JP5357310B2 - スピーカ装置 - Google Patents

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本発明は、音響装置などに使用されるスピーカ装置に関する。
一般的に普及しているスピーカは、木材原料を小片化したものを化学薬品で精製することでセルロース純度が高くなった化学パルプから加工された面積の狭いホーン型やコーン型であり、または、化学繊維から加工された面積の狭いホーン型やコーン型である。
いずれも音の電気信号を機械的振動に変換し、ホーンやコーンを振動させ空気にその振動を伝搬することで音を出力する。
これらの従来のスピーカでは、大きな音を出力するためには大振幅の電気信号が必要であり、そのためには高い駆動能力を有するパワーアンプと、スピーカ全体の大型化が必要になる。
また、化学的に加工された物質では、その物質が備える固有振動数の範囲が減少してしまい、物理現象として生物と共鳴される固有振動数の範囲は狭くなってしまう。
一方、ダイナミックスピーカ等の従来型のスピーカと異なり、平面状の振動パネルを湾曲した状態に保ち、振動を与えることで大音響を出力できる平面スピーカが知られている。例えば、以下の特許文献1に示される通りである。
この平面スピーカは、比較的小さいパワーの電気信号であっても大きな音を出力することができ、その動作原理は必ずしも明確には解明されていないが、音の電気信号から変換した機械的振動を湾曲した状態に保った平面状の振動パネルに伝えることで、パネルの表面と裏面とで反射を繰り返しながら機械的振動が伝達し、かかる反射の繰り返しが大きな音の生成につながると推測されている。
また、バルサ材から構成された平面状の振動パネルを利用したスピーカ装置が知られており、振動パネルの原料となるバルサ材を加工する工程で、バルサ原木を板状に製材した平面状のバルサ材表面に天然硬質樹脂を付加し、平面状のバルサ材を所定角度へ湾曲させることで形成される振動パネルであり、前記振動パネルを利用したスピーカ装置に伝達される波動の特性によると、自然物材料で構成された振動パネルに波動が伝搬することで、自然界に存在する虫の音色のように指向性が低く遠くまで聞こえる音を出力することができるものと推定され、例えば、秋の夜に聞こえる鈴虫の音色などは、鈴虫のもつエネルギーを考慮すれば非常に遠くまで音を伝えることができるといえるが、自然物材料で構成されたスピーカはそれと同様の大きな音を少ないエネルギーで生成することができるものと推測されている。
なお、波動とは媒質内の変位が規則正しく伝搬することと一般には定義されている。
特開2007-104554号公報
バルサ材から構成された振動パネルを利用したスピーカ装置では、自由な形状の振動パネルに加工することが困難であり、且つ一定の品質を保った振動パネルを大量生産することが困難であるため、バルサ材に代わる自然物材料が求められ、バルサ材で構成された振動パネルを利用したスピーカ装置の特性と同等もしくはそれ以上の特性を備えた自然物材料が求められる。
また、従来提案されていたスピーカ装置では、振動パネルの拡張機能を備えておらず、大音響を出力するためにはエンクロージャーの大型化が必要であり、振動パネルを拡張して面積を広げることで音響の伝搬範囲を広げられることが求められ、また、振動パネルの面積に比例して、出力された音の反響による劣化を軽減することが可能になるため、大面積を有する振動パネルからスピーカ装置を構成することが好ましく、同時に持ち運びを容易にするための収納性が求められる。
上記の目的を達成するために本発明のスピーカ装置は、繊維長3mm以上の紙パルプで形成された紙製パネルを有する振動パネルを備え、前記紙製パネルはその内部または表面の少なくともいずれか一方に付加されたゼラチンの硬化物を有し、そして前記紙製パネルの内部ないし前記ゼラチンの硬化物の外側に付加された天然硬質樹脂の硬化物を有することが好ましい。
また、前記天然硬質樹脂は、シェラック、またはコーパル、またはアンバー、またはウルシオール、の少なくとも一方からなることが好ましい。
また、前記振動パネルは湾曲した形状を有し、音の電気信号を機械的振動に変換する駆動手段が前記振動パネルの湾曲頂部近傍に設けられていることが好ましい。
更に、前記振動パネルは、湾曲した形状を有した第一振動パネルと、前記第一振動パネルに結合され且つ外方へ延在した複数の振動伝搬部材と、前記振動伝搬部材に張設接合された第二振動パネルを有し、前記第一振動パネルと前記振動伝搬部材が、着脱可能に設けられた固定手段によって結合されていることが好ましい。
また、前記振動パネルに繊維間結合強化剤としてグルコマンナンを付加することが好ましい。
更に、前記振動パネルの上方に設けられたエンクロージャーの構造は、入射光を電気エネルギーに変換する光電変換装置を備えることが好ましい。
上記本発明の自然物材料で構成された振動パネルを利用したスピーカ装置によれば、前記振動パネルは第一振動パネルと、前記第一振動パネルから増設された第二振動パネルを有し、前記振動パネルの湾曲頂部近傍に設けられた駆動手段によって音の電気信号が機械的振動へ変換されることで、前記振動パネルの湾曲頂部近傍に配置された前記第一振動パネルに機械的振動が伝達され、更に前記第一振動パネルから外方へ延在して結合される複数の振動伝搬部材に沿って機械的振動が伝達し、前記振動伝搬部材を介して前記第二振動パネルに機械的振動が伝達することで広範囲に波動を伝達することができる。
そして、前記振動パネルは繊維長3mm以上の紙パルプから形成する紙製パネルから構成することにより多孔構造を有し、多孔構造を有する前記振動パネルに伝達された音は適度な内部損失を生じることで音の反響を減衰させ、鮮明な音響を感じることができる。
また、前記振動パネルに繊維長30mm以上の天然繊維を含有することで強度が向上し、且つ前記天然繊維に沿って機械的振動が伝達されることで機械的振動の伝達範囲を拡げることができる。
また、紙パルプから形成する紙製パネルを利用して振動パネルを構成することにより、自由な形状の振動パネルに加工することを容易にし、且つ一定の品質を保った振動パネルを大量生産することを容易にすることができる。
そして、前記紙製パネルの内部または表面の少なくともいずれか一方にゼラチンの硬化物を付加し、その外側に天然硬質樹脂の硬化物を付加して前記振動パネルを構成することによって、ゼラチンの湿気による軟化を防ぐことができる。また、溶剤で希薄させた天然硬質樹脂を前記紙製パネルの内部に付加して前記振動パネルの硬度を段階的に変えていくことで音域を広げることができる。
また、前記振動パネルに繊維間結合強化剤としてグルコマンナンを付加させて、更に強度を上げることが好ましい。
また、前記振動パネルに伝達される波動の特性として、前記振動パネルの湾曲頂部近傍に設けられた駆動手段によって音の電気信号が機械的振動へ変換され、前記振動パネルに伝達した機械的振動が波動として伝搬し、前記振動パネルと元来が同じような固有振動数を有する物質へ機械的振動が共振することで、広い面積を有した前記振動パネルへ機械的振動が変調を生じずに伝達され大音響が出力される。また、機械的振動が伝搬される範囲内に居る人間の細胞が共振することで細胞膜のイオンチャンネルを開き、細胞内外を物質が移動して代謝を促進することができると推測される。
また、複数の振動伝搬部材が第一振動パネルから外方へ延在して設けられ、前記振動伝搬部材と前記第一振動パネルが着脱自在に設けられた固定手段によって結合されることで、前記振動伝搬部材に張設接合された第二振動パネルの拡張を可能にすることができ、また更に第三振動パネル以上の拡張も可能にすることができる。そして、更に大型化して傘状に構成された振動伝搬部材と前記振動伝搬部材に張設接合された第二振動パネルに取り替えることで大型化された傘状スピーカ装置に拡張され、少ないエネルギーで大音響を出力することができ、且つ傘の折り畳み構造を設けることで収納性を兼ね備えることができる。
そして、前記振動パネルの上方に設けられたエンクロージャーは、入射光を電気エネルギーに変換する光電変換装置を備え、電気信号生成ユニットの電源装置として利用することができる構成にすることで、電源のない屋外に設置されたとしても、長時間の電気エネルギーを供給することのできるスピーカ装置としての利用が期待できる。
本発明の形態におけるスピーカ装置を、傘状に拡張された側面構成図である。 本発明の形態におけるスピーカ装置の振動パネルに設けられた駆動手段と、その上方に配置されたエンクロージャーに備わる光電変換構造を示す側面構成拡大図である。 本発明の形態におけるスピーカ装置を、傘状に拡張された上面構成図である。 本発明の形態におけるスピーカ装置の振動パネルに設けられた着脱自在構造および駆動手段を示す上面構成拡大図である。 本発明の形態におけるスピーカ装置を、ペンダントライト状に拡張された側面構成図である。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図1は、本発明の形態におけるスピーカ装置を、傘状に拡張された側面構成図である。
図1は試作機の構成図であるが、この側面図により振動パネルから出力される音量と音域の関係が明らかにされる。
本実施の形態における振動パネルは、第一振動パネル(14)と第二振動パネル(12)を有し、その面積と湾曲する角度によって出力される音量が定められ、また、その厚みと硬さによって音域が定められる。
そして、第一振動パネル(14)がエンクロージャー(10)の湾曲内方に配置され、第一振動パネル(14)から上方向に伝搬される音をエンクロージャー(10)によって遮断し、その反射を利用して下方向に音を伝搬させることで低音が増幅される。
また、媒質内へ伝達される機械的振動は、距離の2乗に反比例して減衰されると推定されているため、前記振動パネルの厚さは、最も厚さのある中心から外方へ延在して向かう距離の2乗に反比例して薄くなっていく形状で構成することによって、エネルギー効率に合わせて機械的振動を伝達することができると推測される。
そして、笠状に湾曲した第一振動パネル(14)中央近傍の厚みが15mm、端部近傍の厚みが2mm、直径を500mmとした場合、振動伝搬部材(13A〜13H)に張設接合され傘状に湾曲された第二振動パネル(12)の厚みが0.6mm、直径を1000mmから2000mmの範囲で構成することで、第一振動パネル(14)ないし第二振動パネル(12)に伝達される機械的振動は減衰されていくエネルギー効率に合わせて伝達される。
また、傘状に湾曲した内方角度が130度前後に開かれた状態に保った前記第二振動パネル(12) に音の電気信号から変換した機械的振動を伝えることで、前記振動パネルの表面と裏面とで反射を繰り返しながら機械的振動が伝達されると推測され、かかる反射の繰り返しによって音響を最大限に増幅することができる。
図2は、本発明の形態におけるスピーカ装置の振動パネルに設けられた駆動手段(16A、16B)と、その上方に配置されたエンクロージャー(10)に備わる光電変換構造を示す側面構成拡大図である。
図2は、図1に示す振動パネルの湾曲頂部近傍の拡大図であるが、その構成は、エンクロージャー(10)の湾曲内方に振動パネルが設けられ、音の電気信号を機械的振動に変換する駆動手段(16A、16B)が前記振動パネルの湾曲頂部近傍の対称地点に設けられている。
本実施の形態での駆動手段(16A、16B)は、前記振動パネルの湾曲頂部近傍へ配置された第一振動パネル(14)の対称地点に設けられ、駆動手段(16A、16B)から形成される機械的振動が第一振動パネル(14)に伝達し、第一振動パネル(14)の端部近傍に結合されて外方へ延在している振動伝搬部材(13A〜13H)を介して第二振動パネル(12)へ機械的振動が伝達されるように構成されている。
この駆動手段(16A、16B)は、永久磁石とヨークからなる磁気回路のギャップ内にボイスコイルを挿入し、ボイスコイルに供給される電気信号によりボイスコイルを上下振動させる構成を有する。
また、エンクロージャー(10)は、入射光を電気エネルギー(24)に変換する光電変換構造を有するパネルを備えることが好ましく、パネルへの入射光を電気エネルギー(24)に変換し、変換された電気エネルギー(24)を電源回路(22)に与える。
これにより、電源回路(22)は、光電変換された電気エネルギー(24)から増幅回路(20)に適した電源電圧を生成し増幅回路に供給する。
したがって、本実施の形態のスピーカ装置では、少ないエネルギーで大きな音を出力することができるので、電源のない場所でも、太陽電池などの光電変換素子により生成される電気エネルギー(24)によって電源回路(22)に接続された蓄電池(図示せず)へ蓄電しながら音を出力することが可能となり、長時間の電気エネルギー(24)を供給することができる。
図3は、本発明の形態におけるスピーカ装置を、傘状に拡張された上面構成図であり、図3では振動パネルを構成する自然物材料について説明する。
本発明において自然物材料とは、木材、植物系天然繊維、動物系天然繊維、とその織物、紐、皮革、あるいは以上のものを組み合わせた材料等のように、自然界に元来存在する材料および自然界に存在する元来材料を加工した材料を意味する。
なお、本実施の形態でのスピーカ装置に含有される自然物材料として、竹、楮、麻、を用いる場合を説明するが、他にも、三椏、雁皮、檀、苦参、絹、木綿、藁、木材、とそのパルプ繊維、等が利用可能である。
また、振動パネルに含有された紙製パネルに硬化処理を施す自然物材料として、グルコマンナン、ゼラチン、ロジン、コーパル、アンバー、リンシードオイル、テレピン、シェラック、を用いる場合を説明する。
第一振動パネル(14)は繊維長5mm以上の楮パルプが水素結合された紙製パネルを有する振動パネルを備え、第二振動パネル(12)は繊維長5mm以上の楮パルプを30%の割合と繊維長50mm前後の麻繊維を70%の割合で混合して水素結合されたシート状の紙製パネルを有する振動パネルを備え、第二振動パネル(12)に含有される前記麻繊維に沿って機械的振動が伝達されることで広範囲に渡って機械的振動が伝達され、且つ強度と耐久性を備えることができる。また、前記麻繊維を振動パネルに含有することで装飾効果を施すことができる。
そして、前記紙製パネルはその内部または表面の少なくともいずれか一方に付加されたゼラチンの硬化物を有し、また、前記紙製パネルは前記ゼラチンの硬化物の外側に付加された天然硬質樹脂の硬化物を有することによって前記ゼラチンの湿気による軟化を防ぎ、前記振動パネルに伝達される機械的振動の減衰を防ぐことができる。
また、前記ゼラチンの硬化物の外側に塗布された前記天然硬質樹脂の溶剤はアルコールが含有されると組織が脆弱になり湿気を通してしまうため、アルコールが含有されていないテレピン等の揮発性溶剤または乾性油に溶かした天然硬質樹脂を使用することが好ましい。
また、前記紙製パネルにグルコマンナンを付加することにより更に強化処理を施すことができる。
また、シェラックを20%〜30%の割合でアルコールに溶解させたシェラックニスを前記紙製パネルに付加することで前記振動パネルの硬化処理を施し、多孔構造が保たれた状態の前記振動パネルを構成することで、前記振動パネルの内部に構成された細かな気孔がホーンの役割を果たし、前記振動パネルの表面と裏面とで反射を繰り返しながら機械的振動が伝達され、かかる反射の繰り返しによって音響が増幅させれる。また、前記振動パネルの厚みを増すことで低音を増幅させることができる。また、前記振動パネルに多孔構造を有することで適度な内部損失が生じ、出力された音の反響を減衰させ、鮮明な音を再現することができる。
なお、各実施の形態におけるゼラチンおよび天然硬質樹脂およびグルコマンナンの付加は、含浸、噴霧、散布、塗布、注入等でも良い。
そして、本実施の形態における前記ゼラチンは、膠などのような不純物を多く含有したゼラチンが好ましい。
また、本実施の形態における前記シェラックニスとは、カイガラムシの分泌する虫体被覆物を精製して得られるシェラック樹脂をエチルアルコール63.0w%とメチルアルコール37.0w%の混合物に溶解させたニスを利用している。
また、本実施の形態における前記天然硬質樹脂とは、他にも漆の木やブラックツリーから採取されたウルシオール、または、樹液を加工した松脂から得られるロジンまたはテレピンと、木の樹脂が固化したコーパルまたはアンバーと、乾性油のリンシードオイルの混合物等が利用可能であり、乾性油には他にも、大麻種子油、桐油、芥子油、紫蘇油、胡桃油、荏油、紅花油、向日葵油、等が利用可能である。
本実施の形態における振動伝搬部材(13A〜13H)は竹で構成されており、振動伝搬部材(13A〜13H)は他にも、木材、または、その粉および炭化物を含有するプラスチック成形体などの自然物材料から加工されたもので構成することが好ましい。または、アルミニウムなどの金属板であってもよい。
そして、本実施の形態におけるスピーカ装置に備わる波動の特性によれば、振動パネルが第一振動パネル(14)と第二振動パネル(12)と振動伝搬部材(13A〜13H)で構成され、前期振動パネルの湾曲頂部近傍に設けられた駆動手段(16A、16B)によって音の電気信号が機械的振動へ変換されることで前期振動パネルの湾曲頂部近傍に配置された第一振動パネル(14)に機械的振動が伝達し、そして、第一振動パネル(14)の端部近傍に結合されて外方へ延在した振動伝搬部材(13A〜13H)に張設接合さた第二振動パネル(12)に機械的振動が伝達し、前記振動パネルを自然物材料で構成することで、駆動手段(16A、16B)からの機械的振動の伝達特性が良く、変調を生じないで波動を伝搬することができる。
なお、駆動手段(16A、16B)の配置場所は、前記振動パネルの湾曲頂部近傍に配置された第一振動パネル(14)に設けられるが、前記振動パネルの湾曲頂部近傍であれば振動伝搬部材(13A〜13H)に設けても同様の音響効果が得られる。
また、人間の細胞に備わる固有振動数と同じ固有振動数を備えた自然物材料から前記振動パネルを構成することで、前記振動パネルに伝達された機械的振動が波動として周囲に伝搬され、その範囲内に居る人間の細胞へ波動が伝搬し、前記振動パネルと元来が同じような固有振動数を備えた人間の細胞と物理現象としての共鳴を生じることで、細胞膜のイオンチャンネルを開き、細胞内外を物質が移動して代謝が促進されると推測され、且つ空気の粗密波によって感じる音との相乗効果によって大きなレベルの音を感じることができる。
図4は、本発明の形態におけるスピーカ装置の振動パネルに設けられた着脱自在構造および駆動手段(16A、16B)を示す上面構成拡大図である。
前記振動パネルは、 笠状に湾曲した第一振動パネル(14)と、前記第一振動パネル(14)の湾曲内方に配置されて傘状に湾曲し且つ外方に延在した振動伝搬部材(13A〜13H)と前記振動伝搬部材(13A〜13H)に張設接合された第二振動パネル(12)を有し、音の電気信号を機械的振動に変換する駆動手段(16A、16B)が第一振動パネル(14)の対称地点に設けられ、第一振動パネル(14)と振動伝搬部材(13A〜13H)が、着脱可能に設けられた固定手段(15A〜15H)によって結合されている。
本実施の形態におけるスピーカ装置において、音の電気信号が供給され、当該電気信号が駆動手段(16A、16B)により機械的振動へ変換され、振動パネルの湾曲頂部近傍へ設けられた駆動手段(16A、16B)から前記振動パネルの湾曲頂部近傍へ配置された第一振動パネル(14)へ機械的振動が伝達し、第一振動パネル(14)の端部近傍に設けられた固定手段(15A〜15H)から外方へ延在している振動伝搬部材(13A〜13H)を介して機械的振動が伝達し、振動伝搬部材(13A〜13H)に張設接合された第二振動パネル(12)に機械的振動が伝達される。
固定手段(15A〜15H)の具体例としてマグネットまたはクリップが挙げられ、第一振動パネル(14)に設けられた前記マグネットまたは前記クリップによって振動伝搬部材(13A〜13H)が結合されることで、機械的振動が減衰されずに伝達される着脱自在構造を設けることができる。
前記着脱自在構造の実施例として、振動伝搬部材(13A〜13H)と第二振動パネル(12)が傘状に構成されて折り畳み機能を有した振動パネルを第一振動パネル(14)に結合して拡張した場合、振動伝搬部材(13A〜13H)と第二振動パネル(12)は傘を広げるように振動パネルの面積を大きく広げることが可能となり、且つ第一振動パネル(14)から固定手段(15A〜15H)で結合されている振動伝搬部材(13A〜13H)を取り外し、傘の上ロクロを軸に親骨を折り畳み、親骨に設けられた振動伝搬部材(13A〜13H)と第二振動パネル(12)を筒状に畳んで収納することができる。
また、振動伝搬部材(13A〜13H)と第二振動パネル(12)を照明用の笠状に構成された振動パネルに交換することで、照明器具としての用途にも対応できるスピーカ装置に拡張することができる。
なお、第一振動パネル(14)の配置場所は前記振動パネルの湾曲頂部近傍に配置されるが、振動伝搬部材(13A〜13H)と第二振動パネル(12)の配置場所は第一振動パネル(14)の湾曲内方ないし湾曲外方に結合され且つ外方に延在して配置されていれば良い。
また、図5は本発明の形態におけるスピーカ装置をペンダントライト状に拡張された側面構成図であるが、第一振動パネル(14)のみで構成された振動パネルを有することを特徴としたスピーカ装置であっても良い。
本発明の形態におけるスピーカ装置において、駆動手段(16A、16B)によって音の電気信号が機械的振動に変換され、振動パネルの湾曲頂部近傍に設けられた駆動手段(16A、16B)から振動パネルの湾曲頂部近傍に配置された第一振動パネル(14)へ機械的振動が伝達し、第一振動パネル(14)の端部近傍に設けられた固定手段(15A〜15H)によって振動伝搬部材(13A〜13H)が結合され、第一振動パネル(14)から外方へ延在する振動伝搬部材(13A〜13H)を介して機械的振動が伝達し、振動伝搬部材(13A〜13H)に張設接合された第二振動パネル(12)へ機械的振動が伝達され、自然物材料で構成された当該振動パネルへ機械的振動が伝達されることによって生じた波動が、前記振動パネルと元来が同じような固有振動数を有する物質と共鳴されることで指向性が低く遠くまで聞こえる音が出力されることを特徴としたスピーカ装置とする。
固定手段(15A〜15H)を設けることで着脱自在構造を備えた前記振動パネルの実施例として、傘状の折り畳み構成を備えた振動伝搬部材(13A〜13H)と、それに接合された第二振動パネル(12)に拡張した場合、傘の上ロクロを軸に親骨を開いて傘を差すことで前記親骨に設けられた振動伝搬部材(13A〜13H)が所定角度に開き、それに接合される第二振動パネル(12)が張設される。
すなわち、傘状に構成された前記振動パネルは、傘を差すことで音を聴く人間の頭上へ前記振動パネルが配置され、それによって人間の体が前記振動パネルに覆い被され、前記振動パネルに伝達された機械的振動が人間に伝搬されることで、少ないエネルギーでも大音響を感じることができることを特徴としたスピーカ装置とする。
且つ第一振動パネル(14)と振動伝搬部材(13A〜13H)の結合部に固定手段(15A〜15H)を設けることで、第一振動パネル(14)から振動伝搬部材(13A〜13H)を取り外し、振動伝搬部材(13A〜13H)とそれに接合された第二振動パネル(12)を筒状に畳んでコンパクトに収納することができることを特徴としたスピーカ装置とする。
また、第一振動パネル(14)のみで構成された振動パネルを有するスピーカ装置であっても良く、または照明の笠状に構成された振動伝搬部材(13A〜13H)とそれに張設接合された第二振動パネル(12)を第一振動パネル(14)に拡張することで照明器具としての用途にも対応できるスピーカ装置とする。
好ましい実施例では、エンクロージャー(10)に太陽電池パネルを有することで、長時間の電気エネルギー(24)を供給することのできるスピーカ装置とする。
10:光電変換装置を有するエンクロージャー
12:第二振動パネル
13:振動伝搬部材
14:第一振動パネル
15:固定手段
16:駆動手段
20:増幅回路(電気信号生成ユニット、AMP)
22:電源回路(POWER)
24:電気エネルギー

Claims (5)

  1. 繊維長3mm以上の紙パルプで多孔構造を有して形成された紙製パネルを有する振動パネルを備え、前記紙製パネルはその内部または表面の少なくともいずれか一方に付加されたゼラチンの硬化物を有し、前記紙製パネルの内部ないし前記ゼラチンの硬化物の外側に付加された天然硬質樹脂の硬化物を有し、前記振動パネルは湾曲した形状を有し、音の電気信号を機械的振動に変換する駆動手段が前記振動パネルの湾曲頂部近傍に設けられ、前記振動パネルは、湾曲した形状を有した第一振動パネルと、前記第一振動パネルに結合され且つ外方へ延在した複数の振動伝搬部材と、前記振動伝搬部材に張設接合された第二振動パネルを有し、前記第一振動パネルと前記振動伝搬部材が、着脱可能に設けられた固定手段によって結合されていることを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記天然硬質樹脂は、シェラック、またはコーパル、またはアンバー、またはウルシオール、の少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
  3. 前記振動パネルに繊維間結合強化剤を付加したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のスピーカ装置。
  4. 前記繊維間結合強化剤はグルコマンナンからなることを特徴とする請求項3記載のスピーカ装置。
  5. 前記振動パネルの上方に設けられたエンクロージャーの構造は、入射光を電気エネルギーに変換する光電変換装置を備えたことを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
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