JP5362254B2 - 計測システム及び計測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、試料の屈折率差や試料を透過する光の位相差を計測する計測システム及び計測方法に関し、特に試料の微小領域における屈折率差や位相差を計測する計測システム及び計測方法に関する。
近年、高密度光メモリ、光通信・情報処理システムなどの分野において、光感光樹脂を用いた光導波路型デバイス、ホログラフィックメモリ、Volume Phase Holographic (VPH)グレーティングなどの屈折率変調型光デバイスの関心が高まっている。例えば、屈折率変調格子であるVPHグレーティングは入射光がブラッグ条件を満たすとき100%に近い回折効率が得られ、2光束干渉法により微細周期の作製が可能であるため、高効率な超高分散素子として注目されている。
VPHグレーティングにおいて所望の中心波長において高回折効率を得るには、屈折率変調量により最適膜厚の値が異なるため、屈折率変調量の算出が不可欠である。また、フォトポリマーは各メーカにおいて研究開発が進んでおり、異なるポリマーの露光量依存性などの評価が必要とされている。そのため、これまでは電磁波解析に基づくシミュレーションと実験値の比較によりVPHグレーティングの屈折率変調量を算出していた(非特許文献1参照)。
また、位相分布を計測するシステムとしては位相差顕微鏡が実用化されている(特許文献1参照)。位相差顕微鏡は、試料の屈折率や厚さの変化によって生じる光路長の変化について、直接光と干渉させることにより、相対的な光路長差を光の強度分布に変換して観察する顕微鏡である。
K. Oka, et al, Proceedings of SPIE, 5290, (2004)168-178. 特開平9−230247号公報
上記の屈折率変調量の算出方法は、シミュレーションにて屈折率変調量を算出しており、実際に直接計測を行なっていない。そのため、より精度よくVPHグレーティングを製作するために、屈折率変調量をより正確かつ高精度に計測する必要がある。また、光感光樹脂による屈折率差を利用した光導波路においても、導波路内部の屈折率差(コアとクラッドの屈折率差)により導波路の特性が左右されるため、精密測定が求められている。このような導波路内部の屈折率は、VPHグレーティングのように計算による算出ができないため、直接測定を行なう必要がある。このようにVPHグレーティングおよび光導波路などの高効率、高性能デバイスの再現には、正確、高速に位相を直接計測することにより屈折率を測定できる技術が要求されている。
また、従来の位相差顕微鏡は相対的な光路長差を強度に変換して測定するため、光路長差は光の強度差、すなわちコントラストとして観察される。従って、光路長差の存在やその分布は観測できても、絶対的な光路長の変化量の値は得られなかった。このため、厚みが一定であり、その内部の屈折率があらかじめ特定できていたとしても、屈折率の変化量やその絶対値は位相差顕微鏡で直接測定できない。
さらに、生体細胞や細菌などは、多くの細胞内構成物が透明で無色のため、その形状及び細胞内構成物を観察することが非常に困難であった。このため、従来では、生体細胞に前処理を施して染色し、その形状を可視化したり、染色の度合いによって各細胞内構成物を特定したりしていた。しかし、染色の前処理は、生体細胞の固定化などに時間が必要であり、簡便な観察手法ではなかった。さらに、染色することにより、生体細胞が死んだり、変質してしまうことがあり、本来の状態の生体細胞を観察できず、また、その後の試料の利用が制限されてしまうという問題があった。
以上のとおり、現状では微小領域の位相計測および屈折率差の測定を行うシステムは存在していない。そこで、本発明の目的は、正確かつ高速に位相差および屈折率差を測定することができる計測システムおよび計測方法を提供することを目的とする。
計測システムは、光を照射する光源であるレーザと、前記光源により照射された光を第1の光路と、第2の光路に分割する分割手段と、前記第2の光路の光路長を変更する光路長変更手段と、前記第2の光路内に配置された一対のレンズと、前記一対のレンズの間に試料を配置し移動させる試料移動手段と、前記第1の光路からの光と第2の光路からの光との干渉光の強度を検出する光検出手段と、前記光検出手段において検出された干渉光の強度に基づき前記光路長変更手段における光路長の変更量をフィードバック制御する制御手段と、前記制御手段により制御された前記光路長の変更量を検出する変更量検出手段と、を備えることを要件とする。
計測方法は、光源であるレーザから照射された光を第1の光と、第2の光に分割し、前記第2の光をレンズによって試料に照射し、試料を通過した第2の光と前記第1の光との干渉光の強度を検出し、前記干渉光の強度に基づき前記第2の光の光路長を変更し、前記光路長の変更量を検出することにより、前記試料の屈折率差または試料を透過する光の位相差を算出することを要件とする。
本発明の計測システム及び計測方法によれば、微小な領域における高精度な位相差および屈折率差の計測が可能となる。特に、本発明のように、光路長の変更量を検出することにより、試料の屈折率差または透過した光の位相差を算出するので、位相接続の問題がなくなり、実際に光路長を変化させる素子(ピエゾ素子など)に依存するが、位相変化に比例した信号を直接得ることができ、試料中の位相分布を得ることができる。さらに、本発明のように、光路長の変更量を検出する場合は、測定の誤差を小さくすることができ、計測精度を高めることができる。その他の本発明の計測システム及び計測方法の効果については、以下の実施の形態において記載する。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。最初に、本発明の計測方法の概念について説明する。図2には位相差および屈折率差の測定の原理を示す。測定する位相差は試料中の屈折率の低い領域を通過した波と、屈折率の高い領域を通過した波との位相差である。それぞれの領域の屈折率nL、nH、試料の厚さをt、光の波長をλとした場合、それぞれの波の位相差Δφは、
Δφ=2πt(nH−nL)/λ
となる。ここで、屈折率の高い領域を通過した波の光路長を光路長変更手段によって位相差Δφだけ変更すれば、それぞれの波の位相は一致することになる。つまり、「屈折率差による位相差Δφ=光路長変更手段による光路長の変更量」となるのである。したがって、光路長変更手段による光路長の変更量を特定することで、屈折率差による位相差Δφを計測することができ、試料の厚さtが特定できれば、上記の式に基づいて、屈折率差Δn=nH−nLも算出することができるのである。この原理を利用して、光路長が一定の光路からの光(参照光と呼んでもよい)と、試料によって光路長が変化する光との光路長差、位相差又は屈折率差を計測することで、参照光を基準とした光路長差、位相差又は屈折率差の分布を計測することができる。
フィードバック制御を行わず干渉計の相対位相差を干渉光から測定する場合、干渉光の出力光強度Pは、
P=(P/2)(1+cosΔφ) (ただし、Pは各光波の強度の和である)
となるから、干渉光の光強度の変化は相対位相差Δφに対して正弦波状に変化する。これを検出して相対位相差を求めるとすると、逆関数arccosを利用することになるが、これは非線形であるのみならず多価関数であるために、Δφの値を単一に定めることはできない。複数の候補となる値を求め、周辺の値と滑らかにつながるように選び出す位相接続という人為的な操作が必要となる。しかし導波路のコアとクラッドのように光路長が急激に変化する場所では位相接続が上手くいかない場合もある。
一方、本発明のように、光路長変更手段によって干渉計の相対位相差を一定に制御した場合、光路長変更手段に入力される制御信号は位相変化をキャンセルするように働くために、理想的な条件下では位相変化と符号が逆で大きさが同じ信号となる。この制御信号を測定することを閉ループ測定と言う。干渉計にこの閉ループ測定を応用する利点の一つは、上記の位相接続の問題がなくなることである。実際に光路長を変化させる素子(ピエゾ素子など)が線形である限り、位相変化に比例した信号を直接得ることができ、試料中の位相分布を得ることができる。
さらに、本発明のように、制御信号を測定する場合は、位相差と測定値が比例(線形)関係にあるために、アナログの測定値をデジタル化(AD変換)する際に発生する量子化誤差の位相差に対する影響は一定である。測定値の量子化誤差は量子化ビット数に反比例して小さくなるので、量子化ビット数を増やすことによって位相差の量子化誤差をより小さくできる。これに対し、位相差に非線形に依存する干渉光の光強度を測定値とする場合には、測定値を量子化した際の量子化誤差の位相差に対する影響は一定ではない。特に、位相差φが変化しても光強度があまり変化しない場合(|dP/dφ|<<1)が存在し、この場合には、量子化誤差の位相差への影響は大きくなる(Δφ=|dφ/dP|ΔP)。この現象は、測定精度を上げるために量子化ビット数を大きくした場合に、顕著となる。例えば量子化数を14bitつまり16384段階として、光強度を測定値とする場合と、本発明の制御信号を測定値とする場合とを比較すると、量子化誤差の最大値は約1/20になる。
図1には本発明の計測システムの光学系(干渉計)を示す。図1の計測システムは、光源1、二分の一波長板2、偏光ビームスプリッタ(PBS)3、平面鏡(M)4、ビームスプリッタ(BS)5、二分の一波長板6、光路長変更手段7、第一のレンズ(L)8、試料移動手段10、第二のレンズ(L)9、光検出手段11、制御手段12及びモニター13とを有している。なお、図1の計測システムは、さらに一対の平面鏡(M)14、15及び図示しない変更量検出手段も有している。なお、本発明の計測システムは顕微鏡に組み込んで使用する事も可能である。
光源1は、第1の光及び試料に照射される第2の光を生成するための光源であり、第1の光と第2の光とが干渉する必要性からコヒーレントなレーザーを光源として利用する。光源1から照射される光の波長は特に制限はないが、少なくとも部分的に試料を透過する波長である必要がある。また、波長が短い光を使用すると、レンズ8でビーム直径を小さくできるので、空間分解能をより高めることができる。光源1として、例えば、波長:λ=632.8nmのHe−Neレーザを利用することができる。
二分の一波長板2は、偏光ビームスプリッタ3によって分割された第1の光と第2の光の光量を同じにするために設けられている。すなわち、二分の一波長板2を光軸を中心として回転させることで、光源1から照射された光のP偏光成分とS偏光成分の比率を調整することができ、第1の光と第2の光の光量を調整できる。
偏光ビームスプリッタ3は、直交する偏光方向の一方(例えばP偏光成分)を透過し、他方(例えばS偏光成分)を反射するものであり、光源1から照射された光を第1の光路と第2の光路に分割して、第1の光21および第2の光22を生成する。図1において、第1の光路は、偏光ビームスプリッタ3を透過し、平面鏡4を経て、ビームスプリッタ5までの光路であり、第2の光路は、偏光ビームスプリッタ3によって反射され、試料などを経て、ビームスプリッタ5に至るまでの光路である。平面鏡4は、第1の光21をビームスプリッタ5に向けるために設けられており、平面鏡14、15は、第2の光22をビームスプリッタ5に向けるために設けられている。また、分割手段として、偏光ビームスプリッタではなく、ビームスプリッタを利用することもでき、ビームスプリッタを利用した場合は、二分の一波長板2および6は不要になる。
ビームスプリッタ5は、第1の光と第2の光を合成し、干渉させるために設けられている。図1においては、第1の光を反射し、第2の光を透過する。
二分の一波長板6は、第2の光の偏光方向を90度回転させて、偏光ビームスプリッタ3によって分割された第1の光と第2の光の偏光方向を一致させるために設けられている。二分の一波長板6によって、第1の光と第2の光の偏光方向が一致するので、合成された時に干渉光が生成される。なお、図1においては、二分の一波長板6を第2の光路に配置したが、第1の光路に配置してもよい。
光路長変更手段7は、第2の光路の光路長を変更するものである。光路長変更手段7として、例えばピエゾ素子(PZT)7に取り付けられた平面鏡、電磁的な可動器(例えばスピーカー)に取り付けられた平面鏡、電気光学素子(ポッケルスセル)等を利用することができる。ピエゾ素子7は印加される電圧によりその体積が変化するため、ピエゾ素子の体積変化に応じて光路長が変化する。図1においては、光路長変更手段7は、第2の光の光軸に対し45度の方向に平面鏡を移動させることができるように構成されている。また、図1においては、光路長変更手段7は二分の一波長板6と第一のレンズ8の間に配置されているが、この位置に限定されるものではなく、第2の光路(PBS3からBS2までの間)のいずれかに配置されていればよく、例えば第二のレンズ9とビームスプリッタ5の間に配置してもよい。
第一のレンズ8及び第二のレンズ9は、一対のレンズとして、第2の光を測定試料の微小領域に照射するために設けられる。光軸にほぼ平行な第2の光が第一のレンズ8によって集光され、試料を透過した後、第二のレンズ9によって再び平行光となる。第一のレンズ8と第二のレンズ9の間の間隔は第一のレンズ8の焦点距離と第二のレンズ9の焦点距離の合計とほぼ等しくなるように配置される。
試料移動手段10は、第一のレンズ8及び第二のレンズ9の間に配置され、試料を保持し、移動させる。試料移動手段10として、例えば、ステッピングモータ(SM)やピエゾ素子を利用した可動ステージを利用して、測定試料を光軸と直交する方向(測定試料の屈折率変化がある方向)に移動させてもよい。試料移動手段10で試料を光軸と直交する方向に移動させながら、各部位での屈折率差や位相差を測定することで、測定試料内の空間的な屈折率変化や位相差変化を時間的な光路長変化に変換できる。このため、試料移動手段10により測定試料を2次元平面内または3次元空間内で動かしながら走査することにより、2次元または3次元の屈折率変化や位相差分布の測定が可能となる。
また、第一のレンズ8で集光された第2の光の試料移動手段10に保持された試料におけるビーム直径は、微小領域の大きさを画定し、横方向(光軸と直交する方向)の空間分解能を決定する。試料移動手段10を第一のレンズ8の焦点付近に配置すると、微小領域の大きさを小さくすることができる。試料移動手段10により測定試料を光軸と平行な方向に移動させて空間分解能を変更できるようにしてもよい。図1の計測システムにおいては、第一のレンズ8及び第二のレンズ9として、顕微鏡用対物レンズを使用し、測定試料において、およそ直径5μmに集光させた。つまり、図1の計測システムは、およそ直径5μmの領域の平均屈折率による光路長変化を測定していることになり、空間分解能は直径5μmである。平均屈折率による光路長変化を測定しているため、例えばこの空間分解能の大きさを変化させる事で平均屈折率を段階的に変化させる事も可能であり、急激な屈折率の変化を回避する事ができる。
本発明においては、試料移動手段10で測定試料を動かすことによって、測定内の空間的な屈折率変化が時間的な光路長変化に変換され測定される。しかし、干渉計は単に第1の光と第2の光の相対位相を強度に変換して測定するのみなので、これ以外の原因による相対位相の変化は全てノイズの原因となる。その例としては光学部品の振動や、光路内での空気の揺らぎ、サンプル固定基板(例えば一対の石英ガラス)の屈折率むらなどが考えられる。しかし、こうしたノイズの多くは大きな領域でゆっくり変化する。これらのノイズは試料なしの測定により確認できるので、予め測定しておき、測定試料の空間的な屈折率変化による相対位相の変化がノイズと異なる(通常はより高い)周波数成分となるように測定試料の移動速度を選ぶことが可能である。これによりノイズ成分を適切なフィルターを用いて除去することができる。図1においては、測定試料の移動速度は、試料移動手段10の速度を制御する制御部(図示しない)により、ノイズと異なる周波数成分となるように移動速度が選択される。
光検出手段11は、第1の光と第2の光との干渉光の強度を検出するものである。光検出手段11として、光電子倍増管(photomultiplier tube:PMT)やアバランシェフォトダイオード(Avalanche Photo Diode)のような非常に感度の高い光検出素子、安価で小型な半導体検出器、例えばフォトダイオードやピンフォトダイオード、2次元でに検出するならCMOSセンサ、CCDセンサ等を利用することができる。
制御手段12は、光検出手段11において検出された干渉光の強度が入力され、強度に基づき光路長変更手段7における光路長の変更量をフィードバック制御するものである。図1においては、定電圧との差分をローパスフィルタ(LPF)を介して、光路長変更手段7のピエゾ素子のフィードバック制御を行っている。ピエゾ素子のフィードバック制御は、PBS3により分割された2つの光路における第1の光及び第2の光の位相差が常に所定量になるように制御される。試料を配置しない第1の光路(平面鏡4を配置した光路)の光路長は一定である。よって、制御手段12によってフィードバック制御を行うことにより、他方の試料を配置した第2の光路においても光路長変更手段7が光路長を変更するので、試料を介した光路長が一定となる。
図示しない変更量検出手段は、制御手段により制御された光路長変更手段7が第2の光路の光路長の変更量を検出するものである。図1のように、ピエゾ素子で光路長を変更する場合には、ピエゾ素子に印加される電圧を検出することで、第2の光路の光路長の変更量を検出することができる。
モニター13は、計測結果の出力手段であり、光検出手段11において検出された干渉光の強度、変更量検出手段において検出された第2の光路の光路長の変更量、試料の屈折率差、試料の位相差等の計測結果を表示するものである。出力手段は、モニター13ではなく、プリンターやコンピュータによるネットワークであってもよい。
このような計測システムを用いた計測方法を説明する。まず、光源1から照射されたレーザー光が、二分の一波長板2を介して、偏光ビームスプリッタ3により、2光束に分割される。第1の光路において第1の光束21は、平面鏡4を介してビームスプリッタ5に入る。これに対し、第2の光路において第2の光束22は、二分の一波長板6によって第1の光束21と同じ偏光方向になり、ピエゾ素子に取り付けられた平面鏡により反射される。光軸にほぼ平行な第2の光がレンズ8に入射すると、測定試料内に焦点を結び、レンズ9により再び平行光に戻る。その後、第2の光束は、BS5に入り、光検出手段11により2つの光路からの光の干渉光を検出する。光検出手段11の出力は制御回路12に入力され、第1の光及び第2の光の位相差が常に所定量になるように、つまり、光検出手段11の出力が常に所定の強度(定電圧)となるように、ピエゾ素子に印加する電圧を調整する。この時、図示しない変更量検出手段によって、ピエゾ素子に印加される電圧を検出し記録する。測定試料を試料移動手段10により移動させながらピエゾ素子に印加される電圧を検出および記録することにより、試料内における光路長差および屈折率差の分布を計測できる。その計測結果がモニタ13に表示される。
なお、試料の厚さが変化する場合、また測定波長における透過率が異なる場合には、補正をする必要がある。例えば透過率が異なり、試料を通過した第2の光の光量が低下する場合、光検出手段11で検出された光強度の低下が、透過率によって第2の光の光量が低下したことによるものか、第1の光と第2の光の位相差によるものなのかの区別がつかない。従ってあらかじめ試料の透過率を算出し、試料を通る光量と参照光の光量とが等しくなるように補正することが好ましい。光量は、図1の二分の一波長板2を調整したり、第一の光路上に試料と同等の透過率の部材を配置させることで補正できる。また厚みが異なる場合でも、屈折率の変化なのか、厚みの変化なのかが特定できないため、あらかじめ試料の厚みを測定しておき、光路長の変化なのか厚みの変化なのかを特定できるように補正を行なっておく。
次に、図3(a)(b)を用いて屈折率差の算出例を説明する。図3(a)は光検出手段11の出力電圧とピエゾ素子に印加される電圧の関係を表すもので、縦軸は電圧(V)、横軸は時間(s)を示す。グラフの上部は光検出手段11の出力電圧(左縦軸)、下部はピエゾ素子に印加される電圧(右縦軸)を示す。光検出手段11の出力における1波長分に相当するピエゾ素子の印加電圧を測定する。ここでは、1波長(λ=632.8nm)の光路長に対してピエゾ素子に印加される電圧は10.12Vであった。
図3(b)は試料を走査したときのピエゾ素子に印加される電圧値である。屈折率が高い領域(nH)から屈折率が低い領域(nL)に変化したときにピエゾ素子に印加される電圧に電位差が発生する。この例では電位差は9.68Vである。従って位相差Δφ=2π・9.68/10.12となる。また、Δφ=2πt(nH−nL)/λより、試料の厚さが20μmのとき、屈折率差Δn=0.030となる。
図4(a)(b)は、本発明の位相測定システムにて、位相変調格子の位相変調量を測定した結果である。図4(a)の試料は10μmの周期の位相変調格子である。この試料をステッピングモータで、AからBへスキャンする。走査速度は20μm/sである。図4(b)は、図4(a)の試料の測定結果を示す。縦軸は屈折率変調量Δnを示す。横軸は、A−B間における位置を示す。結果からわかるように、微小領域における位相分布および屈折率変調量を精密に測定することができる。
また、VPHグレーティング作製時と同等の露光条件にて液状フォトポリマーを用いた露光を行い、露光部分と未露光部分の屈折率差の精密測定を試みた。図5は、その結果を表すものであり、縦軸は屈折率変調量Δnを示し、横軸は位置を示す。露光用光源としてNd:YVOレーザ(λ=532nm)、レーザパワー16.38mW/cm、露光時間3s、露光エネルギー50mJ/cmでVPHグレーティングを作製した。この試料を10μm/sでスキャンした場合のピエゾ素子への印加電圧の変化から屈折率差を求めた。図5に示す測定結果による屈折率差は0.015に相当する。なお、試料をスキャンしない定常状態でのピエゾ素子への印加電圧の時間変化から、この測定での誤差はλ/100=6nm程度と見積もった。
また、約50μmのコア部分と150μmクラッド部分が並んでいる平面導波路の光路長変化の測定を試みた。図6は、平面導波路のコア幅の異なる4部位における測定結果を示す。縦軸の1目盛は、光路長変化1波長(633nm)分に相当し、横軸は位置を示す。コアおよびクラッド部分の厚さをt=50μm(一定)と仮定すると、コア部分とクラッド部分の屈折率変化はΔn=0.01266に相当する。測定時の条件では±20%程度の誤差が含まれていると考えられる。コアの形状(幅)やクラッド部分との位相差の試料依存性が明瞭に表れており、本システムを用いることにより屈折率差の測定が可能であることを確認した。ただし、この測定には試料以外の原因による位相変化も含まれていると考えられ、例えば離れたクラッド部分で位相差があるのは空気の揺らぎなどによるものと考えられる。これらの精度は光学系を密封するなどの方法によって向上できると考えている。
さらに、試料として生体細胞を計測することもできる。図7(a)は、試料の光学顕微鏡写真であり、(b)はy方向及びz方向の2次元光路長変化の分布の計測結果である。試料は、ウシガエルの舌の表皮細胞であり、50μmの高さの円形スペーサ71の内側に生理食塩水の中に入れた細胞を一対の石英ガラスによって挟み測定用の試料を作成した。円形スペーサ71によって、石英ガラス間の距離を一定にして、試料の厚みを50μmとすることができる。この試料を図7(a)の矢印72で示すように、測定試料をy方向に1μm/sでスキャンした後、z方向に1μmずらし、再度y方向にスキャンすることで、図7(b)に示すように2次元の光路長変化の分布(屈折率差で表示)を計測できた。このように、これまで位相差顕微鏡では輪郭しか観察することができなかった生体細胞をほぼ定量的に計測できた。本実施例では、0.02λ(10nmオーダー)の微小な光路長変化も計測できている。なお、図7(b)の計測結果において、y方向に筋が延びているのは、ピエゾステージによる移動にヒステリシスが発生していたために観察されたものであり、より精度の高い試料移動手段を使用すれば改善できる。
図8(a)はプラスチック光ファイバの断面の光学顕微鏡写真であり、図8(b)は、図8(a)の点線における屈折率変化の計測結果であり、縦軸は屈折率変調量Δnを示し、横軸は位置を示す。図8(a)のプラスチック光ファイバは、厚さ(図8(A)の紙面垂直方向の奥行き)194μmであり、円形に屈折率が分布するコアが4つ並列に配置されている。測定試料透過後の散乱を抑えるため、光ファイバは、マッチングオイル(n=1.532)の中に入れ、ARコート(Anti-Reflection treatment coatingの略であり、表面反射を軽減し、透過率を増加させる目的のコ−ティング)の施してある石英ガラスで挟んで、測定用の試料を作成した。かかる試料をステッピングモータを使用して移動させながら、屈折率変化を計測した。図8(b)に示すように、数100μmの広い領域における5λ(数μmオーダー)の大きな光路長変化についても計測できた。
本発明の計測システム 位相差および屈折率差の測定の原理 位相差および屈折率差の算出例 本発明を用いた測定結果1 本発明を用いた測定結果2 本発明を用いた測定結果3 本発明を用いた測定結果4 本発明を用いた測定結果5
符号の説明
1 光源
2、6 二分の一波長板
3 偏光ビームスプリッタ
4 ミラー
5 ビームスプリッタ
7 光路長変更手段
8、9 レンズ
10 試料移動手段
11 光検出手段
12 制御手段

Claims (13)

  1. 光を照射する光源であるレーザと、
    前記光源により照射された光を第1の光路と、第2の光路に分割する分割手段と、
    前記第2の光路の光路長を変更する光路長変更手段と、
    前記第2の光路内に配置された一対のレンズと、
    前記一対のレンズの間に試料を配置し移動させる試料移動手段と、
    前記第1の光路からの光と第2の光路からの光との干渉光の強度を検出する光検出手段と、
    前記光検出手段において検出された干渉光の強度に基づき前記光路長変更手段における光路長の変更量をフィードバック制御する制御手段と、
    前記制御手段により制御された前記光路長の変更量を検出する変更量検出手段と、を備えることを特徴とする計測システム。
  2. 前記試料移動手段は、前記試料に入射する光の光軸に対して直交する方向に前記試料を移動可能に構成された第1の試料移動手段と、前記試料に入射する光の光軸に対して平行な方向に前記試料を移動可能に構成された第2の試料移動手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
  3. 前記光路長変更手段は、前記第2の光の光軸に対して傾けて配置された平面鏡を備え、前記第2の光の光路長を変更する機能を有すると共に、前記第2の光の光路を変更する機能を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の計測システム。
  4. 前記光路長変更手段は、前記第2の光の光軸に対して45度の方向に前記平面鏡を移動可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の計測システム。
  5. 前記変更量検出手段により検出される光路長の変更量に基づいて、試料を透過する光の位相差を算出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の計測システム。
  6. 前記変更量検出手段により検出される光路長の変更量に基づいて、試料内の屈折率差を算出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の計測システム。
  7. 前記光路長変更手段はピエゾ素子を有し、前記変更量検出手段は、ピエゾ素子に印加される電圧値を検出することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の計測システム。
  8. 前記制御手段は、前記光検出手段において検出された干渉光の強度が所定の値となるように前記光路長変更手段にフィードバック制御することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の計測システム。
  9. 光源であるレーザから照射された光を第1の光と、第2の光に分割し、
    前記第2の光をレンズによって試料に照射し、
    試料を通過した第2の光と前記第1の光との干渉光の強度を検出し、
    前記干渉光の強度に基づき前記第2の光の光路長を変更し、
    前記光路長の変更量を検出することにより、前記試料の屈折率差または試料を透過する光の位相差を算出することを特徴とする計測方法。
  10. 前記試料を光軸に対して直交する方向に移動させ、前記試料の複数の位置において、前記光路長の変更量を検出することにより、前記試料を透過する光の位相差の分布を算出することを特徴とする請求項に記載の計測方法。
  11. 前記試料を光軸に対して直交する方向に移動させ、前記試料の複数の位置において、前記光路長の変更量を検出することにより、前記試料の屈折率差の分布を算出することを特徴とする請求項に記載の計測方法。
  12. 前記試料を光軸に対して平行方向に移動させて空間分解能を変更することを特徴とする請求項10又は11に記載の計測方法。
  13. 前記制御手段は、前記干渉光の強度が所定の値となるように前記第2の光の光路長を変更することを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載の計測方法。
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