JP5370174B2 - 映像信号処理装置、映像信号処理方法および映像表示装置 - Google Patents

映像信号処理装置、映像信号処理方法および映像表示装置 Download PDF

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本発明は、立体映像(3D)を表示可能なテレビなどの映像表示装置における立体映像表示技術に関するものである。
近年、立体映像表示に対する関心が高まっており、一部の映画館にて先行的に立体映像表示が行われるなど、今後更なる普及が予想されている。立体映像の一般的な実現方法として、右目用映像と左目用映像を、それぞれ対応する目に個別に入射させるように構成して実現する2眼式といわれる方法がある。2眼式の1例として、スクリーンに投射された右目用映像と左目用映像を、偏光メガネを用いて対応する目に個別に入射させる偏光プロジェクタ式立体視装置が特許文献1に記載されている。また、表示パネル(液晶ディスプレイ)に映像の書き換えが行われている間は光源を点灯せず、書き換え完了後に点灯させるようにタイミングを制御することで、右目で右目用映像を見る際に左目用映像の一部が見えたり、左目で左目用映像を見る際に右目用映像の一部が見えたりする、クロストークの発生を軽減する立体画像(立体映像)表示装置が特許文献2に記載されている。
実開昭62−12120号公報(第59頁、第1図) 特開2003-202519号公報(段落0012−0013および段落0075−0084、図12、図14)
しかしながら、上述のような立体映像を表示可能な映像表示装置はそれぞれ、映像表示装置を構成する表示デバイスから光が出射される角度(以下、出光角と称す)に応じて出射される光の強度が変化するという出光角光強度特性を持つ出光角光強度特性により、視聴者の視聴位置によっては画面の各位置での映像の輝度が視聴者の左目へ出力されるものと右目へ出力されるものとで異なり、左目用映像と右目用映像とで輝度バランスが崩れた状態になる。そのために違和感のある立体映像が生じることがあった。
本発明は、上記問題点を解決するもので出光角光強度特性を持つ。立体映像を表示可能な映像表示装置において、視聴者の視聴位置により生じる左目と右目とへ出力される映像の輝度バランスの崩れた状態を軽減し、立体映像の立体感の劣化を軽減することを目的とする。
本発明の映像表示装置は、左目用映像信号および右目用映像信号に基づいて左目用映像および右目用映像を画面に表示する映像表示装置に用いられ、左目用映像信号および/または右目用映像信号を補正する映像信号処理装置であって、映像表示装置の視聴者の水平面内での視聴位置および視聴者の目の高さ、並びに映像表示装置の水平出光角光強度特性および垂直出光角光強度特性に基づいて、画面中の画素から視聴者の左目に入射する左目入射光の推定強度と右目に入射する右目入射光の推定強度とを生成し、生成した左目入射光の推定強度と右目入射光の推定強度との差が小さくなるように、左目用映像信号および/または右目用映像信号を補正するための補正量を求める補正量演算部と、求められた補正量に基づいて、左目用映像信号および/または右目用映像信号を補正する信号補正部とを備えるものである。
本発明によれば左目用映像信号および右目用映像信号をより正確に補正ができるようになるため、左目と右目とへ出力される映像の輝度バランスが崩れた状態を一層軽減でき、立体映像の違和感を軽減できるという効果がある。
この発明の実施の形態1における映像表示装置の構成例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1の映像表示装置における立体映像用信号レベル補正部の詳細な構成を示した図である。 この発明の実施の形態1の映像表示装置における二次元映像入力映像信号と2D倍速映像信号のタイミングを示した図である。 この発明の実施の形態1の映像表示装置における二次元映像倍速映像信号、液晶表示信号、および光源駆動信号のタイミングを示した図である。 この発明の実施の形態1の映像表示装置における立体映像入力映像信号と3D倍速映像信号のタイミングを示した図である。 この発明の実施の形態1の映像表示装置における補正済み立体映像倍速映像信号、液晶表示信号、光源駆動信号、および3D情報信号のタイミングを示した図である。 この発明の実施の形態1の映像表示装置における赤色光反射型液晶パネルの内部構成を示す図である。 この発明の実施の形態1における、スクリーンの出光角光強度特性の一例を示した図である。 この発明の実施の形態1における、視聴者の左右両眼へと出力される、左目用映像と右目用映像の出光角の差とそれによる光強度の影響について示した図である。 この発明の実施の形態1における、視聴者の視聴位置情報から右目用映像および左目用映像の出光角を推定する方法を示した図である。 この発明の実施の形態1における右目入射光および左目入射光の出光角に応じて前記右目用映像および前記左目用映像の信号レベルを補正する方法について説明した図である。 この発明の実施の形態1における、前記信号レベル補正曲線の表現方法の1例を説明した図である。 この発明の実施の形態1における、左目用映像および右目用映像に対する視聴者の視聴位置に応じた信号レベル補正方法の一例を表した図である。 この発明の実施の形態1における右目入射光および左目入射光の出光角に応じて右目用映像および左目用映像の信号レベルを補正する更なる方法について説明した図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の映像表示装置の実施の形態1の構成を示すブロック図である。以下では、フレーム周波数が60Hzである映像信号が映像表示装置に入力される場合を例に挙げて説明する。
2D/3D切換部101は、入力された映像信号を通常の二次元映像(2D)として処理するか、立体映像(3D)として処理するかを切り換えるもので、二次元映像処理が選択された場合は2D用倍速変換処理部102へ2D入力映像信号を出力し、立体映像処理が選択された場合は3D用倍速変換部104へ3D入力映像信号を出力する。また、二次元映像処理・立体映像処理のどちらの映像処理が選択されたかを表す映像モード切換信号を光源制御部108へ出力する。なお、この切り換えは、映像信号に付加された情報から自動的に切り換えてもよいし、図示しない入力処理部において視聴者がいずれの映像処理を選択したのかについての切り換え情報を取得し、この切り換え情報に基づいて切り換えてもよい。
二次元映像処理が選択された場合、2D用倍速変換処理部102は、フレーム周波数60Hzで入力された2D入力映像信号を120Hzの2D倍速映像信号に変換する。変換された2D倍速映像信号は、2D用タイミング生成部103に入力される。2D用タイミング生成部103では、表示デバイスである反射型液晶パネル111R、111G、111Bを制御するための液晶表示信号と、レーザー光源109R、109G、109Bを制御するための光源制御信号を生成する。液晶表示信号は、表示指示部107に入力される。表示指示部107は、液晶表示信号に基づいて反射型液晶パネル111R、111G、111Bを駆動する液晶駆動信号を生成する。一方、光源制御信号は、光源制御部108に入力される。光源制御部108は、光源制御信号に基づいて、レーザー光源109R、109G、109Bの発光を制御する光源駆動信号を生成する。なお、ここでは光源としてレーザーを用いているが、間欠点灯が可能で高輝度な光源であれば、例えば発光ダイオード(LED)等でもかまわない。
2D/3D切換部101によって立体映像処理が選択された場合、3D用倍速変換処理部104は、フレーム周波数60Hzで入力された3D入力映像信号を、左目用および右目用フレームを1秒間に各60フレームずつ伝送する3D倍速映像信号に変換する。また、表示されるフレームが右目用映像か左目用映像かを表す左右情報信号を作成する。変換された3D倍速映像信号と左右情報信号は、3D用信号レベル補正部105に入力される。
図2を用いて3D信号レベル補正部105の詳細な構成を説明する。図2において、画面寸法部201と、画面画素数保持部202と、出光角算出部203と、出光角光強度特性保持部204と、映像信号レベル補正曲線作成部205とは、視聴者の視聴位置に基づいて、画面中の画素から視聴者の左目に入射する左目入射光の推定強度と右目に入射する右目入射光の推定強度とを生成し、生成した左目入射光の推定強度と右目入射光の推定強度との差が小さくなるように、左目用映像信号および/または右目用映像信号を補正するための補正量を求める補正量演算部を構成している。また、左目右目映像信号レベル補正部206は、求められた補正量に基づいて、左目用映像信号および/または右目用映像信号を補正する信号補正部である。
画面寸法保持部201は、あらかじめ測定された映像表示装置のスクリーン114の画面寸法を記録しておく。画面画素数保持部202は画面の垂直一列に並んでいる画素数の数(垂直画素数)および水平一行に並んでいる画素数(水平画素数)からなる画面画素数をあらかじめ記録、保持する。画面画素数は表示デバイスによって決まる。水平画素数は水平一行を表示するために用いられる映像信号の要素(各画素に対する信号)の数に対応している。画面画素数は出光角算出部203および映像信号レベル補正曲線作成部205へと出力される。
出光角算出部203は、視聴位置情報設定部115から得た視聴者の視聴位置情報と前記画面寸法を基に、画面中の各画素における映像が画面に対してどのような角度で視聴者の左目および右目へと出力されているかを表す左目入射光の出光角と右目入射光の出光角を算出する。なお、ここでは、視聴者の目の高さがそれほど大きく変化しないため、目の高さを所定の標準高さとし、水平面内でのスクリーン114との位置関係のみを設定するものとする。そのため、視聴位置設定部115では、水平方向の出光角のみが算出される。
出光角光強度特性保持部204はあらかじめ測定されたスクリーンの出光角光強度特性を記録しておく。
映像信号レベル補正曲線作成部205は、画素毎に算出された前記左目入射光出光角と前記右目入射光出光角を基に前記スクリーンの出光角光強度特性から、画素ごとに左目入射光の推定強度と右目入射光の推定強度とを求め、これら推定強度の差が小さくなるように、各画素における信号レベルの補正量を決定する。また画面画素数に基づき、水平一行分の各画素に対する前記信号レベルの補正量をまとめて、映像信号レベル補正曲線を作成する。ここで、映像信号レベル補正曲線は、画面中の水平一行に含まれる各位置の当該画素における信号レベルの補正量との関係を表すことになる。また、本実施の形態では視聴者の目の高さがそれほど大きく変化しないことから、水平面内でのスクリーン114との位置関係のみを設定しているので、画面の垂直一列に並ぶ画素については信号レベルの補正量は同じ値となっている。このため、信号レベル補正曲線は水平一行分のみ算出すれば良い。なお、ここでは画面の垂直一列に並ぶ画素については同じ補正量であるものとしたが、視聴者の目の高さについて視聴位置検出部115で検出した値、もしくは予め設定した高さを使用して、垂直出光角光強度特性に基づいて垂直一列に並ぶ画素の信号レベルの補正量を算出するようにしてもよい。
左目右目映像信号レベル補正部206は、前記左右情報信号に基づき左目映像信号と右目映像信号を判別し、その信号レベルをそれぞれ補正し補正済み3D用倍速映像信号を出力する。信号レベルの補正方法として、映像信号の各要素に映像信号レベル補正曲線を参照して得られた信号レベルの補正係数を乗じる。なお、補正係数を乗じた後の信号レベルが最大値を超えるものについては、当該所定の最大値を信号レベルとする。
そして、補正済み3D倍速映像信号と左右情報信号は3D用タイミング生成部106に入力される。
3D用タイミング生成部106では、反射型液晶パネル111R、111G、111Bを制御するための液晶表示信号と、レーザー光源109R、109G、109Bを制御するための光源制御信号、表示される映像が左目用映像か右目用映像かを示す信号である3D情報信号を生成する。3D情報信号は、3D情報送信部116へ入力される。液晶表示信号および光源制御信号は、二次元処理が選択された場合と同様に、表示指示部107と光源制御部108に入力されて処理される。
視聴位置情報設定部115は映像表示装置に対する視聴者が視聴する地点の相対位置を設定する。視聴位置情報設定部ではセンサーにより自動的に視聴位置を検出する方法と視聴者が画面上に表示された内容にしたがって自ら視聴位置情報を設定する方法とを視聴者が選択して切り換えて実施できる。
自動的に視聴位置を検出する方法として例えば、映像表示装置下部の中央に設置された図示しない赤外線温度センサーと左右首振り駆動する機構に設置されたレーザー距離センサーと、画面表示に基づいて視聴者が自ら微調節を行う手段を組み合わせて構成する。赤外線温度センサーにより36度程度の人間の体温と近い温度をもつ物体を検知し、前面左右180度に首振り駆動する機構に組み込まれたレーザー距離センサーにより、前記物体と映像表示装置中央までの距離を測定する。このような首振り機構に設置されたセンサーは自律行動ロボットなどですでに実用化されている。前記人間の体温と近い温度の物体のうち最も距離の短い物体を視聴者として検知し、センサーからその視聴者の頭部の中央と推定される部分までの距離を計測し、スクリーン中央からその視聴者の頭部前面の中央(視聴位置)までを視聴距離として設定する。また、視聴者を検知した際の首振り機構の角度により、スクリーンの法線とスクリーンの中央から視聴者の視聴位置までの直線とのなす角を視聴方向として検出し設定する。
このようにしてセンサーにより自動的に検出・設定された視聴距離及び視聴方向に対し、視聴者が画面上に表示された内容にしたがって、さらに微調節を行うことができる。リモコンのボタンを操作して視聴距離と視聴方向を増減して設定し、その設定値に基づいて3D用映像信号レベル補正部105によって映像の信号レベルを補正した映像立体表示を行う。この方法によって、視聴者は最適に表示されたと感じるまで視聴距離と視聴方向を調節し設定できる。
視聴位置情報設定部115により、視聴位置情報として検出、設定された視聴距離と視聴方向は3D用信号レベル補正部105へと出力される。
3D情報送信部116は、視聴者が装着する図示しない3Dメガネに対して3D情報を送信し、現在表示中の映像と同期してメガネ側で左右のどちらの目で映像を見るのかを切り換えられるようにし、視聴者の対応する目に入射されるようにする。
次に、光源制御部108によって制御されるレーザー光源109R、109G、109Bから発せられたレーザー光がスクリーン114に投影されるまでにおける各構成の機能を、光路に沿って説明する。レーザー光源109Rは、光源制御部108から出力される光源駆動信号に基づき赤色レーザー光を出力する。レーザー光源109Rから出力された赤色レーザー光は、赤色光偏光ビームスプリッター110Rによって赤色光反射型液晶パネル111Rへ導かれ赤色の映像光が生成される。この赤色の映像光が再び赤色光偏光ビームスプリッター110Rへ戻り、今度はクロスプリズム112へ入る。緑色レーザー光、青色レーザー光についても同様であるので説明を省略する。クロスプリズム112により、赤色の映像光、緑色の映像光、青色の映像光は合成され、投射レンズ113で拡大され、映像がスクリーン114に表示される。
図3を用いて、2D用倍速変換部102における二次元映像用の倍速変換処理について説明する。図3は、2D入力映像信号と2D倍速映像信号との関係を示す波形図である。図3において、(a)は2D入力映像信号に含まれる垂直同期信号、(b)は2D入力映像信号に含まれる映像信号、(c)は2D倍速映像信号に含まれる垂直同期信号、(d)は2D倍速映像信号に含まれる映像信号をそれぞれ表している。なお、(a)の垂直同期信号は(b)の映像信号に含まれるフレームの区切りを表しており、(c)の垂直同期信号は(d)の映像信号に含まれるフレームの区切りを表している。2D入力映像信号の垂直同期信号は60Hzであり、これを2倍の120Hzにしたものが2D倍速映像信号の垂直同期信号である。垂直同期信号と同様に、映像信号についても2倍の120Hzにする。この際、フレーム1とフレーム1aは同じ映像であるが、フレーム1bについては、フレーム1とフレーム2からその中間映像を生成する。同様にフレーム2とフレーム2aは同じ映像であるが、フレーム2bについては、フレーム2とフレーム3から中間映像を生成する。このように、フレーム周波数を2倍にして中間フレームを生成することで、反射型液晶パネル111R、111G、111Bにおける動きぼけを軽減させる。
図4を用いて、2Dタイミング生成部103における二次元映像用のタイミング生成処理について説明する。図4は、2D倍速映像信号と、液晶表示信号および光源駆動信号との関係を示す波形図である。図4において、(a)は2D倍速映像信号に含まれる垂直同期信号、(b)は2D倍速映像信号に含まれる映像信号、(c)は反射型液晶パネル111R、111G、および111Bが表示するフレームを表す液晶表示信号、(d)は光源駆動信号をそれぞれ表している。2Dタイミング生成部103に入力された2D倍速映像信号の映像信号に含まれる各フレームは、反射型液晶パネル111R、111G、111Bが対応できる範囲で、開始位置を遅らせないで時間幅が短くなるよう次フレーム中に配置される。時間幅を短くする理由としては、反射型液晶パネル111R、111G、111Bの特性により、液晶表示信号を受けて液晶パネル111R、111G、111Bにデータが書き込まれた後、実際に表示が完了するまでにある程度の応答時間を要するためである。生成された液晶表示信号は、表示指示部107へ入力される。一方、光源制御信号については、反射型液晶パネル111R、111G、111Bでの規定の応答時間Tが経過した後(つまり表示完了後)から次のフレームの液晶表示信号が有効になるまでの期間を発光期間とするような信号を生成する。こうすることで、映像の表示ムラを防止する。生成された光源制御信号は、光源制御部108へ入力される。
図5を用いて、3D用倍速変換部104における立体映像用の倍速変換処理について説明する。図5は、3D入力映像信号と3D倍速映像信号との関係を示す波形図である。図5において、(a)は3D入力映像信号に含まれる垂直同期信号、(b)は3D入力映像信号に含まれる映像信号、(c)は3D倍速映像信号に含まれる垂直同期信号、(d)は3D倍速映像信号に含まれる映像信号をそれぞれ表している。なお、(a)の垂直同期信号は(b)の映像信号に含まれるフレームの区切りを表しており、(c)の垂直同期信号は(d)の映像信号に含まれるフレームの区切りを表している。また、(d)において、フレーム1L、フレーム2L、フレーム3Lは左目用映像信号であり、フレーム1R、フレーム2R、フレーム3Rは右目用映像信号を示している。当該倍速変換処理にて、60Hzの3D入力映像信号の垂直同期信号は120Hzの垂直同期信号に、同じく60Hzの3D入力映像信号の映像信号は120Hzの映像信号に変換される。映像信号を変換する際、各フレームから左目用映像信号部分と右目用映像信号部分を抜き出して、左目用映像信号からなるフレームと右目用映像信号からなるフレームを交互に出力して120Hzの信号が生成される。例えば、同図におけるフレーム1からはフレーム1Lとフレーム1Rが生成されるため、これらを交互に配置していくと入力60Hzの2倍の120Hzの映像信号ができ上がる。
図6を用いて、3D用タイミング生成部106における立体映像用のタイミング生成処理について説明する。図6は、補正済み3D倍速映像信号、液晶表示信号、光源駆動信号、および3D情報信号の関係を示す波形図である。図6において、(a)は補正済み3D倍速映像信号に含まれる垂直同期信号、(b)は補正済み3D倍速映像信号に含まれる映像信号、(c)は液晶表示信号、(d)は光源駆動信号、(e)は3D情報信号をそれぞれ表している。当該タイミング生成処理では、入力された補正済み3D倍速映像信号から、この補正済み3D倍速映像信号に含まれる映像信号のフレームを反射型液晶パネル111R、111G、111Bが対応できる範囲で、開始位置を遅らせないで時間幅が短くなるよう次フレーム中に配置し、液晶表示信号を生成する。生成された液晶表示信号は、表示指示部107へ入力される。
一方、光源制御信号については、反射型液晶パネル111R、111G、111Bでの規定の応答時間Tが経過した後(つまり表示完了後)から次のフレームの液晶表示信号が有効になるまでの期間を有効期間とする。こうすることで、映像の表示ムラおよび左目用映像と右目用映像のクロストークを防ぐことができる。規定の応答時間Tの経過を待つ意味としては、次のような理由による。反射型液晶パネル111R、111G、111Bの応答時間は、常に一定ではなく、書き換える前の値と書き換えた後の値の差分によって応答速度が変化する。そのため、予め決めた規定の応答時間Tの経過を待たずにレーザー光源を点灯させると、先に書き換え始めた領域および応答時間の速い変化パターンだった領域と、そうでない領域とで表示ムラが発生する恐れがある。逆に、次フレームの液晶表示信号が入力され始めてもなおレーザー光源を点灯させていると、次のフレームの絵が混じってしまい、左目用映像と右目用映像のクロストークが発生してしまう。生成された光源制御信号は、光源制御部108へ入力される。
3D用タイミング生成部106では、左右情報信号を基に3D情報信号も生成する。これは、表示している映像が左目用映像と右目用映像のどちらかを示す信号である。図6の(e)における”R”が右目用映像信号のフレームを意味し、”L”が左目用映像信号のフレームを意味する。実際に視聴者がスクリーン114表示された映像を見るのは、液晶に作成された映像をレーザー光で照らしスクリーン114に映し出されてからなので、3D情報信号は光源制御信号に連動して出力し、光制御信号が出力されないときは何も出力されない。本例では、光源制御信号と3D情報信号が完全に一致しているが、信号レベル補正処理による遅延や最終的にこの情報を受信するメガネ側の切換反応速度なども考慮して、両者に一定の時間差を設けても、当該時間差を可変としてもよい。この3D情報信号は、3D情報送信部116へ入力される。
3D情報送信部116は受け取った3D情報信号を変換し、3D情報として送信する。図示しない3Dメガネは3D情報を受信し、左目用映像信号のフレームを表す情報を受信したときは左目用映像信号だけを表示させるように、右目用映像信号のフレームを表す情報を受信したときは右目用映像信号だけを表示させるように左右フィルタの偏光方向を切り替え、3D情報を受信しない間はその状態を保持する。
図7は、図1における赤色光反射型液晶パネル111Rの内部構成を示す図である。ここでは赤色光反射型液晶パネル111Rのみについて述べるが、緑色光反射型液晶パネル111G、青色光反射型液晶パネル111Bも同様の構成である。図1における表示指示部107から出力された液晶駆動信号は、表示駆動部1401Rに入力される。表示駆動部1401Rは、ゲートドライバ1403Rに対して表示パネル1404から1ラインを指定して、当該ラインに書き込みが行えるようにする。一方、ソースドライバ1402には、当該1ライン分の映像データを書き込むように指示する。液晶駆動信号のタイミングに従って1ラインずつゲートドライバ1403およびソースドライバ1402を制御して順次書き込むことで、1枚の映像を表示パネル1404に書き込む。また、画素ごとに書き込まれた映像データの反射率に液晶が変化するまでには所定の応答時間を要する。
本実施の形態1における3D用信号レベル補正部105の働きを、図6から図12までを用いて説明する。
図8はこの発明の実施の形態1における、スクリーン114の出光角に対する光強度特性の一例を示した図である。図8において、(a)はスクリーン114の水平面の出光角と光強度との関係を示すグラフ、(b)はスクリーン114の垂直面の出光角と光強度との関係を示すグラフである。図8(a)の曲線601はスクリーン114の水平面の出光角に対して光強度がどのように変化するかを表す水平出光角光強度特性を示しており、図8(b)の曲線602はスクリーンの垂直面の出光角に対して光強度がどのように変化するかを表す垂直出光角光強度特性を示している。
スクリーン114からの出光は、表示デバイスとスクリーン114との組み合わせによってそれぞれ固有の出光角光強度特性を持ち、出光角によって光強度が変化する。図8(a),(b)に示すように、画素から垂直に出射する光の光強度が最大となり、出光角が大きくなるにつれて光強度は減少していく。また、水平出光角光強度特性の一例である曲線601および垂直出光角光強度特性の一例である曲線602では、ある出光角の周辺で出光角の変化量に対する光強度の変化量が大きくなり、出光角の違いが微小にもかかわらず、光強度が大きく異なることがある。そのため、左右の目への出光角がこの光強度が大きく変化する角度をはさんだ角度になる場合には、視聴者が視聴する前記左目用映像および前記右目用映像の輝度が異なってしまう。
図9はこの発明の実施の形態1における、視聴者の左右両眼への入射光の出光角の差とそれにより光強度に及ぶ影響について示した図である。図9において、(a)はスクリーン114の水平面の出光角と光強度との関係を示すグラフの一部、(b)はスクリーン114から視聴者701の左右両眼への入射光の出光角を示す模式図である。図9に示した符号および変数は、以下の意味である。
点702は、視聴者701から遠い位置にある画面中の点。
左目入射光703は、点702から視聴者701の左目に入射する入射光。
出光角α1は、左目入射光703が点702から出光する角度。
右目入射光705は、点702から視聴者701の右目に入射する入射光。
出光角β1は、右目入射光705が点702から出光する角度。
点707は、視聴者701から近い位置にある画面中のある点。
左目入射光708は、点707から視聴者701の左目に入射する入射光。
出光角α2は、左目入射光β1が点707から出光する角度。
右目入射光710は、点707からの右目に入射する入射光。
出光角β2は、右目入射光710が点707から出光する角度。
差712aは、点702における左目入射光703と右目入射光705の光強度の差。
差712bは、点707における左目入射光708と右目入射光710の光強度の差。
図9の視聴者701のように、視聴者701がスクリーン114のどちらから一方の端に近い位置で視聴していた場合、曲線601が示すような水平出光角光強度特性を持つスクリーンでは、視聴者701から遠い位置にある画素において、左目用映像と右目用映像との輝度が異なるため、輝度バランスの崩れた映像として視聴者701の目へと出力される。これは、視聴者701から遠い位置にある点702からの左目用入射光703の出光角α1と右目用入射光705の出光角β1との光強度の差712aが大きいのに対し、視聴者から近い位置にある点707からの左目用入射光708と右目用入射光710では出光角α2と出光角β2との光強度の差712bが小さいためである。したがって画面の画素の輝度が前記右目用映像と前記左目用映像とで無視できない程に異なる部分が発生し、その輝度の異なり具合は画面で一様ではないという、輝度バランスが崩れた状態となる。
図10はこの発明の実施の形態1における、出光角算出部203によって視聴者の視聴位置情報から右目用映像および左目用映像の出光角を推定する方法を示した模式図である。図10において、スクリーン114における画面中のある1点である点802から出射した光のうち、視聴者の左目805に入射する光を左目入射光803とし、視聴者の右目806に入射する光を右目入射光804とする。また、視聴者の視聴位置からスクリーン114の中央801までの視聴距離をr、スクリーン114の法線とスクリーン114の中央801から視聴者の視聴位置への方向とのなす角である視聴方向をΘ、視聴者の左右両眼間の距離をd、左目入射光出光角をα、右目入射光出光角をβ、スクリーン114の中央801から点802までの距離をLとする。なお、本実施の形態では視聴者の左右両眼はスクリーン114が設置されている床面と平行な面上にあるとし、スクリーン114の中央801の位置、視聴者の視聴位置および画面中の点802はスクリーン114が設置されている床面と平行な前記の面への射影として表現される。
出光角算出部203は視聴距離r、視聴方向Θ、視聴者の左右両眼の距離d、スクリーン114の中央801から点802までの距離Lを基に、画面の各画素から視聴者の左目および右目へ入射される光の出光角を算出する。
視聴距離rおよび視聴方向Θは、視聴位置情報設定部115によって測定される。視聴者の左右両眼の距離dは想定する視聴者の左右両眼の距離を標準値として出光角算出部203であらかじめ記録・保持しておく。また、スクリーン114の中央801から点802までの距離Lは、スクリーン114の画面寸法および画面画素数から映像信号中の各要素の画面中の位置を計算できる。スクリーン114の画面寸法はあらかじめ測定して画面寸法保持部201に保持され、画面の画素数は画面画素数保持部202によって設定、保持されている。
ここで、
左目入射光出光角αは、
α = arctan((L+rsinΘ+dcosΘ/2)
/(rcosΘ−dsinΘ/2)) (1)
右目入射光出光角βは、
β = arctan((L+rsinΘ−dcosΘ/2)
/(rcosΘ+dsinΘ/2)) (2)
と計算できる。
本実施の形態では視聴位置情報設定部115はスクリーン114の中心801を基準に視聴距離r、視聴方向Θを設定し、これらの視聴位置情報を基に出光角を算出しているが、スクリーン114のどの位置を基準として視聴者までの距離と角度を検出しても、前記基準点が画面上のどの位置にあるか分かっていれば、画面上のどの点であっても出光角を算出することができる。
図11はこの発明の実施の形態1における右目入射光および左目入射光の出光角に合わせて前記右目用映像および前記左目用映像の信号レベルを補正する方法について説明した図である。図11の(a)は画面のある点から出射される右目入射光および左目入射光の出光角を表した図、(b)は右目入射光および左目入射光がどの程度の光強度になるかを表した図、(c)は光強度の低下量に基づいて算出された映像信号レベルを補正する比率と画面の水平位置との関係を表した図である。図11(a)において、出光角α3は左目入射光の出光角であり、出光角β3は右目入射光の出光角である。また、図11(b)において、左目入射光強度903は出光角α3で出光した左目入射光の強度であり、右目入射光強度904は出光角β3で出光した右目入射光の強度である。図11(c)において、曲線905は左目用映像信号レベル補正曲線、曲線906は右目用映像信号レベル補正曲線である。
映像信号レベル補正曲線作成部205は画面の各水平位置に表示される3D用倍速映像信号の各要素に対しどのような補正比率の信号レベルの補正を行うかを表す左目用映像信号レベル補正曲線905および右目用映像信号レベル補正曲線906を作成する。まず、視聴者の視聴位置情報から推定した左目入射光出光角α3および右目入射光出光角β3を、スクリーンの水平出光角光強度特性601に照らし合わせ、左目入射光および右目入射光の光強度を示す左目入射光強度903および右目入射光強度904を求める。次に入射光強度と信号レベル補正比率の対応付けをあらかじめ決めておき、求めた左目入射光強度903および右目入射光強度904から画面の各画素に対する信号レベル補正比率を決定する。そして、画面画素数に基づき画面の画素に対する信号レベル補正比率を水平一行画素分でまとめて、左目用映像信号レベル補正曲線905および右目用映像信号レベル補正曲線906を生成する。
光強度と信号レベル補正比率の対応付けの方法としては例えば反比例の関係とする。例えば、左目入射光の推定強度をa1、右目入射光の推定強度をa2、スクリーンからの映像光における最大の光強度をaとし、左目用映像に対する信号レベル補正比率をb1、右目用映像信号レベル補正比率をb2とする。
このとき、推定強度と信号レベル補正比率との関係は、以下のようになる。
b1 = a/a1
b2 = a/a2
信号レベル補正曲線の表現方法として例えば、図12に示す画面の画素の各位置と信号レベル補正比率の対応を表した参照表の形で表現する。画面の左端の画素を表示する要素から各映像信号の要素に対して順に画面の右端に表示される映像信号の要素まで、信号レベル補正比率を記述した参照表となる。なお、図12中のNは、(1<N<水平画素数−1)の関係を満たす自然数である。この参照表は視聴者の視聴位置が設定された際に、左目用映像信号と右目用映像信号でそれぞれ作成される。
そして信号レベル補正左目右目部206は、左右情報信号に基づき、指定された左右どちらかの目に対する信号レベル補正曲線を選択し、画面画素数分の映像信号の各要素の信号レベルに対して信号レベル補正曲線のその画素の水平位置に応じた補正比率を乗じて、出力映像信号の各画素の信号レベルを決定する。
なお、本例では1種類の信号レベルの補正について説明しているが、赤色信号、緑色信号、青色信号の複数の種類の信号で出光角光強度依存性が異なる場合には、各色信号の角度依存性に応じた補正を行うことで、赤色光、緑色光、青色光それぞれに対するスクリーンの出光角光強度特性による左目入射光および右目入射光の輝度の低下を補正できる。
図13は、図11(a)に示すような視聴者の視聴位置の場合における、左目用映像および右目用映像に対する信号レベル補正の1例を示している。図13において、(a)はある一色が画面全体に表示された時のスクリーンの出光角光強度特性によって減衰して視聴者の左目へと出射される左目用映像を示しており、(b)は左目入射の推定強度と画面の水平位置との関係を示すグラフであり、(c)は左目用映像信号レベル補正曲線を示すグラフである。また、(d)はある一色が画面全体に表示された時のスクリーンの出光角光強度特性によって減衰して視聴者の右目へと出射される右目用映像を示しており、(e)は左目入射光の推定強度と画面の水平位置との関係を示すグラフであり、(f)は右目用映像信号レベル補正曲線を示すグラフである。図13の(a),(d)においては、輝度の低下が大きい画面の範囲を濃く、輝度の低下が少ない画面の範囲を薄く表現している。
視聴者は画面右端近くに位置しているので、視聴者から遠い位置となる画面左端からの入射光の水平出光角は左目よりも右目の方が大きくなる。そのため、左目用映像および右目用映像はスクリーンの出光角光強度特性によって減衰され、それぞれ図13(a)に示す左目用映像および図13(d)に示す右目用映像のように、画面左端に行くにしたがって徐々に暗くなる映像として右目および左目へと出力される。このときの左目入射の推定強度と画面の水平位置との関係は図13(b)の曲線1103のように、右目入射の推定強度と画面の水平位置との関係は図13(e)の曲線1104のように表される。そこで、左目入射光の入射の推定強度および右目入射光の入射の推定強度に反比例するように、信号レベル補正量を算出し、図13(c)の左目用映像信号レベル補正曲線1105および図13(f)の右目用映像信号レベル補正曲線1106を生成する。この信号レベル補正により、右目と左目の輝度差を補正できる。
また、この発明の実施の形態1における右目入射光および左目入射光の出光角によって生じる左目と右目の輝度差を補正する別の手段として、出光角によって入射の推定強度がより少なくなる目に対応する映像にだけ、左右両眼の推定強度の比に応じた補正比率の信号レベル補正を行うことが考えられる。この方法を図14によって説明する。図14の(a)は画面のある点から出射される右目入射光および左目入射光の出光角を表す模式図、(b)は右目入射光および左目入射光の出光角から推定強度がどの程度低下したかを表すグラフ、(c)は推定強度の低下量の差に基づいて算出された映像信号レベルを補正する比率と画面の水平位置との関係を表すグラフである。
図14において、1201は左右両眼へ出射される映像光の推定強度の比に応じて作成された映像信号レベル補正曲線である。
視聴者の視聴位置情報から推定した左目入射光出光角α4および右目入射光出光角β4をあらかじめ測定したスクリーンの水平出光角光強度特性601に照らし合わせ、左目入射光の推定強度と右目入射光の推定強度を求める。入射光の推定強度が大きい目に対する映像には信号レベルを補正せず、入射光の推定強度の最低値がより小さい目に対する映像には左右両眼の入射光強度の比に応じた信号レベルの補正を行う。出光角が大きければ推定強度は小さくなるので、出光角の最大値がより大きいほうの目に対してだけ補正を行うこととなる。出光角が最大となるのは画面のどちらかの端からの映像光であり、ユーザーがスクリーンの中央より右寄りで視聴していた場合つまりΘ>0の場合は画面左端からユーザーの右目へ出射される映像光の出光角が最大となり、ユーザーがスクリーンの中央より左寄りで視聴していた場合つまりΘ<0の場合は画面右端からユーザーの左目へ出射される映像光の出光角が最大となる。
また、左右両眼の推定強度の比と信号レベル補正比率の対応付けの方法としては例えば反比例の関係とする。例えば、左目入射光の推定強度をa1、右目入射光の推定強度をa2、信号レベル補正比率をbとする。
このとき、推定強度と信号レベル補正比率との関係は、
Θ<0のとき b = a1/a2
Θ>0のとき b = a2/a1
となる。
Θ<0となる位置でユーザーが視聴した場合は右目用映像信号の信号レベルに補正比率を乗算し、Θ>0となる位置でユーザーが視聴した場合は左目用映像信号の信号レベルに補正比率を乗算する。またΘ=0の時は補正しない。この補正により、右目と左目の輝度差を補正できる。
この補正方法の効果として、信号レベル補正比率を小さくすることができるので、補正後の信号レベルが最大値を越えにくくなる。その結果、最大値を超えるものついては輝度の違いを表現できなくなるという現象の発生が抑えられる。また、右目用映像もしくは左目用映像のどちらかにだけ信号レベルを補正すればよいので、計算量を削減することができる。
このようにして3D用信号レベル補正手段105により補正された補正済み3D倍速映像信号は3D用タイミング生成部106へと出力される。また、左右情報信号も3D用タイミング生成部106へと出力される。
本実施の形態の形態では、立体映像を表示可能な映像表示装置において視聴位置情報設定部と3D用信号レベル補正部を持つことで、視聴者の視聴位置に応じて3D用倍速映像信号を左目用映像の信号レベルと右目用映像の信号レベルをそれぞれ個別に補正することが可能になる。そのため、映像表示装置を構成する表示デバイス(表示手段)の出光角光強度特性により左目と右目とへ出力される映像の輝度バランスが崩れた状態を軽減できる。したがって立体映像の違和感を軽減できる。
本実施の形態では視聴位置情報設定部として、温度センサーと首振り機構に組み込まれた距離センサーを使用した、自動で視聴者の視聴位置を検出する装置を映像表示装置側に付帯させる場合について説明しているが、他の例についても述べる。
映像表示装置にカメラを付帯させ、カメラに映っている顔画像をあらかじめ保持されている顔モデルと照らし合せて顔を検知し顔画像の大きさや位置によって視聴者の視聴位置を検出する方法をとってもよい。
映像表示装置操作用リモートコントロール装置を操作した際、リモートコントロール装置から発する赤外線や電波から視聴者の位置を検出する方法をとってよい。
本実施の形態では視聴者が3Dメガネを装着し、テレビから発信される赤外線や電波を受信して、現在表示中の映像と同期してメガネ側で左右の映像が切り換えられるようにしているが、この3Dメガネに、例えば、レーザーや赤外線や電波等の発信器を装備し、視聴者の位置を検出する方法をとってもよい。
本実施の形態では、メガネ側で動的に左右の映像を切り換えて対応する目に届けるようにしているが、映像表示装置内で表示映像が左目用映像か右目用映像かに合わせて動的に偏光方向を切り換え、メガネは左右で異なる固定された偏光方向を持つレンズによって構成するなどの方式をとってもよい。この場合、3D情報の送信先がメガネではなく、装置内の偏光方向を切り換える部分となる。
本実施の形態では視聴者の位置を自動で判定する方法について述べたが、視聴者が画面に表示された設定画面をみながら、リモートコントロール装置に付帯したボタンを用いて自分の位置を設定する方法を視聴位置情報設定部115の設定方法としても良い。
本実施の形態では、投射型の映像表示装置を用いて説明したが、直視型の映像表示装置であってもかまわない。透過型液晶パネルや有機ELパネル等の映像表示装置を構成する表示デバイスはそれぞれ固有の出光角光強度特性を持ち、視聴者が視聴する前記左目用映像と前記右目用映像とに輝度バランスが崩れた状態が発生する。したがって本発明が適用できる。
本実施の形態では、映像表示装置について説明したが、外部の表示装置に表示する映像信号を生成する映像信号処理装置、および映像信号処理方法にも適用できる。
本実施の形態では、水平回転する首振り機構を備えた視聴位置設定部によって水平面内におけるスクリーンと視聴者との間の視聴距離および視聴方向を測定し、出光角を算出する方法について述べた。スクリーンが設置されている床面と垂直な面においても、仰俯角を変動させる首振り機構を備えて視聴者の垂直方向における位置を検出・設定する方法、顔モデルと照らし合せる方法や前記画面表示により設定する方法を視聴位置設定部に備えればスクリーンが設置されている床面と平行な面上と同様に垂直面上における出光角を計算できる。そして、本実施の形態と同様に垂直方向の映像信号レベル補正曲線を作成し、映像信号を補正できる。
本実施の形態では視聴者の左右両眼は水平面上にあるとし、その面上における画面の画素の位置の射影および視聴位置の射影を結ぶ直線の方向とスクリーンの法線方向とのなす角である出向角を算出した場合の、左右両眼の出光角の差と光強度の差について述べた。これに加え、視聴者の顔や体の輪郭などから両目の水平面に対する傾きを推定するセンサーを設けることで、両目の傾きに基づいて垂直出光角光強度特性も考慮した補正を画素の信号レベルに対し行うことができる。さらに、両目の位置を検出することができるセンサーを設けた場合には、両目間の水平距離および高さの違いに基づいて、より正確な補正を行うことができる。
本実施の形態では、水平一行分の画素の信号レベルの補正量をまとめて信号レベル補正曲線として表現したが、垂直方向における位置を検出・設定した場合、1フレーム分の画素の信号レベルの補正量をまとめて信号レベル補正曲線として表現しても良い。
本実施の形態では、右目入射光および左目入射光の出光角によって生じる左目と右目の輝度差を補正する手段として、出光角によって入射の推定強度がより少なくなる目に対応する映像にだけ、左右両眼の推定強度の比に応じた補正比率の信号レベル補正を行うことを述べた。このとき信号レベル補正比率の算出方法として、Θ=0付近で0となり、画面端で1となる関数で左右両眼の推定強度の比をべき乗してもよい。
例えば、ユーザー視聴方向をΘ、左目入射光の推定強度をa1、右目入射光の推定強度をa2、信号レベル補正比率をbとして、
Θ<0のとき b = (a1/a2)^(1−COSΘ)
Θ>0のとき b = (a2/a1)^(1−COSΘ)
とする。
Θ<0となる位置でユーザーが視聴した場合は右目用映像信号の信号レベルに補正比率を乗算し、Θ>0となる位置でユーザーが視聴した場合は左目用映像信号の信号レベルに補正比率を乗算する。またΘ=0の時は補正しない。
この信号レベル補正比率の算出方法によって、ユーザーがΘ=0付近で移動し、補正する映像が右目用映像と左目用映像とで切り替わったときに起こる、画面の輝度の急激な変化を抑えることができる。
101 2D/3D切換部
102 2D用倍速変換部
103 2D用タイミング生成部
104 3D用倍速変換部
105 3D用信号レベル補正部
106 3D用タイミング生成部
107 表示指示部
108 光源制御部
109R 赤色光レーザー光源
109G 緑色光レーザー光源
109B 青色光レーザー光源
110R 赤色光偏光ビームスプリッター
110G 緑色光偏光ビームスプリッター
110B 青色光偏光ビームスプリッター
111R 赤色光反射型液晶パネル
111G 緑色光反射型液晶パネル
111B 青色光反射型液晶パネル
112 クロスプリズム
113 投射レンズ
114 スクリーン
115 視聴位置情報設定部
116 3D情報送信部
201 画面寸法保持部
202 画面画素数保持部
203 出光角算出部
204 出光角光強度特性保持部
205 映像信号レベル補正曲線作成部(補正量決定部)
206 左目右目映像信号レベル補正部(信号補正部)

Claims (9)

  1. 左目用映像信号および右目用映像信号に基づいて左目用映像および右目用映像を画面に表示する映像表示装置に用いられ、前記左目用映像信号および/または前記右目用映像信号を補正する映像信号処理装置であって、
    前記映像表示装置の視聴者の水平面内での視聴位置および前記視聴者の目の高さ、並びに前記映像表示装置の水平出光角光強度特性および垂直出光角光強度特性に基づいて、前記画面中の画素から前記視聴者の左目に入射する左目入射光の推定強度と右目に入射する右目入射光の推定強度とを生成し、生成した前記左目入射光の推定強度と前記右目入射光の推定強度との差が小さくなるように、前記左目用映像信号および/または前記右目用映像信号を補正するための補正量を求める補正量演算部と、
    求められた前記補正量に基づいて、前記左目用映像信号および/または前記右目用映像信号を補正する信号補正部と
    を備える映像信号処理装置。
  2. 前記補正量演算部は、
    前記左目入射光の推定強度および前記右目入射光の推定強度が前記画素から前記画面に対して垂直に出射する光の強度と等しくなるように、前記補正量を求めることを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理装置。
  3. 前記補正量演算部は、
    前記左目入射光の推定強度と前記右目入射光の推定強度とのうち、小さい方の推定強度が大きい方の推定強度と等しくなるように、小さい方の推定強度を補正するための前記補正量を求めることを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理装置。
  4. 左目用映像信号および右目用映像信号に基づいて左目用映像および右目用映像を画面に表示する映像表示装置に入力される前記左目用映像信号および前記右目用映像信号を補正する映像信号処理方法であって、
    前記映像表示装置の視聴者の水平面内での視聴位置および前記視聴者の目の高さを検出する視聴位置検出ステップと、
    前記映像表示装置の視聴者の水平面内での視聴位置および前記視聴者の目の高さ、並びに前記映像表示装置の水平出光角光強度特性および垂直出光角光強度特性に基づいて、前記画面中の画素から前記視聴者の左目に入射する左目入射光の推定強度と右目に入射する右目入射光の推定強度とを生成し、生成した前記左目入射光の推定強度と前記右目入射光の推定強度との差が小さくなるように、前記左目用映像信号および/または前記右目用映像信号を補正するための補正量を求める補正量演算ステップと、
    求められたた前記補正量に基づいて、前記左目用映像信号および/または前記右目用映像信号を補正する信号補正ステップと
    を備える映像信号処理方法。
  5. 前記補正量演算ステップは、
    前記左目入射光の推定強度および前記右目入射光の推定強度が前記画素から前記画面に対して垂直に出射する光の強度と等しくなるように、前記補正量を求めることを特徴とする請求項4に記載の映像信号処理方法。
  6. 前記補正量演算ステップは、
    前記左目入射光の推定強度と前記右目入射光の推定強度とのうち、小さい方の推定強度が大きい方の推定強度と等しくなるように、小さい方の推定強度を補正するための前記補正量を求めることを特徴とする請求項4に記載の映像信号処理方法。
  7. 左目用映像信号および右目用映像信号に基づいて左目用映像および右目用映像を画面に表示する映像表示装置であって、
    当該映像表示装置の視聴者の水平面内での視聴位置および前記視聴者の目の高さを検出する位置検出部と、
    前記水平面内での視聴位置および前記視聴者の目の高さ、並びに前記映像表示装置の水平出光角光強度特性および垂直出光角光強度特性に基づいて、前記画面中の画素から前記視聴者の左目に入射する左目入射光の推定強度と右目に入射する右目入射光の推定強度とを生成し、生成した前記左目入射光の推定強度と前記右目入射光の推定強度との差が小さくなるように、前記左目用映像信号および/または前記右目用映像信号を補正するための補正量を求める補正量演算部と、
    求められた前記補正量に基づいて、前記左目用映像信号および/または前記右目用映像信号を補正する信号補正部と、
    少なくともいずれかが補正された前記左目用映像信号および前記右目用映像信号に基づいて、前記左目用映像および前記右目用映像を前記画面に表示する表示部と
    を備える映像表示装置。
  8. 前記補正量演算部は、
    前記左目入射光の推定強度および前記右目入射光の推定強度が前記画素から前記画面に対して垂直に出射する光の強度と等しくなるように、前記補正量を求める前記左目用映像信号および/または前記右目用映像信号を補正することを特徴とする請求項7に記載の映像表示装置。
  9. 前記補正量演算部は、
    前記左目入射光の推定強度と前記右目入射光の推定強度とのうち、小さい方の推定強度が大きい方の推定強度と等しくなるように、小さい方の推定強度を補正するための前記補正量を求めることを特徴とする請求項7に記載の映像表示装置。
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