JP5348648B2 - タバコロッド内の同心中空コアとフィルタシステムに香味料及びエアロゾル形成剤を収容するカプセルとを有する喫煙物品 - Google Patents

Description

喫煙物品、特にシガレットは、一般的に、包装紙によって取り囲まれた細断されたタバコ（典型的には、切断した充填物形態で）のタバコロッドと、タバコロッドと端と端の関係で整列した円筒形フィルタとを含む。タバコロッドは、一般的に、直径が６．０ミリメートルと１０．０ミリメートルの間であり、長さが６０ミリメートルと１２５ミリメートルの間である。典型的に、フィルタは、先端紙によってタバコロッドに取り付けられたセルロースアセテートトウのプラグを含む。主流煙の換気は、フィルタに沿った位置の周りの１つ又は複数の列の穿孔を用いて達成することができる。

満足することができる感覚的体験を提供するために香味料及びエアロゾル形成剤をシガレット及び喫煙物品に付加することができる。一部の喫煙者は、短時間又は長時間のいずれにおいても喫煙者の即時の要求に応じて様々な異なる香味を選択的に提供可能なシガレットを好むであろう。しかし、ある一定の香味料（及びエアロゾル形成剤）は、揮発性であり、時間と共に蒸発又は移動する傾向を有しこれは、それらの香味料の効果を低下させる。従って、香味及びエアロゾルの伝達を強化し、かつ香味料及びエアロゾル形成剤の移動を最小にするシガレットを提供することが望ましい。

一実施形態によれば、喫煙物品は、喫煙材料の円筒と、熱が、各吸煙につき喫煙材料の円筒の着火端部から中心チューブを通って喫煙材料の円筒の唇側端部まで煙と共に対流によって伝達される喫煙材料の円筒内の中心チューブと、喫煙材料の円筒に取り付けられたフィルタシステムとを含む。フィルタシステムは、複数のセグメントを含む。複数のセグメントの少なくとも１つは、少なくとも１つの壊れやすいカプセルに封入された香味料及びエアロゾル形成剤を収容する。

別の実施形態によれば、喫煙物品は、喫煙材料の円筒と、熱が、各吸煙につき喫煙材料の円筒の着火端部から中心チューブを通って喫煙材料の円筒の唇側端部まで煙と共に対流によって伝達される喫煙材料の円筒内の中心チューブと、喫煙材料の円筒に接続したフィルタシステムとを含む。フィルタシステムは、複数のセグメントを含む。複数のセグメントの少なくとも１つは、少なくとも１つの壊れやすいカプセルに封入された香味料及びエアロゾル形成剤と、吸着材料と、フィルタ材料とを収容し、カプセルは、吸着材料の上流側にある。
好ましくは、香味料及びエアロゾル剤は、喫煙材料からの熱によって気化してエアロゾルを形成する。同じく好ましくは、フィルタ材料は、セルロースアセテートトウである。同じく好ましくは、少なくとも１つの壊れやすいカプセルは、空洞内で不活性硬質材料と混ぜられる。

更に別の実施形態によれば、喫煙物品を作る方法は、チューブと包装紙の外側層との間にタバコ充填物材料を配置することによって喫煙物品のタバコロッド部分を形成する段階と、セグメントの少なくとも１つが、壊れやすいカプセルに封入された香味料及びエアロゾル形成剤を収容した複数のセグメントを有するフィルタシステムを形成する段階と、タバコロッド部分を端と端の関係でフィルタシステムと接合する段階とを含む。

中空コアとフィルタシステムとを有する喫煙物品の斜視図である。 中空コアとフィルタシステムに香味料及びエアロゾル形成剤を収容したカプセルとを備えた図１の喫煙物品の縦方向断面図である。 中空コアとフィルタシステムに香味料及びエアロゾル形成剤を収容したカプセルとを備えた図２の喫煙物品の代替的な実施形態の断面図である。 香味料及びエアロゾル形成剤を収容して喫煙物品と共に使用するためのカプセルを示す図である。

図１は、中空コアと香味料及びエアロゾル形成剤の壊れやすいカプセルを収容するフィルタシステムとを有する、シガレットの形態をした喫煙物品１０の斜視図を示している。シガレットの形態をした喫煙物品１０は、典型的には、外接した外側包装紙３０内に収容された喫煙材料２１のほぼ円筒形のロッド２０（図２に示す）を含んでいる。外側包装紙３０は、典型的には、多孔性包装材料又は紙包装紙である。ロッド２０は、典型的には「タバコロッド」と呼ばれ、着火端部１２及び唇側端部１４を有する（図２に示す）。従って、ロッド２０は、その着火端部１２からその反対端（すなわち、唇側端部１４）に向って燃えて戻り、喫煙期間を通した燃焼によってタバコロッド２０の喫煙材料２１が消費される。喫煙材料２１は、好ましくは、細断したタバコ又はタバコの切断充填物である。しかし、あらゆる適切な喫煙材料２１を使用することができる。

本明細書では、フィルタセグメントと他の特徴部の間の「上流」及び「下流」の相対位置は、主流煙がタバコロッド２０から多成分フィルタシステム４０を通して吸引される時の主流煙の方向に関して説明される。
喫煙物品１０はまた、フィルタシステム４０とタバコロッド２０が端と端の関係で軸線方向に好ましくは互いに当接して整列するようにタバコロッド２０の唇側端部１４に隣接したフィルタシステム４０を含んでいる。フィルタシステム４０は、ほぼ円筒形形状を有し、その直径が本質的にタバコロッド２０の直径に等しい。フィルタシステム４０の端部（すなわち、上流端部（図２に示す）及び下流端部）は、空気及び煙がそこを通過することができるように開いている。

フィルタシステム４０は、プラグラップ４４によって外接された複数のフィルタセグメント４２を含んでいる。プラグラップ４４は、任意的に炭素質材料を組み込む紙である。プラグラップ４４は、フィルタシステム４０の全長に外接する。フィルタシステム４０は、フィルタシステム４０の全長とタバコロッド２０の隣接領域との両方に外接する先端材料５０によってタバコロッド２０に取り付けられる。先端材料５０は、典型的には紙状製品であるが、あらゆる適切な材料を使用することができる。先端材料５０の内面は、適切な接着剤を使用して、プラグラップ４４の外面及びタバコロッド２０の包装材料３０の外面に固く固定される。換気された又は空気で稀釈された喫煙物品は、各々が先端材料５０及び任意的にプラグラップ４４を通って延びる一連の換気孔又は穿孔（図示せず）のような空気稀釈手段を用いて提供することができる。

図２は、同心中空コア又はチューブ６０及びフィルタシステム４０を有するシガレットの形態をした図１の喫煙物品１０を示している。フィルタは、香味料７２及びエアロゾル形成剤７４を収容するカプセル７０を含んでいる。図２に示すように、タバコロッド２０は、喫煙材料２１、タバコ充填物材料２１によって取り囲まれた中心の中空チューブ６０、及びシガレット包装紙（紙）３０の外側層から成る。喫煙材料２１の円筒内の中心チューブ６０は、好ましくは、タバコロッド２０の唇側端部１４の全領域に延びてフィルタシステム４０の上流端部１６に当接する。中心の中空チューブ６０は、好ましくは、約１から３．５ミリメートル、より好ましくは、約２から３ミリメートルの内径６４を有する。

中空チューブ６０の壁６６は、セルロースベースの紙、タバコベースの紙、及び／又は適切な可燃性フィルムで作ることができる。代替的に、中空コアチューブ６０は、ペクチン、グアガム、ヒドロキシプロピルセルロース（ＨＰＣ）、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）のような適切な結合剤を使用して、配合したタバコ及び／又はセルロースベース材料のような可燃性材料によって成形、押出、又は形成することができる。更に、喫煙物品１０の着火を助けるために、中空コアチューブ６０は、喫煙材料２１の約５ミリメートルの完全充填先端６２（図３に示す）を有することができることを認めることができる。

図２に示すように、喫煙物品１０は、中心チューブ６０を有する細断したタバコのような喫煙材料２１の円筒形タバコロッド２０と、先端紙５０（図１に示す）を用いてタバコロッド２０に取り付けられた多成分フィルタシステム４０とを含む。喫煙物品１０に点火すると、主流煙は、タバコロッド２０により、かつそこから吸引されてフィルタシステム４０を通って発生する。
フィルタシステム４０は、好ましくは、少なくとも１つの香味料７２及びエアロゾル形成剤７４を有する液体７１（図４に示す）を収容する第１の上流側カプセル７０を有する複数のフィルタセグメント４２（図１に示す）を含む。液体７１は、好ましくは、カプセル７０内に収容された溶液又は乳剤である。カプセル７０は、好ましくは、フィルタシステム４０を押し潰すと直ちにカプセル７０が壊れるか又は破裂して香味料７２及びエアロゾル形成剤７４を含有する液体７１を放出するように、壊れやすい材料で作られる。カプセル７０内に収容されたエアロゾル形成剤７４は、好ましくは、本質的に疎水性である。しかし、エアロゾル形成剤７４はまた、プロピレングリコール、グリセリン、プロピレンカーボネート、トリアセチン、又は他の適切な材料を含むことができる。香味料７２及びエアロゾル形成剤７４は、密封カプセルによって封入されるので、それらの移動及び従って多孔性吸着剤７６の不活性化が最小にされることを認めることができる。単一のカプセル７０を示すが、代替的な実施形態では、１つよりも多いカプセル７０がフィルタシステム４０内に位置決めされることを認めることができる。例えば、単一のカプセル７０ではなく、図３は、フィルタシステム４０の空洞７３内に位置決めされた複数のカプセル７０を示している。

カプセル７０の直径は、約２００ミクロンから約６．０ミリメートルまで変動する可能性があり、マイクロカプセルのサイズは、直径約２００ミクロンから７５０ミクロンの範囲である。単一カプセル７０を有する実施形態では、カプセル７０は、好ましくは、約２ミリメートルから約５ミリメートルの外径を有し、より好ましくは、約３ミリメートルから約４ミリメートルの外径を有する。複数のカプセル７０が使用される場合、カプセル７０は、好ましくは、約２５０ミクロンから約２ミリメートルの外径を有し、より好ましくは、約５００ミクロンの外径を有する。カプセル７０の外径は、しかし、喫煙物品１０の直径及びフィルタシステム４０内のカプセル７０の数に応じて変動する可能性がある。

吸着材料７６は、好ましくは、図２及び３に示すようにカプセル７０の下流側にある。しかし、図４に示すように、吸着材料７６を香味料７２及びエアロゾル形成剤７４を収容するカプセル７０の上流側にすることを認めることができる。吸着材料７６は、好ましくは、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、又はポリマーベースの吸着剤を含む多孔性材料から成る。図２に示すように、吸着材料７６は、好ましくは、フィルタ材料７８の上流側及び下流側セグメント又はプラグの間にある。フィルタ材料７８は、好ましくは、低い吸引抵抗（ＲＴＤ）を有するセルロースアセテートトウである。しかし、あらゆる適切なフィルタ材料７８を使用することができる。

喫煙の前に、喫煙者は、カプセル７０を押し潰して壊し、香味料７２及びエアロゾル形成剤７４を有する液体７１を放出させる。実施形態においては、図２−３に示すように、不活性硬質材料７５を空洞７３に追加することができる。図２及び３に示すように、不活性硬質材料７５は、好ましくは、カプセル７０を収容した空洞７３内で混ぜられ、硬い表面をもたらしてカプセル７０の破壊又は破裂を助ける。
喫煙中に、熱は、各吸煙につき着火端部１２から中空コア又はチューブ６０を通ってタバコロッド２０の唇側端部１４までシガレット煙と共に対流によって伝達される。香味料７２及びエアロゾル形成剤７４は、熱によって気化してエアロゾルを形成する。エアロゾルの放出は、カプセル７０の外側シェル８０の熱溶解又は融解によっても達成することができることは認めることができる。

中空コア又はチューブ６０を備えた喫煙物品１０の一実施形態では、各吸煙中に限られた量の熱がタバコロッド２０の唇側端部１４に伝達されることを認めることができる。従って、香味料７２及びエアロゾル形成剤７４は、有効な量のエアロゾルを生成するために、好ましくは、フィルタシステム４０内で比較的高い揮発性と高い蒸気圧を有する。更に、全粒子物質（ＴＰＭ）の組成は、主流煙に不活性エアロゾルを導入することによって変更することができる。香味料７２及びエアロゾル形成剤７４を封入することにより、喫煙物品１０は、エージング中の喫煙物品１０の表面への染み及び吸着材料７６の不活性化の発生を低下させることを認めることができる。更に、揮発性香味料７２及びエアロゾル形成剤７４が封入されるので、在庫保管中の香味料７２及びエアロゾル形成剤７４の移動が最小にされる。

図３は、同心中空コア又はチューブ６０と香味料７２及びエアロゾル形成剤７４を収容する複数のカプセル７０とを有する図２の喫煙物品の更に別の実施形態を示している。図３に示すように、香味料７２及びエアロゾル形成剤７４を収容する複数のカプセル７０は、吸着材料７６の上流に位置決めされる。フィルタ材料７８のプラグは、吸着材料７６の各側に位置決めされる。複数のカプセル７０は、同様の香味料７２及びエアロゾル形成剤７４、又は異なる香味料７２及びエアロゾル形成剤７４を収容することができる。例えば、香味料７２及びエアロゾル形成剤７４は、各々の組成により、喫煙者によってカプセル７０が破裂するか又は壊されるまで結合されないようにすることが望ましい場合がある。

更に、図３に示すように、タバコロッド２０の中心チューブ６０の着火端部１２は、少なくとも最初の吸煙に十分であることになる喫煙材料２１で充填することができる。喫煙物品１０の簡単な着火を可能にするために、中空チューブ６０が、約５ミリメートルの喫煙材料２１の完全充填先端６２を有することができることを認めることができる。上述の喫煙材料２１の回りに、喫煙物品１０の視覚的一体性を維持するために、充填物ばら詰めタバコ又は他の適切な材料を配置することができる。最初の吸煙中に、焼けた充填物からの煙は、中空チューブ６０を通ってフィルタシステム４０に至る。

図４は、外側シェル８０に封入された香味料７２及びエアロゾル形成剤７４を含むカプセル７０を示している。カプセル７０の外側シェル８０の組成は、ペクチン及びアルギン酸塩、ゼラチン、パラフィン蝋、ポリビニルアルコール、ビニルアセテートとアルギンの混合物、又はあらゆる他の適切な材料のような多糖類ベースの材料とすることができる。カプセル７０を製造するために多数の処理が存在することは認めることができる。従って、カプセル７０は、様々なサイズ及び形状、カプセル７０を破壊又は破裂するために要求される動的な力に対する異なる抵抗値を含むことができ、かつ代替的カプセル７０組成及びカプセル７０成分を含むことができる。更に、破壊又は破裂力は、外側シェルの組成に応じて約１５グラムから約２５００グラムまで、最も好ましくは、約８００グラムから１２００グラムまで変えることができる。カプセル７０は、ペパーミント、ココナッツ、ローストした及び／又はトーストした芳香、又は封入することができるあらゆる香味オイル又は組成物のような最適な芳香とすることができる香味料７２を収容する。更に、各カプセル内の香味料７２の濃度は、望ましい量の香味料７２を提供するように調節又は修正することができる。すなわち、各カプセル７０内の香味料７２の濃度は、望ましい芳香に応じて同じか又は変えることができる。

以上の説明は、好ましい実施形態のものであり、従って、物品及びそれを製造する方法を単に表すのみであることは理解されるであろう。以上の教示に照らして異なる実施形態の多くの変形及び修正が当業者には直ちに明らかになることは認めることができる。従って、特許請求の範囲に記載の物品及び方法の精神及び範囲から逸脱することなく、例示的実施形態、並びに代替的実施形態を作ることができる。

１０ 喫煙物品
２０ 喫煙材料の円筒
４０ フィルタシステム
６０ 中心チューブ
７０ 壊れやすいカプセル
７２ 香味料
７４ エアロゾル形成剤

Claims (4)

1. 喫煙材料の円筒と、
   熱が、各吸煙につき該喫煙材料の円筒の着火端部から中心チューブを通って該喫煙材料の円筒の唇側端部まで煙と共に対流によって伝達される、該喫煙材料の該円筒内の中心チューブと、
   前記喫煙物品の円筒に取り付けられ、かつ複数のセグメントを含むフィルタシステムと、
   を含み、
   前記複数のセグメントの少なくとも１つは、複数の壊れやすいカプセルに封入された香味料及びエアロゾル形成剤を収容し、
   前記複数の壊れやすいカプセルは、フィルタ材料のプラグ、吸着材料のプラグ、及びフィルタ材料の第２のプラグの上流側にあり、
   前記複数の壊れやすいカプセルの各々は、熱溶解して前記香味料及びエアロゾル形成剤を放出する外側シェルを含むことを特徴とする喫煙物品。
2. 前記少なくとも１つの壊れやすいカプセルは、空洞内で不活性硬質材料と混ぜられることを特徴とする請求項１に記載の喫煙物品。
3. 前記複数の壊れやすいカプセルの各カプセルが同じ香味料及びエアロゾル形成剤を含むことを特徴とする請求項１に記載の喫煙物品。
4. 喫煙物品を作る方法であって、
   チューブと包装紙の外側層の間にタバコ充填物材料を配置することによって喫煙物品のタバコロッド部分を形成する段階と、
   前記タバコロッド部分を端と端の関係でフィルタシステムに接合する段階と、
   を含み、
   前記フィルタシステムは、セグメントの少なくとも１つが、複数の壊れやすいカプセルに封入された香味料及びエアロゾル形成剤を収容する複数のセグメントと、吸着材料の少なくとも１つのセグメントとを有し、
   前記複数の壊れやすいカプセルは、フィルタ材料のプラグ、吸着材料のプラグ、及びフィルタ材料の第２のプラグの上流側にあり、
   前記壊れやすいカプセルの各々は、熱溶解して前記香味料及びエアロゾル形成剤を放出する外側シェルを含むことを特徴とする方法。

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