JP5327978B2 - フォンビルブラント因子切断酵素遺伝子解析による血栓性疾患関連の遺伝子変異検出方法 - Google Patents
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1.ヒトvWF−CP遺伝子内の第1786位の塩基がグアニンである1塩基変異を検出することを特徴とする、冠動脈疾患または脳卒中を引き起こす可能性を有する遺伝子変異の検出方法(ここで、第1786位の塩基の位置はGenBankアクセッション番号NM_139025に記載された該遺伝子のcDNA塩基配列(配列番号1)における位置として定義する。)、
2.ヒトvWF−CP遺伝子内の第1786位の塩基がグアニンである1塩基変異の検出を以下の工程を含む方法で行なうことを特徴とする、前記1.に記載の検出方法;
(i)配列番号11および配列番号12に記載のポリヌクレオチドをプライマーとして用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う工程、
(ii)前記(i)の工程で得られたPCR産物について、配列番号13および配列番号14に記載のポリヌクレオチドをプライマーとして用いてPCRを行なう工程、
および
(iii)前記(ii)の工程で得られたPCR産物の配列を、配列番号13および配列番号14に記載のポリヌクレオチドをプライマーとして用いてシーケンス法により決定する工程、
3.前記1.または2.に記載の検出方法を用いる冠動脈疾患または脳卒中の罹患可能性の検査方法、
4.冠動脈疾患または脳卒中を引き起こす可能性を有する遺伝子変異の検出用の対立遺伝子特異的な核酸プローブであって、ヒトvWF−CP遺伝子のゲノム塩基配列における第1786位の塩基がグアニンである1塩基変異を検出可能な17個ないし30個の塩基からなる対立遺伝子特異的な核酸プローブ:
(ここで、第1786位の塩基の位置はGenBankアクセッション番号NM_139025に記載された該遺伝子のcDNA塩基配列(配列番号1)における位置として定義する。)、
5.冠動脈疾患または脳卒中を引き起こす可能性を有するヒトvWF−CP遺伝子内の第1786位の塩基がグアニンである1塩基変異の検出用ポリヌクレオチドであって、配列表の配列番号11、配列番号12、配列番号13、および配列番号14のいずれか1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド(ここで、第1786位の塩基の位置はGenBankアクセッション番号NM_139025に記載された該遺伝子のcDNA塩基配列(配列番号1)における位置として定義する。)、
6.前記4.に記載の対立遺伝子特異的核酸プローブおよび前記5.に記載のポリヌクレオチドのうち少なくとも1つを含む試薬キット、
からなる。
このように本発明は、血栓性疾患、具体的にはTTP、HUS、CADあるいはStrokeなどの診断並びに当該疾患の防止および治療のための検査に有用である。
但し、本発明者らの知見では、日本人は、第2160位の塩基はGがドミナントであり、Aに変異することがTTPの発症に強く関連すると考えられる。また、第2724位の塩基は、日本人においてこの位置の塩基がTであるアレルが多く、Cに変異することがTTPの発症に強く関連すると考えられる。
また、実施例に記載した実験は、試料提供者である患者のインフォームドコンセントを得て行なったものである。
vWF切断酵素遺伝子の29エキソンについて、各エキソンの塩基配列における変異の検出をゲノムDNA試料を用いて行なった。ゲノムDNA試料は7例のTTP患者から供与を受けた。検出は、試料中のvWF切断酵素遺伝子のゲノムDNAから標的領域を増幅し、得られた増幅産物の塩基配列をダイレクトシーケンシング法を用いて決定することにより実施した。
PCR条件
1) 95℃ 1分間
2) 95℃ 30秒間
3) 48℃ 30秒間
4) 72℃ 2.5分間
2)から4)の工程は30サイクル行なった。
5) 72℃ 10分間
**:塩基の位置は、GenBankアクセッション番号NM_139025に記載されたヒトvWF切断酵素遺伝子のcDNA塩基配列(配列番号1)における位置として示す。
#:配列番号1に記載のcDNA塩基配列第2160位に相当する塩基はAである。但し、日本人ではこの位置の塩基はGがドミナントである。
##:配列番号1に記載のcDNA塩基配列第2724位に相当する塩基はCである。但し、日本人においてはこの位置の塩基がTであるアレルが多い。
エキソン3の第1PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号3
リバースプライマー; 配列番号4
エキソン3の第2PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号5
リバースプライマー; 配列番号6
エキソン12の第1PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号11
リバースプライマー; 配列番号12
エキソン12の第2PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号13
リバースプライマー; 配列番号14
エキソン13の第1PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号15
リバースプライマー; 配列番号16
エキソン13の第2PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号17
リバースプライマー; 配列番号18
エキソン15の第1PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号19
リバースプライマー; 配列番号20
エキソン15の第2PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号21
リバースプライマー; 配列番号22
エキソン19の第1PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号23
リバースプライマー; 配列番号24
エキソン19の第2PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号25
リバースプライマー; 配列番号26
エキソン20の第1PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号27
リバースプライマー; 配列番号28
エキソン20の第2PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号29
リバースプライマー; 配列番号30
エキソン21の第1PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号31
リバースプライマー; 配列番号32
エキソン21の第2PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号33
リバースプライマー; 配列番号34
PCR条件
1) 94℃ 4分間
2) 94℃ 30秒間
3) 64℃ 30秒間
4) 72℃ 1分間
2)から4)の工程は40サイクル行なった。
5) 72℃ 3分間
エキソン7のPCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号7
リバースプライマー; 配列番号8
エキソン7のシーケンス用プライマー
フォワードプライマー;配列番号9
リバースプライマー; 配列番号10
第1PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号3
リバースプライマー ;配列番号35
PCR条件
1) 98℃ 5分間
2) 98℃ 1分間
3) 50℃ 1分間
4) 72℃ 1分間
2)から4)の工程は30サイクル行なった。
5) 72℃ 5分間
第2PCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号5
リバースプライマー ;配列番号36
フォワードプライマー;配列番号37
リバースプライマー ;配列番号38
プライマーセット2
フォワードプライマー;配列番号37
リバースプライマー ;配列番号39
PCR条件
1) 94℃ 4分間
2) 94℃ 30秒間
3) 60℃ 30秒間
4) 72℃ 1分間
2)から4)の工程は40サイクル行なった。
5) 72℃ 3分間
#:配列番号1に記載のcDNA塩基配列第2160位に相当する塩基はAである。但し、日本人ではこの位置の塩基はGがドミナントである。
##:配列番号1に記載のcDNA塩基配列第2724位に相当する塩基はCである。但し、日本人においてはこの位置の塩基がTであるアレルが多い。
エキソン9のプライマー
フォワードプライマー;配列番号42
リバースプライマー; 配列番号43
エキソン12のプライマー
フォワードプライマー;配列番号11
リバースプライマー; 配列番号12
エキソン15のPCRプライマー
フォワードプライマー;配列番号19
リバースプライマー; 配列番号20
エキソン16のプライマー
フォワードプライマー;配列番号44
リバースプライマー; 配列番号45
エキソン19のプライマー
フォワードプライマー;配列番号23
リバースプライマー; 配列番号24
配列番号4:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン3の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号5:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン3の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号6:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン3の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号7:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン7の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号8:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン7の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号9:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン7の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号10:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン7の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号11:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン12の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号12:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン12の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号13:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン12の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号14:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン12の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号15:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン13の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号16:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン13の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号17:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン13の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号18:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン13の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号19:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン15の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号20:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン15の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号21:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン15の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号22:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン15の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号23:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン19の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号24:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン19の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号25:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン19の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号26:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン19の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号27:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン20の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号28:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン20の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号29:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン20の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号30:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン20の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号31:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン21の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号32:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン21の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号33:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン21の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号34:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン21の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号35:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン4の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号36:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン4の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号37:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン3の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号38:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン3の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号39:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン4の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号40:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のイントロン3由来の塩基配列。
配列番号41:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のイントロン3由来の塩基配列。
配列番号42:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン9の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号43:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン9の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号44:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン16の上流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
配列番号45:vWF切断酵素遺伝子のゲノムDNA(GenBankアクセッション番号NT_035014.3に記載)のエキソン16の下流の塩基配列に基づいて設計したポリヌクレオチド。
Claims (3)
- ヒトのフォンビルブラント因子切断酵素遺伝子(以下、vWF−CP遺伝子と略称する)内の塩基であって、配列表の配列番号1に記載のcDNAにおける位置として第1786位の塩基であると定義される塩基がグアニンである1塩基変異を検出することを特徴とする、冠動脈疾患または脳卒中を引き起こす可能性を有する遺伝子変異の検出方法。
- ヒトvWF−CP遺伝子内の塩基であって、配列表の配列番号1に記載のcDNAにおける位置として第1786位の塩基であると定義される塩基がグアニンである1塩基変異の検出を以下の工程を含む方法で行なうことを特徴とする、請求項1に記載の検出方法;
(i)配列番号11および配列番号12に記載のポリヌクレオチドをプライマーとして用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う工程、
(ii)前記(i)の工程で得られたPCR産物について、配列番号13および配列番号14に記載のポリヌクレオチドをプライマーとして用いてPCRを行なう工程、
および
(iii)前記(ii)の工程で得られたPCR産物の配列を、配列番号13および配列番号14に記載のポリヌクレオチドをプライマーとして用いてシーケンス法により決定する工程。 - 請求項1または2に記載の検出方法を用いて、被検試料中のヒトvWF−CP遺伝子内の塩基であって、配列表の配列番号1に記載のcDNAにおける位置として第1786位の塩基であると定義される塩基を決定し、当該位置における塩基がグアニンであるときに、冠動脈疾患または脳卒中を罹患する可能性があると判定する、冠動脈疾患または脳卒中の罹患可能性の検査方法。
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