JP5356926B2 - 電気化学キャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は、カーボンナノチューブを用い、且つ電気二重層キャパシタと酸化還元反応による蓄電との両方の機能を備える電気化学キャパシタに関する。更に詳しくは、本発明は、大容量であり、且つ充放電による劣化が少ない電気化学キャパシタに適したカーボンナノチューブを用いた電気化学キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、従来の二次電池に比べて高速応答性を備え、長寿命である。また、従来のキャパシタ(例えば、フィルムコンデンサ、電解コンデンサ及びセラミックコンデンサ等)に比べると非常に蓄電量が大きい。このため、電子機器等の電圧変動に弱い機器に対する瞬時停電に対応するためのバックアップ、負荷平準化及びエネルギー回生等の分野や、風力発電及び太陽光発電等の不安定な発電手段等において、エネルギー密度や応答速度等におけるより高性能な蓄電技術として期待されている。更に、携帯電話等の各種情報機器、電動アシスト自転車等の電源としても期待されている。
一方、電気二重層キャパシタは、従来の二次電池と比較すると単位重量当たりのエネルギー密度が小さいため、より高密度なものを求められている。このエネルギー密度を改善するため、主として電極に用いられている活性炭の比表面積の増加等、様々な静電容量の増加が検討されている。また、電極としてカーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイト及び炭素繊維等が検討されている。
このうち、カーボンナノチューブを電極材料に用いた電気二重層キャパシタは、従来の活性炭と異なる特性を備えており、様々な電極の配置構造の検討がされている(例えば、特許文献1、2、3を参照。)。
更に、電気二重層による電荷蓄積と、電極表面の酸化還元反応による蓄電との両方を用いて蓄電を行う電気化学キャパシタが検討されている。
このような電気化学キャパシタは、従来の電気二重層キャパシタとほぼ同じ構造を用い、電気二重層による電荷の蓄積に加えて、電極表面の酸化還元反応による蓄電を利用できるため、蓄電容量が従来の電気二重層キャパシタよりも大きくなることが期待されている。このような、電気化学キャパシタは、電極にルテニウムを用いたものが知られている(例えば、特許文献4を参照。)。
特開2000−124079号公報 特開2003−234254号公報 特開2007−19180号公報 特開2005−138204号公報
しかし、これらの検討は既存のカーボンナノチューブを用いたものであり、電気化学キャパシタに適したカーボンナノチューブそのものの検討は十分にされていない。また、電気化学キャパシタの電極としてルテニウム以外の金属を用いたものについては十分に検討されていなかった。更に、電気化学キャパシタの電解液についても十分に検討されていなかった。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり大容量であり、且つ充放電による劣化が少ない電気化学キャパシタに適したカーボンナノチューブを用いた電気化学キャパシタを提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.第1基板と、第1集電電極と、第1電極と、セパレータと、第2電極と、第2集電電極と、第2基板と、をこの順に備え、該第1電極と該第2電極との間に充填された、貴金属、鉄及びクロムのイオンを少なくとも含有する電解液を具備し、該第1電極及び該第2電極は、炭化ケイ素膜を熱分解して得られたカーボンナノチューブが複数立設したカーボンナノチューブ層を具備する電気化学キャパシタであって、
上記電解液は、クロム、ニッケル及び鉄のイオンの総量が100質量%のとき、クロムイオンが9〜50%、ニッケルイオンが0〜40%、鉄イオンが30〜90%であり、及び全体の質量比で250〜2000ppm含有し、且つ上記貴金属のイオンを質量比で10〜100ppm含有しており、
少なくとも上記第2電極の上記カーボンナノチューブの表面には貴金属粒子が付着しており、
上記カーボンナノチューブ層は、電解液中で上記第1電極から上記第2電極に向けて所定時間電流を流す電気正印加加工、及び該電解液中で上記第2電極から上記第1電極に向けて所定時間電流を流す電気逆印加加工がされており、
上記電気正印加加工及び/又は上記電気逆印加加工により上記カーボンナノチューブの表面に上記貴金属粒子が付着することを特徴とする電気化学キャパシタ。
2.第1基板と、第1集電電極と、第1電極と、セパレータと、第2電極と、第2集電電極と、第2基板と、をこの順に備え、
該第1電極と該第2電極との間に充填された、貴金属、鉄及びクロムのイオンを少なくとも含有する電解液を具備し、
該第1電極及び該第2電極は、炭化ケイ素膜を熱分解して得られたカーボンナノチューブが複数立設したカーボンナノチューブ層を具備する電気化学キャパシタであって、
上記電解液は、クロム、ニッケル及び鉄のイオンの総量が100質量%のとき、クロムイオンが9〜50%、ニッケルイオンが0〜40%、鉄イオンが30〜90%であり、及び全体の質量比で250〜2000ppm含有し、且つ上記貴金属のイオンを質量比で10〜100ppm含有しており、
少なくとも上記第2電極の上記カーボンナノチューブの表面には貴金属粒子が付着しており、
上記カーボンナノチューブ層は、電解液中で上記第1電極から上記第2電極に向けて所定時間電流を流す電気正印加加工、又は該電解液中で上記第2電極から上記第1電極に向けて所定時間電流を流す電気逆印加加工がされており、上記電気正印加加工又は上記電気逆印加加工により上記カーボンナノチューブの表面に上記貴金属粒子が付着することを特徴とする電気化学キャパシタ。
3.上記電気正印加加工及び上記電気逆印加加工は、各加工時の電解液に上記貴金属のイオンを含有し、又は/並びに、各加工時に上記第1電極及び上記第2電極に接触させて用いる各仮集電電極の少なくとも一方に上記貴金属を含有する上記1.又は上記2.記載の電気化学キャパシタ。
4.上記貴金属粒子の付着量は、5.1×10−8〜5.1×10−6mol/cmである上記1.乃至上記3.のいずれかに記載の電気化学キャパシタ。
5.上記貴金属粒子は、上記カーボンナノチューブの先端側に付着している上記1.乃至4のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ。
6.上記カーボンナノチューブは、その先端が開口している上記5.記載の電気化学キャパシタ。
本各発明の電気化学キャパシタによれば、炭化ケイ素膜を熱分解して得られるカーボンナノチューブが複数立設したカーボンナノチューブ層を具備するため、カーボンナノチューブ間に電解液が浸透しやすく、電極が電解液と接触する有効表面積が大きく、より大容量の静電容量を備える電気二重層キャパシタとして機能することができる。更に、電解液に貴金属、鉄及びクロムを少なくとも含有することによって、より多くの電荷を蓄積することができる。
電解液に貴金属、クロム及び鉄のイオンを所定の比率で含有しているため、充放電によって各イオンがほとんど減らず、より効果的により多くの電荷を蓄積する電気化学キャパシタとすることができる。
第2電極のカーボンナノチューブの表面に貴金属粒子が付着しており、カーボンナノチューブ層に付着している貴金属粒子の酸化還元反応による蓄電もされるため、従来の電気二重層キャパシタよりもより多くの電荷を蓄積することができる。
電気正印加加工及び/又は電気逆印加加工がされているため、カーボンナノチューブの先端側に貴金属粒子を容易に付着させることができ、より大容量の電気化学キャパシタを得ることができる。特に電気正印加加工及び電気逆印加加工がされている場合は、更に大容量の電気化学キャパシタを得ることができる。また、電気印加加工時に隣り合うカーボンナノチューブの間隙にイオンが進入し、ミクロ孔がミソ孔に拡大するため、使用時の電解液に接触可能な表面積が増大する。更に電気印加加工時の酸化還元作用によりカーボンナノチューブ層に電解液の吸脱着が容易なエッヂ部が拡大されるため、より大容量の静電容量を備えることができる。
上記電気正印加加工及び上記電気逆印加加工を行うとき電解液に貴金属のイオンを含有し、又は/並びに、第1電極及び第2電極に接触させて用いる各集電電極若しくは仮集電電極の少なくとも一方に貴金属を含有する場合は、各加工時にカーボンナノチューブに貴金属粒子として付着させる貴金属イオンを供給することができる。
貴金属粒子の付着量を所定の範囲とする場合は、カーボンナノチューブ層に付着する貴金属粒子の多くが酸化還元反応に寄与する適切な範囲にすることができ、安価であってより大容量の電気化学キャパシタを得ることができる。
貴金属粒子が上記カーボンナノチューブの先端側に付着している場合は、カーボンナノチューブ層に付着する貴金属粒子の多くが酸化還元反応に寄与することができ、より大容量の電気化学キャパシタを得ることができる。
カーボンナノチューブの先端が開口している場合は、カーボンナノチューブ層に付着する貴金属粒子の多くが酸化還元反応に寄与することができ、より大容量の電気化学キャパシタを得ることができる。
本実施例の電気化学キャパシタの構造を説明するための模式断面図である。 カーボンナノチューブ層を形成する電極作製工程において、分解する炭化ケイ素膜を表す模式断面図である。 カーボンナノチューブ層を形成する電極作製工程において、炭化ケイ素膜を分解して得られた、キャップがついたカーボンナノチューブが複数立設したカーボンナノチューブ層を説明するための模式断面図である。 開口したカーボンナノチューブが複数立設したカーボンナノチューブ層を具備する電極を説明するための模式断面図である。 カーボンナノチューブ層及びグラファイト層を具備する電極を説明するための模式断面図である。 カーボンナノチューブ層、グラファイト層及び炭化ケイ素層を具備する電極を説明するための模式断面図である。 試験例1A、1B、1Cの充放電特性を調べたグラフである。 試験例2A、2B、2Cの充放電特性を調べたグラフである。 試験例3A、3B、3Cの充放電特性を調べたグラフである。 比較例1A、1C(Fe)、1C(Ni)、1C(Cr)の充放電特性を調べたグラフである。 比較例2A、2B、2Cの充放電特性を調べたグラフである。 白金粒子の付着量の伴う本実施例の電気化学キャパシタの容量変化を調べたグラフである。 充放電回数にともなう金属イオン濃度の変化を調べたグラフである。 積層した電気化学キャパシタの構造を説明するための模式断面図である。
以下、図1〜14を例にして本発明の電気化学キャパシタ及びその製造方法を詳細に説明する。
本電気化学キャパシタは図1に例示するように、第1基板11と、第1集電電極12と、第1電極13と、多孔質のセパレータ14と、第2電極15と、第2集電電極16と、第2基板17とをこの順に備えることを特徴とする。また、第1電極13、セパレータ14及び第2電極15に電解液18が含有されている。
本発明の電気化学キャパシタは、炭化ケイ素膜を減圧下で又は炭化ケイ素膜を分解可能な雰囲気下で加熱して炭化ケイ素を分解させて形成されるカーボンナノチューブ層を有する第1電極、及び第2電極を得る電極作製工程と、第1仮集電電極、上記第1電極、セパレータ、上記第2電極、及び第2仮集電電極、をこの順に積層し且つ該各カーボンナノチューブ層及びセパレータに仮電解液を含有させる仮積層工程と、上記第1電極から上記第2電極に向けて所定時間電流を流す電気正印加加工工程及び/又は該第2電極から該第1電極に向けて所定時間電流を流す電気逆印加加工工程と、第1基板材、第1集電電極、上記加工した第1電極、セパレータ、上記加工した第2電極、第2集電電極、及び第2基板材をこの順に積層し、また電解液を該各カーボンナノチューブ層及びセパレータに含有させる積層工程と、をこの順で行うことにより製造することができる
また炭化ケイ素膜を減圧下で又は炭化ケイ素膜を分解可能な雰囲気下で加熱して炭化ケイ素を分解させて形成されるカーボンナノチューブ層を有する第1電極、及び第2電極を得る電極作製工程と、第1基板材、第1集電電極、上記第1電極、セパレータ、上記第2電極、第2集電電極、及び第2基板材をこの順に積層し、また電解液を該各カーボンナノチューブ層及びセパレータに含有させる積層工程と、をこの順で行い、その後、上記第1電極から上記第2電極に向けて所定時間電流を流す電気正印加加工工程及び/又は該第2電極から該第1電極に向けて所定時間電流を流す電気逆印加加工工程を行うことにより製造することもできる
上記「第1基板」及び上記「第2基板」は、他の構成要素を支持する基板であり、その形状は特に問わない。また、第1基板及び第2基板が一体に構成された容器状体及び袋状体等であってもかまわない。更に、任意の材質を用いることができ、有機材料を主とするもの、無機材料を主とするもの、のいずれでもよい。
上記有機材料としては、例えば、樹脂、ゴム等を用いることができる。
樹脂としては、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、アクリルゴム、塩素化ポリエチレン、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム等が挙げられる。
更に、ポリオレフィン系エラストマ、ポリエステル系エラストマ、ポリウレタン系エラストマ、ポリアミド系エラストマ、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマを用いることもできる。
また、上記無機材料としては、鉄及びアルミニウム等の金属、ステンレス等の合金、アスファルト、セメント、粘土等を用いることができる。
上記「第1電極」及び上記「第2電極」は、炭化ケイ素膜20(例えば図2を参照)を熱分解して得られたカーボンナノチューブが複数立設しているカーボンナノチューブ層21を備える(例えば図4を参照)。また、第2電極のカーボンナノチューブの表面に貴金属粒子が付着する。
上記「貴金属粒子」は、Au、Ag、Ru、Rh、Pd、Os、Ir及びPtから選択される貴金属の粒子である。これらのうち、Ptを好適とすることができる。また、貴金属粒子は、カーボンナノチューブの全体に付着させてもよいし、一部分に付着させてもよい。更に、一部分に付着させる場合は、カーボンナノチューブの先端側(セパレータと対向する側)を好適とすることができる。カーボンナノチューブの先端側がより酸化還元反応を起こしやすい部位であるためである。尚、カーボンナノチューブの表面に貴金属粒子が付着していてもよい。
貴金属粒子の粒径は、任意に選択することができ、例えば、100nm以下とすることができる。また、貴金属粒子の付着量も任意に選択することができるが、例えば5.1×10−8〜5.1×10−6mol/cm(特に好ましくは、1.0×10−7〜2.3×10−6mol/cm、更に好ましくは2.6×10−7〜2.3×10−6mol/cm)とすることができる。
更に、貴金属粒子をカーボンナノチューブに付着させる方法として後述する電気正印加加工及び/又は電気逆印加加工を挙げることができる。
上記「カーボンナノチューブ層」は、炭素6員環が連なるカーボンナノチューブから構成される。尚、本発明において、この「カーボンナノチューブ」は、カーボンナノチューブ単体でもよいし、金属、金属化合物、フラーレン、フラーレン誘導体及びアモルファスカーボン等が内包されたカーボンナノチューブでもよい。また、上記カーボンナノチューブは、単層構造でもよいし、多層構造でもよい。更に、上記「立設」は、平面に対してカーボンナノチューブの長尺方向が立った状態で設けられていることをいう。カーボンナノチューブは直立した状態で立設していてもよい。また、直立した状態からわずかに傾いたカーボンナノチューブが含まれていてもよい。
また、上記カーボンナノチューブ層の厚さは、好ましくは1〜60μm、より好ましくは1〜55μm、更に好ましくは1〜50μmである。更に、特に好ましくは、1〜30μm、より好ましくは1〜15μmである。
更に、カーボンナノチューブの内径は、好ましくは1.5〜8nm、より好ましくは1.7〜6nm、更に好ましくは2〜5nmである。また、カーボンナノチューブの長さは、好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜30μm、更に好ましくは1〜15μmである。このような範囲とすることでイオンがカーボンナノチューブの内側まで浸透しやすい内径とすることができる。更に、このような範囲の内径のカーボンナノチューブは、炭化ケイ素膜を熱分解することによって得ることができる。
また、カーボンナノチューブは同心円状に複数の筒が積層するが、その「筒層数」は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜5である。このような範囲の筒層数にすることによって、単位面積内により多くのカーボンナノチューブを設けることができ、全体の表面積をより広くすることができるからである。
カーボンナノチューブ層の平面配列密度は、80〜350億本/mm、より好ましくは90〜320億本/mm、更に好ましくは100〜300億本/mmである。尚、上記平面配列密度は、次のようにして求めた密度である。始めに透過型電子顕微鏡によってカーボンナノチューブ層の平面像を複数異なる場所で得る。次いで、各平面像の視野内のカーボンナノチューブの個数を画像処理によって算出した後、視野の面積で割ることで各平面像における配列密度を求める。その後、各平面像における配列密度の平均値を平面配列密度とする。このような範囲とすることによってカーボンナノチューブの管の全面にわたり電解液が浸透しやすくなり、有効表面積を大きくすることができる。
上記「炭化ケイ素膜」に用いる炭化ケイ素(SiC)の種類としては、特に限定されず、α−SiC(六方晶系及び菱面体系)又はβ−SiC(立方晶系)のいずれでもよく、また、単結晶でも多結晶でもよい。更に、焼結体であってもよい。また、炭化ケイ素膜は、第1集電電極、第2集電電極上に成膜してもよい。炭化ケイ素膜を成膜する方法は、任意に選択することができ、例えば、気相成長法、液相成長法等により形成することができる。これらのうち、気相成長法が好ましく、例えば、CVD法、MBE法及びスパッタ法等が挙げられるが、CVD法及びスパッタ法が好ましい。
上記CVD法によりβ−SiC多結晶膜を形成する場合の成膜温度は、通常、650℃〜950℃、好ましくは750℃〜850℃である。この温度範囲であれば、形成される炭化ケイ素多結晶膜が結晶学的に表記される(111)面に配向しやすくなる。
一方、α−SiC多結晶膜を形成する場合の成膜温度は、通常、1400℃〜2000℃、好ましくは1550℃〜1850℃である。この温度範囲であれば、形成される炭化ケイ素多結晶膜が結晶学的に表記される(0001)面に配向しやすくなる。
この「カーボンナノチューブ層」は、図2に例示する炭化ケイ素からなる炭化ケイ素膜20を減圧下で、又は炭化ケイ素を分解可能な雰囲気下で加熱して炭化ケイ素を分解させ、図4に例示するカーボンナノチューブ層21にする「電極作製工程」によって得ることができる。
従来から知られている、予め作製したカーボンナノチューブをスクリーン印刷法や沈降法等を用いて形成する方法は、電極の面に対して水平に寝てしまうため、カーボンナノチューブ内に電解質が浸透しにくく、表面積の増加に寄与しない。
しかし、炭化ケイ素膜を分解してカーボンナノチューブにする本電極作製工程は、カーボンナノチューブを電極の面状に立設した状態で形成することができ、電気及び電解液の移動がスムーズに行えるため好ましい。また、炭化ケイ素膜を分解して得られたカーボンナノチューブ層は、分解前の炭化ケイ素膜の大きさを保持しているため、カーボンナノチューブを高密度に配置することができる。更に、得られたカーボンナノチューブの内径は、電解液のイオンがカーボンナノチューブ内部に浸透可能な大きさであるため好ましい。
炭化ケイ素膜の加熱手段としては、電気炉、レーザービーム照射、直接通電加熱、赤外線照射加熱、マイクロ波加熱及び高周波加熱等が挙げられる。
また、カーボンナノチューブは、炭化ケイ素の分解によりケイ素原子を可能な限り除去するにおいて、真空度及び加熱温度、あるいは、上記炭化ケイ素を分解可能な雰囲気とするためのガスの種類及び加熱温度を特に限定することなく得ることができる。
減圧下で加熱する場合の好ましい真空度は5Torr〜10−10Torrであり、より好ましくは2Torr〜10−9Torrである。真空度が高すぎると形成されたカーボンナノチューブ同士が接触し、一部のチューブが他を吸収して大きく成長する場合があり、カーボンナノチューブのサイズを制御することが困難になる。尚、この真空度を維持できる範囲で、3%以下、更には1%以下の酸素、あるいは、ヘリウム、ネオン、アルゴン及び窒素等の不活性ガスを含む雰囲気であってもよい。
また、好ましい加熱温度は800℃〜2000℃であり、より好ましくは1200℃〜1900℃、更に好ましくは1400℃〜1900℃である。加熱は、上記範囲内において、一定温度で続けて行ってもよいし、異なる温度を組み合わせて行ってもよい。
真空度及び加熱温度が高すぎると、炭化ケイ素からケイ素原子が失われる速度が大きいため、カーボンナノチューブの配向が乱れやすくなるとともに径が大きくなる傾向がある。また、炭素原子自身もCOとなり蒸発し、カーボンナノチューブの長さが短くなることがある。
尚、上記加熱温度における加熱時間は、炭化ケイ素の膜の厚さにより、通常、0.5時間〜50時間、好ましくは0.5時間〜30時間である。また、常温から上記加熱温度までの昇温速度等は特に限定されず、通常、平均速度は0.5℃/分〜40℃/分、好ましくは1℃/分〜30℃/分である。常温から上記加熱温度まで等速で昇温してもよいし、多段階で昇温してもよい。
このように、加熱の条件をうまく組み合わせることによって、カーボンナノチューブの長さ、即ち、図5に例示するカーボンナノチューブ層21の厚さと、グラファイト層22を所望の値とすることができる。また、得られたグラファイト層は、集電電極の一部又は全てとして用いることもできる。
炭化ケイ素膜の熱分解時において、分解ガスが炭化ケイ素の膜の上方に滞留あるいは残存し、真空排気が追いつかない場合、炭化ケイ素の分解速度を低下させることがある。そのため、炭化ケイ素の膜の上方に、炭化ケイ素及び上記分解ガスと反応しないガス(G1)、炭化ケイ素の酸化若しくは分解を促進するガス(G2)等を導入して、炭化ケイ素の分解をより効率よく進めることができる。
上記ガス(G1)としては、上記例示した不活性ガス、即ち、ヘリウム、ネオン、アルゴン及び窒素等を用いることができる。これらのガスは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記ガス(G2)としては、一酸化炭素、二酸化炭素、テトラフルオロメタン、水蒸気等が挙げられる。これらのガスは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
尚、これらのガス(G1)及び(G2)は、それぞれ単独で用いてもよいし、任意の割合で混合し用いてもよい。この場合の混合割合は特に限定されない。
また、上記炭化ケイ素を分解可能な雰囲気とするためのガスとしては、上記ガス(G2)として例示したものを1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのガスを用いる場合には、減圧下であってもよいし、大気圧下であってもよい。また、炭化ケイ素膜20の加熱温度、加熱時間及び昇温速度は、上記減圧下における加熱と同様とすることができる。
電極作製工程が終了した後、室温まで降温されるが、その速度も特に限定されない。一定速度でもよいし、多段階で降温してもよい。更に、冷却方法は特に限定されない。降温手段の例としては、一定速度で常温まで冷却する方法、上記目的の加熱温度より低い温度で一定時間保持した後冷却する方法等が挙げられる。冷却する手段は特に限定されない。
尚、加熱時間を短くする等の加熱条件、及び加熱する炭化ケイ素膜の厚さ等を選択することによって、炭化ケイ素膜の一部を残して炭化ケイ素層を形成することができる。例えば図6に示すように、この炭化ケイ素膜23は、電極となるカーボンナノチューブ層21の構造材として用いることができ、強度の向上に適する。また、炭化ケイ素膜23に所定の間隔でカーボンナノチューブ層21又はグラファイト層22に通じる貫通孔(図示せず)を設けることによって、集電電極とカーボンナノチューブ層21又はグラファイト層22との間の導通性を上げることができる。
炭化ケイ素層を更に備える場合は、カーボンナノチューブ層の強度が高まるとともに、カーボンナノチューブ層の緊密性を保持することができる。
また、加熱時間をより短くしたり、非形成面を黒鉛板等で覆ったりする等、加熱条件を選択することによって、例えば図5、6に示すように、カーボンナノチューブ層21の下層にグラファイト層22を生成することができるが、これを集電電極12、16として用いることもできる。例えば、炭化ケイ素膜を、α−SiCである場合には結晶学的に表記される(0001)面、又はβ−SiCの場合には、結晶学的に表記される(111)面に配向させることで炭化ケイ素表面にグラファイトが生成しやすくなり、集電電極12、16として用いることができる。
更に、カーボンナノチューブの密度を選択することによって、カーボンナノチューブの外周表面への電解液の接触性を維持しつつ、有効表面積を広くすることができる。例えば、炭化ケイ素膜20を10−2Torrの減圧下で加熱することで、カーボンナノチューブの平面配列密度を、80〜350億本/mmにすることができる。尚、カーボンナノチューブが基部全面にあまりに高密度に生成した場合は、ナノチューブ表面が電解液と接触しにくく、有効表面積が狭くなる問題が生じる。
尚、炭化ケイ素の分解を効率よく進めるために、また炭化ケイ素の膜の表面に形成された酸化膜を除去する等の目的で、炭化ケイ素の膜の表面を化学処理してもよい。
炭化ケイ素の膜の表面を化学処理する方法は特に限定されない。通常は、炭化ケイ素を侵すおそれのない処理液を用いて行われる。上記処理液は炭化ケイ素の表面の酸化膜を腐食あるいは溶解させることができるものであれば特に限定されないが、酸又はアルカリの処理液が好ましく、ガラスの腐食に適した処理液が特に好ましい。
例えば、処理液としてフッ化水素酸水溶液、フッ化アンモニウム水溶液、フッ化カリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、[フッ化水素酸+硝酸]水溶液等が挙げられる。これらのうち、フッ化水素酸水溶液、フッ化アンモニウム水溶液、フッ化カリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液及び[フッ化水素酸+硝酸]水溶液が好ましい。但し、溶融酸化ナトリウム溶液、炭酸ナトリウム・硝酸カリウム混合液等は炭化ケイ素にダメージを与えるため好ましくない。
上記処理液は、炭化ケイ素の形状や目的等に応じて処理条件(例えば、処理方法、処理液の濃度、温度、処理時間等を挙げることができる。)を選択すればよい。処理方法としては浸漬法、吹きつけ法等があるが、浸漬法が好ましい。浸漬法による化学処理は、上記処理液の1種のみを用いて行ってもよいし、複数種類の処理液を混合せずに別々の工程で用いて行ってもよい。尚、炭化ケイ素を化学処理した後は、超純水等で洗浄し、速やかに次の工程へ進めることが好ましい。
上記「第1集電電極」及び上記「第2集電電極」は、電解液によって侵されず、また、正極側では酸化されず、負極側では還元されない導電性材であればよい。このような導電性材は、炭素、金属、導電性エラストマ、導電性樹脂及び導電性セラミックス等、任意の材質から電解液に合わせて選択することができる。また、金属においては、Al、Ni、Ag、Cr、Pt、Ti、又は、これら金属元素を含む合金を選択することができる。これらのうち、炭素(特に黒鉛)、Al、Ni、Ptが好ましい。尚、各集電電極は、蒸着スパッタコーティング膜でもよい。
また、第1基板及び第2基板が、導電性且つ電解液によって侵されない材質である場合、第1基板及び第2基板と、第1集電電極及び第2集電電極とを一体とすることができる。また、第1電極及び第2電極が十分な導電性を備える層を備える場合、各電極と各集電電極を一体とすることができる。
上記「電解液」は、通常電気化学キャパシタに用いられるものであって、上記貴金属、鉄及びクロムのイオンを少なくとも含有すればよく、通常の電気化学キャパシタに使われる電解質及びそれを含む電解液を例示することができる。この例として、硫酸等の鉱酸、アルカリ金属塩又はアルカリを含む水系電解質、及び非水系電解質を挙げることができる。また、非水系電解質は種々選択することができ、公知の電気化学キャパシタに用いられる有機溶媒を用いた電解液、及び常温溶融塩を挙げることができる。更に、電解液は、ニッケルのイオンを含有することもできる。
貴金属イオンは、第1仮集電電極及び第2仮集電電極、若しくは第1集電電極及び第2集電電極に該貴金属を含有させ、電気正印加加工工程及び/又は電気逆印加加工工程によって電解液中に溶出させてもよい。尚、第1仮集電電極及び第2仮集電電極、若しくは第1集電電極及び第2集電電極に貴金属を含有させる場合は、電気正印加加工工程及び/又は電気逆印加加工工程によって該貴金属が溶出可能な各電極のみに含有させてもよいし、全てに含有させてもよい。
電解液に含まれる貴金属イオンは、質量比で10〜100ppmである。貴金属イオンを含有することにより、酸化還元反応に寄与できる貴金属イオンが増大し、より大容量の電気化学キャパシタを得ることができる。
クロム、ニッケル及び鉄のイオンの比率は、クロム、ニッケル及び鉄のイオンの総量が100質量%のとき、クロムイオンが9〜50%、ニッケルイオンが0〜40%、鉄イオンが30〜90%(より好ましくは、クロムイオンが18〜25%、ニッケルイオンが0〜20%、鉄イオンが55〜82%)である。且つ、電解液におけるクロム、ニッケル及び鉄のイオン全体の含有量は質量比で250〜2000ppmであり、より好ましくは500〜1000ppmとすることができる。尚、クロム、ニッケル及び鉄のイオンは、それぞれの金属及びその化合物のイオンであってもよいし、クロム、ニッケル及び鉄(若しくはクロム及び鉄)の合金を溶解させて得られるイオンであってもよい。
上記「セパレータ」は、電解液に対して安定し、イオン透過性且つ絶縁性のものであればよく、任意に選択することができる。この例としてガラス繊維性の不織布の他、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド及びポリイミド等の樹脂フィルムを挙げることができる。
上記「仮積層工程」は、積層工程の前に電気正印加加工工程及び/又は電気逆印加加工工程を行うため、仮に積層して第1電極と第2電極との間に電流を流せるようにするための工程である。また、上記「第1仮集電電極」及び上記「第2仮集電電極」、並びに/若しくは上記「仮電解液」は、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程によって、カーボンナノチューブ層に貴金属粒子を付着させるための貴金属を含有する。つまり、第1仮集電電極及び第2仮集電電極に、単体及び合金等の任意の形態で貴金属を含有させて各加工工程によって仮電解液中に貴金属イオンを溶出させてもよいし、仮電解液中に貴金属のイオンを含有させてもよいし、両方であってもよい。更に、第1仮集電電極及び第2仮集電電極、並びに仮電解液は、貴金属を含有することを除いて第1集電電極及び第2集電電極、並びに電解液と同じ構成とすることができる。
本電気化学キャパシタの製造方法は、電極作製工程と上記積層工程との間に、上記電極を酸化雰囲気下で、加熱を行って上記カーボンナノチューブ層のカーボンナノチューブ先端を開口させる開口工程を備えることができる。
上記「開口工程」は、上記電極作製工程で作製したカーボンナノチューブの先端を開口するための工程である。これは、炭化ケイ素膜20を熱分解して得られるカーボンナノチューブは、図3に例示するように、先頭がキャップ状に閉口しており、電解液がカーボンナノチューブの内側に浸透するのが困難であり、このキャップ211を除去して図4に例示するように開口させるためである。
このキャップ211を取り除く方法は、図2に例示するカーボンナノチューブ層21を例えば、酸化雰囲気において、好ましくは約400℃〜650℃、より好ましくは450℃〜600℃であり、特に約580℃程度で、例えば、約3〜30分程度、特に好ましくは約15分間加熱する。このような処理を行うことによって、図4に例示するようにキャップ211が除去され、カーボンナノチューブ内部に電解液が浸透することができるようになる。また、カーボンナノチューブ内部側にも電荷を蓄えることが可能になる。
開口工程を備えることにより、カーボンナノチューブの先端が開口し、且つ貴金属粒子がカーボンナノチューブの先端側に付着している場合は、カーボンナノチューブ層に付着する貴金属粒子の多くが酸化還元反応に寄与することができ、より大容量の電気化学キャパシタを得ることができる。
また、電極作製工程によって形成されたカーボンナノチューブの先端にキャップがあってもそれを除去することができる。これによって、炭化ケイ素膜を分解させて形成したカーボンナノチューブは、内径が電解液のイオン径より大きいために電解液がカーボンナノチューブの内側まで浸透して、電極が電解液と接触する有効表面積が大きく、より大容量の静電容量を備える電気化学キャパシタを作製することができる。
上記「電気正印加加工工程」は、貴金属のイオンを含有する電解液中で第1電極から上記第2電極に向けて所定時間電流を流す上記電気正印加加工を行う工程である。更に詳しくは、電気化学キャパシタの第1電極、及び第2電極に、電位がそれぞれ正、及び負となるように印加する工程である。電気正印加加工を行うことにより、カーボンナノチューブに貴金属粒子を付着させることができる。また、酸化還元作用によってカーボンナノチューブのエッヂ面を拡大させて電気化学活性を向上させることによって表面積の拡大、イオン吸脱着サイトを拡大させたりすることができる。
上記「電気逆印加加工工程」は、貴金属のイオンを含有する電解液中で第2電極から上記第1電極に向けて所定時間電流を流す上記電気逆印加加工を行う工程である。更に詳しくは、電気化学キャパシタの第1電極、及び第2電極に、電位がそれぞれ負、及び正となるように印加する工程である。電気逆印加加工を行うことにより、カーボンナノチューブに付着する貴金属粒子を酸化させることができる。更に、電気正印加加工と同様にカーボンナノチューブの拡大、カーボンナノチューブ表面積の拡大、イオン吸脱着サイトの拡大をさせることができる。
これら電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程は、電解液中でカーボンナノチューブ層21を電極とし、前記溶液の分解電圧相当の電圧を一定時間定電圧で印加し電流を流して処理することによって行われる。また、流す電流は直流であるが、脈流及びパルス状でもかまわない。更に、直流に交流を重畳してもよい。
電気印加加工を行うために用いる上記電解液は、電気化学キャパシタ内に充填される上記電解液又は上記仮電解液等を任意に選択することができる。この例として、希硫酸溶液、塩酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを挙げることができる。上記「溶液の分解電圧相当」とは、例えば希硫酸溶液の場合、分解電圧から0.3V以内、つまり1.5V以下を表す。また、印加する時間は、60秒〜600秒間、特に180秒〜300秒間が好ましい。
電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程によってカーボンナノチューブの表面に付着させる貴金属粒子は、予め電解液又は仮電解液に存在する貴金属イオン、若しくは、各集電電極又は各仮集電電極に含有する貴金属が溶出した貴金属イオンから供給することができる。また、各集電電極又は各仮集電電極から貴金属が溶出させることは、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程で各集電電極又は各仮集電電極に印加することにより行うことができる。
電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程は、炭化ケイ素膜20を熱分解して得られたカーボンナノチューブが複数立設したカーボンナノチューブ層21を備える電極13、15に対して特に有効である。
尚、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程は、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程のいずれか1つのみ行ってもよいし、両方行ってもよい。また、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程の両方を行う場合、行う順番は特に問わないが、電気正印加加工工程の次に電気逆印加加工工程をより好適とすることができる。この順で行うと電気正印加加工工程により生成した貴金属粒子を正極側電極に付着させた後、電気逆印加加工工程により酸化物にすることができ、酸化還元反応による蓄電容量が増えるため、より大容量の静電容量を備える電気化学キャパシタを作製することができる。
また、本電気化学キャパシタの製造方法は、上記各製造方法に限られず、炭化ケイ素膜を減圧下で又は炭化ケイ素膜を分解可能な雰囲気下で加熱して炭化ケイ素を分解させて形成されるカーボンナノチューブ層を有する第1電極及び第2電極を得る電極作製工程と、上記第1電極及び上記第2電極のカーボンナノチューブ層の表面に貴金属粒子を付着させる付着工程と、
第1基板材、第1集電電極、上記第1電極、セパレータ、上記第2電極、第2集電電極、及び第2基板材をこの順に積層し、また電解液を該各カーボンナノチューブ層及びセパレータに含有させる積層工程と、をこの順で行い、
次いで、上記第1電極から上記第2電極に向けて所定時間電流を流す電気正印加加工工程、及び/又は、該第2電極から該第1電極に向けて所定時間電流を流す電気逆印加加工工程と、から構成されていてもよい。
この付着工程は、貴金属イオンを含む溶液から任意の手段を用いて析出させたり、スパッタリング等により直接付着させたりする等、任意の付着方法を選択することができる。
また、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程は、第1電極及び第2電極等を積層した状態で行うに限られず、電解液を満たした槽に浸漬した状態で行うこともできる。このように槽内で行うことによって、複数の電気化学キャパシタの第1電極及び第2電極等をまとめて電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程を行うことができる。
以下、実施例により本発明の電気化学キャパシタ及びその製造方法を具体的に説明する。
1.電気化学キャパシタの作製
本実施例の電気化学キャパシタは、以下の手順に従って作製した。
(1)電極作製工程
直径50mm、厚さ5mmの黒鉛円板上に、幅及び長さが20mm及び厚さ40μmの単結晶炭化ケイ素矩形板を積載した積層体を得た。
その後、この積層体を真空炉内にセットし、減圧下(1×10−4Torr)で1000℃/時間で2000℃まで昇温後、2000℃、3時間の条件で加熱し、炭化ケイ素を完全に分解した。炭化ケイ素矩形板の分解物は、元の炭化ケイ素矩形板の形状を保っていた。
その後、黒鉛円板を除去し第1電極13及び第2電極15となる電極体を得た。この電極体の表面部の断面を透過型電子顕微鏡で観察したところ、基材に対して垂直に配向したカーボンナノチューブからなり且つ厚さが5μmである層、及びその下部に、厚さが45μmであるグラファイト層が形成されているのを確認した。また、カーボンナノチューブの先端部は全てキャップが形成されており、閉じていた。
(2)開口工程
(1)電極作製工程で得た電極体を大気中、650℃で20分間加熱して開口工程を行った。その後、電極体の表面部の断面を透過型電子顕微鏡で観察したところ、カーボンナノチューブの先端部が全て開いているのを確認することができた。また、先端部の開口径の平均は、3nmであった。更に、各カーボンナノチューブの平均内径、平均長さ、平均筒層数はそれぞれ、4nm、5μm、5層であった。また、カーボンナノチューブ層の厚さは5μmであり、平面配列密度は、300億本/mmであった。
(3)仮積層工程
第1基板11となるPTFE製で嵌合可能な突起を設けた円板上に、第1仮集電電極となる白金板(Pt)、第1電極13となる電極体、ポリエチレン製で厚さ0.1mmの不織布からなるセパレータ14、第2電極15となる電極体、及び第2仮集電電極となる白金板を積層した。尚、各電極体はカーボンナノチューブ層が対向側面に向けられ、グラファイト層が反対側に向けられている。また、電極体及びセパレータ14は仮電解液を含浸させてある。
その後、PTFE製の壁部を電極体、白金板及びセパレータ14の周囲に設けた後、仮電解液18で満たした。次いで、第2基板17となるPTFE製で嵌合可能な突起を設けた円板を被せて固定した。尚、集合体の一部は第1基板11と第2基板17との隙間から延出し、接続端子とした。
尚、仮電解液は、35質量%の希硫酸水溶液を用いた。
(4)電気正印加加工工程
その後、電気正印加加工工程として、第1電極13を正、且つ第2電極15を負とし、0.5Vの直流に5Hz、1.1Vの交流を重畳させた電流を1時間印加した。
(5)電気逆印加加工工程
次いで、電気逆印加加工工程として、第1電極13を負、且つ第2電極15を正とし0.5Vの直流に5Hz、1.1Vの交流を重畳させた電流を1時間印加した。
尚、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程中に集電電極12、16の白金が溶解し、電解液が黄色に着色する様子が見られた。これは溶解した各集電電極の白金のイオンによると思われる。このように、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程により各集電電極の白金を溶解させ、電解液中の白金イオン濃度を増加させることによって、酸化還元反応による蓄電容量が増加したと考えられる。
(6)積層工程
電気印加加工工程の後、第1仮集電電極及び第2仮集電電極を第1集電電極及び第2集電電極に取り替えた、つまり、第1基板11となるPTFE製で嵌合可能な突起を設けた円板上に、第1集電電極12となる黒鉛板、第1電極13となる電極体、ポリエチレン製で厚さ0.1mmの不織布からなるセパレータ14、第2電極15となる電極体、及び第2集電電極16となる黒鉛板を積層し、電極体及びセパレータ14は電解液18を含浸させた、図1に示す本電気化学キャパシタ1を作製した。尚、電解液18は、表1に示す白金、クロム、ニッケル及び鉄を含有する35質量%の希硫酸水溶液を用いた。また、電解液注のクロム、ニッケル及び鉄のイオンは、表1に示す比率のステンレス鋼を溶解させることによって得た。
Figure 0005356926
2.電気化学キャパシタの構成
このように作成した電気化学キャパシタ1は、図1に示すように、第1基板11と、第1集電電極12と、カーボンナノチューブ層からなる第1電極13と、セパレータ14と、カーボンナノチューブ層からなる第2電極15と、第2集電電極16と、第2基板17と、をこの順に積層して形成されている。また、電解液18が第1電極13、セパレータ14及び第2電極15に含有されている。更に、第1集電電極12及び第2集電電極16は、黒鉛板と炭化ケイ素膜を分解して得られたグラファイト層からなる。更に、電解液18は、表1に示す白金、クロム、ニッケル及び鉄のイオンを含有している。
更に、第1集電電極12、第1電極13、セパレータ14、第2電極15及び第2集電電極16は、周囲に形成された壁部19によって電気化学キャパシタ内に保持される。
更に、電気化学キャパシタ1は、第1集電電極12及び第2集電電極16の一部を第1基板11と第2基板17との隙間から延出して形成された接続端子を介して外部回路に接続することができる。
また、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程を行った各試験例の、第1電極13表面及び第2電極15表面を、光学撮影及びSEMで確認した。すると、負極である第1電極13の表面は、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程を行う前と同じようにカーボンナノチューブ層表面に光沢が見られ、SEMを用いても白金粒子は見られなかった。しかし、正極である第2電極の表面は、カーボンナノチューブ層表面の光沢がなくなり、白金粒子の付着によって生じた斑(白い部分)が見られた。また、カーボンナノチューブ層表面に径が約60nmの白金粒子が付着していることが分かった。
更に、第2電極のカーボンナノチューブ層の断面をSEM及びEDMで確認したところ、特にカーボンナノチューブの先端側である右側に白金粒子が多く付着していることが分かった。
3.クロム、ニッケル及び鉄のイオンの有無の比較試験
試験例1〜3において、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程を行わず、白金イオンを含有する電解液を含浸する電気化学キャパシタA、電気化学キャパシタAに電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程を行った電気化学キャパシタB、並びに電気化学キャパシタBにクロム、ニッケル及び鉄の混合金属イオンを表1に示す割合で添加した電解液を用いた実施例である電気化学キャパシタCの充放電特性を調べ、電気化学キャパシタの容量の変化を比較した。
この充放電特性の試験は、1mAの定電流で正極及び負極間の電圧が0Vから1.0Vになるまで充電し、その後0.4A/gで0Vになるまで放電した。この結果を図7〜9に示す。
その結果、試験例1において、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程を行った試験例1Bは比較例1Aよりも約2倍充放電時間が長くなっていた。更に、電解液にクロム、ニッケル及び鉄の混合金属イオンを添加した実施例である試験例1Cは、試験例1Aの約25倍、試験例1Bの約13倍充放電時間が長くなっていた。
これにより、電解液にクロム、ニッケル及び鉄の混合金属イオンを添加することによって電気化学キャパシタの蓄電容量が増加し、且つIRドロップが小さくなることが分かる。これはクロム、ニッケル及び鉄の混合金属イオンの酸化還元反応や、吸蔵・脱離によるインターカレーション擬似容量のスイング効果が蓄電容量増加に効果的に加わったものと考えられる。
また、クロム、ニッケル及び鉄の比率を変更した試験例2及び3における実施例である試験例2C、3Cは、いずれも試験例1Cよりも放電時間が短かった。しかし、試験例2Cは、試験例1CよりもIRドロップが小さく、終盤の約130秒までの放電電圧が高く維持された。
このようなクロム、ニッケル及び鉄の比率による充放電特性の変化を調べるために、試験例1と同様に作成した比較例1Aと、これにクロム、ニッケル及び鉄のいずれかのみを質量比で1000ppmを含有させた電解液を用いた比較例1C(Fe)、1C(Ni)、1C(Cr)を作成し、電気化学キャパシタの容量の変化を比較した図10を示す。
図10に示すように、クロム、ニッケル及び鉄をそれぞれのみを添加した時の放電曲線は、試験例1C〜3Cと比べて放電時間が短く、電圧も低いことが分かる。
しかし、比較例1C(Fe)では放電時間が比較例1Aよりも長くなり、比較例1C(Cr)では放電電圧が比較例1Aよりも高くなっており、これらから、試験例1C〜3Cのクロム、ニッケル及び鉄の比率が比較例と同様の影響を受けていることが考えられる。
尚、電解液として白金イオンが含有されていない硫酸水溶液に、クロム、ニッケル及び鉄の混合金属イオンを添加した電気化学キャパシタである比較例を作成したが、安定した性能は得られなかった。これは充電電圧が十分に低いため、白金のイオンのみが充放電反応に寄与し、且つ電解液の電気分解によりクロム、ニッケル及び鉄の合金金属としての析出が起こらないために充放電特性が安定であると考えられる。つまり、電解液が硫酸水溶液であり、且つ水の分解電圧が1.2Vであるため、充電電圧の上限が1V程度となって、クロム、ニッケル及び鉄の析出が起きないが、白金のイオン化傾向がクロム、ニッケル及び鉄のそれよりも大変小さいために充放電反応に寄与するためと考えられる。
4.活性炭を用いた電気化学キャパシタとの比較
第1電極13及び第2電極15に活性炭を用いた他は、各試験例1〜3と同じ製造方法を用いて作成した比較例1である電気化学キャパシタの充放電特性を求めた。
比較例2の第1電極及び第2電極は、活性炭(クラレケミカル社 RP−20)、導電材(ライオン社 ケッチンブラック)、粘結剤(三井・デュポンフォロロケミカル社 PTFE)を重量比0.8対0.1対0.1で混練して得た。
このような比較例2の充放電特性を図11に示す。図11に示すように、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程を行っても、放電時間が約1.1倍(電気正印加加工工程のみ行った比較例2B)、約1.2倍(電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程を行った比較例2C)と、充放電特性の大きな変化が見られなかった。このため、電気正印加加工工程及び電気逆印加加工工程は、カーボンナノチューブ層を備える電気化学キャパシタに対して特に有効であることが分かった。
5.白金粒子の付着量に伴う電気化学キャパシタの容量変化
試験例1Bにおける電気正印加加工工程の加工処理時間を変化させることによって白金粒子の付着量を変化させ、それに伴う電気化学キャパシタの容量変化を調べ、その結果を図12に示す。尚、電気化学キャパシタの容量は、1Vに充電した電気化学キャパシタを1mAの定電流で0Vになるまでの放電時間で調べた。また、白金粒子の付着量は、ICP発光分光分析器を用いて調べた。
図12に示すように、20mm角の第2電極において、白金粒子の付着量が0mol/cmのときは、35秒以下であった。一方、白金粒子の付着量が2.3×10−6mol/cmにおいては放電時間が53秒と向上した。また、1.2×10−6mol/cmにおいては放電時間が85秒、91秒、97秒、更に付着量が少ない2.6×10−7mol/cmにおいては放電時間が290秒、320秒、365秒と、それぞれ非常に好ましい結果が得られた。このことから、付着量が5.1×10−8〜5.1×10−6mol/cm(特に好ましくは、1.0×10−7〜2.3×10−6mol/cm、更に好ましくは2.6×10−7〜2.3×10−6mol/cm)の範囲が好ましいことが分かった。
6.充放電に伴う金属イオンの濃度変化
充放電に伴う金属イオンの濃度変化を調べ、電気化学キャパシタの安定性を調べた。比較例1Bの電解液(16.2ml、d:1.23)を、試験前(0回目)、19回目の充放電終了後、及び充放電を20回繰り返し後、電極の極性を変えて9回の充放電を行った後の3つにおいてそれぞれ1ml採取し、ICPを用いて電解液中の金属イオン濃度を分析した。
この分析は、原液0.5ml採取して100倍に純水で希釈した後、ICPを用いて金属イオン濃度を分析した。この分析結果を、表2、表3及び図13に示す。
Figure 0005356926
Figure 0005356926
表2、表3及び図13に示すように、19回繰り返し充放電を行っても、全金属イオン濃度及びその比率はほとんど変化することがなく、電気化学キャパシタの性能が維持されていることが分かった。しかし極性を変えて充放電を繰り返すとクロム、ニッケル及び鉄のイオン濃度は若干低下する。また、鉄のイオンが相対的に多くなりニッケルイオンが減少する傾向が認められた。このような極性を変えた場合はどこかに金属が析出したためと思われる。更に、電気化学活性化で溶出した白金濃度は充放電では全く変化しなく安定していた。
6.他の態様の電気化学キャパシタ
本実施例は、図14に示すように、集電電極12、16、電極13、15、セパレータ14を積層し、中間集電電極121によって区画された各層の電極13、15及びセパレータ14に電解液18を含浸させた、複数の電気化学キャパシタを直列接続した電気化学キャパシタ素子1Aである。この電気化学キャパシタ素子1Aの両端以外の中間集電電極121は、その両面に炭化ケイ素膜を成膜した後、上記(1)電極作製工程と同じ条件でカーボンナノチューブ層を形成することで、電極13、15を一体形成して得られたものである。
このような電気化学キャパシタの中間集電電極121は、その両面の電極13、15と一体形成されているため緊密であり、積層構造が崩れにくく、耐久性が高い。また、耐電圧が高い電気化学キャパシタを得ることができる。
また、第1基板11と、第1集電電極12と、カーボンナノチューブ層からなる第1電極13と、セパレータ14と、カーボンナノチューブ層からなる第2電極15と、第2集電電極16と、第2基板17と、をこの順に積層したものを渦巻き状に丸めて、円筒形にした電気化学キャパシタとしてもよい。
更に、仮積層工程を行わず、貴金属のイオンを含有する電解液18、又は/並びに、貴金属を含有する第1集電電極12及び第2集電電極16を用いて実施例と同様に積層工程を行い、その後電気正印加加工工程及び/又は電気逆印加加工工程を行って電気化学キャパシタを作製してもよい。即ち、電解液18、第1集電電極12及び第2集電電極16の少なくとも1つにカーボンナノチューブに付着させる貴金属を含有させ、電気正印加加工工程及び/又は電気逆印加加工工程によってカーボンナノチューブに貴金属粒子を付着させることができる。
1;電気化学キャパシタ、11;第1基板、12;第1集電電極、121;中間集電電極、13;第1電極、14;セパレータ、15;第2電極、16;第2集電電極、17;第2基板、18;電解液、19;壁部、20;炭化ケイ素膜、21;カーボンナノチューブ層、211;キャップ、22;グラファイト層、23;炭化ケイ素層。

Claims (6)

  1. 第1基板と、第1集電電極と、第1電極と、セパレータと、第2電極と、第2集電電極と、第2基板と、をこの順に備え、
    該第1電極と該第2電極との間に充填された、貴金属、鉄及びクロムのイオンを少なくとも含有する電解液を具備し、
    該第1電極及び該第2電極は、炭化ケイ素膜を熱分解して得られたカーボンナノチューブが複数立設したカーボンナノチューブ層を具備する電気化学キャパシタであって、
    上記電解液は、クロム、ニッケル及び鉄のイオンの総量が100質量%のとき、クロムイオンが9〜50%、ニッケルイオンが0〜40%、鉄イオンが30〜90%であり、及び全体の質量比で250〜2000ppm含有し、且つ上記貴金属のイオンを質量比で10〜100ppm含有しており、
    少なくとも上記第2電極の上記カーボンナノチューブの表面には貴金属粒子が付着しており、
    上記カーボンナノチューブ層は、電解液中で上記第1電極から上記第2電極に向けて所定時間電流を流す電気正印加加工、及び該電解液中で上記第2電極から上記第1電極に向けて所定時間電流を流す電気逆印加加工がされており、
    上記電気正印加加工及び/又は上記電気逆印加加工により上記カーボンナノチューブの表面に上記貴金属粒子が付着することを特徴とする電気化学キャパシタ。
  2. 第1基板と、第1集電電極と、第1電極と、セパレータと、第2電極と、第2集電電極と、第2基板と、をこの順に備え、
    該第1電極と該第2電極との間に充填された、貴金属、鉄及びクロムのイオンを少なくとも含有する電解液を具備し、
    該第1電極及び該第2電極は、炭化ケイ素膜を熱分解して得られたカーボンナノチューブが複数立設したカーボンナノチューブ層を具備する電気化学キャパシタであって、
    上記電解液は、クロム、ニッケル及び鉄のイオンの総量が100質量%のとき、クロムイオンが9〜50%、ニッケルイオンが0〜40%、鉄イオンが30〜90%であり、及び全体の質量比で250〜2000ppm含有し、且つ上記貴金属のイオンを質量比で10〜100ppm含有しており、
    少なくとも上記第2電極の上記カーボンナノチューブの表面には貴金属粒子が付着しており、
    上記カーボンナノチューブ層は、電解液中で上記第1電極から上記第2電極に向けて所定時間電流を流す電気正印加加工、又は該電解液中で上記第2電極から上記第1電極に向けて所定時間電流を流す電気逆印加加工がされており、
    上記電気正印加加工又は上記電気逆印加加工により上記カーボンナノチューブの表面に上記貴金属粒子が付着することを特徴とする電気化学キャパシタ。
  3. 上記電気正印加加工及び上記電気逆印加加工は、各加工時の電解液に上記貴金属のイオンを含有し、又は/並びに、各加工時に上記第1電極及び上記第2電極に接触させて用いる各仮集電電極の少なくとも一方に上記貴金属を含有する請求項1又は2記載の電気化学キャパシタ。
  4. 上記貴金属粒子の付着量は、5.1×10−8〜5.1×10−6mol/cmである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ。
  5. 上記貴金属粒子は、上記カーボンナノチューブの先端側に付着している請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ。
  6. 上記カーボンナノチューブは、その先端が開口している請求項5記載の電気化学キャパシタ。
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