JP5322778B2 - 電気機器収納用箱体 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば通信機器等の電気機器を収納するための電気機器収納用箱体に関するものである。
従来、電気機器収納用箱体においては、箱体本体を形成する底板にフレーム状等に成形された取付部材を固定し、当該取付部材に電子機器を取付可能としたものがある(たとえば特許文献1)。
ここで、従来の電気機器収納用箱体について図4をもとに説明する。41は、電気機器収納用箱体を構成する底板であって、当該底板41の上面に、正面視コ字状のマウントパネル(取付部材)42がネジ43、43・・によりネジ止めされている。そして、マウントパネル42には、種々の電子機器が取付可能となっており、当該マウントパネル42の周囲を覆うような側板や天板(共に図示せず)を設けることによって、電気機器収納用箱体は構成される。
特開2006−140242号公報
一般的に、取付部材へは複数の電気機器が取り付けられるため、従来の電気機器収納用箱体のように取付部材が底板にネジ止めされ、底板上での位置が定まってしまっている(移動できない)と、取付部材への電気機器の取り付けや電気機器のメンテナンス時等の作業が煩わしくなる場合がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、取付部材への電気機器の取り付け等の作業が容易な電気機器収納用箱体を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、底板と、前面に開口を有する本体とを組み付けてなり、電気機器を、前記底板上に設置される取付部材に取り付けた状態で前記本体の内部空間に収納する電気機器収納用箱体であって、前記底板を、周縁部が上方へ折り曲げられた箱状に形成する一方、前記本体の内部に、前記底板上を前後方向へスライド可能なスライド部材を設け、前記取付部材を、前記スライド部材を介して前記底板上に設置するとともに、前記底板の前記周縁部における前記スライド部材の前方となる位置に、前記スライド部材を前方へスライドさせた際、前記スライド部材の一部を貫通させて前記本体よりも前方へ突出させる貫通孔を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記スライド部材のスライドを案内する案内部材を設けたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記スライド部材に、前後方向へ長いスライド孔を設け、当該スライド孔を介して前記スライド部材が設置される面へ螺入可能な摘み付きねじにより前記スライド部材を設置したことを特徴とする。
本発明によれば、本体の内部に、取付部材が設置される底板上をスライド可能なスライド部材を設け、取付部材を、スライド部材を介して底板上に設置しているため、たとえば取付部材への電気機器の取り付け時や電気機器のメンテナンス時に、取付部材を必要に応じて移動させることで作業を容易に行うことができる。さらに、スライド部材を前後方向へスライド可能に設けるとともに、底板の周縁部におけるスライド部材の前方となる位置に、スライド部材を前方へスライドさせた際、スライド部材の一部を貫通させて本体よりも前方へ突出させる貫通孔を設けている。したがって、前面開口近傍まで取付部材を引き出すことが可能となり、メンテナンス作業等をより容易に行うことができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、スライド部材のスライドを案内する案内部材を設けているため、スライド部材のスライドを安定させることができ、作業の一層の容易化を図ることができる。
加えて、請求項3に記載の発明によれば、スライド部材に、前後方向へ長いスライド孔を設け、当該スライド孔を介してスライド部材が設置される面へ螺入可能な摘み付きねじによりスライド部材を設置しているため、摘み付きねじを緩める/締めることでスライド部材をスライド可能/固定とすることができ、ドライバ等の工具を必要としない。
電気機器収納用箱体を分解した状態を示した説明図である。 底板上へマウントパネルを設置した状態を示した説明図である。 スライド板がスライドする様子を示した説明図である。 従来の電気機器収納用箱体の一部を示した説明図である。
以下、本発明の一形態となる電気機器収納用箱体について図面をもとに詳細に説明する。
電気機器収納用箱体1は、図1に示す如く、一対の側板及び天板をコ字状に連結してなる本体2と、本体2の底面開口を閉塞する底板3と、本体2の正面開口を閉塞する前扉4と、本体2の背面開口を閉塞する背板5とからなる。また、本体2内部には、図示しない通信機器を取り付けるためのマウントパネル6と、マウントパネル6と底板3との間に介在されるスライド機構7とが設けられている。
ここで、本発明の要部となるスライド機構7について説明する。
スライド機構7は、前後方向に長いスライド板10と、該スライド板10を案内する一対の案内部材15、15とからなる。スライド板10は、金属製の薄板部材であって、マウントパネル6の底面が固定される固定部10aと、該固定部10aから前方へ突設されたスライド部10bとを備えている。スライド部10bには、前後方向に延びる一対のスライド孔11、11が開設されており、当該スライド孔11、11を介して底板3へ螺入されたローレットねじ12、12によって、スライド板10は底板3にネジ止めされている。また、スライド部10bの側方には、案内部材15、15が固定部10a及びスライド部10bを案内可能に底板3上面へ固定されている。したがって、ローレットねじ12、12を緩め、案内部材15、15に沿ってスライド板10を前後方向へスライドさせることにより、固定部10aに固定されているマウントパネル6の位置も底板3上で移動させることができる。尚、底板3には、案内部材15やスライド部10bをネジ止めするための複数のネジ孔が設けられている。また、底板3は、その四辺を折り曲げた箱状に形成されており、底板3の前壁には、スライド部10bが貫通可能な貫通孔13が設けられている。したがって、図3に示す如く、貫通孔13を介してスライド部10bを前方へ突出させることにより、前扉4によって閉塞される前面開口近傍までマウントパネル6を引き出すことができる。
上述したような電気機器収納用箱体1を組み立てるにあたっては、まずローレットねじ12、12によりスライド板10を底板3上に設置し、該スライド板10にマウントパネル6を固定した後、マウントパネル6に各種電気機器を取り付ける。次に、マウントパネル6及び電気機器を覆うように本体2及び背板5を底板3へ組み付け、最後に前扉4を組み付ければ組み立て完了となる。そして、マウントパネル6への電気機器の取り付け時や取付状態にある電気機器をメンテナンスする際には、必要に応じてローレットねじ12、12を緩めてスライド板10をスライドさせ、マウントパネル6の位置を変えてやればよい。
以上、電気機器収納用箱体1によれば、スライド板10を介してマウントパネル6が底板3上に設置されており、マウントパネル6が底板3上を移動可能となっている。したがって、たとえばマウントパネル6への電気機器の取り付け時や取付状態にある電気機器のメンテナンス時に、マウントパネル6を必要に応じて移動させることで作業を容易に行うことができる。
また、スライド板10の両側縁を挟むように案内部材15、15を設置するとともに、スライド板10に前後方向へ長いスライド孔11、11を開設しており、各スライド孔11にローレットねじ12を挿通させている。したがって、スライド板10のスライドを、案内部材15、15及びローレットねじ12、12によって案内することになるため、スライド板10のスライドを安定させることができ、作業の一層の容易化を図ることができる。
さらに、スライド板10は、固定部10aの前方に、スライド孔11、11が開設されたスライド部10bを突設してなり、スライド孔11を介してローレットねじ12を底板3へ螺入することによりスライド板10を固定している。したがって、ローレットねじ12を緩めるだけでスライド板10はスライド可能となるため、マウントパネル6をスライド板10に固定したまま容易にスライドさせることができ、作業性が極めて良い。また、スライド板10をスライドさせる際には、ローレットねじ12、12を緩めるだけで良く、ドライバ等の工具を必要としない。
加えて、底板3の前壁にスライド部10bが貫通可能な貫通孔13を設けているため、該貫通孔13を介してスライド板10のスライド部10bを前方へ突出させることで、本体2の前面開口近傍までマウントパネル6を引き出すことができる。したがって、メンテナンス作業等をより容易に行うことができる。
なお、本発明の電気機器収納用箱体に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、スライド機構、底板や本体等に係る構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
たとえば、底板上に一対のレール部材を設けるとともに、当該レール部材が係合可能なスライド溝を備えたスライド板をレール部材上に取り付けることによりスライド機構を形成してもよいし、スライド板と案内部材との当接面に車輪等の転動体を設けてもよい。
また、取付部材を側板に設置するタイプの電気機器収納用箱体にあっては、スライド機構を側板に設けても何ら問題はない。
さらに、スライド板の固定/解除に係る構成についても、上記ローレットねじを用いてスライド板を固定/解除する構成に限定されることはなく、スライド板に係合爪を、案内部材若しくは底板に被係合部を夫々設け、係合爪の被係合部への係合によってスライド板が固定され、両者の係合状態を解除することによりスライド板がスライド可能となるように構成することも可能である。
加えて、スライド部材を板状ではなくブロック状等に形成しても何ら問題はないし、フレーム状のマウントアングル等の取付部材に対しても当然適用可能である。
1・・電気機器収納用箱体、2・・本体、3・・底板、6・・マウントパネル(取付部材)、7・・スライド機構、10・・スライド板(スライド部材)、10a・・固定部、10b・・スライド部、11・スライド孔、12・・ローレットねじ(摘み付きねじ)、13・・貫通孔、15・・案内部材。

Claims (3)

  1. 底板と、前面に開口を有する本体とを組み付けてなり、電気機器を、前記底板上に設置される取付部材に取り付けた状態で前記本体の内部空間に収納する電気機器収納用箱体であって、
    前記底板を、周縁部が上方へ折り曲げられた箱状に形成する一方、
    前記本体の内部に、前記底板上を前後方向へスライド可能なスライド部材を設け、前記取付部材を、前記スライド部材を介して前記底板上に設置するとともに、
    前記底板の前記周縁部における前記スライド部材の前方となる位置に、前記スライド部材を前方へスライドさせた際、前記スライド部材の一部を貫通させて前記本体よりも前方へ突出させる貫通孔を設けたことを特徴とする電気機器収納用箱体。
  2. 前記スライド部材のスライドを案内する案内部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電気機器収納用箱体。
  3. 前記スライド部材に、前後方向へ長いスライド孔を設け、当該スライド孔を介して前記スライド部材が設置される面へ螺入可能な摘み付きねじにより前記スライド部材を設置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気機器収納用箱体。
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