JP5326166B2 - 青果物の鮮度評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、青果物の鮮度を定量的に評価する技術に関し、特に青果物中の脂質過酸化物とリン脂質と糖脂質の含量を計測し、その計測結果を用いて青果物の鮮度を正確に評価する技術に関する。
青果物の中には、品質の劣化が早く、長期の保存が困難なものが多い。そこで消費者は、青果物を購入する際に、できるだけ鮮度の高いもの、即ち収穫時の品質ができるかぎり維持されているものを選ぼうとする傾向がある。このため青果物の流通や販売に携わる者から、取り扱っている青果物の鮮度を定量的に評価し、評価結果を消費者にわかりやすく提示したいという要望があった。
従来は、青果物の鮮度を評価する方法として、評価者が外観、触感(テクスチャー)、香り等の項目を評価する官能試験が広く行われてきた。しかし官能評価は、評価者の主観が入る恐れがあり、また官能評価の基準そのものが経験に基づいた大まかなものである場合があった。又、青果物は比較的鮮度の高い時期において、外観、テクスチャー、香りに明らかな変化を呈さず、劣化の兆候が現れるまでの猶予期間がある品種がある。このような青果物についてその猶予期間内に官能評価を行った場合、一見同じような鮮度であると評価された場合であっても、鮮度が異なる場合がある。このため、より客観的で定量的であって、且つ官能評価ではその変化が認めにくい期間内であってもその鮮度の違いを評価できる青果物の鮮度評価方法が求められてきた。
青果物の鮮度を定量的に評価するための一つの方法として、青果物に含まれるビタミンCの量の変動を計測する方法が知られている。青果物は、収穫後の時間経過と貯蔵環境温度とに対応して、ビタミンCの含量が低下する。そこで、ビタミンCの含量の変動を計測することによって、鮮度を推定することが可能である。しかしながら、今回改めて検討を行った結果、図18に示すように、青果物はその品種や作型等によって、収穫直後のビタミンCの初発含量及びその後の含量が大きく異なることが確認された。例えば、1月に収穫されたほうれん草の場合、ビタミンCの初発含量の平均値は乾燥ほうれん草1g当たり12mgである。これに対して、10月に収穫されたほうれん草のビタミンCの初発含量の平均値は、乾燥ほうれん草1g当たり8.5mgであり、1月に収穫されたほうれん草の初発含量との間に大きな隔たりがあることが明らかとなった。又、収穫後の貯蔵環境温度が10℃で5日間経過した場合、即ち積算温度にして50℃・日の温度条件に遭遇した場合、1月に収穫されたほうれん草には、乾燥ほうれん草1g当たり平均7.7gのビタミンCが含まれているのに対して、10月に収穫されたほうれん草は、乾燥ほうれん草1g当たり平均6mgのビタミンCしか含有されていない。このように、収穫時期の異なるほうれん草は、同じ条件で保存された場合であっても、よってビタミンCの含量が大きく異なることが明らかとなった。
このようなビタミンCの含量のばらつきを考慮した上で青果物の鮮度をビタミンCの含量によって評価する方法の1つに、予め収穫時の青果物に含まれるビタミンCの初発値を計測し、鮮度検査を実施する時点で更に追加の含量の計測を行って、初発値に対する比率としてその変動量を算出して評価する方法がある。図19に示すように、収穫時の初発値に対する相対ビタミンC含量は、その品種や作型に拘わらず時間の経過と高い相関を保って減少していることが明らかであり、この方法によって、青果物の鮮度は推定できると考えられる。しかしながら、流通や小売の現場で青果物の鮮度を評価したい場合に、その青果物が収穫された時のビタミンCの初発値を入手することは非常に難しい。以上のことから、流通や小売の現場で、ビタミンCの含量の変動を指標として鮮度を評価することは、困難であると言わざるを得ない。
非特許文献1には、青果物の鮮度劣化と青果物の呼吸量との間に正の相関関係があることが開示されている。青果物は収穫した後も呼吸を行っており、呼吸によって水分が蒸散すると共に、糖・酸、ビタミンなどの成分を消耗して、鮮度が落ちていく。非特許文献1が開示する知見に基づけば、収穫後から継続して青果物の呼吸量を計測し、回帰分析を行うことで青果物の鮮度を評価することが可能となる。しかしながら、流通と小売の現場で継続的に青果物の呼吸量を計測することは、特別な装置の配置が必要であると同時にコスト面の問題があり、呼吸量による鮮度の評価方法はほとんど行われていないのが現状である。
又、非特許文献1には、青果物の呼吸量が貯蔵環境温度と正の相関を有することが開示されている。この知見に基づけば、収穫後の青果物が流通段階と小売段階で遭遇した貯蔵環境温度を積算し、この積算値を回帰分析することによって、青果物の鮮度を評価できると考えられる。しかしこの評価方法は、青果物が遭遇する貯蔵環境温度を常に記録して積算する装置が必要となるために、呼吸量による鮮度の評価方法と同様に、ほとんど実施されていないのが現状である。
「青果物流通技術の基礎知識」、(株)流通システム研究センター、2007年、p.45
従来、流通と小売の現場で行われている青果物の鮮度評価方法は、評価者の官能評価による方法が主であって、客観的で定量的な判断が困難であり、且つ比較的鮮度が高い状態では高精度に鮮度の違いを評価することが困難であるという問題点があった。又、青果物のビタミンCの含量から青果物の鮮度を定量的に評価する方法は、収穫時と鮮度計測時の少なくとも2回ビタミンCの含量の計測を行う必要があるために、流通と小売の現場でこの評価方法を実施する事は困難であった。同様に、青果物の呼吸量や青果物が遭遇した温度の積算値を用いて鮮度を評価する方法は、呼吸量や遭遇した温度の積算値を継続して簡易に計測することが困難であるという問題点があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、単回の計測によって青果物の鮮度を精度高く評価する方法を提供することを目的としてなされたものである。
更に本発明は、単回の計測によって青果物の鮮度を精度高く評価する装置を提供することを目的としてなされたものである。
本発明は、青果物の鮮度評価方法に関する。本発明の鮮度評価方法は、青果物に含まれる脂質過酸化物当量と、リン脂質当量と、糖脂質当量とを計測する計測工程と、前記計測工程で計測した脂質過酸化物当量と、リン脂質当量と、糖脂質当量とから、青果物が収穫時から鮮度評価時までに遭遇した積算温度と高い相関を有する鮮度値を算出する算出工程と、この鮮度値に基づいて青果物の鮮度を判定する判定工程とを含むことを特徴とする。
発明者は、青果物が収穫直後から鮮度評価時までに遭遇した環境温度を積算した積算温度の値が、青果物の鮮度の官能評価値と高い相関を有することを確認した。更に鋭意検討した結果、青果物の鮮度が低下して細胞質脂質が過酸化された場合には、青果物中の脂質過酸化物が増加すると同時に、リン脂質と、糖脂質の含量が減少することを確認した。そして、青果物に含まれる脂質過酸化物当量と、リン脂質当量と、糖脂質当量とを計測して、これら3種類の成分値から鮮度値を算出した結果、この鮮度値が積算温度と高い相関を有していることを見出し、更に鮮度値によって青果物の鮮度が定量的に判定可能であることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明の鮮度判定方法における青果物の鮮度値は、式: 鮮度値= 脂質過酸化物当量 / (リン脂質当量 + 糖脂質当量 +脂質過酸化物当量)によって算出されることを特徴としている。
又、本発明は、青果物の鮮度判定装置に関する。本発明の青果物の鮮度判定装置は、青果物に含まれる脂質過酸化物当量と、リン脂質当量と、糖脂質当量とを計測する計測手段と、この計測手段によって計測された脂質過酸化物当量と、リン脂質当量と、糖脂質当量とから、青果物が収穫時から鮮度評価時までに遭遇した積算温度と高い相関を有する鮮度値を算出する算出手段と、算出された鮮度値に基づいて、前記青果物の鮮度を判定する判定手段とを備えていることを特徴とする。
(削除)
本発明の青果物の鮮度評価方法及び装置は、青果物の脂質過酸化物当量と、リン脂質当量と、糖脂質当量とを計測することによって青果物の鮮度値を算出することができる。本発明で算出される鮮度値を用いることによって、単回の計測によって青果物の鮮度を客観的且つ定量的に評価することが可能となる。
本発明の青果物の鮮度評価方法及び装置によって、劣化の兆候が現れていない比較的鮮度の高い期間においても、その鮮度の違いを定量的に評価することができる。
本発明の青果物の鮮度評価方法は、青果物の鮮度と高い相関を示す鮮度値を、
式: 鮮度値= 脂質過酸化物当量 / (リン脂質当量 + 糖脂質当量 +脂質過酸化物当量)
を用いて算出することで、青果物の鮮度を高精度で確実に評価することが可能となる。
本発明の青果物の鮮度評価方法は、青果物に含まれる脂質過酸化物当量を計測することによって、青果物の鮮度を定量的に評価することが可能となる。
本発明の青果物の鮮度評価方法及び鮮度評価装置は、上限値に到達するまでに今後どの程度の環境温度でどの程度の期間の貯蔵が可能であるかを評価して表示することができる。この貯蔵が可能な期間を知ることで、青果物の流通や販売に携わる者は、入荷した青果物を流通させることのできる期間を推定することが可能となる。
葉菜類、果菜類、根菜類、花菜類のいずれの青果物であっても、青果物が収穫直後から鮮度評価時までに遭遇した環境温度を積算した積算温度の値は、青果物の鮮度の官能評価値と高い相関を有する。そこで、本発明の実施の形態では、鮮度評価の基準値として積算温度の値を好適に用いている。ここでいう積算温度とは、青果物が収穫後に遭遇した環境温度と時間との積を求め、この積の値を日単位で示したものである。例えば、収穫後に20℃の環境下で1日間保管された青果物と、5℃で4日間保管された青果物とが遭遇した積算温度は、いずれも20℃・日となる。又、収穫後に20℃の環境下で1日間保管されたあと10℃で2日間保管された青果物が遭遇した積算温度は、40℃・日となる。
本発明における実施の形態では、積算温度と線形関係を有する鮮度値を算出するために、青果物に含まれる脂質過酸化物当量と、リン脂質当量と、糖脂質当量とを計測してこれら3種類の成分値のうちの1種類以上の値を用いている。この鮮度値は、青果物が流通と小売の段階で呼吸を行っており、青果物の鮮度が低下していくときには、青果物中の細胞質脂質が酸化されて、リン脂質と、糖脂質の含量が減少すると同時に、脂質過酸化物が増加することに着目して定義されている。鮮度値が算出されると、この鮮度値と積算温度との関係を示す一次式に鮮度値を当てはめることによって、青果物が収穫されてから遭遇した積算温度が推定される。この推定された積算温度が、青果物の鮮度の定量的な評価値となる。
以下に、本発明の青果物の鮮度評価方法の実施例を、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施例) 図1は、本発明の第1実施例の青果物の鮮度評価方法に適用される鮮度評価装置1の構成を模式的に示す図である。本実施例の鮮度評価装置1は、コンピュータ2と、計測手段3とを備えている。計測手段3は、リン脂質と、糖脂質と脂質過酸化物の含量を計測する。コンピュータ2は、計測手段3が計測した計測値から、青果物に含まれる脂質過酸化物当量と、リン脂質当量と、糖脂質当量を算出し、これらの値を用いて積算温度と高い相関を有する鮮度値を算出する算出手段と、算出された鮮度値に基づいて、前記青果物の鮮度を判定する判定手段としての機能を備えている。
図2に、第1実施例の鮮度評価方法のフローチャートを示す。本実施例における鮮度評価方法では、青果物の脂質過酸化物、リン脂質、糖脂質の含量とを計測し、これら3成分の値から鮮度値を算出する。
最初にステップS1では、脂質過酸化物、リン脂質、糖脂質を抽出するための青果物の評価用試料の調整が行われる。調整方法は以下の通りである。まず、青果物の可食部全体をみじん切りにして混合する。混合した青果物約30gを50mlのビーカーに入れ、液体窒素をかけて凍結する。次に、凍結した試料を凍結乾燥機によって1〜2日間乾燥する。凍結乾燥した試料を、乳鉢中で粉砕し、500μmメッシュの篩いにかけて精粒する。
ステップS2では、青果物の評価用試料から、Bligh-Dyler法(新生化学実験講座 第4巻 「脂質IIリン脂質」、(社)日本生化学会編、(株)東京化学同人、1991年、P7−10)によって脂質を抽出する。抽出方法の概要は、以下の通りである。凍結乾燥した試料10mgを試験管にとり、1mlの蒸留水を加えて懸濁する。この懸濁液に2.5mlのメタノールと1.25mlのクロロホルムとを加え、ボルテックスミキサーにて2分間撹拌し、10分間放置する。その後、更に1.25mlのクロロホルムを加えてミキサーにて30秒間撹拌する。再度、1.25mlのクロロホルムを加え、30秒間撹拌する。3500rpmで5分間遠心分離し、水およびメタノール層、フラップ層、およびクロロホルム層に分離させて、下層のクロロホルム層をパスツールピペットにて回収する。再度、1mlのクロロホルムを加え、5分間遠心分離して、クロロホルム層を回収する。このクロロホルム層をリン脂質と糖脂質分析のための試料として供する。
ステップS3では、ステップS2で抽出した試料を用いて、青果物のリン脂質当量を定量する。リン脂質の定量はBartlett法(「医化学実験法講座 第1巻B 生体構成成分II」、(株)中山書店、1972年、P167)に従っている。リン脂質の含量の定量方法の概要は、以下に示した通りである。まず最初に、計測手段3は、リン濃度が既知の標準溶液について830nmの吸光度の計測を行う。コンピュータ2は、計測手段3から標準溶液のリン濃度と吸光度の計測結果とを入力されると、これらの値からリン濃度と吸光度の検量線を作成する。次に、計測手段3は、試料のリン脂質の含量を計測する。ステップS2で作成した試料溶液0.5mlを用いて、窒素流気下で溶媒を除去する。これに70体積%の過塩素酸を0.4ml加え、160℃で2時間分解する。放冷後の試料に、蒸留水4.2ml、5質量%のモリブデン酸アンモニウム0.2ml、アミドール試薬0.2mlを加え、沸騰水中で7分間加熱する。流水中で放冷後、830nmにおける吸光度を計測する。コンピュータ2は、計測手段3から吸光度の計測値が入力されると、予め作成した検量線上にプロットすることで、試料溶液中のリン濃度を得る。得られたリン濃度を、単位体積の試料溶液に含まれる抽出乾燥試料のグラム数で除すことによって、単位乾燥青果物重量当たりに含有されるリン脂質量、即ち青果物のリン脂質当量を定量する。
ステップS4では、ステップS2で抽出された試料を用いて、青果物の糖脂質当量を定量する。糖脂質の定量はフェノール硫酸法(新生化学実験講座 第3巻 「糖質I」(社)日本生化学会編、(株)東京化学同人、1990年、P143−144)に従っている。糖脂質の含量の定量方法の概要は、以下に示した通りである。まず最初に、計測手段3は、グルコース濃度が既知の標準溶液について、490nmの吸光度の計測を行う。コンピュータ2は、計測手段3から標準溶液のグルコース濃度と吸光度の計測結果を入力されると、これらの値からグルコース濃度と吸光度の検量線を作成する。次に、計測手段3は、試料の糖脂質の含量を計測する。ステップS2で抽出した試料溶液を1ml用いて、窒素流気下で溶媒を除去する。蒸留水2mlを加え、1分間撹拌する。5質量%のフェノール溶液を加えて、1分間更に撹拌する。濃硫酸5mlを加えてこれと反応させる。放冷後、490nmにおける吸光度を計測する。コンピュータ2は、計測手段3から吸光度の計測値が入力されると、予め作成された検量線上にプロットすることで、試料溶液中の糖脂質濃度を得る。得られた糖脂質濃度を、単位体積の試料溶液に含まれる抽出乾燥試料のグラム数で除すことによって、単位乾燥青果物重量当たりに含有される糖脂質量、即ち青果物の糖脂質当量を定量する。
ステップS5では、ステップS1で調整された青果物の脂質過酸化物当量が定量される。定量は脂質過酸化物の含量をマロンジアルデヒドの含量として算出している。定量方法は、チオバルビツール酸(TBA)法(脂質過酸化実験法 (広川化学と生物実験ライン (2))、福沢健二、寺尾純二、(株)廣川書店、1990年、P84−89)に従っている。マロンジアルデヒドの含量の定量方法の概要は、以下に示した通りである。凍結乾燥された試料0.1gを試験管にとり、0.1質量%のトリクロロ酢酸(TCA)で懸濁し、1分間ボルテックスミキサーで撹拌する。2mlをエッペンドルフチューブに入れ、10,000×gで5分間遠心分離する。上澄み液1mlを試験管にとり、0.5質量%TBA+20質量%TCA溶液を4ml加える。95℃の湯浴中で15分間加熱する。放冷後、計測手段3は、試料の532nmにおける吸光度を計測する。試料の吸光度の計測結果を入力されたコンピュータ2は、分子吸光係数(1.56×10−1 cm−1)を用いて、試料溶液中の含まれるマロンジアルデヒド(以下、MDAとも称する)の濃度を得る。得られたマロンジアルデヒドの濃度を、単位体積の試料溶液に含まれる抽出乾燥試料のグラム数で除すことによって、単位乾燥青果物重量当たりに含有されるマロンジアルデヒド量、即ち青果物の脂質過酸化物当量を定量する。
ステップS6では、定量が行われたリン脂質当量と、糖脂質当量と、脂質過酸化物当量を用いて、鮮度値の算出が行われる。鮮度値の算出は、コンピュータ2内に記憶されている以下の式に、ステップS3からステップS5で得られた定量結果を当てはめることで行われる。
(式1)
脂質過酸化物当量 / (リン脂質当量 + 糖脂質当量 +脂質過酸化物当量)=鮮度値 ・・(1)
更に以下に於いては、上記式1によって求められた鮮度値の値に100を乗じることによって得られた以下の式(2)の値を、鮮度値パーセント(以下、鮮度値%とも記載する)と称して、青果物の鮮度の評価の指標に使用している。
(式2)
鮮度値 × 100 = 鮮度値% ・・(2)
ステップS6で、式(1)によって求められる鮮度値及び式(2)によって求められる鮮度値%は、葉菜類、果菜類、根菜類、花菜類のいずれの青果物であっても、青果物が収穫直後から鮮度評価時までに遭遇した環境温度を積算した積算温度の値と高い相関を有しており、具体的には線形関係を有している。このため、実際に積算温度を測定しなくとも、リン脂質当量と、糖脂質当量と、脂質過酸化物当量とを計測して鮮度値%を算出することによって、青果物が遭遇した積算温度を推定することが可能である。
本実施例で算出される鮮度値%が、積算温度と線形関係にあることを、葉菜類であるほうれん草、小松菜及びパセリと、果菜類であるキュウリと、根菜類であるニンジンと、花菜類であるブロッコリーの5種類の青果物について詳細に検証する。図4には、0℃(収穫直後)、20℃・日、40℃・日、60℃・日、100℃・日の5段階の積算温度に遭遇した小松菜、パセリ、ブロッコリーと、0℃(収穫直後)、40℃・日、60℃・日、80℃・日、100℃・日の5段階の積算温度に遭遇したキュウリ及びニンジンについて、リン脂質当量(乾燥青果物重量1g当たりに含有されるリン脂質量(μg))と、糖脂質当量(乾燥青果物重量1g当たりに含有される糖脂質量(μg))と、脂質過酸化物当量(乾燥青果物重量1g当たりに含有される脂質過酸化物当量(μg))を定量した定量結果と、これらの定量結果から算出される鮮度値%とが示されている。図4では、脂質過酸化物当量は、MDAと略称されている。計測の結果、5種類全ての青果物は、リン脂質当量と、糖脂質当量と、脂質過酸化物当量の変化について、常に同一の傾向があることが確認された。即ち、リン脂質当量と糖脂質当量とは、積算温度が増加すると、直線的に減少する。一方で、脂質過酸化物当量は、積算温度が増加すると、全ての青果物に於いて、直線的に増加する。これらの傾向は、収穫時期や品種の異なる青果物全てで確認されている。
リン脂質当量と、糖脂質当量と、脂質過酸化物当量の計測結果を用いて式(1)及び式(2)で算出される鮮度値%は、積算温度が増加すると直線的に増加していることが、図4から明らかである。そこで、鮮度値%と積算温度が線形関係を有していることを確認するために、積算温度を説明変数とし、鮮度値%を目的変数として単回帰分析(直線回帰分析)を行った結果を、表1に示す。ここでは、図4に脂質の計測結果を示した示した小松菜、パセリ、キュウリ、ニンジン、ブロッコリーに加えて、ほうれん草についても検証を行っている。ほうれん草は、収穫時期の違いによって、栄養素の含量が異なることが知られている。そこで、ほうれん草については、10月収穫と1月収穫のそれぞれ30サンプル、計60サンプルについて、鮮度値%を算出して積算温度との単回帰分析を行った。
表1に示される数値のうちa及びbは、以下に示す単回帰分析に用いた回帰式(3)の係数であり、Rは鮮度値%と積算温度の決定係数(相関係数)である。
(回帰式3)
鮮度値%= a×積算温度+b ・・(3)
Figure 0005326166
ほうれん草についての積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果グラフを図5に示す。小松菜についての積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果グラフを図6に示す。パセリについての積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果グラフを図7に示す。キュウリについての積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果を図8に示す。ニンジンについての積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果グラフを図9に示す。ブロッコリーについての積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果グラフを図10に示す。以上6種類の青果物の積算温度と鮮度値%との相関係数は、最低でも小松菜の0.869であり、他の5種類の相関係数は0.9以上の非常に高い値となる。このように本実施例に於いて検証を行った青果物は、全て積算温度と鮮度値%の相関係数が極めて高く、線形関係が成立していることが確認された。以上のことから本実施例において鮮度値を求めるために使用される式(1)及び鮮度値%を求めるために使用される式(2)は、積算温度と相関の高い値を算出するために非常に適した式であることが検証された。
積算温度と鮮度値%の単回帰分析で得られた回帰式は、いずれの青果物についても非常に相関係数が高い。そこで、算出された鮮度値%の値をこの回帰式に当てはめることで、積算温度の値を推定することが可能である。コンピュータ2は、青果物の種類毎に、回帰式とその係数a,bを、青果物の鮮度を判定する処理に使用するために記憶している。
ステップS7においてコンピュータ2は、算出された鮮度値%の値を、予め定義されている回帰式に当てはめることで、青果物が遭遇した積算温度の推定値を得る。この積算温度の推定値によって、鮮度の差異を高精度に評価し表示することができる。積算温度の推定値によって鮮度を評価することにより、収穫後の積算温度が小さく従来は劣化の兆候が識別できなかった一見新鮮な青果物についても、定量的な鮮度の評価が可能となる。
又、コンピュータ2は、青果物の種類毎に、食用として流通させることのできる鮮度の限界値を、積算温度の上限値として記憶している。コンピュータ2は、算出された積算温度の推定値を積算温度の上限値と比較して、上限値に到達するまでに今後どの程度の環境温度でどの程度の期間の貯蔵が可能であるかを評価して表示することができる。この貯蔵が可能な期間を知ることで、青果物の流通や販売に携わる者は、入荷した青果物を流通させることのできる期間を推定することが可能となる。
以下に、コンピュータ2が記憶している鮮度の限界値の根拠となっている、積算温度と官能評価との相関関係を、野菜の種類毎に例示する。ほうれん草の場合には、80℃・日までは官能評価で変化が認められないが、積算温度が100℃・日を超えると葉全体の黄変が始まる。キュウリの場合には、80℃・日までは官能評価で変化が認められないが、積算温度が100℃・日を超えると、見た目の変化は少ないもののテクスチャーが軟化する。小松菜の場合には、60℃・日までは官能評価で変化が認められないが、積算温度が80℃・日を超えると葉全体の黄変が始まる。にんじんの場合には、60℃・日までは官能評価で変化が認められないが、80℃・日でテクスチャーが軟化し、100℃・日を超えると部分的に変色が始まる。パセリの場合には、60℃・日までは官能評価で変化が認められないが、80℃・日で葉の緑色が薄くなり始め、100℃・日を超えると葉全体の黄変が始まる。ブロッコリーの場合には、40℃・日までは官能評価で変化が認められないが、60℃・日で緑色が退色し始め、80℃・日を超えると全体の黄変が始まる。これらの外観及び触感の変化は、いずれも、積算温度に比例して、一定の割合で進行している。
上記の官能評価結果との対応から明らかであるように、ほうれん草と、キュウリと、にんじんと、パセリにおいては、積算温度100℃・日が、食用として流通させることのできる鮮度の限界値である。同様に、小松菜とブロッコリーは、積算温度80℃・日が、食用として流通させることのできる鮮度の限界値である。これらの積算温度の値は、鮮度の限界値としてコンピュータ2に記憶されており、ステップS7で、鮮度の評価時に使用される。
本実施例の鮮度評価方法と鮮度評価装置1は、青果物のリン脂質当量と、糖脂質当量と、脂質過酸化物当量を定量し、これらそれぞれの値を式(1)と式(2)に当てはめることで、青果物の鮮度を示す鮮度値%を算出し、更に鮮度値%から青果物が遭遇した積算温度を推定することが可能である。このように、単回の計測によって青果物が遭遇した積算温度を推定することによって、官能評価ではその劣化が認識されないような比較的新鮮な青果物であっても、その鮮度を定量的且つ高精度に評価することが可能となる。又、積算温度の推定値を積算温度上限値と比較することで、評価を行った青果物が今後どの程度の環境温度下でどの程度の期間の保管が可能であるかを評価して表示することができる。
(参考例) 図3に、本発明の参考例の鮮度評価方法のフローチャートを示す。鮮度評価装置の構成の中で第1実施例と同一のものについては、同一符号を付与して重複説明を割愛する。
本実施例の鮮度評価方法は、ステップS11で青果物の評価用試料を第1実施例と同様に凍結乾燥することによって調整し、ステップS12で脂質過酸化物当量の定量を行う。脂質過酸化物当量の定量は、第1実施例と同一のチオバルビツール酸法で行われる。本実施例における鮮度評価方法は、ステップS13で、青果物の中の脂質過酸化物当量を、鮮度値として評価に使用している。本実施例における鮮度値は、青果物が呼吸を行って青果物の鮮度が低下していくとき、青果物中の細胞質脂質が酸化されて、脂質過酸化物が増加することに着目して定義されている。
脂質過酸化物当量が積算温度が増加するに従って増加することは、図4の積算温度毎の脂質過酸化物当量の計測値の変化から明らかである。そこで、本実施例における過酸化脂質当量と積算温度が線形関係を有していることを確認するために、積算温度を説明変数とし、鮮度値即ち脂質過酸化物当量を目的変数として単回帰分析(直線回帰分析)を行った結果を、表2に示す。ここでは、ほうれん草、小松菜、パセリ、キュウリ、ニンジン、ブロッコリーの6種類の青果物について、単回帰分析を行っている。
表2に示される数値のうちa及びbは、以下の単回帰分析に用いた回帰式(4)の係数であり、Rは過酸化脂質当量と積算温度の決定係数(相関係数)である。
(回帰式4)
過酸化脂質当量= a×積算温度+ b ・・(4)
Figure 0005326166

ほうれん草についての積算温度と脂質過酸化物当量の単回帰分析の結果グラフを図11に示す。小松菜についての積算温度と脂質過酸化物当量の単回帰分析の結果グラフを図12に示す。パセリについての積算温度と脂質過酸化物当量の単回帰分析の結果グラフを図13に示す。キュウリについての積算温度と脂質過酸化物当量の単回帰分析の結果グラフを図14に示す。ニンジンについての積算温度と脂質過酸化物当量の単回帰分析の結果グラフを図15に示す。ブロッコリーについての積算温度と脂質過酸化物当量の単回帰分析の結果グラフを図16に示す。以上6種類の青果物のうち、積算温度と脂質過酸化物当量との相関係数が最も低い青果物はブロッコリーであり、ブロッコリーに関しては、第1実施例の鮮度値を適用して、鮮度の評価を行うことがより好ましい事が明らかとなった。しかし一方で、検証を行った他の5種類の青果物の相関係数は0.8以上の値となっており、積算温度と脂質過酸化物当量の相関係数が高く、線形関係が成立していることが確認された。以上の事から、本実施例において脂質過酸化物当量を用いて鮮度を評価する方法は、特に脂質酸化物当量と積算温度の関係が検証された場合には充分有効であることが検証された。
ステップS13においてコンピュータ2は、計測され定量された脂質過酸化物当量の値を、予め定義されている回帰式に当てはめることで、青果物が遭遇した積算温度の推定値を得る。この積算温度の推定値によって、収穫後の経過時間が短くこれまでは劣化の兆候が識別できなかった青果物も含めて、鮮度の現状を定量的且つ高精度に評価し表示することができる。又、コンピュータ2は、青果物の種類毎に、食用として流通させることのできる鮮度の限界値を、積算温度の上限値として記憶している。コンピュータ2は、算出された積算温度の推定値を積算温度の上限値と比較して、上限値に到達するまでに今後どの程度の環境温度でどの程度の期間の保管が可能であるかを評価して表示することができる。この保管が可能な期間を知ることで、青果物の流通や販売に携わる者は、入荷した青果物を流通させることのできる期間を推定することが可能となる。
本実施例の鮮度評価方法と鮮度評価装置は、青果物の脂質過酸化物当量を定量し、この値を青果物の鮮度を示す鮮度値として用いている。本実施例の鮮度評価技術は、第1実施例よりも計測を行う脂質の種類が少ないため、より簡易な方法によって青果物の鮮度を定量的に評価することを可能とする。
(参考例)本参考例の鮮度評価方法は、青果物の中の脂質過酸化物当量を糖脂質当量で除してその値に100を乗じた値を鮮度値%として使用することを特徴とする。本参考例における鮮度値%は、青果物が呼吸を行って青果物の鮮度が低下していくとき、青果物中の細胞質脂質が酸化されて、糖脂質の含量が低下すると同時に脂質過酸化物が増加することに着目して定義されている。
ほうれん草についての積算温度を説明変数(x)とし、本参考例における鮮度値%(脂質過酸化物当量を糖脂質当量で除してその値に100を乗じた値)を目的変数(y)としたときの関係を単回帰分析した結果グラフを図17に示す。単回帰分析の結果、この鮮度値%を目的変数とした回帰式は、y = 0.0052x + 0.0349で表され、その場合の回帰係数は、0.9013 となることが判明した。このように、本参考例で定義された鮮度値%は、積算温度との相関係数が充分高く、線形関係が成立していることが確認された。以上の事から、本参考例の鮮度値%を用いて特定の青果物の鮮度を評価できることが検証された。
本参考例におけるコンピュータ2は、鮮度値%を算出した後、上記の回帰式に鮮度値%を当てはめることで、青果物が遭遇した積算温度の推定値を得る。コンピュータ2は、青果物の種類毎に、食用として流通させることのできる鮮度の限界値を、積算温度の値として記憶している。そして、算出された積算温度の値を、鮮度の限界値として記憶されている積算温度の値と比較して評価する。鮮度の劣化は、積算温度に比例して進行することが明らかであるため、算出された鮮度の指標は、鮮度の定量的な評価値として利用することができる。
以上、実施例に基づいて本発明の構成を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体的な形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、リン脂質、糖脂質、脂質過酸化物の含量を計測する方法については、実施例に挙げた方法以外であっても適用が可能である。又、実施例においては、青果物が遭遇した積算温度を推定するために、リン脂質、糖脂質、脂質過酸化物の特定の組み合わせを鮮度値として単回帰分析を行ったことで充分相関の高い回帰式を得ることができたが、重回帰分析を行うことによって積算温度の推定を行うことも可能である。積算温度の推定には脂質過酸化物当量の寄与率が特に高いが、糖脂質当量やリン脂質当量を考慮することで、より推定の精度を高めることができる。そこで、鮮度値を定義する場合に、例えば、脂質過酸化物当量値をリン脂質と糖脂質の合計値のみで除した値を使用することも可能である。
第1実施例の青果物の鮮度評価装置1の構成を模式的に示す図である。 第1実施例の鮮度測定方法のフローチャートである。 参考例の鮮度測定方法のフローチャートである。 5段階の積算温度に遭遇した小松菜、パセリ、キュウリ、ニンジン、ブロッコリーについて、リン脂質当量と、糖脂質当量と、脂質過酸化物当量を定量した定量結果と、これらの定量結果から算出される鮮度値%を示す図である。 第1実施例のほうれん草の積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果グラフである。 第1実施例の小松菜の積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果グラフである。 第1実施例のパセリの積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果グラフである。 第1実施例のキュウリの積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果グラフである。 第1実施例のニンジンの積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果グラフである。 第1実施例のブロッコリーの積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果グラフである。 参考例のほうれん草の積算温度と脂質過酸化物当量の単回帰分析の結果グラフである。 参考例の小松菜の積算温度と脂質過酸化物当量の単回帰分析の結果グラフである。 参考例のパセリの積算温度と脂質過酸化物当量の単回帰分析の結果グラフである。 参考例のキュウリの積算温度と脂質過酸化物当量の単回帰分析の結果グラフである。 参考例のニンジンの積算温度と脂質過酸化物当量の単回帰分析の結果グラフである。 参考例のブロッコリーの積算温度と脂質過酸化物当量の単回帰分析の結果グラフである。 参考例のほうれん草の積算温度と鮮度値%の単回帰分析の結果グラフである。 ほうれん草のビタミンC含量と積算温度との関係を示す図である。 ほうれん草の収穫時のビタミンC含量に対する相対含量と積算温度との関係を示す図である。
符号の説明
1 鮮度評価装置
2 コンピュータ
3 計測手段

Claims (2)

  1. ほうれん草、小松菜、パセリ、キュウリ、にんじん、及びブロッコリーから選択されるいずれかの青果物の鮮度評価方法であって、
    前記青果物に含まれる脂質過酸化物当量と、リン脂質当量と、糖脂質当量とを計測する計測工程と、
    前記計測工程で計測した脂質過酸化物当量と、リン脂質当量と、糖脂質当量とから、前記青果物が収穫時から鮮度評価時までに遭遇した積算温度と高い相関を有する鮮度値を算出する算出工程と、
    前記鮮度値に基づいて、前記青果物の鮮度を判定する判定工程と、
    を含む青果物の鮮度評価方法であって、
    前記青果物の鮮度値は、
    式: 鮮度値= 脂質過酸化物当量 / (リン脂質当量 + 糖脂質当量 +脂質過酸化物当量)
    によって算出されることを特徴とする青果物の鮮度評価方法。
  2. ほうれん草、小松菜、パセリ、キュウリ、にんじん、及びブロッコリーから選択されるいずれかの青果物の鮮度評価装置であって、
    前記青果物に含まれる脂質過酸化物当量と、リン脂質当量と、糖脂質当量とを計測する計測手段と、
    前記計測された脂質過酸化物当量と、リン脂質当量と、糖脂質当量とから、前記青果物が収穫時から鮮度評価時までに遭遇した積算温度と高い相関を有する鮮度値を算出する算出手段と、
    前記鮮度値に基づいて、前記青果物の鮮度を判定する判定手段と、
    を備えており、
    前記青果物の鮮度値は、
    式: 鮮度値= 脂質過酸化物当量 / (リン脂質当量 + 糖脂質当量 +脂質過酸化物当量)
    を用いて前記算出手段によって算出されることを特徴とする青果物の鮮度評価装置。
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