JP5355050B2 - プリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、メディアに画像をプリントするインクジェット方式のプリンタの技術分野に関する。
カットシート等のプリントメディア(以下、メディアと称する)を搬送しながらプリントを行なう際、搬送精度が低いと、中間調画像の濃度ムラが生じたり、倍率誤差が生じたりして、得られるプリント画像の品質が劣化する。そのため、高精度な部品を採用し精密な搬送機構を搭載しているが、プリント品質に対する要求は厳しくさらなる精度向上が望まれている。一方ではコストに対する要求も厳しく、高精度化と低コスト化の両立が求められている。
多くのプリンタは、搬送方向に沿ってプリント部を挟んで搬送ローラと排出ローラを備えている。この構成では、メディアを両ローラで搬送する状態から排出ローラのみで搬送する状態に切り替わる瞬間に、搬送ローラのニップからメディアの後端が弾き出され、その力がメディアの搬送方向に及んでしまう、いわゆる蹴飛ばし現象が起こり得る。蹴飛ばしは安定した搬送を阻害し、結果的にプリント画像に白スジや黒スジを生じさせる要因となる。
特許文献1は、上記のメディアを両ローラで搬送する状態から排出ローラのみで搬送する状態に切り替わる際に、搬送誤差が生じる課題に着目している。これを解決するために、切り替わりの前後で、メディア上にテストパターンをプリントし、このテストパターンをセンサで読み取って補正値として装置に入力することで搬送量を補正する手法を開示している。
特開2005−7817号公報
特許文献1では、メディアの後端が搬送ローラから抜ける際に一度だけ、テストパターンをプリントして補正値を取得する。しかし、更なる高精度化の要求に対して、一度だけの検出では、搬送量を補正するための最適な補正値が得られない場合がある。そのため、プリント画像に白スジや黒スジ等の品質劣化が生じる畏れは依然として残る。
本発明は上記課題の認識に基づいてなされたものである。本発明の目的は、蹴飛ばし現象の影響を従来以上に軽減し、高い品質のプリントを安定して得ることのできるプリンタを提供することである。
上記課題を解決する本発明のプリンタは、インクジェット方式のノズル列を有するプリントヘッドを保持し、主走査方向に往復移動するキャリッジと、前記プリントヘッドによるプリント位置よりも上流側に設けられた第1の回転体と、前記プリント位置よりも下流側に設けられた第2の回転体とを含み、メディアを前記主走査方向と交差する副走査方向に搬送する搬送手段と、前記第1の回転体と前記第2の回転体により同一のメディアを搬送する第1状態から、前記第1の回転体から離れたメディアを前記第2の回転体で搬送する第2状態へと状態が切り替わる状態遷移の前後において、前記第1状態で前記主走査方向に沿って複数のパターン要素をプリントし、次いで前記第2状態で前記プリントした複数のパターン要素に重ねてプリントすることで、前記主走査方向に沿って複数のパターン要素からなるテストパターンを形成するように制御する制御手段と、前記プリントしたテストパターンに含まれる各パターン要素をセンサで読み取って、メディアの搬送を制御するための補正値を取得する取得手段とを有し、
前記制御手段は、前記主走査方向に沿った一列の前記テストパターンを形成したら、メディアを前記第2状態から前記第1状態になるよう送り戻し、前記ノズル列のうちパターン形成に使用するノズル領域を変更して別の一列の前記テストパターンを形成する動作を繰り返して、前記副走査方向において異なる位置に複数列のテストパターンを形成するよう制御するものであり、前記取得手段は、前記複数列のテストパターンのそれぞれに対して取得される値の平均を計算して前記補正値とすることを特徴とする。
本発明によれば、第1状態から第2状態への状態遷移の前後でのテストパターンのプリントと検出を複数回行なうことで、蹴飛ばし現象の影響を従来以上に軽減し、高い品質のプリントを安定して得ることのできるプリンタを提供することができる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示する。ただしこの実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する主旨のものではない。
以下、インクジェット方式のプリンタを例に挙げて説明するが、本発明のプリンタは、複写機能やスキャン機能を持った複合機、いわゆるマルチファンクションプリンタにも適用可能である。インクジェット方式は、発熱体を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式など、さまざまな方式を用いることができる。また、インクジェット方式に限らず、電子写真方式、サーマル方式など、別の方式のプリンタにも適用可能である。また、カラーフィルタ基板や回路基板などのメディアに対して、プリントや加工を行なう各種製造装置にも適用可能である。本明細書では、これら製造装置も含めてプリンタと称する。
図1は、本発明の実施形態のインクジェットプリンタの主要部の構成を示す斜視図である。搬送ローラ1(第1の回転体)とこれに付勢して従動する複数のピンチローラ2との間でメディアMを挟持し、搬送ローラ1の回転により、プラテン3で案内しながら副走査方向(図中矢印A方向)にメディアMを搬送する。搬送ローラ1は、表面に微細な凹凸を形成して大きな摩擦力を発生できるように加工した金属製のローラからなる。その後、メディアMは排出ローラ12(第2の回転体)とこれに付勢して従動する複数の拍車13との間でも挟持し、搬送方向Aに搬送して、排出トレイ15に排出する。排出ローラ12は大きな摩擦係数を有するゴムローラからなる。搬送ローラ1に対して排出ローラ12は、メディアMの搬送時のたるみ防止のための、1%程度増速するようにローラ径を設定している。従って、搬送ローラ1と排出ローラ12の双方でメディアMを挟持して搬送する場合、その挟持力の違いから排出ローラ12に僅かなすべりを生じた状態で搬送することになる。
搬送ローラ1と排出ローラ12の間のプリント位置においてプリントを行なう。すなわち、搬送ローラ1はプリント位置よりも上流側においてメディアMを搬送し、排出ローラ12はプリント位置よりも下流側においてメディアMを搬送するような位置関係となっている。プリントを行なうために、キャリッジ7は、インクジェット方式のプリントヘッド4を搭載して保持し、2本のガイドレール5,6に沿って、副走査方向と直交する主走査方向に往復移動する。また、キャリッジ7は反射型の光学センサ16を搭載する。光学センサ16は、光源と受光部を備え、メディア上にプリントしたテストパターンやメディアのエッジを光学的に読み取るものである。
プリントヘッド4は、それぞれ異なる色(ここでは4色)のインクを吐出するための複数のノズル列が、主走査方向に沿って形成された吐出面を備え、プリント時にはこの吐出面がメディアMの表面に近接対向する。各ノズル列は、副走査方向に沿って1200dpiの間隔で並ぶ1280個のノズルからなる。プリントヘッド4に対して、各色のインクを複数独立したカートリッジ式のインクタンク8から、フレキシブルなチューブ10を介して供給する。インクタンク8は、キャリッジ7とは独立した場所に設けたタンク装着ユニット9に着脱交換可能に装着する。
主走査方向において、プラテン3の隣には回復ユニット11を備える。回復ユニット11は、プリントヘッド4の吐出面のインク蒸発を防ぐためのキャップ、吐出面をキャッピングした状態で強制的にインクを吸引してノズル目詰まりを解消する吸引機構、吐出面の汚れを払拭するためのクリーニングブレード等を有する。メディア押さえ部14は、主走査方向におけるメディアMのエッジが、プラテン3から上方(プリントヘッド4側)に浮き上がることを規制する規制部材である。制御部20は、CPU21、メモリ22、各種I/Oインターフェースを備え、プリンタ全体の各種制御を司るコントローラであり、装置本体に内蔵されている。
次に、メディアMの搬送制御の手順について説明する。プリント動作時にはマルチパス(本実施形態では8パス)でプリントを行なう。また、メディアMの全面を3つの領域に分け、領域ごとに搬送・プリント動作を変えることで、高スループットで且つ安定的に良好な画像を得ることを可能としている。
図2はメディアMを搬送方向に沿って3つの領域に分割したことを示す図であり、メディアは領域A、領域B、領域Cの3つに分割する。図3は搬送路に沿って搬送されるメディアMの各過程での状態を横から見た断面図である。
図3(a)はメディアが搬送ローラ1のみで搬送されている状態である。図3(a)はメディアが搬送ローラ1のみで搬送されている状態、図3(b)はメディアが搬送ローラ1と排出ローラ12によって搬送されている状態である。図3(c)はメディアが搬送ローラ1と排出ローラ12によって搬送される状態から、排出ローラ12のみで搬送される状態に切り換わる直前の状態である。図3(d)はメディアが搬送ローラ1から離れて、排出ローラ12のみによって搬送される状態に切り換わった直後の状態である。図3(e)はメディアが排出ローラ12のみで搬送される状態である。本明細書においては、第3図(b)及び第3図(c)の状態を「第1状態」、図3(d)及び図3(e)の状態を「第2状態」と呼ぶと共に、第1状態と第2状態の間での切り替わりを「状態遷移」と呼ぶ。
図2において、領域Aは、この領域のプリント時に、メディアMが搬送ローラ1のみで搬送される(図3(a)参照)、又は搬送ローラ1と排出ローラ12の2つのローラで搬送される(図3(b)参照)領域である。搬送ローラ1とピンチローラ2の挟持力は、排出ローラ12と拍車13の挟持力よりも十分大きい。従って、図3(a)から図3(b)の状態に切り替わっても搬送の変動は生じない。
メディアの領域Bは、この領域のプリント時に、メディアが搬送ローラ1と排出ローラ12の2つのローラで搬送される第1状態(図3(c)参照)から、排出ローラ12のみで搬送される第2状態(図3(d)参照)に切り替わる状態遷移の瞬間を含む領域である。この領域ではいわゆる蹴飛ばし現象が起こる。蹴飛ばし現象とは、搬送されるメディアの後端部が搬送ローラ1とピンチローラ2から抜け出す瞬間に、ローラによって搬送方向に蹴飛ばされ、瞬間的に付勢力が作用して搬送量が変動してしまう現象である。本実施形態では、状態遷移の前後の搬送量補正を確実にするため、プリント動作の際には、搬送ローラ1とピンチローラ2のニップ位置の前後3mmの範囲では、メディアMの後端が停止しないように搬送を行なう。
メディアの領域Cは、この領域のプリント時に、排出ローラ12のみでメディアを搬送する領域である(図3(d)、図3(e)参照)。排出ローラ12はゴムローラであるため、ローラ直径の偏心誤差が乗り易い。加えて、排出ローラ12と拍車13との挟持力が小さくスリップが生じやすい。本実施形態では、この影響を軽減するため、領域Cにおける排出ローラ12によるステップ送り量(64ノズル分)を、搬送ローラ1によるステップ送り量(160ノズル分)よりも小さくする。
図4は、領域Aにおける8パスの通常プリントの動作を説明する図である。図中、小さな横長のマスの一つは、搬送方向(A方向)に16個のノズルを備える。これが搬送方向に80個集まって1280ノズルを構成する。N1は搬送路の最も下流側(排出ローラ12側)にある1番目のノズル、N1280は搬送路の最も上流側(搬送ローラ1側)にある1280番目のノズルを示す。〔1〕〜〔8〕の数字はプリントパス(プリントヘッド4の主走査)の回数を示す。なお、同図は説明の便宜上、メディアMのプリント箇所に対してノズル列が上から下に相対移動するように描かれているが、実際はメディアMが図中A方向に移動する。
領域Aでは、領域Bの直前までのプリントヘッド4が備える1280個のノズルを全て使用してプリントを行なう。1パス目のプリントに続けて、メディアMを副走査方向に160ノズル分だけステップ送りして、2パス目のプリントを行なう。同様に、160ノズル分のステップ送りと3パス目〜8パス目のプリントを繰り返す。同一領域に〔1〕〜〔8〕の8回のプリントパスによってプリントが完成する。図4で網掛けした領域は、搬送方向に160ノズル分の領域が8回パスで完成したプリント完成領域を示す。
図5は、領域Aから領域Bへ、更に領域Cへとプリント領域が移行する際のプリント動作を説明する図である〔0〕〜〔20〕の数字はプリントパスの回数を示す。また、グレーのマス目は使用するノズル、白抜きのマス目は使用を制限する不使用ノズルを示す。
プリントパス0(領域Aの終了地点より8パス前)までは、上述したように1280個のノズル全てを用いる。これに対して、プリントパス〔1〕以降は、使用するノズルの数を制限すると共に、メディアの搬送量(ステップ送り量)も場所に応じて変更する。プリントパス〔1〕の開始位置は、メディアMの後端からの距離に応じて決定する。プリントパス〔1〕からプリントパス〔7〕までは順に32ノズル分ずつ使用するノズル数を減らしていく。また、これと共に、各プリントバス間のメディアMのステップ送り量も160ノズル分から128ノズル分へと減少させる。
プリントパス〔7〕の際、メディアMの後端は図3(c)に示す位置となる。搬送ローラ1とピンチローラ2によるニップ位置から、上流側に144ノズル(3mm)分だけメディアMの後端が残っている。プリントパス〔7〕とプリントパス〔8〕の間では、メディアMを288ノズル分(6mm)だけ移動させる。これにより、プリントパス〔8〕の際には、メディアMの後端は図3(d)に示す位置となり、搬送ローラ1とピンチローラ2によるニップ位置から下流側に144ノズル(3mm)分だけ移動した位置となる。
領域Cにおいては、プリントパス〔8〕からプリントパス〔20〕まで、使用を制限する不使用ノズル数を順に増やしていくと共に、メディアMのステップ移動の量を64ノズル分に減少させる。本実施形態では、プリント終了位置は、メディアMの後端から3mmの位置(後端余白3mm)である。ただし、3mmには限定されず任意の余白長とすることができる。
領域B及び領域Cでは、第1状態から第2状態への状態遷移における、メディアの搬送を制御する。図6は、この制御のための補正値を取得するのに用いる、メディアM上にプリントしたテストパターンを示す。テストパターンは、同一形状のパターン要素1001〜1010を含む。パターン要素1001〜1005は領域Bにおける補正値を取得するためのパターン要素であり、パターン要素1006〜1010は領域Cにおける補正値を取得するためのパターン要素である。これらパターン要素は各々、メディアMの後端を基準位置にして所定距離離れた位置に形成する。パターン要素1001〜1010はそれぞれ、主走査方向に並んだC0からC6までの7つのパッチ群で構成し、1つのパッチのサイズは副走査方向160ノズル分(3.4mm)、主走査方向472ノズル分(10mm)である。テストパターンは、以下に説明するように、2回のプリントパスで形成する。
図7(a)は、1パス目で形成する、パターン要素1001〜1010のいずれかにおける3つのパッチ(C2,C3,C4)に含まれるインクドットを部分拡大した図である。搬送方向における各ラインの間隔は、6ノズル(1200dpi)分で等間隔である。
図7(b)は、2パス目で形成する同一パッチ部分のインクドットの部分拡大図である。1パス目で形成するインクドット列に対して、C3では同一位置にドット列を形成する。しかし、その他の位置のパッチはインクドット列をメディア搬送方向に所定量ずらして形成する。具体的には、C2のパターン1101bは全体を1ノズル分だけ搬送方向下流側にずらし、逆に、C4のパターン1103bはパターン全体を1ノズル分だけ搬送方向上流側にずらしている。また、図には表れていないが、C1のパターンは2ノズル分、C0のパターンは3ノズル分だけ搬送方向下流側にずらし、逆に、C5のパターンは2ノズル分、C6のパターンは3ノズル分だけ搬送方向上流側にずらして形成する。
図7(c)は、図7(a)に示す1パス目と、図7(b)に示す2パス目のプリントを重ねた結果形成されたインクドットを示す。1パス目と2パス目の間では、メディアMを順方向に搬送して第1状態から第2状態に状態遷移する。なお、説明の便宜上、1回目にプリントされたパターンを白丸、2回目にプリントされたパターンを黒丸で示しているが、両方とも同色である。
C3でのパターン1102は、搬送誤差がゼロの理想状態では、重畳する白丸と黒丸がずれなく完全に重なる。パターン1101及びパターン1103は、重畳するインクドットが搬送方向に1ノズル分ずれており、パターン1102と比較してエリアファクタ(プリント面をインクドットが覆う割合)が相対的に上がる。このため、パターン1101及びパターン1103は、パターン1102に較べてプリント濃度が上がる。同様に、C1及びC5のパターンでは2ノズル分、C0及びC6のパターンでは3ノズル分だけ搬送方向にずれた状態でインクドットが重畳するため、パターン1102に対して、更にはパターン1101及びパターン1103に対してもプリント濃度が上がる。
1パス目のプリント後の搬送で搬送誤差が生じた場合は、2パス目でのプリント時に、白丸と黒丸がずれなく重なる位置がC3ではなく、別のパッチ位置になる。例えば、本来の搬送距離よりも1ノズル分だけ短い場合には、C2のパターン1101において白丸と黒丸がずれなく重なり、C2のパッチ濃度が最も低くなる。また、例えば、2ノズル分だけ搬送距離が長い場合には、C5のパターンの白丸と黒丸がずれなく重なり、C5のパッチの濃度が最も低くなる。従って、各パッチの濃度を比較して、濃度が最も低くなるパッチの位置(C0〜C6)を検出することで、メディアの搬送距離のずれ、すなわち搬送誤差を求めることができる。
図8は、各パッチの濃度を検出する際の反射光強度の例を示す。縦軸は散乱反射光の強度であり反射光が強いほどパッチの濃度は低い。横軸は7つのパッチの位置C0〜C6(図6の左右方向)である。光学センサ16は、各パッチ位置においてメディアM表面からの散乱反射光の強度を検出する。この結果、図8に示すような7つの検出値が得られたら、7つの検出値に対して最小自乗法を用いて関数を算出する。そして、その曲線の最大値の位置に対応する調整値を導出することで、ノズル解像度を超える精度で搬送誤差を取得することが可能である。
次に、図9を用いて、第1状態から第2状態への状態遷移の前後に、メディアに図6に示すテストパターンをプリントする手順を説明する。
パス〔1〕では、図3(c)に示す第1状態であり、メディア後端は搬送ローラ1とピンチローラ2のニップ位置から上流側に144ノズル分(3mm)ずれている。ここで、テストパターンを構成する最初のパッチ列のプリント(パターン要素1001の1パス目)を行なう。具体的には、搬送方向160ノズル分(3.4mm)、主走査方向472ノズル分(10mm)の大きさのパッチを、搬送方向に7つ並べたパッチ群をメディア上に形成する。
次いで、メディアを288ノズル分(6mm)の距離だけ順方向に搬送する。この搬送により、第1状態から第2状態に状態遷移する。この搬送量は、実際の画像プリント時の搬送量と等しい。
パス〔2〕では、図3(d)に示す第2状態にあり、メディア後端は搬送ローラ1とピンチローラ2のニップ位置から下流側に144ノズル分(3mm)ずれている。ここで、1280個のプリントノズルの中で、第1パスで使用したノズル列から288ノズル分(6mm)だけずらしたノズル列からインクを吐出させ、第1パスで形成したパターン要素1001に重ねて2パス目をプリントする。〔2〕パス目でのプリントパターンは図7(b)で説明したとおり、パッチの位置に応じて1ノズル分ずつ位置をずらしたものである。
こうして1列目のパッチ列を形成したら、ここまでの搬送方向(順方向)とは逆方向に、288ノズル分(6mm)だけメディアを送り戻す。メディア後端は図3(c)に示す位置まで戻る。そして、パス〔3〕で、上述のパス〔1〕で使用したプリントノズルに対して160ノズル分(3.4mm)ずらした、160ノズルを用いてテストパターンを構成する2列目のパッチ列のプリント(パターン要素1002の1パス目)を行なう。そして、288ノズル分(6mm)だけ順方向にメディアMを搬送して、第1状態から第2状態に状態遷移させる。そして、パス〔4〕で2パス目のプリントを行なって、2列目のパッチ列(パターン要素1002)を完成させる。
以下、同様の手順を繰り返して、パス〔5〕〜〔10〕によって3列目〜5列目(パターン要素1003〜1005)を形成する。以上により、領域Bに対応したテストパターンが完成する。
次いで、領域Cのテストパターンを形成する。パス〔10〕のプリントの後、メディアMを128ノズル分(2.7mm)だけ順方向に搬送する。そして、パス〔11〕のプリントを行なう。このとき、プリントノズルの中では320ノズルを使用し、下流側(図中上側)160ノズル(3.4mm)は2パス目に用い、上流側(図中下側)160ノズル(3.4mm)は1パス目に用いる。なお、最後のパス〔15〕だけは160ノズルだけを用いる。128ノズル分(2.7mm)の順方向の搬送と、パス〔12〕〜パス〔15〕を繰り返すことで、領域Cに含まれる6列目〜10列目のパッチ列(パターン要素1006〜1010)が完成する。
以上のように形成したテストパターンの中で、パターン要素1001〜1005を光学センサ16で検出して、領域Bの搬送誤差、すなわち第1状態から第2状態に状態遷移する前後での搬送誤差を取得する。また、パターン要素1006〜1010を光学センサ16で検出して、領域Cの搬送誤差、すなわち排出ローラ12と拍車13のみでメディアを搬送する際の搬送誤差を取得する。
次に、搬送誤差を取得して補正値を設定する具体的な手順について、図10のフローチャート図を用いて説明する。以下のシーケンスは制御部20のCPU21が制御・演算することで実現する。
ステップS1では、ユーザは補正値を設定するのに用いるブランクのメディアを選択して、プリンタ本体にセットする。ステップS2では、テストプリントの指示を行なう。ステップS3では、指示に基づいて、上述した手順で図6に示すテストパターンをプリントする。ステップS4では、プリントしたテストパターンを光学センサ16で読み取る。これは、図6のパターン要素1001〜1005(領域B)及びパターン要素1006〜1010(領域C)の各列について、7箇所のパッチの濃度を検出する。この検出結果を用いて図8で説明した手法で、各列における搬送誤差を算出する。
ステップS5では、領域Bについてはパターン要素1001〜1005で算出した5つの搬送誤差の平均値を計算し、領域Cについてはパターン要素1006〜1010で算出した5つの搬送誤差の平均値を計算する。そして、領域B、領域Cのそれぞれでの補正値として、制御部20のメモリ22に記憶する。領域Bについては、288ノズル分の搬送距離当たりの補正値を9600dpi単位で記憶する。領域Cについては、1280ノズル分の搬送距離当たり値として9600dpi単位で記憶し、各搬送量に応じて比例計算した値を9600dpi単位で加算する。実際の画像プリントの際には、メモリ22に記憶した補正値を参照して、領域B、領域Cがプリント部を通過する際のメディアの搬送を制御する。その制御方法については周知であるので、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、第1状態から第2状態への状態遷移の前後にメディアにテストパターンをプリントすると共に、状態遷移を複数回繰返して同一のメディアにテストパターンを複数回プリントする。そして、この複数回プリントしたテストパターンを光学センサ16で読み取って、メディアの搬送を制御するための補正値を取得する。こうして取得した補正値を用いて、実際の画像プリントを行なう際のメディア搬送制御を行なう。これにより、蹴飛ばし現象の影響を従来以上に軽減し、高い品質のプリントを安定して得ることのできる優れたプリンタを実現するものである。
(別の実施形態)
本発明の別の実施形態について以下説明する。なお、先の実施形態と異なる部分を中心に説明し、重複する構成や動作については省略する。
大きなサイズのメディアを用いた場合、メディアの自重の影響によりメディアの搬送方向が安定せず斜行が起きることがある。斜行が起きると、領域B及び領域Cの搬送誤差のばらつきもより大きくなる。そこで、メディアのサイズに応じてテストパターンの数や配列を異ならせる。図11は、大サイズのメディアを用いた場合の、テストパターンの例を示す。図6のテストパターンに較べて、パターン要素(パッチ)の数を主走査方向で増やしている。
さらに、メディアの種類に応じてパターン要素の数や配列を設定するようにしてもよい。メディアの中でも普通紙は、光沢紙に較べてメディア上に付与したインクドットの滲みが多いので、画質自体は光沢紙に較べて劣るものの、搬送誤差による画像のスジ発生は光沢紙よりも少ない。よって、普通紙でのテストパターンを、光沢紙よりもパターン要素の数を少なくして、パターン読み取りに要する時間や演算負荷を軽減することが可能となる。更に、メディアのサイズと種類の組み合わせに応じて、テストパターンのパターン要素を変更するようにしてもよい。
また、さらに別の実施形態として、第1状態から第2状態に状態遷移する際のメディアMの搬送距離を、所謂メディアセンサを用いて検出するようにしてもよい。図12は、キャリッジ7がプリントヘッド4と共にメディアセンサ100を搭載した構成を示す。メディアセンサ100はLEDやOLED等の光源101と受光部102を内蔵し、光源101で照明されたメディアMの表面を受光部102で撮像して、一次元または二次元の画像データを取得する。取得した画像データを制御部20で画像処理して画像の特徴を抽出することにより画像のずれ量を求める。画像の特徴抽出には、例えば、画像データをフーリエ変換して、周波数毎に一致を見る方法、ピーク部分を抽出してその部分の位置ずれ量を取得する方法、あるいは取得したプリント画像のデータを二値化してパターンの一致をみる方法などがある。
図13は、メディアセンサで検出するテストパターンを示す。テストパターン200は搬送方向に対して細かな線201a、201b、・・・205a、205bを一定間隔に並べて構成したものである。最初に、線201aを第1状態から第2状態への状態遷移の前にプリントし、状態遷移の後に、線201bをプリントする。線201a、201bの組の間隔は、状態遷移前後の搬送誤差情報を含んだものとなる。次に、メディアMを逆方向に同量だけ送り戻して、第2状態から第1状態に状態遷移させ、別のノズルを用いて同様の手順にて、線202a〜205a及び線202b〜205bの4組を順にプリントする。こうしてメディアM上に5組の線からなるテストパターンを形成する。これら各組の間隔を、メディアセンサ100で検出して、設計上の搬送量に対する搬送誤差を算出して、こられの5つの誤搬送誤差を平均したものを補正値として、制御部20のメモリ22に記憶する。
プリンタの主要部の構成を示す斜視図 メディア上の3つの領域を示す図 メディアが搬送される各過程を示す断面図 領域Aにおける8パスの通常プリントの動作を説明する図 領域A・領域B・領域Cに移行する際のプリント動作を説明する図 メディアM上にプリントしたテストパターンを示す図 パッチを形成するインクドットを部分拡大した図 各パッチの検出する際の反射信号強度の例を示す図 テストパターンを形成する際のプリント動作を説明する図 搬送誤差を取得して補正値を設定する具体的な手順を示すフローチャート図 大サイズのメディアを用いる場合のテストパターンを示す図 メディアセンサを用いた実施形態の構成を示す図 メディアセンサで検出するテストパターンを示す図
符号の説明
1 搬送ローラ(第1の回転体に対応)
2 ピンチローラ
3 プラテン
4 プリントヘッド
7 キャリッジ
12 排出ローラ(第2の回転体に対応)
13 拍車
16 光学センサ
20 制御部

Claims (4)

  1. インクジェット方式のノズル列を有するプリントヘッドを保持し、主走査方向に往復移動するキャリッジと、
    前記プリントヘッドによるプリント位置よりも上流側に設けられた第1の回転体と、前記プリント位置よりも下流側に設けられた第2の回転体とを含み、メディアを前記主走査方向と交差する副走査方向に搬送する搬送手段と、
    前記第1の回転体と前記第2の回転体により同一のメディアを搬送する第1状態から、前記第1の回転体から離れたメディアを前記第2の回転体で搬送する第2状態へと状態が切り替わる状態遷移の前後において、前記第1状態で前記主走査方向に沿って複数のパターン要素をプリントし、次いで前記第2状態で前記プリントした複数のパターン要素に重ねてプリントすることで、前記主走査方向に沿って複数のパターン要素からなるテストパターンを形成するように制御する制御手段と、
    前記プリントしたテストパターンに含まれる各パターン要素をセンサで読み取って、メディアの搬送を制御するための補正値を取得する取得手段と
    を有し、
    前記制御手段は、前記主走査方向に沿った一列の前記テストパターンを形成したら、メディアを前記第2状態から前記第1状態になるよう送り戻し、前記ノズル列のうちパターン形成に使用するノズル領域を変更して別の一列の前記テストパターンを形成する動作を繰り返して、前記副走査方向において異なる位置に複数列のテストパターンを形成するよう制御するものであり、
    前記取得手段は、前記複数列のテストパターンのそれぞれに対して取得される値の平均を計算して前記補正値とすることを特徴とするプリンタ。
  2. 前記一列のテストパターンは、前記副走査方向とともに前記主走査方向においても異なる位置に複数が形成されることを特徴とする、請求項1又は2記載のプリンタ。
  3. 前記一列のテストパターンに含まれる前記パターン要素は、パターンの濃度が異なるように形成され、前記センサは各パターン要素の濃度検出することを特徴とする、請求項又は2に記載のプリンタ。
  4. 前記メディアのサイズ又は種類に応じて、前記テストパターンを変更することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のプリンタ。
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