JP5350603B2 - 超合金タービンブレードを熱処理するための固定治具の使用方法 - Google Patents

超合金タービンブレードを熱処理するための固定治具の使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、翼形部を固定するための装置と、翼形部の一部分を溶体化し、次に該溶体化した翼形部をエージングする方法とに関する。
航空機ガスタービンエンジン又はジェットエンジンは、軸流圧縮機を使用して空気を吸い込みかつ加圧し、この加圧した空気を燃料と混合し、その混合気を燃焼させかつその燃焼生成物を圧縮機を駆動する軸流タービンセクションを通して排出する。エンジンのタービンセクションは、1つ又はそれ以上のディスクを含み、各ディスクは、その周辺部から突出した複数のブレードを含む。高温排出ガスは、ブレードに衝突して1つ又は複数のディスクを回転させる。1つ又は複数の回転ディスクはシャフトに取り付けられ、シャフトもまた圧縮機を駆動する。圧縮機もまた回転ディスクで構成され、各ディスクは、その周辺部から突出した複数のブレードを有する。回転ディスクは、タービンによってシャフトが回転すると該シャフト上で急速回転し、扇風機と幾分か同じ方法で湾曲ブレードが空気を吸い込みかつ圧縮する。
ディスク上のタービンブレードは、燃料の燃焼により生じた高温排出ガス内に位置しかつ極めて高い速度で回転する。従って、タービンブレードは、酸化性及び腐食性環境内で作動しかつ高い作動応力を受ける。この種の過酷な条件に耐えるために、タービンブレードは、超合金すなわち耐酸化性、耐腐食性及び強度をもたらす高価な元素の混合物で製作される。この種の超合金は、方向性結晶粒として又は単結晶としてでさえタービンブレードを成長させることを含む多様なメカニズムによって好ましい方向にさらに強化される。
タービンブレードに使用する超合金には、ニッケル基超合金、鉄基超合金及びコバルト基超合金が含まれる。これらの超合金は、析出メカニズムによってさらに強化することができる。例えば、NiAlを含むガンマプライム(γ’)相は、適切な溶体化及びエージング処理によって合金のFCC結晶構造のガンママトリックス内に析出する。これらの鋳造したままの新品部品のガンマプライム相すなわちサイズ及び分布の両方を制御することは、良く知られている。タービンブレードは、高温ガスストリーム内に延びた翼形部と、ブレードをタービンディスクに取り付けるダブテール部と、任意選択的に翼形部をダブテール部から分離したプラットフォーム部とを含む。シャンク部は、プラットフォーム部とダブテール部との中間に位置する。タービンブレードにはまた、タービンエンジンの高温の腐食性かつ酸化性環境内でのその耐久性をさらに高めるために環境皮膜及び/又は断熱皮膜が設けられる。
それにも拘わらず、タービンブレードは、ガスタービンエンジン内での作動の結果として損傷を生じる。この損傷は、本来的に機械的なもの及び本来的に冶金学的なものの両方である可能性がある。タービンブレードは製造するのに費用がかかり、その結果、経済的な観点から、可能な場合には常にタービンブレードを交換するのではなくて該タービンブレードを補修することが望ましい。多くの状況において、ブレードは、あらゆる残存保護皮膜を取り除き、次に損傷した機械領域を溶接しかつ必要に応じて寸法を復元するように溶接補修領域を再加工し、次に保護皮膜を再施工することによって補修することができる。
冶金学的損傷は、ガスタービンエンジンの通常運転の結果として固有のものである。ブレード材料すなわち一般的には耐熱超合金は、慎重な元素の組合せの選択によってその耐腐食性及び耐酸化性を引き出される。ブレードの強度は、析出硬化による微細な析出物の形成の結果として得られる。しかしながら、長期間にわたるタービンエンジンの高温度でのブレードの作動により、材料疲労、クリープ破断及びラフティングが生じる。それが存在する場合には、ラフティングは、プラットフォームから先端までのタービンブレード内に、より具体的には先端下方かつプラットフォーム上方のブレード後縁内に発生する。本明細書で使用する場合、ラフティングは、γ’析出物の結晶粒粗大化を意味し、加わる応力の方向に一致して析出する。結晶粒粗大化したγ’を有するこの領域は、強度の低下を顕著に示す。
機械的損傷を補修するためにブレードを溶接することが知られている。溶接によって補修される損傷は、エンジン実使用から取り外したブレードに限定されるものではなく、鋳造欠陥或いは試験又は機械加工により生じた損傷の補修を必要とする新品ブレードである可能性もある。様々な溶接補修方法が利用可能であるが、1つの例示的な溶接補修方法は、SWET溶接つまりuperalloy elding at levated emperatures(高温度での超合金溶接)である。この方法は、1980年代に、その航空会社顧客用として損傷したタービンブレードを商業的に補修して補修再調整した状態にするためにGeneral Electric Aircraft Enginesによって開発された。この方法は、例えば石英ランプ又は誘導コイルのような熱源を使用してブレード翼形部を高温度に加熱することを必要とする。熱源は、補修を行うタービンブレードの狭い領域すなわち一般的にはブレード先端に収束され、熱が、ブレード先端に局所化される。補修されるブレードの領域は次に、ブレードを高温度に維持しながら溶接される。SWET溶接法の変形形態が、様々な先行技術の参考文献中に見られる。
ブレードを溶接する場合の問題は、溶接領域及び熱影響ゾーン(「HAZ」)が、ガンマプライムの溶体化温度以上に加熱されることである。ブレードが低温になると、熱は溶接補修の狭い領域及びHAZから離散するように伝導されるが、この領域内にはγ’が析出することになる。熱が補修領域から離散するようにかつHAZの部分内に伝達されるので、金属の温度は、上昇するが、γ’の溶体化温度以上に合金を温度上昇させるのに十分なほどの温度にはならない。微細なγ’析出物が、溶接補修部の狭い領域及びHAZの一部分内に形成されるが、狭い隣接する領域内のγ’析出物は、さらに結晶粒粗大化し、さらに顕著な強度の低下を示す。従って、溶接による機械的補修は、高温度での析出硬化合金の長期間使用に関連する冶金学的問題に対して解決策とはならず、一部のケースでは、問題をさらに悪化させる場合がある。
先行技術は、溶接領域は応力除去されかつγ’析出硬化温度以下の温度に急速冷却されるのが望ましいと開示しているが、先行技術は、溶接補修部から遠位となるブレードの翼形部の他の領域内におけるラフティングの問題に対処していない。先行技術の参考文献は、補修物品内の残留応力を低減するために、一般的に応力を受ける溶接補修物品に対して行われるのと同様に、溶接補修ブレード(すなわち、ブレード全体)を固定治具内に配置しかつ加熱炉内で応力除去することを示しているが、この文書には、それとは別に、溶接後熱処理をどのようにして行うかの説明がない。先行技術は、溶接補修を受けない翼形部の冶金学的特性を復元する必要性を認識していない。
ブレード先端に対して耐摩耗性層を焼結する方法が、1989年4月4日に登録された米国特許第4、818、833号に開示されている。この特許は、ブレード先端を加熱するために輻射熱源を利用することを特定している。輻射熱源は、その中に延びた加熱チャンバを有する黒鉛サセプタである。焼結後熱処理については記載されていない。しかしながら、この特許は、容認可能であると判断したブレード先端近傍のガンマプライムの結晶粒粗大化を開示しているが、長期間にわたる高温度暴露により不可避的に生じることになるこのガンマプライムの連続結晶粒粗大化の問題については認識していない。勿論、例えば誘導コイルのような自明の加熱方法は、輻射熱源と置き換えることができるが、このような置き換えは、連続結晶粒粗大化又は既に発生した結晶粒粗大化の軽減の問題を認識していることを示すものではない。
本発明の出願人に譲渡されかつ参考文献としてその全体を本明細書に組み入れている米国特許第6、020、571号(’571特許)及び第6、124、568号(’568特許)は、溶接工程の間における入熱を慎重に制御することによる析出硬化可能ニッケル基超合金ブレードの容認可能な溶接方法を開示している。溶接技術を進歩させるのには有効であるが、’568特許はただ、溶接作業により生じるγ’析出の問題に対処しているだけで、この問題は、所望の温度プロフィールに従って補修を行う局所領域における入熱を調整することによって制御されている。
溶接後結晶粒粗大化の結果として又は長期間にわたる高温度暴露によるラフティングの結果としてのいずれかとしてブレード全体にわたって均一なγ’析出構造を得るために、1つの現在の実施法は、ブレード全体を溶体化し、それによって、全てのγ’を分解し、次にγ’の再析出を行うことである。この方法は、ブレードの翼形部内に均一なγ’を形成することには有効であるが、別の問題を生じる。具体的には、その両方がプラットフォーム領域下方に設置されたブレードのダブテール領域及びブレードのシャンク領域は、機械加工作業によるか又は高回転速度のディスク内に配置される結果としての実使用誘起応力によるかのいずれかにより或いはその両方により高い応力を受ける。これらの作業又は作動は、残留応力を生じる。プラットフォーム下方のブレードの部分はまた、高温ガスストリーム内に延びたブレードの翼形部よりも著しく低い作動温度を受ける。従って、プラットフォーム下方のブレードのそれらの部分の高温度溶体化熱処理は、残留応力によるこれらの部分の再結晶を引き起こす可能性があるので、望ましくない。多くの最新式のブレードは、方向性凝固(ブレードの長手方向軸線と平行に配向した大きな柱状結晶粒を形成している)されるか又は単結晶として凝固するかのいずれかであるので、この領域における再結晶は、この領域のブレードの強度を低下させ、このことはブレード全体の機械的特性における限界要因となる可能性があるので、望ましくない。
米国特許第6,124,568号公報 米国特許第6,020,571号公報 米国特許第4,818,833号公報 米国特許第6,908,288号公報 米国特許第6,811,379号公報 米国特許第6,755,924号公報 米国特許第6,660,110号公報 米国特許第6,531,005号公報 米国特許第6,502,304号公報 米国特許第6,359,267号公報 米国特許第6,333,484号公報 米国特許第6,118,098号公報 米国特許第5,913,555号公報 米国特許第5,822,852号公報 米国特許第5,794,338号公報 米国特許第5,527,020号公報 英国特許出願公開第2315697号公報
必要とされるものは、ラフティングの問題を排除するγ’析出物を有するブレード翼形部の冶金学的特性の復元を可能にする方法である。このラフティングは、高温度及び高負荷でのブレードの長期間にわたる使用の結果として生じる可能性がある。ブレード翼形部の冶金学的特性の復元は、例えばブレードのダブテール領域のようなブレードプラットフォームにおける又はブレードプラットフォーム下方におけるブレードの部分の鋳造したままの結晶粒構造に悪影響を与えないで達成しなければならない。
本発明は、厚いセクション及び薄いセクションを有する析出硬化物品を、薄いセクションは溶体化アニールすることができると同時に、厚いセクションの冶金学的構造が溶体化アニール工程によって実質的に悪影響を受けないように熱処理するための装置及び方法を提供する。具体的には、本発明は、厚いセクションのミクロ構造に影響を与えない状態で、薄いセクションを溶体化アニールして所定のミクロ構造を得ることによって薄いセクションのミクロ構造を均一に復元する方法を提供する。より具体的には、物品は、ガスタービンエンジンで使用する超合金タービンブレードであり、薄いセクションは、所望のミクロ構造を得るために溶体化アニールされ、次に熱処理される翼形部であり、一方、厚いセクションは、その再結晶温度以下の温度に維持されるプラットフォーム下方の部分である。
ガスタービンエンジンで使用するタービンブレードは、タービンエンジンの高温ガス流路内に外向きに延びた翼形部と、タービンブレードをタービンディスクに取り付けるダブテール部と、翼形部とダブテール部との中間に位置するプラットフォーム部とを含む。シャンク部は、プラットフォーム部とダブテール部との間で移行部を形成し、シャンク部及びダブテール部は、プラットフォーム部下方のブレードを構成する。タービンブレードの翼形部は、エンジンガス流路内における翼形部表面全体にわたるガスの円滑な流体流を可能にすると同時に、高温ガスから取り出すエネルギーを最大化するように巧みに処理した薄い湾曲設計のものである。翼形部上を流れる状態で接触するガスは、タービンを駆動する。複数のタービンブレードが、タービンディスクに取り付けられる。プラットフォーム部は、ブレードにおける任意選択的な形状部であるが、プラットフォーム部は、ダブテール部及び翼形部に対してほぼ垂直に配向される。プラットフォーム部は、該プラットフォーム部下方への及びブレードダブテール部とかみ合いディスクダブテール溝との間への高温の腐食性かつ酸化性燃焼ガスの漏洩を低減し、それによって、ディスク及びブレードダブテール部の両方に対して高温の腐食性/酸化性燃焼ガスからの保護を与える働きをする。
本発明は、ブレードプラットフォーム下方のブレードのミクロ構造を阻害しないで、タービンブレード翼形部の冶金学的構造を、新品ブレードのミクロ構造すなわち一般的には鋳造したままのミクロ構造に近似した冶金学的構造に復元することを達成し、それによって、ブレードの疲労及びクリープ破断特性並びにその他の機械的特性を復元する。本発明の物品及び方法は、ラフティングに起因して機械的特性が低下した実使用から外されたブレード並びに翼形部の損傷した部分を復元するために溶接補修されたブレードの復元を可能にする。溶接補修は、SWET溶接、TIG溶接、レーザ溶接又はあらゆる他の公知の溶接補修方法のようなあらゆる従来型の溶接補修方法によって行って、損傷した新品ブレード又は実使用から外されたブレードの翼形部を復元することができる。上述のように、冶金学的復元を行うブレードは、実使用運転の結果として又は溶接補修の結果としてのいずれか或いはその両方として翼形部内にラフティングが生じている。ブレードのミクロ構造を新品状態すなわち一般的には鋳造したままのミクロ構造に復元するために、翼形部のみを溶体化温度以上に加熱し、それによって翼形部を再溶体化することによって、翼形部からラフティングが排除される。翼形部は次に、析出硬化処理してその意図したフーチャユースに適合した所定のミクロ構造を形成することができる。
上述した本発明のミクロ構造の復元は、タービンブレードを本発明の固定治具内に配置することによって達成される。この固定治具は、高伝導性材料を含む。この固定治具は、ブレードプラットフォーム部下方のブレードの部分すなわち少なくともダブテール部及び一般的にはシャンク部も同様に受けるようになった幾何的形状を有するレセプタクルを含む。プラットフォーム部下方のブレードの部分は、固定治具のレセプタクル内に配置して、翼形部の溶体化処理による熱を固定治具の働きによってプラットフォーム部下方のブレードから除去されるように伝達することができるようにする。一般的にブレードの翼形部を含むブレードの一部分は、固定治具から延びる。固定治具はさらに、該固定治具が過熱するのを防止しながらブレード及び固定治具から熱を除去するための手段を含む。一般的に、固定治具の表面に冷却流体を接触させて、プラットフォーム部下方のブレードの部分から熱を除去するように伝達させる。各特定の合金における溶体化温度は、変化することになるので、溶体化温度は、合金組成並びに所定の用途において所望のγ’のサイズ及び分布に応じて決まるが、溶体化温度及び時間は、γ’析出物を溶体化するように選択される。溶体化温度の可変性についてさらに詳しく説明する上で、Rene’N5は、タービンブレード用途に使用する公知の超合金組成物であり、ある範囲の組成を有する。重量パーセントで5〜10%のコバルト、5〜10%のクロム、5〜7%のアルミニウム、3〜8%のタンタル、3〜8%のタングステン、最大2%までのモリブデン、最大6%までのレニウム、0.08〜0.2%のハフニウム、0.03〜0.07%のカーボン、0.003〜0.006%のボロン、最大約0.02%までのイットリウム及び残部のニッケルの組成範囲を有するRene’N5の範囲内に属する合金組成物の溶体化温度は、大きく変化させることができる。溶体化温度は、特定した範囲限界値の範囲内であるとしても合金の組成範囲を変更すると、変化することになる。このことは、特定した組成範囲内で一般的に製造される他の超合金においても同様に当てはまる。殆どのニッケル基超合金ブレードの場合には、溶体化温度は、約0.25〜24時間の時間において約1900〜2400°Fの範囲内にある。
固定治具の表面全体にわたって冷却流体の供給を維持しながら、固定治具から延びるブレードの部分は、保護雰囲気下で加熱される。ブレードは、加熱するためのあらゆる好適な手段を使用して、固定治具から延びたブレードの一部分すなわち一般的にはその翼形部に対して選択的に熱を加えることによって加熱することができる。ブレードの翼形部は、合金の溶体化温度範囲内の温度に加熱される。固定治具は、プラットフォーム部及び該プラットフォーム部下方のブレードの部分から熱を移入し、その結果、プラットフォーム部下方のブレードの部分における温度上昇は、析出物の再結晶も結晶粒粗大化も発生しないほどに十分に低くなる。この翼形部の温度は、析出物の形態で存在する金属間相を溶解するのに十分な時間にわたって維持される。次に、熱源が取り除かれる。固定治具は、ブレード翼形部から熱を急速に移入し、翼形部が冷却するにつれて該翼形部内に析出物が形成される。析出物のサイズが適当でない場合には、必要に応じて、ブレード翼形部に熱を加えて適当なサイズに結晶粒粗大化させるのを可能にすることができる。
溶体化温度は、各析出硬化可能合金の固有の特性温度である。この溶体化温度は、全ての通常使用する析出硬化可能合金に容易に利用可能であり、また新規な析出硬化可能合金及びカタログにない析出硬化可能合金の場合には当業者によって容易に確定可能である。溶体化温度は、析出物すなわち一般的には溶体化温度以下のエージング温度で形成される分離金属間相が金属マトリックス内に分解して実質的にγ’のない均一なマトリックスを生成する高温度である。1つよりも多い金属間相を有する材料系は、異なる組成物の金属間相が異なる高温度で分解するので、1つよりも多い溶体化温度を有することになる。ニッケル基超合金の溶体化温度は、1900〜2400°Fの範囲内にある。析出硬化温度は、溶体化温度以下でありかつ1400°Fほどに低くすることができるが、合金及び析出物のサイズに応じて変化することになる。マトリックス内での析出物の形成及び生長の速度は、当技術分野では公知なように時間での温度の関数である。
本発明のその他の特徴及び利点は、一例として本発明の原理を示した添付図面と関連してなされた、好ましい実施形態の以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
本発明は、タービンブレードの翼形部を溶体化し、次にプラットフォーム部下方のタービンブレードの部分を再結晶させずにタービンブレードの翼形部を均一にエージング硬化させる方法を提供する。この復元は、翼形部のミクロ構造が変質した時に必要とされる。タービンブレードの翼形部のこの溶体化及びエージング硬化処理は、ブレードの翼形部に対して機械的特性を均一に復元すると同時に、実質的に均一なミクロ構造を復元する。本発明はさらに、タービンブレードの翼形部の溶体化及びその後のエージング硬化を行うための固定治具の形態になった装置を提供する。
図1には、典型的なタービンブレード2を示している。しかしながら、本発明は、タービンブレードに限定されるものではなく、薄いセクション及び厚いセクションを有しかつ一方のセクションのミクロ構造を他方のセクションのミクロ構造を大きく変えずに改質しなければならないような他の構成を含むことができる。タービンエンジン内の他のそのような構造は、これもまた一般的にタービン翼形部と同様に形成されたタービンベーンであり、タービンベーンもまた、より厚いセクションから延びた薄いセクションを有する。この構造は、タービンベーンが実質的に固定していて非回転部品である点でタービンブレードと区別される。しかしながら、薄いセクションは依然として、ミクロ構造の復元を必要とする場合がある。タービンブレード2は、プラットフォーム部8から延びた翼形部4を含む。プラットフォーム部8から翼形部とは逆方向に延びたブレードの部分は、ダブテール部6及びプラットフォーム部8とダブテール部6との中間に位置するシャンク部9を含む。翼形部4はさらに、先端セクション10、前縁12及び後縁14を含む。図1では、先端領域10は、欠落した金属を復元し、それによってブレードの寸法が復元するために溶接補修されている。先端領域10は、最も頻繁に補修される領域である。しかしながら、溶接補修は、翼形部4、プラットフォーム部8又はシールリップ部に沿ってあらゆる場所で発生する可能性がある。先端領域における溶接は、溶接補修部に隣接した領域内におけるラフティングと関連している。しかしながら、一般的にタービンエンジンの実使用により生じたラフティングは、プラットフォーム部8上方の翼形部4上のあらゆる場所で発生する可能性がある。
図2は、固定治具20内に挿入されたタービン翼形部2を示す。図3は、その中に挿入されたタービン翼形部2がない状態での固定治具20を示す。プラットフォーム部下方のブレードの部分すなわちシャンク部9及びダブテール部6は、ブレードダブテール部6に合致するダブテール溝22を含む固定治具20内に挿入される。図2に示す実施形態では、固定治具はさらに、それを貫通して延びるオリフィス24を含み、オリフィス24は、入口26及び出口28を有する。図示するように、入口26及び出口28は、固定治具20の同一面30上に位置するものとして図示しているが、入口26及び出口28は固定治具20上のあらゆる好都合な場所に配置することができるので、本発明はそのように限定されるものではない。入口及び出口の目的は、固定治具から熱を除去するための冷却手段を形成することであり、従って溶体化処理時に固定治具から熱を除去するためのあらゆる手段を利用することができる。図2では、冷却流体は、入口26に流入し、固定治具20を貫通して延びるオリフィス24を通って移動し、伝導によって熱を吸収して出口28を通って流出する。
図4における固定治具の受入れ領域42は、被加工物すなわちここではダブテール部6及びシャンク部9を含むプラットフォーム部8下方のタービンブレード2の部分の対応する表面とかみ合うように構成された表面である。固定治具は、プラットフォーム部8が該固定治具20の上面34上に載置されるように設計することができる。より高温の表面すなわちここでは後で説明するタービンブレードからより低温の表面すなわち固定治具まで熱の伝達を可能にするために、これらかみ合い面間の面接触の量を最大にすることを意図している。空気ギャップは伝導を抑制することになる効果的な絶縁体を形成する可能性があることが知られているので、必要な場合には、かみ合い面間のあらゆるギャップを埋め、それによってこれらかみ合い面間での熱伝達を向上させるために、伝達性グリースのような任意選択的な伝導性材料32を挿入することができる。
冷却流体は、オリフィス24を通って流れる。冷却入口26及び冷却出口は、流体流を可能にするような継手を受けるようになっている。このことは、例えばねじ付き継手、すべり管継手、圧縮管継手、摩擦管継手、しまり嵌め管継手のようなあらゆる好都合な機械式継手によって達成することができる。それに代えて、継手は、例えば流体源からの管路に対するハンダ継手のような幾らかより永続的なものとすることができる。継手は、該継手での流体の漏洩を防止するために流体密封継手を形成すべきであるが、継手は本発明の主要な態様ではない。
固定治具20は、適切に冷却されると、物品すなわちここではタービンブレード2の溶体化温度に整合した温度能力を有する高伝導性材料から成る。タービンブレードは一般的に、約1900〜2400°Fの範囲内の溶体化温度を有するニッケル基超合金であるので、固定治具20は銅であるのが好ましい。オリフィス24に供給することができる冷却流体は、気体又は液体を含むことができるが、水が、好ましい冷却流体である。しかしながら、例えば窒素すなわち不活性ガスのような気体又は水溶液を含む他の好適な液体は、水と置き換えることができる。
物品すなわちここではタービンブレードの翼形部4の補修が完了すると、ブレードは、物品と固定治具との間に伝導接触が設定されるように固定治具20内に配置される。再び図4を参照すると、伝導接触は一般的に、物品すなわちここではシャンク部9及びブレードダブテール部6を含むプラットフォーム部下方のブレードの部分の隣接面44とかみ合い又は面接触するように、固定治具20の受入れ領域42を製作することによって達成され、その結果、物品2は固定治具20内に挿入された時に支持されると同時に、溶体化されることを必要とする領域すなわちここでは翼形部4は露出した状態のままになる。物品すなわちここではシャンク部9及びダブテール部6を含むプラットフォーム部8下方のブレードの部分の隣接表面44と固定治具の受入れ領域42とは、接触面全体にわたる熱の伝達を可能にするように密接な接触状態になることが重要である。物品と固定治具20との間での伝導性を向上させる必要がある場合には、固定治具20の受入れ領域42と物品のかみ合い面44との間のあらゆる空隙を埋め、それによって物品と固定治具との間での熱伝達を高めるように伝導性グリースを塗布することができる。
当業者には分かるように、固定治具20は、タービンブレード2のような物品に対して実質的な支持を与え、その結果、所望に応じて翼形部4に対するあらゆる溶接補修は、タービンブレード2が固定治具20内に挿入された状態で行うことができる。
物品すなわちタービンブレード2が、固定治具20内に組み付けられ、流体導管43が固定治具入口26及び出口28に設定され、また冷却流体流が流体供給源45から流体継手43を通りかつオリフィス24を通って形成されると、加熱される領域周りに保護雰囲気が形成される。保護雰囲気は、窒素のような還元ガス、アルゴンのような不活性ガス、又は少なくとも溶体化しようとする領域が真空を用いてパージされた保護雰囲気内に置かれる場合のパージ真空とさえすることができる。図4では、組立体は包囲体61内に置かれ、この包囲体には次に保護雰囲気が形成される。包囲体は、あらゆる形態61を採ることができる。しかしながら、包囲体を全く必要としないで、溶体化する領域全体にわたって正圧の保護ガスを維持することによって保護雰囲気を形成することができる。好ましい実施形態では、熱は、材料の溶体化温度に加熱される溶体化を必要とする領域すなわちここでは翼形部4に対して選択的に加えることができる。前述のように、溶体化温度は、溶体化する析出硬化可能材料の固有の特性であり、その組成によって決まる。タービンブレード及びベーンは一般的に、1900〜2400°Fの範囲内の溶体化温度を有するニッケル基超合金である。熱は、あらゆる好都合な手段によって薄い領域すなわち翼形部4に加えられて、この領域の温度を材料の溶体化温度であるが溶融温度以下に上昇させる。補修領域に熱を加える好ましい方法は、誘導コイル46の使用によるものである。図4は、電気ケーブル50を介して電源48に接続されて翼形部の均一な加熱を行う3つの誘導コイル46を示す。図4では、ケーブル50がそれを貫通して延びるような包囲体をシールするために適切なシールを設けることができるが、このことは本発明の重要な態様ではなく、そのようなシール構成は当技術分野では公知である。熱は、例えば石英ランプ(すなわち放射光線)によって生成されかつ固定治具から延びたブレードの部分上に収束させた放射エネルギーによって、サセプタを使用することによって、物品及び固定治具を加熱炉内に挿入することによってなどのようなあらゆる他の手段によって補修領域に加えることができる。ここでも同様に、保護雰囲気を維持しながら表面を均一に加熱する方法は当技術分野で公知であるので、加熱する方法は、本発明の重要な態様ではない。
薄いセクションすなわちここではタービンブレード2の翼形部4が、加熱によって溶体化される時、熱は物品の厚いセクションすなわちここではプラットフォーム部8下方のタービンブレードの部分を通って固定治具20に伝達される。好ましいものとしての銅製固定治具内に設けたオリフィス24を通る冷却流体すなわち好ましい実施形態では水の流れは、銅製固定治具から除去するように熱を移入し、それによって固定治具が過熱するのを防止する。翼形部4が、該翼形部が溶体化されるような高温度に一様に加熱されたとしても、固定治具を通りかつ冷却流体への熱の伝達は、ブレードの残りの部分をミクロ構造の変化が発生しないような十分に低い温度に保つのに十分なものである。具体的には、プラットフォーム部8下方のブレードの加工部分における再結晶は回避されることになる。従って、翼形部が溶体化したとしても、シャンク部9及びダブテール部6は、比較的低温状態に保たれ、それらの部分におけるミクロ構造は、この処理によっても実質的に変化しない状態のままであると同時に、溶体化された翼形部4ではラフティングが排除される。溶体化作業が完了した後に、熱源46は取り除かれて、溶体化領域を急速に冷却することが可能になる。補修領域を冷却する速度は、冷却流体の流れを調整又は停止することによって制御することができる。急速冷却により、結晶粒粗大化析出物が形成されるのを防止すべきである。冷却後に、物品のミクロ構造が所望の通りでない場合には、エージング温度が物品の厚い部分すなわちここではシャンク部9及びダブテール部6の再結晶温度よりも低いという条件で、物品全体を所定の時間にわたって所定のエージング温度に加熱して所望のミクロ構造を得ることができる。このエージング温度は、翼形部内に所望のサイズのγ’析出物を生成することになるが、その温度は、ダブテール部のミクロ構造が影響を受けないほどに十分に低い。それに代えて、ダブテール部は上述のように固定治具内で冷却することができると同時に、固定治具から延びたブレードの部分は、所定の温度で所定の時間にわたってエージングされて上述のように所望の析出物サイズを得ることができる。勿論、エージング温度は、溶体化温度以下に良好に維持される。ここでもまた、当業者には分かるように、所望のミクロ構造サイズを達成するこの温度/時間は、材料の固有の特性で決まる。
物品の薄い部分が、所望のミクロ構造を得るようにエージングされた後には、物品は実使用に配置するのに適している。薄いセクションすなわちここでは翼形部4内に存在する可能性があるあらゆるラフティングは、薄い部分の溶体化及び均質化によって取り除かれる。エージング硬化による析出物のその後の発生により、機械的特性、具体的にはクリープ破断及び疲労特性をブレードに対して復元し、その結果、ブレードは新品のブレードに相当する機械的特性を有する状態で実使用に戻すことができる。
図5は、本発明の別の実施形態を示している。タービンブレード、具体的には高圧タービンブレードは、極めて高い温度で作動するので、過熱を防止するために受動及び能動冷却法の両方が利用される。受動冷却法には、断熱皮膜システムが含まれる。能動冷却は、タービンブレードに内部空洞又は内部冷却通路を設けることによって行われる。これらの内部冷却通路は、蛇行通路とも呼ばれ、当技術分野では公知のものである。圧縮機からの冷却空気は、これらの蛇行通路を通って流れてブレードの温度を温度限界値内に維持する働きをする。内部冷却通路の壁面を高い作動温度での腐食及び酸化から保護するために、これらの壁面には、保護皮膜が設けられる。保護皮膜は、翼形部合金に適合したあらゆる保護皮膜とすることができるが、ニッケル基超合金タービンブレードに好適な一つは、アルミナイド皮膜であり、このアルミナイド皮膜は、通路を通して蒸気相アルミナイドを循環させることによって施工され、アルミナイドが通路の壁面上に被着される。ブレードの蛇行通路を通って循環する冷却空気はまた、内部冷却通路のニッケル基超合金基体上に施工された薄いアルミナイド皮膜の溶融開始を防止する。
アルミナイド皮膜によって保護された壁面を有する内部蛇行通路を備えたブレードが直面する問題の一つは、溶体化処理の高温度が、薄いアルミナイド皮膜の溶融開始を引き起こし、これによって蛇行壁面上の保護皮膜を破壊しかつ高い作動温度において内部壁面に酸化及びおそらく腐食を生じさせる可能性があることである。しかしながら、図2、図3及び図4に開示した固定治具の改良である図5に示すように、この問題は、溶体化処理時に蛇行通路を利用することによって解決される。図5は、少なくとも1つの内部冷却通路を有するブレードを示している。図示するように、少なくとも1つの内部冷却通路70は、プラットフォーム部8下方のブレードの部分すなわちダブテール部6及びシャンク部9を貫通して延びる。少なくとも1つの内部冷却通路70は、翼形部4内の蛇行通路80に結合している。この実施形態では、固定治具20内に配置されたガス連結装置を介して冷却ガスが供給されかつ流される。冷却ガスすなわち一般的にはアルゴンのような不活性ガスが、ガス連結装置に供給される。ガス連結装置は、ガス用通気孔74と流体連通しており、このガス用通気孔74は次に、少なくとも1つの内部冷却通路70と流体連通している。ブレードダブテール部6とガス用通気孔74との間には適切なシール装置を設けて少なくとも1つの内部冷却通路70内に正圧のガス流を導くようにすることができる。それに代えて、固定治具20は、その垂直壁に沿って移動可能なクロージャを有するように設計して、プラットフォーム部8下方のブレードが、据え付けた後に固定治具内に密閉されかつガス連結装置72及びガス用通気孔74を通して又は別個のガス供給手段を通して固定治具20に供給されたガスが、少なくとも1つの内部冷却通路70内に流入するようにすることができる。少なくとも1つの内部冷却通路を通って流れるガスは、翼形部4の蛇行通路80内に流入しかつ後縁14に沿って設置された開口82を通して翼形部4から流出する。
少なくとも1つの内部冷却通路70を通って蛇行通路80内に入りかつ後縁14に沿って設置された開口82から出る冷却ガスの流れは、溶体化作業時において少なくとも1つの内部冷却通路70及び蛇行通路80の両方に冷却を与え、それによってアルミナイド皮膜をその溶融開始温度以下に保つ。あらゆるアルミナイド皮膜/ニッケル基超合金の組合せの溶融開始温度は、ニッケル基超合金の組成におうじて変化することになる。ニッケル基超合金に施工したアルミナイド皮膜の溶融開始は通常、内部冷却通路内の温度を約2100°F以下に維持することによって回避することができる。しかしながら、一部のニッケル基超合金/アルミナイド皮膜の組合せでは、より高い温度に達するまで溶融開始が問題にならないことは当業者には分かるであろう。例えば、Rene 142及びRene N5すなわち2つの公知のタービン超合金におけるアルミナイド皮膜では、内部冷却通路内の温度を約2200°F以下に維持した場合には、溶融開始が、回避されることになる。従って、内部冷却通路又は蛇行通路を備えたタービンブレードのミクロ構造の復元は、本発明の固定治具の僅かな改良を使用して施工皮膜の溶融開始を回避することによって、ブレード内部壁面に施工したアルミナイド皮膜を損傷させずに達成することができる。
本発明を好ましい実施形態に関して説明してきたが、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、本発明の要素に対して様々な変更を行うことができまた本発明の要素を均等物で置き換えることができることは当業者には分かるであろう。さらに、本発明の本質的な技術的範囲から逸脱することなく、特定の状況又は物的要件を本発明の教示に適合させるように多くの改良を行うことができる。
補修翼形部の斜視図。 本発明の固定治具に組み付けられた補修翼形部の正面図。 本発明の方法により翼形部を溶体化熱処理するのに使用する本発明の固定治具の正面図。 本発明の方法を実施する最良の形態により翼形部に適用する熱源を備えた固定治具内における翼形部の斜視図。 翼形部の内部空洞を冷却する機能を備えた本発明の第2の実施形態の固定治具に組み付けられた補修翼形部の正面図。
符号の説明
2 補修タービンブレード
4 翼形部
6 ダブテール部
8 プラットフォーム部
9 シャンク部
10 先端領域
12 前縁
14 後縁
20 固定治具
22 ダブテール溝
24 オリフィス
26 入口
28 出口
30 面
32 伝導性グリース
34 固定治具の上面
42 固定治具の受入れ領域
43 流体導管
44 物品の隣接面
45 流体供給源
46 誘導コイル
48 電源
50 電気ケーブル
61 包囲体
70 少なくとも1つの内部冷却通路
72 ガス連結装置
74 ガス用通気孔
80 蛇行通路
82 開口

Claims (10)

  1. 超合金タービンブレードを熱処理するための固定治具の使用方法であって、
    翼形部(4)と、プラットフォーム部(8)と、前記プラットフォーム部(8)下方のシャンク部(9)と、前記シャンク部(9)下方のダブテール部(6)と内部冷却通路(70)とを含むタービンブレード(2)を準備する工程と、
    前記タービンブレード(2)を支持するための固定治具(20)であって、高熱伝導性の材料と、前記タービンブレード(2)のプラットフォーム部(8)下方のブレード表面の少なくとも一部分に対応する受入れ領域(42)にして、挿入時に前記タービンブレード(2)の少なくとも翼形部(4)が固定治具から突き出すように前記プラットフォーム部(8)下方のブレード表面の少なくとも一部分と接触する表面を提供する受入れ領域(42)と、入口(26)及び出口(28)を有するオリフィス(24)にして該入口(26)が冷却流体の供給源(45)に接続されているオリフィス(24)と、前記タービンブレードの内部冷却通路(70)に冷却ガスを供給する手段を含む固定治具(20)を準備する工程と、
    前記タービンブレード(2)のプラットフォーム部(8)下方のブレード表面の少なくとも一部分を前記受入れ領域(42)に挿入する工程と、
    前記冷却流体の供給源(45)から前記オリフィス(24)を通して冷却流体の流れを供給するとともに、前記タービンブレードの内部冷却通路(70)に冷却ガスを供給する手段を通して、前記内部冷却通路(70)の温度を、内部冷却通路(70)の超合金タービンブレード基体に設けられたアルミナイド皮膜の溶融開始温度未満に維持するのに十分な冷却ガスの流れを供給する工程と、
    熱源(48)を準備する工程と、
    前記熱源(48)を利用して、前記固定治具(20)から突き出た前記ブレード(2)の翼形部(4)を加熱する工程と、
    前記ブレードから固定治具への伝熱と前記冷却液体による固定治具からの除熱とによって固定治具(20)の受入れ領域(42)内の前記プラットフォーム部(8)下方の少なくとも一部分を溶体化温度未満に維持しながら、前記ブレード(2)の翼形部(4)を、γ’析出物を溶体化するのに十分な時間、溶体化処理する工程と
    を含む方法。
  2. 前記溶体化処理後に、前記ブレードを溶体化温度未満のエージング温度に加熱して、前記プラットフォーム部(8)下方の部分のγ’のサイズ及び分布に影響を与えずに、ブレードの溶体化処理部分の合金に均一なγ’析出物を生じさせる工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記溶体化処理の際に、前記ブレードの翼形部の周囲に保護雰囲気を供給する工程をさらに含む、請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. 前記保護雰囲気が不活性ガス又は還元ガスを含む、請求項3記載の方法。
  5. 前記受入れ領域(42)と該受入れ領域(42)内の前記プラットフォーム部(8)下方の少なくとも一部分との間に熱伝導性グリースを塗布する工程をさらに含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記冷却流体が水である、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記溶体化処理が、1900〜2400°F(1038〜1316℃)の温度で0.25〜24時間行われる、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記高熱伝導性の材料が、銅及び銅基合金からなる群から選択される材料からなる、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記熱源(48)が、放射光線、誘導コイル及び加熱炉からなる群から選択される、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記熱源(48)を準備する工程、及び前記熱源(48)を利用して、前記固定治具(20)から突き出た前記ブレード(2)の翼形部(4)を加熱する工程が、誘導コイルを準備し、前記固定治具(20)から突き出た前記ブレード(2)の翼形部(4)の周囲に誘導コイルを配置することを含む、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
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