JP5412257B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
本発明は、自らが動作するとともに自らの内部に配置された構成部を動作させる可動役物を用いた演出を行う遊技機において、可動役物内の構成部を安定的に動作させ、可動役物で行われる演出の実行精度を向上させることを目的とする。
また、さらに詳細には、前記可動部12とは別体に構成された光による前記演出を実行する光演出構造体11,116をさらに備え、前記光演出構造体11,116は、前記光演出部32での前記演出の実行開始に対応させて当該演出の実行を開始することを特徴とすることができる。
また、より好ましくは、前記可動部12に配置され、電力を蓄積し、蓄積した当該電力を前記光演出部32および前記制御部31に供給する蓄電部33と、前記可動部12と離隔して配置されて電力を送信する電力送信部21と、当該可動部12に配置されて当該電力送信部21から送信される電力を受信する電力受信部34とを有し、当該電力受信部34にて受信した電力によって前記蓄電部33を充電する充電手段21,34とをさらに備えたことを特徴とすることができる。
また、さらに詳細には、前記可動部12を回転動作させる駆動源と、前記駆動源により回転動作される前記可動部12の回転方向に関する位置を検出する第2の検出部20と、前記駆動源を制御する駆動制御部320とをさらに備え、前記駆動制御部320は、前記演出の終了により、前記第2の検出部20にて検出される前記可動部12の回転方向に関する位置に基づいて、前記充電手段21,34の前記電力受信部34が前記電力送信部21と対峙するように前記駆動源の回転動作を停止させることを特徴とすることができる。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
次に、演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン等を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、特別図柄抽選部231と、普通図柄抽選部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄抽選結果判定部234と、普通図柄制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235と、遊技進行制御部236と、を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
普通図柄抽選部232は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄抽選を行う。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、特別図柄の変動時間が短縮される時短遊技状態の有無および大当たりの当選確率が高確率に変動した確変遊技状態の有無の組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短遊技状態および確変遊技状態の両方が発生する大当たり、時短遊技状態のみが発生する大当たり、確変遊技状態のみが発生する大当たり、時短遊技状態および確変遊技状態のいずれも発生しない大当たりが有り得る。以下、これらの大当たりを区別する場合は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づき、「時短有り」、「時短無し」、「確変有り」、「確変無し」等と記載して区別する。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「はずれ」では、「大当たり」でも「小当たり」でもなく、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
遊技進行制御部236は、各遊技状態において遊技の進行を制御する。
「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122への遊技球の入賞確率が高まる状態を発生させる。上記の入賞サポート(電チューサポート)時には、この規定回数や規定時間が増える。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態は発生しない。
電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。図4を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、図2の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、図2のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄抽選結果判定部234、変動パターン選択部235、および遊技進行制御部236により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に特別図柄抽選部231は、第1始動口121の入賞における未抽選分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
図7は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちのゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に普通図柄抽選部232は、未抽選分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりまたは小当たりである場合に、これらの当たりに応じた遊技状態であることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、小当たり遊技フラグのいずれかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄抽選結果判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
以上の判定の後、特別図柄抽選結果判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ904)。
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。この判断は、大当たり判定処理(図9)のステップ901、902と同様である(ステップ902の判断結果を用いても良い)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
乱数を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において時短フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグとは、パチンコ遊技機100の遊技状態が時短遊技状態であることを識別するためのフラグである。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技進行制御部236は、時短遊技状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技進行制御部236は、小当たり遊技フラグをONにする(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。
この後、遊技進行制御部236は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合に、これに応じた遊技状態(補助遊技状態)であることを識別するためにセットされるフラグである。補助遊技状態では、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易くなる(補助される)。
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
図15に示すように、大入賞口動作制御部238は、まず、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっているので、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、905と概ね同様であるので、ステップ902、905の判断結果を用いても良い。
当たりの種類が確変無し+時短有りの大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短遊技状態となる。また、大入賞口動作制御部238は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、時短遊技状態が終了する。
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の構成例、図17(d)には当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
通常図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に通常図柄Bでの当選(確変無し+時短無し)となる確率は、15/250(=3/50)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Aでの当選(確変有り+時短有り)となる確率は、175/250(=7/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Bでの当選(確変有り+時短無し)となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
図19は、コマンド受信処理(図18(b)のステップ1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップ1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップ606、612)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップ1901でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている保留数の値を1加算し(ステップ1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(ステップ1903)。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップ1904でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップ1906でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップ1908でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップ1910でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップ1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
演出制御部300により演出が行われる場合、特別図柄抽選の抽選結果に応じて設定される動作モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この動作モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。図20に示す例では、AモードからEモードまでの5種類のモードが設定され、各モードに対してモードフラグの値0〜4が割り当てられている。また、Bモードには確変図柄Aの大当たりが、Cモードには通常図柄Aの大当たりが、Dモードには確変図柄Bおよび通常図柄Bの大当たりが、Eモードには潜確図柄の大当たりおよび小当たりが、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。Aモードには何れの当たりも割り当てられていない。さらに、図20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ2101)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(ステップ2102)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(ステップ2103)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される動作モードに基づき、その動作モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップ2104)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データ等の演出パターンデータをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2105)。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップ2201)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2202)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(ステップ2203)。何らかの当たりである場合は(ステップ2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図20に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(ステップ2204)。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ2301)、解析結果から得られたオープニング動作の内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ2302)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2303)。この当たり演出を、オープニング演出とも呼ぶ。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップ2401)、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2402)。次に、演出制御部300は、エンディングコマンドの解析結果から得られたエンディング動作の内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップ2403)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2404)。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップ2501でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ2502)、RAM303において計測フラグをONにする(ステップ2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップ2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン等が操作されたか否かを判断する(ステップ2601)。ここで、演出ボタン等の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
次に、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100に用いられる可動役物115について説明する。
図27は、本実施の形態に係る可動役物115の外観を斜め前方側(遊技者側)から見た斜視図である。この図27に示す可動役物115は、図1の画像表示部114の前面に配置されるものである。
図27に示すように、役物の一例としての可動役物115は、不死鳥をモチーフとして形成され、支持体の一例としての支持部10により遊技盤110(図1参照)に支持されている。そして、可動役物115は、不死鳥の頭部、胴体部、および両主翼部が模られ、支持部10に固定された本体部11と、不死鳥の尾翼が模られ、回転動作するように支持部10に取り付けられた可動部の一例としての電飾部12とで構成されている。
電飾部12は、その内部に例えば複数の色を発光する複数の発光素子(LED)を備えた装飾発光部(後段図29の装飾発光部32)が内蔵されている。そして、電飾部12は、演出制御部300のRAM303にセットされたコマンドに応じて回転動作される。さらに、電飾部12は、自らの回転動作の状態を自らが認識して、認識した自らの回転動作の状態に応じて、電飾部12の内部に設けられた装飾発光部32において行う発光形態を決定する。
電飾部12の回転機構を具体的に説明する。
図28は、本実施の形態に係る可動役物115を斜め後方側(遊技盤110側)から見た斜視図である。図28に示すように、電飾部12の一方の端部(尾翼の要に相当する端部)側には、電飾部12に固定させた電飾部駆動ギヤ14が配置されている。また、支持部10には支持部10から垂直に突出するように回転軸13が設けられている。そして、電飾部12は、この回転軸13が電飾部駆動ギヤ14の回転中心に挿入されるようにして取り付けられている。
一方、電飾部駆動ギヤ14には、駆動源の一例である例えばステッピングモータ(不図示)からの回転駆動力を受けて回転駆動される駆動ギヤ16が、伝達ギヤ15を介して接続されている。それにより、電飾部12は、支持部10に回転自在に支持されると共に、電飾部駆動ギヤ14がステッピングモータからの回転駆動力を受けることにより回転軸13を回転中心として回転動作する。
この遊技盤側検出センサ20は、可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320(図3参照)に接続されている。そして、遊技盤側検出センサ20は、電飾部12の回転に関する検出信号をランプ制御部320に出力する。それにより、駆動制御部としても機能するランプ制御部320は、遊技盤側検出センサ20からの検出信号を用いてステッピングモータの回転を制御して、電飾部12の回転方向における停止位置等を制御する。
続いて、電飾部12の内部構成について説明する。
図29は、本実施の形態に係る電飾部12が各種演出を実行するための電飾部12の内部構成を説明するブロック図である。図29に示すように、電飾部12は、複数の色を発光する複数のLEDが配列された光による演出を実行する光演出部の一例としての装飾発光部32と、装飾発光部32での発光動作を制御する制御部の一例としての電飾制御部31とを備えている。この電飾制御部31は、各種の設定情報を記憶したROM36を備えている。
また、電飾部12は、充電手段の一例として、支持部10に配置された電力送信部の一例としての送電回路部21から非接触状態で電力供給を受けて直流電流を生成する電力受信部の一例としての充電回路部34を備えている。さらに、電飾部12は、蓄電部の一例として、充電回路部34にて生成された直流電流によって充電される蓄電部33を備えている。本実施の形態に係る電飾部12では、支持部10側から非接触状態で電力供給を受けて蓄電部33に蓄電しておき、電飾部12内部で消費される電力を賄うように構成している。
そして、電飾制御部31は、認識した電飾部12自身の回転速度に応じて、装飾発光部30での発光形態を決定し、装飾発光部30の発光を制御する。
ランプ制御部320は、上記した演出選択処理(図19のステップ1905)によりRAM303にセットされた変動演出開始コマンド(図21のステップ2105)を演出制御部300から受信し、受信した変動演出開始コマンドに基づき、可動役物115の一部を構成する電飾部12を回転動作させるステッピングモータの回転速度を制御する。
すなわち、ランプ制御部320では、変動演出開始コマンドにて指示される演出内容と、ランプ制御部320がステッピングモータを介して制御する電飾部12の回転速度とが予め対応付けられている。そして、ランプ制御部320は、変動演出開始コマンドを受信することにより演出制御部300から指示された演出内容を認識し、認識した演出内容に対応付けられている回転速度で電飾部12が回転動作するようにステッピングモータを制御する。
一方、電飾部12の電飾制御部31も同様に、変動演出開始コマンドにて指示される演出内容と、ランプ制御部320がステッピングモータを介して制御する電飾部12の回転速度とが予め対応付けられている。それにより、電飾部12は、電飾制御部31が電飾部12自身の回転速度を認識することによって、変動演出開始コマンドにて指示された演出内容が電飾部12自身の回転速度に対応付けられている演出内容であることを自らが独立して把握することができる。すなわち、電飾部12は、変動演出開始コマンドの内容を通知するコマンド(制御信号)をランプ制御部320から直接的に取得しなくとも、変動演出開始コマンドにて指示された演出内容を把握できる。
一方、電飾部12の電飾制御部31にも、電飾制御部31内に設けられたROM36に、ランプ制御部320内のROM322に記憶された回転速度テーブルと同一の回転速度テーブルが記憶される。そして、電飾制御部31は、電飾部側検出センサ35からの検出信号に基づいて自らの回転速度を認識することにより、回転速度テーブルを参照して変動演出開始コマンドにて指示される演出内容を把握する。
それにより、ランプ制御部320が認識した演出内容と、電飾制御部31が自らの回転速度を認識することにより把握した演出内容とは一致することとなる。
ここで、上記の「変動演出開始コマンドにて指示される演出内容」とは、変動演出開始コマンドに含まれる演出パターンデータの種類を意味する。演出制御部300は、大当たり判定処理(図9参照)での抽選結果に基づいて演出内容(演出パターン)を選択し、演出に用いられる画像データや音響データ等の演出パターンデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをランプ制御部320に送信する(図19のコマンド受信処理参照)。それにより、ランプ制御部320内のROM322および電飾制御部31内のROM36に記憶される回転速度テーブルは、演出制御部300から送信された変動演出開始コマンドに含まれる演出パターンデータの種類の各々と、それに応じて設定される電飾部12の回転速度とが対応付けられている。
図31に例示する回転速度テーブルには、Aパターン〜Jパターンの演出内容(演出パターン)各々に対し、電飾部12に設定される回転速度として3.0〜0.75(回転/秒)がそれぞれ対応付けられている。
それにより、ランプ制御部320は、演出制御部300から変動演出開始コマンドを受信すると、変動演出開始コマンドにて指示されている演出内容(Aパターン〜Jパターン)とROM322に記憶された図31に例示する回転速度テーブルとにより、ステッピングモータの回転動作速度を設定する。これによって、電飾部12は、変動演出開始コマンドにて指示された演出内容に応じた回転速度で回転動作される。
この場合に、回転速度テーブルに設定される電飾部12の回転速度と変動演出開始コマンドにて指示された演出内容との対応関係が、大当たり判定処理(図9)での抽選結果が遊技者に有利な大当たりであるほど、電飾部12の回転速度を速くするように設定することができる。それにより、遊技者に有利な大当たりであるほど演出がより劇的なものとなって、演出の興趣性を高めることができる。
例えば、電飾制御部31は、電飾部側検出センサ35からの検出信号に基づいて電飾部12自身の回転速度が2.75(回転/秒)であると認識した場合には、図31に例示する回転速度テーブルを参照して、変動演出開始コマンドにて指示されている演出パターンが“Bパターン”であると把握する。同様に、電飾部12自身の回転速度が1.5(回転/秒)であると認識した場合には、図31に例示する回転速度テーブルを参照して、変動演出開始コマンドにて指示されている演出パターンが“Gパターン”であると把握する。
この場合に、電飾制御部31は、変動演出開始コマンドにて指示された演出内容と装飾発光部30での発光形態(LEDの発光パターン)とを対応付けるテーブル(以下、「発光パターンテーブル」)を電飾制御部31内のROM36に記憶している。そして、電飾制御部31は、変動演出開始コマンドにて指示された演出内容を把握することにより、演出内容と発光形態(LEDの発光パターン)とを対応付ける発光パターンテーブルを参照して、把握した演出内容に応じたLEDの発光パターンを決定する。
本実施の形態では、電飾部12が回転動作すると共に、電飾部12の内部には、光による演出を実行する装飾発光部32と電飾制御部31とを備えている。装飾発光部32を変動演出開始コマンドにて指示された演出内容に応じて動作させるには、電飾制御部31に対して変動演出開始コマンドの内容を信号によって伝達する必要がある。ところが、変動演出開始コマンドの内容に関する信号伝達を有線により行おうとすると、電飾部12は回転動作する役物であるため、例えば支持部10側または遊技盤110側に設けられた信号送信部と、電飾部12側に設けられた信号受信部との間の接続が不安定となり易い。そのために、信号送信部から信号受信部への信号伝達時にノイズが発生して、装飾発光部30を用いた光による演出に誤作動が生じることがある。
そのため、変動演出開始コマンド内容の発信元からの信号伝達の不安定さに基づいて生じる光による演出の誤作動が低減されるので、電飾部12において変動演出開始コマンドにて指示された演出内容に応じた光による演出の実行精度が向上する。
駆動源であるステッピングモータにより回転動作する電飾部12は、自身の慣性モーメント等の影響で、ステッピングモータの動作開始から回転速度が安定するのに所定の時間を要する。そのため、例えば3回等の予め定めた回数だけ電飾部12を回転させた後に、自らの回転速度を計測することにより、回転速度に関する検出精度を高めることができる。
なお、電飾部側検出センサ35からの検出信号を予め定めた回数だけ取得した後に自らの回転速度を計測する構成の他に、電飾制御部31において予め定めた時間が経過した後に取得した電飾部側検出センサ35からの検出信号により、自らの回転速度を計測するように構成してもよい。
続いて、電飾部12を回転動作させるステッピングモータの回転動作速度を設定する際のランプ制御部320による処理を説明する。
図32は、ランプ制御部320によるステッピングモータの回転動作速度の設定処理の内容を示すフローチャートである。
図32に示すように、ランプ制御部320は、演出制御部300から変動演出終了コマンドを受信すると(ステップ3201)、変動演出開始コマンドに含まれる演出パターンデータの種類を認識する(ステップ3202)。そして、ランプ制御部320は、ランプ制御部320内のROM322に記憶された電飾部12の回転速度と変動演出開始コマンドにて指示される演出内容とが対応付けられた回転速度テーブルを参照し(ステップ3203)、回転速度テーブルから演出パターンデータの種類に対応付けられた電飾部12の回転速度を選択する(ステップ3204)。そして、ランプ制御部320は、選択した回転速度により電飾部12を回転させるようにステッピングモータの回転動作速度を設定する(ステップ3205)。
引き続き、電飾部12内の装飾発光部30における発光形態(LEDの発光パターン)を決定する際の電飾制御部31による処理を説明する。
図33は、電飾制御部31による装飾発光部30での発光形態の決定処理の内容を示すフローチャートである。
図33に示すように、電飾部12内の電飾制御部31は、電飾部側検出センサ35から検出信号を受信すると(ステップ3301)、検出信号の受信回数Sの値を1加算する(ステップ3302)。そして、電飾制御部31は、受信回数Sの値を判定し(ステップ3303)、受信回数Sが3を超えていない場合には(ステップ3303でNo)、電飾制御部31は、発光形態の決定処理を終了する。一方、受信回数Sが3を超えていれば(ステップ3303でYes)、タイマによる時間計測を開始し、次の検出信号を受信するまでの時間間隔(インターバル)を計測する(ステップ3304)。そして、計測結果から電飾部12自らの回転速度を算出する(ステップ3305)。
引き続いて、電飾制御部31は、電飾制御部31内のROM36に記憶された変動演出開始コマンドにて指示された演出内容と装飾発光部30での発光形態とを対応付ける発光パターンテーブルを参照し(ステップ3308)、発光パターンテーブルから演出内容に対応する発光パターンを決定する(ステップ3309)。そして、電飾制御部31は、受信回数Sに0を代入して(ステップ3310)、発光形態の決定処理を終了する。
次に、電飾部12への電力供給について説明する。
上記したように、回転動作する電飾部12の内部には、LEDを有する装飾発光部32、CPU等の演算装置を有する電飾制御部31、発光部を有する電飾部側検出センサ35等の電力を消費する各種の構成部を備えている。これらの構成部に対し、有線により電力を供給しようとすると、電飾部12は回転動作する役物であるため、上記した変動演出開始コマンド内容に関する信号伝達の場合と同様に、例えば支持部10側または遊技盤110側に設けられた電力送信部と、電飾部12側に設けられた電力受信部との間の接続が不安定となり易い。また、相互の回転により電力送信部と電力受信部との間に磨耗が生じ易く、両者の接続を確保するために定期的なメンテナンスも必要となる。
ここで、「充電回路部34と送電回路部21とが対峙(対向)した状態」とは、送電回路部21から出力されたエネルギーを充電回路部34が受けることができる範囲に両者が位置することをいう。
次の図34は、非接触状態で電力供給を行う支持部10側の送電回路部21および電飾部12側の充電回路部34の回路構成を説明する図である。
図34に示すように、送電回路部21は、商用電源40から供給される例えば交流電圧100Vを全波整流する整流回路41と、1次巻線42と、平滑コンデンサ43と、スイッチング素子44と、スイッチング素子44をオンオフするための制御信号を出力するスイッチング回路45とを備えている。また、充電回路部34は、2次巻線50と、整流用ダイオード51および整流用ダイオード52と、チョークコイル53と、平滑コンデンサ54と、蓄電部33に直流電流を出力する出力端子55とを備えている。
充電回路部34では、送電回路部21の1次巻線42から断続的に送信されるエネルギーを2次巻線50にて受信し、2次巻線50により電流に変換する。そして、2次巻線50から出力される電流を整流用ダイオード51および整流用ダイオード52で整流し、チョークコイル53と平滑コンデンサ54とで構成されるLCフィルタにより電流を平均化して、出力端子55から直流電流を出力する。それにより、蓄電部33は充電される。
図35は、ランプ制御部320が演出制御部300からの変動演出開始コマンドに基づき電飾部12を回転させている状態を示した図である。なお、図35では、不死鳥の尾翼が模られた電飾部12の尾翼先端部領域が支持部10とは交わらない領域を通過している状態を表している。
一方、電飾部駆動ギヤ14の側面の突起部17が通過することにより電飾部12の回転を検出する遊技盤側検出センサ20は、電飾部12の回転中心軸と支持部10側の送電回路部21とを通る直線L2上に配置されている。
図36に示すように、充電回路部34が送電回路部21と対峙する位置(電飾部12のホームポジション(原点位置))に到達した際には、電飾部駆動ギヤ14の側面の突起部17と充電回路部34とが通る直線L1と、遊技盤側検出センサ20と送電回路部21とを通る直線L2とが一致する。そのため、充電回路部34が送電回路部21と対峙する位置に到達した時点において、突起部17は遊技盤側検出センサ20を通過することとなる。
それにより、ランプ制御部320は、演出制御部300が行う上記した変動演出終了中処理(図19のステップ1907)によりRAM303にセットされた変動演出終了コマンド(図22のステップ2209)を受信した場合には、遊技盤側検出センサ20が突起部17の通過を検出することをトリガ(契機)としてステッピングモータの回転を停止させるように制御する。それにより、ランプ制御部320は、演出を終了させる際には、電飾部12の充電回路部34が支持部10側の送電回路部21と対峙するように電飾部12を停止させる。
次に、電飾部12を停止させる際のランプ制御部320による電飾部12に対する動作制御について説明する。
図37は、ランプ制御部320による電飾部12を停止させる際の電飾部12に対する動作制御の内容を示すフローチャートである。
図37に示すように、ランプ制御部320は、演出制御部300から変動演出終了コマンドを既に受信しているか否かを判定する(ステップ3701)。変動演出終了コマンドを未だ受信していない場合には(ステップ3701でNo)、演出制御部300からの変動演出終了コマンドの受信を待機する(ステップ3702)。ランプ制御部320は、演出制御部300から変動演出終了コマンドを受信しない場合には(ステップ3702でNo)、電飾部12の回転動作を継続させ(ステップ3703)、演出制御部300からの変動演出終了コマンドの受信を待機する。
ランプ制御部320は、遊技盤側検出センサ20から検出信号が入力されない場合には(ステップ3704でNo)、電飾部12の回転動作を継続させ(ステップ3703)、遊技盤側検出センサ20からの検出信号の入力を待機する。
さらに、ランプ制御部320は、送電回路部21(スイッチング回路45)に対し、送電回路部21から充電回路部34にエネルギーの供給の開始を指示する電力供給指示コマンドを出力する(ステップ3706)。それにより、送電回路部21から充電回路部34にエネルギーの供給が開始され、電飾部12の蓄電部33が充電される。
その後、ランプ制御部320は、電飾部12を停止させるための動作制御を終了する。
それにより、演出内容を指示する発信元(例えばランプ制御部320)からの信号伝達の不安定さに基づいて生じる電飾部12の誤作動が低減され、電飾部12で行われる演出の実行精度を向上させることができる。
Claims (5)
- 自らの動作と内部に配置された構成部の動作とにより演出を行う役物を備える遊技機であって、
前記役物を支持する支持体と、
前記役物の全部または一部を構成し、前記支持体に対して動作自在に支持されると共に前記演出の内容に対応させて設定された動作速度で駆動される可動部と、
前記可動部に配置され、当該可動部の前記動作速度を検出する検出部と、
前記可動部に配置され、光による前記演出を実行する光演出部と、
前記可動部に配置され、前記検出部にて検出された前記動作速度に対応させて前記光演出部にて前記演出を実行する際の発光形態を決定し、決定した当該発光形態に応じて当該光演出部の発光動作を制御する制御部と
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記制御部は、前記可動部の動作開始から予め定められた動作回数または動作時間が経過した後において前記検出部にて検出された前記動作速度に対応させて前記発光形態を決定することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記可動部とは別体に構成された光による前記演出を実行する光演出構造体をさらに備え、
前記光演出構造体は、前記光演出部での前記演出の実行開始に対応させて当該演出の実行を開始することを特徴とする請求項2記載の遊技機。 - 前記可動部に配置され、電力を蓄積し、蓄積した当該電力を前記光演出部および前記制御部に供給する蓄電部と、
前記可動部と離隔して配置されて電力を送信する電力送信部と、当該可動部に配置されて当該電力送信部から送信される電力を受信する電力受信部とを有し、当該電力受信部にて受信した電力によって前記蓄電部を充電する充電手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 前記可動部を回転動作させる駆動源と、
前記駆動源により回転動作される前記可動部の回転方向に関する位置を検出する第2の検出部と、
前記駆動源を制御する駆動制御部とをさらに備え、
前記駆動制御部は、前記演出の終了により、前記第2の検出部にて検出される前記可動部の回転方向に関する位置に基づいて、前記充電手段の前記電力受信部が前記電力送信部と対峙するように前記駆動源の回転動作を停止させることを特徴とする請求項4記載の遊技機。
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