JP5400688B2 - 提案仕様書作成支援方法、プログラムおよび提案仕様書作成支援装置 - Google Patents
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Description
その他の解決手段については、実施形態中において適宜記載する。
まず、図1〜図29を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
《装置構成》
図1は、第1実施形態に係る提案仕様書作成支援装置の構成例を示すブロック図である。
提案仕様書作成支援装置1は、要求仕様書50の入力をうけて、要求仕様書50と、自社仕様書とで異なる箇所が解説されている回答書61や、交渉の結果、到達した仕様書である提案仕様書62を出力する処理部10、各種情報を格納する記憶部20、案件毎の情報を管理する案件データバッファ30、入力部40および出力部60を有している。これらのうち、案件データバッファ30については、図2を参照して後記する。
要注意箇所抽出ルールテーブル21は、他社から提出された要求仕様書50において、自社の標準仕様書(以降、自社仕様書と称する)とは異なる要注意箇所を抽出するためのルールが格納されている。要注意箇所抽出ルールテーブル21については、図4〜図6を参照して後記する。
キーワードテーブル22には、条項に記載されている内容を推定するキーワードである重要語、この重要語の同義語および関連語が記憶されている。キーワードテーブル22については、図7を参照して後記する。
自社仕様書条項テーブル23には、自社仕様書の構成が格納されている。自社仕様書条項テーブル23については、図8を参照して後記する。
ノウハウ情報テーブル25には、要注意箇所として抽出された理由であるノウハウ情報が格納されている。ノウハウ情報テーブル25については、図10を参照して後記する。
提案仕様書雛型26には、提案仕様書62を作成するために使用する文書の雛型が格納されている。提案仕様書雛型26については、図11を参照して後記する。
差分リスト27には、最初の回答書61(初回回答書61a)と、最後の回答書61(最終回答書61b:編集された回答書)との差分が格納されている。なお、回答書61は、複数回にわたる顧客との交渉によって変更されていくものである。差分リスト27については、図27を参照して後記する。
要注意箇所抽出部11は、要注意箇所抽出ルールテーブル21、キーワードテーブル22、自社仕様書条項テーブル23を使用して、要求仕様書50に含まれる要注意箇所などを抽出し、その結果を出力部60に表示することによってユーザに提示する機能を有している。
提案仕様書作成部13は、初回回答書61aと、最終回答書61bとの差分を抽出し、差分リスト27を作成すると共に、契約案件に対して適切な提案仕様書雛型26を検索し、提案仕様書62を作成し、出力部60に出力する機能を有する。なお、回答書61、提案仕様書62を出力する際に必要な情報は、案件データバッファ30に保存する。
図2は、第1実施形態に係る案件データバッファの構成例を示すブロック図である。
案件データバッファ30は、案件管理テーブル32、回答書データファイル33、要求仕様書データファイル34および顧客−自社仕様書条項対応テーブル35を有している。
案件管理テーブル32は、提案仕様書作成支援装置1で扱う全契約案件を管理するテーブルであり、1つだけ存在する。案件管理テーブル32については、図12を参照して後記する。
回答書データファイル33は、回答書作成部12の処理結果が格納されているデータであり、回答書61を作成するために必要なデータである。具体的には、図18のフローチャートのステップS211の段階で作成されるものであり、要求仕様書50中の要注意箇所とそれに付随するデータが格納されている。また、回答書データファイル33は、1バージョンで1ファイルとなっており、更新されるごとに別ファイルとして保存される。例えば、作成された日時をファイル名に含めることでバージョン管理が可能であり、顧客との交渉の状況に応じて複数のバージョンを持つことがありうる。回答書データファイル33については、図19を参照して後記する。
顧客−自社仕様書条項対応テーブル35は、自社仕様書の条項と、要求仕様書50の条項との対応関係が格納されているテーブルである。顧客−自社仕様書条項対応テーブル35については、図21を参照して後記する。
図3は、第1実施形態に係る提案仕様書作成支援装置におけるハードウェア構成例を示す図である。
CPU(Central Processing Unit)101は、本実施形態に係るすべての処理を制御する機能を有する。メモリ102は、本実施例において必要なデータを、システムの動作が終了するまで保持するRAM(Random Access Memory)などの主記憶装置である。表示装置103は、図1における出力部60に相当し、処理結果を表示してユーザに提示する装置であり、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)モニターなどである。
読取装置104は、図1における入力部40に相当し、要求仕様書50を読み込む装置である。読取装置104として、スキャナや、要求仕様書50のテキストデータを生成するためのソフトウェアなどが考えられる。ソフトウェアとしては、例えばOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)のソフトウェアなどが用いられる。ただし、要求仕様書50がテキストデータである場合は、読取装置104は必ずしも必要ではなく、要求仕様書50が紙への印刷物である場合のみ読取装置104が必要になる。
次に、適宜図1〜図3を参照しつつ、図4〜図12に沿って、本実施形態で用いられる各種テーブルの説明を行う。
(要注意箇所抽出ルールテーブル)
図4〜図6は、本実施形態に係る要注意箇所抽出ルールテーブル21の例を示す図である。
図4は、キーワードベースによる要注意箇所抽出ルールテーブルの例を示す図である。
図4の要注意箇所抽出ルールテーブル21a(21)において、Noはルール番号を示す。自社仕様書条項番号は、ルール適用の対象となる自社仕様書の条項番号である。
自社仕様は、自社仕様書条項番号で示された自社仕様書の該当条項における標準仕様を示すキーワードである。なお、図6における標準仕様とは、自社仕様書で推奨されている語句である。
要注意語は、自社仕様に適合しない要注意キーワードであり、要求仕様書50に存在したら注意すべきものである。例えば、レコード401の例では、自社仕様書では、「plastic」を推奨しているが、要求仕様書50で「stainless」が登場したら、要注意語として抽出することを示している。
ノウハウは、当該要注意語が要注意である理由や、回答文を修正する際の注意点などのノウハウ情報の番号であり、図10のノウハウ情報テーブル25の番号とリンクしているものである。
図5の要注意箇所抽出ルールテーブル21b(21)において、No、自社仕様書条項番号、自社仕様、回答文およびノウハウについては、図4と同様であるので説明を省略する。
自社仕様と単位は、ペアの情報であり、自社仕様書条項番号で示された自社仕様書の条項における自社仕様を示す数値である。要注意条件は、要求仕様書50から要注意箇所を抽出する際に、要注意とみなす基準であり、すなわち、当該条件が成立する箇所が要注意箇所となる。例えば、レコード501の例では、要求仕様書50うち、自社仕様書の第4章(自社仕様書条項番号)に関連する内容が書かれている条項に、12000dollarsより小さい数値が存在する箇所が要注意語として抽出される。
要注意箇所抽出ルールは、図4に示すキーワードベースや、図5に示す数値ベースだけでなく、数値やキーワードの組み合わせ、同様のスキーマとしたルールを実現することも可能である。このようなルールによる要注意箇所抽出ルールテーブル21cについて図6を参照して説明する。図6に示す要注意箇所抽出ルールテーブル21c(21)は、キーワードベースの要注意箇所抽出ルールテーブル21aの変形である。
なお、図6において、No、自社仕様書条項番号、自社仕様、回答文およびノウハウについては、図4と同様であるので説明を省略する。
例えば、レコード601の場合、アイテムは、「duct」と「made by」であり、自社仕様は「carbon steel」である。これは、自社仕様書において、ダクト(duct)の材料はカーボンスチール(carbon steel)であるということを意味する。つまり、自社仕様書に従った仕様であれば、「duct」と「made by」、「carbon steel」が所定範囲内(レコード601の例では30語)以内に現れるはずである。
しかしながら、「duct」、「made by」、「carbon steel」のすべてが30語以内に存在しない場合、この要求仕様書50は、自社仕様書に従った仕様ではないことを意味するため、要注意箇所となる。
図7は、本実施形態に係るキーワードテーブルの例を示す図である。
キーワードテーブル22は、条項番号に対応した重要語、同義語、関連語が格納されている。ここで、重要語とは、該当する条項に記載されている内容を推定するキーワードとなる語である。
重要語と同義語は、ほぼ同等の意味を持つ語であり、関連語は、重要語ほどの重要性はないが、関連する語である。なお、図7では重要語と同義語を別々のカラムに格納しているが、区別せずに重要語として両者を一緒に格納してもよい。
図8は、本実施形態に係る自社仕様書条項テーブルの例を示す図である。
自社仕様書条項テーブル23は、自社仕様書の条項構成に関する情報を格納するテーブルであり、条項番号と、それに対応する条項名が格納されている。なお、条項番号は、キーワードテーブル22における検索キーのひとつとなる。
図9は、本実施形態に係る回答文雛型情報の例を示す図である。
回答文雛型情報24は、回答文雛型番号と回答文雛型を有している。回答文雛型番号は、図4〜図6の要注意箇所抽出ルールテーブル21の回答文のカラムに格納されている番号とリンクするものである。
図10は、本実施形態に係るノウハウ情報テーブルの例を示す図である。
ノウハウ情報テーブル25は、ノウハウ番号とノウハウ情報を有している。ノウハウ番号は、図4〜図6の要注意箇所抽出ルールテーブル21のノウハウのカラムに格納されている番号とリンクするものである。
図11は、本実施形態に係る提案仕様書雛型の例を示す図である。
図11では、XML(eXtensible Markup Language)を使用した提案仕様書雛型26の例を示している。後記する図22のステップS406の、書換箇所が存在する条項の抽出処理のためには、何らかの方法で条項情報を事前に定義しておく必要があり、XMLはそれに適したフォーマットである。
図11の符号1101における<section>タグは、条項データを表す。<section>タグのlevelパラメータは、条項の階層レベルを表しており、level=1とは最上位レベルを意味する。その下に節がある場合、levelパラメータの数値は大きくなり、例えば、図11には図示していないが、「1.1 Shipment」という節があった場合には<section level=2>という記述になる。
また、符号1102における<section_name>タグは、条項名を示し、<section>タグ1101の下のレベルに存在する。
また、ワープロソフトで、条項が定義可能なものも市販されており、そのフォーマットを解析することによって条項がわかれば、XMLではなく、そのフォーマットを用いることにしてもよい。その場合には、テキストデータ以外のデータについても含めておくことが好適である。
図12は、本実施形態に係る案件管理テーブルの例を示す図である。
案件管理テーブル32において、案件名は、契約案件の名称である。作成日は、当該の契約案件データを作成した日付である。顧客名は、当該契約の顧客の名前である。契約形態は、FOB(Free on Board)など、契約に際しての取引条件である。最終更新日は、当該契約案件データを最後に更新した日付である。契約書データファイル名は、要求仕様書データファイル34の名前である。
次に、図13〜図29を参照して、第1実施形態の提案仕様書作成支援装置1が行う処理を説明する(適宜、図1〜図12参照)。
(全体処理シーケンス)
図13は、本実施形態に係る提案仕様書作成支援装置とユーザの操作を含めた全体処理シーケンス図である。
ユーザが入力部40を介して要求仕様書50を提案仕様書作成支援装置1に入力する(S101)ことによって、提案仕様書作成支援装置1は要求仕様書50を読み込み(S102)、要求仕様書50における要注意箇所を抽出する(S103)。
ユーザは、提示された回答書61を修正する(S106)。具体的には、不要な回答を削除したり、抜けている回答を追加したりする。こうして作成されるのが初回回答書61aであり、ユーザは、入力部40を介して初回回答書61aを提案仕様書作成支援装置1に入力し(S107)、提案仕様書作成支援装置1は、この初回回答書61aを記憶部20に保存する(S108)。
また、ユーザはこの初回回答書61aを基に顧客と交渉し、交渉内容に基づいて、さらに回答書61を修正する(S109)。なお、顧客との交渉は1回で済むとは限らないため、ステップS109は何回か繰り返すこともある。そして、顧客との交渉が終わり、最後の交渉後にユーザが修正した回答書61が最終回答書61bとなる。
そして、提案仕様書作成支援装置1は、提案仕様書雛型26を読み込み(S112)、書き換えが必要な箇所(書換箇所)を提案仕様書雛型26に提示し(S113)、これを提案仕様書62としてファイル出力する(S114)。提示された書き換え箇所を参考に、出力された提案仕様書62をユーザが修正する(S115)ことによって、顧客に提出する最終的な提案仕様書62が完成する。ステップS111〜S114の詳細は、図22を参照して後記する。
図14は、本実施形態に係るメイン画面の例を示す図である。
メイン画面1400は、本実施形態の提案仕様書作成支援装置1の機能が起動されると、出力部60に表示される画面である。
メイン画面1400は、要注意箇所一覧表示エリア1401、要求仕様書表示エリア1410、処理メニュー表示エリア1420を有している。
処理メニューには、要求仕様書読込ボタン1421、条項抽出ボタン1422、要注意箇所抽出ボタン1423、要注意箇所抽出ルール編集ボタン1424、回答書編集ボタン1425、回答書出力ボタン1426、提案仕様書出力ボタン1427、終了ボタン1428の各ボタンを有している。
条項抽出ルールは複数設定することが可能であり、「2.3 General Information」のような条項名も抽出する場合は「^([0−9]+¥.[0−9]+)[ ¥t]+[a−zA−Z ]+」という条項抽出ルールを要求仕様書評価ルールテーブルに併せて設定しておくことが可能である。
なお、要注意箇所1402,1405,1406は下線が引かれた状態で示されているが、実際には太字で斜体表示されている。また、要注意箇所1403,1404は四角枠で囲まれた状態で示されているが、実際には蛍光ペン機能などで強調表示されている。
ユーザが、回答書編集ボタン1425を選択入力すると、図15で後記する回答書編集画面1500が、例えば、別ウィンドウで開き、ユーザは図13のステップS106や、ステップS109の回答書61の修正を行うことができる。
ユーザが、回答書出力ボタン1426を選択入力すると、提案仕様書作成支援装置1は回答書61を図15に示す回答書編集画面1500として出力部60などに出力する(図13のステップS105)。
ユーザが、提案仕様書出力ボタン1427を選択入力すると、提案仕様書作成支援装置1は提案仕様書62を作成し(図13のステップS111〜S113)、作成した提案仕様書62を出力部60に出力する(図13のステップS114)。
ユーザが、終了ボタンを選択入力すると、提案仕様書作成支援装置1は処理を終了し、メイン画面1400を閉じる。
図15は、本実施形態に係る回答書編集画面の例を示す図である。
回答書編集画面1500は、図13のステップS106およびステップS109の回答書61の修正処理において出力部60に表示されるものである。
回答書編集画面1500は、処理、条項、要注意箇所、回答文、ノウハウの各カラムを有している。これらの各カラムは、回答書編集画面1500が起動された際において、内容は既に埋まっている。
ユーザが、終了ボタン1502を選択入力すると、提案仕様書作成支援装置1は、その時点までの編集内容を保存するか否かを尋ねる図示しないダイアログボックスを出力部60に表示し、保存するように指示すれば編集内容が回答書データファイル33に保存される。なお、保存しない場合でも、一時保存されていた編集内容については、編集前の状態に戻すことはできない。その後、回答書編集画面1500が提案仕様書作成支援装置1によって閉じられ、図14のメイン画面1400に戻ることにより回答書61の修正処理が終了する。なお、前記したように、回答書データファイル33は、保存されるたびに新たに作成される。
図16は、本実施形態に係る回答書出力のフォーマットの例を示す図である。
実装上のフォーマットとしては、CSV(Comma Separated Value)や、市販の表計算ソフトウェアのフォーマットが好適である。
回答書61の出力フォーマットは、No、ページ、条項番号、条項名、要注意箇所、回答文を有している。
Noは、各回答項目に付与される通し番号を表示するカラムである。ここで、回答項目とは回答書61の1レコードを示すものである。
ページ、条項番号、条項名はそれぞれ、要求仕様書50において当該回答項目が存在する要求仕様書50のページ番号、条項番号、条項名を示すカラムである。要注意箇所は、当該回答を出すに至った要求仕様書50中の要注意箇所を示すカラムであり、回答文は、当該回答項目に関する回答文を示すカラムである。回答書61を表計算ソフトウェアなどで開き、印刷すれば、顧客への回答書61が完成する。
また、回答書61は、回答書編集画面1500(図15)で編集するだけでなく、表計算ソフトウェアなどで開いて編集した上で、ユーザへ提示する回答書61とすることも可能である。
図17は、本実施形態に係る提案仕様書の例を示す図である。
書換箇所1701は、太字と斜体などで強調表示されており、書き換えが必要な旨をユーザに知らせる。なお、図17では、下線で強調表示されているが、実際には太字・斜体となっている。
さらに、書き換えがある条項の先頭には、表示1702が表示されており、当該条項の中に書き換えが必要な箇所が存在することを示している。
提案仕様書62は、前記したようにXMLで作成されるのが好適であり、書換箇所1701と表示1702は、差分リスト27において該当する回答項目(レコード)へリンクが張られている。これをブラウザなどで表示し、クリックすることによって、差分リスト27の該当箇所を表示することが可能である。
図18は、図13のステップS102〜S104の詳細な手順を示すフローチャートである。
まず、要注意箇所抽出部11は、入力部40を介して要求仕様書50を読み込む(S201)。これは、紙に印刷されたものをスキャナなどで読み込んでOCRでテキスト化するか、すでにテキストファイルになっているものを読み込むなどで行なわれる。なお、ステップS201は図13のステップS102に対応する処理である。
次に、要注意箇所抽出部11は、入力された要求仕様書50から条項を抽出する(S202)。これは、ユーザが図14の条項抽出ボタン1422を選択入力することで行なわれる機能であり、図14の説明において前記した条項抽出ルールに基づいて条項を抽出する。
次に、ユーザは、提案仕様書雛型26(図11)を選択する(S203)。提案仕様書雛型26は、契約内容に応じて複数保持されている。例えば、扱う商品や顧客等に応じて契約内容が異なることがあるため、1種類の提案仕様書雛型26だけでは対応できない場合がある。そこで、使用する提案仕様書雛型26を選択する画面(不図示)で表示し、使用する雛型をユーザに選択させる。
次に、要注意箇所抽出部11は、要注意箇所抽出ルールテーブル21から、適用ルールを1つ読み込む(S205)。図4〜図6に示すように、要注意箇所抽出ルールテーブル21には、要注意となるキーワード(要注意語)、数値あるいはそれらの組み合せによる要注意箇所抽出ルールが定義されており、さらにそれぞれの要注意箇所抽出ルールが、要求仕様書50のどの条項に適用されるかという情報も格納されている。
次に、要注意箇所抽出部11は、要注意箇所抽出ルールに従って、要注意箇所の抽出を実行し(S206)、要求仕様書50において要注意箇所抽出ルールに合致する箇所(要注意箇所)を検索する。これは、要注意箇所抽出部11がステップS205で読み込んだ要注意箇所抽出ルールを1つずつ要求仕様書50に適用し、要注意箇所抽出ルールに合致するかどうかを調べる処理である。なお、この要注意箇所抽出ルールは、要注意箇所抽出ルールテーブル21の自社仕様書条項番号に該当する条項のみに適用する。前記したように、自社仕様書条項番号が「0」の場合、要注意箇所抽出部11は要求仕様書50全体を対象に要注意箇所の抽出を実行する。
ステップS206の具体例は、図4〜図6の説明で前記したため、ここでは省略する。
ステップS207の結果、要注意箇所が見つからない場合(S207→No)、要注意箇所抽出部11は、ステップS205へ処理を戻し、要注意箇所抽出ルールテーブル21から次の要注意箇所抽出ルールを読み込んで処理を実行する。なお、すべての要注意箇所抽出ルールに関して要注意箇所が見つからない場合、要注意箇所抽出部11は、図18の処理を終了する。
ステップS207の結果、要注意箇所が見つかった場合(S207→Yes)、要注意箇所抽出部11は、要求仕様書50から、当該要注意箇所を含む文とその前後1文を抽出する(S208)。これは、要注意箇所の前後の文をユーザに示すことにより、ユーザが要求仕様書50のどの場所が要注意箇所であるのかを特定しやすくするための処理である。なお、前後何文を抽出するかは、記載ポリシで任意に設定可能であり、前後2文以上でもよいし、抽出された要注意箇所を含む文だけを抽出してもよい。
ステップS209の結果、要求仕様書全体を対象に要注意箇所の抽出を実行していない場合(S209→No)、要注意箇所抽出部11はステップS211へ処理を進める。
ステップS209の結果、要求仕様書全体を対象に要注意箇所の抽出を実行した場合(S209→Yes)、要注意箇所抽出部11は、要求仕様書50において要注意箇所を含む条項名を抽出し(S210)、回答書データファイル33に書き込むためのデータを取得すると、回答書作成部12が、適用ルール(ステップS205で読み込んだ要注意箇所抽出ルール)、要注意箇所を含む文と前後1文、要注意箇所を含む条項名といった、データを案件データバッファ30(バッファ)の回答書データファイル33(図19)に追加する(S211)。
ここで、図19を参照して回答書データファイル33について説明する。
図19は、本実施形態に係る回答書データファイルの例を示す図である。
この回答書データファイル33は、要注意箇所と、それに付随するデータが格納されており、回答書61の作成のために用いるデータが格納されている。
Noは、要注意箇所の各データに付与される通し番号である。
自社条項は、要注意箇所に対応する自社仕様書の条項番号である。
顧客条項は、要求仕様書50における要注意箇所が見つかった条項番号である。
ページは、登録されている要注意箇所が始まる要求仕様書50におけるページである。
顧客要求は、ステップS208で抽出された文面である。つまり、要求仕様書50中の要注意箇所である。
ノウハウは、該当する要注意箇所に関するノウハウであり、例えば、当該箇所が要注意である理由などが記載される。
回答文、ノウハウは、ステップS211の段階で要注意箇所抽出部11が、要注意箇所抽出ルールテーブル21の回答文、ノウハウに格納されている番号をキーとして、回答文雛型情報24(図9)、ノウハウ情報テーブル25(図10)から該当する回答文、ノウハウを取得することによって格納されるものである。その後、ユーザによる編集があった場合は、その内容が格納される。
ルール種類とルールNoは、それぞれ、該当する要注意箇所を抽出した要注意箇所抽出ルール種類と当該種類におけるルール番号(要注意箇所抽出ルールテーブル21のNoのカラムの番号)が格納される。ルール種類では、要注意箇所抽出ルールテーブル21の種類が格納され、例えば、図4のキーワードベースであれば「1」が格納され、図5の数値ベースであれば「2」が格納され、図6の出現パターンベースであれば「3」が格納される。
ステップS212の結果、すべての要注意箇所抽出ルールについて、要注意箇所を検索していない場合(S212→No)、要注意箇所抽出部11は、ステップS205へ処理を戻し、次の要注意箇所抽出ルールについて処理を行う。
ステップS212の結果、すべての要注意箇所抽出ルールについて、要注意箇所を検索している場合(S212→Yes)、要注意箇所抽出部11は、要注意箇所を出力部60に表示する(S213)。なお、ステップS213の要注意箇所の表示は、図14に示すメイン画面1400の要注意箇所一覧表示エリアへの表示と、要求仕様書表示エリアへの要注意箇所の強調表示を意味する。
まず、要注意箇所抽出部11は、自社仕様書条項テーブル23(図8)から1レコード読み出し、条項番号を取り出す(S301)。図8に示すように自社仕様書条項テーブル23は、自社仕様書の条項構成を示すテーブルであり、条項番号と条項名が格納されている。
そして、要注意箇所抽出部11は、重要語、同義語および関連語のカウント数を用いて条項の類似度を計算する(S303)。
類似度の計算は、例えば、(重要語数+同義語数)×10+関連語数といった計算を実行する。この場合は、重要語および同義語に「10」の重み付けを行なっている例を示しているが、重み付けの例はこれ以外でもよい。
次に、要注意箇所抽出部11は、自社仕様書の全条項について条項を推定したか否か(ステップS301〜S305の処理を行ったか否か)を判定する(S306)。
ステップS306の結果、自社仕様書の全条項について関連条項を推定していない場合(S306→No)、要注意箇所抽出部11は、ステップS301へ処理を戻す。
ステップS306の結果、自社仕様書の全条項について関連条項を推定している場合(S306→Yes)、要注意箇所抽出部11は、図18の処理へリターンする。
図21は、本実施形態に係る顧客−自社仕様書条項対応テーブルの例を示す図である。
前記したように、顧客−自社仕様書条項対応テーブル35は、契約案件毎に作成され、案件データバッファ30内に格納されるものである。つまり、要注意箇所抽出部11が、図20の処理を実行した際に作成され、メモリ102または記憶装置105に一時的に保存されるものである。顧客−自社仕様書条項対応テーブル35では、自社仕様書の条項1つに対し、要求仕様書50の条項は複数対応してよい。本実施形態では、ステップS304で類似度1位から3位を自社仕様書−要求仕様書50間の関連条項としているので、自社仕様書の条項1つに対し、対応する要求仕様書50の条項は3つまでである。
自社仕様書条項番号、要求仕様書条項番号は、ステップS304で抽出された自社仕様書および要求仕様書50の該当する条項番号が格納されている。なお、所定の値以上の類似度が見つからない場合は「0」を格納しておいてもよいし、図21に示す例のように、顧客−自社仕様書条項対応テーブル35に記載しなくてもよい。例えば、自社仕様書条項番号に4、要求仕様書条項番号に「0」が入っている場合、自社仕様書の「第4章」に対応する記述は、要求仕様書50にないということを意味する。
なお、図21に示す例では、自社仕様書条項番号が「1」のレコードは2つであり、「2」のレコードは1つであるが、これは類似度が所定の値以上となった条項が自社仕様書条項番号「1」では2つしか検出されず、「2」では1つしか検出されなかったことを示している。
図22は、図13のステップS111〜S114の詳細な手順を示すフローチャートである。
まず、提案仕様書作成部13は、初回・最終それぞれの回答書61を読み込む(S401)。前記したように、回答書61は顧客との交渉との過程で変更がなされる。
次に、提案仕様書作成部13は、初回回答書61aのうち、最終回答書61bにない回答項目を抽出し(S402)、さらに、最終回答書61bの回答項目のうち、初回回答書61aと回答文が異なる回答項目を抽出する(S403)。ステップS402およびステップS403の詳細は、図23および図24を参照して後記するが、ステップS402の処理は顧客との交渉の段階で撤回(削除)した回答を抽出するものであり、ステップS403の処理は回答内容の変更を抽出するものである。ここで、回答項目とは、前記したように回答書61の1レコードを示すものである。
そして、提案仕様書作成部13は、自社仕様書におけるステップS406で検索した書換箇所の表示フォントを変更し(S407)、書換箇所が存在する条項の先頭に、書換箇所があることを示す「書換要」の文字列を表示する(S408)。「書換要」の他に、例えば、「書換箇所があります」などの文字列を表示してもよい。なお、ステップS407では、強調表示が行われればよく、下線を引いたり、蛍光ペン機能で塗りつぶしたりしてもよい。
そして、提案仕様書作成部13は、ステップS406〜S408で変更した自社仕様書を提案仕様書62としてファイル出力する(S409)。ステップS406〜S409の処理は図28および図29を参照して後記する。
なお、提案仕様書62のファイルフォーマットとしては、前記したように市販のワープロソフトや XML(eXtensible Markup Language)が好適である。
図23は、本実施形態に係る回答書差分抽出(図22のステップS402)の詳細な手順を示すフローチャートである。
この処理は、初回回答書61aに存在し、最終回答書61bに存在しない回答項目を抽出するための手順であり、顧客との交渉の過程で撤回(削除)した項目を抽出するための処理である。
まず、提案仕様書作成部13は、初回回答書61aの1回答項目を読み込む(S501)。ここで、1回答項目とは、前記したように図16の1レコードに対応するものである。
続いて、提案仕様書作成部13は、最終回答書61bの1回答項目を読み込む(S502)。
次に、提案仕様書作成部13は、読み込んだ初回回答書61aおよび最終回答書61bそれぞれの回答項目のNoが一致するか否かを判定する(S503)。
ステップS503の結果、一致している場合(S503→Yes)、初回回答書61aの当該項目は最終回答書61bにも存在していることになるので、提案仕様書作成部13は、当該回答項目の撤回はなされていないとみなし、ステップS501へ処理を戻し、初回回答書61aの次の回答項目について処理を行う。
ステップS504の結果、最後の回答項目まで比較を行なっていない場合(S504→No)、提案仕様書作成部13は、ステップS502へ処理を戻し、次の最終回答書61bの回答項目について処理を行う。
ステップS504の結果、最後の回答項目(最終回答項目)まで比較を行なっている場合(S504→Yes)、提案仕様書作成部13は、一致する回答項目がないと判定する。つまり、提案仕様書作成部13は、該当する回答項目は最終回答書61bの段階で撤回(削除)されているものと判定し、該当する初回回答書61aの回答項目を、差分リスト27へ登録する(S505)。
ステップS506の結果、最終回答項目まで比較していない場合(S506→No)、提案仕様書作成部13は、ステップS501へ処理を戻し、次の回答項目について処理を行う。
ステップS506の結果、最終回答項目まで比較している場合(S506→Yes)、提案仕様書作成部13は図22の処理へリターンする。
図24は、本実施形態に係る回答書差分抽出(図22のステップS403)の詳細な手順を示すフローチャートである。
この処理は、初回回答書61aと最終回答書61bの同一回答項目で、回答内容の変更を抽出するための手順であり、顧客との交渉の過程で変更した項目を抽出するための処理である。
まず、提案仕様書作成部13は、初回回答書61aの1回答項目を読み込み(S601)、続いて最終回答書61bの1回答項目を読み込む(S602)。
次に、提案仕様書作成部13は、読み込んだ初回回答書61a、最終回答書61bそれぞれの回答項目のNoが一致するか否かを判定する(S603)。
ステップS603の結果、一致していない場合(S603→No)、提案仕様書作成部13は最終回答書61bの最後の回答項目(最終回答項目)までステップS603の比較を行なったか否かを判定する(S604)。
ステップS604の結果、最後の回答項目まで比較を行なっていない場合(S604→No)、提案仕様書作成部13は、ステップS602へ処理を戻し、次の最終回答書61bの回答項目について処理を行う。
ステップS604の結果、最後の回答項目まで比較を行なっている場合(S604→Yes)、提案仕様書作成部13は該当する回答項目は最終回答書61bにないものとみなし、ステップS607へ処理を進める。
ステップS603の結果、一致している場合(S603→Yes)、提案仕様書作成部13は、読み込んだ初回回答書61aの回答項目と、最終回答書61bの回答項目の回答文が一致しているか否かを判定する(S605)。
ステップS605の結果、一致している場合(S605→Yes)、提案仕様書作成部13は、処理対象となっている回答項目に関しては回答内容の変更がなかったものとみなし、ステップS607へ処理を進める。
ステップS605の結果、一致していない場合(S605→No)、提案仕様書作成部13は、回答内容の変更があったものとみなし、最終回答書61bの当該回答項目を差分リスト27へ登録する(S606)。
そして、提案仕様書作成部13は、初回回答書61aの最終回答項目まで比較したか否かを判定する(S607)。
ステップS607の結果、最終回答項目まで比較していない場合(S607→No)、提案仕様書作成部13は、ステップS601へ処理を戻し、次の回答項目について処理を行う。
ステップS607の結果、最終回答項目まで比較している場合(S607→Yes)、提案仕様書作成部13は図22の処理へリターンする。
図25は本実施形態に係る初回回答書の例を示す図であり、図26は最終回答書の例を示す図である。なお、図25および図26では、ルールNoも表示されている。
図25の初回回答書61a(61)には、No.2の回答項目2501があるが、図26の最終回答書61b(61)には、対応する回答項目はない。この回答項目は、顧客との交渉過程で撤回(削除)された回答項目であり、図23の処理で抽出される回答項目である。
また、図26の最終回答書61bにおける回答項目2601の回答文は「The customer shall pay 11,000 dollars」となっており、図25の初回回答項目の回答項目2502の内容と異なっている。これは、初回回答書61aにて自社は「12,000ドル」を支払うように回答したが、契約交渉において「11,000ドル」の支払いでよいという内容で双方が合意し、回答書61の内容が変更されたことを意味する。この回答項目は、図24の処理で抽出される回答項目である。
図27は、本実施形態に係る差分リストの例を示す図である。
図27の差分リスト27は、図25の初回回答書61aおよび図26の最終回答書61bを基に作成されたリストである。
回答項目2701は、初回回答書61aに存在したが最終回答書61bで撤回(削除)された回答項目2501(図25)である。また、回答項目2702は、回答内容が変更されている回答項目2601(図26)である。
この差分リスト27は、契約案件ごとに1つ作成され、記憶部20に保存されてもよいし、案件データバッファ30の案件毎データ31に保存されてもよい。
なお、差分リスト27の保存フォーマットは、CSVや表計算ソフトのフォーマットが好適である。また、Noについては、初回回答書61aのものを使用し、変更はしない。
なお、条項のカラムには、該当する条項番号と条項名が格納される。
図28は、本実施形態に係る書換箇所の抽出処理(図22のステップS406〜S409)の詳細な手順を示すフローチャートである。図28では、図4のキーワードベースの要注意箇所抽出ルールを用いた例を示す。図5の数値ベースの要注意箇所抽出ルールを用いた例は図29で後記する。
まず、提案仕様書作成部13は、処理対象となっている差分リスト27を読み込み(S701)、読み込んだ差分リスト27からルールNoと条項番号を取り出す(S702)。このルールNoは、図18の処理において、当該回答項目を抽出した際に適用された要注意箇所抽出ルールの番号であり、条項番号は、当該回答項目が抽出された要求仕様書50における条項の番号である。
次に、提案仕様書作成部13は、ステップS702で取り出した要求仕様書50における条項番号を基に、顧客−自社仕様書条項対応テーブル35(図21)を参照して、自社仕様書の条項番号を取り出す(S703)。
次に、提案仕様書作成部13は、図4の要注意箇所抽出ルールテーブル21a(キーワードベース)を参照し、ステップS702で取り出したルールNoに対応する自社仕様があるか否かを判定する(S704)。
ステップS704の結果、ルールNoに対応する自社仕様がある場合(S704→Yes)、提案仕様書作成部13は、ルールNoを基に、この自社仕様を取り出す(S705)。
次に、提案仕様書作成部13は、ステップS705で取り出した自社仕様が記述されている箇所を、ステップS703で取り出した自社仕様書における条項の中から抽出する(S706)。これは、図18の要注意箇所抽出の処理と同様の処理を行うことによって実現可能である。
そして、提案仕様書作成部13は、抽出した箇所について、書き換えを要することを示すために、提案仕様書雛型26におけるステップS706で抽出した箇所のフォントを変更する(S707)。ただし、フォントを変更するだけでなく、提案仕様書作成部13は、顧客との交渉で合意した内容(最終回答書61bの内容)に書き換えてもよいし、フォントではなく蛍光ペンや、下線などによる強調表示を行ってもよい。
そして、提案仕様書作成部13は、差分リスト27の最後までステップS702〜S708を処理したか否かを判定する(S709)。
ステップS709の結果、差分リスト27の最後まで処理していない場合(S709→No)、提案仕様書作成部13はステップS702の処理へ戻って、次のルールNoと、条項番号について処理をする。
ステップS709の結果、差分リスト27の最後まで処理している場合(S709→Yes)、提案仕様書作成部13は、ステップS707およびステップS708の結果を提案仕様書雛型26に反映したものを提案仕様書62としてファイル出力し(S710)、図22の処理へリターンする。
図29は、本実施形態に係る書換箇所の抽出処理(図22のステップS406〜S409)の詳細な手順を示すフローチャートである。図29では、図5の数値ベースの要注意箇所抽出ルールを用いた例を示す。図28と、図29の処理は、どちらが先に行われてもよい。
まず、提案仕様書作成部13は、差分リスト27を読み込み(S801)、読み込んだ差分リスト27からルールNoと条項番号を取り出す(S802)。このルールNoは、図18の処理において、当該回答項目を抽出した際に適用された要注意箇所抽出ルールの番号であり、条項番号は、当該回答項目が抽出された要求仕様書50における条項の番号である。
次に、提案仕様書作成部13は、ステップS802で取り出した取得した要求仕様書50の条項番号を基に、顧客−自社仕様書条項対応テーブル35(図21)を参照し、自社仕様書の条項番号を取り出す(S803)。
次に、提案仕様書作成部13は、自社仕様書中で、ステップS805で作成したルールに合致する箇所を、ステップS802で取り出した条項番号に該当する条項の中から抽出する(S806)。図5の数値ルールのルール501を基にルールを作成した例では、12000ドル以上の数値の箇所を抽出するということになる。これは、図18の要注意箇所抽出の処理と同様の処理を行うことによって実現可能である。
次に、提案仕様書作成部13は、提案仕様書雛型26における書き換えが必要な条項(ステップS807の処理対象となっている条項)の先頭に「書換要」の文字列表示を追加する(S808)。
その後、提案仕様書作成部13は、差分リスト27の最後までステップS802〜S808を処理したか否かを判定する(S809)。
ステップS809の結果、差分リスト27の最後まで処理している場合(S809→Yes)、提案仕様書作成部13は、ステップS807およびステップS808の結果を反映した提案仕様書雛型26を提案仕様書62としてファイル出力し(S810)、図22の処理へリターンする。
本実施形態によれば、さらに顧客との交渉過程において変更された回答書61の変更箇所を差分リスト27として明示できるため、ユーザは、変更箇所を探す手間を省くことができる。
また、本実施形態では、差分リスト27に登録されている内容を、提案仕様書62の中に明示できるため、ユーザは提案仕様書62においても変更箇所を探す手間を省くことができる。
以上のことから、本実施形態によれば、顧客との契約交渉における合意内容に基づいて提案仕様書を作成するための負担が軽減され、契約締結までに要する時間を短縮できる。この効果は、要求仕様書50の内容が多くなればなるほど、顕著に現れる効果である。
次に、図30〜図32を参照して、顧客の要求を示す文書が、チェックリストである場合について説明する。第1実施形態で記載した実施形態では、提案仕様書作成支援装置1への顧客要求内容の入力は、要求仕様書50のテキストデータであることを前提としていたが、第2実施形態では、ユーザが要求仕様書50を読み、それをチェックリストとして入力したデータを入力とする実施形態について説明する。なお、チェックリストは、ユーザの入力によるだけでなく、要注意箇所抽出部11と同等の機能(図18の処理)を用いて自動的に作成されるものであってもよい。また、図18の処理で抽出された要注意箇所の語句が予めチェックされた状態としてもよい。
なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成および処理については、同一の符号を付して図示および説明を省略する。
Noは、各チェック項目に割り振られた通し番号である。チェックアイテムとはチェック項目名のことである。材料(Materials)、保障期間(Warranty Period)、各種仕様書の使用言語(Language)、試験の種類(Test)などの各カラムを有している。
顧客要求(Requirements)は、チェックアイテムに対する顧客の要求内容であり、例えばチェック項目3001の場合、材料には「stainless」が指定されている。なお、チェックリストにおいて、チェック項目が多い場合には、複数のデータに分割して表示してもよく、好適にはHTML(Hyper Text Markup Language)によって実装される。バックボタン3011は前のページのチェックリストに戻るためのボタンであり、次ボタン3012は、入力内容を一時保存して次のページのチェックリストへ進むためのボタンである。完了ボタン3013は、チェックリストに対する入力を終了してチェック内容を記憶部20に保存するためのボタンである。
図31は、図30に示すチェックリストの内部フォーマット例を示している。
内部フォーマットとしては、XMLなど、構造的にデータを扱えるフォーマットが好適である。
チェック項目は<item>タグで示されている。<item>タグの「no=」パラメータは、図30のNoに対応している。<item>タグの下位には、チェックアイテムを示す<check_item>タグ、顧客要求を示す<requirement>タグが設けられており、それぞれ図30のチェックアイテム、顧客要求に対応している。
次に、図1を参照しつつ、図32に沿ってチェックリストを入力情報とした場合における提案仕様書の作成処理を説明する。
図32は、チェックリストを入力情報とした場合における提案仕様書の作成処理の手順を示すフローチャートである。
まず、提案仕様書作成部13は、ユーザによって入力済みのチェックリストを読み込む(S901)。
次に、提案仕様書作成部13は、読み込んだチェックリストから、チェック項目を1つ読み込み、チェックリストの顧客要求(図30)において選択されているアイテム(選択アイテム:図30で黒丸が付されているもの)を読み込む(S902)。具体的には、図31に示す内部フォーマットにおいて「mark=yes」パラメータが付与されているアイテムを読み込む。ここで、アイテムとは、図30の顧客要求に表示されているものであり、「Carbon」や「Stainless」などが該当する。
ステップS903の結果、自社仕様である場合(S903→Yes)、提案仕様書作成部13は、何もせずにステップS902の処理へ戻り、次の選択アイテムを読み込む。
ステップS903の結果、自社仕様ではない場合(S903→No)、提案仕様書作成部13は、選択アイテムに記述されているルールを読み込む(S904)。具体的には、提案仕様書作成部13は、図31の内部フォーマットにおける「rule=」パラメータを読み込み、選択アイテムに関連する要注意箇所抽出ルールのルールNoを読み込む。
ステップS906の結果、検索された箇所があれば、提案仕様書作成部13は、提案仕様書雛型2における検出された箇所のフォントを変更する(S907)。ここで、フォントの変更に限らず、蛍光ペンなど強調表示する方式であればよい。
そして、提案仕様書作成部13は、チェックリストの全選択アイテムを処理したか否かを判定する(S908)。
ステップS908の結果、全選択アイテムを処理していない場合(S908→No)、提案仕様書作成部13は、ステップS902へ処理を戻し、次の選択アイテムについて処理を行う。
ステップS908の結果、全選択アイテムを処理している場合(S908→Yes)、ステップS907の結果を反映した提案仕様書雛型26を提案仕様書62としてファイル出力し、図22の処理へリターンする。
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、要求仕様書50の内容をチェックリストの形式としたため、ユーザは要求仕様書50をすべて読む必要がなく、ユーザの負担を軽減することができる。
10 処理部
11 要注意箇所抽出部
12 回答書作成部
13 提案仕様書作成部
20 記憶部
21 要注意箇所抽出ルールテーブル
22 キーワードテーブル
23 自社仕様書条項テーブル
24 回答文雛型情報
25 ノウハウ情報テーブル
26 提案仕様書雛型
27 差分リスト
30 案件データバッファ
31 案件毎データ
32 案件管理テーブル
33 回答書データファイル
34 要求仕様書データファイル
35 顧客−自社仕様書条項対応テーブル
40 入力部
50 要求仕様書
60 出力部
61 回答書
61a 初回回答書(最初の回答書)
61b 最終回答書(編集された回答書)
62 提案仕様書
Claims (9)
- 顧客の仕様に合わせた提案仕様書の作成を支援する提案仕様書作成支援装置による提案仕様書作成支援方法であって、
自社の標準仕様に関する情報である自社仕様情報が記憶部に格納されており、
前記提案仕様書作成支援装置が、
入力部を介して、顧客の仕様書に関する情報である要求仕様書情報の入力を受け付け、前記要求仕様書情報と、前記自社仕様情報とを比較することで、前記要求仕様書情報において、前記自社仕様情報と異なる箇所を要注意箇所として抽出し、
前記要注意箇所のリストとしての最初の回答書情報を出力し、
入力部を介して、前記最初の回答書情報が編集された後、前記最初の回答書情報と、編集された回答書情報と、の差分を抽出し、
前記自社仕様情報において、前記抽出された箇所に相当する箇所が強調表示された提案仕様書を出力する
ことを特徴とする提案仕様書作成支援方法。 - 前記差分の抽出は、前記提案仕様書作成支援装置が、前記最初の回答書情報に存在しているが、前記編集された回答書情報には存在しない箇所を抽出すること
であることを特徴とする請求項1に記載の提案仕様書作成支援方法。 - 前記差分の抽出は、前記提案仕様書作成支援装置が、前記最初の回答書情報と、前記編集された回答書情報と、で記述が異なっている箇所を抽出すること
であることを特徴とする請求項1に記載の提案仕様書作成支援方法。 - 前記提案仕様書作成支援装置が、
前記提案仕様書において、前記要注意箇所が検出された条項に変更ありの旨の情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の提案仕様書作成支援方法。 - 前記要注意箇所の抽出は、前記要求仕様書情報の条項毎に行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の提案仕様書作成支援方法。 - 抽出された前記最初の回答書情報と、編集された回答書情報と、の差分の結果は、差分リストとして前記記憶部に保存され、
前記提案仕様書において強調表示された箇所は、前記差分リストにおいて該当する箇所とリンクされる
ことを特徴とする特徴とする請求項1に記載の提案仕様書作成支援方法。 - 顧客の仕様に合わせた提案仕様書の作成を支援する提案仕様書作成支援装置による提案仕様書作成支援方法であって、
前記提案仕様書作成支援装置が、
自社の標準仕様に関する情報を自社仕様情報として記憶部に格納しており、
表示部に、前記自社仕様情報に格納されている情報についてのチェック項目であるチェックリストが表示され、
前記自社仕様情報において、前記チェックリストでチェックが入力されたチェック項目に該当する情報が、前記チェックリストでチェックされている情報とは内容が異なる場合、自社仕様情報における当該情報が強調表示された提案仕様書を出力する
ことを特徴とする提案仕様書作成支援方法。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の提案仕様書作成支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 顧客の仕様に合わせた提案仕様書の作成を支援する提案仕様書作成支援装置であって、
自社の標準仕様に関する情報である自社仕様情報を格納している記憶部と、
入力部を介して、顧客の仕様書に関する情報である要求仕様書情報の入力を受け付け、前記要求仕様書情報と、前記自社仕様情報とを比較することで、前記要求仕様書情報において、前記自社仕様情報と異なる箇所を要注意箇所として抽出する要注意箇所抽出部と、
前記要注意箇所のリストとしての最初の回答書情報を出力する回答書作成部と、
入力部を介して、前記最初の回答書情報が編集された後、前記最初の回答書情報と、編集された回答書情報と、の差分を抽出し、前記自社仕様情報において、前記抽出された箇所に相当する箇所が強調表示された提案仕様書を出力する提案書作成部と、
を有することを特徴とする提案仕様書作成支援装置。
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