JP5361456B2 - 証券取引自動執行システム - Google Patents
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Description
このためトレーダは、予め定義しておいた注文分割部品と発注部品を適宜組み合わせることにより、複雑な動作を行う自動執行用アルゴリズムを極めて容易に設定することが可能となる。また、アルゴリズムの制御パターンを変更する場合にも、注文分割部品と発注部品の組合せを変更することで簡単に実現できる。
また、第三者にとっても、アルゴリズムが注文分割部品と発注部品との組合せから構成されているため、注文分割部品と発注部品の設定内容を段階的に辿っていくことでアルゴリズム全体の動作を把握しやすくなり、その再利用性や保守性を向上させることが可能となる。
さらに、各発注部品が、注文の価格を予め設定された任意の数の動作モード毎に自動訂正する機能を備えているため、予め各動作モードが発動されるタイミングと、価格変更の要否判定ルール及び変更価格算出のルールを適宜設定しておくことにより、トレーダは自動執行処理に対して自己の価格戦略を柔軟に反映させることが可能となる。
設定登録部12、執行制御部16、注文分割部18、各発注部20、ボリュームカーブ選択部21及びボリュームカーブ変更部22は、コンピュータのCPUがOS及び専用のアプリケーションプログラムに従って必要な処理を実行することにより実現される。また、アルゴリズムDB14は、同コンピュータのハードディスク内に設けられている。
また、執行制御部16は、通信ネットワークを介して証券取引所のコンピュータ24と接続されている。証券取引所のコンピュータ24から執行制御部16に対しては、市況データ(銘柄コード毎の現在値データ、気配値データ、出来高データ等)及び約定データ(注文ID、約定数量、約定価格、約定日時等)が断続的に送信される。
このためにトレーダは、クライアント端末23上に専用のアプリケーションプログラムを立ち上げて設定登録部12にアクセスし、アルゴリズム設定画面をディスプレイに表示させる。
図2は、クライアント端末23のディスプレイに表示されたアルゴリズム設定画面30の一例を示すものであり、左側ペイン31にはアルゴリズム32、ボリュームカーブ選択部品33、ボリュームカーブ変更部品34、注文分割部品35、発注部品36の各設定項目がツリー状に配置されている。
図においては、「サンプルVWAP1」という名前のボリュームカーブ選択部品が指定されている。
なお、具体的なボリュームカーブのデータは、アルゴリズムDB14に格納されている。
図においては、「サンプル5分先行」という名前のボリュームカーブ変更部品が指定されている。
図においては、「5分スライス」という注文分割部品が選択されている。
図においては、「$LimitOrder」という発注部品のニモニック(略称)に対して「5分後譲歩」という発注部品が関連付けられている。詳細は後述するが、この発注部品のニモニックは、注文分割部品指定欄40において選択された注文分割部品の設定時に、トレーダによって命名されたものである。
図においては、「SQ日」の動作モードが選択されており、そのボリュームカーブとして「VWAP」が、また適用条件として「SQ日」が設定されている。これは、アルゴリズムの起動時がSQ日に該当する場合には、ボリュームカーブとして「VWAP」が参照されるべきことがルール化されていることを意味している。
図においては、タイミングとして「新規案件」が選択入力されている。また、アクションとして「ボリュームカーブ調整(分, 5.0)」が入力されている。これは、トレーダからの新規案件の発注がなされた場合には、現在のボリュームカーブを5分間進めることがルール化されていることを意味している。
ここでは変更条件入力欄45がブランクであるため、新規案件のタイミングに合致する場合には常にボリュームカーブが5分間進められることとなるが、変更条件入力欄45に条件式を予め入力しておくことにより、より細かい制御を行うこともできる。例えば、条件式として「新規案件の注文数量が注文総数の3%超えること」を所定の文法で記述しておくことが該当する。
この動作モードの数に制限はないが、少なくとも「新規発注」に相当する動作モードは設けられる必要がある。
図においては、「PEG動作」が選択されており、そのタイミングとして「時価情報」が選択入力されている。この「タイミング」とは、当該動作モードが発動されるべき時間的条件を意味しており、「時価情報」の値は「時価が変動した場合」を意味している。
アクション入力欄54は、注文の種別(新規注文/訂正注文)及びその価格を算出するためのルールを規定する項目であり、図においては「自己の注文価格を市場の最良気配価格(ただし執行制限値段内)に訂正する」旨が設定されている。
図12は、「5分後譲歩」の発注部品に係る設定内容を模式的に示すものであり、「新規発注」については、タイミングとして「生成直後」が、アクションとして「新規発注/最良気配価格」が設定されている。新規発注の場合には、単純に新規注文情報を取引所のコンピュータに送信するだけで済むため、条件についてはブランクとなされている。
まずトレーダは、クライアント端末23から執行制御部16にアクセスし、図15に示すように、ディスプレイに自動執行リクエスト画面60を表示させた後、自動執行の細目を設定する。
すなわち、売買種別選択欄61に「買い/売り」の種別を選択入力すると共に、銘柄コード入力欄62に銘柄コードを入力し、市場選択欄63において任意の証券取引所を選択入力し、数量入力欄64に注文総数を入力し、約定価格に上限または下限がある場合には執行制限値段入力欄65に具体的な価格を入力する。つぎに、アルゴリズム選択欄66において▼ボタンをクリックすると、当該トレーダが設定したアルゴリズム名が列挙されたプルダウンメニューが表示されるため、利用を希望するアルゴリズム名を選択する。
例えば、注文分割部品の設定に際し、割当数量入力欄50bに「市場出来高のX%分の数量を注文数量とする」という算出ルールが設定されていた場合、パラメータ入力欄67において、項目名に「関与率」が、型に「小数」が表示される。これに対しトレーダは、値として「0.3」等の具体的な数値を入力する。
つぎに執行制御部16は、注文分割部18に対して銘柄コード、売買種別、数量、発注部品名を渡す(S16)。
執行制御部16は、注文分割部18から現時点におけるボリュームカーブ比率(予定執行率)について問合わせがある度に、アルゴリズムDB14内に格納された対応のボリュームカーブデータを参照して現時点におけるボリュームカーブ比率を算出し、注文分割部18に返す。
これ以降、執行制御部16は注文分割部18からボリュームカーブ比率についての問合わせがある場合には、上記の変更を加えたボリュームカーブ比率(例えば、現時点から5分後におけるボリュームカーブ比率)を注文分割部18に提供する。
つぎに注文分割部18は、銘柄コード、売買種別及び今回の注文数量を発注部20に渡す(S24)。この後、発注部20から執行制御部16経由で証券取引所のコンピュータ24に対して対応の注文情報が送信されることとなるが、詳細は後述する。
つぎに注文分割部18は、現時点までの執行完了数量(約定数量の累積値)と、上記の予定執行数量とを比較し、執行完了数量が予定執行数量を下回っている場合には(S30)、「5分後譲歩」の発注部品をインスタンス化し、つぎの発注部20を生成する(S32)。
そして、この発注部20に対し、銘柄コード、売買種別及び予定執行数量と執行完了数量との差分に該当する注文数量を渡す(S34)。
この自動執行システム10においては、株式売買の自動執行を執行制御部16に指令した後も、トレーダは注文総数の範囲内で自らの判断に基づき個別の注文情報を執行制御部16に送信することができ、この注文情報は執行制御部16から取引所のコンピュータ24に送信される。また、このトレーダの判断に基づく個別注文に対して約定が成立した場合には、取引所のコンピュータ24から執行制御部16に対して約定報告データが送信される。このため、執行完了数量が予定執行数量を上回る事態が生じ得る。
まず、生成直後の発注部20は、「新規発注」モードの設定に従い、以下の内容を備えた注文情報を生成し、執行制御部16経由でトレーダが指定した取引所のコンピュータ24に送信する(S40)。
銘柄コード:4307
売買種別:買い
数量:全割り当て数量
価格:現時点での最良気配価格(指値)
現時点での最良気配価格は、執行制御部16から送信された市況データに基づいて算出する。
発注部20は、この最良気配価格に追従するための処理を、自己の注文の全数量について約定が成立するまで(S42)、あるいは新規注文情報を送信してから5分を経過するまで継続する。
「逆最良気配価格」とは、買い注文を発している場合には売り側の最良気配価格を、売り注文を発している場合には買い側の最良気配価格を意味し、指値をこの価格に変更することにより、高い確度で約定を成立させることが可能となる。この逆最良気配価格は、執行制御部16から送信される市況データに基づいて算出される。
このためトレーダは、予め定義しておいた注文分割部品と発注部品を適宜組み合わせることにより、複雑な動作を行うアルゴリズムを極めて容易に設定することが可能となる。また、アルゴリズムの動作パターンを変更する場合にも、注文分割部品と発注部品の組合せを変更することで簡単に実現できる。
12 設定登録部
16 執行制御部
18 注文分割部
20 発注部
21 ボリュームカーブ選択部
22 ボリュームカーブ変更部
23 クライアント端末
24 証券取引のコンピュータ
30 アルゴリズム設定画面
31 左側ペイン
32 アルゴリズム
33 ボリュームカーブ選択部品
34 ボリュームカーブ変更部品
35 注文分割部品
36 発注部品
37 右側ペイン
38 ボリュームカーブ選択部品指定欄
39 ボリュームカーブ変更部品指定欄
40 注文分割部品指定欄
41 発注部品指定欄
42 ボリュームカーブ選択入力欄
43 適用条件入力欄
44 タイミング選択入力欄
45 変更条件入力欄
46 アクション入力欄
48 タイミング選択入力欄
49 条件入力欄
50 内容入力欄
50a ニモニック入力欄
50b 割当数量入力欄
50c 丸め方法選択欄
52 タイミング選択入力欄
53 条件入力欄
54 アクション入力欄
60 自動執行リクエスト画面
61 売買種別選択欄
62 銘柄コード入力欄
63 市場選択欄
64 数量入力欄
65 執行制限値段入力欄
67 パラメータ入力欄
67a 値入力欄
68 実行ボタン
72 アルゴリズム選択欄
Claims (5)
- 予め設定された任意の数の動作モード毎に、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従って新規発注の要否を判定する機能と、新規発注が必要な場合には、予め設定されたルールに従って新規注文数量を算出する機能と、指定された発注部品をインスタンス化して発注部を生成し、この発注部に上記注文数量を割り当てる機能を備えたプログラム部品である注文分割部品を、固有の注文分割部品名に関連付けて複数格納しておく記憶手段と、
予め設定されたルールに従って新規注文の価格を算出する機能と、この価格による、自己に割り当てられた注文数量分の新規注文情報を取引所のコンピュータに送信する機能と、予め設定された任意の数の動作モード毎に、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従って価格変更の要否を判定する機能と、価格変更が必要な場合には、予め設定されたルールに従って変更後の価格を算出し、当該価格による訂正注文情報を取引所のコンピュータに送信する機能を備えたプログラム部品である発注部品を、固有の発注部品名に関連付けて複数格納しておく記憶手段と、
少なくとも特定の注文分割部品の各動作モードと特定の発注部品との組合せ情報を含む自動執行用アルゴリズムの設定情報を、固有のアルゴリズム名に関連付けて複数格納しておくアルゴリズム記憶手段と、
銘柄コード、売買種別、注文総数、アルゴリズム名を特定する証券取引の自動執行リクエストが入力された場合に、上記アルゴリズム記憶手段を参照し、当該アルゴリズム名に関連付けられた注文分割部品名と、発注部品名を特定すると共に、対応の注文分割部品をインスタンス化して注文分割部を生成し、銘柄コード、売買種別、注文総数、発注部品名を当該注文分割部に伝達する執行制御部を備え、
上記注文分割部は、予め設定された任意の数の動作モード毎に、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従って新規発注の要否を判定し、新規発注が必要な場合には、予め設定されたルールに従って新規注文数量を算出すると共に、指定された発注部品をインスタンス化して発注部を生成し、上記の銘柄コード、売買種別、新規注文数量を当該発注部に伝達する処理を実行し、
上記発注部は、予め設定されたルールに従って新規注文の価格を算出し、この価格による、自己に割り当てられた数量分の新規注文情報を取引所のコンピュータに送信すると共に、予め設定された任意の数の動作モード毎に、予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従って価格変更の要否を判定し、価格変更が必要な場合には、予め設定されたルールに従って変更後の価格を算出し、当該価格による訂正注文情報を取引所のコンピュータに送信する処理を実行することを特徴とする証券取引自動執行システム。 - 上記執行制御部は、取引所のコンピュータから送信された市況データを上記注文分割部に随時伝達する機能を備え、
上記注文分割部は、この市況データを予め設定されたルールに当てはめて新規注文数量を算出することを特徴とする請求項1に記載の証券取引自動執行システム。 - 上記執行制御部は、取引所のコンピュータから送信された市況データを上記発注部に随時伝達する機能を備え、
上記発注部は、この市況データに基づいて訂正注文情報を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の証券取引自動執行システム。 - 上記自動執行用アルゴリズムの設定情報の一部として、ボリュームカーブ選択部品名が含まれており、
注文総数に対する執行率の推移と、取引時間の経過との対応関係を規定するボリュームカーブデータを格納しておく記憶手段と、
予め設定されたルールに従って参照すべきボリュームカーブデータを特定する機能を備えたプログラム部品であるボリュームカーブ選択部品を、固有のボリュームカーブ選択部品名に関連付けて複数格納しておく記憶手段を備え、
上記執行制御部は、証券取引の自動執行リクエストが入力された場合に、上記アルゴリズム記憶手段を参照して当該アルゴリズム名に関連付けられたボリュームカーブ選択部品名を特定する機能と、
対応のボリュームカーブ選択部品をインスタンス化してボリュームカーブ選択部を生成する機能と、
上記注文分割部からボリュームカーブ比率についての問合わせがあった際に、当該ボリュームカーブ選択部によって特定されたボリュームカーブデータを参照し、現時点におけるボリュームカーブ比率を注文分割部に渡す機能を備え、
上記注文分割部は、このボリュームカーブ比率に基づいて新規注文数量を算出することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の証券取引自動執行システム。 - 上記自動執行用アルゴリズムの設定情報の一部として、ボリュームカーブ変更部品名が含まれており、
予め設定されたタイミングで、予め設定されたルールに従ってボリュームカーブデータに対する変更を指令する機能を備えたプログラム部品であるボリュームカーブ変更部品を、固有のボリュームカーブ変更部品名に関連付けて複数格納しておく記憶手段を備え、
上記執行制御部は、証券取引の自動執行リクエストが入力された場合に、上記アルゴリズム記憶手段を参照して当該アルゴリズム名に関連付けられたボリュームカーブ変更部品名を特定する機能と、
対応のボリュームカーブ変更部品をインスタンス化してボリュームカーブ変更部を生成する機能と、
上記注文分割部からボリュームカーブ比率についての問合わせがあった際に、当該ボリュームカーブ変更部によってボリュームカーブデータに対する変更が指令されている場合には、上記ボリュームカーブデータを参照して得られた現時点におけるボリュームカーブ比率に対し必要な変更を加えたボリュームカーブ比率を注文分割部に渡す機能を備え、
上記注文分割部は、この変更を加えられたボリュームカーブ比率に基づいて新規注文数量を算出することを特徴とする請求項4に記載の証券取引自動執行システム。
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