JP5403891B2 - β−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法 - Google Patents

β−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特定構造のアルコール及びβ−ジカルボニル化合物を原料としてβ−ジカルボニル化合物誘導体を製造する方法に関する。
β−ジカルボニル化合物誘導体は、製薬をはじめ、産業上の種々の分野で利用される重要な有機化合物である。このβ−ジカルボニル化合物誘導体を製造する方法としては、例えば、非特許文献1に開示されているように、アリルハライドやアリルエステル等のアルコールの活性種と、β−ジカルボニル化合物の塩を反応(辻−トロスト反応)させ、β−ジカルボニル化合物の活性水素部分に炭素−炭素結合を形成させる方法が知られている。
Tsuji,J.et al. Tetrahedron.Lett.1965,p4387
しかし、このような従来の方法は、パラジウム触媒等の高価な触媒を必要とする問題や、副生物としてハロゲン化物やカルボン酸塩等の化合物を生じるので環境上の問題もあった。さらに、アリルアルコールから、アリルハライドやアリルエステル等のアルコールの活性種を得る工程、β−ジカルボニル化合物からその塩を得る工程、等の手間を要し、原料の合成、入手が煩雑であるとの問題もあった。また、アルコールを出発として同様の反応を行う場合には、パラジウム触媒の他に添加剤(塩基等)を要する等の問題を有していた。
本発明は、このような事情に鑑みたものであり、β−ジカルボニル化合物誘導体を製造する方法であって、入手が容易な原料や安価な触媒を用い、短い反応時間で、かつハロゲン化物やカルボン酸塩等の環境上問題がある化合物を生成しない方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を達成するため、鋭意研究の結果、
特定の構造のアルコールとβ−ジカルボニル化合物を、
3〜5d遷移元素又はインジウムを含有する触媒の存在下、反応させることにより
入手が容易な原料や安価な触媒を用い、ハロゲン化物やカルボン酸塩等の環境上問題がある化合物を生成せずに、短い反応時間で、β−ジカルボニル化合物誘導体を製造できることを見出した。本発明者は、又、反応の際の加熱をマイクロ波照射により行うと、反応時間をより短くできることを見出し、本発明を完成した。
即ち、請求項1に記載の発明は、
下記一般式(I):
Figure 0005403891
(式中、
は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、2位が炭素数1〜4のアルキル基もしくはフェニル基で置換されていてもよいビニル基、もしくはハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
は、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表し、又は、
、R及びこれらに挟持される炭素で、炭素数4〜8の2−シクロアルケニル基を形成してもよく、
は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、
及びRは、互いに同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基、もしくはハロゲン、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表し、又はR、R及びこれらに挟持される炭素で、炭素数4〜8のシクロアルキル基を形成してもよい。)
で表されるβ−ジカルボニル化合物誘導体を合成する方法であって、
下記一般式(II):
Figure 0005403891
(式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
で表されるアルコールと、
下記一般式(III):
Figure 0005403891
(式中、R、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
で表される活性水素を有するβ−ジカルボニル化合物を、3〜5d遷移元素又はインジウムを含有する触媒の存在下、マイクロ波照射により加熱しながら反応させることを特徴とするβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法である。
この製造方法では、一般式(II)で表されるアルコール及び一般式(III)で表される化合物を、塩やハロゲン化物、エステル等の活性種に変換することなく、そのまま反応させる。従って、塩やハロゲン化物、エステル等の活性種に変換する工程が不要であり、この点原料の入手が容易になる。この反応においては、一般式(III)で表される化合物の活性水素、即ちカルボニル基間に挟持された炭素に結合している水素と、前記アルコールの水酸基間で脱水反応が生じ、炭素−炭素結合が形成される。従って、水のみを生成し、ハロゲン化物やカルボン酸塩等の環境上の問題がある化合物を生成しない。
又、この製造方法で使用される触媒、3〜5d遷移元素又はインジウムを含有する触媒であり、後述するように、鉄化合物等の安価な触媒が含まれる。従って、この点からも、製造コストの低減を達成することができる。
この製造方法は、反応系の加熱をマイクロ波照射により行うことも特徴とする。マイクロ波照射によれば、反応系は直接加熱されるので、熱伝導や対流による通常の加熱方法を採用した場合と比べ、反応系を短時間で均一に加熱できる。さらに、本発明者は、マイクロ波によれば、磁場成分と相互作用する触媒、例えば、鉄を含む触媒が選択的に直接加熱されること、従って、このような触媒を用いることにより、短時間で均一的に触媒を活性にでき反応が促進されることを見出した。即ち、反応系の加熱をマイクロ波照射により行えば、熱伝導や対流による通常の加熱方法を採用した場合と比べ、より短時間で反応を進行させることができ、製造効率の向上に寄与できる。
この製造方法に使用する原料である式(II)で表される化合物としては、
が、水素であり、Rが置換されていてもよいフェニル基である化合物、
が、炭素数1〜4のアルキル基、特にメチル基又はエチル基であり、Rが置換されていてもよいフェニル基である化合物、
が、2位が炭素数1〜4のアルキル基もしくはフェニル基で置換されていてもよいビニル基、例えば、式:−CH=CH、−CH=CH−ph(phは置換されていてもよいフェニルを表す。)で表される基であり、Rが置換されていてもよいフェニル基である化合物、
が、炭素数1〜4のアルコキシ基、特にメトキシ基又はエトキシ基であり、Rが置換されていてもよいフェニル基である化合物、及び
、R及びこれらに挟持される炭素で、炭素数4〜8の2−シクロアルケニル基を形成する化合物、例えば2−シクロヘキセノール、等を挙げることができる。
又、式(III)において、Rとしては、特に水素又はメチル、エチルが例示される。R及びRは、互いに同一の基であってもよく、又は異なった基であってもよい。R及びRが互いに同一の場合としては、例えば、R及びRがともに炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル、エチルの場合、ともに炭素数1〜4のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシの場合、ともに置換されていてもよいフェニル基の場合が挙げられる。R及びRが互いに異なる場合としては、例えば、Rが、炭素数1〜4のアルキル基であって、Rが、炭素数1〜4のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシの場合が挙げられる。
又、R、R及びこれらに挟持される炭素で形成される炭素数4〜8のシクロアルキル基としてはシクロペンタニル基、シクロヘキサニル基が例示される。
なお、前記のR、R、R及びRの例示において、置換されていてもよいフェニル基とは、無置換のフェニル基、及びハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されているフェニル基(特にパラ位が置換されているフェニル基)から選ばれる基を意味する。
この製造方法での反応は、反応溶媒を用いずに行ってもよいし、反応溶媒を使用して行ってもよい。反応溶媒としては、トルエン等の芳香族炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロエタン、アセトニトリル等を挙げることができる。
反応温度の好ましい範囲は、原料や溶媒の種類、所望の反応時間、所望の収率により変動し、特に限定されないが、反応温度が高い程反応速度が大きいので、溶媒の沸点以下の範囲で、なるべく高い方が好ましい。なお、反応温度や原料や溶媒の種類等の条件が同じ場合は、熱伝導や対流による従来に加熱方法を採用した場合と比べて、マイクロ波により加熱する本発明の場合は、所望の収率をより短時間で達成することができる。
本発明は、前記請求項1の製造方法に加えて、そのより具体的な態様、又はより好ましい態様として、以下に示す、β−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法を提供する。
請求項2は、3〜5d遷移元素又はインジウムを含有する前記触媒が、鉄、スカンジウム、銅、インジウム、亜鉛、ルテニウム、モリブデン、クロム、銀、白金又はタンタルを含有する触媒であることを特徴とする請求項1に記載のβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法である。
3〜5d遷移元素とは、元素の周期表の、第3〜5周期に含まれる、3〜12族の元素である。特に請求項2に記載の、スカンジウム、銅、亜鉛及びクロム等の3d遷移元素(第3周期)、ルテニウム、モリブデン及び銀等の4d遷移元素(第4周期)、白金及びタンタル等の5d遷移元素(第5周期)を挙げることができる。又、第4周期に含まれるインジウムは、遷移元素ではないが、これを含む触媒も、本発明において好ましく用いられる。
請求項3は、3〜5d遷移元素又はインジウムを含有する前記触媒が、鉄を含有する触媒であることを特徴とする請求項1に記載のβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法である。又、請求項4は、前記鉄を含有する触媒が、ハロゲン化第2鉄であることを特徴とする請求項3に記載のβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法である。ハロゲン化第2鉄としては、塩化第2鉄(FeCl)を挙げることができる。
請求項5は、Rが、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシで置換されていてもよいフェニル基であり、かつRが、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシで置換されていてもよいフェニル基であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法である。この場合、RとRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
請求項6は、Rが炭素数1〜4のアルキル基であり、Rがハロゲン、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシで置換されていてもよいフェニル基であり、
が、炭素数1〜6のアルキル基であり、又はR、R及びこれらに挟持される炭素で、炭素数4〜8のシクロアルキル基が形成され、
かつ、Rが、炭素数1〜4のアルコキシ基であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法である。
この請求項5又は請求項6に記載の製造方法の場合、塩化第2鉄等の鉄を含有する触媒を使用することにより、高い反応収率が得られる。
請求項7は、3〜5d遷移元素又はインジウムを含有する前記触媒が、Sc(OTf)又はCu(OTf)であり、
が、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又はハロゲン、炭素数1〜4のアルキルもしくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されていてもよいフェニル基であり、
かつ、Rが、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシで置換されていてもよいフェニル基であることを特徴とする請求項1に記載のβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法である。ここで、Tfとは、−SO−CFを表す。
本発明において使用される触媒としては、Sc(OTf)やCu(OTf)も挙げることができ、これらの触媒を使用し、かつ、式(II)におけるRが、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又はハロゲン、炭素数1〜4のアルキルもしくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されていてもよいフェニル基であり、かつ、Rが、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシで置換されていてもよいフェニル基であるアルコールを原料として使用した場合、高い収率が得られる。
請求項8は、3〜5d遷移元素又はインジウムを含有する前記触媒が、ハロゲン化インジウムであることを特徴とする請求項1に記載のβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法である。前記のように、本発明において使用される触媒として、インジウムを含有する触媒を用いることができるが、インジウムを含有する触媒として、より具体的には、臭化インジウム(InBr)、塩化インジウム(InCl)等のハロゲン化インジウムを例示することができる。ハロゲン化インジウムを触媒とした場合、例えば、式(II)におけるRが、水素、炭素数1〜4のアルキル基であり、かつRが、パラ位がハロゲン又は炭素数1〜4のアルキルで置換されていてもよいフェニル基であるアルコールを原料として用いたとき、高い収率が得られる。
なお、請求項2〜8に記載の製造方法における反応の好ましい条件、例えば、加熱方法、反応温度、溶媒の種類は、前記の請求項1における反応の場合と同様である。
本発明の製造方法によれば、入手が容易な原料や安価な触媒を用い、短い反応時間で、産業上の種々の分野で利用される重要な有機化合物であるβ−ジカルボニル化合物誘導体を、製造することができる。しかも、この製造方法によれば、ハロゲン化物やカルボン酸塩等の環境上の問題がある化合物を生成しない。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例に基づき説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
実施例1
ジフェニルメタノール1.0mmol、1、2−ジメチル−3−エトキシ−1,3−ジケトン1.0mmol、及び塩化第2鉄0.05mmolを、反応容器に入れた2.5mlのトルエン中に溶解し、マイクロ波をマイクロ波照射装置より照射し、110℃に加熱して、下記式(IV)で表される反応を行い、反応時間と生成物A及び生成物Bの収率との関係を求めた。その結果を表1、図1に示す。
なお、収率の測定は、所定の反応時間後、室温まで急冷して得られた試料について、ガスコロマトグラフィーやNMR等の測定を行い、定量することにより行った。以下の実施例、比較例においても同様である。
Figure 0005403891
比較例1
マイクロ波照射をせずに、オイルバスにより110℃に加熱した以外は、実施例1と同様にして、前記式(IV)で表される反応を行い、反応時間と生成物A及び生成物Bの収率との関係を求めた。その結果も表1、図1に示す。なお、オイルバスによる加熱は、予め110℃に加熱したオイルバスに反応系を漬ける方法により行い、所定の反応時間後、オイルバスより反応系を取り出し、室温まで急冷して収率を測定した。下記の比較例2〜5においても同様である。
Figure 0005403891
実施例2
下記式(V)で表される反応を、反応原料をそれぞれ1.0mmol、触媒として塩化第2鉄0.05mmol、溶媒として2.5mlのトルエンを用い、実施例1と同様にしてマイクロ波照射により110℃に加熱して行い、反応時間と生成物の収率との関係を求めた。その結果を表2、図2に示す。
Figure 0005403891
比較例2
マイクロ波照射をせずに、オイルバスにより110℃に加熱した以外は、実施例2と同様にして、前記式(V)で表される反応を行い、反応時間と生成物の収率との関係を求めた。その結果も表2、図2に示す。
Figure 0005403891
実施例3
下記式(VI)で表される反応を、反応原料をそれぞれ1.0mmol、触媒として塩化第2鉄0.05mmol、溶媒として2.5mlのトルエンを用い、実施例1と同様にしてマイクロ波照射により110℃に加熱して行い、反応時間と生成物の収率との関係を求めた。その結果を表3、図3に示す。
Figure 0005403891
比較例3
マイクロ波照射をせずに、オイルバスにより110℃に加熱した以外は、実施例3と同様にして、前記式(VI)で表される反応を行い、反応時間と生成物の収率との関係を求めた。その結果も表3、図3に示す。
Figure 0005403891
実施例4
下記式(VII)で表される反応を、反応原料をそれぞれ1.0mmol、触媒として塩化第2鉄0.03mmol、溶媒として2.5mlのトルエンを用い、加熱温度を90℃とした以外は実施例1と同様にしてマイクロ波照射を行い、反応時間と生成物の収率との関係を求めた。その結果を表4、図4に示す。
Figure 0005403891
(式(III)において、R、R及びこれらに挟持される炭素で、シクロペンタニル基が形成される場合に該当する。)
比較例4
マイクロ波照射をせずに、オイルバスにより90℃に加熱した以外は、実施例4と同様にして、前記式(VII)で表される反応を行い、反応時間と生成物の収率との関係を求めた。その結果も表4、図4に示す。
Figure 0005403891
実施例5
下記式(VIII)で表される反応を、反応原料をそれぞれ1.0mmol、触媒として塩化第2鉄0.03mmol、溶媒として2.5mlのトルエンを用い、加熱温度を90℃とした以外は実施例1と同様にしてマイクロ波照射を行い、反応時間と生成物の収率との関係を求めた。その結果を表5、図5に示す。
Figure 0005403891
比較例5
マイクロ波照射をせずに、オイルバスにより90℃に加熱した以外は、実施例5と同様にして、前記式(VIII)で表される反応を行い、反応時間と生成物の収率との関係を求めた。その結果も表5、図5に示す。
Figure 0005403891
図1〜5及び表1〜5に示される結果より明らかなように、反応系の加熱がマイクロ波照射により行われた本発明例(実施例1〜5)では、短時間で高い収率が得られるのに対し、オイルバスによる加熱がされた比較例1〜5では、短時間では本発明例よりはるかに低い収率しか得られていない。即ち、この結果は、本発明の製造方法により、安価な触媒(塩化第2鉄)を使用し、短い反応時間で実用的な量の目的化合物が得られることを示している。
実施例6〜8、参考例1
下記の反応を、表6に示す触媒、反応温度、反応時間、溶媒、加熱方法で行い、その収率を求めた。その結果を同表中に示す。なお、溶媒量は2.5〜3mlであり、同表中の加熱方法のMWはマイクロ波照射により加熱を行ったことを示し、オイルバスはオイルバスにより通常の加熱を行ったことを示す。表7以後の表においても同じである。
Figure 0005403891
表6の結果より、下記のような反応では、触媒として、Sc(OTf)、Cu(OTf)、InBrを用いれば高い収率でβ−ジカルボニル化合物誘導体を製造できることが示されている。
Figure 0005403891
実施例9〜10、参考例2
下記の反応を、表7に示す触媒、反応温度、反応時間、溶媒、加熱方法で行い、その収率を求めた。その結果を同表中に示す。なお、溶媒量は2.5〜3mlである。表7の結果より、下記のような反応では、触媒としてInBrを用いれば高い収率でβ−ジカルボニル化合物誘導体を製造できることが示されている。
Figure 0005403891
Figure 0005403891
実施例11
下記の反応を、表8に示す触媒、反応温度、反応時間、溶媒、加熱方法で行い、その収率を求めた。その結果を同表中に示す。なお、溶媒量は2.5〜3mlである。表8の結果より、下記のような反応では、触媒としてInBrを用いれば高い収率でβ−ジカルボニル化合物誘導体を製造できることが示されている。
Figure 0005403891
Figure 0005403891
実施例12〜14、参考例3
下記の反応を、表9に示す触媒、反応温度、反応時間、溶媒、加熱方法で行い、その収率を求めた。その結果を同表中に示す。なお、溶媒量は2.5〜3mlである。表9の結果より、下記のような反応では、触媒として、Sc(OTf)、Cu(OTf)、InBrを用いれば高い収率でβ−ジカルボニル化合物誘導体を製造できることが示されている。
Figure 0005403891
Figure 0005403891
実施例15〜17、参考例4
下記の反応を、表10に示す触媒、反応温度、反応時間、溶媒、加熱方法で行い、その収率を求めた。その結果を同表中に示す。なお、溶媒量は2.5〜3mlである。表10の結果より、下記のような反応では、触媒として、FeCl、InClを用いれば高い収率でβ−ジカルボニル化合物誘導体を製造できることが示されている。
Figure 0005403891
Figure 0005403891
実施例18
下記の反応を、表11に示す触媒、反応温度、反応時間、溶媒、加熱方法で行い、その収率を求めた。その結果を同表中に示す。なお、溶媒量は2.5〜3mlである。表11の結果より、下記のような反応では、触媒として、ZnBrを用いれば高い収率でβ−ジカルボニル化合物誘導体を製造できることが示されている。
Figure 0005403891
Figure 0005403891
実施例19〜28
下記の反応を、表12に示す触媒、反応温度、反応時間、溶媒、加熱方法で行い、その収率を求めた。その結果を同表中に示す。なお、溶媒量は3mlである。表12の結果より、下記のような反応では、触媒として、ZnBr、RuCl、HPtCl・6HO、Sc(OTf)、TaI、Cu(Otf)やFeClを用いれば高い収率でβ−ジカルボニル化合物誘導体を製造できることが示されている。又、MoCl、CrCl、AgClOを用いた場合でも、β−ジカルボニル化合物誘導体を製造できることが示されている。
Figure 0005403891
Figure 0005403891
実施例29〜33
下記反応式で示される反応を、触媒としてFeCl(5mol%)を用い、2.5〜3mlのトルエン中で、マイクロ波照射により110℃に加熱して行った。それぞれの反応時間及びその収率を反応式の下に示す。この結果より、下記反応式で示されるような反応では、FeClを触媒として用いれば高い収率でβ−ジカルボニル化合物誘導体を製造できることが示されている。
Figure 0005403891
反応時間:15分、収率:98%(実施例29)
Figure 0005403891
反応時間:20分、収率:98%(実施例30)
Figure 0005403891
反応時間:20分、収率:98%(実施例31)
Figure 0005403891
反応時間:20分、収率:97%(実施例32)
Figure 0005403891
反応時間:20分、収率:95%(実施例33)
実施例34〜38
下記反応式で示される反応を、触媒としてFeClを用い、溶媒を用いずに、マイクロ波照射により加熱して行った。それぞれの触媒量(アルコールに対するmol%)、反応(加熱)温度、反応時間及びその収率を反応式の下に示す。この結果より、下記反応式で示されるような反応では、FeClを触媒として用いれば高い収率でβ−ジカルボニル化合物誘導体を製造できることが示されている。
Figure 0005403891
触媒量:5mol%、反応温度:110℃、反応時間:20分、収率:99%(実施例34)
Figure 0005403891
触媒量:5mol%、反応温度:110℃、反応時間:20分、収率:98%(実施例35)
Figure 0005403891
触媒量:5mol%、反応温度:110℃、反応時間:20分、収率:98%(実施例36)
Figure 0005403891
触媒量:5mol%、反応温度:135℃、反応時間:45分、収率:20%(実施例37)
触媒量:10mol%、反応温度:135℃、反応時間:45分、収率:31%(実施例38)
実施例1及び比較例1における反応時間と生成物Aの収率の関係を示すグラフ図である。 実施例2及び比較例2における反応時間と収率の関係を示すグラフ図である。 実施例3及び比較例3における反応時間と収率の関係を示すグラフ図である。 実施例4及び比較例4における反応時間と収率の関係を示すグラフ図である。 実施例5及び比較例5における反応時間と収率の関係を示すグラフ図である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I):
    Figure 0005403891

    (式中、
    は、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
    は、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
    は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、
    及びRは、互いに同一又は異なって、アルキル基を表す。)
    で表されるβ−ジカルボニル化合物誘導体を合成する方法であって、
    下記一般式(II):
    Figure 0005403891

    (式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
    で表されるアルコールと、下記一般式(III):
    Figure 0005403891

    (式中、R、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
    で表される活性水素を有するβ−ジカルボニル化合物を、ハロゲン化白金酸、ハロゲン化タンタル及びCu(OTf) からなる群より選ばれる触媒の存在下、マイクロ波照射により加熱しながら反応させることを特徴とするβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法。
  2. 及びR はフェニル基を表し、R は水素を表すことを特徴とする請求項1に記載のβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法。
  3. 触媒が、塩化白金酸であることを特徴とする請求項2に記載のβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法。
  4. 触媒が、ハロゲン化タンタルであることを特徴とする請求項2に記載のβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法。
  5. 触媒が、Cu(OTf) であることを特徴とする請求項2に記載のβ−ジカルボニル化合物誘導体の製造方法。
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