JP5325630B2 - マイクロホン装置並びにその調整装置及び調整方法 - Google Patents

マイクロホン装置並びにその調整装置及び調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロホン装置並びにその調整装置及び調整方法に関し、より詳細には、圧電層を備えたマイクロホン装置並びにその調整装置及び調整方法に関する。
これまで、携帯電話等の情報通信端末に用いられているマイクロホンの一つとして、半永久的に電荷を保持する有機フィルム(エレクトレット膜)を用いたエレクトレットコンデンサマイクロホン(ECM:Electret Condenser Microphone)がある。ECMは、コンデンサの一方の電極にエレクトレットを配置し、エレクトレットに電荷を与え、音圧によって変動する静電容量の変化を電圧変化に変換するマイクロホンである。
一方、近年、半導体プロセスを用いて微細に加工された静電MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)マイクロホンが注目されている。静電MEMSマイクロホンの基本的な構造も、ダイヤフラムとバックプレートと呼ばれる電極板が、空気層を介して近接して対向配置されたもので、コンデンサを形成している。バイアス電圧により一定の電荷がコンデンサに充電され、音圧によってダイヤフラムが振動すると、コンデンサの静電容量が変化して電圧変化が生じる。そして、この電圧変化をセンシングする。静電MEMSマイクロホンは、一般的にはエレクトレットを用いないため、ECMとは異なり動作させるにはDC(直流)バイアス電圧が必要となるが、非常に小型で、標準的な半田リフロープロセス温度にも耐えることができるという利点を有する。
このような静電MEMSマイクロホンが数多く提案されているが、その一方で、静電MEMSマイクロホンは幾つかの問題も抱えている。例えば、デバイスのインピーダンスが高くなってしまうこと、静電気力は引力しかない上に非線形であること、ダイヤフラムとして2枚の電極板を設けなくてはならないため構造が複雑になること、大きな圧力変化(音圧)や電圧が加わるとプルインと呼ばれる電極板が互いに吸着する現象が生じること、動作させるためにはDCバイアス電圧が必要でまたそのための昇圧回路が必要であること、などである。
これに対して、圧電効果を用いた圧電MEMSマイクロホンが提案されている。圧電MEMSマイクロホンは、前述したECMや静電MEMSマイクロホンが抱える問題を解決することが可能である。圧電MEMSマイクロホンは、圧電体膜の表裏に電極を接合することによって実現される。圧電MEMSマイクロホンは、圧電体の誘電率が空気よりも高いためにインピーダンスが比較的低いこと、力の向きは正負いずれの向きにも発生可能であること、大きな圧力変化(音圧)や電圧が加わっても容易には故障しないこと、などの利点を有する。
ここで、圧電MEMSマイクロホンを実現するには、ダイヤフラム構造を構成する圧電体膜及び電極膜の残留応力に注意を払う必要がある。圧電体には、一般に窒化アルミニウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの強誘電体が用いられる。また、電極には例えばアルミニウムなどの金属材料が用いられる。これらAlN膜やアルミニウム膜には、成膜プロセスに依存した真性応力や熱応力が残留応力として生じている。このような積層構造膜の各層に生じる残留応力を適切に管理しなければ、応力バランスが崩れ、積層体が座屈したり、膜が破れたり、膜が極度に硬くなったりするなどの不具合が生じるおそれがある。また、製品ごとで性能にばらつきが生じるおそれがある。このため、圧電体膜及び電極膜の積層体を作製する際には、これら膜の残留応力を管理して成膜・積層することが求められる。
微小構造体の製品間のばらつきに関する問題については、特許文献1に製造段階でのばらつきを補償する方法が開示されている。この技術では、テスト音波を入力して、テスト音波の入力に応答したデバイスの出力電圧を検出している。そして、このテスト結果を受けてデバイスの分類分けを実行し、分類分けされたグループに対応する増幅器の増幅率となるようにボンディングを実行して調整を行っている。しかしながら、圧電MEMSマイクロホンを良好に機能させるためには、圧電膜を含むセンサ部の積層体における応力に着目し、これを適切に管理することが求められる。
特開2007−40704号公報
本発明は、製品間の特性のばらつきが少なく、感度が良好に確保されるマイクロホン装置並びにその調整装置及び調整方法を提供する。
本発明の一態様によれば、第1の層と、第2の層と、第3の層と、前記第1の層と前記第2の層との間に挟持された第1の圧電層と、前記第3の層と前記第2の層との間に挟持された第2の圧電層と、を備え、前記第1の圧電層は、音波を受波して表面電荷を生じさせることにより前記音波を検知し、前記第2の圧電層は、前記第3及び第2の層を介して印加される第1の電圧により応力を発生させ、前記第2の圧電層で発生した前記応力が前記第1の圧電層に伝送されるさらに、前記第1の層と第2の層と第1の圧電層とを含む第1の積層体と、前記第3の層と前記第2の層と第2の圧電層とを含む第2の積層体と、は共通の支持層の上に併設され、前記第1の積層体と前記第2の積層体のいずれか一方は、いずれか他方を取り囲むようにその周囲に設けられる。
また、本発明の他の一態様によれば、上記のマイクロホン装置の調整装置であって、前記第1の電圧を印加する電圧印加部と、前記第1の電圧が印加されているときの前記第1の圧電層の電気特性を検出する検出部と、前記検出された前記電気特性の値が予め決定された範囲に入るように前記第1の電圧を制御する制御部と、を備えたことを特徴とするマイクロホン装置の調整装置が提供される。
また、本発明のさらに別の一態様によれば、上記のマイクロホン装置の調整方法であって、音波を受波して表面電荷を生じさせることにより前記音波を検知するセンサ部の電気特性情報を取得するとともに、前記第1の電圧により応力を発生させるアクチュエータ部に前記第1の電圧を印加する工程と、前記センサ部の電気特性が所定の範囲に入るように前記第1の電圧の値を変更する工程と、を備えたことを特徴とするマイクロホン装置の調整方法が提供される。
本発明によれば、製品間の特性のばらつきが少なく、感度が良好に確保されるマイクロホン装置並びにその調整装置及び調整方法が提供される。
本実施形態に係るマイクロホン装置の一例(具体例1)を例示する模式図である。 アクチュエータ部20で生じた応力がセンサ部10に伝送される態様を例示する模式断面図である。 本実施形態と対比される比較例に係るマイクロホン装置2を表す模式図である。 SOI構造の基板30の上に堆積させたAlN膜からなる圧電層13の残留応力を表したグラフ図である。 電極層12及び圧電層13の残留応力とマイクロホン装置1の感度との関係を表すグラフ図である。 電極層12及び圧電層13の残留応力とマイクロホン装置1の共振周波数との関係を表すグラフ図である。 センサ部10の残留応力を管理する方法を例示する流れ図である。 音波の周波数とマイクロホン装置1の感度との関係を表すグラフ図である。 音波の周波数とマイクロホン装置1の感度との関係を表すグラフ図である。 マイクロホン装置の第1の調整方法及びこれに用いる調整装置60を例示する模式斜視図である。 マイクロホン装置の第1の調整方法及びこれに用いる調整装置60を例示するブロック図である。 マイクロホン装置の第1の調整方法を例示する流れ図である。 マイクロホン装置の第2の調整方法及びこれに用いる調整装置60を例示する模式斜視図である。 マイクロホン装置の第2の調整方法及びこれに用いる調整装置60を例示するブロック図である。 マイクロホン装置の第2の調整方法を例示する流れ図である。 本実施形態に係るマイクロホン装置の他の例(具体例2)を例示する模式図である。 本実施形態に係るマイクロホン装置のさらに別の例(具体例3)を例示する模式図である。 本実施形態に係るマイクロホン装置のさらに別の例(具体例4)を例示する模式図である。 本実施形態に係るマイクロホン装置のさらに別の例(具体例5)を例示する模式図である。 本実施形態に係るマイクロホン装置のさらに別の例(具体例6)を例示する模式図である。 本実施形態に係るマイクロホン装置のさらに別の例(具体例7)を例示する模式図である。 本実施形態に係るマイクロホン装置のさらに別の例(具体例8)を例示する模式図である。 調整装置60が実装されたマイクロホン装置1を例示するブロック図である。 調整装置60が実装されたマイクロホン装置1の調整方法を例示する流れ図である。 マイクロホン装置1の適用例を表す模式断面図である。 マイクロホン装置1の適用例を表す模式断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(具体例1)
図1は、本実施形態に係るマイクロホン装置の一例(具体例1)を例示する模式図である。図1(a)は模式平面図であり、図1(b)は模式断面図である。
図1に表したように、具体例1に係るマイクロホン装置1は、圧電MEMSマイクロホンであり、第1の層(電極層12)と、第2の層(電極層34)と、電極層12と電極層34との間に挟持された第1の圧電層(圧電層13)と、を備える。圧電層13及び電極層12は、電極層34の上に選択的に設けることができる。圧電層13は、外部から音声等の圧力を受けると圧電効果により電圧を生じさせ、この電圧は電極層12及び電極層34を介して集積回路(IC:Integrated Circuit)などにより検出される。
また、図1に表したように、マイクロホン装置1は、第3の層(電極層22)と、電極層22と電極層34との間に挟持された第2の圧電層(圧電層23)と、圧電層23に電極層22及び電極層34を介して電圧を印加する電圧調整部50と、圧電層13と圧電層23との間で応力を伝送する応力伝送手段40(図1では、電極層34や、後述するシリコン層35)と、を有する。圧電層23は、使用時に電極層22及び電極層34を介して印加される電圧により応力を発生させ、応力伝送手段40は、圧電層23において発生したこの応力を圧電層13に伝送する。
このように、電極層22と、電極層34と、圧電層23と、電圧調整部50と、応力伝送手段40と、の協働により、圧電層13に対して応力を印加することができる。以下、このような圧電層13に対して応力を印加する手段を、「応力印加手段S」と呼ぶこととする。
使用時に圧電層13に応力を印加することにより、後述するように圧電層13は適切な感度特性を有し、製品ごとでばらつきの少ないマイクロホン装置が提供される。
なお、電極層12及び圧電層13からなる積層体と、電極層22及び圧電層23からなる積層体と、は離隔して設けられてもよく、接して設けられてもよい。
次に、マイクロホン装置1の構成要素について詳細に説明する。
図1に表したように、マイクロホン装置1は基板30を備え、圧電層13及び圧電層23は基板30の上に形成されている。基板30は、SOI(Silicon On Insulator)の3層構造を有する。すなわち、基板30は、シリコン基板37と、シリコン基板37の上に設けられた酸化シリコンからなるBOX(Buried Oxide:埋込み酸化物)層36(絶縁層)と、BOX層36の上に設けられた単結晶シリコンからなるシリコン層(支持層)35と、を有する。シリコン層35にはp型不純物が導入されており、シリコン層35はp型領域となっている。また、シリコン層35の厚さは、例えば0.1〜5.0μm程度とすることができる。
また、シリコン基板37及びBOX層36は主面の中央領域において除去されており、これにより形成された空間は、マイクロホン装置1の下方側(Z軸負側)に開口した開口部(バックキャビティー)33を形成している。ここで、「主面」とは、基板30、電極層34、圧電層13、及び電極層12の積層方向に対して垂直な面をいう。開口部33は、主面上において略円形状にすることができる。シリコン基板37及びBOX層36は、シリコン層35の主面中央部分を振動可能にする支持部32を構成している。
なお、基板30の材料、構成、及び大きさはこれに限られず、マイクロホン装置の機能が発現される限りにおいて任意に選択することができる。
シリコン層35の上には、電極層34が形成されている。電極層34には、導電材料、例えば金属または合金や、導電型がn型であるn型半導体を用いることができる。n型半導体を用いる場合は、シリコン層35内に不純物として例えばリンを含むn型領域を埋め込み、このn型領域を用いることができる。シリコン層35(p型領域)の不純物濃度は、電極層34(n型領域)の不純物濃度よりも低くすることができる。電極層34の厚さは、例えば1.0μmとすることができる。電極層34は、マイクロホン装置1の下部電極として機能する。
なお、シリコン層35及び電極層34の主面中央部分には、開口部33に連通する貫通孔(図示せず)が形成されている。この貫通孔は、マイクロホン装置1がプリント基板等の別基板(図示せず)に固定されて開口部33が密閉されたときに、空気抜け孔として機能する。
開口部33の直上域(Z軸正側の領域)の電極層34の上には、圧電体、例えば窒化アルミニウム(AlN)からなる圧電層13が設けられている。圧電層13は、主面において開口部33の中央寄りの位置に、開口部33と略同心円状に選択的に設けることができる。例えば、開口部33の半径を「10」とすると、開口部33の中心Oから7〜8の範囲に設けることができる。圧電層13の厚さは、例えば1.0μmとすることができる。圧電層13に窒化アルミニウム(AlN)を用いる場合は、例えば反応性マグネトロンスパッタ法を用いて電極層34の上にAlNを堆積することにより、AlN膜を成膜することができる。圧電層13は、使用時において、音波を受波して表面電荷を生じさせることにより音波を検知する。すなわち、圧電層13は、音圧を受けて歪みが生じると、圧電効果により表面電荷を生じさせる。そして、この表面電荷の発生に伴う電圧変化を検出することで、音声情報を電気信号に変換することができる。これにより、マイクロホンの機能を発現することができる。
圧電層13の上には、導電材料、例えば金属または合金、例えばアルミニウムからなる電極層12が設けられている。電極層12の厚さは、例えば1.0μmとすることができる。電極層12にアルミニウムを用いる場合は、例えばマグネトロンスパッタ法を用いて圧電層13の上にアルミニウムを堆積することにより、アルミニウム膜を成膜することができる。電極層12は、マイクロホン装置1の上部電極として機能する。
主面において支持部32によって支持されていない部分には、シリコン層35、電極層34、圧電層13、及び電極層12を含む膜が形成されており、この膜は一定の範囲内で変形・振動することが可能である。このため、シリコン層35及び電極層34の主面中央部分は、マイクロホン装置1のダイヤフラム部31を構成する。また、電極層12と、圧電層13と、圧電層13の直下域(Z軸負側の領域)にある電極層34及びシリコン層35と、で構成される積層構造の膜は、音声、すなわち圧力変動、を検知するセンサ部10を構成する。
また、図示しないが、電極層12及び電極層34は、引出配線を介して、圧電層13が音圧を受けて歪みが生じた際に生じる表面電荷による電圧変化を検出するIC等の検出部に接続している。
次に、応力印加手段Sについて説明する。
まず、応力印加手段Sを設ける意義について説明する。圧電層13や電極層12を構成するAlN膜やアルミニウム膜などには、成膜プロセスに依存した真性応力や熱応力が残留応力として生じている。そして、このような積層構造膜の各層に生じる残留応力を適切に管理しなければ、センサ部10の積層体内の応力バランスが崩れ、使用時等において積層体が座屈したり、膜が破れたり、膜が極度に硬くなったりするなどの不具合が生じるおそれがある。また、製品ごとで性能にばらつきが生じるおそれがある。このため、センサ部10の各層の残留応力を適切に管理することが求められる。従って、本実施形態では、応力印加手段Sを用いて圧電層13等のセンサ部10の構成要素に応力(圧力または張力)を印加することとし、これにより前述した問題の解消を図ることとしている。
以下、応力印加手段Sの構成及び動作について説明する。前述したように、応力印加手段Sは、電極層22と、圧電層23と、電極層34と、電圧調整部50と、応力伝送手段40と、を有する。
図1に表したように、主面において開口部33の周辺領域の直上域にある電極層34(下部電極)の上には、圧電層23が設けられている。圧電層23は、図示したように主面において支持部32と重なって設けられてもよい。圧電層23は、開口部33と略同心円状にリング状に設けることができる。圧電層23の材料及び厚さは、圧電層13に関して前述したのと同様とすることができる。圧電層23は、使用時において、電極層22及び電極層34を介して印加される電圧により応力を発生させる。
なお、前述したように、圧電層13は、開口部33の半径を「10」として開口部33の中心Oから7〜8の範囲に設けることができる。これに伴い、圧電層23は、これよりも周縁側に設けることができる。このように圧電層13及び圧電層23を設けることで、次に説明するようにセンサ部10及び後述するアクチュエータ部20を良好に伸縮させることができる。
開口部33に面したダイヤフラム部31は、圧電層13及び圧電層23に電圧が印加されていない状態で音圧を受けると、主面の中心部(例えば、中心Oを起点として7〜8の位置の内側の範囲)と周縁部(例えば、中心Oを起点として8〜10の位置の外側の範囲)とで異なる態様で伸縮する。すなわち、主面において、中心部で伸張するときは周縁部で収縮し、中心部で収縮するときは周縁部で伸張する。このため、伸縮態様が異なる位置を境に圧電層13(センサ部10)と圧電層23(アクチュエータ部20)とを離隔して設けることにより、それぞれの圧電層は一様に良好に伸縮することができる。
圧電層23の上には、電極層22(上部電極)が設けられている。電極層22の材料及び厚さは、電極層12に関して前述したのと同様とすることができる。
電極層22と、圧電層23と、圧電層23の直下域にある電極層34及びシリコン層35と、で構成される積層構造の膜は、電圧を印加することにより変形を生じ、次に説明するようにセンサ部10を伸縮させる機能を有する。以下、この積層構造の膜を、「アクチュエータ部20」と呼ぶこととする。
電極層22及び34は、それぞれ引出配線51及び52を介して電圧調整部50に接続している。電圧調整部50には、IC回路などを用いることができる。そして、電圧調整部50により引出配線51、52及び電極層22、34を介して圧電層23にDCバイアス電圧を印加すると、逆圧電効果により圧電層23に歪みを生じさせることができる。すなわち、図1(a)の実線矢印A及び破線矢印Bで示すように、電圧印加によりアクチュエータ部20は主面において伸縮を行う。DCバイアス電圧の値は後述する方法を用いて適宜決定することができ、アクチュエータ部20は、この電圧値に応じて伸張したり収縮したりする。
センサ部10とアクチュエータ部20との間には、両者間で応力を伝送する応力伝送手段40が設けられている。応力伝送手段40は、図1に表したように、例えばセンサ部10とアクチュエータ部20との間に介在する電極層34やシリコン層35とすることができる。あるいは、図示しないが、電極層12及び圧電層13(図2(b)に表した例では、電極層12、圧電層13、及び電極層34a)からなる積層体と、電極層22及び圧電層23(図2(b)に表した例では、電極層22、圧電層23、及び電極層34b)からなる積層体と、の間に絶縁層を設け、この絶縁層に応力伝送手段40の機能を持たせてもよい。アクチュエータ部20(圧電層23)で生じた伸縮に係る応力は、図2に表したように応力伝送手段40を介してセンサ部10(圧電層13)に伝送される。
図2は、アクチュエータ部20で生じた応力がセンサ部10に伝送される態様を例示する模式断面図である。
図2(a)の矢印Cで示すように、アクチュエータ部20で生じた伸縮に係る応力は、応力伝送手段40、すなわちセンサ部10とアクチュエータ部20との間に介在する電極層34やシリコン層35、を介して圧電層13に伝送される。この結果、図1(a)及び図2(a)の矢印Aで示すようにアクチュエータ部20が主面において伸張すると、矢印Dで示すようにセンサ部10は主面において収縮する。一方、矢印Bで示すようにアクチュエータ部20が主面において収縮すると、矢印Eで示すようにセンサ部10は主面において伸張する。これにより、センサ部10の電極層12及び圧電層13の成膜時に生じた残留応力のばらつきにより、センサ部10の積層体の応力バランスが最適なところからずれていたとしても、アクチュエータ部20から付与された圧縮応力または引張応力により、圧電層13等のセンサ部10の構成要素を変形することができ、センサ部10の積層体は最適な応力バランスにチューニングすることが可能となる。
なお、図2(b)に表したように、電極層34は不連続な構成にしてもよい。すなわち、圧電層13に接続する電極層34aと、圧電層23に接続する電極層34bとは、離隔して設けてもよい。この場合、アクチュエータ部20で発生した応力は、シリコン層35を介してセンサ部10に伝送される。
なお、圧電層13の電圧変化を検出する検出回路(図示せず)、電圧調整部50、引出配線51及び52などは、例えばシリコン基板37内に設けてもよい。これにより、装置の微小化が図られる。
次に、本実施形態の効果について、比較例を用いて図3〜図6を参照しつつ説明する。
図3は、本実施形態と対比される比較例に係るマイクロホン装置2を表す模式図である。図3(a)は模式平面図であり、図3(b)は模式断面図である。
図3に表したように、比較例に係るマイクロホン装置2は、アクチュエータ部20を含む応力印加手段Sを備えていない。この場合、図1に関して前述したようにセンサ部10において残留応力が生じているところ、これを適切に管理する手段がない。そして、このセンサ部10の各層に生じる残留応力を適切に管理しなければ、センサ部10の積層体内の応力バランスが崩れ、使用時等において積層体が座屈したり、膜が破れたり、膜が極度に硬くなったりするなどの不具合が生じるおそれがある。また、製品ごとで性能にばらつきが生じるおそれがある。
図4は、SOI構造の基板30の上に堆積させたAlN膜からなる圧電層13の残留応力を表したグラフ図である。横軸はウェーハ101上の位置を表しており、縦軸は残留応力を表している。AlN膜は、反応性マグネトロンスパッタ法を用いて基板30の上に堆積させている。
図4に表したように、ウェーハ上の位置により圧電層13の残留応力の値にばらつきがあり、その幅は例えば±50MPa程度である。次に説明するように、圧電層13の残留応力の値が変化するとマイクロホン装置1の感度は変化し、±50MPa程度のばらつきがあると、マイクロホン装置1の感度は無視できないほど変化する。
図5は、電極層12及び圧電層13の残留応力とマイクロホン装置1の感度との関係を表すグラフ図である。図5(a)は、解析に用いたマイクロホン装置1を表す模式断面図である。図5(b)は、マイクロホン装置1のダイヤフラム部31の一部におけるZ軸方向変位の解析結果例を表すグラフ図である。図5(c)は、解析結果を表すグラフ図である。
図5(a)に表したように、解析に用いたマイクロホン装置1は、シリコン層35の上にn型領域の電極層34が形成され、圧電層13にはAlN膜を、また電極層12にはアルミニウム膜を、それぞれ用いている。かかる構成のマイクロホン装置1に対し、Z軸方向に応力を印加し、AlN膜(圧電層13)及びアルミニウム膜(電極層12)に生じている残留応力の値によってマイクロホン装置1の感度がどのように変化するかを、有限要素法による解析により求めた。
図5(c)に表したように、AlN膜(圧電層13)及びアルミニウム膜(電極層12)各々の残留応力(σAlN及びσAl)の大きさが変わると、マイクロホン装置1の感度も変化することが分かる。例えば、圧電層13の内部応力が数百MPa程度変化すると、電圧感度は数十〜数百dB程度変化し、この値は無視できない程度の値である。
また、図6は、電極層12及び圧電層13の残留応力とマイクロホン装置1の共振周波数との関係を表すグラフ図である。図6(a)は、解析に用いたマイクロホン装置1を表す模式断面図である。図6(b)は、マイクロホン装置1のダイヤフラム部31の一部におけるZ軸方向変位の解析結果例を表すグラフ図である。図6(c)は、解析結果を表すグラフ図である。
図6(a)に表したように、この解析に用いたマイクロホン装置1は、図5(a)に関して前述したマイクロホン装置1と同じである。かかる構成のマイクロホン装置1に対し、Z軸方向に応力を印加し、AlN膜(圧電層13)及びアルミニウム膜(電極層12)に生じている残留応力の値によってマイクロホン装置1の共振周波数がどのように変化するかを、有限要素法による解析により求めた。
図6(c)に表したように、AlN膜(圧電層13)及びアルミニウム膜(電極層12)各々の残留応力(σAlN及びσAl)の大きさが変わると、マイクロホン装置1の共振周波数も変化することが分かる。例えば、圧電層13の内部応力が数百MPa程度変化すると、共振周波数は数十〜数百kHz程度変化する。また、共振周波数が最も低くなる条件と、感度が最も高くなる条件(図5(c)参照)とは、一致していることが分かる。
このように、圧電層13や電極層12における残留応力が変化すると、マイクロホン装置1の特性が変化する。比較例に係るマイクロホン装置2では、この残留応力を補償する手段を備えていないため、前述した各種不具合や、製品間の特性のばらつきが生じ得る。
一方、本実施形態に係るマイクロホン装置1では、応力印加手段Sによりセンサ部10の各層に生じる残留応力を適切に管理し、これにより不具合やばらつきの発生を抑制し、感度を良好に確保している。
(マイクロホン装置の調整方法)
次に、マイクロホン装置の調整方法、すなわちセンサ部10の残留応力を管理する方法について、図7〜図15を参照しつつ説明する。
まず、センサ部10の残留応力を管理する方法の概要について説明する。
図7は、センサ部10の残留応力を管理する方法を例示する流れ図である。
図8及び図9は、音波の周波数とマイクロホン装置1の感度との関係を表すグラフ図である。横軸はマイクロホン装置1が受波する音波の周波数を表しており、縦軸はマイクロホン装置1の感度、すなわちセンサ部10の電圧感度やキャパシタンスを表している。
まず、図7のステップS1に示すように、センサ部10の電気特性、例えば電圧感度、キャパシタンス、共振周波数など、の情報を取得する。同時に、ステップS2に示すように、アクチュエータ部20にDC(直流)電圧を印加する。このDCバイアス電圧により、アクチュエータ部20に応力が印加され、この応力は応力伝送手段40を介してセンサ部10に伝送される。
ここで、図8及び図9に表したように、アクチュエータ部20に印加するバイアス電圧を変化させると、センサ部10の電気特性は変化する。すなわち、電気特性を表すグラフは、図8の矢印Fで示すように縦軸方向に移動したり、図9の矢印Gで示すように横軸方向に移動したりする。この結果、電圧感度、キャパシタンス、及び共振周波数は変化する。
このため、図8の矢印F及び図9の矢印Gで示すように、アクチュエータ部20に印加するバイアス電圧を変化させる(グラフを移動させる)ことにより、例えば可聴域(20Hz〜20kHz程度)において感度が所定の範囲の値となるようにすることができる。例えば、可聴域において感度が高くなるようにしたり、可聴域において設計仕様の所定範囲・所定値になるようにすることができる。また、共振周波数が最適な値や所定値になるようにすることができる(図9参照)。共振周波数は、例えば可聴域の上限である20kHz程度よりも高い範囲で適宜選択できる。なお、図8及び図9に示した「所定の範囲」は、例示であって、これ以外の範囲や値としてもよい。
また、感度や共振周波数を適切な値とすることにより、製品間のばらつきを抑制することができる。さらに、感度や共振周波数を適切な値にするということは、センサ部10の積層体内の応力バランスを適切に保つということを意味する。このため、センサ部10の積層体の座屈、膜の破壊、膜の硬化などを抑制することができる。
本実施形態では、このような特性を用いて、次の要領でバイアス電圧を決定する。
すなわち、図7に戻ってステップS3に示すように、センサ部10の電気特性(電圧感度、キャパシタンス、共振周波数など)が所定の範囲にあるか否かを判定する。所定の範囲にない場合は、ステップS4に示すようにバイアス電圧の値を変更し、ステップS1〜S3の操作を繰り返す。このようなフィードバックを行うことにより、センサ部10の電気特性が所定の範囲に入るようにする。
次に、センサ部10の電気特性が所定の範囲にある場合は、図7のステップS5に示すように、アクチュエータ部20に印加されているバイアス電圧の値を記憶する。そして、ステップS6に示すように、記憶したバイアス電圧値に基づいて、最適な値のバイアス電圧がアクチュエータ部20に印加されるように、電圧調整部50をマイクロホン装置1に実装する。
このように、本実施形態では、圧力変動をセンシングするセンサ部10と、電圧印加により変形を生じるアクチュエータ部20とを用い、アクチュエータ部20に電圧を印加することで、積層構造膜であるダイヤフラム部31の応力状態を変化させることができ、最適な応力バランスに調整することが可能となる。これにより、製品間の特性のばらつきが少なく、感度が良好に確保されるマイクロホン装置が提供される。
次に、マイクロホン装置の調整方法について具体的に説明する。
(第1の調整方法)
まず、マイクロホン装置の調整方法の一例(第1の調整方法)について、図10〜図12を参照しつつ説明する。
図10は、マイクロホン装置の第1の調整方法及びこれに用いる調整装置60を例示する模式斜視図である。
図11は、マイクロホン装置の第1の調整方法及びこれに用いる調整装置60を例示するブロック図である。
図12は、マイクロホン装置の第1の調整方法を例示する流れ図である。
図10に表したように、第1の調整方法で用いる調整装置60は、複数のマイクロホン装置1の検査チップ1aを載置する検査ウェーハ67と、検査ウェーハ67に載置された検査チップ1aのセンサ部10に対して検査音波(疎密波)を出力するスピーカ62と、音波が正しく出力されているか否かを参照するための参照マイク63と、センサ部10の電気特性を検出する検出部64と、検査チップ1aのアクチュエータ部20にバイアス電圧を印加する電源(電圧印加部65)と、制御部61と、を備える。
参照マイク63は、検査チップ1aの近傍に配置されている。また、検出部64は、圧電層13で生じる分極(表面電荷)に係る信号を検出し、この信号を増幅して電圧の情報(以下、「圧電電圧情報」という)を取得するチャージアンプとすることができる。また、検出部64及び電圧印加部65は、検査チップ1aと接触する端子(それぞれ、プローブ針64a、64b及びプローブ針65a、65b)を有する。また、制御部61は、パーソナルコンピュータ(PC)とすることができ、検出部64の検出結果を処理し、その結果に基づいて電圧印加部65を制御するなど、検査システム全体を制御する。
まず、図12のステップS10に示すように、制御部61は、スピーカ62に検査音波を出力する旨の指示情報70を伝送する。検査音波は、所定の異なる複数の周波数(例えば、100Hz、1kHz、及び10kHz)を有する音波とすることができ、あるいは所定の単一の周波数(例えば、1kHz)を有する音波とすることができる。その後、ステップS11に示すように、スピーカ62は指示情報70に基づき音波を出力する。その後、ステップS12に示すように、参照マイク63はスピーカ62から出力される音波を検知し、この音波の情報71を制御部61に伝送する。そして、ステップS13に示すように、制御部61は、音波が適切に出力されているか否かを判定する。音波が適切に出力されていない場合は、ステップS10に戻り、制御部61はスピーカ62に適切な指示情報70を伝送する。その後、ステップS11〜S13の操作を行う。かかるフィードバックを行うことにより、音波が適切に出力されるように制御する。
スピーカ62から音波が適切に出力されている場合は、図12のステップS14に示すように、検出部64は、スピーカ62からの検査音波を受波しているセンサ部10の電気特性を検出する。すなわち、センサ部10の圧電電圧情報72を取得する。そして、検出部64は、圧電電圧情報72を制御部61に伝送する。また、ステップS15に示すように、制御部61は、電圧印加部65に、アクチュエータ部20にバイアス電圧を印加する旨の指示情報73を伝送する。その後、ステップS16に示すように、電圧印加部65は、指示情報73に基づきアクチュエータ部20にバイアス電圧をスイープ(掃引)させながら印加する。なお、ステップS14と、ステップS15及びS16と、は、同時に行ってもよく、いずれかを先に行ってもよい。いずれの場合も、検出部64は、センサ部10が検査音波を受波し且つアクチュエータ部20にバイアス電圧が印加されているときのセンサ部10の電気特性を検出する。バイアス電圧値によって、検査チップ1aから検出される圧電電圧(感度)が変動する(図8参照)。
次に、図12のステップS17に示すように、制御部61は、圧電電圧情報72を用いてセンサ部10の圧電電圧(感度)が所定の範囲内にあるか否かを判定する(図8参照)。所定の範囲にない場合は、ステップS18に示すようにバイアス電圧の値を変更して、ステップS14〜S17の操作を繰り返す。制御部61は、このようなフィードバックを行うことにより、センサ部10の圧電電圧(感度)が所定の範囲に入るように制御する(図8参照)。例えば、感度が所定値や最大値になるようにする。
次に、センサ部10の圧電電圧(感度)が所定の範囲にある場合は、図12のステップS19に示すように、制御部61は、アクチュエータ部20に印加されているバイアス電圧の情報(バイアス電圧情報74)を電圧印加部65から取得するとともに、検査チップ1aの個体識別番号を取得し、これらを記憶する。そして、ステップS20に示すように、製品として出荷する際には、記憶したバイアス電圧情報74及び個体識別番号に基づいて、最適な値のバイアス電圧がアクチュエータ部20に印加されるように、電圧調整部50(IC回路等)をマイクロホン装置1に実装する。
これにより、製品間ばらつきが少なく、感度が良好に確保されるマイクロホン装置が提供される。
(第2の調整方法)
次に、マイクロホン装置の調整方法の他の例(第2の調整方法)について、図13〜図15を参照しつつ説明する。
図13は、マイクロホン装置の第2の調整方法及びこれに用いる調整装置60を例示する模式斜視図である。
図14は、マイクロホン装置の第2の調整方法及びこれに用いる調整装置60を例示するブロック図である。
図15は、マイクロホン装置の第2の調整方法を例示する流れ図である。
図13に表したように、第2の調整方法で用いる調整装置60は、複数のマイクロホン装置1の検査チップ1aを載置する検査ウェーハ67と、検査チップ1aのセンサ部10の電気特性を検出する検出部64と、検査チップ1aのアクチュエータ部20にバイアス電圧を印加する電源(電圧印加部65)と、制御部61と、を備える。
検出部64は、インピーダンスアナライザまたはLCR(インダクタンス・キャパシタンス・抵抗)メータとすることができる。また、検出部64及び電圧印加部65は、検査チップ1aと接触する端子(それぞれ、プローブ針64a、64b及びプローブ針65a、65b)を有する。また、制御部61は、パーソナルコンピュータ(PC)とすることができ、検出部64の検出結果を処理し、その結果に基づいて電圧印加部65を制御するなど、検査システム全体を制御する。
まず、図15のステップS20に示すように、検出部64は、検査チップ1aのセンサ部10の電気特性を検出する。すなわち、センサ部10のキャパシタンスの周波数依存特性または共振周波数の情報72(以下、「電気特性情報72」という)を取得する。そして、検出部64は、電気特性情報72を制御部61に伝送する。また、ステップS21に示すように、制御部61は、電圧印加部65に、アクチュエータ部20にバイアス電圧を印加する旨の指示情報73を伝送する。その後、ステップS22に示すように、電圧印加部65は、指示情報73に基づきアクチュエータ部20にバイアス電圧をスイープ(掃引)させながら印加する。なお、ステップS20と、ステップS21及びS22と、は、同時に行ってもよく、いずれかを先に行ってもよい。いずれの場合も、検出部64は、アクチュエータ部20にバイアス電圧が印加されているときのセンサ部10の電気特性を検出する。バイアス電圧値によって、検査チップ1aから検出されるキャパシタンスまたは共振周波数が変動する(図8及び図9参照)。
次に、図15のステップS23に示すように、制御部61は、電気特性情報72を用いてセンサ部10のキャパシタンスまたは共振周波数が所定の範囲内にあるか否かを判定する(図8及び図9参照)。所定の範囲にない場合は、ステップS24に示すようにバイアス電圧の値を変更して、ステップS20〜S23の操作を繰り返す。制御部61は、このようなフィードバックを行うことにより、センサ部10のキャパシタンスまたは共振周波数が所定の範囲に入るように制御する(図8及び図9参照)。例えば、キャパシタンスが所定値や最大値になるようにしたり、共振周波数が所定値になるようにする。
次に、センサ部10のキャパシタンスまたは共振周波数が所定の範囲にある場合は、図15のステップS25に示すように、制御部61は、アクチュエータ部20に印加されているバイアス電圧の情報(バイアス電圧情報74)を電圧印加部65から取得するとともに、検査チップ1aの個体識別番号を取得し、これらを記憶する。そして、ステップS26に示すように、製品として出荷する際には、記憶したバイアス電圧情報74及び個体識別番号に基づいて、最適な値のバイアス電圧がアクチュエータ部20に印加されるように、電圧調整部50(IC回路等)をマイクロホン装置1に実装する。
これにより、製品間ばらつきが少なく、感度が良好に確保されるマイクロホン装置が提供される。
(他の具体例)
次に、他の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図16は、本実施形態に係るマイクロホン装置の他の例(具体例2)を例示する模式図である。図16(a)は模式平面図であり、図16(b)は模式断面図である。なお、センサ部10に接続する引出配線及び検出部、並びにアクチュエータ部20に接続する引出配線51、52及び電圧調整部50は省略した。
図16に表したように、センサ部10とアクチュエータ部20とは、主面において逆に設けてもよい。すなわち、中心側にアクチュエータ部20を設け、周縁側にセンサ部10を設けてもよい。また、電極層34は、図2(b)に関して前述したように、センサ部10の領域とアクチュエータ部20の領域とで離隔して設けてもよい。
具体例2に係るマイクロホン装置1の調整方法には、図10〜図12に関して前述した第1の調整方法や、図13〜図15に関して前述した第2の調整方法を用いることができる。
具体例2においても、アクチュエータ部20に応力を印加し、この応力をセンサ部10に伝送することにより、具体例1に関して前述した効果が得られる。
次に、図17は、本実施形態に係るマイクロホン装置のさらに別の例(具体例3)を例示する模式図である。図17(a)は模式平面図であり、図17(b)は模式断面図である。なお、センサ部10に接続する引出配線及び検出部、並びにアクチュエータ部20に接続する引出配線51、52及び電圧調整部50は省略した。
図17に表したように、同一の電極層及び同一の圧電層が、センサ部10及びアクチュエータ部20の機能を併有する構成にしてもよい。図17では、電極層82と、圧電層83と、圧電層83の直下域にある電極層34及びシリコン層35とは、センサ部10の機能とアクチュエータ部20の機能とを併有する。また、センサ部10とアクチュエータ部20とが同一構成要素で構成されるため、応力伝送手段40を設ける必要はない。このような一体型にすることにより、製造工程が簡素化され、費用低減が図られる。
圧電層83及び電極層82は、ダイヤフラム部31の主面において中央寄りの場所に設けることができ、特に伸縮態様が異なる位置の内側に設けることができる。例えば、開口部33の半径を「10」として開口部33の中心Oから、例えば7〜8の範囲に設けることができる。これにより、具体例1(図1)に関して前述したように、圧電層83及び電極層82を良好に伸縮させることができる。
具体例3に係るマイクロホン装置1の調整方法には、図10〜図12に関して前述した第1の調整方法や、図13〜図15に関して前述した第2の調整方法を用いることができる。
このような構成にしても、アクチュエータ部20に応力を印加し、これにより自ずとセンサ部10に応力を印加することにより、具体例1に関して前述した効果が得られる。
次に、図18は、本実施形態に係るマイクロホン装置のさらに別の例(具体例4)を例示する模式図である。図18(a)は模式平面図であり、図18(b)は模式断面図である。なお、センサ部10に接続する引出配線及び検出部、並びにアクチュエータ部20に接続する引出配線51、52及び電圧調整部50は省略した。
図18に表したように、具体例4に係るマイクロホン装置1では、図17に関して前述した具体例3と同様に、同一の電極層及び同一の圧電層がセンサ部10及びアクチュエータ部20の機能を併有する。このような一体型にすることにより、製造工程が簡素化され、費用低減が図られる。
ここで、図示したように、圧電層83及び電極層82は、ダイヤフラム部31の主面において周縁寄りの場所に設けてもよい。特に、伸縮態様が異なる位置の外側、例えば、開口部33の半径を「10」として開口部33の中心Oから、例えば7〜8の範囲よりも周縁側の領域に設けてもよい。これにより、具体例1(図1)に関して前述したように、圧電層83及び電極層82を良好に伸縮させることができる。
具体例4に係るマイクロホン装置1の調整方法には、図10〜図12に関して前述した第1の調整方法や、図13〜図15に関して前述した第2の調整方法を用いることができる。
このような構成にしても、アクチュエータ部20に応力を印加し、これにより自ずとセンサ部10に応力を印加することにより、具体例1に関して前述した効果が得られる。
次に、図19は、本実施形態に係るマイクロホン装置のさらに別の例(具体例5)を例示する模式図である。図19(a)は模式平面図であり、図19(b)は模式断面図である。なお、センサ部10に接続する引出配線及び検出部、並びにアクチュエータ部20に接続する引出配線51、52及び電圧調整部50は省略した。
本実施形態において、ダイヤフラム部31、センサ部10、アクチュエータ部20等の形状は、マイクロホン装置1の実装態様などに応じて適宜選択することができる。
例えば、図19に表した具体例5に係るマイクロホン装置1のように、ダイヤフラム部31は主面において略矩形状としてもよい。これに伴い、センサ部10は主面においてダイヤフラム部31の中心寄りに略矩形状で設け、アクチュエータ部20は、主面においてセンサ部10を囲むように、複数のアクチュエータ部20a、20b、20c、20dとして設けてもよい。あるいは、図示しないが、アクチュエータ部20は一体にしてもよい。
主面におけるセンサ部10とアクチュエータ部20との境界は、ダイヤフラム部31の伸縮態様が異なる位置にすることができ、これにより、具体例1(図1)に関して前述したように、センサ部10及びアクチュエータ部20を良好に伸縮させることができる。また、電極層34は、図2(b)に関して前述したように、センサ部10の領域とアクチュエータ部20の領域とで離隔して設けてもよい。
具体例5に係るマイクロホン装置1の調整方法には、図10〜図12に関して前述した第1の調整方法や、図13〜図15に関して前述した第2の調整方法を用いることができる。
具体例5においても、アクチュエータ部20に応力を印加し、この応力をセンサ部10に伝送することにより、具体例1に関して前述した効果が得られる。
次に、図20は、本実施形態に係るマイクロホン装置のさらに別の例(具体例6)を例示する模式図である。図20(a)は模式平面図であり、図20(b)は模式断面図である。なお、センサ部10に接続する引出配線及び検出部、並びにアクチュエータ部20に接続する引出配線51、52及び電圧調整部50は省略した。
図20に表したように、具体例6に係るマイクロホン装置1では、図19に関して前述した具体例5と同様に、ダイヤフラム部31は主面において略矩形状に設けられている。ここで、図示したように、アクチュエータ部20を主面においてダイヤフラム部31の中心寄りに略矩形状で設け、センサ部10は、主面においてアクチュエータ部20を囲むように、複数のセンサ部10a、10b、10c、10dとして設けてもよい。あるいは、図示しないが、センサ部10は一体にしてもよい。
主面におけるセンサ部10とアクチュエータ部20との境界は、ダイヤフラム部31の伸縮態様が異なる位置にすることができ、これにより、具体例1(図1)に関して前述したように、センサ部10及びアクチュエータ部20を良好に伸縮させることができる。また、電極層34は、図2(b)に関して前述したように、センサ部10の領域とアクチュエータ部20の領域とで離隔して設けてもよい。
具体例6に係るマイクロホン装置1の調整方法には、図10〜図12に関して前述した第1の調整方法や、図13〜図15に関して前述した第2の調整方法を用いることができる。
具体例6においても、アクチュエータ部20に応力を印加し、この応力をセンサ部10に伝送することにより、具体例1に関して前述した効果が得られる。
次に、図21は、本実施形態に係るマイクロホン装置のさらに別の例(具体例7)を例示する模式図である。図21(a)は模式平面図であり、図21(b)は模式断面図である。なお、センサ部10に接続する引出配線及び検出部、並びにアクチュエータ部20に接続する引出配線51、52及び電圧調整部50は省略した。
図21に表したように、具体例7に係るマイクロホン装置1では、具体例3(図17)に関して前述したように、センサ部10及びアクチュエータ部20は一体に設けられている。このような一体型にすることにより、製造工程が簡素化され、費用低減が図られる。
圧電層83及び電極層82は、ダイヤフラム部31の主面において中央寄りの場所に設けることができ、特に伸縮態様が異なる位置の内側に設けることができる。これにより、具体例1(図1)に関して前述したように、圧電層83及び電極層82を良好に伸縮させることができる。
また、実装態様などに応じて、図示したようにダイヤフラム部31、センサ部10、及びアクチュエータ部20は主面において略矩形状にしてもよい。
具体例7に係るマイクロホン装置1の調整方法には、図10〜図12に関して前述した第1の調整方法や、図13〜図15に関して前述した第2の調整方法を用いることができる。
具体例7においても、アクチュエータ部20に応力を印加し、これにより自ずとセンサ部10に応力を印加することにより、具体例1に関して前述した効果が得られる。
次に、図22は、本実施形態に係るマイクロホン装置のさらに別の例(具体例8)を例示する模式図である。図22(a)は模式平面図であり、図22(b)は模式断面図である。なお、センサ部10に接続する引出配線及び検出部、並びにアクチュエータ部20に接続する引出配線51、52及び電圧調整部50は省略した。
図22に表したように、具体例8に係るマイクロホン装置1では、具体例4(図18)に関して前述したように、センサ部10及びアクチュエータ部20は一体に設けられている。このような一体型にすることにより、製造工程が簡素化され、費用低減が図られる。
圧電層83及び電極層82は、ダイヤフラム部31の主面において周縁寄りの場所に設けることができ、特に伸縮態様が異なる位置の外側に設けることができる。これにより、具体例1(図1)に関して前述したように、圧電層83及び電極層82を良好に伸縮させることができる。
また、実装態様などに応じて、図示したようにダイヤフラム部31を略矩形状とし、センサ部10及びアクチュエータ部20は主面において略矩形状の領域を取り囲むように設けてもよい。センサ部10及びアクチュエータ部20は、図示したように複数のセンサ部10及びアクチュエータ部20(センサ部10a、10b、10c、10d及びアクチュエータ部20a、20b、20c、20d)としてもよく、あるいは図示しないが一体としてもよい。
具体例8に係るマイクロホン装置1の調整方法には、図10〜図12に関して前述した第1の調整方法や、図13〜図15に関して前述した第2の調整方法を用いることができる。
具体例8においても、アクチュエータ部20に応力を印加し、これにより自ずとセンサ部10に応力を印加することにより、具体例1に関して前述した効果が得られる。
(調整装置が実装されたマイクロホン装置)
次に、調整装置60が実装されたマイクロホン装置1について、図23及び図24を参照しつつ説明する。
図23は、調整装置60が実装されたマイクロホン装置1を例示するブロック図である。
図24は、調整装置60が実装されたマイクロホン装置1の調整方法を例示する流れ図である。
図23に表したように、本実施形態に係るマイクロホン装置1は、調整装置60をさらに備えてもよい。調整装置60には、図10〜図12に関して前述した第1の調整方法に用いる調整装置60や、図13〜図15に関して前述した第2の調整方法に用いる調整装置60を用いることができる。この場合、IC回路などを用いて、DCバイアス電圧を印加するための電源回路(電圧調整部50)と、キャパシタンス、共振周波数等のマイクロホン装置の電気特性を計測するためのセンサ回路(検出部64)と、それらを制御するための制御回路(制御部61)とが、共に実装された構成にすることができる。なお、電圧印加部65の機能は、電圧調整部50が担うことができる。また、検出部64には、インピーダンスアナライザまたはLCR(インダクタンス・キャパシタンス・抵抗)メータを用いることができる。以下、このマイクロホン装置の動作について説明する。
まず、図24のステップS31に示すように、制御部61は、検出部64に、センサ部10のキャパシタンス、共振周波数等の電気特性をセンシングする旨の指示情報75を伝送する。そして、ステップS32に示すように、検出部64は、指示情報75に基づきセンサ部10の電気特性の情報72を取得し、制御部61に伝送する。また、ステップS33に示すように、制御部61は、電圧調整部50(電圧印加部65)に、アクチュエータ部20にバイアス電圧を印加する旨の指示情報73を伝送する。そして、ステップS34に示すように、電圧調整部50は、指示情報73に基づきアクチュエータ部20にバイアス電圧をスイープさせながら印加する。なお、ステップS31及びS32と、ステップS33及びS34と、は、同時に行ってもよく、いずれかを先に行ってもよい。いずれの場合も、検出部64は、アクチュエータ部20にバイアス電圧が印加されているときのセンサ部10の電気特性を検出する。バイアス電圧値によって、センサ部10のキャパシタンスや共振周波数が変動する(図8及び図9参照)。
次に、図24のステップS35に示すように、制御部61は、電気特性情報72を用いてセンサ部10のキャパシタンスまたは共振周波数が所定の範囲内にあるか否かを判定する(図8及び図9参照)。所定の範囲にない場合は、ステップS36に示すようにバイアス電圧の値を変更して、ステップS31〜S35の操作を繰り返す。制御部61は、このようなフィードバックを行うことにより、センサ部10のキャパシタンスまたは共振周波数が所定の範囲に入るように制御する(図8及び図9参照)。例えば、キャパシタンスが所定値や最大値になるようにしたり、共振周波数が所定値になるようにする。
次に、センサ部10のキャパシタンスまたは共振周波数が所定の範囲にある場合は、図24のステップS37に示すように、制御部61はそのときのバイアス電圧の情報74を取得し、記憶する。そして、当該バイアス電圧値でアクチュエータ部20にバイアス電圧が印加されるように、電圧調整部50を制御する。
このキャリブレーション(較正)動作は、マイクロホン装置1を使用する前に毎回実行されるようにしてもよく、また所定時間の間隔で実行されるようにしてもよい。あるいは、検出部64が制御部61に電気特性情報72を常時伝送し、制御部61はセンサ部10の電気特性が所定の範囲から外れたらその都度バイアス電圧を変更するように制御する構成にしてもよい。すなわち、ステップS31〜S35の較正動作を常時行うようにしてもよい。
このように、マイクロホン装置1が調整装置60をさらに備えることにより、より精緻に最適なDCバイアス電圧の値でアクチュエータ部20に電圧を印加することができる。これにより、センサ部10の応力をより精緻に管理することができる。このため、製品間のばらつきが少なく、感度が良好に確保されるマイクロホン装置が提供される。また、マイクロホン装置1の感度は、経年劣化や温度負荷などに変化することがあり得るが、本構成によりこのような感度変化を抑制することが可能となる。
次に、マイクロホン装置1の適用例について、図25及び図26を参照しつつ説明する。
図25及び図26は、マイクロホン装置1の適用例を表す模式断面図である。
図25及び図26に表したように、本実施形態に係るマイクロホン装置1は、例えば、携帯電話など実装空間の厚さが小さい機器に適用することができる。
マイクロホン装置1のマイクロホンチップは、図25(a)及び(b)に表したように、電圧調整部50や調整装置60を含むICチップと共に回路基板に実装することができる。ICチップは、マイクロホンチップに隣接して設けることができ、これにより薄い空間において各構成要素を適切に配置することができる。そして、マイクロホン装置1は、キャップで保護されたモジュールの状態で扱うことができる。この場合、図25(a)に表したように、キャップに音孔(音の入る穴)202を設けることができる。あるいは、図26(b)に表したように、音孔202は開口部33側に設けてもよい。
このようなマイクロホンモジュールは、図26(a)及び(b)に表したように、携帯電話等の、マイク穴201が設けられた筐体部分200に搭載することができる。また、マイクロホンモジュールは、多数の様々な部品が実装されている回路基板上に実装することができる。
このように、本実施形態に係る圧電MEMSマイクロホンは、携帯電話等の小型機器などに好適に用いることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、圧力変動をセンシングするセンサ部10と、電圧印加により変形を生じるアクチュエータ部20とを用い、アクチュエータ部20に電圧を印加することで、積層構造膜であるダイヤフラム部31の応力状態を変化させることができ、最適な応力バランスに調整することが可能となる。これにより、製品間の特性のばらつきが少なく、感度が良好に確保されるマイクロホン装置が提供される。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、マイクロホン装置1は、音声だけでなく超音波等を含めた圧力を検知する圧力センサとしてもよい。また、構成を適宜工夫して、検知対象の媒体を空気以外の気体や液体などにすることもできる。
また、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズ、動作などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
さらに、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 マイクロホン装置
1a 検査チップ
2 マイクロホン装置
10、10a、10b、10c、10d センサ部
12 電極層
13 圧電層
20 アクチュエータ部
20a、20b、20c、20d アクチュエータ部
22 電極層
23 圧電層
30 基板
31 ダイヤフラム部
32 支持部
33 開口部
34、34a、34b 電極層
35 シリコン層
36 BOX層
37 シリコン基板
40 応力伝送手段
50 電圧調整部
51、52 引出配線
60 マイクロホン装置1の調整装置
61 制御部
62 スピーカ
63 参照マイク
64 検出部
64a、64b プローブ針
65 電圧印加部
65a、65b プローブ針
67 検査ウェーハ
70 指示情報
71 音波情報
72 圧電電圧情報、電気特性情報
73 指示情報
74 バイアス電圧情報
75 指示情報
82 電極層
83 圧電層
200 筐体
201 マイク穴
202 音孔
A、B、C、D、E、F、G 矢印
O 中心
S 応力印加手段

Claims (7)

  1. 第1の層と、
    第2の層と、
    第3の層と、
    前記第1の層と前記第2の層との間に挟持された第1の圧電層と、
    前記第3の層と前記第2の層との間に挟持された第2の圧電層と、
    を備え、
    前記第1の圧電層は、音波を受波して表面電荷を生じさせることにより前記音波を検知し、
    前記第2の圧電層は、前記第3及び第2の層を介して印加される第1の電圧により応力を発生させ、
    前記第2の圧電層で発生した前記応力が前記第1の圧電層に伝送され
    前記第1の層と第2の層と第1の圧電層とを含む第1の積層体と、前記第3の層と前記第2の層と第2の圧電層とを含む第2の積層体と、は共通の支持層の上に併設され、
    前記第1の積層体と前記第2の積層体のいずれか一方は、いずれか他方を取り囲むようにその周囲に設けられたことを特徴とするマイクロホン装置。
  2. 請求項1記載のマイクロホン装置の調整装置であって、
    前記第1の電圧を印加する電圧印加部と、
    前記第1の電圧が印加されているときの前記第1の圧電層の電気特性を検出する検出部と、
    前記検出された前記電気特性の値が予め決定された範囲に入るように前記第1の電圧を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とするマイクロホン装置の調整装置。
  3. 前記第1の圧電層に対して検査音波を出力する手段をさらに備え、
    前記検出部は、前記検査音波を受け且つ前記第1の電圧が印加されているときに前記第1の圧電層において生じている表面電荷の信号を検出して前記信号に応じて第2の電圧の情報を取得し、
    前記制御部は、前記第2の電圧の値が予め決定された範囲に入るように前記第1の電圧を制御することを特徴とする請求項記載のマイクロホン装置の調整装置。
  4. 請求項またはに記載のマイクロホン装置の調整装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のマイクロホン装置。
  5. 請求項1記載のマイクロホン装置の調整方法であって、
    音波を受波して表面電荷を生じさせることにより前記音波を検知するセンサ部の電気特性情報を取得するとともに、前記第1の電圧により応力を発生させるアクチュエータ部に前記第1の電圧を印加する工程と、
    前記センサ部の電気特性が所定の範囲に入るように前記第1の電圧の値を変更する工程と、
    を備えたことを特徴とするマイクロホン装置の調整方法。
  6. 前記第1の電圧を印加する工程の前に、
    スピーカに指示情報を伝送する工程と、
    前記スピーカが音波を出力する工程と、
    前記スピーカからの前記音波を検知し、前記スピーカからの前記音波の情報を制御部に伝送する工程と、
    前記情報により前記スピーカからの前記音波の出力を制御する工程と、
    を備えたことを特徴とする請求項記載のマイクロホン装置の調整方法。
  7. 前記電気特性情報は、キャパシタンスの周波数依存特性または共振周波数の情報であることを特徴とする請求項記載のマイクロホン装置の調整方法。
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