JP5381451B2 - 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像処理技術、特に対応点探索技術に関する。
ステレオカメラによって異なる視点から撮影された2つの画像(基準画像と参照画像)の間で、各画素を相互に対応付ける技術(対応点探索技術)が知られている。この対応点探索技術では、一般的に、基準画像上の或る点に対応する参照画像上の点(対応点)が、参照画像上のいずれの位置にあるのかが事前には不明であるため、参照画像の全域を対象として対応点の探索が行われる。しかし、参照画像の全域を対象とした対応点探索には、膨大な演算処理が必要となり、処理時間が長くなってしまう。
特許文献1には、対応点探索に要する演算量を削減するための技術が紹介されている。この対応点探索技術では、基準画像および参照画像から、カメラパラメータおよび基準点から計算されるエピポーラ線に沿って、所定幅の1次元の画素データ列を切り出す。この切り出した1次元の画素データ列から位相限定相関関数(POC)を計算し、その計算結果に基づいて対応点を探索する。これによれば、1次元POCの利用により、対応点探索に要する演算量を削減可能であるとしている。
なお、非特許文献1には、探索処理の代わりにフィルタ処理を用いて、ステレオカメラによる撮影画像間の視差を検出する技術が紹介されている。
特開2008−123141号公報
佐川立昌、外2名、「狭基線長ステレオのための視差検出フィルタ」、第13回画像センシングシンポジウム講演論文集、2007年6月、pp.IN3−22−1−5
上記のように、特許文献1記載の対応点探索では、POC値の演算に用いる画素データは1次元分である。したがって、2次元分の画素データを用いる場合に比べて使用データ数が少ない。このため、演算結果、換言すれば探索結果の安定性に欠けると考えられる。
本発明は、特許文献1とは全く異なる手法によって、対応点探索の演算負担を削減可能な技術を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る画像処理装置は、画像を取得してその一部に関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記関心領域内の画像を前処理対象画像として取得し、当該前処理対象画像に基づいて対応点探索用の画像を設定する前処理手段と、前記前処理手段によって設定された複数の対応点探索用画像について対応点探索を行う対応点探索手段とを備え、前記前処理手段は、当該前処理手段による処理内容を決定するための指針に関する指針値を、所定の指針値設定規則と、前記前処理対象画像における画素値の分布状態とに基づいて設定する指針値設定手段と、前記前処理対象画像に含まれる画素の画素値を前記指針値に基づいて減少させる画素値変換を行い、当該画素値変換によって生成された画像を前記対応点探索用画像として出力する、画素値変換手段とを含み、前記画素値変換は、前記画素値をデータ表現するのに要するビット長を減少させるビット長変換を含み、前記画素値変換手段は、前記ビット長変換後の前記ビット長が、前記画素値の前記ビット長と前記対応点探索での演算誤差とについて予め取得された関係において許容可能な誤差範囲内に存在するように、前記ビット長変換を行う
また、第の態様に係る画像処理装置は、第の態様に係る画像処理装置であって、前記対応点探索手段の前記画素値に関する入力ビット長が、前記ビット長と前記演算誤差とについての前記関係において前記許容可能な誤差範囲内に存在し、前記ビット長変換は、前記画素値の前記ビット長を前記対応点探索手段の前記入力ビット長に合わせる変換を含む。
また、第の態様に係る画像処理装置は、画像を取得してその一部に関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記関心領域内の画像を前処理対象画像として取得し、当該前処理対象画像に基づいて対応点探索用の画像を設定する前処理手段と、前記前処理手段によって設定された複数の対応点探索用画像について対応点探索を行う対応点探索手段とを備え、前記前処理手段は、当該前処理手段による処理内容を決定するための指針に関する指針値を、所定の指針値設定規則と、前記前処理対象画像における画素値の分布状態とに基づいて設定する指針値設定手段と、前記前処理対象画像に含まれる画素の画素値を前記指針値に基づいて減少させる画素値変換を行い、当該画素値変換によって生成された画像を前記対応点探索用画像として出力する、画素値変換手段とを含み、前記指針値は、画素値に関する第1および第2の指針値(第1指針値<第2指針値)を含み、前記所定の指針値設定規則は、複数の前処理対象画像のそれぞれに対して前記第1指針値を設定し、得られた複数の第1指針値のうちの最小値を当該複数の前処理対象画像に対する共通の第1指針値として採用するという規則と、前記複数の前処理対象画像のそれぞれに対して前記第2指針値を設定し、得られた複数の第2指針値のうちの最大値を当該複数の前処理対象画像に対する共通の第2指針値として採用するという規則とのうちの少なくとも一方を含む。
また、第の態様に係る画像処理装置は、第の態様に係る画像処理装置であって、前記画素値変換手段は、前記前処理対象画像の各画素値から前記第1指針値を減算する減算手段と、前記前処理対象画像の各画素値または前記減算手段による減算結果に係る各画素値を圧縮する圧縮手段とのうちの少なくとも一方を有し、前記画素値変換手段は、前記減算手段による変換結果に係る画像と、前記圧縮手段による変換結果に係る画像と、前記減算手段と前記圧縮手段との組み合わせによる変換結果に係る画像とのうちのいずれかを、前記対応点探索用画像として出力する
また、第の態様に係る画像処理装置は、第の態様に係る画像処理装置であって、前記画素値変換手段は、前記減算手段と前記圧縮手段との両方を有し、前記前処理手段は、前記減算手段による減算変換と、前記圧縮手段による圧縮変換と、前記減算手段と前記圧縮手段との組み合わせによる減算圧縮変換とのいずれを採用するかを、前記指針値に基づいて選択する選択手段をさらに含む。
また、第の態様に係る画像処理装置は、画像を取得してその一部に関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記関心領域内の画像を前処理対象画像として取得し、当該前処理対象画像に基づいて対応点探索用の画像を設定する前処理手段と、前記前処理手段によって設定された複数の対応点探索用画像について対応点探索を行う対応点探索手段とを備え、前記前処理手段は、当該前処理手段による処理内容を決定するための指針に関する指針値を、所定の指針値設定規則と、前記前処理対象画像における画素値の分布状態とに基づいて設定する指針値設定手段と、前記前処理対象画像に含まれる画素の画素値を前記指針値に基づいて減少させる画素値変換を行い、当該画素値変換によって生成された画像を前記対応点探索用画像として出力する、画素値変換手段とを含み、前記指針値は、画素値に関する第1および第2の指針値(第1指針値<第2指針値)を含み、前記所定の指針値設定規則は、前記第1指針値を前記前処理対象画像に含まれる最小の画素値よりも大きい値に設定するという規則と、前記第2指針値を前記前処理対象画像に含まれる最大の画素値よりも小さい値に設定するという規則とのうちの少なくとも一方を含み、前記画素値変換手段は、前記前処理対象画像の各画素値から前記第1指針値を減算する減算手段と、前記前処理対象画像の各画素値または前記減算手段による減算結果に係る各画素値を圧縮する圧縮手段とを有し、前記画素値変換手段は、前記減算手段による変換結果に係る画像と、前記圧縮手段による変換結果に係る画像と、前記減算手段と前記圧縮手段との組み合わせによる変換結果に係る画像とのうちのいずれかを、前記対応点探索用画像として出力し、前記前処理手段は、前記減算手段による減算変換と、前記圧縮手段による圧縮変換と、前記減算手段と前記圧縮手段との組み合わせによる減算圧縮変換とのいずれを採用するかを、前記指針値に基づいて選択する選択手段をさらに含む
また、第の態様に係る画像処理装置は、画像を取得してその一部に関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記関心領域内の画像を前処理対象画像として取得し、当該前処理対象画像に基づいて対応点探索用の画像を設定する前処理手段と、前記前処理手段によって設定された複数の対応点探索用画像について対応点探索を行う対応点探索手段とを備え、前記前処理手段は、当該前処理手段による処理内容を決定するための指針に関する指針値を、所定の指針値設定規則と、前記前処理対象画像における画素値の分布状態とに基づいて設定する指針値設定手段と、前記前処理対象画像に含まれる画素の画素値を前記指針値に基づいて減少させる画素値変換を行い、当該画素値変換によって生成された画像を前記対応点探索用画像として出力する、画素値変換手段とを含み、前記指針値は、画素値に関する第1および第2の指針値(第1指針値<第2指針値)を含み、前記所定の指針値設定規則は、一の前処理対象画像に設定された前記第1および第2の指針値のうちの少なくとも一方を、他の前処理対象画像に対しても採用するという規則を含み、前記画素値変換手段は、前記前処理対象画像の各画素値から前記第1指針値を減算する減算手段と、前記前処理対象画像の各画素値または前記減算手段による減算結果に係る各画素値を圧縮する圧縮手段とを有し、前記画素値変換手段は、前記減算手段による変換結果に係る画像と、前記圧縮手段による変換結果に係る画像と、前記減算手段と前記圧縮手段との組み合わせによる変換結果に係る画像とのうちのいずれかを、前記対応点探索用画像として出力し、前記前処理手段は、前記減算手段による減算変換と、前記圧縮手段による圧縮変換と、前記減算手段と前記圧縮手段との組み合わせによる減算圧縮変換とのいずれを採用するかを、前記指針値に基づいて選択する選択手段をさらに含む。
また、第の態様に係る画像処理装置は、第5ないし第7の態様のうちのいずれか1つに係る画像処理装置であって、前記選択手段は、複数の前処理対象画像に対して同じ変換内容を選択する。
また、第の態様に係る画像処理装置は、第5ないし第8の態様のうちのいずれか1つに係る画像処理装置であって、前記選択手段は、前記画素値変換手段を利用するか否かの選択を行い、前記選択手段が前記画素値変換手段を利用しないことを選択した場合、前記前処理手段は前記前処理対象画像を前記対応点探索用画像に設定して出力する。
また、第10の態様に係る画像処理装置は、第1ないし第の態様のうちのいずれか1つに係る画像処理装置であって、前記対応点探索手段は位相限定相関法を用いて前記対応点探索を行う。
また、第11の態様に係る画像処理方法は、画像を取得してその一部に関心領域を設定する関心領域設定ステップと、前記関心領域内の画像である前処理対象画像に基づいて、対応点探索用の画像を設定する前処理ステップと、前記前処理ステップによって設定された複数の対応点探索用画像について対応点探索を行う対応点探索ステップとを備え、前記前処理ステップは、当該前処理ステップによる処理内容を決定するための指針に関する指針値を、所定の指針値設定規則と、前記前処理対象画像における画素値の分布状態とに基づいて設定する指針値設定ステップと、前記前処理対象画像に含まれる画素の画素値を前記指針値に基づいて減少させる画素値変換を行い、当該画素値変換によって生成された画像を前記対応点探索用画像として出力する、画素値変換ステップとを含み、前記画素値変換ステップは、前記画素値をデータ表現するのに要するビット長が、前記画素値の前記ビット長と前記対応点探索ステップでの演算誤差とについて予め取得された関係において許容可能な誤差範囲内に存在するように、前記画素値の前記ビット長を減少させるビット長変換ステップを含む
また、第12の態様に係る画像処理プログラムは、プログラムを実行可能な処理部を備える装置を、第1ないし第10の態様のうちのいずれか1つに係る画像処理装置として機能させる。
第1ないし第12の態様によれば、関心領域内に画像に対して、対応点探索の実行前に、前処理を施す。当該前処理には、関心領域内の画像(換言すれば前処理対象画像)に含まれる画素の画素値を減少させる画素値変換が用意されている。画素値変換後の画像に対して対応点探索を行うことにより、対応点探索について演算負担を削減することができる。これにより、対応点探索について処理時間の短縮化、すなわち高速化を図ることができる。また、画素値の減少により、演算等に用いるメモリの容量を削減することが可能である。
また、関心領域は画像全体に比べて小さい領域であり、かかる小領域では画素値の急激な変動が少ない傾向にある。このため、画素値の相対関係を保ちつつ、各画素値を大きく減少させることが可能である。画素値の大幅な減少により、演算負担をさらに削減することができる。
また、2次元の関心領域によれば、1次元の関心領域を利用する場合に比べて多くのデータを用いて対応点探索を実行可能である。このため、対応点探索の安定性を向上させることができる。
また、第の態様によれば、ビット長変換を行っても、対応点探索での演算誤差を許容範囲内に収めることができる。このため、対応点探索の精度を確保することができる。
また、第の態様によれば、例えば、対応点探索処理は多倍長入力に対応する必要が無くなる。このため、対応点探索の処理負担を削減することができる。
また、第の態様によれば、いずれの画像に対しても好適な指針値を得ることができる
また、第4,6,7の態様によれば、減算および圧縮という簡易な手法の採用により、画素値変換の処理負担を小さくすることができる。特に減算による画素値変換によれば、画素値の相対関係、より具体的には各画素値間の差の値が、変換前後で保持される。このため、画素値の変換に伴って生じうる対応点探索の精度低下を防止することができる
また、第5ないし第7の態様によれば、多彩な画素値変換を切り替えて利用することができる
また、第の態様によれば、ノイズ等の特異な画素値を除外することができ、対応点探索の精度向上に資する。
また、第の態様によれば、画像ごとに指針値を設定する場合に比べて、指針値設定について処理負担を削減して高速化を図ることができる。
また、第の態様によれば、複数の画像間における画素値の相対関係を、画素値変換の前後で保持することができる。このため、複数の画像に対して異なる画素値変換を行う場合に比べて、対応点探索精度を高くすることができる。
また、第の態様によれば、必要性の低い画素値変換を実行しないようにすることが可能である。画素値変換の不実施により、前処理の処理負担を小さくすることができる。また、画素値変換の不実施により、対応点探索の開始を早めることができるので、全体の処理時間の短縮に繋がる。
また、第10の態様によれば、位相限定相関法を用いて対応点探索が行われる。位相限定相関法は画素値の変動やノイズの影響を受けにくいので、高精度の対応点探索を行うことができる。

第1および第2の実施形態に係る画像処理システムの概略構成図である。 基準画像に対して設定される関心領域の設定態様を例示する図である。 参照画像に対して設定される関心領域の設定態様を例示する図である。 基準画像に対して設定される関心領域の設定態様を例示する図である。 位相限定相関法を用いた対応点探索処理を説明するための図である 基準領域と比較領域との相関を示すPOC値の分布を例示する図である。 第1実施形態に係る処理部の概略構成図である。 指針値設定の第1例を概説する図である。 指針値設定の第1例を概説するヒストグラムである。 指針値設定の第2例を概説するヒストグラムである。 指針値設定の第2例を概説するヒストグラムである。 指針値設定の第3例を概説するヒストグラムである。 指針値設定の第4例を概説する図である。 指針値設定の第4例を概説するヒストグラムである。 データのビット長と演算誤差との関係を概説するグラフである。 選択手段による処理の第1例を概説するフローチャートである。 選択手段による処理の第2例を概説するフローチャートである。 選択手段による処理の第3例を概説するフローチャートである。 選択手段による処理の第4例を概説するフローチャートである。 処理部の動作を例示するフローチャートである。 第2実施形態に係る画像処理装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
<画像処理システムの構成>
図1に、第1実施形態に係る画像処理システム10の概略構成を示す。例示の画像処理システム10は、ステレオカメラ20と、画像処理装置30とを含んでいる。
<ステレオカメラ20>
ここで例示するステレオカメラ20は、いわゆる2眼タイプであり、2つの撮像系21,22を有している。これらの撮像系21,22はそれぞれが撮像素子を有している。撮像系21,22は、所定方向に沿って離隔配置されており、カメラ正面の被写体OBを異なる視点から撮像するように構成されている。また、撮像系21,22は、被写体OBを同じタイミングで、換言すれば同期して撮像するように構成されている。したがって、ステレオカメラ20によれば、同一の被写体OBを異なる視点から同じタイミングで撮像した複数の画像(ここでは2つの画像)を取得可能である。撮像系21による撮像画像G1と撮像系22による撮像画像G2とから成る1組の画像は、いわゆるステレオ画像と称される。
ここで、各撮像系21,22の撮像素子は、Log特性やγ特性等の特性を有していてもよい。また、カメラ20が、かかる特性を他の特性へ変換可能に構成され、変換後の画像を画像G1,G2として出力可能に構成されていてもよい。上記の特性変換処理として、例えば、Log特性をLinear特性に変換する処理が挙げられる。Linear特性への変換は、ダイナミックレンジが非常に大きくなる場合がある。しかし、以下の説明から明らかとなるが、画像処理装置30は広いダイナミックレンジを有する画像に対しても有用である。
<画像処理装置30>
画像処理装置30は、ステレオカメラ20とデータ伝送可能に設けられており、ステレオカメラ20から撮像画像G1,G2を取得する。ここでは、画像処理装置30とステレオカメラ20とが、データ線CBによって接続され、有線通信によってデータ伝送を行う場合を例示する。但し、画像処理装置30とステレオカメラ20とが無線通信によってデータ伝送を行うように構成することも可能である。
画像処理装置30は、図1に例示するように、処理部31と、インターフェース(I/F)部32と、操作部33と、表示部34とを含んでいる。
処理部31は、画像処理装置30における各種の処理を行う。処理部31が行う各種処理には、例えば、演算処理、画像処理装置30の各部の制御処理、データの送受信処理等が含まれる。
インターフェース部32は、ステレオカメラ20からのデータを受信するためのインターフェースであり、図1の例ではデータ線CBが接続されている。ステレオカメラ20から送信されるデータは、インターフェース部32を介して、処理部31へ入力される。
操作部33は、操作者が画像処理装置30へ各種情報を入力するためのマン・マシン・インターフェースであり、例えば各種スイッチ、キーボード等を含んで構成可能である。図1の例では、操作部33を介して入力された情報は処理部31へ伝送される。
表示部34は、画像処理装置30が操作者へ各種情報を視覚的に提供するためのマン・マシン・インターフェースであり、例えば液晶ディスプレイ等を含んで構成可能である。図1の例では、表示部34は処理部31によって制御される。
なお、例えばタッチパネル等によれば、操作部33と表示部34とを一つの装置で構成可能である。
<対応点探索処理>
処理部31が行う演算処理の一例として、いわゆる対応点探索処理が挙げられる。対応点探索処理は、ステレオ画像を構成する画像(ここでは画像G1,G2)間において、互いに対応する点、すなわち対応点を探索する処理である。
対応点探索で得られた対応点を利用することにより、例えば、被写体OBの3次元位置を算出することが可能である。3次元位置算出処理は、ステレオ画像を構成する画像G1,G2間の対応点を用い、三角測量の原理に基づいて行われる。3次元位置算出処理は、処理部31が行う演算処理の他の一例である。
<位相限定相関法を用いた対応点探索の基本原理>
対応点探索処理の一例として、位相限定相関法(POC;Phase Only Correlation)を用いた対応点探索処理の基本原理を説明する。なお、画像処理装置30では位相限定相関法を採用するものとするが、後述の他の対応点探索手法を採用することも可能である。
位相限定相関法を含め各種の対応点探索処理では、ステレオ画像を構成する一の画像を基準画像として設定し、ステレオ画像を構成する他の一の画像を参照画像として設定する。以下の説明では、撮像系21による撮像画像G1を基準画像とし、また、撮像系22による撮影画像G2を参照画像とする場合を例示する。なお、説明を分かりやすくするために、符号G1,G2を用いて、基準画像G1および参照画像G2と称することにする。
なお、ここでは、基準画像G1および参照画像G2は、直交するX方向およびY方向に沿って多数の画素がマトリックス状に配置されて形成されているものとする。また、基準画像G1および参照画像G2では、X方向に沿って所定数の画素が配列されることで長辺が形成され、X方向に直行するY方向に沿って所定数の画素が配列されることで短辺が形成されているものとする。
図2に、基準画像G1と参照画像G2との間において対応点探索を行う際に、基準画像G1に対して設定される関心領域W1の設定態様を例示する。また、図3に、参照画像G2に対して設定される関心領域W2の設定態様を例示する。なお、関心領域は、ROI(Region Of Interest)、ウィンドウ等とも称される。
なお、図2および図3には、画像G1,G2の長辺に沿ったX方向と、画像G1,G2の短辺に沿ったY方向とを表す座標系を付記している。かかる座標系は後出の図面においても適宜、図示している。また、両画像G1,G2において、最も左下の画素が基準(例えば原点)とされるとともに、各画素の位置がXYの座標(X,Y)で示され、例えば、X方向に1画素ずれるとX座標の値が1増加し、Y方向に1画素ずれるとY座標の値が1増加するものとする。
また、ここでは、画像G1,G2において被写体の同じ部分を捉えた画素の座標は、Y方向にはほとんどずれず、X方向にずれるように、撮像系21,22が設置されているものとする。
まず、図2に示されるように、基準画像G1の一部に関心領域W1が設定される。なお、基準画像G1上に設定される関心領域W1を、基準関心領域W1とも称することにする。ここでは、基準関心領域W1は、基準画像G1上で指定される点Pを中心点として内包する2次元領域として設定される。なお、上記の指定点Pを注目点Pとも称する。
他方、図3で示されるように、参照画像G2上に複数の位置に関心領域W2が設定される。なお、参照画像G2上に設定される関心領域W2を比較関心領域W2とも称することにする。比較関心領域W2は、基準関心領域W1と同じサイズを有する2次元領域である。
なお、基準関心領域W1および比較関心領域W2では、複数の画素がX方向およびY方向に沿ってマトリックス状に配列されている。具体的には、X方向に沿って所定数N1の画素が配列され、Y方向に沿って所定数N2の画素が配列される。
次に、基準関心領域W1および各比較関心領域W2が演算処理の対象となる領域(処理対象領域)とされて、基準関心領域W1と各比較関心領域W2との相関を示す値(以下、相関値と称する)が算出される。そして、各比較関心領域W2に係る相関値(ここでは、後述するPOC値)に基づいて、参照画像G2上で注目点Pに対応する点(対応点)が検出される。
基準関心領域W1は、図4中に実線矢印で示されるように、X方向に沿って左から右方向へ、所定画素ずつずらされながら、時間順次に設定される。基準関心領域W1が右端に到達したならば、基準関心領域W1は、図4中の破線で示されるように、下方向(−Y方向)に所定画素ずれた位置において、再び左から右方向へ時間順次に設定される。各基準関心領域W1の注目点Pに対応する対応点が、参照画像G2上において検出される。
より具体的には、基準画像G1において注目点Pが、X方向に平行な各画素列に沿って、+Y方向から−Y方向に向けて、時間順次に設定される。そして、1つの画素列に沿った注目点Pの設定が完了すると、1画素だけ−Y方向にずれた次の画素列に沿って、注目点Pが時間順次に設定される。すなわち、注目点Pを内包する基準関心領域W1によって基準画像G1が走査(スキャン)される。この際のスキャン方向は、X方向に沿った方向、すなわちX方向に平行な方向となる。
各基準関心領域W1の注目点Pについて対応点を検出する際、図3に示されるように、参照画像G2に対して、注目点PのY座標と同じY座標の点を中心とした比較関心領域W2が、X方向に沿って左から右方向へ1画素ずつずらされながら、時間順次に設定される。すなわち、参照画像G2が比較関心領域W2によってX方向に沿って走査(スキャン)される。
このように、注目点Pに対応する対応点が存在し得る領域を、比較関心領域W2を設定する候補として限定し、その限定された領域を比較関心領域W2でスキャンすることにより、効率良く対応点が検出することができる。
比較関心領域W2を設定する候補領域は、撮像系21,22に係る各種設定に従って適宜設定可能である。なお、撮像系21,22に係る各種設定として、例えば、撮像系21,22の配置、撮像系21,22の撮影方向(具体的には光軸の設定)、撮像系21,22の撮影範囲(具体的には画角)等が挙げられる。
なお、例えば、図4で示された基準関心領域W1と同様に、比較関心領域W2を参照画像G2のほぼ全体をスキャンするように設定しても構わない。
図5に、位相限定相関法を用いた対応点探索処理を説明するための図を示す。
位相限定相関法を用いた対応点探索処理では、まず、基準画像G1に対する関心領域W1の設定処理T0aと、参照画像G2に対する関心領域W2の設定処理T0bとが行われる。このとき、基準画像G1のうちで関心領域W1内の画像と、参照画像G2のうちで関心領域W2内の画像とが抽出される。これらの抽出画像は、次式(1)で表されるものとする。
Figure 0005381451
ここで、上記の式(1)について、f(n1,n2)は基準関心領域W1内の画像を示し、g(n1,n2)は比較関心領域W2内の画像を示す。また、N1およびN2は、例えばN1=2M1+1、N2=2M2+1と設定されている。
次に、関心領域W1,W2内の画像に対し、次式(2)で示される演算式を用いた2次元のフーリエ変換処理T1a,T1bが行われる。
Figure 0005381451
なお、式(2)のただし書において、Wの添字PにはN1,N2が代入され、kの添字sには1,2が代入される。
このようなフーリエ変換処理T1a,T1bが施された画像に対しては、次の式(3)で示される演算式を用いて、画像の振幅成分を除去するための規格化処理T2a,T2bが行われる。
Figure 0005381451
規格化処理T2a,T2bが完了すると、次式(4)で示される演算式を用いた合成処理T3が行われるとともに、次式(5)で示される演算式を用いた2次元の逆フーリエ変換処理T4が行われる。これにより、各画像間の相関演算が実施されることとなり、その結果(POC値)が出力される。
Figure 0005381451
Figure 0005381451
以上の処理により、基準関心領域W1と比較関心領域W2との相関を示す演算結果(POC値)が得られ、図6に例示されるような結果(POC値)が得られる。
図6において、関心領域(N1×N2)内で相関が高い箇所のPOC値が大きくなっている。参照画像G2上の関心領域W2内のうちでPOC値のピークJcに対応する位置が、基準画像G1上の関心領域W1の中心点である注目点Pに対応した対応点に相当する。
ここでは、1つの基準関心領域W1と複数の比較関心領域W2との間で相関演算が行われ、POC値のピークJcが検出される。その結果、基準画像G1上の注目点Pに対応した参照画像G2上の対応点が検出される。
基準画像G1上に順次設定される各基準関心領域W1について、上記と同様の手法により、各基準関心領域W1の注目点Pに対応した参照画像G2上の対応点が検出される。
位相限定相関法は、上記のように、フーリエ変換を使った相関演算法の一つであり、2つのフーリエ画像をスペクトルごとに規格化した後に合成する。これにより、画像の振幅成分が除去され、画像の位相成分のみで相関演算が行われる。そのため、画素値(輝度値)の変動やノイズの影響を受けにくい。したがって、位相限定相関法によれば、対応点探索を高精度に行うことができる。
<処理部31の構成>
図7に、処理部31の概略構成図を示す。図7に例示の処理部31は、メモリ35と、関心領域設定手段50と、前処理手段100と、対応点探索手段60とを含んでおり、かかる構成によりステレオ画像の対応点探索処理を行う。なお、図7では、「関心領域設定手段」を「関心領域設定」と略記しており、他の要素についても同様に略記している。
メモリ35は、例えばRAM(Random Access Memory)で構成され、ステレオカメラ20(図1参照)によって撮像されたステレオ画像のデータ、各種の処理で生成されたデータ等を格納する。
関心領域設定手段50は、メモリ35から対応点探索を行う対象の画像G0(以下、原画像G0またはオリジナル画像G0とも称する)を取得し、当該原画像G0の一部に関心領域を設定する。原画像G0は基準画像G1または参照画像G2であり、設定される関心領域は基準関心領域W1または比較関心領域W2である(図2〜図4参照)。関心領域設定手段50については後に詳述する。
前処理手段100は、関心領域内の画像G50を前処理対象画像として取得し、当該前処理対象画像G50に基づいて対応点探索用の画像G100を設定し、当該対応点探索用画像G100を対応点探索手段60へ出力する。前処理手段100については後に詳述する。なお、対応点探索用画像G100は、基準画像G1の関心領域W1内の画像、または、参照画像G2の関心領域W2内の画像に対応する(図2〜図4参照)。
対応点探索手段60は、前処理手段100から対応点探索用画像G100を複数取得し、かかる複数の画像G100について対応点探索を行う。なお、対応点探索手段60は、ここでは、上述の位相限定相関法を用いて対応点探索を行うものとする。
第1実施形態では、各手段50,100,60が、各自の所定処理を実現するように回路構成されたハードウェアによって提供されるものとする。但し、かかるハードウェアにより実現される機能の一部または全部をソフトウェアによって構成することも可能である(後述する)。
<関心領域設定手段50>
関心領域設定手段50は、上記のように、原画像G0(基準画像G1または参照画像G2)を取得して、その一部に関心領域を設定する。
基準画像G1の関心領域(図2の基準関心領域W1を参照)は、例えば、注目点Pの位置と関心領域のサイズを指定することにより設定可能である。かかる指定態様として、例えば、操作者が操作部33を介して入力する構成を採用可能である。この場合、関心領域設定手段50は当該入力を取得し、これに基づいて基準画像G1上に関心領域W1を設定する。
あるいは、関心領域設定手段50が所定のシーケンスに従って注目点Pの位置を順次指定する構成を採用することも可能である。かかるシーケンスの一例として、図4で例示したように注目点Pを基準画像G1上で順次移動させるシーケンスが考えられる。他方、関心領域設定手段50は、関心領域W1のサイズとして、予め設定された所定サイズ(操作者が変更できるようにしても構わない)を採用するようにしてもよい。
あるいは、関心領域設定手段50は、以前に実行された対応点探索処理等において利用した注目点Pの位置および関心領域のサイズを流用するようにしてもよい。
他方、参照画像G1の関心領域(図3の比較関心領域W2を参照)の位置設定は、例えば、操作者が操作部33を介して指定する構成により可能である。例えば、操作者が、関心領域W2の所定の頂点位置を指定することにより、関心領域W2が設定される構成である。この場合、関心領域設定手段50は当該入力を取得し、これに基づいて参照画像G2上に関心領域W2を設定する。なお、ここでは、比較関心領域W2のサイズは基準関心領域W1のサイズと同じに設定される場合を例示する。
あるいは、関心領域設定手段50が所定のシーケンスに従って関心領域W2を順次設定する構成を採用することも可能である。かかるシーケンスの一例として、図3で例示したように比較関心領域W2を参照画像G2上で順次移動させるシーケンスが例示される。
あるいは、関心領域設定手段50は、以前に実行された対応点探索処理等において利用した比較関心領域W2の位置を流用するようにしてもよい。
あるいは、関心領域設定手段50が、基準画像G1の関心領域W1の位置と、ステレオカメラ20のカメラパラメータとに基づいて、参照画像G2の関心領域W2を設定してもよい。なお、カメラパラメータは、例えば、撮像系21,22の位置関係、姿勢、基線長等を含み、画像処理装置30に対して予め設定可能なデータである。
あるいは、関心領域設定手段50が、予め設定された固定値に従って、参照画像G2の関心領域W2を設定するようにしてもよい。
なお、以下の説明では、関心領域設定手段50が、原画像G0(基準画像G1または参照画像G2)から関心領域内の画像G50を抽出して原画像G0とは別個の画像を生成し、生成した画像G0を前処理手段100へ出力する場合を例示する。
これに対し、例えば、関心領域設定手段50が、設定した関心領域のデータ(位置、サイズ等のデータ)を前処理手段100へ出力するようにしてもよい。この場合、前処理手段100は、関心領域設定手段50から関心領域の設定データを取得するとともに、メモリ35から原画像G0を取得することにより、関心領域内の画像G50を把握することが可能である。
<前処理手段100>
前処理手段100は、上記のように、関心領域内の画像G50、すなわち前処理対象画像G50に基づいて、対応点探索手段60への入力画像G100を設定する。図7に例示の前処理手段100は、指針値設定手段110と、画素値変換手段120と、選択手段130とを含んで構成されている。
<指針値設定手段110>
指針値設定手段110は、前処理手段100による処理内容を決定するための指針を与える指針値S110を設定する。後述の説明から明らかになるが、指針値S110は、画素値変換手段120および選択手段130の処理において利用される。
ここでは、指針値S110が第1の指針値S111と第2の指針値S112とを含み、指針値設定手段110が第1の指針値S111を設定する手段111と第2の指針値S112を設定する手段112とを含む場合を例示する。なお、第1の指針値S111よりも第2の指針値S112の方が大きいものとする。
指針値S111,S112の設定は、指針値設定手段111,112によって、予め規定された所定の指針値設定規則に従って行われる。以下に、かかる規則の例を説明する。
<指針値設定規則の第1例:第1指針値S111の設定>
当該第1例に係る規則は、関心領域内の画像G50、すなわち前処理対象画像G50に基づいて指針値S111を設定するものである。より具体的には、当該設定規則は、前処理対象画像G50に含まれる画素の画素値(すなわち輝度値)のうちで最小の画素値Pminを抽出し、当該最小の画素値Pminを第1指針値S111に設定するという規則である。
図8に最小画素値Pminを概説する図を示す。図8では、画像G50の1行分(換言すれば1次元)の各画素について画素値を例示し、これらの画素値のうちで最小画素値Pminを例示している。
最小画素値Pminは、例えば、前処理対象画像G50の画素値を順次比較することによって、抽出可能である。
あるいは、例えば、画素値の分布図、いわゆるヒストグラムを生成し、得られたヒストグラムから最小値Pminを抽出することも可能である。図9に、ヒストグラムを例示する。ヒストグラムは例えば第1指針値設定手段111が生成するようにしてもよいし、あるいは、指針値設定手段110にヒストグラム生成手段(図示略)を設けてもよい。
なお、最小画素値Pminの抽出は、これらの手法に限定されるものではない。
<指針値設定規則の第2例:第1指針値S111の設定>
当該第2例に係る規則は、前処理対象画像G50に基づいて指針値S111を設定するものである。より具体的には、当該設定規則は、前処理対象画像G50に含まれる画素の画素値のうちで最小の画素値Pminよりも大きい値を第1指針値S111に設定するという規則である。
例えば、図10のヒストグラムに例示するように、最小画素値Pminを有する画素の個数(度数)が少なく、かつ、最小画素値Pminがヒストグラムの孤立した部分に含まれる場合、第2例に係る指針値設定規則によれば、最小画素値Pminをノイズ等の特異値として扱い、除外することができる。
なお、ヒストグラムの孤立部分は、最小画素値Pminのみで構成されている場合だけでなく、最小画素値Pminと当該最小値Pminに近接する画素値とによって構成されている場合もあり得る。
図10の例の場合、第1指針値S111の設定規則は、画素値の分布において、最小画素値Pminが含まれる上記孤立部分を除いた残余の部分のうちで最小の画素値を第1指針値S111に設定することが規定される。
より具体的には、第1指針値設定手段111は、例えば、
・条件A1:抽出された最小画素値Pminを有する画素の個数が、画素の個数に関する所定値よりも少ないという条件と、
・条件A2:最小画素値Pminと、当該画素値Pminに画素値に関する所定値を加算して得られる画素値との間の範囲内に、画素数が0(ゼロ)個である画素値が存在するという条件と、
の両方が満たされた場合、最小画素値Pminの画素を除外して、残余の画素について再度、最小値Pminの抽出を行えばよい。かかる最小画素値Pminの再抽出は複数回行われる場合もある。
これにより、特異な最小値を避けて第1指針値S111を設定することができる。
上記条件A1に関して、上記の画素数に関する所定値として、例えば、予め設定された固定値を採用することが可能である。あるいは、例えば、最多の画素数(ヒストグラムにおいてピークを形成する画素値の画素数)に、予め設定された所定比率を乗算して得られる値を、上記の画素数に関する所定値として採用してもよい。
上記条件A2に関して、上記の画素値に関する所定値として、例えば、予め設定された固定値を採用することが可能である。あるいは、例えば、画素値の分布の広がり度合い(例えば分散値、標準偏差等によって表すことが可能である)に、予め設定された所定比率を乗算して得られる値を、上記の画素値に関する所定値として採用してもよい。
ここで、上記条件A2の代わりに、
・条件A3:最小画素値Pminと、当該画素値Pminに画素値に関する所定値を加算して得られる画素値との間の範囲全域において、各画素値の度数(画素数)が所定値よりも少ないという条件、
を用いてもよい。
かかる条件A3は、図11に例示したヒストグラムのように、いわゆる分布の裾部分が長く延在する場合に好適である。あるいは、条件A3によれば、図11の例示だけでなく、図10に例示した孤立部分を有する場合をも包含しうる点において、条件A2よりも汎用性が高いとも言える。
なお、条件A3における画素数に関する所定値は、例えば、条件A1における画素数に関する所定値と同様に設定可能である。
さて、指針値S111の設定規則の第2例として次の規則を採用する場合も、第1指針値S111を最小画素値Pminよりも大きい値に設定することが可能である。具体的には、最小画素値Pminから数えて所定個数の画素を除外し、残余の画素について最小画素値を抽出し、当該抽出された最小値を第1指針値S111に設定してもよい。この場合、除外する画素の個数として、例えば、前処理対象画像G50に含まれる全画素数に、予め設定された所定比率を乗算して得られる個数を採用する手法が考えられる。
<指針値設定規則の第3例:第1指針値S111の設定>
当該第3例に係る規則は、前処理対象画像G50に含まれる画素の画素値のうちで最小の画素値Pminよりも大きい値を第1指針値S111に設定する点で、上記第2例と共通する。しかし、第2例とは異なり、本第3例に係る規則は、前処理対象画像G50の画素値の分布形状に依拠しない、予め設定された固定値を指針値S111に設定するものである。
例えば、原画像G0が暗い環境で撮影されたものである場合、前処理対象画像G50の大部分が暗くなる、すなわち大部分の画素値が小さくなることが起こりうる(図12に例示のヒストグラムを参照)。この場合、前処理対象画像G50の大部分を占める暗い画素は、対応点探索において貢献度が低いため、除外しても支障は少ない。
かかる点に鑑み、第3例に係る規則は、画素値が所定値よりも小さい画素が所定個数よりも多い場合、第1指針値S111を所定の固定値に設定するというものである。なお、画素値および画素個数に関する上記所定値、ならびに、第1指針値S111に関する上記固定値はそれぞれ、例えば種々の実験、シミュレーション等を通して選定することが可能である。
<指針値設定規則の第4例:第2指針値S112の設定>
本第4例に係る規則は、上述の第1例に対応する。
第4例に係る規則は、関心領域内の画像G50、すなわち前処理対象画像G50に基づいて指針値S112を設定するものである。より具体的には、当該設定規則は、前処理対象画像G50に含まれる画素の画素値(すなわち輝度値)のうちで最大の画素値Pmaxを抽出し、当該最大の画素値Pmaxを第2指針値S112に設定するという規則である。
図13に最大画素値Pmaxを概説する図を示す。図13では、画像G50の1行分(換言すれば1次元)の各画素について画素値を例示し、これらの画素値のうちで最大画素値Pmaxを例示している。
最大画素値Pmaxは、例えば、前処理対象画像G50の画素値を順次比較することによって、抽出可能である。
あるいは、例えば、画素値の分布図、いわゆるヒストグラムを生成し、得られたヒストグラムから最大値Pmaxを抽出することも可能である。図14に、ヒストグラムを例示する。ヒストグラムは例えば第2指針値設定手段112が生成するようにしてもよいし、あるいは、指針値設定手段110にヒストグラム生成手段(図示略)を設けてもよし、あるいは、第1指針値設定手段111が生成したヒストグラムを流用するようにしてもよい。
なお、最大画素値Pmaxの抽出は、これらの手法に限定されるものではない。
<指針値設定規則の第5例:第2指針値S112の設定>
本第5例に係る規則は、上述の第2例に対応する。
第5例に係る規則は、前処理対象画像G50に基づいて指針値S112を設定するものである。より具体的には、当該設定規則は、前処理対象画像G50に含まれる画素の画素値のうちで最大の画素値Pmaxよりも小さい値を第2指針値S112に設定するという規則である。
例えば、最大画素値Pmaxを有する画素の個数(度数)が少なく、かつ、最大画素値Pmaxがヒストグラムの孤立した部分に含まれる場合、第5例に係る指針値設定規則によれば、最大画素値Pmaxをノイズ等の特異値として扱い、除外することができる。
なお、ヒストグラムの孤立部分は、最大画素値Pmaxのみで構成されている場合だけでなく、最大画素値Pmaxと当該最大値Pmaxに近接する画素値とによって構成されている場合もあり得る。
上記例示の場合、第2指針値S112の設定規則は、画素値の分布において、最大画素値Pmaxが含まれる上記孤立部分を除いた残余の部分のうちで最大の画素値を第2指針値S112に設定することが規定される。
より具体的には、第2指針値設定手段112は、例えば、
・条件B1:抽出された最大画素値Pmaxを有する画素の個数が、画素の個数に関する所定値よりも少ないという条件と、
・条件B2:最大画素値Pmaxから、当該画素値Pmaxに画素値に関する所定値を減算して得られる画素値との間の範囲内に、画素数が0(ゼロ)個である画素値が存在するという条件と、
の両方が満たされた場合、最大画素値Pmaxの画素を除外して、残余の画素について再度、最大値Pmaxの抽出を行えばよい。かかる最大画素値Pmaxの再抽出は複数回行われる場合もある。
これにより、特異な最大値を避けて第2指針値S112を設定することができる。
上記条件B1,B2は既述の条件A1,A2にそれぞれ対応し、上記条件B1,B2に関する各種の所定値は条件A1,A2において対応する所定値と同様にして設定可能である。
ここで、上記条件B2の代わりに、
・条件B3:最大画素値Pmaxから、当該画素値Pmaxに画素値に関する所定値を減算して得られる画素値との間の範囲全域において、各画素値の度数(画素数)が所定値よりも少ないという条件、
を用いてもよい。
上記条件B3は既述の条件A3に対応し、上記条件B3に関する各種の所定値は条件A3において対応する所定値と同様にして設定可能である。
さて、指針値S112の設定規則の第5例として次の規則を採用する場合も、第2指針値S112を最大画素値Pmaxよりも小さい値に設定することが可能である。具体的には、最大画素値Pmaxから数えて所定個数の画素を除外し、残余の画素について最大画素値を抽出し、当該抽出された最大値を第2指針値S112に設定してもよい。この場合、除外する画素の個数として、例えば、前処理対象画像G50に含まれる全画素数に、予め設定された所定比率を乗算して得られる個数を採用する手法が考えられる。
<指針値設定規則の第6例:第2指針値S112の設定>
本第6例に係る規則は、上述の第3例に対応する。
第6例に係る規則は、前処理対象画像G50に含まれる画素の画素値のうちで最大の画素値Pmaxよりも小さい値を第2指針値S112に設定する点で、上記第5例と共通する。しかし、第5例とは異なり、当該第6例に係る規則は、前処理対象画像G50の画素値の分布形状に依拠しない、予め設定された固定値を指針値S112に設定するものである。
例えば、原画像G0が明るい環境で撮影されたものである場合、前処理対象画像G50の大部分が明るくなる、すなわち大部分の画素値が大きくなることが起こりうる。この場合、前処理対象画像G50の大部分を占める明るい画素は、対応点探索において貢献度が低いため、除外しても支障は少ない。
かかる点に鑑み、第6例に係る規則は、画素値が所定値よりも大きい画素が所定個数よりも多い場合、第2指針値S112を所定の固定値に設定するというものである。なお、画素値および画素個数に関する上記所定値、ならびに、第2指針値S112に関する上記固定値はそれぞれ、例えば種々の実験、シミュレーション等を通して選定することが可能である。
<上記第1例〜第6例に係る指針値設定規則の比較>
上記の第2,第3,第5および第6の例によれば、特異な画素値を除外して、対応点探索の精度向上に資する。
なお、第1指針値S111と第2指針値S112とで同種の設定規則を採用してもよいし、異種の設定規則を採用してもよい。同種の設定規則を採用する場合とは、例えば、指針値S111の設定に第1例の規則を採用し、指針値S112の設定に第4例の規則を採用する場合である。これに対し、異種の設定規則とは、例えば第1例と第5例の組み合わせ等が該当する。
<指針値設定規則の第7例:指針値S111,S112の設定>
指針値設定手段110は基準画像G1および参照画像G2のそれぞれに対して指針値S111,S112を設定する。かかる点に鑑みると、次の規則を採用することも可能である。
すなわち、一の前処理対象画像G50に対して設定された指針値S111,S112のうちの少なくとも一方を、他の前処理対象画像G50に対しても採用するという規則である。
ここで、例えば対応点探索用画像G100の組が1つの基準画像G1と1つの参照画像G2から成る場合、上記の一の前処理対象画像G50とは2つの画像G1,G2のうちの一方が対応し、上記の他の前処理対象画像G50とは2つの画像G1,G2のうちの他方が対応する。
また、例えば対応点探索用画像G100の組が3つ以上の画像(例えば1つの基準画像G1と複数の参照画像G2)を含む場合、上記の一の前処理対象画像G50とは上記3つ以上の画像のうちのいずれか1つが対応し、上記の他の前処理対象画像G50とは残余の画像のうちのいずれか1つが対応する。
かかる設定規則に従うことにより、画像G50ごとに指針値S111,S112を設定する場合に比べて、指針値設定手段110の処理負担を削減することができる。その結果、指針値設定処理の高速化を図ることができる。
なお、本第7例の指針値設定規則を採用するか否かは、例えば、対応点探索手法の種類に応じて決定すればよい。例えば、第7例の指針値設定規則を採用することによって対応点探索の精度が十分に得られない場合には、指針値S111,S112を画像G50ごとに独立に求める方が好ましい。
<指針値設定規則の第8例:指針値S111,S112の設定>
第8例に係る設定規則は、複数の前処理対象画像G50に対して共通の第1指針値S111または/および共通の第2指針値S112を設定する点で、上記第7例と同様である。但し、共通の指針値S111,S112の選定手法が第7例とは異なる。
具体的には、第8例に係る設定規則では、第1指針値S111の設定に関し、まず、複数の前処理対象画像G50のそれぞれに対して、例えば上記第1例〜第3例のいずれかの設定規則に従って、第1指針値S111を設定する。そして、得られた複数の第1指針値S111のうちの最小値を当該複数の前処理対象画像G50に対する共通の第1指針値S111として採用する。
また、第8例に係る設定規則では、第2指針値S112の設定に関し、まず、複数の前処理対象画像G50のそれぞれに対して、例えば上記第4例〜第6例のいずれかの設定規則に従って、第2指針値S112を設定する。そして、得られた複数の第2指針値S112のうちの最大値を当該複数の前処理対象画像G50に対する共通の第2指針値S112として採用する。
第8例に係る設定規則は、第1指針値S111に関する上記規則と、第2指針値S112に関する上記規則とのうちの少なくとも一方を含んで構成される。
第8例の設定規則に従うことにより、対象とする上記複数の画像G50のいずれに対しても好適な指針値S111,S112を得ることができる。
なお、本第8例の指針値設定規則を採用するか否かは、例えば、対応点探索手法の種類に応じて決定すればよい。例えば、第8例の指針値設定規則を採用することによって対応点探索の精度が十分に得られない場合には、指針値S111,S112を画像G50ごとに独立に求める方が好ましい。
<画素値変換手段120>
図7に戻り、画素値変換手段120は、前処理対象画像G50、すなわち関心領域内の画像G50に含まれる画素の画素値を指針値S110に基づいて減少させる画素値変換を行う。そして、画素値変換手段120は、画素値変換によって生成された画像(後述の画像G121,G122,G123のいずれか)を対応点探索用画像G100として出力する。
画素値変換によって画素値が減少するので、画素値を変換していない画像G50を用いて対応点探索を行う場合に比べて、対応点探索での演算負担を削減することができる。これにより、対応点探索について処理時間の短縮化、すなわち高速化を図ることができる。また、画素値の減少により、演算等に用いるメモリの容量を削減することが可能である。
ここで、カメラ20からの出力画像G1,G2のデータがLinear特性である場合、ダイナミックレンジが非常に大きくなる可能性がある。これに対し、画素値変換を適用することにより、ダイナミックレンジを縮小した画像を対応点探索に供することができる。このため、画像処理装置30は広いダイナミックレンジを有する画像に対しても有用である。
<データのビット長と演算誤差について>
ところで、画素値が小さいほど、画素値を表現するビット長は短くて済む。ビット長を短くすることは、演算負担を軽減する点で好ましい。しかしながら、ビット長が短くなると、演算誤差が大きくなるという問題がある。この点について以下に考察する。
対応点探索の対象画像G1,G2は、画像データのビット長が長いほど、詳細な画像になる。また、画像データが詳細であるほど、対応点探索の精度は高くなる。このため、画像G1,G2のデータビット長は長い方が好ましい。しかし、ビット長が長くなると、演算量(換言すれば演算負担)および処理時間が増大してしまい、好ましくない。
ここで、図15に、データのビット長と演算誤差との関係を概説するグラフを示す。図7によれば、ビット長が長いほど、演算誤差が小さくなることが分かる。このため、或る程度以上のビット長があれば、演算誤差は実用上問題のない許容範囲に収まる。換言すれば、許容誤差範囲内においてデータビット長を小さくすることにより、演算誤差を抑制しつつ、演算量および処理時間を削減することが可能である。
なお、図15によれば、ビット長と演算誤差との間の変化は線形の関係を有さず、ビット長の増加に伴って演算誤差の変化率(ここでは減少率)は小さくなることが分かる。このため、同じ許容誤差範囲を設定する場合であっても、線形変化の場合に比べて、大幅にビット数を削減することが可能である。
上記に鑑み、画素値変換手段120では、画素値自体を減少させるとともに、画素値をデータ表現するのに要するビット長も減少させるビット長変換を行うことが好ましい。この場合、画素値のビット長と対応点探索での演算誤差とについて予め取得された関係(図15参照)において、変換後のビット長が、予め設定された許容可能な誤差範囲内に存在するように、ビット長変換を行う。
かかるビット長変換によれば、対応点探索での演算誤差を許容範囲内に収めることができるので、対応点探索の精度を確保することができる。
<ビット長変換と対応点探索手段60の入力ビット長との関係について>
さて、対応点探索手段60への入力データのビット長に関し、画素値に係る入力ビット長が、ビット長と演算誤差とについての上記関係(図15参照)において上記許容誤差範囲内に存在する場合、ビット長変換による変換後のビット長として、対応点探索手段60の上記入力ビット長を採用するのが、より好ましい。
かかるビット長の設定によれば、例えば、対応点探索手段60は多倍長入力に対応可能な構成を採用する必要が無くなる。このため、対応点探索の処理負担を削減することができる。
なお、対応点探索手段60をハードウェアで構成する場合、当該手段60の上記入力ビット長は一定値に固定される。他方、対応点探索手段60をソフトウェアで構成する場合(後述する)、対応点探索手段60の上記入力ビット長は固定値とは限らない。
<画素値変換手段120の構成例>
ここでは、画素値変換手段120が、減算手段121と、圧縮手段122とを含んでいる場合を例示する。減算および圧縮という簡易な手法によれば、画素値変換の処理負担が小さくて済む。
但し、2つの手段121,122のうちの一方のみで画素値変換手段120を構成することも可能である。これに対し、手段121,122の両方を含むことにより、多彩な画素値変換を行うことができる。
<減算手段121>
減算手段121は、前処理対象画像G50と第1指針値S111とを取得し、当該画像G50に含まれる各画素の画素値から第1指針値S111を減算する。ここで、画像G50において座標(i,j)に位置する画素の画素値をP(i,j)とし、当該画素の減算後の画素値をP121(i,j)とすると、減算手段121での減算処理は次式(6)で表される。
Figure 0005381451
なお、第1指針値S111が前処理対象画像G50の最小画素値Pminよりも大きい値に設定される場合、減算後の画素値P121(i,j)が負値となる画素が生じうる。この場合、例えば、減算結果が負値となる画素値に関しては、その画素値を0(ゼロ)に設定する手法が考えられる。
各画素に対する減算演算により、減算手段121から、減算結果の画素値で構成された画像G121が出力される。
減算処理によれば、画素値を減少させることができるとともに、各画素値の相対関係を保持することができる。しかも、画素値間の相対値、すなわち画素値の差の大きさを保持することができる。このため、画素値の変換に伴って生じうる対応点探索の精度低下を防止することができる。
<圧縮手段122>
圧縮手段122は、前処理対象画像G50または減算手段121による減算結果に係る画像G121を取得し、当該取得した画像G50またはG121に含まれる画素の画素値を、所定の上限値以下の値に圧縮する。ここで、画像G50または画像G121における座標(i,j)に位置する画素の画素値をP(i,j)とし、当該画素の圧縮後の画素値をP122(i,j)とすると、圧縮手段122での圧縮処理は次式(7)で表される。
Figure 0005381451
式(7)において、Imaxは、圧縮後の画素値の最大値であり、予め所望の値に設定される。Imaxとして、例えば、対応点探索手段60における画素値に係る入力ビット長によって表現可能な最大値が採用される。なお、Imaxは予め圧縮手段122に与えられているものとする。
また、Rmaxは、圧縮対象の画素値のうちの最大値である。このとき、例えば、前処理対象画像G50において第2指針値S112よりも大きい画素値は圧縮対象から除外する構成の場合、減算処理されていない前処理対象画像G50を圧縮する際のRmaxとしては第2指針値S112が採用され、他方、減算処理された画像G121を圧縮する際のRmaxとしては、第2指針値S112から第1画素値S112を減算して得られる値が採用される。
なお、式(7)から、ImaxをRmaxで除算して得られる値{Imax/Rmax}は圧縮比率または圧縮係数と称することができる。
なお、第2指針値S112が前処理対象画像G50の最大画素値Pmaxよりも小さい値に設定される場合、圧縮後の画素値P122(i,j)が許容最大値Imaxを超えてしまう画素が生じうる。この場合、例えば、Imaxを超える画素値に関しては、その画素値をImaxに設定する手法が考えられる。
各画素に対する圧縮演算により、圧縮手段122から、圧縮結果の画素値で構成された画像G122または画像G123が出力される。ここでは、減算処理されていない画像G50から得られた圧縮画像を画像G122と称し、減算処理された画像G121から得られる圧縮画像を画像G123と称することにする。
圧縮処理によれば、画素値を減少させることができるとともに、各画素値の相対関係を保持することができる。
<選択手段130>
選択手段130は、前処理対象画像G50に対して画素値変換手段120を適用するか否かを選択する。かかる点に鑑み、図7では、前処理手段100へ入力された前処理対象画像G50が選択手段130へ供給され、選択手段130によって当該画像G50の出力先が切り替えられる形態を例示している。
かかる選択処理によれば、必要性の低い画素値変換を実行しないようにすることが可能である。画素値変換の不実施により、前処理の処理負担を小さくすることができる。また、画素値変換の不実施により、対応点探索の開始を早めることができるので、全体の処理時間の短縮に繋がる。
選択手段130は、画素値変換手段120を適用する場合にはさらに、減算手段121による減算変換と、圧縮手段122による圧縮変換と、減算手段121と圧縮手段122との組み合わせによる減算圧縮変換とのいずれを採用するかを選択する。つまり、選択手段130によれば、多彩な画素値変換を切り替えて利用することができる。
なお、例えば、画素値変換手段120が減算変換のみを行う構成であり、かつ、かかる減算変換を全ての画像に対して行う構成の場合、選択手段130を設けなくても構わない。
<選択手段130による処理の第1例>
本第1例に係る選択処理ST10を図16のフローチャートを参照して説明する。本第1例では、選択手段130は、指針値S111,S112と、対応点探索手段60への入力許容最大値Imaxとを利用する。なお、Imaxは予め選択手段130に与えられているものとする。
選択手段130は、まず、第2指針値S112と許容最大値Imaxとを比較する(ステップST11)。
そして、選択手段130は、ステップST11において第2指針値S112が許容最大値Imaxよりも小さいと判断した場合、画素値変換手段120を利用しない選択をする(ステップST12)。この場合、前処理対象画像G50がそのまま、前処理手段100からの出力画像G100として出力され、対応点探索手段60へ入力される。
他方、選択手段130は、上記ステップST11において第2指針値S112が許容最大値Imax以上であると判断した場合、画素値変換手段120を利用する選択をする。この場合、選択手段130は、さらに、画素値変換の内容を選択する。
例えば、選択手段130は、第2指針値S112から第1指針値S111を減算した値と許容最大値Imaxとを比較する(ステップST13)。そして、選択手段130は、ステップST13において上記減算値が許容最大値Imaxよりも小さいと判断した場合、減算手段121による減算処理を選択し、かかる選択内容に関する指示S130(図7参照)を画素値変換手段120へ出力する(ステップST14)。この場合、減算手段121からの出力画像G121が、前処理手段100からの出力画像G100として出力され、対応点探索手段60へ入力される。
これに対し、選択手段130は、ステップST13において上記減算値が許容最大値Imax以上である判断した場合、減算手段121と圧縮手段122とによる減算圧縮処理を選択し、かかる選択内容に関する指示S130(図7参照)を画素値変換手段120へ出力する(ステップST15)。この場合、圧縮手段122から出力される減算圧縮処理に係る結果画像G123が、前処理手段100からの出力画像G100として出力され、対応点探索手段60へ入力される。
なお、ステップST15において、減算圧縮処理に代えて、圧縮処理のみを利用するようにしても構わない。この場合、圧縮手段122から出力される圧縮処理に係る結果画像G122が、前処理手段100からの出力画像G100として出力され、対応点探索手段60へ入力される。
<選択手段130による処理の第2例>
本第2例に係る選択処理ST20を図17のフローチャートを参照して説明する。選択手段130は、まず、第2指針値S112と許容最大値Imaxとを比較する(ステップST21)。
そして、選択手段130は、ステップST21において第2指針値S112が許容最大値Imaxよりも小さいと判断した場合、画素値変換手段120を利用しない選択をする(ステップST22)。この場合、前処理対象画像G50がそのまま、前処理手段100からの出力画像G100として出力され、対応点探索手段60へ入力される。
他方、選択手段130は、上記ステップST21において第2指針値S112が許容最大値Imax以上であると判断した場合、減算手段121と圧縮手段122とによる減算圧縮処理を選択し、かかる選択内容に関する指示S130(図7参照)を画素値変換手段120へ出力する(ステップST23)。この場合、圧縮手段122から出力される減算圧縮処理に係る結果画像G123が、前処理手段100からの出力画像G100として出力され、対応点探索手段60へ入力される。
なお、ステップST23において、減算圧縮処理に代えて、例えば圧縮処理を利用するようにしても構わない。この場合、圧縮手段122から出力される圧縮処理に係る結果画像G122が、前処理手段100からの出力画像G100として出力され、対応点探索手段60へ入力される。
<選択手段130による処理の第3例>
本第3例に係る選択処理ST30を図18のフローチャートを参照して説明する。なお、本第3例では、選択手段130は許容最大値Imaxを利用しない。
選択手段130は、まず、第2指針値S112が所定の範囲(所定値aを下限とし所定値bを上限とする範囲)内に存在するか否か、かつ、第1指針値S111が所定の範囲(所定値cを下限とし所定値dを上限とする範囲)内に存在するか否かを判断する(ステップST31)。なお、所定値a,b,c,dは予め設定される値である。
そして、選択手段130は、ステップST31において第2指針値S112が上記範囲内に在り、かつ、第1指針値S111も上記範囲内に在ると判断した場合、画素値変換手段120を利用しない選択をする(ステップST32)。この場合、前処理対象画像G50がそのまま、前処理手段100からの出力画像G100として出力され、対応点探索手段60へ入力される。
他方、選択手段130は、上記ステップST31において第2指針値S112が上記範囲内に存在しない、または、第1指針値S111が上記範囲内に存在しないと判断した場合、減算手段121と圧縮手段122とによる減算圧縮処理を選択し、かかる選択内容に関する指示S130(図7参照)を画素値変換手段120へ出力する(ステップST33)。この場合、圧縮手段122から出力される減算圧縮処理に係る結果画像G123が、前処理手段100からの出力画像G100として出力され、対応点探索手段60へ入力される。
なお、ステップST33において、減算圧縮処理に代えて、例えば圧縮処理を利用するようにしても構わない。この場合、圧縮手段122から出力される圧縮処理に係る結果画像G122が、前処理手段100からの出力画像G100として出力され、対応点探索手段60へ入力される。
<選択手段130による処理の第4例>
ところで、関心領域は基準画像G1と参照画像G2のそれぞれに対して設定される。また、指針値S111,S112は、基準画像G1と参照画像G2とのそれぞれについて設定可能である。このため、基準画像G1と参照画像G2との間で、画素値の変換態様が異なる場合が生じうる。もちろん両画像G1,G2で画素値の変換態様が異なることは許容される。
これに対し、画素値の変換態様を同じにすることも可能である。画像G1,G2間で画素値の変換内容を同じにすることにより、画像G1の画素値と画像G2の画素値との間での相対関係を、画素値変換の前後で保持することができる。このため、画像G1,G2に対して異なる画素値変換を行う場合に比べて、対応点探索精度を高くすることができる。
以下に、かかる場合の処理ST40を図19のフローチャートを参照して例示する。
図19の例では、選択手段130は、まず、基準画像G1と参照画像G2とのうちの少なくとも一方に対して減算圧縮処理を選択したか否かを判定する(ステップST41)。そして、当該ステップST41での判定が肯定された場合(YESの場合)、選択手段130は画像G1,G2の両方に対して減算圧縮処理を採用する(ステップST42)。
他方、上記ステップST41での判定が否定された場合(NOの場合)、選択手段130は、画像G1,G2のうちの少なくとも一方に対して減算処理を選択したか否かを判定する(ステップST43)。そして、当該ステップST43での判定が肯定された場合、選択手段130は画像G1,G2の両方に対して減算処理を採用する(ステップST44)。
また、上記ステップST43での判定が否定された場合、選択手段130は、画像G1,G2のうちの少なくとも一方に対して圧縮処理を選択したか否かを判定する(ステップST45)。そして、当該ステップST46での判定が肯定された場合、選択手段130は画像G1,G2の両方に対して圧縮処理を採用する(ステップST46)。
これに対し、上記ステップST45での判定が否定された場合、選択手段130は、画素値変換手段120を利用しない選択をする。
<選択手段130による処理の第5例>
なお、指針値S111,S112の設定規則の第7例および第8例によれば、基準画素G1と参照画素G2とに共通の指針値S111,S112を設定可能である。このため、両画像G1,G2で画素値の変換態様を同じにすることができる。かかる場合にも上記の第5例に係る選択処理と同様の効果を得ることができる。
<処理部31の動作>
処理部31の動作例を、上記の各図面とともに図20のフローチャートを参照して、説明する。
図20に例示の動作ST50では、まず、関心領域設定手段50がメモリ35から基準画像G1とする画像G0を取得する(ステップST51)。そして、関心領域設定手段50が、基準画像G1に対して関心領域を設定する(ステップST52)。これにより、基準画像G1に関して、関心領域内の画像G50、すなわち前処理対象画像G50が設定される。その後、前処理手段100が、基準画像G1についての前処理対象画像G50に対して上記の前処理を実行し、前処理結果に係る画像G100を出力する(ステップST53)。なお、上記のように、前処理結果に係る画像G100は、減算処理がなされた画像G121と、圧縮処理がなされた画像G122と、減算圧縮処理がなされた画像G122と、画素値変換が行われないままの画像G50とのいずれかである。
その後、参照画像G2に関して、上記ステップST51〜53と同様の処理が行われる。具体的には、関心領域設定手段50がメモリ35から参照画像G2とする画像G0を取得する(ステップST54)。そして、関心領域設定手段50は、参照画像G2に対して関心領域を設定する(ステップST55)。これにより、参照画像G2に関して、前処理対象画像像G50が設定される。その後、前処理手段100が、参照画像G2についての前処理対象画像G50に対して上記の前処理を実行し、前処理結果に係る画像G100を出力する(ステップST56)。なお、上記のように、前処理結果に係る画像G100は、減算処理がなされた画像G121と、圧縮処理がなされた画像G122と、減算圧縮処理がなされた画像G122と、画素値変換が行われないままの画像G50とのいずれかである。
そして、対応点探索処理手段60が、基準画像G1に対応する前処理結果に係る画像G100と、参照画像G2に対応する前処理結果に係る画像G100とを、対応点探索用画像G100として取得し、これら2つの画像G100について対応点の探索を行う(ステップST57)。探索の結果、対応点が発見された場合には、その対応点を採用する(ステップST58)。これに対し、対応点が発見されなかった場合、処理部31は、上記ステップST55へ戻り、参照画像G2について新たな関心領域を設定する。
上記では、説明を分かりやすくするために、基準画像G1についての処理(ステップST51〜ST53)が、参照画像G2についての処理(ステップST54〜ST56)よりも先に実行される場合を例示したが、参照画像G2についての処理を先に実行することも可能である。
また、例えば、基準画像G1の取得ステップST51と参照画像G2の取得ステップST54とをまとめて、換言すれば連続的に(但し実行順序は問わない)実行してもよい。同様に、関心領域設定ステップST52,ST55を連続的に実行してもよいし、また、前処理ステップST53,ST56を連続的に実行してもよい。
<画像処理装置30による効果>
画像処理装置30によれば、既述のように、前処理手段100の採用により、対応点探索についての演算負担を削減することができる。その結果、対応点探索について処理時間の短縮化、すなわち高速化を図ることができる。
また、画素値の減少により、演算等に用いるメモリの容量を削減することが可能である。
ところで、関心領域は画像全体に比べて小さい領域であり、かかる小領域では画素値の急激な変動が少ない傾向にある。このため、前処理手段100による処理によって、画素値の相対関係を保ちつつ、各画素値を大きく減少させることが可能である。画素値の大幅な減少により、演算負担をさらに削減することができる。
また、2次元の関心領域によれば、1次元の関心領域を利用する場合(例えば特許文献1参照)に比べて多くのデータを用いて対応点探索を実行可能である。このため、対応点探索の安定性を向上させることができる。
なお、画像処理装置30に関する各種の要素、処理内容、設定内容等が奏する効果は適宜、説明した通りである。
<第2実施形態>
第2実施形態では、処理部31による各種処理をソフトウェアによって実現するための構成を説明する。図21に、第2実施形態に係る画像処理装置30Bの概略構成図を例示する。なお、画像処理装置30Bは、第1実施形態に係る画像処理装置30(図1参照)に代えて、画像処理システム10(図1参照)を構成可能である。
図21に例示の画像処理装置30Bは、処理部31Bと、記憶部37と、入出力部38とを含んでいる。また、図21に例示の画像処理装置30Bは、第1実施形態に係る画像処理装置30(図1参照)と同様に、インターフェース部32と、操作部33と、表示部34とを含んでいる。
処理部31Bは、プロセッサーとして働くCPU36と、第1実施形態と同様のメモリ35とを含んで構成可能である。
CPU36が、プログラムPGを実行することによって、より具体的にはプログラムPGに記述された処理ステップ、換言すれば処理手順を実行することによって、上記の各種処理が行われる。このとき、メモリ35は記憶部37または記録媒体1に収容されているプログラムPGや各種データ等を格納し、また、プログラムを実行するための作業領域を提供する。
かかる構成によれば、処理部31Bは第1実施形態で説明した各種手段として機能し、または、処理部31Bによって各種手段の機能が実現される。
記憶部37は、処理部31Bがアクセス可能に設けられたハードディスク等によって構成可能であり、CPU36が実行するプログラムPG等を格納する。入出力部38は、例えばディスクドライブによって構成可能であり、光ディスク等の記憶媒体1にアクセスして情報の読み出しおよび書き込みを行う。図21の例では、入出力部38は、処理部31Bと記憶媒体1との間に介在し、両者31B,1間の情報の授受を担う。
かかる構成例に鑑みると、画像処理装置30Bを例えば汎用のパーソナルコンピュータ(パソコン)によって構成することが可能である。
画像処理装置30Bによっても、上記の画像処理装置30と同様の効果を得ることができる。
<変形例1>
上記では位相限定相関法を用いて対応点探索を行う場合を例示したが、その他の手法を採用することも可能である。本変形例1では、対応点探索の他の手法を概説する。
<SAD(Sum of Absolute Differences;差分絶対値和)法>
SAD法は、画素値をそのまま減算することにより画像間の対応点を求める手法である。基準画像G1上の関心領域MLに対して、参照画像G2の在る範囲で設定された複数の関心領域MRとの相関演算を行う。相関値は次式(8)によって求められる。
Figure 0005381451
SAD法においては、演算結果SAD(x,y)が小さいほど相関が強いと考えられる。このため、相関の信頼度として次式(9)を用い、SADR(x,y)が最大値となる(x,y)を対応点として導出する手法が考えられる。なお、式(9)の分母をSAD(x,y)ではなく{SAD(x,y)+1}としているのは、SAD(x,y)が0(ゼロ)を取り得るからである。
Figure 0005381451
SAD法は、演算量が少ないので、対応点探索を高速化することができる。
<SSD(Sum of Squared Differences)法>
SSD法は、SAD法と同様に、画素値をそのまま演算することにより、画像間の対応点を求める手法であり、次式(10)により求められる。
Figure 0005381451
SSD法においては、演算結果SSD(x,y)が小さいほど相関が強いと考えられる。このため、相関の信頼度として次式(11)を用い、SSDR(x,y)が最大値となる(x,y)を対応点として導出する手法が考えられる。なお、式(11)の分母をSSD(x,y)ではなく{SSD(x,y)+1}としているのは、SSD(x,y)が0(ゼロ)を取り得るからである。
Figure 0005381451
SSD法は、画素値の減算結果を2乗しているので、小さい関心領域を用いた際の誤差も明確にすることができる。
<NCC(Normalized Cross Correlation)法>
NCC法は、各点の画素値から局所的な平均値を減算し、分散値の類似度によって対応点を求める手法である。このため、線形な明るさ変化(画像の画素値およびコントラストの線形変化とノイズ)に影響されない手法である。NCC値は次式(12)によって求められる。
Figure 0005381451
NCC法においては、演算結果NCC(x,y)が大きいほど相関が強いと考えられる。このため、相関の信頼度としてNCC(x,y)をそのまま用い、NCC(x,y)が最大値となる(x,y)を対応点とすればよい。
<変形例2>
上記では対応点探索の対象とする画像が基準画像G1と参照画像G2の2つである場合を例示した。これに対し、3つ以上の画像間で対応点探索を行うことも可能である。例えば、当該3つ以上の画像から1つを基準画像G1として選択し、残余の画像を参照画像G2として順次選択することにより、上記と同様に2つの画像間における対応点探索を適用可能である。
また、上記ではステレオカメラ20によって同じタイミングで撮像された複数の画像を対応点探索の対象とする場合を例示した。これに対し、例えば1眼のカメラによって時間をずらして撮像した複数の画像を、対応点探索の対象とすることも可能である。
また、上記では同じ被写体OBを撮像した複数の画像を対応点探索の対象とする場合を例示した。これに対し、異なる被写体を撮像した複数の画像を画像処理装置30,30Bによって画像解析してもよい。この場合、対応点の発見・決定ができない旨の結果が得られることになる。これに鑑みると、画像処理装置30,30Bは、対応点探索だけでなく、例えば複数の画像の類似度の取得にも利用可能である。
10 画像処理システム
30,30B 画像処理装置
31,31B 処理部
50 関心領域設定手段
60 対応点探索手段
100 前処理手段
110 指針値設定手段
111 第1指針値設定手段
112 第2指針値設定手段
120 画素値変換手段
121 減算手段
122 圧縮手段
130 選択手段
S110 指針値
S111 第1指針値
S112 第2指針値
G50 関心領域内の画像(前処理対象画像)
G100 対応点探索用画像
G121 減算変換後の画像
G122 圧縮変換後の画像
G123 減算圧縮変換後の画像
W1,W2 関心領域
ST52,ST55 関心領域設定ステップ
ST53,ST56 前処理ステップ
ST57 対応点探索ステップ
PG プログラム

Claims (12)

  1. 画像を取得してその一部に関心領域を設定する関心領域設定手段と、
    前記関心領域内の画像を前処理対象画像として取得し、当該前処理対象画像に基づいて対応点探索用の画像を設定する前処理手段と、
    前記前処理手段によって設定された複数の対応点探索用画像について対応点探索を行う対応点探索手段と
    を備え、
    前記前処理手段は、
    当該前処理手段による処理内容を決定するための指針に関する指針値を、所定の指針値設定規則と、前記前処理対象画像における画素値の分布状態とに基づいて設定する指針値設定手段と、
    前記前処理対象画像に含まれる画素の画素値を前記指針値に基づいて減少させる画素値変換を行い、当該画素値変換によって生成された画像を前記対応点探索用画像として出力する、画素値変換手段と
    を含み、
    前記画素値変換は、前記画素値をデータ表現するのに要するビット長を減少させるビット長変換を含み、
    前記画素値変換手段は、前記ビット長変換後の前記ビット長が、前記画素値の前記ビット長と前記対応点探索での演算誤差とについて予め取得された関係において許容可能な誤差範囲内に存在するように、前記ビット長変換を行う
    画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記対応点探索手段の前記画素値に関する入力ビット長が、前記ビット長と前記演算誤差とについての前記関係において前記許容可能な誤差範囲内に存在し、
    前記ビット長変換は、前記画素値の前記ビット長を前記対応点探索手段の前記入力ビット長に合わせる変換を含む
    画像処理装置。
  3. 画像を取得してその一部に関心領域を設定する関心領域設定手段と、
    前記関心領域内の画像を前処理対象画像として取得し、当該前処理対象画像に基づいて対応点探索用の画像を設定する前処理手段と、
    前記前処理手段によって設定された複数の対応点探索用画像について対応点探索を行う対応点探索手段と
    を備え、
    前記前処理手段は、
    当該前処理手段による処理内容を決定するための指針に関する指針値を、所定の指針値設定規則と、前記前処理対象画像における画素値の分布状態とに基づいて設定する指針値設定手段と、
    前記前処理対象画像に含まれる画素の画素値を前記指針値に基づいて減少させる画素値変換を行い、当該画素値変換によって生成された画像を前記対応点探索用画像として出力する、画素値変換手段と
    を含み、
    前記指針値は、画素値に関する第1および第2の指針値(第1指針値<第2指針値)を含み、
    前記所定の指針値設定規則は、
    複数の前処理対象画像のそれぞれに対して前記第1指針値を設定し、得られた複数の第1指針値のうちの最小値を当該複数の前処理対象画像に対する共通の第1指針値として採用するという規則と、
    前記複数の前処理対象画像のそれぞれに対して前記第2指針値を設定し、得られた複数の第2指針値のうちの最大値を当該複数の前処理対象画像に対する共通の第2指針値として採用するという規則と
    のうちの少なくとも一方を含む、画像処理装置。
  4. 請求項3に記載の画像処理装置であって、
    前記画素値変換手段は、
    前記前処理対象画像の各画素値から前記第1指針値を減算する減算手段と、
    前記前処理対象画像の各画素値または前記減算手段による減算結果に係る各画素値を圧縮する圧縮手段と
    のうちの少なくとも一方を有し、
    前記画素値変換手段は、前記減算手段による変換結果に係る画像と、前記圧縮手段による変換結果に係る画像と、前記減算手段と前記圧縮手段との組み合わせによる変換結果に係る画像とのうちのいずれかを、前記対応点探索用画像として出力する、画像処理装置。
  5. 請求項に記載の画像処理装置であって、
    前記画素値変換手段は、前記減算手段と前記圧縮手段との両方を有し、
    前記前処理手段は、
    前記減算手段による減算変換と、前記圧縮手段による圧縮変換と、前記減算手段と前記圧縮手段との組み合わせによる減算圧縮変換とのいずれを採用するかを、前記指針値に基づいて選択する選択手段
    をさらに含む、画像処理装置。
  6. 画像を取得してその一部に関心領域を設定する関心領域設定手段と、
    前記関心領域内の画像を前処理対象画像として取得し、当該前処理対象画像に基づいて対応点探索用の画像を設定する前処理手段と、
    前記前処理手段によって設定された複数の対応点探索用画像について対応点探索を行う対応点探索手段と
    を備え、
    前記前処理手段は、
    当該前処理手段による処理内容を決定するための指針に関する指針値を、所定の指針値設定規則と、前記前処理対象画像における画素値の分布状態とに基づいて設定する指針値設定手段と、
    前記前処理対象画像に含まれる画素の画素値を前記指針値に基づいて減少させる画素値変換を行い、当該画素値変換によって生成された画像を前記対応点探索用画像として出力する、画素値変換手段と
    を含み、
    前記指針値は、画素値に関する第1および第2の指針値(第1指針値<第2指針値)を含み、
    前記所定の指針値設定規則は、
    前記第1指針値を前記前処理対象画像に含まれる最小の画素値よりも大きい値に設定するという規則と、
    前記第2指針値を前記前処理対象画像に含まれる最大の画素値よりも小さい値に設定するという規則と
    のうちの少なくとも一方を含み、
    前記画素値変換手段は、
    前記前処理対象画像の各画素値から前記第1指針値を減算する減算手段と、
    前記前処理対象画像の各画素値または前記減算手段による減算結果に係る各画素値を圧縮する圧縮手段と
    を有し、
    前記画素値変換手段は、
    前記減算手段による変換結果に係る画像と、前記圧縮手段による変換結果に係る画像と、前記減算手段と前記圧縮手段との組み合わせによる変換結果に係る画像とのうちのいずれかを、前記対応点探索用画像として出力し、
    前記前処理手段は、
    前記減算手段による減算変換と、前記圧縮手段による圧縮変換と、前記減算手段と前記圧縮手段との組み合わせによる減算圧縮変換とのいずれを採用するかを、前記指針値に基づいて選択する選択手段
    をさらに含む、画像処理装置。
  7. 画像を取得してその一部に関心領域を設定する関心領域設定手段と、
    前記関心領域内の画像を前処理対象画像として取得し、当該前処理対象画像に基づいて対応点探索用の画像を設定する前処理手段と、
    前記前処理手段によって設定された複数の対応点探索用画像について対応点探索を行う対応点探索手段と
    を備え、
    前記前処理手段は、
    当該前処理手段による処理内容を決定するための指針に関する指針値を、所定の指針値設定規則と、前記前処理対象画像における画素値の分布状態とに基づいて設定する指針値設定手段と、
    前記前処理対象画像に含まれる画素の画素値を前記指針値に基づいて減少させる画素値変換を行い、当該画素値変換によって生成された画像を前記対応点探索用画像として出力する、画素値変換手段と
    を含み、
    前記指針値は、画素値に関する第1および第2の指針値(第1指針値<第2指針値)を含み、
    前記所定の指針値設定規則は、一の前処理対象画像に設定された前記第1および第2の指針値のうちの少なくとも一方を、他の前処理対象画像に対しても採用するという規則を含み、
    前記画素値変換手段は、
    前記前処理対象画像の各画素値から前記第1指針値を減算する減算手段と、
    前記前処理対象画像の各画素値または前記減算手段による減算結果に係る各画素値を圧縮する圧縮手段と
    を有し、
    前記画素値変換手段は、
    前記減算手段による変換結果に係る画像と、前記圧縮手段による変換結果に係る画像と、前記減算手段と前記圧縮手段との組み合わせによる変換結果に係る画像とのうちのいずれかを、前記対応点探索用画像として出力し、
    前記前処理手段は、
    前記減算手段による減算変換と、前記圧縮手段による圧縮変換と、前記減算手段と前記圧縮手段との組み合わせによる減算圧縮変換とのいずれを採用するかを、前記指針値に基づいて選択する選択手段
    をさらに含む、画像処理装置。
  8. 請求項5ないし7のうちのいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
    前記選択手段は、複数の前処理対象画像に対して同じ変換内容を選択する、画像処理装置。
  9. 請求項5ないし8のうちのいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
    前記選択手段は、前記画素値変換手段を利用するか否かの選択を行い、
    前記選択手段が前記画素値変換手段を利用しないことを選択した場合、前記前処理手段は前記前処理対象画像を前記対応点探索用画像に設定して出力する、
    画像処理装置。
  10. 請求項1ないし9のうちのいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
    前記対応点探索手段は位相限定相関法を用いて前記対応点探索を行う、画像処理装置。
  11. 画像を取得してその一部に関心領域を設定する関心領域設定ステップと、
    前記関心領域内の画像である前処理対象画像に基づいて、対応点探索用の画像を設定する前処理ステップと、
    前記前処理ステップによって設定された複数の対応点探索用画像について対応点探索を行う対応点探索ステップと
    を備え、
    前記前処理ステップは、
    当該前処理ステップによる処理内容を決定するための指針に関する指針値を、所定の指針値設定規則と、前記前処理対象画像における画素値の分布状態とに基づいて設定する指針値設定ステップと、
    前記前処理対象画像に含まれる画素の画素値を前記指針値に基づいて減少させる画素値変換を行い、当該画素値変換によって生成された画像を前記対応点探索用画像として出力する、画素値変換ステップとを含み、
    前記画素値変換ステップは、
    前記画素値をデータ表現するのに要するビット長が、前記画素値の前記ビット長と前記対応点探索ステップでの演算誤差とについて予め取得された関係において許容可能な誤差範囲内に存在するように、前記画素値の前記ビット長を減少させるビット長変換ステップを含む、画像処理方法。
  12. プログラムを実行可能な処理部を備える装置を、請求項1ないし10のうちのいずれか1項に記載の画像処理装置として機能させる、画像処理プログラム。
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