JP5390422B2 - 光学素子モジュール - Google Patents

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本発明は、光学素子モジュールに関するものであり、光コネクターに好適に用いられる。
光導波路体として光ファイバ115を用いた場合の従来の光学素子モジュールを図8に示す。透明ガラス又は透明合成樹脂の成形品よりなる透明構造体131が設けられ、透明構造体131の上面に反射体131aが突出形成され、反射体131aには透明構造体131の上面132とほぼ垂直な位置決め面133が形成され、また反射体131aには位置決め面133と45度をなす、つまり上面132に対し斜めの反射面134が形成されている。透明構造体131の上に配された光ファイバ115の端面が反射体131aの位置決め面133に突き当てられて光ファイバ115の図8において左右方向における位置決めがなされる。光ファイバ115は位置決め面133に対してほぼ直角に配される。この構造により発光素子137からの光は、光ファイバ115へ入射することができる。尚、発光素子137は受光素子であっても良く、光ファイバ115からの出射光を受光できる。
特開2001−174671号公報
光ファイバ115からの出射光は、光ファイバ115の開口数によって、出射光の広がりが決まる。光ファイバ115の位置決め面133と反射面134が45度の角度をなす場合、光ファイバ115からの出射光の広がりによって、出射光の一部が反射面を透過してしまい、光強度の損失が発生するという問題があった。近年、屈曲性のある光ファイバが開発されており、機器内配線に有効ではあるが、この光ファイバは、従来のものよりも開口数が大きく、出射光の広がりが大きくなり上記課題が顕在化した。
本発明は、導光体と、前記導光体から出た光を反射可能とする反射体と、前記反射体で反射された光を集光またはコリメーション可能とする光学部材と、が設けられた光学素子モジュールであって、前記導光体からの出射光の中心軸と前記反射体の反射面の法線とのなす角度が、45度を超えるとともに、前記光学部材の光軸と前記反射体の反射面の法線とのなす角度よりも大きく形成されており、前記光学部材の前記反射体側の焦点が、前記導光体の端面に有り、前記反射体から反射され、前記光学部材で集光またはコリメーションされた光の光軸は、前記光学部材の光軸と一致せずかつ平行であり、前記導光体からの出射光の中心軸と、前記光学部材の光軸と、が垂直であることを特徴とする光学素子モジュールである。これにより、導光体または光学部材からの出射光が、反射体の反射面からの透過光量が少ない状態で反射し光学部材または導光体に入射するので、光強度の損失が少ないという効果が得られる。また、反射体で反射された導光部材からの光が、光学部材の光軸と平行に光学素子モジュール外へ導光できるという効果が得られる。また、導光体または光学部材からの出射光が反射体の反射面からの透過光量がさらに少ない状態で反射し光学部材または導光体に入射するので、光強度の損失がさらに少ないという効果が得られる。また、導光体または光学部材からの出射光の光路が、反射体の反射面で90度曲げることができる。
また、本発明の光学素子モジュールは、前記導光体からの出射光の光軸と前記反射面とのなす角度と、前記導光体の開口数とによって決定される前記導光体からの出射光の前記反射面への最小入射角(θ4)が、前記反射面における全反射条件を満たす角度となるよう、前記導光体が配置されていることを特徴とする。これにより、導光体または光学部材からの出射光が、反射体の反射面から透過することなく反射し光学部材または導光体に入射するので、光強度の損失が殆どないという効果が得られる。
また、本発明の光学素子モジュールにおいて、前記光学部材は、軸対称体からなる集光部材から、前記反射体で反射された光が通過する領域を除く領域の一部が欠落していることを特徴とする。これにより光学素子モジュールを小型にできる。
また、本発明の光学素子モジュールは、前記光学部材に入射された光を前記反射体を介して前記導光体の前記端面に集光するとともに前記導光体で導光させることを特徴とする。これにより、前記光学部材からの入射光が、確実に前記導光体に入射するため光強度の損失が殆ど発生せず、前記導光体に導光される。
また、本発明の光学素子モジュールは、前記光学部材と前記反射体と前記導光体を固定する基材が設けられていることを特徴とする。これにより、前記光学部材と前記反射体と前記導光体との相対位置が精度良く決められので、導光体または光学部材からの出射光が、反射体の反射面からの透過光量が少ない状態で反射し光学部材または導光体に入射し、光強度の損失が少ないという効果がより安定して得られる。
また、本発明の光学素子モジュールにおいて、前記基材は、前記光を透過する透明部材であることを特徴とする。これにより前記反射体と前記光学部材とが、確実に光結合できる。
また、本発明の光学素子モジュールは、前記光学部材と前記反射体と前記基材とが前記透明部材で一体に形成されている。これにより、別体で組み立て形成した場合と比較して前記光学部材と前記反射体と前記導光体との相対位置が精度良く決められので、導光体または光学部材からの出射光が、反射体の反射面からの透過光量が少ない状態で反射し光学部材または導光体に入射し、光強度の損失が少ないという効果がより一層安定して得られる。また、光強度の損失が少ない光学素子モジュールを容易に低コストで実現できる。
また、本発明の光学素子モジュールは、導光体と、前記導光体から出た光を反射可能とする反射体と、前記反射体で反射された光を集光またはコリメーション可能とする光学部材とからなるユニットが複数設けられた光学素子モジュールであって、前記導光体からの出射光の中心軸と前記反射体の反射面の法線とのなす角度が、45度を超えるとともに、前記光学部材の光軸と前記反射体の反射面の法線とのなす角度よりも大きく形成されており、前記光学部材の前記反射体側の焦点が、前記導光体の端面に有り、前記反射体から反射され、前記光学部材で集光またはコリメーションされた光の光軸は、前記光学部材の光軸と一致せず、かつ平行であり、前記導光体からの出射光の中心軸と前記光学部材の光軸が垂直であり、前記各ユニットは、隣接して設けられており、隣り合う前記光学部材は、連接して設けられていることを特徴とする光学素子モジュールである。これにより、光学素子モジュールは、導光体または光学部材からの出射光が、反射体の反射面からの透過光量が少ない状態で反射し光学部材または導光体に入射するので、導光体または光学部材からの出射光が、反射体の反射面からの透過光量が少ない状態で反射し光学部材または導光体に入射し、光強度の損失が少ないという効果をより一層安定して発揮するとともに、小型で多チャンネルの光授受を可能とする。
本発明では、導光体または光学部材からの出射光が反射体の反射面を透過することなく反射し光学部材または導光体に入射するので、光強度の損失が殆ど発生しないという効果が得られる。
本発明の第1の実施形態を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態を示す断面の拡大図である。 本発明の第2の実施形態を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す断面の拡大図である。 本発明の第2の実施形態の変形例を示す平面図である。 従来の構造の断面図である。
次に、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明をする。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態を説明するための平面図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は図2の拡大図を示す。
図1は、第1実施形態における光学素子モジュール14の平面視した基材2と、反射体1と光学部材8と導光体5の配置を示している。ポリカーボネート製の基材表面2aには、4本の導光体5と4個のポリカーボネート製の反射体1が配置されており、基材裏面2bには、4個のポリカーボネート製の光学部材8が配置されている。それぞれの導光体5および光学部材8は、反射体1である反射プリズムを通じて、光学的に結合し単位ユニット15を構成している。尚、導光体5である光ファイバは、反射体1である反射プリズムに接し、配置されている。
図2は、第1実施形態における光学素子モジュール14の基材2と反射体1と光学部材8と導光体5の配置を断面により示している。基材表面2aの反射体1と導光体5は、同一平面上に配置されており、基材裏面2bの全ての光学部材8は、同一平面上に配置されている。各ユニット15の光学部材8と反射体1との距離は、実質的に同じとなるように配置され、基材表面2aと基材裏面2bは平行となっている。反射体1は、反射体1の反射面4と基材表面2aのなす角度θ0が、40°となる角度に設計されている。尚、光学部材8の反射体1側の焦点Pは、導光体5の端面でかつ導光体5の中心(光ファイバのコア)にあるように、光学部材8は設計されている。
図3は、図2において示した光学素子モジュール14の反射体1の近傍を拡大した図であり、導光体5から光を出射した場合を示している。第1実施形態では反射体1の反射面4と基材表面2aのなす角度θ0が、40°であるため、導光体5からの出射光の中心軸16と反射体1の反射面4の法線20aとのなす角度θ1は50°となる。一方、導光体5からの出射光の中心軸16と光学部材8の光軸13が垂直になるように、光学部材8が配置されているため、光学部材8の光軸13と反射体1の反射面4の法線20bとのなす角度θ2は40°となる。よって、導光体5からの出射光の中心軸16と反射体1の反射面4の法線20aとのなす角度θ1は、光学部材8の光軸13と反射体1の反射面4の法線20とのなす角度θ2よりも大きくなっている。さらに反射体1から反射され、光学部材8で集光またはコリメーションされた光の光軸23は、光学部材8の光軸13と一致せず、かつ平行になるよう光学部材8は配置されている。
一般に、導光体5の開口数NA、反射体1を構成する材料の屈折率n、導光体5の出射光の光軸16に対する出射光の広がりの角度θ3とすると、NA=nsinθ3が成り立つ。また、全反射条件を満たす最小角度θと反射体1を構成する材料の屈折率nとは、nsinθ=1の関係を満たすことが知られている。
第1実施形態における光学素子モジュール14では、開口数0.29の光ファイバすなわち導光体5を配置しており、導光体5からの出射光は、広がりを持ってしまう。ポリカーボネート製の反射体1の屈折率1.585では、ファイバ出射角θ3は、10.5°となる角度となる。導光体5からの出射光で反射面4との角度が最も大きくなる角度、すなわち、入射角が最小となる最小入射角はθ4であるが、この光学素子モジュール14では、反射体1の反射面4と光学部材8の光軸13のなす角度θ0が40°であるため、ファイバ出射角θ3が10.5°であったとしても、反射面4への最小入射角θ4は39.5°となる。よって、反射面4への最小入射角θ4は、ポリカーボネート製の反射体1の全反射角39.1°よりも大きいため、導光体5からの出射光は、95%以上が反射され、ほぼ全反射条件を満たす(図3の符号20cは、反射体1の反射面4の法線を示す)。これにより、導光体5からの出射光の光軸16と反射面4との角度と、導光体5の開口数とによって決定される導光体5からの出射光の反射面4への最小入射角度(θ4)が、反射面4における全反射条件を満たす角度となるよう、導光体5が基材2に配置されていることがわかる。尚、本実施形態では、導光体5が光ファイバである場合を示したが、導光体5は導波路であっても構わない。
本実施形態では、光学素子モジュール14の基材2と反射体1と光学部材8の材質がポリカーボネートである場合を示したが、ポリエーテルイミドや他の透明な材質であっても構わない。但し、ポリエーテルイミドの場合、屈折率が1.64と高いため、図3における反射体1の反射面4と基材表面2aのなす角度θ0が、ポリカーボネートの場合、40°であったが、42°となり、導光体5からの出射光の中心軸16と反射体1の反射面4の法線20とのなす角度θ1は、垂直な角度である90°から角度θ0を差し引いた48°となり、光学部材8の光軸13と反射体1の反射面4の法線20bとのなす角度θ2は角度θ1よりも小さく、42°となる。
この材質と構造によっても、導光体5からの出射光は、95%以上が反射され、ほぼ全反射条件を満たす。尚、本実施形態では、導光体5から光を出射した場合を示したが、光学部材8から光を入射しても構わない。これらの構造の光学素子モジュール14により、導光体5または光学部材8からの出射光が反射体1の反射面4を透過することなく反射し光学部材8または導光体5に入射するので、光強度の損失が殆ど発生しないという効果が得られる。
尚、反射体1および光学部材8もポリカーボネート製で、基材2の形成と同時に一体で成形されていても良い。これにより、別体で組み立て形成した場合と比較して、容易に高位置精度で配置されるため、全反射条件を満たす角度がさらに安定して得られる。また、光学素子モジュール14を容易に低コストで実現できる。
[第2実施形態]
図4は、本発明の他の実施形態を説明するための平面図である。図5は、図4のB−B線断面図である。図6は図5の拡大図を示す。
図4は、本発明の第2の実施形態における光学素子モジュール14の平面視した基材2と、反射体1と光学部材18と導光体5の配置を示している。本実施形態では第1の実施形態と同様に、基材2と全ての反射体1および光学部材18はポリカーボネート製である。基材表面2aには、12本の導光体5と12個の反射体1が配置されており、基材裏面2bには、12個の光学部材18が配置されている。それぞれの導光体5および光学部材18は、反射体1である反射プリズムを通じて、光学的に結合し単位ユニット15を構成している。これらの光学部材18は、平面視して千鳥状に配置されており、光学部材18の形状は平面視して長方形である。光学部材18は、軸対称体からなる集光部材から、反射体1で反射された光が通過する領域Cを除く領域の一部を欠落させている。また、各単位ユニット15は、隣接して設けられており、隣合う光学部材18同士が連接部18aを介し連接して設けられている。尚、導光体5である光ファイバは、反射体1である反射プリズムに接し、配置されている。
図5は、本実施形態における光学素子モジュール14の基材2と反射体1と光学部材18と導光体5の配置を断面により示している。基材表面2aの反射体1と導光体5は、同一平面上に配置されており、基材裏面2bの全ての光学部材18は、同一平面上に配置されている。各単位ユニット15の光学部材18と反射体1との距離は、実質的に同じとなるように配置され、基材表面2aと基材裏面2bは平行となっている。反射体1は、反射体1の反射面4と基材表面2aのなす角度θ0が、40°となる角度に設計されており、図示しないが、第一実施形態と同様に、導光体5からの出射光の中心軸と光学部材18の光軸が垂直になるように、光学部材18が配置されている。尚、光学部材18の反射体1側の焦点Pは、導光体5の端面でかつ導光体5の中心にあるように、光学部材18は設計されている。本実施形態の構成により、第一実施形態と同様に導光体5からの出射光は、95%以上が反射され、ほぼ全反射条件を満し、導光体5または光学部材18からの出射光が反射体1の反射面4を透過することなく反射し光学部材18または導光体5に入射するので、光強度の損失が殆ど発生しないという効果が得られる。
図6は、図5において示した光学素子モジュール14の反射体1の近傍を拡大した図であり、導光体5から光を出射した場合を示している。領域Cは導光体5から出射されて、かつ反射体1で反射された光の通過領域を示す。仮想曲線25は、軸対称体からなる集光部材を示しており、光学部材18は、軸対称体からなる集光部材から、反射体1で反射された光が通過する領域Cを除く領域の一部を欠落させている。この構造により、光学素子モジュール14は、小型にでき、かつ多チャンネルの光授受を可能とする。なお、本実施形態では、光学部材18は、平面視して長方形である例を示したが、図7に示すように軸対称体の一部が欠落すると共に、隣接する光学部材同士が、連接していても良い。
1 反射体
2 基材
2a 基材表面
2b 基材裏面
4 反射面
5 導光体
8,18 光学部材
13 光学部材の光軸
15 単位ユニット
16 出射光の光軸(出射光の中心軸)
20a,20b,20c 法線
23 光の光軸
25 仮想曲線

Claims (8)

  1. 導光体と、前記導光体から出た光を反射可能とする反射体と、前記反射体で反射された光を集光またはコリメーション可能とする光学部材と、が設けられた光学素子モジュールであって、
    前記導光体からの出射光の中心軸と前記反射体の反射面の法線とのなす角度が、45度を超えるとともに、前記光学部材の光軸と前記反射体の反射面の法線とのなす角度よりも大きく形成されており、
    前記光学部材の前記反射体側の焦点が、前記導光体の端面に有り、
    前記反射体から反射され、前記光学部材で集光またはコリメーションされた光の光軸は、前記光学部材の光軸と一致せず、かつ平行であり、
    前記導光体からの出射光の中心軸と前記光学部材の光軸とが垂直であることを特徴とする光学素子モジュール。
  2. 請求項1記載の光学素子モジュールであって、
    前記導光体からの出射光の光軸と前記反射面とのなす角度と、前記導光体の開口数とによって決定される前記導光体からの出射光の前記反射面への最小入射角(θ4)が、前記反射面における全反射条件を満たす角度となるよう、前記導光体が配置されていることを特徴とする光学素子モジュール。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学素子モジュールであって、
    前記光学部材は、軸対称体からなる集光部材から、前記反射体で反射された光が通過する領域を除く領域の一部が欠落していることを特徴とする光学素子モジュール。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の光学素子モジュールであって、
    前記光学部材に入射された光を前記反射体を介して前記導光体の前記端面に集光するとともに前記導光体で導光させることを特徴とする光学素子モジュール。
  5. 前記光学部材と前記反射体と前記導光体を固定する基材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載した光学素子モジュール。
  6. 前記基材は、前記反射体で反射される光を透過する透明部材であることを特徴とする請求項に記載の光学素子モジュール。
  7. 前記光学部材と前記反射体と前記基材とが前記透明部材で一体に形成されていることを特徴とする請求項に記載の光学素子モジュール。
  8. 導光体と、前記導光体から出た光を反射可能とする反射体と、前記反射体で反射された光を集光またはコリメーション可能とする光学部材とからなるユニットが複数設けられた光学素子モジュールであって、
    前記導光体からの出射光の中心軸と前記反射体の反射面の法線とのなす角度が、45度を超えるとともに、前記光学部材の光軸と前記反射体の反射面の法線とのなす角度よりも大きく形成されており、
    前記光学部材の前記反射体側の焦点が、前記導光体の端面に有り、
    前記反射体から反射され、前記光学部材で集光またはコリメーションされた光の光軸は、前記光学部材の光軸と一致せず、かつ平行であり、
    前記導光体からの出射光の中心軸と前記光学部材の光軸が垂直であり、
    前記各ユニットは、隣接して設けられており、隣り合う前記光学部材は、連接して設けられていることを特徴とする光学素子モジュール。
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