JP5361456B2 - 証券取引自動執行システム - Google Patents

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Description

この発明は証券取引自動執行システムに係り、特に、株式を予め設定しておいた条件に従い、自動的に売買するシステムに関する。
証券取引の自動執行システムとして、これまでも特許文献1に記載の技術が存在していた。この自動執行システムは、所定の発注タイミングが到来する度に、予め設定された発注スケジュール定義データ(ボリュームカーブ)を参照して現時点までの予定執行率を求め、この予定執行率を注文総数に乗じた予定数量を算出し、この予定数量と現時点までの実施数量との差分が正の場合には、その差分相当数量の注文データを証券取引所のコンピュータに送信する機能を備えている。
この自動執行システムを利用するトレーダは、予め発注スケジュールや価格戦略等の各設定項目について詳細に定義した自動執行用アルゴリズムをデータベースに複数登録しておき、発注時に適用すべきアルゴリズムを選択することにより、銘柄の特性や市場の情勢にマッチした注文を発することが可能となる。
特開2008-209986
しかしながら、この従来の自動執行システムにおいては、アルゴリズム単位で発注スケジュールや価格戦略等について多数の項目を設定していく必要があり、トレーダに対して多大な手間暇を強いていた。また、各アルゴリズムは多数の設定項目を複雑に組合せた構造を備えているため、一旦定義されたアルゴリズムの内容を第三者が理解することは容易でなく、アルゴリズムの保守性や再利用性という観点からも問題があった。
この発明は、このような従来の自動執行システムが抱えていた問題を解決するために案出されたものであり、自動執行用アルゴリズムの設定及び内容把握の容易化を実現できる技術の実現を目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載した証券取引自動執行システムは、予め設定された任意の数の動作モード毎に、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従って新規発注の要否を判定する機能と、新規発注が必要な場合には、予め設定されたルールに従って新規注文数量を算出する機能と、指定された発注部品をインスタンス化して発注部を生成し、この発注部に上記注文数量を割り当てる機能を備えたプログラム部品である注文分割部品を、固有の注文分割部品名に関連付けて複数格納しておく記憶手段と、予め設定されたルールに従って新規注文の価格を算出する機能と、この価格による、自己に割り当てられた注文数量分の新規注文情報を取引所のコンピュータに送信する機能と、予め設定された任意の数の動作モード毎に、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従って価格変更の要否を判定する機能と、価格変更が必要な場合には、予め設定されたルールに従って変更後の価格を算出し、当該価格による訂正注文情報を取引所のコンピュータに送信する機能を備えたプログラム部品である発注部品を、固有の発注部品名に関連付けて複数格納しておく記憶手段と、少なくとも特定の注文分割部品の各動作モードと特定の発注部品との組合せ情報を含む自動執行用アルゴリズムの設定情報を、固有のアルゴリズム名に関連付けて複数格納しておくアルゴリズム記憶手段と、銘柄コード、売買種別、注文総数、アルゴリズム名を特定する証券取引の自動執行リクエストが入力された場合に、上記アルゴリズム記憶手段を参照し、当該アルゴリズム名に関連付けられた注文分割部品名と、発注部品名を特定すると共に、対応の注文分割部品をインスタンス化して注文分割部を生成し、銘柄コード、売買種別、注文総数、発注部品名を当該注文分割部に伝達する執行制御部を備え、上記注文分割部は、予め設定された任意の数の動作モード毎に、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従って新規発注の要否を判定し、新規発注が必要な場合には、予め設定されたルールに従って新規注文数量を算出すると共に、指定された発注部品をインスタンス化して発注部を生成し、上記の銘柄コード、売買種別、新規注文数量を当該発注部に伝達する処理を実行し、上記発注部は、予め設定されたルールに従って新規注文の価格を算出し、この価格による、自己に割り当てられた数量分の新規注文情報を取引所のコンピュータに送信すると共に、予め設定された任意の数の動作モード毎に、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従って価格変更の要否を判定し、価格変更が必要な場合には、予め設定されたルールに従って変更後の価格を算出し、当該価格による訂正注文情報を取引所のコンピュータに送信する処理を実行することを特徴としている。
請求項に記載した証券取引自動執行システムは、請求項のシステムであって、さらに、上記執行制御部は、取引所のコンピュータから送信された市況データを上記注文分割部に随時伝達する機能を備え、上記注文分割部は、この市況データを予め設定されたルールに当てはめて新規注文数量を算出することを特徴としている。
請求項に記載した証券取引自動執行システムは、請求項またはのシステムであって、さらに、上記執行制御部は、取引所のコンピュータから送信された市況データを上記発注部に随時伝達する機能を備え、上記発注部は、この市況データに基づいて訂正注文情報を生成することを特徴としている。
請求項に記載した証券取引自動執行システムは、請求項1〜のシステムであって、さらに、上記自動執行用アルゴリズムの設定情報の一部として、ボリュームカーブ選択部品名が含まれており、注文総数に対する執行率の推移と、取引時間の経過との対応関係を規定するボリュームカーブデータを格納しておく記憶手段と、予め設定されたルールに従って参照すべきボリュームカーブデータを特定する機能を備えたプログラム部品であるボリュームカーブ選択部品を、固有のボリュームカーブ選択部品名に関連付けて複数格納しておく記憶手段を備え上記執行制御部は、証券取引の自動執行リクエストが入力された場合に、上記アルゴリズム記憶手段を参照して当該アルゴリズム名に関連付けられたボリュームカーブ選択部品名を特定する機能と、対応のボリュームカーブ選択部品をインスタンス化してボリュームカーブ選択部を生成する機能と、上記注文分割部からボリュームカーブ比率についての問合わせがあった際に、当該ボリュームカーブ選択部によって特定されたボリュームカーブデータを参照し、現時点におけるボリュームカーブ比率を注文分割部に渡す機能を備え、上記注文分割部は、このボリュームカーブ比率に基づいて新規注文数量を算出することを特徴としている。
請求項に記載した証券取引自動執行システムは、請求項のシステムであって、さらに、上記自動執行用アルゴリズムの設定情報の一部として、ボリュームカーブ変更部品名が含まれており、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従ってボリュームカーブデータに対する変更を指令する機能を備えたプログラム部品であるボリュームカーブ変更部品を、固有のボリュームカーブ変更部品名に関連付けて複数格納しておく記憶手段を備え上記執行制御部は、証券取引の自動執行リクエストが入力された場合に、上記アルゴリズム記憶手段を参照して当該アルゴリズム名に関連付けられたボリュームカーブ変更部品名を特定する機能と、対応のボリュームカーブ変更部品をインスタンス化してボリュームカーブ変更部を生成する機能と、上記注文分割部からボリュームカーブ比率についての問合わせがあった際に、当該ボリュームカーブ変更部によってボリュームカーブデータに対する変更が指令されている場合には、上記ボリュームカーブデータを参照して得られた現時点におけるボリュームカーブ比率に対し必要な変更を加えたボリュームカーブ比率を注文分割部に渡す機能を備え、上記注文分割部は、この変更を加えられたボリュームカーブ比率に基づいて新規注文数量を算出することを特徴としている。
請求項1に記載の証券取引自動執行システムにあっては、証券取引の自動執行処理が、注文総数を複数の個別注文数量に分割する注文分割部と、分割された各注文数量分の注文情報を生成する複数の発注部との協動によって達成され、注文分割部と各発注部はトレーダ等によって予め設定された注文分割部品及び発注部品をインスタンス化することによって実現される仕組みを備えている。
このためトレーダは、予め定義しておいた注文分割部品と発注部品を適宜組み合わせることにより、複雑な動作を行う自動執行用アルゴリズムを極めて容易に設定することが可能となる。また、アルゴリズムの制御パターンを変更する場合にも、注文分割部品と発注部品の組合せを変更することで簡単に実現できる。
また、第三者にとっても、アルゴリズムが注文分割部品と発注部品との組合せから構成されているため、注文分割部品と発注部品の設定内容を段階的に辿っていくことでアルゴリズム全体の動作を把握しやすくなり、その再利用性や保守性を向上させることが可能となる。
さらに、各発注部品が、注文の価格を予め設定された任意の数の動作モード毎に自動訂正する機能を備えているため、予め各動作モードが発動されるタイミングと、価格変更の要否判定ルール及び変更価格算出のルールを適宜設定しておくことにより、トレーダは自動執行処理に対して自己の価格戦略を柔軟に反映させることが可能となる。
請求項に記載の証券取引自動執行システムにあっては、注文分割部が市況データを予め設定されたルールに当てはめて新規注文数量を算出する機能を備えているため、トレーダは市況データとルールとの関係を適切に設定しておくことにより、市場の状況に適合した自動執行処理を実現することが可能となる。
請求項に記載の証券取引自動執行システムにあっては、発注部が市況データを予め設定されたルールに当てはめて価格変更の訂正注文情報を生成する機能を備えているため、トレーダは市況データとルールとの関係を適切に設定しておくことにより、自動執行処理に対し市場の状況に適合した価格戦略を反映させることが可能となる。
請求項に記載の証券取引自動執行システムにあっては、注文分割部がボリュームカーブ比率(予定執行率)に基づいて新規注文数量を算出する機能を備えており、参照すべきボリュームカーブデータはボリュームカーブ選択部品をインスタンス化させたボリュームカーブ選択部によって特定される仕組みを備えているため、トレーダはアルゴリズムの設定時に適切なボリュームカーブ選択部品を関連付けておくことにより、自動執行処理のペースを簡単に規定することが可能となる。
請求項に記載の証券取引自動執行システムにあっては、ボリュームカーブ変更部品をインスタンス化させたボリュームカーブ変更部により、取引の途中でボリュームカーブ比率に対する変更の要否が判定され、変更が必要であると判定された場合、注文分割部は変更済のボリュームカーブ比率に基づいて新規注文数量を算出する仕組みを備えているため、トレーダはアルゴリズムの設定時に適切なボリュームカーブ変更部品を関連付けておくことにより、自動執行処理のペースを柔軟に調整することが可能となる。

図1は、この発明に係る証券取引自動執行システム10の全体構成を示すブロック図であり、設定登録部12と、アルゴリズムDB14と、執行制御部16と、注文分割部18と、複数の発注部20と、ボリュームカーブ選択部21と、ボリュームカーブ変更部22とを備えている。
設定登録部12、執行制御部16、注文分割部18、各発注部20、ボリュームカーブ選択部21及びボリュームカーブ変更部22は、コンピュータのCPUがOS及び専用のアプリケーションプログラムに従って必要な処理を実行することにより実現される。また、アルゴリズムDB14は、同コンピュータのハードディスク内に設けられている。
設定登録部12及び執行制御部16には、通信ネットワークを介してトレーダの操作するクライアント端末23が接続されている。
また、執行制御部16は、通信ネットワークを介して証券取引所のコンピュータ24と接続されている。証券取引所のコンピュータ24から執行制御部16に対しては、市況データ(銘柄コード毎の現在値データ、気配値データ、出来高データ等)及び約定データ(注文ID、約定数量、約定価格、約定日時等)が断続的に送信される。
このシステム10を利用するに当たり、トレーダは事前に複数の自動執行用アルゴリズムを設定し、アルゴリズムDB14内に登録しておく必要がある。
このためにトレーダは、クライアント端末23上に専用のアプリケーションプログラムを立ち上げて設定登録部12にアクセスし、アルゴリズム設定画面をディスプレイに表示させる。
図2は、クライアント端末23のディスプレイに表示されたアルゴリズム設定画面30の一例を示すものであり、左側ペイン31にはアルゴリズム32、ボリュームカーブ選択部品33、ボリュームカーブ変更部品34、注文分割部品35、発注部品36の各設定項目がツリー状に配置されている。
ここでトレーダは、アルゴリズム32の枝を選択した状態で右クリックを行い、展開される右クリックメニュー中から「アルゴリズムの追加」を選択し、アルゴリズム名をタイプ入力する。この結果、アルゴリズム32の配下に新しいアルゴリズム名が追加される。ここでは、「VWAP戦略」が新たに追加されたものとする。
つぎにトレーダは、追加した「VWAP戦略」を選択した状態で、右側ペイン37に表示されたボリュームカーブ選択部品指定欄38、ボリュームカーブ変更部品指定欄39、注文分割部品指定欄40に対し、具体的なボリュームカーブ選択部品名、ボリュームカーブ変更部品名、注文分割部品名を選択入力する。またトレーダは、発注部品指定欄41において、表示された発注部品のニモニック(ここでは「$LimitOrder」が表示されている)と関連付けられるべき発注部品を選択入力する。
ここで「ボリュームカーブ」とは、注文総数に対する執行率の推移と時間の経過との対応関係を示した曲線を意味し、執行のペースを規定する発注スケジュール定義データと同義である。図3はボリュームカーブの一例を示すものであり、銘柄ごとに証券取引所における一日の取引時間と出来高の対応関係を複数日間で平均化した曲線が描かれている。これは、例えばVWAPといわれる、取引所における対象銘柄の出来高加重平均を約定価格のターゲットとするアルゴリズムにおいて採用される。これ以外にも、例えばArrivalPriceといわれるアルゴリズムでは、過去の銘柄の統計値にしたがって理論的にマーケットインパクトを最小化するような曲線を演算によってもとめたものが、ボリュームカーブとして用いられる。
「ボリュームカーブ選択部品」とは、当該アルゴリズムの起動時に予め設定された条件の判定を行い、適用されるべきボリュームカーブを決定する機能を発揮するプログラム部品を意味している。このボリュームカーブ選択部品をインスタンス化することにより、上記のボリュームカーブ選択部21が生成される。
図においては、「サンプルVWAP1」という名前のボリュームカーブ選択部品が指定されている。
なお、具体的なボリュームカーブのデータは、アルゴリズムDB14に格納されている。
「ボリュームカーブ変更部品」とは、当該アルゴリズムの実行中に、予め設定されたタイミングで変更条件の判定を行い、ボリュームカーブに必要な変更を加える機能を発揮するプログラム部品を意味している。このボリュームカーブ変更部品をインスタンス化することにより、上記のボリュームカーブ変更部22が生成される。
図においては、「サンプル5分先行」という名前のボリュームカーブ変更部品が指定されている。
「注文分割部品」とは、与えられた注文総数を所定のルールに従って複数の個別注文に分割すると共に、個別注文毎に当該注文処理を担当する発注部品をインスタンス化し、算出した個別注文数量を割り当てる機能を発揮するプログラム部品を意味している。この注文分割部品をインスタンス化することにより、上記の注文分割部18が生成される。
図においては、「5分スライス」という注文分割部品が選択されている。
「発注部品」とは、注文分割部18によって割り当てられた数量の個別注文情報を執行制御部16を介して証券取引所のコンピュータ24に送信すると共に、所定のロジックに従って価格を操作することにより、できるだけ有利な価格での約定の成立を追求する機能を発揮するプログラム部品を意味している。この発注部品をインスタンス化することにより、上記の発注部20が生成される。
図においては、「$LimitOrder」という発注部品のニモニック(略称)に対して「5分後譲歩」という発注部品が関連付けられている。詳細は後述するが、この発注部品のニモニックは、注文分割部品指定欄40において選択された注文分割部品の設定時に、トレーダによって命名されたものである。
図4は、アルゴリズムの設定項目をまとめたものである。これらボリュームカーブ選択部品の指定、ボリュームカーブ変更部品の指定、注文分割部品の指定、発注部品のニモニックと発注部品との関連付けを完了したトレーダは、メニューバーの「ファイル(F)→保存(S)」を順にクリックすることにより、設定の登録を求める。これを受けた設定登録部12は、「ボリュームカーブ選択部品:サンプルVWAP1、ボリュームカーブ変更部品:サンプル5分先行、注文分割部品:5分スライス、発注部品のニモニック($LimitOrder)=:5分後譲歩」の組合せ情報を、「VWAP戦略」のアルゴリズム名に関連付けてアルゴリズムDB14に格納する。
図2のアルゴリズム設定画面30においては、「VWAP戦略」以外にも「パーティシペーション」、「オポチュニティ」、「PEG最良気配」といったアルゴリズム名が列記されているが、各アルゴリズムについても上記したボリュームカーブ選択部品の指定、ボリュームカーブ変更部品の指定、注文分割部品の指定、発注部品のニモニックと発注部品との関連付けが原則としてなされている。ただし、アルゴリズムによっては注文分割部18が個別注文数量を算出する際にボリュームカーブを参照する必要のないものもあり、この場合にはボリュームカーブ選択部品の指定及びボリュームカーブ変更部品の指定は省略される。また、最初に選択したボリュームカーブを途中で変更する必要がない場合には、ボリュームカーブ選択部品の指定のみがなされ、ボリュームカーブ変更部品の指定は省略される。
トレーダは、独自のアルゴリズムを設定するために、事前に自分専用のボリュームカーブ選択部品、ボリュームカーブ変更部品、注文分割部品、発注部品を設定しておく。
まずボリュームカーブ選択部品の設定について説明すると、図5に示すように、アルゴリズム設定画面30の左側ペイン31においてボリュームカーブ選択部品33の枝を選択した状態で右クリックを行い、展開される右クリックメニュー中から「ボリュームカーブ選択部品の追加」を選択し、ボリュームカーブ選択部品名をタイプ入力する。この結果、ボリュームカーブ選択部品33の配下に新しいボリュームカーブ選択部品名が追加される。ここでは、「サンプルVWAP1」が新たに追加されたものとする。
ボリュームカーブ選択部品に関しては、アルゴリズム起動時の状況に応じてボリュームカーブを切り替え可能とするために、複数の動作モードを設定しておくことができる。具体的には、アルゴリズム設定画面30の左側ペイン31において「サンプルVWAP1」の枝を選択した状態で右クリックを行い、展開される右クリックメニュー中から「動作モードの追加」を選択し、動作モード名をタイプ入力する。この結果、「サンプルVWAP1」の配下に新しい動作モードが追加される。図においては、「通常日」及び「SQ日」の2つの動作モードが設けられている。ここで「SQ日」とは、先物・オプション取引の清算日を意味している。
つぎにトレーダは、追加した動作モードを選択した状態で、右側ペイン37に表示されたボリュームカーブ選択入力欄42に対し、特定のボリュームカーブを選択入力する。また、適用条件入力欄43に対して、具体的な設定値を打鍵入力する。
図においては、「SQ日」の動作モードが選択されており、そのボリュームカーブとして「VWAP」が、また適用条件として「SQ日」が設定されている。これは、アルゴリズムの起動時がSQ日に該当する場合には、ボリュームカーブとして「VWAP」が参照されるべきことがルール化されていることを意味している。
図6は、ボリュームカーブ選択部品に係る設定項目をまとめたものである。これら動作モードの生成、各動作モードにおけるボリュームカーブの指定及び適用条件の指定を完了したトレーダは、メニューバーの「ファイル(F)→保存(S)」を順にクリックすることにより、設定の登録を求める。これを受けた設定登録部12は、ボリュームカーブ選択部品の共通機能について記述された雛形のプログラムコードに対して、トレーダが選択入力した設定事項に対応したコードを付加して固有のボリュームカーブ選択部品を自動生成し、「サンプルVWAP1」のプログラム部品名に関連付けてアルゴリズムDB14に格納する。
つぎにトレーダは、ボリュームカーブ変更部品の設定に移る。すなわち、図7に示すように、アルゴリズム設定画面30の左側ペイン31においてボリュームカーブ変更部品34の枝を選択した状態で右クリックを行い、展開される右クリックメニュー中から「ボリュームカーブ変更部品の追加」を選択し、ボリュームカーブ変更部品名をタイプ入力する。この結果、ボリュームカーブ変更部品34の配下に新しいボリュームカーブ変更部品名が追加される。ここでは、「サンプル5分先行」が新たに追加されたものとする。
ボリュームカーブ変更部品に関しては、アルゴリズム実行中の状況変化に応じてボリュームカーブの柔軟な調整を可能とするために、複数の動作モードを設定しておくことができる。具体的には、アルゴリズム設定画面30の左側ペイン31において「サンプル5分先行」の枝を選択した状態で右クリックを行い、展開される右クリックメニュー中から「動作モードの追加」を選択し、動作モード名をタイプ入力する。この結果、「サンプル5分先行」の配下に新しい動作モードが追加される。図においては、「受注時」の動作モードのみが設けられているが、複数の動作モードを生成することも可能である
つぎにトレーダは、追加した動作モードを選択した状態で、右側ペイン37に表示されたタイミング選択入力欄44、変更条件入力欄45、アクション入力欄46に対し、具体的な設定値を入力する。
図においては、タイミングとして「新規案件」が選択入力されている。また、アクションとして「ボリュームカーブ調整(分, 5.0)」が入力されている。これは、トレーダからの新規案件の発注がなされた場合には、現在のボリュームカーブを5分間進めることがルール化されていることを意味している。
ここでは変更条件入力欄45がブランクであるため、新規案件のタイミングに合致する場合には常にボリュームカーブが5分間進められることとなるが、変更条件入力欄45に条件式を予め入力しておくことにより、より細かい制御を行うこともできる。例えば、条件式として「新規案件の注文数量が注文総数の3%超えること」を所定の文法で記述しておくことが該当する。
図8は、ボリュームカーブ変更部品に係る設定項目をまとめたものである。これら動作モードの生成、各動作モードにおけるタイミングの指定、変更条件の設定、アクションの設定を完了したトレーダは、メニューバーの「ファイル(F)→保存(S)」を順にクリックすることにより、設定の登録を求める。これを受けた設定登録部12は、ボリュームカーブ変更部品の共通機能について記述された雛形のプログラムコードに対して、トレーダが選択入力した設定事項に対応したコードを付加して固有のボリュームカーブ変更部品を自動生成し、「サンプル5分先行」のプログラム部品名に関連付けてアルゴリズムDB14に格納する。
つぎにトレーダは、注文分割部品の設定に移る。すなわち、図9に示すように、アルゴリズム設定画面30の左側ペイン31において注文分割部品35の枝を選択した状態で右クリックを行い、展開される右クリックメニュー中から「注文分割部品の追加」を選択し、注文分割部品名をタイプ入力する。この結果、注文分割部品35の配下に新しい注文分割部品名が追加される。ここでは、「5分スライス」が新たに追加されたものとする。
注文分割部品に関しても、予め1または複数の動作モードを設定しておく。具体的には、アルゴリズム設定画面30の左側ペイン31において「5分スライス」の枝を選択した状態で右クリックを行い、展開される右クリックメニュー中から「動作モードの追加」を選択し、動作モード名をタイプ入力する。この結果、「5分スライス」の配下に新しい動作モードが追加される。図においては、「スライス」の動作モードのみが設けられている。
つぎにトレーダは、追加した「スライス」の動作モードを選択した状態で、右側ペイン37に表示されたタイミング選択入力欄48、条件入力欄49及び内容入力欄50に対し、具体的な設定値を選択入力する。
ここでタイミング選択入力欄48は、発注部品をインスタンス化して発注部20を生成し、新たな注文を発するか否かを判定する際の時間的条件を規定する項目であり、図においては「5分間隔」で判定を行うべき旨が規定されている。
また条件入力欄49は、発注部品をインスタンス化して新規注文を発するか否かの判定ルール(基準)を規定する項目であり、図においては「ボリュームカーブ比率を参照し、現時点までの約定数量が予定よりも遅れている場合には新規注文を発すべき」ことを指定する条件式が独自の文法で記述されている。
内容入力欄50は、発注部品のニモニック入力欄50(a)、割当数量入力欄50(b)、丸め方法選択欄50(c)から成り立っている。トレーダは、発注部品のニモニック入力欄50(a)に発注処理を担うべき発注部品の任意のニモニックを入力する。つぎにトレーダは、割当数量入力欄50(b)に数量算出のルールを入力する。具体的には、「式設定」のボタンをクリックして入力ウィンドウを開き、例えば「ボリュームカーブを参照して現時点における予定数量を算出し、この予定数量から現時点までの約定数量を減じた差を割当数量とする」ことを規定する計算式を、独自の文法で記述する。最後にトレーダは、丸め方法選択欄50(c)に割当数量に端数が生じた場合の丸め方法(四捨五入や切り捨て等)を選択入力する。
図10は、注文分割部品に係る設定項目をまとめたものである。これら動作モードの生成、各動作モードにおけるタイミングの指定、条件の設定、内容の設定(発注部品のニモニックの入力、割当数量の計算式の入力、丸め方法の選択)を完了したトレーダは、メニューバーの「ファイル(F)→保存(S)」を順にクリックすることにより、設定の登録を求める。これを受けた設定登録部12は、注文分割部品の共通機能について記述された雛形のプログラムコードに対して、トレーダが選択入力した設定事項に対応したコードを付加して固有の注文分割部品を自動生成し、「5分スライス」のプログラム部品名に関連付けてアルゴリズムDB14に格納する。
つぎにトレーダは、発注部品の定義に移る。すなわち、図11に示すように、アルゴリズム設定画面30の左側ペイン31において発注部品36の枝を選択した状態で右クリックを行い、展開される右クリックメニュー中から「発注部品の追加」を選択し、発注部品名をタイプ入力する。この結果、発注部品36の配下に新しい発注部品名が追加される。ここでは、「5分後譲歩」が新たに追加されたものとする。
この発注部品に関しても、トレーダの価格戦略をより柔軟に具現化するために、1または複数の動作モードを設定しておくことができる。具体的には、アルゴリズム設定画面30の左側ペイン31において「5分後譲歩」の枝を選択した状態で右クリックを行い、展開される右クリックメニュー中から「動作モードの追加」を選択し、動作モード名をタイプ入力する。この結果、「5分後譲歩」の配下に新しい動作モードが追加される。図においては、「新規発注」、「PEG動作」、「5分後に譲歩」の3つの動作モードが設けられている。
この動作モードの数に制限はないが、少なくとも「新規発注」に相当する動作モードは設けられる必要がある。
つぎにトレーダは、追加した動作モードを選択した状態で、右側ペイン37に表示されたタイミング選択入力欄52、条件入力欄53、アクション入力欄54に対し、具体的な設定値を選択入力する。
図においては、「PEG動作」が選択されており、そのタイミングとして「時価情報」が選択入力されている。この「タイミング」とは、当該動作モードが発動されるべき時間的条件を意味しており、「時価情報」の値は「時価が変動した場合」を意味している。
また、条件入力欄53は価格を変更するか否かの判定ルールを規定する項目であり、図においては「現在の最良気配と自己の指値を比較し、両者に乖離が生じていた場合には訂正注文を発すべき」旨の条件式が独自の文法で記述されている。
アクション入力欄54は、注文の種別(新規注文/訂正注文)及びその価格を算出するためのルールを規定する項目であり、図においては「自己の注文価格を市場の最良気配価格(ただし執行制限値段内)に訂正する」旨が設定されている。
トレーダは、「新規発注」、「PEG動作」、「5分後に譲歩」のそれぞれの動作モードについて、上記の「タイミング」、「条件」、「アクション」を設定する。
図12は、「5分後譲歩」の発注部品に係る設定内容を模式的に示すものであり、「新規発注」については、タイミングとして「生成直後」が、アクションとして「新規発注/最良気配価格」が設定されている。新規発注の場合には、単純に新規注文情報を取引所のコンピュータに送信するだけで済むため、条件についてはブランクとなされている。
また、「5分後に譲歩」については、タイミングとして「生成後5分経過時」が、アクションとして「価格訂正/逆最良気配価格」が設定されている。「5分後に譲歩」の場合にも、時間的条件(タイミング)だけで発注が決まり、その要否を判定する必要がないため、条件についてはブランクとなされている。
図13は、発注部品に係る設定項目をまとめたものである。これら動作モードの生成、各動作モードにおけるタイミングの指定、条件の設定、アクションの設定を完了したトレーダは、メニューバーの「ファイル(F)→保存(S)」を順にクリックすることにより、設定の登録を求める。これを受けた設定登録部12は、発注部品の共通機能について記述された雛形のプログラムコードに対して、トレーダが選択入力した設定事項に対応したコードを付加して固有の発注部品を自動生成し、「5分後譲歩」のプログラム部品名に関連付けてアルゴリズムDB14に格納する。
図14は、このシステム10におけるアルゴリズムの構成を示すものであり、各アルゴリズムはボリュームカーブ選択部品と、ボリュームカーブ変更部品と、注文分割部品を備えており、注文分割部品は動作モードに応じた複数の発注部品を備えている。ただし、注文分割部品について、ボリュームカーブを参照することなく個別の発注数量を算出するルールが規定されている場合には、ボリュームカーブ選択部品及びボリュームカーブ変更部品の指定は不要となる。また、注文分割部品が単一の動作モードのみを備えている場合には、発注部品は一つとなる。したがって、アルゴリズムの最小構成としては、一つの注文分割部品と一つの発注部品の組合せということになる。
先に図2に基づいて説明したように、トレーダはアルゴリズム構成の設定画面において、ボリュームカーブ選択部品、ボリュームカーブ変更部品、注文分割部品を選択入力すると共に、発注部品のニモニックと発注部品名との関連付けを行う。
つぎに、この自動執行システム10の利用方法について説明する。
まずトレーダは、クライアント端末23から執行制御部16にアクセスし、図15に示すように、ディスプレイに自動執行リクエスト画面60を表示させた後、自動執行の細目を設定する。
すなわち、売買種別選択欄61に「買い/売り」の種別を選択入力すると共に、銘柄コード入力欄62に銘柄コードを入力し、市場選択欄63において任意の証券取引所を選択入力し、数量入力欄64に注文総数を入力し、約定価格に上限または下限がある場合には執行制限値段入力欄65に具体的な価格を入力する。つぎに、アルゴリズム選択欄66において▼ボタンをクリックすると、当該トレーダが設定したアルゴリズム名が列挙されたプルダウンメニューが表示されるため、利用を希望するアルゴリズム名を選択する。
ここで、ユーザが選択したアルゴリズムの構成中に、パラメータの補充が必要なルールが含まれている場合、パラメータ入力欄67に項目名及び型が表示されるため、トレーダは値入力欄67aに具体的なパラメータを入力する。
例えば、注文分割部品の設定に際し、割当数量入力欄50bに「市場出来高のX%分の数量を注文数量とする」という算出ルールが設定されていた場合、パラメータ入力欄67において、項目名に「関与率」が、型に「小数」が表示される。これに対しトレーダは、値として「0.3」等の具体的な数値を入力する。
以上の設定を終了したユーザは、実行ボタン68をクリックし、自動執行システム10の執行制御部16に対して自動執行を指令する。
つぎに、図16のフローチャートに従い、執行制御部16の動作について説明する。まず、クライアント端末23から売買種別、銘柄コード、市場、数量、アルゴリズム等の指定を伴う自動執行リクエストを受信した執行制御部16は(S10)、アルゴリズムDB14を参照し、指定されたアルゴリズム(VWAP戦略)に係るボリュームカーブ選択部品、ボリュームカーブ変更部品、注文分割部品、発注部品を特定する(S12)。
つぎに執行制御部16は、対応のボリュームカーブ選択部品、ボリュームカーブ変更部品及び注文分割部品をインスタンス化し、ボリュームカーブ選択部21、ボリュームカーブ変更部22及び注文分割部18を生成する(S14)。
つぎに執行制御部16は、注文分割部18に対して銘柄コード、売買種別、数量、発注部品名を渡す(S16)。
ボリュームカーブ選択部21は、現在時刻と所定の領域に格納されたカレンダー情報及びSQ日情報とを比較し、本日がSQ日か通常日かを判断し、この結果に基づいて適用すべきボリュームカーブ名を特定し、当該ボリュームカーブ名を執行制御部16に渡す。
執行制御部16は、注文分割部18から現時点におけるボリュームカーブ比率(予定執行率)について問合わせがある度に、アルゴリズムDB14内に格納された対応のボリュームカーブデータを参照して現時点におけるボリュームカーブ比率を算出し、注文分割部18に返す。
執行制御部16はこの後も、注文分割部18や発注部20、ボリュームカーブ変更部22に対し、取引所のコンピュータ24から送信された市況データや約定データ、トレーダによる注文情報を随時提供する。
ボリュームカーブ変更部22は、執行制御部16から提供される市況データやトレーダによる注文情報を常時監視し、所定の変更条件に合致した場合には、予め設定されたボリュームカーブに対する必要な変更指令(例えば、ボリュームカーブを5分間早めるべきこと)を執行制御部16に渡す。
これ以降、執行制御部16は注文分割部18からボリュームカーブ比率についての問合わせがある場合には、上記の変更を加えたボリュームカーブ比率(例えば、現時点から5分後におけるボリュームカーブ比率)を注文分割部18に提供する。
つぎに、図17のフローチャートに従い、注文分割部18の動作について説明する。ここでは、「5分スライス」の注文分割部品に基づいて注文分割部18が生成されたものとする。まず注文分割部18は、取引開始時刻が到来すると同時に、執行制御部16によって指定された発注部品、すなわち「5分後譲歩」をインスタンス化し、最初の発注部20を生成する(S20)。
この際、注文分割部18は執行制御部16に対して現時点におけるボリュームカーブ比率を問い合わせ、執行制御部16から渡されたボリュームカーブ比率に注文総数を乗ずることにより、最初の発注部20に渡す注文数量を算出する(S22)。
つぎに注文分割部18は、銘柄コード、売買種別及び今回の注文数量を発注部20に渡す(S24)。この後、発注部20から執行制御部16経由で証券取引所のコンピュータ24に対して対応の注文情報が送信されることとなるが、詳細は後述する。
最初の発注部20を生成してから5分経過後(S26)、注文分割部18は執行制御部16に対して現時点におけるボリュームカーブ比率を再度問い合わせ、執行制御部16から渡されたボリュームカーブ比率に注文総数を乗ずることにより、予定執行数量を算出する(S28)。
つぎに注文分割部18は、現時点までの執行完了数量(約定数量の累積値)と、上記の予定執行数量とを比較し、執行完了数量が予定執行数量を下回っている場合には(S30)、「5分後譲歩」の発注部品をインスタンス化し、つぎの発注部20を生成する(S32)。
そして、この発注部20に対し、銘柄コード、売買種別及び予定執行数量と執行完了数量との差分に該当する注文数量を渡す(S34)。
これに対し、S30において執行完了数量が予定執行数量以上であると判定された場合、注文分割部18は新たな発注部20の生成を今回は見送り、つぎのタイミングが到来するまで待機する。
この自動執行システム10においては、株式売買の自動執行を執行制御部16に指令した後も、トレーダは注文総数の範囲内で自らの判断に基づき個別の注文情報を執行制御部16に送信することができ、この注文情報は執行制御部16から取引所のコンピュータ24に送信される。また、このトレーダの判断に基づく個別注文に対して約定が成立した場合には、取引所のコンピュータ24から執行制御部16に対して約定報告データが送信される。このため、執行完了数量が予定執行数量を上回る事態が生じ得る。
注文分割部18は、設定された取引終了時刻が到来するまで、上記S28〜S34の処理を5分毎に繰り返し(S26、S36)、複数の発注部20を生成し続ける。ただし、取引終了時刻到来前に累積発注数が注文総数に達した場合には、その時点で処理を停止することとなる。
つぎに、図18のフローチャートに従い、発注部20の動作について説明する。ここでは、「5分後譲歩」の発注部品に基づいて発注部20が生成されたものとする。
まず、生成直後の発注部20は、「新規発注」モードの設定に従い、以下の内容を備えた注文情報を生成し、執行制御部16経由でトレーダが指定した取引所のコンピュータ24に送信する(S40)。
銘柄コード:4307
売買種別:買い
数量:全割り当て数量
価格:現時点での最良気配価格(指値)
現時点での最良気配価格は、執行制御部16から送信された市況データに基づいて算出する。
新規に注文情報を発した後、発注部20は「PEG動作」モードに移行する。すなわち、発注部20は執行制御部16から送信される市況データを常時監視し、市場における時価に変動が生じると(S44)、現時点における最良気配価格と自己の指値との乖離を判定する(S46)。ここで、最良気配価格と自己の指値との間に乖離が存在する場合、発注部20は指値を現在の最良気配価格に訂正するための訂正注文情報を生成し、執行制御部16経由で取引所のコンピュータ24に送信する(S48)。
発注部20は、この最良気配価格に追従するための処理を、自己の注文の全数量について約定が成立するまで(S42)、あるいは新規注文情報を送信してから5分を経過するまで継続する。
約定が成立しないまま5分間が経過すると(S50)、発注部20は「5分後に譲歩」モードに移行し、注文価格を「逆最良気配価格」に変更する価格訂正注文情報を生成し、執行制御部16経由で取引所のコンピュータ24に送信する(S52)。
「逆最良気配価格」とは、買い注文を発している場合には売り側の最良気配価格を、売り注文を発している場合には買い側の最良気配価格を意味し、指値をこの価格に変更することにより、高い確度で約定を成立させることが可能となる。この逆最良気配価格は、執行制御部16から送信される市況データに基づいて算出される。
この「5分後譲歩」の発注部品に基づいて生成された発注部20の場合、上記のように、発注後5分までは市場における最良気配価格を追従することにより、比較的強気な注文を維持するものの、5分経過後は逆最良気配価格に譲歩することにより、より確実な約定成立を目指す機能を発揮する。
上記のように、この証券取引自動執行システム10にあっては、証券取引の自動執行処理が、注文総数を複数の個別注文数量に分割する注文分割部18と、分割された各注文数量分の注文情報を証券取引所のコンピュータ24に送信する複数の発注部20との協動によって達成され、注文分割部と各発注部はトレーダが予め独自に設定しておいた注文分割部品及び発注部品をインスタンス化することによって実現される仕組みを備えている。
このためトレーダは、予め定義しておいた注文分割部品と発注部品を適宜組み合わせることにより、複雑な動作を行うアルゴリズムを極めて容易に設定することが可能となる。また、アルゴリズムの動作パターンを変更する場合にも、注文分割部品と発注部品の組合せを変更することで簡単に実現できる。
また第三者にとっても、アルゴリズムが注文分割部品と発注部品との組合せから構成されているため、注文分割部品と発注部品の設定内容を段階的に辿っていくことでアルゴリズム全体の動作を把握しやすくなり、その再利用性や保守性を向上させることが可能となる。
上記したアルゴリズムの設定は一例であり、トレーダは異なる設定パターンを備えた注文分割部品や発注部品、ボリュームカーブ選択部品、ボリュームカーブ変更部品をアルゴリズムDB14内に予め多数登録しておくと共に、これらを自由に組み合わせた自動執行用アルゴリズムをアルゴリズムDB14内に予め多数登録しておくことにより、銘柄の特性や市場の情勢に最適なアルゴリズムを即座に利用可能となる。
上記においては、アルゴリズムDB14に全ての設定情報が格納される例を示したが、各設定情報を複数の記憶手段に格納し、必要なデータ項目同士を関連付けておくように構成してもよい。
この発明に係る証券取引自動執行システムの全体構成を示すブロック図である。 アルゴリズム設定画面においてアルゴリズムの全体構成を設定する場面を示す説明図である。 ボリュームカーブの具体例を示す説明図である。 アルゴリズムの設定項目を示す図である。 アルゴリズム設定画面においてボリュームカーブ選択部品を設定する場面を示す説明図である。 ボリュームカーブ選択部品の設定項目を示す図である。 アルゴリズム設定画面においてボリュームカーブ変更部品を設定する場面を示す説明図である。 ボリュームカーブ変更部品の設定項目を示す図である。 アルゴリズム設定画面において注文分割部品を設定する場面を示す説明図である。 注文分割部品の設定項目を示す図である。 アルゴリズム設定画面において発注部品を設定する場面を示す説明図である。 発注部品の設定例を示す説明図である。 発注部品の設定項目を示す図である。 アルゴリズムの構成例を示す図である。 自動執行リクエスト画面を示す説明図である。 執行制御部の動作を示すフローチャートである。 注文分割部の動作を示すフローチャートである。 発注部の動作を示すフローチャートである。
10 証券取引自動執行システム
12 設定登録部
16 執行制御部
18 注文分割部
20 発注部
21 ボリュームカーブ選択部
22 ボリュームカーブ変更部
23 クライアント端末
24 証券取引のコンピュータ
30 アルゴリズム設定画面
31 左側ペイン
32 アルゴリズム
33 ボリュームカーブ選択部品
34 ボリュームカーブ変更部品
35 注文分割部品
36 発注部品
37 右側ペイン
38 ボリュームカーブ選択部品指定欄
39 ボリュームカーブ変更部品指定欄
40 注文分割部品指定欄
41 発注部品指定欄
42 ボリュームカーブ選択入力欄
43 適用条件入力欄
44 タイミング選択入力欄
45 変更条件入力欄
46 アクション入力欄
48 タイミング選択入力欄
49 条件入力欄
50 内容入力欄
50a ニモニック入力欄
50b 割当数量入力欄
50c 丸め方法選択欄
52 タイミング選択入力欄
53 条件入力欄
54 アクション入力欄
60 自動執行リクエスト画面
61 売買種別選択欄
62 銘柄コード入力欄
63 市場選択欄
64 数量入力欄
65 執行制限値段入力欄
67 パラメータ入力欄
67a 値入力欄
68 実行ボタン
72 アルゴリズム選択欄

Claims (5)

  1. 予め設定された任意の数の動作モード毎に、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従って新規発注の要否を判定する機能と、新規発注が必要な場合には、予め設定されたルールに従って新規注文数量を算出する機能と、指定された発注部品をインスタンス化して発注部を生成し、この発注部に上記注文数量を割り当てる機能を備えたプログラム部品である注文分割部品を、固有の注文分割部品名に関連付けて複数格納しておく記憶手段と、
    予め設定されたルールに従って新規注文の価格を算出する機能と、この価格による、自己に割り当てられた注文数量分の新規注文情報を取引所のコンピュータに送信する機能と、予め設定された任意の数の動作モード毎に、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従って価格変更の要否を判定する機能と、価格変更が必要な場合には、予め設定されたルールに従って変更後の価格を算出し、当該価格による訂正注文情報を取引所のコンピュータに送信する機能を備えたプログラム部品である発注部品を、固有の発注部品名に関連付けて複数格納しておく記憶手段と、
    少なくとも特定の注文分割部品の各動作モードと特定の発注部品との組合せ情報を含む自動執行用アルゴリズムの設定情報を、固有のアルゴリズム名に関連付けて複数格納しておくアルゴリズム記憶手段と、
    銘柄コード、売買種別、注文総数、アルゴリズム名を特定する証券取引の自動執行リクエストが入力された場合に、上記アルゴリズム記憶手段を参照し、当該アルゴリズム名に関連付けられた注文分割部品名と、発注部品名を特定すると共に、対応の注文分割部品をインスタンス化して注文分割部を生成し、銘柄コード、売買種別、注文総数、発注部品名を当該注文分割部に伝達する執行制御部を備え、
    上記注文分割部は、予め設定された任意の数の動作モード毎に、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従って新規発注の要否を判定し、新規発注が必要な場合には、予め設定されたルールに従って新規注文数量を算出すると共に、指定された発注部品をインスタンス化して発注部を生成し、上記の銘柄コード、売買種別、新規注文数量を当該発注部に伝達する処理を実行し、
    上記発注部は、予め設定されたルールに従って新規注文の価格を算出し、この価格による、自己に割り当てられた数量分の新規注文情報を取引所のコンピュータに送信すると共に、予め設定された任意の数の動作モード毎に、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従って価格変更の要否を判定し、価格変更が必要な場合には、予め設定されたルールに従って変更後の価格を算出し、当該価格による訂正注文情報を取引所のコンピュータに送信する処理を実行することを特徴とする証券取引自動執行システム。
  2. 上記執行制御部は、取引所のコンピュータから送信された市況データを上記注文分割部に随時伝達する機能を備え、
    上記注文分割部は、この市況データを予め設定されたルールに当てはめて新規注文数量を算出することを特徴とする請求項に記載の証券取引自動執行システム。
  3. 上記執行制御部は、取引所のコンピュータから送信された市況データを上記発注部に随時伝達する機能を備え、
    上記発注部は、この市況データに基づいて訂正注文情報を生成することを特徴とする請求項またはに記載の証券取引自動執行システム。
  4. 上記自動執行用アルゴリズムの設定情報の一部として、ボリュームカーブ選択部品名が含まれており、
    注文総数に対する執行率の推移と、取引時間の経過との対応関係を規定するボリュームカーブデータを格納しておく記憶手段と、
    予め設定されたルールに従って参照すべきボリュームカーブデータを特定する機能を備えたプログラム部品であるボリュームカーブ選択部品を、固有のボリュームカーブ選択部品名に関連付けて複数格納しておく記憶手段を備え
    上記執行制御部は、証券取引の自動執行リクエストが入力された場合に、上記アルゴリズム記憶手段を参照して当該アルゴリズム名に関連付けられたボリュームカーブ選択部品名を特定する機能と
    対応のボリュームカーブ選択部品をインスタンス化してボリュームカーブ選択部を生成する機能と、
    上記注文分割部からボリュームカーブ比率についての問合わせがあった際に、当該ボリュームカーブ選択部によって特定されたボリュームカーブデータを参照し、現時点におけるボリュームカーブ比率を注文分割部に渡す機能を備え、
    上記注文分割部は、このボリュームカーブ比率に基づいて新規注文数量を算出することを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の証券取引自動執行システム。
  5. 上記自動執行用アルゴリズムの設定情報の一部として、ボリュームカーブ変更部品名が含まれており、
    予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従ってボリュームカーブデータに対する変更を指令する機能を備えたプログラム部品であるボリュームカーブ変更部品を、固有のボリュームカーブ変更部品名に関連付けて複数格納しておく記憶手段を備え
    上記執行制御部は、証券取引の自動執行リクエストが入力された場合に、上記アルゴリズム記憶手段を参照して当該アルゴリズム名に関連付けられたボリュームカーブ変更部品名を特定する機能と、
    対応のボリュームカーブ変更部品をインスタンス化してボリュームカーブ変更部を生成する機能と、
    上記注文分割部からボリュームカーブ比率についての問合わせがあった際に、当該ボリュームカーブ変更部によってボリュームカーブデータに対する変更が指令されている場合には、上記ボリュームカーブデータを参照して得られた現時点におけるボリュームカーブ比率に対し必要な変更を加えたボリュームカーブ比率を注文分割部に渡す機能を備え、
    上記注文分割部は、この変更を加えられたボリュームカーブ比率に基づいて新規注文数量を算出することを特徴とする請求項に記載の証券取引自動執行システム。
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