JP5352888B1 - 編み束ね大蒜とその編み束ね方法、および、編み束ね大蒜用大蒜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 大蒜2球根部分20以上の茎30や葉31などの部分を編み紐部3とした複数個の大蒜2,2,……を、互いの編み紐部3,3,……同士で所定形状のものとするよう一体に組合せ、結合した形状のものとするよう編み上げ、各大蒜2,2,……球根部分20,20,……が複数条、鈴生り状に配列するよう一体化し、そのまま吊して通気性を確保するよう保管できるだけでなく、室内装飾にも利用可能なまでに付加価値を高めたものとしてなる編み束ね大蒜1である。
【選択図】 図1
Description
青森県特産の大蒜は毎年、梅雨前の晴れた日に収穫し、3ないし4週間程乾燥させてから、土が付いている外皮を剥き、茎・葉・毛根を切除して所定個数毎か、所定重量毎かの何れかに分けて通気性の有る樹脂製ネット袋などに収容し、市場に供給するのが一般的であり、大蒜生産者の管理を離れた後も、大蒜の鮮度を保つには、店頭において展示・販売しているときは勿論のこと、購入者が家庭に持ち帰った後も、高温多湿を避け、風通しが良く、涼しい場所に保管するようにしなければならないが、樹脂製ネット袋に入れたままでは、直置き保管するにしても、そのまま吊り下げ保管するにしても、複数個の大蒜が積み重なった状態のままの保管となってしまい、全ての大蒜に充分な通気性を与えることができなかったり、接地部分や下積みとなった球根部分に不要な荷重を掛けて品質を低下させてしまったりするという問題が生じるばかりでなく、荷姿の点でも、樹脂製ネット袋に収容したままでは、仮令業務用や家庭用のものといえどもこれまで策がなさ過ぎ、まして土産品や贈答品などとして提供する場合、特に外的美感や付加価値という観点に欠けており、土産品や贈答品としての販促に繋がっていないと云わざるを得ないである。
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、大蒜を包装材料内に充填密封してなる大蒜包装体を高圧処理し、生成させた大蒜臭成分を溶媒にて除去するか、あるいは大蒜を予め溶媒と共に包装材料内に充填密封してなる溶媒入り大蒜包装体を高圧処理し、生成する大蒜臭成分を同包装体内の溶媒にて除去し、大蒜本来のうま味や外観、さらには大蒜特有の有効成分が保たれたままで大蒜臭が除去されているいわゆる無臭大蒜を容易に、しかも効率良く製造可能とした技術や、同特許文献1(2)に見られるような、茎・毛根付きの複数本の行者大蒜の球根部を、水を含ませたスポンジで巻き、該スポンジの外がわからアルミホイールで包み込み、球根部上部の茎の付け根付近にて輪ゴム止めした上、包装球根部および茎の全体をポリエチレン袋に収容し、保水によって収穫後の鮮度を長期間保てるようにした包装行者大蒜などが散見される。
大蒜の一大生産地にあって永年大蒜の生産、販売に従事して来た者の一人としては、従前までに提案のある各種大蒜の加工、出荷および販売に関連する技術が、大蒜の無臭化に関連した包装技術や、保水機能を付与して鮮度保持期間を延長しようとする包装技術など、何れも大蒜を密閉状に包装してしまうものであり、大蒜球根部分の色や形を直接見たり、手で触れて球根部分の出来を確かめたりするなど、消費者が希望する品質の確認ができないという点に問題がある上、こうした包装商品としての大蒜では、他の商品同様に商品名や広告入り表示などによる普通の装飾宣伝は可能となるものの、その他食品類との差別化が難しく、特に特産品や土産品の専門店や大型ショッピング施設などで取り扱う場合には、スーパーマーケットなどにおいて通常販売している日常食品としての大蒜とは明確な差別化がなされ、様々な特産品や土産品が存在する中にあっても消費者の注目を集める得るよう、これまでのように単に棚に置いて陳列するのでなく、顧客からの注目を浴び易い高所に展示することができ、しかも他の野菜や果物類などと全く異なる装飾性を付与した新しい商品化技術の開発が是非とも必要ではないのかと考えるに至った。
そこで、この発明は、高温多湿を避け、風通しが良くて涼しい環境下に、直置き保管したり、積み重ね保管したりせずに、誰でもが理想的な状態での保管ができ、しかも店頭での展示の際や購入後における保管中も、室内などの装飾品としても違和感無く展示または保管できるようにする新たな付加価値を高めた大蒜商品の出荷・販売・保管技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の編み束ね大蒜と、その新規な編み束ね方法、および、新規な編み束ね大蒜用大蒜の製造方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の編み束ね大蒜は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、大蒜球根部分以上の茎および/または葉の部分を編み紐部とした複数個の大蒜を、互いの編み紐部同士で所定形状のものとするよう一体に組合せ、結合した形状のものとするよう編み上げ、各大蒜球根部分が複数条、鈴生り状に配列するよう一体化してなるものとした構成を要旨とする編み束ね大蒜である。
上記した編み束ね大蒜に関連し、この発明には、その編み束ね方法も包含している。
即ち、仮想同一緯線上に左右各1個の大蒜球根部分を隣接状に配し、それら左右各1個の大蒜球根部分間中央であって、上下何れか少なくとも一方となる位置に1個の大蒜球根部分を組み合せるよう配して、少なくとも合計3個の大蒜球根部分を有する最下位球根束ね行単位とするよう、編み紐部とした互いの茎および/または葉の部分同士を編み上げると共に、該最下位球根束ね行単位の上方に隣接する別の仮想緯線上に左右各1個の大蒜球根部分を配し、左右各1個の大蒜球根部分間中央であって、上下何れか少なくとも一方となる位置に1個の大蒜球根部分を組み合せるよう配して、少なくとも合計3個の大蒜球根部分を有する上位球根束ね行単位とするよう、編み紐部とした各茎および/または各葉の部分を、当該最下位球根束ね行単位の各編み紐部に夫々沿わせて編み込むようにして一体化した上、該上位球根束ね行単位の上方に隣接する別の仮想緯線上に、同様に少なくとも合計3個の大蒜球根部分を有する上位球根束ね行単位を設けるよう、編み紐部とした各茎および/または各葉の部分を、当該最下位球根束ね行単位、および、その上方に隣接する当該上位球根束ね行単位の各編み紐部に夫々沿わせて編み込むようにして一体化し、当該最下位球根束ね行単位以上に、複数段の上位球根束ね行単位を連ねて設け、各左右および中央の大蒜球根部分が、夫々の仮想経線上に複数条、鈴生り状に配列するよう一体化し、最上位球根束ね行単位より上方に誘導した各茎および/または各葉の部分を環状に編み上げ、吊下用環部として編み束ね大蒜とするようにした、この発明の基本をなす前記何れか記載の編み束ね大蒜の編み束ね方法である。
上記した編み束ね大蒜とその編み束ね方法に関連し、この発明には、それらに利用する編み束ね大蒜用大蒜の製造方法も包含している。
即ち、生大蒜を茎・葉付きにて収穫し、所定条件下にて乾燥させた後、土が付いている上皮を剥いた上、球根部分以上の適所で茎の芯(トウ)を切除し、球根部分がわに残した茎の芯(トウ)に適宜柔軟化処理を施し、球根部分以上の茎・葉にて複数個同士を編み上げ、複数条、鈴生り状に配列・一体化可能となるようにした、この発明の基本をなす前記何れか記載の編み束ね大蒜と、その編み束ね方法に用いる編み束ね大蒜用大蒜の製造方法である。
編み束ね大蒜用大蒜は、この発明の編み束ね大蒜の一部であって、且つその複数個の集合により、この発明の編み束ね大蒜の全体をなすという機能を担うものであり、圃場より収穫した大蒜に、適宜加工・処理を施して編み束ねの作業に適した状態に加工してなるものであり、より具体的には、大蒜球根部分以上の茎および/または葉の部分を編み紐部とし得るよう適宜可能してなるものであって、さらに具体的には、例えば、後述する実施例に示すように、生大蒜を茎・葉付きにて収穫し、温風機にて3〜4週間程度乾燥させた後、土が付いている上皮を剥いた上、大蒜球根部分を除く茎・葉に濡れた布を巻き、重石をして柔軟化処理を施してから、球根部分から10cm程度の所より茎の芯(トウ)を切除し、球根部分がわに残した茎の芯(トウ)を叩いて再柔軟化処理を施し、球根部分以上の茎・葉にて複数個同士を編み上げ、複数条、鈴生り状に配列・一体化可能となるようにしてなるものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以下では、この発明の編み束ね大蒜用大蒜の製造方法、および、それによって得た編み束ね大蒜用大蒜を利用した編み束ね大蒜の編み束ね方法の一例に従い順次、編み束ね大蒜1の構造を示して行くこととする。
以上のとおりの構成からなるこの発明の編み束ね大蒜1は、図1ないし図4に示すように、上下に整然と配列した各球根束ね行単位4,5,5,……,6が、大きさや形の揃った品質の高い各大蒜2,2,……球根部分20,20,……と相俟って高い装飾性を与えたものとすることができ、上部の吊下用環部7を室内壁のフックなどに吊下すれば、特徴的な店頭陳列や室内装飾に有効なものとなり、店頭に吊り下げて陳列することで消費者の注目を大いに集めるものとなり、購入後は、例えば、台所などの風通しが良く涼しい場所の壁に吊して保管し、図1中に示すように、調理の段階にて必要な分量の球根部分20のみを切り取って調理するという利用法が可能になるという特徴的な利点がある。
叙述の如く、この発明の編み束ね大蒜とその編み束ね方法、および、編み束ね大蒜用大蒜の製造方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの大蒜包装技術に比較して格段に外的美感および商品価値を高めることができる上、大蒜の茎や葉などの有効利用によって基本的に包装資材を一切不要とし、軽量且つ経済的に製品化可能であり、生産から流通、消費の各段階に生ずるゴミを大幅に減量化して自然環境に優しい商品とすることができるから、従前までは外の野菜類との差別化が困難なため、消費の拡大に苦慮してきた大蒜栽培農家はもとより、特産品の需要を高めようと昼夜を問わず努力を続ける流通・販売業界、および、土産品や贈答品としても好まれる新たな大蒜商品の提供を待望する消費者においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
2 大蒜(編み束ね大蒜用大蒜)
20 同 球根部分
3 編み紐部
30 同 茎(芯(トウ))
31 同 葉
L 仮想緯線
4 最下位球根束ね行単位
5 上位球根束ね行単位
6 最上位球根束ね行単位
7 吊下用環部
A 大蒜の収穫工程
B 球根部分を乾燥ネットに入れる工程
C 温風機にて3ないし4週間程度乾燥する工程
D 土が付いている上皮を剥く工程
E 柔軟化処理工程
F 球根部分から10cmの所に縦の切り目を入れる工程
G 茎の芯(トウ)を斜めに切り取る工程
H 再柔軟化処理工程
M 毛根切除線
N 茎の芯(トウ)の切除位置寸法
P 茎の芯(トウ)への縦の切り目線
Claims (6)
- 大蒜球根部分以上の茎および/または葉の部分を編み紐部とした複数個の大蒜を、互いの編み紐部同士で所定形状のものとするよう一体に組合せ、結合した形状のものとするよう編み上げ、各大蒜球根部分が複数条、鈴生り状に配列するよう一体化してなるものとしたことを特徴とする編み束ね大蒜。
- 大蒜球根部分以上の茎および/または葉の部分を編み紐部とした複数個の大蒜を、互いの編み紐部同士で縄状、綱状、三つ編み状以上の複数編み状の中の少なくとも何れか1つの形に編み上げ、1本の綱状とするか、同綱状としたものの両端同士を連結した環状とするか、あるいは中途部適所に一端または両端を夫々連結して吊り環状、メガネ状、∞状、またはそれらの組合せ、結合した形状のものとするよう編み上げ、各大蒜球根部分が複数条、鈴生り状に配列するよう一体化してなるものとしたことを特徴とする編み束ね大蒜。
- 仮想同一緯線上に左右各1個の大蒜球根部分を隣接状に配し、それら左右各1個の大蒜球根部分間中央であって、上下何れか少なくとも一方となる位置に1個の大蒜球根部分を組み合せるよう配して、少なくとも合計3個の大蒜球根部分を有する最下位球根束ね行単位とするよう、編み紐部とした互いの茎および/または葉の部分同士を編み上げると共に、該最下位球根束ね行単位の上方に隣接する別の仮想緯線上に左右各1個の大蒜球根部分を配し、左右各1個の大蒜球根部分間中央であって、上下何れか少なくとも一方となる位置に1個の大蒜球根部分を組み合せるよう配して、少なくとも合計3個の大蒜球根部分を有する上位球根束ね行単位とするよう、編み紐部とした各茎および/または各葉の部分を、当該最下位球根束ね行単位の各編み紐部に夫々沿わせて編み込むようにして一体化した上、該上位球根束ね行単位の上方に隣接する別の仮想緯線上に、同様に少なくとも合計3個の大蒜球根部分を有する上位球根束ね行単位を設けるよう、編み紐部とした各茎および/または各葉の部分を、当該最下位球根束ね行単位、および、その上方に隣接する当該上位球根束ね行単位の各編み紐部に夫々沿わせて編み込むようにして一体化し、当該最下位球根束ね行単位以上に、複数段の上位球根束ね行単位を連ねて設け、各左右および中央の大蒜球根部分が、夫々の仮想経線上に複数条、鈴生り状に配列するよう一体化し、最上位球根束ね行単位より上方に誘導した各茎および/または各葉の部分を環状に編み上げ、吊下用環部として編み束ね大蒜とするようにした、請求項1または2何れか一項記載の編み束ね大蒜の編み束ね方法。
- 生大蒜を茎・葉付きにて収穫し、所定条件下にて乾燥させた後、土が付いている上皮を剥いた上、球根部分以上の適所で茎の芯(トウ)を切除し、球根部分がわに残した茎の芯(トウ)に適宜柔軟化処理を施し、球根部分以上の茎・葉にて複数個同士を編み上げ、複数条、鈴生り状に配列・一体化可能となるようにした、請求項1ないし3何れか一項記載の編み束ね大蒜用大蒜の製造方法。
- 生大蒜を茎・葉付きにて収穫し、所定条件下にて乾燥させた後、土が付いている上皮を剥いた上、大蒜球根部分を除く茎・葉に柔軟化処理を施してから、球根部分から10cm程度の所より茎の芯(トウ)を切除し、球根部分がわに残した茎の芯(トウ)に適宜加圧して再柔軟化処理を施し、球根部分以上の茎・葉にて複数個同士を編み上げ、複数条、鈴生り状に配列・一体化可能となるようにした、請求項1ないし3何れか一項記載の編み束ね大蒜用大蒜の製造方法。
- 生大蒜を茎・葉付きにて収穫し、温風機にて3〜4週間程度乾燥させた後、土が付いている上皮を剥いた上、大蒜球根部分を除く茎・葉に濡れた布を巻き、重石をして柔軟化処理を施してから、球根部分から10cm程度の所より茎の芯(トウ)を切除し、球根部分がわに残した茎の芯(トウ)を叩いて再柔軟化処理を施し、球根部分以上の茎・葉にて複数個同士を編み上げ、複数条、鈴生り状に配列・一体化可能となるようにした、請求項1ないし3何れか一項記載の編み束ね大蒜用大蒜の製造方法。
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