JP5392833B2 - ストーリー生成システム、方法、およびプログラム - Google Patents
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Description
また、一日のユーザの行動(会った人や行った場所など)に関する記録を電子テキストからなるログで記録し、アイコンを用いたストーリーとしてユーザに提示するシステムも提案されている(例えば、非特許文献4など参照)。このシステムでは、ユーザが他のユーザに会ったというイベントが、それぞれのユーザを表すアイコンによって表現される。
また、日常生活において、環境に設置されたユビキタスセンサが検出するイベントの数は非常に膨大であり、その内容は些細なことから重大なことまで様々である。このため、イベントを検出する空間を限定したとしても、全てのイベントに対してストーリー文を作成した場合、無駄な情報が多くなってしまうという問題があった。
したがって、本実施の形態によれば、実際に発生した環境変化のうち、有用性のある環境変化に関する因果関係を示すストーリー文を、少ないユーザ負担で生成することが可能となる。
[ストーリー生成システム]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかるストーリー生成システムについて説明する。図1は、本実施の形態にかかるストーリー生成システムの構成を示すブロック図である。
Weblogシステムは、通信ネットワーク40を介してストーリー生成システム10と接続されて、ストーリー生成システム10から送信されたストーリー文を含む投稿指示に応じて、当該ストーリー文をブログへ投稿することにより、通信ネットワーク40上で公開する機能を有している。なお、ストーリー生成システム10から送信されたストーリー文は、ブログへ投稿する以外に、一般のWebページや掲示板などに投稿することもできる。また、ストーリー生成システム10から送信されたストーリー文を印刷物として出力しても良い。
ストーリーの根本は、複数のイベントを筋立てることである。Riessman(非特許文献5など参照)によると、複数のイベントを筋立てる方法としては、年代順による配列、帰結的な配列、挿話的な配列の3種類が存在する。年代順による配列とは、イベント同士を発生した順に筋立てることであり、帰結的な配列とは、発生したイベントを因果関係の下で筋立てることである。挿話的な配列は、年代順による配列と帰結的な配列を組み合わせたようなものであるが、要は同じ主題を持つイベント同士を関連付けることである。
したがって、発明者らは、どのようなイベントについて、ストーリーを作成し提示すべきなのか知るために、被験者に事前アンケートを実施した。
本発明では、このようなアンケート結果に基づいて、日常ではあまり発生しない非日常イベントのみを結果イベントとして選択することとし、実際に発生した環境変化の因果関係について、結果イベントから原因イベントを追求することにより、当該因果関係を示すストーリー文を生成する。
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかるストーリー生成システムの構成について説明する。
ストーリー生成システム10は、全体としてサーバ装置やワークスーションなどの情報処理装置からなり、センサネットワーク30からイベントを検知し、当該イベントに関する発生状況データを含むイベント情報を順次蓄積するイベント処理部10Aと、このイベント処理部10Aに蓄積されている各種イベントのイベント情報に基づいて、新たに検知された検知イベントに対応する環境変化の因果関係を示すストーリー文を生成するストーリー生成処理部10Bとから構成されている。
また、ストーリー生成処理部10Bには、主な機能部として、質問生成部21、質問キュー22、質問処理部23、ユーザインターフェース部(以下、ユーザI/F部という)部24、説明文データベース(以下、説明文DBという)25、およびストーリー生成部26が設けられている。
時間窓には、センサの検知タイミングが等間隔で複数設定されており、検知タイミングごとに時系列で発生状況データが順次検知される。このため、1つの時間窓で得られた各発生状況データは、当該センサで検知したイベントの発生状況に関する時系列変化を示していることになる。
これら情報損失率や確率密度に関する具体的な算出手法や、これら指標を用いた判定順序については、後で詳細に説明する。
検知イベントと相関のある過去イベントを選択する手法については、アプリオリ・アルゴリズムなど、公知の手法を用いればよい。アプリオリ・アルゴリズムを用いた過去イベント選択手法については、後で詳細に説明する。
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかるストーリー生成システムの動作について説明する。図3は、本実施の形態にかかるストーリー生成システムのストーリー生成動作を示すフローチャートである。
これにより、当該検知イベントが非日常イベントであると判定された場合、非日常イベント判定部13は、当該検知イベントのイベント情報をイベントDB12から非日常イベントDB14へコピーする。
これにより、Weblogシステム41では、ストーリー生成システム10からの投稿指示に応じて、当該投稿指示に含まれているストーリー文がブログへ投稿され、通信ネットワーク40上で公開される。
次に、図4および図5を参照して、非日常イベント判定部13で実行される情報損失率算出処理について説明する。図4は、情報損失率算出処理を示すフローチャートである。図5は、情報損失率算出処理の一部を示す説明図である。
非日常イベント判定部13は、図3のステップ102において、図4の情報損失率算出処理を実行する。
図5に示すように、時間窓Wには、時間幅cを持つN個(Nは2以上の整数)の検知期間が設けられており、この例では、これら検知期間ごとにイベントの発生状況を示す発生状況データd1,d2,…,dNが検知されて、イベント情報として蓄積されている。
非日常イベント判定部13は、これらN個の発生状況データd1,d2,…,dNを要素とするN次元の検知ベクトルVを生成する。
この後、非日常イベント判定部13は、これら検知ベクトルVと過去ベクトルq1,q2,…,qLとを組み合わせ、ベクトルx1,x2,…,xMからなるM×N次元(M=L+1)の分析対象行列Xを生成する(ステップ112)。
したがって、情報損失量が大きい場合は、H次元の主要主成分、すなわち過去ベクトルには含まれない主成分が検知ベクトルVに多く含まれていたことになる。このため、検知ベクトルに対応するイベントは、過去ベクトルに対応する日常イベントとは異なる主成分を含む非日常イベントである推定できる。
次に、図6を参照して、非日常イベント判定部13で実行される確率密度算出処理について説明する。図6は、確率密度算出処理を示すフローチャートである。
前述した次元圧縮で得られる情報損失率は、検知ベクトルと過去ベクトルに関する時間軸での特徴を示す指標であることから、同じ主成分軸上に検知ベクトルと過去ベクトルが分布していても、検知ベクトルのノルムと過去ベクトルのノルムが大きく異なる場合がある。
非日常イベント判定部13は、図3のステップ103において、図6の確率密度算出処理を実行する。
したがって、いずれかの主要主成分軸における射影ベクトルV’の確率密度rが小さい値を示した場合、射影ベクトルV’は、混合正規分布を構成する大多数の過去ベクトルとは、主要主成分について異なるノルムを持つことになる。このため、射影ベクトルV’に対応する検知イベントは、過去ベクトルに対応する日常イベントとは異なる非日常イベントであると推定できる。
次に、図7を参照して、非日常イベント判定部13で実行される非日常イベント判定処理について説明する。図7は、非日常イベント判定処理を示すフローチャートである。
非日常イベント判定部13は、図3のステップ104において、図7の非日常イベント判定処理を実行する。
ここで、情報損失率Rが損失率しきい値より大きい場合(ステップ130:YES)、非日常イベント判定部13は、当該検知イベントを非日常イベントとして判定し(ステップ133)、当該検知イベントのイベント情報をイベントDB12から非日常イベントDB14へコピーし(ステップ134)、一連の非日常イベント判定処理を終了する。
ここで、いずれかの主要主成分軸に関する確率密度が確率密度しきい値より小さい場合(ステップ131:YES)、非日常イベント判定部13は、当該検知イベントを当該検知イベントを非日常イベントとして判定し(ステップ133)、当該検知イベントのイベント情報をイベントDB12から非日常イベントDB14へコピーし(ステップ134)、一連の非日常イベント判定処理を終了する。
次に、図8を参照して、質問生成部21における質問生成処理について説明する。図8は、質問生成処理を示すフローチャートである。
質問生成部21は、図3のステップ105において、図8の質問生成処理を実行する。
イベント間の相関を算出する手法については、アプリオリアルゴリズム(Apriori Algoritm)などの公知の手法を用いればよい。
例えば、イベントAが「AさんのスリッパがMOVE」という内容であった場合、「モノ」が「スリッパ」を示し、「行為」が「MOVE」を示し、「所有者」が「Aさん」を示している。したがって、この確信度の算出方法が適用されるのは、イベントBも「AさんのスリッパがMOVE」である場合に限定されることになる。
次に、図10を参照して、質問処理部23における質問処理について説明する。図10は、質問処理を示すフローチャートである。
質問処理部23は、図3のステップ106において、図10の質問処理を実行する。
欄(d)の「OK」ボタンを押下すれば、欄(b)に表示されている原因イベント候補が、原因イベントとして特定した旨の回答が、質問処理部23へ通知される。
この後、質問処理部23は、特定した原因イベントと非日常イベントについて、予め設定されている説明文用のひな形に、それぞれのイベント情報に含まれているイベント名やイベント発生時刻をはめ込むことにより、それぞれのイベントの内容を説明する説明文を生成し(ステップ154)、一連の質問処理を終了する。
図12は、ストーリー文の生成例である。ここでは、結果イベントとして、イベント名が「ご飯を炊く」でイベント発生期間が「2009/03/06 11:00-12:00」の非日常イベントか記載されており、原因イベントとして、イベント名が「ひな祭りパーティー」でイベント発生期間が「2009/03/06 12:00-12:00」の非日常イベントか記載されている。
そして、これら説明文が、予め設定されているストーリー文用のひな形にはめ込まれて、[『「2009/03/06」の「11:00」から「12:00」まで「ご飯を炊く」』というイベントがあったよ。その原因は、『「2009/03/06」の「12:00」から「13:00」まで「ひな祭りパーティー」』をするための準備をしていたからだよ。]というストーリー文が生成されている。
このように、本実施の形態は、非日常イベント判定部13により、イベント検知部11で新たに検知した検知イベントの発生状況データに関する時系列変化の特徴と、イベントDB12から取得した過去の同一時間窓において検知した過去イベントの発生状況データに関する時系列変化の特徴との一致性に基づいて、当該検知イベントが過去イベントから乖離した非日常イベントであるか否かを判定し、非日常イベントと判定した検知イベントのイベント情報を非日常イベントDB14へ蓄積し、質問生成部21により、非日常イベント判定部13で判定された非日常イベントと相関のある過去イベントをイベントDB12および非日常イベントDB14から選択し、これら過去イベントのイベント情報に基づいて、これら過去イベントを回答候補とした、当該非日常イベントの発生原因を問い合わせるための質問データを生成し、質問処理部23により、質問生成部21で生成された質問データに基づくユーザへの問い合わせに対するユーザからの回答に基づいて、非日常イベントの発生原因となる原因イベントを特定し、当該原因イベントのイベント情報から環境変化の原因を示す説明文を生成するとともに、非日常イベントのイベント情報から環境変化の結果を示す説明文を生成し、ストーリー生成部26により、質問処理部23で生成された説明文を組み合わせることにより、環境変化の因果関係を示すストーリー文を生成している。
したがって、本実施の形態によれば、実際に発生した環境変化のうち、有用性のある環境変化に関する因果関係を示すストーリー文を、少ないユーザ負担で生成することが可能となる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
Claims (7)
- センサにより検知した検知イベントに基づき、実際に発生した環境変化の因果関係を示すストーリー文を生成するストーリー生成システムであって、
前記センサにより時系列で順次検知した前記検知イベントに関する発生状況データを、当該検知イベントの内容を示す説明情報とともに、所定時間長の時間窓ごとにイベント情報としてイベントデータベースへ蓄積するイベント検知部と、
前記イベント検知部で新たに検知した検知イベントの発生状況データに関する時系列変化の特徴と、前記イベントデータベースから取得した過去の同一時間窓において検知した過去イベントの発生状況データに関する時系列変化の特徴との一致性に基づいて、当該検知イベントが前記過去イベントから乖離した非日常イベントであるか否かを判定し、非日常イベントと判定した検知イベントのイベント情報を非日常イベントデータベースへ蓄積する非日常イベント判定部と、
前記非日常イベント判定部で判定された前記非日常イベントと相関のある過去イベントを前記イベントデータベースおよび前記非日常イベントデータベースから選択し、これら過去イベントのイベント情報に基づいて、これら過去イベントを回答候補とした、当該非日常イベントの発生原因を問い合わせるための質問データを生成する質問生成部と、
前記質問生成部で生成された質問データに基づくユーザへの問い合わせに対するユーザからの回答に基づいて、前記非日常イベントの発生原因となる原因イベントを特定し、当該原因イベントのイベント情報から前記環境変化の原因を示す説明文を生成するとともに、前記非日常イベントのイベント情報から前記環境変化の結果を示す説明文を生成する質問処理部と、
前記質問処理部で生成された説明文を組み合わせることにより、前記環境変化の因果関係を示すストーリー文を生成するストーリー生成部と
を備えることを特徴とするストーリー生成システム。 - 請求項1に記載のストーリー生成システムであって、
前記非日常イベント判定部は、任意の時間窓において時系列で順次検知した前記検知イベントに関する発生状況を要素とする検知ベクトルと、同一時間窓において過去に得られた過去イベントに関する複数の過去ベクトルとについて、主成分分析処理を行い、得られた主要主成分に基づき前記検知ベクトルの次元圧縮処理を行うことにより、当該検知ベクトルに関する情報損出率を算出し、この情報損失率と損失率しきい値とを比較することにより、当該検知ベクトルが前記非日常イベントか否かを判定することを特徴とするストーリー生成システム。 - 請求項2に記載のストーリー生成システムであって、
前記非日常イベント判定部は、前記情報損失率が前記損失率しきい値以下であった場合、前記主要主成分軸に対して前記検知ベクトルおよび過去ベクトルを射影して、これら主要主成分軸ごとに当該射影値に関する混合正規分布を生成し、これら主要主成分軸ごとに当該混合正規分布における当該検知ベクトルの射影値に関する確率密度と確率密度しきい値とを比較することにより、当該検知ベクトルが前記非日常イベントか否かを判定することを特徴とするストーリー生成システム。 - センサにより検知した検知イベントに基づき、実際に発生した環境変化の因果関係を示すストーリー文を生成するストーリー生成システムで用いられるストーリー生成方法であって、
イベント検知部が、前記センサにより時系列で順次検知した前記検知イベントに関する発生状況データを、当該検知イベントの内容を示す説明情報とともに、所定時間長の時間窓ごとにイベント情報としてイベントデータベースへ蓄積するイベント検知ステップと、
非日常イベント判定ステップが、前記イベント検知ステップで新たに検知した検知イベントの発生状況データに関する時系列変化の特徴と、前記イベントデータベースから取得した過去の同一時間窓において検知した過去イベントの発生状況データに関する時系列変化の特徴との一致性に基づいて、当該検知イベントが前記過去イベントから乖離した非日常イベントであるか否かを判定し、非日常イベントと判定した検知イベントのイベント情報を非日常イベントデータベースへ蓄積する非日常イベント判定ステップと、
質問処理部が、前記非日常イベント判定ステップで判定された前記非日常イベントと相関のある過去イベントを前記イベントデータベースおよび前記非日常イベントデータベースから選択し、これら過去イベントのイベント情報に基づいて、これら過去イベントを回答候補とした、当該非日常イベントの発生原因を問い合わせるための質問データを生成する質問生成ステップと、
質問処理部が、前記質問生成ステップで生成された質問データに基づくユーザへの問い合わせに対するユーザからの回答に基づいて、前記非日常イベントの発生原因となる原因イベントを特定し、当該原因イベントのイベント情報から前記環境変化の原因を示す説明文を生成するとともに、前記非日常イベントのイベント情報から前記環境変化の結果を示す説明文を生成する質問処理ステップと、
ストーリー生成部が、前記質問処理ステップで生成された説明文を組み合わせることにより、前記環境変化の因果関係を示すストーリー文を生成するストーリー生成ステップと
を備えることを特徴とするストーリー生成方法。 - 請求項4に記載のストーリー生成方法であって、
前記非日常イベント判定ステップは、任意の時間窓において時系列で順次検知した前記検知イベントに関する発生状況を要素とする検知ベクトルと、同一時間窓において過去に得られた過去イベントに関する複数の過去ベクトルとについて、主成分分析処理を行い、得られた主要主成分に基づき前記検知ベクトルの次元圧縮処理を行うことにより、当該検知ベクトルに関する情報損出率を算出し、この情報損失率と損失率しきい値とを比較することにより、当該検知ベクトルが前記非日常イベントか否かを判定するステップを含むことを特徴とするストーリー生成方法。 - 請求項5に記載のストーリー生成方法であって、
前記非日常イベント判定ステップは、前記情報損失率が前記損失率しきい値以下であった場合、前記主要主成分軸に対して前記検知ベクトルおよび過去ベクトルを射影して、これら主要主成分軸ごとに当該射影値に関する混合正規分布を生成し、これら主要主成分軸ごとに当該混合正規分布における当該検知ベクトルの射影値に関する確率密度と確率密度しきい値とを比較することにより、当該検知ベクトルが前記非日常イベントか否かを判定するステップを含むことを特徴とするストーリー生成方法。 - コンピュータを、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のストーリー生成システムを構成する各部として機能させるためのプログラム。
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