JP5360195B2 - マルチキャストデータ通信方法及び通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信システムにおけるデータ伝送技術に関する。データ伝送には、例えば、ブロードキャスト・マルチキャスト送信が含まれる。
近年のネットワークシステムの急速な発展により、ネットワークゲーム、テレビ電話会議、ストリーミング配信など、ビデオデータやオーディオデータなどのいわゆるマルチメディアデータを複数の端末へ同時に送信するマルチキャスト通信が注目されている。
無線通信システムにおいてもブロードバンド化が進み、標準化団体3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、MBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)としてマルチキャスト方式が仕様化されている。
また、3GPPでは、次世代仕様としてLTE(Long Term Evolution)や、LTEをさらに発展させたLTE−A(LTE−Advanced)の仕様化が行われている。LTE−AはLTEと互換性があり、なおかつ、伝送速度を向上させるために、同時に複数の周波数帯域を束ねて送受信動作を行うことが可能になる。
以後、開示する技術はLTE及びLTE−Aを例として用いるが、LTEやLTE−Aに限定されるものではない。
マルチキャスト配信システムは、マルチキャストデータを管理するサーバ、マルチキャストデータを複数の基地局へ配信するゲートウェイ、データを移動端末に向けて送信する基地局、及びデータを受信する移動端末を含む。
また、LTEでは、複数の基地局が同じ周波数リソースを用いて、同じタイミングで、同じデータを送信することで、移動端末の受信品質が向上して圏内エリアを拡大することが可能なMBSFN(MBMS Single Frequency Network)の導入が検討されている。
マルチキャストサービスを受信する移動端末は、基地局より通知されるスケジュール情報を元に、自局に必要なサービスを選択してマルチキャストデータを受信する。
移動端末は、移動に合わせてデータを受信する基地局を切り替えるハンドオーバ処理を行うことで、マルチキャストサービスを維持することができる。ところが、切替え先の基地局がマルチキャストサービスを1周波数だけで配信している場合、基地局の都合によっては、移動端末がハンドオーバすることができない場合がある。例えば、切替え先の周波数帯域での移動端末収容数が過剰になり、新たな移動端末を収容することができないような場合がある。
なお、本出願が開示する技術に関連する従来技術として、下記先行技術文献が開示されている。
特表2005−508584号公報
そこで、本発明の1つの側面では、マルチキャストサービスをハンドオーバ時も維持できることを目的とする。
また、好ましくは、その際に、周波数利用効率の低下を抑えることを目的とする。
第1の態様では、複数の周波数帯域を用いてマルチキャストデータを送信するマルチキャストデータ無線通信方法として実現され、以下の処理を含む。
多重記述符号化ステップは、マルチキャストデータを、複数の多重記述符号データに分割して符号化する。
送信周波数設定ステップは、複数の基地局がそれぞれ複数の多重記述符号データをそれぞれ送信するための複数の送信キャリア周波数を設定する。
多重記述符号データ送信ステップは、各基地局において実行され、送信周波数設定ステップによって設定された複数の送信キャリア周波数のそれぞれを用いて複数の多重記述符号データをそれぞれ並列に送信する。
多重記述符号データ受信ステップは、端末において実行され、基地局のうちの1つから、複数の送信キャリア周波数を用いて送信されている複数の多重記述符号データの何れか1つ以上を受信し、その受信した多重記述符号データからマルチキャストデータを復号して再生する。
MD符号通信システムの基本構成図である。 第1の実施形態のシステム構成例を示した図である。 第1の実施形態の動作シーケンス図(その1)である。 第1の実施形態の動作シーケンス図(その2)である。 第1の実施形態の動作シーケンス図(その3)である。 第2の実施形態のシステム構成例を示した図である。 第2の実施形態の動作シーケンス図(その1)である。 第2の実施形態の動作シーケンス図(その2)である。 第2の実施形態の動作シーケンス図(その3)である。 第3の実施形態のシステム構成例を示した図である。 第3の実施形態の動作シーケンス図(その1)である。 第3の実施形態の動作シーケンス図(その2)である。 第4の実施形態のシステム構成例を示した図である。 第4の実施形態の動作シーケンス図(その1)である。 第4の実施形態の動作シーケンス図(その2)である。 第5の実施形態のシステム構成例を示した図である。 MD符号化の第1の具体例を示す図である。 MD符号化の第2の具体例を示す図である。 従来技術と各実施形態によるハンドオーバ処理の比較説明図である。
以下、本発明についての実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
以下に説明する各実施形態における無線通信システムでは、多重記述(Multiple Description、以下“MD”と表記する)符号が利用される。
MD符号は以下のような特徴を持つ。
・データが複数に分割され、それぞれが他の分割データに依存せず独立して有効であり、各分割データが同じ性質を持つ。

・分割データが結合されると、情報量に応じて品質が増し、全てが結合されると元のデータを再構築することができる。

図1は、MD符号通信システムの基本構成図である。
MD符号器101では、例えば30frame/secの動画(Data)は、Dataの偶数フレームから得られる15frame/secの動画(Data1)と、Dataの奇数フレームから得られる15frame/secの動画(Data2)にMD符号化される。
多重記述復号器102は、Data1、Data2のどちらか一方だけでも動画を再生でき、両方のデータを受信して再構築することで元の品質の動画を再生することも可能である。すなわち、片方のデータだけを利用する場合に対して、両方のデータを利用することで、より品質が良い動画の再生ができる。
各実施形態にて実現される基地局は、マルチキャスト送信を行う周波数帯域に、上述のようにMD符号化されたデータ(Data1,Data2)を割り当て、それらを同時に送信する。
これにより、移動端末は、Data1が割当てられた周波数帯又はData2が割り当てられた周波数帯の少なくとも一方が受信できれば、マルチキャストサービスを受けることが可能になる。
またLTE−A端末のように同時に複数の周波数帯域を束ねて受信動作が可能な移動端末は、複数のMD符号データを受信して元のデータを再構築することで、単一の周波数帯域で通信を行う端末と比較して、品質を向上させたマルチキャストサービスを受信できる。
上述のMD符号通信システムの基本構成に基づく第1の実施形態について、以下に説明する。
図2は、第1の実施形態のシステム構成例を示した図である。第1の実施形態は、マルチキャストデータのMD符号化をゲートウェイが行う場合のネットワーク構成を示したものである。
コンテンツ管理サーバ201に格納されているマルチキャストデータ(DATA)は、ゲートウェイ(MBMS−GW:Multimedia Broadcast Multicast Service Gateway)202を介して、マルチキャスト送信を行う各基地局203(図2の例では203(#1)と203(#2)の2局)へ配信される。
MBMS−GW202では、MD符号化部202−1が、コンテンツ管理サーバ201から受信したマルチキャストデータをMD符号化する。図2は、2周波数帯域分にMD符号化された例を示しており、DATAから、DATA_MD#0とDATA_MD#1が生成される。MBMS−GW202における符号化数は、予め基地局203側と調整されているものとする。MBMS−GW202にて生成された各MD符号データDATA_MD#0及び#1は、各基地局203へ配信される。MBMS−GW202は、各基地局203へ各MD符号データを送信する際に、各データをどの無線フレームで送信するかを各基地局203に通知する。
MD符号データDATA_MD#0及び#1を受信した各基地局203は、各MD符号データをマルチキャスト送信する周波数を送信周波数設定部203−1で決定し、各MD符号データを決定した各周波数で同時にマルチキャスト送信する。第1の実施例では、基地局203毎に、同じMD符号データを同じ周波数帯域へ設定する必要はない。図2の例では、基地局203(#1)は、周波数Freq#0にDATA_MD#0を、周波数Freq#1にDATA_MD#1をそれぞれ設定する。また、基地局203(#2)は、周波数Freq#0にDATA_MD#1を、周波数Freq#1にDATA_MD#0をそれぞれ設定している。
基地局203(#1)から周波数Freq#1でマルチキャストデータを受信しているLTE端末204は、基地局203(#2)へハンドオーバした時に、受信周波数をFreq#0に切り替えた場合も、マルチキャストサービスを継続することができる。また、LTE−A端末205は、マルチキャストデータを周波数Freq#0及びFreq#1の両方で受信できる場合は、それぞれの周波数で受信したデータDATA_MD#0及びDATA_MD#1から元のDATAを再構築する。このため、LTE−A端末205は、#1及び#2のどちらの基地局203でも、LTE端末204よりも品質の良いサービスを受信することができる。
図2の例として実現される上述の第1の実施形態の更に詳細な動作について、以下に説明する。
まず、マルチキャスト送信におけるMBMS−GW202と基地局203間で実行される初期設定処理について、図3に示される第1の実施形態の動作シーケンス図(その1)に沿って説明する。
MBMS−GW202は、無線リソースを管理している各基地局203より、物理チャネルの設定情報を取得する(図3のステップS301)。この情報には、マルチキャスト送信が可能な最大キャリア数が設定されている。
MBMS−GW202は、各基地局203のマルチキャスト最大送信キャリア数から、MD符号データの出力数(m個)を基地局203毎に決定する(図3のステップS302)。
次に、MBMS−GW202は、マルチキャストの送信キャリア数(n個)を設定する(図3のステップS303)。
次に、MBMS−GW202は、各基地局203へ、マルチキャストの送信キャリア数(n個)を通知する(図3のステップS304)。MBMS−GW202は、端末204,205の増減により送信キャリア数を変化させない場合は、常に最大送信可能キャリア数を各基地局203へ通知する。MBMS−GW202は、端末204,205の増減により送信キャリア数を変化させる場合には、初期設定としては最小値(1キャリア)を各基地局203へ設定する。MBMS−GW202は、基地局へ通知した送信キャリア数分のMD符号データを、基地局へ転送する。
マルチキャストの送信キャリア数の通知を受けた各基地局203は、それぞれ個別に、マルチキャスト送信を行うキャリアを任意に選択し、マルチキャスト用の物理チャネルの設定を行う(図3のステップS305)。基地局203は、マルチキャスト用に選択しなかったキャリアに関しては、ユニキャスト通信用に使用して収容端末数を増やす、又は、未使用にして消費電力を削減する、などの対応が可能である。
次に、第1の実施形態において、端末204又は205とネットワーク間でマルチキャストサービスの接続が確立されてデータ配信が実施される場合の動作について、図3に示される第1の実施形態の動作シーケンス図(その1)に沿って説明する。
なお、コンテンツ管理サーバ201からMBMS−GW202、各基地局203、及び各LTE端末204又はLTE−A端末205への以下に示すデータ送信処理は、毎フレーム実行される。
コンテンツ管理サーバ201から配信されたマルチキャストデータを受信したMBMS−GW202では、MD符号化部202−1が、受信したデータに対してMD符号化を行い、事前に設定された出力数だけ符号化データを生成する(図3のステップS306)。図3の例では、受信データDATAから、符号化データDATA_MD#0、DATA_MD#1、・・・、DATA_MD#mが生成される。
MBMS−GW202は、生成したMD符号化データの中から、各基地局203へ配信する分のデータを任意に選択し、それらを各基地局203へ配信する。MBMS−GW202から各基地局203へのデータ配信は、同時並行的に行われるものとする(図3のステップS307−1、S307−2等)。また、MBMS−GW202は、各MD符号化データをどの無線タイミングで送信するかを示すタイミング情報を指定する。
MD符号データを受信した各基地局203は、MBMS−GW202から指定されたタイミングで、各送信周波数設定部203−1(図2参照)が事前に設定した周波数にMD符号データを設定して送信する(図3のステップS307−1、S307−2等)。各基地局203が送信するMD符号化データは送信するキャリアごとに全て異なるものであり、どのデータをどのキャリアで送信するかは任意である。
複数の周波数を同時に受信できるLTE−A端末205は、同じタイミングで受信したMD符号データを結合・再構築して、マルチキャストデータを利用する。結合可能なMD符号データ数、配信周波数などは、サービスの接続確立時に基地局203から通知されている。
次に、第1の実施形態において、マルチキャスト送信される周波数が、端末収容数の増減や、LTE−A端末の要求サービス品質に応じて変更可能とされる場合の動作について、図4に示される第1の実施形態の動作シーケンス図(その2)に沿って説明する。
LTE−A端末205(図2)からマルチキャストサービスの接続要求/切断要求/変更要求が基地局203へ行われた場合(図4のステップS401)、基地局203は、その事象をMBMS−GW202へ通知する(図4のステップS402)。接続要求や変更要求には、サービス品質要求値(動画やオーディオのビットレート)が設定されているものとする。
MBMS−GW202は、事象に応じて、基地局203の単位で、マルチキャストサービス接続端末数をカウントする(図4のステップS403)。このカウント動作は、接続要求が通知された場合には加算動作、切断要求であれば減算動作、変更要求であれば変更なしの動作となる。
MBMS−GW202は、算出した接続端末数と要求品質から、基地局203の単位で、マルチキャスト送信キャリア数を判定する(図4のステップS404)。例えば、以下のような手法が考えられる。

− 要求品質の最大値を満たすキャリア数が設定される。この場合に、端末数が少なくても、最大のキャリア数が設定される場合もある。

− 端末収容数を満たし、要求品質の平均値に対応するキャリア数が設定される。具体的には、下記の手順が実行される。
手順1:収容端末数による送信キャリア数判定
下記数1式に基づき端末を収容するのに必要なキャリア数が算出される。
Figure 0005360195
手順2:全ての端末の要求する品質の平均値の判定
品質がビットレートからキャリア数へ換算され下記数2式が計算される。
Figure 0005360195
手順3:端末収容数と要求品質の平均値を満たすキャリア数の判定(最終結果)
Figure 0005360195
上記のように判定されたキャリア数が現在の設定数から変更がある場合には、MBMS−GW202は、基地局203へ送信するMD符号データ数を変更する(図4のステップS406)。この結果、基地局203へは、マルチキャスト送信するMD符号データ数の変更(増減)の要求が通知される(図4のステップS407)。
この通知を受けた基地局203は、送信データ数に合わせて、自局の物理チャネル設定の変更を行う(図4のステップS408)。この結果、基地局203は、既にマルチキャストサービスを受信中のLTE−A端末205へ、設定情報の変更と物理チャネル情報(送信キャリア数)を通知する(図4のステップS409)。なお、接続/切断/変更要求を行ったLTE−A端末205へは別途応答がなされるので、その中で設定情報の変更と物理チャネル情報(送信キャリア数)が通知されればよい。
設定情報の変更通知を受信したLTE−A端末205は、必要に応じて受信キャリアの増減設定を行う(図4のステップS410)。この結果、今まで要求未満のキャリア数で受信が行われていた状態からマルチキャスト送信キャリアが増加したり、逆に、今まで受信していたキャリアが削除されたりする。
また、削除されるキャリアでマルチキャストサービスを受信中のLTE端末204には、他のキャリアへハンドオーバするように指示がなされる。
次に、LTE端末204又はLTE−A端末205がハンドオーバにより他の基地局へ移動して端末収容数が変化する場合の動作について、図5に示される第1の実施形態の動作シーケンス図(その3)に沿って説明する。
端末204又は205がハンドオーバするには、まず、端末204又は205が、周辺セルの測定結果を自局が属する基地局203へ通知する(図5のステップS501)。この通知は、Measurement Reportと呼ばれる。
Measurement Reportを受信した基地局203は、ハンドオーバ先の候補となる基地局203へ、ハンドオーバが可能か否かを問い合わせるためのHandover要求を発行する(図5のステップS502)。以下、Measurement Reportを受信した基地局203を例えば基地局203(#2)とし、ハンドオーバ先の候補となる基地局203を例えば基地局203(#1)とする。
Handover要求を受信した基地局203(#1)は、ハンドオーバが可能か否か、即ち新たな端末を受け入れ可能か否かを判断する(図5のステップS503)。受け入れ不可の場合は、基地局203(#1)は、Handover要求の応答(NG)を基地局203(#2)に返送し、処理を終了する(図5のステップS504)。受け入れ可能の場合は、MBMS−GW202へ、Handover要求があったことを通知する(図5のステップS505)。
通知を受けたMBMS−GW200は、図4のステップS403からS410までの送信キャリア数変更処理と同様の処理を実行する(図5のステップS506)。即ち、MBMS−GW202は、新たに端末を収容した時のマルチキャスト送信キャリア数を算出し、変更がある場合はハンドオーバ遷移先の基地局203(#1)へ送信キャリア数の変更を通知する。そして、基地局203(#1)は、自局のマルチキャスト受信中の端末204又は205へ状態変更を通知する。
ハンドオーバ遷移先の基地局203(#1)は、ハンドオーバ要求元の基地局203(#2)へ、Handover要求の応答(OK)を返送する(図5のステップS507)。
Handover要求の応答(OK)を受信した基地局203(#1)は、Measurement Reportを発行した端末204又は205へ、ハンドオーバの実行を指示する(Handover指示の送信)(図5のステップS508)。
Handover指示メッセージを受信した端末204又は205は、指定された基地局203(#1)へ接続しなおし、基地局203(#1)へハンドオーバ完了通知を発行する(Handover完了通知)(図5のステップS509)。
ハンドオーバ先の基地局203(#1)は、ハンドオーバ元の基地局203(#2)へ、ハンドオーバが完了したことを通知する(Handover完了通知2)(図5のステップS510)。
ハンドオーバ完了通知を受信したハンドオーバ元基地局203(#2)は、MBMS−GW202へ、Handoverの完了を通知する(Handover完了通知3)(図5のステップS511)。
Handover完了を受信したMBMS−GW202は、図4のステップS403からS410までの送信キャリア数変更処理と同様の処理を実行する(図5のステップS512)。この結果、ハンドオーバ元基地局203(#2)について、収容端末の減少によりマルチキャスト送信キャリアを減らせるか否かを判定し、必要に応じてマルチキャスト送信キャリア数が変更される。
図6は、第2の実施形態のシステム構成例を示した図である。第2の実施形態は、マルチキャストデータのMD符号化をゲートウェイで行い、MBSFN環境を構築する場合のネットワーク構成を示したものである。
図6のシステム構成において、コンテンツ管理サーバ、MBMS−GW、基地局、及び端末には、第1の実施形態における図2のシステム構成の場合と同じ番号が付されている。図6のMBMS−GW202内のMD符号化部202−1についても、図2のシステム構成の場合と同じ番号が付されている。
図6の構成が図2の構成と異なる点は、図2の場合に基地局203内にあった各局毎の送信周波数設定部203−1の代わりに、MBMS−GW202内に送信周波数設定部601が設けられている点である。
図6において、図2の第1の実施形態の場合と同様に、コンテンツ管理サーバ201に格納されているマルチキャストデータ(DATA)は、MBMS−GW202を介して、マルチキャスト送信を行う基地局203へ配信される。
図2の第1の実施形態の場合と同様に、MBMS−GW202では、MD符号化部202−1が、コンテンツ管理サーバ201から受信したマルチキャストデータをMD符号化する。
一方、図2の第1の実施形態の場合とは異なり、MBMS−GW202では、送信周波数設定部601が、MD符号化したデータを各基地局203が同じ周波数で同じデータを送信するように、その周波数を決定する。
MBMS−GW202にて生成された各MD符号データは、送信周波数情報と共に各基地局203へ配信される。図6の例では、周波数Freq#0にDATA_MD#0が、周波数Freq#1にDATA_MD#1が設定されている。
MD符号データを受信した各基地局203は、指定された周波数で各MD符号データを同時にマルチキャスト送信する。これにより、基地局203間で同一周波数にて同じデータが送信され、MBSFN環境を構築することができる。
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、ハンドオーバ時のマルチキャストサービスの継続、及び複数周波数帯域で同時受信が可能なLTE−A端末への品質を向上させたサービスの提供を実現することができる。
更に、第2の実施形態では、送信周波数設定をMBMS−GW202が担うため、多くの数が必要な基地局203の構成を簡略化することが可能となる。
図6の例として実現される上述の第2の実施形態の更に詳細な動作について、以下に説明する。
まず、第2の実施形態において、マルチキャスト送信におけるMBMS−GW202と基地局203間で実行される初期設定処理について、図7に示される第2の実施形態の動作シーケンス図(その1)に沿って説明する。
図7に示される第2の実施形態の動作シーケンス図(その1)において、図3に示される第1の実施形態の動作シーケンス図(その1)の場合と同じ処理には、図3の場合と同じ番号が付されている。
図7においてまず、MBMS−GW202は、無線リソースを管理している各基地局203より、物理チャネルの設定情報を取得する(図3のステップS301)。この情報には少なくとも、マルチキャスト送信が可能なキャリア数、及び、各キャリアの周波数が設定されている。第2の実施形態では、MBSFNの構築が前提となっているため、各基地局203からの情報には少なくとも1キャリアは共通する周波数がある。共通する周波数がない基地局はMBSFNの対象から外される。共通する周波数については、キャリアリストとしてその周波数情報が保持される。
図7において、MD符号化出力データ数mの決定(ステップS302)、及びMD符号データ送信数nの設定(ステップS303)の各処理は、第1の実施形態における図3の場合と同様である。
次に、MBMS−GW200は、各基地局203へマルチキャストする送信キャリア数(n個)、及びマルチキャスト送信を行う周波数を通知する(ステップS701)。各基地局203へ通知される値は、MBSFNが構築されるため全て同一である。周波数の通知以外の処理は、第1の実施形態における図3の場合と同様である。
図7において、ステップS701での通知を受けて各基地局203が実行するマルチキャスト用物理チャネルの設定処理(ステップS305)は、第1の実施形態における図3の場合と同様である。
次に、第2の実施形態において、端末204又は205とネットワーク間でマルチキャストサービスの接続が確立されてデータ配信が実施される場合の動作について、図7に示される第2の実施形態の動作シーケンス図(その1)に沿って説明する。
図7において、MD符号化処理(ステップS306)は、第1の実施形態における図3の場合と同様である。
図7において、各基地局203への選択したMD符号化データとタイミング情報の配信の処理も、第1の実施形態における図3の場合と同様である。但し、各基地局203へは、同じ周波数で同じデータが送信されるように指示が出される。
MD符号データを受信した各基地局203は、MBMS−GW202から指定されたタイミング及び周波数で、MD符号データを送信する(図7のステップS702−1、S702−2等)。
上述の各基地局203からのMD符号データの送信処理に対するLTE−A端末205の処理は、第1の実施形態における図3の場合と同様である。
次に、第2の実施形態において、マルチキャスト送信される周波数が、端末収容数の増減や、LTE−A端末の要求サービス品質に応じて変更可能とされる場合の動作について、図8に示される第2の実施形態の動作シーケンス図(その2)に沿って説明する。
図8に示される第2の実施形態の動作シーケンス図(その2)において、図4に示される第1の実施形態の動作シーケンス図(その2)の場合と同じ処理には、図4の場合と同じ番号が付されている。
図8において、ステップS401及びS402の通知処理は、第1の実施形態における図4の場合と同様である。また、図8において、基地局203の単位でのマルチキャストサービス接続端末数のカウント処理(ステップS403)、基地局203の単位でのマルチキャスト送信キャリア数の判定処理(ステップS404)も、第1の実施形態における図4の場合と同様である。
次に、第2の実施形態では、MBSFNを維持するために、MBSFNを構成する全ての基地局203で同じ周波数でマルチキャスト送信をしなければならない。そこで、MBMS−GW202は、ステップS404で基地局203毎に判定した送信キャリア数から、MBSFN全体での送信キャリアを決定する(図8のステップS801)。ステップS404の場合と同様に、以下のような手法が考えられる。

− 端末の品質要求を可能な限り満たすため、算出された各基地局203の送信キャリア数から最大のキャリア数が選択される。この場合に、端末数が少なくても、最大のキャリア数が設定される場合もある。

− リソースの節約を優先して、各基地局203の端末収容数を満たす最小限のキャリア数が選択される。
図8のステップS801にて判定されたキャリア数が現在の設定数から変更がある場合には、MBMS−GW202は、該当する基地局203へ送信するMD符号データ数を変更する(図4のステップS406)。更に、MBMS−GW202は、全ての基地局203へ送信するMD符号データ数も変更する(図8のステップS802)。この結果、全ての基地局203へ、マルチキャスト送信するMD符号データ数の変更(増減)の要求が通知される(図8のステップS803)。
上述の通知を受けた基地局203が実行する物理チャネル設定の変更(ステップS408)、LTE−A端末205への設定変更通知(ステップS409)は、第1の実施形態における図4の場合と同様である。また、設定変更通知を受信したLTE−A端末205における受信キャリアの増減設定(ステップS410)も、第1の実施形態における図4の場合と同様である。
次に、LTE端末204又はLTE−A端末205がハンドオーバにより他の基地局へ移動して端末収容数が変化する場合の動作について、図9に示される第2の実施形態の動作シーケンス図(その3)に沿って説明する。
図9に示される第2の実施形態の動作シーケンス図(その3)において、図5に示される第1の実施形態の動作シーケンス図(その3)の場合と同じ処理には、図5の場合と同じ番号が付されている。
第2の実施形態における図9に基づく基本的な処理の流れは、第1の実施形態における図5の場合と同様である。但し、MBMS−GW202が、ハンドオーバの遷移先の基地局203からのハンドオーバ要求の通知を受けた場合(ステップS505)に実行する送信キャリア数変更処理は、図4ではなく図8のステップS403からS410までの制御処理である。また、MBMS−GW202が、ハンドオーバ元の基地局203からのハンドオーバ完了通知3を受けた場合(ステップS511)に実行する送信キャリア数変更処理も、図4ではなく図8のステップS403からS410までの制御処理である。
図10は、第3の実施形態のシステム構成例を示した図である。第3の実施形態は、マルチキャストデータのMD符号化を基地局で行う場合のネットワーク構成を示したものである。
図10のシステム構成において、コンテンツ管理サーバ、MBMS−GW、基地局、及び端末には、第1の実施形態における図2のシステム構成の場合と同じ番号が付されている。
図10の構成が図2の構成と異なる点は、図2の場合にMBMS−GW202内にあったMD符号化部202−1の代わりに、各基地局203内に送信周波数設定部203−1に加えてMD符号化部1001が設けられている点である。
図10において、図2の第1の実施形態の場合と同様に、コンテンツ管理サーバ201に格納されているマルチキャストデータ(DATA)は、MBMS−GW202を介して、マルチキャスト送信を行う基地局203へ配信される。
図10において、MBMS−GW200は、図2の第1の実施形態の場合とは異なり、受信したマルチキャストデータをそのまま各基地局203へ配信する。この際、MBMS−GW202は、各データをどの無線フレームで送信するかを各基地局203に通知する。
図10において、各基地局203は、図2の第1の実施形態の場合とは異なり、MD符号化部1001が、MBMS−GW202から受信したマルチキャストデータをMD符号化する。そして、各基地局203は、図2の第1の実施形態の場合と同様に、各MD符号データをマルチキャスト送信する周波数を送信周波数設定部203−1で決定し、MD符号化部1001にて得た各MD符号データを決定した各周波数で同時にマルチキャスト送信する。
第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に、ハンドオーバ時のマルチキャストサービスの継続、及び複数周波数帯域で同時受信が可能なLTE−A端末への品質を向上させたサービスの提供を実現することができる。
更に第3の実施形態では、MBMS−GW202の構成が簡略化される。
図10の例として実現される上述の第3の実施形態の更に詳細な動作について、以下に説明する。
まず、マルチキャスト送信におけるMBMS−GW202と基地局203間で実行される初期設定処理について、図11に示される第3の実施形態の動作シーケンス図(その1)に沿って説明する。
第3の実施形態では、前述したように、MBMS−GW202は、コンテンツ管理サーバ201から取得したマルチキャストデータを各基地局203へ送信タイミングを付与して転送するだけである。
各基地局203は、予めマルチキャスト送信可能なキャリア数から、MD符号化データの出力数を決めておく(図11のステップS1101)。
次に、各基地局203は、マルチキャストの送信キャリア数(n個)を設定する(図11のステップS1102)。各基地局203は、他の実施形態の場合と同様に、キャリア数を収容端末数や端末の要求品質に合わせて変える場合は初期キャリア数を1に設定し、固定する場合は最大キャリア数を設定する。
そして、各基地局203は、マルチキャスト送信を行う周波数を任意に選択する(図11のステップS1103)。
次に、第3の実施形態において、端末204又は205とネットワーク間でマルチキャストサービスの接続が確立されてデータ配信が実施される場合には、以下の動作が実行される。
即ち、MBMS−GW202からマルチキャストデータを受信した各基地局203は、MD符号化部1001が、受信したデータに対してMD符号化を行い、事前に設定された出力数だけ符号化データを生成し、各送信周波数設定部203−1が事前に設定した周波数にMD符号データを設定して送信する(図11のステップS1104)。
次に、第3の実施形態において、マルチキャスト送信される周波数が、端末収容数の増減や、LTE−A端末の要求サービス品質に応じて変更可能とされる場合の動作について、図12に示される第3の実施形態の動作シーケンス図(その2)に沿って説明する。
各基地局203は、他の基地局203からのハンドオーバ要求又はハンドオーバ完了通知や、収容端末204,205からのサービス接続/切断/変更要求などを契機として、キャリア数の増減を判断する(図12のステップS1201,S1202,S1203)。即ち、各基地局203は、端末204,250の収容数や品質要求が変化した時に、キャリア数の増減を判断する。
基地局203は、事象に応じて、マルチキャストサービス接続端末数をカウントする(図12のステップS1204)。この動作は、第1の実施形態においてMBMS−GW202が実行した図4のステップS403の動作と同様である。
基地局203は、算出した接続端末数と要求品質から、マルチキャスト送信キャリア数を判定する(図12のステップS1205)。この動作は、第1の実施形態においてMBMS−GW202が実行した図4のステップS404の動作と同様である。
基地局203は、上述の判定したキャリア数が現在の設定数から変更があるか否かを判断する(図12のステップS1206)。
この結果、判定されたキャリア数が現在の設定数から変更がない場合には、基地局203は、次のキャリア数増減の契機となる事象の受信を待つ。
一方、判定されたキャリア数が現在の設定数から変更がある場合には、基地局203は、MD符号データ数を変更する(図12のステップS1207)。この動作は、第1の実施形態においてMBMS−GW202が実行した図4のステップS406の動作と同様である。
基地局203は、送信データ数に合わせて、物理チャネル設定の変更を行う(図12のステップS1208)。この結果、基地局203は、既にマルチキャストサービスを受信中のLTE−A端末205へ、設定情報の変更と物理チャネル情報(送信キャリア数)を通知する(図12のステップS1209)。これらの動作は、第1の実施形態において基地局203が実行した図4のステップS408,S409の動作と同様である。
設定情報の変更通知を受信したLTE−A端末205は、必要に応じて受信キャリアの増減設定を行う(図12のステップS1210)。この動作は、第1の実施形態において端末205が実行した図4のステップS410の動作と同様である。
図13は、第4の実施形態のシステム構成例を示した図である。第4の実施形態は、マルチキャストデータのMD符号化を基地局で行い、MBSFN環境を構築する場合のネットワーク構成を示したものである。
図13のシステム構成において、コンテンツ管理サーバ、MBMS−GW、基地局、及び端末には、第1の実施形態における図2のシステム構成の場合と同じ番号が付されている。
図13において、コンテンツ管理サーバ201に格納されているマルチキャストデータ(DATA)は、MBMS−GW202を介して、マルチキャスト送信を行う基地局203へ配信される。
図13において、MBMS−GW200は、受信したマルチキャストデータをそのまま各基地局203へ配信する。この際、MBMS−GW202は、各データをどの無線フレームで送信するかを各基地局203に通知する。
図13において、MBSFNを構成する各基地局203は、Masterとなるひとつの基地局203(図13では#1)と、Slaveとなる1つ以上の基地局203(図13では#2)からなる。以下、Masterの基地局203を基地局203(Master)、Slaveの基地局203を基地局203(Slave)と表記する。基地局203(Master)は、マルチキャストデータのMD符号化数や、符号化データを各基地局203が同じ周波数で同じデータを送信するための共通の周波数を決定するMD符号化制御部1301を備える。基地局203(Master)は、MD符号化制御部1301で決定したMD符号化情報及び送信周波数設定情報を、マルチキャストサービスの開始前に各基地局203(Slave)へ通知しておく。
マルチキャストデータを受信した各基地局203(Slave)は、受信データを第3の実施形態における図10の場合と同様のMD符号化部1001でMD符号化し、基地局203(Master)の指示したとおりにMD符号化データをマルチキャスト送信する。図13は、2周波数帯域分にMD符号化された例を示しており、DATAからDATA_MD#0とDATA_MD#1が生成され、周波数Freq#0にDATA_MD#0が、周波数Freq#1にDATA_MD#1が、それぞれ設定された例を示している。
これにより、基地局203間で同一周波数にて同じデータが送信され、MBSFN環境を構築することができる。
第4の実施形態では、第1の実施形態と同様に、ハンドオーバ時のマルチキャストサービスの継続、及び複数周波数帯域で同時受信が可能なLTE−A端末への品質を向上させたサービスの提供を実現することができる。
更に、第4の実施形態では、MBMS−GW202の構成を簡略化できると共に、Masterの基地局203内のMD符号化制御部1301によって、全体の動作を制御することが可能となる。
図13の例として実現される上述の第4の実施形態の更に詳細な動作について、以下に説明する。
まず、マルチキャスト送信におけるMBMS−GW202と基地局203間で実行される初期設定処理について、図14に示される第4の実施形態の動作シーケンス図(その1)に沿って説明する。
第4の実施形態では、前述した第3の実施形態と同様に、MBMS−GW202は、コンテンツ管理サーバ201から取得したマルチキャストデータを各基地局203へ送信タイミングを付与して転送するだけである。
基地局203(Master)は、各基地局203(Slave)から、マルチキャスト送信を行える周波数やその物理チャネル情報などの情報を取得する(図14のステップS1401)。この情報には少なくとも、マルチキャスト送信が可能なキャリア数、及び、各キャリアの周波数が設定されている。第4の実施例では、MBSFNを構築することが前提となっているため、各基地局203からの情報には少なくとも1キャリアは共通する周波数がある。共通する周波数がない基地局203はMBSFNの対象から外される。共通する周波数については、キャリアリストとしてその周波数情報が保持される。
基地局203(Master)は、各基地局203(Slave)から収集した情報より、共通するキャリア数をMD符号データの出力数(m個)とする(図14のステップS1402)。
次に、基地局203(Master)は、各基地局203(Slave)へマルチキャストする送信キャリア数(n個)を設定する(図14のステップS1403)。
更に、基地局203(Master)は、全ての基地局203でマルチキャスト送信に共通に使用される周波数を決定する(図14のステップS1404)。
そして、基地局203(Master)は、各基地局203(Slave)へ、マルチキャスト送信のキャリア数(n個)、同じ出力結果を得るためのMD符号化手法、マルチキャスト送信の周波数、各MD符号データの周波数、などのMD符号化情報を通知する(図14のステップS1405)。第4の実施形態ではMBSFNが構築されるため、各基地局203(Slave)へ通知される値は全て同一である。基地局203(Master)は、端末204,205の増減により送信キャリア数を変化させない場合は、常に最大送信可能キャリア数を各基地局203(Slave)へ通知する。基地局203(Master)は、端末204,205の増減により送信キャリア数を変化させる場合には、初期設定としては最小値(1キャリア)を各基地局203(Slave)へ設定する。
次に、第4の実施形態において、端末204又は205とネットワーク間でマルチキャストサービスの接続が確立されてデータ配信が実施される場合には、以下の動作が実行される。
コンテンツ管理サーバ201から配信されたマルチキャストデータを受信したMBMS−GW202は、受信したマルチキャストデータを、そのタイミング情報Frame_Timingと共に、各基地局203へ転送する。
MBMS−GW202からマルチキャストデータを受信した各基地局203は、マルチキャストデータにMD符号化を施し、符号化データを取得する(図14のステップS1406)。
各基地局203は、予め決められたMD符号化データを選択し、予め決めておいた送信周波数を設定する(図14のステップS1407)。
そして、各基地局203は、MBMS−GW202より指定されたタイミングで、マルチキャスト送信を実行する(図14のステップS1408)。
複数の周波数を同時に受信できるLTE−A端末205は、同じタイミングで受信したMD符号データを結合・再構築して、マルチキャストデータを利用する。結合可能なMD符号データ数、配信周波数などは、サービスの接続確立時に基地局203から通知されている。
次に、第4の実施形態において、マルチキャスト送信される周波数が、端末収容数の増減や、LTE−A端末の要求サービス品質に応じて変更可能とされる場合の動作について、図15に示される第4の実施形態の動作シーケンス図(その2)に沿って説明する。
各基地局203(Slave、Masterを含む)は、他の基地局203からのハンドオーバ要求又はハンドオーバ完了通知や、収容端末204,205からのサービス接続/切断/変更要求などを契機として、キャリア数の増減を判断する(図15のステップS1501,S1502,S1503)。即ち、各基地局203(Slave、Masterを含む)は、端末204,250の収容数や品質要求が変化した時に、キャリア数の増減を判断する。
基地局203は、事象に応じて、マルチキャストサービス接続端末数をカウントする(図15のステップS1504)。この動作は、第1の実施形態においてMBMS−GW202が実行した図4のステップS403の動作と同様である。
基地局203は、算出した接続端末数と要求品質から、マルチキャスト送信キャリア数を判定する(図15のステップS1505)。この動作は、第1の実施形態においてMBMS−GW202が実行した図4のステップS404の動作と同様である。
基地局203は、上述の判定したキャリア数が現在の設定数から変更があるか否かを判断する(図15のステップS1506)。
この結果、判定されたキャリア数が現在の設定数から変更がない場合には、基地局203は、次のキャリア数増減の契機となる事象の受信を待つ。
一方、判定されたキャリア数が現在の設定数から変更がある場合には、基地局203は、基地局203(Master)に対して、送信キャリア数変更要求を送信する(図15のステップS1507)。
送信キャリア数変更要求を受信した基地局203(Master)は、全ての基地局203(Slave、Masterを含む)の状態を考慮して、送信キャリア数を変更するか否かを判定する(図15のステップS1508)。判定としては例えば、キャリア数の削除要求が発生した場合に他の基地局203ではキャリア数を減らせないので現状維持にするという判定、或いは、増加要求が発生した場合には収容数確保のためにキャリア数を増やすという判定などがある。
基地局203(Master)は、送信キャリア数が変更しないと判定した場合には、送信キャリア数の変更処理を実施せずに、他の送信キャリア数変更要求の受信を待つ(図15のステップS1509→S1507)。
基地局203(Master)は、送信キャリア数を変更すると判定した場合には、送信キャリア数に合わせてMD符号化データの送信数、送信する符号化データ、符号化データを送信する周波数、などを設定する(図15のステップS1510)。この動作は、第1の実施形態においてMBMS−GW202が実行した図4のステップS406の動作と同様である。
その後、基地局203(Master)はまず、上記設定情報に基づいて、自局のマルチキャスト送信キャリア数の変更設定等の物理チャネル設定を変更する(図15のステップS1511)。この動作は、第1の実施形態において基地局203が実行した図4のステップS408の動作と同様である。
続いて、基地局203(Master)は、ステップS1510での設定情報を、全ての基地局203(Slave)に通知する(図15のステップS1512)。
各基地局203(Slave)は、ステップS1512にて基地局203(Master)から通知された設定情報に基づいて、自局のマルチキャスト送信キャリア数の変更設定等の物理チャネル設定を変更する(図15のステップS1513)。この動作は、第1の実施形態において基地局203が実行した図4のステップS408の動作と同様である。
上述のステップS1511及びS1513の結果、基地局203(Slave,Masterを含む)は、既にマルチキャストサービスを受信中のLTE−A端末205へ、設定情報の変更と物理チャネル情報(送信キャリア数)を通知する(図15のステップS1514)。この動作は、第1の実施形態において基地局203が実行した図4のステップS409の動作と同様である。
設定情報の変更通知を受信したLTE−A端末205は、必要に応じて受信キャリアの増減設定を行う(図12のステップS1210)。この動作は、第1の実施形態において端末205が実行した図4のステップS410の動作と同様である。
図16は、第5の実施形態のシステム構成例を示した図である。第5の実施形態は、MD符号化されたマルチキャストデータを受信する移動端末の実現例を示す。
基地局から送信された無線信号をアンテナ1601にて受信した移動端末は、無線部復調/復号部1602で復調/復号処理を行い、符号化/変調前のMD符号データを取得する。
複数の周波数帯域で同時受信が可能な移動端末は、各周波数帯域毎に復調/復号処理を行う。
取得されたMD符号データは、バッファ(Buffer)1603に格納される。
受信品質測定部1605は、無線部復調/復号部1602でのMD符号データ取得エラー率を継続的に測定し、その結果をMD復号制御部1606へ通知する。
MD復号制御部1606は、受信エラーによる品質の変化をできるだけ抑えるため、MD復号部1604で復号されるMD符号データ数を所定の閾値に基づいて決定する。例えば、3周波数帯域で受信が行われている場合で、受信品質測定結果として平均して2.2個のMD符号が得られたとすると、3個のMD符号で復号する時と2個、又は、1個のMD符号で復号する時とで、品質に関してばらつきが多く変化が大きくなる。そのような場合は、MD復号部1604への入力は2個のMD符号データと設定する。また、受信品質測定結果として平均して2.9個のMD符号が得られるとすると、多くの場合3個のMD符号化データで復号可能なので、MD復号部1604へは3個で復号するように設定する。閾値が2.7の場合、上記のようにMD符号入力数が決定される。
エラーが発生して受信品質測定結果として受信データが設定数に満たない場合は、補正処理が行われる。
MD復号部1604は、MD復号制御部1606より設定された符号数だけ、MD符号データをバッファから取得し、そのデータに対してMD復号処理を行う。
図17は、上述した第1から第5の実施形態におけるMD符号化の第1の具体例を示す図である。
この例では、VGA(640×480画素)の解像度を有する画像データから、QVGA(320×240画素)に解像度が落とされた例えば4種類のMD符号化された画像データ1702が生成される。
そして、上記各画像データ1702が、図17の1703として示されるように、それぞれ20MHzの周波数帯域を有するMBMSの4チャネルを使って、LTE端末又はLTE−A端末に向けて送信される。
LTE端末は、何れか1つのMBMSチャネルからQVGAの解像度を有する画像データ1705を受信できる。そして、LTE端末においてハンドオーバが発生した時に受信周波数が切り替わった場合でも、別の周波数を使って送信されている同一ソースの画像データ1705を受信し、マルチキャストサービスを継続することができる。
一方、LTE−A端末は、複数の周波数で受信したMD符号データからVGAの解像度を有する元の画像データ1706を再構築することができる。
図18は、上述した第1から第5の実施形態におけるMD符号化の第2の具体例を示す図である。
この例では、音声データから、サンプリングレートが1/2(サンプリング間隔が2倍)に落とされた例えば2種類のMD符号化された音声データ1802が生成される。
そして、上記各音声データ1802が、図18の1803として示されるように、それぞれ20MHzの周波数帯域を有するMBMSの2チャネルを使って、LTE端末又はLTE−A端末に向けて送信される。
LTE端末は、何れか1つのMBMSチャネルからサンプリングレートが1/2(サンプリング間隔が2倍)の音声データ1805を受信できる。そして、LTE端末においてハンドオーバが発生した時に受信周波数が切り替わった場合でも、別の周波数を使って送信されている同一ソースの音声データ1805を受信し、マルチキャストサービスを継続することができる。
一方、LTE−A端末は、複数の周波数で受信したMD符号データから元のサンプリングレートの音声データ1806を再構築することができる。
最後に、上述した第1から第4の実施形態による多面待ちハンドオーバのメリットについて説明する。
ハンドオーバ先の基地局が複数のキャリアでマルチキャスト送信を行っている場合、上述した第1から第4の実施形態による制御方式により、ハンドオーバ処理時間を短縮することが可能である。
ハンドオーバでは、従来技術及び第1から第4の各実施形態とも、図19に示されるような手順が実施される。なお、以下の説明において、ステップ番号に「a」が付いているものは従来技術の手順を示し、ステップ番号に「b」が付いているものは第1から第4の各実施形態に共通の手順を示すものとする。

ステップS1901a/S1901b
ハンドオーバする端末からハンドオーバ元(Source)基地局#2へのMeasurement Report(周辺セル測定結果)の通知。

ステップS1902a/S1902b
Source基地局#2からハンドオーバ先候補(Target)基地局#1へのハンドオーバ要求(Handover要求)の送信。

ステップS1903a/S1903b
Target基地局#1からSource基地局#2へのハンドオーバ要求に対するOK応答の返信。

ステップS1904a/S1904b
Source基地局#2から端末へのハンドオーバ指示(Handover指示)の送信。
従来技術では、Handover指示には、1つの遷移先候補の基地局#1の指定と、1つのキャリア周波数候補f1の指定しかできなかった(ステップS1904a)。
一方、第1から第4の実施形態では、Handover指示には、1つの遷移先候補の基地局#1の指定のみが含まれる点は従来技術と同じであるが、Target基地局#1がMBMSによる送信を行っている場合には、そのMBMSによって送信を行っている複数のキャリア周波数候補f1,f2の指定が出来る(ステップS1904b)。この制御は、前述の第1の実施形態では図5のステップS508、第2の実施形態では図9のステップS508、第3の実施形態では図12のステップS1203のトリガとなるHandover指示処理、第4の実施形態では図15のステップS1503のトリガとなるHandover指示処理の各処理で実施される。なお、キャリア周波数候補は、S1903bで遷移先の基地局から通知されたもの、または、MBSFNを構築している場合は自局がマルチキャスト送信を行っている周波数を指定する。

ステップS1905a/S1905b
指定された基地局#1への接続処理。
従来技術及び第1から第4の実施形態共に、接続完了Timerにて指定された期間、Source基地局#2からのHandover指示に基づいて、指定された基地局#1の指定された周波数f1への接続が試みられる。なお、第1から第4の実施形態では、Handover指示内の第1候補として指定された周波数f1への接続が試みられることになる。従来技術では、Handover指示による周波数の指定f1は、ただ1つのみの指定である。

ステップS1906a/S1906b
接続完了Timerのタイムオーバ。
従来技術では、このタイムオーバにより、Target基地局#1でのハンドオーバ接続待ち状態が終了する(ステップS1906a′)。
第1〜第5の実施形態では、Target基地局#1は、Handover指示に複数のキャリア周波数候補を含めた場合には、接続完了Timerのタイムオーバ後も、ハンドオーバ接続待ち状態を終了せずに、複数のキャリア周波数に対する応答を待ち構える。

ステップS1907a/S1907b
ステップS1908a/S1908b
接続完了Timerのタイムオーバの後、ハンドオーバする端末は、再度周辺セルのサーチ状態に入る。サーチに成功すると、検出された基地局との接続処理が実行される。
従来技術では、再度基地局の探索からやり直さなければならない。このため、周辺セルサーチの処理には長い時間がかかる。また、再接続先も当初の遷移先に指定された基地局、キャリア周波数とは異なる場合があり、ハンドオーバに失敗する可能性も高い。
第1から第4の実施形態では、周辺セルサーチの対象としてTarget基地局#1が指定されているため、端末はどの基地局を検出さればよいかわかっている。また、キャリア周波数の候補f2も指定されているため、端末はどのキャリア周波数でハンドオーバすればよいかもわかっている。このため、周辺セルサーチは短時間で終了することができ、当初予定していたTarget基地局#1へ接続できる可能性も高まる。これにより、処理時間の短縮とハンドオーバの成功率を向上させることができる。
以上説明したように、第1から第5の実施形態では、LTE端末のようなひとつの周波数帯域しか受信できない移動端末は、ハンドオーバした時に遷移先の基地局での受信周波数に関わらず、マルチキャストサービスを継続することが可能なマルチキャストシステムを提供することが可能となる。
また、第1から第5の実施形態では、LTE−A端末のように複数の周波数帯域で同時に受信可能な移動端末は、MD符号データの合成により、LTE端末よりも品質の良いサービスを受信することができ、品質改善という方法で周波数利用効率の良いシステムを実現することが可能となる。

Claims (10)

  1. 複数の周波数帯域を用いてマルチキャストデータを送信するマルチキャストデータ無線通信方法において、
    前記マルチキャストデータを、複数の多重記述符号データに分割して符号化する多重記述符号化ステップと、
    複数の基地局がそれぞれ前記複数の多重記述符号データをそれぞれ送信するための複数の送信キャリア周波数を設定する送信周波数設定ステップと、
    前記各基地局において実行され、前記送信周波数設定ステップによって設定された複数の送信キャリア周波数のそれぞれを用いて前記複数の多重記述符号データをそれぞれ並列に送信する多重記述符号データ送信ステップと、
    端末において実行され、前記基地局のうちの1つから、前記複数の送信キャリア周波数を用いて送信されている前記複数の多重記述符号データの何れか1つ以上を受信し、該受信した多重記述符号データから前記マルチキャストデータを復号して再生する多重記述符号データ受信ステップと、
    を含み、
    前記端末がハンドオーバを実行する場合に、前記複数の基地局のうちのハンドオーバ元の基地局は前記複数の送信キャリア周波数を含むハンドオーバ指示を前記端末に送信し、前記複数の基地局のうちのハンドオーバ先の基地局は前記複数の送信キャリア周波数で前記端末からのハンドオーバ完了通知を待ち受け、前記端末は前記ハンドオーバ指示に含まれる前記複数の送信キャリア周波数のうちから周波数を順に選択してハンドオーバ処理を実行し、基地局を検出できた送信キャリア周波数で前記ハンドオーバ完了通知を前記ハンドオーバ先の基地局に応答する、
    ことを特徴とするマルチキャストデータ通信方法。
  2. 前記送信周波数設定ステップは、前記各基地局において実行され、該各基地局が前記複数の多重記述符号データをそれぞれ送信するための複数の送信キャリア周波数を任意に設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチキャストデータ通信方法。
  3. 前記多重記述符号化ステップは、前記マルチキャストデータを該マルチキャストデータを管理するコンテンツ管理サーバから前記各基地局へ配信するゲートウェイ装置にて実行され、前記複数の多重記述符号データをそれぞれ前記各基地局に配信する、
    ことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載のマルチキャストデータ通信方法。
  4. 前記多重記述符号化ステップは、前記各基地局において実行される、
    ことを特徴とする請求項2に記載のマルチキャストデータ通信方法。
  5. 前記送信周波数設定ステップは、前記マルチキャストデータを該マルチキャストデータを管理するコンテンツ管理サーバから前記各基地局へ配信するゲートウェイ装置にて実行され、前記各基地局が前記複数の多重記述符号データをそれぞれ送信するための複数の送信キャリア周波数を統一的に設定し、該設定した複数の送信キャリア周波数をそれぞれ前記各基地局に通知し、
    前記多重記述符号化ステップは、前記ゲートウェイ装置にて実行され、前記複数の多重記述符号データをそれぞれ前記各基地局に配信し、
    前記各基地局は、前記ゲートウェイ装置から通知された複数の送信キャリア周波数を自局に設定し、前記ゲートウェイ装置から配信された前記複数の多重記述符号データを前記設定した複数の送信キャリア周波数を用いて送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチキャストデータ通信方法。
  6. 前記送信周波数設定ステップは、前記複数の基地局のうちマスタとして指定された一つの基地局において実行され、前記各基地局が前記複数の多重記述符号データをそれぞれ送信するための複数の送信キャリア周波数を統一的に設定し、該設定した複数の送信キャリア周波数をそれぞれ前記各基地局に通知し、
    前記各基地局は、前記マスタの基地局から通知された複数の送信キャリア周波数を自局に設定し、前記複数の多重記述符号データを該設定した複数の送信キャリア周波数を用いて送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチキャストデータ通信方法。
  7. 複数の周波数帯域を用いてマルチキャストデータを送信するマルチキャストデータ無線通信システムにおいて、
    前記マルチキャストデータを該マルチキャストデータを管理するコンテンツ管理サーバから前記各基地局へ配信する装置であって、前記マルチキャストデータを、複数の多重記述符号データに分割して符号化する多重記述符号化部を含み、前記複数の多重記述符号データをそれぞれ前記各基地局に配信するゲートウェイ装置と、
    前記複数の多重記述符号データをそれぞれ送信するための複数の送信キャリア周波数を任意に設定する送信周波数設定部を含み、該送信周波数設定部によって設定された複数の送信キャリア周波数のそれぞれを用いて前記ゲートウェイ装置から配信された前記複数の多重記述符号データをそれぞれ並列に送信する複数の基地局と、
    前記基地局のうちの1つから、前記複数の送信キャリア周波数を用いて送信されている前記複数の多重記述符号データの何れか1つ以上を受信し、該受信した多重記述符号データから前記マルチキャストデータを復号して再生する端末と、
    を含み、
    前記端末がハンドオーバを実行する場合に、前記複数の基地局のうちのハンドオーバ元の基地局は前記複数の送信キャリア周波数を含むハンドオーバ指示を前記端末に送信し、前記複数の基地局のうちのハンドオーバ先の基地局は前記複数の送信キャリア周波数で前記端末からのハンドオーバ完了通知を待ち受け、前記端末は前記ハンドオーバ指示に含まれる前記複数の送信キャリア周波数のうちから周波数を順に選択してハンドオーバ処理を実行し、基地局を検出できた送信キャリア周波数で前記ハンドオーバ完了通知を前記ハンドオーバ先の基地局に応答する、
    むことを特徴とするマルチキャストデータ通信システム。
  8. 複数の周波数帯域を用いてマルチキャストデータを送信するマルチキャストデータ無線通信システムにおいて、
    前記マルチキャストデータを、複数の多重記述符号データに分割して符号化する多重記述符号化部と、前記複数の多重記述符号データをそれぞれ送信するための複数の送信キャリア周波数を任意に設定する送信周波数設定部とを含み、前記複数の多重記述符号データを前記設定した複数の送信キャリア周波数を用いて送信する複数の基地局と、
    前記基地局のうちの1つから、前記複数の送信キャリア周波数を用いて送信されている前記複数の多重記述符号データの何れか1つ以上を受信し、該受信した多重記述符号データから前記マルチキャストデータを復号して再生する端末と、
    を含み、
    前記端末がハンドオーバを実行する場合に、前記複数の基地局のうちのハンドオーバ元の基地局は前記複数の送信キャリア周波数を含むハンドオーバ指示を前記端末に送信し、前記複数の基地局のうちのハンドオーバ先の基地局は前記複数の送信キャリア周波数で前記端末からのハンドオーバ完了通知を待ち受け、前記端末は前記ハンドオーバ指示に含まれる前記複数の送信キャリア周波数のうちから周波数を順に選択してハンドオーバ処理を実行し、基地局を検出できた送信キャリア周波数で前記ハンドオーバ完了通知を前記ハンドオーバ先の基地局に応答する、
    ことを特徴とするマルチキャストデータ通信システム。
  9. 複数の周波数帯域を用いてマルチキャストデータを送信するマルチキャストデータ無線通信システムにおいて、
    前記マルチキャストデータを、複数の多重記述符号データに分割して符号化する多重記述符号化部と、前記複数の多重記述符号データを通知された複数の送信キャリア周波数を用いて送信する複数の基地局と、
    前記基地局のうちの1つから、前記複数の送信キャリア周波数を用いて送信されている前記複数の多重記述符号データの何れか1つ以上を受信し、該受信した多重記述符号データから前記マルチキャストデータを復号して再生する端末と、
    を含み、
    前記複数の基地局のうちマスタとして設定される1つの基地局に、前記各基地局が前記複数の多重記述符号データをそれぞれ送信するための複数の送信キャリア周波数を統一的に設定し、該設定した複数の送信キャリア周波数をそれぞれ自局を含む前記各基地局に通知する送信周波数設定部を更に含み、
    前記端末がハンドオーバを実行する場合に、前記複数の基地局のうちのハンドオーバ元の基地局は前記複数の送信キャリア周波数を含むハンドオーバ指示を前記端末に送信し、前記複数の基地局のうちのハンドオーバ先の基地局は前記複数の送信キャリア周波数で前記端末からのハンドオーバ完了通知を待ち受け、前記端末は前記ハンドオーバ指示に含まれる前記複数の送信キャリア周波数のうちから周波数を順に選択してハンドオーバ処理を実行し、基地局を検出できた送信キャリア周波数で前記ハンドオーバ完了通知を前記ハンドオーバ先の基地局に応答する
    ことを特徴とするマルチキャストデータ通信システム。
  10. 複数の周波数帯域を用いて送信されたマルチキャストデータを受信する端末において、
    基地局から複数の送信キャリア周波数を用いて送信されている複数の送信信号を同時に受信し、該複数の送信信号から複数の多重記述符号データを抽出する無線部と、
    前記抽出された複数の多重記述符号データのエラー率を測定する受信品質測定部と、
    該受信品質測定部が測定したエラー率に基づいて、復号に用いる前記多重記述符号データの数を決定する多重記述復号制御部と、
    前記無線部が抽出した前記複数の多重記述符号データのうち、前記多重記述復号制御部にて決定された数の前記多重記述符号データを選択し、該選択した多重記述符号データに基づいて前記マルチキャストデータを復号する多重記述復号部と、
    を含み、
    前記基地局から前記複数の送信キャリア周波数を含むハンドオーバ指示を前記端末が受信した場合に、前記端末は前記ハンドオーバ指示に含まれる前記複数の送信キャリア周波数のうちから周波数を順に選択してハンドオーバ処理を実行し、基地局を検出できた送信キャリア周波数でハンドオーバ完了通知を、前記複数の送信キャリア周波数で前記端末からの前記ハンドオーバ完了通知を待ち受けているハンドオーバ先の基地局に送信する、
    ことを特徴とする端末。
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