発光ダイオードは、省エネルギー、長寿命という利点があり、照明装置、カラー画像表示装置、液晶パネルのバックライト、又は、交通信号灯などの光源として、注目されている。
発光ダイオードは、例えば、青色発光ダイオードを例に採ると、特許文献1に開示されているように、サファイアでなる基板の表面に、バッファ層、N型GaN層、活性層、P型GaN層、及び、透明電極層等を順次に積層した構造となっている。
透明電極層の一部表面にはP側電極が形成されており、また、透明電極層、P型GaN層及び活性層の一部をドライエッチングし、N型GaN層の一部を露出させ、この露出したN型GaN層にN側電極を形成した構造となっている。N型GaN層の一部を露出させた部分は、P型GaN層及び活性層と、N型GaN層とが重ならない部分であり、その他が重なる部分となる。重なる部分が発光領域となり、重ならない部分は、非発光領域となる。特許文献2、3にも、同様の積層構造及び電極構造が開示されている。
また、パッケージング基板への実装に当たって、従来は、フリップ・チップ(FC)として構成されたLEDチップ型の発光ダイオードをサブ・マウント基板に実装し、更に、この組み立て体をパッケージング基板に実装し、サブ・マウント基板に形成された電極と、パッケージング基板に形成された電極とを、ワイヤ・ボンディングによって接続していた。
しかし、この組み立て構造では、AlN等の高価な材料で構成されたサブ・マウント基板を使用しなければならいことから、コスト高になる。しかも、サブ・マウント基板に形成された電極と、パッケージング基板に形成された電極とを、ワイヤ・ボンディングによって接続する必要があるため、ワイヤ・ボンディング装置が必要であり、生産設備費が増大し、それが製品コストに転嫁され、発光装置のコスト高を招いていた。
上述した問題点を解決する手段として、特許文献4には、シリコン・サブ・マウントの一面に溝を形成し、その溝底部に2つのビア(貫通電極)を形成し、LEDダイスを、溝内にフリップ・チップ・マウントし、保護接着剤で溝を充填するLEDパッケージの製造方法が開示されている。
このようなLEDパッケージ構造を採用する場合、従来は、P型半導体層、活性層及びN型半導体層の重なる部分に設けられる電極(通常は、P側電極)を、パッケージ側に備えられる貫通電極の端面の面積に合わせるのが一般的であった。このため、P側電極からP型半導体層に対する電流供給面積が、重なり面積よりもかなり小さな平面積に限定されてしまい、P型半導体層、活性層及びN型半導体層の接合部で見た電流密度が低下し、発光量、発光効率が低下するという問題点があった。
また、パッケージング基板側に備えられる貫通電極の横断面積が小さいため、パッケージとしたときの放熱性が悪く、発光ダイオードの温度上昇を招き、特性が悪化する。この特性悪化を回避するためは、供給電流値を小さい値に抑制しなければならず、必然的に、発光量、発光効率の改善に限界を生じる結果になっていた。
重ならない部分に設けられる電極(通常は、N側電極)についても、貫通電極の端面形状に合わせ、N側電極を貫通電極の端面に接合する構造を採用していたため、N型半導体層における電極接触面積が小さくなっている。このため、P側電極の場合ほどではないにしても、やはり、発光量、発光効率に悪影響を与える。また、N側電極と貫通電極との位置合わせが難しくなり、僅かな位置ずれを生じただけで、両者間の接続不良を生じやすくなる。上述した問題点を解決するため、N側電極や貫通電極の面積を大きくすると、重ならない部分の幅を増大させなければならず、反射的に、発光領域となる重なる部分の面積が縮小され、発光量及び発光効率が低下する。
これに対して、特許文献5に開示されているLEDパッケージは、発光ダイオードの電極面積を大きく形成し、電極それぞれを複数の貫通電極と接続することによって、発光ダイオードの電極面と貫通電極との接触面積を増大させてある。この貫通電極は、基板本体にレーザ穿孔等によって形成された複数のビア内に、電気メッキを施すことにより形成されている。
電気メッキに当たっては、ビアの内壁面にメッキ下地膜を形成しなければならない。めっき下地膜は、例えばスパッタリング等によって形成される。しかし、ビアは、高いアスペクト比を持つから、本来的に、めっき下地膜の形成には技術的困難性を伴う。
しかも、レーザ穿孔等によって形成されたビアの内壁面には凹凸が発生しており、この凹凸によってめっき下地膜の付着しない部分が生じる。そのため、めっき下地膜の塗布されていない部分の周囲にはボイドが発生してしまう。このボイドは、基板全体の機械的強度の低下を招く。さらに、ボイドによって、貫通電極の横断面積が縮小されるため、貫通電極の電気抵抗が高くなってしまう。
また、ビアの内壁面の凸凹に起因して、貫通電極の外周面に凹凸が発生してしまうから、貫通電極の横断面積が、厚さ方向において不均一なものとなってしまい、貫通電極の導電性が厚さ方向において均一にならない。
さらに、発光ダイオード本体の電極の下方領域において、貫通電極それぞれの間には、基板本体が介在しており、容積的に、貫通電極と同程度の基板本体が存在している。
基板本体に対する貫通電極の容積比率を向上させれば、LEDパッケージの放熱特性を向上させることができるが、そのためには、貫通電極それぞれの横断面積を大きくする必要がある。しかし、その場合、ビアそれぞれの容積を大きく形成する必要があり、電気メッキでは、ビアへの導電性材料の充填に時間を要し、量産性が低下するという問題を生じる。
特許文献6に開示されているLEDパッケージは、発光ダイオードの電極面積を大きく形成している点で、特許文献5と共通しているが、一方の電極が、電極面の面積とほぼ等しい横断面積を有する貫通電極に接続されている点で異なっている。特許文献6のような構造でも、発光ダイオードの電極面と貫通電極の接触面積の向上を図ることができる。
しかし、特許文献6の貫通電極も、特許文献5の貫通電極と同様に、基板本体に穿設されたビアに導電性材料を充填することによって形成されたものである。そのため、貫通電極は、基板の厚さ方向において、均一な導電性を確保できないばかりでなく、電気抵抗も高い。さらに、基板全体の機械的強度についても、向上の余地を残している。さらに、ビアに横断面積の大きな貫通電極を形成するのに、長い時間を要し、量産性が低下してしまう。
さらに、特許文献6の発光ダイオードの他方の電極は、基板本体にプリントされた銅箔からなる導電パターンに接続されているに過ぎない。そのため、発光ダイオードは、他方の電極の下方領域において、基板本体に対する電極の容積比率が小さく、LEDパッケージの放熱特性の向上の余地を残している。
図1〜図3を参照すると、基板2に発光ダイオードLEDを搭載した発光装置が図示されている。発光ダイオードLEDは、図4及び図5にも図示するように、透明結晶層3の光出射面30とは反対側の他面に、P型半導体層11及びN型半導体層13を積層したPN接合1を含んでいる。P型半導体層11及びN型半導体層13の間には、活性層12が設けられる。透明結晶層3は、代表的にはサファイアであり、その一面が光出射面30となる。透明結晶層3は、層厚が3μm〜200μmの範囲であることが好ましい。透明結晶層3の一面上には、バッファ層(図示しない)があり、PN接合1は、バッファ層を介して、透明結晶層3の上に成長させてある。
PN接合1を構成するP型半導体層11及びN型半導体層13は、発光ダイオードLEDにおいて周知である。代表的にはIII−V族化合物半導体が用いられる。もっとも、公知技術に限らず、これから提案されることのある化合物半導体を含むことができる。本発明において、発光ダイオードLEDは、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード、橙色発光ダイオードの何れであってもよいし、白色発光ダイオードであってもよい。それらの発光ダイオードにおいて、PN接合1を構成する半導体材料及びその製造方法は既に知られている。
本発明に係る発光ダイオードLEDは、P型半導体層11及びN型半導体層13によるPN接合1と共に、P型半導体層11のP側電極5と、N型半導体層13のN側電極7とを含んでいる。P側電極5及びN側電極7は、基板2に設けられた第1導体21、及び、第2導体22に対して、フリップ・チップ接続されるものであって、光出射面30とは反対側の面に設けられている。
P側電極5及びN側電極7のうち、P側電極5は、光出射面30とは反対側に位置するP型半導体層11の表面に設けられている。P側電極5は、絶縁ギャップG1を除き、P型半導体層11の表面のほぼ全面を覆っている。「ほぼ全面」とは、例えば、P型半導体層11の表面積の80%以上を覆っていることを意味する。好ましくは、P側電極5は、絶縁ギャップG1の部分を除き、P型半導体層11の表面の全面を覆っている。
一方、N側電極7は、P型半導体層11及び活性層12を切欠いて形成した重ならない部分14を埋め、N型半導体層13に設けられている。好ましくは、N側電極7は、重ならない部分14の大部分を覆っている。重ならない部分14には、N側電極7を、P型半導体層11及び活性層12から電気絶縁する電気絶縁層9が充填されている。電気絶縁層9は、N側電極7及びP側電極5の間に露出するP型半導体層11の表面をも覆っており、N側電極7は、重ならない部分14において、P型半導体層11及びP側電極7から絶縁ギャップG1により電気絶縁されている。
P型半導体層11及びN型半導体層13は、重ならない部分14を除き、活性層12を介して互いに重なっており、重なる部分が発光領域となる。N側電極7及びP側電極5の配置方向で見たN側電極7の幅W1は、P側電極5の幅W2よりも著しく小さい(図4及び図5参照)。例えば、幅W2に対する幅W1の割合は、1〜40%の範囲に選定することができる。幅方向に直交する長さL1は、実施の形態では、N側電極7及びP側電極5ともに、ほぼ等しくなっている。
電気絶縁層9は、有機絶縁層又は無機絶縁層の何れであってもよい。また、N側電極7は、めっき法、溶融金属充填法、流動性導電材埋め込み法等によって形成することができる。重ならない部分14は、この実施の形態では、PN接合1の全長にわたって形成されているが、長さ方向の中間部に設けてもよい。また、帯状に限らず、他の形状であってもよい。
発光ダイオードLEDの搭載される基板2は、第1導体21及び第2導体22と、支持体23とを含んでいる。第1導体21及び第2導体22のそれぞれは、互いに間隔をおいて配置されることによって、絶縁ギャップG1を形成し、支持体23によって一体化されている。言い換えれば、支持体23は、絶縁ギャップG1に設けられ、第1導体21及び第2導体22を一体化している。即ち、本来、別々の第1導体21及び第2導体22を、支持体23で一体化し、一つのまとまった形態としてあるので、基板2に、発光ダイオードLEDを搭載することができる。しかも、第1導体21及び第2導体22のそれぞれは、互いに間隔をおいて配置された状態で、支持体23によって互いに電気絶縁されているから、電気的に互いに絶縁された状態で、一つの基板2を構成する。
基板2は、一面に発光ダイオード搭載領域S1を有し、発光ダイオード搭載領域S1の面内に、厚み方向に設けられた第1導体21及び第2導体22の端面が露出している。第1導体21は、端面の面積がP側電極5の電極面積と、ほぼ同じになっている。第2導体22も同様であって、端面の面積がN側電極7の電極面積と、ほぼ同じになっている。第1導体21及び第2導体22は、基板1に設けられた電極となる。第1導体21及び第2導体22は、金属又は合金材でなる。具体的には、Cu、Sn、Al又はこれらを含む合金で構成することができる。これらの材料は、電気伝導性、熱伝導特性に優れているほか、展延性にも優れており、必要な表面形状に加工することも容易である。第1導体21及び第2導体22の厚み方向の両面は、平坦面であってもよいし、発光ダイオードLEDの搭載や、基板取付を考慮した凹凸面であってもよい。第1導体21及び第2導体22は、具体的には、上述した金属又は合金の板材を加工したものを用いて構成することができる。
第1導体21及び第2導体22は、とりわけ、リードフレーム由来の金属板材又は合金板材でなる。リードフレームは、その素材によって、機械的強度、電気伝導度、熱伝導度、耐食性、耐熱性に優れており、一般的に、導電性素材に圧延加工、及び、打ち抜き加工又はエッチング加工を施して形成されたものであって、厚み0.1〜1mm程度の板材である。リードフレームは、その加工形態によって、外周面の凹凸が小さく、ほぼ平坦である。
一般的に、リードフレームの外周面は、基板本体に穿設されたビアに金属材料を充填することにより形成した貫通電極の外周面よりも、平坦、即ち、凹凸が少ない。さらに、リードフレームは、発光ダイオードLEDの厚みと比較して、相当厚く、発光ダイオードに対する放熱特性に優れる。
第1導体21及び第2導体22は、具体的には、リードフレームを切断したもの、又は、リードフレームそれ自体である。その具体例については、図12〜図22を参照して後で詳しく説明するが、第1導体21及び第2導体22は、リードフレーム由来の金属板材又は合金板材でなるから、基板に穿設されたビアに金属材料を充填形成した貫通電極よりも、外周面に凹凸が少なく、基板2の厚さ方向における導電性が略均一であり、電気抵抗も低く、基板2の機械的強度を向上させる。
また、第1導体21及び第2導体22は、リードフレーム由来の金属板材又は合金板材でなるから、一般的な発光ダイオードLEDの厚みよりも相当厚くなっており、第1導体21及び第2導体22に搭載される一般的な発光ダイオードLEDに対する放熱特性に優れる。さらに、第1導体21及び第2導体22は、リードフレーム由来の金属板材又は合金板材でなるから、発光装置の量産性を向上させ、発光装置を安価に提供することを可能とする。
第1導体21及び第2導体22は、その放熱特性を向上させる観点から、熱容量を大きくする必要がある。発光ダイオードLEDの実際的な放熱量を考慮したとき、第1導体21及び第2導体22は、厚みT1(図1参照)が400μm以上であることが好ましい。もっとも、全体の厚み増大を回避する観点から、厚みの最大値を1mmに抑えることが好ましい。第1導体21及び第2導体22は、厚みT1が、400μm〜1mmの範囲に設定することによって、厚み0.1〜0.2mm程度の一般的な薄型タイプの発光ダイオードLEDを搭載する場合、発光ダイオードLEDの厚みの数倍の厚みとなり、発光ダイオードLEDに対する放熱特性が向上する。 もっとも基板2の発光ダイオード搭載領域S1の面内に、第1導体21及び第2導体22の端面が露出しているため、第1導体21及び第2導体22の厚みは、支持体23の厚み以上に設定されている。
支持体23は、有機絶縁材料、無機絶縁材料又はそれらの複合絶縁材料で構成することができる。成形性という観点からは、有機絶縁材料が好ましい。有機絶縁材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、ナイロン、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂など、各種エンジニアリング・プラスチックを例示することができる。
発光ダイオードLEDのP側電極5及びN側電極7の電極面は、第1導体21及び第2導体22のそれぞれに接合されている。即ち、P側電極5及びN側電極7は、第1導体21及び第2導体22の端面に面接触した上で、接合材よって接合されている。第1電極21とP側電極5、及び、第2電極22とN側電極7は、Au−Sn系接合材、はんだペースト、Agペースト、Cu拡散ペースト等によって接合することができる。
上述したように、本発明に係る発光装置において、発光ダイオードLEDのP側電極5及びN側電極7は、光出射面30とは反対側の面にあるから、P側電極5及びN側電極7によって光出射面30積が縮小されることがない。このため、発光量が大きく、発光効率の高い発光ダイオードLEDを実現することができるとともに、基板2の第1導体21及び第2導体22に対して、フリップ・チップ方式によって接続することができ、ワイヤ・ボンディング構造を採る必要がない。
また、P側電極5は、P型半導体層11の表面のほぼ全面を覆っているから、P側電極5からP型半導体層11に対する電流供給面積が、拡大される。このため、P型半導体層11、活性層12及びN型半導体層13の接合部で見た電流密度が大幅に向上し、発光量、発光効率が向上する。P側電極5の面積は、絶縁ギャップG1の幅を、電気絶縁に必要な寸法まで最小化することにより、最大化することができる。
発光ダイオードLEDのP側電極5及びN側電極7の電極面は、第1導体21及び第2導体22のそれぞれに接合されているから、第1導体21及び第2導体22が、発光ダイオードLEDのP側電極5及びN側電極7に対する給電端子となるとともに、発光ダイオードLEDに対する放熱経路として機能する。このようにして形成された放熱経路は、従来のAg粉末を含む導電性ペーストを充填して伝熱ビア導体(特許文献1)や、メッキ後はんだ充填サーマルビア(特許文献2)や、銀ペースト、銅ペースト等の金属粉含有樹脂や、金属棒と金属粉含有樹脂の複合体等を用いた導熱体(特許文献3)、更に、Cu、Niなどの金属を用いたサーマルビア(特許文献4)と異なって、構造が簡単で、製造・組立が容易であり、しかも、極めて優れた放熱特性を確保することができる。
発光ダイオードLEDとしては、種々のタイプのものを用いることができる。図1〜図5に示した実施の形態では、発光ダイオードLEDは、PN接合1を構成するP型半導体層11及びN型半導体層13が、互いに重なる部分と、重ならない部分14とを有する。重ならない部分14は、重なる部分の側方に配置され、配置方向にとられた幅W1が、重なる部分の幅W2よりも十分に狭幅で、長さ方向(幅方向と直交する)に延びている。例えば、幅W2に対する幅W1の割合は、1〜40%の範囲に選定されている。P側電極5は、P型半導体層11の表面であって、重なる部分を覆っており、N側電極7は、重ならない部分14において、N型半導体層13を覆っている。P側電極5及びN側電極7の平面積は、重なる部分及び重ならない部分14の平面積の80%以上となるように定めることが好ましい。
上記構成によれば、P側電極5からP型半導体層11に対する電流供給面積が、重なり面積と同程度の面積に拡大される。このため、P型半導体層11、活性層12及びN型半導体層13の接合部で見た電流密度が大幅に向上し、発光量、発光効率も向上する。P側電極5の面積は、絶縁ギャップの幅を、電気絶縁に必要な寸法まで最小化することにより、最大化することができる。
しかも、パッケージ側に備えられる貫通電極の横断面積を、最大化された一方の電極、例えば、P側電極5の面積まで拡大し、P側電極5及び第1導体21による放熱特性を、最大化することができる。
他方の電極、例えば、N側電極7は、重ならない部分14に設けられているから、重ならない部分14を狭幅化して、重なる部分における発光面積の減少を回避しながら、電極面積を増大させることができる。即ち、N側電極7について、幅D1と直交する長さL1を拡張することにより、電極面積を拡大することができる。このため、発光量の増大、発光効率向上を図るとともに、位置ずれによる接続不良を回避し得る。
図6及び図7は、本発明に係る発光ダイオードの別の例を示している。この実施例では、重ならない部分14を、溝状に形成し、その内部にN側電極を充填した構造となっている。この実施例の場合も、図1〜図5に示した実施例と同様の作用効果を奏することができる。
第1導体21及び第2導体22は、図8に図示するように、平面積を、P側電極5及びN側電極7の平面積よりも大きくすることもできるし、逆に、小さくすることもできる。もっとも、小さくする場合には、放熱特性に悪影響を与えないように、例えば、80%縮小を限度とする、というような制限を付する必要がある。第1導体21が、P側電極5の電極面の平面積の80%以上を覆い、第2導体22が、N側電極7の電極面の平面積の80%以上を覆うことにより、P側電極5及びN側電極7の下方領域において、基板2に対する第1導体21及び第2導体22の容積比率が高まり、基板2は、発光ダイオードLEDと対向する下方領域の容積の殆どが第1導体21及び第2導体22によって占有され、放熱特性に優れる。本発明に係る発光装置において、発光ダイオードLEDは単一であってもよいし、複数であってもよい。例えば、図9に図示するように、複数nの発光ダイオードLED11〜LED1nを、基板2上に、例えば、行・列状に配列することができる。これにより、面発光の発光装置が実現される。
発光ダイオードLED11〜LED1nは、好ましくは、電気的に互いに独立している。即ち、P側電極5及び第1導体21と、N側電極7及び第2導体22は、発光ダイオードLED11〜LED1nのそれぞれごとに、電気的に互いに独立している。即ち、第1導体21は、一つ当たり、発光ダイオードLED11〜LED1nのいずれか一つのP側電極5が接続されており、第2導体22についても、一つ当たり、発光ダイオードLED11〜LED1nのいずれか一つのN側電極5が接続されている。このような構造であれば、発光ダイオードLED11〜LED1nのそれぞれを、個別的に、または、任意の組合せで、駆動することができるので、多様な用途に対応することができる。
図10及び図11は、本発明に係る発光装置の別の実施例を示す図である。まず、図10(A)、(B)に示す実施の形態では、P側フレームFR1及びN側フレームFR2を併設し、P側フレームFR1とN側フレームFR2との間に複数の発光ダイオードLED1〜LED4を搭載した構造になっている。P側フレームFR1の内端縁には、その長さ方向に沿い、間隔をおいて、第1導体21が配置されており、N側フレームFR2の内端縁には、第1導体21のぞれぞれとギャップを隔てて向き合う第2導体22が形成されている。より具体的には、第1導体21とP側フレームFR1を一体化したP側リードフレームLF1、及び、第2導体22とN側フレームFR2を一体化したN側リードフレームLF2をギャップを隔てて併設してある。発光ダイオードLED1〜LED4のP側電極5は、P側フレームFR1に形成された第1導体21に接続され、N側フレームFR2のN側電極7は第2導体22に接合されている。P側フレームFR1及びN側フレームFR2は、好ましくは、発光ダイオードLED1〜LED4のそれぞれに生じる間隔等に充填された絶縁性の支持体23によって一体化されている。もっとも、絶縁性の支持体23は、省略することもできる。このような構造であれば、P側リードフレームLF1とN側リードフレームLF2を1つの電源に接続するという単純な配線構造で、発光ダイオードLED1〜LED4をまとめて制御し、発光させることが可能なる。
図10において、P側リードフレームLF1、及び、N側リードフレームLF2に搭載する発光ダイオードの数は、1以上であれば、任意に設定することができ、図示した数に限定されるものではない。
次に、図11は、図10に示したフレーム配置及び発光ダイオード配置を、更に増やしたものである。図示は省略するが、より多数の配置としてもよい。図11を参照すると、P側フレームFR11,N側フレームFR21, P側フレームFR12及びN側フレームFR22を順次に併設した構造になっている。より具体的には、P側フレームFR11と第1導体21を一体化したP側リードフレームLF11、N側フレームFR21と第2導体22を一体化したN側リードフレームLF21、P側フレームFR12と第1導体21を一体化したP側リードフレームLF12、N側フレームFR22と第2導体22を一体化したN側リードフレームLF22を順次に併設した構造になっている。
P側フレームFR11及びN側フレームFR21の間には、発光ダイオードLED11〜LED14が搭載されている。発光ダイオードLED11〜LED14のP側電極5は、P側フレームFR11に設けられた第1導体21に接続され、N側電極7は、N側フレームFR21に設けられた第2導体22に接続されている。即ち、P側リードフレームLF11には、発光ダイオードLED11〜LED14のそれぞれのP側電極5が接続され、N側リードフレームLF21には、発光ダイオードLED11〜LED14のそれぞれのN側電極7が接続されている。
P側フレームFR12及びN側フレームFR21の間には、発光ダイオードLED21〜LED24が搭載されている。発光ダイオードLED21〜LED24のP側電極5は、P側フレームFR12に設けられた第1導体21に接続され、N側電極7はN側フレームFR21に設けられた第2導体22に接続されている。即ち、P側リードフレームLF12には、発光ダイオードLED21〜LED24のそれぞれのP側電極5が接続され、N側リードフレームLF21には、発光ダイオードLED21〜LED24のそれぞれのN側電極7が接続されている。
P側フレームFR12及びN側フレームFR22の間には、発光ダイオードLED31〜LED34が搭載されている。発光ダイオードLED31〜LED34のP側電極5は、P側フレームFR12に設けられた第1導体21に接続され、N側電極7は、N側フレームFR22に設けられた第2導体22に接続されている。即ち、P側リードフレームLF12には、発光ダイオードLED31〜LED34のそれぞれのP側電極5が接続され、N側リードフレーム22には、発光ダイオードLED31〜LED34のそれぞれのN側電極7が接続されている。
図11の構造は、要するに、P側リードフレームLF11、LF12は、一つ当たり、一つ以上の発光ダイオードのP側電極が接続されており、N側リードフレームLF21、LF22は、一つ当たり、一つ以上の発光ダイオードのN側電極が接続されている。
このような構造であれば、発光ダイオードLED11〜LED34を、発光ダイオードLED11〜14、発光ダイオードLED21〜24、発光ダイオードLED31〜34のまとまった単位で、制御し、発光させることができる。
図11において、P側リードフレームの数、N側リードフレームの数、各リードフレームに搭載する発光ダイオードの数は、それぞれ1以上であれ任意に設定することができ、図示した数に限定されるものではない。
次に、本発明に係る発光装置の製造方法について、図12〜図22を参照して説明する。まず、図12〜図14は、図1〜図8に示した発光装置を製造するのに適した方法を示している。図12を参照すると、間隔をおいて平行に配置された第1フレームFR1及び第2フレームFR2の間に、第1導体210及び第2導体220を、間隔G31をおいて配置してある。
第1導体210は、両端が連結片211,212によって、第1フレームFR1及び第2フレームFR2に連続している。連結片211,212は、ギャップG11及びG12によって分離され、かつ、狭幅化されている。第2導体220は、両端が連結片221,222によって、第1フレームFR1及び第2フレームFR2に連続している。第2導体220、及び、連結片221,222は、ギャップG21によって第1導体210、及び、連結片211,212と分離され、かつ、狭幅化されている。
より具体的には、第1フレームFR1、第2フレームFR2、第1導体210、第2導体220、及び、連結片211,212,221,222を一体化した板状の導体、即ち、リードフレームLF1を準備する。このリードフレームLF1は、板面に複数の貫通孔を有し、ギャップG11、G12、G21、及び、間隔G31は、この貫通孔に対応するものである。この場合、第1導体210、及び、第2導体220をリードフレームLF1として直接準備することができ、基板に穿設されたビアに対して電気メッキによって導電性材料を充填する必要がなくなるため、発光装置の量産性を高め、発光装置を安価に提供することができる。
次に、図13に図示するように、図12に示したフレームの第1導体210及び第2導体220の上に、ギャップG21を跨ぐようにして発光ダイオードLED1〜LED4を搭載し、発光ダイオードLED1〜LED4のP側電極5及びN側電極7を、第1導体210及び第2導体220に接合する。
次に、図14に示すように、第1導体210及び第2導体220を、支持体となる絶縁材料230を用いてモールド成形する。より詳しくは、第1導体210及び第2導体220の周囲に発生するギャップG11、G12、及び、G21を、モールド成形により、絶縁材料でなる支持体230によって埋める。モールド成形は、第1導体210及び第2導体220の上に、発光ダイオードLED1〜LED4を搭載する前に実行してもよい。
この後、第1導体210に連なる連結片211,212及び第2導体220に連なる連結片221,222を、モールド成形樹脂でなる支持体230の付近に設定された切断線C1−C1線及び切断線C2−C2で切断する。これにより、図1〜図8に示した発熱装置が得られる。
リードフレームLF1の外周面は、基板本体に穿設されたビアに金属材料を充填することにより形成した貫通電極の外周面よりも、平坦、即ち、凹凸が少ない。また、図示された範囲に明示されている訳ではないが、リードフレームLF1は、発光ダイオードLED1〜4の厚みと比較して、相当厚く、発光ダイオードLED1〜4に対する放熱特性に優れる。
したがって、このような製造方法によれば、第1導体210、及び、第2導体220は、基板本体に穿設されたビアに金属材料を充填することにより形成した貫通電極よりも、外周面に凹凸が少なくなり、厚さ方向における導電性が略均一となる。また、第1導体210、及び、第2導体220は、外周面の凹凸が少なくなることによって、支持体230との間にボイドが発生しにくいものとなり、横断面積の縮小が抑制されるため、電気抵抗が低く、基板全体の機械的強度を高めることができる。
さらに、図示された範囲に明示されている訳ではないが、第1導体210、及び、第2導体220は、発光ダイオードLED1〜4の厚みと比較して、相当厚くなるため、発光ダイオードLED1〜4に対する放熱特性に優れ、結果として、放熱特性の優れた発光装置を提供することができる。
図12〜図14において、リードフレームLF1に搭載する発光ダイオードの数は、任意に設定することができ、図示した数に限定されるものではない。
図17は、図9に示した発光装置を製造する方法を示している。この実施の形態では、図15に示した第1フレームFR1及び第2フレームFR2を用い、第1導体210及び第2導体220の上に、発光ダイオードLED1〜LED4を搭載する。
より具体的には、第1フレームFR1、第2フレームFR2、第1導体210、第2導体220、及び、連結片211,212,221,222を一体化した板状の導体、即ち、リードフレームLF1を準備する。このリードフレームLF1は、板面に複数の貫通孔を有し、ギャップG11、G12、G21、及び、間隔G31は、この貫通孔に対応するものである。この場合も、第1導体210、及び、第2導体220をリードフレームLF1として直接準備することができ、基板に穿設されたビアに対して電気メッキによって導電性材料を充填する必要がなくなるため、発光装置の量産性を高め、発光装置を安価に提供することができる。
そして、発光ダイオードLED1〜LED4を搭載した第1導体210及び第2導体220を、共通の絶縁材料によって一体にモールド成形し、支持体230を形成する。この場合も、支持体230のモールド成形は、第1導体210及び第2導体220の上に、発光ダイオードLED1〜LED4を搭載する前または後に実行することができる。
この後、切断線C1−C1線及び切断線C2−C2で切断することにより、図9に示した発熱装置が得られる。
リードフレームLF1の外周面は、基板本体に穿設されたビアに金属材料を充填することにより形成した貫通電極の外周面よりも、平坦、即ち、凹凸が少ない。また、図示された範囲に明示されている訳ではないが、リードフレームLF1は、発光ダイオードLED1〜4の厚みと比較して、相当厚く、発光ダイオードLED1〜4に対する放熱特性に優れる。
したがって、このような製造方法によれば、第1導体210、及び、第2導体220は、基板本体に穿設されたビアに金属材料を充填することにより形成した貫通電極よりも、外周面に凹凸が少なくなり、厚さ方向における導電性が略均一となる。また、第1導体210、及び、第2導体220は、外周面の凹凸が少なくなることによって、支持体230との間にボイドが発生しにくいものとなり、横断面積の縮小が抑制されるため、電気抵抗が低く、基板全体の機械的強度を高めることができる。
さらに、図示された範囲に明示されている訳ではないが、第1導体210、及び、第2導体220は、発光ダイオードLED1〜4の厚みと比較して、相当厚くなるため、発光ダイオードLED1〜4に対する放熱特性に優れ、結果として、放熱特性の優れた発光装置を提供することができる。
図15〜図17において、リードフレームL1に搭載する発光ダイオードの数は、任意に設定することができ、図示した数に限定されるものではない。
図18〜図19は、図10に示した発光装置の製造方法を示す図である。まず、図18に示すように、P側フレームFR1及びN側フレームFR2を、ギャップG21を隔てて併設する。P側フレームFR1の内端縁には、その長さ方向に沿い、ギャップG41をおいて、第1導体210が配置されており、N側フレームFR2の内端縁には、第1導体210のぞれぞれとギャップG21を隔てて向き合う第2導体220が形成されている。複数の第2導体220のそれぞれは、互いに、N側フレームFR2の内端縁に設けられたギャップG42によって隔てられている。
より具体的には、P側フレームFR1と第1導体210を一体化してた板状の導体、すなわち、P側リードフレームLF11、及び、N側フレームFR2と第2導体220を一体化した板状の導体、即ち、N側リードフレームLF21を準備し、P側リードフレーム11及びN側リードフレーム21を、ギャップG21を隔てて併設する。この場合、第1導体210、及び、第2導体220をリードフレームLF11、LF21として直接準備することができ、基板に穿設されたビアに対して電気メッキによって導電性材料を充填する必要がなくなるため、発光装置の量産性を高め、発光装置を安価に提供することができる。
次に、図19に示すように、図18に示したフレームに対し、ギャップG21を跨ぐように、発光ダイオードLED1〜LED4を搭載する。発光ダイオードLED1〜LED4のP側電極5は、P側フレームFR1に形成された第1導体210に接続され、N側フレームFR2のN側電極7は第2導体220に接合される。発光ダイオードLED1〜LED4、P側フレームFR1及びN側フレームFR2には、好ましくは、図10に示したように、絶縁樹脂材料によるモールド成形が施される。
リードフレームLF11、LF21の外周面は、基板本体に穿設されたビアに金属材料を充填することにより形成した貫通電極の外周面よりも、平坦、即ち、凹凸が少ない。また、図示された範囲に明示されている訳ではないが、リードフレームF11、LF21は、発光ダイオードLED1〜4の厚みと比較して、相当厚く、発光ダイオードLED1〜4に対する放熱特性に優れる。
したがって、このような製造方法によれば、第1導体210、及び、第2導体220は、基板本体に穿設されたビアに金属材料を充填することにより形成した貫通電極よりも、外周面に凹凸が少なくなり、厚さ方向における導電性が略均一となる。また、第1導体210、及び、第2導体220は、外周面の凹凸が少なくなることによって、支持体230との間にボイドが発生しにくいものとなり、横断面積の縮小が抑制されるため、電気抵抗が低く、基板全体の機械的強度を高めることができる。
さらに、図示された範囲に明示されている訳ではないが、第1導体210、及び、第2導体220は、発光ダイオードLED1〜4の厚みと比較して、相当厚くなるため、発光ダイオードLED1〜4に対する放熱特性に優れ、結果として、放熱特性の優れた発光装置を提供することができる。
図18〜図19において、P側リードフレームLF11、及び、N側リードフレームLF21に搭載する発光ダイオードの数は、1以上であれ任意に設定することができ、図示した数に限定されるものではない。
図20〜図22は、図11に示した発光装置の製造方法を示す図である。まず、図20に示すように、P側フレームFR11,N側フレームFR21, P側フレームFR12及びN側フレームFR22を、ギャップG21をおいて、順次に併設した構造になっている。併設において、両側のP側フレームFR11及びN側フレームFR22は、図18に示したものと実質的に同じであるが、中間部のN側フレームFR21及びP側フレームFR12は、特徴的な平面パターンを有する。即ち、N側フレームFR21は、幅方向の両側に、P側フレームFR11及びP側フレームFR12の第1導体210とギャップG21を隔てて対向する第2導体220を配置した構造を持つ。一方、P側フレームFR12は、幅方向の両側に、N側フレームFR21及びN側フレームFR22の第2導体220とギャップG21を隔てて対向する第1導体210を配置した構造を持つ。
より具体的には、P側フレームFR11と第1導体210を一体化したP側リードフレームLF11、N側フレームFR21と第2導体220を一体化したN側リードフレームLF21、P側フレームFR12と第1導体210を一体化したP側リードフレームLF12、N側フレームFR22と第2導体220を一体化したN側リードフレームLF22を、ギャップG21を隔てて、順次に併設した構造になっている。この場合、第1導体210、及び、第2導体220をリードフレームLF11、LF12、LF21、LF22として直接準備することができ、基板に穿設されたビアに対して電気メッキによって導電性材料を充填する必要がなくなるため、発光装置の量産性を高め、発光装置を安価に提供することができる。
図20に示したフレームに対し、図21に示すように、発光ダイオードD11〜LED34をマトリクス状に搭載する。より詳しくは、P側フレームFR11及びN側フレームFR21の間に、ギャップG21を跨ぐように、発光ダイオードLED11〜LED14を搭載し、P側フレームFR12及びN側フレームFR21の間に、ギャップG21を跨ぐように、発光ダイオードLED21〜LED24を搭載し、P側フレームFR12及びN側フレームFR22の間に、ギャップG21を跨ぐように、発光ダイオードLED31〜LED34を搭載する。発光ダイオードLED11〜LED34のP側電極5は、P側フレームFR11、FR12に設けられた第1導体210に接続され、N側電極7はN側フレームFR21、FR22に設けられた第2導体220に接続される。
この後、図22に示すように、P側フレームFR11,N側フレームFR21, P側フレームFR12、N側フレームFR22及び発光ダイオードD11〜LED34に対して、所定のパターンとなるように、絶縁樹脂モールド成形をすることにより、支持体230を形成する。これにより、図11に示した発光装置が得られる。
リードフレームLF11、LF12、LF21、LF22の外周面は、基板本体に穿設されたビアに金属材料を充填することにより形成した貫通電極の外周面よりも、平坦、即ち、凹凸が少ない。また、図示された範囲に明示されている訳ではないが、リードフレームLF11、LF12、LF21、LF22は、発光ダイオードLED11〜34の厚みと比較して、相当厚く、発光ダイオードLED11〜34に対する放熱特性に優れる。
したがって、このような製造方法によれば、第1導体210、及び、第2導体220は、基板本体に穿設されたビアに金属材料を充填することにより形成した貫通電極よりも、外周面に凹凸が少なくなり、厚さ方向における導電性が略均一となる。また、第1導体210、及び、第2導体220は、外周面の凹凸が少なくなることによって、支持体230との間にボイドが発生しにくいものとなり、横断面積の縮小が抑制されるため、電気抵抗が低く、基板全体の機械的強度を高めることができる。
さらに、図示された範囲に明示されている訳ではないが、第1導体210、及び、第2導体220は、発光ダイオードLED11〜34の厚みと比較して、相当厚くなるため、発光ダイオードLED11〜34に対する放熱特性に優れ、結果として、放熱特性の優れた発光装置を提供することができる。
図20〜図22において、P側リードフレームの数、N側リードフレームの数、各リードフレームに搭載する発光ダイオードの数は、それぞれ1以上であれ任意に設定することができ、図示した数に限定されるものではない。
図12〜図22に示した製造方法は、図1〜図11に示した発光装置との関係において、上述したような関係に固定されるわけではなく、適宜に組み合わせて用いることができる。また、複数の支持体を併設することにより、発光ダイオードをマトリクス状に配置した発光装置を得ることができる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
次に、図23〜図27を参照し、発光装置の更に別の製造方法について説明する。
発光装置の製造方法としては、基板の導体を、金属もしくは合金の溶融物、金属しくは合金の粉末、又は、導電性ペーストを、前記支持体のスペースに充填することによって形成することもできる。その一例を、図23及び図24に示す。まず、図23に示すように、第1スペース201及び第2スペース202を設けた絶縁材料でなる支持体23を、支持台6の上に設置し、図24に図示するように、第1スペース201及び第2スペース202の内部に、金属もしくは合金の溶融物、金属しくは合金の粉末、又は、導電性ペースト210,220を充填する。充填した後、加圧F1しながら硬化させる。これにより、空洞のない緻密な構造の第1導体210及び第2導体220を形成することができる。この後、発光ダイオードを搭載し、P側電極及びN側電極を、第1導体210及び第2導体220に接合する。発光ダイオードを個品化するには、切断線C1−C1で切断すればよい。
図23及び図24において、第1スペース201及び第2スペース202の内部に、金属もしくは合金の溶融物、金属しくは合金の粉末、又は、導電性ペーストを充填する代わりに、第1スペース201及び第2スペース202の内部に金属部材を嵌め込んでもよい。この場合、図12〜図22に示したフレームを用いた製造方法を適用することができる。もっとも、フレーム設計を若干変更する必要はある。
図25〜図27は、発光装置の別の製造方法を示す図である。この実施の形態は、支持体を、半導体、金属(合金を含む)材料等の導電性材料で構成した場合を示す。まず、図25に示すように、第1スペース201及び第2スペース202を設けた導電性の支持体23を準備する。そして、図26に図示するように、第1スペース201及び第2スペース202の内壁面に、絶縁層241,242を形成した後、図27に示すように、第1スペース201及び第2スペース202の内部に、第1導体210及び第2導体220を形成する。第1導体210及び第2導体220は、金属もしくは合金の溶融物、金属しくは合金の粉末、又は、導電性ペーストを充填する。充填した後、加圧しながら硬化させて形成してもよいし、或いは、金属部材を嵌め込んで形成してもよい。絶縁層241,242は、無機絶縁物もしくは有機絶縁物又はそれらの複合絶縁物によって構成することができる。
この後、発光ダイオードを搭載し、P側電極及びN側電極を、第1導体210及び第2導体220に接合する。発光ダイオードを個品化するには、切断線C1−C1で切断すればよい。