JP5334430B2 - 歯科用パレット - Google Patents
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Description
それらの治療において、患者の審美的な要求に答える為に、歯科医師や歯科技工士は、補綴部位や補綴物の色調を、患者自身の歯牙や口腔組織の色調に近づける。その色調調整方法の一つに、ステイニング法がある。ステイニング法にはセラミックス材料やレジン材料における術式があるが、特に光硬化型レジン材料におけるステイニング法は、様々な色の光硬化性低粘度レジン(ステイン材、歯科充填用色調調整材、高分子系歯冠用着色材料、歯冠用硬質レジンなど)を塗布することで、補綴部位や補綴物の色調を調整する方法である。
下記の特許文献1の技術によると、ディスペンサー容器として、ほぼ立方体形状の柔軟な部材を用い、ディスペンサー容器の上面に底面方向へ延びるスリットを形成している。スリットには、歯科用の低粘度材料を供給し、筆の先端をスリットに差し込み、低粘度材料を取出すようにしている。
一方、上記特許文献1の技術では、ディスペンサー容器のスリットの奥深くに歯科用充填材料が入り込むので、スリットの奥では所望とする色調に調整することが困難である。ディスペンサー容器の材料を透明にして、スリット内部の材料の色を確認することもできるが、このような場合は、スリットに光が透過してしまい光硬化性材料を使用することができないといった問題点がある。
上記歯科用パレットの前記保持部材は前記基台の底面に付着した粘着テープとし、該粘着テープを多層に配設するようにした。
上記歯科用パレットの前記保持部材は、前記基台の底部に指の周囲に係合可能なリングを取付けることができる。
前記基台の上面には前記歯科用修復材として光硬化性のステイン材を載置し、前記蓋部材の表面にはコンポジットレジンを載置するようにしたので、光変性する歯科用材料を長期に貯蔵することができる。また、使用頻度の多いコンポジットレジンは、暗室などに簡易的な保存をするようにし、使用頻度が少ないステイン材については、大きな遮光効果によって長期保存することができる。
上記歯科用パレットは、前記保持部材は前記基台の底面に付着した粘着テープとし、該粘着テープを多層に配設するようにしたので、ラテックスグローブなどに再度の取付けが可能になる。
上記歯科用パレットの前記部材は前記基台の底部に指の周囲に係合可能なリングを取付けるようにしたので、歯科用パレットを確実に指先に保持することができる。
歯科用パレット1は、基台2と蓋部材3とから構成されている。
基台2は、ほぼ矩形の板材で形成され、基台2の上面5の中央には基台2の下(裏)面側に窪む矩形のパレット溝6が形成されている。上面5及びパレット溝6の底面となるパレット面6aは、平坦な面で形成されている。
基台2の下部側に位置する基部2aから左右両側部に基部2aよりも外側へ突出する一対のフランジガイド部7a,7bを設けている。フランジガイド部7a,7bの横断面形状は、矩形断面である(なお、基部2aとは、該フランジガイド部7a,7bが形成されている部分よりも下側の部分である)。
また、向かい合う内向きフランジ12a,12b間の長さeは、基部2aの幅eに等しくなるように形成されている。基部2aの高さfは、内向きフランジ12a,12bの上下方向の高さfと一致させている。
必要に応じて、図2のA及びBに示すように、蓋部材の上壁9の上面11にコンポジットレジンを載置する目標となる複数のマークa1〜a4を記してもよく、図2のBに示すように、基台2のパレット溝6のパレット面6aにステイン材を載置する目標となるマークb1〜b4を記してもよい。これらのマーク部分は、凹部として設けても良い。
図1に示すように、基台2の基部2aの裏面には、粘着テープ14が貼着されている。粘着テープ14は表面に取り剥がしができる保護テープが設けられているものが好ましい。粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコーン系などが使用できる。粘着テープ14は、複数枚が積層されたものを使用し、繰り返しの使用ができるようにしてもよい。
本発明の歯科用パレットは、その基台の上面と蓋部材の表面に、コンポジットレジンやステイン材等の種々の光変性する歯科用材料を、自由に載せて効率的に歯牙の治療に供することができる。例えば、歯牙の欠損部の補修するような場合、ペースト状のコンポジットレジンを蓋部材3の上面に載せて行う。このとき、蓋部材3は、基台2を閉塞した状態にある。
このように、コンポジットレジンを欠損部に充填して硬化させて、該コンポジットレジンによる欠損部の治療が終了する。
歯科医師は、歯科用パレット1の蓋部材3をスライドさせて、基台2の上面5を露出させ、若しくは蓋部材3を基台2から取り外す。次いで、基台2のパレット溝6にステイン材を載せ、色調の調整に必要ならば、複数の異なる色調のステイン材を載置し、所望の色調に調整したものを作成する。この際、歯科医師は、自身の手の上に歯科用パレット1(基台2のパレット溝6)があるので、調整作業がしやすくマイクロスコープを使用しても見やすい位置に歯科用パレット1を配置することができる。また、歯科用パレット1の蓋部材3をスライドさせて、基台2の上面5を露出させ、該基台2のパレット溝6にステイン材を載せた場合には、蓋部材3の上面に載せられているコンポジットレジンと、パレット溝6に載せられているステイン材とが近接した状態になり、同一視野中で観察できるため、治療に使用したコンポジットレジンに適した色のステイン材の選定が極めて容易になる。ステイン材の使用を中断するときは、手軽に蓋部材3をスライドさせて、パレット溝6を遮光することができる。
なお、使用を繰り返していくうちに、歯科用パレット1の粘着テープ14の粘着力が弱化した場合は、粘着テープ14が積層式の場合は、粘着テープ14を1枚宛剥がすことによって、歯科用パレット1の再度の利用が可能になる。粘着テープ14が単体のものは、両面テープなどで貼り替えればよい。
本第2の実施形態では、上記第1の実施形態の歯科用パレット1について、基台2の底面に貼着した粘着テープ14のみ異なっている。それ以外の歯科用パレット1の基台2及び蓋部材3の形状は同じであるので、上記第1の実施形態と同じものは同一符合を付し、詳細な説明は省略する。
図4を参照にして、歯科用パレット1は、基台2と蓋部材3とを備え、基台2の底部には、リング31が設けられている。リング31は、基台2の底部と接する面が平坦になっており、基台2を接着剤などで取付けることができる。リング31は帯状の板材から形成され、端部31a,31bは自由端となっている。
リング31は、歯科医師または歯科技工士の指に差し込むために設けられており、その大きさは人の指の大きさ程度に形成されている(あるいはラテックスグローブの厚さも考慮)。しかしながら、指の大きさには個人差があるため、端部31a,31bを巻き込んだり、拡げたりすることでその径を、適宜変更できるように形成されている。
こうしたリング付き歯科用パレット1は、歯科医師または歯科技工士が、該歯科用パレット1を身近に備えることによって、効率良く、コンポジットレジンやステイン材の色調の調整作業ができる。また、本実施形態による歯科用パレット1は、マイクロスコープの焦点の移動を最小限に抑え、歯科医師等の目の疲労を緩和させることができる。衛生的にも良好であり、ステイン材の保存期間も向上させることができ、上述した第1の実施形態と同じ効果を奏する。
例えば、上記各実施形態では、矩形の歯科用パレット1を説明したが、パレット形状は、円形、楕円形、その他形状であってもよい。ただし、蓋部材がスライドできない形状のものは、蓋部材を基台から取り外して、基台のパレット溝でステイン材を使用することになる。
2 基台
3 蓋部材
5,11 上面
6 パレット溝
7 フランジガイド部
8 被ガイド部
10a,10b 側壁
12a,12b 内向きフランジ
14 粘着テープ
31 リング
Claims (3)
- 遮光部材でなる白色の基台と該基台の上面に配置された遮光部材でなる白色の蓋部材とを設け、前記基台の上面及び前記蓋部材の上面に歯科用修復材の載置部を設け、前記基台の底部に該基台を保持する保持部材を設け、
前記基台には前記蓋部材を摺動可能に案内するガイド部を形成し、前記蓋部材には前記ガイド部にスライド可能に案内される被ガイド部を形成し、前記蓋部材のスライド移動によって前記基台の上面を開閉し、
前記基台の上面には前記歯科用修復材として光硬化性のステイン材を載置し、前記蓋部材の表面にはコンポジットレジンを載置するようにしたことを特徴とする歯科用パレット。 - 前記保持部材は前記基台の底面に付着した粘着テープとし、該粘着テープを多層に配設するようにしたことを特徴とする請求項1記載の歯科用パレット。
- 前記保持部材は前記基台の底部に指の周囲に係合可能なリングを取付けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の歯科用パレット。
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