JP5347851B2 - フルオロカルボン酸の製造方法 - Google Patents
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Description
X−RfCOOH (i)
で表される化合物が挙げられる。式中、XはH、F、またはClである。Rfは炭素数4〜14、好ましくは炭素数5〜7の直鎖または分岐のフルオロアルキレン基であり、例えば、炭素数7の直鎖または分岐のフルオロアルキレン基であり、とりわけ、直鎖または分岐のパーフルオロアルキレン基である。
X1(CF2)p−O−CX2X3−(CF2)q−O−CX4X5−(CF2)r−COOM1 (ii)
(式中、X1、X2、X3、X4及びX5は、同一又は異なって、H、F又はCF3を表し、M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表し、pは1又は2を表し、qは1又は2を表し、rは0又は1を表す。)で表されるフルオロエーテルカルボン酸が挙げられる。一般式(ii)で表されるフルオロエーテルカルボン酸としては、例えば、CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COONH4、CF3CF2OCF2CF2OCF2COONH4、CF3OCF2CF2CF2OCHFCF2COONH4等が挙げられる。
X−(CF2)m−O−(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)COOH(iii)
で表される化合物であってもよい。式中、XはH、F、またはClであり、mは1〜10の整数、例えば5であり、そしてnは0〜5の整数、例えば1である。
X−(CF2)m−O−(CF(CF3)CF2O)n−CHFCF2COOH(iv)
で表される化合物であってもよい。式中、X、m及びnは上記と同じである。
X−(CF2)m−O−(CF(CF3)CF2O)n−CH2CF2COOH (v)
で表される化合物であってもよい。式中、X、m及びnは上記と同じである。
Rf3OCF2CF2O(CF2)pCOOM1 (vi)
(式中、Rf3は部分または全部フッ素置換されたアルキル基を表し、M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表し、pは1又は2を表す。)で表されるフルオロエーテルカルボン酸が挙げられる。Rf3は、炭素数が1〜3のアルキル基であることが好ましい。一般式(vi)で表されるフルオロエーテルカルボン酸としては、例えば、CF3CF2OCF2CF2OCF2COONH4、CF3CF2OCF2CF2OCF2COOH等が挙げられる。
Rf4OCHFCF2COOM1 (vii)
(式中、Rf4は部分または全部フッ素置換された、直鎖の脂肪族基又は1以上の酸素原子が挿入された直鎖の脂肪族基、M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表す。)で表されるフルオロエーテルカルボン酸が挙げられる。Rf4は、炭素数が1〜3の脂肪族基であることが好ましい。一般式(vii)で表されるフルオロエーテルカルボン酸としては、例えば、CF3OCF2CF2CF2OCHFCF2COONH4、CF3OCF2CF2CF2OCHFCF2COOH等が挙げられる。
また、脱水工程は、水相及び有機相からなる液−液異相分散系で前記有機相及び前記水相とを連続的に接触させる工程と、有機相と水相とを分離する工程とを含むものであってもよい。図1は、スタティックミキサーを示し、図2は液−液分離塔を示している。フルオロカルボン酸溶液と濃硫酸を供給口11及び12からスタティックミキサー10に供給する。脱水反応はスタティックミキサー10内で連続的に起こり、両液は排出口14から液−液分離塔20に供給される。供給口23から供給された両液を、液−液分離塔20内で重液21と軽液22とに液−液分離し、フルオロカルボン酸溶液相を回収することができる。
以下の条件下にHPLC法により測定した。
カラム:Shodex 5C8 4D(昭和電工株式会社製)、溶離液:アセトニトリル/0.6質量%過塩素酸水溶液 = 1/1(vol/vol)、流速:1.0ml/min、注入量:100μl、カラム温度:40℃、検出:UV 210nm。
以下の条件下にカールフィッシャー法により測定した。
試薬:アクアミクロンAKX/CXU(三菱化学株式会社製)、測定法:電気滴定法。
以下の条件下にイオンクロマトグラフィーを使用して測定した。
カラム:IonPac AS4A (4×250mm) (日本ダイオネクス株式会社製)、溶離液:炭酸ナトリウム(2.5mmol/l)及び炭酸水素ナトリウム(1mmol/l)、流速:0.5ml/min、注入量:50μl、検出器:電気伝導度検出器。
攪拌機を備えた50mlの三角フラスコを使用した。その容器にて濃硫酸(硫酸濃度:98質量%、10g)を70℃に温度調整し、C7F15COOH混合物(特表2006−500423号公報に記載の方法によって製造したもの。C7F15COOH93.3質量%、水6.3質量%、硫酸0.4質量%の混合物。)10gを添加した。その後、攪拌を10分間実施した後に、60分間静置して、上相及び下相に分液した。上相はC7F15COOHを含む有機相であり、下相は硫酸及び水を含む水相であった。
C7F15COOH 99質量%
H2O 6800質量ppm
C7F15COOH 1500質量ppm
H2SO4 95質量%
C5F11COOH混合物(特表2006−500423号公報に記載の方法によって製造したもの。C5F11COOH93.8質量%、水6.0質量%、硫酸0.2質量%の混合物。)に変更したこと、及び温度を30℃で行ったことを除いて、実施例1と同様の手順を繰り返した。
C5F11COOH 99質量%
H2O 400質量ppm
H2SO4 94質量%
CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH混合物(特表2006−500423号公報に記載の方法によって製造したもの。CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH91.4質量%、水8.2質量%、硫酸0.4質量%の混合物。)に変更したこと、及び温度を30℃で行ったことを除いて、実施例1と同様の手順を繰り返した。
CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH 99質量%
H2O 450質量ppm
H2SO4 91質量%
脱水に用いる濃硫酸の量を変更したことを除いて、実施例1と同様の手順を繰り返した。また、参考例2においては上相が硫酸及び水を含む水相であり、下相がC7F15COOHを含む有機相であった。脱水後に得られた有機相及び水相を分析した結果を表1に示す。
脱水に用いる濃硫酸の量を変更したことを除いて、実施例1と同様の手順を繰り返した。また、実施例4においては上相が硫酸及び水を含む水相であり、下相がC7F15COOHを含む有機相であった。脱水後に得られた有機相及び水相を分析した結果を表1に示す。
C5F11COOH混合物(特表2006−500423号公報に記載の方法によって製造したもの。C5F11COOH93.8質量%、水6.0質量%、硫酸0.2質量%の混合物。)に変更したこと、及び温度を30℃で行ったことを除いて、実施例1と同様の手順を繰り返した。脱水後に得られた有機相及び水相を分析した結果を表1に示す。
C5F11COOH混合物(特表2006−500423号公報に記載の方法によって製造したもの。C5F11COOH93.8質量%、水6.0質量%、硫酸0.2質量%の混合物。)に変更したこと、及び温度を30℃で行ったことを除いて、実施例1と同様の手順を繰り返した。また、実施例5においては上相が硫酸及び水を含む水相であり、下相がC5F11COOHを含む有機相であった。脱水後に得られた有機相及び水相を分析した結果を表1に示す。
CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH混合物(特表2006−500423号公報に記載の方法によって製造したもの。CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH91.4質量%、水8.2質量%、硫酸0.4質量%の混合物。)に変更したこと、及び温度を30℃で行ったことを除いて、実施例1と同様の手順を繰り返した。いずれも上相はCF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOHを含む有機相であり、下相は硫酸及び水を含む水相であった。脱水後に得られた有機相及び水相を分析した結果を表1に示す。
脱水に用いる濃硫酸の量を変更したことを除いて、参考例5と同様の手順を繰り返した。脱水後に得られた有機相及び水相を分析した結果を表1に示す。
脱水したカルボン酸を多段蒸留することにより、高純度のカルボン酸が得られることを確認するためにCF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH 200g、C7F15COOH 6.0g、C5F11COOH 6.0g、及び水濃度600質量ppmの混合液の多段蒸留を行った。検討は15段のオルダーショウを取り付けた多段蒸留塔を用いて行い、留分を8つに分取した。得られた各留分におけるC5F11COOH濃度、及びC7F15COOH濃度の分析結果を表2に示す。
実施例1で使用したC7F15COOH混合物200gの多段蒸留(10段)を行ったが、塔内で起泡し、蒸留不可能であった。同様に、実施例2で使用したC5F11COOH混合物200g、及び、実施例3で使用したCF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH混合物200gそれぞれの多段蒸留を行ったが、これらも塔内で起泡し、蒸留不可能であった。
実施例7では、図1に示すスタティックミキサー10及び図2に示す液−液分離塔20を使用した。スタティックミキサーとしては、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のエレメント13の数が12個であるスタティックミキサーを用いた。液−液分離塔は、直径25mm、長さ1300mmの塔を用いた。
C5F11COOH 99.2質量%
H2O 340質量ppm
フルオロカルボン酸溶液と濃硫酸の仕込み速度を変更したこと以外は、実施例7と同様にしてフルオロカルボン酸溶液相を回収し、その組成を決定し、表3に示す結果を得た。
フルオロカルボン酸溶液として下記組成のフルオロカルボン酸溶液を用いて、フルオロカルボン酸溶液と濃硫酸の仕込み速度を変更したこと以外は実施例7と同様にして、フルオロカルボン酸溶液相を回収し、その組成を決定し、表4に示す結果を得た。
CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH 92.2質量%
H2O 7.5質量%
H2SO4 0.3質量%
フルオロカルボン酸溶液と濃硫酸の仕込み速度を変更したこと以外は実施例8と同様にして、フルオロカルボン酸溶液相を回収し、その組成を決定し、表4に示す結果を得た。
フルオロカルボン酸溶液として、下記組成のフルオロカルボン酸溶液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして、フルオロカルボン酸溶液相を回収し、その組成を決定し、次の結果を得た。
C7F15COOH 92.6質量%
H2O 6.8質量%
H2SO4 0.6質量%
脱水後のフルオロカルボン酸相組成
C7F15COOH 98.9質量%
H2O 0.6質量%
実施例10では、図3に示すカールカラム抽出塔30を使用した。この塔は、直径2.5cmの円筒状部31(長さ3.0m)を有し、デカンターとしての槽部33および34が上下に位置する。円筒状部31の内部において、ディスク状プレート(5cm間隔で55枚のプレートが置かれている)が上下することによって円筒状部内の液体を攪拌する。
C5F11COOH 98.1 質量%
H2O 2260 質量ppm
H2SO4 1.7 質量%
フルオロカルボン酸溶液として、下記組成のフルオロカルボン酸溶液を用いたこと以外は、実施例10と同様にして、フルオロカルボン酸溶液相を回収し、その組成を決定し、次の結果を得た。
フルオロカルボン酸溶液組成
CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH 95.0質量%
H2O 4.7質量%
H2SO4 0.3質量%
脱水後のフルオロカルボン酸相組成
CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOH 98.8質量%
H2O 1530質量ppm
H2SO4 1.0質量%
フルオロカルボン酸溶液として、下記組成のフルオロカルボン酸溶液を用いたこと以外は、実施例10と同様にして、フルオロカルボン酸溶液相を回収し、その組成を決定し、次の結果を得た。
フルオロカルボン酸溶液組成
C7F15COOH 92.6質量%
H2O 6.8質量%
H2SO4 0.6質量%
脱水後のフルオロカルボン酸相組成
C7F15COOH 98.0質量%
H2O 0.8質量%
11、12、23、32:供給口
13:エレメント
14:排出口
20:液−液分離塔
21:重液
22:軽液
30:カールカラム塔
31:円筒状部
33、34:槽部
35:脱水領域
36:円筒状部下端
37:円筒状部上端
Claims (4)
- フルオロカルボン酸及び水を含む混合物から前記水の少なくとも一部を除去して脱水フルオロカルボン酸溶液を得る脱水工程と、
前記脱水フルオロカルボン酸溶液を精製する精製工程と、
を有し、
前記脱水工程は、フルオロカルボン酸及び水を含む混合物に濃硫酸を添加する工程であり、
前記脱水工程は、水相及び有機相からなる液−液異相分散系で進行する工程であり、前記水相の硫酸濃度が70.0〜99.9質量%である
ことを特徴とするフルオロカルボン酸の製造方法。 - 脱水工程は、水相及び有機相からなる液−液異相分散系で前記有機相及び前記水相とを連続的に接触させる工程である、請求項1記載の製造方法。
- 脱水工程は、水相及び有機相からなる液−液異相分散系で前記有機相及び前記水相とを連続的に接触させる工程と、有機相と水相とを分離する工程とを含む、請求項1又は2記載の製造方法。
- 脱水工程は、硫酸と前記混合物とが向流で流れるように、該硫酸及び混合物を接触型の塔に供給して、脱水を連続的に行う工程である、請求項1又は2記載の製造方法。
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