以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1に示すように、遊技機Yは、遊技に係る制御を行う制御手段100(図3参照)が設けられた遊技機本体Y1と、遊技機本体Y1に着脱可能に取り付けられた遊技機枠Y2とを備えている。
遊技機本体Y1は、遊技店の島設備に固定された外枠(図示なし)に取り付けられる内枠1と内枠1に着脱可能に嵌め込まれた遊技盤2とからなる。
遊技機枠Y2は、枠状のガラス枠Y21とガラス枠Y21に取り付けられた透明のガラス板Y22とを具備している。ガラス枠Y21は、水平方向の一端側においてヒンジ機構部Hを介して内枠1に脱着自在に連結されており、ヒンジ機構部Hを支点として回動可能に内枠1に支持されている。すなわち、遊技機枠Y2は遊技機本体Y1に対して回動可能であり、遊技機本体Y1の前面側(遊技者側)を開閉することができる。一方、遊技機枠Y2は、他端側において、鍵式のロック機構Rを介して遊技機本体Y1に施錠される。ロック機構Rによる固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ロック機構Rによって、遊技機Yと外枠とも施錠されている。
遊技機枠Y2には、遊技球を発射させる操作を行うための遊技球発射操作装置3、スピーカーからなる音声出力装置72、LEDを具備する演出用照明装置73〜78、及び、複数の遊技球を貯留する受け皿6が設けられている。
遊技球発射操作装置3は、受け皿6に固定されている基体31、基体31に回動可能に設けられている発射ハンドル32、発射ハンドル32内に取り付けられているタッチセンサ32a、及び、発射ハンドル32に連動して回動し、発射ハンドル32の回転角度を検出する発射ボリューム検出センサ32bを具備している。
遊技者が発射ハンドル32に触れると、タッチセンサ32aが発射ハンドル32に人間が接触したことを検出し、後述する発射制御基板106(図3参照)に発射ハンドル検出信号を送信する。また、発射ハンドル32が回動すると、発射ボリューム検出センサ32bがこの回転角度を検出し、回転角度に応じた回転角度検出信号を発射制御基板106に送信する。
ところで、遊技球発射操作装置3は発射制御基板106を介して、遊技球を発射する遊技球発射装置4に接続されている。遊技球発射装置4は内枠1の遊技盤2の下方で受け皿6に対向する位置に設けられている。遊技球発射装置4は、遊技球を打つ発射用ソレノイド41を具備しており、上述したように発射ハンドル32が回転すると、発射ボリューム検出センサ32bが発射ハンドル32の回転角度に応じた回転角度検出信号を発射制御基板106に送信し、発射制御基板106が回転角度検出信号に基づいて発射ハンドル32の回転角度に応じた電圧を発射用ソレノイド41に印加する。
発射用ソレノイド41に電圧が印加されると、発射用ソレノイド41が印加電圧に応じて作動する。すなわち、発射ハンドル32の回動角度(発射ボリューム検出センサ32bが検出する回転角度)に応じた強さ(以下、「遊技球発射強度」という)で、遊技球が発射される。
遊技盤2は、所定の金具(図示なし)によって着脱可能に内枠1に固定されている。遊技盤2には、遊技球が流下する遊技領域2Aを区画する区画部材29が設けられている。区画部材29は、枠状の飾り枠29A、後述する第1大入賞口23の下方に配置され、遊技球を第2始動口22に誘導する誘導経路を構成する誘導部材29B、並びに、湾曲形状を呈した外側レール部材29C及び内側レール部材29Dで構成されている。
飾り枠29Aの内側には、液晶表示装置からなる画像表示装置71が嵌め込まれており、これらが一体化されてなるセンター役物が遊技盤2の中央部に嵌め込まれている。また、飾り枠29Aの外側には内側レール部材29Dが配置され、内側レール部材29Dのさらに外側には外側レール部材29Cが配置されている。遊技球発射装置4によって有効に(所定の遊技球発射強度で正常に)発射された遊技球は、外側レール部材29Cと内側レール部材29Dとの間を通って遊技領域2Aに進入し、遊技領域2Aを流下する。このとき、遊技球が遊技領域2Aに設けられた複数の釘や風車(図示なし)等と衝突すると、その流下方向が変化し得る。
遊技領域2Aには、複数(本実施の形態では4つ)の一般入賞口27が設けられている。各一般入賞口27には、一般入賞口検出センサ27aが設けられており、この一般入賞口検出センサ27aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、遊技領域2Aには、遊技球の通過が可能な第1入賞ゲート25及び第2入賞ゲート26が設けられている。第1入賞ゲート25は飾り枠29の左方に位置し、第2入賞ゲートは飾り枠29の右方に位置する。各入賞ゲート25、26には、遊技球を検出する入賞ゲート検出センサ25a、26a(第1入賞ゲート検出センサ25a、第2入賞ゲート検出センサ26a)が設けられている。これらの入賞ゲート検出センサ25a、26aが遊技球を検出することを条件に、普通図柄の抽選が行われる。
遊技領域2Aの下部で、画像表示装置71の下方には、不変であり、且つ、常時入球可能である第1始動口21が設けられている。釘や風車等によって遊技球を第1始動口21へ誘導する一連の遊技球経路が形成されている。第1始動口21には、遊技球を検出する第1始動口検出センサ21aが設けられており、この検出センサ6aが遊技球を検出することを条件に、第1特別図柄の抽選が行われる。また、第1始動口検出センサ21aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
第1始動口21の直下に、可変の第2始動口22が設けられている。第2始動口22は、第2始動口制御装置220によって入賞不可能な第1の基本態様又は入賞可能な第1の特別態様のいずれかに制御される。第2始動口22にも、遊技球を検出する第2始動口検出センサ22aが設けられており、この検出センサ22aが遊技球を検出することを条件に、第2特別図柄の抽選が行われる。また、第2始動口検出センサ22aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
第2始動口制御装置220は下辺部分に回転軸が設けられた扉部材で構成される普通可動片220Aを具備しており、普通可動片220Aは所定条件が成立する場合にのみ作動する。すなわち、普通可動片220Aは、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、第2始動口22を封鎖している。この停止状態の(未作動の)普通可動片220Aによって第2始動口22が封鎖されることで、第2始動口22が入賞不可能な第1の基本態様に制御されている。
一方、所定条件が成立すると、普通可動片220Aが回転軸を中心に前方側に回動して第2始動口22が開放されることで、第2始動口22が入賞可能な第1の特別態様に制御される。このとき、第2始動口22が開放されると共に、普通可動片220Aが遊技領域2Aから突出した状態になるため、流下する遊技球を受けて第2始動口22へ誘導することが可能となる。なお、第2始動口制御装置220についての所定条件とは、上述した普通図柄の抽選(以下において、「普通図柄抽選」という)において、当たりに当選することである。
図1に示すように、第2入賞ゲート26の下流側には、可変の第1大入賞口23が設けられている。第1大入賞口23は、第1大入賞口制御装置230によって入賞不可能な第2の基本態様又は入賞可能な第2の特別態様のいずれかに制御される。第1大入賞口23には、遊技球を検出する第1大入賞口検出センサ23aが設けられており、この検出センサ23aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、15個)の賞球が払い出される。
第1大入賞口制御装置230は下辺部分に回転軸が設けられた扉部材で構成される第1特別可動片230Aを具備しており、第1特別可動片230Aは所定条件が成立する場合にのみ作動する。すなわち、第1特別可動片230Aは、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、第1大入賞口23を封鎖している。この停止状態の(未作動の)第1特別可動片230Aによって第1大入賞口23が封鎖されることで、第1大入賞口23が入賞不可能な第2の基本態様に制御されている。
一方、所定条件が成立すると、第1特別可動片230Aが回転軸を中心に前方側に回動して第1大入賞口23が開放されることで、第1大入賞口23が入賞可能な第2の特別態様に制御される。このとき、第1大入賞口23が開放されると共に、第1特別可動片230Aが遊技領域2Aから突出した状態になるため、流下する遊技球を受けて第1大入賞口23へ誘導することが可能となる。なお、第1大入賞口制御装置230についての所定条件とは、上述した第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選(以下において、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選の双方を指す場合、総称して「特別図柄抽選」という)において、特賞(大当たり)に当選することである。
また、飾り枠29Aの第2入賞ゲート26の近傍に、可変の第2大入賞口24が設けられている。第2大入賞口24は、第2大入賞口制御装置240によって入賞不可能な第3の基本態様又は入賞可能な第3の特別態様のいずれかに制御される。第2大入賞口24にも、遊技球を検出する第2大入賞口検出センサ24aが設けられており、この検出センサ24aが遊技球を検出することを条件に、所定個数(例えば、15個)の賞球が払い出される。
第2大入賞口24は、基本的には第3の基本態様に制御されているが、所定条件が成立する場合にのみ第3の特別態様に制御される。第2大入賞口制御装置240は、1個の羽根状部材で構成される第2特別可動片240Aを具備しており、通常は(所定条件が成立する以外は)停止している。この停止状態の(未作動の)第2特別可動片240Aによって、第2大入賞口24が封鎖されることで、第2大入賞口24が入賞不可能な第3の基本態様に制御されている。所定条件が成立すると、第2特別可動片240Aを構成する1個の羽根状部材が下方の基端部を中心に右側に回動することで第2大入賞口24が開放され、第2大入賞口24が入賞可能な第3の特別態様に制御される。なお、第2大入賞口制御装置240についての所定条件とは、上述した特別図柄抽選において、特賞(大当たり)に当選することである。
また、遊技機Yには、演出を実行するさまざまな演出装置が設けられている。本実施の形態では、演出装置は、画像表示装置71、音声出力装置72、照明装置73〜78及び役物装置80〜84で構成されている。
画像表示装置71は、上述したように飾り枠29Aを介して遊技盤2に設けられており、様々な静止画や動画を表示することで画像による演出(画像演出)を行う。なお、本実施形態においては、画像表示装置71として液晶表示装置が用いられているが、プラズマディスプレイ、プロジェクター、円環状の構造物からなるリール、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置等を用いこともできる。
音声出力装置72は、遊技機枠Y2に設けられており、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力することで音声による演出(音声演出)を行い、1組のスピーカーで構成されている。
演出用照明装置73〜79は、いずれもガラス枠Y21に設けられており、RGBフルカラーLED73c〜79cを具備し、光を発すると共に、発光色を変更することで照明による演出(照明演出)を行う。演出用照明装置73はガラス枠Y21の上端部中央に設けられ(以下、照明装置73を「第1照明装置73」という)、演出用照明装置74はガラス枠Y21の上端部左側に設けられ(以下、演出用照明装置74を「第2照明装置74」という)、演出用照明装置75はガラス枠Y21の上端部右側に設けられ(以下、演出用照明装置75を「第3照明装置75」という)。また、演出用照明装置76は、ガラス枠Y21の左側部中央付近から受け皿6の左側半分に跨って設けられ(以下、演出用照明装置76を「第4照明装置76」という)、演出用照明装置77は、ガラス枠Y21の右側部中央付近から受け皿6の右側半分に跨って設けられている(以下、演出用照明装置77を「第5照明装置77」という)。演出用照明装置78は、後述する受け皿6の演出ボタン装置10を中心として略十字状に形成されている(以下、演出用照明装置78を「第6照明装置78」という)。
なお、第2照明装置74、第3照明装置75はそれぞれ、それぞれRGBフルカラーLED74c、75cを収容し、ガラス枠Y21に水平方向外向きに回動可能となるように支持されている可動部(第2可動部741A、第2可動部751A)と、可動部741A、751Aをガラス枠Y21に対して回転させるモータからなる駆動部(第2駆動部741b、第3駆動部751b)とを具備する(図5参照)。可動部741A、751Aは、通常の状態では、外部からRGBフルカラーLED74c、75cが視認不可能になるように保持されているが、駆動部741b、751bが駆動して、可動部741A、751Aが回動(所定角度回転)すると、RGBフルカラーLED74c、75cが外部から視認可能となる。
第2照明装置74、第3照明装置75はそれぞれ、RGBフルカラーLED74c、75cから照射される光を反射させる反射板(第2反射板、第3反射板:図示なし)と、各反射板を回転させるモータからなる反射板駆動部(第2反射板駆動部742b、第3反射板駆動部752b)とを具備する(図5参照)。反射板駆動部742b、752bが駆動して、各反射板が回転すると、RGBフルカラーLED74c、75cから照射され、反射板に反射される光の向きが変化する。
また、第2照明装置74、第3照明装置75は、第2可動部741A、第3駆動部751A、第2反射板、第3反射板に対して初期位置(基準位置又は原点位置)を検知する初期位置検知センサ(第2可動部初期位置検知センサ741a、第3可動部初期位置検知センサ751a、第2反射板初期位置検知センサ742a、第3反射板初期位置検知センサ752a)も具備する。各可動部初期位置検知センサ741a、751aは、各可動部741A、751Aが初期位置に位置することを検出すると、後述する枠上側中継基板108・枠下側中継基板109を介してランプ制御基板104に可動部初期位置検知信号(第2可動部初期位置検知信号・第3可動部初期位置検知信号)を出力する。一方、各反射板初期位置検知センサ742a、752aは、各反射板が初期位置に位置することを検出すると、後述する枠上側中継基板108・枠下側中継基板109を介してランプ制御基板104に反射板初期位置検知信号(第2反射板初期位置検知信号・第3反射板初期位置検知信号)を出力する。
役物装置80〜84はそれぞれ遊技盤2に設けられており、単色カラーLED80c〜84cを具備し(図4、図5参照)、単色カラーLED80c〜84cが発光することで役物装置80〜84の照明による演出(照明演出)が実行される。また、役物装置80〜83は、ソレノイドやモータからなる所定の駆動部80b〜83bと各駆動部80b〜83bに接続されて動作可能な装飾部材80A〜83Aとを具備している。駆動部80b〜83bが駆動し、装飾部材80A〜83Aが作動することで、装飾部材80A〜83Aの動作による演出(動作演出)が実行される。
例えば、役物装置80は、刀を模擬しており、刀の方向が水平となるように飾り枠29の上側に取り付けられている(以下、役物装置80を「第1役物装置80」と称す)。装飾部材80Aは刀身を模擬しており、駆動部80bが駆動すると左方向へ水平移動し、刀身が鞘から抜かれるような動作演出が行われる。一方、役物装置81も、第1役物装置80と同様に、刀を模擬しているが、刀の方向が鉛直となるように飾り枠29Aの右側に取り付けられている(以下、役物装置81を「第2役物装置81」と称す)。第2役物装置81は、刀身が鞘から抜かれるような動作演出が行われるが、装飾部材81Aは、鞘を模擬しており、駆動部81bが駆動すると装飾部材81Aが下降する。また、装飾部材81Aは、下方の基端部(図示無し)を中心に左側に(反時計回りに)所定角度回転する。さらに、役物装置80、81の刀身の部分にはそれぞれ単色カラーLED80c、81cが設けられている。単色カラーLED80c、81cは鞘部分に覆われているが、装飾部材80A、81Aが作動すると出現する。
役物装置82は、飾り枠29Aの上部に取り付けられている。装飾部材82Aには「Professional Business Man 」という装飾文字が透明部材により施されており、基本的にその全体が装飾部材80Aの一部を覆いつつ飾り枠29Aの上部から下方に突出した状態で停止している(以下、役物装置82を「第3役物装置82」と称す)。そして、駆動部82bが駆動すると、装飾部材82Aが下降し、全体で画像表示装置71の画面中央を遮蔽する。また、装飾部材82Aの中には単色カラーLED82cが取り付けられており、単色カラーLED82cが発光すると「Professional Business Man 」という透明部材からなる装飾文字が輝っているように見える。
役物装置83は、飾り枠29Aの下部に取り付けられている。装飾部材83Aには「必殺」という装飾文字が透明部材により施されており、基本的にその上部が飾り枠29の下部から上方に突出した状態で停止している(以下、役物装置83を「第4役物装置83」と称す)。そして、駆動部83bが駆動すると、装飾部材83Aは上昇し、その全体が画像表示装置71の画面中央を遮ることとなる。また、装飾部材83Aの中には単色カラーLED83cが取り付けられており、単色カラーLED83cが発光すると「必殺」という透明部材からなる装飾文字が輝っているように見える。
役物装置84は、飾り枠29Aの右端部に取り付けられている(以下、役物装置84を「第5役物装置84」と称す)。役物装置84は装飾部材84Aを具備し、装飾部材84Aには三日月を現した黄色の透明部と「出陣RUSH」という文字を現した赤色の透明部とが形成されている。装飾部材84Aの中には単色カラーLED84cが取り付けられており、単色カラーLED84cが発光すると両透明部分が輝っているように見える。
また、受け皿6には、演出に係る入力装置として、選択ボタン装置9及び演出ボタン装置10が設けられている。選択ボタン装置9は、操作可能な選択ボタン9A及び選択ボタン9Aに接続されて、選択ボタン9Aの被操作を検出する選択ボタン検出スイッチ9aを具備する。選択ボタン9Aは、上ボタン91A、左ボタン92A、下ボタン93A及び右ボタン94Aからなる。各ボタン91A〜94Aは、受け皿6から押圧可能に突出した状態で設けられている。そして、選択ボタン検出スイッチ9aは、上ボタン91Aに接続されて上ボタン91Aの被操作を検出する上ボタン検出スイッチ91a、左ボタン92Aに接続されて左ボタン92Aの被操作を検出する左ボタン検出スイッチ92a、下ボタン93Aに接続されて下ボタン93Aの被操作を検出する下ボタン検出スイッチ93a、及び、右ボタン94Aに接続されて右ボタン94Aの被操作を検出する右ボタン検出スイッチ94aからなる。各ボタン検出スイッチ91a、92a、93a及び94aは、対応するボタンの被操作を検出すると、検出信号を出力する。具体的には、上ボタン検出スイッチ91aは上ボタン検出信号を出力し、左ボタン検出スイッチ92aは左ボタン検出信号を出力し、下ボタン検出スイッチ93aは下ボタン検出信号を出力し、右ボタン検出スイッチ94aは右ボタン検出信号を出力する。なお、上ボタン検出信号、左ボタン検出信号を出力し、下ボタン検出信号及び右ボタン検出信号を総称して「選択ボタン検出信号」という。
演出ボタン装置10は、操作可能な演出ボタン10Aと、演出ボタン10Aに接続されて、演出ボタン10Aの被操作を検出する演出ボタン検出センサ10a、通常状態の演出ボタン10Aの上昇を規制するロック解除装置10B、及び、上昇した(特別状態にある)演出ボタン10Aを下降させる(通常状態に戻す)下降装置10Cを具備する。演出ボタン10Aは、受け皿6の上面から突出しており押圧操作可能となっている。詳細には、演出ボタン10Aは、僅かに突出した通常状態と、大きく突出した特別状態とに制御され、いずれの状態においても演出ボタン検出センサ10aによって押圧操作可能となっており、演出ボタン検出センサ10aにより被操作が検出される。演出ボタン10Aは通常状態においてその大部分が受け皿6に収容されている。
演出ボタン10Aの下には、ばね等なる付勢部材(図示ない)が設けられており、演出ボタン10Aを上方へ付勢している。しかしながら、演出ボタン10Aはロック解除装置10Bによって上方への移動(以下、「飛び出し」という)が規制されているので、通常は飛び出すことができない(特別状態にならない)。
演出装置は、遊技に関連した遊技演出を実行する。遊技演出の中で高い頻度で行われる演出は、遊技球の第1始動口21または第2始動口22への有効な入賞に基づく特別図柄抽選に対応して行われる抽選演出である。画像表示装置71による抽選演出では、基本的には、まず演出図柄が所定の態様で所定時間変動する演出図柄の変動表示が行われ、次いで、演出図柄が停止し、当該抽選演出が終了することを意味する演出図柄の停止表示が行われる。
演出図柄が複数の装飾図柄で構成される場合、全ての装飾図柄が停止表示されることをもって演出図柄の停止表示という。例えば、画像表示装置71等の画面の左側領域、中央領域及び右側領域において、装飾図柄の変動表示及び装飾図柄の停止表示が行われる。この場合、全ての装飾図柄の停止表示が終了した際の所定の有効ライン上に配置された装飾図柄の配列が当該特別図柄抽選の結果に対応し得る。ただし、抽選演出は特別図柄抽選に対応して行われるが、あくまで特別図柄抽選に対する「演出」であるので、演出図柄が停止表示されたときの有効ライン上の装飾図柄の配列が、必ずしも当該特別図柄の抽選の結果(停止表示された特別図柄)を表しているとは限らない。このように装飾図柄が左側領域、中央領域、及び、右側領域で表示される場合、左側領域に表示される装飾図柄を左図柄、右側領域に表示される装飾図柄を右図柄、中央領域に表示される装飾図柄を中図柄という。
各装飾図柄の変動表示では、当該変動表示が開始されてから停止表示が行われるまでの所定時間、複数の装飾図柄が次から次に規則的に縦方向(例えば、上から下)に移動(スクロール)する。このスクロール表示によって、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与える。
演出図柄の変動表示態様は様々であるが、例えば、装飾図柄が最初は高速で移動し、最後に徐々に減速しながら停止する場合や、減速せずに急に停止する場合がある。また、例えば、左図柄、右図柄、中図柄の順番で停止する態様、左図柄と右図柄とが同時に停止し、最後に中図柄が停止する態様、3つの演出図柄が同時に停止する態様がある。なお、特別図柄の抽選が所定期間行われない内部的な待機状態(所謂、客待ち状態)になると、デモ演出が行われる。
また、遊技領域2Aの下方には、第1特別図柄表示装置11並びに第2特別図柄表示装置12、普通図柄表示装置13からなる図柄表示装置、第1特別図柄保留表示装置14、第2特別図柄保留表示装置15並びに普通図柄保留表示装置16からなる保留表示装置が設けられている。
第1特別図柄表示装置11は、第1始動口21に遊技球が入賞することを条件に行われる第1特別図柄の抽選の結果を表示する可変表示装置、第2特別図柄表示装置12は、第2始動口22に遊技球が入賞することを条件に行われる第2特別図柄の抽選の結果を表示する可変表示装置である。各特別図柄の抽選の結果には1又は複数の特別図柄が予め設定されており、特別図柄の抽選が行われると、当該抽選の結果に応じた特別図柄が特別図柄表示装置11、12に停止状態で表示される。つまり、特別図柄表示装置11、12における特別図柄の停止表示は、当該特別図柄抽選の結果の報知となる。
特別図柄表示装置11、12は、例えばそれぞれ複数のLEDを具備しており、大当たりに当選した場合には大当たりに対応する特定のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはハズレに対応する特定のLEDが点灯する。このようにして特別図柄表示装置11、12が具備するLEDが点灯することによって現される文字、図形及び模様等の外観形象が特別図柄を構成する。このように、特別図柄が停止する前には必ず所定時間変動する。すなわち、1回の特別図柄の抽選に対して、特別図柄表示が行われ、1回の特別図柄表示においては、特別図柄の変動表示及び特別図柄の停止表示が行われる。
普通図柄表示装置13は、遊技球が第1入賞ゲート23又は第2入賞ゲート24を通過することを条件に行われる普通図柄抽選の結果を表示する可変表示装置である。普通図柄抽選の結果には普通図柄が設定されており、普通図柄の抽選が行われると、当該抽選の結果に応じた普通図柄が普通図柄表示装置13に停止状態で表示される。つまり、普通図柄表示装置13における普通図柄の停止表示は、当該普通図柄の抽選の結果の報知となる。
普通図柄表示装置13は、例えば複数のLEDを具備しており、当たりに当選した場合には当たりに対応する特定のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはハズレに対応する特定のLEDが点灯する。このようにして普通図柄表示装置13が具備するLEDが点灯することによって現される文字、図形及び模様等の外観形象が普通図柄を構成するが、この普通図柄が停止する前には必ず所定時間変動する。すなわち、1回の普通図柄の抽選に対して、普通図柄表示が行われ、1回の普通図柄表示においては、普通図柄の変動表示及び普通図柄の停止表示が行われる。
ところで、特別図柄の変動表示中や大入賞口制御装置230、240が作動する特別遊技中に、始動口21、22に遊技球が入賞しても、即座に特別図柄の変動表示が行われて特別図柄の抽選の結果が報知されない訳ではない。この場合、一定条件下で特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の確定的な報知)が保留される。一定条件として、特別図柄の変動表示を保留できる個数に上限値が設けられている。本実施の形態では、その上限値は各始動口21、22に対して「4」に設定されている。すなわち、各始動口21、22に対して特別図柄の変動表示、すなわち、特別図柄の抽選の権利を4個まで保留することができる。そして、第1特別図柄保留表示装置14は第1始動口21に対応し、第2特別図柄保留表示装置15は第2始動口22に対応しており、それぞれの表示装置14、15には現時点の保留数(U1、U2)が所定の態様で表示される。普通図柄の変動表示についても同様に、上限保留数が4個に設定されており、その保留数が、普通図柄保留表示装置16において表示される。
遊技盤2の裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、ランプ制御基板104、画像制御基板105、外部情報端子板107、電源基板Pを具備する制御手段100が設けられている。電源基板Pには遊技機Yに電力を給電するための電源プラグや、図示しない電源スイッチが設けられている。また、図2に示すように、遊技機枠Y2の裏面には、制御手段100と、遊技機枠Y2に設けられた遊技球発射操作装置3、選択ボタン装置9、演出ボタン装置10及び演出用照明装置73〜78との間で行われるデータの送受信を中継する枠上側中継基板108及び枠下側中継基板109が設けられている。
(制御手段の内部構成)
次に、図3を用いて、遊技に係る制御を行う制御手段100について説明する。
電源基板Pは、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機Yに電源電圧を供給するとともに、遊技機Yに供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
主制御基板101は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、及び、メインRAM101cを備えている。メインCPU101aは、各検出センサやタイマ等からの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板に所定のコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板101の入力側には、第1始動口検出センサ21a、第2始動口検出センサ22a、第1大入賞口検出センサ23a、第2大入賞口検出センサ24a、第1入賞ゲート検出センサ25a、第2入賞ゲート検出センサ26、及び、一般入賞口検出センサ27aが接続されており、入力ポート(図示せず)を介して各センサに対応した検出信号が主制御基板101に入力する。
主制御基板101の出力側には、第2始動口制御装置220の普通可動片220Aを作動させる第2始動口開閉ソレノイド220B、第1大入賞口制御装置230の第1特別可動片230Aを作動させる第1大入賞口開閉ソレノイド230B、及び、第2大入賞口制御装置240の第2特別可動片240Aを作動させる第2大入賞口開閉ソレノイド240Bが接続されており、出力ポート(図示せず)を介して各ソレノイドを制御する信号が出力される。また、主制御基板101の出力側には、第1特別図柄表示装置11、第2特別図柄表示装置12、普通図柄表示装置13、第1特別図柄保留表示装置14、第2特別図柄保留表示装置15及び普通図柄保留表示装置16が接続されており、出力ポート(図示せず)を介して各表示装置を制御する信号が出力される。
演出制御基板102は、主に遊技に関連した遊技演出や客待ち状態に応じたデモ演出等の各種演出を制御する。すなわち、画像表示装置71、音声出力装置72、演出用照明装置73〜78、演出用役物装置80〜84及び演出ボタン装置10を制御して、これらの装置に所定の演出を実行させる。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、及び、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。
また、演出制御基板102の入力側には、ランプ制御基板104を介して、選択ボタン装置9及び演出ボタン装置10が接続されている。選択ボタン装置9の選択ボタン9Aが操作を受けると、選択ボタン検出センサ9aが当該操作を検出し、当該操作を示す選択ボタン検出信号をランプ制御基板104に出力する。ランプ制御基板104は、当該操作を示す選択ボタン検出信号を演出制御基板102に出力する。また、演出ボタン装置10の演出ボタン10Aが操作を受けると、演出ボタン検出センサ10aが当該操作を検出し、演出ボタン検出信号をランプ制御基板104に出力する。ランプ制御基板104は、当該操作を示す演出ボタン検出信号を演出制御基板102に出力する。
演出ボタン装置10は、演出制御基板102の出力側でもランプ制御基板104を介して接続されており、通常状態に保持された演出ボタン10Aを飛び出させる(特別状態に移行させる)と共に、飛び出した演出ボタン10Aを元の位置に(通常状態に)戻すこともできる。ここで、演出ボタン10Aの状態制御について説明する。
上述したように、通常状態の演出ボタン10Aはロック解除装置10Bによって上方への移動(以下、「飛び出し」という)が規制されているが、この規制は、予め設定された所定期間(演出ボタン演出実行期間)において、通常状態にある演出ボタン10Aが押下操作されることを契機に解除される。具体的には、所定期間において演出ボタン10Aが操作されると、演出ボタン検出センサ10aが即座に演出ボタン検出信号を演出制御基板102に出力し、演出ボタン検出信号を受けた演出制御基板102が、飛び出しの規制を解除するための信号(演出ボタン飛び出し実行信号)をロック解除装置10Bに出力する。ロック解除装置10Bは演出ボタン飛び出し実行信号を受けると、演出ボタン10Aの飛び出しの規制を解除するために作動する。
また、飛び出した演出ボタン10Aも押下操作可能であり、飛び出した(特別状態にある)演出ボタン10Aを押下操作によって元の位置に(通常状態に)戻すことができる。ここで、飛び出した演出ボタン10Aが元の位置に戻る際に、ロック解除装置10Bが再び演出ボタン10Aの飛び出しを規制する。
なお、演出ボタン10Aが飛び出した状態になってから押下操作によって元の位置に戻されずに所定時間が経過すると、下降装置10Cによって強制的に元の位置に戻される。具体的には、演出制御基板102がロック解除装置10Bを作動させてからの経過時間を計測しており、所定時間が経過すると、飛び出した演出ボタン10Aを元の位置に戻すための信号(演出ボタン飛び出し解除信号)を下降装置10Cに出力する。下降装置10Cは演出ボタン飛び出し解除信号を受けると、演出ボタン10Aを元の位置に戻すために作動する。このように、飛び出した演出ボタン10Aを手動で又は自動で元の位置に戻すことができる。
サブCPU102aは、主制御基板101から出力されたコマンド、演出ボタン装置10から出力された演出ボタン検出信号、選択ボタン装置9から出力された選択ボタン検出信号、及び、タイマ(水晶振動子)からの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、ランプ制御基板104及び画像制御基板105に演出制御コマンドを送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と遊技球の払い出し制御とを行う。この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101及び発射制御基板106に対して、双方向に通信可能に接続されている。
払出CPU103aの入力側には、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ31aが接続されており、これらからの払出球検知信号とタイマからの入力信号とに基づいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。
払出制御基板103の出力側には、貯留タンク(図示なし)から所定数の遊技球を遊技者に払い出すための払出装置5の払出駆動部5bが接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された賞球要求信号に基づいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置5を制御して所定の遊技球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
発射制御基板106は、タッチセンサ32aからの発射ハンドル検出信号及び発射ボリューム検出センサ32bからの発射ハンドル回転角度検出信号が有する情報に基づいて、発射用ソレノイド41を通電制御し、遊技球を発射させる。本実施の形態では、発射用ソレノイド41の往復速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。発射用ソレノイド41が1往復する毎に1個の遊技球が発射されるため、1分間における発射される遊技球の個数は、約99.9(個/分)となる。
ランプ制御基板104は、上記各基板と同様に、ランプCPU104a、ランプROM104b、ランプRAM104cを備えており、演出制御基板102、後述する枠下側中継基板109に対して、双方向に通信可能に接続されている。枠下側中継基板109は遊技機枠Y2に設けられた選択ボタン装置9並びに演出ボタン装置10及び第6照明装置78に接続されている。また、枠下側中継基板109は、後述する枠上側中継基板108に対して双方向に通信可能に接続されている。枠上側中継基板108は、遊技機枠Y2に設けられた第1照明装置73〜第5照明装置77に双方向に通信可能に接続されている。
そして、ランプ制御基板104は、演出制御基板102から送信される演出制御コマンドに基づいて、枠上側中継基板108及び枠下側中継基板109を介して、遊技機枠Y2に設けられた第1照明装置73〜第6照明装置78に発光演出を実行させるための演出制御を行う。また、ランプ制御基板104は、演出制御基板102から送信される演出制御コマンドに基づいて、枠上側中継基板108及び枠下側中継基板109を介して、第2照明装置74及び第3照明装置75の各駆動部741b、742b、751b、752bを駆動させて、第2照明装置74、第3照明装置75に動作演出を実行させるための演出制御及び演出ボタン装置10のロック解除装置10Bの駆動部10Bb及び下降装置10Cの駆動部10Cbを駆動させて演出ボタン10aを上昇/下降させるための演出制御を行う。
また、ランプ制御基板104の出力側には、遊技盤2に設けられた第1役物装置80〜第5役物装置84が接続されている。ランプ制御基板104は、第1役物装置80〜第5役物装置84のLED80c〜84cを発光させて、第1役物装置80〜第5役物装置84に発光演出を実行させるための演出制御を行う。さらに、ランプCPU104aは、第1役物装置80〜第4役物装置83の駆動部80b〜83bを駆動させ、第1役物可動部80a〜第4役物可動部83Aを動作させて、第1役物装置80〜第4役物装置83に動作演出を実行させるための演出制御を行う。
画像制御基板105は、少なくとも画像表示装置71に表示させる動画や静止画等の画像に係る映像信号を画像表示装置71の駆動回路に出力する画像生成部105Bと、音声出力装置72に出力させる音声に係る音声信号を音声出力装置72の駆動回路に出力する音声生成部105Cと、画像生成部105B及び音声生成部105Cを統括して制御する統括部105Aとを有する。
画像制御基板105の統括部105Aは、画像表示装置71による画像表示制御を行うため統括CPU105Aa、統括ROM105Ab、及び、統括RAM105Acを備えている。
統括CPU105Aaは、制御プログラム等が記憶されている統括ROM105Abに接続されており、統括CPU105Aaの動作に必要な制御プログラムが読み出されるようになっている。統括CPU105Aaは、演出制御基板102から送信される演出制御コマンド等の演出制御に係るコマンドを受信すると、コマンドに基づいて画像生成部105Bに画像表示装置71に表示させる画像の指示を出すと共に、音声生成部105Cに音声出力装置72から出力させる音声の指示を出す。
統括RAM105Acは、統括CPU105Aaに内蔵されており、統括CPU105Aaの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、統括ROM105Abから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
また、統括ROM105Abは、マスクROMで構成されており、統括ROM105Abの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、画像による演出の具体的な内容を構成するアニメーションを表示するにあたり参照され、アニメパターンにはアニメシーン情報や各アニメシーンの表示順序等に関連付けられている。なお、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、描画のためのパラメータ(輝度、スプライトの表示位置、表示倍率、透過率等)、描画方法等などの各種情報が含まれている。
画像生成部105Bは、画像プロセッサであるVDP(Video Display Processor)105Baと、画像データが格納されたCGROM105Bb、及び、画像データから生成された描画データを一時的に記憶するフレームバッファ等を有するVRAM105Bcを備えている。
VDP105Baは、画像データが記憶されているCGROM105Bbに接続されており、統括CPU105Aaからの指示に基づいて、画像データに基づいて映像信号(RGB信号等)の元となる描画データを生成する。画像データは、画像表示装置71に表示させる画像(フレーム)、例えば、装飾図柄画像や装飾図柄の背景を構成する、景色、キャラクター、及び台詞等の背景画像等の個々の画像を表す素材的なデータである。一方、描画データは個々の画像が複合して構成されるフレーム全体の画像を表す合成的なデータである。
CGROM105Bbは、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM105Bbは、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。なお、CGROM105Bbは、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。VRAM105Bcは、画像データの書込み又は読み出しを高速で行うことができるSRAMで構成されている。
音声生成部105Cは、音声プロセッサ105Caと、音声データが多数格納されている音声ROM105Cbとを具備しており、演出制御基板102から送信された演出制御コマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置72による音声出力を制御すると共に、音量指定コマンドに基づいて音声出力装置72から出力される音声の音量を制御する。
次に、図4を用いて、ランプ制御基板104と、遊技機枠Y2に設けられた第1照明装置73〜第6照明装置78及び選択ボタン装置9、演出ボタン装置10との間で、遊技の制御に係る所定の信号を中継する枠上側中継基板108及び枠下側中継基板109について説明する。
枠下側中継基板109は、ランプ制御基板104のランプCPU104Aa、ランプROM104Ab及びランプRAM104Acを具備するランプ制御マイコン104Mとの間で信号(データ)を入出力させるためのランプ制御基板用入出力ポート109aを備える。ランプ制御基板用入出力ポート109aは、ランプ制御マイコン104Mから出力ポート104dを介して出力された電飾系クロック信号及び出力ポート104eを介して出力されたシリアルの電飾系出力情報信号を入力させて電飾系出力用I/F109eに出力する。さらに、ランプ制御基板用入出力ポート109aは、ランプ制御マイコン104Mから出力ポート104gを介して出力された動力系クロック信号及び出力ポート104hを介して出力された動力系ラッチ信号を入力させて入力用I/F109b、動力系出力用I/F109c及び枠上側中継基板用入出力ポート109dに出力する。また、ランプ制御基板用入出力ポート109aは、ランプ制御マイコン104Mから出力ポート104fを介して出力されたシリアルの動力系出力情報信号を入力させて動力系出力用I/F109cに出力する。また、ランプ制御基板用入出力ポート109aは、入力用I/F104bから出力された枠入力情報信号を入力させてランプ制御基板104の入力ポート104iに出力する。
なお、シリアルの電飾系出力信号は、各RGBフルカラーLED73c〜78cに係るRGB毎の階調(1〜127段階)に関する情報を有している。また、シリアルの動力系出力信号は、演出ボタン装置10のロック解除装置10B並びに下降装置10C、第2照明装置74及び第3照明装置75の動作に関する情報を有している。枠入力情報信号については後述する。
電飾系出力用I/F109eは、出力側で枠上側中継基板用入出力ポート109dに接続されており、入力した電飾系クロック信号及び電飾系出力情報信号を枠上側中継基板用入出力ポート109dに出力する。また、電飾系出力用I/F109eは、出力側で第6照明装置78のRGBフルカラーLED78cに接続されており、入力した電飾系出力情報信号をパラレルに転換して、RGBフルカラーLED78cのRGB毎の階調に関する情報を抽出し、RGB毎の階調を示す出力信号をパラレルでRGBフルカラーLED78cに出力する。
動力系出力用I/F109cは、出力側で枠上側中継基板用入出力ポート109dに接続されており、入力した動力系出力情報信号を枠上側中継基板用入出力ポート109dに出力する。また、動力系出力用I/F109cは、出力側でロック解除装置10Bの駆動部10Bb及び下降装置10Cの駆動部10Cbに別個に接続されており、入力した動力系出力情報信号をパラレルに転換して、各駆動部10Bb、10Cb毎の駆動に関する情報を抽出し、各駆動部10Bb、10Cbの動作内容(駆動内容)を示す出力信号をパラレルで出力する。すなわち、各駆動部10Bb、10Cbに動作内容を示す出力信号を出力する。
枠上側中継基板用入出力ポート109dは、出力側で枠上側中継基板108の枠下側中継基板用入出力ポート108dに接続されており、入力した電飾系クロック信号、電飾系出力情報信号、動力系クロック信号、動力系出力情報信号及び動力系ラッチ信号をシリアルで枠下側中継基板用入出力ポート108dに出力する。また、枠上側中継基板用入出力ポート109dは、出力側で入力用I/F109bに接続されており、入力したシリアルの枠上側入力情報信号をシリアルで入力用I/F109bに出力する。
入力用I/F109bは、入力端子A〜入力端子Hを具備しており、入力端子A〜入力端子Eは、演出ボタン検出センサ10a、選択ボタン検出スイッチ91a〜94aに接続されているが、残りの入力端子F〜入力端子Hはグランド接続されている。ここで、入力端子G、入力端子Hは、単に端末処理としてグランド接続されているのではなく、入力端子Gと入力端子Hとで当該遊技機枠Y2の製造会社を示す2bitの枠IDを構成している。なお、入力端子A〜入力端子Hは、1本のピンで構成されている。また、入力用I/F109bは、枠上側中継基板用入出力ポート109dに接続されており、枠上側中継用基板109dから出力された枠上側入力情報信号も入力させることができる。
入力用I/F109bは、動力系ラッチ信号が入力するタイミングで、入力端子A〜入力端子Hに係る情報(演出ボタン検出信号、選択ボタン検出信号及び枠ID)を内部に設けられた8bitのレジスタに取り込む。そして、入力用I/F109bは、動力用クロック信号に同期させて1bitずつ出力すると共に、シリアルの枠上側入力情報信号を1bitずつ取り込んでいく。すなわち、入力用I/F109bは、選択ボタン検出信号、演出ボタン検出信号、枠ID及び枠上側入力情報信号をシリアルに転換し、枠入力情報信号としてランプ制御基板用入出力ポート109aにシリアルで出力する(図6参照)。
枠上側中継基板108は、枠下側中継基板109の枠上側中継基板用入出力ポート109dとの間で信号(データ)を入出力するための枠下側中継基板用入出力ポート108aを備える。枠下側中継基板用入出力ポート108aは、枠上側中継基板用入出力ポート109dから出力された電飾系クロック信号及び電飾系出力情報信号を電飾系出力用I/F108eに出力する。さらに、枠下側中継基板用入出力ポート108aは、枠上側中継基板用入出力ポート109dから出力された動力系クロック信号及び動力系ラッチ信号を入力用I/F108b及び動力系出力用I/F108cに出力する。また、枠下側中継基板用入出力ポート108aは、枠上側中継基板用入出力ポート109dから出力された動力系出力情報信号を動力系出力用I/F108cに出力する。また、枠下側中継基板用入出力ポート108aは、入力用I/F108bから出力した枠上側入力情報信号を枠上側中継基板用入出力ポート109dに出力する。
電飾系出力用I/F108eは、出力側でRGBフルカラーLED73c〜77cに接続されており、入力した電飾系出力情報信号をパラレルに転換して、各RGBフルカラーLED73c〜77cについてのRGB毎の階調に関する情報を抽出し、各RGBフルカラーLED73c〜77cのRGB毎の階調を示す出力信号をパラレルでRGBフルカラーLED73c〜77cに出力する。
動力系出力用I/F108cは、出力側で第2可動部駆動部741b、第2反射板駆動部742b、第3可動部駆動部751b及び第3反射板駆動部752bに別個に接続されており、入力した動力系出力情報信号をパラレルに転換して、各駆動部741b、742b、751b、752bの駆動に関する情報を抽出し、各駆動部741b、742b、751b、752bの駆動内容を示す出力信号をパラレルで出力する。すなわち、各駆動部741b、742b、751b、752bに駆動内容を示す出力信号を出力する。
入力用I/F108bも、入力用I/F109bと同様に、入力端子A〜入力端子Hを具備しており、入力端子A〜入力端子Dは、初期位置検出センサ741a、742a、751a、752aに接続されているが、残りの入力端子E〜入力端子Hはグランド接続されている。ここで、入力端子G、入力端子Hは、単に端末処理としてグランド接続されているのではなく、入力端子Gと入力端子Hとで、当該遊技機枠Y2の製造会社を示す2bitの枠IDを構成している。なお、入力端子A〜入力端子Hは、1本のピンで構成されている。
入力用I/F108bは、動力系ラッチ信号が入力するタイミングで、入力端子A〜入力端子Hに係る情報(各初期位置検出信号及び枠ID)を内部に設けられた8bitのレジスタに取り込む。そして、入力用I/F108bは、これらの情報を動力用クロック信号に同期させて1bitずつ出力する。すなわち、入力用I/F109bは、各初期位置検出信号及び枠IDをシリアルに転換し、枠上側入力情報信号として枠上側中継基板用入出力ポート109dにシリアルで出力する。
また、動力系出力用I/F108c、109cはそれぞれ入力側で演出装置作動規制回路108f、109fに接続されている。演出装置作動規制回路108f、109fはそれぞれ、動力系ラッチ信号を枠下側中継基板用ポート108aから動力系出力用I/F108c、ランプ制御基板用入出力ポート109aから動力系出力用109cへ伝送する信号線に入力側で接続されている。そして、図6に示すように、演出装置作動規制回路109fは、入力した動力系ラッチ信号を反転させて出力する反転回路109fを具備する。反転回路109fから出力した動力系ラッチ信号は、所定のコンデンサ・抵抗・トランジスタを通って再び反転回路109fに戻り、再度反転されて動力系出力用I/F109c及び反転回路109fに入力する。この反転回路109fに入力した動力系ラッチ信号も再度反転されて動力系出力用I/F109cに出力される。動力系出力用I/F109cは、入力側にイネーブル端子Gを具備しており、この動力系ラッチ信号はイネーブル端子Gから入力する。この構成により、動力系ラッチ信号が出力されず、Hiレベル(ON状態)が所定時間(少なくとも20μmsecより長い時間)続くと、動力系出力用I/F109cの出力側がハイインピーダンス状態(OPEN状態)となる。よって、この状態において動力系出力情報信号が動力系出力用I/F109cに入力しても動力系出力用I/F109cから演出ボタン装置10に電流が流れない。すなわち、演出ボタン装置10による動作演出(上昇/下降)を実行することができなくなる。なお、演出装置作動規制回路108fも、演出装置作動規制回路109fと同様な構成であり、Hiレベル(ON状態)が所定時間(少なくとも20μmsecより長い時間)続くと、第2照明装置74、第3照明装置75による動作演出を実行することができなくなる。
次に、図8〜図15を参照して、メインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図8(a−1)(a−2)は、大当たり判定テーブルの一例を示す図である。大当たり判定とは、始動口21、22への入賞に基づき取得した大当たり判定用乱数に基づいて、少なくとも特別遊技を実行する権利獲得の成否(特賞の当否)を決定することである。図8(a−1)は、第1始動口21への入賞を契機に行われる第1特別図柄の抽選における大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第1特別図柄用の大当たり判定テーブル」という)である。一方、図8(a−2)は、第2始動口22への入賞を契機に行われる第2特別図柄の抽選における大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第2特別図柄用の大当たり判定テーブル」という)である。
いずれの大当たり判定テーブルも、後述する大当たりの当選確率が、相対的に低い(標準値に設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「低確率用大当たり判定テーブル」という)と、相対的に高い(通常値より高く設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)とで構成されている。取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。
各大当たり判定テーブルには、大当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されている。すなわち、取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「ハズレ」以外、すなわち、「大当たり」に当選すると、大入賞口23、24が開放する大当たり遊技が実行される。
大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合は、さらに、図8(b)のリーチ判定テーブルに基づいてリーチ判定が行われる。リーチ判定テーブルには、リーチ判定値とリーチ演出の有無とが一義的に対応付けられて格納されている。取得されたリーチ判定用乱数をリーチ判定テーブルに照合することで、リーチ演出の当否が判定される。リーチ判定の結果、リーチに当選する(リーチ演出有りと判定される)と、当該抽選演出中に遊技者の大当たり当選への期待感を高めるためのリーチ演出が行われる。
リーチ演出の態様としては、例えば、演出図柄の変動表示中に画像表示装置71の左側領域、中央領域、及び、右側領域のうちの2つの領域で装飾図柄が停止し、残り1つの領域における所定の有効ライン上で所定の装飾図柄が停止すれば大当たりの当選を表す装飾図柄の配列となる状態(所謂「リーチ状態」)が発生する態様がある。大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、このリーチ状態という演出的な特定状態になっても、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることに変わりはない。しかし、遊技中に画像表示装置71等で頻繁に行われる主要な抽選演出において、大当たり当選を表す3つの装飾図柄の配列のうち2つの装飾図柄が揃い、途中まで「大当たり」当選と同一の状況を創出することで遊技者の大当たり当選に対する期待感を煽ることができる。
図9(a)〜(b)は、特別図柄判定テーブルの一例を示す図である。特別図柄判定とは、取得した特別図柄判定用乱数に基づいて特別図柄表示装置11、12において停止表示される特別図柄の態様(特別図柄の種類:特図停止図柄データ・特別演出図柄指定コマンド)を決定することである。
特別図柄判定用テーブルは、大当たり判定の結果(大当たり及びハズレ)によって大きく分類されている。すなわち、図9(a)は、当該大当たり判定の結果が「大当たり」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブル、図7(b)は、当該大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブルである。
さらに、これらの各テーブルは当該特別図柄の抽選の契機となる始動口の種類によっても分類されている。当該大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合には、特別図柄判定テーブルはリーチ演出の有無によっても分類されている。各特別図柄判定テーブルには、特別図柄用判定値と、特別図柄の種類とが一義的に対応付けられて格納されている。特別図柄の種類の識別情報として、特図停止図柄データ及び演出図柄指定コマンドが設定されている。特図停止図柄データは、主制御基板101における処理において用いられ、演出図柄指定コマンドは当該特別図柄判定時に演出制御基板102に送信される。
図9(a)〜図9(b)に示すように、演出図柄指定コマンドは、コマンドの分類を識別するための1バイトのMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示すための1バイトのDATAデータとから構成されている。演出図柄指定コマンドについては、MODEデータが「E1H」であれば、第1始動口21に遊技球が入賞したこと(第1特別図柄表示装置11を作動させること)を表し、MODEデータが「E2H」であれば、第2始動口22に遊技球が入賞したこと(第2特別図柄表示装置12を作動させること)を表す。
図10は、大当たり遊技を制御する際に用いられる大当たり遊技制御テーブルの一例を示す図である。大当たり遊技制御テーブルは、大当たりの種類、すなわち、特別図柄の種類(特図停止図柄データ)に関連付けられている。すなわち、大当たり遊技の際に、いずれのテーブルを用いるかは特別図柄の種類に基づいて選択される。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を制御するための条件が格納されている。大当たり遊技を制御するための条件として、大当たり遊技が開始されてから、第1大入賞口23又は第2大入賞口24のいずれかの最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、オープニング開始時に演出制御基板102に送信するオープニングコマンド、第1大入賞口23及び第2大入賞口24の開閉を制御する際に用いるテーブルの種類、第1大入賞口23又は第2大入賞口24のいずれかの最後の開放が終了してから、大当たり遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間、及び、エンディング開始時に演出制御基板102に送信するエンディングコマンドが設定されている。
図11(a)〜図11(c)は、第1大入賞口23の開閉を制御する際に用いる大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルの一例を示す図、図10(a)〜図10(b)は、第2大入賞口24の開閉を制御する際に用いる大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルの一例を示す図である。
大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルには、大当たり遊技時の大入賞口23、24の開閉を制御するための条件が格納されている。大入賞口23、24の開閉を制御するための条件として、ラウンド遊技の番号であるラウンド番号(R)、各ラウンド遊技における大入賞口制御装置230、240の作動(大入賞口23、24の開放)番号である特電作動番号(K)、及び、開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。
図13(a)は、遊技条件データを決定する際に参照する参照データ判定テーブルの一例を示す図である。遊技条件データとは、大当たり当選の際に、当該大当たり遊技後に新たに設定(変動)する遊技条件の状態を表す識別情報である。遊技条件データは、当該特別図柄抽選の際の大当たりの当選確率の状態及び当該特別図柄抽選の結果(特図停止図柄データ)に対応付けられている。すなわち、当該テーブルは、大当たりの当選確率の状態(低確率状態/高確率状態)によって分けられており、分けられた各テーブルにおいて、特別図柄の種類(特図停止図柄データ)と遊技条件データとが一義的に対応付けられて格納されている。
遊技条件データは、2バイトのデータで構成されている。遊技条件データの上位バイトは、当該大当たり当選により新たに設定される大当たりの当選確率の状態を表す。「01H」であれば、当該大当たり遊技後に大当たりの当選確率が高確率状態に設定され、「00H」であれば、当該大当たり遊技後に大当たりの当選確率が低確率状態に設定される。一方、遊技条件データの下位バイトは、当該大当たり当選により新たに設定される始動口入賞容易性の状態を表す。「01H」であれば、当該大当たり遊技後に始動口入賞容易性が容易状態に設定され、「00H」であれば、当該大当たり遊技後に始動口入賞容易性が困難状態に設定される。
図13(b)は、遊技条件判定テーブルの一例を示す図である。遊技条件判定とは、大当たり遊技が終了する際に(大当たり遊技終了処理の際に)新たに設定される遊技条件の状態を決定することである。上述したように、本実施の形態においては、遊技条件として、大当たりの当選確率と入賞容易性とが設定されている。当該テーブルは、遊技条件データと、各遊技条件の状態、すなわち、後述するその遊技条件の状態を示すフラグ(高確率フラグ及び時短フラグ)のON/OFF及び当該遊技条件の状態によって実行可能な特別図柄表示の回数(Xa、Ja:以下、「実行可能回数」という)とが一義的に関連付けられて格納されている。すなわち、この特別図柄表示の実行可能回数とは、特別図柄抽選、換言すれば、その結果の報知となる特別図柄の変動表示の規定回数を意味する。
図14は、後述するように特別図柄の変動表示の態様(以下、「特別図柄の変動パターン」という)を決定する際に参照される特図変動パターン判定テーブルの一例を示す図である。特図変動パターンには、特別図柄の変動表示に要する時間(以下、「特図変動時間」という)や演出の種別が関連付けられている。
特図変動パターン判定テーブルは、特別図柄表示において作動する特別図柄表示装置(当該特別図柄表示に係る始動口)の種別、特図停止図柄データ(大当たり判定の結果やリーチ演出の有無等が含まれる)及び特別図柄保留数(U1またはU2)によって分類されている。
各テーブルにおいて、特図変動パターン用判定値と、一又は複数の特図変動パターンとが一義的に関連付けられて格納されている。特図変動パターンは、予め設定された所定の確率で割り振られているため、特図変動パターンには大当たり当選の期待度が設定されていることになる。
なお、各特図変動パターンに対応して始動口入賞指定コマンド及び特別図柄の変動パターン指定コマンドが設定されている。始動口入賞指定コマンドは、入賞時に(ステップS200の入力制御処理時に)生成されて演出制御基板102に送信され、特図変動パターン指定コマンドは、当該特別図柄の変動表示開始時に(ステップS300の特別図柄記憶判定処理時に)生成されて演出制御基板102に送信される。いずれのコマンドも、始動口の種別を識別するための1バイトのMODEデータと、特図変動パターンを識別するための1バイトのDATAデータとから構成されている。
図15(a)〜図15(c)は、第1入賞ゲート25又は第2入賞ゲート26への入賞に基づく普通図柄系遊技を制御する際に用いられるテーブルの一例を示す。
図15(a)は、普通図柄抽選用の当たり判定テーブルの一例を示す図である。当たり判定とは、入賞ゲート25、26への入賞に基づき取得した当たり判定用乱数に基づいて、少なくとも補助遊技を実行する権利獲得の成否(当たりの当否)を決定することである。
当たり判定テーブルは、後述する始動口入賞容易性の状態によって分けられている。具体的には、当たり判定テーブルは、非時短状態のときに参照される当たり判定テーブルと、時短状態のときに参照される当たり判定テーブルとで分けられており、メインROM101bに格納されている。取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。すなわち、各当たり判定テーブルには、当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されており、取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「当たり」に当選すると、第2始動口22が開放する補助遊技が実行される。
図15(b)は、普通図柄判定テーブルの一例を示す図である。普通図柄判定とは、入賞ゲート25、26への入賞に基づいて取得された普通図柄判定用乱数に基づいて普通図柄表示装置13において停止表示される普通図柄の態様(普通図柄の種類:普図停止図柄データ・普通演出図柄指定データ)を決定することである。普通図柄判定用テーブルは、当たり判定の結果(当たり1、当たり2又はハズレ)によって分けられており、いずれもメインROM101bに格納されている。
図15(c)は、普通図柄の変動表示に要する時間(以下、「普図変動時間」という)に対応付けられた普通図柄の変動パターン(以下、「普図変動パターン」という)を判定するための普図変動パターン判定テーブルを示す図である。普図変動パターン判定テーブルは、時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブルと、非時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブルとで構成されている。いずれのテーブルもメインROM101bに格納されている。
取得された普図変動パターン判定用乱数を普図変動パターン判定テーブルに照合することで、普図変動パターンが決定される。本実施の形態では、各テーブルにおいて1つの普図変動パターンのみが設定されている。すなわち、時短状態における普図変動時間の期待値は3.0秒、一方、非時短状態における普図変動時間の期待値は15.0秒となっている。
(特別遊技の種類の説明)
特別遊技について説明する。本実施の形態においては、大入賞口制御装置230、240が作動する(大入賞口23、24が開放する)大当たり遊技は、主に大入賞口230、240の開閉態様の相違によって「長当たり遊技」、「中当たり遊技」、「短当たり遊技」及び「特定当たり遊技」とに分けられる。
大当たり遊技では、大入賞口23、24が1回以上は開放するラウンド遊技が所定回数実行される。各ラウンド遊技において、開放し得る回数(以下、最大開放回数という)と、開放し得る時間の合計(以下、最大開放時間という)とが予め設定されている。「開放し得る」となっているのは、1回のラウンド遊技中に大入賞口23、24に入賞できる遊技球の個数が制限されているからである(例えば9個)。したがって、大入賞口23、24が最大開放回数開放していなくても大入賞口23、24が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することがある。また、最大開放時間が経過していなくても大入賞口23、24が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することもある。なお、各ラウンド遊技における大入賞口23、24の最大開放回数及び最大開放時間は、各大当たり遊技で統一されていても統一されていなくてもよい。
(遊技条件の説明)
次に、遊技が進行する際の条件となる遊技条件について説明する。本実施形態において、大当たりの当選確率については「低確率」状態又は「高確率」状態のもとで遊技が進行し、遊技球の始動口への入賞容易性については「時短」状態又は「非時短」状態のもとで遊技が進行する。初期(電源投入時)の遊技条件は、「低確率」状態且つ「非時短」状態に設定されており、この「低確率」状態且つ「非時短」状態を基準として「通常遊技状態」と称する。
本実施形態において大当たりの当選確率についての「低確率」状態とは、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞したことを条件として行われる特別図柄抽選の大当たり判定における大当たりの当選確率が、1/258と相対的に遊技者に不利に設定されていることをいう。ここでいう「大当たり」の当選とは、特別図柄抽選において「大当たり遊技」を実行する権利を獲得することである。これに対して「高確率」状態とは、大当たりの当選確率が「低確率」状態より高く、すなわち、相対的に遊技者に有利な1/34に設定されていることである。したがって、大当たりの当選確率が「高確率」状態のときは、「低確率」状態のときよりも大当たりの当選が容易となり、単位時間当たりの大当たりの当選可能回数が相対的に多くなるので、遊技者に有利な状態と言える。
「非時短」状態とは、第2始動口22への入賞容易性が通常の状態である。具体的には、「非時短」状態では、遊技球が入賞ゲート25、26に入賞したことを条件として行われる普通図柄の抽選に対応する普通図柄の変動表示に要する時間(以下、普図変動時間という)が、15秒に設定され、普通図柄の抽選において「当たり」に当選したときに作動する第2始動口制御装置220の作動時間(第2始動口22の開放時間)の合計の期待値が例えば4.1秒に設定され、普通図柄用の当たり判定において当たりに当選する確率が1/50に設定されていることをいう。なお、「開放時間の合計」となっているのは、1回の当たりに対して第2始動口22が複数回開放することがあり、又、1回の当たりに対して遊技球が入賞できる個数が制限されており、遊技球がその個数入賞すると当該開放時間の経過を待たず閉鎖するからである。
これに対して「時短」状態とは、「非時短」状態に比べて、単位時間当たりにおける第2始動口制御装置220の作動時間(第2始動口22の開放時間)が長く、第2始動口22への入賞容易性が「非時短」状態に比べて高い状態、すなわち、「非時短」状態に比べて第2始動口22へ入賞させ易い状態のことをいう。第2始動口22への入賞容易性が相対的に高いことによって、単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行可能回数が多くなる。同一の大当たりの当選確率のもとでは、単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数が多い方が、必然的に単位時間当たりにおける大当たりの当選回数も多くなることから、「時短」状態は「非時短」状態に比して遊技者に有利な状態といえる。
上述したように、本実施の形態では、「時短」状態では、普図変動時間が3.0秒に設定され、第2始動口22の最大開放時間の合計が5.0秒に設定され、当たりに当選する確率が1/5に設定される。すなわち、第2始動口22への入賞容易性の構成要素全てについて「非時短」状態より遊技者に有利に設定されている。
なお、本実施の形態では、始動口21、22に遊技球が入賞すると、3球の賞球を得ることができるものの、遊技者が適切な発射ハンドル32の操作で遊技球の発射を行っても、遊技者が所持する遊技球の個数が減少し易い。しかしながら、「時短」状態のときは、「非時短」状態に比して第2始動口22への入賞が容易になるので、遊技者が所持する遊技球の個数の減少を抑えることができる。つまり、遊技者が所持する遊技球の個数の観点からも「時短」状態は「非時短」状態に比べて遊技者に有利に設定されている。
このように、大当たりの当選によって、大当たり遊技の種類(長当たり遊技中当たり遊技/短当たり遊技/特定当たり遊技)と、大当たり遊技後に新たに設定される遊技条件の状態(低確率状態/高確率状態と、非時短状態/時短状態との組み合わせ)とが決定される。このことを鑑みると、実質的な大当たりの種類(遊技者が享受する利益度に基づく大当たりの種類)は、実行される大当たり遊技の種類と、当該大当たり遊技終了後に新たに設定される遊技条件の状態との組合せと言える。そこで、以下、特図停止図柄データに基づく大当たりの種類とは別に、大当たりによって導かれた大当たり遊技の種類と大当たり遊技後の遊技条件との組合せ、すなわち、遊技者が享受する利益の種類に基づいて、大当たりの種類を分類することができる。
(主制御基板のメイン処理)
図17を用いて、主制御基板101のメイン処理を説明する。
電源基板PからメインCPU101aに電力が供給されると、メインCPU101aにシステムリセットが発生し、メインCPU101aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU101aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、電源投入に応じて、メインROM101bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM101cの各記憶領域を初期化する処理を行う。
ステップS20において、メインCPU101aは、リーチ判定用乱数値、特図変動パターン判定用乱数値等で構成される特別図柄の変動表示における特図変動パターンを決定するための演出乱数の更新を行う。
ステップS30において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数、特別図柄判定用初期値乱数、当たり判定用初期値乱数等で構成される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図18を用いて、主制御基板101のタイマ割込処理を説明する。主制御基板101に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU101aは、メインCPU101aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU101aは、特別図柄の変動時間の更新処理、特別図柄の停止時間の更新処理、オープニング時間の更新処理、大入賞口23、24の開閉時間の更新処理等を行う特別遊技タイマカウンタ、及び、普通図柄の変動時間の更新処理、普通図柄の停止時間の更新処理、並びに、第2始動口22の開閉時間の更新処理等を行う補助遊技タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
ステップS120において、メインCPU101aは、大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、当たり判定用乱数値の乱数更新処理を行う。具体的には、それぞれの乱数カウンタを+1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
ステップS130において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数カウンタ、特別図柄用初期値乱数カウンタ、当たり判定用初期値乱数カウンタを+1加算して乱数カウンタを更新する初期値乱数更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU101aは、入力制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、所定の検出センサから新たに有効な信号が送信されたか否か判定する入力制御処理を行う。詳しくは、図19〜図20を用いて後述する。
ステップS300において、メインCPU101aは、第1特別図柄表示装置11、第2特別図柄表示装置12、第1特別図柄保留表示装置14、第2特別図柄保留表示装置15、第1大入賞口制御装置230、及び、第2大入賞口制御装置240の制御(特別図柄系装置の制御)を行うための特図特電制御処理(特別図柄係処理)を行う。
ステップS400において、メインCPU101aは、普通図柄表示装置13、普通図柄保留表示装置16、第2始動口制御装置220の制御(普通図柄系装置の制御)を行うための普図普電制御処理(普通図柄系処理)を行う。
ステップS500において、メインCPU101aは、払出制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、始動口(第1始動口21、第2始動口22)、大入賞口(第1大入賞口23、第2大入賞口24)、及び、一般入賞口27に対応する賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えている場合、それぞれの入賞口に対応する賞球個数を示す賞球要求信号を払出制御基板103に送信する。そして賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
ステップS600において、メインCPU101aは、遊技に関する情報を外部信号として情報管理装置700等の外部装置に出力する外部情報シリアルデータを生成する。具体的に、特図特電処理データ=2である場合、特別図柄の変動表示回数を示す図柄確定信号(1ビットのデータ)が含まれた8ビットの外部情報シリアルデータを生成する。また、特図特電処理データ=3である場合、すなわち、大当たり遊技処理中である場合、停止図柄データ記憶領域を参照し、停止図柄データ(大当たりの種類)に基づいて、大当たりの種類を示す大当たり信号1、2(1ビットのデータ)が含まれた8ビットの外部情報シリアルデータを生成する。例えば、外部情報シリアルデータの1ビット目または2ビット目が「1」となるシリアルデータを生成する。
また、メインCPU101aは、ステップS600において、第2始動口開閉ソレノイド220B、第1大入賞口ソレノイド230B及び第2大入賞口開閉ソレノイド240Bを駆動させるための駆動制御データ(第2始動口開閉ソレノイド駆動データ、第1大入賞口開閉ソレノイド駆動データ及び第2大入賞口開閉ソレノイド駆動データ)、及び、図柄表示装置11、12、13や保留表示装置14、15、16に所定の図柄を表示させるための表示制御データ(特別図柄表示データ、普通図柄表示データ、特別図柄保留表示データ、普通図柄保留表示データ)のデータ作成処理を行う。
ステップS700において、メインCPU101aは、出力制御処理を行う。この処理において、まず上記S600で作成した外部情報シリアルデータ、駆動制御データ等を出力させるポート出力処理が行われる。第3出力ポートに係る処理では、ステップS600で生成された8ビットの外部情報シリアルデータの各ビットの値を最下位から順に、第3の出力ポート101dに出力するとともに、クロック信号、ラッチ信号も第2の出力ポート101dに出力する。次いで、図柄表示装置11、12、13及び保留表示装置14、15、16の各LEDを点灯させるために、上記ステップS600で作成した表示制御データに基づいて信号を出力させる表示装置出力処理を行う。最後に、メインRAM101cの送信バッファにセットされているコマンドを他の基板に送信するコマンド送信処理も行う。
ステップS800において、メインCPU101aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU101aのレジスタに復帰させる。
図19を用いて、入力制御処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS210において、メインCPU101aは、第1大入賞口検出センサ23aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1大入賞口23に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、第1大入賞口検出センサ23aから検出信号が入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、当該ラウンド遊技中に大入賞口23、24に入賞した遊技球を計数するためのラウンド入賞カウンタ(C)のカウンタ値を加算して更新する。
メインCPU101aは、ステップS220において、第2大入賞口検出センサ24aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2大入賞口24に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、第2大入賞口検出センサ24aから検出信号が入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、当該ラウンド遊技中に大入賞口23、24に入賞した遊技球を計数するためのラウンド入賞カウンタ(C)のカウンタ値を加算して更新する。
ステップS230において、メインCPU101aは、第1始動口検出センサ21aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動口21に入賞したか否かを判定する。詳細は、図20(a)を用いて後述する。
ステップS240において、メインCPU101aは、第2始動口検出センサ22aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動口22に入賞したか否かを判定する。詳細は、図20(b)を用いて後述する。
ステップS250において、メインCPU101aは、第1入賞ゲート検出センサ25a又は第2入賞ゲート検出センサ26aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1入賞ゲート25又は第2入賞ゲート26に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、入賞ゲート検出センサ25、26から検出信号が入力した場合には、所定の判定情報(当たり判定用乱数、普通図柄判定用乱数)を取得し、メインRAM101cの普通図柄保留記憶領域に記憶する。なお、前述の通り、所定の判定情報は普図保留球として4個まで記憶することができる。
ステップS260において、メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ27aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口27に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ27aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
次に、図20(a)を用いて第1始動口検出信号入力処理について説明する。ステップS231において、メインCPU101aは、第1始動口検出センサ21aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、所定の取得条件が成立したか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS232において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM101cの第1始動口入賞フラグ記憶領域に第1始動口入賞フラグをONする。
メインCPU101aは、ステップS233において、第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U1、「第1特図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(U1)が4であれば当該処理を終了し、第1特図保留数(U1)が4より小さければ、特別図柄の変動表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU101aは、ステップS234において第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U1)を「1」加算して更新する。そして、ステップS234においては、第1特別図柄保留表示装置14に表示される第1特図保留数(U1)を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データを主制御基板101の所定領域(例えば、出力ポート)にセットする。
メインCPU101aは、ステップS235において、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図変動パターン判定用乱数からなる判定情報を取得する。具体的には、各乱数カウンタが示す乱数値を第1特別図柄保留記憶領域に記憶する。なお、第1特別図柄記憶保留領域は第1記憶部〜第4記憶部に分けられており(図16(a)参照)、判定情報は判定情報が記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。
そして、メインCPU101aは、ステップS236において第1始動口21への入賞に基づく第1事前判定処理を行う。ここで、第1事前判定処理について説明する。第1事前判定処理は、ステップS300の特図特電制御処理において決定される所定事項を、当該第1始動口21への入賞に基づく確定的な特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の報知)の前に事前に判定する処理である。
具体的には、ステップS236で取得した特別図柄抽選に係る判定情報(大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数)に基づいて、大当たり判定、特別図柄判定、リーチ判定及び特図変動パターン判定を行う。すなわち、メインCPU101aは、第1事前判定において、大当たり判定処理、特別図柄判定処理、及び、特図変動パターン判定処理を行う。ここでは、第1事前判定の判定結果として、第1始動口入賞指定コマンドが決定される。すなわち、第1始動口入賞指定コマンドには第1事前判定の判定結果に関する情報(大当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無及び特図変動パターン)が含まれている。
そして、メインCPU101aは、ステップS237において、第1始動口入賞指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域(送信バッファ)にセットする。
次いで、図20(b)を用いて、第2始動口検出信号入力処理について説明する。ステップS241において、メインCPU101aは、第2始動口検出センサ22aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、所定の取得条件が成立したか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS242において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新し、第2始動口入賞規定カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM101cの第2始動口入賞フラグ記憶領域に第2始動口入賞フラグをONする。第2始動口入賞規定カウンタとは、1回の補助遊技における第2始動口22への入賞個数を計数する装置である。これは、本実施の形態では、1回の補助遊技に対する第2始動口22への入賞個数が制限されているからである。
メインCPU101aは、ステップS243において、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U2、「第2特図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(U2)が4であれば当該処理を終了し、第2特図保留数(U2)が4より小さければ、特別図柄の変動表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU101aは、ステップS244において第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U2)を「1」加算して更新する。そして、ステップS244においては、第2特別図柄保留表示装置15に表示される第2特図保留数(U2)を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データを主制御基板101の所定領域(例えば、出力ポート)にセットする。
メインCPU101aは、ステップS245において、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図変動パターン判定用乱数からなる判定情報を取得する。具体的には、各乱数カウンタが示す乱数値を第2特別図柄保留記憶領域に記憶する。なお、第1特別図柄記憶保留領域は第1記憶部〜第4記憶部に分けられており(図16(b)参照)、判定情報は判定情報が記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。
そして、メインCPU101aは、ステップS246において第2始動口22への入賞に基づく第2事前判定処理を行う。ここで、第2事前判定処理について説明する。第2事前判定処理は、ステップS300の特図特電制御処理において決定される所定事項を、当該第2始動口22への入賞に基づく確定的な特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の報知)の前に事前に判定する処理である。
具体的には、ステップS246で取得した特別図柄抽選に係る判定情報(大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数)に基づいて、大当たり判定、特別図柄判定、リーチ判定及び特図変動パターン判定を行う。すなわち、メインCPU101aは、第2事前判定において、大当たり判定処理、特別図柄判定処理、及び、特図変動パターン判定処理を行う。ここでは、第2事前判定の判定結果として、第2始動口入賞指定コマンドが決定される。すなわち、第2始動口入賞指定コマンドには2事前判定の判定結果に関する情報(大当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無及び特図変動パターン)が含まれている。
そして、メインCPU101aは、ステップS247において、第2始動口入賞指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域(送信バッファ)にセットする。
図21を用いて、特図特電制御処理を説明する。ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当たり遊技終了処理(ステップS350)に処理を移す。
図22を用いて、特別図柄記憶判定処理を説明する。まず、ステップS310−1において、メインCPU101aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば、当該処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ、ステップ310−2に処理を移す。
ステップS310−2において、メインCPU101aは、第2特図保留数(U2)が1以上であるか否かを判断する。第2特図保留数(U2)が1以上でない場合には、ステップS310−4に処理を移し、第2特図保留数(U2)が1以上であると判断した場合にはステップS310−3に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS310−3において、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算して更新し、ステップS310−6において、第2特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行い、第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。
例えば、また、第2特別図柄保留記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第2特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第2特別図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の当該変動用記憶部(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いられた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データ及び遊技条件データも各々に対応する記憶領域から消去される。
一方、ステップS310−4において、メインCPU101aは、第1特図保留数(U1)が1以上であるか否かを判断する。メインCPU101aは、ステップS310−4において、第1特図保留数(U1)が1以上であると判断した場合にはステップS310−5において第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算して更新し、ステップS310−6において、第1特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。
例えば、また、第1特別図柄保留記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第1特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第1特別図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、当該変動用記憶部(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データ及び遊技条件データも各々に対応する記憶領域から消去される。
なお、ステップS310−6におけるデータのシフト処理(当該保留の消化処理)にともなって、第1特図保留数(U1)又は第2特図保留数(U2)を更新するために、具体的には、そのデータに係る始動口の種類に対応する特別図柄保留表示装置14、15の表示内容を変更するために、第1、第2特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。この保留表示データには、特別図柄保留表示装置の種類に関する情報及び特別図柄保留数(U1又はU2)に関する情報が含まれている。
また、本実施形態では、ステップS310−2〜S310−6において第2特別図柄保留記憶領域を第1特別図柄保留記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄保留記憶領域または第2特別図柄保留記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄保留記憶領域を第2特別図柄保留記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
ステップS310−4において、第1特別図柄保留数(U1)が1以上でないと判定された場合には、ステップS319−1〜ステップS319−3の客待ち状態設定処理に処理を移す。メインCPU101aは、最初に、ステップS319−1において、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされているか否かを判定する。デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされている場合には当該特別図柄記憶判定処理を終了し、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされていない場合にはステップS319−2に処理を移す。
ステップS319−2において、メインCPU101aは、後述するステップS319−3でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」をセットする。
ステップS319−3において、メインCPU101aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
ステップS311において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされて新しく第0記憶部に記憶されたデータに基づいて、大当たり判定処理を実行する。
ここで、図23を用いて、大当たり判定処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS311−1において、当該大当たり判定処理がいずれの始動口への入賞によるものであるかを判定する。具体的には、当該大当たり判定に係る大当たり判定用乱数(判定情報)が第1始動口21への入賞によって取得されたものであるか否かを判定する。
メインCPU101a、ステップS311−1において第1始動口21と判断した場合、ステップS311−2において、第1特別図柄用の大当たり判定テーブルを選択する。一方、ステップS311−1において第1始動口21ではない(第2始動口22である)と判断した場合、ステップS311−3において、メインCPU101aは、第2特別図柄用の大当たり判定テーブルを選択する。
次に、ステップS311−4において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。ここで、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在の大当たりの当選確率が高確率であるということである。
ステップS311−4において、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされていると判断した場合には、ステップS311−5において、メインCPU101aは、ステップS311−2又はステップS311−3で選択したテーブルの中からさらに「第1高確率用大当たり判定テーブル」又は「第2高確率用大当たり判定テーブル」を選択する。一方、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていないと判断した場合には、ステップS311−6において、メインCPU101aは、ステップS311−2又はステップS311−3で選択したテーブルの中からさらに「第1低確率用大当たり判定テーブル」又は「第2低確率用大当たり判定テーブル」を選択する。
ステップS311−7において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされて第0記憶部にある大当たり判定用乱数値を、上記ステップS311−5またはステップS311−6で選択された「高確率大当たり判定テーブル」または「低確率大当たり判定テーブル」に基づいて判定し、当該大当たり判定処理を終了する。
大当たり判定処理が終了したら、メインCPU101aは、図20に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS312において、特別図柄判定処理を行う。特別図柄判定処理では、大当たり判定処理の結果に基づいて、特別図柄表示装置11、12において停止表示される特別図柄の態様が決定される。ここで、図24を用いて特別図柄判定処理を説明する。
まず、メインCPU101aは、ステップS312−1において、当該大当たり判定の結果が「大当たり」であるか否かを判定する。ここで「大当たり」と判定された場合には、メインCPU101aは、ステップS312−4において、大当たり当選用の特別図柄判定テーブルを選択し、「大当たり」と判定されなかった場合には、ステップS312−2に処理を移す。
ステップS312−2において、メインCPU101aは、リーチ判定を行う。具体的には、上記ステップS310−6でシフトされて第0記憶部にあるリーチ判定用乱数値をリーチ判定テーブルに照合する。
ステップS312−3においてメインCPU101aは、上記ステップS312−2のリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する。「リーチ有り」と判定された場合には、ステップS312−5に処理を移し、リーチ有りハズレ用の特別図柄判定テーブルを選択する。一方、「リーチ有り」ではない、すなわち、「リーチなし」と判定された場合には、ステップS312−6に処理を移し、リーチ無しハズレ用の特別図柄判定テーブルを選択する。
メインCPU101aは、ステップS312−7において、始動口入賞フラグ記憶領域にONされているフラグに基づいて当該処理に係る始動口を確認し(第1始動口21 or 第2始動口22)、ステップS312−8において始動口の種類に基づいて、第1始動口用の特別図柄判定テーブル、又は、第2始動口用の特別図柄判定テーブルのいずれか一方を選択する。
ステップS312−9において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされて第0記憶部にある特別図柄判定用乱数値を、選択された特別図柄判定テーブルに照合する特別図柄判定を行う。そして、ステップS312−10において、当該特別図柄判定の結果に基づいて演出図柄指定コマンドを決定し、決定した演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
次いで、メインCPU101aは、ステップS312−11において、ステップS312−11における特別図柄判定の結果に基づいて特別図柄に係る停止図柄データ(以下、「特図停止図柄データ」という)、すなわち、特別図柄の種類を決定し、決定した特図停止図柄データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
決定された特図停止図柄データは、後述するように図25の特図変動パターン決定処理において特図変動パターンを決定する際、図27の特別図柄停止処理において「大当たり特別図柄」を判断する際等にも用いられる。
ステップS312−12において、メインCPU101aは、参照データ判定テーブルに特図停止図柄データを照合して参照データをセットし、当該特別図柄判定処理を終了する。具体的には、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域を確認して、現在の大当たりの当選確率の状態に応じた参照データ判定テーブルを選択する。次いで、選択された参照データ判定テーブルに特図停止図柄データを照合して参照データを決定し、メインRAM101cの参照データ記憶領域にセットする。
上記のようにして特別図柄判定処理が終了したら、メインCPU101aは、図22に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS313において、特図変動パターン決定処理を行う。特図変動パターン決定処理では、大当たり判定の結果、特別図柄判定の結果及びリーチ判定の結果に基づいて、当該(これから行う)特別図柄の変動表示に要する時間(以下、特図変動時間という)等に関する情報が含まれる特図変動パターンを決定する。
図25を用いて、特図変動パターン決定処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS313−1において、メインRAM101cに記憶されている特図停止図柄データを確認し、ステップS313−2において特図停止図柄データに基づいて特図変動パターン判定テーブルを決定する。これは、本実施の形態では、特図変動パターンを決定するためのテーブルである特図変動パターン判定テーブルが、特図停止図柄データによって分けられているからである。
なお、特別図柄抽選の結果がリーチ無しハズレである場合は、さらに当該特図変動パターン決定処理に係る特図保留数(U1orU2)にも基づいて特図変動パターン判定テーブルを決定する。これは、本実施の形態では、リーチ無しハズレに係る特図変動パターン判定テーブルが特図保留数によっても分けられているからである。
特図変動パターン判定テーブルが決定されれば、メインCPU101aは、ステップS313−3において、特図変動パターンを判定する。具体的には、決定した特図変動パターン判定テーブルに特図変動パターン判定用乱数を照合し、特図変動パターンを決定する。
メインCPU101aは、特図変動パターンを決定すると、図22に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS310−7において、特図変動パターンに対応する特図変動パターン指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。特図変動パターン指定コマンドは演出制御基板102に送信され、演出制御基板102はこのコマンドを受信することによって、特別図柄の変動表示が開始することを認識し、最終的には特図変動パターン指定コマンドに基づいて変動演出の内容に関連付けられた変動演出パターンを決定する。
メインCPU101aは、ステップS310−8において、当該特別図柄の変動表示開始時における遊技条件の状態を確認し、その状態が反映された遊技状態指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
そして、メインCPU101aは、ステップS310−9において、当該特図変動パターン基づく特図変動時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは上記ステップS110において4ms毎に減算処理されていく。
メインCPU101aは、ステップS310−10において、第1特別図柄表示装置11または第2特別図柄表示装置12で特別図柄の変動表示を行うために特別図柄変動表示用データをセットする。特別図柄変動表示用データには、作動させる特別図柄表示装置の種類、変動表示の態様、変動時間等の情報が含まれる。
メインCPU101aは、ステップS310−11において、デモ判定フラグ記憶領域にフラグ「00H」をセットする、すなわち、デモ判定フラグ記憶領域をクリアし、ステップS310−12において、特図特電処理データ=1をセットし、当該特別図柄記憶判定処理を終了する。
次に、図26を用いて、特別図柄変動処理を説明する。メインCPU101aは、最初に、ステップS320−1において、ステップS310−9においてセットされた特図変動時間が経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0か?)を判断する。その結果、セットされた時間を経過していないと判断した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
メインCPU101aは、セットされた特図変動時間が経過したと判断した場合には、ステップS320−2において、演出制御基板102に特別図柄の変動表示が終了することを伝えるために演出図柄停止指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
メインCPU101aは、ステップS320−3において、特別図柄表示装置11、12に特別図柄を停止表示するために、上記ステップS312−13でセットされた特図停止図柄データに基づいて特図停止表示用データをセットする。これにより、遊技者に当該特別図柄抽選の結果が報知される。ステップS320−4において、メインCPU101aは、特別図柄の停止表示に要する時間(以下、「特図停止時間」という。例えば、0.8秒)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、ステップS110において、4ms毎に減算処理されていく。
そして、メインCPU101aは、ステップS320−5において、特図特電処理データに2をセットし、ステップS320−6において第1始動口入賞フラグ又は第2始動口入賞フラグをOFFし、当該特別図柄変動処理を終了する。
図27をいて、特別図柄停止処理を説明する。メインCPU101aは、まず、最初に、ステップS330−1において、ステップS320−4で特別遊技タイマカウンタにセットされた特図停止時間が経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0?)を判定する。その結果、特図停止時間が経過していないと判定した場合には、当該特別図柄停止処理を終了し、特図停止時間が経過したと判定した場合には、ステップS330−2に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS330−2において、時短フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。時短フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在、時短状態であることを意味する。時短フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS330−3に処理を移し、時短フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS330−6に処理を移す。
ステップS330−3において、メインCPU101aは、時短状態による特別図柄の変動表示の残り回数(J:以下「時短状態残り回数」という)を示す時短状態の残り回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(J−1)を、時短状態残り回数(J)として記憶する。
ステップS330−4において、メインCPU101aは、時短状態残り回数(J)=0か否かを判定する。時短状態残り回数(J)=0であれば、ステップS330−5に処理を移し、時短状態残り回数(J)=0でなければ、ステップS330−6に処理を移す。
ステップS330−5において、メインCPU101aは、時短フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFする。なお、上記時短状態残り回数(J)が「0」になるということは、時短状態において特別図柄の変動表示が実行可能回数(Ja)行われ、「時短」状態による特別図柄の変動表示が終了することを意味する。
ステップS330−6において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在、高確率状態であることを意味する。高確率フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS330−7に処理を移し、高確率フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS330−10に処理を移す。
ステップS330−7において、メインCPU101aは、高確率状態による特別図柄の変動表示の残り回数(X:以下、「高確率状態残り回数」という)を示す高確率状態残り回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(X−1)を、新たな高確率状態残り回数(X)として記憶する。
ステップS330−8において、メインCPU101aは、高確率状態残り回数(X)=0か否かを判定する。高確率状態残り回数(X)=0であれば、ステップS330−9に処理を移し、高確率状態残り回数(X)=0でなければ、ステップS330−10に処理を移す。
ステップS330−9において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFする。なお、上記高確率状態残り回数(X)が「0」になるということは、高確率状態において特別図柄の変動表示が実行可能回数(Xa)行われ、「高確率」状態による特別図柄の変動表示が終了することを意味する。
ステップS330−10において、メインCPU101aは、現在の遊技条件の状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS330−11において、メインCPU101aは、当該特別図柄停止処理に係る大当たり判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。具体的には特図停止図柄データ記憶領域に記憶されている特図停止図柄データが大当たり特別図柄に係るものであるか否かを判定する。ここで、大当たり特別図柄と判定された場合には、ステップS330−13に処理を移し、大当たり特別図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−12に処理を移す。
ステップS330−12において、メインCPU101aは、特図特電処理データに0をセットし、図22に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS330−13において、特図特電処理データに「3」をセットし、ステップS330−14において、遊技条件フラグ記憶領域(時短フラグ記憶領域及び高確率フラグ記憶領域)、高確率状態の残り変動回数カウンタ、及び、時短状態の残り変動回数カウンタをリセットする。
メインCPU101aは、ステップS330−15において、特図停止図柄データを大当たり遊技オープニング制御テーブルに照合して、当該大当たり遊技のオープニングであることを示すオープニング指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。次いで、メインCPU101a、特図停止図柄データを大当たり遊技オープニング制御テーブルに照合して、当該大当たり遊技のオープニング時間を決定し、特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。本処理が終了されることで、特別図柄停止処理を終了する。そして、メインCPU101aはメインRAM101cのオープニングフラグ記憶領域にオープニングフラグをONする。
図28を用いて、普図普電制御処理を説明する。メインCPU101aは、まず、ステップS401において普図普電処理データの値をロードし、ステップS402においてロードした普図普電処理データから分岐アドレスを参照し、普図普電処理データ=0であれば、入賞ゲート25、26への入賞に基づいて取得された判定情報に基づいて第2始動口22が開放するか否かの普通図柄判定等を含む普通図柄記憶判定処理(ステップS410)に処理を移し、普図普電処理データ=1であれば、普通図柄判定に基づいて普通図柄表示装置13を作動させるための普通図柄変動処理(ステップS420)に処理を移し、普図普電処理データ=2であれば普通図柄停止処理(ステップS430)に処理を移し、普図普電処理データ=3であれば第2始動口22を開放させる(第2始動口開閉装置220を作動させる)補助遊技処理(ステップS440)に処理を移す。
次に、演出制御基板102について簡単に概略を説明する。演出制御基板102は、主制御基板101から送信されたコマンドを受信すると、演出制御基板102のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
そして、演出制御基板102におけるサブCPU120aは、4ms毎に行われる演出制御基板102のタイマ割込み処理にて、受信したコマンドを解析して各コマンドに対応する演出を制御するための演出制御コマンドを生成する。その後、生成した演出制御コマンドは、画像制御基板105やランプ制御基板104へ送信される。
例えば、演出制御基板102におけるサブCPU120aは、主制御基板101から変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、画像表示装置71、音声出力装置72、演出用照明装置73〜78、演出用役物装置80〜84に特別図柄の変動表示(特別図柄抽選)に関連した変動演出を実行させるための変動演出制御コマンドを生成し、かかるコマンドを画像制御基板105やランプ制御基板104へ送信する。
次に、ランプ制御基板104と画像制御基板105による遊技演出の制御について簡単に概略を説明する。ランプ制御基板104においては、受信した演出制御コマンドに基づいて、演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置73〜78を制御すると共に、演出用役物装置作動プログラムを読み出して、演出用役物装置80〜84を作動制御する。
画像制御基板105においては、演出制御基板102から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに基づいて、音声プロセッサ105Caが音声ROM105Cbから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置72から音声を出力制御するとともに、統括CPU105Aaが統括ROM105Abからアニメーション制御プログラムを読み出して、画像表示装置71による画像表示の制御を行う。
(ランプ制御基板のメイン処理)
図29を用いて、ランプ制御基板104のメイン処理を説明する。
電源基板PからランプCPU104aに電力が供給されると、ランプCPU104aにシステムリセットが発生し、ランプCPU104aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS3001において、ランプCPU104aは、初期化処理を行う。この処理において、ランプCPU104aは、ランプROM104bから起動プログラムを読み込むとともに、ランプRAM104cの各記憶領域を初期化する処理を行う。
ステップS3002において、ランプCPU104aは、ランプ制御基板104、枠上側中継基板108及び枠下側中継基板109に設けられた各種ポートの設定処理を行う。
ステップS3003において、ランプCPU104aは、枠下側中継基板109の入力用I/F109bの入力端子G、Hで構成された枠ID及び枠上側中継基板108の入力用I/F108bの入力端子G、Hで構成された枠IDを読み込む。なお、図4、図5に示すように、各枠IDは2bitで構成されており、共に「00」を示す。
ステップS3004において、ランプCPU104aは、ランプRAM104cに設けられた枠適合判定実行カウンタを「1」加算する。
ステップS3005において、ランプCPU104aは、読み込んだ両枠IDが、ランプROM104bに記憶されている枠ID判定用情報と一致するか否かを判定する。本実施の形態では、枠ID判定用情報は、遊技機枠Y2が所定の製造会社であることを示す「00」に設定されており、読み込んだ両枠IDが「00」を示すか否かを判定する。
ステップS3006において、ランプCPU104aは、枠適合判定の結果が「適合」である(両方の枠IDが「00」である)か否かを判定する。ランプCPU104aは「適合」であると判定するとステップS3007に処理を移し、「不適合」であると判定するとステップS3008に処理を移す。
ランプCPU104aは、ステップS3007において、適合カウンタのカウンタ値を「1」加算し、ステップS3008において、枠適合判定実行カウンタのカウンタ値が予め設定された枠適合判定実行回数判定値(=10)に一致するか否かを判定する。
ランプCPU104aは、枠適合判定実行カウンタのカウンタ値が予め設定された枠適合判定実行回数判定値ではないと判定した場合、ステップS3003に処理を戻す。一方、ランプCPU104aは、枠適合判定実行カウンタのカウンタ値が予め設定された枠適合判定実行回数判定値であると判定した場合、ステップS3009において、適合カウンタのカウンタ値が予め設定された適合回数判定値(=5)以上であるか否かを判定する。
ランプCPU104aは、適合カウンタのカウンタ値が適合回数判定値以上ではないと判定した場合、ステップS3011に処理を移す。一方、ランプCPU104aは、適合カウンタのカウンタ値が適合回数判定値以上であると判定した場合、ステップS3010に処理を移す。
ランプCPU104aは、ステップS3010おいて、演出用照明装置73〜78及び演出用役物装置80〜84が正常に作動するか否かを確認することが可能である初期動作制御信号(動力系の初期動作制御信号及び電飾系の初期動作制御信号)を演出用照明装置73〜78及び演出用役物装置80〜84に向けて出力する。初期動作制御信号が演出用照明装置73〜78及び演出用役物装置80〜84に出力されると、これらの装置は予め設定された内容で動作・発光する(初期動作を行う)。なお、この初期動作制御信号によって、第2照明装置74の可動部741A・第2反射板、第3照明装置75の可動部751A・第3反射板及び演出用役物装置80〜84の装飾部材80A〜84Aは最終的に初期位置に位置することとなる。
一方、ランプCPU104aは、ステップS3011において枠不適合処理を行う。ここで、図30を用いて、ステップS3011の枠不適合処理について説明する。ランプCPU104aは、ステップS3011−1において、演出用照明装置73〜78及び演出ボタン装置10による演出を規制する処理を行う。具体的に、ランプCPU104aは、ランプRAM104cのクロック信号規制フラグ記憶領域にクロック信号規制フラグをONすると共に、ランプRAM104cのラッチ信号規制フラグ記憶領域にラッチ信号規制フラグをONする。ここで、遊技機枠Y2に設けられた演出用照明装置73〜78及び演出ボタン装置10に所定の演出を実行させる具体的な制御方法について説明する。
ランプCPU104aは、演出制御基板102から演出制御コマンドを受信すると、演出用照明装置73〜78を発光させるために、枠下側中継基板109に電飾系クロック信号及び電飾系出力情報信号をシリアルで出力する。電飾系出力情報信号には、演出用照明装置73〜78の発光に関する情報が含まれている。電飾系出力用I/F109eは、電飾系クロック信号が入力する度に、電飾系出力情報信号を電飾系出力用I/F109eに設けられているレジスタに1bitずつ格納していく。そして、電飾系出力用I/F109eは、動力系ラッチ信号を受信すると、第6照明装置78に、RGBフルカラーLED78cを発光させるための信号を出力する。
また、枠下側中継基板109の電飾系出力用I/F109eは、入力した電飾系クロック信号及び電飾系出力情報信号を枠上側中継基板用入出力ポート109dに出力する。電飾系クロック信号及び電飾系出力情報信号は枠上側中継基板用入出力ポート109dから枠下側中継基板用入出力ポート108dを介して電飾系出力用I/F108eに出力される。電飾系クロック信号及び電飾系出力情報信号を入力した電飾系出力用I/F108eは、電飾系出力用I/F109eと同様に、各演出用照明装置73〜77に対して、それぞれのRGBフルカラーLED73c〜77cを発光させるための信号を個々に(パラレルに)出力する。
また、ランプCPU104aは、演出制御基板102から演出制御コマンドを受信すると、第2演出用照明装置73、第3演出用照明装置74及び演出ボタン装置10を作動させるために、枠下側中継基板109に動力系クロック信号、動力系出力情報信号及び動力系ラッチ信号を出力する。動力系出力情報信号は、32bitのシリアル信号からなり、第2演出用照明装置73、第3演出用照明装置74及び演出ボタン装置10の動作に関する情報が含まれている。枠下側中継基板109の動力系出力用I/F109cは、動力系クロック信号を受信する度に、動力系出力情報信号を内部に設けられているレジスタに1bitずつ格納していく。そして、動力系出力用I/F109cは、動力系ラッチ信号を受信すると、演出ボタン装置10を動作(上昇/下降)させるための信号を演出ボタン装置10のロック解除装置10B並びに下降装置10Cにパラレルに出力する。
また、枠下側中継基板109の動力系出力用I/F109cは、入力した動力系クロック信号、動力系出力情報信号及び動力系ラッチ信号を枠上側中継基板用入出力ポート109dに出力する。動力系クロック信号、動力系出力情報信号及び動力系ラッチ信号は枠上側中継基板用入出力ポート109dから枠下側中継基板用入出力ポート108dを介して動力系出力用I/F108cに出力される。動力系クロック信号、動力系出力情報信号及び動力系ラッチ信号を入力した動力系出力用I/F108cは、動力系出力用I/F109cと同様に、第2演出用照明装置74の駆動部741b、742b及び第3演出用照明装置75の駆動部751b、752bに対して、それぞれを駆動させるための信号をパラレルに出力する。
このように、ランプ制御基板104は、電飾系クロック信号及び電飾系出力情報信号を用いて、演出用照明装置73〜78の発光制御を行うと共に、動力系クロック信号、動力系出力情報信号及び動力系ラッチ信号を用いて演出ボタン装置10、第2演出用照明装置74及び第2演出用照明装置75の動作制御を行う。そして、ランプCPU104aは、演出制御コマンドを受信しても、クロック信号規制フラグがONされていると、電飾系クロック信号及び動力系クロック信号を出力しない(Hiレベルで固定する)。また、ランプCPU104aは、ラッチ信号規制フラグがONされていると、動力系ラッチ信号を出力しない(Hiレベルで固定する)。すなわち、演出制御基板102からランプ制御基板104に演出制御コマンドが送信されても、クロック信号規制フラグ及びラッチ信号規制フラグがONされていると、演出ボタン装置10及び演出用照明装置73〜78による演出は実行されない(演出ボタン装置10及び演出用照明装置73〜78に係る演出制御が規制される)。
なお、クロック信号規制フラグ及びラッチ信号規制フラグがONされていると、各入力用I/F108b、109bに電飾系クロック信号、動力系クロック信号及び動力系ラッチ信号の入力がないため、各入力用I/F108b、109bに接続されている各種センサからの枠入力情報信号がランプ制御基板104に出力されない。すなわち、クロック信号規制フラグ及びラッチ信号規制フラグがONされていると、選択ボタン装置9、演出ボタン装置10及び第2照明装置74及び第3照明装置75に係る入力制御も規制される。
ランプCPU104aは、ステップS3011−2において、演出用役物装置80〜84による発光演出を規制する処理を行う。具体的に、本実施の形態において、ランプ制御基板104は、演出制御コマンドに基づいて、演出用役物装置80〜84の単色カラーLED80c〜84cの発光度合いを、消灯である最小レベルから最大レベルまでの127段階で調整するのであるが、当該ステップにおいて、最小レベルで単色カラーLED80c〜84cを発光させることを指定する消灯指定フラグをランプRAM104cの消灯指定フラグ記憶領域にONする。ランプCPU104aは、消灯指定フラグがONされていると、演出制御コマンドを受信したとしても、単色カラーLED80c〜84cの発光度合いが最小レベルであることを示す出力情報信号を演出用役物装置80〜84に出力する。
ランプCPU104aは、ステップS3011−3において、演出用役物装置80〜84による動作を規制する処理を行う。具体的に、本実施の形態において、ランプ制御基板104は、各演出用役物装置80〜84の駆動部(ソレノイド/モータ)に対する制御信号をOFF状態に固定することを指定するOFF状態指定フラグをランプRAM104cのOFF状態指定フラグ記憶領域にONする。ランプCPU104aは、演出制御コマンドを受信したとしても、OFF状態指定フラグがONされていると、演出用役物装置80〜84にOFF状態の制御信号を出力する。
ランプCPU104aは、ステップS3012において、枠適合判定実行カウンタ及び適合カウンタをクリアし、所定の割込み処理が行われるまで待機する。なお、ステップS3001〜ステップS3012は主制御基板101による遊技の制御及び演出制御基板102による演出の統括的な制御が開始されるまでに行われる。すなわち、ステップS3003〜ステップS3012で構成される枠適合判定処理は、遊技機Yにおいて遊技及び遊技に関連した演出が可能となる前に実行される。
(ランプ制御基板のタイマ割込処理)
図31を用いて、ランプ制御基板104のタイマ割込処理を説明する。ランプ制御基板104に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(20ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS3100において、ランプCPU104aは、ランプCPU104aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS3110において、ランプCPU104aは、主制御基板101による遊技制御及び演出制御基板102による演出制御が可能となった後に枠適合判定実行する時期を計測する遊技中枠適合判定時間タイマカウンタの更新処理を行う。なお、枠適合判定タイマカウンタは、当該処理が実行される毎に「4」加算される。
ステップS3120において、ランプCPU104aは、遊技中枠適合判定タイマカウンタが予め設定された遊技中枠適合判定時間(=3600000ミリ秒)となったか否かを判定する。ランプCPU104aは、遊技中枠適合判定時間となっていないと判定されるとステップS3150に処理を移し、遊技中枠適合判定時間となったと判定すると、ステップS3130において遊技中枠適合判定時間タイマカウンタをクリアし、ステップS3140において遊技中枠適合判定処理を実行する。ここでの遊技中枠適合判定処理は、主制御基板101による遊技制御及び演出制御基板102による演出制御が可能となる前に行われるステップS3003〜ステップS3011と同一の処理で構成される。なお、当該処理において当該遊技機枠Y2が不適合と判定された場合、演出用照明装置73〜78、演出用役物装置80〜84及び演出ボタン装置10が作動(発光・動作)してれば、即座に停止させる演出停止信号を各装置に出力する。
ステップS3150において、ランプCPU104aはコマンド解析処理を行う。上述したように、ランプ制御基板104には演出制御基板102から演出内容を表す演出制御コマンド(遊技に係る遊技演出制御コマンド・客待ち状態に係るデモ演出制御コマンド)が送信される。ランプCPU104aは、演出制御コマンドを受信すると、図示しない受信割込処理によってランプRAM104Acの受信バッファに演出制御コマンドを格納する。
ランプCPU104aは、コマンド解析処理において、演出制御コマンドが受信バッファに格納されていれば、当該演出制御コマンドが示す演出内容に一致する電飾系出力情報信号及び動力系出力情報信号を枠下側中継基板109に出力する。ここで、上述したように、クロック信号規制フラグ及びラッチ信号規制フラグがONされていれば、電飾系クロック信号並びに動力系クロック信号及び動力系ラッチ信号も枠下側中継基板109に出力するが、クロック信号規制フラグ及びラッチ信号規制フラグがONされていなければ、電飾系クロック信号並びに動力系クロック信号及び動力系ラッチ信号を枠下側中継基板109に出力しない。
また、ランプCPU104aは、コマンド解析処理において、演出制御コマンドが受信バッファに格納されていて、消灯指定フラグ及びOFF状態指定フラグがONされていなければ、当該演出制御コマンドが示す演出内容に一致するように、演出用枠物装置80〜84を作動又は/及び発光させる。一方、ランプCPU104aは、演出制御コマンドが受信バッファに格納されていても、消灯指定フラグ及びOFF状態指定フラグがONされていれば、演出用役物装置80〜84を作動又は/及び発光させない。
ステップS3160において、ランプCPU104aは、ステップS3100で退避した情報をランプCPU104aのレジスタに復帰させる。
なお、本実施の形態では、ランプCPU104aは、枠適合に関する情報(コマンド)を演出制御基板102及び画像制御基板105に送信しない、
以上のように、遊技機Yは、遊技機枠Y2に係る所定の固有情報を構成する枠IDが、遊技機本体Y1において予め設定された枠ID判定用情報と一致するか否かの判定、すなわち、当該遊技機枠Y2が当該遊技機本体Y1に適合するか否かの枠適合判定を行うので、当該遊技機本体Y1に不適合な遊技機枠を取り付けることを防ぐことができる。そして、枠適合判定を複数回(本実施の形態において「10」回)実行し、枠適合判定の結果が「適合」であることが所定回数(本実施の形態において「5」回)以上であれば、当該遊技機枠Y2が適合であると正式に判定される。よって、ノイズなどの影響を排除し、当該遊技機枠Y2が適合するか否かを正確に判定することができる。
また、枠適合判定で「適合」と判定される回数が所定回数未満である場合、すなわち、当該遊技機枠Y2が不適合であると正式に判定された場合、ランプ制御基板104は、演出用照明装置73〜78と演出用役物装置80〜84に所定の演出(遊技演出・デモ演出・初期動作)を実行させない。一方、枠適合判定で「適合」と判定される回数が所定回数以上である場合、すなわち、当該遊技機枠Y2が適合であると正式に判定された場合、ランプ制御基板104は、演出用照明装置73〜78と演出用役物装置80〜84に演出を実行させる。つまり、ランプ制御基板104は、当該遊技機枠Y2が適合と認定された場合と不適合と認定された場合とで、演出制御態様が異なる。この違いにより、当該遊技機枠Y2の適合/不適合が報知される。
また、制御手段100は、ランプ制御基板104から主制御基板101にはコマンドなどの情報を送信することができない構成となっている。よって、当該遊技機枠Y2が不適合と正式に判定された場合であっても、主制御基板101は遊技制御を行うことができる。すなわち、遊技が実行されているが、演出用照明装置73〜78及び演出用役物装置80〜84による遊技演出が実行されていない場合、当該遊技機枠Y2が不適合であることの報知となる。この報知により、遊技者や遊技店員に遊技機枠Y2が不適合であることを察知させ、適合な遊技機枠に取り替えさせることができる。なお、例えば、大当たり遊技中に枠適合判定が実行され、不適合と判定された場合、演出用照明装置73〜78及び演出用役物装置80〜84による遊技演出が規制されながらも、遊技自体は継続される。よって、遊技者が被る不利益を抑えることができる。
また、ランプ制御基板104は、枠適合判定に関する情報を演出制御基板102及び画像制御基板105には送信していない。よって、当該遊技機枠Y2が不適合と認定された場合であっても、演出制御基板102及び画像制御基板105は演出制御を行うことができる。すなわち、遊技が実行され、画像表示装置71による画像演出及び音声出力装置72による音声演出が実行されているが、演出用照明装置73〜78及び演出用役物装置80〜84による発光演出及び動作演出が実行されていない場合、当該遊技機枠Y2が不適合であることの報知となる。この報知により、遊技者や遊技店員に遊技機枠Y2が不適合である察知させ、適合な遊技機枠に取り替えることができる。なお、ランプ制御基板104は、枠適合判定に関する情報を演出制御基板102に送信するが、枠適合判定において不適合と判定されても画像表示装置71による画像演出及び音声出力装置72による音声演出が実行する構成とすることもできる。この場合、当該遊技機枠Y2が不適合であることの報知を画像表示装置71又は/及び音声出力装置72を用いて行うこともできる。
また、ランプ制御基板104は、遊技中に枠適合判定を行い、遊技機枠Y2が不適合であると判定すると、遊技機Y2に設けられた演出ボタン装置10及び演出用照明装置73〜78によって実行されている遊技演出を停止させる。これにより、遊技機枠Y2に設けられた演出ボタン装置10及び演出用照明装置73〜78の故障を防ぐことができる。
さらに、ランプ制御基板104は、遊技が開始される前に当該遊技機枠Y2を不適合と認定した場合、演出用照明装置73〜78及び演出用役物装置80〜84に初期動作を実行させない。よって、例えば不適合な遊技機枠Y2に設けられた演出ボタン装置10及び演出用照明装置73〜78の許容範囲を超える信号等による故障を防ぐことができる。また、ランプ制御基板104は、遊技が開始される前に当該遊技機枠Y2を適合と認定した場合、演出用照明装置73〜78及び演出用役物装置80〜84に初期動作を実行させる。この違いにより、当該遊技機枠Y2の適合/不適合が報知される。
また、枠IDを保持する入力用I/F108b、109bは、演出ボタン装置10、演出用照明装置73〜78及び演出用役物装置80〜85などによる遊技演出を制御するランプ制御基板104と信号線でされている。そして、ランプ制御基板104のランプ制御マイコン104Mはこの信号線を使って枠IDを読み込む。このように、遊技機Yの内部に枠IDが保持され、内部で枠適合判定が実行されるので、枠適合判定の精度の低下と不正(例えば、枠IDの改ざん等)を防ぐことができる。また、制御に必要な入力用I/F108b、109bの入力端子(ピン)G、Hによって枠IDが構成されており、枠ID用に別途電子部品を使用するわけではないので、コストの低下を防ぐことができる。
さらに、入力用I/F108b、109bの入力端子(ピン)G、Hで枠IDが構成されていることにより、遊技中や客待ち状態中において、選択ボタン装置9、演出ボタン装置10、第2照明装置74及び第3照明装置75から所定の検出信号が出力され、枠IDに関する情報を含む枠入力情報信号がランプ制御基板104に入力する度に、枠適合判定を行うことができる。本実施の形態では、遊技中は3600000ミリ秒(=1時間)毎に枠適合判定を行っているが、遊技中枠判定時間はこれに限られない。また、遊技中枠判定時間を所定の時刻とすることもできる。また、本実施の形態では、遊技中における枠適合判定の契機は遊技中枠判定時間の経過であるが、択ボタン装置9、演出ボタン装置10、第2照明装置74及び第3照明装置75からの所定の検出信号が所定回数検出されたときとすることもできる。
また、枠IDに関する情報は固定(本実施の形態においては、常に「00」)であることから、ランプ制御基板104と枠上側中継基板108又は/及び枠下側中継基板109との通信状態の正異を確認することもできる。
なお、本実施の形態においては、枠上側中継基板108及び枠下側中継基板109の双方に枠IDが保持されているが、いずれか一方の中継基板108、109が枠IDを保持する構成とすることもできる。また、本実施の形態においては、枠IDは2ビットからなるが、ビット数はこれに限られない。また、枠IDは「00」に設定されているが、「01」、「10」又は「11」で構成することもできる。さらに、本実施の形態では、枠上側中継基板108の枠IDと枠下側中継基板109の枠IDとは同一であるが、枠上側中継基板108の保持する枠IDと枠下側中継基板109の保持する枠IDとが異なるように枠IDを設定することもできる。
また、本実施の形態では、遊技機枠Y2が適合するか否かの枠適合判定は、ガラス枠Y21に設けられた演出用照明装置73〜78の演出制御に係る制御信号を中継する枠上側中継基板108及び枠下側中継基板109を用いて、ランプ制御基板104により行われる。しかしながら、枠適合判定は、ガラス枠Y21に設けられた遊技球発射操作装置3を用いて、主制御基板101や発射制御基板106により行われるようにすることもできる。この場合、発射ボリュームの初期値を枠IDとして設定しておき、発射制御基板106は発射ボリュームの初期値が予め設定された値と一致するか否かで枠適合判定を行う。
また、本実施の形態では枠IDとしてガラス扉の製造会社が設定されているが、遊技機の機種や製造番号が設定されるようにすることもできる。