはハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「第1大当り」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「6回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「第2大当り」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「16回」に設定することにより、長期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図18は、特別図柄通常処理として、図15のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」または「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。このときには、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態であるか否かを特定すればよい。確変フラグは、確変制御が行われる確変状態に制御されるときにオン状態にセットされる。一方、確変状態が終了するときには、確変フラグがクリアされてオフ状態となる。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが「第1大当り」または「第2大当り」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「第1大当り」であれば大当り種別バッファ値を「1」とし、「第2大当り」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;No)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではない判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」または「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「第1大当り」とする決定結果に応じて、6R大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「第2大当り」とする決定結果に応じて、16R大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図19は、変動パターン設定処理として、図15のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(ステップS264)。そして、時短制御中ではないときには(ステップS264;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bを選択してセットする(ステップS265)。ステップS264にて時短制御中である場合には(ステップS264;Yes)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットする(ステップS266)。なお、ステップS265、S266の処理のいずれかを実行したときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定するとよい。
ステップS263、S265、S266の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS267)。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、ステップS267の処理では、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS267の処理にて変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS267の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS267にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS268)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS268にてセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。
変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS269の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留情報として記憶しておいてもよい。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
図20は、図15のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図15に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS322)。例えば、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする。そして、確変制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「15」など)を、遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられた確変回数カウンタに設定する。
ステップS322の処理に続いて、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS323)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットする。そして、時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「50」など)を、遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタに設定する。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS324)、大当り終了処理の実行を終了する。
こうした大当り終了処理により確変制御を開始するための設定が行われた後、第1開始条件または第2開始条件の成立に基づき特図ゲームの実行が開始されるときには、図18に示すステップS240の処理にて、確変制御ありに応じた割合で特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かが決定される。そして、図7に示すような特図表示結果決定テーブル130における決定値の割当てにより、確変制御が行われる確変状態であるときには、確変制御が行われない通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。このように、確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも大当り遊技状態に制御すると決定されやすい。
大当り終了処理により時短制御を開始するための設定が行われた後、第1開始条件または第2開始条件の成立に基づき特図ゲームの実行が開始されるときには、図19に示すステップS264の処理にて時短制御中であると判定されることで、ステップS266の処理によりハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cが選択される。そして、図9(C)に示すようなハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)132Cにおける決定値の割当てなどにより、時短制御が行われる時短状態(確変状態の一部または全部を含む)であるときには、時短制御が行われない通常状態(確変状態の一部を含んでもよい)であるときよりも、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短い変動パターンに決定されやすくなる。
また、大当り終了処理により時短制御を開始するための設定が行われた後、図14に示すステップS16の普通図柄プロセス処理では、高開放制御を行うための処理が実行される。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始すると判定されたときには、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどに基づき、所定の普図表示結果決定テーブルを参照して、普図表示結果を決定する。ここで、普図表示結果決定テーブルでは、時短フラグがオンに対応して高開放制御が行われる場合に、高開放制御が行われない場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定がなされる割合が高くなるように決定値が普図表示結果に割り当てられている。これにより、時短状態(確変状態の一部または全部を含む)において高開放制御が行われる有利状態では、通常状態に比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態(通過有利状態)となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
普図プロセス処理では、普図表示結果に対応する普図変動時間の決定も行われる。このとき、時短フラグがオンに対応して高開放制御が行われる場合には、高開放制御が行われない場合よりも普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)が短くなるように設定される。これにより、時短状態(確変状態の一部または全部を含む)において高開放制御が行われる有利状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態(通過有利状態)となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
普図プロセス処理では、普図表示結果を「普図当り」とする場合に、第2始動入賞口を拡大開放状態(通過有利状態)とする時間である傾動制御時間や拡大開放状態(通過有利状態)とする回数である傾動制御回数を設定する。このとき、時短フラグがオンに対応して高開放制御が行われる場合には、高開放制御が行われない場合よりも傾動制御時間や傾動制御回数が増加するように設定される。これにより、時短状態(確変状態の一部または全部を含む)において高開放制御が行われる有利状態では、第2始動入賞口が拡大開放状態(通過有利状態)となる時間や回数が増加することで、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
図15に示すステップS113の特別図柄停止処理では、特図表示結果が「大当り」となる場合に対応して、確変制御や時短制御を終了するための設定が行われる。例えば、遊技制御フラグ設定部151などに設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、遊技制御カウンタ設定部154などに設けられた確変回数カウンタや時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。
特別図柄停止処理では、特図表示結果が「ハズレ」となる場合に対応して、時短状態(確変状態の一部または全部を含む)における時短制御や高開放制御を終了させるか否かの判定と、確変状態における確変制御を終了させるか否かの判定とが行われる。例えば、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するように更新して、減算後のカウント値が「0」となったか否かを判定する。そして、時短回数カウント値が「0」となったときには、時短制御を終了させると判断して、時短フラグをクリアする。また、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するように更新して、減算後のカウント値が「0」となったか否かを判定する。そして、確変回数カウント値が「0」となったときには、確変制御を終了させると判断して、確変フラグをクリアする。なお、時短回数カウント値や確変回数カウント値を更新(1減算)するタイミングは、特図ゲームの終了に対応して特別図柄終了処理が実行されるタイミングに限定されず、例えば図18に示すステップS231またはステップS235にて特図保留記憶数が「0」以外であると判定されたことに基づいて特図ゲームの実行が開始されるタイミングであってもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図21のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図21に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図22は、コマンド解析処理として、図21のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。このとき、第1保留記憶数通知コマンドではないと判定された場合には(ステップS502;No)、受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS503)。第2保留記憶数通知コマンドではないと判定された場合には(ステップS503;No)、入賞時判定結果指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。
ステップS502にて第1保留記憶数通知コマンドであると判定された場合や(ステップS502;Yes)、ステップS503にて第2保留記憶数通知コマンドであると判定された場合(ステップS503;Yes)、あるいは、ステップS504にて入賞時判定結果指定コマンドであると判定された場合には(ステップS504;Yes)、第1始動入賞時コマンドバッファ194Aや第2始動入賞時コマンドバッファ194Bといった始動入賞時コマンドバッファのいずれかにおいて、空き領域の先頭に受信コマンドを格納してから(ステップS505)、ステップS501の処理に戻る。
一例として、第1保留記憶数通知コマンドとともに入賞時判定結果指定コマンドを受信したときには、第1始動入賞時コマンドバッファ194Aにおける空き領域のうちで、バッファ番号が最も小さい格納領域に、第1保留記憶数通知コマンドと入賞時判定結果指定コマンドを順番に記憶させる。一方、第2保留記憶数通知コマンドとともに入賞時判定結果指定コマンドを受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bにおける空き領域のうちで、バッファ番号が最も小さい格納領域に、第2保留記憶数通知コマンドと入賞時判定結果指定コマンドを順番に記憶させる。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時コマンドバッファに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS504にて受信コマンドが入賞時判定結果指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS504;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS505)、ステップS501の処理に戻る。
保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドのように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する演出制御コマンドである第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、保留通知情報ともいう。保留通知情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したかを特定可能に示す始動口入賞指定コマンドを設けてもよい。始動入賞が発生したときに、乱数値MR1を示す数値データの抽出値に基づく判定結果を指定する演出制御コマンドである入賞時判定結果指定コマンドは、判定結果情報ともいう。なお、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、第1保留記憶数通知コマンドと第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときには、受信後の経過時間を計測することにより、入賞時判定結果指定コマンドの受信待ち時間が経過したか否かを判定する。そして、受信待ち時間が経過するより前に入賞時判定結果指定コマンドを受信できた場合には、保留記憶数通知コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時コマンドバッファに記憶されている保留記憶数通知コマンドと対応付けて、受信した入賞時判定結果指定コマンドを格納する。一方、受信待ち時間が経過してから入賞時判定結果指定コマンドを受信した場合や、経過時間の計測が行われていないのに入賞時判定結果指定コマンドを受信した場合には、正常な受信期間内に受信できなかったとして、あるいは、保留記憶数通知コマンドが欠落しているとして、始動入賞時コマンドバッファにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信した入賞時判定結果指定コマンドを格納すればよい。
図23は、演出制御プロセス処理として、図21のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図24は、特図当り待ち処理として、図23のステップS173にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS521)。当り開始指定コマンド受信待ち時間は、図23に示すステップS172の可変表示中演出処理にて、図柄確定コマンドの受信などに基づき確定飾り図柄を導出表示(完全停止表示)したときに、予め定められた一定時間として設定される。
ステップS521にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS521;No)、主基板11から伝送される当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS522)。このとき、当り開始指定コマンドの受信がなければ(ステップS522;No)、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS522にて当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS522;Yes)、大当り種別に応じた総ラウンド数を特定する(ステップS523)。例えば、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンドのEXTデータに示される大当り種別などから、総ラウンド数が6ラウンドまたは16ラウンドのいずれであるかを特定すればよい。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」であれば総ラウンド数が6ラウンドとなる一方、大当り種別が「第2大当り」であれば総ラウンド数が16ラウンドとなる。
ステップS523の処理に続いて、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bにおける記憶内容をチェックする(ステップS524)。そして、保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドといった、始動入賞時のコマンドを示すデータが第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納されているか否かに応じて、保留記憶があるか否かを判定する(ステップS525)。
ステップS525にて保留記憶があると判定されたときには(ステップS525;Yes)、始動入賞の発生に基づく受信コマンド(保留記憶数通知コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンド)の順序と内容をチェックして(ステップS526)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS527)。ステップS527の処理では、例えば保留記憶数通知コマンドと入賞時判定結果指定コマンドの受信が順番通りであるか否か、いずれも欠落なく受信できたか否か、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)がないかなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。
具体的な一例として、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bにおけるバッファ番号「3」の格納領域に、第2特図保留記憶数が「1」であることを通知する第2保留記憶数通知コマンドが格納されている場合には、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの記憶状態から特定される第2特図保留記憶数と、第2保留記憶数通知コマンドにより通知された第2特図保留記憶数との相違が許容されない場合であるとして、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)があると判断すればよい。
保留記憶数通知コマンドと入賞時判定結果指定コマンドの受信が順番通りであること、いずれも欠落なく受信できたこと、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)がないことのうち、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS527にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS527;Yes)、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納されている入賞時判定結果指定コマンドのうちに、乱数値MR1が「8001」〜「8437」の範囲内に含まれる旨の第1判定結果、または、乱数値MR1が「8438」〜「11277」の範囲内に含まれる旨の第2判定結果を指定するものがあるか否かを判定する(ステップS528)。例えば、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納されている入賞時判定結果指定コマンドの指定内容を、バッファ番号が「1」に対応するものから「4」に対応するものへと順に読み取り、第1判定結果または第2判定結果を指定するコマンドが1つでも見つかったときに、第1判定結果または第2判定結果を指定するものがあると判定すればよい。こうして第1判定結果または第2判定結果を示すものがあると判定されたときには(ステップS528;Yes)、保留内大当り判定ありを設定する(ステップS529)。
この実施の形態において、大当り遊技状態の終了後には、大当り種別にかかわらず所定回(例えば15回)の特図ゲームが実行されるまで、確変制御が行われる確変状態となる。また、ステップS524の処理による第2始動入賞時コマンドバッファ194Bのチェックは、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されることに対応して、ステップS522の処理にて当り開始指定コマンドの受信があったと判定したときに行われる。さらに、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。すなわち、ステップS524の処理を実行したときに第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに格納されている入賞時判定結果指定コマンドに対応する可変表示は、大当り遊技状態の終了後における確変状態であるときに実行可能となる。したがって、ステップS528の処理にて第1判定結果または第2判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドがあると判定されたときには、保留記憶されている特図ゲームのうちに、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となるものが含まれていることになる。
ステップS525にて保留記憶がない場合や(ステップS525;No)、ステップS527にて正常に受信できなかったと判定された場合(ステップS527;No)、ステップS528にて第1判定結果または第2判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドがないと判定された場合(ステップS528;No)、あるいは、ステップS529の処理を実行した後には、バトル演出パターンの決定を行う(ステップS530)。
この実施の形態では、複数のバトル演出パターンとして、バトル演出パターンSPA〜SPDという4つのパターンが予め用意されている。それぞれのバトル演出パターンでは、大当り中演出として実行されるバトル演出に含まれるバトル中演出における演出態様の少なくとも一部を異ならせている。ステップS530の処理では、バトル演出パターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意されたバトル演出決定テーブルを選択してセットする。バトル演出決定テーブルでは、大当り遊技状態における総ラウンド数や保留内大当り判定の有無に応じて、バトル演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、バトル演出パターンSPA〜SPDのそれぞれに割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出したバトル演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、バトル演出決定テーブルを参照することにより、複数のバトル演出パターンのいずれかに決定すればよい。
ステップS530にてバトル演出パターンを決定した後には、バトル結果報知内容を設定する(ステップS531)。バトル結果報知内容は、バトル演出における対戦の結果として報知する内容であり、対戦の結果が勝ちとなったことを報知する「バトル勝ち」と、対戦の結果が負けとなったことを報知する「バトル負け」とのうち、いずれかに設定される。なお、対戦の結果が引き分けとなる「バトル引き分け」を設けてもよい。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」で総ラウンド数が6ラウンドとなる場合に、バトル結果報知内容を「バトル負け」に設定する。一方、大当り種別が「第2大当り」で総ラウンド数が16ラウンドとなる場合には、バトル結果報知内容を「バトル勝ち」に設定する。したがって、バトル結果報知内容が「バトル負け」となることにより(第1特定演出)、総ラウンド数が6ラウンドとなる大当り遊技状態での所定遊技が実行されることを報知できる。また、バトル結果報知内容が「バトル勝ち」となることにより(第2特定演出)、総ラウンド数が16ラウンドとなる大当り遊技状態での有利遊技が実行されることを報知できる。
ステップS530、S531の処理では、例えば図25に示すような決定割合で、バトル演出パターンとバトル結果報知内容とが決定(設定)されればよい。図25に示す決定割合の設定により、総ラウンド数が6ラウンドであるときには、バトル演出パターンSPAに決定される割合が最も高く、バトル演出パターンSPB、バトル演出パターンSPC、バトル演出パターンSPDの順に決定される割合が低くなる。すなわち、総ラウンド数が6ラウンドであるときには、バトル演出パターンSPAに決定される割合が、例えばバトル演出パターンSPDといった、バトル演出パターンSPA以外の特定のバトル演出パターンに決定される割合よりも高くなる。また、総ラウンド数が6ラウンドであるときには、バトル演出パターンSPAに決定される割合が、複数のバトル演出パターンSPA〜SPDのうちで最も高くなる。あるいは、図25に示す決定割合の設定では特に保留内大当り判定がある場合に、総ラウンド数が6ラウンドであるときには、バトル演出パターンSPAに決定される割合が、バトル演出パターンSPA以外のバトル演出パターンSPB〜SPDに決定される割合(合計割合)よりも高くなる。
一方、総ラウンド数が16ラウンドであるときには、バトル演出パターンSPAに決定される割合が最も低く、バトル演出パターンSPB、バトル演出パターンSPC、バトル演出パターンSPDの順に決定される割合が高くなる。すなわち、総ラウンド数が16ラウンドであるときには、バトル演出パターンSPAに決定される割合が、例えばバトル演出パターンSPDといった、バトル演出パターンSPA以外の特定のバトル演出パターンに決定される割合よりも低くなる。また、総ラウンド数が16ラウンドであるときには、バトル演出パターンSPAに決定される割合が、複数のバトル演出パターンSPA〜SPDのうちで最も低くなる。あるいは、図25に示す決定割合の設定では特に保留内大当り判定がある場合に、総ラウンド数が16ラウンドであるときには、バトル演出パターンSPAに決定されることがない(決定割合が0%)。
また、保留内大当り判定の有無にかかわらず、総ラウンド数が16ラウンドの場合には、6ラウンドである場合よりも低い割合で、バトル演出パターンSPAに決定される。したがって、バトル演出がバトル演出パターンSPAの演出態様となった場合には、総ラウンド数が16ラウンドとなる可能性が低く、6ラウンドとなる可能性が高い。
総ラウンド数が6ラウンドであるときにバトル演出パターンSPAに決定される割合は、特定のバトル演出パターンに決定される割合よりも高いこと、複数のバトル演出パターンのうちで最も高くなること、バトル演出パターンSPA以外のバトル演出パターンに決定される合計割合よりも高くなることの全部を満たしてもよいし、少なくともいずれか1つを満たしてもよい。あるいは、総ラウンド数が16ラウンドであるときにバトル演出パターンSPAに決定される割合の設定によっては、これらのいずれを満たしていなくてもよい。例えば、総ラウンド数が16ラウンドであるときに図25に示すような決定割合でバトル演出パターンが決定される一方で、総ラウンド数が6ラウンドであるときにバトル演出パターンSPA〜SPDのいずれにも等しい割合(25%)で決定されるようにした場合でも、バトル演出がバトル演出パターンSPAの演出態様となるときには、総ラウンド数が16ラウンドとなる可能性が低く、6ラウンドとなる可能性の方が高くなる。
図25に示す決定割合の設定では、総ラウンド数が6ラウンドとなる場合のうち、保留内大当り判定がある場合には、保留内大当り判定がない場合よりも高い割合で、バトル演出パターンSPAに決定される。したがって、バトル演出がバトル演出パターンSPAの演出態様となった場合には、総ラウンド数が6ラウンドとなる可能性が高い一方で、保留記憶されている特図ゲームのうちに可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となるものが含まれている可能性が高くなる。
こうしてステップS530の処理によりバトル演出パターンを決定するとともに、ステップS531の処理によりバトル結果報知内容を設定した後には、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS532)、特図当り待ち処理を終了する。また、ステップS521にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過した場合には(ステップS521;Yes)、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS533)、特図当り待ち処理を終了する。
この実施の形態では、大当り遊技状態における所定期間にて、バトル演出が大当り中演出として実行される。そして、バトル演出に含まれるバトル中演出における演出態様は、バトル演出パターンSPA〜SPDのそれぞれに応じて少なくとも一部が異なる演出態様となり、バトル演出パターンの決定割合は、保留記憶されている特図ゲームのうちに可変表示結果が「大当り」となるものが含まれているか否かに応じて、異ならせるように設定している。ここで、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。また、大当り遊技状態の終了後には、確変制御が行われる確変状態に制御されるとともに、時短制御に伴う高開放制御が行われる。
高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させて優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。そのため、大当り遊技状態の開始後に第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶に基づいて決定した演出態様を出現させると、この演出態様から保留記憶の内容を認識した遊技者が、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で、第2特図を用いた特図ゲームを多数回実行することができてしまう。こうした第2特図を用いた特図ゲームで可変表示結果を「大当り」にできれば、大当り遊技状態へと繰り返し制御されることになってパチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。加えて、第1特図を用いた特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる保留データが記憶されたまま繰返し大当り遊技状態となったときに、その保留データに応じた割合で演出態様が決定されることにより、同様の演出態様が繰返し出現して演出効果が低下するおそれがある。あるいは、所定の演出態様が出現することにより可変表示結果が「大当り」となる旨を認識可能に報知した可変表示(報知対象の可変表示)が実行されるまでの期間が長期化し、演出に間延びが生じて演出効果が低下するおそれがある。さらには、遊技者が第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となることを認識しながら、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し通過(進入)させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかにより、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングを、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。
そこで、大当り遊技状態となるときには第1特図の特図ゲームに対応する入賞時判定結果を用いることなく、第2特図の特図ゲームに対応する入賞時判定結果のみを用いて、バトル演出パターンを決定する。これにより、バトル演出における演出態様から第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性の有無を遊技者が認識できてしまうことを防止して、健全な遊技性を確保することができる。また、バトル演出において同様の演出態様が繰返し出現することを防止して、演出効果の低下を防止できる。さらに、バトル演出において所定の演出態様が出現することによる報知対象の可変表示が実行されるまでの期間が長期化することを防止して、演出効果の低下を防止できる。
この実施の形態では、始動口バッファ値が「1」と「2」のいずれであるかにかかわらず、図16に示すステップS212の処理により特図表示結果決定用の乱数値MR1が含まれる数値範囲の判定を行い、図24に示すステップS524の処理にて第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの記憶内容のみをチェックすることにより、第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づくバトル演出パターンの決定を制限している。これに対して、図16に示す始動入賞判定処理において、始動口バッファ値が「1」であるときには、乱数値MR1の数値範囲を判定しないこと、あるいは、常に所定判定結果(例えば第1判定結果と第2判定結果以外の第3判定結果)に指定することにより、第1特図を用いた特図ゲームにて可変表示結果が「大当り」となるか否かに基づく演出態様の決定を制限してもよい。始動口バッファ値が「1」であるときには、入賞時判定結果指定コマンドの送信を制限して、第1始動入賞時コマンドバッファ194Aを設けないようにしてもよい。
図24に示すステップS527の処理により保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドを正常に受信できなかったと判定されたときには、ステップS529の処理を実行することなく、ステップS530、S531の処理に進む。これにより、保留記憶数通知コマンドの取りこぼし(欠落)や矛盾(不整合)があったときには、保留記憶されている特図ゲームのうちに可変表示結果が「大当り」となるものが含まれているという判定結果に基づくバトル演出パターンの決定を、制限することができる。例えば、保留記憶数通知コマンドを取りこぼして入賞時判定結果指定コマンドのみを受信したときには、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のいずれが増加したかを特定することができない。このとき、入賞時判定結果指定コマンドによる指定内容のみに基づいてバトル演出パターンを決定してしまうと、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」に決定されることを示す保留データであっても、第2特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」に決定されることを示す保留データであるとして、保留内大当り判定ありの判定結果に応じた割合で、バトル演出パターンが決定されてしまうおそれがある。
そこで、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のいずれが増加したかを特定可能な保留通知情報としての保留記憶数通知コマンドを正常に受信できなかったときには、保留内大当り判定ありの判定結果に基づくバトル演出パターンの決定が行われないように制限する。これにより、誤った判定結果に基づく誤った割合で決定された演出態様の出現を防止して、可変表示の開始前に実行可能なバトル演出の信頼性が低下することを防止できる。また、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」に決定されることを示す保留データに基づいて、誤った割合でバトル演出パターンが決定され、例えばバトル演出パターンSPAが繰返し選択されて同様の演出態様が繰返し出現することを防止して、演出効果の低下を防止できる。特に、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、演出の信頼度低下を防止するとともに、同様の演出態様が繰返し出現することを防止できる。
図26は、大当り中演出処理として、図23のステップS174にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り遊技状態にて実行されているラウンドが、第1ラウンド(1回目のラウンド)〜第5ラウンド(5回目のラウンド)のいずれかであるか、それら以外のラウンドであるかを判定する(ステップS541)。大当り遊技状態にて実行されているラウンドの回数は、例えば大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドのEXTデータなどから特定すればよい。
ステップS541にて第1ラウンド〜第5ラウンドのいずれかであると判定された場合には(ステップS541;Yes)、図24に示すステップS530の処理で決定されたバトル演出パターンSPA〜SPDのいずれかに応じたバトル中演出を実行するための演出動作制御を行ってから(ステップS542)、大当り中演出処理を終了する。ステップS542の処理では、バトル演出パターンに対応して予め用意された演出制御パターンから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部または全部を含めた各種の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS541にて第1ラウンド〜第5ラウンドのいずれでもないと判定された場合には(ステップS541;No)、第6ラウンドであるか否かを判定する(ステップSステップS543)。そして、第6ラウンドであると判定されたときには(ステップS543;Yes)、バトル結果報知演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS544)。このときには、例えば第6ラウンドに対応した大入賞口開放後通知コマンドを受信したか否かに応じて、第6ラウンドが終了するか否かを判定する(ステップS545)。第6ラウンドが終了しないのであれば、大当り中演出処理を終了する。
ステップS545にて第6ラウンドが終了すると判定された場合には(ステップS545;Yes)、大当り遊技状態における総ラウンド数が6ラウンドであるか否かを判定する(ステップS546)。総ラウンド数が16ラウンドであって6ラウンドではない場合には(ステップS546;No)、大当り中演出処理を終了する。一方、総ラウンド数が6ラウンドである場合には(ステップS546;Yes)、大当り中演出を終了するための設定を行い(ステップS547)、演出プロセスフラグの値をエンディング演出に対応した値である“5”に設定してから(ステップS548)、大当り中演出処理を終了する。
ステップS543にて第6ラウンドではないと判定された場合には(ステップS543;No)、大当り遊技状態にて実行されるラウンドが第7ラウンド〜第16ラウンドのいずれかであることに対応して、バトル勝利時演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS549)。ステップS549の処理では、バトル勝利時演出を実行するために予め用意された演出制御パターンから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部または全部を含めた各種の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS549の処理を実行したときには、例えば第16ラウンドに対応した大入賞口開放後通知コマンドを受信したか否かに応じて、第16ラウンドが終了するか否かを判定する(ステップS550)。第16ラウンドが終了してないのであれば、大当り中演出処理を終了する。一方、第16ラウンドが終了するときには、ステップS547の処理に進み、大当り中演出の終了設定を行ってから、演出プロセスフラグの値を“0”に初期化する。
このような大当り中演出処理を実行することにより、例えば図27に示すように、大当り遊技状態となった後には、第1ラウンド〜第5ラウンドにおける遊技が行われるときに、バトル中演出が実行される。バトル中演出における演出態様は、図24に示すステップS530の処理により決定されたバトル演出パターンに応じて異ならせる。
バトル中演出の実行に続き、第6ラウンドにおける遊技が行われるときには、バトル結果報知演出が実行される。バトル結果報知演出における演出態様は、図24に示すステップS531の処理により設定されたバトル結果報知内容に応じて異ならせる。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」に対応して6R大当り状態に制御されることで、大当り遊技状態における総ラウンド数が6ラウンドとなる場合に、バトル中演出での対戦に負けたことを、バトル結果報知演出での演出態様により遊技者が認識可能に報知する。その後、大当り遊技状態の終了に対応したエンディング演出が行われる。一方、大当り種別が「第2大当り」に対応して16R大当り状態に制御されることで、大当り遊技状態における総ラウンド数が16ラウンドとなる場合には、バトル中演出での対戦に勝ったことを、バトル結果報知演出での演出態様により遊技者が認識可能に報知する。その後、大当り遊技状態の終了に対応したエンディング演出が行われる。
16R大当り状態にて第7ラウンド以降のラウンドが実行される場合には、第6ラウンドに対応して実行されるバトル結果報知演出にて、対戦に勝ったことが報知される。こうした報知内容に基づいて、第7ラウンド〜第16ラウンドにおける遊技が行われるときには、バトル勝利時演出が実行される。
図28は、6R大当り状態となるときに保留内大当り判定ありの判定結果が得られた場合における演出動作の一例を示している。この演出動作例では、図28に示すような大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示された後に、6R大当り状態へと制御される。このときには、図24に示すステップS524の処理にて第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの記憶内容をチェックした結果に応じて、図25に示すような決定割合で、ステップS530の処理によりバトル演出パターンが決定されるとともに、ステップS531の処理によりバトル結果報知内容が設定される。
一例として、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bにおけるバッファ番号「1」と対応付けて第1判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドが格納されている場合には、ステップS529の処理にて設定した保留内大当り判定ありの判定結果に応じた割合で、バトル演出パターンSPA〜SPDのいずれかに決定される。6R大当り状態に対応して総ラウンド数が6ラウンドであることに加え、保留内大当り判定ありの判定結果が得られた場合には、保留内大当り判定なしの場合よりも高い割合で、バトル演出パターンSPAに決定される。この演出動作例でも、バトル演出パターンSPAに決定されるものとする。また、総ラウンド数が6ラウンドであることから、バトル結果報知内容が「バトル負け」に設定される。
例えば大当り遊技状態における第1ラウンドの開始に対応して、図26に示すステップS542の処理による演出制御が開始されることで、バトル中演出の実行が開始される。これにより、図28(B)に示すような自キャラクタの演出画像CHAと敵キャラクタの演出画像CHBとが表示された後、図28(C)に示すように対戦の開始が報知される。その後、バトル演出パターンSPAに対応する演出態様として、例えば図28(D)〜(F)に示すような敵キャラクタが必殺技を使う場面に応じた演出画像の表示が行われる。
図28(F)に示す演出画像の表示に続き、例えば大当り遊技状態における第6ラウンドの開始に対応して、図26に示すステップS544の処理による演出制御が行われることで、バトル結果報知演出が実行される。このときには、図28(G)に示すように、バトル結果報知内容が「バトル負け」に対応した演出画像の表示などが行われる。また、図26に示すステップS546の処理にて総ラウンド数が6ラウンドであると判定されることから、ステップS548の処理により演出プロセスフラグの値が「5」に更新される。こうして、6R大当り遊技状態の終了に対応して、図23に示すステップS175のエンディング演出処理が実行される。これにより、例えば図28(H)に示すような演出画像を表示するエンディング演出が実行される。
6R大当り遊技状態が終了した後、第2特図保留記憶数が「0」以外であることに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームが実行される。この演出動作例では、可変表示結果が「大当り」となる特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示中にて、例えば図28(I)に示すような演出画像の表示が行われる。その後、図28(J)に示すような大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。これにより、先の6R大当り状態となったときに記憶されていた保留データに基づいて、この6R大当り状態が終了した後の可変表示において再び可変表示結果が「大当り」となることで、短期間のうちに大当り遊技状態に繰返し制御されるという遊技価値が付与される。
図29は、16R大当り状態となる場合における演出動作の一例を示している。この演出動作例では、図29(A)に示すような大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示された後に、16R大当り状態へと制御される。このときにも、6R大当り状態に制御される場合と同様に、図25に示すような決定割合で、図24に示すステップS530の処理によりバトル演出パターンが決定されるとともに、ステップS531の処理によりバトル結果報知内容が設定される。
16R大当り状態に対応して総ラウンド数が16ラウンドである場合には、バトル演出パターンSPA〜SPDのうちで、バトル演出パターンSPDに決定される割合が最も高くなる。この演出動作例でも、バトル演出パターンSPDに決定されるものとする。また、総ラウンド数が16ラウンドであることから、バトル結果報知内容が「バトル勝ち」に設定される。
こうした決定や設定に基づいて、図28(B)および(C)と同様に、図29(B)および(C)に示すような演出画像の表示が行われる。その後、バトル演出パターンSPDに対応する演出態様として、例えば図29(D)〜(F)に示すような敵キャラクタが必殺技(図28(D)〜(F)参照)とは異なる攻撃技(通常技)を使う場面に応じた演出画像の表示が行われる。
図29(F)に示す演出画像の表示に続き、例えば大当り遊技状態における第6ラウンドの開始に対応して、バトル結果報知演出が実行される。このときには、図29(G)に示すように、バトル結果報知内容が「バトル勝ち」に対応した演出画像の表示などが行われる。その後、16R大当り状態に対応して第7ラウンド以降のラウンドが実行されるときには、図26に示すステップS549の処理による演出制御が行われることで、例えば図29(H)に示すような演出画像の表示といった、バトル勝利時演出が実行される。このような16R大当り状態の終了に対応して、例えば図29(I)に示すような演出画像を表示するエンディング演出が実行される。
以上のように、大当り遊技状態におけるラウンドの進行に応じて、少なくともバトル中演出とバトル結果報知演出を含むバトル演出(16R大当り状態の場合にはバトル勝利時演出を含む)が実行される。このうち、バトル結果報知演出では、バトル結果報知内容が「バトル負け」と「バトル勝ち」のいずれかとなることにより、6R大当り状態における所定遊技(総ラウンド数が6ラウンド)と、16R大当り状態における有利遊技(総ラウンド数が16ラウンド)とのうち、いずれの遊技が実行されるかを報知可能にする。また、バトル中演出における演出態様として、バトル演出パターンSPAの演出態様が出現したときには、6R大当り状態となる可能性が高く、16R大当り状態となる可能性は低い。一方、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bにおける記憶内容のチェック結果に基づいて、保留内大当り判定ありの判定結果が得られたときには、保留内大当り判定なしの判定結果であるときよりも高い割合で、バトル演出パターンSPAに決定される。これにより、バトル演出パターンSPAの演出態様が出現したときには、16R大当り状態となる期待度は低いものの、可変表示結果が「大当り」となる保留データに基づいて、大当り遊技状態が終了してから短期間のうちに再び大当り遊技状態に制御されるという、所定の遊技価値が付与されることへの期待度が高められる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
一例として、バトル中演出やバトル結果報知演出といったバトル演出における演出態様は、画像表示装置5に表示される演出画像の表示態様を異ならせることにより複数態様のいずれかとするものに限定されない。例えば、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作の他に、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型(可動部材)における駆動動作、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせた任意の演出態様を、バトル演出パターンの決定結果やバトル結果報知内容の設定に応じて異ならせるようにしてもよい。
図24に示すステップS530の処理では、図25に示すような決定割合でバトル演出パターンSPA〜SPDのいずれかに決定するものに限定されず、予め設定した様々な条件が成立したか否かに応じて異なる割合で、複数の演出態様のいずれかに決定することができればよい。
バトル演出の演出態様を決定する割合に関する他の一例として、可変表示結果が「大当り」に決定される保留データが記憶されている場合に、その大当り種別に応じて異なる割合で、バトル演出パターンの決定が行われるようにしてもよい。すなわち、保留記憶されている特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別が「第1大当り」となって6R大当り状態となるか、あるいは大当り種別が「第2大当り」となって16R大当り状態となるかに応じて異なる割合で、バトル演出パターンが複数パターンのいずれかに決定されてもよい。
この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、図16に示すステップS212の処理により特図表示結果決定用の乱数値MR1が含まれる数値範囲を判定した後、図30(A)に示すような処理を実行して、その乱数値MR1により可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」に決定されるか否かを判定する(ステップS212A)。例えば、CPU103は、ステップS212の処理にて第1判定結果または第2判定結果が得られたときに、可変表示結果が「大当り」に決定されると判定すればよい。
ステップS212Aにて可変表示結果が「大当り」に決定されると判定した場合には(ステップS212A;Yes)、図16に示すステップS209の処理により抽出した数値データに示される大当り種別決定用の乱数値MR2が、予め設定した複数の数値範囲のいずれに含まれるかを判定する(ステップS212B)。このときには、例えば図8に示す大当り種別決定テーブル131を使用テーブルにセットして、始動口バッファ値が「1」と「2」のいずれであるかに応じて、大当り種別に応じた複数の数値範囲のいずれに乱数値MR2が含まれるかを判定すればよい。こうした判定結果に基づいて、始動入賞時に可変表示結果が「大当り」に決定されると判定した場合には、乱数値MR2に基づいて決定される大当り種別を、入賞時判定結果指定コマンドにより特定可能に指定する。
例えば図16に示すステップS213の処理では、図30(B)に示すような入賞時判定結果指定コマンドの送信設定が行われる。図30(B)に示す入賞時判定結果指定コマンドでは、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果や、「大当り」に決定される場合の大当り種別に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、図30(B)に示すコマンド9500Hは、第1判定結果として、大当り種別が「第1大当り」に決定されることを指定する。また、図30(B)に示すコマンド9501Hは、第2判定結果として、大当り種別が「第2大当り」に決定されることを指定する。図30(B)に示すコマンド9502Hは、第3判定結果として、可変表示結果が「大当り」に決定されない大当り判定なしを指定する。
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図24に示すステップS527の処理にて保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドを正常に受信したと判定されたときに、図30(C)に示すような処理を実行する。このときには、図24に示すステップS524の処理にて第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの記憶内容をチェックした結果に基づいて、入賞時判定結果指定コマンドによる通知内容が、すべて大当り判定なしであるか否かを判定する(ステップS527A)。そして、大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」に対応した第1判定結果または第2判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドが格納されている場合には(ステップS527A;Yes)、その大当り種別(保留内大当り種別)を判定する(ステップS527B)。こうした判定結果に基づいて、図24に示すステップS530の処理では、例えば図30(D)に示すような決定割合で、バトル演出パターンSPA〜SPDのいずれかに決定すればよい。
図30(D)に示す決定割合の設定では、総ラウンド数が16ラウンドである場合や、総ラウンド数が6ラウンドで保留記憶に可変表示結果が「大当り」となるものがない場合に、バトル演出パターンSPAに決定されることがない。一方、総ラウンド数が6ラウンドで保留内大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」である場合には、バトル演出パターンSPAに決定される割合が最も高くなる。また、図30(D)に示す決定割合の設定では、総ラウンド数が6ラウンドとなる場合のうち、保留内大当り種別が「第2大当り」である場合には、保留内大当り種別が「第1大当り」である場合よりも高い割合で、バトル演出パターンSPAに決定される。したがって、バトル演出パターンSPAの演出態様となったときには、6R大当り状態となることが確定的に報知される一方で、保留記憶されている特図ゲームのうちに可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「第2大当り」となるものが含まれている可能性が高くなる。
これにより、バトル演出パターンSPAの演出態様が出現したときには、16R大当り状態となることは期待できないものの、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2大当り」となる保留データに基づいて、大当り遊技状態が終了してから短期間のうちに再び大当り遊技状態に制御され、しかも総ラウンド数が16ラウンドの16R大当り状態になるという、所定の遊技価値が付与されることへの期待度が高められる。このように、16R大当り状態における有利遊技(総ラウンド数が16ラウンド)が実行されるときには、バトル演出パターンSPAの演出態様に決定されないように設定してもよい。また、6R大当り状態における所定遊技(総ラウンド数が16ラウンド)が実行される場合のうち、保留記憶されている特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」にならない場合には、バトル演出パターンSPAの演出態様に決定されないように設定してもよい。さらに、所定の遊技価値として、保留記憶されている特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」となることに基づいて、総ラウンド数が6ラウンドの6R大当り状態よりも遊技者にとって有利な総ラウンド数が16ラウンドの16R大当り状態となる場合に、6R大当り状態となって所定の遊技価値が付与されない場合よりも高い割合で、バトル演出パターンSPAの演出態様に決定されるように設定してもよい。なお、これらの設定をすべて組み合わせたものに限定されず、図25に示した決定割合の設定を一部に含んでもよい。
バトル演出の演出態様を決定する割合に関するさらに他の一例として、総ラウンド数や保留内大当り判定の有無とともに、大当り遊技状態となる以前に高ベース制御が行われていたか否かに応じて異なる割合で、バトル演出パターンの決定が行われるようにしてもよい。この場合、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態となる前に受信した遊技状態指定コマンドを、演出制御バッファ194といったRAM122の所定領域に格納して記憶しておく。そして、図24に示すステップS529の処理により保留内大当り判定ありを設定した後には、遊技状態指定コマンドの記憶内容をチェックすることなどにより、例えば図31(A)に示すように大当り前の高ベース制御の有無を判定する(ステップS529A)。
高ベース制御となる高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなり、高開放制御が行われていないときよりも第2特図保留記憶数が増加しやすい。一方、高開放制御が行われていないときには第2特図保留記憶数が増加しにくいことから、図24に示すステップS529の処理により保留内大当り判定ありが設定される機会も少なくなり、バトル演出パターンSPAの演出態様に決定されにくくなる。
そこで、図24に示すステップS530の処理では、例えば図31(B)に示すような決定割合で、バトル演出パターンSPA〜SPDのいずれかに決定すればよい。図31(B)に示す決定割合の設定では、図30(D)に示した決定割合の設定と同様に、総ラウンド数が16ラウンドである場合や、総ラウンド数が6ラウンドで保留内大当り判定なしの場合に、バトル演出パターンSPAに決定されることがない。一方、総ラウンド数が6ラウンドで保留内大当り判定ありの場合には、バトル演出パターンSPAに決定される割合が最も高くなる。ここで、図30(D)に示した決定割合の設定とは異なり、図31(B)に示す決定割合の設定では、総ラウンド数が6ラウンドとなる場合のうち、大当り前高ベース制御なしの場合には、大当り前高ベース制御ありの場合よりも高い割合で、バトル演出パターンSPAに決定される。
こうして、大当り前に高ベース制御のない遊技状態(通常状態や時短制御なしの確変状態など)であったために第2特図保留記憶数が増加しにくかった場合には、高ベース制御のある遊技状態(時短状態や時短制御ありの確変状態など)であったことにより第2特図保留記憶数が増加しやすかった場合よりも高い割合で、バトル演出パターンSPAの演出態様に決定する。これにより、第2特図保留記憶数が増加しにくいときには特にバトル演出パターンSPAの演出態様が出現しやすくなり、バトル演出の演出態様がバトル演出パターンSPAの演出態様となる頻度を高めることができる。
大当り前高ベース制御の有無に代えて、第2特図保留記憶数が所定数以上であるか否かに応じて異なる割合で、バトル演出パターンの決定が行われるようにしてもよい。一例として、図24に示すステップS530の処理では、図32に示すような決定割合で、バトル演出パターンSPA〜SPDのいずれかに決定すればよい。図32に示す決定割合の設定では、図31(B)に示した大当り前高ベース制御の有無に代えて、第2特図保留記憶数が「1」または「2」であるか、「3」または「4」であるかに応じて、バトル演出パターンの決定割合を異ならせている。第2特図保留記憶数は、例えば第2始動入賞時コマンドバッファ194Bにおいて有効な第2保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドが格納されている領域のバッファ番号などから、特定すればよい。そして、総ラウンド数が6ラウンドになるとともに、保留内大当り判定ありの場合のうち、第2特図保留記憶数が「3」未満(「1」または「2」)である場合には、第2特図保留記憶数が「3」以上(「3」または「4」)である場合よりも高い割合で、バトル演出パターンSPAに決定される。
こうして、第2特図保留記憶数が少なく保留内大当り判定ありが設定される機会が少ないときには、第2特図保留記憶数が多いときよりも高い割合で、バトル演出パターンSPAの演出態様に決定する。これにより、第2特図保留記憶数が増加しにくいときでもバトル演出パターンSPAの演出態様が出現しやすくなり、バトル演出の演出態様がバトル演出パターンSPAの演出態様となる頻度を高めることができる。
バトル演出パターンSPAの演出態様が出現したときに付与される期待度が高まる所定の遊技価値は、保留データに基づき再び大当り遊技状態となることや再び16R大当り状態となることに限定されず、例えば大当り遊技状態の終了後に時短制御が行われる特図ゲームの上限回数としての時短回数が、予め定められた第1回数よりも多い第2回数となることであってもよい。具体的な一例として、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を、図33(A)に示すような「第1大当り」〜「第4大当り」のいずれかに設定できるようにする。大当り種別が「第1大当り」の場合と「第2大当り」の場合には、いずれも総ラウンド数が6ラウンドとなる一方で、「第1大当り」の場合には時短回数が「50回」に設定され、「第2大当り」の場合には時短回数が「100回」に設定される。また、大当り種別が「第3大当り」の場合と「第4大当り」の場合には、いずれも総ラウンド数が16ラウンドとなる一方で、「第3大当り」の場合には時短回数が「50回」に設定され、「第4大当り」の場合には時短回数が「100回」に設定される。
この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、図18に示すステップS244の処理にて、予め用意された大当り種別決定テーブルを参照することにより、所定割合で大当り種別を「第1大当り」〜「第4大当り」のいずれかに決定すればよい。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、大当り遊技状態に制御されたときに、その大当り種別が「第1大当り」〜「第4大当り」のいずれであるかに応じて、例えば図33(B)に示すような決定割合で、バトル演出パターンSPA〜SPDのいずれかに決定すればよい。
図33(B)に示す決定割合の設定では、大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」であることにより総ラウンド数が6ラウンドであるときに、大当り種別が「第3大当り」または「第4大当り」であることにより総ラウンド数が16ラウンドであるときよりも高い割合で、バトル演出パターンSPAに決定される。また、総ラウンド数が6ラウンドとなる場合のうち、大当り種別が「第2大当り」であることにより時短回数が「100回」となる場合には、大当り種別が「第1大当り」であることにより時短回数が「50回」となる場合よりも高い割合で、バトル演出パターンSPAに決定される。したがって、バトル演出パターンSPAの演出態様が出現したときには、16R大当り状態となる期待度は低いものの、大当り遊技状態の終了後における時短回数が比較的に多い「100回」になるという、所定の遊技価値が付与されることへの期待度が高められる。このように、所定の遊技価値として、時短制御が行われる特図ゲームの上限回数(時短回数)が第1回数よりも多い第2回数となる場合に、第1回数となって所定の遊技価値が付与されない場合よりも高い割合で、バトル演出パターンSPAの演出態様に決定されるように設定してもよい。
保留データに基づいて可変表示結果が「大当り」となることや、保留データに基づく大当り遊技状態での総ラウンド数が第1ラウンド数よりも多い第2ラウンド数となること、大当り遊技状態の終了後における時短回数が第1回数よりも多い第2回数となることの他に、例えば大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われることや、確変状態における大当り確率が第1確率(例えば1/50)よりも高い第2確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御される回数である連チャン回数が第1連チャン数(例えば「5」)よりも多い第2連チャン数(例えば「10」)となること、遊技球を特定の通過領域(例えばV入賞口など)へと誘導可能な第1経路よりも特定の通過領域を通過(進入)しやすい第2経路へと振り分けられることといった、所定の遊技価値が付与される場合に、こうした遊技価値が付与されない場合よりも高い割合で、所定の演出態様に決定するものであればよい。こうした遊技者に付与可能な所定の遊技価値は、パチンコ遊技機1における遊技が進行する上で遊技者にとって有利となる任意の価値であればよいが、一般的には、遊技者に対して景品として払い出される遊技球(賞球)や、電磁的記録として提供される得点が、通常よりも増加しやすくなるもの、あるいは通常よりも減少しにくくなるものであればよい。
上記実施の形態では、図24に示す特図当り待ち処理においてステップS530の処理を実行することにより、大当り遊技状態への制御が開始されるときに、バトル演出パターンが複数のパターンのいずれかに決定される。これに対して、例えば可変表示結果が「大当り」となる可変表示の開始時や、大当り遊技状態の開始後における所定タイミングにて、演出態様の決定が行われるようにしてもよい。一例として、図33(B)に示すような決定割合で複数のバトル演出パターンのいずれかに決定する処理を、大当り遊技状態に制御されたときではなく、飾り図柄の可変表示が開始されるときに、実行するようにしてもよい。
他の一例として、図23に示すステップS174の大当り中演出処理では、有利遊技が実行されるか否かにかかわらず共通の演出制御パターンを用いて演出動作の制御を行うことにより、図28(B)および(C)に示す演出画像の表示といった、バトルの結果などに関係のない共通演出を実行可能とする。その後、例えば第2ラウンドが終了して第3ラウンドが開始されるときなどに、図24に示すステップS523〜S530の処理を実行することにより、有利遊技が実行されるか否かや、所定の遊技価値が付与されるか否かに応じて異なる割合で、複数のバトル演出パターンのいずれかに決定すればよい。このように、例えば図28(D)に示す演出画像の表示といった、有利遊技が実行されるか否かや所定の遊技価値が付与されるか否かに応じて演出態様を異ならせる直前に、複数の演出パターンのいずれかに決定してもよい。
こうした大当り遊技状態の開始後における所定タイミングにて演出態様を決定する場合には、その大当り遊技状態となる以前に発生した始動入賞に基づいて保留内大当り判定がなされたか、大当り遊技状態となった以後に発生した始動入賞に基づいて保留内大当り判定がなされたかに応じて異なる割合で、複数のバトル演出パターンのいずれかに決定してもよい。より具体的に、大当り遊技状態となった以後に発生した始動入賞に基づいて保留内大当り判定ありとなった場合には、大当り遊技状態となる以前に発生した始動入賞に基づいて保留内大当り判定ありとなった場合よりも高い割合で、バトル演出パターンSPAに決定されてもよい。このように、大当り遊技状態となった以後に発生した始動入賞に基づいて所定の演出態様となりやすくすることにより、大当り遊技状態となってからの始動入賞に対する遊技者の注目を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
大当り遊技状態となる以前に発生した始動入賞であるか大当り遊技状態となった以後に発生した始動入賞であるかを判別するために、例えば図24に示すステップS522の処理により当り開始指定コマンドの受信ありと判定したときには、第2始動入賞時コマンドバッファにて有効なコマンドが格納されているバッファ番号(第2特図保留記憶数に対応)を記憶しておけばよい。そして、バトル演出パターンを決定するタイミングでは、記憶しているバッファ番号以下の格納領域に格納されているコマンドは大当り遊技状態となる以前に発生した始動入賞によるものと判別し、その他の格納領域に格納されているコマンドは大当り遊技状態となった以後に発生した始動入賞によるものと判別すればよい。
上記実施の形態では、大当り中演出として実行されるバトル演出の演出態様を、複数のバトル演出パターンに応じた演出態様のいずれかに決定する場合について説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される各種演出の演出態様を、複数の演出パターンに応じた演出態様のいずれかに決定する場合にも適用することができる。一例として、飾り図柄の可変表示中に、スーパーリーチのリーチ演出としてバトル演出が実行される場合に、その演出態様を複数のリーチ演出パターンに応じた演出態様のいずれかに決定するものであってもよい。この例において、可変表示結果が「ハズレ」となる場合の可変表示は、所定遊技として実行される。一方、可変表示結果が「大当り」となる場合の可変表示は、所定遊技よりも遊技者にとって有利な有利遊技として実行される。
この場合、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図23に示すステップS171の可変表示開始設定処理内にて、例えば図34に示すような変動中バトル演出決定処理を実行する。図34に示す変動中バトル演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、スーパーリーチのリーチ演出を伴う特定の変動パターンであるか否かを判定する(ステップS601)。このとき、スーパーリーチを伴うものでなければ(ステップS601;No)、変動中バトル演出決定処理を終了する。
ステップS601にてスーパーリーチを伴う変動パターンであると判定された場合には(ステップS601;Yes)、可変表示結果通知コマンドなどにより通知された今回の可変表示結果を特定する(ステップS602)。続いて、例えば遊技状態指定コマンドの記憶内容をチェックすることなどにより、高開放制御としての高ベース制御が行われているか否かを判定する(ステップS603)。このとき、高ベース制御が行われていなければ(ステップS603;No)、第1始動入賞時コマンドバッファ194Aと第2始動入賞時コマンドバッファ194Bの両方を対象として、これらの記憶内容をチェックする(ステップS604)。一方、高ベース制御が行われているときには(ステップS603;Yes)、第2始動入賞時コマンドバッファ194Bのみを対象として、記憶内容をチェックする(ステップS605)。
ステップS604、S605の処理のいずれかを実行した後には、これらの処理におけるチェック結果に基づいて、保留記憶があるか否かを判定する(ステップS606)。そして、保留記憶があると判定されたときには(ステップS606;Yes)、始動入賞の発生に基づく受信コマンドの順序と内容をチェックして(ステップS607)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS608)。このとき、正常に受信できたと判定された場合には(ステップS608;Yes)、チェックした入賞時判定結果指定コマンドのうちに、第1判定結果または第2判定結果を指定するものがあるか否かを判定する(ステップS609)。こうして第1判定結果または第2判定結果を指定するものがあると判定されたときには(ステップS609;Yes)、保留内大当り判定ありを設定する(ステップS610)。
その後、バトル演出パターンの決定を行うとともに(ステップS611)、バトル結果報知内容の設定を行う(ステップS612)。ステップS612の処理では、今回の可変表示結果が「ハズレ」である場合に、バトル結果報知内容を「バトル負け」に設定する。一方、今回の可変表示結果が「大当り」である場合に、バトル結果報知内容を「バトル勝ち」に設定する。したがって、バトル結果報知内容が「バトル負け」となることにより、可変表示結果が「ハズレ」となる所定遊技としての可変表示であることを報知できる。また、バトル結果報知内容が「バトル勝ち」となることにより、可変表示結果が「大当り」となる有利遊技としての可変表示であることを報知できる。
ステップS611、S612の処理では、例えば図35に示すような決定割合で、リーチ演出パターンとしてのバトル演出パターンとバトル結果報知内容とが決定(設定)されればよい。図35に示す決定割合の設定により、今回の可変表示結果が「ハズレ」であるときには、今回の可変表示結果が「大当り」であるときよりも高い割合で、バトル演出パターンSPAに決定される。また、今回の可変表示結果が「ハズレ」または「大当り」である場合のうち、保留内大当り判定なしの場合には、バトル演出パターンSPAに決定されることがない。一方、今回の可変表示結果が「ハズレ」で保留内大当り判定ありの場合には、バトル演出パターンSPAに決定される割合が最も高くなる。したがって、バトル演出パターンSPAの演出態様となることで、今回の可変表示結果は「ハズレ」になる可能性が高い一方で、保留記憶されている特図ゲームのうちに可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となるものが含まれていることが確定的に報知される。
これにより、バトル演出パターンSPAの演出態様が出現したときには、今回の可変表示結果が「大当り」になる有利遊技が実行される期待度は低いものの、保留データに基づいて次回以降の可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態になるという、所定の遊技価値が付与されることを期待できる。このように、今回の可変表示結果が「大当り」となるか否かという、今回の可変表示が遊技者にとって有利なものであるか否かに応じて異なる割合で、バトル演出パターンSPA〜SPDのいずれかに決定してもよい。なお、飾り図柄の可変表示中に実行されるバトル演出の演出態様を、今回の可変表示結果が「大当り」となる場合の総ラウンド数に応じて異なる割合で、バトル演出パターンSPA〜SPDのいずれかに決定してもよい。
図34に示す変動中バトル演出決定処理では、高ベース制御中であるときにステップS605の処理を実行することにより、第1特図の特図ゲームに対応する入賞時判定結果を用いることなく、第2特図の特図ゲームに対応する入賞時判定結果のみを用いて、バトル演出パターンを決定する。これにより、上記実施の形態において図24に示した特図当り待ち処理と同様に、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームより優先して実行される場合に、健全な遊技性を確保することができ、また、同様の演出態様が繰返し出現することを防止して、演出効果の低下を防止できる。
図34に示すステップS611の処理では、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したことに基づく可変表示が開始されるかに応じて異なる割合で、バトル演出パターンの決定が行われるようにしてもよい。ここで、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームより優先して実行される場合に、第1特図を用いた特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示が開始されるのであれば、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなる高ベース制御(高開放制御)が行われていない可能性が高い。すなわち、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が「0」であり、保留内大当り判定ありが設定される機会が少ない。そこで、今回の可変表示結果が「ハズレ」であるとともに、保留内大当り判定ありの場合のうち、第1始動入賞口における遊技球の通過(進入)に基づく第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始される場合には、第2始動入賞口における遊技球の通過(進入)に基づく第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始される場合よりも高い割合で、バトル演出パターンSPAに決定すればよい。
こうして、特図保留記憶数が少なく保留内大当り判定ありが設定される機会が少ないときには、特図保留記憶数が多いときよりも高い割合で、バトル演出パターンSPAの演出態様に決定する。これにより、特図保留記憶数が増加しにくいときでもバトル演出パターンSPAの演出態様が出現しやすくなり、バトル演出の演出態様がバトル演出パターンSPAの演出態様となる頻度を高めることができる。
バトル結果報知内容として、総ラウンド数が6ラウンドまたは16ラウンドとなること、あるいは、今回の可変表示結果が「ハズレ」または「大当り」となることといった、所定遊技よりも遊技者にとって有利な有利遊技が実行されるか否かを報知可能な演出内容は、「バトル勝ち」や「バトル負け」の他にも様々なものを設けてもよい。一例として、「バトル勝ち」(または「バトル負け」)に対応するバトル結果報知演出の演出パターンとして、互いに演出態様の少なくとも一部が異なる複数の演出パターンを設け、有利遊技が実行される場合には所定割合で複数の演出パターンのいずれかに決定されてもよい。バトル結果報知演出における演出態様として、例えば自キャラクタを示す演出画像の一部または全部における表示色、背景画像、対戦の結果を示す文字メッセージの表示色や大きさ、スピーカ8L、8Rから出力される効果音、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体の点灯態様、演出用模型の動作態様、これらの一部または全部の組合せなどを、複数の演出パターンに応じて異ならせることができればよい。
バトル結果報知演出は、所定遊技と有利遊技のいずれが実行されるかを確定的に報知するものに限定されず、その可能性を報知するものであってもよい。例えば、図24に示すステップS531の処理では、大当り種別に応じた総ラウンド数が6ラウンドであるか16ラウンドであるかといった、遊技者にとって有利な有利遊技が実行されるか否かに応じて異なる所定割合で、予め用意された複数種類のバトル結果報知内容のいずれかに決定することができればよい。
バトル演出における演出態様に限定されず、パチンコ遊技機1にて実行される任意の演出における演出態様を、有利遊技が実行されるか否かや所定の遊技価値が付与されるか否かに応じて異なる割合で、複数の演出パターンのいずれかに対応する演出態様に決定してもよい。例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や効果音出力、発光体の点灯、演出用模型の動作、あるいは、これらの一部または全部の組合せなどのように、所定の演出装置を用いた任意の演出動作により、有利遊技が実行されるか否かや所定の遊技価値が付与されるか否かを、遊技者が認識可能に報知すればよい。バトルの勝敗などの対戦結果を報知するものではなく、例えば物語などの所定のストーリーを展開させていくような演出を実行し、ストーリーの結末に応じて、有利遊技が実行されるか否かや所定の遊技価値が付与されるか否かを、遊技者が認識可能に報知してもよい。あるいは、例えば有利遊技が実行されるための達成条件を提示した後、その達成条件が成立するか否かの経過を示す演出を行い、達成条件が成立する「成功」となって有利遊技が実行されるか、達成条件が成立しない「失敗」となって有利遊技が実行されずに所定遊技が実行されるかを、遊技者が認識可能に報知してもよい。あるいは、例えば飾り図柄が大当り組合せで揃って停止表示される場合と、ハズレ組合せで停止表示される場合のように、可変表示結果が「大当り」となって有利遊技が実行されるか否かを、遊技者が認識可能に報知する演出態様であってもよい。
大当り中演出やリーチ演出の他にも、例えば予告演出として、上記実施の形態と同様のバトル演出、あるいはバトル演出とは異なる任意の演出を実行可能とし、その演出態様を、有利遊技が実行されるか否かや所定の遊技価値が付与されるか否かに応じて異なる割合で、複数の演出パターンのいずれかに対応する演出態様に決定してもよい。
上記実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームより優先して実行される場合について説明した。これに対して、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、図11に示す第1特図保留記憶部151Aおよび第2特図保留記憶部151Bに代えて、図36(A)に示すような特図保留記憶部151Xを設ける。
特図保留記憶部151Xでは、乱数値MR1〜MR3を示す数値データに加え、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留番号と対応付けて記憶する。一例として、第1始動入賞口への入賞に対応して「1」を示す始動口データ、あるいは第2始動入賞口への入賞に対応して「2」を示す始動口データが、各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶されればよい。なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動条件の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、別個の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、始動口データを各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶する始動口データ記憶部を設けて、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。また、図13(B1)および(B2)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ194Aや第2始動入賞時コマンドバッファ194Bに代えて、図36(B)に示すような始動入賞時コマンドバッファ194Cを設ける。
始動入賞時コマンドバッファ194Cには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番で、保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドを始動入賞時コマンドバッファ194Cの空き領域における先頭から格納していく。また、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。
第2特図を用いた特図ゲームと第1特図を用いた特図ゲームとに優劣がない場合には、第2特図を用いた特図ゲームが優先して実行される場合のような遊技の健全性が損なわれたり、同様の演出態様が繰返し出現したりするといった問題は生じにくい。この場合、演出制御用CPU120は、図24に示すステップS524の処理に代えて図36(C)に示すステップS524Aの処理を実行し、始動入賞時コマンドバッファ194Cの記憶内容をチェックして、可変表示結果が「大当り」に決定される保留データの有無を判定すればよい。こうして、第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームであるかにかかわらず、可変表示結果が「大当り」に決定される保留データの有無を判定する対象とし、その判定結果に応じて異なる割合で演出パターンを決定する。これにより、保留内大当り判定ありが設定される機会が多くなり、例えばバトル演出パターンSPAの演出態様といった、所定演出態様となる頻度を高めることができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、パチンコ遊技機1では、例えばバトル結果報知内容が「バトル負け」になるバトル演出(バトル結果報知演出)が実行されることにより、総ラウンド数が6ラウンドとなる大当り遊技状態での遊技といった所定遊技が実行されることを報知する。これに対して、例えばバトル結果報知内容が「バトル勝ち」になるバトル演出(バトル結果報知演出)が実行されることにより、総ラウンド数が16ラウンドとなる大当り遊技状態での遊技といった有利遊技が実行されることを報知する。そして、有利遊技が実行されるときには、所定遊技が実行されるときよりも低い割合でバトル演出パターンSPAの演出態様に決定される一方、例えば保留データのうちに可変表示結果が「大当り」となるものがある場合のように、有利遊技とは異なる所定の遊技価値が付与されるときに、付与されないときよりも高い割合でバトル演出パターンSPAの演出態様に決定される。これにより、例えばバトル演出(バトル中演出)でバトル演出パターンSPAの演出態様が出現したときなどの所定演出態様となった場合に、有利遊技が実行されることへの期待感を高められないとしても、有利遊技とは異なる所定の遊技価値が付与されることへの期待感を高めて、遊技興趣の低下を軽減することができる。
有利遊技としては、例えば総ラウンド数が16ラウンドとなることなどにより、特定領域としての大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい状態での遊技を行うことができる。これに対して、所定遊技としては、例えば総ラウンド数が6ラウンドとなることなどにより、有利遊技よりも大入賞口を遊技球が通過(進入)しにくい状態での遊技が行われる。したがって、例えばバトル演出(バトル中演出)でバトル演出パターンSPAの演出態様が出現したときなどの所定演出態様となった場合に、遊技球が特定領域を通過(進入)しやすい大当り遊技状態となることへの期待感を高められないとしても、所定の遊技価値が付与されることへの期待感を高めて、遊技興趣の低下を軽減することができる。
例えば図24に示す特図当り待ち処理では、ステップS528の処理にて第1判定結果または第2判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドがある場合に、ステップS529の処理により保留内大当り判定ありが設定されたことに基づいて、ステップS530の処理によるバトル演出パターンの決定が行われる。そして、例えば総ラウンド数が6ラウンドとなる場合のうち、保留内大当り判定ありの場合には、保留内大当り判定なしの場合よりも高い割合でバトル演出パターンSPAの演出態様に決定される。これにより、例えばバトル演出(バトル中演出)でバトル演出パターンSPAの演出態様が出現したときなどの所定演出態様となった場合に、保留データに基づいて可変表示結果が「大当り」となる大当り遊技状態に制御されることへの期待感を高めて、遊技興趣の低下を軽減することができる。
図30(C)に示すステップS527Bの処理では、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応する入賞時判定結果指定コマンドが格納されていることに基づいて、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかが判定される。そして、ステップS530の処理では、例えば図30(D)に示すように、総ラウンド数が6ラウンドとなる場合のうち、保留内大当り種別が「第2大当り」の場合には、保留内大当り種別が「第1大当り」の場合よりも高い割合でバトル演出パターンSPAの演出態様に決定される。これにより、例えばバトル演出(バトル中演出)でバトル演出パターンSPAの演出態様が出現したときなどの所定演出態様となった場合に、保留データに基づいて可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2大当り」となり総ラウンド数が16ラウンドの16R大当り状態での有利遊技が実行されることへの期待感を高めて、遊技興趣の低下を軽減することができる。
図31(A)に示すステップS529Aの処理では、大当り前に高ベース制御があったか否かが判定される。そして、ステップS530の処理では、例えば図31(B)に示すように、総ラウンド数が6ラウンドとなることに加え、保留内大当り判定ありの場合のうち、大当り前高ベース制御なしの場合には、大当り前高ベース制御ありの場合よりも高い割合でバトル演出パターンSPAの演出態様に決定される。これにより、第2始動領域としての第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しにくく第2特図保留記憶数が増加しにくいときに、保留内大当り判定ありの設定に基づいてバトル演出パターンSPAの演出態様となる頻度を高めて、バトル演出(バトル中演出)といった特定演出に対する遊技者の興味を高めることができる。
例えば図24に示す特図当り待ち処理では、ステップS527の処理にて保留記憶数通知コマンドや入賞時判定結果指定コマンドを正常に受信できなかったと判定されたときに、ステップS529の処理を実行することなく、ステップS530、S531の処理に進む。したがって、例えば保留記憶数通知コマンドの取りこぼし(欠落)や矛盾(不整合)などにより、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のいずれが増加したかを特定できないときには、保留内大当り判定ありの判定結果に基づくバトル演出パターンの決定が行われないように制限される。これにより、誤った判定結果に基づく誤った割合で決定された演出態様の出現を防止して、演出の信頼性が低下することを防止できる。