JP5353865B2 - 発電装置及び発電方法 - Google Patents
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Description
Siウエハと金属とを摩擦し、発生電圧の時間変化を観察した。使用した装置は、オシロスコープ(テクトロニクス社製TDS−210)、プローブ(オシロスコープに付属のNi材)、鰐口クリップ(Al又はNi)、デジタルマルチメータ、アナログテスタである。これらを用いて、プローブに負荷抵抗RLを接続し、オシロスコープで電圧の時間変化を観察した。オシロスコープは、GPIBインターフェイス経由でコンピュータへ出力した。ここでは、表1に示すウエハを試料として用いた。各ウエハは、ドープ量が多いものを「p+,n+」とし、ドープ量が普通であるものを「p,n」とし、ドープ量の少ないものを「p-,n-」と便宜的に称するものとした。
購入した状態の各種Siウエハを表面処理無しでNiプローブで摩擦し、起電力を測定した。図6は、ドープ量の異なるn型Siウエハ、p型Siウエハの発電結果である。このときの負荷抵抗RLを500kΩとし、摩擦速度はおおよそ1×101cm/sであった。図6に示すように、キャリアタイプとキャリア濃度にかかわらず100〜200mVの正電圧が得られた。一方、n型及びp型と、n-及びp-とを比較すると、p型の方が電圧が高い傾向を示した。また、n型,p型共にドープ量が高くなるほど(n-→n→n+)、摩擦時の電圧変化が敏感に起きているようにみえた。n+型では、スパイク状の特性であり、n-型では矩形状に近い特性が観察された。これは、界面での電荷移動及び半導体中での電荷輸送速度がドープ量に依存することに起因する可能性を示唆している。
図7は、本実施例の発電装置の抵抗、電圧及び電流に関する関係図である。図7(a)は、負荷抵抗RLと発生電圧との関係図であり、図7(b)は、全抵抗Rtotalとピーク電圧Vpとの関係図であり、図7(c)は、ピーク電圧Vpと発生電流Iとの関係図である。ここでは、試料はn型のSiウエハの表面処理無しのものを用い、負荷抵抗RL(kΩ)に対する発生電圧のピーク電圧Vp(mV)の関係を求めた。また、全抵抗Rtotal(kΩ)は、オシロスコープの入力インピーダンスRin=1MΩを考慮し、全抵抗Rtotal(kΩ)=(Rin・RL)/(Rin+RL)の式から求めた。図7(a)は、約2.8sから摩擦を始めた特性を示している。この結果、負荷抵抗RLの増加に伴い発生電圧が増加する傾向を示した。また、図7(b)に示すように、ピーク電圧Vpと負荷抵抗RLとの関係はおおよそ直線的になっており、また、図7(c)に示すように、発生電流I(μA)は電圧に対して略一定であるものと考えられた。この結果から、本実施例の発電装置では、負荷抵抗RLが100kΩ以上500kΩの範囲において、定電流が発生していることを示唆している。即ち、一次電池や二次電池は定電圧源であるが、この発電装置は定電流源として機能するものと推察された。
図8は、電極の種類に対するV−t特性の説明図である。図8(a)の中の+と−は、それぞれオシロスコープの+側とGND側とに対応する。+側のNiプローブを動かした場合、正電圧が観察された。一方、GND側のNiクリップを動かした場合、Niプローブとは逆の負電圧が観察された。また、GND側をAlプローブとして動かした場合、Niプローブとは逆の正電圧が観察された。つまり、金属の種類によって発生電圧の向きが異なることがわかった。+側を動かした場合、正電圧の発生が意味するのは、Siウエハから可動金属への電子移動であると推察された。同様に、GND側を動かした場合、負電圧の発生が意味するのは、Siウエハから可動金属への電子移動を意味している。一方、GND側を動かした場合、正電圧の発生が意味するのは、Siウエハから可動金属への正孔移動を意味していると推察された。図8(b)に示すように、金属−半導体接触の際に形成されるショットキー障壁の高さや方向は、仕事関数によって決定される。図8(b)において、上下矢印は摩擦を意味する。Ni,Alの仕事関数は、それぞれ5.2eV,4.1eVである。Siの電子親和力(真空準位から伝導帯下端)は、4.1eV、バンドギャップが1.1eVであるので、イオン化ポテンシャル(真空準位から価電子帯上端)は5.3eVである。なお、これらはバルク値なので、表面の接触を見ている本現象にそのまま当てはまるかについては疑義があるが、相対的な大小は合っていると考えても差し支えないと思われる。Niを摩擦したとき、仕事関数の関係から、例えばキャリア濃度が高すぎてフェルミ準位がバンド端を大幅に超えない範囲以下では、どのようなドープ量、キャリアタイプであっても、図8(b)に示す方向にショットキー障壁が形成されると考えられる。したがって、Niを摩擦することでSi表面からNiへ電子が移動すると考えられる。一方、Alは、ホールに対するショットキー障壁を形成する。したがって、Alの摩擦によってSi表面からAlへホールが移動すると考えられる。
Siウエハの表面処理として、フッ酸処理による水素終端清浄表面、フッ酸処理無しでアセトン及びエタノールの脱脂処理による清浄表面、処理なし、素手で触ることによる汚染表面、の4種類の表面状態を形成し、発電特性を調べた。測定結果を表2に示す。表面処理後直ちに摩擦したときの特性を「摩擦初期」に、そのまま摩擦を続けて1分ほど経過したときの特性を「1分後」に、その後、十分時間が経過したあと摩擦を再開したときの特性を「再度摩擦」に示した。フッ酸処理や脱脂処理をした試料は、摩擦初期には発電しなかった。しかし、摩擦を継続するうちに電圧が発生し、ひとたび電圧が発生すると、あとは長時間経過したときの再摩擦でも発電した。無処理や汚染処理を行ったウエハは、摩擦初期から電圧が発生した。この結果より、発電特性は表面状態に応じて変わることがわかった。特に、清浄表面や脱脂表面では発電せず、むしろ汚れた表面や水分油分がついた表面の方が初期特性にはよいことがわかった。
測定値が比較的小さいことから、ノイズの影響、動的接触以外の効果、装置由来のアーティファクトが含まれる可能性がある。ノイズに関しては、配線に同軸ケーブルを用いるとある程度除去可能であったので、特に問題はないものと考えられる。以下に、動的接触以外の影響と装置由来のアーティファクトについて考察した。
以上の実験より明らかになったことを以下にまとめる。まず、Siウエハのキャリアタイプによらず同一方向に電圧が発生する。また、Siウエハのドープ量に応じて発生電圧の応答時間が異なる。負荷抵抗と発生電圧は直線的で、測定領域内では、定電流が発生する。摩擦する金属の種類によって発生電圧方向が異なる。Siウエハの表面を洗浄(フッ酸処理、有機溶剤処理)すると、摩擦初期は発電しない。水、エタノール、アセトン及び機械油の中で摩擦しても発電することができる。光起電力、熱起電力、装置から来るバイアス電流による影響は無視できる。以上のことが明らかとなった。
導電性カンチレバーを用いた原子間力顕微鏡(AFM:Veeco社製Nanoscope)を利用して、トポグラフと電気伝導特性とを同時に測定した。導電性カンチレバーとしては、ダイヤモンドライクカーボンを被覆したSi製カンチレバーを用いた。試料には、表面をフッ酸処理したSiウエハを用いた。
図12は、導電性カンチレバーを用いたAFMの測定結果である。凹凸像と電流像とは、同じ領域の測定結果である。凹凸像の溝の位置を反映して負電流が流れた。特に、溝のふち部分で電流が流れた。したがって、ナノ領域の解析から、ナノ凹凸のエッジ部分が発電サイトになっていることがわかった。
図4に示すように、金属の仕事関数φM及び半導体の仕事関数φSが動的接触する場合、接触させる瞬間、仕事関数の違いにより半導体から金属へ電子が移動し、それぞれのフェルミ準位が一致する。結果的に、半導体表面、即ち金属−半導体界面には、高さφM−φSのショットキー障壁が形成される。一方、接触を動的に繰り返した場合は、例えば、接触状態、離間の瞬間、ショットキー障壁領域の空乏領域を埋めるように半導体の深い位置から表面へ電子が拡散し、フェルミ準位が下がった状態となる。このポテンシャルが外部回路からキャリアを引っ張る駆動力となり、外部からキャリアがドリフトすることにより、連続的にキャリアが外部回路を流れ、発電が起きるものと推察される。2つの材料を摩擦する際にも、接触位置が変更されることにより、接触・離間を繰り返し行うことと等価になるものと推察される。このような発電機構であるものと推察された。
Claims (10)
- 導体及び半導体の少なくとも一方の材質で形成された第1部材と、
半導体であり前記第1部材と異なる材質で形成された第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材とを動的接触させることにより生じた電力を外部回路へ取り出す動的発電手段と、を備え、
前記第1部材は、振動可能な板状体又は棒状体の形状に形成され、前記第2部材は、前記第1部材が接触可能である接触面を有する板状体の形状に形成されているか、
前記第2部材には1以上の前記第1部材の各々が挿入される1以上の挿入孔が形成されており、前記動的発電手段は、前記挿入孔に前記第1部材が挿入された状態で該第1部材を固定する固定部、を備えており、前記第1部材と前記挿入孔の内壁とを動的接触させることにより生じた電力を外部回路へ取り出すか、
の少なくとも一方を満たす、発電装置。 - 前記第1部材は、金属で形成され、
前記第2部材は、半導体で形成されている、請求項1に記載の発電装置。 - 前記動的発電手段は、前記第1部材と前記第2部材とを固定する固定部と、前記第1部材に接続された第1端子と、前記第2部材に接続された第2端子と、を備えており、前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方の振動に伴う動的接触により生じた電力を外部回路へ取り出す、請求項1又は2に記載の発電装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の発電装置であって、
前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方へ、音、液体、風及び熱のうち1以上を与える構造部、を備えた、発電装置。 - 導体及び半導体の少なくとも一方の材質で形成された第1部材と、半導体であり前記第1部材と異なる材質で形成された第2部材と、を動的接触させることにより生じた電力を外部回路へ取り出し、
前記第1部材は、振動可能な板状体又は棒状体の形状に形成され、前記第2部材は、前記第1部材が接触可能である接触面を有する板状体の形状に形成されているか、
前記第2部材には1以上の前記第1部材の各々が挿入される1以上の挿入孔が形成されており、前記第1部材と前記挿入孔の内壁とを動的接触させることにより生じた電力を外部回路へ取り出すか、
の少なくとも一方を満たす、発電方法。 - 前記第1部材は、金属で形成され、
前記第2部材は、半導体で形成されている、請求項5に記載の発電方法。 - 前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方の振動に伴う動的接触により生じた電力を外部回路へ取り出す、請求項5又は6に記載の発電方法。
- 前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方へ、音、液体、風及び熱のうち1以上を与えることにより生じた電力を外部回路へ取り出す、請求項5〜7のいずれか1項に記載の発電方法。
- 前記第1部材と前記第2部材とを動的接触させるに際して、前記第1部材及び前記第2部材をガス雰囲気中、真空中、液体中のうちいずれか1つの環境内で動的接触させて生じた電力を外部回路へ取り出す、請求項5〜8のいずれか1項に記載の発電方法。
- 前記第1部材と前記第2部材とを動的接触させるに際して、前記第1部材と前記第2部材とを接触及び離間させるか、前記第1部材と前記第2部材とを摩擦させる、請求項5〜9のいずれか1項に記載の発電方法。
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