これ以降、本発明の技術的意義をより明確なものとするために、本発明のパチンコ遊技機の基本構成および基本処理等について記載した上で、本発明の具体的な実施形態を例示する。
(遊技機の基本構成)
図1において、パチンコ遊技機1は、例えば遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。このパチンコ遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、パチンコ遊技機1の主部に対して開閉可能に構成され、その枠部材5に対して遊技盤2が着脱可能に取り付けられている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。パチンコ遊技機1は、その遊技領域20に、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)とを備えている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示器21が配設されている。画像表示器21は、遊技者によるゲームの進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したりする。なお、画像表示器21は、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)ドット表示装置、および7セグメントディスプレイ(以下、7セグ表示装置と記載する)等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。
さらに、遊技盤2の前面には、右打ち報知器D、各種の演出に用いられる可動役物22および盤ランプ23が設けられている。右打ち報知器Dは、パチンコ遊技機1において右打ちを必要とする遊技状態において、大入賞口28へ向けて光が流れるように発光することで、遊技者に、右打ちが必要であることを報知する。可動役物22は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技者によるゲームの進行に応じて所定の動作を行うによって各種の演出を行う。また、盤ランプ23は、遊技者によるゲームの進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球が下方へ落下する方向を変化させる遊技くぎおよび風車(共に、図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口25a、第2始動口25b、普通図柄抽選用ゲート27、大入賞口28、および普通入賞口29が、遊技領域20に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち入賞口、始動口に入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口24が配設されている。
第1始動口25aに、遊技球が入賞して第1特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する。第1始動口25aは、予め定められた「特別電動役物」(大入賞口開閉部115)および/または予め定められた特別図柄表示器(例えば、後述する第1特別図柄表示器31a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。第2始動口25bに、遊技球が入賞して第2特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する。第2始動口25bは、予め定められた特別電動役物(大入賞口開閉部115)および/または予め定められた特別図柄表示器(例えば、後述する第2特別図柄表示器31b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。普通図柄抽選用ゲート27は、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する。
第2始動口25bは、「普通電動役物」の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ26を備えている。電動チューリップ26は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉し、開閉動作と共に点灯または点滅する。
電動チューリップ26の一対の羽根部が閉じていると、第2始動口25bの入口がほぼ閉ざされるため、遊技球が第2始動口25bへ入らない。一方、電動チューリップ26の一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口25bの入口へ案内される進入経路が開くため、遊技球が第2始動口25bへ入り易くなる。そして、普通図柄抽選用ゲート27を遊技球が通過することによって普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ26は、点灯または点滅しながらその一対の羽根部の規定時間の開放を規定回数だけ行う。
「大入賞口」は、入賞口のうち、役物が作動した場合に著しく入賞が容易になるものである。図1に示された例においては、パチンコ遊技機1に設けられた大入賞口28は、第1始動口25aの右側に位置している。大入賞口28は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果に応じて開放される。
「大入賞口」を開閉または拡大縮小するための電動役物が「特別電動役物」(例えば、大入賞口開閉部115)である。パチンコ遊技機1に設けられる大入賞口開閉部115の詳細な構造および駆動機構については省略するが、特別図柄抽選の結果に応じた特別電動役物の作動(例えば、特別電動役物の構造体の一部が、遊技盤2の主面から突出傾斜すること)によって大入賞口28が開状態となって遊技球が入り易い状態となる。また、パチンコ遊技機1は、特別電動役物を連続して作動することを可能にする機構(「役物連続作動装置」)を伴っており、特別電動役物は所定の作動パターンに従って駆動される。
例えば、大入賞口28の特別電動役物は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内など)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、15回)だけ繰り返す(「大当たり遊技」)。なお、普通入賞口29は、遊技球が入賞しても特別図柄抽選を始動しない。
また、遊技盤2の所定位置(例えば、遊技機1の右下部)に、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器3が配設されている。表示器3の詳細については、後述する。
また、後述により明らかとなるが、パチンコ遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選に当選する確率が変動することがある。
例えば、パチンコ遊技機1は、大当たり確率が相対的に低い状態(低確率遊技状態;例えば大当たり確率が300分の1)から上記大当たり確率が相対的に高い状態(高確率遊技状態;例えば大当たり確率が30分の1)へ変動することがある。また、パチンコ遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選に当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ26の羽根部の開時間が延長されたり、電動チューリップ26の羽根部が開閉する回数が増えたりする(電チューサポート;後述の「電動チューリップ処理」参照)場合がある。
(遊技機の枠部材における構成)
パチンコ遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル51、レバー52、停止ボタン53、取り出しボタン54、スピーカ55、枠ランプ56、演出ボタン57、演出キー58、皿59、および錠部43等が設けられている。
遊技者がハンドル51に触れてレバー52を時計方向に回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。遊技者がハンドル51を小さい回転角で回転させる、いわゆる左打ちを行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で発射装置211から打ち出される。この場合、遊技球は、画像表示器21の上方に設けられた遊技クギに跳ね返されて、例えば矢印Lで示されるように画像表示器21の左側の遊技領域20へと案内される。一方、遊技者がハンドル51を大きい回転角で回転させる、いわゆる右打ちを行うと、遊技球が相対的に強い打球力で発射装置211から打ち出される。この場合、遊技球は、画像表示器21の上方に設けられた遊技クギを越えて、例えば矢印Rで示されるように画像表示器21の右側の遊技領域20へと案内される。
皿59(図3参照)は、パチンコ遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給する遊技球を一時的に溜めておく。また、皿59には、上述した賞球が払出される。そして、皿59に溜められた遊技球は、遊技者のレバー52による操作により、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。停止ボタン53は、ハンドル51の下部側面に設けられ、ハンドル51に遊技者が触れてレバー52を時計方向に回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン54は、皿59が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿59に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。スピーカ55および枠ランプ56は、それぞれパチンコ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。
(表示器の構成)
次に、図2を参照して、パチンコ遊技機1に設けられる表示器3について説明する。図2において、表示器3は、第1特別図柄表示器31a、第2特別図柄表示器31b、第1特別図柄保留表示器32a、第2特別図柄保留表示器32b、普通図柄表示器33、普通図柄保留表示器34、および遊技状態表示器35を備えている。
第1特別図柄表示器31aは、第1始動口25aに遊技球が入賞することに対応して特別図柄を変動表示した後に抽選結果を示す特別図柄を停止表示する。例えば、第1特別図柄表示器31aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口25aに遊技球が入賞した場合、特別図柄(第1特別図柄)を変動表示した後にその抽選結果を示す特別図柄を停止表示する。第2特別図柄表示器31bは、第2始動口25bに遊技球が入賞することに対応して特別図柄を変動表示した後に抽選結果を示す特別図柄を停止表示する。例えば、第2特別図柄表示器31bは、7セグ表示装置で構成され、第2始動口25bに遊技球が入賞した場合、特別図柄(第2特別図柄)を変動表示した後にその抽選結果を停止表示する。
普通図柄表示器33は、普通図柄抽選用ゲート27を遊技球が通過することに対応して普通図柄を変動表示した後にその抽選結果を示す普通図柄を停止表示する。
第1特別図柄保留表示器32aは、第1特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器32bは、第2特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器34は、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。
例えば、第1特別図柄表示器31a、第2特別図柄表示器31bまたは普通図柄表示器33によって図柄が変動表示されている期間(入賞1回分の変動表示が行われている間)に、さらに他の遊技球がそれぞれの表示器に対応した入賞を得た場合、その入賞した遊技球に対応する図柄の変動表示は、先に入賞した遊技球に対する変動表示が終了するまで、規定回数(例えば、4回)を限度に保留される。
このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選回数)が、第1特別図柄保留表示器32a、第2特別図柄保留表示器32bおよび普通図柄保留表示器34に表示される。
遊技状態表示器35は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。後述によって明らかとなるが、パチンコ遊技機1には複数の遊技状態(例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態)が設定されている。そして、パチンコ遊技機1の電源投入時点においては、遊技状態表示器35によってその遊技状態が報知される。例えば、遊技状態表示器35は、複数のLED表示装置で構成され、その点灯態様によって遊技状態が表示される。
(入力装置)
次に、図3を参照して、パチンコ遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、パチンコ遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン57および演出キー58が設けられている。演出ボタン57および演出キー58は、それぞれ、遊技者が押下することに応じた所定の演出を行うための入力装置である。
(内枠体の背面側における構成)
また、枠部材5の内側に位置する内枠体の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿59に払出す払出装置(払出駆動部311を備える;図4参照)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。
(メイン基板の概要)
具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100が構成されたメイン制御基板が配設されている。このメイン基板は、開封されることにより痕跡が残るように透明部材で構成されたメイン基板ケースによって密封されている。
(サブ基板の概要)
また、サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ56、盤ランプ23)や可動役物22による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。
(制御装置)
(制御装置の概要)
次に、図4を参照して、パチンコ遊技機1での動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、パチンコ遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。また、「スイッチ」を、「SW」と略記する場合がある。図4において、パチンコ遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600を備えている。
(制御装置におけるメイン制御部)
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払出賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102は、CPU101にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口25aまたは第2始動口25bに遊技球が入賞すると特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)を行い、特別図柄抽選での当選か否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。また、メイン制御部100は、特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)および特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータや、普通図柄抽選に応じて決定した普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータを、演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ26の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が閉止状態から次の開放状態までの間隔などを制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口25aへ入賞したときの保留回数や、遊技球が第2始動口25bへ入賞したときの保留回数や、遊技球が普通図柄抽選用ゲート27を通過したときの保留回数を管理する。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口28の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで、特別電動役物としての機能を果たす大入賞口開閉部115の構造の一部が突出傾斜して開状態とするラウンドを所定回数(例えば15回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口28が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、第1始動口25a、第2始動口25b、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出数を払出制御部300に対して指示する。例えば、メイン制御部100は、第1始動口25aまたは第2始動口25bに遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部300に指示命令(コマンド)を送る。
なお、メイン制御部100は、普通図柄抽選用ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払出を払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払出を行った場合、払出制御部300から払出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払出した賞球の個数を管理する。
メイン制御部100は、発射制御部200を介して、遊技球を発射する発射装置211を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定の条件に基づいて、発射装置211が遊技球を発射する動作を許可する信号を、払出制御部300を介して発射制御部200へ送信する。
(制御装置におけるメイン制御部に係るスイッチ等)
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、第1特別図柄表示器31a、第2特別図柄表示器31b、第1特別図柄保留表示器32a、第2特別図柄保留表示器32b、普通図柄表示器33、普通図柄保留表示器34、および遊技状態表示器35が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口25aへ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口25bへ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ26の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、普通図柄抽選用ゲート27を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口28へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口28を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口29へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。
(制御装置におけるメイン制御部の保留表示器)
また、メイン制御部100は、第1始動口25aへの遊技球の入賞により始動した第1特別図柄抽選の結果を、第1特別図柄表示器31aに表示する。メイン制御部100は、第1始動口25aへの遊技球の入賞に応じて第1特別図柄抽選を保留にしている保留回数を、第1特別図柄保留表示器32aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口25bへの遊技球の入賞により始動した第2特別図柄抽選の結果を、第2特別図柄表示器31bに表示する。メイン制御部100は、第2始動口25bへの遊技球の入賞に応じて抽選を保留にしている保留回数を、第2特別図柄保留表示器32bに表示する。
メイン制御部100は、普通図柄抽選用ゲート27への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器33に表示する。そして、メイン制御部100は、普通図柄抽選用ゲート27への遊技球の通過に応じて抽選を保留にしている保留回数を、普通図柄保留表示器34に表示する。
(制御装置における発射制御部)
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー52は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー52は、時計方向に回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。
発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー52の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。また、発射制御部200は、メイン制御部100から発射を許可する信号を受信することによって、発射装置211の発射動作が可能となる。一方、発射制御部200は、停止ボタン53が押下された信号が出力されたり、メイン制御部100から発射を停止する制御信号が出力されたりした場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
(制御装置における払出制御部)
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、賞球の払出を制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。そして、払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払出を制御する。
具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払出しを指示するコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数の賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータを備える駆動ユニット等で構成される。
また、払出制御部300は、所定量の遊技球が所定の場所に貯留されている状態が確保され、所定数の遊技球が払出されることを検出するための各種スイッチ(払出球検出スイッチ312、球有検出スイッチ313、満タン検出スイッチ314)からの入力信号を受信する。
(制御装置における演出制御部)
演出制御部400は、CPU(演出制御CPU)401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400には、演出ボタン57および演出キー58が接続されている。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン57または演出キー58を押下する操作がなされた場合、当該入力操作に応じて演出内容を設定する場合もある。また、演出制御部400は、パチンコ遊技機1に対する遊技が所定期間以上中断された場合、演出の1つとして客待ち用の演出を設定する。
さらに、メイン制御部100が、特別図柄抽選時の当選確率を変動させたことを示すデータを出力した場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、演出制御部400は、それぞれ出力されたデータが示す内容に対応させて、演出内容を設定する。そして、演出制御部400は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像音響制御部500およびランプ制御部600にそれぞれ送る。
(制御装置における画像音響制御部)
画像音響制御部500は、CPU(画像音響制御CPU)501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示器21に表示する画像およびスピーカ55から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、画像表示器21において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示器21に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ55から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行う。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示器21に表示する。また、CPU501は、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ55から出力する。
(制御装置におけるランプ制御部)
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ23や枠ランプ56の発光、および可動役物22の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ23や枠ランプ56の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物22の動作を制御する。
(遊技機における基本処理)
(基本処理に用いられる主なデータおよびプログラム)
次に、パチンコ遊技機1において行われる処理(具体的には、メイン制御部100において行われる処理)の詳細を説明する。まず、図5、図6A〜図6Dを参照して、処理において用いられる主なデータおよびプログラムについて説明する。
図5は、メイン制御部100のRAM103に記憶されるデータおよびプログラムの一例を示す図である。図6Aは、RAM103に記憶される大当たり乱数データD2の一例を示す図である。図6Bは、RAM103に記憶される大当たり図柄乱数データD3の一例を示す図である。図6Cは、RAM103に記憶されるリーチ乱数データD4の一例を示す図である。図6Dは、RAM103に記憶される当たり乱数データD5の一例を示す図である。なお、パチンコ遊技機1において行われる処理において必要なプログラム、データが記憶されている領域は、ここで例示した領域に限定されず、ROM102などの不揮発性メモリ、RAM103などの揮発性メモリを含むパチンコ遊技機1内に設けられている記憶デバイス上のいずれの領域を用いた態様であってもよい。すなわち、パチンコ遊技機1が有する全ての記憶領域のいずれか(以下、単に、「パチンコ遊技機1の記憶領域」と称する)に、パチンコ遊技機1の処理に必要とされるプログラムおよびデータが、記憶され、必要に応じてパチンコ遊技機1の制御部により読み出されればよい。なお、パチンコ遊技機1において利用されるデータのうち恒常的に保持されるべきもの、予め規定されているものは、通常、不揮発性メモリに記憶されているが、遊技中に利用するデータを起動時などに予め揮発性メモリに読み出した状態とした上で利用してもよく、図5はこの場合も想定した例である。
(データ記憶領域に記憶されているデータ・プログラムの概要)
図5に示すように、RAM103は、データ記憶領域103Dおよびプログラム記憶領域103Pを有している。
データ記憶領域103Dには、乱数データD1、大当たり乱数データD2、大当たり図柄乱数データD3、リーチ乱数データD4、当たり乱数データD5、保留回数データD6、抽選結果乱数データD7、変動コマンドデータD8、変動時間データD9、変動パターンテーブルデータD10、変動パターンデータD11、遊技状態データD12、図柄設定データD13、図柄データD14、補助遊技残余回数データD15、ラウンド回数データD16、当たりコマンドデータD17および入賞個数データD18等が格納される。また、プログラム記憶領域103Pには、パチンコ遊技機1を動作させる各種プログラムP1が格納される。
(乱数データ)
乱数データD1は、メイン制御部100によって更新された各種乱数(大当たり乱数(例えば、0〜299)、大当たり図柄乱数(例えば、0〜9)、リーチ乱数(例えば、0〜249)、当たり乱数(例えば、0〜9)、変動パターン乱数(例えば、0〜249)、および初期値乱数(例えば、0〜299)等)を示すデータを含む。
(大当たり乱数データ)
大当たり乱数データD2は、大当たり乱数として取得された乱数と比較して当該乱数が「大当たり」、「小当たり」または「はずれ」のいずれを示す乱数なのかを判定するためのデータを含む。例えば、図6Aに示すように、大当たり乱数データD2は、パチンコ遊技機1が通常遊技状態および時短遊技状態であるときに大当たりとなる乱数値、パチンコ遊技機1が確変遊技状態および潜伏遊技状態であるときに大当たりとなる乱数値、および小当たりとなる乱数値をそれぞれを含む。
図6Aに示される具体的な値の一例では、大当たり乱数の値の範囲は、0〜299である。そして、大当たり乱数データD2は、通常遊技状態および時短遊技状態の場合、大当たりに当選する乱数値が1個設定され、大当たりの当選確率が1/300となっている。また、大当たり乱数データD2は、高確率遊技状態および潜伏遊技状態の場合、大当たりに当選する乱数値が10個設定され、大当たりの当選確率が10/300(=1/30)となっている。
すなわち、図6Aの例では、高確率遊技状態および潜伏遊技状態で第1始動口25aまたは第2始動口25bに入賞し特別図柄抽選が行われると、通常遊技状態および時短遊技状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、大当たりの当選確率(特別図柄抽選の当選確率)が10倍となる。また、大当たり乱数データD2は、パチンコ遊技機1の遊技状態によらず、小当たりに当選する乱数値が3個設定され、小当たりの当選確率が3/300(=1/100)となっている。
(大当たり図柄乱数データ)
大当たり図柄乱数データD3は、後述する「大当たり判定処理」における、「大当たり」の種別を決定するための処理(「大当たり図柄乱数判定処理」)に用いられるデータである。大当たり図柄乱数として取得された乱数が、確変図柄Aなどを示す「大当たり」に対応する乱数なのかを判定するためのデータが格納されている。これらの図柄に区別ついてのより詳細な説明は、後述する。
図6Bには、大当たり図柄乱数データD3の一例が示されている。ここでは、確変図柄Aおよび確変図柄Bのそれぞれを示す「大当たり」に対応する乱数値が、大当たり抽選の契機となる入賞が成立した始動口の種別(第1始動口25a、第2始動口25b)毎にデータ記憶領域103Dに記憶されている。
図6Bで示される例では、大当たり図柄乱数が取り得る値の範囲は、0〜249である。大当たり図柄乱数の取得が、第1始動口25aへの入賞を契機とするものか、または第2始動口25bへの入賞を契機とするものかによって、各図柄に対する乱数値の割り当てが相違する。この乱数値の分布の違いが、第1始動口25aと第2始動口25bとの間で、大当たり抽選における傾向に相違をもたらす。本明細書において、このような始動口間で乱数値の分布の違いに起因して、第2始動口25bに入賞した方が、第1始動口25aに入賞するよりも、遊技者にとってより有利な状態(例えば、確率変動となる場合の割合が抽選において同じであっても、賞球の有無・多寡において有利である状態、ラウンド数がより多くなる状態など)を生じ得る。
(リーチ乱数データ)
リーチ乱数データD4は、リーチ乱数として取得された乱数が、リーチ演出の採否のいずれに対応する乱数であるかを判定するためのデータである。ここで、「リーチ演出」とは、遊技者に主に大当たりを期待させるために、画像表示器21等にて行われる演出を示している。
図6Cで示される例では、リーチ乱数データD4として、リーチ演出を採用する場合に対応する乱数値、ならびに当該演出を採用しない場合に対応する乱数値が、それぞれ記憶されている。具体的には、リーチ乱数の値の範囲は、0〜249である。そして、リーチ乱数データD4は、リーチ演出を採用する場合の乱数値が22個設定され、リーチ演出を採用する率が、22/250(=11/125)となっている。他方、リーチ乱数データD4は、リーチ演出を採用しない場合の乱数値が228個設定され、リーチ演出を採用しない率が228/250(=114/125)となっている。
(当たり乱数データ)
当たり乱数データD5は、当たり乱数として取得された乱数が、普通図柄抽選における当否のいずれを示す乱数なのかを判定するためのデータである。
図6Dで示される例では、当たり乱数データD5として、普通図柄抽選における「当たり」の場合に対応する乱数値と、当該抽選における「はずれ」の場合に対応する乱数値とが、記憶されている。具体的には、当たり乱数の値の範囲は、一例として、0〜9である。そして、この場合、当たり乱数データD5は、例えば、普通図柄抽選における当たりとなる乱数値が9個設定され、当たりとなる率が9/10となっている。ここで挙げた乱数値は、例示的な値であるので、当該乱数値の個数や、当たりの割合はこれらに限られない。
(保留回数データ)
保留回数データD6は、特別図柄抽選が保留となっている回数(特別図柄抽選における第1保留回数U1および第2保留回数U2)および普通図柄抽選が保留となっている回数(普通図柄抽選保留回数G)を示すデータを含む。
(抽選結果乱数データ)
抽選結果乱数データD7は、特別図柄抽選や普通図柄抽選等で決定された各乱数を示すデータを当該抽選の時系列順にそれぞれ含む。
(変動コマンドデータ)
変動コマンドデータD8は、後述の「大当たり判定処理」および「変動パターン選択処理」によって設定された設定情報を含んだ「変動開始コマンド」および「変動停止コマンド」を示すデータを含む。
(変動時間データ)
変動時間データD9は、特別図柄抽選を行うための特別図柄変動時間および普通図柄抽選を行うための普通図柄変動時間を示すデータが、それぞれ格納されている。
(変動パターンテーブルデータ)
変動パターンテーブルデータD10(図5参照)は、「変動パターン乱数」として取得された乱数が、どのような図柄変動パターン(変動時間)で表示するのかを判定するためのデータが格納されている。パチンコ遊技機1は、必要に応じて、複数種類の変動パターンテーブルを有している。なお、表中において示される各パターンが有する変動時間の値、変動パターン乱数の値、変動パターン毎の変動パターン乱数値の数(割合)については、例示的な値、その組合せである。したがって、当業者は、本明細書の記載に基づき、これらの値およびその組合せをその例示した値に限られることなく、適宜変更することが可能である。
(変動パターンデータ)
変動パターンデータD11は、演出する図柄変動パターンを設定する処理で決定された変動パターン乱数を示すデータが、当該設定の時系列順にそれぞれ格納されている。
(遊技状態データ)
遊技状態データD12は、パチンコ遊技機1に現時点で設定されている遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態等)を示すデータが格納されている。
(図柄設定データ)
図柄設定データD13は、特別図柄抽選や普通図柄抽選等で決定され、変動表示された後に停止して表示される各図柄(特別図柄、普通図柄)を示すデータが格納されている。図柄データD14は、第1特別図柄表示器31aまたは第2特別図柄表示器31bに表示される各図柄を示すデータがそれぞれ格納されている。
(補助遊技残余回数データ)
補助遊技残余回数データD15は、補助遊技残余回数Jを示すデータが格納されている。
(ラウンド回数データ)
ラウンド回数データD16は、大入賞口28が開放状態となる回数であるラウンド回数Rを示すデータが格納されている。
(当たりコマンドデータ)
当たりコマンドデータD17は、大入賞口28の開放動作等を制御する大当たりの動作制御に関する設定情報を示すコマンド(ラウンド開始コマンド等)、電動チューリップ26の羽根部の開閉動作等を制御する小当たりの動作制御に関する設定情報を示すコマンドなどを示すデータを含む。
(入賞個数データ)
入賞個数データD18は、大入賞口28に入賞した遊技球個数(入賞個数C)を示すデータを含む。
(高確率遊技残余回数データ)
高確率遊技残余回数データD19は、高確率遊技状態における特別図柄変動回数の残余回数を示すデータ(高確率遊技残余回数X)を含む。
(大入賞口作動データ)
大入賞口開閉部作動データD20は、大入賞口開閉部115の作動パターンにおける開放時間(後述のL、t1など)、総開放時間など大入賞口作動に係るデータを含む。
(普通図柄抽選時間データ)
普通図柄抽選時間データD21は、変動時間データに記憶されている普通図柄の変動時間(X1)と図柄停止時間(X2)との和に係るデータを、パチンコ遊技機1がとり得る遊技状態と関連づけて含む。
(普通電動役物開放時間データ)
普通電動役物開放時間データD22は、普通図柄抽選に当選したときに、普通電動役物が開放する時間間隔の値に係るデータをパチンコ遊技機1がとり得る遊技状態と関連づけてを含む。
(入賞率データ)
入賞率データD23は、パチンコ遊技機1の普通電動役物に係る入賞率の値を格納する。
(メイン制御部において行われる処理)
次に、図7〜図15を参照して、メイン制御部100において行われる処理の詳細を説明する。なお、図7〜図15に示すフローチャートにおいては、本願発明と直接関連しない他の処理については詳細な説明を省略する。また、図7〜図15や以下の説明では、メイン制御部100が実行する各ステップを「S」と略称する。
(メイン制御部により行われるメイン処理とタイマ割込処理)
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、そのメイン制御処理が開始される。まず、電源投入を契機にして、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによって、メモリ(例えば、RAM103)等の各ユニットの初期化等がなされる(「起動時処理」)。
その後、パチンコ遊技機1のメイン制御部100は、後述の「タイマ割込処理」(図7)のために、CTC(Counter Timer Circuit)周期を設定する(CTC周期設定)。そして、電源遮断監視処理、変動パターン乱数更新処理、割込禁止設定、初期値乱数更新処理、割込許可設定の処理を繰り返す。
ここで、「初期値乱数更新処理」において、メイン制御部100は、初期値乱数を更新する。例えば、メイン制御部100は、乱数データD1に格納されている初期値乱数(例えば、0〜299)に1を加算して更新し、更新された初期値乱数を用いて乱数データD1を更新する。
また、「変動パターン乱数更新処理」において、メイン制御部100は、変動パターン乱数を更新する。例えば、メイン制御部100は、乱数データD1に格納されている変動パターン乱数(例えば、0〜249)に1を加算して更新し、更新された変動パターン乱数を用いて乱数データD1を更新する。
(メイン制御部が行うタイマ割込処理)
次に、図7を用いて、メイン制御部100が行う「タイマ割込処理」について説明する。なお、「タイマ割込処理」は、電源供給期間中、所定期間(例えば4ms)毎(CTC周期)でメイン制御部100が実行するメイン制御処理に割込み動作する処理である。
タイマ割込処理は、順に、「乱数更新処理」(ステップ701)、「スイッチ処理」、「図柄処理」、「電動役物処理」、「賞球処理」(ステップ708)、「出力処理」(ステップ709)といった処理を行う。
ここで、「スイッチ処理」には、始動口スイッチ処理(ステップ702)、ゲートスイッチ処理(ステップ703)が含まれる。また、「図柄処理」には、「特別図柄処理」(ステップ704)、「普通図柄処理」(ステップ705)が含まれる。さらに、「電動役物処理」には、「大入賞口処理」(ステップ706)および(普通電動役物に係る)「電動チューリップ処理」(ステップ707)が含まれる。
(乱数更新処理)
図7において、メイン制御部100は、以降の処理で用いる各種乱数を更新して(ステップ701)、次のステップに処理を進める。例えば、メイン制御部100は、乱数データD1に格納されている大当たり乱数(例えば、0〜299)、大当たり図柄乱数(例えば、0〜9)、リーチ乱数(例えば、0〜249)、および当たり乱数(例えば、0〜9)にそれぞれ1を加算してそれぞれ更新し、更新された乱数を用いて乱数データD1を更新する。なお、メイン制御部100は、各乱数が最大値の場合、乱数を0に戻して更新する。また、メイン制御部100は、大当たり乱数が一巡した場合(例えば、大当たり乱数が100から始まって99まで一巡した場合)、乱数データD1に格納されている初期値乱数(例えば、0〜299)を参照して、当該初期値乱数に大当たり乱数を更新する。
(始動口スイッチ処理)
次に、メイン制御部100は、始動口スイッチ111の状態を監視して第1始動口スイッチ111aまたは第2始動口スイッチ111bがオンとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する(図7、ステップ702)。以下、図8を参照して、上記ステップ702で行う「始動口スイッチ処理」の詳細な動作について説明する。
ステップ721aにおいて、メイン制御部100は、第1始動口25aに遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111aがオンとなったか否かを判断する。そして、メイン制御部100は、第1始動口スイッチ111aがオンとなった場合、次のステップ722aに処理を進める。一方、メイン制御部100は、第1始動口スイッチ111aがオフの場合、後述する第2始動口25bに係る処理を進める。
ステップ722aにおいて、メイン制御部100は、保留回数データD6を参照して、特別図柄抽選における第1保留回数U1が上限値Umax1未満か否かを判断する。例えば、メイン制御部100における上限値Umax1としては、4回に設定しているが、これらに限られない。そして、メイン制御部100は、第1保留回数U1が上限値Umax1未満の場合、次のステップ723aに処理を進める。一方、メイン制御部100は、第1保留回数U1が上限値Umax1以上の場合、第2始動口25bに係る処理S721bへと進む。
ステップ723aにおいて、メイン制御部100は、特別図柄抽選における第1保留回数U1に1を加算して更新し、次のステップに処理を進める。例えば、メイン制御部100は、保留回数データD6に格納されている第1保留回数U1に1を加算し、加算後の第1保留回数U1を用いて保留回数データD6を更新する。
ステップ724aにおいて、メイン制御部100は、今回の入賞による抽選のための乱数をそれぞれ取得し、抽選結果乱数データD7に時系列順に格納し、当該サブルーチンによる処理をステップ725aに進める。
ステップ725aにおいて、「事前判定処理」が行われる。「事前判定処理」では、ステップ724aにおいて取得した大当たり乱数を用いて、大当たりか否かを判定する。なお、事前判定処理では、大当たり判定の他にも、図柄乱数を用いた図柄乱数判定や、リーチ乱数を用いたリーチ乱数判定を行ってもよい。本処理において判定された結果は、いわゆる保留先読み機能を実現するための先読み情報として、例えば、演出制御部400にコマンド送信される。
ステップ726aにおいて、メイン制御部100は、事前判定処理(ステップ725a)に応じて、第1保留数増加コマンドをセットする。
次に、第2始動口25bに係る処理を進める。まず、メイン制御部100は、第2始動口25bに遊技球が入賞して第2始動口スイッチ111bがオンとなったか否かを判断する(ステップ721b)。メイン制御部100は、第2始動口スイッチ111bがオンとなった場合、次のステップ722bに処理を進める。一方、メイン制御部100は、第2始動口スイッチ111bがオフの場合、このサブルーチンを終了する。
第2始動口25bに係る処理において、ステップ722bからステップ726bの処理では、第1始動口25bに係るステップ722aからステップ726aと同様の処理が行われる。そして、その第2始動口25bに係る処理においては、特別図柄抽選における第1保留回数U1に対応する変数として特別図柄抽選における第2保留回数U2が定義され、その上限値としてのUmax2、また、第1保留数増加コマンドに対応する変数として第2保留数増加コマンドが定義される。なお、ステップ722bにおいて、第2保留回数U2が上限値Umax以上の場合、メイン制御部100は、このサブルーチンを終了する。
(ゲートスイッチ処理)
図7に戻り、上記ステップ702における始動口スイッチ処理の後、メイン制御部100は、ゲートスイッチ113の状態を監視してゲートスイッチ113がオンとなった場合に、普通図柄抽選のための処理(「ゲートスイッチ処理」)を実行する(ステップ703)。以下、図9を参照して、上記ステップ703で行うゲートスイッチ処理の詳細な動作について説明する。
まず、ステップ731において、メイン制御部100は、普通図柄抽選用ゲート27を遊技球が通過してゲートスイッチ113がオンとなったか否かを判断する。そして、メイン制御部100は、ゲートスイッチ113がオンとなった場合(ステップ731:YES)、次のステップ732に処理を進める。他方、メイン制御部100は、ゲートスイッチ113がオフの場合(ステップ731:NO)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ732において、メイン制御部100は、保留回数データD6を参照して、普通図柄抽選における保留回数Gが上限値Gmax未満か否かを判断する。例えば、メイン制御部100は、上限値Gmaxを4回に設定し得る。そして、メイン制御部100は、保留回数Gが上限値Gmax未満の場合(ステップ732:YES)、次のステップ733に処理を進める。一方、メイン制御部100は、保留回数Gが上限値Gmax以上の場合(ステップ732:NO)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ733において、メイン制御部100は、普通図柄抽選における保留回数Gに1を加算して更新して、次のステップに処理を進める。例えば、メイン制御部100は、保留回数データD6に格納されている普通図柄抽選における保留回数Gに1を加算し、加算後の保留回数Gを用いて保留回数データD6を更新する。
次に、ステップ734において、メイン制御部100は、今回の入賞による抽選のための乱数を取得し、抽選結果乱数データD7に格納し、当該サブルーチンによる処理を終了する。ここで、メイン制御部100は、乱数データD1を参照して、上記ステップ701で更新された乱数のうち、普通図柄抽選のための乱数(当たり乱数)を取得して抽選結果乱数データD7に格納する。ステップ734で取得された乱数によって、普通図柄抽選の結果が確定される。
(特別図柄処理)
図7に戻り、上記ステップ703におけるゲートスイッチ処理の後、メイン制御部100は、ステップ702で取得した特別図柄抽選のための乱数を参照して、大当たり判定処理、変動パターンの選択処理、変動開始コマンドを生成して図柄変動を開始する処理、変動停止コマンドを生成して図柄変動を停止する処理などを含む所定の処理(「特別図柄処理」)を行う(図7、ステップ704)。
以下、図10を参照して、上記ステップ704で行う特別図柄処理の詳細な動作について説明する。
ステップ741において、メイン制御部100は、パチンコ遊技機1の現在の状態に係る「当たり遊技フラグ」がオンであるか否かを判定する。すなわち、現在のパチンコ遊技機1の状態が、「特別図柄抽選の当選」中か否かを判断する。ここで、「当たり遊技フラグ」は、後述の「停止中処理」において、停止している特別図柄が当たりを示すものである場合にオンに設定されるフラグである。
ステップ741では、当たり遊技フラグがオンの場合(ステップ741:YES)、既に何らかの特別図柄抽選の当選を表す図柄(「特別図柄」)が選択されて、当該特別図柄が第1特別図柄表示器31aまたは第2特別図柄表示器31bに表示されて停止している状態となっているので、メイン制御部100は、当該サブルーチンによる処理を終了する。他方、当たり遊技フラグがオフの場合(ステップ741:NO)、メイン制御部100は、次のステップ742に処理を進める。
ステップ742において、メイン制御部100は、変動コマンドデータD8を参照して、パチンコ遊技機1の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する。例えば、メイン制御部100は、変動コマンドデータD8が特別図柄変動中を示している場合(ステップ742:YES)、パチンコ遊技機1の現在の状態が特別図柄変動中であると判断し、次のステップ751に処理を進める。他方、メイン制御部100は、パチンコ遊技機1の現在の状態が特別図柄変動中でない場合(ステップ742:NO)、次のステップ743に処理を進める。
ステップ743において、メイン制御部100は、保留回数データD6を参照して、特別図柄抽選の第2保留回数U2(第2始動口25bへの入賞数)が1以上であるか否かを判断する。そして、メイン制御部100は、第2保留回数U2が1以上である場合(ステップ743:YES)、次のステップ744に処理を進める。一方、メイン制御部100は、第2保留回数U2が0である場合(ステップ743:NO)、ステップ745に処理を進める。すなわち、パチンコ遊技機1においては、第2特別図柄抽選が第1特別図柄抽選に先立って消化される。
ステップ744において、メイン制御部100は、保留回数データD6を参照して、特別図柄抽選の第2保留回数U2から1を減算して更新し、次のステップ744aに処理を進める。例えば、メイン制御部100は、保留回数データD6に格納されている第2保留回数U2から1を減算し、減算後の第2保留回数U2を用いて保留回数データD6を更新する。
ステップ744aは、客待フラグをオフとする処理である。ここで、客待フラグは、特別図柄抽選を始動するための入賞が無い状態を識別するためのフラグであって、後述のステップ745で第1保留回数U1が0であった際に行われる客待ち設定処理(ステップ745a)においてオンとされるフラグである。実際の客待ち設定処理については、後述する。
一方、ステップ745において、メイン制御部100は、保留回数データD6を参照して、特別図柄抽選における第1保留回数U1が1以上であるか否かを判断する。そして、メイン制御部100は、特別図柄抽選における抽選保留回数U1が1以上である場合(ステップ745:YES)、次のステップ746に処理を進める。
ここで、ステップ746では、メイン制御部100は、保留回数データD6を参照して、特別図柄抽選の第1保留回数U1から1を減算して更新し、その後、上述のステップ744aに処理を進める。例えば、メイン制御部100は、保留回数データD6に格納されている第1保留回数U1から1を減算し、減算後の第1保留回数U1を用いて保留回数データD6を更新する。
他方、メイン制御部100は、第1保留回数U1が0である場合(ステップ745:NO)、特別図柄抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、客待ち設定処理が行われる(ステップ745a)。
ここで、客待ち設定処理では、まず、客待ちフラグがオンであれば、そのまま処理を終了し、他方、客待ちフラグがオンでなければ、客待ちコマンドをセットして、客待ちフラグをオンとする。「客待ちコマンド」は、遊技が所定期間中断された場合に、演出の1つとして客待ち用の画面表示を行うために演出制御部400等に送信されるコマンドである。
(特別図柄処理における大当たり判定処理)
次に、特別図柄処理では、メイン制御部100が、「大当たり判定処理」(図10、ステップ747)を行う。以下、図11を参照して、上記ステップ747で行う「大当たり判定処理」について説明する。
図11のステップ761(「大当たり乱数判定処理」)において、メイン制御部100は、上記ステップ724aまたは724bで取得して抽選結果乱数データD7に格納された大当たり乱数のうち、第2始動口25bに入賞することで得られた大当たり乱数がある場合は、第2始動口25bに入賞することで得られた大当たり乱数のうち入賞が最も古い大当たり乱数を参照して、特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判定する。
他方、このステップ761において、メイン制御部100は、上記ステップ724aまたは724bで取得して抽選結果乱数データD7に格納された大当たり乱数のうち、第2始動口25bに入賞することで得られた乱数がない場合は、第1始動口25aに入賞することで得られた大当たり乱数のうち最も古い大当たり乱数を参照して、第2特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判定する。
例えば、メイン制御部100は、第2始動口25bに入賞することで得られた大当たり乱数が取得されている場合、大当たり乱数データD2に記述された乱数値(図6A参照)を参照して、第2始動口25bに入賞することで得られた入賞のうち最も古い大当たり乱数が、いずれかの乱数値に相当するかを判定する。
上述の判定では、大当たり判定処理が行われている際の遊技状態(高確率遊技状態・低確率遊技状態)により、判定基準となる「大当たり乱数データ」が異なる。例えば、図6Aの例によれば、遊技状態が低確率遊技状態(通常遊技状態・時短遊技状態)にある場合、取得した乱数値が「3」の場合にのみ、「大当たり」となる。他方、遊技状態が高確率遊技状態(確変動遊技状態・潜伏遊技状態)にある場合、取得した乱数値が「3」、「7」、「37」、「67」、「97」、「127」、「157」、「187」、「217」、「247」の場合に、大当たりとなる。
その後、メイン制御部100は、適宜、判定された大当たり乱数を示すデータを抽選結果乱数データD7から消去する。
ステップ762において、メイン制御部100は、上記ステップ761における判定結果が「大当たり」である場合(ステップ762:YES)、次のステップ763に処理を進める。他方、メイン制御部100は、上記ステップ761における判定結果が、「大当たり」以外の結果である場合(ステップ762:NO)、後述のステップ765に処理を進める。
ステップ763において、メイン制御部100は、上記ステップ724aまたはS724bで取得して抽選結果乱数データD7に格納された大当たり図柄乱数のうち、入賞が最も古い大当たり図柄乱数を参照して、特別図柄抽選における「大当たり」の種類を判定する(「大当たり図柄乱数判定処理」)。
例えば、メイン制御部100は、大当たり図柄乱数データD3に記述された乱数値(図6B参照)を参照して、入賞が最も古い大当たり図柄乱数がいずれかの乱数値に相当するかを判定する。そして、メイン制御部100は、判定された大当たり図柄乱数を示すデータを抽選結果乱数データD7から消去する。
以上の処理の後、メイン制御部100は、判定結果に応じた図柄を設定情報として図柄設定データD13に格納(セット)して、当該サブルーチンによる処理を終了する。
ステップ764において、メイン制御部100は、確率変動を伴う大当たりであることを表す特別図柄(例えば、確変図柄A)を設定情報として図柄設定データD13に格納する。
ステップ765において、メイン制御部100は、上記ステップ761における判定結果が「小当たり」である場合(ステップ765:YES)、メイン制御部100は、確率変動も時間短縮も伴わない当たりであることを表す小当たり図柄を設定情報として図柄設定データD13に格納する(ステップ766)。
他方、上記ステップ761における判定結果が「大当たり」でも、「小当たり」でもない場合(ステップ765:NO)、メイン制御部100は、特別図柄抽選にはずれたことを表すはずれ図柄を設定情報として図柄設定データD13に格納する(ステップ767)。
(特別図柄抽選における図柄)
特別図柄抽選の結果により表示される図柄、すなわち、確変図柄A、確変図柄B、小当たり図柄、もしくははずれ図柄、さらに通常図柄が存在する場合は、通常図柄を含む図柄は、それぞれ異なる形状を有しており、変動表示後に停止して第1特別図柄表示器31aまたは第2特別図柄表示器31bに表示される。
(特別図柄処理における変動パターン選択処理)
図10に戻り、上記「大当たり判定処理」(ステップ747)の後、メイン制御部100は、「変動パターン選択処理」(ステップ748)を行い、次のステップに処理を進める。ここで、「変動パターン選択処理」は、特別図柄抽選の契機となった始動口入賞時に取得格納された変動パターン乱数、大当たり判定処理の判定結果に応じて、変動時間を含む特別図柄の変動パターンを選択する処理である。
(特別図柄処理における後続処理)
上記ステップ748における「変動パターン選択処理」の後に、ステップ749(図10参照)において、メイン制御部100は、特別図柄の変動を開始する。ここで、メイン制御部100は、特別図柄を変動させて第1特別図柄表示器31aまたは第2特別図柄表示器31b(図2)に表示する表示制御処理を開始する。
次いで、ステップ750において、上記大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって設定された設定情報を含んだ「変動開始コマンド」を生成し、当該変動開始コマンドを用いて変動コマンドデータD8を更新(セット)する。
例えば、変動開始コマンドには、他の処理で決定された変動パターン(変動時間)、図柄(確変図柄A、確変図柄B、小当たり図柄、はずれ図柄など)等が設定情報として含まれている。
メイン制御部100は、変動開始コマンドの設定情報で規定されている変動パターンが示す変動時間だけ特別図柄変動表示を行うために、変動開始(ステップ749)から変動時間を計測しており、ステップ751において、設定情報に規定の変動時間を経過したか否かを判断する。
上述の設定情報に規定された変動時間が経過した場合(ステップ751:YES)、メイン制御部100は、特別図柄変動表示を終了するために、特別図柄の変動を第1特別図柄表示器31aまたは第2特別図柄表示器31bに図柄設定データD13に格納されている特別図柄を表示して停止し(ステップ752)、変動停止コマンドを生成し、当該変動停止コマンドを用いて変動コマンドデータD8を更新(セット)する(ステップ753)。
なお、上述のステップ742においてパチンコ遊技機1の現在の状態が特別図柄変動中であると判断された場合も、メイン制御部100が、特別図柄変動時間が終了したか否かを判断する(ステップ751)。上述したような処理と同様に、ステップ752およびステップ753の処理へと続く。
なお、上記ステップ753でセットされた変動停止コマンドは、後述するステップ709の「出力処理」において、演出制御部400へも送信される。
(特別図柄処理における停止中処理)
変動停止コマンドセット(ステップ753)の後、ステップ754において、メイン制御部100は、「停止中処理」を行い、「特別図柄処理」サブルーチンによる処理を終了する(図10)。
ここで、「停止中処理」は、大当たりまたは小当たりに応じたコマンドを生成し、「オープニング」の動作制御を開始する処理である。例えば、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドがこの停止中処理において設定される。「オープニング」とは、例えば大当たり遊技の開始時にパチンコ遊技機1の画像表示器21への画像表示等を用いて行われる特定の表示であり、遊技者に大入賞口28への遊技球の入賞を促すものである。
(普通図柄処理)
図7に戻り、上記ステップ704における特別図柄処理の後、メイン制御部100は、普通図柄処理を行う(ステップ705)。以下、図12を参照して、上記ステップ705で行う普通図柄処理の詳細な動作について説明する。
ステップ801において、メイン制御部100のCPU101は、「補助遊技フラグ」がオンであるか否かを判定する。ここで、「補助遊技フラグ」は、電動チューリップ26の開放を示すものであり、具体的には、変動を停止した際の普通図柄が当たり図柄である場合に、オンに設定されるフラグである(ステップ810参照)。
補助遊技フラグがオンである場合(ステップ801:YES)、メイン制御部100は、当該サブルーチンにおける処理を終了する。他方、補助遊技フラグがオフである場合(ステップ801:NO)、普通図柄が変動中であるか否かを判定する(ステップ802)。
ステップ802において、普通図柄が変動中である場合(ステップ802:YES)、ステップ808bに移行する。他方、普通図柄が変動中ではない場合(ステップ802:NO)、保留回数データD6を参照して、普通図柄抽選における保留回数Gが、1以上であるか否かを判定する(ステップ803)。当該普通図柄抽選における保留回数Gは、上述した「ゲートスイッチ処理」において設定されるパラメータである。
ステップ803において、保留回数Gが1以上ではない場合(ステップ803:NO)、メイン制御部100は、当該サブルーチンにおける処理を終了する。他方、保留回数Gが1以上である場合(ステップ803:YES)、メイン制御部100は、保留回数Gから1を減算し、減算後の保留回数Gを用いて保留回数データD6を更新する(ステップ804)。
その後、ステップ805において、メイン制御部100が、当たり乱数判定処理を実行する。当たり乱数判定処理は、当たり乱数データD5を参照して、遊技球が普通図柄抽選用ゲート27を通過した際に取得した乱数が当たりであるか否かを判定する処理である。
次いで、ステップ806において、メイン制御部100は、停止させる普通図柄を設定する。停止させる普通図柄の設定は、当たり乱数判定処理における判定結果に応じて停止させる図柄を設定することである。
そして、ステップ807において、メイン制御部100は、変動時間設定処理を実行する。「変動時間設定処理」は、遊技状態に応じて普通図柄の変動時間を設定する処理である。
この後、普通図柄の変動を開始し(ステップ808a)、変動時間が経過したか否かを判定する(ステップ808b)。変動時間が経過していない場合(ステップ808b:NO)、メイン制御部100は、当該サブルーチンにおける処理を終了する。変動時間が経過した場合(ステップ808b:YES)、メイン制御部100は、普通図柄の変動を停止させる(ステップ808c)。
そして、停止した普通図柄が当たりであるか否かを判定する(ステップ809)。停止した普通図柄が「当たり」ではない場合(ステップ809:NO)、すなわち、はずれである場合、メイン制御部100は、当該サブルーチンにおける処理を終了する。他方、停止した普通図柄が当たりである場合(ステップ809:YES)、メイン制御部100は、補助遊技フラグをオンにし(ステップ810)、処理を終了する。
(大入賞口処理)
図7に戻り、上記ステップ705における普通図柄処理の後、メイン制御部100は、大入賞口処理(ステップ706)を行う。以下、図13を参照して、上記ステップ706で行う大入賞口処理の詳細な動作について説明する。
図13は、メイン制御部100が行う大入賞口処理を示したフローチャートである。
まず、ステップ811において、メイン制御部100は、「当たり遊技フラグ」がオンであるか否かを判定する。なお、「当たり遊技フラグ」は、停止中処理にて設定される、「長当たり遊技フラグ」、「短当たり遊技フラグ」または「小当たり遊技フラグ」である。
当たり遊技フラグがオフである場合(ステップ811:NO)、メイン制御部100は、当該サブルーチンにおける処理を終了する。他方、当たり遊技フラグがオンである場合(ステップ811:YES)、予め設定されたオープニングが行われている最中であるか否かを判定する(ステップ812)。ここで、「オープニング」とは、大入賞口28を開放する前のパチンコ遊技機1における所定の動作をいう。また、予め設定されたオープニングが行われるべき時間が、「オープニング時間(OP)」である。
オープニング中であれば(ステップ812:YES)、オープニング所定の時間(「オープニング時間」)だけ経過したか判定する(ステップ813)。他方、ステップ812において、オープニング中ではない場合には(ステップ812:NO)、エンディング中であるか否かを判定する(ステップ829)。ステップ829およびそれ以降のステップについては、後述する。
ステップ813において、オープニング時間が経過していない場合(ステップ813:NO)、メイン制御部100は、当該サブルーチンにおける処理を終了する。他方、オープニング時間が経過していれば(ステップ813:YES)、「ラウンド数(R)/作動パターン設定処理」を実行する(ステップ814)。
ここで、「ラウンド数/作動パターン設定処理」では、当たり遊技フラグに応じたラウンド数および大入賞口開閉部115の作動パターンが設定される。大入賞口開閉部115の作動パターンは、大入賞口28の「開放時間」および「開放回数」で規定される単位動作と、当該単位動作の繰り返し回数である「ラウンド数」により規定される。また、必要に応じて、開放状態と開放状態との間隔も、作動パターンとして言及される。大当たりの場合、ラウンド数を例えば15ラウンドに設定する。例えば、次の表のように規定される。
(表1:大入賞口開閉部115の作動パターン設定における一例)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1ラウンド中の単位動作) (ラウンド数)
「長当たり」 大入賞口の29.5秒開放× 1回 15回
「短当たり」 大入賞口の 0.1秒開放× 1回 15回
「小当たり」 大入賞口の 0.1秒開放×15回 1回
――――――――――――――――――――――――――――――――――
ラウンド数/作動パターン設定処理(ステップ814)の後、ステップ815では、メイン制御部100は、各ラウンドにおける大入賞口28への入賞個数Cを「0」にセットする。次いで、ラウンド数Rに1を加算した値を、新たなラウンド数Rとして更新する(ステップ816)。ここで、ラウンドを開始することを示すラウンド開始コマンドをセットする。さらに、メイン制御部100は、大入賞口開閉部115を制御して、大入賞口28の開閉(または、拡大縮小)を開始する(ステップ817)。
次いで、ステップ818において、作動時間が経過したか否かを判定する。「作動時間」の経過とは、大入賞口28の開放を開始してから所定時間(例えば、29.5秒または0.1秒)が経過することである。なお、小当たりの場合には、0.1秒の開放×15回に対応する時間を「作動時間」として処理される。
ここで、作動時間が経過していないときには(ステップ818:NO)、メイン制御部100が、大入賞口28への遊技球の入賞個数がその最大値Cmax(例えば、Cmax=9)以上か否かを判断する(ステップ819)。入賞個数Cは、大入賞口28へ遊技球が入賞したことを大入賞口スイッチ114が検出することに応じて増加する。ここで、入賞個数CがCmax以上であるときには(ステップ819:YES)、メイン制御部100は、大入賞口開閉部115の作動を終了させる(ステップ820)。他方、入賞個数CがCmax未満であるときには(ステップ819:NO)、メイン制御部100は、当該サブルーチンにおける処理を終了する。なお、入賞個数最大数Cmaxの遊技球が大入賞口28に連続的に入賞する際に最低限必要な時間が、最小作動時間として規定される。この最小作動時間は、例えば、Cmax個の遊技球を遊技領域20に連続的に射出する際の射出時間間隔(例えば、1分間に100球打ち出す場合は、0.6秒)と、Cmax値とから、次のように表現される。
(最小作動時間)=0.6×Cmax+β
ここで、βは、打ち出された遊技球が大入賞口28に到達するまでの時間を考慮した補正値である。例示的なβとしては、1つの遊技球が発射装置211から射出されて大入賞口に到達するまでの平均時間などが挙げられる。
他方で、作動時間が経過したときには(ステップ818:YES)、ステップ820へ移行し、大入賞口開閉部115の作動を終了させる。すなわち、大当たりの場合、大入賞口開閉部115は、作動時間の経過または所定の入賞数のいずれか一方が満たされた場合に作動を終了する。
なお、小当たりや、短当たりでは開放時間が0.1秒などに設定されるため、この間に大入賞口28へ遊技球を入賞させることは困難である。すなわち、小当たりや短当たりは、長当たりに比べて、得られる賞球数が極めて少ない当たりとなっている。
次いで、ステップ820において大入賞口28の開放に係る大入賞口開閉部115の動作を終了させた後、最終ラウンドRmaxとなったか否かを判定する(ステップ821)。例えば、ステップ814のラウンド数設定処理において設定されたラウンド数Rが15ラウンドであれば、最終ラウンドRmaxは15となる。また、小当たり時のように、ラウンド数設定処理において設定されたラウンド数Rが1ラウンドであれば、最終ラウンドRmaxは1となる。
ステップ821において、現在のラウンド数Rが最終ラウンドRmaxではないとき(ステップ821:NO)、メイン制御部100は、当該サブルーチン処理を終了する。他方、ラウンド数Rが最終ラウンドRmaxであるときには(ステップ821:YES)、エンディングが開始する(ステップ822)。ここで、「エンディング」とは、大入賞口28を開放する後のパチンコ遊技機における所定の動作をいう。また、予め設定されたエンディングが行われるべき時間が、「エンディング時間」(ED)である。
ステップ822においてエンディングを開始した後、エンディングコマンドをセットする(ステップ823)。そして、ラウンド数Rを「0」にセットし(ステップ824)、エンディング時間が経過したか判定する(ステップ825)。エンディング時間が経過していれば(ステップ825:YES)、遊技状態設定処理を実行する(ステップ826)。なお、遊技状態設定処理については、図14を参照しながら後述する。この後、当たり遊技フラグをオフにし(ステップ827)、処理を終了する。エンディング時間が経過していなければ(ステップ825:NO)、当該サブルーチンにおける処理を終了する。
一方、ステップ812において、オープニング中ではない場合には(ステップ812:NO)、メイン制御部100は、エンディング中であるか否かを判定する(ステップ829)。エンディング中である場合(ステップ829:YES)、ステップ825に移行する。エンディング中ではない場合(ステップ829:NO)、大入賞口28が作動中であるか否かを判定する(ステップ830)。大入賞口28が作動中ではない場合(ステップ830:NO)、ステップ815に移行する。他方、大入賞口28が作動中である場合(ステップ830:YES)、ステップ818に移行する。
(大入賞口処理における遊技状態設定処理)
次に、図14を参照して、メイン制御部100が行う遊技状態設定処理について説明する。図14は、遊技状態設定処理を示すフローチャートである。
ステップ831において、メイン制御部100は、当たり遊技フラグを参照して、小当たりであるか否かを判定する。小当たりである場合(ステップ831:YES)、当該サブルーチンにおける処理を終了する。ここで、「当たり遊技フラグ」は、上述のように、特別図柄処理における停止中処理において設定されるフラグである。
他方、小当たりではない場合(ステップ831:NO)、メイン制御部100は、後続の処理を次のように進める。なお、いわゆるST機などにおいて「通常大当たり」が設定されていない場合(大当たり抽選における大当たりのうち「通常大当たり」の割合がパチンコ遊技機1において0%として設定される場合)は、図14における鎖線の枠内の処理(ステップ832〜ステップ834)については行われない場合と実質的に等価であり、当該枠内の処理はスキップされてステップ835へと移る。
ここで、「通常大当たり」の設定が行われている場合には、通常大当たりであるか否かを判定する(ステップ832)。通常大当たりである場合(ステップ832:YES)、補助フラグをオンにする(ステップ833)。この後、補助遊技残余回数Jを「100」にセットし(ステップ834)、処理を終了する。なお、本例では、補助遊技残余回数Jをその一例として「100」にセットしたが、この場合の補助遊技残余回数Jとしては当該数値に限られない。
ステップ835においては、メイン制御部100は、確変大当たりであるか、または潜確大当たりかを判定する。具体的には、例えば、判定対象となっている始動口入賞の際に取得された大当たり図柄乱数またはそれに基づいて設定された大当たり図柄を参照することで判定される。
まず、確変大当たりである場合(ステップ835:YES)、メイン制御部100は、補助フラグをオンにし(ステップ836)、補助遊技残余回数Jを予め定められた定数Jsupにセットする(ステップ837)。この後、メイン制御部100は、確変フラグをオンにするとともに(ステップ838)、高確率遊技残余回数Xを定数Xsupにセットし(ステップ839)、処理を終了する。
他方、ステップ835において、潜確大当たりである場合(ステップ835:NO)、メイン制御部100は、ステップ838に移行し、確変フラグをオンにセットし(ステップ838)、高確率遊技残余回数XをXsupにセットする(ステップ839)。
ここで、パチンコ遊技機1において、次の大当たりに当選するまで遊技状態が変更されないようにするために、JsupおよびXsupは、例えば、「10000」といったオーダーの値に便宜上定める場合がある。
(電動チューリップ処理)
図7に戻り、上記ステップ706における大入賞口処理の後、メイン制御部100は、普通電動役物の一例である電動チューリップ処理を行う(ステップ707)。以下、図15を参照して、上記ステップ707で行う電動チューリップ処理の詳細な動作について説明する。
ステップ851において、メイン制御部100は、「補助遊技フラグ」(図12、「普通図柄処理」の節を参照)がオンであるか否かを判定する。補助遊技フラグがオフである場合(ステップ851:NO)、当該サブルーチンにおける処理を終了する。他方、補助遊技フラグがオンである場合(ステップ851:YES)、電動チューリップ26が作動中であるか否かを判定する(ステップ852)。
ステップ852において、電動チューリップ26が作動中である場合(ステップ852:YES)、ステップ855に移行する。他方、電動チューリップ26が作動中ではない場合(ステップ852:NO)、「作動パターン選択処理」を実行する(ステップ853)。ここで、「作動パターン選択処理」は、遊技状態に応じて電動チューリップ26を開放させるパターンを選択する処理であり、例えば、確変遊技状態または時短遊技状態などの補助遊技状態では、例えば、「1.80秒(開放時間)×3回」が選択され、通常遊技状態または潜伏遊技状態などの電チューサポート機能のない遊技状態では、例えば、「0.15秒(開放時間)×1回」が選択され得る。この作動パターンで実際に選択される開放時間(普通電動役物開放時間)の例示的な値は、後述する(「例示的な実施形態」の説明を、参照)。
この後、ステップ854において、メイン制御部100は、電動チューリップ26の作動を開始する。そして、作動時間が経過したか否かを判定する(ステップ855)。作動時間が経過していない場合(ステップ855:NO)、当該サブルーチンにおける処理を終了する。作動時間が経過した場合(ステップ855:YES)、補助遊技フラグをオフにし(ステップ856)、処理を終了する。
(賞球処理)
図7に戻り、上記ステップ707における電動チューリップ処理の後、メイン制御部100は、賞球処理を行い(ステップ708)、次のステップに処理を進める。
(出力処理)
賞球処理の後、メイン制御部100は、発射制御部200、払出制御部300、および演出制御部400に対して、それぞれ制御用コマンドを出力し(ステップ709)、次のステップに処理を進める。例えば、メイン制御部100は、上記払出数を示す制御用コマンドを払出制御部300に出力することによって、当該払出数を払出制御部300に対して指示する。また、メイン制御部100は、演出に関するコマンド(例えば、変動開始コマンド、変動停止コマンド、第1保留数増加コマンド、第2保留数増加コマンド、ラウンド開始コマンド、オープニングコマンド等)を演出制御部400に出力することによって、パチンコ遊技機1における演出内容を決定させる。以下、演出に関するコマンドを取得した演出制御部400の動作例を説明する。
(演出制御部による動作例)
例えば、演出制御部400は、メイン制御部100から変動開始コマンドを取得した場合、当該変動開始コマンドで示された変動パターンに基づいて、演出内容を決定する。そして、演出制御部400は、画像表示、音声出力、およびランプの点灯等による演出を行うために、決定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像音響制御部500およびランプ制御部600にそれぞれ送る。また、演出制御部400は、メイン制御部100から変動終了コマンドを取得した場合、実行中の演出を終了するために演出終了を指示するコマンドを画像音響制御部500およびランプ制御部600にそれぞれ送る。
(演出制御部のより具体的な動作例)
既述のように、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、そのメイン制御処理が開始される。まず、電源投入を契機にして、起動時処理が行われる。この起動時処理の間に、演出制御部400における初期設定が行われ、その演出制御部400では、タイマ割込処理のために、所定の周期(CTC周期)を設定する。
演出制御部400は、この設定されたCTC周期に従って、乱数更新処理を繰り返し、タイマ割込処理を実行する。すなわち、演出制御部400が制御するパチンコ遊技機1の演出処理において、その演出制御部400は、パチンコ遊技機1の起動中、所定期間(例えば、4ms)毎に、乱数更新処理を繰り返しつつ、所定のタイマ割込処理を行う。そして、後述により明らかになるが、演出制御部400は、メイン制御部100からのコマンドを受信し、その内容を適切に後続の処理に反映する。
(演出制御部が実行するタイマ割込処理)
ここで、図16を参照して、演出制御部400が行うタイマ割込処理について説明する。図16は、演出制御部400が実行するタイマ割込処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理は、概して、「コマンド受信処理」(ステップ1001)、「演出用入力装置処理」(ステップ1002)、および「コマンド送信処理」(ステップ1003)を含む。
ステップ1001における「コマンド受信処理」は、演出制御部400のCPU401が、メイン制御部100からコマンドを受信した際に行われる所定の処理である。このコマンド受信処理の具体的な流れの詳細については、図17を参照して、詳述する。
ステップ1002における「演出用入力装置処理」は、遊技者から入力装置(例えば、演出ボタン57や演出キー58)を介した入力による演出上の効果を実現するための処理である。
ステップ1003における「コマンド送信処理」は、メイン制御部100からのコマンド、コマンド受信処理で生成されたコマンドならびに入力装置を介した遊技者からの入力内容を反映するためのコマンドを、画像音響制御部500、および各種のランプ(枠ランプ56、盤ランプ23)もしくは可動役物22による演出を制御するランプ制御部600へと送信する処理である。
(コマンド受信処理)
次に、図17を参照して、図16のステップ1001に示したコマンド受信処理の詳細について説明する。図17は、演出制御部400が実行するコマンド受信処理を示す詳細なフローチャートである。
ステップ1101において、演出制御部400は、保留数が増加した旨を示す保留数増加コマンドをメイン制御部100から受信したか否かを判定する。保留数増加コマンド(第1保留数増加コマンドまたは第2保留数増加コマンド)は、始動口スイッチ処理においてセットされたコマンドである(図8、ステップ726a、ステップ726b参照)。ここで、保留数増加コマンドを受信しない場合(ステップ1101:NO)、本処理は、後述のステップ1104に移行する。他方、保留数増加コマンドを受信した場合(ステップ1101:YES)、演出制御部400は、入賞した始動口毎の保留数を加算する保留数加算処理を行う(ステップ1102)。そして、演出制御部400は、画像表示器21に保留数を表示させるための保留数コマンドをセットする(ステップ1103)。
この後、ステップ1104において、演出制御部400が、特別図柄の変動開始を示す変動開始コマンドをメイン制御部100から受信したか否かを判定する。なお、変動開始コマンドは、メイン制御部100による特別図柄処理においてセットされたコマンドである(ステップ750参照)。ここで、変動開始コマンドを受信しない場合(ステップ1104:NO)、本処理は、後述のステップ1106に移行する。他方、変動開始コマンドを受信した場合(ステップ1104:YES)、演出制御部400は、「演出選択処理」を実行する(ステップ1105)。ここで、ステップ1105における、「演出選択処理」は、確変モードや時短モードといった演出モードの設定や、予め用意された複数種類の変動演出の中から一つを選択する処理である。
演出制御部400によって行われる変動演出の選択は、具体的には、変動開始コマンドを解析することによって得た特別図柄の変動時間の情報を用い、その変動時間と同一時間である再生時間を有する所定の変動演出を選択して、その選択に基づいた変動演出開始コマンドを生成することによって行われる。この変動演出開始コマンドが前述のコマンド送信処理により適切な制御部に送信されることで、パチンコ遊技機1の演出制御部400およびその他の制御部は、パチンコ遊技機1の特別図柄の変動・停止表示に合わせて演出用の図柄(例えば、装飾図柄)を適切な表示装置(例えば、画像表示器21)に変動・停止表示させるようにしている。
この後、ステップ1106において、演出制御部400は、演出用の図柄を停止させるための変動停止コマンドをメイン制御部100から受信したか否かを判定する。なお、変動停止コマンドは、演出用の図柄の変動停止を示すコマンドであり、メイン制御部100の特別図柄処理においてセットされるコマンドである(ステップ753参照)。
ここで、変動停止コマンドを受信しない場合(ステップ1106:NO)、本処理は、後述のステップ1108に移行する。他方、変動停止コマンドを受信した場合(ステップ1106:YES)、演出制御部400が、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1107)。
ここで、ステップ1107における「変動演出終了中処理」は、演出用の図柄の変動を停止させたり、遊技状態に応じた演出モードを変動回数に応じて終了させたりする処理である。
その後、ステップ1108において、演出制御部400は、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドをメイン制御部100から受信したか否かを判定する。なお、オープニングコマンドは、メイン制御部100の停止中処理においてセットされるコマンドである。
ここで、オープニングコマンドを受信しない場合(ステップ1108:NO)、処理は、後述のステップ1110に移行する。他方、オープニングコマンドを受信した場合(ステップ1108:YES)、当たり中の演出内容を選択する「当たり演出選択処理」を実行する(ステップ1109)。
その後、ステップ1110において、大当たりの終了を示すエンディングコマンドをメイン制御部100から受信したか否かを判定する。なお、エンディングコマンドは、メイン制御部100の大入賞口処理においてセットされるコマンドである(ステップ823参照)。
ここで、エンディングコマンドを受信しない場合(ステップ1110:NO)、本処理は、後述のステップ1112に移行する。他方、エンディングコマンドを受信した場合(ステップ1110:YES)、演出制御部400は、エンディング用の演出を選択するエンディング演出選択処理を行う(ステップ1111)。
ステップ1112では、演出制御部400は、パチンコ遊技機1に対する遊技が所定期間以上中断された場合、メイン制御部100からの「客待コマンド」(「特別図柄処理」を参照)を受信して、演出の1つとして客待用の演出を設定するための客待演出コマンドをセットする。
(演出用入力装置処理)
ここで、ステップ1002における「演出用入力装置処理」について説明する。当該処理は、演出中の遊技者から演出用の入力装置を介した入力による演出上の効果を実現するための処理である。より具体的には、演出ボタン57、演出キー58などの演出用の入力装置を用いた遊技者からの操作入力を検出して、その検出に基づき後続の処理のために演出用入力装置コマンドを生成する。本処理においては、まず、演出制御部400は、演出用の入力装置からの入力の有無を検出する。ここで、遊技者による当該入力装置を介した入力がある(オン状態として入力装置は検出する)場合、演出制御部400は、その検出に基づき演出用入力装置コマンドをセットする。他方、入力がない場合は、演出用入力装置コマンドをセットしない。上述したように演出用入力装置コマンドが生成される場合、生成されたコマンドは、他の演出制御用のコマンドとともに、ステップ1003における「コマンド送信処理」により、画像音響制御部500およびランプ制御部600等に適宜送信される。そして、送信されたコマンドに応じて、画像、音声の再生、ランプの点灯、点滅などの演出処理が行われる。
(例示的な実施形態)
パチンコ遊技機1は、大当たり遊技終了直後に第2特別図柄抽選に先立って第1特別図柄抽選が始動してしまうのを抑制するために、次に説明するような処理過程に沿って作動する。すなわち、従来、図20(A)に示されるような、大入賞口開閉部115が非常に短い開放時間t1で開放し所定の時間t2の間隔で閉止する動作を、大当り遊技中の全てのラウンドに行う場合があり、この際に生じていた弊害を抑制するために、図19に例示される作動パターンを大入賞口開閉部115が所定条件下でとる。以下、この大入賞口開閉部115が満たすべき諸条件を中心にパチンコ遊技機1で行われる処理の流れを、図18および図19を参照しつつ、説明する。
図18は、パチンコ遊技機1において、遊技球が遊技領域20に打ち出された際に起こるイベントを、時系列順で示している図である。なお、それらのイベントが生じている時間帯を、基線から立ち上がった部分として表現するが、横軸(時間)のスケールは必ずしも実時間の長短を反映したものでなく、そのイベントの順序などを例示的かつ模式的に示したものである。図19は、図18(C)における大当り遊技における大入賞口開閉部115の作動パターンの詳細を示す模式図である。図19において、横軸(時間)のスケールは必ずしも実時間の長短を反映したものでないことは、図18と同様である。
パチンコ遊技機1において遊技が開始され、特別図柄抽選に当選するまでは、パチンコ遊技機1は、その特別図柄抽選における当選確率は相対的に低確率である遊技状態をとっている。このとき、パチンコ遊技機1は、遊技者に対して右打ち報知を行っていない。ここで、遊技者は、ハンドル51を小さい回転角で回転させる、いわゆる左打ちを行う傾向がある。遊技領域20に打ち出された遊技球は、(図1における)矢印Lで示されるように画像表示器21の左側の遊技領域20へと案内される。そして、当該遊技球が第1始動口25aに入ると(図18(A))、パチンコ遊技機1は、第1特別図柄抽選を開始する(図18(B))。
より具体的には、遊技球がパチンコ遊技機1の第1始動口25aに入り、始動口スイッチ処理(図7、ステップ702)が行われる。
次いで、パチンコ遊技機1は、図7に示される流れに沿って処理を進め、特別図柄処理(図7、ステップ704)が行われる。この特別図柄処理において、パチンコ遊技機1は、大当たり判定処理(図10,ステップ747)を行う。
第1特別図柄抽選において当選し確変大当たりが発生すると、パチンコ遊技機1における大入賞口28の大入賞口開閉部115は、所定条件を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数だけ繰り返す(「大当たり遊技」;図18(C))。
ここで、図19を参照して、パチンコ遊技機1における大当り遊技の一例を説明する。図19は、大当り遊技のオープニングの開始からエンディングの終了の間におこなわれる、大入賞口28の開閉を達成するために、大入賞口開閉部115が行う一連の作動パターンの例示的態様を示す。この作動パターンは、大入賞口28の「開放時間」および「開放回数」で規定される大入賞口開閉部115の単位動作と、当該単位動作の繰り返し回数である「ラウンド数」により規定される。図19の例では、パチンコ遊技機1は、オープニングとエンディングとの間において、当該単位動作を総計15ラウンド(R)を行う。そして、当該15ラウンドの大入賞口開閉部115の作動の後に、エンディングが行われると、パチンコ遊技機1は、確変遊技状態、すなわち、次回の特別図柄抽選における当選の確率が相対的に高い状態となる。
図19の例では、第1ラウンドから第15ラウンドまでの作動うち、オープニング直後の第1ラウンドから第13ラウンドまでは、その開放時間はt1[s](例えば、0.1秒)であり、開放動作間の間隔が時間t2[s](例えば、0.2秒)で設定されている。そして、第14ラウンドおよび第15ラウンドでは、開放時間がt1[s]の代わりにL[s]となっている。ここで、時間L[s]は、t1よりも相対的に長い時間である。具体的には、時間Lは、第14ラウンドおよび第15ラウンドの大入賞口28の総開放時間(L+L=2L[s])のうちに、第2特別図柄抽選に係る抽選の保留が少なくとも1回生じるように決定された値である。そして、この時間Lは、パチンコ遊技機1の記憶領域に格納され、必要に応じてパチンコ遊技機1により読み出される。なお、パチンコ遊技機1が、いわゆる小当たりの設定を有する場合は、その小当たりにおける大入賞口28に係る作動パターンにおいてその1回の開放時間が時間t1で設定されていることが好ましいが、これに限られない。
この例示的な実施家形態において、第14ラウンドおよび第15ラウンドにおける大入賞口28の開放時間(総計としては、L+L=2L[s])が、大当り遊技が終了する前に、遊技球が第2始動口25bに入球して第2特別図柄抽選を少なくとも1回保留するような長さとなっている。以下、この大入賞口28の開放時間についてより具体的な例を説明する。
上述の第1始動口25aへの入賞に起因した第1特別図柄抽選において「確変大当たり」に当選した際に、大入賞口開閉部115が、所定の開放時間および開放回数で規定される単位動作と、当該単位動作の繰り返し回数である所定ラウンド数とで規定される作動パターンを行う大当たり遊技が行われる(図18(B))。
そして、大当たり遊技が開始されると、パチンコ遊技機1は、右打ち報知器Dを介して遊技者に対して右打ち報知を行い、それにより遊技者は右打ちをすることが促される状態となる(図18(C))。ここで詳細な説明のために、図19を参照する。オープニング後、大入賞口開閉部115の作動によって、t1秒間の大入賞口28の開放が時間t2の間隔を介しながら総計13回(第1ラウンドから第13ラウンドまで)達成される。この際、1回の大入賞口28の開放時間が短い開放時間t1であるために、遊技者が発射装置211を作動させずに遊技球を遊技領域20の右側に射出しない状態を想定し得る。次に、時間t1よりも相対的に長い時間である時間L秒の開放時間をもって、パチンコ遊技機1は、第14ラウンドを開始する。遊技者がこの相対的に長い時間Lで開放される大入賞口28を認識することによって、その遊技者が、第14ラウンドが開始された時点で遊技球を遊技領域20に射出することが促される。少なくとも、無駄な遊技球の射出を回避しようとして警戒されていた、(確変大当りを模した)いわゆる小当たり(図20(B))の可能性を容易に排除することが遊技者にとって可能であるので、第14ラウンドが開始された時点で、遊技領域20への遊技球の射出が促される効果がある。
そして、第14ラウンド以降、遊技球が連続的に遊技領域20の右側に供給される状態が達成されるので、大当たり遊技が完了する前に、遊技球が普通図柄抽選用ゲート27を通過すること(図18(D))によって普通図柄抽選が行われることが可能となる(図18(E)))。そして、一定の確率で普通図柄抽選に当選が発生し、その当選により電動チューリップ26が開放され、第2始動口25bへの遊技球への入球が達成されることで、第2特別図柄抽選の保留が大当り遊技の完了前に達成される。この一連の過程が担保されるために、時間Lは、次のように決定づけられる。
まず、遊技者が、第14ラウンド以降、遊技球が連続的に遊技領域20の右側に供給される状態では、通常、遊技球は、1分間に100球の割合で射出される。そして、普通図柄抽選の保留機能に鑑みれば、その連続的射出された状態では、普通図柄抽選が途切れずに連続的に行われる。
次に、パチンコ遊技機1は、この普通図柄抽選の当選確率p(0≦p≦1)として、抽選を行う。すなわち、遊技球が、普通図柄抽選用ゲート27を通過すると、確率pで普通図柄抽選において当たりが生じる。このとき、パチンコ遊技機1の内部状態が通常遊技状態(低確率遊技状態)である場合であって、この普通図柄抽選で当たりが生じるときに、普通図柄の変動時間(X1)と図柄停止時間(X2)との和が、普通図柄抽選時間(a[s])として規定され、普通図柄抽選データD21に格納されている。この普通図柄抽選の結果として、その当たりによって電動チューリップ26が作動し、開放時間b[s](普通電動役物の開放時間(低確率時))で開放される。パチンコ遊技機1は、この普通電動役物開放時間bを、普通電動役物データD22に格納している。
パチンコ遊技機1では、当該電動チューリップ26の入賞率Kが予め測定され、入賞率データD23に格納されている。この入賞率は、パチンコ遊技機1が備える電動チューリップ26を連続開放させた場合であって、一定時間に連続して遊技球を所定の頻度(例えば、1分間に100球)で遊技領域20に射出したときに、当該電動チューリップ26を通過して第2始動口25bに入賞する遊技球の割合である。例えば、K=60[min-1]=1.0[s-1]として与えられる。
上述の例では、普通図柄抽選に1回当選するまでには、平均して、a×(1/p)[s]の時間がかかる。電動チューリップ26の開放時間(低確率時)が、b[s]であり、当該電動チューリップ26の入賞率Kが1[s-1]であることより、時間b[s]で入賞する遊技球の個数は、b個となる。なお、仮に、普通電動役物の作動パターンが、1回の開放動作で規定されず、「0.15秒(1回の開放動作に係る開放時間)×3回」などのように2回以上の開放で規定されている場合は、開放時間bを、単回の開放時間に開放回数をかけた値(本例では、0.15×3=0.45)として捉えればよい。
したがって、第2始動口25bに遊技球が1個入賞し、第2特別図柄抽選が1回保留された状態となるまでにかかる時間は、a×(1/p)÷b=a/(p・b)[s]となる(ここで、z≡a/(p・b)として定義する)。このとき、大当たり遊技におけるオープニングからエンディングまでの間の時間T[s]のうち、少なくとも第14ラウンドと第15ラウンドの間における総開放時間(2L[s];ここで、2L[s]<T[s])の間に、第2特別図柄抽選の保留が少なくとも1回生じればよいことに鑑みると、2L/z≧1であれば(2L/z={2L・(p・b)/a}≧1)、この期間において遊技球が電動チューリップ26を通過して第2始動口25bに少なくとも1個入賞する。
よって、例えば、パチンコ遊技機1において、a=0.5[s]、b=0.3[s]、p=1/11と規定されているのであれば、{2L・(p・b)/a}≧1を満たす値、すなわち、L[s]≧9.1[s]を満たすLを、パチンコ遊技機1の記憶領域に格納して、その値に従い、パチンコ遊技機1が、その内部動作を制御するようにすればよい。なお、先述の最小作動時間との関係で、{2L・(p・b)/a}≧1により与えられるLの下限値が適切な値となるように、諸条件を微調整することは可能である。
そして、第2始動口25bに入賞することにより生じた第2特別図柄抽選の少なくとも1回の保留が、大当たり遊技中に生じるのであれば(図18(F),(G))、大当たり遊技の終了後、遊技機における内部状態が、確変遊技状態(高確率遊技状態)となった際に(図18(H))、第2特別図柄抽選の保留が優先的に消化される(図18(I))。これにより、パチンコ遊技機1は、大当たり遊技終了直後に第2特別図柄抽選に先立って第1特別図柄抽選が始動してしまうのを抑制することができる。そして、その後においては、パチンコ遊技機1が確変遊技状態となって、電チューサポートがつくことで、第2始動口25bが優先的に遊技進行上利用される状態が達成される。
なお、上述の例示的実施形態においては、パチンコ遊技機1は、全15ラウンドからなる大当り遊技の第14ラウンドおよび第15ラウンドの大入賞口28の開放時間としてそれぞれL[s]を割り当てた。しかしながら、開放時間L[s]を割り当てるラウンド、割り当て対象となるラウンドの総数、開放時間L[s]そのものは、大当たり遊技終了直後に第2特別図柄抽選の抽選の保留を少なくとも1つ有することができる限りにおいて、適宜され得る。
上述の例示的な実施形態においては、パチンコ遊技機1は、打ち分け(右打ち)を遊技者に対して促すための報知を行うパチンコ遊技機1の構成に基づいて説明した。すなわち、パチンコ遊技機1が、その大入賞口、ならびに、普通図柄抽選を始動するためのゲートを、その遊技領域20を規定する遊技盤2において偏在した位置(例えば、遊技領域20を規定する遊技盤のほぼ中央で分け、左側遊技領域20と右側遊技領域20とに区画してとらえたときの、右側遊技領域20)に有する構成に基づき説明した。
しかしながら、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが共に保留されている状態において、第2特別図柄抽選が第1特別図柄抽選に先立って実行され、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選に当選した方が、遊技者にとってより有利な状態(例えば、確率変動となる場合の割合が抽選において同じであっても、賞球の有無・多寡において有利である状態、ラウンド数がより多くなる状態など)となるように構成された機種であって、大当たり遊技終了直後に第2特別図柄抽選に先立って第1特別図柄抽選が始動してしまうのを抑制する必要がある機種であれば、打ち分けを遊技者に対して促すための報知を行うパチンコ遊技機でなくとも、本発明を適用することは可能である。
なお、上述の例示的な実施形態においては、本発明の遊技機は、その記憶領域に固定された数値などに基づき、その動作を制御する態様を例示しているが、記憶領域に固定されているいかなる値等も、必要に応じて、遊技機に対する入力装置からの入力情報、またはすでに別の記憶領域に保持される値等から演算された結果として与えられることを妨げるものではない。
(その他)
本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
以上のように、本発明の実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。また、当業者は、本発明の具体的な実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。