JP5405626B2 - 受信装置および無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ASK(Amplitude Shift Keying)変調の一種であるOOK(On/Off Keying)変調方式による無線通信の受信装置、特に、消費電力を効果的に低減して適正に復調を行うことのできる受信装置およびその受信装置を備える無線通信装置に関するものである。
無線通信機能を持った無線センサノードを多数配置し、これらの無線センサノードの間でネットワークを構成することにより情報を収集する無線ネットワークを、無線センサネットワークと呼ぶ。超多数個の無線センサノードが屋内や屋外に分散して配置されることにより、環境モニタリング、自動検針、構造物モニタリング、ホームセキュリティなどにおいて、安心、安全かつ快適な人間生活に貢献することが期待されている。
無線センサネットワークは、超多数個の無線センサノードで構成されるため、無線センサネットワークの本体コストやランニングコストの低減を図ることが要求される。この要求を満たすには、無線センサノードそのものが低コストであることや、電池交換などのメンテナンスが低頻度であることが必要となる。メンテナンスの低頻度化を図るには、無線センサノード自体の消費電力を低減することが必須となる。
この様な無線センサネットーワーク向けの、デジタル変調方式の一つとして、OOK変調方式がある。図21は、OOK変調方式によるデータの伝送方法を示す図である。
図21で示す様に、OOK変調方式は、電波の有無で、“0”,“1”によって表される1ビットのデータを伝送する、最も基本的なデジタル無線変調方式である。OOK変調方式は、このような特徴により、デジタル変調方式の中では、周波数帯域幅当たりで伝送可能なデータ量が最も少ないという短所を持つが、雑音やフェージング等に対する耐性が最も高いという長所を持つ変調方式である。また、OOK変調方式は、電波の有無だけで通信を行うことから、振幅や位相の絶対値の検出を必要としないので、送受信システムが簡素になり、低消費電力化に適しているという利点を有する。
無線センサノードにおける電力は、大部分が無線デバイスを駆動させるために消費されている。したがって、無線デバイスの消費電力を低減することは重要な課題である。
例えば、特許文献1には、消費電力を削減する手法が開示されている。図22は、特許文献1に開示された無線受信機のフロントエンド回路の構成を示すブロック図である。
図22に示す様に、このフロントエンド回路において、受信(RF)信号が、低雑音増幅回路(LNA : Low Noise Amplifier)101にて増幅され、ミキサ回路102にて中間周波数(IF)信号に変換される。この中間周波数信号は、低域通過フィルタ(LPF)103で低周波数成分のみが通過し、さらに、サンプリング回路104にてサンプリングされて、後段の信号処理回路105に出力される。
上記のフロントエンド回路では、上記の各回路101〜105と電源106との接続が、各電源スイッチ107によってON・OFFされる。また、サンプリング回路104のサンプリング周波数は、無線システムにおける全てのチャネル帯域を合わせた無線システム帯域の2倍以上である。また、スイッチ制御回路108は、上記のサンプリング周波数に同期して各電源スイッチ107をONし、それぞれに対応する回路101〜105を間欠動作させる。さらに、サンプリング回路104のサンプリングタイミングは、低雑音増幅回路101およびミキサ回路102の立ち上がり遅延時間に応じて決定される。
上記の様に構成されるフロントエンド回路によれば、ミキサ回路102から出力される中間周波数信号をサンプリング回路103でサンプリングすることにより、低雑音増幅回路101およびミキサ回路102の消費電力を低減することができる。また、サンプリング周波数の低減によって、サンプリング回路104および後段の信号処理回路105の消費電力を低減することもできる。
また、特許文献2には、間欠動作させることで信号増幅と1/fノイズの抑止とを同時に可能とし、かつ間欠動作によるスプリアス信号の発生を大幅に低減することができる間欠ミキサ回路が開示されている。この間欠ミキサ回路でも、間欠動作することにより、低消費電力化を実現することができる。
また、非特許文献1,2には、キャリア周波数の4倍の周波数でサンプリングを行うサンプリング・ミキサを導入することで、高周波信号を増幅するLNAを省略することが開示されている。図23は、非特許文献1に開示されているダイレクトコンバージョン受信機の構成を示す回路図である。図24は、当該ダイレクトコンバージョン受信機におけるサンプリング動作を示す図である。
図23に示す様に、この受信機では、シングルエンド信号が、バランBLNによって差動信号に変換され、クロックドライバCDRVにて、直交するI+信号、I−信号、Q+信号およびQ−信号が生成される。クロックドライバCDRVでは、差動信号が、スイッチSWとキャパシタCとによって構成されるサンプリング・ミキサでサンプリングおよびミキシングされた後、負帰還アンプNFAで増幅されて出力される。また、スイッチSWをON・OFFするための制御信号は、タイミング生成回路GENによって、キャリア周波数と同じ周波数のローカル信号LO+,LO−から、位相間隔がキャリアの90°位相差に対応する4相クロックとして得られる。この4相クロックに基づいて、スイッチSWおよびキャパシタCにより、各位相でサンプリングが行われる。
このサンプリングは、回路全体としては、図24に示す様に、信号のサンプリング周波数がキャリア周波数の4倍となることから、4倍オーバーサンプリングに相当する。この様に、図23の受信機では、オーバーサンプリングの効果とクロックの矩形波の効果とを利用することで、サンプリング・ミキサのNF(Noise Figure:雑音指数)の低減を実現している。これにより、初段に高周波信号を増幅する低雑音増幅回路であるLNAが不要になるので、消費電力を低減することができる。これは、非特許文献2に開示されたサンプリング・ミキサにおいても同様である。
特開2009−232198号公報(2009年10月8日公開) 特開2010−220034号公報(2010年9月30日公開) M.Soer et al., "A 0.2-to-2.0GHz 65nm CMOS Receiver Without LNA Achieving >11dBm IIP3 and <6.5 dB NF, Digest of Technical Papers IEEE International Solid-State Circuits Conference (2009)pp.222-223 M. Soer et al., "Unified Frequency-Domain Analysis of Switched-Series-RC Passive Mixers and Samplers", IEEE Transaction on Circuits And Systems-I:57(2010)pp.2618-2631
図25(a)および(b)は、図22に示すフロントエンド回路におけるサンプリング動作を示す図である。
図22に示すフロントエンド回路では、RF信号がミキサ回路102にてIF信号に変換された後に、サンプリング回路104によって帯域幅の2倍以上程度の周波数でサンプリングされる。この様に、サンプリング点以外では情報を抽出していないので、LNA101やミキサ回路102を間欠動作させることで、消費電力の低減を図っている。
このサンプリングは、キャリア周波数よりも低い周波数によるアンダーサンプリングに相当する。このため、図25(a)に示すサンプリングの場合には、IF信号における振幅の頂点のタイミングでサンプリングが行われるので、“1”または“0”の有意な値が出力される。これに対し、図25(b)に示すサンプリングの場合には、IF信号における振幅の中点のタイミングでサンプリングが行われるので、有意な値が出力されないという問題がある。
非特許文献1,2に開示されたサンプリング・ミキサでは、図24に示す様にキャリア周波数の4倍の周波数でオーバーサンプリングすることで、このようなサンプリング位相に依存する問題を克服している。つまり、キャリアの1周期当たりに4点でサンプリングすることにより、図25(b)に示す様な問題は生じない。しかも、雑音の折り返し効果を抑制することでNFが改善された結果としてLNAが省かれるので、消費電力の低減を図ることが可能となる。
しかし、上記の様なサンプリング・ミキサでは、キャリア周波数の4倍の周波数でサンプリングするので消費電力が大きいという課題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、サンプリング・ミキサのサンプリングにおいて有意な値を適正に出力しながら、受信装置の消費電力を低減することにある。
本発明の受信装置は、デジタル信号で変調されたキャリアを入力信号とする受信装置において、前記入力信号をサンプリングするサンプリング手段と、前記サンプリング手段でサンプリングされた入力信号を電圧として保持する保持手段と、前記保持手段に保持された電圧を増幅するアンプと、前記アンプの出力電圧と参照電圧と比較するコンパレータとを備え、前記サンプリング手段が、受信可能な最低信号強度である最低受信感度で受信したときの前記入力信号の実効値をAc、温度および帯域幅で決まる熱雑音の二乗平均平方根の振幅をAnとすると、An/Ac<sinθの関係を満たす位相差θを確保するサンプリング点の対を少なくとも1つ有する2点以上で、1シンボルに1回以上、間欠的にサンプリングすることを特徴としている。
上記の構成では、サンプリング手段が上記の様にサンプリングするので、従来の様に、キャリア周波数の4倍のタイミングによるサンプリングと比べて、サンプリング周波数を低下させることができる。これにより、消費電力を大幅に削減することができる。
また、サンプリングの位相差θが上記の様に確保される。式(1)を満たさない場合には、複数のサンプリング点の取り得る全てについて、サンプリング点の対で得られる電圧間のレベル差は、雑音に埋もれてしまう範囲にあることになる。したがって、雑音と有意な信号とを判別できなくなる。逆に、複数のサンプリング点において、式(1)を満たす位相差のサンプリング点の対が存在する場合には、雑音に埋もれない、雑音よりも大きな電圧を観測するレベル差を得ることができるサンプリング点の対が存在することになる。したがって、有意な値を適正に復調することができなくなるという不都合を回避することができる。
前記復調装置において、前記サンプリング手段は、1シンボルに1回の頻度で前記入力信号をサンプリングすることが好ましい。
上記の構成では、サンプリングが1シンボル当たりに1回行われるので、消費電力を最小にすることができる。
前記受信装置において、前記保持手段に保持された電圧に所定の帯域外の周波数成分を減衰させるフィルタ処理を施して前記アンプに出力するフィルタを備えていることが好ましい。
上記の構成では、フィルタが所定の帯域以外の周波数成分を減衰させる。これにより、サンプリングの折り返し効果により所望信号に付加される雑音電力を低減することができる。したがって、消費電力を大幅に増加させることなく、最低受信感度を改善することが可能となる。
前記受信装置において、前記フィルタは、保持手段に保持された電圧に所定の係数を乗じて加算する加算器であることが好ましい。
上記の構成では、フィルタが所定の帯域以外の周波数成分を減衰させる。これにより、サンプリングの折り返し効果により所望信号に付加される雑音電力を低減することができる。したがって、消費電力を大幅に増加させることなく、最低受信感度を改善することが可能となる。
前記受信装置において、前記サンプリング手段は、前記サンプリング点の数以下の数設けられ、互いに並列に設けられていることが好ましい。
上記の構成では、複数のサンプリング手段が並列に設けられる。これにより、各サンプリング手段をスイッチで構成する場合、当該スイッチのON・OFFを制御するクロックの周波数を低減することが可能となる。また、8点でサンプリングする場合、4個のサンプリング手段を並列に配置して、各サンプリング手段が1シンボルに2回サンプリングするようにすれば、クロックの周波数をより一層低減することができる。したがって、受信装置の消費電力を低減することができる。
前記受信装置は、基準となる単一のクロックを遅延させることにより複数の位相の異なるクロックを生成し、かつ、これらクロックをサンプリングタイミングを規定するためのクロックとして前記サンプリング手段に供給する機能を持つクロック生成手段を備えていることが好ましい。
上記の構成では、クロック生成手段によってクロックを生成することで、1つの基準となる単一のクロック(低周波数クロック)のみを入力することで、複数の位相でサンプリングを行うためのクロックを得ることが可能となる。したがって、受信装置の消費電力を低減することができる。
前記受信装置において、前記入力信号が差動信号であり、前記サンプリング手段および前記保持手段が各差動信号について設けられていることが好ましい。
上記の構成では、入力信号を差動信号にすることで、前述の各受信装置によって得られる効果を維持しながら、コモンモード雑音に対する耐性を改善することができる。
前記受信装置において、前記サンプリング手段がスイッチであり、前記保持手段がキャパシタであることが好ましい。
上記の構成では、簡素な回路によって、サンプリング手段および保持手段を構成することができる。
本発明の無線通信装置は、前記のいずれかの受信装置と、送信装置とを備えていることを特徴としている。
上記の構成では、受信電力を大幅に低減し、かつ復調誤りのない無線通信装置を提供することができる。
本発明に係る復調装置は、上記の様に構成されることにより、有意な値を適正に出力しながら、受信装置の消費電力を低減することができる。したがって、受信電力が低減された信頼性の高い受信装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る受信装置の構成を示す回路図である。 上記受信装置におけるサンプリング・ミキサの構成を示す回路図である。 (a)および(b)は上記サンプリング・ミキサによる信号のサンプリングのタイミングを示す図である。 (a)〜(c)は上記サンプリング・ミキサにおけるスイッチを構成するMOSトランジスタを示す図であり、(d)は当該MOSトランジスタの動作特性を示す図である。 上記受信装置における絶対値コンパレータの構成を示す回路図である。 上記絶対値コンパレータの詳細な構成を示す回路図である。 (a)は上記受信装置におけるクロック生成回路に設けられる遅延回路の構成を示す回路図であり、(b)は当該遅延回路の動作を示すタイミングチャートである。 (a)は上記受信装置におけるクロック生成回路に設けられる他の遅延回路の構成を示す回路であり、(b)は当該遅延回路の動作を示すタイミングチャートである。 上記受信装置の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態2に係る受信装置の構成を示す回路図である。 図10に示す受信装置におけるサンプリング・ミキサによる信号のサンプリングのタイミングを示す図である。 (a)および(b)は図10に示す受信装置におけるサンプリング・ミキサによる信号のサンプリングのタイミングの詳細を示す図である。 (a)および(b)は本発明の実施形態3に係るサンプリング・ミキサの構成を示す回路図である。 実施形態3に係るサンプリング・ミキサの他の構成を示す回路図である。 (a)はサンプリング・クロックの位相差が正確な場合のサンプリングを示す図であり、(b)はサンプリング・クロックの位相差が正確でない場合のサンプリングを示す図であり、(c)はサンプリング・クロックの間隔を変化させたときのサンプリング値の差を示す図である。 本発明の実施形態4に係る受信装置の構成を示す回路図である。 図16に示す受信装置における差動絶対値コンパレータの詳細な構成を示す回路図である。 本発明の実施形態4に係る受信装置の他の構成を示す回路図である。 本発明の実施形態4に係る受信装置のさらに他の構成を示す回路図である。 本発明の実施形態5に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。 OOK変調方式によるデータの伝送方法を示す図である。 特許文献1に開示された無線受信機のフロントエンド回路の構成を示すブロック図である。 非特許文献1に開示されているダイレクトコンバージョン受信機の構成を示す回路図である。 上記ダイレクトコンバージョン受信機におけるサンプリング動作を示す図である。 (a)および(b)は図22に示すフロントエンド回路におけるサンプリング動作を示す図である。
[実施形態1]
本発明に係る実施形態1について、図1〜図9を参照して以下に説明する。
〔受信装置の構成〕
図1は、実施形態1に係る受信装置11の構成を示す回路図である。
図1に示す様に、本実施形態に係る受信装置11は、アンテナANTと、バンドパスフィルタBPFと、復調装置DEMOD1とを備えている。
バンドパスフィルタBPFは、アンテナANTで受信されたRF信号を所望の周波数帯域に制限する。
〈復調装置の構成〉
復調装置DEMOD1は、バンドパスフィルタBPFで周波数帯域が制限された受信信号(キャリア)に復調処理を施す。この復調装置DEMOD1は、復調処理を行うために、サンプリング・ミキサMIX1、アンプAMP1,AMP2、絶対値コンパレータCMP1,CMP2および論理和回路ORを有している。
《サンプリング・ミキサ》
図2は、受信装置11におけるサンプリング・ミキサMIX1の構成を示す回路図である。図3(a)および(b)は、サンプリング・ミキサMIX1による信号のサンプリングのタイミングを示す図である。図4(a)〜(c)は、サンプリング・ミキサMIX1におけるスイッチSW1,SW2を構成するMOSトランジスタを示す図であり、図4(d)は各MOSトランジスタの動作特性を示す図である。
サンプリング・ミキサMIX1は、入力される受信信号をIF(中間周波数)信号に変換する回路である。このサンプリング・ミキサMIX1は、例えば、図2に示す様に、スイッチSW1,SW2と、キャパシタC1,C2とを有している。
スイッチSW1,SW2(サンプリング手段)は、単一の入力端子と、この入力端子から分岐した2つの信号経路における2つの出力端子との間にそれぞれ設けられている。キャパシタC1,C2(保持手段)は、それぞれ一端がスイッチSW1,SW2の出力端子に接続され、他端が接地されている。
スイッチSW1のON・OFFは、サンプリング・クロックΦ0に基づいて制御される。スイッチSW1は、サンプリング・クロックΦ0が“1”であるときにONする。したがって、スイッチSW1は、サンプリング・クロックΦ0の立下りタイミングで、ONからOFFに切り替わる。これにより、その直前でのスイッチSW1の出力電圧が、キャパシタC1に残存する。
一方、スイッチSW2のON・OFFは、サンプリング・クロックΦ90に基づいて制御される。スイッチSW2は、サンプリング・クロックΦ90が“1”であるときにONする。したがって、スイッチSW2は、サンプリング・クロックΦ90の立下りタイミングで、ONからOFFに切り替わる。これにより、その直前でのスイッチSW2の出力電圧が、キャパシタC2に残存する。
サンプリング・クロックΦ0,Φ90は、それぞれ後述するクロック生成回路CGEN1で生成される。サンプリング・クロックΦ0は0°の位相を有し、サンプリング・クロックΦ90は90°の位相を有している。これにより、スイッチSW1,SW2は、90°の位相差でON・OFF動作する。
この様なスイッチSW1,SW2のON・OFF制御により、図3(a)および(b)に示す様に、0°と90°との位相でIF信号をサンプリングすることができる。図3(a)に示す場合、サンプリング・ミキサMIX1は、入力信号を、サンプリング・クロックΦ0,Φ90の立下りタイミングで、1シンボルに1回ずつ、間欠サンプリングする。図3(b)に示す場合、サンプリング・ミキサMIX1は、入力信号を、サンプリング・クロックΦ0,Φ90の立下りタイミングで、1シンボルに2回ずつ、間欠サンプリングする。
スイッチSW1,SW2は、図4(a)〜(c)に示す様に、MOSトランジスタで構成される。図4(a)に示すMOSトランジスタはNチャネル・MOSトランジスタであり、図4(b)に示すMOSトランジスタはPチャネル・MOSトランジスタである。図4(c)に示すMOSトランジスタは、Nチャネル・MOSトランジスタおよびPチャネル・MOSトランジスタが並列に接続された、いわゆる転送ゲートである。
図4(a)に示すNチャネル・MOSトランジスタは、ゲートに与えられるクロックCLK(サンプリング・クロックΦ0,Φ90)に基づいてON・OFFする。図4(b)に示すPチャネル・MOSトランジスタは、ゲートに与えられる反転クロックCLKiに基づいてON・OFFする。反転クロックCLKiは、クロックCLKがインバータによって反転されることで得られるクロックである。図4(c)に示す転送ゲートは、Nチャネル・MOSトランジスタが、ゲートに与えられるクロックCLKに基づいてON・OFFし、Pチャネル・MOSトランジスタがゲートに与えられる反転クロックCLKiに基づいてON・OFFする。
図4(d)に示す様に、MOSトランジスタをスイッチSW1,SW2に用いる場合、それぞれのON抵抗を利用する。Nチャネル・MOSトランジスタは、ON抵抗Ron(N)を有し、低電圧側ではON抵抗が低くなってONするが、高電圧側ではON抵抗が高くなるために殆どOFFに近い状態となる。Pチャネル・MOSトランジスタは、Nチャネル・MOSトランジスタと逆の特性となるON抵抗Ron(P)を有する。転送ゲートでは、Nチャネル・MOSトランジスタおよびPチャネル・MOSトランジスタのトータルのON抵抗Ron(eq)を有し、ON抵抗Ron(eq)は全電圧範囲で比較的低い値となる。
一般に、アンテナANTで受信したRF信号は、特別な処理をしなければ、0V中心の微小振幅の信号である。したがって、この場合には、スイッチSW1,SW2を図4(a)に示すNチャネル・MOSトランジスタで構成することが望ましい。しかし、サンプリング・ミキサMIX1の入力段でバイアス電圧が印加されている場合には、スイッチSW1,SW2を、そのバイアス電圧に応じて、図4(b)に示すPチャネル・MOSトランジスタまたは図4(c)に示す転送ゲートで構成しても構わない。
《アンプ》
アンプAMP1は、サンプリング・ミキサMIX1の一方の出力電圧(0°位相)を増幅する増幅器である。アンプAMP1の出力電圧は、絶対値コンパレータCMP1に入力される。
アンプアンプAMP2は、サンプリング・ミキサMIX1の出力電圧(90°位相)を増幅する増幅器である。アンプAMP2の出力電圧は、絶対値コンパレータCMP2に入力される。
《絶対値コンパレータ》
図5は、絶対値コンパレータCMP1,CMP2の構成を示す回路図である。図6は、絶対値コンパレータCMP1,CMP2の詳細な構成を示す回路図である。
絶対値コンパレータCMP1,CMP2(コンパレータ)は、それぞれアンプAMP1,AMP2から出力される電圧の絶対値が参照電圧Vrefよりも大きいか否かを検出する。具体的には、絶対値コンパレータCMP1,CMP2は、それぞれ、図5に示す様に、コンパレータCMP+,CMP−および論理和回路ORoutから構成されている。コンパレータCMP+,CMP−は、電圧の大小関係を検出する通常のコンパレータであり、並列に接続されている。論理和回路ORoutは、コンパレータCMP+,CMP−のそれぞれの出力信号Vout+,Vout−の論理和を出力する。
コンパレータCMP+は、入力電圧Vinが、正の参照電圧Vref+よりも大きいことを検出する。コンパレータCMP−は、入力電圧Vinが、負の参照電圧Vref−よりも小さいことを検出する。論理和回路ORoutから出力される値が入力電圧Vinの絶対値と、参照電圧Vref+,Vref−の絶対値Vrefとの比較結果に相当する。
例えば、絶対値コンパレータCMP1,CMP2は、詳細には図6に示す様に構成される。
図6に示す様に、絶対値コンパレータCMP1,CMP2は、高電位側の電圧VDDが印加される定電流源CSと、トランジスタT1〜T6とを有している。トランジスタT1,T2は、Pチャネル・MOSトランジスタであり、トランジスタT3〜T6は、Nチャネル・MOSトランジスタである。トランジスタT1,T2は、差動構成となっており、定電流源CSを流れる電流をそれぞれトランジスタT3,T4を介して定電位側の電源ライン(電圧VSS)に流す。トランジスタT1,T2のゲートには、それぞれ入力電圧Vin+,Vin−が入力される。図5に示す様に、入力電圧Vin−は上記の入力電圧Vinに相当し、入力電圧Vin+は上記の参照電圧Vref+,Vref−に相当する。
また、トランジスタT1,T2のドレインは、それぞれ出力信号Vout+,Vout−を出力する。図5に示す様に、出力電圧Vout+は、上記のコンパレータCMP+の出力信号であり、出力電圧Vout−は、上記のコンパレータCMP−の出力信号である。
さらに、トランジスタT5は、トランジスタT3と並列に接続され、ゲートにクロックCLKが入力される。また、トランジスタT6は、トランジスタT4と並列に接続され、ゲートにクロックCLKが入力される。
図6の様に構成される絶対値コンパレータCMP1,CMP2は、クロックCLKが、“High”から“Low”に変化した瞬間の2つの入力電圧Vin+,Vin−の大小関係を比較する。例えば、Vin+>Vin−である場合、クロックCLKが“High”から“Low”に変化するときに比較が行われる結果、入力電圧Vin+が“Low”であると判定され、入力電圧Vin−が“High”であると判定される。逆に、Vin+<Vin−である場合、クロックCLKが“High”から“Low”に変化するときに比較が行われる結果、入力電圧Vin+が“High”であると判定され、入力電圧Vin−が“Low”であると判定される。
これにより、常に、入力電圧Vin+を監視していると、入力電圧Vin+が“High”であるとき、Vin+<Vin−が判定され、入力電圧Vin−が“Low”であるとき、Vin+>Vin−が判定される。したがって、出力電圧Vout+,Vout−が“High”になれば、Vin>Vref+またはVin<Vref−を満たすことになる。
なお、上記の入力電圧Vin+,Vin−の大小関係を比較することができれば、絶対値コンパレータCMP1,CMP2の回路構成は、図6に示す構成に限定されない。
ところで、復調装置DEMOD1においては、絶対値コンパレータCMP1,CMP2への入力段で平均処理が行われる。基本的に、雑音はアナログ信号であるので、絶対値コンパレータCMP1,CMP2への入力信号の様なアナログ信号の段階で平均を行うと、雑音の影響を低減することができる。しかし、絶対値コンパレータCMP1,CMP2で比較判定を行うことにより、入力信号をデジタル信号に変換した後で平均処理を行うと、雑音を低減できないことがある。
《論理和回路》
論理和回路ORは、絶対値コンパレータCMP1,CMP2からの出力信号の論理和を出力する回路である。この論理和回路ORから出力される信号が、復調装置DEMOD1の復調データとなる。
《クロック生成回路》
図7(a)は、クロック生成回路CGEN1に設けられる遅延回路DLY1の構成を示す回路であり、図7(b)は当該遅延回路DLY1の動作を示すタイミングチャートである。図8(a)は、クロック生成回路CGEN2に設けられる他の遅延回路DLY2の構成を示す回路であり、図8(b)は当該遅延回路DLY2の動作を示すタイミングチャートである。
クロック生成回路CGEN1(クロック生成手段)は、サンプリング・ミキサMIX1に供給する前述のサンプリング・クロックΦ0,Φ90を生成する回路であり、水晶発振回路等の基本発振回路を有している。具体的には、クロック生成回路CGEN1は、基本発振回路が生成したクロックを、周波数逓倍器もしくはPLL(Phase Locked Loop)で周波数を上げたり、分周器で周波数を下げたりすることで、所望の周波数のクロックを生成する。例えば、図3(a)に示すタイミングでサンプリングする場合、クロック周波数は、シンボル・レートと同じ値となる。
クロック生成回路CGEN1は、上記の様にして、基本となるサンプリング・クロックΦ0を生成するが、このサンプリング・クロックΦ0を遅延させてサンプリング・クロックΦ90を生成する。このため、クロック生成回路CGEN1は、例えば、図7(a)に示す様な遅延回路DLY1または図8(a)に示す様な遅延回路DLY2を有している。
図7(a)に示す様に、遅延回路DLY1は、サンプリング・クロックΦ0に相当するクロックCLK1を遅延させるために、直列に接続された複数のインバータINV1,INV2,…,INVk,…(kは偶数)からなるインバータ・チェインである。図7(b)に示す様に、この遅延回路DLY1は、インバータ・チェインでクロックCLK1を遅延させることにより、第k段のインバータINVkからサンプリング・クロックΦ90に相当するCLK2を出力する。
また、図3(a)に示すタイミングでサンプリングを行う場合、遅延回路DLY1は、サンプリング・クロックΦ90が、サンプリング・クロックΦ0に対してキャリア周期の1/4の間隔に相当する位相差を有する様に、サンプリング・クロックΦ90を遅延させる必要がある。このため、上記の位相差が得られる様に、インバータ・チェインにおけるインバータINV1〜INVk,の段数kが設定される。
なお、一般に、インバータの遅延時間は、電源電圧が高くなると遅延が短くなり、電源電圧が低くなると遅延が長くなるといったように電源電圧でも変わる。したがって、この特性を利用して、電源電圧を調整することにより、上記の位相差を設定してもよい。
一方、図8(a)に示す様に、遅延回路DLY2は、サンプリング・クロックΦ0に相当するクロックCLK1を遅延させるために、遅延回路DLY1と同様のインバータ・チェインを有している。また、遅延回路DLY2は、排他的論理和回路XORと、論理積回路ANDとを有している。排他的論理和回路XORは、第1段のインバータINV1の出力クロックCLKd1と、第k段のインバータINVkの出力クロックCLKd2との排他的論理和を出力する。論理積回路ANDは、上記の出力クロックCLKd1と、排他的論理和XORの出力クロックCLKd3との論理積を出力する。
上記の様に構成される遅延回路DLY2では、図8(b)に示す様に、出力クロックCLKd2の遅延量(上記の段数k)を調整することにより、出力クロックCLKd1に対してデューティー比が調整されたクロックCLK1aを得ることができる。また、出力クロックCLKd1の立ち上がりおよび立ち下がりに同期して立ち上がる幅の短い出力クロックCLKd3を得ることもできる。
〔受信装置の動作〕
上記の様に構成される受信装置11の構成について説明する。図9は、受信装置11の動作を示すタイミングチャートである。
図9に示す様に、まず、アンテナANTで受信されたOOK変調されたRF信号は、バンドパスフィルタBPFに入力されると、所望の帯域成分のみが抽出されて、復調装置DEMOD1に入力信号Vin(キャリア)として入力される。
復調装置DEMOD1においては、入力信号Vinが、サンプリング・ミキサMIXでIF信号に変換される。サンプリング・ミキサMIX1において、入力信号Vinは、スイッチSW1により、サンプリング・クロックΦ0(0°)のタイミングでサンプリングされ、スイッチSW2により、サンプリング・クロックΦ90(90°)のタイミングでサンプリングされる。図9では、“1”のデータを示す入力信号Vinにおける丸印で示すタイミングで上記のサンプリングが行われる。サンプリングされた値(電圧)は、それぞれキャパシタC1,C2に保持される。
サンプリング・ミキサMIX1から出力される2つの信号は、それぞれアンプAMP1,AMP2で増幅された後に、絶対値コンパレータCMP1,CMP2に入力される。
絶対値コンパレータCMP1,CMP2では、図9に示す様に、比較制御信号ΦCMP(図6に示すCLK端子に入力される)の立ち上がりのタイミングにおけるアンプAMP1,AMP2の出力信号Vaの絶対値が、設定された参照電圧Vref+,Vref−(図5参照)の絶対値参照電圧Vrefよりも大きいか否かを判定する。絶対値コンパレータCMP1,CMP2は、出力信号Vaの絶対値が絶対値参照電圧Vrefよりも大きい場合には“1”を出力し、出力信号Vaの絶対値が絶対値参照電圧Vrefよりも小さい場合には“0”を出力する。
そして、絶対値コンパレータCMP1,CMP2からの出力信号が、論理和回路ORを通じて出力されることにより、復調データが得られる。
ここで、図9に示す様に、入力信号Vinにおける“0”のデータに対応する部分については、サンプリング・ミキサMIX1において丸印のタイミングでサンプリングされると、その値が全て0Vとなる。この場合、絶対値コンパレータCMP1,CMP2からの出力信号の値も“0”となる。したがって、論理和回路ORの出力信号も“0”となる。
一方、図9に示す様に、入力信号Vinにおける“1”のデータに対応する部分については、サンプリング・ミキサMIX1でサンプリングされると、一方の値が0Vに近くても、他方は振幅の最大電圧に近い値となる。したがって、絶対値コンパレータCMP1,CMP2の出力信号の少なくとも1つは“1”となるので、論理和回路ORの出力信号も“1”となる。
〔間欠サンプリングによる効果〕
本実施形態の受信装置11は、復調装置DEMOD1におけるサンプリング・ミキサMIX1による入力信号のサンプリングを、サンプリング・クロックΦ0,Φ90に基づいて90°の位相差で行う。これにより、図3(a)または(b)に示す様に、間欠的にサンプリングを行うことができる。それゆえ、図24に示す様なキャリア周波数の4倍のタイミングによるサンプリングと比べて、サンプリング周波数を低下させることができる。
図24に示す4倍サンプリングでは、サンプリング周波数がキャリア周波数の4倍であるので、サンプリング・ミキサMIX1やクロック生成回路CGEN1の消費電力が大きくなる。一方、図3(a)に示す間欠サンプリングでは、サンプリング周波数がシンボル・レートと同じであるので、サンプリング・ミキサMIX1やクロック生成回路CGEN1の消費電力が大幅に削減される。
しかも、図3(a)に示す様に、サンプリング周波数を低下させても、キャリア周期よりも短い間隔でサンプリングすることで、図25(b)に示す様な有意な値が出力されないという問題も回避することができる。
サンプリング・ミキサMIX1は、図3(a)に示す場合、1シンボルに1回、間欠サンプリングを行うのに対して、図3(b)に示す場合、1シンボルに2回、間欠サンプリングを行う。図3(b)に示す場合、クロック生成回路CGEN1が生成するサンプリング・クロックΦ0,Φ90の周波数は、シンボル・レートの2倍となる。これは、1シンボル当たりの間欠サンプリング点数をNとすると、サンプリング・クロック周波数はシンボル・レートのN倍となるからである。
サンプリング・ミキサMIX1およびクロック生成回路CGEN1の消費電力は、Nに比例して増大する。ただし、復調において、雑音電力はN点の平均をとると1/Nとなる。これにより、復調装置11が受信できるRF信号の最低電力に相当する最低受信感度は、10×log10(N)dBだけ低くなり改善される。この様に、サンプリング点数Nが大きくなるほど受信感度が向上するが、消費電力が大きくなるので、間欠サンプリング点数を介して、消費電力と最低受信感度とはトレード・オフの関係となる。
なお、サンプリング点数Nについては、次の様に上限値を規定することができる。
キャリア周波数を100MHzとし、データレートを1Mbpsとする。この場合、図3(a)に示す正弦波の周波数が1MHz(周期10ns)、1シンボルが1Mbps(1μs)となる。これにより、1シンボル中に正弦波が100個(=1μs÷10ns)含まれる。したがって、サンプリング点数Nの上限値は100となる。
ただし、100点サンプリングをすると、間欠サンプリングにならないので、サンプリング点数Nは100未満となる。つまり、この上限値は、間欠サンプリングであるための上限となる。
上記の例を一般化すれば、キャリア周波数fc、データレートRとして、fc/R点未満であれば、間欠サンプリングを実現することができる。
ここで、サンプリングにおいて、有意な値を出力するための条件について説明する。
まず、受信装置11が、受信可能な最低信号強度である最低受信感度で受信したときのキャリアの実効値をAc、温度および帯域幅で決まる熱雑音のRMS(二乗平均平方根)の振幅をAnとする。そして、次の式(1)を満たす位相差θを確保するサンプリング点の対を少なくとも1つ有する合計2点以上のサンプリング点の組が、1シンボルに1回存在することが必要である。
An/Ac<sinθ …(1)
式(1)を満たさない場合には、複数のサンプリング点の取り得る全てについて、サンプリング点の対で得られる電圧間のレベル差は、雑音に埋もれてしまう範囲にあることになる。したがって、雑音と有意な信号とを判別できなくなる。逆に、複数のサンプリング点において、式(1)を満たす位相差のサンプリング点の対が存在する場合には、雑音に埋もれない、雑音よりも大きな電圧を観測するレベル差を得ることができるサンプリング点の対が存在することになる。これにより、雑音と有意な信号とを判別することが可能となる。この理由から、式(1)を満たすことが有意な値を出力するための条件となる。
この様に、複数のサンプリング点において、上記の式(1)を満たす位相差θを確保するサンプリング点の対が少なくとも1つあれば、有意な値をサンプリングすることができる。
なお、上記の説明では、サンプリング点のタイミングを、正弦波の0°を基準にした位相表している。ただし、実際には、最初のサンプリング点が正弦波の0°に位置するとは限らない。むしろ、大部分のケースで最初のサンプリング点が0°から外れると考えられる。したがって、上記の0°および90°や、後述する実施形態2での0°、90°、180°および270°は、便宜上の位相を表しており、絶対的な位相ではない。よって、ここでは、相対的な位相差に着目しており、例えば、最初のサンプリング点の位相タイミングが初期位相φであれば、2つのサンプリング点の位相は、φ+0°およびφ+90°となり、実施形態2で言及する4つのサンプリング点の位相は、φ+0°、φ+90°、φ+180°およびφ+270°となる。
つまり、各サンプリング点の位相差は少なくとも上記の式(1)を満たしておればよく、初期位相φがどのような値であっても、関係ない。
[実施形態2]
本発明に係る実施形態2について、図10〜図12を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態において、実施形態1における構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記して、その説明を省略する。
〔受信装置の構成〕
図10は、実施形態2に係る受信装置12の構成を示す回路図である。
図10に示す様に、本実施形態に係る受信装置12は、前述の受信装置11と同様、アンテナANTと、バンドパスフィルタBPFとを備え、復調装置DEMOD1に代えて復調装置DEMOD2を備えている。
〈復調装置の構成〉
復調装置DEMOD2は、復調装置DEMOD1におけるアンプAMP1,AMP2および絶対値コンパレータCMP1,CMP2に加えて、アンプAMP3,AMP4および絶対値コンパレータCMP3,CMP4を有している。また、復調装置DEMOD2は、復調装置DEMOD1のサンプリング・ミキサMIX1およびクロック生成回路CGEN1にそれぞれ代えて、サンプリング・ミキサMIX2およびクロック生成回路CGEN2を有している。さらに、復調装置DEMOD2は、復調装置DEMOD1と同様に、論理和回路ORを有している。
《サンプリング・ミキサ》
図11は、サンプリング・ミキサMIX2が信号をサンプリングするタイミングを示す図である。図12(a)および(b)は、サンプリング・ミキサMIX2が信号をサンプリングするタイミングを詳細に示す図である。
サンプリング・ミキサMIX2は、図1に示す受信装置11におけるサンプリング・ミキサMIX1と異なり、4相のサンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270を用いて入力信号のサンプリングを行う。サンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270は、それぞれ0°,90°,180°,270°の位相を有する。
このため、サンプリング・ミキサMIX2は、サンプリング・ミキサMIX1におけるスイッチSW1およびキャパシタC1からなるサンプリング保持回路と同等に構成されるサンプリング保持回路を4組有している。これにより、サンプリング・ミキサMIX2は、図11に示す様に、1シンボルに1回、4点で入力信号をサンプリングする。
また、サンプリング・ミキサMIX2も、前述の式(1)を満たす位相差θを確保するサンプリング点の対を少なくとも1つ有する2点以上のサンプリング点の組が、1シンボルに1回存在する様にサンプリングを行う。4点サンプリングの場合、例えば、図12(a)に示す様に、0°、90°、180°、270°の位相間隔でサンプリングが行われる。図12(a)に示す例では、隣接するサンプリング間隔が90°となる。また、図13(b)に示す様に、0°、30°、60°、90°の位相間隔でサンプリングが行われてもよい。図12(b)に示す例では、第1点と第4点とのサンプリング間隔が90°となる。
《クロック生成回路》
クロック生成回路CGEN2(クロック生成手段)は、サンプリング・ミキサMIX2に供給する前述のサンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270を生成する回路である。具体的には、クロック生成回路CGEN2は、前述のクロック生成回路CGEN1と同様、基本発振回路が生成した基本のサンプリング・クロックΦ0を遅延させて他の3相のサンプリング・クロックΦ90,Φ180,Φ270を生成する。
クロック生成回路CGEN2は、サンプリング・クロックΦ0を遅延させるために、例えば、前述の図7(a)に示す遅延回路DLY1または図8(a)に示す遅延回路DLY2を有している。
〔間欠サンプリングによる効果〕
本実施形態の受信装置12は、復調装置DEMOD2におけるサンプリング・ミキサMIXによる入力信号のサンプリングを、サンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270に基づいて90°の位相差で行う。これにより、図11に示す様に、間欠的にサンプリングを行うことができる。それゆえ、前述の受信装置11と同様、図24に示す様にキャリア周波数の4倍のタイミングによるサンプリングと比べて、サンプリング周波数を低下させることができる。
しかも、図6に示す様に、サンプリング周波数を落としても、キャリア周期よりも短い間隔でサンプリングすることで、図25(b)に示す様な有意な値が出力されないという問題も回避することができる。
また、サンプリング・ミキサMIX2は、1シンボルに1回、4点で間欠サンプリングを行うので、サンプリング・クロック周波数はシンボル・レートの4倍となる。これにより、受信装置11と比較して、消費電力が大きくなるが、最低受信感度が良くなる。
[実施形態3]
本発明に係る実施形態3について、図9および図13〜図15を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態において、実施形態1,2における構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記して、その説明を省略する。
本実施形態では、実施形態1,2の受信装置11,12においてそれぞれ設けられているサンプリング・ミキサMIX1,MIX2がフィルタ機能を有する構成について説明する。
〔第1のサンプリング・ミキサ〕
図13(a)および(b)は、第1のサンプリング・ミキサとしてのサンプリング・ミキサMIX1aの構成を示す回路図である。
図13(a)に示す様に、サンプリング・ミキサMIX1aは、前述のサンプリング・ミキサMIX1と同様に、スイッチSW1,SW2と、キャパシタC1,C2とを有しており、さらに加算器ADD1を有している。サンプリング・ミキサMIX1aにおけるスイッチSW1,SW2およびキャパシタC1,C2の接続は、サンプリング・ミキサMIX1におけるスイッチSW1,SW2およびキャパシタC1,C2の接続と同じであるので、ここでは、その説明を省略する。
ただし、スイッチSW1,SW2は、サンプリング・クロックΦ0,Φ180でON・OFFが制御される。サンプリング・クロックΦ180は、サンプリング・クロックΦ0に対して180°の位相差を有している。このため、クロック生成回路CGEN1は、サンプリング・クロックΦ90に代えてサンプリング・クロックΦ180を出力する。
加算器ADD1は、キャパシタC1に保持された電圧に+1を乗じた値と、キャパシタC2に保持された電圧に−1を乗じた値とを加算する。これにより、キャパシタC1に保持された電圧からキャパシタC2に保持された電圧が減算された値が得られる。この加算器ADD1は、このような減算処理を行うことにより、所定の帯域外の周波数成分を減衰させるフィルタ、ここでは特に、高周波数成分を通過させるハイパス・フィルタとして機能する。
図13(b)は、加算器ADD1の構成を具体的に示している。図13(b)に示す様に、加算器ADD1は、スイッチSWa1〜SWa3を有している。スイッチSWa1は、一端がスイッチSW1の出力端に接続され、他端が加算器ADD1の出力端に接続されている。スイッチSWa2は、一端がキャパシタC1の接地側の電極に接続され、他端がスイッチSW2の出力端に接続されている。スイッチSWa3は、キャパシタC2の接地側の電極とグランドラインとの間に接続されている。また、キャパシタC2とスイッチSWa3との接続点は、加算器ADD1の出力端に接続されている。
上記のスイッチSWa1〜SWa3のON・OFFは、図示しない制御回路によって制御される。
なお、受信装置12におけるサンプリング・ミキサMIX2についても、サンプリング保持回路を追加することによって、サンプリング・ミキサMIX1aと同様にフィルタ機能を有することができるので、ここではその詳細についての説明を省略する。
上記の様に構成されるサンプリング・ミキサMIX1aは、次の様にして動作する。
まず、スイッチSWa3がONし、スイッチSWa2がOFFし、スイッチSWa1がOFFする。この状態で、サンプリング・クロックΦ0の立ち上がりで、スイッチSW1およびキャパシタC1を用いてサンプリングが行われ、サンプリング・クロックΦ180の立ち上がりで、スイッチSW2およびキャパシタC2を用いてサンプリングが行われる。これにより、図3(a)に示す間欠サンプリングが行われる。
次に、サンプリング・クロックΦ0,Φ180の立ち下がりでサンプリングが終了すると、図9に示す様に、サンプリング・クロックΦ180の立ち下がりから所定の時間後に、スイッチ制御信号ΦHPFが立ち上がる。このタイミングで、スイッチSWa3がOFFし、スイッチSWa2がONし、スイッチSWa1がONする。すると、キャパシタC1,C2が互いに向きを反転した状態で並列に接続される。これにより、キャパシタC1に残存した電荷から、キャパシタC2に残存した電荷を減算することが可能となる。この様にして得られた出力信号が、キャパシタC1に保持された電圧からキャパシタC2に保持された電圧を減算した値(図9に示す電圧Vm)となる。
上記の様に、加算器ADD1を設けることにより、例えば、サンプリング・ミキサMIX1aに共通の雑音(DC成分)が入力されても、この雑音が上述した減算処理で相殺される。逆に、所望のキャリア成分が入力されると、位相が180°シフトした時の振幅は、シフト前の振幅の符号反転に相当するので、減算処理を行うと、信号強度が高まる。つまり、加算器ADD1が行うフィルタ処理により、所望のキャリア成分のみを通過させることが可能となる。また、2点サンプリングの平均値における雑音電力は、1点サンプリングに比べると約1/2となる。これにより、最低受信感度が約3dB改善する。
〔第2のサンプリング・ミキサ〕
図14は、第2のサンプリング・ミキサとしてのサンプリング・ミキサMIX1bの構成を示す回路図である。
図14に示す様に、サンプリング・ミキサMIX1bは、複数のスイッチSW1〜SWnと、複数のキャパシタC1〜Cnとがそれぞれ対をなして構成される複数(n個)のサンプリング保持回路と、加算器ADD2とを有している。このサンプリング・ミキサMIX1bは、3点以上のサンプリング出力に対してフィルタ処理を行う。
加算器ADD2は、各サンプリング保持回路の出力信号に係数α1〜αnを乗じて加算する。
ここで、スイッチSW1およびキャパシタC1のサンプリング保持回路と、スイッチSW2およびキャパシタC2のサンプリング保持回路とによるサンプリングの位相差が180°である場合、係数α1,α2がα1:α2=1:−1の関係を満たす。また、上記の位相差が360°である場合、係数α1,α2がα1:α2=1:1の関係を満たす。それ以外の位相差の場合、係数α1,α2は三角関数を勘案した比となる。この場合、例えば、サンプリング間隔をθとすると、係数α1,α2は、α1:α2=1:cosθという関係を満たす。ただし、この関係は、一例に過ぎない。
この様に、サンプリング・ミキサMIX1bは、3点以上のサンプリング出力に対してフィルタ処理を行う。一般に、加算する信号数がN個ある場合の雑音電力は、加算しない場合に比べて10×log10(N)dB改善する。これにより、受信感度を向上させることができる。
〔サンプリング・クロックの誤差に対する復調安定性〕
受信装置11,12におけるクロック生成回路CGEN1,CGEN2では、電源電圧や、プロセスおよび温度に起因してMOSトランジスタの閾値ばらつきが発生すると、前述の遅延回路DLY1,DLY2におけるインバータの遅延時間が変化する。ここでは、遅延時間が変動した場合の安定性について説明する。特に、図13(a)に示すサンプリング・ミキサMIX1aで、キャリア周波数が315MHz(キャリア周期T≒3.2ns)のキャリアをサンプリングする場合に、フィルタ出力信号の遅延時間依存性を説明する。
図15(a)は、サンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270の位相差が正確な場合のサンプリングを示す図である。図15(b)はサンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270の位相差が正確でない場合のサンプリングを示す図である。図15(c)は、サンプリング・クロックΦ0,Φ90の間隔を変化させたときのサンプリング値の差を示す図である。
ここでのサンプリング・ミキサMIX1aは、キャリアを0°、90°、180°および270°の各位相でサンプリングして、0°および180°のサンプリング値の差と、90°および270°のサンプリング値の差とをそれぞれ得るものとする。
クロック生成回路CGEN2は、0°、90°、180°および270°のタイミングでサンプリングするための4相のサンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270(図9参照)を、例えば前述の遅延回路DLY1を用いて生成する。つまり、サンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270の位相差(タイミング差)は、ディレイ素子(インバータ)の遅延を利用して設けられる。このため、例えば、サンプリング・クロックΦ0,Φ90の場合、キャリアの位相差90°がターゲットになるが、当該位相差90°はディレイ素子の遅延を利用して得ているので、誤差を含む可能性がある。したがって、このような誤差が生じていると、サンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270の位相差が正確に90°に一致しないことになる。
図15(a)は、サンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270の位相差が、キャリアの90°に一致する(ΔT=0.8ns)正確な場合を示している。図15(b)は、サンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270の位相差が、キャリアの90°に一致しない(ΔT≠0.8ns)不正確な場合を示している。
まず、クロック生成回路CGEN2が、図9に示す4相のサンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270を、上記のような誤差を含むことなく正確に生成する場合について説明する。
図15(a)に示す様に、サンプリング・クロックΦ0,Φ180によるサンプリング値の差、およびサンプリング・クロックΦ90,Φ270によるサンプリング値の差は、四角で示す場合が最大値となり、丸で示す場合が最小値となる。これは、左から1個目および3個目の四角印におけるサンプリング値を図15(a)に示すフィルタ回路(加算器ADD1)で処理すると、サンプリング・ミキサMIX1aの出力信号が入力信号の振幅の2倍となるからである。一方、4相のサンプリング点が丸に一致する場合が最悪のサンプリングとなる。これは、左から1個目および3個目の丸印におけるサンプリング値を上記のフィルタ回路で処理すると、サンプリング・ミキサMIX1aの出力信号が入力信号の振幅の√2倍となるからである。2個目および4個目の丸印におけるサンプリング値に対して同じ処理を行っても、符号は反転するが、同じ振幅値を有する出力信号が得られる。
ここで、有意信号を受信したときに、異なる2点のサンプリング値の差が最大となるときに最大値が得られ、上記のサンプリング値の差が最小となるときに最小値が得られる。この最小値以上の値を検出したときには、電波が存在しているので、OOK変調データの“1”を復調する必要がある。この最小値は、“1”を復調するための最小値となる。
絶対値コンパレータCMP1,CMP2の参照電圧Vrefが熱雑音より小さい場合、電波がないOOK変調データの“0”の状態でも、熱雑音によって“1”と誤判定される可能性がある。この様な熱雑音による誤判定を回避するには、参照電圧Vrefが熱雑音よりも大きい必要がある。
また、参照電圧Vrefが上記の最小値よりも小さい場合、電波が存在するOOK変調データの“1”の状態でも、最小値に相当するタイミングでサンプリングすると、“0”と誤判定される可能性がある。この様な有意信号の誤判定を回避するためには、参照電圧Vrefが上記の最小値よりも小さい必要がある。
したがって、絶対値コンパレータCMP1,CMP2の参照電圧Vrefを、ターゲットとする最低受信感度が得られるときの熱雑音レベルよりも大きく、最小値よりも小さく設定すれば、誤りなく復調可能となる。
次に、クロック生成回路CGEN2が、4相のサンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270を不正確な位相で生成する場合について説明する。
図15(c)は、サンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270のタイミング間隔ΔT(位相差)が、ターゲットのΔT=0.8nsからずれたときに、サンプリング値の差の最小値がどの様に変化するかを示している。この場合には、常に同じ値をサンプリングするので、差も常に0となる。
図15(c)において、約0.8ns付近にある破線は、位相差が正確な場合に相当する。このときのベスト値を1に規格化すると、最小値は約0.7(≒1/√2)となる。図15(c)から、サンプリング間隔ΔTが0.8nsから離れると、最小値が悪化することが分かる。例えば、サンプリング間隔ΔTが±11%であれば、最小値が10%低減し、サンプリング間隔ΔTが±41%であれば、最小値が約50%低減する。図15(b)に示す様に、サンプリング点が最も大きくずれると、サンプリング間隔ΔTが1.6nsとなり、最小値が最も好ましくない値となる。
ここで、クロック生成回路CGEN2が、0.8nsのサンプリング間隔ΔTを±41%で生成することを保証できる場合を考える。この場合、サンプリング値の差の最小値は、上記の様に、ΔT=0.8nsの場合の差の最小値の50%まで変化することになる。したがって、上記の場合には、絶対値コンパレータCMP1,CMP2の閾値Vrefを、ターゲットとする最低受信感度が得られるときの熱雑音レベルよりも大きく、かつサンプリング間隔ΔTが上記の様に保証できる範囲において最悪となる最小値よりも小さく設定する。これにより、誤りなく復調することが可能となる。
あるいは、クロック生成回路CGEN2が、サンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270の半周期に相当する遅延回路DLY1を有し、遅延回路DLY1の出力と基本となるサンプリング・クロックΦ0とでエッジタイミングを比較してもよい。これにより、遅延回路DLY1における実際の遅延の大まかな値が分かる。したがって、その遅延の値を基準にして、インバータの遅延段数の選択や電源電圧の制御を行うことにより、サンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270のサンプリング間隔ΔTが所定の範囲に収まる様に制御してもよい。
[実施形態4]
本発明に係る実施形態4について、図16〜図19を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態において、実施形態1〜3における構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記して、その説明を省略する。
〔第1の受信装置の構成〕
図16は、実施形態4に係る受信装置13の構成を示す回路図である。
図16に示す様に、本実施形態に係る受信装置13は、前述の受信装置11と同様、アンテナANTと、バンドパスフィルタBPFとを備え、復調装置DEMOD1に代えて復調装置DEMOD3を備えている。
〈復調装置の構成〉
復調装置DEMOD3は、復調装置DEMOD1と同様、論理和回路ORおよびクロック生成回路CGEN1を有している。また、復調装置DEMOD3は、差動変換器DCNV、サンプリング・ミキサMIX31,MIX32、差動アンプDAMP1,DAMP2および差動絶対値コンパレータDCMP1,DCMP2を有している。
《差動変換器》
差動変換器DCNVは、バラン等で構成され、入力されるシングルエンド信号Vinを差動信号Vin+,Vin−に変換する。差動信号Vin+,Vin−は、互いに逆相の関係となる。
《サンプリング・ミキサ》
サンプリング・ミキサMIX31は、前述のスイッチSW1およびキャパシタC1と同等に接続されるスイッチSW11,SW12と、キャパシタC11,C12とを有している。サンプリング・ミキサMIX32は、前述のスイッチSW1およびキャパシタC1と同等に接続されるスイッチSW21,SW22と、キャパシタC21,C22とを有している。
スイッチSW11およびキャパシタC11からなる第1のサンプリング保持回路、およびスイッチSW12およびキャパシタC12からなる第2のサンプリング保持回路は、差動信号Vin+をサンプリング・クロックΦ0でサンプリングする。一方、スイッチSW21およびキャパシタC21からなる第3のサンプリング保持回路、およびスイッチSW22およびキャパシタC22からなる第4のサンプリング保持回路は、差動信号Vin−をサンプリング・クロックΦ90でサンプリングする。
これにより、第1のサンプリング保持回路および第2のサンプリング保持回路の出力信号は、それぞれ差動信号Vin+,Vin−のサンプリング・クロックΦ0によるサンプリング値に相当する。一方、第3のサンプリング保持回路および第4のサンプリング保持回路の出力信号は、それぞれ差動信号Vin+,Vin−のサンプリング・クロックΦ90によるサンプリング値に相当する。
《差動アンプ》
差動アンプDAMP1は、第1および第2のサンプリング保持回路から出力される電圧を差動増幅する増幅器である。差動アンプDAMP2は、第3および第4のサンプリング保持回路から出力される電圧を差動増幅する増幅器である。
《差動絶対値コンパレータ》
図17は、差動絶対値コンパレータDCMP1,DCMP2の詳細な構成を示す回路図である。
差動絶対値コンパレータDCMP1,DCMP2は、それぞれ差動アンプDAMP1,DAMP2から出力される電圧の絶対値が参照電圧Vrefよりも大きいか否かを検出する。この差動絶対値コンパレータDCMP1,DCMP2は、差動入力に対して比較結果を差動出力するが、基本的には前述の絶対値コンパレータCMP1,CMP2と同様の比較動作を行う。また、差動絶対値コンパレータDCMP1,DCMP2は、図5に示す絶対値コンパレータCMP1,CMP2において、入力信号を差動化し、コンパレータCMP+,CMP−を差動コンパレータに置き替えることで構成することができる。
例えば、差動絶対値コンパレータDCMP1,DCMP2は、図17に示す様に構成される。
この差動絶対値コンパレータDCMP1,DCMP2は、トランジスタT11〜T22と、複数のスイッチSW+,SW−と、キャパシタC+,C−とを有している。トランジスタT11〜T16はPチャネル・MOSトランジスタであり、トランジスタT17〜T22はNチャネル・MOSトランジスタである。
トランジスタT11は、高電位側の電圧VDD(0.5V)が印加されている。トランジスタT12,T13は、差動構成となっており、トランジスタT11を流れる電流をそれぞれトランジスタT15,T17とトランジスタT16,T18を介して定電位側のグランドラインに流す。トランジスタT12,T13のゲートには、それぞれ入力電圧Vin+,Vin−が入力される。また、トランジスタT15,T17のゲートは互いに接続され、トランジスタT16,T18のゲートも互いに接続されている。
トランジスタT14は、トランジスタT12,T13のドレイン間に接続され、ゲートにクロックCLKが入力される。トランジスタT15のドレインは、トランジスタT16のゲートと接続されており、出力信号Vout+を出力する。一方、トランジスタTT16のドレインは、トランジスタT15のゲートと接続されており、出力信号Vout−を出力する。
トランジスタT19は、トランジスタT15のドレインとグランドラインとの間に接続され、ゲートにクロックCLKが入力される。トランジスタT20は、トランジスタT16のドレインとグランドラインとの間に接続され、ゲートにクロックCLKが入力される。トランジスタT21は、トランジスタT12のドレインとグランドラインとの間に接続され、ゲートにクロックCLKが入力される。トランジスタT22は、トランジスタT13のドレインとグランドラインとの間に接続され、ゲートにクロックCLKが入力される。
トランジスタT12のドレインとグランドラインとの間には、スイッチSW+およびキャパシタC+からなる複数の直列回路が接続されている。また、トランジスタT13のドレインとグランドラインとの間には、スイッチSW−およびキャパシタC−からなる複数の直列回路が接続されている。スイッチSW+,SW−は、制御信号CNTによってON・OFFが制御される。
上記の様に構成される差動絶対値コンパレータDCMP1,DCMP2は、クロックCLKの立ち下がりのタイミングにおける、差動信号Vin+,Vin−の差が、参照電圧Vrefよりも大きいか否かを判定する。参照電圧Vrefは、スイッチSW+,SW−のON・OFFで調整される。このスイッチスイッチSW+,SW−の設定は、図示しないレジスタで設定することが可能である。前述の図6に示す絶対値コンパレータCMP1,CMP2では、参照電圧Vrefを設定するために電源電圧とグランドの間の中間電位を生成する必要がある。これに対し、上記の差動絶対値コンパレータDCMP1,DCMP2では、参照電圧Vrefをレジスタで設定できるので、中間電位の生成が不要となる。
〔第2の受信装置の構成〕
図18は、実施形態4に係る他の受信装置14の構成を示す回路図である。
図18に示す様に、本実施形態に係る受信装置14は、前述の受信装置13と同様、アンテナANTと、バンドパスフィルタBPFとを備え、復調装置DEMOD3に代えて復調装置DEMOD4を備えている。
〈復調装置の構成〉
復調装置DEMOD4は、復調装置DEMOD3と同様、差動変換器DCNVおよび論理和回路ORを有している。また、復調装置DEMOD3は、サンプリング・ミキサMIX10,MIX20、差動アンプDAMP11,DAMP12,DAMP21,DAMP22、差動絶対値コンパレータDCMP11,DCMP12,DCMP21,DCMP22および論理和回路OR1,OR2を有している。
《サンプリング・ミキサ》
サンプリング・ミキサMIX10は、それぞれが、前述のスイッチSW1およびキャパシタC1と同等に接続される、スイッチSW11a,SW11b,SW12a,SW12aと、キャパシタC11a,C11b,C12a,C12bとを有している。また、サンプリング・ミキサMIX20は、それぞれが、前述のスイッチSW1およびキャパシタC1と同等に接続される、スイッチSW21a,SW21b,SW22a,SW22aと、キャパシタC21a,C21b,C22a,C22bとを有している。
スイッチSW11aおよびキャパシタC11aからなる第1のサンプリング保持回路、およびスイッチSW11bおよびキャパシタC11bからなる第2のサンプリング保持回路は、差動信号Vin+をサンプリング・クロックΦ0でサンプリングする。一方、スイッチSW12aおよびキャパシタC12aからなる第3のサンプリング保持回路、およびスイッチSW12bおよびキャパシタC12bからなる第4のサンプリング保持回路は、差動信号Vin−をサンプリング・クロックΦ90でサンプリングする。
スイッチSW21aおよびキャパシタC21aからなる第5のサンプリング保持回路、およびスイッチSW21bおよびキャパシタC21bからなる第6のサンプリング保持回路は、差動信号Vin+をサンプリング・クロックΦ180でサンプリングする。一方、スイッチSW22aおよびキャパシタC22aからなる第7のサンプリング保持回路、およびスイッチSW22bおよびキャパシタC22bからなる第8のサンプリング保持回路は、差動信号Vin−をサンプリング・クロックΦ270でサンプリングする。
これにより、第1のサンプリング保持回路および第2のサンプリング保持回路の出力信号は、それぞれ差動信号Vin+,Vin−のサンプリング・クロックΦ0によるサンプリング値に相当する。第3のサンプリング保持回路および第4のサンプリング保持回路の出力信号は、それぞれ差動信号Vin+,Vin−のサンプリング・クロックΦ90によるサンプリング値に相当する。
また、第5のサンプリング保持回路および第6のサンプリング保持回路の出力信号は、それぞれ差動信号Vin+,Vin−のサンプリング・クロックΦ180によるサンプリング値に相当する。第7のサンプリング保持回路および第8のサンプリング保持回路の出力信号は、それぞれ差動信号Vin+,Vin−のサンプリング・クロックΦ270によるサンプリング値に相当する。
《差動アンプ》
差動アンプDAMP11は、第1および第3のサンプリング保持回路から出力される電圧を差動増幅する増幅器である。差動アンプDAMP12は、第2および第4のサンプリング保持回路から出力される電圧を差動増幅する増幅器である。
差動アンプDAMP21は、第5および第7のサンプリング保持回路から出力される電圧を差動増幅する増幅器である。差動アンプDAMP22は、第6および第8のサンプリング保持回路から出力される電圧を差動増幅する増幅器である。
上記の差動アンプDAMP11,DAMP12,DAMP21,DAMP22は、前述の差動アンプDAMP1,DAMP2と同様に構成される。
《差動絶対値コンパレータ》
差動絶対値コンパレータDCMP11,DCMP12,DCMP21,DCMP22は、それぞれ差動アンプDAMP11,DAMP12,DAMP21,DAMP22から出力される電圧の絶対値が参照電圧Vrefよりも大きいか否かを検出する。この差動絶対値コンパレータDCMP11,DCMP12,DCMP21,DCMP22は、前述の差動絶対値コンパレータDCMP1,DCMP2と同様に構成される。
《論理和回路》
論理和回路OR1は、差動絶対値コンパレータDCMP11,DCMP12の出力信号の論理和を出力する。論理和回路OR2は、差動絶対値コンパレータDCMP21,DCMP22の出力信号の論理和を出力する。
論理和回路ORは、論理和回路OR1,OR2の出力信号の論理和を出力する。
〔第3の受信装置の構成〕
図19は、実施形態4に係るさらに他の受信装置15の構成を示す回路図である。
図19に示す様に、本実施形態に係る受信装置15は、前述の受信装置14と同様、アンテナANTと、バンドパスフィルタBPFとを備え、復調装置DEMOD4に代えて復調装置DEMOD5を備えている。
〈復調装置の構成〉
復調装置DEMOD5は、復調装置DEMOD4と同様、差動変換器DCNVおよび論理和回路OR,OR1,OR2を有している。また、復調装置DEMOD5は、サンプリング・ミキサMIXおよびフィルタHPFを有している。
《サンプリング・ミキサ》
サンプリング・ミキサMIXは、前述のサンプリング・ミキサMIX10が有するスイッチSW11a,SW11b,SW12a,SW12aと、キャパシタC11a,C11b,C12a,C12bとを有している。また、サンプリング・ミキサMIXは、前述のサンプリング・ミキサMIX20が有するスイッチSW21a,SW21b,SW22a,SW22aと、キャパシタC21a,C21b,C22a,C22bとを有している。
《フィルタ》
フィルタHPFは、加算器ADD11,ADD12,ADD13,ADD14を有している。このフィルタHPFは、前述の加算器ADD1,ADD2と同様のフィルタ機能を有している。
加算器ADD11は、第1のサンプリング保持回路の出力電圧に+1を乗じた値と、第5のサンプリング保持回路の出力電圧に−1を乗じた値とを加算する。加算器ADD12は、第2のサンプリング保持回路の出力電圧に+1を乗じた値と、第6のサンプリング保持回路の出力電圧に−1を乗じた値とを加算する。加算器ADD13は、第3のサンプリング保持回路の出力電圧に+1を乗じた値と、第7のサンプリング保持回路の出力電圧に−1を乗じた値とを加算する。加算器ADD14は、第4のサンプリング保持回路の出力電圧に+1を乗じた値と、第8のサンプリング保持回路の出力電圧に−1を乗じた値とを加算する。
《論理和回路》
論理和回路OR1は、加算器ADD11,ADD12の出力信号の論理和を出力する。論理和回路OR2は、加算器ADD13,ADD14の出力信号の論理和を出力する。
〔受信装置の動作〕
上記の様に構成される受信装置13,14においては、それぞれ復調装置DEMOD3,4が差動で動作するので、信号線に同相雑音が侵入しても、信号線の差には影響が及ばないので、雑音耐性を改善することが可能である。特に、本実施形態における各サンプリング・ミキサを用いる場合には、その近くをサンプリング・クロック線が配置されるので、差動化による雑音耐性が改善されることは有効である。
また、受信装置15においては、サンプリング・クロックΦ0,Φ180によるサンプリング値と、サンプリング・クロックΦ90,Φ270のサンプリング値とをフィルタHPFによってフィルタ処理している。これにより、図13(a)および図14に示すサンプリング・ミキサMIX1a,MIX1bと同様に、雑音電力が3dB改善される。しかも、4系統の差動信号が、2系統の差動信号にまとめられるので、差動アンプや差動絶対値コンパレータの数が半減され、消費電力も半減となる。
なお、受信装置15において、フィルタHPFは、減じる方の信号として差動の反対側の信号を加算器ADD11,ADD12,ADD13,ADD14に与えれば、加算処理のみで構成することも可能である。
[実施形態5]
〔無線通信装置〕
本発明に係る実施形態5について、図20を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態において、実施形態1〜4における構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記して、その説明を省略する。
図20は、実施形態5に係る無線通信装置21の構成を示すブロック図である。
図20に示す様に、無線通信装置21は、アンテナANTと、受信装置22と、送信装置23とを備えている。
受信装置21は、アンテナANTで受信したOOK(On/Off Keying)変調された無線信号を復調して復調データを出力する。この受信装置21は、前述の受信装置11〜15のいずれか1つで構成されている。送信装置22は、送信データをOOK変調して送信する。
上記の無線通信装置21は、受信装置21は、受信装置11〜15のいずれか1つで構成されることにより、消費電力を削減することができるとともに、有意な値が出力されないという問題を回避することができる。
[付記事項]
前述の各実施形態1〜4においては、バンドパスフィルタBPFは、SAWフィルタで構成されたり、受動素子または能動素子によりフィルタ等で構成されたりする。
また、バンドパスフィルタBPFは、用途によっては省略されてもよい。
さらに、バンドパスフィルタBPFと各復調装置DEMOD1〜DEMOD5との間に、LNA等のアンプが設けられていてもよい。
なお、図9に示すサンプリング・クロックΦ0,Φ90,Φ180,Φ270に対応する位相点数は、前述の様に、2点や4点に限定されるものではなく、2点以上であれば何点でもよい。また、位相差についても90°を中心に説明したが、90°に限定されるものではない。90°以外の位相差を用いる場合、図14に示すサンプリング・ミキサMIX1bにおける加算器ADD2の係数α1〜α4は、位相差に合わせた適当な値に設定される。
また、間欠サンプリングの頻度も、1シンボルに1回に限定されるものではなく、1回以上であればよい。
さらに、サンプリングを行うスイッチSW1,SW2等のスイッチは、サンプリングする位相以下の数が設けられ、互いに並列に設けられおればよい。これにより、スイッチのON・OFFを制御するサンプリング・クロックの周波数を低減することが可能となる。また、8点でサンプリングする場合、4個のスイッチを並列に配置して、各スイッチが1シンボルに2回サンプリングするようにすれば、サンプリング・クロッククロックの周波数をより一層低減することができる。したがって、受信装置11〜15の消費電力を低減することができる。
本発明に係る復調装置は、無線通信機能を持った無線センサノードで構成され、情報を収集する無線センサネットワークに用いられるOOK方式の無線通信の復調を低消費電力で実施することに好適に利用できる。本発明は、特に、無線センサネットワーク、医療、ヘルスケア、スマート・グリッド等のエネルギー監視・制御システム、遠隔処理の監視カメラ等の無線通信に有効であり、これらのシステムのボタン電池や太陽電池等による駆動が可能となる。
11〜15 受信装置
21 無線通信装置
ADD1,ADD2 加算器
AMP1〜AMP4 アンプ
C1,C2 キャパシタ(保持手段)
C11,C12,C21,C22 キャパシタ(保持手段)
C11a,C11b,C12a,C12b キャパシタ(保持手段)
C21a,C21b,C22a,C22b キャパシタ(保持手段)
GEN1,CGEN2 クロック生成回路(クロック生成手段)
CMP1〜CMP4 絶対値コンパレータ(コンパレータ)
DAMP1,DAMP2 差動アンプ
DCMP1,DCMP2 差動絶対値コンパレータ(コンパレータ)
DEMOD1〜DEMOD5 復調装置
DLY1,DLY2 遅延回路
HPF フィルタ
MIX サンプリング・ミキサ
MIX1,MIX2 サンプリング・ミキサ
MIX1a,MIX1b サンプリング・ミキサ
MIX10,MIX20 サンプリング・ミキサ
MIX31,MIX32 サンプリング・ミキサ
SW1,SW2 スイッチ(サンプリング手段)
SW11,SW12,SW21,SW22 スイッチ(サンプリング手段)
SW11a,SW11b,SW12a,SW12b スイッチ(サンプリング手段)
SW21a,SW21b,SW22a,SW22b スイッチ(サンプリング手段)
Φ0,Φ90,Φ180,Φ270 クロック
CLK1,CLK2 クロック

Claims (9)

  1. デジタル信号で変調されたキャリアを入力信号とする受信装置において、
    前記入力信号をサンプリングするサンプリング手段と、
    前記サンプリング手段でサンプリングされた入力信号を電圧として保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持された電圧を増幅するアンプと、
    前記アンプの出力電圧と参照電圧と比較するコンパレータとを備え、
    前記サンプリング手段は、受信可能な最低信号強度である最低受信感度で受信したときの前記入力信号の実効値をAc、温度および帯域幅で決まる熱雑音の二乗平均平方根の振幅をAnとすると、An/Ac<sinθの関係を満たす位相差θを確保するサンプリング点の対を少なくとも1つ有する2点以上で、1シンボルに1回以上、間欠的にサンプリングすることを特徴とする受信装置。
  2. 前記サンプリング手段は、1シンボルに1回の頻度で前記入力信号をサンプリングすることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記保持手段に保持された電圧に所定の帯域外の周波数成分を減衰させるフィルタ処理を施して前記アンプに出力するフィルタを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の受信装置。
  4. 前記フィルタは、保持手段に保持された電圧に所定の係数を乗じて加算する加算器であることを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  5. 前記サンプリング手段は、前記サンプリング点の数以下の数設けられ、互いに並列に設けられていることを特徴とする請求項に記載の受信装置。
  6. 準となる単一のクロックを遅延させることにより複数の位相の異なるクロックを生成し、かつ、これらクロックをサンプリングタイミングを規定するためのクロックとして前記サンプリング手段に供給する機能を持つクロック生成手段を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の受信装置。
  7. 前記入力信号が差動信号であり、
    前記サンプリング手段および前記保持手段が各差動信号について設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の受信装置。
  8. 前記サンプリング手段がスイッチであり、
    前記保持手段がキャパシタであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の受信装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の受信装置と、
    送信装置とを備えていることを特徴とする無線通信装置。
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