JP5323747B2 - 成層マイクロ流体構造、成層高分子マイクロ流体構造を形成するために少なくとも2つの高分子構成要素を積層する方法、および成層高分子マイクロ流体構造製造方法 - Google Patents

成層マイクロ流体構造、成層高分子マイクロ流体構造を形成するために少なくとも2つの高分子構成要素を積層する方法、および成層高分子マイクロ流体構造製造方法 Download PDF

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Description

概して、本発明の実施例は、マイクロ流体の分野、特に成層高分子マイクロ流体構造、および成層高分子マイクロ流体構造の製造方法に関係している。
微小量の生物学的/化学的流体の操作技術は、広くマイクロ流体工学と呼ばれている。マイクロ流体工学の実現されたアプリケーション、および潜在的なアプリケーションは、病気診断や、生命科学研究や、生物学的および/または化学的センサ開発や、当業者により理解されうる他の分野にまで及んでいる。
1つ以上のマイクロ流体チャンネルまたは経路を有する基板、および、カバープレート、または、相互連絡されているか否かに拘わらず、流体経路を伴う第2またはそれ以上の基板を含むマイクロ流体構造を、一般的にマイクロ流体チップと呼ぶこともある。高度集積マイクロ流体チップは、時として「チップ上のラボ」と呼ばれている。ガラス、水晶、またはシリコン製の基板を有する無機マイクロ流体チップは、有利な有機溶剤互換性、高熱/寸法安定性、および優れた機構精度を有している。これらのチップは、通常、半導体産業用で開発された安定した微細加工技術を用いて製造されている。しかしながら、特に流体経路が重要な領域とならざるを得ない場合や、チップを使い捨てにしなければならない場合は、無機チップの材料や生産コストは、法外に高くなる。加えて、多くの確立した生物学的検定法は、高分子基板の表面特性を利用して開発された。これらの検定法を無機表面上で再開発する研究活動には、大切な時間とリソースを投資しなければならないであろう。
すぐ上で述べたような無機マイクロ流体構造の代替手段として、高分子材料からもマイクロ流体構造や装置を製造可能である。高分子マイクロ流体構造は、有利な低い材料費と大量生産の可能性を有している。しかしながら、高分子マイクロ流体チップの製造には様々な課題がある。例えば、マイクロ流体チップは、封止されたマイクロ構造を含んでいてもよい。これらは、予め製造された流体経路、または薄いカバープレートを伴う、または三次元流体ネットワークを形成する1つ以上の追加基板を伴う、他のマイクロ機構を有する基板を封止することにより形成可能である。経路、または他のマイクロ構造は、マイクロメートルからミリメートルの範囲の標準的な寸法を有している。この多層マイクロ流体構造は、様々な従来技術により統合され、または結合されている。これらの技術は、熱結合、超音波結合、および溶剤結合を含んでいる。あいにく、これらの技術は、多くの場合、噛み合った表面をかなり変更してしまい、例えば、前述の結合条件での高分子材料の低次元剛性に起因して、マイクロ流体経路を歪めてしまったり、または完全に妨げてしまう。
接着積層を用いると、過度の熱エネルギーや強力な有機溶剤の使用を避けることにより、これらの潜在的困難性のいくつかは回避される。しかしながら、封止された流体経路の壁面へ粘着性層を導入すると、製造上の、および/または適用上の他の問題が引き起こされる場合がある。市販の接着剤は、主に用いられる材料の厚み(12〜100マイクロメータ)に適合している傾向がある。多くの場合、構成要素層間を均一にシールするのに要する圧縮力では、接着剤が流体経路に押出しされ、マイクロチャンネルの大きさを変え、または障害を生成することになる。接着剤を用いる場合の追加的な潜在的問題は、封止されたマイクロ構造内の接着剤壁の形成である。この異なる材料の存在により、マイクロ構造を均一に表面改質することは困難となる。さらに、均一な連続シート、または2つの対抗する平面間の層に対して、接着剤の使用を制限する、粘着剤層の操作またはパターン化は困難である。これにより、流体が接着剤層を通して流動できなくなるので、ネットワークを通る流体連絡を1つの平面に制限してしまい、より多能な三次元空間の使用を妨げることになる。
2つ以上の分離したプラスチック部品を結合させる強い有機溶剤の使用は、当技術分野では周知の慣例である。この処理が示すように、溶剤結合では、成層溶剤は高分子構成要素の高分子マトリクスに積極的に侵入することにより機能する。これは、巨大分子と巨大分子の結合を解いて、表面が柔らかくするよう、その高分子ネットワークから、巨大分子を解いたり、離したりする。対向する2つの柔らかくなった表面が近接すると、新しい高分子相互作用が確立される。溶剤が気化した後、高分子相互作用の力により生成された機械的強度を有する接着界面には、新たに形成された高分子ネットワークが存在する。プラスチック成層に使われる典型的な強い有機溶剤には、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、すなわちMEK)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、クロロホルム、1,2‐ジクロロエタン)、エーテル(テトラヒドロフラン、すなわちTHF)、または芳香族分子(キシレン、トルエン)、および当業者に知られている他のものがある。
マイクロ流体チップをポリスチレン、ポリカーボネート、またはアクリルで構成される基板と結合するのに、前述の強い溶剤を使用することは問題が多い。溶剤結合の分野で使われると知られている溶剤の全てが、(高分子基板を溶かすその能力により定義されるように)「強い」有機溶剤である。すなわち、これらの溶剤は、結合処理の間に、基板表面を柔らかくし過ぎたり、溶かしてしまう傾向がある。これは、基板の成層において、流体経路を完全に消し去ったり、妨げたり、破壊してしまうことにより、マイクロ流体構造を破損しかねない。例えば、アセトン、ジクロロエタン、またはキシレンなどは、室温で数秒の適用の間にポリスチレンシートを溶かし始めてしまう。溶剤にメタノールやエタノールなどの「不活性な」溶剤を混ぜ合わせることで、溶剤の強度を弱めることも可能であるが、結果として起こる接着は、多くの場合、満足のいく結果を提供するものではない。
現在の特許文献では、同一のまたは異なる材料の2つの対向するマイクロ流体構造表面を封止するために、熱接着剤、熱溶解接着剤、液体硬化性接着剤、およびエラストマー系接着剤のアプローチを使用することが開示されている。これらの方法は、様々な形や寸法のマイクロチャンネルの製造に適用可能であると示唆されている。しかしながら、これらのアプローチが製造と処理条件の緊縮調節に依存するのは明白であり、容認できない製造スループットと製品歩留まりをもたらすかもしれない。
他の報告された技術は、対向する基板が異なるガラス転移温度を有する場合、熱により成層された高分子マイクロチャンネルが、大幅に改良され得ることを示唆している。このアプローチは、熱結合中にマイクロ構造の完全性を保全する方法を提供可能であるが、成功率は正確なプロセス制御に依存する。結果的に、これをマイクロ流体チップ製造に適用することは制限されてしまう。
最近の刊行物は、マイクロ流体チャンネル壁の長さに沿って、基板の非機能的な領域内の対向する表面から突出した、複数のレリーフ構造の製造方法を説明している。それに続く結合材料の堆積がこのレリーフ構造を満たし、結合が完了する。この方法で、接着結合されたマイクロ流体装置の製造歩留まりを増加させることが可能であるとされている。正しい体積の結合材料をレリーフ構造内へ分配する重要な課題には触れられていない。僅かな体積の結合材料を制御しなければならないなら、高い製品歩留まりには適しない。
上記に鑑みて、本発明者は、高分子マイクロ構造を封止するための、簡単で、再現可能で、高い歩留まりの方法が必要であると認識した。こうした方法は、生化学的、細胞、生物学的検定に最も広く使われる材料であるポリスチレン、アクリル、および高分子材料からマイクロ流体チップを製造する場合、特に有益である。また、実験室での使用と製造環境の両方に適合する、マイクロ流体チップ製造方法を有しているのも望ましいであろう。こうした方法は、それが実質的に直接大量生産に移転可能であるのみならず、プロトタイプの生産に適しているなら、さらに役立つであろう。また、想定された方法に従って製造されたマイクロ流体構造は、その生産における経済性と容易さでも望ましいであろう。したがって、本発明の実施例は、技術の現状の認識された短所を述べ、さらに、当業者により理解されるように、さらなる利益と利点を提供するマイクロ流体構造と製造方法に向けられている。
概して、本発明の実施例は、マイクロ流体構造の2つ以上の構成要素(層)が、固く結合されるか、または結合剤として働く弱い有機溶剤で成層された、高分子マイクロ流体構造の製造方法に向けられている。特定の態様では、弱溶剤結合剤はアセトニトリル(CHCN,CAS No.75−05−8)である。実施例の態様によると、アセトニトリルは、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、または三次元マイクロ流体ネットワークを形成する他の線状重合体などの非エラストマー重合体内の(または非エラストマー重合体上の)マイクロ構造を封止するため、弱溶剤結合剤として使用可能である。
ある態様に従うと、本方法は、所与の、より低い温度範囲の、対向する表面へ隣接接触し、所与の時間の間に低い温度範囲よりも高い温度で結合剤を熱的に活性化する弱溶剤結合剤により、高分子基板構成要素の対向する表面の少なくとも1つを濡らすステップを伴っている。ある態様では、この低い温度範囲は、およそマイナス10℃からプラス35℃であり、さらに通常は、およそ0〜+20℃である。低い温度範囲は、通常、本願明細書では室温と呼ばれることがある。高い温度は、およそ+35℃より上である。ある態様では、成層処理を補助するために、隣接接触した構成要素へ圧力が加えられる。弱溶剤結合剤を熱的に活性化するのに要する高い温度が、成層処理と、加えられる圧力に依存することは理解される。加えられる圧力は、通常、最大およそ10psiであってもよい。特に、加えられる圧力は、最大およそ5psiであってもよい。ある態様では、加えられる圧力は、最大およそ2.5psiの範囲である。代替的に、基板の質量だけで十分な結合力を供給してもよいし、または表面を均一接触させるのに十分な真空が引かれてもよい。実例となる成層処理の圧縮時間は、数秒(例えば、ロールラミネータが用いられる場合)〜数分(例えば、加熱式プラテンプレスが用いられる場合)の範囲であってもよい。
他の態様では、本方法は、1つ以上のマイクロ構造を含み得る複数(n値)の基板構成要素の対向する表面へ、弱溶剤結合剤を繰返し塗布することにより、多層マイクロ流体構造を製造することに向けられている。ある態様では、選択された表面が濡らされ、対向する表面が接触した後であって、結合剤を熱的に活性化させる前に、複数の基板構成要素をスライドさせて整列させることが可能である。他の態様では、基板構成要素内の垂直に位置決めされた貫通孔を通して、異なる基板レベルに埋め込まれている個々のマイクロ構造を垂直に整列させ、接続することにより、整列が実行可能である。
他の態様では、高分子やマイクロ構造のパターン化された基板は、薄いフィルムが基板表面と接触した後に、熱的に活性化された弱溶剤結合剤によりそこへ結合された高分子の薄いフィルムで封止可能である。この態様では、接触前に、弱溶剤結合剤で、基板の接触面か薄いフィルムを濡らすことができる。代替的に、この表面は、隣接接触してもよく、弱溶剤結合剤を表面間で異常に露出した縁に塗布してもよい。その後、この構成は、結合剤活性化と結合形成のためのロールラミネータなどの、熱活性化熱と圧縮源にさらすことができる。この方法は、大規模マイクロ流体チップ生産の実現のための1つの態様を提供する。代替的な態様では、弱溶剤は、当技術分野で知られている気相(vapor phose)または気相(gas phase)縮合処理を通して塗布されてもよい。溶剤を冷却するよりむしろ、溶剤を塗布する前に基板が冷却されてもよい。
本発明の他の実施例は、成層高分子マイクロ流体構造に向けられる。ある態様では、成層マイクロ流体構造は、第1表面および第2表面並びに1つ以上のマイクロ構造を有する第1構成要素と、弱溶剤結合剤により第1構成要素に固定して取り付けられた第1表面および第2表面を有する第2高分子構成要素を含んでいる。特定の態様では、弱溶剤結合剤はアセトニトリルである。種々の態様では、第2表面は、第1構成要素上のマイクロ構造を封止する高分子の薄膜であってもよい。代替的に、成層構造は、相互接続されているか否かに関わらず、それぞれが1つ以上のマイクロ構造を有する、複数(n個)の高分子基板構成要素を含んでいてもよい。構成要素の表面は、平面かつ平行、平面かつ非平行、または湾曲か他の起伏を含む非平面であってもよい。
本発明の実施例の上述および他の目的、特徴、および利点は、いくつかの図面を参照する以下の好適な実施例の詳細な説明から明らかになる。
本発明の態様に係る、弱溶剤結合剤にさらされる前のマイクロ構造を含む基板構成要素の再生画像である。 本発明の態様に係る、弱溶剤結合剤に覆われたマイクロ構造を含む基板構成要素の再生画像である。 本発明の態様に係る、弱溶剤結合剤にさらされた後のマイクロ構造を含む基板構成要素の再生画像である。 本発明の実施例に係る、成層高分子マイクロ流体構造の製造処理を示す概略図である。 本発明の典型的実施例に係る、マイクロ構造を封止する前の、マイクロ流体構造の基板構成要素内のマイクロ構造の画像を再生した平面図である。 本発明の典型的実施例に係る、マイクロ構造を封止する後の、マイクロ流体構造の基板構成要素内のマイクロ構造の画像を再生した平面図である。 図3Bに示した構造の画像を再生した断面図である。 本発明の説明に役立つ態様に係る、整列ステップを含む、成層マイクロ流体構造製造方法の概略図である。 本発明の説明に役立つ態様に係る、反復性溶剤成層を用いる、局所的複合構造のための成層マイクロ流体構造製造方法の概略図である。 本発明の典型的実施例に係る成層マイクロ流体構造の分解アセンブリ図である。 本発明の典型的実施例に係る成層マイクロ流体構造の概略斜視図である。
本願明細書に使用されているように、「マイクロ構造」という言葉は、概して、およそ0.1マイクロメータからおよそ1000マイクロメータの範囲の、少なくとも一次元の壁を伴うマイクロ流体基板構成要素上の構造的機構を示している。これらの機構は、マイクロチャンネル、マイクロ流体経路、マイクロリザーバ、マイクロバルブ、またはマイクロフィルタであるが、これらに限定されない。「重合体」という用語は、重合反応で生産された、構成する単量体より実質的に大きな分子量を有する高分子構造または材料を示している。一般的に、および本願明細書で「プラスチック」材料と呼ばれる全ての材料は、高分子材料である。「アクリル」という用語は、登録商標「アクリライト」、登録商標「プレキシグラス」、PMMA、ポリメチルメタクリレートの他の商標名を示している。「二次元マイクロ流体ネットワーク」は、構成要素内か平面構成要素の平面内に共存する、少なくとも2つのマイクロ流体経路またはチャンネルの流体接続性を示している。「三次元マイクロ流体ネットワーク」は、少なくとも3つのマイクロ流体経路またはチャンネルが、3つのチャンネルの少なくとも1つが、構成要素の平面の外部にある形で配置されていたり、または他の非平面構成要素内にある形で配置されていたりする、流体接続性を示している。本願明細書で用いられる「弱溶剤」という用語は、適切な温度、力(すなわち、圧力、真空、および/または、質量)の条件(しかし、他の条件では、ほぼ、または実質的に全く結合効果がない)で、2つの噛み合った表面の間の化学的結合界面を形成可能な有機溶剤を示している。「不活性溶剤」という用語は、弱溶剤と混和性であるが、それ自体で結合能力を有しない溶剤を示している。
本発明の実施例は、弱溶剤結合剤が、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、または他の線状重合体などの非エラストマーの重合体を接合する、成層溶剤として、温和な条件のもとで使用されているとき、基板上に配置されたマイクロ構造が悪影響を受けないという、本発明者による驚くべき発見に基づいている。この発見により、成層高分子マイクロ流体構造の製品製造のみならず、プロトタイプの実用的で経済的な製造が可能となる。
ある態様に係る、弱溶剤結合剤は、化学的に化1のように定義可能である。
Figure 0005323747

ここで、R1=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在であり、R2=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在であり、さらにR3=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在である。
代替的に、弱溶剤は、化2の化学式を有していてもよい:
Figure 0005323747

ここで、R1=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在であり、さらにR2=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在である。
代替的に、弱溶剤は、化3の化学式を有していてもよい:
Figure 0005323747

ここで、R1=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在である。
特定の態様では、弱溶剤結合剤はアセトニトリルである。アセトニトリルは、分析化学と他のアプリケーションで広く使用される多能な溶剤である。これは、水と100%混和でき、優れた光学的特性を示す。アセトニトリルは、タンパク質とDNA配列に対して、それを役立つ溶剤にする、好適な誘電率、溶解度パラメータ、および低水素結合能力を有している。しかしながら、通常、アセトニトリルは、多くの有機分子に対して限られた溶解度しか持たず、有機合成のために選択される溶剤ではない。事実、多くのケトン、ハロゲン化炭化水素、エーテル、または芳香族分子と比較して、アセトニトリルが、高分子材料を膨張させる能力は非常に限られている。このため、本願明細書では、アセトニトリルは弱溶剤と呼ばれている。以下で詳細に説明される、本発明の様々な実施例において結合剤として使用されるので、それは、高分子マイクロ流体構造を成層する、典型的な弱溶剤結合剤を代表している。したがって、プラスチック表面を溶かすアセトニトリルの弱い能力は、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、および他の線状重合体などの高分子材料を成層するのに非常に適したものとなっている。例えば、少なくとも数分間、室温でアセトニトリルにより処理されたポリスチレン基板上に配列されたマイクロ構造は、顕著な機構損害を全く示さなかった。アクリルおよびポリカーボネートは、ポリスチレンよりアセトニトリルに影響されやすいのが観察されたが、代替的に、より低い温度でアセトニトリルを塗布するか、またはアセトニトリルと他の不活性溶剤との組み合わせを用いることで、この影響の受け易さが大きくなるのを制御可能である。
図1は、アセトニトリルにさらされたポリスチレン基板と、関連するマイクロ構造の物理的な安定性を示している。2.5〜5μmの大きさでおよそ10μmの深さのテストマイクロ構造100は、厚さ1mmのポリスチレンシート110上に複製された。図1Aは、アセトニトリル露呈の前のテストマイクロ構造100の画像を示す。図1Bは、アセトニトリルで覆われたテストマイクロ構造100の画像を示している。図1Cは、室温で5分間アセトニトリルへさらした後の、テストマイクロ構造100の画像を示している。テストマイクロ構造の顕著な表面劣化を引き起こす、室温でのアセトニトリル処理の兆候は全くない。
アセトニトリル成層の明らかに固有な特徴は、本発明の実施例に係るマイクロ流体構造の高分子構成要素に関連して使用されるとき、この弱溶剤が異なる温度で著しく異なる溶解度強度を有していることである。塗布された溶剤の温度が上昇するのに従って、ほとんどの無機または有機物質の溶解度が大きくなるのはよく知られているが、この溶解度の変化を異なる温度で制御されたマイクロ流体構造溶剤の成層に利用するためには微細な操作窓を必要とする。この基板は、高温および高圧でその溶解度を十分に大きくする一方で、室温で溶剤処理に耐えることができなければならない。成層マイクロ流体構造結合剤として用いられるアセトニトリルは、溶剤の成層に一般に使用される、現在知られているあらゆる強有機溶剤と対照的に、必要な作動範囲を提供する。
本発明の実施例は、成層高分子マイクロ流体構造の製造方法に向けられている。図2は、ポリスチレンマイクロ流体構造9の製造に用いる、典型的な2ステップのアセトニトリルベースの弱溶剤結合剤成層処理200を示している。1〜n個のマイクロ構造2を含むポリスチレンプレーナーベースプレートを含む典型的第1構成要素1は、ステップ225で提供される。ベースプレート1の意図された接触面11は、室温のアセトニトリル4を含む溶剤容器3へ構成要素を浸すことにより、ステップ230aでアセトニトリルで濡らされる。代替的に、ステップ230bに示したように、アセトニトリル4は、室温のベースプレート1の意図された接触面11上へ、ノズル10を通してスプレー可能である。流体連通貫通孔6を含むカバープレートとして示された第2構成要素5は、ステップ235で提供される。カバープレートは、ステップ240で第1構成要素1の表面11に隣接接触していた。マイクロ構造2および貫通孔6は、ベースプレートに対してカバープレートをスライドさせることにより、またはその逆に、初期に245に示したアセンブリ9を形成するよう整列可能である。ステップ250では、アセンブリ9は、ローラ7により圧縮されている間に、アセトニトリルを熱的に活性化するよう40〜45℃のホットプレート8上に配置される。結合処理は、255に示した、仕上げられた成層マイクロ流体チップ構造9をもたらすよう、厚さ1mmの高分子シートに対して、およそ1分で完了した。ホットプレート8とローラ7に代えて、温度制御されたプレスまたはロールラミネータが使用されるなら、結合品質と歩留まりは改善可能である。
図3で説明される、アセトニトリルで結合された、成層マイクロ流体構造9は、局所的に、かつ断面図において分析された。構造9のマイクロ構造2は、幅が200〜1000μm、深さが30μmのマイクロ流体経路である。ベースプレート1は、経路が配置される、厚さ1mmのポリスチレン基板である。カバープレート5は、厚さ1mmのポリスチレン基板である。マイクロ流体経路2は、上で図2を参照して説明した処理により封止された。図3Aおよび図3Bは、それぞれ、ベースプレート1およびカバープレート5の成層を通して、マイクロ流体経路2を封止する前後の平面画像である。図3Cは、封止された経路の断面図である。実質的に、いかなる経路変形も他の寸法変化も観測されていない。構造の表面の完全性、および基板の光学的透明度、9は、いかなる観察可能な亀裂も他の物質的な損害もなく保持される。
アセトニトリルで結合された成層の有益な態様は、本発明の実施例に係る処理により、カバープレートとベースプレートの両方を利用して構成された、複数構成層、または流体ネットワークを含む構造のための基板整列が可能となることである。高分子基板表面に積極的に侵入して、溶剤塗布から2〜3秒内に粘着性結合表面を作成する傾向がある従来の強い溶剤成層と異なり、室温でのアセトニトリルは、塗布することにより基板を柔らかくする非常に弱いパワーを示す。アセトニトリルが、熱的な活性化の前に、より低い温度で、噛み合った表面の間に存在しているとき、それは、潤滑剤と同様に機能して、隣接接触した表面を互いに対して自由にスライドさせることが可能である。アセトニトリルの熱的な活性化と加圧に際して、噛み合った表面は実質的に非可逆の結合を形成する。
処理の整列態様は、図4の例により示されている。ステップ400で、マイクロ構造14および整列キー15を含むポリスチレンベースプレート12は、上で説明したように、適当な方法により室温でアセトニトリルによって濡らされる。流体取込み口16および整列キー17を含む同じ材料のカバープレート13は、ステップ410で隣接接触したベースプレート12の上に配置される。積み重ねられたアセンブリ18は、整列されたアセンブリ19を与えるために、整列キー15、17を用いてステップ420で整列される。その後、整列されたアセンブリ19は、425で、短い時間の間に高温および高圧で成層され、完成した、成層マイクロ流体構造20をもたらす。塗布されたアセトニトリルの温度の典型的範囲は、およそマイナス10℃〜プラス35℃であり、特におよそ0℃〜+20℃である。熱的に活性化する温度は、およそ+35℃以上である。成層処理を補助するために、隣接接触した構成要素へ加えられる典型的量の圧力は、最高でおよそ10psiであり、特に、0〜2.5psiの間である。成層処理の具体的圧縮時間は、ロールラミネータまたは加熱しプラテンプレスが用いられるとき、数秒〜数分である。
三次元流体ネットワークの構成は、マイクロ流体適用の発展に重要である。「印刷された」ワイヤが電気接続なく互いに横切ることができない二次元プリント基板(PCB)の場合と同様に、流体チャンネルまたは経路も流体接続なく互いに交差することができない。マイクロ流体チップにおいて簡単な交差構造を作成するために、流体チャンネルは交差部分での異なる層に位置していなければならず、さらに、流体ネットワークを完成するために、垂直な流体経路に結合されていなければならない。
図5は、三次元流体ネットワークマイクロ流体構造の構成のための製造処理に向けられた、本発明の実施例を図示している。図示された処理は、3層基板、2ステップの弱溶剤結合成層処理を利用している。例えば、ダイレクト機械加工、加熱エンボス法、またはマイクロ成形法などにより製造される、マイクロ構造25、および整列キー23を含む第1の、高分子ベースプレート構成要素21が提供されている。流体貫通孔26および整列キー24を有する、第2の、高分子カバープレート構成要素22も提供されている。ステップ1000で、第1構成要素21の適切な表面38は、室温で、弱溶剤結合剤アセトニトリルにより濡らされる。第2構成要素22は、構成要素21の上面38と、構成要素22の対向する底面42とが、隣接接触するように、ベースプレート21の上にセットされる。積み重ねられた構成要素21、22は、整列キー23、24によりスライドするよう整列されている。その後、この構造は、低いレベルのマイクロ流体アセンブリ28を製造するために、ステップ1010において(上で本願明細書に説明した範囲の)高温と高圧で成層され/結合されている。部分的な流体ネットワーク31、貫通孔30、および整列キー32を含む第3のカバープレート構成要素29が、ステップ1015で提供される。アセンブリ28の上面43は、すでに説明したように、室温で弱溶剤結合剤アセトニトリルにより濡らされる。その後、第3構成要素29は、構成要素22の上面43と構成要素29の対向する底面44とが隣接接触するように、アセンブリ28の上にセットされる。積み重ねられた構成要素28、29は、整列キー24、32によりスライドするよう整列される。その後、この構造は、2つの交差マイクロ構造34、35を含む、三次元マイクロ流体構造33を製造するために、ステップ1020において(上で本願明細書に説明した範囲の)高温と高圧で成層され/結合される。両方の交差マイクロ構造34、35は、流体接続なく互いを横切って流体を配送する。ベースプレート21上のこれらの2つの交差マイクロ構造により作成された流体パターンは、明瞭に異なっている。交差マイクロ構造35は、マイクロ流体構造33の異なるレベルに製造された2つの直線チャンネル36、37を封止することにより形成される。いかなる共通の平面も、異なるチャンネルまたはチャンネルセグメントにより共有されることはない。他方の交差マイクロ構造34はかなり複雑である。非導電性の流体交差経路の提供に加えて、交差マイクロ構造34は、また、上側流体ネットワーク51のセグメントが同じ平面38上に共存するのを可能にし、構成要素21に示したように二次元スペース内の孤立した流体セグメント51の構成に導く。二次元スペース内の不連続な流体セグメントの有用性は、その全体から最大許容範囲が参照により本願明細書に組み込まれる、「三次元整列されたチャンネルネットワークを含むマイクロ流体システム」と題された、米国特許出願第20030156992号で開示されている。図6Aおよび図6Bは、それぞれ、図5と関連して説明した製造処理から生じるマイクロ流体構造の分解図および組み立て図を示している。
構成要素のマイクロ構造が、小さな、例えば、深さおよそ5μm以下のオーダーであり、パターンの平面幅が、例えば、1mm以上と大きく、さらに加えて、封止された構成要素が厚さおよそ200μm以下の薄いフィルムである場合には、構成要素の対に加えられた成層力により、上部構成要素を下部構成要素に衝突させて結合させてしまい、経路閉塞を引き起こすことになる。この問題を防ぐ1つの方法は、マイクロ構造内の結合剤の存在を制御することである。熱的に活性化する間、加えられた結合剤が経路に存在していないなら、上部構成要素は下部構成要素経路に結合されない。上部構成要素は、アセンブリが室温に戻されると、その意図された位置へリフトバックされる。
アセトニトリル結合剤が、封止されたマイクロ構造を変形することなく、2つの構成要素の成層が可能とするよう操作される、多くの方法がある。マイクロ構造を含むベース構成要素がカバー構成要素と接触させられると、2つの構成要素の間のスペースは、通常およそ50〜100nmのオーダーであり、マイクロ構造の深さ(すなわち、およそ1μm以上)よりはるかに小さい。液体の毛細管力が、液体が満たされているギャップの幅に間接的に比例していることは、よく知られている。したがって、マイクロ構造におけるよりも、結合される領域において、毛細管力が高い。この現象は、結合を意図している構造の領域のみに、弱溶剤を含むよう利用可能である。すでに言及したように、2つの基板は、溶剤でスプレーされ、その後、接触可能である。概して、溶剤はマイクロ構造を含む基板間の空間を完全に埋める。続いて、結合することが意図される基板間の領域のみに残るように溶剤を残して、マイクロ構造から溶剤を吸引することができる。代替的に、基板の対向する表面が溶剤露出の前に、隣接接触されるなら、その後、接触した構成要素の露出した縁に溶剤を導入可能である。溶剤は、マイクロ構造が溶剤なしのままである間、構成要素が接触した領域内へ「吸上げ」られる。
上で開示したように、アセトニトリル結合剤は、高分子構成要素間の結合を形成するために熱的な活性化が必要である。必要な加熱は多くの方法で提供可能である。熱源の上にそれらを配置することにより、熱が構成要素へと加えられる場合には、熱は、構成要素を通って結合界面まで伝達されなければならない。この方法は簡単であるが、基板が大きいアプリケーションや、熱的に活性化される条件下の溶剤処理に敏感な微細構造があるアプリケーションでは、適当でないこともある。基板構成要素をかなり加熱することなく、結合界面に必要なエネルギーを提供する他の方法態様が、溶剤補助マイクロ波結合と本願明細書で呼ばれている。本方法で、基板構成要素は、すでに開示された結合の準備がなされる。しかしながら、従来の、高温源に接触させることによる大きな構造の従来の加熱に代えて、組み立てられた構成要素の対はマイクロ波エネルギーにさらされている。マイクロ波エネルギーは、大量のプラスチックの構成要素構造に影響することなく、主に有極性溶剤分子により吸収され、結果的に、基板を大きく加熱することなく結合界面を加熱する。この方法は、加熱領域が限られた表面でなければならない場合、特に有用である。代替的に、弱溶剤結合剤によって結合されるべき、または成層されるべき構造は、弱溶剤を塗布する前に冷却されていてもよい。
以上の本発明の好適な実施例の説明は、図示と説明の目的のために提示されてきた。これは、包括的であることを意図したり、または開示された正確な形に本発明を限定するよう意図したりしていない。上述の教示の見地から、多くの変更と変化が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明により限定されず、むしろ特許請求の範囲により限定されることを意図している。
以下、本発明の好ましい態様を示す。
(態様1)
以下を含む成層マイクロ流体構造:
第1表面および第2表面を有する第1構成要素、ここで、少なくとも1つの表面がマイクロ構造を含み、さらにこの第1構成要素は高分子材料である;および、
第1表面および第2表面を有する第2高分子構成要素、ここで、第2構成要素の第1表面および第2表面の一方は、それぞれ、第1構成要素の第2表面および第1表面の一方へ、結合剤により固定式に取り付けられ、結合剤が高分子構成要素に対して弱溶剤である。
(態様2)
結合剤がアセトニトリルである、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様3
結合剤がアセトニトリルと不活性溶剤の混合物である、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様4)
高分子構成要素が、ポリスチレン材料、ポリカーボネート材料、アクリル樹脂材料、または他の線状重合体の少なくとも1つを含んでいる、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様5)
第1表面および第2表面が、実質的に平面かつ平行である、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様6)
第1表面および第2表面が平行でない、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様7)
第2構成要素が薄いフィルムである、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様8)
マイクロ構造がマイクロ流体経路である、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様9)
マイクロ構造がマイクロチャンネルである、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様10)
マイクロ構造が、マイクロリザーバである、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様11)
マイクロ構造がマイクロバルブである、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様12)
マイクロ構造がマイクロフィルタである、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様13)
第2構成要素が、第1表面および第2表面のうちの少なくとも1つにマイクロ流体経路を含んでいる、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様14)
第1構成要素および第2構成要素のうちの少なくとも1つに、複数のマイクロ構造を含んでいる、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様15)
複数のマイクロ構造のうち少なくとも2つが相互接続されている、態様14に係るマイクロ流体構造。
(態様16)
それぞれが第1表面および第2表面を有するn個の追加的成層高分子構成要素をさらに含んでおり、各n番目の構成要素の第1表面および第2表面の各々のうちの少なくとも1つが、それぞれ、すぐ隣の構成要素の第2表面および第1表面へ、結合剤により固く取り付けられている、態様1に係るマイクロ流体構造。
(態様17)
n個の構成要素のうちの少なくとも(n−1)個の各々の、第1表面および第2表面のうちの少なくとも1つが、マイクロ構造を含んでいる、態様16に係るマイクロ流体構造。
(態様18)
(n−1)個の構成要素のうちの少なくとも1つが、複数のマイクロ構造を含んでいる、態様17に係るマイクロ流体構造。
(態様19)
複数のマイクロ構造のうちの少なくとも2つが相互接続されている、態様18に係るマイクロ流体構造。
(態様20)
n個の構成要素の各々の第1表面および第2表面が実質的に平面で、かつ平行である、態様16に係るマイクロ流体構造。
(態様21)
n個の構成要素の各々の第1表面および第2表面が実質的に平面であり、また、n個の構成要素の少なくとも1つの第1表面および第2表面が平行でない、態様16に係るマイクロ流体構造。
(態様22)
マイクロ構造がマイクロ流体経路である、態様17に係るマイクロ流体構造。
(態様23)
マイクロ構造がマイクロチャンネルである、態様17に係るマイクロ流体構造。
(態様24)
マイクロ構造が、マイクロリザーバである、態様17に係るマイクロ流体構造。
(態様25)
マイクロ構造がマイクロバルブである、態様17に係るマイクロ流体構造。
(態様26)
マイクロ構造がマイクロフィルタである、態様17に係るマイクロ流体構造。
(態様27)
弱溶剤が化4の化学式を有している、態様1に係るマイクロ流体構造:
Figure 0005323747

ここで、
R1=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在であり、
R2=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在であり、そして、
R3=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在である。
(態様28)
弱溶剤が化5の化学式を有している、態様1に係るマイクロ流体構造:
Figure 0005323747

ここで、
R1=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在であり、そして、
R2=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在である。
(態様29)
弱溶剤が化6の化学式を有している、態様1に係るマイクロ流体構造:
Figure 0005323747

ここで、
R1=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在である。
(態様30)
成層高分子マイクロ流体構造を形成するために、少なくとも2つの高分子構成要素を成層する、以下を含む方法:
少なくとも2つの構成要素の1つの表面に弱溶剤を塗布すること;および、
少なくとも2つの構成要素の、弱溶剤が塗布された表面を含む、対向する表面を隣接接触させること。
(態様31)
弱溶剤を塗布する前に、少なくとも2つの構成要素のうちの1つを冷却することをさらに含む、態様30に係る方法。
(態様32)
少なくとも2つの構成要素の対向する表面を隣接接触させた後に、塗布された弱溶剤を熱的に活性化することをさらに含む、態様30に係る方法。
(態様33)
塗布された弱溶剤を熱的に活性化させている間に、少なくとも2つの構成要素に対して圧力を加えることをさらに含む、態様30に係る方法。
(態様34)
塗布された弱溶剤を熱的に活性化させる前に、少なくとも2つの構成要素を整列させることをさらに含む、態様32に係る方法。
(態様35)
弱溶剤を塗布し、少なくとも2つの構成要素の対向する表面を隣接接触させた後に、少なくとも2つの構成要素をスライドさせて所望の整列をなすことをさらに含む、態様30に係る方法。
(態様36)
弱溶剤を塗布する前、および、少なくとも2つの構成要素の対向する表面を隣接接触させた後に、少なくとも2つの構成要素を整列させて所望の整列をなすことをさらに含む、態様30に係る方法。
(態様37)
弱溶剤が化7の化学式を有している、態様30に係る方法:
Figure 0005323747

ここで、
R1=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在であり、
R2=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在であり、そして、
R3=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在である。
(態様38)
弱溶剤が化8の化学式を有している、態様30に係る方法:
Figure 0005323747

ここで、
R1=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在であり、そして、
R2=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在である。
(態様39)
弱溶剤が化9の化学式を有している、態様30に係る方法:
Figure 0005323747

ここで、
R1=HまたはR、ここで、R=アルキルまたは不在である。
(態様40)
弱溶剤がアセトニトリルである、態様30に係る方法。
(態様41)
以下を含む、成層高分子マイクロ流体構造を形成方法:
第1表面および第2表面を有する第1構成要素を提供すること、ここで、これらの表面の少なくとも1つがマイクロ構造を含み、さらにこの第1構成要素は高分子材料である;
第1表面および第2表面を有する第2高分子構成要素を提供すること、ここで、第1構成要素の第1表面および第2表面のうちの1つは、それぞれ、第2構成要素の第2表面および第1表面へ固く取付けられるよう意図されている;
第1構成要素および第2構成要素のうちの少なくとも1つへ、高分子構成要素に対して弱溶剤結合剤を塗布すること;および、
対向する表面を隣接接触させること。
(態様42)
対向する表面を隣接接触させた後に、塗布された結合剤を熱的に活性化させることをさらに含む、態様41に係る方法。
(態様43)
弱溶剤結合剤を、およそ室温またはそれ以下で塗布する、態様41に係る方法。
(態様44)
弱溶剤結合剤がアセトニトリルである、態様41に係る方法。
(態様45)
弱溶剤結合剤を塗布することが、第1構成要素および第2構成要素のうちの少なくとも1つの第1表面および第2表面のうちの1つへ結合剤をスプレーすることを含む、態様41に係る方法。
(態様46)
弱溶剤結合剤を塗布することが、第1構成要素および第2構成要素のうちの少なくとも1つを、結合剤のサプライへ浸すことを含む、態様41に係る方法。
(態様47)
結合剤を塗布することが、第1構成要素および第2構成要素を隣接接触させること、および隣接接触した構成要素の少なくとも1つの共通縁へ弱溶剤結合剤を塗布することを含む、態様41に係る方法。
(態様48)
結合剤を塗布した後、塗布された結合剤を熱的に活性化させる前に、第1構成要素および第2構成要素を隣接接触させた後に、第1構成要素および第2構成要素を整列させることをさらに含む、態様41に係る方法。
(態様49)
結合剤を塗布する前に、第1構成要素および第2構成要素を隣接接触させた後に、それらを整列させることをさらに含む、態様41に係る方法。
(態様50)
結合剤を熱的に活性化させている間に、隣接接触された構成要素の露出した表面に対して圧力を加えることをさらに含む、態様41に係る方法。
1 ベースプレート、2 マイクロ構造、4 アセトニトリル、5 第2構成要素、7 ローラ、8 ホットプレート、9 ポリスチレンマイクロ構造、10 ノズル、11 接触面。

Claims (2)

  1. 高分子の成層マイクロ流体構造を形成するために、それぞれポリスチレン、ポリカーボネート又はアクリルからなる少なくとも2つの高分子構成要素を成層する方法であって、
    上記少なくとも2つの高分子構成要素の1つの表面に弱溶剤を塗布する過程と、
    上記少なくとも2つの高分子構成要素の、弱溶剤が塗布された表面を含む対向表面を隣接接触させる過程とを含んでいて、
    上記弱溶剤として、室温より高い温度の下では上記少なくとも2つの高分子構成要素の結合表面間に化学的結合界面を形成する一方、室温の下では上記少なくとも2つの高分子構成要素を膨潤させる能力を実質的にもたず実質的に結合効果を有しない有機溶剤を用いることを特徴とする方法。
  2. 高分子の成層マイクロ流体構造を形成する方法であって、
    第1表面及び第2表面を有する第1高分子構成要素であって、上記第1表面及び上記第2表面のうちの少なくとも1つがマイクロ構造を含む、ポリスチレン、ポリカーボネート又はアクリルからなる第1高分子構成要素を準備する過程と、
    第1表面及び第2表面を有する、ポリスチレン、ポリカーボネート又はアクリルからなる第2高分子構成要素であって、上記第1高分子構成要素の第1表面及び第2表面のうちの1つは、それぞれ、該第2高分子構成要素の対向する第2表面及び第1表面に取付けられるよう意図されている第2高分子構成要素を準備する過程と、
    上記第1高分子構成要素及び上記第2高分子構成要素のうちの少なくとも1つに、該高分子構成要素に対する弱溶剤の結合剤を塗布する過程と、
    対向する表面を隣接接触させる過程とを含んでいて、
    上記弱溶剤として、室温より高い温度の下では上記第1高分子構成要素及び上記第2高分子構成要素の結合表面間に化学的結合界面を形成する一方、室温の下では上記第1、第2高分子構成要素を膨潤させる能力を実質的にもたず実質的に結合効果を有しない有機溶剤を用いることを特徴とする方法。
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