JP5330791B2 - 吸音材料 - Google Patents
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Description
向上が急務の課題となっている。また、一方では、性能向上のため、自動車車内及び車外
に対しての防音対策が必要となり各種の吸音材が提案されている。
、特許文献2には、樹脂バインダ付着繊維ウェブからなる自動車用内装材が記載されてい
る。また、特許文献3には、繊維集合体からなる吸音層と発泡材からなる表皮層との積層
体から構成される自動車用インシュレータが記載されている。
音材料は、繊維シートやプラスチック発泡体等の多孔質材料からなるが、吸音性能を確保
するためには、厚みを増大させる必要がある。そのため、当該吸音材料の重量は相当大き
なものとなる。このことは、重量増による作業性の悪化を招き、特に自動車用の場合、省
燃費化、軽量化を図る上で不利となる。具体的に、上記特許文献1の発明は、フェルトの
片側表層と反対側表層との空気流れ抵抗値をバインダー樹脂の塗布量の差により連続的に
変化させたものであるが、重量が1500g/m2と大きくなってしまう。また、上記特
許文献2の発明も、内装材として1750g/m2の重量となってしまう。また、上記特
許文献3の発明は、軽量化はされているが、発泡層が表面となるため表面強度が弱い問題
がある。
目的とするところは、好適な吸音性能を保持しつつ、軽量化を図ることができる吸音材料
を提供することにある。
に規定されるショッパーろ水度15°SR〜30°SRのパルプ繊維からなり、通気抵抗
が0.05〜3.0kPa・s/mであり、合成樹脂が塗布または含浸または混合されていない紙が多孔質シート(2)に内挿された吸音材料(1)であって、上記紙(3)は該吸音材料(1)の騒音入射表面より該多孔質シート(2)の厚さの6/10〜9/10奥側に内挿されている吸音材料(1)を提供するものである。
上記吸音材料(1)の通気抵抗は0.1〜5.0kPa・s/mであることが望ましく
、上記紙(3)はクレープ加工および/またはエンボス加工を施すことによって表面に多
数の凹凸が形成されていることが望ましい。
更に上記多孔質シート(2)には合成樹脂および/または合成樹脂前駆体が塗布および/または含浸および/または混合されていることによって通気抵抗が調節されていることが望ましく、上記多孔質シート(2)は2枚の単位多孔質シートの複層物からなり、上記紙(3)は上記単位多孔質シート間に挿入されていることが望ましい。
また更に、上記紙(3)と上記単位多孔質シートとは通気性接着層によって接着されて
いることが望ましく、上記吸音材料(1)は所定形状に成形されていてもよい。
パルプ繊維を機械的に叩き磨砕することを叩解と云う。パルプ繊維を叩解すると、繊維
は枝状に分岐してフィルム化し、あるいは同心円状に緩んで繊維は多孔質になり、このよ
うな叩解されたパルプ繊維を使用して紙を抄造した場合、得られる紙の多孔質パルプ繊維
間の細孔を大きくでき、低密度で吸音特性に優れた紙が得られる。しかし上記パルプ繊維
の叩解度がJIS P 8121−1995 5.ショッパーろ水度試験方法に規定され
るショッパーろ水度30°SRを超えるとパルプ繊維のフィブリル化が進み、微細繊維が
増加して紙の密度が高くなり、吸音特性が低下する。一方上記パルプ繊維の叩解度が15
°SRを下回るとパルプ繊維の多孔質化や同心円状の緩みが不充分となり、空隙率が低下
して吸音特性が悪くなる。
上し、該多孔質シート(2)の厚みを薄く出来るが、特に該紙(3)が該吸音材料(1)の騒音入射表面より該多孔質シート(2)の厚さの6/10〜9/10奥側に内挿されていると、該吸音材料(1)の厚みが10mm以上であっても軽量で、しかも特定音域のみの吸音性能ではなく、中音域から高音域までの広い音域で安定して吸音性能に優れた吸音材料(1)が提供される。
形成すると、音波が及ぼされた場合に上記紙(3)はそれに共鳴して振動し、その結果音
波は減衰されるので、吸音特性が向上する。
上記多孔質シート(2)に合成樹脂および/または合成樹脂前駆体が塗布および/または含浸および/または混合されていると、上記多孔質シート(2)の剛性が向上し、また上記吸音材料(1)の通気抵抗を0.1〜5.0kPa・s/mの範囲で任意に調節出来る。
本発明にあっては、厚みが大きくても軽量で吸音特性に優れた吸音材料が提供される。
本発明において使用される紙は、針葉樹や広葉樹のチップを原料とし、叩解度がJIS
P 8121−1995 5.ショッパーろ水度試験方法に規定されるショッパーろ水
度15°SR〜30°SRの範囲のパルプ繊維からなる。
上記叩解は通常コニカルリファイナー、ディスクリファイナー等によって行われる。パ
ルプ繊維の叩解度が15°SRに満たない場合には、パルプ繊維の多孔質化や同心円状の
緩みが不充分となり、空隙率が低下して吸音材料の吸音性能に悪影響が及ぼされる。一方
30°SRを上回るとパルプ繊維のフィブリル化が進み、微細繊維が増加して紙の密度が
高くなり、吸音材料の吸音特性に悪影響が及ぼされる。
上記紙の通気抵抗は0.05〜3.0kPa・s/mになるように設定する。上記通気
抵抗が0.05kPa・s/mを下回ると紙の密度が低くなり過ぎ、紙の強度や剛性が低
下する。また上記通気抵抗が3.0kPa・s/mを上回ると紙の密度が高くなり、吸音
特性が不充分になる。
上記紙には所望なればクレープ加工および/またはエンボス加工を施して表面に縮緬状
の皺状凹凸や多数の突起を形成してもよい。
向(抄造方向)に圧縮して皺付けを行なうウェットクレープと、シートをヤンキードライ
ヤーやカレンダーで乾燥した後、ドクターブレード等を用いて縦方向に圧縮して皺付けを
行なうドライクレープとがある。例えばクレープ加工された紙は、クレープ率が10〜5
0%であることが望ましい。
ここで、該クレープ率は、
クレープ率(%)=(A/B)×100(Aは紙製造工程における抄紙速度、Bは紙の巻
き取り速度)
換言すれば、該クレープ率はパルプ繊維からなるペーパーウェブがクレーピングで縦方
向(抄造方向)に圧縮される割合である(参考:特開2002-327399、特表平10-510886)。
ここで、クレープ率が10%に満たないとクレープ加工によるの吸音性能の向上が顕著
でなくなり、一方、該クレープ率が50%を越えると、成形時に皺が入り易くなる。
上記エンボス加工紙は、表面に多数の凹凸が彫られたロール(エンボスロール)やプレ
ート(エンボスプレート)を原紙に押圧して紙の表面に多数の突起を形成したものであり
、該突起の突起高さが0.02〜2.00mmであり、かつ、突起数が20〜200個/
cm2であることが望ましい。該突起高さが0.02mmに満たないと、エンボス加工に
よる吸音性能の向上が顕著でなくなり、また、突起高さが2.00mmを越えた場合には
、成形時に皺が入り易い。また、突起数が20個/cm2に満たないと、エンボス加工に
よる吸音性能の向上が顕著でなくなり、突起数が200個/cm2を越えた場合には、エ
ンボス加工紙の吸音性能の向上が見られなくなる。なお、図1において、エンボス加工紙
1aには突起pが多数形成されており、突起高さは、図1に示す「h」に相当する。
なお、上記エンボス加工工程において、原紙にクレープ加工紙を用いれば、エンボスク
レープ加工紙が得られる。
場合には成形性が低下して成形時に皺が生じ易くなり、一方、目付量が50g/m2を越
えると質量が増大しかつ成形性が低下する。
ここで、上記の通気抵抗(Pa・s/m)とは、通気性材料の通気の程度を表す尺度で
ある。この通気抵抗の測定は定常流差圧測定方式により行われる。図2に示すように、シ
リンダー状の通気路W内に試験片Tを配置し、一定の通気量V(図中矢印の向き)の状態
で図中矢印の始点側の通気路W内の圧力P1と、図中矢印の終点P2の圧力差を測定し、
次式より通気抵抗Rを求めることが出来る。
ここで、ΔP(=P1−P2):圧力差(Pa)、V:単位面積当りの通気量(m3/
m2・s)である。
通気抵抗は、例えば、通気性試験機(製品名:KES−F8−AP1、カトーテック株
式会社製、定常流差圧測定方式)によって測定することが出来る。
本発明で使用される多孔質シートとしては、通常繊維シートが使用される。
〔繊維シート〕
本発明に用いられる繊維シートの繊維材料としては、例えばポリエステル繊維、ポリエ
チレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、ポリ
塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維等の合成繊維、とうもろこし
やサトウキビ等の植物から抽出された澱粉からなる生分解繊維、パルプ、木綿、ヤシ繊維
、麻繊維、竹繊維、ケナフ繊維等の天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、
石綿繊維等の無機繊維、あるいはこれらの繊維を使用した繊維製品のスクラップを解繊し
て得られた再生繊維の1種または2種以上の繊維が使用されるが、例えばガラス繊維、炭
素繊維、セラミック繊維、石綿繊維、ステンレス繊維等の無機繊維やポリメタフェニレン
イソフタルアミド繊維、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維等のアラミド繊維、
ポリアリレート繊維、アルミナ繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリフェニレン
サルファイド繊維等の望ましくは融点が250℃以上の耐熱性合成繊維を使用すれば、耐
熱性の極めて高い吸音性表皮材が得られる。その中でも炭素繊維は焼却処理が可能で細片
が飛散しにくい点で有用な無機繊維であり、アラミド繊維は比較的安価で入手し易い点で
有用な合成繊維である。
低融点熱可塑性繊維を使用することができる。
上記低融点熱可塑性繊維としては、例えば融点180℃以下のポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポ
リオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリ
エステル共重合体繊維、ポリアミド繊維、ポリアミド共重合体繊維等がある。これらの低
融点熱可塑性繊維は、単独あるいは2種以上組み合わせて使用される。該低融点熱可塑性
繊維の繊度は、0.1〜60dtexの範囲であることが好ましい。本発明に使用する望
ましい低融点熱可塑性繊維としては、例えば上記通常繊維を芯部分とし、該低融点熱可塑
性繊維の材料樹脂である融点100〜180℃の低融点熱可塑性樹脂を鞘とする芯鞘型繊
維がある。該芯鞘型繊維を使用すると、得られる繊維シートの剛性や耐熱性が低下しない
。
グによって絡合する方法やスパンボンド法、あるいは上記繊維のウェブのシートあるいは
マットが上記低融点熱可塑性繊維からなるか、あるいは上記低融点熱可塑性繊維が混合さ
れている場合には上記繊維のウェブのシートあるいはマットを加熱して該低融点熱可塑性
繊維を軟化せしめることによって結着するサーマルボンド法か、あるいは上記繊維のウェ
ブのシートまたはマットに合成樹脂バインダーを含浸あるいは混合して結着するケミカル
ボンド法か、あるいは上記繊維のウェブのシートまたはマットをニードルパンチングによ
って絡合した上で該低融点熱可塑性繊維を加熱軟化せしめて結着するか、あるいは糸で縫
い込むステッチボンド法や高圧水流で絡ませるスパンレース法、上記ニードルパンチング
を施したシートまたはマットに上記合成樹脂バインダーを含浸して結着する方法、更に上
記繊維を編織する方法等によって製造される。
リエチレン発泡体、通気性ポリプロピレン発泡体、通気性フェノール樹脂発泡体、通気性
メラミン樹脂発泡体等の通気性プラスチック発泡体からなるシートが用いられても良い。
なお、本発明に係る多孔質シートの目付量、厚みは原則任意に設定可能であるが、望ま
しくは、目付量150〜800g/m2、厚み10〜100mm程度に設定され得る。
前記したように、本発明に係る吸音材料にあっては、上記多孔質シートに、合成樹脂および/または合成樹脂前駆体を塗布および/または含浸させてもよい。合成樹脂および/または合成樹脂前駆体としては、例えば熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、合成樹脂前駆体が例示される。
脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル(EEA)樹脂、アクリロニトリル
・スチレン・アクリルゴム共重合(ASA)樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合(
AS)樹脂、アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン共重合(ACS)樹脂、
エチレン酢酸ビニル共重合(EVA)樹脂、エチレンビニルアルコール共重合(EVOH
)樹脂、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリブタジエン(BDR)、ポリスチレン(PS
)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合(ABS)
樹脂、塩素化ポリエチレン(CPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン
(PVDC)、ポリプロピレン(PP)、酢酸繊維素(セルロースアセテート:CA)樹
脂、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリオキシメチレン(=ポリアセター
ル)(POM)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI
)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、熱可塑性ポリウレタン
(TPU)エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、液晶ポリマー(LCP)、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサ
ルフォン(PES)、フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(
PPE)、変性PPE、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタ
レート(PBT)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、全芳香族ポリエステル(POB
)等が例示される。このような熱可塑性樹脂は、上記繊維シート、延伸性紙材、あるいは
通気性多孔性材料に含浸または塗布されて、成形形状保持性および剛性に優れた熱可塑性
シートを与える。
樹脂を阻害しない程度で若干量の熱硬化性樹脂の1種または2種以上を混合使用してもよ
い。該熱可塑性樹脂は取り扱いが容易な点から水溶液、水性エマルジョン、水性ディスパ
ージョンの形のものを使用することが好ましいが、有機溶剤溶液の形のものを使用しても
よい。
脂、特に加熱によりエステル結合を形成して硬化する熱硬化性アクリル樹脂、尿素樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型ポリエステル等が使用されるが、該合成樹脂を
生成するウレタン樹脂プレポリマー、尿素樹脂プレポリマー(初期縮合体)、フェノール
樹脂プレポリマー(初期縮合体)、ジアリルフタレートプレポリマー、アクリルオリゴマ
ー、多価イソシアナート、メタクリルエステルモノマー、ジアリルフタレートモノマー等
のプレポリマー、オリゴマー、モノマー等の合成樹脂前駆体が使用されてもよい。該熱硬
化性樹脂も取り扱いが容易な点から、水溶液、水性エマルジョン、水性ディスパージョン
の形のものを使用することが好ましいが、有機溶剤溶液の形のものを使用してもよい。
上記熱硬化性樹脂あるいは合成樹脂前駆体は二種以上混合使用されてもよい。
上記合成樹脂、特に熱硬化性樹脂の添加は、紙および多孔質シートの成形形状保持性と
剛性を共に向上せしめる。
フェノール系樹脂は、フェノール系化合物とホルムアルデヒドおよび/またはホルムアル
デヒド供与体とを縮合させることによって得られる。
上記フェノール系樹脂に使用されるフェノール系化合物としては、一価フェノールであ
ってもよいし、多価フェノールであってもよいし、一価フェノールと多価フェノールとの
混合物であってもよいが、一価フェノールのみを使用した場合、硬化時および硬化後にホ
ルムアルデヒドが放出され易いため、好ましくは多価フェノールまたは一価フェノールと
多価フェノールとの混合物を使用する。
上記一価フェノールとしては、フェノールや、o−クレゾール、m−クレゾール、p−
クレゾール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、キシレノール、3,5−キシ
レノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフ
ェノール、o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール、p−フルオロフェノール
、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフ
ェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、o−ヨードフェノール、m−
ヨードフェノール、p−ヨードフェノール、o−アミノフェノール、m−アミノフェノー
ル、p−アミノフェノール、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロ
フェノール、2,4−ジニトロフェノール、2,4,6−トリニトロフェノール等の一価
フェノール置換体、ナフトール等の多環式一価フェノールなどが挙げられ、これら一価フ
ェノールは単独でまたは二種以上混合して使用することが出来る。
上記多価フェノールとしては、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテ
コール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシ
ン、ビスフェノール、ジヒドロキシナフタリン等が挙げられ、これら多価フェノールは単
独でまたは二種以上混合して使用することができる。多価フェノールのうち好ましいもの
は、レゾルシンまたはアルキルレゾルシンであり、特に好ましいものはレゾルシンよりも
アルデヒドとの反応速度が速いアルキルレゾルシンである。
5−プロピルレゾルシン、5−n−ブチルレゾルシン、4,5−ジメチルレゾルシン、2
,5−ジメチルレゾルシン、4,5−ジエチルレゾルシン、2,5−ジエチルレゾルシン
、4,5−ジプロピルレゾルシン、2,5−ジプロピルレゾルシン、4−メチル−5−エ
チルレゾルシン、2−メチル−5−エチルレゾルシン、2−メチル−5−プロピルレゾル
シン、2,4,5−トリメチルレゾルシン、2,4,5−トリエチルレゾルシン等がある
。エストニア産オイルシェールの乾留によって得られる多価フェノール混合物は安価であ
り、かつ5−メチルレゾルシンのほか反応性の高い各種アルキルレゾルシンを多量に含む
ので、本発明において特に好ましい多価フェノール原料である。
なお上記多価フェノールのうち、レゾルシンおよびアルキルレゾルシン等のレゾルシノ
ール系化合物の一種または二種以上の混合物(エストニア産オイルシェールの乾留によっ
て得られる多価フェノール混合物を含む)と、アルデヒド及び/又はアルデヒド供与体か
らなるレゾルシノール系樹脂は、本発明のフェノール系樹脂として使用されることが望ま
しい。
本発明では上記フェノール系化合物とホルムアルデヒドおよび/またはホルムアルデヒ
ド供与体が縮合せしめられるが、上記ホルムアルデヒド供与体とは分解するとホルムアル
デヒドを生成供与する化合物またはそれらの二種以上の混合物を意味する。このようなア
ルデヒド供与体としては例えばパラホルムアルデヒド、トリオキサン、ヘキサメチレンテ
トラミン、テトラオキシメチレン等が例示される。本発明ではホルムアルデヒドとホルム
アルデヒド供与体とを合わせて、以下ホルムアルデヒド類と云う。
上記フェノール系樹脂には二つの型があり、上記フェノール系化合物に対してホルムア
ルデヒド類を過剰にしてアルカリ触媒で反応することによって得られるレゾールと、ホル
ムアルデヒド類に対してフェノールを過剰にして酸触媒で反応することによって得られる
ノボラックとがあり、レゾールはフェノールとホルムアルデヒドが付加した種々のフェノ
ールアルコールの混合物からなり、通常水溶液で提供され、ノボラックはフェノールアル
コールに更にフェノールが縮合したジヒドロキシジフェニルメタン系の種々な誘導体から
なり、通常粉末で提供される。
本発明に使用されるフェノール系樹脂にあっては、まず上記フェノール系化合物とホル
ムアルデヒド類とを縮合させて初期縮合物とし、該初期縮合物を繊維シートに付着させた
後、硬化触媒および/または加熱によって樹脂化する。
上記縮合物を製造するには、一価フェノールとホルムアルデヒド類とを縮合させて一価
フェノール単独初期縮合物としてもよいし、また一価フェノールと多価フェノールとの混
合物とホルムアルデヒド類とを縮合させて一価フェノール−多価フェノール初期共縮合物
としてもよい。上記初期縮合物を製造するには、一価フェノールと多価フェノールのどち
らか一方または両方をあらかじめ初期縮合物としておいてもよい。
合物である。上記フェノール−アルキルレゾルシン共縮合物は、該共縮合物(初期共縮合
物)の水溶液の安定が良く、かつフェノールのみからなる縮合物(初期縮合物)に比較し
て、常温で長期間保存することが出来るという利点がある。また該水溶液をシート基材に
含浸あるいは塗布させ、プレキュアして得られる繊維シートの安定性が良く、該繊維シー
トを長期間保存しても成形性を喪失しない。また更にアルキルレゾルシンはホルムアルデ
ヒド類との反応性が高く、遊離アルデヒドを捕捉して反応するので、樹脂中の遊離アルデ
ヒド量が少なくなる等の利点も有する。
上記フェノール−アルキルレゾルシン共縮合物の望ましい製造方法は、まずフェノール
とホルムアルデヒド類とを反応させてフェノール系樹脂初期縮合物を製造し、次いで該フ
ェノール系樹脂初期縮合物にアルキルレゾルシンを添加し、所望なればホルムアルデヒド
類を添加して反応せしめる方法である。
との縮合では、通常一価フェノール1モルに対し、ホルムアルデヒド類0.2〜3モル、
多価フェノール1モルに対し、ホルムアルデヒド類0.1〜0.8モルと、必要に応じて
溶剤、第三成分とを添加し、液温55〜100℃で8〜20時間加熱反応させる。このと
きホルムアルデヒド類は、反応開始時に全量加えてもよいし、分割添加または連続滴下し
てもよい。
ン、チオメラミン、ジシアンジアミン、グアニジン、グアナミン、アセトグアナミン、ベ
ンゾグアナミン、2,6ジアミノ−1,3−ジアミンのアミノ系樹脂単量体および/また
は該アミノ系樹脂単量体からなる初期縮合体を添加してフェノール系化合物および/また
は初期縮合物と共縮合せしめてもよい。
に、例えば塩酸、硫酸、オルト燐酸、ホウ酸、蓚酸、蟻酸、酢酸、酪酸、ベンゼンスルホ
ン酸、フェノールスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタリン−α−スルホン酸、
ナフタリン−β−スルホン酸等の無機または有機酸、蓚酸ジメチルエステル等の有機酸の
エステル類、マレイン酸無水物、フタル酸無水物等の酸無水物、塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウム、硝酸アンモニウム、蓚酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、燐酸アンモニ
ウム、チオシアン酸アンモニウム、イミドスルホン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、
モノクロル酢酸またはそのナトリウム塩、α,α’−ジクロロヒドリン等の有機ハロゲン
化物、トリエタノールアミン塩酸塩、塩酸アニリン等のアミン類の塩酸塩、サルチル酸尿
素アダクト、ステアリン酸尿素アダクト、ヘプタン酸尿素アダクト等の尿素アダクト、N
−トリメチルタウリン、塩化亜鉛、塩化第2鉄等の酸性物質、アンモニア、アミン類、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属
やアルカリ土類金属の水酸化物、石灰等のアルカリ土類金属の酸化物、炭酸ナトリウム、
亜硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、燐酸ナトリウム等のアルカリ金属の弱酸塩類等のア
ルカリ性物質を触媒またはpH調整剤として混合してもよい。
ムアルデヒド類あるいはアルキロール化トリアゾン誘導体等の硬化剤を添加混合しても良
い。
上記アルキロール化トリアゾン誘導体は尿素系化合物と、アミン類と、ホルムアルデヒ
ド類との反応によって得られる。アルキロール化トリアゾン誘導体の製造に使用される上
記尿素系化合物として、尿素、チオ尿素、メチル尿素等のアルキル尿素、メチルチオ尿素
等のアルキルチオ尿素、フェニル尿素、ナフチル尿素、ハロゲン化フェニル尿素、ニトロ
化アルキル尿素等の単独または二種以上の混合物が例示される。特に望ましい尿素系化合
物は尿素またはチオ尿素である。またアミン類としてメチルアミン、エチルアミン、プロ
ピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン等の脂肪族アミン、ベン
ジルアミン、フルフリルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンテトラミン等のアミン類のほか更にアンモニアが例示され、こ
れらは単独でまたは二種以上の混合物として使用される。上記アルキロール化トリアゾン
誘導体の製造に使用されるホルムアルデヒド類はフェノール系樹脂の初期縮合物の製造に
使用されるホルムアルデヒド類と同様なものである。
上記アルキロール化トリアゾン誘導体の合成には、通常、尿素系化合物1モルに対して
アミン類および/またはアンモニアは0.1〜1.2モル、ホルムアルデヒド類は1.5
〜4.0モルの割合で反応させる。上記反応の際、これらの添加順序は任意であるが、好
ましい反応方法としては、まずホルムアルデヒド類の所要量を反応器に投入し、通常60
℃以下の温度に保ちながらアミン類および/またはアンモニアの所要量を徐々に添加し、
更に所要量の尿素系化合物を添加し、80〜90℃で2〜3時間攪拌加熱して反応せしめ
る方法がある。ホルムアルデヒド類としては通常37%ホルマリンが用いられるが、反応
生成物の濃度をあげるためにその一部をパラホルムアルデヒドに置き換えても良い。また
ヘキサメチレンテトラミンを用いると、より高い固形分の反応生成物が得られる。尿素系
化合物と、アミン類および/またはアンモニアと、ホルムアルデヒド類との反応は通常水
溶液で行われるが、水の一部または全部に代えてメタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類の
単独または二種以上の混合物が使用されても差し支えないし、またアセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類等の水可溶性有機溶剤の単独または二種以上の混合物が添加使用出
来る。上記硬化剤の添加量はホルムアルデヒド類の場合は本発明のフェノール系樹脂の初
期縮合物(初期共縮合物)100質量部に対して10〜100質量部、アルキロール化ト
リアゾン誘導体の場合は上記フェノール系樹脂の初期縮合物(初期共縮合物)100質量
部に対して10〜500質量部である。
水溶性フェノール系樹脂の安定性を改良するために、上記フェノール系樹脂をスルホメ
チル化および/またはスルフィメチル化することが望ましい。
水溶性フェノール系樹脂の安定性を改良するために使用できるスルホメチル化剤として
は、例えば、亜硫酸、重亜硫酸またはメタ重亜硫酸と、アルカリ金属またはトリメチルア
ミンやベンジルトリメチルアンモニウム等の第四級アミンもしくは第四級アンモニウムと
を反応させて得られる水溶性亜硫酸塩や、これらの水溶性亜硫酸塩とアルデヒドとの反応
によって得られるアルデヒド付加物が例示される。
該アルデヒド付加物とは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、クロラール、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデ
ヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、フェ
ニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒドと、上
記水溶性亜硫酸塩とが付加反応したものであり、例えばホルムアルデヒドと亜硫酸塩から
なるアルデヒド付加物は、ヒドロキシメタンスルホン酸塩である。
水溶性フェノール系樹脂の安定性を改良するために使用できるスルフィメチル化剤とし
ては、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート(ロンガリット)、ベンズアルデヒ
ドナトリウムスルホキシラート等の脂肪族、芳香族アルデヒドのアルカリ金属スルホキシ
ラート類、ナトリウムハイドロサルファイト、マグネシウムハイドロサルファイト等のア
ルカリ金属、アルカリ土類金属のハイドロサルファイト(亜ジチオン酸塩)類、ヒドロキ
シメタンスルフィン酸塩等のヒドロキシアルカンスルフィン酸塩等が例示される。
る場合、該初期縮合物に任意の段階でスルホメチル化剤および/またはスルフィメチル化
剤を添加して、フェノール系化合物および/または初期縮合物をスルホメチル化および/
またはスルフィメチル化する。
スルホメチル化剤および/またはスルフィメチル化剤の添加は、縮合反応前、反応中、
反応後のいずれの段階で行ってもよい。
物1モルに対して、通常0.001〜1.5モルである。0.001モル以下の場合はフ
ェノール系樹脂の親水性が充分でなく、1.5モル以上の場合はフェノール系樹脂の耐水
性が悪くなる。製造される初期縮合物の硬化性、硬化後の樹脂の物性等の性能を良好に保
持するためには、0.01〜0.8モル程度とするのが好ましい。
ルホメチル化剤および/またはスルフィメチル化剤は、該初期縮合物のメチロール基およ
び/または該初期縮合物の芳香環と反応して、該初期縮合物にスルホメチル基および/ま
たはスルフィメチル基が導入される。
の初期縮合物の水溶液は、酸性(pH1.0)〜アルカリ性の広い範囲で安定であり、酸
性、中性およびアルカリ性のいずれの領域でも硬化することが出来る。特に、酸性側で硬
化させると、残存メチロール基が減少し、硬化物が分解してホルムアルデヒドを発生する
おそれがなくなる。
また、上記紙および/または多孔質シートには、難燃剤が添加されてもよい。上記難燃
剤としては、例えば燐系難燃剤、窒素系難燃剤、硫黄系難燃剤、ホウ素系難燃剤、臭素系
難燃剤、グアニジン系難燃剤、燐酸塩系難燃剤、燐酸エステル系難燃剤、アミノ樹脂系難
燃剤、膨張黒鉛等がある。
本発明においては特に水に難溶または不溶の粉末状の固体難燃剤が使用されることが望
ましい。水に難溶または不溶の粉末状の固体難燃剤は吸音性表皮材及び吸音材に耐水性、
耐久性に優れた難燃性を付与する。特に本発明の繊維シートおよび通気性多孔質材料は粗
構造を有しているから、上記粉末状の固体難燃剤が内部にまで円滑に浸透して高度な難燃
性ないし不燃性を付与する。
素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維、石綿繊維等の鉱物繊維、アラミド繊
維(芳香族ポリアミド繊維)、羊毛(天然ウール)等の獣毛繊維などといった不燃・難燃
・防炎繊維を使用した場合、後述する難燃剤を使わずとも、吸音性表皮材、吸音材に不燃
・難燃・防炎性を付与することが可能となる。
マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チ
タン、酸化鉄、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、雲母、珪藻土、ドロマ
イト、石膏、タルク、クレー、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、
ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、ガラス粉、石粉、高炉ス
ラグ、フライアッシュ、セメント、ジルコニア粉等の無機充填材;天然ゴムまたはその誘
導体;スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレンゴム、イソプレン−イソブチレンゴム等の合
成ゴム;ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、澱粉、澱粉誘導体、ニカワ、ゼ
ラチン、血粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子や天然ガム類;木粉、
クルミ粉、ヤシガラ粉、小麦粉、米粉等の有機充填材;ステアリン酸、パルミチン酸等の
高級脂肪酸、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ブチリ
ルステアレート、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸のエステル類;脂肪酸アミド類
;カルナバワックス等の天然ワックス類、合成ワックス類;パラフィン類、パラフィン油
、シリコンオイル、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、グリス等の離型
剤;アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビ
ス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビス−2,2’−(2−メチルグロピオニト
リル)等の有機発泡剤;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム等の無
機発泡剤;シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、発泡ガラス、中空セラミック
ス等の中空粒体;発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン等のプラス
チック発泡体や発泡粒;顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶化促進剤、燐系化合
物、窒素系化合物、硫黄系化合物、ホウ素系化合物、臭素系化合物、グアニジン系化合物
、燐酸塩系化合物、燐酸エステル系化合物、アミノ系樹脂等の難燃剤、難燃剤、防炎剤、
撥水剤、撥油剤、防虫剤、防腐剤、ワックス類、界面活性剤、滑剤、老化防止剤、紫外線
吸収剤;DBP、DOP、ジシクロヘキシルフタレートのようなフタル酸エステル系可塑
剤やその他のトリクレジルホスフェート等の可塑剤等を添加、混合してもよい。
シリコン系樹脂等がある。
上記樹脂を含浸または塗布した多孔質シート中の樹脂量を調節するには、樹脂を含浸または塗布後、該多孔質シートを絞りロールやプレス盤を使用して絞る。この場合、該多孔質シートはその厚みを減少させるが、該多孔質シートが繊維シートの場合には該繊維シートが低融点繊維からなるか、あるいは低融点繊維が含まれている場合には、上記樹脂含浸前に該繊維シートを加熱して低融点繊維を溶融させ、繊維を該溶融物によって結着しておくことが望ましい。そうすると該繊維シートは強度および剛性が更に向上し、樹脂含浸の際の作業性が向上し、また絞り後の厚みの復元も顕著になる。
上記繊維シートに上記樹脂を含浸または塗布した後は、上記繊維シートを常温または加
熱して乾燥させる。
本発明の吸音材料(1)を製造する一般的な方法は、図3C、D、Eに示すように上記多孔質シート(2)を2枚の単位多孔質シート(2A1)、(2A2)に分割し、該単位多孔質シート(2A1)、(2A2)間に紙(3)を内挿する方法である。この際、上記吸音材料(1)の騒音入射表面側の単位多孔質シート(2A1)の厚みを吸音材料(1)全体の厚みの6/10〜9/10に設定する。
とする場合、通常の溶液型や水性エマルジョン型の接着剤、粉末状、くもの巣状、溶液型
、あるいは水性エマルジョン型のホットメルト接着剤等が使用される。粉末状、くもの巣
状のホットメルト接着剤の場合には通気性接着剤層となるため通気性を確保でき、積層材
の通気性を阻害しない。
溶液型あるいは水性エマルジョン型の接着剤の場合にはスプレー塗装あるいはシルク印
刷塗装、オフセット印刷塗装等によって点状に接着剤を塗布し、積層材の通気性を確保す
ることが望ましい。
なお、上記吸音材料(1)の通気抵抗は0.1〜5.0kPa・S/mの範囲に設定す
ることが望ましい。該通気抵抗が5.0kPa・s/mを超えると、吸音特性および成形
性が低下する。
のみ限定されるものではない。
<紙3A>
木材パルプ80質量%、非木材パルプ20質量%からなる原料パルプをディスクリファ
イナーによりJIS P 8121−1995 5.ショッパーろ水度試験方法に規定さ
れるショッパーろ水度が26°SRで叩解し抄紙後、通常のヤンキードライヤー方式によ
り目付量20g/m2、クレープ率が28%、通気抵抗0.623kPa・s/mのクレ
ープ加工紙である紙(3A)を得た。
木材パルプ80質量%、非木材パルプ20質量%からなる原料パルプをディスクリファ
イナーによりJIS P 8121−1995 5.ショッパーろ水度試験方法に規定さ
れるショッパーろ水度が10°SRで叩解し抄紙後、通常のヤンキードライヤー方式によ
り目付量20g/m2、クレープ率が28%、通気抵抗0.031kPa・s/mのクレ
ープ加工紙を得た。次に該クレープ加工紙の表面にアクリル酸エステル樹脂エマルジョン
をスプレー方式により固形分として50g/m2で塗布し乾燥させ通気抵抗0.630k
Pa・s/mの紙(3B)を得た。
木材パルプ80質量%、非木材パルプ20質量%からなる原料パルプをディスクリファ
イナーによりJIS P 8121−1995 5.ショッパーろ水度試験方法に規定さ
れるショッパーろ水度が35°SRで叩解し抄紙後、通常のヤンキードライヤー方式によ
り目付量20g/m2、クレープ率が28%、通気抵抗3.34kPa・s/mのクレー
プ加工紙である紙(3C)を得た。
ポリエステル繊維(繊度:15dtex)70質量%および低融点ポリエステル繊維(
繊度:4.4dtex、融点:120℃)30質量%からなる目付量300g/m2の繊
維ウェブを多孔質シート(2A)とした。
実施例1の紙(3A)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3A)と上記多孔質シート(2A1)、(2A2)との間に介在せしめ、
150℃で1分間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3A)と上記多孔質シート
(2A1)、(2A2)とを接着しかつ板状に成形して図3Dの配置構成を有し厚さ20
mmの成形吸音材料No.1を得た。図中4は騒音源である。
実施例1の紙(3A)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3A)と上記多孔質シート(2A1)、(2A2)との間に介在せしめ、
150℃で1分間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3A)と上記多孔質シート
(2A1)、(2A2)とを接着しかつ板状に成形して図3Eの配置構成を有し厚さ20
mmの成形吸音材料No.2を得た。
実施例1の多孔質シート(2A)のみを用い150℃で1分間加熱した後、冷却プレス
成形機にて板状に成形して図3Aの配置構成で厚さ20mmの成形吸音材料No.11を
得た。
実施例1の紙(3A)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3A)と上記多孔質シート(2A)との間に介在せしめ、150℃で1分
間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙3Aと上記多孔質シート2Aとを接着しかつ
板状に成形して図3Bの配置構成を有し厚さ20mmの成形吸音材料No.12を得た。
実施例1の紙(3A)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3A)と上記多孔質シート(2A1)、(2A2)との間に介在せしめ、
150℃で1分間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3A)と上記多孔質シート
(2A1)、(2A2)とを接着しかつ板状に成形して図3Cの配置構成を有し厚さ20
mmの成形吸音材料No.13を得た。
実施例1の紙(3B)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3B)と上記多孔質シート(2A)との間に介在せしめ、150℃で1分
間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3B)と上記多孔質シート(2A)とを接
着しかつ板状に成形して図3B´の配置構成を有し厚さ20mmの比較用成形吸音材料No.2
2を得た。
実施例1の紙(3B)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3B)と上記多孔質シート(2A1)、(2A2)との間に介在せしめ、
150℃で1分間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3B)と上記多孔質シート
(2A1)、(2A2)とを接着しかつ板状に成形して図3C´の配置構成を有し厚さ2
0mmの比較用成形吸音材料No.23を得た。
実施例1の紙(3B)と多孔質シート2Aとを用い、通気性接着剤として目付量10g
/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接着剤
を上記紙(3B)と上記多孔質シート(2A1)、(2A2)との間に介在せしめ、15
0℃で1分間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3B)と上記多孔質シート(2
A1)、(2A2)とを接着しかつ板状に成形して図3D´の配置構成を有し厚さ20m
mの比較用成形吸音材料No.24を得た。
実施例1の紙(3B)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3B)と上記多孔質シート(2A1)、(2A2)との間に介在せしめ、
150℃で1分間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3B)と上記多孔質シート
(2A1)、(2A2)とを接着しかつ板状に成形して図3E´の配置構成を有し厚さ2
0mmの比較用成形吸音材料No.25を得た。
ポリプロピレンマイクロファイバー繊維(平均直径2μm)65質量%、およびポリエ
ステル繊維(繊度:2.2dtex)35質量%からなる目付量400g/m2のウェブ
シートからなる極細繊維主体の厚さ20mmの多孔質シート(2B)のみからなる比較用成形吸音材料No.21を製造した(図3A´の配置構成)。
実施例1の紙(3A)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3A)と上記多孔質シート(2A)との間に介在せしめ、150℃で1分
間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3A)と上記多孔質シート(2A)とを接
着しかつ板状に成形して図3Fの配置構成を有し厚さ20mmの比較用成形吸音材料No.16を得た。
実施例1の紙(3B)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3B)と上記多孔質シート2Aとの間に介在せしめ、150℃で1分間加
熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3B)と上記多孔質シート(2A)とを接着し
かつ板状に成形して図3F´の配置構成を有し厚さ20mmの比較用成形吸音材料No.26を得た。
実施例1の紙(3C)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3C)と上記多孔質シート(2A)との間に介在せしめ、150℃で1分
間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3C)と上記多孔質シート(2A)とを接
着しかつ板状に成形して図3B´´の配置構成を有し厚さ20mmの比較用成形吸音材料No.32を得た。
実施例1の紙(3C)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3C)と上記多孔質シート(2A1)、(2A2)との間に介在せしめ、
150℃で1分間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3C)と上記多孔質シート
(2A1)、(2A2)とを接着しかつ板状に成形して図3C´´の配置構成を有し厚さ
20mmの比較用成形吸音材料No.33を得た。
実施例1の紙(3C)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3C)と上記多孔質シート(2A1)、(2A2)との間に介在せしめ、
150℃で1分間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3C)と上記多孔質シート
(2A1)、(2A2)とを接着しかつ板状に成形して図3D´´の配置構成を有し厚さ
20mmの比較用成形吸音材料No.34を得た。
実施例1の紙(3C)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3C)と上記多孔質シート(2A1)、(2A2)との間に介在せしめ、
150℃で1分間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3C)と上記多孔質シート
(2A1)、(2A2)とを接着しかつ板状に成形して図3E´´の配置構成を有し厚さ
20mmの比較用成形吸音材料No.35を得た。
実施例1の紙(3C)と多孔質シート(2A)とを用い、通気性接着剤として目付量1
0g/m2の共重合ポリアミド(融点:130℃)からなる蜘蛛の巣状のホットメルト接
着剤を上記紙(3C)と上記多孔質シート(2A)との間に介在せしめ、150℃で1分
間加熱した後、冷却プレス成形機にて上記紙(3C)と上記多孔質シート(2A)とを接
着しかつ板状に成形して図3F´´の配置構成を有し厚さ20mmの比較用成形吸音材料No.36を得た。
C、D、E、F、A´、B´、C´、D´、E´、F´、A´´、B´´、C´´、D´
´、E´´、F´´に各実施例および比較例における成形吸音材料の配置構成の説明図を
示す。
A´´、B´´、C´´、D´´、E´´、F´´に示す吸音材料の各々についての通気
抵抗と垂直入射吸音率による吸音率の測定結果を表2に示す。なお、垂直入射吸音率の測
定は図3に示すような配置で行った。またNo.1、No.2を図4に、No.11、N
o.12、No.13を図5に、No.22、No.23、No.32、No.33を図
6に、No.24、No.25、No.21を図7に、No.16、No.26、No.
34、No.35、No.36を図8に、それぞれ周波数に対する吸音率としてグラフで
示す。
成形吸音材料No.1、No.2および比較成形吸音材料No.12、No.13より
、同じ紙および多孔質シートを材料とする吸音材料を用いても、紙を内挿する位置により
成形物の通気抵抗が同程度であっても比較成形吸音材料No.12、No.13は周波数
が3000Hz以上になると吸音率が低下する。
No.11では、成形物自体の通気抵抗が低いため吸音率は極端に悪い。
No.22、No.23、No.24、No.25については、吸音材料製造時におけ
る叩解度が15°SR以下のパルプ繊維を用いた紙に、樹脂を塗布することによって紙3
Aと同程度の通気抵抗となるように調整した紙3Bを使用した比較成形吸音材料であるが
、No.24、No.25の方がNo.22、No.23よりは良好な吸音率を示すもの
の、本発明の実施例であるNo.1、No.2と比較するとやはり3000〜4000H
z以上の周波数帯で吸音率の低下が見られる。
No.16、No,26は、全体としての通気抵抗は良好であるが、いくら適度な通気
抵抗としても、紙層が音源からの距離として9/10を超える位置(10/10、つまり
多孔質シートの音源側とは反対の面)にきては、吸音性能は向上しないことが判る。また
、No.36も同様であることが判る。
また、No.32、No.33、No.34、No.35は叩解度が30°SR以上で
、通気抵抗も大きく(5.0kPa・s/m以上)、1500Hz以上では吸音性能が低
下することが判る。
No.21の極細繊維からなる多孔質シート(2B)のみからなる比較成形吸音材料は
通気抵抗も適度であり概ね吸音率は良好であるが本発明の実施例と比較すると減衰的な吸
音性能は劣る。これは、本発明の紙に使用されるパルプ繊維がJIS P 8121−1
995 5.ショッパーろ水度試験方法に規定されるショッパーろ水度15°SR〜30
°SRになるように叩解されることによってパルプ表面に微細な多数の細孔を生じ、この
細孔によって本発明の吸音材料に適度な通気抵抗および良好な吸音性能が及ぼされると考
えられる。また、この紙を多孔質シートに配置する場合、音源側から6/10〜9/10
奥の位置に配置すると3000Hz以上でも吸音性能が低下しない。叩解度が15°SR
以下のパルプ繊維を用い、樹脂を塗布することで通気抵抗を調整した紙を使用しても吸音
性能が良くならないのは、パルプ叩解時の叩解度による影響が大きいためと思われる。
ポリエステル繊維(繊度:6.0dtex)70質量%および低融点ポリエステル繊維
(繊度:4.4dtex、融点:120℃)30質量%からなる目付量150g/m2の
繊維ウェブを加熱−冷却成形し、厚さ30mmの多孔質シート(2C)を得た。また、同
様にして目付量2000g/m2、厚さ90mmの多孔質シート(2D)を得た。
また別に、木材パルプからなる原料パルプをディスクリファイナーによりJIS P
8121−1995 5.ショッパーろ水度試験方法に規定されるショッパーろ水度25
°SRで叩解して抄紙後、通常の方式によりクレープエンボス加工紙(目付量18g/m
2、クレープ率:25%、突起高さ:0.3mm、突起数:9個/cm2、通気抵抗:0
.307kPa・s/m)である紙(3D)を得た。
0mm)に重ね、上記紙(3D)を該多孔質シート(2C1)、(2C2)、(2C3)
間に内挿し、図9に示すような構成で吸音材料を製造し、通気抵抗および垂直入射吸音率
を測定した。結果を表3および図10に示す。なお、垂直入射吸音率測定時の音源4は図
9に示すようにして測定した。
定していることが判る。比較成形吸音材料No.37は比較的安定した吸音性能を持つが
実施例である成形吸音材料No.3と比較すると吸音性能は劣る。比較成形吸音材料No
.39、No.40は周波数800Hz以上で吸音率が上下に大きく変動する。比較成形
吸音材料No.38はNo.3と同程度の吸音性能であるが、成形物の質量がNo.3に
比べて非常に大きい成形物である。このことから、本発明の吸音材料は従来より軽量で、
吸音材料を多孔質シートと積層する位置を、音源側から見て全体の厚みの6/10〜9/
10の位置に配置すると中周波数以上での特定周波数だけに偏らず、中周波数〜高周波数
全体で安定して吸音性能が向上することが判る。
あるから、産業上利用可能である。
1a エンボス加工紙
2、2A、2B、2C、2D、2E、2F 多孔質シート
3、3A、3B、3C、3D、3E 紙
p 突起
h 突起高さ
Claims (8)
- 叩解度がJIS P 8121−1995 5.ショッパーろ水度試験方法に規定されるショッパーろ水度15°SR〜30°SRのパルプ繊維からなり、通気抵抗が0.05〜3.0kPa・s/mであり、合成樹脂が塗布または含浸または混合されていない紙が多孔質シートに内挿された吸音材料であって、上記紙は該吸音材料の騒音入射表面より該多孔質シートの厚さの6/10〜9/10奥側に内挿されていることを特徴とする吸音材料。
- 上記多孔質シートの厚みは10mm以上である請求項1に記載の吸音材料。
- 上記吸音材料の通気抵抗は0.1〜5.0kPa・s/mである請求項1または請求項2に記載の吸音材料。
- 上記紙はクレープ加工および/またはエンボス加工を施すことによって表面に多数の凹凸が形成されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の吸音材料。
- 上記多孔質シートには合成樹脂および/または合成樹脂前駆体が塗布および/または含浸および/または混合されていることによって通気抵抗が調節されている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の吸音材料。
- 上記多孔質シートは2枚の単位多孔質シートの複層物からなり、上記紙は上記単位多孔質シート間に挿入されている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の吸音材料。
- 上記紙と上記単位多孔質シートとは通気性接着層によって接着されている請求項6に記載の吸音材料。
- 上記吸音材料は所定形状に成形されている請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の吸音材料。
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