JP5406840B2 - 眼内移植片 - Google Patents

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    • A61F9/00Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting-in contact lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
    • A61F9/007Methods or devices for eye surgery
    • A61F9/00781Apparatus for modifying intraocular pressure, e.g. for glaucoma treatment

Description

<関連出願への相互参照>
本願は、2007年9月24日出願の米国特許出願連続番号11/860,318号および2008年3月4日出願の米国特許出願連続番号61/033,746号の優先権を主張するものであり、両出願の開示内容はここに引例に挙げることにより本件の一部を構成しているものとする。
<引例の編入>
本件明細書中で言及される刊行物および特許出願についてここに引例に挙げることにより本件の一部に編入するにあたり、その程度はいずれも、ここで援用されている個々の刊行物または特許出願を引例に挙げて本件の一部を構成していると特に個別的に示してある限りにおいてという意味である。
本発明は、広義には、眼内に移植するべき各種装置に関連している。より狭義には、本発明は眼の一領域内から同じ眼の別な領域へ流体を輸送するのを容易にする各種装置に関連している。
合衆国国立衛生研究所(NIHすなわちUnited States National Institutes of Health)の国立眼科研究所(NEIすなわちNational Eye Institute)の起草報告書によると、緑内障は世界中の回復不能な盲目の主因であり、更にまた、世界中の失明については白内障に次いで2番目の原因となっている。従って、国立眼科研究所起草報告書は、「この種の疾患の病態生理学的特性および管理方法を決定する目的に引続き相応の傾注と手立てに専心することが重要である」と結論づけている。緑内障研究者は、高い眼圧と緑内障との間に強い相関関係があると見ている。このため、眼科治療の専門家らは定常的に緑内障の兆候が無いか患者の調査を行うにあたり、眼圧計として周知の装置を利用して眼圧を測定する手段を取っている。既存の眼圧計の大半が、眼の外表面に突風を一吹き吹付けることにより測定を行うものである。
眼の概念は、液体の満ちた球体と定めることができる。眼内には2種類の液体が存在する。水晶体の背後の空洞には硝子液として周知の粘性液が充ちている。水晶体の前部の各空洞は眼房水として周知の液体が充ちている。物体を目視する場合は常に、人は硝子液と眼房水の両方を通して物体を視認している。
また、物体を目視する場合は常に、人は眼の角膜と水晶体を通して物体を視認している。角膜および水晶体は、透明であるためには、血管が皆無である。従って、角膜および水晶体を血液が流れることは全く無いため、これらの組織に栄養分を供給することもこれらの組織から老廃物を除去することもない。その代わり、これら諸機能は眼房水によって行われる。眼房水が眼内を絶えず流動することで、血管が形成されていない眼の各部(例えば、角膜や水晶体など)に栄養分を供給している。眼房水がこのように流動することで、これら組織から老廃物をも除去している。
眼房水は毛様体として周知の器官により生産される。毛様体は継続的に眼房水を分泌する上皮細胞を含んでいる。健康な眼では、新たな房水が毛様体の上皮細胞によって分泌されると、房水流は前眼房から流出して小柱網を通りシュレム管に流入する。このような過剰な房水はシュレム管から静脈血流に入り、眼から出てゆく静脈血と一緒に搬出される。
眼の自然な排液メカニズムが適切に機能するのを止めると、眼圧が上昇し始める。研究者らは、長期に亘り高い眼圧を被ったことが原因で、眼から脳に知覚情報を送っている視神経が損傷を受けるという学説を立てている。このような視神経の損傷の結果として周辺視力の喪失を生じる。緑内障が進行するにつれて、患者が完全に失明するまでに視野をどんどん喪失してゆく。
薬物治療のほかにも、緑内障について多様な外科治療が既に実施されている。例えば、かつては、房水の流れを前眼房から外眼静脈に方向付けるようにシャントが移植されていた(リー(Lee)・シェッペンス(Scheppens)共著、「房水路・静脈シャントおよび眼圧(Aqueous-Venous Shunt and Intraocular Pressure)」、研究眼科学(Investigative Ophthalmology)1996年2月刊)。それ以外の早期の緑内障治療用移植片は、前眼房から下位結膜泡状突起へ導通させていた(例えば、米国特許第4,968,296号および米国特許第5,180,362号)。もっと他には、前眼房からシュレム管の丁度内側の点まで通じているシャントがあった(シュピーゲル(Spiegel)ほか著、「シュレム管移植 − 原発開放隅角緑内障に罹った患者の眼圧を低下させる新規な方法(Schlemm’s Canal Implant: A New Method to Lower Intraocular Pressure in Patients with POAG)」、眼科外科手術とレーザー(Ophthalmic Surgery and Lasers)1999年6月刊、米国特許第6,450,984号)。
米国特許第4,968,296号 米国特許第5,180,362号 米国特許第6,450,984号
リー(Lee)・シェッペンス(Scheppens)共著、「房水路・静脈シャントおよび眼圧(Aqueous-Venous Shunt and Intraocular Pressure)」、研究眼科学(Investigative Ophthalmology)1996年2月刊 シュピーゲル(Spiegel)ほか著、「シュレム管移植 − 原発開放隅角緑内障に罹った患者の眼圧を低下させる新規な方法(Schlemm’s Canal Implant: A New Method to Lower Intraocular Pressure in Patients with POAG)」、眼科外科手術とレーザー(Ophthalmic Surgery and Lasers)1999年6月刊
幾つかの先行技術の緑内障治療用移植片は前眼房とシュレム管との間に流路を設けているが、これら先行技術の装置が見逃している点として、(1)シュレム管の重要部位を開存状態のまま維持することの重要性、または、(2)装置のどの部位であれ、その位置またはその周辺の液体流量が比較的高くなることが原因で生じる隣接組織の損傷が挙げられる。本発明の眼内移植片は、上記のような設計基準の一方または両方に対処している。
本発明の一局面によれば、眼内移植片は眼のシュレム管に挿入されて前眼房から眼房水を流出し易くするにあたり、例えば、小柱網の組織およびシュレム管の組織を支持するという方法を採るようにするとよい。眼内移植片が存在することにより促進される液流には、シュレム管に沿った軸線方向の流れと、前眼房からシュレム管に入る流れと、シュレム管と導通している出口から流出してシュレム管を離れる流れがある。
房水は上記出口を通ってシュレム管を出た後で静脈血流に入り、眼を出て行く静脈血と一緒に搬出される。静脈系の圧力は大気圧を超える5 mmHgから10 mmHg近辺となる傾向がある。従って、静脈系は圧力低下防止装置の働きをし、これにより、前眼房内の圧力が大気圧を超えるレベルに維持されるのを確保している。
本発明による或る具体的な眼内移植片はその本体部に複数の開放領域と、複数の支柱領域と、複数の背骨状領域とが形成されている。支柱領域および背骨状領域は補強構造体として作用し、シュレム管の壁を開存状態に保持することでシュレム管の壁に流路すなわち瘻管を設けている。更に、背骨状領域と支柱領域の寸法および形状は、シュレム管を補強すると同時にシュレム管の横断方向の全断面積のうち比較的小部分のみを占有するように設定することができる。この場合、眼内移植片がシュレム管の長尺部に沿って流動する房水の障害となるのを最小限に抑えている。シュレム管を補強するにあたり、シュレム管内に存在する金属質量を最小限にすることで、或る期間を経た後も安全な治療反応を促進することもできる。
本発明による或る具体的な眼内移植片はその本体部に複数の開口が画定されており、斯かる開口部の寸法および形状は眼内移植片の本体部を横断する房水、横に貫流する房水、または、その両方の房水を横断方向に流動し易くするように設定されている。眼房水の横断方向の流れは、小柱網を通ってシュレム管に流入する房水の流れを含んでいる。房水の横断方向の流れはまた、シュレム管と導通している出口を通り抜ける房水の流れも含んでいる。
本発明の一局面は、少なくとも一部が眼のシュレム管の或る部位に載置されるのに好適な構成の眼内移植片を提案している。斯かる眼内移植片は或る実施例において、その本体部が湾曲した容積部の態様で延びており、容積部の長軸線が円弧の形状であるとともに、その本体部には複数の開放領域と複数の支柱領域が設けられており、開放領域は湾曲した容積部を規定している表面の50%を超える領域に亘って広がっており、支柱領域はこれら開放領域を包囲しており、本体部は直径が0.005インチから0.04インチの間である。
或る実施例においては、開放領域は、湾曲した容積部に沿って延びている第1長軸線方向区分を含んでいる。斯かる第1長軸線方向区分は湾曲した容積部の最大半径部位を含んでいる。移植片の開放領域には、移植片本体部の、例えば第1長軸線方向区分と対向する側に位置している第2長軸線方向区分に複数の開口が形成されている。更に、第2長軸線方向区分に形成された開口と開口の間には背骨状区分が存在する。
或る実施例においては、支柱領域は本体部の軸線方向および周方向に第1長軸線方向区分の一方側からその他方側まで延在している。開放領域は支柱領域と支柱領域の間に形成されているようにしてもよい。
或る実施例においては、移植片は形状記憶素材から湾曲した容積部に概ね等しい形状に形成されている。移植片の湾曲した容積部は中心角度60度から180度の円弧に亘って延びている。或る実施例では、湾曲した容積部の長軸線に対して直交している円形断面において素材が空乏ではない率は50%未満であるが、この状態は移植片の90%を超える領域に及んでいる。
或る実施例においては、移植片の入口部は本体部の一方端に位置して本体部と流体連絡状態にあるとともに、円弧状部を基点に内向きに延びている。入口部は、入口部と本体部とを接続する点から引かれている正接線から90度の角度で延びている。或る実施例においては、入口部の長さは本体部の直径よりも大きい。入口部は、例えば、コイルや少なくとも1個の開放状態の長軸線方向区分が設けられた管などの態様で、移植片の本体部と流体連絡状態で形成されているとよい。入口部は本体部と同じ円弧部に沿って延びている。
或る実施例においては、移植片は一方端に鈍磨な先端が設けられており、斯かる鈍端を通る管腔が形成されている。
或る実施例においては、治療剤は移植片の本体部に配置されている。治療剤はプロスタグランジンアナログ(例えば、ラタノプロストなど)などのような緑内障治療薬であるとよい。
本発明のまた別な局面は、全体的に湾曲した長軸線に沿って延びている本体部を有している眼内移植片であって、湾曲した長軸線が第1平面を規定しており、本体部の直径が0.005インチから0.04インチの間であって被検者の眼のシュレム管の内部に配置されるのに適した構成のものを提案しており、斯かる移植片において、本体部は第1平面に沿って屈曲すると第1可撓性を示し、第1平面と交差して第1平面と一致しない平面、例えば、第1平面に直交する平面などのような第2平面に沿って屈曲すると第1可撓性とは異なる第2可撓性を示す。或る実施例においては、本体部は第1平面に関して対称的である形状を有している。
本発明の移植片は多様な特性を有している。或る実施例においては、移植片本体部は長軸線に対して直交している横断面でその周面の素材が空乏ではない率は中心角にして360度未満であり、この状態は本体部全長に亘っている。本体部は細長いスロットを画定しており、本体部が非拘束状態にある時にはスロットは放射方向外向きに開放している。
或る実施例においては、本体部は複数対の組織支持枠と、支持枠の互いに隣接し合う対と対の間ごとに1本ずつ付着している背骨状部とから構成されている。背骨状部は個々に形状が第1平面に関して対称的であり、組織支持枠は個々に形状が第1平面に関して対称的である。或る実施例においては、背骨状部は長軸線方向に互いに一列に整列している。
或る実施例においては、背骨状部は各々に第1副次面、第1主面、第2副次面、第2主面が設けられており、背骨状部は各々の厚みが少なくとも第1主面上の1点から少なくとも第2主面上の1点までの間に延在する部分であり、背骨状部は各々の幅が少なくとも第1副次面上の1点から少なくとも第2副次面上の1点までの間に延在する部分であり、斯かる幅と厚みのアスペクト比は約2よりも大きい。或る実施例においては、第1主面および第2主面は互いに裏表である。また、第1主面には凹面が設けられており、第2主面には凸面が設けられている。斯かる凹面および凸面は同心である。
或る実施例においては、組織支持枠は各々が少なくとも第1支柱および第2支柱を有している。支柱は各々が、例えば、周方向に起伏する経路を辿っていると同時に、第1支柱と第2支柱の間で長軸線方向に延びている。
或る実施例においては、支柱は各々に第1副次面、第1主面、第2副次面、第2主面が設けられている。或る実施例においては、支柱は各々の厚みが少なくとも第1主面上の1点から少なくとも第2主面上の1点までの間に延在する部分であり、各々の幅が少なくとも第1副次面上の1点から少なくとも第2副次面上の1点までの間に延在する部分であり、斯かる幅と厚みのアスペクト比は2よりも大きい。或る実施例においては、第1主面および第2主面は互いに裏表である。また、第1主面には凹面が設けられており、第2主面には凸面が設けられている。斯かる凹面および凸面は同心である。
或る実施例においては、眼内移植片の本体部は超弾性特性を示す。本体部は適切な割合のニッケルとチタニウムから製造されており、例えば、ニッケルの重量百分率は約29.5重量%から約50.5重量%の間であり、チタンの重量百分率は約29.5重量%から約50.5重量%の間であり、これらの値は合金の総重量百分率に基づいている。
本発明の眼内移植片の或る実施例においては、本体部は約60度から約180度の間の円弧状範囲に亘って延びている。或る実施例においては、治療剤は移植片本体部上に被覆される。治療剤は、プロスタグラジンアナログ(例えば、ラタノプロストなど)のような緑内障治療薬であるとよい。
本発明のまた別な局面は、第1背骨状部、第2背骨状部、第1背骨状部と第2背骨状部との間で軸線方向Zに延びている第1支柱、および、第1背骨状部と第2背骨状部との間で軸線方向Zに延びている第2支柱を備えている眼内移植片であって、各支柱の第1端縁の角度寸法θは、第1背骨状部から第2背骨状部までの間で軸線方向Zに支柱が進むにつれて起伏するように変動し、各支柱の外周面の半径rは第1背骨状部と第2背骨状部との間で軸線方向Zに支柱が延在するどの位置でも実質的に一定である移植片を提案している。
本発明の更に別な局面は、第1背骨状区分、第2背骨状区分、および、第1背骨状区分と第2背骨状区分との間で延びている第1枠を備えており、枠の直径が0.005インチから0.04インチの間であり、被検体の眼のシュレム管の内側に配置されるのに好適な構成の眼内移植片を提案している。
或る実施例においては、第1背骨状区分、第2背骨状区分、および、第1枠は1枚の管状壁の各部を形成している。背骨状区分は各々が、任意で、1本の背骨状部だけから構成されている。或る実施例においては、背骨状区分は各々の横断面の形状が弧状である。或る実施例においては、第1背骨状部には第1周方向張出部が設けられており、第1枠には第2周方向張出部が設けられており、第2周方向張出部は第1周方向張出部よりも大きい。
或る実施例においては、第1枠には第1支柱および第2支柱が設けられており、2本の支柱だけから構成されている。支柱は各々が、任意で、横断面の形状が弧状である。
第1支柱に第1端縁が設けられている(例えば、部分的に眼内移植片の第1開口を画定している)実施例においては、第1端縁の角度寸法θは第1背骨状部から第2背骨状部までの間で軸線方向Zに支柱が進むにつれて起伏する。支柱が第1背骨状部と第2背骨状部との間で軸線方向Zに進むに従って第1端縁の角度寸法θはまず増大してから減少する。また、第1端縁の半径rは、第1背骨状部と第2背骨状部との間で軸線方向Zに支柱が延在するどの位置でも実質的に一定である。
或る実施例においては、第1支柱の厚さは放射方向に実質的に一定である。或る実施例においては、第1支柱の幅は周方向に沿って弧状に延びている。或る実施例においては、第1支柱の長さは、眼内移植片の長軸線に略平行な軸線方向に延びている。
第1背骨状区分および第2背骨状区分は互いに軸線方向に一列に整列している。更にまた、第2支柱の形状は第1支柱の形状の鏡像である。
眼内移植片の幾つかの実施例においては、第2背骨状部と第3背骨状部との間に延在している第2枠が設けられている。眼内移植片の或る実施例は、第1支柱の第1端縁と第2支柱の第1端縁との間に延在して第1開口が設けられている。或る実施例においては、第1支柱の第2端縁と第2支柱の第2端縁は第2開口の外郭を画定している。或る実施例においては、第1支柱、第2支柱、第1背骨状区分、第2背骨状区分はいずれも一緒に円筒状容積部を画定している。
眼内移植片の或る実施例では、治療剤(例えば、ラタノプロストなどのようなプロスタグラジンを具体例とする緑内障治療薬)が枠および背骨状区分上に被膜堆積されている。
本発明のまた別な局面は、第1背骨状部、第2背骨状部、第1支柱および第2支柱から成り各支柱が第1背骨状部と第2背骨状部との間で軸線方向Zに延在している第1枠、第1支柱の第1端縁と第2支柱の第1端縁との間に延在している第1開口、および、第1支柱の第2端縁と第2支柱の第2端縁により外郭が画定されている第2開口を備えている眼内移植片であって、第1背骨状部から第2背骨状部までの間で軸線方向Zに進むにつれて、各支柱の第1端縁の角度寸法θが起伏し、第1背骨状部と第2背骨状部との間の支柱の軸線方向Zのどの位置でも、各支柱の外周面の半径rが実質的に一定である移植片を提案している。
患者によっては、シュレム管が小室に区画されてしまっている恐れがある。このような事例の場合、シュレム管は切れ目によって、または、仕切りによって一連の小室に分離した状態になっている。眼内移植片をシュレム管に進入させるにつれて、眼内移植片の遠位置先端部が切れ目、仕切り、または、その両方を刺し通す。このような刺し通し作用により、互いに隣接し合う小室区画相互の間の流体連絡が復活させられる。眼内移植片の本体部は、流体連絡が復活した後でもシュレム管に残存することで、仕切りの反対側まで通る液流を促進する。
本件に開示されている或る具体的な眼内移植片には、形状が概ね丸い鈍端部が設けられている。例えば、斯かる鈍端部は形状が略半球状である。鈍端部の概ね丸い形状は、移植片処置中にシュレム管に眼内移植片を進入させるとシュレム管に追従して前進する見込みを増大させている。
本件に開示されている或る具体的な眼内移植片には、眼の小柱網を通って延びるような形状および寸法に設定された入口が設けられている。斯かる入口は前眼房とシュレム管との間に流路を設けている。眼房水は、シュレム管に流入してしまうと、眼内移植片の近位部からその中間部までの間を流動する。眼内移植片の中間部の概念としては、シュレム管の一部に沿って房水を配給する多岐管であると定めることができる。シュレム管のこの部分の長尺部に沿って、多数の出口が配置されている。この事例の場合、シュレム管に眼内移植片が存在することで、上記出口を通って房水が流出するのを容易にしている。
図1は眼の一部を例示した平面図である。 図2は図1に例示された眼の一部の拡大平面図である。 図3は具体的な眼内移植片の中間部を例示した頂面平面図である。 図4は図3に例示された眼内移植片の側面平面図である。 図5は図4に例示された眼内移植片の横断面図である。 図6は図5に例示された眼内移植片のまた別な横断面図である。 図7Aは具体的な眼内移植片を例示した側面図である。 図7Bは具体的な眼内移植片を例示した底面図である。 図7Cは具体的な眼内移植片を例示した頂面平面図である。 図8Aは図7Aに例示された具体的な眼内移植片のまた別な拡大側面図である。 図8Bは図7Bに例示された具体的な眼内移植片のまた別な拡大底面図である。 図8Cは図7Cに例示された具体的な眼内移植片のまた別な拡大頂面平面図である。 図9は図8に例示されている眼内移植片のまた別な側面平面図である。 図10は図9に例示されている眼内移植片の頂面平面図である。 図11は具体的な眼内移植片の斜視図である。 図12はまた別な具体的な眼内移植片の平面図である。 図13Aはまた別な具体的な眼内移植片を例示した側面図である。 図13Bは図13Aの眼内移植片の底面図である。 図13Cは図13Bの眼内移植片の頂面平面図である。 図14は眼内移植片の斜視図である。 図15は図14の眼内移植片の側面図である。 図16はまた別な眼内移植片の斜視図である。 図17は更に別な眼内移植片の斜視図である。 図18は図11および図12の眼内移植片が患者の眼の中の適所にあるのを例示した図である。 図19は図14および図15の眼内移植片が患者の眼の中の適所にあるのを例示した図である。 図20は被検体の眼の一部およびシュレム管に配置された眼内移植片の一部を例示した斜視図である。 図21は図20の移植片の一部を例示した拡大斜視図である。 図22は容積部が図20および図21の眼内移植片の本体部により外郭が画定されているのを例示した斜視図である。 図23は第1平面が眼内移植片の本体部と交差しているのを例示した斜視図である。 図24は曲げモーメントが眼内移植片に付与されているのを例示した斜視図である。 図25は図24に例示された移植片に曲げモーメントが全く付与されていないのを例示した平面図である。 図26Aは図25の眼内移植片が図25の線A−Aに沿って破断した横断面図である。 図26Bは図25の眼内移植片が図25の線B−Bに沿って破断した横断面図である。 図27は図25の眼内移植片が図25の線B−Bに沿って破断した拡大断面図である。 図28は図25の眼内移植片が図25の線A−Aに沿って破断した拡大断面図である。 図29は本発明の別な実施例による眼内移植片の長軸線方向曲率半径が長尺部に沿って変動しているのを例示した平面図である。 図30は本発明のまた別な実施例による眼内移植片が実質的に全く曲率半径を有していないのを例示した斜視図である。 図31は本発明の具体的な一実施例による眼内移植片を形成するために利用することができる本体部を例示した等尺図である。 図32は図31に例示されている本体部の等尺図である。 図33Aは図32に例示されている眼内移植片の一部を例示している平面図である。 図33Bは図33Aに例示されている眼内移植片を線B−Bに沿って破断した横断面図である。 図33Cは図33Aの眼内移植片を線C−Cに沿って破断した横断面図である。 図34は図33に例示されている眼内移植片の一部を示した等尺図である。 図35は図34に例示されている眼内移植片の一部を示した拡大平面図である。 図36Aは図35に例示されている眼内移植片を線D−Dに沿って破断した横断面図である。 図36Bは図35に例示されている眼内移植片を線E−Eに沿って破断した横断面図である。 図36Cは図35に例示されている眼内移植片を線F−Fに沿って破断した横断面図である。 図36Dは図35に例示されている眼内移植片を線G−Gに沿って破断した横断面図である。 図36Eは図35に例示されている眼内移植片を線H−Hに沿って破断した横断面図である。 図37は図36Aから図36Eに例示されている断面図に対応する複数の円柱座標値を例示した図である。 図38は本発明のまた別な具体的な実施例による眼内移植片の等尺図である。 図39は本発明の眼内移植片が被検体の眼の中の適所にあるのを例示した図である。 図40は図39に例示されている眼の一部を示した拡大図である。
本発明の新規な特長は添付の特許請求の範囲に詳細に明示されている。本発明の特長および利点をより良く理解するために、本発明の原理が活用されている具体的な実施例を明示している後段の詳細な説明と添付の図面を参照するのが有用である。
図1から図3は人の眼20の一部を描いた図である。眼20の概念は、2つの眼房を有する液体が充満した球体と定めることができる。眼20の鞏膜22は、硝子体として周知の粘性液が充満した後眼房24を包囲している。眼20の角膜26は、眼房水として周知の液体が充満した前眼房30を囲っている。角膜26は眼20の角膜縁28で鞏膜22と合流する。眼20の水晶体32は前眼房30と後眼房24の間に位置している。水晶体32は毛様小体34によって適所に保持されている。
物体を目視する場合、人は眼の角膜と房水と水晶体を通して物体を視認している。角膜および水晶体は、透明であるためには、血管が皆無である。従って、角膜および水晶体を血液が流れることは全く無いため、これらの組織に栄養分を供給することもこれらの組織から老廃物を除去することもない。その代わり、これら諸機能は眼房水によって行われる。眼房水が眼内を絶えず流動することで、血管が存在していない眼の各部(例えば、角膜や水晶体など)に栄養分を供給している。眼房水がこのように流動することで、これら組織から老廃物をも除去している。
眼房水は毛様体として周知の器官により生産される。毛様体は継続的に眼房水を分泌する上皮細胞を含んでいる。健康な眼では、新たな房水が毛様体の上皮細胞によって分泌されると、房水流が眼から流動する。このような過剰な房水は血流に入り、眼から出てゆく静脈血によって搬出される。前眼房30から房水を排出する構造としては、シュレム管38および多数の静脈40がある。
図1では、シュレム管38が虹彩42を包囲しているのが分かる。眼房水は前眼房30を出てから、小柱網36を通って流動することによりシュレム管38に入る。眼房水は多数の出口40を通って流動することによりシュレム管38を出る。シュレム管38を離れた後、眼房水は静脈41を通って移動し、血流に吸収される。シュレム管は、通例は、断面形状が非円形であり、その直径はシュレム管の長さに沿って変動するとともに、シュレム管の直径を測定する角度によっても変動する。更に、多数の部分嚢または多数の部分小室(図示せず)がシュレム管の長尺部に沿って形成されている。シュレム管の各部の形状および直径と、部分嚢または部分小室の存在と相対位置とが液体流を制限し、または、液体流がシュレム管の1点から別な点へ移動するのを阻止している。このため、シュレム管からの出口40は各々がシュレム管の一部のみから排液するにすぎない。
図2は、図1に例示されている眼20の一部の拡大平面図である。健康な眼20における房水流が図2に矢印で示されている。図2において、小柱網36を通ってシュレム管38に流入する眼房水は多数の横方向の流れ矢印12により示されている。シュレム管の長尺部に沿った房水の流れは多数の軸線方向の流れ矢印10を使って示されている。
図2を参照すると、多数の出口40がシュレム管38と連絡状態にあるのが分かる。図2において、シュレム管38を出て出口40を通って流動する房水流がまた別な横方向の流れ矢印12で示されている。シュレム管38を離れた後で、眼房水は静脈41を通って移動し、血流に吸収される。
図3は具体的な眼内移植片100の中間部を例示している頂面図、図4はその側面図である。眼内移植片100はシュレム管、小柱網、および、前眼房に挿入されて、眼前棒から語薄いが流出するのを促進している。このような流れはシュレム管に沿った軸線方向の流れと、前眼房からシュレム管に流入する流れと、シュレム管と連絡している出口を通ってシュレム管を離れる流れとを含んでいる。眼の中の適所に置かれると、眼内移植片100は小柱網組織およびシュレム管組織を支持するとともに、前眼房からシュレム管への(小柱網を通る)の流体連絡と嚢から嚢または小室から小室へのシュレム管に沿った流体連絡を向上させるよう作用する。
図3および図4の眼内移植片100はその本体部104に外周面106が設けられている。眼内移植片100の本体部104は背骨状区分124によって分離されている複数対の支柱120、122を有している。支柱および背骨状区分は開放流路134を画定しており、開放流路の開放面は移植片本体部の一長軸線方向区分に沿って存在している。複数の開口130が、支柱120と支柱122の間の、流路134の開放面とは反対側の移植片の一長軸線方向区分で形成されている。この実施例において、開口130は流路134の開放面から180度の位置にあるが、また別な実施例においては、開口130は流路134の開放面から140度から150度の範囲に配置されていてもよい。本体部104の直径はシュレム管の組織を支持しながら尚且つシュレム管を引伸ばすことが無いように選択され、0.005インチから0.04インチの範囲であるのが好ましいが、0.005インチから0.02インチの範囲であるのがより好ましい。
これら図面に例示されているように、眼房水は軸線方向に開放流路134を流動し(図4に矢印36で示されているように)、または、横方向の流れ矢印34で表示されているように開放流路134の開口を通って移植片から流出する(例えば、まず最初に開口130を通り抜けてしまうか、または、開口130を通り抜けてから流路134に沿って流動する)。移植片100の本体部104は、移植されると、シュレム管によって形成された円の周囲60度、90度、150度、または、180度に亘って延在しているのが好ましい。支柱、開放領域、および、背骨状領域を移植片100に沿って配置することで、最少量の素材でシュレム管の組織を支持している。図3および図4に描かれた実施例においては、例えば、開放領域は、シュレム管の内側に載置されている移植片の容積部の外郭となっている仮想表面の50%を超える領域に亘って延在している。複数の特長をこのように組合せることで、シュレム管の内側に形成されている嚢から嚢または小室から小室へ眼房水が流動するのを支援し、よって、前眼房からシュレム管の出口を出て静脈形に眼房水が流動するのを支援している。
図5は眼内移植片100が図4の線5−5に沿って破断された横断面図であり、図6は眼内移植片100が図4の線6−6に沿って破断された横断面図である。通常は、前眼房から小柱網を通ってシュレム管の中に至る流路は多数存在する。よって、眼房水は小柱網から1個以上の開口130を通り、または、支柱120、122および背骨状領域124の周囲を通り、もしくは、その両方を通って移植片100の本体部104の流路134に流入することができる。従って、図5においては、背骨状領域124を通り過ぎて流動する眼房水が横方向の流れ矢印34で示されており、図6においては、第1支柱120と第2支柱122の間を流動する眼房水が横方向の流れ矢印34で示されている。
図5および図6はまた、移植片100のまた別な固有の特長を例示している。支柱、開放領域、および、背骨状領域をこのように配置することで、移植片およびシュレム管の事実上どの部位の横断面においても、素材がシュレム管を被覆する割合は50%未満となるのが確実となる。素材によるこのような被覆関係は移植片長尺部の90%に亘って間違いないと言える。
或る実施例においては、上述のシュレム管部分に加えて、眼内移植片には、少なくともその一部が前眼房に配置されるのに適した構造の少なくとも1個の任意の入口部が設けられている。斯かる入口部の構成は、小柱網組織を支持するとともに房水が前眼房からシュレム管内側に置かれた移植片の開放流路に流入することができるようにするのに好適なように設定されている。図7Aから図7Cおよび図8Aから図8Cは具体的な眼内移植片100が前述の実施例と実質的に同じである複数の支柱120、122、開口130、および、背骨状領域124に加えて、任意の入口領域150を有しているのを例示している。図7および図8の実施例においては、眼内移植片100の入口領域150はコイルを備えている。コイル150は複数回巻いた巻回部152を含んでおり、この巻きと巻きの境界は略螺旋状スロット154によって設けられている。コイル150は屈曲して小柱網を通って前眼房の中に突出するようになっているが、装置の残余の部分はシュレム管の内側に載置されている。眼房水は入口領域に流入してから開口端148を通り、更にスロット154を通る。
或る実施例においては、眼内移植片には、装置をシュレム管の中に非外傷搬送するのを容易にするのに有用な任意の鈍端部が設けられている。図7および図8に例示されているように、眼内移植片100の遠位部140には鈍端部142が設けられている。眼内移植片100の或る有用な実施例では、鈍端部142は概ね丸い形状を呈している。図7および図8に示されている実施例においては、鈍端部142は略半球状の形状を呈している。
図7および図8の実施例においては、眼内移植片100の本体部104は、概ね真直ぐな形状を呈しているものとして描画されている。本体部104が概ね湾曲した静止形状を呈している眼内移植片100の実施例も考えられる。
眼内移植片100は患者治療法と連携して使用することもできる。そのような方法の或るものは、眼内移植片100によって画定された管腔に芯材を挿入する工程を含んでいる。芯材は、例えば、ワイヤまたは管から構成されている。眼内移植片の遠位端がシュレム管に挿入される。次いで、眼内移植片が所望位置に達するまで、眼内移植片および芯材をシュレム管の中で前進させることができる。次いで、芯材を眼内移植片から引き出すとよい。
図9および図10は、図7および図8の実施例に類似している眼内移植片100のまた別な実施例を例示している。図9および図10を参照すると、管腔156は鈍端部142の内部に形成されている。この管腔は、患者の眼に移植片を移植している最中に鈍端部を通して造影剤を注入するために使用される。管腔156は移植片の前面に粘弾性媒体を射出して移植片がシュレム管の中へ移動するにつれて組織を分離させるのに利用することができる。
図9および図10の点線160は移植片100を包囲している円筒状封入部材を示している。或る実施例においては、眼内移植片100の開放領域(複数開口130および開放流路134の開放部から構成されている)は円筒表面160の50%を超える領域に亘って延在している。
図11および図12は、本発明によるまた別な具体的な眼内移植片200を例示している。図11および図12の実施例においては、眼内移植片200には外力は作用せず、眼内移植片200は概ね湾曲した静止形状を自由に呈することができ、その形状の時には、図11および図12に描かれているように、移植片の長軸線は円266の弧を描いている。眼内移植片200の或る有用な実施例においては、比較的硬い芯材が眼内移植片200に設置され、搬送中に移植片が概ね真直ぐな形状を呈することができるようにしている。
図11および図12に例示されているように、移植片200は本体部の短いほうの径すなわち内径側の長軸線方向区分に沿って複数の開口230が設けられているとともに、本体部の長いほうの径すなわち外径を形成している長軸線方向区分に放射方向外側に面して開放流路234が設けられている。前述の実施例と同様に、移植片200はその本体部204に複数の支柱236と背骨状領域224が形成されている。図示のように、開放領域(開口230および流路234の開放部を含んでいる)は移植片200を包囲している仮想円筒状部256の表面の50%未満に及んでいる。更に、移植片200の長尺部の90%に亘って素材がシュレム管を覆う割合は断面で50%未満であり、これは前述の実施例と同様である。
図11および図12の眼内移植片200には、円266から内向きに拡張した入口部268が設けられている。眼内移植片200の入口部268には、複数回巻いた巻回部252を含んでいるコイルが設けられており、巻回部の巻きと巻きの境界は略螺旋状スロット254によって設けられている。入口274は入口部268の一方端に形成されている。本体部204がシュレム管の内部に載置されると、入口部268は小柱網を通って前眼房の中に張出す。
図11および図12の眼内移植片200はその鈍端部242が概ね丸い形状を呈している。鈍端部242の概ね丸い形状により、移植片処置中に眼内移植片200をシュレム管の中で前進させるにつれて、本体部204がシュレム管を追従して辿る見込みが高まる。
図11および図12に例示されているように、眼内移植片200は円366の中心角180度の弧に亘って延在している。それ以外の移植片寸法も勿論考えられるが、例えば、移植片は円の周囲で60度、90度、150度などの中心角に対応して延在しているようにしてもよい。図12で分かるように、入口部268は正接線Tから角度Aを成して張出しているのが例示されている。図13の実施例においては、角度Aは約90度である。入口部268の長さはL、眼内移植片300の本体部204は直径がDである。図12の実施例においては、長さLは直径Dよりも長い。前述の実施例と同様に、シュレム管の内側にあってシュレム管を支持するには、この直径は0.005インチから0.04インチの間の範囲であり、0.005インチから0.02インチまでの範囲であるのが好ましい。
図18は、図11および図12の移植片が患者の目の内側の適所にあるのを例示している。本体部(複数の支柱対236、開口230、開放流路234、背骨状領域224、および、鈍端部242から構成されている)はシュレム管284の壁の内側に載置され、壁を支持している。開口230は少なくとも一部が小柱網282に向けて配向されており、また、開放流路234の開放部はシュレム管の長いほうの径すなわち外径部側に配向されて、シュレム管から静脈系(図示せず)へ導通している開口286に対面している。図示のように、移植片の本体部はシュレム管の周囲を約180度に亘って延在している。移植片の入口部250は小柱網282を通って前眼房280の中まで延びており、入口274および螺旋状スロット254が前眼房の内側の眼房水と流体連絡状態になるように図っている。
図13Aから図13Cはまた別な具体的な眼内移植片400を例示している。前段までに示された各実施例と同様に、眼内移植片400はその本体部404に複数の開口430、一本の開放流路434、複数対の支柱420、422、および、複数の背骨状領域424が設けられている。前段までの各実施例と同様に、開放領域(開口430および流路434の開放部を含んでいる)は移植片400の本体部404を包囲している仮想円筒面の50%を超える領域に及んでおり、移植片400の長尺部の90%に亘る領域でシュレム管を素材が被覆する割合は横断面で50%未満である。前段までの各実施例と同様に、鈍端部442も設けられている。
但し、移植片の入口部450は先の各実施例とは異なっている。入口部450は開放流路476として形成されている。移植片の本体部404がシュレム管に配置されるとともに入口部150が小柱網を通って前眼房の中に突出すると、眼房水は開放流路476を通って移植片に流入してから、シュレム管の内側で本体部404に流入する。入口部450の開放特性は移植片に眼房水が流入する速度を減じ、それにより、流れに付随する吸引力が隣接する組織に与える潜在的損傷の可能性を低減している。
図14および図15は図13の実施例に類似している実施例を示しており、斯かる実施例では移植片400は円弧の態様の静止形状を呈している。先の各実施例と同様に、移植片は円のどの程度の部分を包囲していてもよいが、例えば、60度、90度、150度、180度などの中心角を包囲する。例えば、図14および図15の移植片は150度の中心角の弧の態様で延在し、60度の中心角の弧の態様で延在している移植片500を図16に例示し、90度の中心角の弧の態様で延在している移植片600を図17に例示している。
しかしながら、図11および図12に示されている実施例とは異なり、入口部450は移植片の残余の部分と同じ円弧に沿って載置される。入口部450が前眼房に配備され(図19に例示されているように)、移植片の他の部分がシュレム管に載置されると、入口450から開放流路434に眼房水が軸線方向に流入する方向は、入口部が移植片の本体部に対して90度の角度を成す実施例ほど目覚しく変化する訳ではない。
図19は図14および図15の移植片が患者の眼の内側の適所に置かれているのを例示している。本体部(複数対の支柱420、開口430、開放流路434、背骨状領域424、および、鈍端部442を含んでいる)はシュレム管484の壁の内側に載置され、斯かる壁を支持している。開口430は少なくともその一部が小柱網482に向けて配向され、開放流路434の開放部はシュレム管の大きいほうの径すなわち外径部側に配向されて、シュレム管から静脈系(図示せず)へ導通している開口486に対面している。図示のように、移植片の本体部はシュレム管の周囲を約150度包囲して延びている。移植片の入口部450は小柱網482を通って前眼房480の中まで延び、入口部の開放流路476は前眼房の内側で眼房水と流体連絡状態になっている。
図20においては、眼内移植片1100は眼20のシュレム管38に配備されている。眼内移植片1100はその本体部1102に複数の組織支持枠1104および複数の背骨状部1106が設けられている。本体部1102は、第1開口1124を画定している第1端縁1120および第2端縁1122を備えている。第1開口1124はスロットとして形成されており、本体部1102の内面1128によって画定されている細長い流路1126と流体連絡状態にある。図20を参照すると、第1開口1124は本体部1102の外径側1130に配備されているのが分かる。従って、流路1126は第1開口1124により放射方向外向き方向1132に開放している。
眼内移植片1100は人の眼のシュレム管に挿入され、眼房水が前眼房から流出するのを容易にする。このような流れとしては、シュレム管に沿った軸線方向の流れ、前眼房からシュレム管に流入する流れ、および、シュレム管と連絡している出口から流出してシュレム管を離れる流れが挙げられる。眼内移植片1100は、眼内の適所に置かれると、小柱網組織およびシュレム管組織を支持し、前眼房からシュレム管(小柱網を通る)までの間の流体連絡状態とシュレム管沿いの嚢から嚢または小室から小室までの間の流体連絡状態を向上させるよう作用する。図20に例示されているように、移植片の配向は第1開口1124がシュレム管の内側で放射方向外向きに配備されるように設定されるのが好ましい。
図21は図20に示されている眼内移植片1100の一部を例示した拡大斜視図である。眼内移植片1100はその本体部1102が概ね湾曲した長軸線1134に沿って延びている。本体部1102は複数の組織支持枠1104と複数の背骨状部1106から構成されている。図21に例示されているように、これら背骨状部1106および枠1104は反復するABパターンに配置されており、斯かるパターンではAは各々が組織支持枠であり、Bは各々が背骨状部である。図21の実施例においては、背骨状部は個々に支柱1104の互いに隣接し合う対と対の間に延在している。
本体部1102の枠1104は眼内移植片1100の第1枠1136を含んでおり、斯かる第1枠1136は第1背骨状部1140と第2背骨状部1142の間に配備される。図21の実施例においては、第1枠1136は、第1背骨状部1140と第2背骨状部1142の間に延在している第1支柱1144として形成されている。第1枠1136はまた、第1背骨状部1140と第2背骨状部1142の間に延在している第2支柱1146を備えている。図2の具体的な実施例においては、支柱は各々が、第1背骨状部1140から第2背骨状部1142までの間で長軸線方向に進むにつれて周方向に起伏する。
図21の実施例においては、本体部1102には縦通軸半径1150および横断軸半径1148がある。眼内移植片1100の本体部1102には第1開口1124を画定している第1端縁1120および第2端縁1122が設けられている。第1開口1124は、本体部1102の内周面1128によって画定された細長い流路1126と流体連絡状態になっている。第2開口1138は、第1支柱1144の第2端縁1122Aと第2支柱1146の第2端縁1122Bにより画定されている。第1開口1124、第2開口1138、および、これらの他にも眼内移植片1100に画定されている複数の開口により、眼房水が眼内移植片1100を横断して流動し、横に貫流し、または、その両方の態様で流動することができるようにしている。本体部1102の外周面は容積部1152を画定している。
図22は図21に例示されている眼内移植片の本体部によって容積部1152が画定されているのを示したまた別な斜視図である。図22を参照すると、概ね湾曲した長軸線1134に沿って容積部1152が延在しているのが分かる。容積部1152には縦通軸半径1150、横断軸半径1148、および、概ね円形の横断面1153がある。
図23は、第1平面1154および第2平面1155の両方が眼内移植片1100と交差しているのを例示した斜視図である。図23においては、第1平面1154は斜線で描写されている。図23を参照すると、本体部1102の背骨状部1106は概ね互いに一列に整列されており、第1平面1154は図23に例示されている全ての背骨状部1106と交差している。図4の実施例においては、眼内移植片1100の本体部1102は第1平面1154に関して概ね対称的であるのが分かる。
図23の実施例においては、本体部1102は、第1平面1154に沿って屈曲している時にその可撓性が最大限になり、第1平面1154とは異なる平面(例えば、第1平面1154と交差している平面など)に沿って屈曲している時には可撓性が小さくなる。例えば、図23に示された実施例においては、本体部1102は第2平面1155に沿って屈曲している場合には第2可撓性を示すが、この第2可撓性は本体部1102が第1平面1154に沿って屈曲している場合に示す第1可撓性よりも小さい。
換言すると、図23の実施例においては、本体部1102は、第1平面1154に沿って屈曲されると、その曲げ弾性率が最小レベルになる。本体部1102は、第1平面1154に沿って屈曲されると第1曲げ弾性率を示し、第1平面1154とは別の平面(例えば、第1平面1154に交差する平面)に沿って屈曲されると、それより大きい曲げ弾性率を示す。例えば、図23に示された実施例においては、本体部1102は第2平面1155に沿って屈曲されると第2曲げ弾性率を示し、この第2曲げ弾性率は第1平面1154に沿って屈曲された場合に本体部1102が示す第1曲げ弾性率よりも大きい。
図24は、図23に例示されている眼内移植片1100の一部を示した拡大斜視図である。図24の具体的な実施例においては、曲げモーメントMが眼内移植片1100の本体部1102に加えられている。曲げモーメントMは、第1平面1154に概ね直交する第1軸線を中心として作用する。第2軸線1158および第3軸線1160も図24に例示されている。第2軸線1158は第1軸線1156に概ね直交している。第3軸線1160は第1軸線1156に関して非対称である。
本体部1102の内周面1128は流路1126の外郭を画定している。眼内移植片1100の本体部1102には、第1開口1124を画定している第1端縁1120および第2端縁1123が設けられている。眼内移植片1100の流路1126は第1開口1124と流体連絡状態にある。第2開口1138は第1支柱1144の第2端縁1122Aおよび第2支柱1146の第2端縁1122Bによって画定されている。第1開口1124、第2開口1138、および、それらとはまた別な、眼内移植片1100によって画定された開口により、眼房水が眼内移植片1100を横断して流れ、眼内移植片1100を横に貫流し、または、その両方の態様で流れることができる。
図24に例示されているように、眼内移植片1100は第1背骨状部1140および第2背骨状部1142を備えている。第1支柱1144および第2支柱1146は眼内移植片1100の第1枠1136を形成しており、斯かる第1枠1136は第1背骨状部1140と第2背骨状部1142の間で延在している。図24の具体的実施例においては、支柱は各々が第1背骨状部1140と第2背骨状部1142の間で長軸線方向に進むにつれて周方向に起伏する。
図24の実施例においては、本体部1102は、第1軸線1156を中心として作用するモーメントによって屈曲されると、その可撓性が最大レベルになり、第1軸線1156とは異なる軸線(例えば、第2軸線1158や第3軸線1160など)を中心として作用するモーメントによって屈曲されると、その可撓性は小さくなる。換言すると、本体部1102は、第1軸線1156を中心として作用するモーメントによって屈曲されると、その曲げ弾性率は最小レベルになり、第1軸線1156とは異なる軸線(例えば、第2軸線1158や第3軸線1160など)を中心として作用するモーメントによって屈曲されると、その曲げ弾性率は大きくなる。
図25は図24に例示されている眼内移植片1100の平面図である。図25の実施例においては、外力は眼内移植片1100の本体部1102には全く作用しておらず、本体部1102は図25に描かれている概ね湾曲した静止形状を自由に取る。本体部1102には第1開口1124が画定されているが、斯かる第1開口1124は本体部1102の外側1130に配備されている。流路1126は本体部1102の内周面によって画定されており、第1開口1124により放射方向外向きの方向に開放している。入口部1101は一方端に形成されている。
破断線A−Aおよび破断線B−Bが図25で確認できる。破断線A−Aは眼内移植片1100の第1枠1136と交差している。破断線B−Bは眼内移植片1100の第1背骨状部1140と交差している。
図26Aは図25に示された破断線A−Aに沿って破断した眼内移植片1100の横断面図である。破断線A−Aが第1枠1136の第1支柱1144および第2支柱1146と交差している点は、両支柱の周方向の起伏が最大レベルとなっている点である。眼内移植片1100の本体部1102には縦通軸半径1150および横断軸半径1148がある。本体部1102の内周面1128は流路1126を画定している。第1開口1124は流路1126と流体連絡状態にある。
図26Aにおいては、本体部1102における第1開口1124は第1支柱1144の第1端縁1120Aと第2支柱1146の第1端縁1120Bとの間に在るのが分かる。図26Aを参照すると、第2支柱1146の形状は第1支柱1144の形状の鏡像であることが分かる。
図26Bは図25に例示されている破断線B−Bに沿って破断した眼内移植片1100の横断面図である。破断線B−Bは眼内移植片1100の第1背骨状部1140と交差している。本体部1102には縦通軸半径1150と横断軸半径1148がある。図26Bの実施例においては、横断軸半径1148の中心1159と縦通軸半径1150の中心1163が第1支柱1140の両側に位置している。横断軸半径1148の中心1159は第1背骨状部1140の第1の側に位置している。縦通軸半径1150の中心1163は第2背骨状部1142の第2の側に位置している。
図27は図25の破断線B−Bに沿って破断した眼内移植片1100の拡大断面図である。第1背骨状部1140には第1主面1160、第2主面1162、第1副次面1164、および、第2副次面1166が設けられている。図27を参照すると、第1主面1160は凹面1168から構成されているのが分かる。第2主面1162は第1主面1160の反対側にある。図27の実施例においては、第2主面1162は凸面1170から構成されている。
背骨状部の幾何学的形状は、シュレム管の内部に眼内移植片を進入させるのを支援する可撓性特性を眼内移植片に供与している。図27の実施例においては、第1背骨状部1140は第1主面1160から第2主面1162までの厚みT1を有している。図27の実施例においても、第1背骨状部1140は第1副次面1164から第2副次面1166までの幅W1を有している。
或る有用な実施例においては、本件の詳細な説明による眼内移植片の背骨状部の幅W1の厚みT1に対するアスペクト比は約2よりも大きい。或る特定の有用な実施例においては、本件詳細な説明による眼内移植片の背骨状部の幅W1の厚みT1に対するアスペクト比は約4よりも大きい。或る有用な実施例においては、眼内移植片の背骨状部の幅W1の厚みT1に対するアスペクト比は約5.2である。
第1軸線1156、第2軸線1158、および、第3軸線1160は図27に例示されている。第2軸線1158は第1軸線1156に概ね直交している。第3軸線1160は第1軸線1156に対して非対称である。
図27の実施例においては、第1背骨状部1140は、第1軸線1156を中心として作用するモーメントによって屈曲されると、その可撓性が最大レベルになる。第1背骨状部1140は、第1軸線1156を中心として作用するモーメントによって屈曲されると第1可撓性を示し、第1軸線1156とは異なる軸線(例えば、第2軸線1158や第3軸線1160など)を中心として作用するモーメントによって屈曲されると、可撓性は小さくなる。例えば、第1背骨状部1140は、図27に例示されている第2軸線1158を中心として作用するモーメントによって屈曲されると第2可撓性を示す。この第2可撓性は、第1背骨状部1140が第1軸線1156を中心として作用するモーメントによって屈曲された場合に示す第1可撓性よりも小さい。
図27の実施例においては、第1背骨状部1140は、第1軸線1156を中心として作用するモーメントによって屈曲された場合には、その曲げ弾性率が最低レベルになる。第1背骨状部1140は、第1軸線1156を中心として作用するモーメントによって屈曲されると第1曲げ弾性率を示し、第1軸線1156とは異なる軸線(例えば、第2軸線1158や第3軸線1160など)を中心として作用するモーメントによって屈曲された場合は曲げ弾性率がそれよりも大きくなる。例えば、第1背骨状部1140は、図27に例示されている第2軸線1158を中心として作用するモーメントによって屈曲されると第2曲げ弾性率を示す。この第2曲げ弾性率は、第1軸線1156を中心として作用するモーメントによって屈曲された場合に第1背骨状部材1140が示す第1曲げ弾性率よりも大きい。
図28は、図25の破断線A−Aに沿って破断した眼内移植片1100の拡大断面図である。破断線A−Aが第1支柱1144および第2支柱1146と交差する点は、両支柱の周方向起伏が最大レベルになっている点である。
図28に例示されている支柱は各々に、第1主面1160、第2主面1162、第1副次面1164、および、第2副次面1166が設けられている。図28を参照すると、第1主面1160は各々が凹面1168から構成されており、第2主面1162は各々が凸面1170から構成されていることが分かる。
図28の実施例においては、支柱は各々が第1主面1160から第2主面1162までの厚みT2を有している。また、図28の実施例においては、支柱は各々が第1副次面1164から第2副次面1166までの幅W2を有している。或る有用な実施例においては、本件の詳細な説明による眼内移植片の各背骨状部の幅W1は、眼内移植片の各支柱の幅W2よりも広い。
本件の詳細な説明による眼内移植片の各支柱の幅W2の厚みT2に対するアスペクト比は約2よりも大きい。或る特に有用な実施例においては、本件の詳細な説明による眼内移植片の各支柱の幅W2の厚みT2に対するアスペクト比は約4よりも大きい。或る具体的な眼内移植片は各支柱の幅W2の厚みT2に対するアスペクト比が約4.4である。
眼内移植片1100の本体部1102は縦通軸半径1150と横断軸半径1148を有している。或る有用な実施例においては、本件の詳細な説明による眼内移植片は、眼内に進入させると、シュレム管の長軸線方向曲率に一致する形状を呈するのに十分な可撓性がある。また、或る有用な実施例においては、眼内移植片の長さは、シュレム管に設置されると移植片が所定の角度範囲に亘って延在するように選択される。或る応用例に好適であると思われる所定の角度範囲の具体例として、60度、90度、150度、180度などがある。本件の詳細な説明による眼内移植片の直径は選択的に、眼内移植片の寸法がシュレム管の内側に載置されてシュレム管を支持するように設定することができる。或る有用な実施例においては、眼内移植片の直径は約0.005インチから約0.04インチの間の範囲である。或る特に有用な実施例においては、眼内移植片の直径は約0.005インチから約0.02インチの間の範囲である。
本件の詳細な説明による眼内移植片は真直ぐであってもよいし湾曲していてもよいものと認識するべきである。眼内移植片は、湾曲している時に、長尺部全体に亘って実質的に均一な縦通軸半径を取るようにしてもよいし、或いは、眼内移植片の縦通軸半径はその長尺部に沿って変動するようにしてもよい。図25は、眼内移植片の曲率半径が実質的に均一である一実施例を示している。図29は、眼内移植片の縦通軸曲率半径がその長尺部に沿って変動している一実施例を示している。実質的に真直ぐな眼内移植片の一実施例は図30に示されている。
図29は、眼内移植片1200の縦通軸曲率半径がその長尺部に沿って変動しているのを例示した平面図である。図29の実施例においては、眼内移植片1200の静止形状は全体的に湾曲している。このような静止形状が確立するにあたっては、例えば、熱硬化プロセスを利用することができる。図29に例示されている眼内移植片形状は遠位半径RA、入口1201付近の近位半径RC、および、中間半径RBから構成されている。図29の実施例においては、遠位半径RAは中間半径RBと近位半径RCのいずれよりも長い。更にまた、図29の実施例においては、中間半径RBは近位半径RCよりも長く、遠位半径RAよりも短い。
図29の実施例においては、眼内移植片の遠位部は或る中心角AAの円弧の形状を追従している。眼内移植片の近位部は或る中心角ACの円弧の形状を追従している。眼内移植片の中間部は近位部と遠位部の間に配備されている。中間部は或る中心角ABの弧に亘って延在している。或る有用な実施例においては、遠位半径RAは約0.320インチであり、中間半径RBは約0.225インチであり、近位半径RCは約0.205インチであり、中心角AAは約55度であり、中心角ABは約79度であり、中心角ACは約60度である。また別な有用な実施例においては、遠位半径RAは約0.310インチであり、中間半径RBは約0.215インチであり、近位半径RCは約0.105インチであり、中心角AAは約55度であり、中心角ABは約79度であり、中心角ACは約60度である。
眼内移植片1200は、何らかの疾患や障害(例えば、緑内障)について人間患者の眼を治療する方法に関連して使用される。斯かる方法の或るものは、眼内移植片1200によって画定される管腔に芯材を挿入する工程を含んでいる。芯材は、例えば、ワイヤまたは管から構成されているとよい。眼内移植片の遠位端がシュレム管に挿入される。次いで、眼内移植片が所望位置に達するまで、眼内移植片および芯材をシュレム管に進入させるとよい。次いで、芯材を眼内移植片から引き出す。眼内移植片搬送システムのこれ以上の詳細は、2007年11月20日出願の米国特許出願連続番号11/943,289号で見ることができる。
本発明の眼内移植片の可撓性および曲げ弾性率は、シュレム管の内側に移植片を確実に適切に配向するのを助けている。図20は、移植片1100がシュレム管に配備された場合の開口1124の所望の配向を例示している。図示のように、開口1124は放射方向外向きに面している。よって、移植片1100は、図20に例示されているように移植片1100の長軸線によって画定された平面に沿って屈曲されると最大限の可撓性を示し、それ以外の各平面に沿って屈曲されると可撓性が劣るように設計されているせいで、これとは異なる配向で移植片を初期的にシュレム管に設置した場合でも、シュレム管の湾曲形状により移植片を自動的に上記の配向に置くのを助けることができる。
図30は、本件の詳細な説明に従ったまた別な実施例による眼内移植片300を示した斜視図である。図30を参照すると、眼内移植片300は概ね真直ぐな静止形状(すなわち、無応力形状)を呈しているのが分かる。眼内移植片300は概ね真直ぐな長軸線334に沿って延在している。或る有用な実施例においては、眼内移植片300は、眼のシュレム管に進入させた場合に湾曲した形状を呈するのに十分な可撓性を有している。
眼内移植片300は本体部302を備えている。図30を参照すると、本体部302は複数の組織支持枠304と複数の背骨状部306から構成されているのが分かる。図30で分かるように、複数の背骨状部306および複数の枠304は交互パターンに配置され、このパターンでは枠304の互いに隣接し合う対と対の間に背骨状部が各一本延在している。眼内移植片300の本体部302の複数の枠304のうち、第1枠336は第1背骨状部340と第2背骨状部342の間に位置している。図30の実施例においては、第1枠336の第1支柱344は第1背骨状部340と第2背骨状部342の間に延在している。第1枠の第2支柱も第1背骨状部340と第2背骨状部342の間に延在している。支柱は各々が、第1背骨状部340から第2背骨状部342まで長軸線方向に進むにつれて周方向に起伏する。
本体部302の内周面328は流路326を画定している。眼内移植片300の本体部302には、第1開口324を画定している第1端縁320および第2端縁322が設けられている。眼内移植片300の流路326は第1開口324と流体連絡状態にある。第1枠336の第1支柱344には第1端縁325Aが設けられている。第2支柱346には第1端縁325Bが設けられている。図30では、本体部302に設けられている第1開口324は第1支柱344の第1端縁325Aと第2支柱346の第1端縁325Bの間に延在しているのが分かる。
第1軸線356、第2軸線358、および、第3軸線360が図30に例示されている。第2軸線358は第1軸線356に概ね直交している。第3軸線は第1軸線356に対して概ね非対称である。本体部302は、第1軸線356を中心として作用するモーメントによって屈曲されると、その可撓性が最大レベルとなり、本体部302は、第1軸線356とは異なる軸線(例えば、第2軸線358や第3軸線360など)を中心として作用するモーメントにより屈曲されると可撓性が小さくなる。換言すると、図30の実施例においては、本体部302は、第1軸線356を中心として作用するモーメントにより屈曲されると、その曲げ弾性率が最小レベルとなり、本体部302は、第1軸線356とは異なる軸線(例えば、第2軸線358や第3軸線360など)を中心として作用するモーメントによって屈曲されると曲げ弾性率は大きくなる。
図31は、本発明の具体的な実施例による眼内移植片を形成するのに本体部2100が採用されているのを例示した等尺図である。本体部2100は第1背骨状部2102、第2背骨状部2104、および、第1背骨状部2102と第2背骨状部2104の間に配置されている第1枠2106から構成されている。図31の実施例においては、第1枠2106は第1支柱2120および第2支柱2122から構成されている。図31を参照すると、支柱は各々が第1背骨状部2102と第2背骨状部2104の間に延在しているのが分かる。
第1枠2106の第1支柱2120は第1端縁2124Aおよび第2端縁2126Aから構成されている。図31を参照すると、第2支柱2122の形状は第1支柱2120の形状の鏡像であるのが分かる。第2支柱2122は第1端縁2124Bおよび第2端縁2126Bから構成されている。第2支柱2122の第2端縁2126Bおよび第1支柱2120の第2端縁2126Aは第2開口2130を画定している。第2開口2130は第1枠2106を概ね第1支柱2120および第2支柱2122に分割している。
図31を参照すると、本体部2100は複数の背骨状部および複数の枠から構成されているのが分かる。図31の実施例においては、複数の背骨状部および複数の枠はABABパターンに配置されている。背骨状部は各々が第1横断寸法2132を呈しており、枠は各々が第2横断寸法2134を呈しており、第2横断寸法2134は第1横断寸法2132よりも大きい。
図32は図31に例示されている本体部2100の等尺図である。図32の実施例においては、本体部2100は、略円筒状の容積部の外郭を画定している外周面2138が設けられている眼内移植片2136を形成するような形状に設定されている。本体部2100の内周面2140は細長い流路2142を画定している。眼内移植片2136は人の眼のシュレム管に挿入されて、前眼房から眼房水が流出するのを促進することができる。このような流れとしては、シュレム管に沿った軸線方向の流れ、前眼房からシュレム管に流入する流れ、シュレム管と連絡状態にある出口を通ってシュレム管を離れる流れがある。眼内移植片2136は、眼内の適所に置かれると、小柱網組織およびシュレム管組織を支持し、前眼房からシュレム管への流体連絡(小柱網を通る)と嚢から嚢へまたは小室から小室へのシュレム管に沿った流体連絡を向上させるよう作用する。
眼内移植片2136の細長い流路2142は第1開口2128と流体連絡していると同時に入口部2101とも流体連絡している。多様な製造技術を利用して眼内移植片2136を製造することができる。例えば、眼内移植片2136の製造は、概ね平坦な素材シートを準備して素材シートをレーザー切断して図31に例示された本体部2100を形成することにより実施される。次いで、本体部2100は図32に例示されているような略管状の形状に作成される。いずれの互いに隣接し合う端縁(例えば、端縁2103)は任意で溶接されてもよい。もう1つ別の実施例として、眼内移植片2136の製造は、管材を準備して該管に複数の開口をレーザー切断することで図32に例示されている形状を作成することによって実施されてもよい。
図32に例示されているように、眼内移植片2136は第1背骨状部2102および第2背骨状部2104から構成されている。眼内移植片2136の第1枠2106は第1背骨状部2102と第2背骨状部2104の間に配置されている。図32の実施例においては、第1枠2106には、第1背骨状部2102と第2背骨状部2104の間に延在している第1支柱2120が設けられている。第1枠2106はまた、第2支柱2122を含んでいる。第2支柱2122はまた、第1背骨状部2102と第2背骨状部2104の間に延在している。
第1枠2106の第1支柱2120は第1端縁2124Aおよび第2端縁2126Aから構成されている。第2支柱2122の形状は第1支柱2120の形状の鏡像である。図32においては、眼内移植片2136の第1開口2128は、第1支柱2120の第1端縁2124Aと第2支柱2122の第1端縁2124Bの間に延在しているのが分かる。第2支柱2122の第2端縁2126Bおよび第1支柱2120の第2端縁2126Aは第2開口2130を画定している。眼内移植片2136に画定されている第2開口2130およびそれ以外の各開口(例えば、第1開口2128など)により、眼房水が眼内移植片2136を横断して流れ、眼内移植片2136を横に貫流し、または、その両方の態様で流れることができるようにしている。
図33Aは図32に例示されている眼内移植片2136の一部を示した平面図である。眼内移植片2136の本体部2100は第1背骨状部2102、第2背骨状部2104、および、第1背骨状部2102と第2背骨状部2104の間に配置されている第1枠2106から構成されている。図33Aの実施例においては、第1枠2106は第1支柱2120および第2支柱2122から構成されている。図示のように、支柱は各々が周方向に起伏していると同時に、第1背骨状部2102と第2背骨状部2104の間で軸線方向Zに延在している。
図33Bは破断線B−Bに沿って破断された眼内移植片2136の横断面図である。破断線B−Bが第1支柱2120および第2支柱2122と交差する点は、両支柱の周方向の起伏が最大レベルにある点である。第1支柱2120および第2支柱2122は第1枠2106を形成している。第1枠2106は図33Bの実施例においては第1周方向寸法2144を呈している。
図33Cは、破断線C−Cに沿って破断した眼内移植片2136の横断面図である。破断面C−Cが第1背骨状部2102と交差している点は、第1背骨状部2102の幅が最小レベルにある点である。この点において、第1背骨状部2102は第2周方向寸法2146を呈している。第1背骨状部2102の第2周方向寸法2146は図33Cにおいては寸法線を使って例示されている。図33Cおよび図33Bを参照すると、第1枠2106の第1周方向寸法は第1背骨状部2102の第2周方向寸法2146よりも大きいことが分かる。
図34は図33に例示されている眼内移植片2136の一部をしめした等尺図である。図34を参照すると、第1背骨状部2102の外周面、第2背骨状部2104の外周面、第1支柱2120の外周面、および、第2支柱2122の外周面は略円筒状の容積部Vの一部を画定しているのが分かる。眼内移植片2136の形状は、図34に例示されている円柱座標を利用して説明することができる。円柱座標は半径r、角度θ、および、軸線方向寸法Zを含んでいる。円柱座標を概念化すると、長軸線方向寸法Zまたは軸線方向寸法Zを含むような2次元極座標の寸法と定められる。典型的な極座標系の2次元は半径rと角度θである。図34の実施例においては、寸法Zは円筒状容積部Vの長軸線2148に沿って延びている。
図34に例示されているように、第1支柱2120は第1背骨状部2102と第2背骨状部2104の間で軸線方向Zに延びている。第2支柱2122はまた、第1背骨状部2102と第2背骨状部2104の間で延在している。図34の実施例においては、各支柱の外周面の半径rは実質的に一定に保たれている。第1支柱2120において第1背骨状部2102と第2背骨状部2104の間で軸線方向Zに進むにつれて、第1支柱の第1端縁2124Aの角度寸法θは変動する。同様に、第2支柱2122が第1背骨状部2102と第2背骨状部2104の間で軸線方向Zに進むにつれて、第2支柱の第2端縁2126Aの角度寸法θは変動する。
図35は図34に例示された眼内移植片2136の一部を示す拡大平面図である。図35においては、多数の破断線が眼内移植片2136の第1支柱2120および第2支柱2122と交差しているのが例示されている。図35の実施例においては、支柱は各々が周方向に起伏していると同時に、第1背骨状部2102と第2背骨状部2104の間で軸線方向Zに延在している。第1支柱2120の周方向の起伏は、円柱座標の標識が付与された横断面図を利用して図36に例示されている。
図36Aから図36Eは、図35に例示された眼内移植片2136の横断面図である。これら断面図は図35に例示された破断線と対応している。断面図を参照すると、第1支柱2120が第1背骨状部と第2背骨状部の間で軸線方向Zに進むにつれて、第1支柱2120の第1端縁2124Aに関与している角度寸法θは起伏していることが分かる。図36の実施例においては、第1支柱2120の第1背骨状部から第2背骨状部まで軸線方向Zに向かうどの部位でも、第1支柱2120の外周面の半径rは実質的に一定である。
図37は図36に例示されている各断面図と対応している複数の円柱座標値を例示している。図37に例示されている数値を参照すると、第1支柱2120が第1背骨状部から第2背骨状部まで軸線方向Zに進むにつれて、第1端縁2124の角度寸法θの数値はまず増大してから減少することが分かる。第1支柱2120の第1背骨状部から第2背骨状部までの軸線方向Zのどの部位であれ、数値rは一定である。
図38は図37のまた別な具体的実施例による眼内移植片2236の等尺図である。図38に例示されているように、眼内移植片2236は第1背骨状部2202および第2背骨状部2204から構成されている。眼内移植片2236の第1枠2206は第1背骨状部2202と第2背骨状部2204の間に配備される。図38の実施例においては、第1枠2206は、第1背骨状部2202と第2背骨状部2204の間に延在している第1支柱2220を含んでいる。第1枠2206はまた第2支柱2222を含んでいる。図38を参照すると、第2支柱2222は第1背骨状部2202と第2背骨状部2204の間に延在しているのが分かる。
図38の眼内移植片2236は、第1開口2228の中まで開通している流路2242を画定している。図38においては、眼内移植片2236の第1開口2228は第1支柱2220と第2支柱2222の間で延在しているのが分かる。第1支柱2220および第2支柱2222はまた、第2開口2230を画定している。図38に例示されている第1開口2228、第2開口2230、および、更に別な複数開口により、眼房水は眼内移植片2236を横断して流れ、眼内移植片2236を横に貫流し、または、その両方の態様で流れることができる。
図38の実施例においては、入口部2250は眼内移植片2236の近位端の付近に形成されている。眼内移植片の一部がシュレム管に載置されている時には、入口部2250は小柱網を通って前眼房の中まで張出している。
図38の実施例においては、鈍先端部2252は眼内移植片2236の遠位端に配置される。眼内移植片2236の或る有用な実施例においては、鈍先端部2252は概ね丸い形状を呈している。図38に例示されている実施例においては、鈍先端部2252は略半球形状を呈している。鈍先端部2252の概ね丸い形状は、移植処置中に眼内移植片2236をシュレム管に進入させるにつれて、本体部2200がシュレム管を追従して辿る見込みを増大させることができる。
図38においては、眼内移植片2236は概ね真直ぐな形状を呈しているのが描かれている。移植片2236が上述のように概ね湾曲した静止形状を呈している実施例が考えられる。眼内移植片2236の製造は、例えば、管材をレーザー切断して図38に例示されている形状を作成することにより実施される。この事例の場合、レーザー切断プロセス中に真直ぐな管状母材を回転させるのが望ましいことがある。レーザー切断プロセスの後で、眼内移植片を熱硬化させることにより、眼内移植片は偏倚されて選択した形状(例えば、概ね湾曲した形状)を呈するようになる。
図39および図40は、本発明による眼内移植片2236が人の眼の内側の適所に置かれているのを例示している。図39の眼は角膜で覆われた前眼房30を含んでいる。シュレム管38が眼の虹彩を包囲しているのが分かる。眼内移植片2236はシュレム管38に挿入されて、前眼房から房水が流出するのを促進する。このような流れとしては、シュレム管に沿った軸線方向の流れ、前眼房からシュレム管に流入する流れ、および、シュレム管と導通している出口から出てシュレム管を離れる流れがある。眼内移植片2236は眼内の適所に置かれると、小柱網組織36およびシュレム管組織を支持し、前眼房24からシュレム管20までの流体連絡(小柱網36を通る)と嚢から嚢または小室から小室へのシュレム管沿いの流体連絡を向上させるよう作用する。
図40を参照すると、眼内移植片2236はシュレム管38を通り中心角度Gに亘って延在しているのが分かる。多様な移植片寸法が考えられるが、シュレム管に設置される際に異なる移植片寸法が異なる中心角度Gの範囲に及ぶようにしてもよい。或る応用例に好適な角度範囲の具体例として、60度、90度、150度、180度などがある。
図40においては、眼内移植片2236の入口部2250は小柱網36を通って延びているのが例示されている。眼房水は、眼内移植片2236の入口部2250を通って流動することにより、前眼房30を出てからシュレム管38に入る。眼房水はまた、眼の小柱網を通って流れることにより、前眼房30を出てからシュレム管38に入りもする。図40を参照しながら、眼内移植片2236の複数の背骨状部は小柱網36を支持しているのが分かる。
上述のように、多数の出口を通って流れることにより、眼房水はシュレム管を出る。シュレム管を出た後、眼房水は網目状通路と静脈を通って移動し、血流に吸入される。通例、シュレム管の断面形状は非円形であるが、その直径はシュレム管の長さに沿って変動するとともに、直径測定時の角度によっても変動する。更に、シュレム管の長尺部に沿って多数の区分け嚢または多数の区分け小室(図示されていない)が形成されるようにしてもよい。シュレム管の各部の形状および直径と、区分け嚢または区分け小室の存在および相対位置は制限されており、すなわち、シュレム管の1点から別な点への液流を阻止している。このため、シュレム管からの出口は各々がシュレム管の一部のみからの排液を行える。この状態は、シュレム管に眼内移植片2236を設置することにより改善される。図40に例示されている眼内移植片2236は複数の支柱、背骨状部、および、開口から構成されている。眼内移植片2236は眼内の適所に置かれると、小柱網組織とシュレム管を支持し、前眼房からシュレム管への流体連絡と嚢から嚢または小室から小室へのシュレム管に沿った流体連絡とを向上させるよう作用する。
図40においては、眼内移植片2236の第1開口2228はシュレム管38において放射方向外向きに面しているのが例示されている。シュレム管38から放射方向に離れるとともにシュレム管38と流体連絡している複数の出口を通って流動することにより、眼房水はシュレム管38を出る。これら出口を通って流れた後で、余剰の眼房水は静脈血流に入ってから、静脈血流により眼の外に搬出される。シュレム管の内側に置いてシュレム管を支持する用途に付すのに、眼内移植片2236の直径は0.005インチから0.04インチの範囲にあり、0.005インチから0.02インチの範囲にあるのが好ましい。
多様な製造技術を利用して眼内移植片の製造を行うことができる。例えば、眼内移植片を製造するにあたり、概ね平坦な素材シートを準備し、素材シートを切断し、素材を所望の形状に成形する手段が取られる。もう1つ別な具体例として、管材を準備してから管材に複数の開口をレーザー切除して設け、眼内移植片を形成することによっても、眼内移植片を製造することができる。
本発明の眼内移植片は、必要な構造および機械的な各種属性を加工処理して、多様な生体適合性材料から製造することができる。金属素材と非金属素材の両方が好適である。金属素材の具体例には、ステンレス鋼、タンタル、金、チタン、ニチノールとして当該技術で周知のニッケル・チタン合金などがある。ニチノールはメムリー・テクノロジーズ(Memry Technologies)(米国コネチカット州ブルックフィールド)、タイナイ・アロイ・カンパニー(TiNi Alloy Company)(米国カリフォルニア州サンリアンドロ)、および、シェイプ・メモリー・アプリケーションズ(Shape Memory Applications)(米国カリフォルニア州サニーヴェイル)から購入できる。眼内移植片は、例えば、管材に複数の開口をレーザー切断して所望の開放領域を形成することにより作成される。作成される所望の曲げ形状は、例えば、熱硬化処理により形成することができる。
眼内移植片は1種類以上の治療剤を含んでいるようにしてもよい。1種類以上の治療剤は、例えば、重合体被膜に混入されて、眼内移植片の支柱および背骨状部の外周面に堆積される。治療薬は、例えば、緑内障治療薬を含んでいるようにしてもよい。緑内障治療薬の具体例としては、プロスタグラジンアナログがある。プロスタグラジンアナログの具体例としては、ラタノプロストが挙げられる。
本発明の具体的な実施例を例示し、説明してきたが、多様な変形を施すことができ、よって、添付の特許請求の範囲には、本発明の真髄および範囲に入る上記のような変更および変形は全て網羅されているものと解釈するべきである。

Claims (16)

  1. 少なくとも一部が眼のシュレム管の或る部位に載置されるのに好適な構成の眼内移植片であって、前記移植片は、
    湾曲した容積部の態様で延びており、前記容積部の長軸線が円弧の形状である本体部と、
    前記本体部に形成された複数の開放領域と、複数の背骨状部と、複数の支柱領域とを備えており、前記開放領域は前記湾曲した容積部を規定している表面の50%を超える領域に亘って広がっており、前記開放領域は、前記本体部に形成された開放流路と、該開放流路の反対側に形成された複数の開口を有し、前記支柱領域は前記開口を包囲し、前記背骨状部は前記開口の間にあり、
    前記本体部は直径が0.005インチから0.04インチの間であることを特徴とする、眼内移植片。
  2. 前記開放流路は、前記湾曲した容積部の最大半径部位に沿って形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の移植片。
  3. 前記移植片は形状記憶素材から前記湾曲した容積部に概ね等しい形状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の移植片。
  4. 前記長軸線に直交している横断面で素材が空乏ではない率は50%未満であり、この条件は前記移植片の90%を超える領域で満たされていることを特徴とする、請求項1に記載の移植片。
  5. 前記移植片は、中心角度60度から180度の円弧に亘って延びていることを特徴とする、請求項1に記載の移植片。
  6. 前記本体部の一方端に位置して本体部と流体連絡状態にあるとともに、前記円弧を基点に内向きに延びている入口部を更に備えている、請求項1に記載の移植片。
  7. 前記入口部は、入口部と本体部とを接続する点から引かれている正接線から90度の角度で延びていることを特徴とする、請求項に記載の移植片。
  8. 前記入口部の長さは前記本体部の直径よりも大きいことを特徴とする、請求項に記載の移植片。
  9. 前記入口部はコイルとして形成されていることを特徴とする、請求項に記載の移植片。
  10. 前記本体部の一方端に位置している入口部を更に備えており、前記入口部は前記本体部と流体連絡状態である少なくとも1個の長軸線方向区分が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の移植片。
  11. 前記移植片はその一方端に鈍先端部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の移植片。
  12. 前記鈍先端部の中を通る管腔が形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の移植片。
  13. 治療剤が前記本体部上に被膜堆積されていることを特徴とする、請求項1に記載の移植片。
  14. 前記治療剤の具体例として緑内障治療薬が挙げられる、請求項13に記載の移植片。
  15. 前記緑内障治療薬の具体例としてプロスタグラジンアナログが挙げられることを特徴とする、請求項14に記載の移植片。
  16. 前記プロスタグラジンアナログの具体例としてラタノプロストが挙げられることを特徴とする、請求項15に記載の移植片。
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