JP5368101B2 - Pde4d対立遺伝子変異体と脳卒中との関連 - Google Patents

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Description

本発明は、ホスホジエステラーゼ4D(PDE4D)遺伝子の対立遺伝子変異体と高血圧状態とを相関させることによる、個人における脳卒中の素因を検出するための方法を提供する。本発明はさらに、個人の高血圧状態と相関する脳卒中の素因の指標であるPDE4D多型を検出するためのキットおよびコンピュータプログラム製品を企図している。
近年、ホスホジエステラーゼ4D(PDE4D)遺伝子は、虚血性脳卒中のリスク因子であると同定されている(Gretarsdottirら、Am J Hum Genet(2002)70:593−603)。Gretarsdottirら、(2002)は、全ゲノム精査を実施し、染色体5q121上の連鎖ピーク(linkage peak)(LOD=4.4)を見いだした。ファインマッピングおよび関連試験は、PDE4Dがアイスランド人母集団において虚血性脳卒中と関連する遺伝子であると同定した(Gretarsdottirら、Nat Genet(2003)35:131−138)。さらに、形質転換Bリンパ球中の数種のPDE4DアイソフォームのmRNAレベルは、脳卒中症例群とコントロール群間で有意に相違した(Gretarsdottirら、(2003)、上記)。
PDE4Dは1.5Mbに及ぶ大きな遺伝子であり、少なくとも22個のエキソンおよび8個のスプライス変異体を有している(Gretarsdottirら、(2003)、上記;Wangら、Cell Signal(2003)15:883−891;およびBolgerら、Biochem J(1997)328:539−548)。PDE4Dは環状AMP(cAMP)を加水分解し(Contiら、J Biol Chem(2003)278:5493−5496)、スプライス変異体の様々な発現パターンを伴って複数の組織中で発現する(Wangら、上記)。PDE4Dは、脳、肺、腎、マクロファージ、単球、BおよびTリンパ球、ならびに血管平滑筋細胞中で見いだされる(Bolgerら、上記;Contiら、上記;およびPanら、Biochem Pharmacol(1994)48:827−835)。いくつかの試験は、炎症、増殖、転移、および脳卒中の発生に関係するプロセスにおけるPDE4Dの関与について報告している(Arigaら、J Immunol(2004)173:7531−7538;Miroら、Biochem Biophys Res Commun(2000)274:415−421;Palmerら、Circ Res(1998)82:852−861;Panら、上記;およびJohnson−Millsら、Biochem Pharmacol(1998)56:1065−1073)。
特異的PDE4D SNPおよびハプロタイプと脳卒中との関連は、アイスランド人母集団において最初に同定された(Gretarsdottirら、(2003)、上記)。しかし、本発明に至るまでは、特定の部分母集団における特異的PDE4D SNPおよびマイクロサテライトと脳卒中との関連については評価されていなかった。本出願は、この必要を取り扱う。
本発明は、ホスホジエステラーゼ4D(PDE4D)遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子多型の存在が、個人における彼らの高血圧状態、すなわち高血圧を有しているか否かに基づいて、脳卒中を罹患するリスク増加の指標であるという発見に基づいている。脳卒中のリスクを予測する多型は、高血圧を有している、もしくは有していない個人において同定されている。
したがって第1態様では、本発明は、高血圧を有していない個人における脳卒中の素因を予測する方法であって、
a)前記個人由来のサンプル中においてPDE4D遺伝子座内の少なくとも1つの多型を含む対立遺伝子の存在もしくは不在を検出する工程であって、前記対立遺伝子の存在が高血圧を有していない個人における脳卒中の素因と関連している工程と、および
b)前記ヒトにおける脳卒中の素因の存在もしくは不在を前記サンプル中の前記対立遺伝子の存在もしくは不在に基づいて予測する工程であって、前記対立遺伝子の存在が高血圧を有していない個人における脳卒中の素因と関連している工程と、を含む方法を提供する。1つの実施形態では、多型は、高血圧を有している個人における脳卒中を予測しない。1つの実施形態では、多型は、高血圧を有している個人における脳卒中を独立して予測する。
また別の態様では、本発明は、ヒトにおける脳卒中の素因を予測する方法であって、
a)前記ヒト由来のサンプル中でPDE4D遺伝子座のSNP175 T/Cを検出する工程と、および
b)前記ヒトにおける脳卒中の素因の存在もしくは不在を前記サンプル中の前記多型の1つの対立遺伝子の存在もしくは不在に基づいて予測する工程であって、Tの存在が高血圧を有している個人における脳卒中の素因と関連している工程と、を含む方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、高血圧を有していないヒトにおける脳卒中の素因を予測するためのキットであって、
SNP9 A/GのA対立遺伝子とG対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー;または
SNP219 C/TのC対立遺伝子とT対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー;または
SNP220 C/AのC対立遺伝子とA対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー、を含むキットを提供する。典型的には、プローブもしくはプライマーは、重合依存性反応、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)もしくはプライマー伸長反応において多型対立遺伝子間を識別する。多型の1つの対立遺伝子の選択的増幅は、増幅反応と同時に(すなわち、「リアルタイム」で)、または増幅反応に続いて検出することができる。
さらに別の態様では、本発明は、高血圧を有しているヒトにおける脳卒中の素因を予測するためのキットであって、
SNP175 T/CのT対立遺伝子とC対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー、を含むキットを提供する。
さらに別の態様では、本発明は、個人における脳卒中の素因を予測する際に使用するためのコンピュータプログラム製品であって、
プログラムコードでコード化されたコンピュータ可読媒体を含み、前記プログラムコードは、
ホストコンピュータで、個人における脳卒中の素因と関連するPDE4D遺伝子座の多型の1つの対立遺伝子の存在を指示する情報を受信するためのコンピュータコードであって、前記多型はSNP9 A/G、SNP219 C/T、SNP42 A/G、SNP220 C/A、AC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT8、TCAT9、TCAT10、TCAT11、TCAT12もしくはTCAT13)、およびSNP175 T/Cからなる群から選択されるコンピュータコードと、および
前記個人における脳卒中の素因を決定するためのコンピュータコードであって、前記個人が、
SNP9 A/G内のA;
SNP219 C/T内のT;
SNP42 A/G内のG;
SNP220 C/A内のA;
AC008818−1内の9個のマイクロサテライトリピート(TCAT);または
SNP175 T/C内のTを有する場合に脳卒中の素因が予測されるコンピュータコード、を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
また別の態様では、本発明は、個人における脳卒中の素因を決定するためのコンピュータ実施方法であって、
ホストコンピュータで、個人における脳卒中の素因と関連するPDE4D遺伝子座の多型の1つの対立遺伝子の存在を指示する情報を受信する工程であって、前記多型はSNP9 A/G、SNP219 C/T、SNP42 A/G、SNP220 C/A、AC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)、およびSNP175 T/Cからなる群から選択される工程と、および
前記個人における脳卒中の素因を決定する工程であって、前記個人が、
SNP9 A/G内のA;
SNP219 C/T内のT;
SNP42 A/G内のG;
SNP220 C/A内のA;
AC008818−1内の9個のマイクロサテライトリピート(TCAT);または
SNP175 T/C内のT、を有する場合に脳卒中の素因が予測される工程と、を含む方法を提供する。
1.緒言
本発明は、個人の高血圧状態と相関させた場合の個人における脳卒中のリスク増加の指標であるホスホジエステラーゼ4D(PDE4D)遺伝子の多型の発見に基づいている。本明細書に記載したPDE4Dについてはこれまでに多数の遺伝子変異体が同定されているが、それらの存在もしくは不在が脳卒中の予測リスクと有意に相関付けられたことはなかった。しかし本発明者らは、個人を彼らの高血圧状態(すなわち、高血圧を有しているか否か)にしたがって層化すると、それらの存在もしくは不在が脳卒中のリスクを予測する、単独もしくは組み合わせた所定の多型が同定されることを発見した。
2.定義
用語「脳卒中」は、限局性血管疾患に起因する神経学的欠損の突発によって規定される脳血管発作を意味する(Kasperら、Harrison’s Principles of Internal Medicine,2005、第16版、McGraw−Hillの第349章を参照されたい)。用語「脳卒中」には、制限なく、虚血性脳卒中、心塞栓性脳卒中、出血性脳卒中、アテローム血栓性脳梗塞、裂孔(小血管)梗塞、頸動脈性脳卒中、大血管性脳卒中などを含む様々な臨床的に規定された種類の脳卒中のいずれかが含まれる。
本明細書において用語「高血圧」は、≧160mmHgである収縮期血圧および/または≧90mmHgである拡張期血圧を有する被験者における状態を意味する。高血圧を有している被験者は、さらにまたサイアザイド系利尿薬を摂取していることがある。高血圧については、例えばウェブ上のmerck.com/mrkshared/mmanual/home.jspで入手できるThe Merck Manual of Diagnosis and Therapy、第17版、Beers and Berkow編集、2005の第199章およびHarrison’s Internal Medicine、第16版、Kasperらeds.,2005の第230章の中で詳細に記載されている。
本明細書において用語「素因」は、個人の母集団もしくは部分母集団において脳卒中を経験することへの増加した感受性を意味する。素因は、一般もしくは非層化母集団、相違する部分母集団、または同一部分母集団と比較して測定することができる。
本明細書において語句「脳卒中の素因と関連する」もしくは「脳卒中を予測する」は、互換的に、それらの存在が個人の母集団における脳卒中発生に対するリスク増加と統計学的有意(すなわち、0.05未満のp値)に相関付けられる、1つ以上の多型(例、SNP、マイクロサテライト、ハプロタイプ)もしくは対立遺伝子、またはそれらの組み合わせを意味する。関連もしくは相関は、一般もしくは非層化母集団、相違する部分母集団、または同一部分母集団と比較して測定することができる。母集団は層化されても層化されなくてもよい。母集団は、例えば、性別、人種、種族的起源、年齢、また別の状態の存在(例、高血圧の存在、高血圧の不在、肥満症、糖尿病、ニコチン依存性)などの1つ以上のパラメータによって規定できる。
語句「脳卒中に対する保護」は、個人の母集団における脳卒中発生に対する発生率減少もしくはリスク減少と統計学的有意に相関付けられた1つ以上の多型を意味する。保護作用は、一般もしくは非層化母集団、相違する部分母集団、または同一部分母集団と比較して測定することができる。母集団は層化されても層化されなくてもよい。母集団は、例えば、性別、人種、種族的起源、年齢、また別の状態の存在(例、高血圧の存在、高血圧の不在、肥満症、糖尿病、ニコチン依存性)などの1つ以上のパラメータによって規定できる。
用語「オッズ比」もしくは「OR」は、「事象(例、脳卒中)を有している」対「事象を有していない」の確率の比率を意味する。ORが1より大きい場合は、そのヒトは事象を有するリスク増加を有しており、そしてORが1より小さい場合は、そのヒトは事象を有するリスク減少を有する。Norman and Streiner,Biostatistics The Bare Essentials,Second Edition,BC Decker Inc,2000を参照されたい。
用語「危険率」もしくは「HR」は、時間tまでの生存を前提として、そして予後変数(例、年齢、高血圧など)の特定の数値に対する、時間tでの1つの事象(例、脳卒中)の確率を意味する。HRが1より大きい場合は、そのヒトは事象を有するリスク増加を有しており、そしてHRが1より小さい場合は、そのヒトは事象を有するリスク減少を有する。Norman and Streiner、上記を参照されたい。
用語「相対リスク」もしくは「RR」は、第2群における事象間で発生することとは対照的に、第1群において1つの事象(例、脳卒中)を有する確率の比率を意味する。一般に、この比較は個人の任意抽出の一般母集団に対してである。RRが1より大きい場合は、そのヒトは事象を有するリスク増加を有しており、そしてRRが1より小さい場合は、そのヒトは事象を有するリスク減少を有する。Norman and Streiner、上記を参照されたい。
用語「ホスホジエステラーゼ4D」もしくは「PDE4D」は、環状AMP(cAMP)、または任意のスプライス変異体、エキソン、イントロン、もしくは非翻訳領域を含む、そのタンパク質をコードする核酸を加水分解するホスホジエステラーゼ4Dタンパク質を意味する。用語「PDE4D」は、通常はゲノム核酸配列を意味する。例えば、PDE4Dは、米国特許公開第2005/0164220号に開示された配列番号1、またはGenBankデータベースアクセッション番号NT_086673、NT_006713もしくはAY406254を含むまた別のゲノムPDE4D核酸配列に対する少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を含んでいる。他の実施形態では、PDE4Dは、任意のスプライス変異体を含む、mRNAまたはcDNA核酸配列を意味する。例えば、PDE4Dは、GenBankデータベースアクセッション番号NM_006203、BC036319、BC008390、AY245867、AY245866、AY388960、AF536977、AF536976、AF536975、U50159、U50158、U50157、U79571、AF012074、もしくはAF012073に対する少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を含むことができる。
用語「対立遺伝子」は、当該の遺伝子のヌクレオチド配列変異体を意味する。
用語「遺伝子型」は、個人もしくはサンプル中に含有される遺伝子の対立遺伝子の記述を意味する。本発明の状況では、個人の遺伝子型および前記個人を起源とするサンプルの遺伝子型は区別されない。典型的には、遺伝子型は二倍体細胞のサンプルから決定されるが、遺伝子型は精子細胞などの半数体細胞のサンプルから決定できる。
「多型」は、母集団における1つの遺伝子の2つ以上の遺伝的に決定された代替配列の発生を意味する。典型的には、最初に同定された対立遺伝子形は任意に参照形と指名され、もう1つの対立遺伝子形は代替もしくは変異型対立遺伝子と指名される。選択された母集団中で最も頻回に発生する対立遺伝子形は、ときどきは野生型形と呼ばれる。
用語「ハプロタイプ」は、2つ以上の対立遺伝子または2つ以上の多型の組み合わせを意味する。
本明細書において用語「連鎖不平衡」は、無作為には関連していない、すなわちそれらの頻度と比例して関連していない相違する遺伝子座にある対立遺伝子を意味する。対立遺伝子が正の連鎖不平衡にある場合は、対立遺伝子は、統計的独立を仮定すると、予想より高頻度で一緒に発生する。これとは逆に、対立遺伝子が負の連鎖不平衡にある場合は、対立遺伝子は、統計的独立を仮定すると、予想より低頻度で一緒に発生する。
「一塩基多型」もしくは「SNP」は、対立遺伝子間で変動する1つのヌクレオチドの部位である。一塩基多型は、遺伝子の任意領域で発生する可能性がある。一部の例では、多型は、タンパク質配列における変化を生じさせることがある。タンパク質配列における変化は、タンパク質機能に影響を及ぼす場合も及ぼさない場合もある。
本明細書で言及するPDE4D一塩基多型(SNP)およびマイクロサテライト配列は、すべての補助的な図面、表、および配列表を含めて米国特許公開第2005/0164220号およびGretarsdottirら、Nature Genetics(2003)35(2):131−138の中で以前に記載されたようにナンバリング(すなわち、SNP9)されている。本出願において考察したSNPおよびマイクロサテライト配列は、以下の表1に記載する。
Figure 0005368101
「マイクロサテライト」は、長さが様々な反復配列である短い塩基対配列から発生した1クラスのDNA多型を意味する。短い塩基対配列は、通常は長さが約1、2、3、4、5もしくは6ヌクレオチド塩基である。マイクロサテライトは、例えば、約5〜100以上のタンデムリピート、より通例は約5〜50もしくは5〜25のタンデムリピート、および典型的には約5〜15または5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15タンデムリピートを含むことができる。
用語「ハイブリダイゼーション」は、相補的塩基対合に起因する2つの一本鎖核酸による二本鎖構造の形成を意味する。ハイブリダイゼーションは、正確に相補的な核酸鎖間またはミスマッチの小さな領域を含有する核酸鎖間で発生させることができる。
本明細書において用語「実質的に相補的」は、ミスマッチの小さな領域を除いて相補的である配列を意味する。典型的には、ハイブリダイズする領域にわたるミスマッチのヌクレオチドの総数は、長さが約15ヌクレオチドの配列に対して3ヌクレオチド以下である。正確に相補的核酸鎖だけがハイブリダイズする条件は、「ストリンジェント」もしくは「配列特異的」ハイブリダイゼーション条件と呼ばれる。実質的な相補的核酸の安定性二本鎖は、低ストリンジェントのハイブリダイゼーション条件下で達成できる。核酸テクノロジーの分野の当業者は、例えば、オリゴヌクレオチドの長さおよび塩基対濃度、イオン強度、およびミスマッチ塩基対の発生率を含む多数の変数を検討して二本鎖安定性を経験的に決定することができる。二本鎖安定性を計算するためのコンピュータソフトウエアは、National Biosciences社(ミネソタ州プリマス);例、OLIGOバージョン5から市販で入手できる。
オリゴヌクレオチドが正確に相補的な標的配列にのみハイブリダイズする、ストリンジェントな配列特異的ハイブリダイゼーション条件は、当分野で周知である(例えば、核酸配列中での多型を検出する、本章に提供された一般的参考文献を参照)。ストリンジェントな条件は、配列依存性であり、様々な状況において相違する。一般に、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度およびpHでの特定配列についての熱融点(Tm)より約5℃低くなるように選択される。Tmは、塩基対の50%が解離している(規定イオン強度およびpH下の)温度である。ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを緩和すると、配列ミスマッチが許容されるようになる;許容されるミスマッチ度は、ハイブリダイゼーション条件の適切な調整によって制御できる。
用語「プライマー」は、核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下、すなわち相違する4種のヌクレオシド三リン酸および適切なバッファー中および適切な温度での重合のための作用物質(すなわち、DNAポリメラーゼもしくは逆転写酵素)の存在下でDNA合成の開始点として作用するオリゴヌクレオチドを意味する。プライマーは、通常は一本鎖オリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは、通常は長さが約15〜約35ヌクレオチドである、標的配列に正確もしくは実質的に相補的な「ハイブリダイジング領域」を含んでいる。当分野で周知であるハイブリダイゼーション安定性に影響を及ぼす修飾された塩基もしくは塩基アナログの使用は、匹敵する安定性を備えるより短い、もしくは長いプライマーの使用を可能にできる。プライマーオリゴヌクレオチドは、完全にハイブリダイジング領域領域から構成されてもよい、または増幅産物の検出、固定化、もしくは操作を可能にする、しかしプライマーがDNA分析のための出発試薬として機能する能力を変化させない追加の特徴を含有することができる。例えば、核酸配列尾部は、捕獲オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするプライマーの5’末端に含めることができる。
本明細書において用語「対立遺伝子特異的」プライマーは、プライマーの3’末端、通例は3’末端ヌクレオチドが当該の多型部位と整列し、多型位置で対立遺伝子の1つと正確に相補的であるように、標的配列にハイブリダイズするプライマーである。本明細書においてように、プライマーは、それが3’末端で正確に相補的である対立遺伝子に対して「特異的」である。一般に、プライマー伸長は、ミスマッチがプライマーの3’末端に存在する場合に阻害される。対立遺伝子特異的プライマーは、正確に相補的な対立遺伝子へハイブリダイズした場合に、より高効率で伸長可能である。同一プライマーは、他の対立遺伝子へハイブリダイズした場合に、ハイブリダイゼーション二本鎖内のプライマーの3’末端でのミスマッチのために容易に伸長可能ではない。したがって、対立遺伝子特異的プライマーの使用は、感知できる伸長産物が形成されるかどうかに基づいた対立遺伝子識別を提供する。対立遺伝子特異的プライマーは、また別の対立遺伝子もしくは他の対立遺伝子から1つの対立遺伝子を識別する。
用語「プローブ」は、適切な条件下で標的核酸へ選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを意味する。プローブハイブリダイジング領域は、通例は長さが約10〜約35ヌクレオチド、より通例は長さが約15〜約35ヌクレオチドである。当分野で周知である、ハイブリダイゼーション安定性に影響を及ぼす修飾された塩基もしくは塩基アナログの使用は、匹敵する安定性を備えるより短い、もしくはより長いプローブの使用を可能にできる。プローブオリゴヌクレオチドは、完全にハイブリダイジング領域から構成されてもよい、またはプローブの検出もしくは固定化を許容する、しかしハイブリダイジング領域のハイブリダイゼーション特性を有意には変化させない追加の特徴を含有していてもよい。
「対立遺伝子特異的」プローブは、標的配列に正確もしくは実質的に相補的な「ハイブリダイジング領域」を含有している、そして当該の多型部位で標的配列へ正確に相補的である。十分にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でプローブを用いて実施されたハイブリダイゼーションアッセイは、特異的標的配列の選択的検出を可能にする。対立遺伝子特異的プローブは、また別の対立遺伝子もしくは他の対立遺伝子から1つの対立遺伝子を識別する。
用語「標的配列」もしくは「標的領域」は、分析対象であって当該の多型部位を含む核酸の領域を意味する。
本明細書において用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は、プライマー、プローブ、およびオリゴマーフラグメントを意味する。これらの用語は長さによっては制限されず、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含有する)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含有する)、およびプリンもしくはピリミジン塩基の任意の他のN−グリコシド、または修飾されたプリンもしくはピリミジン塩基の線状ポリマーの総称である。これらの用語には、二本鎖および一本鎖DNA、ならびに二本鎖および一本鎖RNAが含まれる。本発明のオリゴヌクレオチドは、プライマーおよび/またはプローブとして使用できる。したがって本明細書で「プライマー」と呼ぶオリゴヌクレオチドはプローブとして作用することができ、そして一部の実施形態では「プローブ」と呼ぶオリゴヌクレオチドはプライマーとして作用することができる。
核酸、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、シロキサン、炭酸塩、カルボキシメチルエステル、アセトアミデート、カルバメート、チオエーテル、架橋ホスホルアミデート、架橋メチレンホスホネート、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート、架橋ホスホロチオエートもしくはスルホン結合、およびそのような結合の組み合わせを含むがそれらに限定されないホスホジエステル結合もしくは修飾された結合を含むことができる。
核酸、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、5種の生物学的に発生する塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシンおよびウラシル)および/または5種の生物学的に発生する塩基以外の塩基を含むことができる。これらの塩基は、例えば、ハイブリダイゼーションを安定化もしくは不安定化させるため;プローブ分解を促進もしくは阻害するため;または検出可能な成分もしくはクエンチャー成分に対する付着点としてなどの多数の目的に役立つことができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、N6−メチル−アデニン、N6−tert−ブチル−ベンジル−アデニン、イミダゾール、置換イミダゾール、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルキュエオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチルアデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−Dマンノシルキュエオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キュエオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル(すなわち、チミン)、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、2,6−ジアミノプリン、および5−プロピルピリミジンを含むがそれらに限定されない1つ以上の修飾された、非標準的な、または誘導体化された塩基成分を含有していてもよい。修飾された、非標準的な、または誘導体化された塩基成分の他の実施例は、米国特許第6,001,611号;第5,955,589号;第5,844,106号;第5,789,562号;第5,750,343号;第5,728,525号;および第5,679,785号の中に見いだすことができる。
さらに、核酸、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、アラビノース、2−フルオロアラビノース、キシルロース、およびヘキソースを含むがそれらに限定されない1つ以上の修飾された糖成分を含むことができる。
3.詳細な実施形態
第1態様では、本発明は、高血圧を有していない個人における脳卒中の素因を予測する方法であって、
a)前記個人由来のサンプル中においてPDE4D遺伝子座内の少なくとも1つの多型を含む対立遺伝子の存在もしくは不在を検出する工程であって、前記対立遺伝子の存在が高血圧を有していない個人における脳卒中の素因と関連している工程と、および
b)前記ヒトにおける脳卒中の素因の存在もしくは不在を前記サンプル中の前記対立遺伝子の存在もしくは不在に基づいて予測する工程であって、前記対立遺伝子の存在が高血圧を有していない個人における脳卒中の素因と関連している工程と、を含む方法を提供する。1つの実施形態では、多型は、高血圧を有している個人における脳卒中を予測しない。1つの実施形態では、多型は、高血圧を有している個人における脳卒中を独立して予測する。一部の実施形態では、本方法は、虚血性脳卒中、頸動脈性脳卒中、心原性脳卒中、心塞栓性脳卒中、小血管性脳卒中もしくは大血管性脳卒中を予測する。
一部の実施形態では、少なくとも1つの多型は、
SNP9 A/G(Aの存在は脳卒中の素因と関連している)と、
SNP219 C/T(Tの存在は脳卒中の素因と関連している)と、
SNP42 A/G(Gの存在は脳卒中の素因と関連している)と、
SNP220 C/A(Aの存在は脳卒中の素因と関連している)と、および
AC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)(9個のマイクロサテライトリピート(TCAT)の存在は脳卒中の素因と関連している)と、からなる群から選択される。
また別の実施形態では、少なくとも1つの多型は、SNP45 G/AおよびAC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)の組み合わせを含んでおり、このとき9個のマイクロサテライトリピート(TCAT)の存在は脳卒中の素因と関連している。さらに別の実施形態では、少なくとも1つの多型は、SNP9 A/G、SNP26、A/G、SNP32 C/T、SNP34 C/A、SNP42 A/G、SNP45 G/A、SNP56 T/A、SNP148 A/G、SNP175 T/C、SNP199 A/G、SNP219 C/T、SNP220 C/A、SNP222 A/G、およびAC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)の数、例えば、AC008818−1内の8個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子−8)、AC008818−1内の9個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子−4)、AC008818−1内の10個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子0)、AC008818−1内の11個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子4)、AC008818−1内の12個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子8)、またはAC008818−1内の13個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子12)、からなる群から選択される。
一部の実施形態では、検出する工程は、SNP9 A/G;SNP42 A/G;SNP219 C/T;SNP220 C/Aの単一塩基多型(SNP);およびAC008818−1内の9、10もしくは12個のマイクロサテライトリピート(TCAT)からなる群から選択される多型を含む少なくとも1つの対立遺伝子を検出する工程を含んでおり;および
予測する工程は、以下の多型、
SNP9 A/G(Aの存在は脳卒中の素因と関連している);
SNP219 C/T(Tの存在は脳卒中の素因と関連している);
SNP42 A/G(Gの存在は脳卒中の素因と関連している);
SNP220 C/A(Aの存在は脳卒中の素因と関連している);および
AC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)(9個のマイクロサテライトリピート(TCAT)の存在は脳卒中の素因と関連している)のうちの少なくとも1つが存在する場合に脳卒中の素因を予測する工程を含んでいる。
また別の実施形態では、検出する工程は、SNP45 G/AおよびAC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)の組み合わせを検出する工程であって、9個のマイクロサテライトリピート(TCAT)の存在が脳卒中の素因と関連している工程を含んでいる。さらに別の実施形態では、検出する工程は、SNP9 A/G、SNP26、A/G、SNP32 C/T、SNP34 C/A、SNP42 A/G、SNP45 G/A、SNP56 T/A、SNP148 A/G、SNP175 T/C、SNP199 A/G、SNP219 C/T、SNP220 C/A、SNP222 A/G、およびAC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)の数、例えば、AC008818−1内の8個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子−8)、AC008818−1内の9個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子−4)、AC008818−1内の10個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子0)、AC008818−1内の11個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子4)、AC008818−1内の12個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子8)、またはAC008818−1内の13個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子12)からなる群から選択される少なくとも1つの多型を検出する工程を含んでいる。
必要に応じて、2、3、4もしくは5つ以上の多型を同時に検出して、典型的には高血圧状態と相関させて、個人の脳卒中の素因を予測するために使用できる。
本発明は、高血圧を有している個人における脳卒中のリスク増加を予測するための方法をさらに提供する。したがって、また別の態様では、本発明は、ヒトにおける脳卒中の素因を予測する方法であって、
前記ヒト由来のサンプル中でPDE4D遺伝子座のSNP175 T/Cを検出する工程と、および
前記ヒトにおける脳卒中の素因の存在もしくは不在を前記サンプル中の前記多型の1つの対立遺伝子の存在もしくは不在に基づいて予測する工程であって、Tの存在が高血圧を有している個人における脳卒中の素因と関連している工程と、を含む方法を提供する。
本発明は、高血圧を有していない個人における脳卒中のリスク減少を予測するための方法をさらに提供する。また別の態様では、本発明は、ヒトにおける脳卒中のリスク減少を予測する方法であって、
前記ヒト由来のサンプル中でPDE4DのAC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)を検出する工程と、および
前記ヒトにおける脳卒中のリスク減少の存在もしくは不在を前記サンプル中の前記多型の1つの対立遺伝子の存在もしくは不在に基づいて予測する工程であって、10個のマイクロサテライトリピート(TCAT)の存在が高血圧を有していない個人における脳卒中のリスク減少と関連している工程と、を含む方法を提供する。一部の実施形態では、10もしくは12個のマイクロサテライトリピート(TCAT)の存在が脳卒中のリスク減少と関連している。
一部の実施形態では、予測する工程は、個人の脳卒中の素因の存在もしくは不在を記録する工程を含んでいる。
一部の実施形態では、多型は、多型の少なくとも2つの代替対立遺伝子間を識別するオリゴヌクレオチド(例、プライマーもしくはプローブ)を用いて検出される。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、例えば、蛍光成分、放射性成分、ビオチン成分を用いて検出可能に標識される。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’末端に付着した蛍光成分で検出可能に標識される。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドが無傷である場合に蛍光成分をクエンチするクエンチャー成分をさらに含んでいる。
本方法は、男性または女性である個人に適用できる。本方法は、さらにそれらの人種もしくは民族起源とは無関係に個人に適用できる。一部の実施形態では、個人は、白人、アジア人、黒人、ラテンアメリカ人、インド人、アメリカ先住民である、または人種もしくは民族起源の組み合わせを有している。
一部の実施形態では、対立遺伝子は、相加、増殖、優性もしくは劣性、相互優性、またはそれらの組み合わせである。
さらに別の態様では、本発明は、高血圧を有していないヒトにおける脳卒中の素因を予測するためのキットであって、SNP9 A/GのA対立遺伝子とG対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー;またはSNP219 C/TのC対立遺伝子とT対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー;またはSNP220 C/AのC対立遺伝子とA対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー、を含むキットを提供する。典型的には、プローブもしくはプライマーは、ポリメラーゼ依存性反応、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)もしくはプライマー伸長反応において多型対立遺伝子間を識別する。多型の1つの対立遺伝子の選択的増幅は、増幅反応と同時に(すなわち、「リアルタイム」で)、または増幅反応に続いて検出することができる。一部の実施形態では、プローブもしくはプライマーは、ポリメラーゼ非依存性反応、例えば侵襲性開裂反応において多型対立遺伝子間を識別する(例えば、Olivier,Mut.Res.(2005)573(1−2):103−10を参照されたい)。
一部の実施形態では、本キットは、PDE4D対立遺伝子間を識別する1つ以上の追加のプローブもしくはプライマーをさらに含んでいる。一部の実施形態では、本キットは、SNP42 A/GのA対立遺伝子とG対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー;またはAC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)の数を識別するプローブもしくはプライマー、をさらに含んでいる。
さらに別の態様では、本発明は、高血圧を有しているヒトにおける脳卒中の素因を予測するためのキットであって、SNP175 T/CのT対立遺伝子とC対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマーを含むキットを提供する。
一部の実施形態では、本発明のキットは、耐熱性ポリメラーゼをさらに含んでいる。一部の実施形態では、本キットはデオキシヌクレオチドをさらに含んでいる。一部の実施形態では、本キットのプローブは、検出可能に標識されている。一部の実施形態では、本キットのプローブは、蛍光成分で検出可能に標識されている。一部の実施形態では、蛍光成分は、プローブの5’末端にある。一部の実施形態では、本キットのプローブは、プローブが無傷である場合に蛍光成分をクエンチするクエンチャー成分をさらに含んでいる。
さらに別の態様では、本発明は、個人における脳卒中の素因を予測する際に使用するためのコンピュータプログラム製品であって、
プログラムコードでコード化されたコンピュータ可読媒体を含み、前記プログラムコードが、
ホストコンピュータで、個人における脳卒中の素因と関連するPDE4D遺伝子座の多型の1つの対立遺伝子の存在を指示する情報を受信するためのコンピュータコードであって、前記多型はSNP9 A/G、SNP219 C/T、SNP42 A/G、SNP220 C/A、AC008818−1内のマイクロサテライトリピート、およびSNP175 T/Cからなる群から選択されるコンピュータコードと、および
前記個人における脳卒中の素因を決定するためのコンピュータコードであって、前記個人が、
SNP9 A/G内のA;
SNP219 C/T内のT;
SNP42 A/G内のG;
SNP220 C/A内のA;
AC008818−1内の9個のマイクロサテライトリピート(TCAT);または
SNP175 T/C内のT、を有する場合に脳卒中の素因が予測されるコンピュータコード、を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
また別の態様では、本発明は、個人における脳卒中の素因を決定するためのコンピュータ実施方法であって、
ホストコンピュータで、個人における脳卒中の素因と関連するPDE4D遺伝子座の多型の1つの対立遺伝子の存在を指示する情報を受信する工程であって、前記多型はSNP9 A/G、SNP219 C/T、SNP42 A/G、SNP220 C/A、AC008818−1内のマイクロサテライトリピート、およびSNP175 T/Cからなる群から選択される工程と、および
前記個人における脳卒中の素因を決定する工程であって、前記個人が、
SNP9 A/G内のA;
SNP219 C/T内のT;
SNP42 A/G内のG;
SNP220 C/A内のA;
AC008818−1内の9個のマイクロサテライトリピート(TCAT);または
SNP175 T/C内のTを有する場合に脳卒中の素因が予測される工程と、を含む方法を提供する。
一部の実施形態では、コンピュータ実施方法は、個人の脳卒中の素因の存在もしくは不在を出力する工程をさらに含んでいる。
当業者には理解されるように、本発明の方法は、高血圧の存在もしくは不在に加えて、性別、人種、民族起源、年齢、肥満度指数(BMI)、ウエスト/ヒップ比、血圧、コレステロール、例えば高密度リポタンパク質および/または低密度リポタンパク質などの血清中脂質、高感受性C反応性タンパク質(hsCRP)血清中レベル、糖尿病の存在もしくは不在、個人が喫煙するかどうか、運動するかどうかなどを含むがそれらに限定されない、脳卒中の傾向を検出するための他の分析と連結して使用できる。一部の実施形態では、例えば、患者が脳卒中の発生についての追加のリスク因子を示す場合は、本方法は、例えば年齢、糖尿病、喫煙、または上記に列挙したリスク因子もしくはその他のいずれかのうちの1つ以上を評価する追加の工程を含むことができる。女性、男性もしくは男女混合の母集団を多型の存在について分析することができる。分析は、任意の年齢で実施できる。対立遺伝子頻度は、特定母集団間で相違する可能性がある。
4.核酸多型の検出
SNPの存在について核酸を評価するための検出技術は、分子遺伝学の分野において周知の方法を含んでいる。これらの方法の全部ではないが多数が核酸の増幅を含んでいる。当技術分野においては、増幅を実施するための十分なガイダンスが提供されている。代表的な参考文献には、PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification(H.A.Erlich編集、Freeman Press,NY,N.Y.,1992);PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications(Innisら編集、Academic Press,San Diego,Calif.,1990);Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel,1994−1999(2004年4月までの補遺最新版を含む);Sambrook & Russell,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(第3版、2001)などのマニュアルが含まれる。一塩基多型を検出するための一般的方法は、Single Nucleotide Polymorphisms:Methods and Protocols,Pui−Yan Kwok,ed.,2003,Humana Pressの中に開示されている。
本方法は、典型的にはPCR工程を使用するが、他の増幅プロトコールもまた使用できる。適切な増幅方法には、リガーゼ連鎖反応(例えば、Wu & Wallace,Genomics 4:560−569,1988を参照されたい);および鎖置換アッセイ(例えば、Walkerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:392−396,1992;米国特許第5,455,166号を参照されたい);ならびに米国特許第5,437,990号;第5,409,818号;および第5,399,491号に記載された方法を含むいくつかの転写に基づく増幅系;転写増幅系(TAS)(Kwohら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177,1989);および自立配列複製(3SR)(Guatelliら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878,1990;WO92/08800)が含まれる。または、プローブを検出可能なレベルへ増幅させる、Qβ−レプリカーゼ増幅などの方法を使用できる(Kramer & Lizardi,Nature 339:401−402,1989;Lomeliら、Clin.Chem.35:1826−1831,1989)。公知の増幅方法についてのレビューは、例えば、Abramson and Myers in Current Opinion in Biotechnology 4:41−47,1993によって提供される。
個人のPDE4D遺伝子型、ハプロタイプ、SNP、マイクロサテライトもしくはその他の多型の検出は、オリゴヌクレオチドプライマーおよび/またはプローブを用いて実施できる。オリゴヌクレオチドは、任意の適切な方法、通例は化学合成によって調製できる。オリゴヌクレオチドは、市販で入手できる試薬および機器を用いて合成できる。または、それらは商業的供給源を通して購入できる。オリゴヌクレオチドを合成する方法は、当分野で周知である(例えば、Narangら、Meth.Enzymol.68:90−99,1979;Brownら、Meth.Enzymol.68:109−151,1979;Beaucageら、Tetrahedron Lett.22:1859−1862,1981;および米国特許第4,458,066号の固体支持体法を参照されたい)。さらに、上述した合成方法への修飾を使用すると、合成オリゴヌクレオチドに関して酵素挙動に所望の影響を及ぼすことができる。例えば、オリゴヌクレオチド内への修飾されたホスホジエステル結合(例、ホスホロチオエート、メチルホスホン酸塩、ホスホアミデート、もしくはボラノホスフェート)またはリン酸誘導体以外の結合の組み込みは、選択された部位での開裂を防止するために使用できる。さらに、2’−アミノ修飾糖の使用は、新規核酸鎖を合成するための鋳型でもある核酸へハイブリダイズした場合にオリゴヌクレオチドの消化よりも置換に好都合である傾向がある。
PDE4D多型についての個人の遺伝子型は、当分野で周知である多数の検出方法を用いて決定することができる。大多数のアッセイは、いくつかの一般的プロトコール:対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを使用するハイブリダイゼーション、プライマー伸長法、対立遺伝子特異的ライゲーション、シーケンシング、もしくは電気泳動法による分離方法、例えば一本鎖DNA高次構造多型(SSCP)およびヘテロ二本鎖分析法のうちの1つを必要とする。代表的なアッセイには、5’−ヌクレアーゼアッセイ、鋳型指示ダイ・ターミネーター組み込み法、分子ビーコン対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドアッセイ、一塩基伸長アッセイ、およびリアルタイムピロリン酸塩配列によるSNPスコアリングが含まれる。増幅させた配列の分析は、マイクロチップ、蛍光偏光アッセイ、およびマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析法などの様々なテクノロジーを用いて実施できる。さらに使用できる2つの方法は、フラップヌクレアーゼを用いて侵襲性開裂およびパドロック・プローブを使用する方法に基づくアッセイである。
特定のPDE4D対立遺伝子の存在もしくは不在の決定は、一般には分析対象の個人から入手される核酸サンプルを分析することによって実施される。核酸サンプルは、ゲノムDNAを含むことが多い。ゲノムDNAは、典型的には血液サンプルから入手されるが、さらにまた他の細胞もしくは組織から入手することもできる。
RNAサンプルを多型対立遺伝子の存在について分析することもまた可能である。例えば、mRNAは、1つ以上のPDE4D多型部位で個人の遺伝子型を決定するために使用できる。この場合には、核酸サンプルは、標的核酸が発現する細胞、例えば脂肪細胞から入手される。そのような分析は、例えばウイルス逆転写酵素を用いて標的RNAを最初に逆転写し、次に結果として生じたcDNAを増幅させることによって;または米国特許第5,310,652号;第5,322,770号;第5,561,058号;第5,641,864号;および第5,693,517号に記載されたように結合高温逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用することによって実施できる。
SNPを検出する目的で核酸サンプルを分析するために頻回に使用される方法を手短に記載する。しかし、一塩基置換の存在を検出するためには、本発明においては当技術分野において公知の任意の方法を使用できる。
a.対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション
対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション(ASO)とも一般に呼ばれるこの技術(例、Stonekingら、Am.J.Hum.Genet.48:70−382,1991;Saikiら、Nature 324,163−166,1986;欧州特許第235,726号;およびWO89/11548)は、変異体の1つに対して特異的であるオリゴヌクレオチドプローブを核酸サンプルの増幅から入手される増副産物へハイブリダイズさせることによって1つの塩基が相違する2つのDNA分子間を識別することに依存している。本方法は、典型的には、例えば長さが15〜20塩基である短鎖オリゴヌクレオチドを使用する。プローブは、1つの変異体を他の変異体へ差別的にハイブリダイズするように設計されている。そのようなプローブを設計するための原理および指針は、当技術分野において、例えば本明細書に言及した参考文献から入手できる。ハイブリダイゼーション条件は、対立遺伝子間のハイブリダイゼーション強度において有意な差があり、そしてそれによりプローブが対立遺伝子の一方だけにのみハイブリダイズする本質的バイナリー応答を生成するように十分にストリンジェントでなければならない。一部のプローブは、多型部位がプローブの中心位置(例えば、7位の15塩基オリゴヌクレオチド内;8もしくは9位のいずれかでの16塩基オリゴヌクレオチド内)と整列するように標的DNAのセグメントへハイブリダイズするように設計されるが、この設計は必要とされない。
対立遺伝子の量および/または存在は、サンプルにハイブリダイズする対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドの量を測定することによって決定される。典型的には、オリゴヌクレオチドは、例えば蛍光標識などの標識で標識されている。例えば、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、PDE4D SNP配列を提示する固定化されたオリゴヌクレオチドに適用される。ストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条件後に、蛍光強度が各SNPオリゴヌクレオチドについて測定される。
1つの実施形態では、多型部位に存在するヌクレオチドは、多型部位を含む領域内での多型対立遺伝子の1つに正確に相補的なオリゴヌクレオチドプローブもしくはプライマーを用いる配列特異的ハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションによって同定される。プローブもしくはプライマーがハイブリダイズする配列および配列特異的ハイブリダイゼーション条件は、それが効果的に形成されないように多型部位での単一ミスマッチがハイブリダイゼーション二本鎖を効率的に不安定化させるように選択される。したがって、配列特異的ハイブリダイゼーション条件下では、安定性二本鎖はプローブもしくはプライマーと正確に相補的な対立遺伝子配列間でのみ形成される。したがって、長さが約10〜約35ヌクレオチド、通例は長さが約15〜約35ヌクレオチドの、多型部位を含む領域内での対立遺伝子に正確に相補的であるオリゴヌクレオチドは、本発明の範囲内に含まれる。
代替実施形態では、多型部位に存在するヌクレオチドは、多型部位を含む領域内でのSNP対立遺伝子の1つに実質的に相補的であり、そして多型部位での対立遺伝子に正確に相補的なオリゴヌクレオチドを用いる十分にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションによって同定される。非多型部位で発生するミスマッチは両方の対立遺伝子配列を備えるミスマッチであるので、標的対立遺伝子配列を用いて形成された二本鎖内および対応する非標的対立遺伝子配列を用いて形成された二本鎖内のミスマッチの数の差は、標的対立遺伝子配列に対して正確に相補的なオリゴヌクレオチドが使用される場合と同一である。この実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、非標的配列を備える安定性二本鎖の形成を不可能にするために十分なストリンジェンシーを維持しながら、標的配列を備える安定性二本鎖の形成を可能にするために十分に緩和される。そのような十分にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下では、安定性二本鎖はプローブもしくはプライマーと標的対立遺伝子間でのみ形成される。したがって、長さが約10〜約35ヌクレオチド、通例は長さが約15〜約35ヌクレオチドの、多型部位を含む領域内での対立遺伝子に実質的に相補的であり、そして多型部位で対立遺伝子配列に正確に相補的であるオリゴヌクレオチドは、本発明の範囲内に含まれる。
正確にではなく、実質的に相補的なオリゴヌクレオチドの使用は、ハイブリダイゼーション条件の最適化が制限されるアッセイフォーマットにおいては望ましいことがある。例えば、典型的な複数標的固定化オリゴヌクレオチドアッセイフォーマットにおいては、各標的のためのプローブもしくはプライマーは、単一固体支持体上に固定化される。ハイブリダイゼーションは、固体支持体と標的DNAを含有する溶液とを接触させることによって同時に実施される。すべてのハイブリダイゼーションは同一条件下で実施されるので、ハイブリダイゼーション条件は、各プローブもしくはプライマーに対して個別に最適化することはできない。プローブもしくはプライマー内へのミスマッチの組み込みは、アッセイフォーマットがハイブリダイゼーション条件を調整することを不可能にする場合に二本鎖安定性を調整するために使用できる。二本鎖安定性に特別に導入されたミスマッチが及ぼす作用は周知であり、二本鎖安定性は、上述したようにルーチン的に推定することも、経験的に決定することもできる。プローブもしくはプライマーの正確なサイズおよび配列に依存する適切なハイブリダイゼーション条件は、本明細書に提供する、そして当分野で周知である指針を使用して経験的に選択できる。配列内の一塩基対の相違を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブもしくはプライマーの使用は、例えば、Connerら、1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:278−282、および米国特許第5,468,613号および第5,604,099号に記載されている。
完全にマッチした、および一塩基がミスマッチのハイブリダイゼーション二本鎖間の安定性における比例変化は、ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドの長さに左右される。より短いプローブ配列を用いて形成された二本鎖は、ミスマッチの存在によってより比例的に不安定化される。長さが約15〜約35ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドは、配列特異的検出のために使用されることが多い。さらに、ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドの末端は熱エネルギーに起因する持続的ランダム解離および再アニーリングを受けるために、どちらかの末端でのミスマッチは、内部で発生するミスマッチよりむしろハイブリダイゼーション二本鎖を不安定化させる。標的配列内の一塩基対の変化を識別するために、多型部位がプローブの内部領域内で発生するように標的配列にハイブリダイズするプローブ配列が選択される。
特異的PDE4D対立遺伝子へハイブリダイズするプローブ配列を選択するための上記の基準は、プローブのハイブリダイジング領域、すなわち標的配列とのハイブリダイゼーションに含まれるプローブの部分に適用される。プローブは、プローブのハイブリダイゼーション特性を有意に変化させずに、プローブを固定化するために使用されるポリ−T尾部などの追加の核酸配列に結合させることができる。当業者は、本発明の方法において使用するために、標的配列に相補的ではない、したがってハイブリダイゼーションには含まれていない追加の核酸配列に結合したプローブが、未結合プローブと実質的に等価であることを認識する。
プローブとサンプル中の標的核酸配列との間で形成されるハイブリッドを検出するために適合するアッセイフォーマットは当技術分野において知られており、固定化標的(ドット・ブロット)フォーマットおよび固定化プローブ(逆ドット・ブロットもしくはライン・ブロット)アッセイフォーマットが含まれる。ドット・ブロットおよび逆ドット・ブロットアッセイフォーマットは、米国特許第5,310,893号;第5,451,512号;第5,468,613号;および第5,604,099号に記載されている。
ドット・ブロットフォーマットでは、増幅させた標的DNAは、例えばナイロン膜などの固体支持体上に固定化される。膜−標的複合体は、適切なハイブリダイゼーション条件下で標識されたプローブとインキュベートされ、ハイブリダイズしなかったプローブは適切なストリンジェントな条件下での洗浄によって除去され、そして膜が結合したプローブの存在について監視される。
逆ドット・ブロット(もしくはライン・ブロット)フォーマットでは、プローブは、例えばナイロン膜もしくはマイクロタイタープレートなどの固体支持体上に固定化される。標的DNAは、典型的には増幅中に標識されたプライマーの組み込みによって標識される。プライマーの一方もしくは両方を標識できる。膜−プローブ複合体は、適切なハイブリダイゼーション条件下で標識された増幅標的DNAとインキュベートされ、ハイブリダイズしなかった標的DNAは適切なストリンジェントな条件下での洗浄によって除去され、そして結合した標的DNAの存在について監視される。逆ライン・ブロット検出アッセイについては、実施例において記載する。
多型変異体の1つに対して特異的である対立遺伝子特異的プローブは、他の多型変異体に対して対立遺伝子特異的プローブと結び付けて使用されることが多い。一部の実施形態では、プローブは固体支持体上に固定化され、個人における標的配列は両方のプローブを用いて同時に分析される。核酸アレイの実施例は、WO95/11995によって記載されている。特性解析された多型を分析するためには、同一アレイもしくは相違するアレイを使用できる。WO95/11995は、さらにまた事前に特性解析された多型の変異体形を検出するために最適化されるサブアレイについて記載している。そのようなサブアレイは、本明細書に記載したPDE4D多型の存在を検出する際に使用できる。
b.対立遺伝子特異的プライマー
多型はさらに、一般的には対立遺伝子特異的増幅法またはプライマー伸長法を用いて検出される。これらの反応は、典型的には、プライマーの3’末端でのミスマッチによって多型を特異的に標的化するように設計されているプライマーの使用を含んでいる。ミスマッチの存在は、ポリメラーゼに誤差補正活性が欠如する場合にプライマーを伸長させるポリメラーゼの能力に影響を及ぼす。例えば、対立遺伝子特異的増幅に基づく、もしくは伸長に基づく方法を用いて対立遺伝子配列を検出するために、多型の1つの対立遺伝子に相補的なプライマーは、3’末端ヌクレオチドが多型位置でハイブリダイズするように設計される。特定の対立遺伝子の存在は、プライマーが伸長を開始する能力によって決定できる。3’末端がミスマッチである場合は、伸長が妨げられる。
一部の実施形態では、プライマーは増幅反応において第2プライマーと結び付けて使用される。第2プライマーは、多型位置に関連しない部位でハイブリダイズする。増幅は、2つのプライマーから特定対立遺伝子形が存在することを表す検出可能な産物をもたらすまで進行する。対立遺伝子特異的増幅もしくは伸長に基づく方法は、例えば、WO93/22456;米国特許第5,137,806号;第5,595,890号;第5,639,611号;および米国特許第4,851,331号に記載されている。
対立遺伝子特異的増幅に基づく遺伝子型決定法を用いると、対立遺伝子の同定は、増幅した標的配列の存在もしくは不在の検出しか必要としない。増幅した標的配列を検出するための方法は、当分野で周知である。例えば、本明細書に記載したゲル電気泳動法およびプローブハイブリダイゼーションアッセイは、核酸の存在を検出するために使用されることが多い。
代替プローブレス法では、増幅した核酸は、反応混合物中に二本鎖DNAの総量における増加を監視することによって検出され、例えば米国特許第5,994,056号;および欧州特許公開第487,218号および第512,334号に記載されている。二本鎖標的DNAの検出は、二本鎖標的DNAに結合した場合に様々なDNA結合色素、例えばSYBR Greenが示す増加した蛍光に依存する。
当業者には理解されるように、対立遺伝子特異的増幅法は、特定の標的配列に対する複数の対立遺伝子特異的プライマーを使用する反応において実施できる。そのような複数の用途のためのプライマーは、一般には識別可能な標識を用いて標識される、または対立遺伝子から生成される増副産物がサイズによって識別可能であるように選択される。したがって、例えば、単一サンプル中の両方の対立遺伝子は、増副産物のゲル分析によって単一増幅を用いて同定できる。
対立遺伝子特異的プローブの場合と同様に、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマーは、ハイブリダイジング領域内の多型対立遺伝子の1つと正確に相補的であってもよい、またはオリゴヌクレオチドの3’末端以外の位置でいくつかのミスマッチを有していてもよいが、そのミスマッチは両方の対立遺伝子配列内の非多型部位で発生する。
c.検出可能なプローブ
i)5’−ヌクレアーゼアッセイプローブ
遺伝子型決定法は、さらにまた米国特許第5,210,015号;第5,487,972号;および第5,804,375号;ならびにHollandら、1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7276−7280に記載されているように、「TaqMan(登録商標)」もしくは「5’−ヌクレアーゼアッセイ」を用いて実施できる。TaqMan(登録商標)アッセイでは、増幅領域内でハイブリダイズする標識した検出プローブが増幅反応中に加えられる。プローブは、DNA分析のためのプライマーとしてプローブが作用することを防止できるように修飾される。増幅は、5’−から3’−エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼを用いて実施される。増幅の各合成工程中、伸長させられるプライマーからの下流の標的核酸へハイブリダイズする任意のプローブは、DNAポリメラーゼの5’−から3’−エキソヌクレアーゼ活性によって分解される。したがって、新規な標的鎖の合成はプローブの分解も生じさせ、分解産物の蓄積は標的配列の合成の尺度を提供する。
ハイブリダイゼーションプローブは、SNP対立遺伝子間を識別する対立遺伝子プローブであってもよい。または、本方法は、対立遺伝子特異的プライマーおよび増幅した産物に結合する標識したプローブを用いて実施できる。
5’−ヌクレアーゼアッセイにおいては、分解産物を検出するために適合する任意の方法を使用できる。頻回に、検出プローブは、2種の蛍光色素を用いて標識されており、それらの1つは他方の色素の蛍光をクエンチすることができる。色素は、プローブに付着させられ、プローブが非ハイブリダイズか状態にある場合にクエンチングが発生するように、そしてDNAポリメラーゼの5’−から3’−エキソヌクレアーゼ活性によってプローブの開裂が2種の色素間で発生するように、通例は一方が5’末端に、他方は内部部位に付着させられる。増幅は、クエンチングの同時排除および最初にクエンチされた色素から観察可能な蛍光の増加を伴って色素間のプローブの開裂を生じさせる。分解産物の蓄積は、反応蛍光の増加を測定することによって監視される。米国特許第5,491,063号および第5,571,673号は、増幅と同時に発生するプローブの分解を検出するための代替方法を記載している。
ii)二次構造プローブ
二次構造が変化すると検出可能なプローブは、さらにまたSNPを含む多型を検出するためにも適合する。例示される二次構造もしくはステム・ループ構造プローブには、分子ビーコンもしくはScorpion(登録商標)プライマー/プローブが含まれる。分子ビーコンプローブは、蛍光体およびクエンチャーが通例はオリゴヌクレオチドの反対端に配置されるヘアピン構造を形成できる一本鎖オリゴ核酸プローブである。プローブの両端では、短鎖相補的配列が、蛍光体およびクエンチャーが近接近することを可能にする分子内ステムの形成を許容する。分子ビーコンのループ部分は、当該の標的核酸に相補的である。このプローブの当該の標的核酸への結合は、ステムを強制的に離れさせるハイブリッドを形成する。これは、蛍光体およびクエンチャーを相互から離れさせ、より強度の蛍光シグナルをもたらす立体構造の変化を引き起こす。しかし分子ビーコンプローブは、プローブ標的内の小さな配列変化に対して高感受性である(Tyagi S.and Kramer F.R.,Nature Bio technology,Vol.14,pages 303−308(1996);Tyagiら、Nature Biotechnology,Vol.16,pages 49−53(1998);Piatekら、Nature Biotechnology,Vol.16,pages 359−363(1998);Marras S.ら、Genetic Analysis:Biomolecular Engineering,Vol.14,pages 151−156(1999);Tpp I.ら、BioTechniques,VoI 28,pages 732−738(2000))。Scorpion(登録商標)プライマー/プローブは、プライマーに共有結合したステム・ループ構造プローブを含んでいる。
d.DNAシーケンシングおよび一塩基伸長法
PDE4D SNPは、さらに直接シーケンシングによっても検出できる。方法には、例えば、ジデオキシシーケンシングに基づく方法およびMaxamおよびGilbert配列などの他の方法が含まれる(例えば、Sambrook and Russell、上記を参照されたい)。
その他の検出方法には、オリゴヌクレオチド長産物のPyrosequencing(商標)が含まれる。そのような方法は、PCRなどの増幅技術を頻回に使用する。例えば、パイロシーケンシング法では、シーケンシングプライマーは一本鎖のPCR増幅DNA鋳型へハイブリダイズさせられ;そして酵素、DNAポリメラーゼ、ATPスルフリラーゼ、ルシフェラーゼおよびアピラーゼ、ならびに基質であるアデノシン5’−ホスホ硫酸(APS)およびルシフェリンと一緒にインキュベートされる。4つのデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)の第1は、この反応に加えられる。DNAポリメラーゼは、DNA鎖内へのデオキシヌクレオチド三リン酸の組み込みをそれが鋳型鎖内の塩基に相補的である場合は触媒する。各組み込み事象には、組み込まれたヌクレオチドの量と当モルの量でピロリン酸塩(PPi)の遊離が付随する。ATPスルフリラーゼは、アデノシン5’ホスホ硫酸の存在下でPPiをATPへ定量的に変換する。このATPは、ATPの量に比例する量で可視光線を発生するルシフェリンからオキシルシフェリンへのルシフェラーゼ媒介性変換を駆動する。ルシフェラーゼ触媒反応において生成した光線は、電荷結合素子(CCD)カメラによって検出され、pyrogram(商標)におけるピークとして見られる。各光線シグナルは、組み込まれたヌクレオチドの総数と比例している。ヌクレオチド分解酵素であるアピラーゼは、組み込まれていないdNTPおよび過剰なATPを持続的に分解する。分解が完了すると、また別のdNTPが加えられる。
SNPを特性解析するためのまた別の類似方法は、完全PCRの使用を必要としないが、典型的には、調査対象のヌクレオチドに相補的である単一の蛍光標識されたジデオキシリボ核酸分子(ddNTP)によるプライマーの伸長だけを使用する。多型部位でのヌクレオチドは、1つの塩基によって伸長させられていて蛍光標識されているプライマーの検出によって同定することができる(例、Kobayashiら、Mol.Cell.Probes,9:175−182,1995)。
e.電気泳動法
ポリメラーゼ連鎖反応を用いて生成された増副産物は、変性勾配ゲル電気泳動法の使用によって分析することができる。様々な対立遺伝子は、様々な配列依存性の融解特性および溶液中のDNAの電気泳動法による移動に基づいて同定できる(例えば、 Erlich編集、PCR Technology,Principles and Applications for DNA Amplification,W.H.Freeman and Co,New York,1992,Chapter 7を参照されたい)。
マイクロサテライト多型の識別は、キャピラリー電気泳動法を用いて実施できる。キャピラリー電気泳動法は、便宜的には特定のマイクロサテライト対立遺伝子内のリピートの数の同定を許容する。DNA多型の分析へのキャピラリー電気泳動法の適用は、当業者には周知である(例えば、Szantaiら、J Chromatogr A.(2005)1079(l−2):41−9;Bjorheim and Ekstrom,Electrophoresis(2005)26(13):2520−30およびMitchelson,Mol Biotechnol.(2003)24(l):41−68を参照されたい)。
f.一本鎖立体構造の多型分析
標的配列の対立遺伝子は、例えば、Oritaら、Proc.Nat.Acad.Sci.86,2766−2770(1989)に記載されたように、一本鎖PCR産物の電気泳動法による移動によって塩基の差を同定する一本鎖立体構造の多型分析を用いて識別できる。増幅させたPCR産物は、一本鎖増副産物を形成するために、上述したように生成し、加熱もしくはさもなければ変性させることができる。一本鎖核酸は、リフォールディングすることがある、または一部には塩基配列に依存して二次構造を形成することがある。一本鎖増副産物の相違する電気泳動度は、標的対立遺伝子間の塩基配列の差に関連付けることができる。
SNP検出法は、標識されたオリゴヌクレオチドをしばしば使用する。オリゴヌクレオチドは、分光的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的手段によって検出可能な標識を組み込むことによって標識できる。有用な標識には、蛍光色素、放射性標識、例えば、32P、電子密度の高い試薬、例えばペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼなどの酵素、ビオチン、またはそれに対する抗血清もしくはモノクローナル抗体を入手できるハプテンおよびタンパク質が含まれる。標識化技術は、当分野で周知である(例えば、Current Protocols in Molecular Biology、上記;Sambrook & Russell、上記を参照されたい)。
5.診断を記録する
本発明の方法は、典型的には脳卒中に対する傾向に関連するSNPの存在を記録する工程を含んでいる。この情報は、適切に、コンピュータ可読形または紙上に保存できる。そのようなコンピュータシステムは、典型的には、中央処理装置、システムメモリ(典型的にはRAM)、入出力(I/O)制御装置、例えばディスプレイアダプタによるディスプレイ画面、シリアルポート、キーボード、記憶インターフェースによる固定ディスクドライブおよびフロッピー(登録商標)ディスクを受け入れて作動するフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、およびCD−ROMを受け入れて作動するCD−ROM(もしくはDVD−ROM)などの外部機器などの主要なサブシステムを含んでいる。例えばシリアルポートを介して接続されるネットワークインターフェースなどのその他の多数の機器を接続できる。
コンピュータシステムはさらにまた、それにより少なくとも1つのネットワーク機器(例、コンピュータ、ディスクアレイなど)は、本発明のアッセイから獲得されたデータをコード化するビットパターンを構成する1パターンの磁気ドメイン(例、磁気ディスク)および/または電荷ドメイン(例、1a例のDRAMセル)を含んでいるイーサネット(登録商標)ケーブル(同軸もしくは10BaseT)、電話線、ISDNライン、ワイヤレスネットワーク、光ファイバー、または他の適切な信号伝送媒体などのデータリンクによって結合された複数のコンピュータ・デバイスを含むネットワークに連結することができる。
コンピュータシステムは、1つ以上のPDE4D多型対立遺伝子を評価する遺伝子型決定試験の結果を解釈するためのコードを含むことができる。したがって代表的な実施形態では、遺伝子型決定試験の結果がコンピュータに提供され、そこでは中央処理装置が脳卒中の増加もしくは減少した素因についての傾向を決定するためのコンピュータプログラムを実行する。
本発明は、上述した使用などの:(1)コンピュータと、(2)本発明の方法によって入手された、コンピュータ内に保存できる遺伝子型決定試験の結果をコード化する保存されたビットパターンと、(3)および、任意で、(4)脳卒中の素因を決定するためのプログラムと、を含むコンピュータシステムの使用をさらに提供する。
6.キット
本発明は、本方法を実施するために有用な構成要素を含むキットをさらに提供する。一部の実施形態では、本キットは、任意で適切な支持体膜へ固定することのできる、1つ以上の対立遺伝子特異的検出プローブを含んでいてもよい。そのようなキットは、1つ以上の多型部位を含んでいるPDE4D遺伝子座の領域を増幅させるための1つ以上の増幅プライマーをさらに含有していてもよい。または、有用なキットは、多型対立遺伝子を特異的に増幅させるための対立遺伝子特異的プライマーを含む1つ以上のプライマーセットを含有していてもよい。そのようなキットは、増副産物を検出するためのプローブをさらに含んでいてもよい。
本キットのその他の任意の構成要素には、患者の遺伝子型を決定するために使用される追加の試薬が含まれる。例えば、キットは、ポリメラーゼ、例えば、熱安定性DNAポリメラーゼ、基質ヌクレオシド三リン酸、核酸を標識および/または検出するための手段(例えば、アビジン−酵素コンジュゲートならびに標識がビオチンである場合は酵素基質および色原体)、増幅もしくはハイブリダイゼーション反応のための適切なバッファー、ならびに本発明の方法を実施するための説明書を含むことができる。
必要に応じて、本キットは、2、3、4もしくは5つ以上の多型を検出するための複数のプローブもしくはプライマーを含むことができる。例えば、本キットは、SNP9 A/G、SNP26 A/G、SNP32 C/T、SNP34 C/A、SNP42 A/G、SNP45 G/A、SNP56 T/A、SNP148 A/G、SNP175 T/C、SNP199 A/G、SNP219 C/T、SNP220 C/A、SNP222 A/G、およびAC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)の数、例えば、AC008818−1内の8個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子−8)、AC008818−1内の9個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子−4)、AC008818−1内の10個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子0)、AC008818−1内の11個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子4)、AC008818−1内の12個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子8)、またはAC008818−1内の13個のマイクロサテライトリピート(TCAT)(すなわち、対立遺伝子12)からなる群から選択される少なくとも1つの多型を検出もしくは識別するためのプローブもしくはプライマーを含むことができる。一部の実施形態では、キットは、SNP9 A/G、SNP42 A/G、SNP219 C/TおよびSNP220 C/Aからなる群から選択される少なくとも1つの多型を検出もしくは識別するためのプローブもしくはプライマーを含む。他の実施形態では、キットは、SNP175の対立遺伝子を識別するためのプローブもしくはプライマーを含む。他の実施形態では、キットは、AC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)の多型を識別するためのプローブもしくはプライマーを含む。
7.関連試験
関連試験の数種のモデルの1つ以上は、1つ以上のPDE4D多型の存在もしくは不在を脳卒中、高血圧の存在もしくは不在、および任意で、1つ以上の追加のリスク因子と統計的に相関させる工程に適用できる。例示された遺伝モデルには、優性、劣性、共優性、対立/増殖/相加が含まれるが、それらに限定されない。
対立/増殖/相加(ロジット尺度)モデルは、参照対立遺伝子(通例は、最も頻回な変異体)と比較した特定の対立遺伝子によって与えられるリスク減少を説明する。
優性遺伝モデルは、コピーを1つも備えていない場合と比較して対立遺伝子の1つまたは2つのコピー(通例は、小さな、もしくはまれな変異体)を有する個人のリスク減少を説明する。
劣性遺伝モデルは、対立遺伝子の1つのコピーを備える、または1つのコピーも備えていない場合と比較して対立遺伝子の正確に2つのコピー(通例は、小さな、もしくはまれな変異体)を有する個人のリスク減少を説明する。
共優性遺伝モデルは、各遺伝子型を明確にリスク減少を付与するように取り扱う。
〔実施例〕
以下の実施例は、本発明を限定するためではなく例示するために提供される。
高血圧を有している、もしくは有していない個人における脳卒中を予測するPDE4D SNPの同定および検出
材料および方法
被験者
骨粗鬆性骨折試験(SOF)(例えば、Brownerら、J Clin Endocrinol Metab(2001)86:631−637を参照されたい)は、オレゴン州ポートランド;ミネソタ州ミネアポリス;メリーランド州バルチモア;およびペンシルバニア州モノンガヘラ・バレーに所在する4カ所の臨床機関から1986〜1988年の間に女性外来患者を募集した(Cummingsら、JAMA(1990)263:665−668)。試験群は、募集時点に両側性股関節置換術歴または股関節骨折歴を有していなかった少なくとも65歳以上の白人女性9,704例から構成される。脳卒中症例群は、偶発的に診断された虚血性脳卒中に罹患していた(Brownerら、上記)(N=248)。コントロール群は、試験募集前または5.4年間の平均フォローアップ期間中に脳卒中を経験しなかった(N=560)。高血圧は、ベースライン時に>160mmHgの収縮期血圧(BP)もしくは>90mmHgの拡張期BPまたはサイアザイド系利尿薬の使用であると規定された。フォローアップ期間中に死亡した個人は本試験に含まれた。本試験は、施設内審査委員会によって承認され、全女性が文書によるインフォームドコンセントを提出した。
アイスランド人の母集団については以前に記載されている(Gretarsdottirら、Nature Genetics(2003)35(2):131−138)。SOF試験の脳卒中と比較するために、Gretarsdottirらに提示されていない一部の結果は、表2および3に要約されている。
表2.対立遺伝子モデルを用いたSOF試験の脳卒中およびアイスランド試験の脳卒中母集団における小さな対立遺伝子頻度および未調整の関連。<0.05のP値はボールド体で表示されている。
Figure 0005368101
表3.SOF試験およびアイスランド試験の母集団における脳卒中に関連して推定されるハプロタイプ。両群において<0.05のP値および少なくとも1%の対立遺伝子頻度を備えるハプロタイプが示されている。
Figure 0005368101
遺伝子型決定法
AC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)についての遺伝子型は、AB3100 Genetic Analyzer上でのフラグメントサイジングキャピラリー電気泳動法による対立遺伝子決定後に、Applied Biosystems(AB)Genescan(登録商標)およびGenotyper(登録商標)ソフトウエアを用いて生成した。8つのSNPは、対立遺伝子特異的リアルタイムPCR(すなわち、動的熱サイクリング)およびGermerら、(Genome Res(2000)10:258−266)の変法を用いてAB 5700(Applied Biosystems社、カリフォルニア州フォスターシティ)上でのSYBR(商標)Green(Molecular Probes社、オレゴン州ユージーン)による検出を用いて遺伝子型決定した。これらのサンプルには、大規模の品質管理を受けさせた。
5つのSNPは、固定化されたプローブに基づくアッセイによって遺伝子型決定した。本発明者らは、ホスホジエステラーゼ(PDE4D)遺伝子内のSNPを含む、アテローム硬化性および血栓性疾患に関係する様々な経路からの遺伝子内の候補マーカーについての複数標的遺伝子型決定アッセイを開発した(Chengら、Genome Res(1999)9:936−949;およびBurnsら、Genes Immun(2005)6(5):438−444)。手短には、15ngのゲノムDNAを5’−ビオチン化プライマーを用いて多重PCRにおいて増幅させ、PCR産物は固定化されたオリゴヌクレオチド配列特異的プローブのリニアアレイへハイブリダイズさせた。検出は、HRP媒介性比色法によって実施した。SNP命名法は、Gretarsdottirら、(Gretarsdottirら、2003、上記)の付属の表2に記載されているとおりである。
プライマーおよびプローブ
本試験では、以下のプライマーおよびプローブを使用した。
Figure 0005368101
Figure 0005368101
Figure 0005368101
統計的分析
遺伝子型および対立遺伝子頻度は計数によって決定し、χ二乗検定または精密検定を使用してHardy−Weinberg平衡(HWE)からの逸脱を評価した。SNPは、Cox比例ハザードモデルを用いて偶発性脳卒中との関連について試験した(Coxら、Journal of the Royal Statistical Society(1972)34:187−220)。調整分析には、共変量としての年齢、体重、糖尿病、および喫煙を含めた。分析は、SAS統計ソフトウエア(バージョン8.2、SAS Institute社、ノースカロライナ州カリー)を用いて実施した。ペアワイズ連鎖不平衡は、期待値最大化(EM)アルゴリズムによって計算した。
SOF試験サンプル中でのSNPハプロタイプと症例群/コントロール群の状態との関連は、ハプロタイプ頻度をEMアルゴリズムによって推定した後に尤度比試験を用いて試験した。アイスランド人母集団におけるSNPハプロタイプの関連は、確立されたハプロタイプ計数における不確実性を説明するNEMOソフトウエア(Gretarsdottirら、(2003)、上記)において実行したようにEMアルゴリズムによって計算した。
14個の多型はアイスランド試験の脳卒中母集団において入手した結果(表2および5、上記)に基づいて選択したので、このため単一SNPもしくはハプロタイプのいずれかとして脳卒中と関連することが予測され、結果を多重比較のために補正しなかった。
結果
予測されたように、脳卒中症例群はコントロール群より高齢であり、そして高血圧および糖尿病を有している可能性が高かった(表4)。高血圧による層化は年齢、体重、もしくは喫煙分布にほとんど影響を及ぼさず、糖尿病は高血圧被験者における方が高頻度であったが、非高血圧患者におけるより小さなハザード比(HR)を有していた(HR、2.43対3.80)。2つのSNPはHWEから穏当に逸脱していた:コントロール群ではSNP9(P=0.048)および症例群ではSNP222(P=0.024)。SNP対立遺伝子と偶発性脳卒中との間に有意な関連はなかった。3つの多型−SNP9、219、および222−は、脳卒中と弱く関連しており(P<0.10)、相加、優性もしくは劣性モデルにおいて各1つであった(表2、上記)。
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高血圧による層化
高血圧による層化後に、4つのSNPは中等度もしくは重度高血圧を有していない女性において脳卒中との有意な関連(P<0.05)を示した(相加モデルSNP9、42、219、および220;優性モデルSNP9、42、219、および220;劣性モデルSNP42)。SNP175は、高血圧被験者においては脳卒中と有意に関連していた(表5)。ここに提示したデータは、年齢、糖尿病、喫煙、および体重について調整された。未調整試験の結果は極めて類似していた。表6は、高血圧状態による層化後のSOF試験の脳卒中対立遺伝子頻度を示している。
AC008818−1のマイクロサテライト対立遺伝子はいずれも非層化SOF母集団内で脳卒中と有意に関連していなかったが、2つの対立遺伝子は層化後に有意であった:対立遺伝子0(10−リピート対立遺伝子、RR 0.62、P=0.001)および−4(9リピート、RR 1.35、P=0.031)(表7)。
表5.高血圧による層化ならびに年齢、糖尿病、喫煙、および体重についての調整後のSOF試験におけるPDE4D SNPと脳卒中との関連。<0.05のP値はボールド体で表示されている。
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表6.高血圧による層化後のSOF試験の脳卒中における対立遺伝子頻度
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表7.SOF試験の脳卒中母集団におけるAC008818−1のマイクロサテライト対立遺伝子頻度。<0.05のP値はボールド体で表示されている。
Figure 0005368101
ハプロタイプの分析
Gretarsdottirら、(2003、上記)の結果と比較するために、本発明者らは、SNP45/マイクロサテライトハプロタイプと脳卒中との間の関連について試験した。アイスライド人の試験結果(RR 2.07、A/Xに比較してG/0についてP=7.2×10-8;X=0対立遺伝子ではない)とは対照的に、ハプロタイプは高血圧を有していないSOF試験被験者においてのみ有意であり(A/Xに比較してG/0、RR 0.46、P=0.003)、関連は反対方向にあった。しかし、ハプロタイプは、SOF試験サンプル中でのマイクロサテライト単独に比較した改良はほとんど提供しなかった。
D領域内の6つのSNPおよびA領域内の5つのSNPに対して推定されるハプロタイプをアイスランド試験の結果に基づいて、SOF試験サンプル中での脳卒中との関連について試験した(表3、上記)。アイスランド試験のハプロタイプは、SOF試験サンプル中では有意に関連していなかった:逆もまた真であった(表3)。A領域では、SNP9についてを除いてアイスランド試験のハプロタイプと同一である1つのハプロタイプであるGATAAは、≦0.05のP値を達成した。さらに、関連の方向は、2つの母集団において反対であった。高血圧による層化後に、GATAAハプロタイプは非高血圧群において唯一の有意なハプロタイプ(P=0.015、OR=0.43)のままであったが、高血圧群においてはハプロタイプは脳卒中と有意には関連していなかった。
領域Dについては、SOF試験の脳卒中におけるいくつかのハプロタイプは≦0.05の基準P値との関連を示したが、症例群およびコントロール群の両方で1%より大きい頻度を備えるのは1つだけであった(表3)。このハプロタイプは、3つの位置でアイスランド試験のハプロタイプとは相違したが、どちらもリスク増加を与えた。非高血圧被験者では、3つのハプロタイプは1%より大きい頻度およびP<0.05を有していた。非高血圧被験者では、1つのハプロタイプは1%より大きい頻度およびP<0.05を有していた。
本発明者らは、アイスランド試験の脳卒中母集団と比較したSOF試験の脳卒中母集団において連鎖不平衡(LD)パターンを調査した。図2は、各母集団のコントロール群において観察されたLDを示している。一部のSNP対は、r2によって測定した母集団間のLDの差を示した。例えば、SNP42および45間のr2は、アイスランド試験では0.49およびSOF試験では0.32であった。興味深いことに、SNP42および45の両方がアイスランド試験では脳卒中と有意に関連していたが、SOF試験ではSNP42だけであった。症例群におけるLDは、類似の差を示した。
本明細書に記載した実施例および実施形態は例示だけを目的とすること、そしてそれらを考察に入れた様々な変形例もしくは変化が当業者に提案され、本特許出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求項の範囲内に含まれることは理解されている。
図1はPDE4D遺伝子の図である。PDE4Dの構造。各ボックスはエキソンもしくは一連のエキソンを表しており、2つの遺伝子型決定領域は遺伝子の上方のバーによって示されている。 A領域内で遺伝子型決定された多型。 図1D領域内で遺伝子型決定された多型。 骨粗鬆症骨折(SOF)試験脳卒中サブ試験およびアイスランド試験におけるコントロール群についての連鎖不平衡プロット比較を示した図である。各四角内の数は、r2×100値であり、色強度は各SNP対についてのP値を示している。色強度についての説明文は対数スケ―ル上にあり、星印は0.05の近似位置を表示している。各プロットの上方の図は、多型の相対的位置を描出している。
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Claims (16)

  1. 高血圧を有していないヒト女性における虚血性脳卒中の素因を予測する方法であって、
    前記ヒト女性由来のサンプル中においてPDE4D遺伝子座内の多型の対立遺伝子の存在もしくは不在を検出する工程であって、前記対立遺伝子の存在が高血圧を有していないヒト女性における虚血性脳卒中の素因と関連している工程と、および
    前記ヒトにおける虚血性脳卒中の素因の存在もしくは不在を前記サンプル中の前記対立遺伝子の存在もしくは不在に基づいて予測する工程であって、前記対立遺伝子の存在が高血圧を有していないヒト女性においては虚血性脳卒中の素因と関連しているが、高血圧を有しているヒト女性においては虚血性脳卒中を予測しない工程と、を含み、
    前記多型は、
    配列番号1の242位におけるSNP9 A/G(Aの存在は虚血性脳卒中の素因と関連している)と、
    配列番号10の230位におけるSNP219 C/T(Tの存在は虚血性脳卒中の素因と関連している)と、
    配列番号5の289位におけるSNP42 A/G(Gの存在は虚血性脳卒中の素因と関連している)と、
    配列番号9の228位におけるSNP220 C/A(Aの存在は虚血性脳卒中の素因と関連している)と、および
    配列番号14〜19のいずれかにより表されるAC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT)(9個のマイクロサテライトリピート(TCAT)の存在は虚血性脳卒中の素因と関連している)と、からなる群から選択される、方法。
  2. 前記検出する工程は、配列番号1の242位におけるSNP9 A/Gの1つの対立遺伝子を検出する工程を含み、そして前記予測する工程は、配列番号1の242位におけるSNP9 A/GのA対立遺伝子が存在する場合に虚血性脳卒中の素因を予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記検出する工程は、配列番号10の230位におけるSNP219 C/Tの1つの対立遺伝子を検出する工程を含み、そして前記予測する工程は、配列番号10の230位におけるSNP219 C/TのT対立遺伝子が存在する場合に虚血性脳卒中の素因を予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記検出する工程は、配列番号5の289位におけるSNP42 A/Gの1つの対立遺伝子を検出する工程を含み、そして前記予測する工程は、配列番号5の289位におけるSNP42 A/GのG対立遺伝子が存在する場合に虚血性脳卒中の素因を予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記検出する工程は、配列番号9の228位におけるSNP220 C/Aの1つの対立遺伝子を検出する工程を含み、そして前記予測する工程は、配列番号9の228位におけるSNP220 C/AのA対立遺伝子が存在する場合に虚血性脳卒中の素因を予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記検出する工程は、配列番号14〜19のいずれかにより表されるAC008818−1のマイクロサテライト対立遺伝子を検出する工程を含み、そして前記予測する工程は、配列番号14〜19のいずれかにより表されるAC008818−1内の9個のマイクロサテライトリピート(TCAT)が存在する場合に虚血性脳卒中の素因を予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記予測する工程は、ヒト女性の虚血性脳卒中の素因の存在もしくは不在を記録する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記多型は、前記多型の少なくとも2つの代替対立遺伝子間を識別する1つのオリゴヌクレオチドを用いて検出される、請求項1に記載の方法。
  9. 高血圧を有していないヒト女性における虚血性脳卒中の素因を予測するために使用するためのコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、
    プログラムコードでコード化されたコンピュータ可読媒体を含み、前記プログラムコードは、
    ホストコンピュータで、高血圧を有していないヒト女性における虚血性脳卒中の素因と関連するPDE4D遺伝子座の多型の1つの対立遺伝子の存在を指示する情報を受信するためのコンピュータコードであって、前記多型は配列番号1の242位におけるSNP9 A/G、配列番号10の230位におけるSNP219 C/T、配列番号5の289位におけるSNP42 A/G、配列番号9の228位におけるSNP220 C/A、および配列番号14〜19のいずれかにより表されるAC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT9)からなる群から選択されるコンピュータコードと、および
    前記ヒト女性における虚血性脳卒中の素因を決定するためのコンピュータコードであって、前記ヒト女性が:
    配列番号1の242位におけるSNP9 A/G内のA;
    配列番号10の230位におけるSNP219 C/T内のT;
    配列番号5の289位におけるSNP42 A/G内のG;
    配列番号9の228位におけるSNP220 C/A内のA;
    配列番号14〜19のいずれかにより表されるAC008818−1内の9個のマイクロサテライトリピート(TCAT);を有する場合に虚血性脳卒中の素因が予測されるコンピュータコード、を含むコンピュータプログラム製品。
  10. 高血圧を有していないヒト女性における虚血性脳卒中の素因を決定するためのコンピュータ実施方法であって、
    ホストコンピュータで、高血圧を有していないヒト女性における虚血性脳卒中の素因と関連するPDE4D遺伝子座の多型の1つの対立遺伝子の存在を指示する情報を受信する工程であって、前記多型は配列番号1の242位におけるSNP9 A/G、配列番号10の230位におけるSNP219 C/T、配列番号5の289位におけるSNP42 A/G、配列番号9の228位におけるSNP220 C/A、および配列番号14〜19のいずれかにより表されるAC008818−1内のマイクロサテライトリピート(TCAT9)からなる群から選択される工程と、および
    前記ヒト女性における虚血性脳卒中の素因を決定する工程であって、前記ヒト女性が:
    配列番号1の242位におけるSNP9 A/G内のA;
    配列番号10の230位におけるSNP219 C/T内のT;
    配列番号5の289位におけるSNP42 A/G内のG;
    配列番号9の228位におけるSNP220 C/A内のA;
    配列番号14〜19のいずれかにより表されるAC008818−1内の9個のマイクロサテライトリピート(TCAT);を有する場合に虚血性脳卒中の素因が予測される工程と、を含む方法。
  11. ヒトにおける虚血性脳卒中の素因を予測する方法であって、
    前記ヒト由来のサンプル中でPDE4D遺伝子座の配列番号12の231位におけるSNP175 T/Cを検出する工程と、および
    前記ヒトにおける虚血性脳卒中の素因の存在もしくは不在を前記サンプル中の前記多型の1つの対立遺伝子の存在もしくは不在に基づいて予測する工程であって、Tの存在が高血圧を有しているヒト女性における虚血性脳卒中の素因と関連している工程と、を含む方法。
  12. 高血圧を有しているヒトにおける虚血性脳卒中の素因を予測するためのキットであって、配列番号12の231位におけるSNP175 T/CのT対立遺伝子とC対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー及び請求項11に記載の方法を行うための説明書を含み、前記プローブは蛍光色素で検出可能に標識されている、キット。
  13. ヒトにおける虚血性脳卒中のリスク減少を予測する方法であって、
    前記ヒト由来のサンプル中でPDE4Dの配列番号14〜19のいずれかにより表されるAC008818−1内のマイクロサテライト対立遺伝子を検出する工程と、および
    前記ヒトにおける虚血性脳卒中のリスク減少の存在もしくは不在を前記サンプル中の前記多型の1つの対立遺伝子の存在もしくは不在に基づいて予測する工程であって、10個のマイクロサテライトリピート(TCAT)の存在が高血圧を有していないヒト女性における虚血性脳卒中のリスク減少と関連している工程と、を含む方法。
  14. 高血圧を有していないヒトにおける虚血性脳卒中の素因を予測するためのキットであって、
    蛍光色素で検出可能に標識された少なくとも1つの対立遺伝子特異的プローブ及び/又は少なくとも1つの対立遺伝子特異的プライマーであって:
    −配列番号1の242位におけるSNP9 A/GのA対立遺伝子とG対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー;又は
    −配列番号10の230位におけるSNP219 C/TのC対立遺伝子とT対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー;又は
    −配列番号5の289位におけるSNP42 A/GのA対立遺伝子とG対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー;又は
    −配列番号9の228位におけるSNP220 C/AのC対立遺伝子とA対立遺伝子とを識別するプローブもしくはプライマー;又は
    −配列番号14〜19のいずれかにより表されるAC008818−1中のマイクロサテライト反復(TCAT)を識別するプローブもしくはプライマー;
    から選択されるプローブもしくはプライマー、及び
    請求項1〜8及び13のいずれか1項に記載の方法を行うための説明書、
    を含んで成るキット。
  15. 高血圧を有しているヒト女性における虚血性脳卒中の素因を予測するために使用するためのコンピュータプログラム製品であって、
    プログラムコードでコード化されたコンピュータ可読媒体を含み、前記プログラムコードは、
    ホストコンピュータで、高血圧を有しているヒト女性における虚血性脳卒中の素因と関連しているPDE4D遺伝子座の多型の対立遺伝子の存在を指示する情報を受信するためのコンピュータコードであって、前記多型は配列番号12の231位におけるSNP175 T/Cであるコンピュータコードと、および
    前記ヒト女性における虚血性脳卒中の素因を決定するためのコンピュータコードであって、前記ヒト女性が配列番号12の231位におけるSNP175 T/C内のTを有する場合に虚血性脳卒中の素因が予測されるコンピュータコード、を含むコンピュータプログラム製品。
  16. 高血圧を有しているヒト女性における虚血性脳卒中の素因を決定するためのコンピュータ実施方法であって、
    ホストコンピュータで、高血圧を有しているヒト女性における虚血性脳卒中の素因と関連しているPDE4D遺伝子座の多型の対立遺伝子の存在を指示する情報を受信する工程であって、このとき前記多型は配列番号12の231位におけるSNP175 T/Cである工程と、および
    前記ヒト女性における虚血性脳卒中の素因を決定する工程であって、前記ヒト女性が配列番号12の231位におけるSNP175 T/C内のTを有する場合に虚血性脳卒中の素因が予測される工程と、を含む方法。
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