JP5381482B2 - 高圧電源装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
例示した複写機のような、事務所や家庭で一般的に用いられる電子機器に用いるこの種の高圧電源装置として、複数の負荷に必要な電圧を外部から入力されたクロック信号(周波数)及びPWM信号(デューティ)に応じた高電圧を発生するようにした電源装置が知られている(特許文献1、参照)。
同図に示すように、高圧電源装置は、高圧電源部20と高圧制御部10fを接続して構成する。高圧制御部10f側には、クロック(CLK)信号を発生するCLK信号発生手段12とPWM(Pulse Width Modulation)信号を発生するPWM信号発生手段14を有し、クロック信号及びPWM信号を高圧電源部20側の高圧発生部30に入力する。
高圧電源部20側の高圧発生部30には、CLK信号の入力により所定の周波数で動作するスイッチング手段31と、スイッチング手段31の出力で駆動される昇圧手段33と、昇圧手段33の出力をPWM信号のデューティで制御する出力制御手段32と、昇圧手段33の出力の状態(電圧や電流等)を検出する出力検出手段34を有する。高圧発生部30は、設定されたクロック信号の周波数によって出力電圧を変更でき、また、出力検出手段34の検出信号をフィードバックさせ、PWM信号のデューティを変えることで、所定値に高圧出力を制御できる。
図7に示す構成例は、同図に示すように、カラーの色成分ごとに図6に示した高圧電源装置を独立に有している。即ち、ブラックの画像形成部への高圧出力用には、高圧制御部10fのCLK信号発生手段121、PWM信号発生手段141と、複合高圧電源部20eの高圧発生部301を独立に有する。他の色であるイエロー、マゼンタ、シアンについても同様の構成で、全部で4系統を持つ。よって、高圧制御部10fと複合高圧電源部20eの基板間を結ぶ制御ラインは、4系統のそれぞれにCLK信号とPWM信号の2本ずつ、計8本が必要になる。
さらに、図8に示す構成例は、同図に示すように、図7に示した構成においてカラーの色成分ごとに発生させていたCLK信号を共通にし、単一のCLK信号発生手段12としている。各色の高圧発生部301〜304の内部構成は変わらない。このため、共通にしたCLK信号が1本であり、その分だけ高圧制御部10fと高圧電源部20fの基板間を結ぶ制御ラインは減り、計5本になる。このため、タイマーやハーネスの削減が可能になる。
この問題を解決する手段を備えた高圧電源装置として検討された先行例があり、その例では図9に示すような構成が採用されている。
図9に示す構成例は、同図に示すように、図8に示した構成におけると同様に各色成分にCLK信号を共通にしているが、モノクロプリント時にブラック以外の色の高圧発生部302〜304にCLK信号を入力させないために複合高圧電源部20gにゲート回路19を付加している。また、このゲート回路19を制御するための制御信号を発生させるゲート切替制御手段17を高圧制御部10gに新たに設け、モノクロプリント時にブラック以外の色の高圧発生部302〜304へのCLK信号の入力を遮断する。
ただ、高圧制御部10gと高圧電源部20gの基板間を結ぶ制御ラインは、ゲート回路19を制御するための制御信号の分が増えてしまう。
本発明は、クロック信号を共通に使用し、複数の負荷ごとに対応して高圧出力を行う高圧電源装置における上記した従来技術及び先行例に生じる問題に鑑みてなされたもので、その目的は、高圧制御部と高圧電源部の間を結ぶ制御ラインを少なくすることと、動作する必要のない系統における無駄な電力消費を無くすこととを両立させることにある。
本発明は、複数の負荷に対応してそれぞれ設けられ、入力されるクロック信号及びPWM信号に応じて負荷に与える高電圧を発生する高圧発生手段と、各高圧発生手段で共通に使用される所定周波数のクロック信号を発生するクロック信号発生手段と、各高圧発生手段に対応してそれぞれ設けられ、高圧発生手段で使用する所定デューティのPWM信号を発生するPWM信号発生手段と、複数の負荷に対応してそれぞれ設けた前記高圧発生手段に対して前記PWM信号が入力されるか否かをそれぞれ検出するPWM信号検出手段と、複数の負荷に対応してそれぞれ設けた前記高圧発生手段に前記クロック信号発生手段からクロック信号を入力するために分岐したそれぞれの信号ライン上に設け、前記PWM信号検出手段によって検出されたPWM信号の入力有無に応じてクロック信号の導通、遮断をするクロック信号ゲート手段と、複数の負荷に対応してそれぞれ設けた前記高圧発生手段へ前記クロック信号ゲート手段を通してクロック信号が入力されるか否かをそれぞれ検出するクロック信号検出手段と、複数の負荷に対応してそれぞれ設けた前記高圧発生手段に前記PWM信号発生手段からPWM信号を入力するそれぞれの信号ライン上における前記PWM信号検出手段の検出点よりも高圧発生手段側に設け、前記クロック信号検出手段によるクロック信号の入力有無に応じてPWM信号の導通、遮断をするPWM信号ゲート手段を備えたことを特徴とする。
「適用対象となるカラー画像形成装置の概要」
図1は、本発明に係る高圧電源装置の適用対象となるカラー画像形成装置の1構成例を示す概略図である。図1を参照すると、本実施形態に係わるタンデムタイプのカラー画像形成装置は、フルカラーの色成分であるブラック:K、イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:Cの画像を形成する画像形成部100B、100Y、100M、100Cが、それぞれ転写媒体としての中間転写媒体(ベルト)105の搬送方向に沿って一列に配置されている。
中間転写媒体(ベルト)105は、駆動ローラ、従動ローラ転写ローラ106によって架設され、図示の矢印方向に回転駆動される。
感光体ドラム101の表面に形成された静電潜像は、現像手段104で現像され、感光体ドラム101上にトナー像が形成される。他の色成分の画像形成部も図1では省略されているが、ブラックと同じ要素を有し、同様にトナー像が形成される。ただし、モノクロプリント時には、ブラック以外の画像形成部は作動しない。
中間転写媒体(ベルト)105と給紙部(不図示)から搬送される転写紙Pが接する位置(2次転写位置)に2次転写手段106を設ける。2次転写手段106は、中間転写媒体(ベルト)105上で重ねられたフルカラー画像を転写紙Pに転写する。転写紙Pに転写された画像は、定着手段107によって、熱圧着処理を受けて定着された後、画像形成済みの転写紙Pは、排紙される。
次に、高圧電源装置の1実施形態として、上記したカラー画像形成装置を適用対象とした装置の構成例を以下に説明する。
上述のカラー画像形成装置はタンデムタイプであり、フルカラー画像の成分色としてブラック:K、イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:Cの4色の色ごとに画像形成部が装備され、各色の画像形成部が高圧電源装置の出力に対する負荷となる。これらの負荷に供給する高圧電源は、各色の画像形成部に適応した電圧を必要とし、それぞれに高圧発生部を設け、作動状態に応じて出力を制御する。このため、8本の制御ラインが必要になるが(上述の[背景技術]における図7に関する説明、参照)、単一のCLK信号を用いる構成にすることで、制御部からの制御ラインを減らし、最低限の5本にしても、CLK信号を共通化したことにより副作用として無駄な電力消費が生じる(同上、図8に関する説明、参照)。また、この副作用を抑えるためにゲート回路を付加する方法があるが、制御部からこのゲート回路を制御すると、制御ラインが増えてしまう(上述の[発明が解決しようとする課題]における図9に関する説明、参照)。
このための手段として、この実施形態では、複数の負荷に適応する高圧発生部等を一体化して有する回路部(以下「複合高圧電源部」という)内に作動させない負荷に対応する高圧発生部へのCLK信号の遮断をするゲート回路とこのゲート回路を制御するための回路を設ける。
下記の実施形態には、上記ゲート動作を行うための手段を有した高圧電源装置の実施形態を示し、「実施形態1」には単一のゲート回路を有する構成の基本形を示す。
また、「実施形態2」には「実施形態1」に起きる可能性のある不具合(入力シーケンスの異常)を防止するための付加構成を有する形態を示し、さらに「実施形態3」には「実施形態2」の回路構成を簡略化した形態を示す。
また、「実施形態4」には上記ゲート動作を行うための手段及び不具合(入力シーケンスの異常)を防止するための上記付加構成を各負荷に対応する高圧発生部ごとに有する形態を示す。
この実施形態は、作動させない負荷に対応する高圧発生部へのCLK信号を遮断するための単一のゲート回路を有する構成の基本形を示す。
図2は、この実施形態に係る高圧電源装置の構成を示すブロック図である。
図2に示す高圧電源装置は、複合高圧電源部20aと高圧制御部10を接続して構成する。
高圧制御部10側には、クロック(CLK)信号を発生するCLK信号発生手段12とPWM(Pulse Width Modulation)信号を発生するPWM信号発生手段141〜144を有し、クロック信号及びPWM信号を複合高圧電源部20a側の高圧発生部301〜304に入力する。CLK信号発生手段12は1つであり、負荷となるカラーの色成分であるブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の画像形成部に対応する高圧発生部301〜304(後述)で共通に使用されるCLK信号を発生する。また、PWM信号発生手段141〜144は、各色の画像形成部に対応する高圧発生部ごとにそれぞれのPWM信号を発生する。
高圧発生部301〜304は、設定されたクロック信号の周波数及びPWM信号のデューティによって出力電圧を変更でき、また、出力検出手段34の検出信号を出力制御手段32にフィードバックさせ、所定値に高圧出力を制御できる。
フルカラープリント時には、複合高圧電源部20aの各色の画像形成部に対応する高圧発生部301〜304を全部作動させるので、それぞれにCLK信号及びPWM信号が入力される。この実施形態では、CLK信号は、単一のCLK信号発生手段12で発生させた信号を各高圧発生部301〜304で用いるので、高圧制御部10のCLK信号発生手段12から複合高圧電源部20a側へ1本のラインで入力され、複合高圧電源部20aで各高圧発生部301〜304への入力ラインに分岐される。
また、このゲート回路(以下「クロック信号ゲート回路」という)42は、モノクロプリント時にゲート制御によってCLK信号の入力を遮断しなければならない。さらに、このゲート制御を行う手段は、上述のように、高圧制御部10と複合高圧電源部20aの間を結ぶ制御ライン数を増やさない手段を採用する必要がある。このため、本実施形態では、モノクロプリント時の動作状態を検出する手段を複合高圧電源部20a内に設け、この手段の検出信号によってクロック信号ゲート回路42を制御する方法をとる。
OR回路43は、常に電源が供給されるとは限らない負荷に対応する高圧発生手段へPWM信号を発生するPWM信号発生手段142〜144で発生される各PWM信号を入力として、このPWM信号のいずれかの入力があるか又はいずれもないかを表す信号を出力する。
また、PWM信号検出回路41は、PWM信号の入力状態(PWM信号がいずれか1つでもあるか又は全部ないか)を表すOR回路43の出力信号を受け、この信号の状態がモノクロプリント時の動作状態を示すか否かを検出する。このPWM信号検出回路41は、例えば、OR回路43の出力信号を受け、この信号を所定時間積分する積分回路と、モノクロプリント時の動作状態であるか否かを判断するための基準値(電圧)を発生する基準電圧回路と、前記積分回路の出力と前記基準電圧回路で発生した基準値を閾値として比較し、比較結果に従いこのPWM信号検出回路41の出力として、モノクロプリント時の動作状態であるか否かを表す信号を出力する比較回路によって構成することができる。なお、上記基準値として、例えば、PWM信号のデューティ0%〜出力開始デューティの間で任意の値とすることができる。
即ち、モノクロプリント時には、ブラック以外の色であるイエロー、マゼンタ、シアンの高圧発生部302〜304へPWM信号発生手段142〜144から発生されるPWM信号の全てがOFFになるので、OR回路43からは全部のPWM信号がないことを表す信号が出力され、所定の期間この出力信号の状態であることをPWM信号検出回路41が検出すると、PWM信号検出回路41は、モノクロプリント時の動作状態であること、叉PWM信号発生手段142〜144から発生されるPWM信号がいずれか1つでもあれば、OR回路43からは逆の信号が出力されてPWM信号検出回路41は、モノクロプリント時の動作状態ではないことを検出結果として得、このいずれかの検出信号をクロック信号ゲート回路42にゲートの切替を制御する信号として出力する。
なお、この実施形態では、イエロー、マゼンタ、シアンのPWM信号のいずれか1つでもONであれば、これらの色の高圧発生部302〜304へのCLK信号は遮断されないので、フルカラーを含む全てのカラープリントを可能とするクロック信号ゲート回路42のゲートの切替を行う。
他方、PWM信号検出回路41からモノクロプリント時の動作状態であるという検出信号を受けた場合には、ゲートを閉じたままで、ブラック以外の色の高圧発生部302〜304へCLK信号の入力を遮断する。
また、クロック信号ゲート回路42が、通常、ゲートが開(導通)であれば、上記と逆になり、モノクロプリント時の動作状態であるという検出信号を受けた場合には、ゲートを閉じる制御を行い、ブラック以外の色の高圧発生部302〜304へCLK信号の入力を遮断する。
CLK信号の遮断により、モノクロプリント時に必要のないイエロー、マゼンタ、シアンの高圧発生部302〜304にはCLK信号は入力されないので、高圧発生部内の回路は動作せず、無駄な電力は消費されない。
この実施形態は、上記「実施形態1」に起きる可能性のある不具合を防止するための付加構成を有する形態を示す。
CLK信号とPWM信号の制御入力によって作動する高圧電源部において、各負荷へ出力する高圧電源を発生する高圧発生部301〜304に対する制御信号の入力シーケンスは、CLK信号ONの後、PWM信号ONという順番で行うことが一般的に予定されており、予定された順番に従わないと、高圧発生部の構成によっては、誤出力や破損にいたる場合がある。高圧電源装置を上記「実施形態1」(図2)のように構成する場合、クロック信号ゲート回路42を通してCLK信号が入力される高圧発生部302〜304に対する入力シーケンスが予定通りの順番で行われない不具合が生じる場合がある。
例えば、クロック信号ゲート回路42が、通常、ゲートが閉(遮断)であると、初期状態では、モノクロプリント時に必要のないイエロー、マゼンタ、シアンの高圧発生部302〜304にはCLK信号が入力されることはない。このため、カラープリントの要求に応じて高圧制御部10のPWM信号発生手段142〜144によって発生されるPWM信号が先に高圧発生部302〜304に入力されてしまう。
また、このPWM信号ゲート回路は、カラープリント時にクロック信号が高圧発生部302〜304に入力されるまで、ゲート制御によってPWM信号の入力を遮断し、クロック信号の入力後にPWM信号の入力を行うことにより上記入力シーケンスを守らなければならない。このため、本実施形態では、高圧発生部302〜304に入力されるクロック信号の状態(信号の有無)をそれぞれ検出する手段を設け、この手段の検出信号によってPWM信号ゲート回路をそれぞれ制御する方法をとる。
図3に示す高圧電源装置は、先の「実施形態1」の構成(図2)に基づいており、本実施形態で付加された上述の入力シーケンスを守るために設けた手段のみ異なる。なお、この付加手段を除く他の構成については、図2の構成と変わらないので、先の説明を参照することとし、ここでは、記載を省略する。
図3に示す本実施形態の構成で付加された手段の1つは、高圧制御部10のブラック以外の色のPWM信号発生手段142〜144から高圧発生部302〜304に入力する各PWM信号の信号ライン上にそれぞれ設けたPWM信号ゲート回路472〜474である。
PWM信号ゲート回路472〜474は、カラープリント時にクロック信号が高圧発生部302〜304に入力されるまで、PWM信号が高圧発生部302〜304へ入力されないように、このPWM信号を遮断するために当該信号ライン上に設ける。ただ、この信号ライン上には、先の「実施形態1」の構成(図2)で説明したように、PWM信号の出力状態からモノクロプリント時かカラープリント時かを検出するための検出点が存在するので、正常な動作を妨げないようにするためには、この検出点よりも高圧発生部302〜304側に設ける必要がある。
CLK信号検出回路462〜464は、高圧発生部302〜304への入力ラインにクロック信号があるか否か、クロック信号の有無を検出する。このCLK信号検出回路462〜464は、例えば、入力ラインに生じる信号を受け、この信号を所定時間積分する積分回路と、クロック信号の有無を判断するための基準値(電圧)を発生する基準電圧回路と、前記積分回路の出力と前記基準電圧回路で発生した基準値を閾値として比較し、比較結果に従いクロック信号の有無を表す信号を出力する比較回路によって構成することができる。なお、この基準値は、例えば、0%〜クロック信号ONデューティの間で任意の値とすることができる。
また、この実施形態では、イエロー、マゼンタ、シアンの各色それぞれにCLK信号検出回路462〜464を有しており、クロック信号の有無を判断するための基準値として、それぞれに適した値を定めることが可能である。
即ち、カラープリント時には、ブラック以外の色であるイエロー、マゼンタ、シアンのPWM信号発生手段142〜144から発生され、高圧発生部302〜304へ入力されるPWM信号のいずれかがONになるので、OR回路43は、このPWM信号の状態を表す信号を出力する。PWM信号が所定の期間、前記の状態であることをカラープリント時の動作状態として検出するPWM信号検出回路41は、この検出結果をクロック信号ゲート回路42にゲート切替制御信号として出力する。この制御信号を受けるクロック信号ゲート回路42は、ゲートの切替を行い、ブラック以外の色の高圧発生部302〜304へのCLK信号を導通させる。
このCLK信号の導通により、カラープリント時に必要なイエロー、マゼンタ、シアンの高圧発生部302〜304にはCLK信号が入力される。
高圧発生部302〜304の作動に必要な各PWM信号は、PWM信号ゲート回路472〜474がゲートを導通側に切り替えることによって、入力される。この切替は、CLK信号検出回路462〜464が、クロック信号ゲート回路42を通して高圧発生部302〜304へ入力されるCLK信号を検出した信号を切替制御に用いて行われる。
従って、高圧発生部302〜304へ入力されるPWM信号は、CLK信号より先に入力されることはなく、目的とする入力シーケンスを守ることができる。なお、クロック信号ゲート回路42の動作とPWM信号ゲート回路472〜474の動作にCLK信号1周期分以上のディレイを設けることにより、動作を安定させることができる。
この実施形態は、上記「実施形態2」の回路構成を簡略化した形態を示す。
上記「実施形態2」では、イエロー、マゼンタ、シアンそれぞれに対応するCLK信号検出回路462〜464を有しており、クロック信号の有無を判断するための基準値として、それぞれに適した値を定めることを可能にしている。
ただ、各色それぞれにCLK信号検出回路462〜464を設けると回路規模が大きくなってしまい、イエロー、マゼンタ、シアンに対応するCLK信号検出回路462〜464ごとに最適動作を行わせることよりも、回路規模を小さくすることを重要視するユーザの要求に応えることができない。
そこで、本実施形態では、CLK信号検出回路を単一として回路構成を簡略化し、回路規模を小さくする。なお、CLK信号検出回路を単一とした場合、例えば、クロック信号の有無を判断するための唯一の基準に最も安全な最大値を採用した場合に、動作が遅くなることが考えられるが、許容範囲に収まれば、気にしなくても済む。
図4に示す高圧電源装置は、先の「実施形態2」の構成(図3)に基づいており、本実施形態で簡略化したCLK信号検出回路のみ異なる。なお、このCLK信号検出回路を除く他の構成については、図3の構成と変わらないので、先の説明を参照することとし、ここでは、記載を省略する。
図4に示す本実施形態の構成で簡略化したCLK信号検出回路46は、クロック信号ゲート回路42を通してブラック以外の色に対応する各高圧発生部302〜304に入力されるクロック信号の有無を検出するという点で、「実施形態2」のイエロー、マゼンタ、シアンそれぞれに対応するCLK信号検出回路462〜464の各回路と同じもので、これをただ1つだけ設け、検出出力をイエロー、マゼンタ、シアンそれぞれに共通に用いる。
従って、イエロー、マゼンタ、シアンそれぞれに対応するPWM信号ゲート回路472〜474はそれぞれ、単一のCLK信号検出回路46の出力を切替制御に用いる。
よって、高圧発生部302〜304へ入力されるPWM信号は、CLK信号より先に入力されることのない(入力シーケンスを守る)回路を簡略な構成で実現することができる。
この実施形態は、上記「実施形態1」に示した作動させない負荷に対応する高圧発生部へのCLK信号を遮断するためのゲート動作を行うための手段及び上記「実施形態2」に示した入力シーケンスを正常に保つための上記付加手段を各負荷に対応する高圧発生部ごとに有する形態を示す。
上記「実施形態1」及び「実施形態2」には、既存のカラー画像形成装置の多くがプリント動作として行う、モノクロプリントとカラープリントの各動作モードを、適用対象のカラー画像形成装置においても設定に従って行うことを前提に、ブラックとブラック以外のイエロー、マゼンタ、シアンを一まとめにして、高圧発生部へのCLK信号を遮断するためのゲート回路等の手段を講じる実施形態を示した。
よって、これらの動作モード以外の例えば、単色カラー(ブラック以外の色)プリント或いはフルカラー以外の複数色カラー(例えば、黒、赤の2色等)プリントに適応するには、上記「実施形態1」及び「実施形態2」は不向きである。
なお、本実施形態の高圧電源装置においても、高圧発生部へのCLK信号を遮断するゲートの制御動作を行うための手段としてPWM信号検出回路を複合高圧電源部内に設けているので、高圧制御部から複合高圧電源部への制御ラインの本数は、最低限の5本であることに変わりはない。
図5に示す高圧電源装置は、先の「実施形態2」の構成(図3)に基づいており、本実施形態では、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色に対応して、それぞれクロック信号ゲート回路421〜424及びPWM信号ゲート回路471〜474を有する。また、クロック信号ゲート回路421〜424及びPWM信号ゲート回路471〜474には、それぞれゲート切替の制御手段として、前者にはPWM信号検出回路411〜414を、後者にはCLK信号検出回路461〜464を設けている。なお、「実施形態2」の構成(図3)に備わるOR回路43は、本実施形態では、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色に対応する高圧発生部ごとにクロック信号ゲート回路421〜424を設けているので、不要である。
図5のクロック信号ゲート回路421〜424に対するPWM信号検出回路411〜414のゲート制御動作及びPWM信号ゲート回路471〜474に対するCLK信号検出回路461〜464のゲート制御動作については、図3のゲート制御動作と変わらないので、先の説明を参照することとし、ここでは、記載を省略する。
Claims (6)
- 複数の負荷に対応してそれぞれ設けられ、入力されるクロック信号及びPWM信号に応じて負荷に与える高電圧を発生する高圧発生手段と、
各高圧発生手段で共通に使用される所定周波数のクロック信号を発生するクロック信号発生手段と、
各高圧発生手段に対応してそれぞれ設けられ、高圧発生手段で使用する所定デューティのPWM信号を発生するPWM信号発生手段と、
動作状態によって複数の負荷のうち常に電源が供給されるとは限らない負荷に対応する高圧発生手段に対して前記PWM信号が入力されるか否かを検出するPWM信号検出手段と、
前記高圧発生手段のうち常に電源が供給されるとは限らない負荷に対応する高圧発生手段へ分岐した入力クロック信号ライン上に設け、前記PWM信号検出手段によって検出されたPWM信号の入力有無に応じてクロック信号の導通、遮断をするクロック信号ゲート手段
を備えたことを特徴とする高圧電源装置。 - 請求項1に記載された高圧電源装置において、
動作状態によって常に電源が供給されるとは限らない負荷が複数ある場合に、前記PWM信号検出手段は、該複数の負荷に対応する高圧発生手段のいずれかへのPWM信号が入力されるか否かを検出し、かつ前記クロック信号ゲート手段は該複数の負荷に対応する各高圧発生手段への入力クロック信号ライン上に設けた
ことを特徴とする高圧電源装置。 - 請求項1又は2に記載された高圧電源装置において、
前記高圧発生手段へ前記クロック信号ゲート手段を通して入力されるクロック信号が入力されるか否かを検出するクロック信号検出手段と、
常に電源が供給されるとは限らない電負荷に対応する高圧発生手段に前記PWM信号発生手段からPWM信号を入力する信号ライン上における前記PWM信号検出手段の検出点よりも高圧発生手段側に設け、前記クロック信号検出手段によるクロック信号の入力有無に応じてPWM信号の導通、遮断をするPWM信号ゲート手段
を備えたことを特徴とする高圧電源装置。 - 請求項3に記載された高圧電源装置において、
動作状態によって常に電源が供給されるとは限らない負荷が複数ある場合に、前記クロック信号検出手段は、該複数の負荷に対応する高圧発生手段に分岐する前の信号ライン上に設けた単一の手段とし、かつ前記PWM信号ゲート手段は、該複数の負荷に対応する各高圧発生手段に入力する信号ライン上にそれぞれ設けた
ことを特徴とする高圧電源装置。 - 複数の負荷に対応してそれぞれ設けられ、入力されるクロック信号及びPWM信号に応じて負荷に与える高電圧を発生する高圧発生手段と、
各高圧発生手段で共通に使用される所定周波数のクロック信号を発生するクロック信号発生手段と、
各高圧発生手段に対応してそれぞれ設けられ、高圧発生手段で使用する所定デューティのPWM信号を発生するPWM信号発生手段と、
複数の負荷に対応してそれぞれ設けた前記高圧発生手段に対して前記PWM信号が入力されるか否かをそれぞれ検出するPWM信号検出手段と、
複数の負荷に対応してそれぞれ設けた前記高圧発生手段に前記クロック信号発生手段からクロック信号を入力するために分岐したそれぞれの信号ライン上に設け、前記PWM信号検出手段によって検出されたPWM信号の入力有無に応じてクロック信号の導通、遮断をするクロック信号ゲート手段と、
複数の負荷に対応してそれぞれ設けた前記高圧発生手段へ前記クロック信号ゲート手段を通してクロック信号が入力されるか否かをそれぞれ検出するクロック信号検出手段と、
複数の負荷に対応してそれぞれ設けた前記高圧発生手段に前記PWM信号発生手段からPWM信号を入力するそれぞれの信号ライン上における前記PWM信号検出手段の検出点よりも高圧発生手段側に設け、前記クロック信号検出手段によるクロック信号の入力有無に応じてPWM信号の導通、遮断をするPWM信号ゲート手段
を備えたことを特徴とする高圧電源装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載された高圧電源装置と、色ごとに高圧電源で作動する回路を備えた画像形成部を有するカラー画像形成装置であって、
高圧電源装置の前記複数の負荷が色ごとに備えた前記画像形成部の回路であることを特徴とするカラー画像形成装置。
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