JP5341995B2 - 超音波撮像装置及び超音波撮像装置の作動方法 - Google Patents

超音波撮像装置及び超音波撮像装置の作動方法 Download PDF

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Description

本発明は、医療用の超音波撮像装置及び方法に関し、特に非侵襲・高精度・高い時間分解能で心内圧を計測する超音波撮像装置及び方法に関する。
心臓疾患は老化にともなう機能不全という意味ではすべての人が患う疾患であり、多くの先進国で3大死因の1つとなっている。このように経過の長い、患者の多い疾患の医療には、予防医療から高度医療まで広いフェーズがあるが、すべてのフェーズに共通する技術的なニーズとして、患者への負担の小ささがある。患者への負担の小さい検査技術があれば、早期診断をより初期へ、経過観察をよりきめ細かくでき、医療の質を向上することができる。
血圧計測は心臓疾患の検査の基本である。現在主に行われている血圧計測方法は、予防医療では、上腕などをカフで段階的に圧迫して拍動音が消失する圧迫圧を計測値する圧迫検査、高度医療では、血管から心臓へ管を挿入して体外に残した管の端の圧力を計測値とするカテーテル検査である。
また、研究段階であるが、超音波撮像装置によって血圧を非侵襲に計測する方法が報告されている(特許文献1)。この方法は、液体中で超音波を照射された造影剤は、液体の圧力を線形に反映した信号強度の分調波を有するという現象を発見し、利用した方法である。手順としては、超音波造影剤を静脈注射したあと超音波診断装置で心臓を撮像し、分調波の信号強度(dB)を検出して、あらかじめ調べておいた分調波の信号強度と圧力の関係を用いて受信信号を血圧に換算している。
米国特許第6,302,845号明細書
しかし、上記従来技術では、非侵襲性と、計測精度、時間分解能が両立できていない。具体的には、圧迫検査は計測値が心内圧ではないため、心内圧とみなすには精度が不足し、確定的な心臓検査として用いることはできない。カテーテル検査は侵襲的で、患者への負担が大きい。
特許文献1の方法は、非侵襲に心内圧を計測する方法であるが、精度と時間分解能に問題がある。詳しくは、まず、時間分解能と血圧精度が両立しない点である。この方法では分調波から圧力を算出しているが、一般的に分調波は高いSN比では得られない。そこで、複数心拍分の計測を行って時相の同じ受信信号の平均値をとる、あるいは、時間区間を設定して時間区間内の受信信号の平均値をとることで、SN比を高めている。すなわち、精度を向上させるかわりに時間分解能を犠牲にしている。しかし、心内圧を医療行為として測定する場合には0.1秒以上の時間分解能が必要であり、かつ、複数心拍の時相平均処理は不整脈患者を検査対象から外すという問題があり、好ましくない。診断に使う値は、左室拡張末期圧など、部位と拍動周期のタイミングを指定した血圧であるからである。また、不整脈患者を検査対象外にしないためにも時間分解能は必要である。非健常者は医療上、重要かつ主な検査対象で、彼らは必然的に不整脈のあることが多い。次に、低い圧力範囲で精度が得られない問題がある。低い圧力範囲(20〜60mmHg)は心疾患の診断に重要な役割を果たす左室拡張末期圧の値域で、±5mmHg以上の精度が必要である。このように、特許文献1の方法は、診断に重要な値域で必要な精度が得られないため、医用装置として不十分である。
本発明は、非侵襲・高精度・高い時間分解能で心内圧を計測する医用撮像装置を提供するものである。
本発明の超音波撮像装置は、超音波造影剤を注入した撮像対象に対して超音波を送受信する超音波探触子と、超音波探触子が受信した撮像対象からの超音波信号を信号処理する信号処理部と、信号処理部の処理結果を表示する表示手段とを備え、信号処理部は、受信した超音波信号の周波数分布を算出する周波数解析部と、周波数解析部によって算出された周波数分布から、受信した超音波信号の減衰率の周波数依存性の、1つ以上の規定の周波数での値、最大値を示す周波数、最大値、半値幅のうち1つ以上である、周波数分布特徴量を検出する周波数分布特徴量検出部と、周波数分布特徴量を圧力に換算する周波数分布特徴量−圧力換算部とを有し、表示手段は、周波数分布特徴量−圧力換算部で算出された圧力の値を表示する。
また、本発明の超音波撮像方法は、撮像対象に超音波造影剤を注入する造影剤注入ステップと、撮像対象に超音波信号を送波する超音波送波ステップと、撮像対象から反射された超音波信号を受信し、受信した超音波信号の周波数分布を算出する周波数解析ステップと、算出した周波数分布から、受信した超音波信号の減衰率の周波数依存性の、1つ以上の規定の周波数での値、最大値を示す周波数、最大値、半値幅のうち1つ以上である、周波数分布特徴量を検出する周波数分布特徴量ステップと、検出した周波数分布特徴量を圧力に換算する周波数分布特徴量−圧力換算ステップとを有する。
超音波造影剤は、複数の液体成分を内包する多成分液滴型造影剤であり、圧力を検出する部位の温度をTc、検出しようとする圧力の上限をPu、下限をPlとするとき、液体成分のうち少なくとも1つは温度Tcでの蒸気圧がPu以上であり、他の少なくとも1つは温度Tcでの蒸気圧がPl以下であり、複数の液体成分はPl以上、Pu以下の圧力で気液平衡が成り立つモル分率で混合されていることが好ましい。また、このとき、超音波送波は、多成分液滴型造影剤を気化させるための気化用超音波送波を行った後、圧力検出用の超音波を送波する2段階送波を行う。
本発明によれば、非侵襲・高精度・高い時間分解能で体内の圧力を計測することができる。より具体的には、従来技術は規定の1周波数における信号強度であるのに対して、本発明は複数の周波数における物理量を用い、サンプル点を多数用いるため、高い精度が得られる。また、従来例は非線形成分である分調波を抽出するために、1回の受信に2回、送信する必要があるが、本発明はその必要がなく、単純計算でも従来例より2倍高い時間分解能が得られる。
さらに、本発明の一態様では、2以上の液体成分を内包する多成分液滴型造影剤を体内に注入し、着目した部位を超音波照射して温度を上昇させ、多成分液滴型造影剤が内包した液体を気化させ、気液平衡状態を成立させる。気液平衡状態では、圧力によって気相の体積が変化するが、この体積変化は気泡径の変化として現れ、その結果、受信信号に含まれる気泡の挙動は圧力の影響が増強され、高い精度で圧力を検出できる。
本発明による超音波撮像装置の構成例を示すブロック図。 本発明による超音波撮像方法の処理を表すフローチャート。 受信信号から圧力を算出する処理の詳細を表すフローチャート。 減衰量の周波数分布を算出する処理の詳細を表すフローチャート。 生体に超音波を送信・受信する処理の説明図。 減衰量の周波数分布を算出する処理の説明図。 超音波造影剤の気泡径の分布を表す図。 周波数分布特徴量の例、及び、圧力を変えた場合の減衰曲線の例を表す図。 生体に超音波を送信・受信する処理を説明する図。 減衰量の周波数分布を算出する処理のフローチャート。 代表的な超音波造影剤の構造を示す概念図。 2成分系の一定温度における気液平衡曲線の概念図。 2成分系の一定温度における気液平衡曲の例を示す図。 本発明による超音波撮像装置の構成例を示すブロック図。 硬さを表示する実施例の処理を示すフローチャート。 血管壁の硬さを算出する場合を例に、動き量を検出する方法を説明した図。 心臓に超音波を送信・受信する処理の説明図。 測定部位の形状と圧力を表示する処理の全体の流れを示すフローチャート。 表示の一例を示す図。
図1は、本発明による超音波撮像装置の構成例を示すブロック図である。超音波探触子1は複数の素子から構成される。装置本体2は、送信ビームフォーマ3、増幅手段4、受信ビームフォーマ5、信号処理部6、メモリ7、表示手段8、入力手段9、制御部10を有する。信号処理部6は、受信信号の周波数分布を算出する周波数解析部61、周波数解析部61の算出した周波数分布から、周波数分布特徴量を検出する周波数分布特徴量検出部62、周波数分布特徴量を圧力に換算する周波数分布特徴量−圧力換算部63を備える。周波数分布特徴量検出部62で検出する周波数分布特徴量は、減衰率の周波数依存性の、1つ以上の規定の周波数での値、最大値を示す周波数、最大値、半値幅のうち1つ以上である。周波数分布特徴量−圧力換算部63は、周波数分布特徴量から圧力へ換算するための知識である周波数分布特徴量−圧力換算知識を格納する周波数分布特徴量−圧力換算知識格納部631を備える。なお、通常のBモード表示やドップラ表示などの構成は簡単のために記していない。
ユーザによって超音波造影剤が撮像対象である生体部位に注入され、送信ビームフォーマ3で生成された超音波パルスが超音波探触子1から生体に送信され、超音波造影剤を含む生体部位から反射した超音波を超音波探触子1が受信する。受信信号は増幅手段4に入力されて増幅され、受信ビームフォーマ5が整相加算する。信号処理部6には受信ビームフォーマ5が出力した受信信号が入力され、画像化と圧力の算出を行う。作成された画像及び算出された圧力はメモリ7に格納された後、読み出し・補間されて表示手段8に表示される。なお、これらの処理は制御手段10によって制御される。
信号処理部6は、周波数解析部61が受信信号の周波数分布を算出したあと、この周波数分布から周波数分布特徴量検出部62が周波数分布特徴量を検出し、周波数分布特徴量−圧力換算知識を用いて、周波数分布特徴量−圧力換算部63が周波数分布特徴量を圧力に換算する。
図2から図4は、本発明の超音波撮像方法の処理の一例を表す処理フロー図である。本発明では、図2に示したように、最初にユーザが撮像対象に超音波造影剤を注入する(S11)。その後、超音波探触子1から撮像対象に超音波信号を送波し(S12)、増幅手段が撮像対象から超音波信号を受信して受信ビームフォーマで整相加算し、この受信信号を信号処理部6が処理して圧力を算出する(S13)。算出された圧力は前記表示手段に表示される(S14)。
ここで、本発明で使用する超音波造影剤はマイクロバブルあるいはナノバブルと呼ばれる直径数10μm以下の微小気泡で、生分解性高分子から構成される殻を有してもよい。
図3に、図2のステップ13における信号処理部6の処理の詳細を示す。信号処理部6では、受信深度の異なる受信信号をもとに減衰量の周波数分布を算出し(S21)、周波数分布から周波数分布特徴量を検出する(S22)。その後、圧力をパラメータとした測定ノイズのない理想的な減衰量の周波数分布である、次式(1)に示す周波数分布特徴量−圧力換算知識を用いて周波数分布特徴量を圧力p0に変換する(S23)。変換の方法としては、たとえば、周波数分布特徴量を入力し、周波数分布特徴量−圧力換算知識を回帰曲線として最小二乗法でパラメータである圧力を求める方法による。
Figure 0005341995
ここで、σeは散乱断面積、ωは式(1)の変数である周波数で、共鳴周波数ω0で規格化してΩで表す。aeは気泡径の平衡値、ρLは周りの流体の密度、κはポリトロープ指数、GSは気泡の殻の剛性率、dSeは式(3)で定義される殻の厚み、ηSは気泡殻のせん断粘度を表し、造影剤及び血液などの流体の物性値によって決まる。これらは式(1)においては定数であり、あらかじめ調べられて装置内に記憶されているものとする。p0は静水圧で、(1)における唯一のパラメータであり、本発明の装置及び方法で検出すべき圧力である。
図4は、図3のステップ21における減衰量の周波数分布を算出する処理の詳細を示した図である。まず、受信深度の異なる受信信号Sigi(t)と受信深度zi{i=1,2,…,n}を入力する(S31)。次に、受信信号Sigi(t){i=1,2,…,n}の周波数分布|Sigi(f)|=|F[Sigi(t)]|を計算する(S32)。最後に、受信信号の周波数分布|Sigi(f)|から減衰量の周波数分布
σ(f)=|Sigi(f)|/|Sigj(f)|
を計算する(S33)。ここでF[・]はフーリエ変換を表す。
次に、図5から図8を用いて、本発明の超音波撮像装置による撮像方法の詳細について説明する。図5は、超音波探触子が生体に超音波を送信・受信する様子を示す図である。超音波探触子1から生体72に超音波が送信されると、臓器73に含まれる超音波造影剤74から反射された信号75,76を受信する。信号75の受信深度はz1であり、信号76の受信深度はz2である。臓器73は血管や心臓の心腔のように、超音波造影剤より反射輝度がいちじるしく低い流体を含む臓器でもよいし、肝臓のように視認できる程度の反射輝度を持つ柔組織から成る臓器でもよい。後者の場合は、信号処理部は、周波数解析部が、超音波造影剤による減衰のみを処理できるように、超音波造影剤がない場合に、受信信号75,76と同様の信号を受信し、超音波造影剤以外に起因する減衰量を差し引く処理を行えばよい。なお、超音波造影剤以外に起因する減衰量は、一般的に、周波数に比例する量であり、たとえば超音波造影剤の注入前に超音波を送受信・解析して求めることができる。
図6は、減衰量の周波数分布を算出する図3のステップ21の処理を説明した図である。分布81は受信深度ziからの受信信号Sigi(t)をフーリエ変換した信号Sigi(f)=F[Sigi(t)]を示し、分布82は受信深度zjでの信号強度の周波数分布である。図4のステップ32では、複数の受信深度でこのような周波数分布81,82を計算する。ただし、受信深度ziからの受信信号Sigi(t)は、cを音速を表す定数とし、dtを周波数の計算に必要なサンプル数を含む時間とし、時刻は変換撮像対象に超音波を送波した時刻をt=0とするとして、受信深度ziに相当する時間(t=zi/c−dtからt=zi/c+dt)に受信した信号とする。
図6(b)に示した分布は、信号強度の周波数分布81と82の比をとって得た、次式で表される減衰量の周波数分布σ(f)である。図4のステップ33では、この減衰量の周波数分布σ(f)を計算する。ただし、図6ではdB表示で示した。
σ(f)=|Sigi(f)|/|Sigj(f)|
ここで、式(1)で表される周波数分布特徴量−圧力換算知識について説明する。超音波造影剤は、体内に注入される数μm前後の微小気泡で、超音波を照射されると、泡の外部が液体、内部が気体であり、密度差が大きいことから、大きな反射率で超音波信号を反射する。通常、超音波造影剤から反射された信号は、基本波成分及び高周波成分の信号強度が画像化される。このように通常の使い方では、気泡が存在していることを使って、血管壁や肝腫瘍の境界の可視化を行っている。しかし本発明では、気泡の力学的挙動から気泡の存在以上の情報を抽出することを目標とし、気泡の運動を記述する方程式の性質を概観した。気泡の運動は、気泡半径a(t)の運動方程式である次のChurch方程式によって記述される。
Figure 0005341995
ここで、a1は気泡の内径、a2は気泡の外径、a1eは内径の平衡値、a2eは外径の平衡値、ρLは周りの流体の密度、ρSは気泡殻の密度、ηLはまわりの流体のせん断粘度、ηSは気泡殻のせん断粘度、VSは気泡核の体積、p(t)は気泡から十分離れた場所での圧力、p0は静水圧で、検出すべき圧力である。
泡の挙動を記述する方程式は仮定の置き方によって各種あるが、生体内の残存時間を長くするために、2000年以降は殻のついた気泡が主流であるため、殻のついた気泡の方程式であるChurch方程式を用いた。ここで、式(3)の近似と式(4)に示す変数変換により、気泡径の変位量x(t)を変数とする。aは気泡径、aeは気泡径の平衡値である。
Figure 0005341995
さらに線形化を行って式(5)を得ると、その解として式(6)が得られる。
Figure 0005341995
ここで、pi(t)は超音波パルスの照射による圧変化である。
減衰率の周波数分布は、散乱断面積の式(7)から式(8)と求められる。
Figure 0005341995
式(8)中のn(a)は気泡径の分布である。気泡径は例えば図7に示すような分布をしているが、図4のステップ33に関する上記の説明では分布の幅が0、すなわち撮像対象内部の気泡は全て同じ値を持つとして説明を簡略化した。実際にはn(a)を反映する必要があり、たとえば体内注入前の気泡径の分布を測定しておき、これを用いてもよい。
上記の結果のうち、定性的な把握に必要なものを以下にまとめた。
Figure 0005341995
すなわち、共鳴曲線(6)の形状は共振周波数ω0と分散の大きさδでほぼ決まる。減衰曲線(7)(8)の形もω0、δ、超音波パルスの周波数分布pi(ω)でほぼ決まる。ω0、δを表す式(9)の右辺のうち、p0以外は超音波造影剤の構造(物性定数)によって固定される、測定においては既知とみなされる値だが、これらの物性定数のうち実質的に可変なのは殻の剛性Gs及び気泡の平衡径aeのみである。共鳴曲線(6)及び減衰曲線(7)(8)の形状、すなわち圧p0の感知力はこれら2つの値によって調節でき、気泡殻の剛性率Gsが小さく、気泡の平衡径aeが小さい超音波造影剤が圧検出には適していることがわかる。
参考のために、商品化されている超音波造影剤の物性定数を表1に示す。
Figure 0005341995
図8に、周波数分布特徴量の例、及び、気泡の平衡径aeを一定にして、圧力を3通りの値に変えた場合の減衰曲線の一例を示した。減衰曲線は圧力によって有意に変形している。この変形を検出するための周波数分布特徴量として、図8では共鳴周波数ω0、分散δ-1、規定の周波数ω1における減衰強度、規定の2個の周波数ω1,ω2における減衰強度の傾きを示した。
上記の周波数分布特徴量は全て式(1)の周波数分布特徴量−圧力換算知識に入力することで出力として圧力p0を与える。これらの周波数分布特徴量は、共鳴周波数と分散など、異なる物理量であっても同時に式(1)に入力可能であり、入力する値の数が多いほどp0の検出精度を向上させることができる。
より詳しくは、規定の周波数ωiにおける減衰強度σi (i=1,2,…,n)が得られた場合、(7)を回帰式とする回帰問題として圧p0を求めることができる。すなわち、最小二乗法により
J=Σi=1〜ne(ωi;p0)-σi|2を最小にするp0、別の表現では
δJ=∂/∂p0 i=1〜ne(ωi;p0)-σi|2]
=0
を満たすp0を数値的に求めて圧力の検出値とする。気方径の分布n(ae)の影響を考慮する場合は(8)を回帰式とし、上記のσe(ωi;p0)をΣe(ωi;p0)で置き換えればよい。
さらに、規定の周波数ωiにおける減衰強度σi(i=1,2,…,n)の他にも共鳴周波数ω0、分散δ-1、規定の2個の周波数ω1,ω2における減衰強度の傾きが得られた場合には、これらを規定の周波数ωiにおける減衰強度σi(i=n+1,n+2,…,n+m)に換算して、回帰問題の入力値の数を増やし、p0を求めることができる。又は、これらのうち1つのみが得られた場合、回帰問題は1つの式に帰着される。たとえば共鳴周波数ω0のみが得られた場合、回帰問題は式(7’-2)に帰着され、式(7’-2)によりω0をp0に変換すればよい。同様に、分散δのみが得られた場合、回帰問題は式(7’-2)及び式(7’-3)に帰着され、式(7’-2)及び式(7’-3)によりδをp0に変換できる。
以上のような構成によれば、非侵襲・高精度・高い時間分解能で体内の圧力を計測する医用撮像装置を提供することができる。特に、複数の周波数における信号強度を用い、サンプル点を多数用いるため、SN比が高くなり、高い精度が得られる。また、分調波の抽出と異なり、1つの空間位置での圧力を検出するために2回以上、送信する必要がないため、高い時間分解能が得られる。さらに、本発明では1つ以上の物理量を検出して血圧に換算することで、精度を向上させることができる。
次に、図9及び図10を用いて本発明の第2の実施例を説明する。第2の実施例の方法は、図2のステップ13の処理において、周波数分布特徴量−圧力換算知識として式(10)に示す共鳴曲線を用いる例である。
図9は、本実施例において、超音波探触子が生体に超音波を送信・受信する処理を説明した図である。超音波探触子1から生体72に超音波が送信されると、生体に含まれる超音波造影剤74から反射された信号75を受信する。臓器73は血管や心臓の心腔のように、超音波造影剤より反射輝度がいちじるしく低い流体を含む臓器でもよいし、肝臓のように視認できる程度の反射輝度を持つ柔組織から成る臓器でもよい。後者の場合は、図5で説明したような処理を行って超音波造影剤に起因する減衰量のみを抽出すればよい。
図10は、本実施例の場合、図2のステップ13において実行する信号処理部6が受信信号から圧力を算出する処理を説明するフローチャートである。ある受信深度での受信信号を入力してその周波数分布を算出し(S41)。次に、その周波数分布から、基本波、高調波、分調波、差周波、和周波の強度の周波数分布、値の分岐の大きさのうち1つ以上である周波数分布特徴量を検出し(S42)、その後、圧力をパラメータとした測定ノイズのない理想的な共鳴曲線である次式の周波数分布特徴量−圧力換算知識を用いて周波数分布特徴量を圧力に変換する(S43)。
Figure 0005341995
たとえば、基本波の強度の周波数分布xB(ω)を測定した場合、xB(ω)は共鳴曲線x(ω)になっているはずである。したがって測定値xB(ω)を入力値、(10)を回帰式として最小二乗法を行えばp0が求まる。同様にして、n次高調波の強度の周波数分布xn(ω)、1/m分調波の強度の周波数分布x1/m(ω)、差周波の強度の周波数分布pm-n(ω)、和周波の強度の周波数分布pm+n(ω)を測定した場合は、それぞれ回帰式(10)のpi(ω)を、造影剤がない場合に想定されるn次高調波、1/m分調波、差周波、和周波の強度の周波数分布として回帰式(10)によってpnを計算する。たとえば基本波と高調波など、1つ以上の周波数特徴量が得られた場合は、第1の実施例と同様に、回帰問題の入力数が増えたことになり、より正確にp0を求められる。
以上のような構成によれば、構造が一様である領域が小さく、減衰をS/Nよく検出できない毛細血管や臓器中の超音波造影剤の信号からも、圧力を求めることができる。
次に、図11から図13を用いて本発明の第3の実施例を説明する。
第1及び第2の実施例では、式(9)を用いて述べたように、超音波造影剤の信号は、圧力p0と気泡の平衡径aeを反映しているが、特に西暦2000年以降、体内の残存時間を長くするために用いられるようになってきた殻のついた気泡、式(9)で言えば、気泡殻の剛性Gsが大きい場合、気泡の挙動、ひいては共鳴曲線及び減衰曲線は、外圧p0よりも気泡の平衡径aeをより強く反映する。そこで、複数の成分を液体状態で含む超音波造影剤を用いることで、気泡の平衡径aeを外圧p0の俊敏な関数にさせて、圧力の検出精度を向上させた例が以下で述べる第3の実施例である。
第3の実施例では、超音波造影剤の組成が異なり、また、気泡の平衡径aeと外圧p0の関係
e=f(p0) (11)
を、式(1)あるいは式(10)とあわせて用いる。関数f(p0)は実験から求め、あらかじめ装置内に格納しているとする。ただし、特に気液2相共存状態以外では、ファンデルワールスの状態方程式と構成成分のモル分率から理論的に求めて装置内に格納していてもよい。
図11は、代表的な超音波造影剤の構造を示した概念図である。図11(a)は、内部に気体を含み、殻を有さない、気泡径dが1μm以上の超音波造影剤である。このような超音波造影剤はすでに商品化されており、第1世代造影剤と呼ばれ、生体内での残存時間が短い。図11(b)は、内部に気体を含み、殻141を有し、気泡径dが1μm以上の超音波造影剤である。このような超音波造影剤はすでに商品化されており、第2世代造影剤と呼ばれ、生体内での残存時間が長い。殻141の厚みtは径dの数%以下であり、親水性の部位142と疎水性の部位143を持つ高分子をその構成単位とする。図11(c)は、内部に液体を含み、殻144を有し、気泡径dが1μm以下の超音波造影剤である。このような超音波造影剤はまだ商品化されておらず、研究段階にある。相変化液滴型造影剤と呼ばれる。毛細血管より先など、浸透可能な領域が広く、超音波照射によって意図した部位で気化し、撮像に用いられる。第3の実施例は、複数種類の液体を含む相変化液滴型造影剤を用いる例である。
現在研究されている相変化液滴型造影剤としては日立製作所の川畑らのものがあり、物性値は以下のようである。
殻の材質 :Lipid / surfactant emulsion
液滴の直径 :200nm
内包物 :PEOB
相変化型造影剤を用いる第3の実施例では、図2のステップ11において、気液相変化型の複数成分の造影剤を撮像対象に注入する。また、ステップ12の撮像対象に超音波信号を送波する処理において、まず気化用の超音波を撮像対象に送波して造影剤内部の液体を気化し、その後に圧力検出用の超音波を撮像対象に送波する。ただし、造影剤が内包する成分の蒸気圧が測定したい圧力の値域より低い場合、気化用の超音波を撮像対象に送波するこのステップはなくてもよい。送波する場合、気化用の超音波を送波する空間位置は、圧検出用の超音波を送受信する空間位置と同じ、あるいはそれより血流が上流の位置とする。たとえば、心臓の左心室内の圧力を検出する場合、左心室内あるいは左心房内に気化用の超音波を送波すればよい。また、肝臓内の圧力を検出する場合には、肝動脈に気化用の超音波を送波すればよい。
次に、図12及び図13を用いて、複数の成分を液体状態で含む超音波造影剤を用いることで、気泡の平衡径aeを外圧p0の俊敏な関数にできることを説明する。図12(a)は、1成分系の等温曲線、すなわちファンデルワールスの状態方程式で、図12(b)は、2成分系の一定温度における気液平衡曲線の概念図である。
図12(a)の縦軸は圧力、横軸は体積である。図の下に記したファンデルワースの状態方程式に従う変化を点線で示した。図中の実線は実際の流体が辿る体積−圧力変化である。ただし温度は一定値を仮定している。実際の流体の体積−圧力はファンデルワースの状態方程式と異なり、単調に起こる。状態方程式と異なる部分は、図中の面積S1とS2が等しくなるように引いた直線部で、体積は変化するが圧力が一定であるこの直線部は、気液相変化における気液2相共存状態にあたり、このときの圧力を蒸気圧Pcと呼ぶ。気液2相共存状態より圧力が小さい線上は気体状態、大きい線上は液体状態である。このように1成分系では、温度を一定にして圧力を変化させると、蒸気圧Pcにおいて体積が不連続な飛びをもって大きく変化するが、多成分系では、温度を一定にして圧力を変化させると、体積は常に連続して変化する。このため、圧力変化を体積変化によって定量できる。
多成分系の気液相変化における体積変化の様子を図12(b)に示す。図12(b)では2成分系を仮定した。縦軸は圧力、横軸は第1成分のモル分率である。Pc1が成分1の蒸気圧、Pc2が成分2の蒸気圧で、太実線が液相線、細実線が気相線を意味する。液相線より圧力の大きい領域では液体状態、細実線より圧力が小さい領域では気体状態、その中間の、斜線部にあたる圧力では気液2相共存状態にある。図12(a)では気液2相共存状態の圧力は1つの値Pcに決まったのに対し、2成分系では、斜線部が縦軸Pに対して幅を持つことからわかるように、気液2相共存状態での圧力は成分1の蒸気圧Pc1から成分2の蒸気圧Pc2まで幅を持つ。気体状態から圧力を増加していくと、準静過程とみなせるほど変化速度が遅い場合、鎖線のような圧力‐モル分率変化を経て蒸気圧の低い成分である成分1のモル濃度が増加し、凝縮される。本発明の超音波撮像装置及び方法における変化は実践矢印のような変化とみなすことができる。圧力Pと気泡径aeの関係p0=f(ae)の式(11)は、気液2相共存状態(斜線部)以外ではファンデルワールスの状態方程式(ただし関係V=πae 3/4により体積Vを気泡径aeに変換する)でよく表される。気液2相共存状態(斜線部)での関係は実験により求めた値を使うとする。
圧力変化の定量精度は、2成分気液混合相の圧力方向の厚み18が大きいほど高精度になる。2成分気液混合相の圧力方向の厚みは、成分の物性値、具体的には、活性係数と蒸気圧で決まる。モル分率が0.5に近いほど厚みが厚いのはもちろんである。すなわち、多成分系の気液平衡における圧−体積変化を活用することは、測定を意図した圧力範囲において、圧依存性を増強させる効果を持つ。
厚み18の大きさに影響する活性係数は、2成分の混合溶液において、各成分の相互作用の度合いを表す物性値で、値が1以上の2成分を造影剤の要素とすることが望ましい。1以上の場合の図12(b)の具体例(メタノール−水系)を図13(a)に、1以下の例(tertブタノール−secブタノール系)を図13(b)に示した。図13(a)の方が、2成分気液混合相の圧力方向の厚みが大きくなっている。図13(a)、図13(b)は共に温度が25度の例であるが、図13(a)では40mmHgから80mmHgの範囲で高精度な圧計測が可能である。
内包物の活量係数をなるべく大きく設定することを考えるとき、相変化型造影剤の内包物としては、C33,C38,C512,SF6で比べるなら、C33がよい。そのほか、モル分率の0.5近傍への調節も有効である。
以上のように内包成分を選択すれば、気泡の平衡径aeを外圧p0の俊敏な関数(11)にできる。本発明の第3の実施例では、第1あるいは第2の実施例と同様の処理において、それぞれ(1)あるいは(10)に(11)を代入した式を回帰式として、p0を求める。
以上のような構成によれば、体内の圧力を高精度で検出することができる。
次に、図14から図16を用いて本発明の第4の実施例を説明する。本実施例は、第1から第3の実施例の処理を含み、超音波を送受する空間位置の圧力のほかに動き量も検出し、圧力と動きから超音波を送受する空間位置の硬さを算出する例である。
図14は、本実施例の装置構成を示すブロック図である。本実施例の信号処理部6は、動き量検出部64及び動き量・圧力−硬さ変換部65を備える。
図15は、本実施例の処理の流れを示すフローチャートである。第1から第3の実施例で述べた方法で、撮像対象の圧力を算出する(S51)。それと同時に、撮像対象の動き量も検出する(S52)。動き量の検出方法は既存のどのような方法でもよい。例えば、B像のスペックルパターンを追跡して動き量とするティッシュトラッキング法などでもよい。その後、圧力と動きから硬さを算出し(S53)、硬さを表示する(S54)。硬さは圧力に比例し、動き量に逆比例する量で定義される。
図16は、血管において血管壁の硬さを算出する場合を例に、動き量を検出する方法を説明した図である。図16(a)は血管の全体図である。本発明の方法は、最初に血管101を撮像する。撮像断面は径方向断面102でも軸方向断面103のどちらでもよい。図16(b)(c)は径方向断面102をとった場合、図16(d)(e)は軸方向断面103をとった場合の撮像結果を表す。図16(b)と図16(c)、図16(d)と図16(e)は隣接する時刻における撮像結果を示している。
図16(b)(c)について説明すると、図16(b)は時刻t、図16(c)は時刻t+dtにおける撮像結果である。時刻tでの位置104及び時刻t+dtでの位置104’での圧力が算出されているとする。このとき、t=tでの撮像結果の中に微小領域105を設定し、t=t+dtで同じ形状を持つと判断される微小領域105’を検出し、微小領域105と105’の重心の移動量106を動きとする。また、動き量の精度が低くてよい場合には、たとえば血管径d1とd2の差の1/2を大きさ、血管壁の法線方向を方向とするベクトルを動き量としてもよい。図16(d)及び図16(e)に示した軸方向断面103においても同様に動き量106が算出できる。
以上のような構成によれば、非侵襲に、高精度で、生体の硬さを検出することができる。
次に、第1から第4の実施例の処理を心臓に適用した場合の例を、図17及び図18を用いて説明する。
図17は、超音波探触子が心臓に超音波を送信・受信する処理を説明した図である。超音波探触子1から生体72に超音波を送信し、心臓73に含まれる超音波造影剤74から反射された信号751,752を受信する。
処理の全体の流れは図18に示した。最初に超音波像により心臓の形状を撮像し(S61)、圧力を測定する部位を検出する(S62)。次に、測定部位の圧力を実施例1から実施例4の方法で検出し(S63)、測定部位の形状と圧力を表示する(S64)。
表示の例を図19に示す。図19(a)は心臓内部の血圧を場所ごとに検出し、形態画像に重ねて表示した例、図19(b)は心臓の形態画像及び血圧の検出値を解析した結果を表示した例である。図19(a)(b)とも91は表示画面、92は撮像領域、93は撮像対象の形態画像で、図19(a)において、94は圧力の検出結果を、異なる検出値を異なる色で表示した例である。図19(b)において、95は解析結果の表示エリアで、横軸を形態画像を画像処理して抽出した、心臓の左心室の体積VLV、縦軸を本発明の撮像方法によって検出した左心室の圧力の空間的な代表値PLVとした例を示した。グラフ内に示した96は (VLV,LV)の時間変化である。測定条件の違いにより、複数のループが描かれている。97は複数のループの接線の傾きで心機能の指標の1つであるEMAX、98は前記接線の切片で心機能の指標の1つであるV0である。図19では撮像対象が心臓である例を示したが、撮像対象は心臓に限らない。なお、図19は静止画でも動画でもよい。
以上のような構成によれば、心臓など撮像対象の内部の血圧を非侵襲に高精度に検出することができ、形態情報とあわせて臨床的に意味のある量をユーザに提示することができる。
1:超音波探触子
2:装置本体
3:送信ビームフォーマ
4:増幅手段
5:受信ビームフォーマ
6:信号処理部
61:周波数解析部
62:周波数分布特徴量検出部
63:周波数分布特徴量−圧力換算部
7:メモリ
8:表示手段。

Claims (8)

  1. 超音波造影剤を注入した撮像対象に対して超音波を送受信する超音波探触子と、
    前記超音波探触子が受信した撮像対象からの超音波信号を信号処理する信号処理部と、
    前記信号処理部の処理結果を表示する表示手段とを備え、
    前記信号処理部は、前記受信した超音波信号の周波数分布を算出する周波数解析部と、
    前記周波数解析部によって算出された周波数分布から、前記受信した超音波信号の減衰率の周波数依存性の、1つ以上の規定の周波数での値、最大値を示す周波数、最大値、半値幅のうち1つ以上である、周波数分布特徴量を検出する周波数分布特徴量検出部と、
    前記周波数分布特徴量を圧力に換算する周波数分布特徴量−圧力換算部とを有し、
    前記表示手段は、前記周波数分布特徴量−圧力換算部で算出された圧力の値を表示することを特徴とする超音波撮像装置。
  2. 請求項に記載の超音波撮像装置において、前記周波数分布特徴量−圧力換算部は、前記周波数解析部の算出した周波数分布から、基本波、高調波、分調波、差周波、和周波の強度の周波数分布、値の分岐の大きさのうち1つ以上である周波数分布特徴量を検出することを特徴とする超音波撮像装置。
  3. 請求項に記載の超音波撮像装置において、前記信号処理部は、体内の圧力を検出した部位の動き量を検出する動き量検出部と、前記周波数分布特徴量−圧力換算部が換算した圧力と前記動き量検出部が検出した動き量から、体内の圧力と動きを検出した部位の硬さである硬さ量を算出する圧力・動き量−硬さ量換算部を備えることを特徴とする超音波撮像装置。
  4. 造影剤が注入された撮像対象に超音波信号を送波する超音波送波ステップと、
    撮像対象から反射された超音波信号を受信し、受信した超音波信号の周波数分布を算出する周波数解析ステップと、
    前記算出した周波数分布から、前記受信した超音波信号の減衰率の周波数依存性の、1つ以上の規定の周波数での値、最大値を示す周波数、最大値、半値幅のうち1つ以上である、周波数分布特徴量を検出する周波数分布特徴量ステップと、
    前記検出した周波数分布特徴量を圧力に換算する周波数分布特徴量−圧力換算ステップと
    を有することを特徴とする超音波撮像装置の作動方法。
  5. 請求項に記載の超音波撮像装置の作動方法において、
    前記造影剤は、複数の液体成分を内包する多成分液滴型造影剤であり
    前記超音波送波ステップは、前記多成分液滴型造影剤を気化させるための気化用超音波送波を行った後、圧力検出用の超音波を送波することを特徴とする超音波撮像装置の作動方法。
  6. 請求項に記載の超音波撮像装置の作動方法において、
    圧力を検出する部位の温度をTc、検出しようとする圧力の上限をPu、下限をPlとするとき、前記複数の液体成分のうち少なくとも1つは温度Tcでの蒸気圧がPu以上であり、他の少なくとも1つは温度Tcでの蒸気圧がPl以下であり、前記複数の液体成分はPl以上、Pu以下の圧力で気液平衡が成り立つモル分率で混合されていることを特徴とする超音波撮像装置の作動方法。
  7. 請求項に記載の超音波撮像装置の作動方法において、さらに、
    体内の圧力を検出した部位の動き量を検出するステップと、
    前記換算した圧力と前検出した動き量から前記圧力と動きを検出した部位の硬さである硬さ量を算出するステップを有することを特徴とする超音波撮像装置の作動方法。
  8. 請求項に記載の超音波撮像装置の作動方法において、さらに、
    体内の圧力を検出した部位の動き量を検出するステップと、
    前記換算した圧力と前検出した動き量から前記圧力と動きを検出した部位の硬さである硬さ量を算出するステップを有することを特徴とする超音波撮像装置の作動方法。
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