JP5358687B2 - 増強された間欠性ペーシング治療 - Google Patents

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Description

本発明は、ペースメーカーおよび他のインプラント装置等の心調律管理装置に関する。(優先権主張)
いずれも本明細書に援用する2008年10月6日出願の米国仮出願番号第61/103,033号および2009年10月5日出願の米国特許出願番号第12/573,533号に対し、優先権の利益を主張する。
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示全体を本明細書に援用するカーディアック ペースメーカー社に譲渡された2007年3月19日出願の米国特許出願番号第11/687,957号に関する。
心不全(HF)は、末梢組織の代謝要求を満たすのに十分なレベル未満に低下し得る正常未満の心拍出量を心臓機能の異常が引き起こす臨床症候群を指す衰弱性疾病である。心不全は種々の病因によるが、虚血性心疾患が最も一般である。心臓による動脈系への血液ポンピングが不十分なことを「前方不全」と呼ぶ場合があり、その効果として肺および体静脈の圧力が上昇し鬱血につながることを「後方不全」と呼ぶ。後方不全は、肺および静脈系の血液が送り出されないための、前方不全の当然の結果である。前方不全は、例えば冠動脈疾患による心室の収縮性の障害により、または例えば全身性高血圧もしくは弁機能障害による後負荷(つまり血液の放出に抵抗する力)により、引き起こされ得る。心拍出量を増加させるよう作用する1つの生理的代償機構は、後方不全によるものであり、これは心室の拡張期充満圧を増加させ、それにより前負荷(つまり心拡張期の終わりに心室内の血液体積により心室が引き伸ばされる程度)を増大させる。前負荷の増大は、心収縮期中の1回拍出量の増加を引き起こし、これはFrank-Starlingの法則として知られている。したがって、心不全は少なくとも部分的にはこの機構により補償される場合があるが、肺および/または全身性の鬱血の犠牲を払う可能性がある。
一定期間にわたって前負荷が増大したために心室が引き伸ばされると、心室は拡張される。心室体積の拡大により、所与の収縮期の圧力で、心室壁にかかる応力(ストレス)が増大する。心室によりなされる圧力−体積の仕事の増大に加えて、これは心室心筋の肥大に対する刺激として作用し、心室リモデリングと呼ばれる細胞構造の変化につながる。心室リモデリングは、心室のコンプライアンスを低下させ(そのため拡張期充満圧を増加させてより多くの鬱血を生じさせ)、心臓機能の更なる低下を引き起こす最終的な壁の薄化を引き起こすことにより、さらなる機能低下につながる。心室リモデリングの程度は、HF患者の死亡率の増加と正の相関があることが示された。
リモデリングは、心筋壁にかかる応力に主に応答して生じる、血行力学的要因、神経要因およびホルモン要因の複雑な相互作用の効果であると思われる。上述したように、心拍出量を増加させるよう作用する1つの生理的代償機構は、血液の増大された体積が肺と静脈系に残されることによる心室の拡張期充満圧の増加であり、それにより、前負荷が増大する。前負荷の増大から生じた心室の拡張は、Laplaceの法則に従って所与の収縮期圧に
おける心室壁にかかる応力を増大させる。心室による圧力−体積の仕事の増大に加えて、これは心室心筋の代償性肥大に対する刺激として機能する。肥大は収縮期圧を増加させ得るが、肥大が増大された壁応力に釣り合うほど十分ではない場合、更なる進行性の拡張が起こる。この非代償性の拡張は、壁の薄化と、左心室機能の更なる損傷を引き起こす。肥大を引き起こす持続的な応力が心筋細胞のアポトーシス(つまりプログラム細胞死)を引き起こし得ることも示されている。心室の拡張および肥大は初めは代償性で、心拍出量を
増加させ得るが、このプロセスは最終的には更なる機能低下および機能障害に到る。
例証的なペーシング装置の物理的構造。 例証的な装置の構成要素。 例証的な装置の電子回路のブロック図。 IPT増強のための例証的なアルゴリズム。
例えば虚血性心疾患の患者、心筋梗塞後の患者および心不全(HF)の患者の治療における治療目的で、心収縮期に心筋応力を有利に再分配する様式で心臓に電気刺激を送達する方法および装置を本明細書で説明する。心収縮期の初期に収縮する心筋部位は、後に収縮する部位よりも少ない壁応力を受ける。ペーシングパルスは特定の心筋部位に送達されて、心収縮期に他の部位に比べてその部位を先に励起させ、他の部位は内因性の活性化または後のペーシングパルスによって励起させられる(用語「ペーシングパルス」は、本明細書で使用される場合、特定のレートを強化するために使用されるか否かに拘わらず、心筋を励起させる任意のタイプの電気刺激である)。内因性の収縮と比較して、先に励起された部位は機械的に負荷または応力から解放されているが、後で励起された部位が受ける応力は増大している。そのような予励起ペーシングを適用し、心筋梗塞の周囲または肥大部位の周囲の領域のような、有害なリモデリングを受けると予想される特定の心筋の部位の応力を意図的に解放してもよい。さらに、予励起ペーシングを適用し、運動の有益な効果と同様なコンディショニング効果を及ぼすべく、予励起ペーシング部位から遠く離れた部位に応力を意図的に加えてもよい。意図的に心筋部位に応力を加えるか、該部位を応力を解放するかに拘わらず、そのような心臓保護的な予励起ペーシングは、定義されたスケジュールに従ってまたは指定された入口(エントリ)条件もしくは出口状態の検出に基づいて間欠的に適用されてよく、本明細書では間欠性ペーシング治療すなわちIPTと称する。
上記に説明したように、ペーシングパルスを使用して、心臓のある部位を予め励起させ、それを後に励起させられる部位よりも先に収縮させて心収縮期により少ない応力を受けるようにすることが可能である。これは、心臓に特化した伝導系のため心筋全体にわたる脱分極の広がりが非常に早くて同時収縮が生じる、正常な生理的状態とは対照的である。心筋の組織の収縮が正常な場合、血液を送るのに同時収縮が血行力学的により有効である。心臓再同期ペーシングは、そうでなければ生じるであろうよりもより同時収縮を生じさせる様式で心臓にペーシングパルスを送達することにより、心室の伝導異常を有する患者での同時収縮の回復を試みている。心臓保護効果のために特定の心筋部位に応力を加えるかまたは該心筋部位から応力を解放するように適用された予励起ペーシングは、他方では、非同期収縮を引き起こす様式でのペーシングパルスの送達である。そのような非同期収縮は予励起ペーシングの所望の心臓保護効果の原因であるが、危険である場合もある。本明細書では、IPTの送達を制御するために患者の心拍数または運動レベルという手段を使用する方法および装置を説明する。
ペーシング治療の機械的効果
特定のペーシング部位に位置する電極に適用されたペーシングパルスによって収縮するよう心室が刺激された場合、励起は伝導によりペーシング部位から心筋の中を通って広がる。これは、房室結節から心室への励起の広がりがプルキンエ繊維から構成された心臓の特定の励起伝導系を使用して、心室心筋全体が迅速かつ同時に励起される、正常な生理的状態とは異なっている。他方で、ペーシングパルスにより生じさせられる励起は、速度がより遅いため比較的非同期な収縮を生じさせ、かかる速度で励起がペーシング部位から心筋の残りの部分まで導かれる。従って、内因性の収縮と比較して、ペーシング部位からよ
り遠位に位置する心筋部位は、ペーシング部位からより近位の部位よりも遅くに励起される。以下に説明するように、これは心筋の壁応力の再分配を生じさせる。
筋繊維が収縮する前の筋繊維にかかる張力の程度は「前負荷」と名付けられ、収縮時の筋繊維にかかる張力の程度は「後負荷」と名付けられる。前負荷の増大は筋繊維を伸ばし、その最大張力および収縮の間の収縮率も増加させる。心臓に関し、特定の心筋部位の前負荷は、拡張終期の圧力および隣接部位に加えられる力のため、拡張終期における心筋壁の応力である。心筋部位の後負荷は、心臓がそれに抗して圧送しなければならない圧負荷のため、心収縮期の間の心筋壁の応力である。ある心筋部位が他の部位に比べて遅く収縮した場合、それらの他の部位の収縮は、後に収縮する部位を伸ばし、該後に収縮する部位の前負荷を増加させ、それにより該後に収縮する部位により生成される収縮力の増大を引き起こす。反対に、他の部位に比べて早く収縮する心筋部位は、前負荷を減少させ、より少ない収縮力を生成する。血液が大動脈と肺動脈に送り込まれると、心室内の圧力が拡張期の値から収縮期の値まで急速に上昇するので、心収縮期中に先に収縮した心室の部分は、後に収縮する心室の部分よりも低い後負荷に対して収縮する。心室部位へのペーシングパルスの送達は、その部位を、心室の他の部分よりも早く収縮させる。したがって、ペーシングされる部位は、減少された前負荷および減少された後負荷の両方を受け、後者は収縮期の収縮の間に他の部位に比べて該部位が受ける機械的ストレスを減少させる。他方、ペーシングされる部位から離れた部位は、予め励起された部位からの伝導によるか、該遠隔部位に適用された後のペースによるか、または房室結節から伝えられた内因性活性化によるかのいずれかにより、収縮期の間に該部位が後に収縮したときに機械的応力の増大を受ける。
応力を減少させる予励起ペーシングの適用
心筋により消費される酸素の合計量は、ごく一部を除き、心収縮期中の活発な筋収縮のためにあり、特定の心筋部位の酸素要求量は、収縮期の壁応力の増加と共に増加する。従って、他の部位に比べて特定の心筋部位を先に収縮させるは、その代謝要求量および存在し得るあらゆる虚血の程度が減少するだろう。さらに、特定の心筋部位は、心筋梗塞後または心不全の患者の壁応力の増加の結果として、有害なリモデリングを受けやすい可能性がある。虚血になるかまたはリモデリングを受けやすい心筋部位に事前収縮および応力の減少をもたらすために、かかる受攻部位が心筋の残りの部分よりも先に励起され、かかる受攻部位が機械的に負荷から解放されるような様式で、かかる受攻部位またはその周囲の1つまたは複数の部位に予励起ペーシングパルスを送達してもよい。受攻部位の負荷を軽減する予励起ペーシング治療は、受攻部位の付近の一つの部位で心室をペーシングことにより実施されてもよいし、またはそのような付近の複数の心室部位でペーシングすることにより実施されてよい。後者の場合、ペーシングパルスは、複数の部位に同時に送達されてもよいし、または一定のパルス出力シーケンスで送達されてもよい。単一部位または複数部位のペーシングが、抑制された要求モードまたは起動モードなどの、徐脈ペーシングアルゴリズムに従って行なわれてよい。
応力を増強させる予励起ペーシングの適用
予励起ペーシングの別の使用は、虚血を受けやすい部位から遠い部位をペーシングすることにより、かかる虚血を受けやすい部位に意図的に応力をかけることである。上述したように、そのようなペーシングは、他の部位に対する心収縮期のかかる受攻部位の収縮を遅らせることにより、受攻部位に対する機械的ストレスを増加させる。間欠的に受攻部位に応力を加えることにより、要求虚血患者の部位における心筋虚血が低レベルとなり、そのため、血管新生が促進さると共に受攻部位が予め調整(プレコンディショニング)され、後の虚血エピソードの影響に、より良く耐えられる。応力増強ペーシングは、運動と同様な予め調整された効果を及ぼすために、弱化した部位または心筋の大部分に非同期収縮の形で適用されてもよい。応力を増大する予励起ペーシング治療は、抑制された要求モー
ドまたは起動モードなどの、徐脈ペーシングアルゴリズムに従って、応力を加えることが望まれる領域から離れた単一部位または複数部位で心室をペーシングことにより実施されてよい。複数のペーシングパルスは、複数の部位に同時に送達されてもよいし、または一定のパルス出力シーケンスで送達されてもよい。
例証的なインプラント装置
図1は、1つまたは複数の心筋部位に応力を加えるかまたは応力を除くかの目的で予励起ペーシングを送達する例証的なインプラント心臓装置100を示す。さらに、本装置は、徐脈ペーシングおよび心臓再同期ペーシング等の他のタイプのペーシング治療を提供する能力を有していてもよい。以下に述べるように、装置は、通常の動作モードと、定義された入口および出口条件に従って予励起ペーシングを伝える予励振モードの間で切り替わるように構成されてよい。インプラント可能なペーシング装置は通常、患者の心腔を検出および/またはペーシングするために使用される患者の心腔内に配置された電極と本装置とを接続すべく、導線を静脈内で心臓に通した状態で、患者の胸部で皮下または筋肉下に置かれる。電極は種々の手段によって心外膜に配置されてもよい。プログラム可能な電子コントローラは、時間間隔の経過および/または電気活性の検出(すなわちペーシングパルスの結果としてではない内因性の心拍動)に応じて、ペーシングパルスを出力させる。装置は、1つまたは複数の検出チャネルを介して内因性の心臓電気活性を感知し、各検出チャネルは1つまたは複数の電極に接続されている。内因性拍動がない状態で心筋組織を励起させるために、ある閾値を超えるエネルギーのペーシングパルスを、1つまたは複数のペーシングチャネルを介して1つまたは複数のペーシング部位に送達する。各ペーシングチャネルは、1つまたは複数の電極を内臓している。図1は、2本の導線200,300を有する例証的な装置であり、導線200,300の各々は、それぞれ電極201−202および301−304を有する多極の導線である。電極201−202は右心室および/または中隔領域を励起または検出するために右心室に配置され、電極301−304は左心室の領域を励起または検出するために冠状静脈洞または左心静脈に配置される。もし左心室の先端領域にリモデリングまたは虚血を受けやすい部位VRがあった場合、かかる領域への予励起ペーシングが、かかる受攻領域の応力を解放し、かつ負荷を除去する双極ペーシング形状の、電極303および304により送達される。そのような予励起ペーシングは、例えば、左心室のみのペーシングとして、または左心室が右よりも前にペーシングされるようにオフセットされた二心室ペーシングとして送達され得る。逆に、心臓保護的なプレコンディショニングのために部位VRに意図的に応力を加えることが望まれる場合、予励起ペーシングは、電極201および202を介して右心室のみのペーシングモードで、電極301および302を介して左心室のみのペーシングモードで、または二心室ペーシングモードで、部位VRから離れた心筋部位を励起させるよう伝えられ得る。他の実施形態は、異なる複数の心筋部位を励起させるために、任意の数の電極を、単極および/または多極の導線形で使用してもよい。以下に説明するように、一旦装置と導線が埋め込まれれば、装置のペーシングおよび/または検出チャネルは、特定の心筋部位を選択的にケーシングまたは検出すべく、複数の電極のうちの選択されたもので構成されてもよい。
図2は、より詳細なインプラント装置100の構成要素と、例証的なモニタリング/プログラミングシステムとを示す。インプラント装置100は患者の胸の位置で皮下または筋肉下に配置される密封ハウジング130を備えている。ハウジング130はチタン等の導電性金属から形成され、電気刺激を伝えるか、または単極の形状で検出する電極として役立ち得る。ヘッダー140は、絶縁材から作られ得るが、導線200,300を受容するためにハウジング130上に装着され、導線200,300はその後パルス発生回路および/または検出回路に電気接続され得る。ハウジング130内には、装置100に上述の機能を提供するための電気回路132が収容され、電気回路132は電源、検出回路、パルス発生回路、装置の動作を制御するプログラム可能な電子コントローラ、および外部
のプログラマまたは遠隔監視装置190と通信することが可能なテレメトリトランシーバを備えてもよい。外部プログラマは、装置100と無線で通信し、臨床医がデータを受け取りかつコントローラのプログラミングを修正することを可能にする。遠隔監視装置は、テレメトリを介して装置100と通信してもよく、患者管理サーバ196と通信するネットワーク195(例えばインターネット接続)にさらに接続されてもよい。患者管理サーバ196は、遠隔地にいる臨床人員が遠隔監視装置からデータを受け取ると共にコマンドを発行することを可能にする。コントローラは、特定の条件が監視回路により検出された場合等(測定されたパラメータが指定の限界値を超えるかそれ未満に下がった場合等)にプログラムされてもよく、装置は、臨床人員へ警告を発するために遠隔監視装置および患者管理サーバへ警告メッセージを送信する。
図3には回路132のブロック図が示されている。電池22は該回路に電源を供給する。コントローラ10は、プログラムされた命令および/または回路の構成に従って装置の全体の動作を制御する。コントローラはマイクロプロセッサのコントローラとして実装され、データおよびプログラム保存用のマイクロプロセッサとメモリとを備えてもよいし、ASIC(例えば有限状態機械)等の専用ハードウェア構成要素で実装されてもよいし、またはそれらの組み合わせとして実装されてもよい。コントローラはさらに、時間の経過およびスケジュールのイベントを測定するために使用されるタイマを実装する外部クロック等のタイミング回路を含む。「コントローラのプログラミング」という用語は、本明細書に使用する場合、マイクロプロセッサによって実行されるコードか、または特定の機能を行なうためのハードウェア構成要素の特定の構成を指す。テレメトリトランシーバ80はコントローラに接続され、コントローラはコントローラが外部プログラマおよび/または遠隔モニタリングユニットと通信することを可能にする。磁気または触覚動作スイッチ24も、コントローラと接続した状態で示され、患者が特定の条件またはイベントの信号をインプラント装置へ送ることを可能にする。検出回路30およびパルス発生回路20はコントローラと接続され、これによりコントローラは検出信号を解釈し、ペーシングモードに従ってペーシングパルスの送達を制御する。検出回路30は、検出電極から心房および/または心室の電気記録図信号を受け取り、検出アンプおよび検出アンプからの感知信号入力をデジタル化するアナログデジタル変換器、および検出アンプの利得および閾値を調整するために書き込まれるレジスタを備えている。パルス発生回路20は、ペーシングパルスを、心臓に配置されたペーシング電極に送達し、容量性放電パルス発生器と、パルス発生器を制御するレジスタと、パルスエネルギー(例えばパルス振幅およびパルス幅)等のペーシングパラメータを調節するレジスタとを備えている。装置は、ペーシングパルスによる心筋組織の捕捉(つまり伝達する活動電位の開始)を保証するためのペーシングパルスエネルギーの調節を可能とする。パルス発生回路は、頻脈性不整脈を検出した時にショック電極によって除細動/心臓除細動ショックを伝える衝撃パルス発生器をさらに備えてもよい。
ペーシングチャネルは電極と接続可能なパルス発生器から構成され、検出チャネルは電極と接続可能なセンス増幅器から構成される。(通常使用されるように、用語「検出チャネル」または「ペーシングチャネル」は、使用の際に接続される電極と共にパルス発生器または検出回路等の回路を実際に構成する物理的構成要素を意味するか、電極に接続される適切な出力ポートまたは入力ポートと共にパルス発生器または検出回路だけを意味するものとみなされてもよい。特段別の記載がない場合、後者の定義が本明細書では使用される。)図面には電極40から40Nが示され、Nは整数である。電極は同じ導線上にあ
っても異なる導線上にあってもよく、MOSスイッチマトリクス70に電気接続される。スイッチマトリクス70はコントローラによって制御され、選択された電極を検出増幅器の入力かまたはパルス発生器の出力に切り替えて、それぞれ検出チャンネルまたはペーシングチャネルをそれぞれ構成するために使用される。装置は任意の数のパルス発生器、増幅器、および電極を装備していてもよく、これらは検出チャネルまたはペーシングチャネ
ルを形成するよう任意に組み合わせられてよい。スイッチマトリクス70により、利用可能な埋込み電極のうちの選択されたものが、単極か双極の構成で検出チャネルおよび/またはペーシングチャネルに接続される。双極の検出またはペーシング構成とは、2つの電極が通常同じ導線上にある(例えば双極導線のリングとチップ電極または多極導線2つの選択された電極)、2つの近接して離間された電極間のペーシングパルスの電位または出力の検出を指す。単極の検出またはペーシング構成とは、検出された電位または電極により出力されたペーシングパルス出力が、伝導性装置のハウジングまたは別の遠隔電極に参照される場所である。
図3に例証された装置は、電極の位置によって、心房性チャネルまたは心室チャネルであってよい複数の検出チャネルおよび/またはペーシングチャネルを備えるように構成され得る。したがって、本装置は、従来のペーシングと同様、応力低減/増強の目的で、単一部位または複数部位での心室の予励起を伝えることができる。スイッチマトリクスは、予励起ペーシングの送達に使用されるペーシングチャネルに組み込まれるよう適切に配置された電極を選択することにより、特定の心筋部位が、応力低減または増強の目的で予め励起されることを可能にする。ペーシングチャネルおよび検出チャネルの構成は、種々のペーシングモードへ、または種々のペーシングモードから切り替わる時に装置によって自動的に行われるのみならず、テレメトリインターフェイスを通じて通信する外部プログラマによって行なわれてもよい。
予励起ペーシングは単一部位のペーシングとして伝えられてもよいし、またはプログラムされた二つの心室のオフセット間隔によって決定される一つの心室が他方の心室に対して予励起される二心室ペーシング、または多数部位の心室ペーシングとして伝えられてもよい。予励起ペーシングが多数部位に伝えられる場合、かかる部位は同時にペーシングされてもよいし、1つの拍動の間に複数の部位がペーシングされる順序およびタイミングを指定する特定のパルス出力シーケンスに従ってペーシングされてもよい。心房または心室の検出チャネルの電気記録図信号が、指定された閾値を超えた場合、コントローラは心房または心室のセンスをそれぞれ検知し、これをペーシングアルゴリズムが使用してペーシングを誘発または抑制し得る。コントローラは多くのプログラムモードで装置を動作させることができ、あるプログラムモードは検出されたイベントおよび時間間隔の終了に応じて、どのようにペーシングパルスを出力するかを定義する。受攻部位に近接するかまたは受攻部位から遠く離れた1つまたは複数の心室部位の予励起ペーシングが、特定の最小心拍数を強化するペーシングアルゴリズムと称される徐脈ペーシングモードと共に送達されてもよいし、他の目的(例えば徐脈の治療)で心房または心室に送達されるペーシングパルスを備えていても備えていなくてもよい。抑制要求徐脈ペーシングモードは、検出された固有活性に従ってペーシングを制御する補充収縮(エスケープ)間隔を利用する。抑制要求心室ペーシングモードでは、心室は、心室による内因性拍動が検知されない定義された補充収縮間隔の終了後にだけ、心拍周期中にペーシングされる。例えば、心室補充収縮間隔は2つの心室のイベントの間で定義され、低レート間隔(LRI)と呼ばれる個々の心室センスまたはペースで再開される。この補充収縮間隔の逆数は、低レート限度(LRL)と呼ばれることもある、ペースメーカーが心室の拍動を許容する最低レートである。加速度計26または分時換気量センサ25を用いる等して測定された運動レベルに従って補充収縮間隔が修正されるレート適応ペーシングモードで、ペースが伝えられてもよい。心房トラッキングおよび房室連続ペーシングモードでは、房室遅延またはAVD間隔と称される別の心室補充収縮間隔が心房イベントと心室イベントの間で定義される。房室遅延間隔は、心房のセンスまたはペースにより開始され、心室のセンスまたはペースにより停止される。心室のセンスが房室遅延間隔の終了前に生じない場合、心室のペースは房室遅延間隔の終了時に伝えられる。
1実施形態では、心調律管理装置は、ペーシングパルスを選択された心室の心筋部位に
送達するための少なくとも1つのペーシングチャネルと、ペーシングモードに従ってペーシングパルスを制御するためのコントローラとを備えている。コントローラは、通常の動作モードから、心室心筋の特定領域または部位が通常の動作モード中にそれらの部位が受ける応力と比較して増加または減少した機械的ストレスを受けるIPTモードへと、間欠的に切り替わるようにプログラムされる。通常の動作モードは、ペーシング治療が送達されないモードであってもよいし、心室および/または心房ペーシング治療を送達する第1のペーシングモードであってもよく、IPTペーシングモードは、例えば第1のペーシングモードとは異なる1つまたは複数の部位で励起することにより、またはセンスもしくはペーシング間の異なるタイミングの関係で心室心筋を励起することにより、第1のペーシングモードとは異なる脱分極パターンを引き起こすモードである。第1のペーシングモードからIPTモードへの切り替えは、双極ペーシングから単極ペーシングへの切り替えまたはその逆、双極ペーシング導線の電極のカソードからアノードへの切り替え、左心室のみのペーシングから右心室ペーシングへの切り替えまたはその逆、二心室ペーシングから単一心室ペーシングへの切り替えまたはその逆(応力増強モードで、第1のペーシングモードでは用いなかった少なくとも1つのペーシングチャネルを用いる)、異なる徐脈ペーシングモード間の切り替え(例えばVVIと、心房トラッキングまたは房室連続モードとの間)、AVDまたはLRL等の1つまたは複数の補充収縮間隔の修正(例えばIPTモードはより高速なペーシング、オーバードライブペーシングを含んでよいか、患者の内因性房室間隔のレートとして指定されたAVD等の短縮AVDによるペーシングを含んでもよい)を含み得る。コントローラは、内部タイマにより指定された負荷サイクルに従ってIPTを間欠的に伝えるようにプログラムされてもよい。例えば、予定された負荷サイクルは、所定の期間にわたって、反復的にIPTが5分間オンにされてから5分間オフにされるように指定されてもよい。
間欠性ペーシング治療の増強
心室の非同期性は、心臓保護効果を得るために心筋の応力を再分配する予励起ペーシングの所望の結果である。そのような非同期性は、励起前の部位と励起後の部位とが受ける応力に違いをもたらす原因となっている。上述したように、比較的非同期の心収縮を生成するペーシング治療によってもたらされる心臓の応力の間欠的期間は、有害な心臓リモデリングを逆転させおよび/または続く虚血エピソードからの保護を提供する心臓保護的効果を及ぼし得る。ここでは、患者の測定された運動レベルおよび/または検出またはペーシングされる心拍数に依存する増強された様式で間欠性ペーシング治療(IPT)を提供する方法および装置について説明する(ペーシングされる心拍数は、レート適合性のあるペーシングモードにおける運動レベルセンサによって決定されるような、センサによって示されたレートであってよい)。例えば、患者が高い心拍数(内因性の心拍数であってもペーシングされる心拍数であってもよい)を有するか、または治療時に活動的な場合、より小さな応力を生成するペーシングパラメータがIPTモードに使用される。そうでない場合、比較的非活動的であるかまたは低い心拍数の期間は、より大きな応力を生成するパラメータがIPTモードに使用される。この目的で調節されてもよいペーシングパラメータの例は、治療の持続時間、ペーシング率および房室遅延である。ペーシングパラメータおよび患者の状態(心拍数、運動状態)は分析され、プログラマまたは調査用の他の外部装置で利用可能である。
図4は、IPT治療の送達を増強するために装置のコントローラにより実行可能なアルゴリズムを示す。状態A1では、装置は通常の動作モードで動作しつつ、時間間隔の経過および/または1つまたは複数の検出された変数を監視し、状態A2で、IPTモードに切り替えるべき時間であるか否かをチェックする。このIPTモードのスケジューリングは、時間間隔および/または存在する1つまたは複数の検出条件(例えば患者の心拍数および/または測定された運動レベルが特定の範囲内にある場合)に基づいて決定される。IPTモードの期間も時間間隔の経過および/または検出された条件に基づいて決定され
る。IPTモードへの切り替えがなされるべきであることが決定されると、装置は次に状態A3で患者の現在のストレスレベルを決定する。ストレスレベルの決定は、心拍数、運動レベル(例えば分時換気量センサまたは加速度計による)または心拍数の変動のような、応力と何らかの様式で相関する任意の検出される変数に基づいてよい。状態A4で患者が高い応力レベルにいることが決定されると、状態A5で、より低い応力IPTを伝えるよう1つまたは複数のIPTパラメータが調節される。患者が高い応力レベルにいないことが決定されると、状態A6で、より高い応力IPTを伝えるよう1つまたは複数のIPTパラメータが調節される。その後、状態A7で装置は所定期間IPTモードに切り替わる。
上述したように、IPTのスケジューリングを実施する1つの方法は、例えば各5分間ずつでオンおよびオフにするというように、時限のある負荷サイクルを用いることによる。そのような負荷サイクルのタイミングは、患者の心拍数に基づいて調節されてもよいし、および/または運動状態(例えば心拍数または活動レベルが高い程、IPT負荷サイクルの期間が短くなる)に基づいて調節されてもよい。患者が比較的非活動的な場合に生成される応力を増大させるために、低い心拍数でより長いIPT負荷サイクルが使用される。IPT負荷サイクルの時間と測定される心拍数の間の関数の関係は、変数の種々の値の間の相関として(例えば参照テーブルによって実施されるように)または明示的な計算値として定義されてもよい(同じことは本明細書で説明した関数の関係の全部に当てはまり得る)。例えば、IPT時間と心拍数の間の関数の関係は、線形であってもよいし、S字曲線であってもよいし、連続であっても不連続であってもよいし、または多項式として表現されてもよい。例えば、心拍数が80bpmの正常なレートにある場合、IPTは30秒のONおよびOFFの負荷サイクルで伝えられてもよい。その後、負荷サイクルは以下のように調節される:
−100bpmの心拍数で:80/100*30=24秒 ONおよびOFF
−60bpmの心拍数で:80/60*30=40秒 ONおよびOFF
別の実施形態では、心拍数に従ってIPTの負荷サイクルを調節するのではなく、IPT負荷サイクルの期間が、数えられた拍動数に基づいて決定される。例えば、装置は、Mの拍動数に対しては治療ON(IPTモード)で動作し、Nの拍動数に対しては治療OFF(通常モード)で動作してもよく、MおよびNはプログラム可能な整数値である。拍動はすべての心臓サイクル(内因性拍動とペーシング拍動を含む)であってもよいし、ペーシングされる心臓サイクルのみであってもよい。ペーシングされる心臓サイクルが使用される場合、治療ONおよびOFFモードのための心臓サイクルの総数の上限が強制されてもよい。例えば、装置は、心臓サイクルの総数がONモードで規定数Mのペーシングされる拍動の1.5倍を超えず、OFFモードで規定数Nのペーシングされる拍動の1.5倍を超えないように動作してもよい。これらの限界値はユーザーによって選択可能である。
IPTを実施する別の方法は、固定値のオーバードライブペーシング率、例えば時限のある負荷サイクルまたは別の所定の負荷サイクルに従って伝えられる患者の内因性心拍数よりも10bpm高い値の使用である。1実施形態では、そのようなIPTの送達は、患者の内因性心拍数に従って増強される。例えば、IPTペーシング率は、内因性レートが100bpmにはIPTレートが110bpmとなり、内因性レートが60bpmの場合にはIPTレートが66bpmとなるように、患者の内因性心拍数よりも10%高い値に指定されてよい。別の実施形態では、オーバードライブペーシングの量は心拍数とは反比例に変化し、心拍数が低いほどIPT治療はより積極的なものとなる。例えば、増強スキームは、60bpmで最大の20%のレートの増大を指定し、100bpmで最大5%のレートの増大を指定し、心拍数が80bpmの場合、増加レートは以下の通りである:
5%+(80−60)/(100−60)*(20%−5%)=12.5%(16bpm)
別の実施形態では、IPTオーバードライブペーシング率は、運動レベルセンサによっ
て測定されるような患者の活動状態に基づいて調節され、IPTが運動中に伝えられ場合にはIPTオーバードライブペーシング率は低減され、IPTが休息中に伝えられた場合にはIPTオーバードライブペーシング率は増加される。例証的な実施では、患者が休息中の場合、係数は1と設定され、患者が運動している場合、係数が1よりも小さい値(例えば、オーバードライブペーシングが半分だけ減少するよう0.5)に設定されるように、オーバードライブの調節用の活動係数に、指定されたIPTペーシング率を乗算する。係数は、運動が強いほど係数が小さくなるように、任意の関数の関係に従う運動強度に応じて変更されてもよい。
別の実施形態では、IPTモードは、指定されたAVD間隔の房室連続または心房トラッキングモードでペースを伝えることを含む。その後、IPTモードで使用されるAVD値を、より高い心拍数ではまたは運動中にはIPTにより小さいかまたは中程度の応力量が生産されるように、心拍数および/または運動状態に基づいて調節される。他方、より低い心拍数および患者が休息中の時は、より大きな応力を生成するようにAVDが調節される。1実施形態では、比較的広いQRS間隔(例えば、QRS>150ミリ秒)を示す患者に適するのは、以下の所望量の応力を生成するようためにAVDを調節することである:
小さな応力:短いAVD(緩い心房キック)
中程度の応力:長いAVD(非同期収縮、MR)
大きな応力:VV遅延のある短い/長いAVD(例えば左心室の前に右心室がペーシングされる場合)
他方、比較的狭いQRS間隔(例えば、120<QRS<150ミリ秒)を示す患者では、AVD間隔は以下のように所望量の応力を生産するために調節され得る:
小さな応力:中程度のAVD(内因性のAV間隔の約50%)
中程度の応力:短いAVD(非同期収縮)
大きな応力:VV遅延のある短いAVD(例えば左心室の前に右心室がペーシングされる場合)
例証的な実施形態
本明細書に記載されているように、間欠性ペーシング治療(IPT)の送達のための心臓装置は、電気的な心臓の活動を検出する1つまたは複数の検出チャネルと、1つまたは複数の心筋部位へペーシングパルスを伝える1つまたは複数のペーシングチャネルと、通常の動作モードまたはIPTモードのいずれかで装置を動作させるようプログラムされたコントローラとを備え、IPTモードにおいて、コントローラは、通常の動作モードと比較してある程度の心室の非同期性が生じるペーシングモードを使用して1つまたは複数の心筋部位にペースを送達するようにプログラムされる。
1実施形態では、コントローラは以下のようにプログラムされる:1)A秒間IPTモードで動作すると共にB秒間通常モードで装置が動作する時限のある負荷サイクルスケジュールに従ってIPTモードに切り替わり、2)時間の値AおよびBが検出またはペーシングされる心拍数の関数となるように該時限のある負荷サイクルを変更する。ペーシングされる心拍数はセンサに示されたレートであってもよい。所定の関数の関係に従って心拍数が所定の程度まで減少した場合、IPTモードAの期間が増加するようにコントローラがプログラムされてもよい。
別の実施形態では、コントローラは、Aの心拍動数に対してIPTモードで動作すると共にBの心拍動数に対して通常モードで装置が動作する所定の負荷サイクルスケジュールに従ってIPTモードに切り替わるようにプログラムされる。拍動時間AおよびBはプログラム可能な整数値であってもよいし、または検出またはペーシングされる心拍数の関数であってもよい。拍動時間はすべての心臓サイクル(内因性サイクルおよびペーシングされるサイクルを含む)を指してもよく、ペーシングされる心臓サイクルのみを指してもよ
い。ペーシングされる心臓サイクルのっみを使用して拍動時間A,Bを決める場合、IPTモードまたは通常モードの一方または両方に心臓サイクルの総数に対する追加の限度値が課されてもよい。そのような限度値は、ユーザーによってプログラム可能な比例定数等の拍動時間の関数として表わされてもよい。例えば、IPTモードまたは通常モードの拍動期間の合計は、そのモードの指定されたペーシングされる拍動期間の1.5倍以下であるように拘束されてもよい。別の実施形態では、持続時間AまたはBのうちの一方は拍動期間であってよく、他方は時間の期間であってもよい。すなわち、IPTモードの期間Aは、心拍動数または時間量のいずれであってもよく、通常モードの期間Bは、心拍動数または時間量のいずれであってもよい(拍動および時間の期間は固定された(一定の)プログラム可能な値であってもよいし、心拍数の関数であってもよい)。
別の実施形態では、コントローラは、所定の負荷サイクルに従ってIPTモードに間欠的に切り替わるようにプログラムされ、IPTモードにおいて、コントローラは検出された内因性の心拍数よりもパーセンテージPだけ高いペーシング率のオーバードライブモードでペースを伝える。パーセンテージPの値が検出された内因性の心拍数の関数となるように、コントローラがプログラムされてもよい。例えば、検出された内因性の心拍数にP値が反比例するように作成されてもよい。装置は、患者の運動レベルを測定する運動レベルセンサをさらに備えてもよく、その場合、パーセンテージPの値が測定された運動レベルの関数となるようにコントローラがプログラムされる。例えば、Pの値は測定された運動レベルに反比例してもよい。
別の実施形態では、コントローラは、所定の負荷サイクルに従ってIPTモードに間欠的に切り替わり、また、IPTモードにおいて房室連続または心房トラッキングの心室ペーシングモードで指定された房室遅延AVDを用いてペースを伝えるようにプログラムされる。IPTモードにおいて、コントローラは、検出された内因性房室間隔のパーセンテージPであるAVDでペースを伝え、検出または測定された心拍数および/または測定された運動レベルに従ってPの値を調節するようにプログラムされる。1つの実施では、コントローラは、検出または測定された心拍数および/または測定された運動レベルが所定の関数の関係に従って所定の程度まで増大した場合にPを減少させるよう、Pの値を調節するようにプログラムされる。別の実施では、コントローラは、検出または測定された心拍数および/または測定された運動レベルが所定の関数の関係に従って所定の程度まで増大した場合にはPを増加させるよう、Pの値を調節するようにプログラムされる。コントローラはさらに、検出または測定された心拍数および/または測定された運動レベルが所定の関数の関係に従って所定の程度まで減少した場合に各心室に送られるペース間のVV遅延を増大させたIPTモードで二室ペーシングを送達するようにプログラムされてもよい。
本発明を上記の特定の実施形態に関連付けて説明してきたが、これらの実施形態は遊離と考えられるいかなる様式で組み合わされてもよいことを理解すべきである。また、多くの変更、バリエーションおよび改変が当業者には明らかであり、他のそのような変更、バリエーションおよび改変は特許請求の範囲内にあるものとする。

Claims (10)

  1. 心臓装置であって、
    電気的な心臓の活動を検出する1つまたは複数の検出チャネル、
    1つまたは複数の心筋部位にペーシングパルスを送達する1つまたは複数のペーシングチャネル、および
    通常の動作モードまたは間欠性ペーシング治療(IPT)モードのいずれかで装置を動作するようにプログラムされたコントローラ、
    を備え、前記IPTモードにおいて、コントローラは、前記通常の動作モードと比較してある程度の心室の非同期性を生じさせるペーシングモードを使用して、1つまたは複数の心筋部位にペーシングを送達するようにプログラムされ、
    前記コントローラが、
    装置が、A秒間IPTモードで動作すると共にB秒間通常の動作モードで動作する時限のある負荷サイクルスケジュールに従って、IPTモードに切り替わり、かつ
    心拍数の増加に応答してIPT負荷サイクル期間の値Aが減少するように、異なる心拍数の値を異なる負荷サイクル期間の値に対応付けることによって、IPT負荷サイクル期間の値AおよびBを検出またはペーシングされる心拍数の関数として設定するようにプログラムされる、心臓装置。
  2. 検出またはペーシングされる心拍数が所定の関数の関係に従って所定の程度まで減少した場合に、IPTモードの持続時間Aが増加するように前記コントローラがプログラムされる、請求項1に記載の装置。
  3. 装置のペーシングレートを変更する運動レベルセンサを更に備える、請求項1に記載の装置。
  4. 通常の動作モードは、ペーシング治療を送達しないモードである、請求項1に記載の装置。
  5. 通常の動作モードは、心室、心房、またはその両方のペーシング治療を送達する第1のペーシングモードであり、IPTモードは、第1のペーシングモードとは異なる脱分極パ
    ターンを引き起こすモードである、請求項1に記載の装置。
  6. 前記コントローラは、IPTモードが第1のペーシングモードとは異なる心筋部位を励起するように構成される、請求項5に記載の装置。
  7. 前記コントローラは、IPTモードが第1のペーシングモードとは異なる検出またはペーシングのタイミングの関係で1つ以上の心筋部位を励起するように構成される、請求項5に記載の装置。
  8. 前記コントローラは、第1のペーシングモードからIPTモードへの切り替えが双極ペーシングから単極ペーシングへの切り替えを伴うように構成される、請求項5に記載の装置。
  9. 前記コントローラは、第1のペーシングモードからIPTモードへの切り替えが単極ペーシングから双極ペーシングへの切り替えを伴うように構成される、請求項5に記載の装置。
  10. 双極ペーシング導線を更に備え、前記コントローラは、第1のペーシングモードからIPTモードへの切り替えが双極ペーシング導線の極性の切り替えを伴うように構成される、請求項5に記載の装置。
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