JP5313949B2 - ガラス破壊検出装置 - Google Patents
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Description
また下記特許文献2には、音響及び振動を検出して窓ガラスの破損を検知する装置が記載されている。
しかし、建物へ侵入しようとする者が、ガラスを破壊する手口としては、クレセント付近の窓ガラスのサッシとガラスの隙間にマイナスドライバーを差し込み、こじってガラスに亀裂を入れる行為を繰り返すことにより、ガラス破片をサッシから抜き取って開口部を作る「こじ破り」と呼ばれる方法がある。
しかしながら特許文献2のガラス破損検出装置では、振動検出手段のほかに音波検出手段が必要となり、さらに、各々の破壊方法を検出するためのロジックがそれぞれ独立に必要となるため、製造コストが高く、また高消費電力とならざるを得ず、ガラスが多数存在する建物には不向きであった。
ガラスの振動を検出し、電気的に変換して出力信号とする振動検出手段と、
前記振動検出手段の前記出力信号から所定の周波数成分の信号を抽出する第1の抽出手段と、
前記振動検出手段の前記出力信号から前記第1の抽出手段よりも低い周波数成分を含む信号を抽出する第2の抽出手段とを有するガラス破壊検出装置であって、
前記第2の抽出手段が所定強度以上の信号を抽出してから第1の所定時間が経過した後、第2の所定時間内に前記第1の抽出手段が抽出した信号が所定強度以上である場合に警報を出力することを特徴としている。
通常時は前記第2の抽出手段を駆動して前記第1の抽出手段は停止させ、前記第2の抽出手段が所定強度以上の信号を検出した場合に前記第1の抽出手段を駆動させるようにすることもできる。
前記第2の抽出手段が所定強度以上の信号を検出してから前記第1の所定時間が経過するまでの間は、前記第1の抽出手段が抽出した信号が所定強度以上であるか否かの判定を禁止する禁止手段を有することを特徴としている。
前記第2の抽出手段が所定強度の信号を抽出してから前記第1の所定時間より短い第3の所定時間の経過の後に、前記第1の抽出手段を駆動させるようにすることもできる。
前記第1の抽出手段が抽出する信号の周波数成分は、前記第2の抽出手段が抽出する信号の周波数成分に含まれるようにすることができる。
1.ガラス破壊検出装置1の構成 (図1)
図1は、本発明に係るガラス破壊検出装置1の構成を示したブロック図である。
振動検出手段としての振動センサである振動ピックアップ2は、ガラス破損時に発生する振動波を検出し、その振動波を強度に応じた電気信号に変換し、出力信号として出力する。振動ピックアップ2としては、圧電振動子を用いることができる。
なお、図示しないが、各部には電源としての電池から電力が供給される。
ガラス破壊検出装置1は、監視対象となるガラス10の表面に取り付けられる。
例えば、図2に示すように、ガラス破壊検出装置1はガラス10の隅の比較的目立たない部分に接着剤又は両面テープなどで取り付けられる。ガラス破壊検出装置1が、ガラス10が破壊されたことを検出すると、異常信号を通報装置11へ無線で送信し、通報装置11はさらに遠隔の図示しない監視装置へ異常信号を送信する。
次に本実施形態のガラス破壊検出原理について図3を用いて説明する。本発明の目的は、ガラスが手で叩かれた場合や、破壊に至らない程度に小石がガラスへ衝突した場合等に発生する誤警報を排除し、ガラスのハンマー等による打撃破壊や、マイナスドライバーを用いたこじ破り等による破壊を確実に検知するガラス破壊検出装置1を簡易な構成で実現することにある。
・ガラスをハンマーなどで打撃して破壊する場合(打撃破壊)
・こじ破り等でガラスにひびを入れて破壊する場合(こじ破り)
・ガラスに対し破壊に至らない程度の打撃を加える場合(ガラス殴打)
の各現象について以下のような特徴が得られることを実験により見出した。尚下記において低域成分とは低域監視回路3が出力する信号(HPF1の出力)であり、高域成分とは高域監視回路4が出力する信号(HPF2の出力)を意味する。
ガラスに対して大きな力を加えて破壊するため、ガラス全体が振動するとともに破壊によって高周波成分が発生するため、ガラス破壊時に検出される振動波は広い周波数(低域から高域まで)成分が含まれ、比較的長時間にわたって振動波が観測される。
ガラスとサッシの隙間にマイナスドライバーを差し込み、捻ることでガラスが割れる瞬間に局所的に大きな力が加わるため、検出される振動波にはある程度の大きさの低域成分が観測される(図3(a)参照)。
ガラス殴打によりガラス全体に振動が伝わるため、観測される振動波には、低域成分を主体とした振動波が長い時間観測される(図3(c)参照)。高域成分もある程度含まれるが、破壊現象を伴わないため短い時間で減衰する(図3(d)参照)。又、図示はしていないが、ガラスに砂がぶつかる場合等は低域成分を含まず、高域成分のみの振動波が観測される。
次に、本実施形態におけるガラス破壊検出のための処理の具体的手順について、実行される処理のフローを示す図4を用いて説明する。
開始時には低域監視回路3の増幅器1のみ駆動中であり、高域監視回路4の増幅器2は停止状態にある。
この遅延時間は、ガラスを破壊に至らない程度に殴打した場合に観測される振動波が収束する時間(例えば5ms)に設定される。即ち、高域監視回路4の監視をこの遅延時間の経過後とすることで、ガラス破壊時とガラス殴打時の識別を可能とする。この遅延時間も対象とするガラスの種類に応じて実験値の分布より適切に決定される。
2…振動検出手段としての振動ピックアップ
3…第2の抽出手段としての低域監視回路
4…第1の抽出手段としての高域監視回路
5…禁止手段としての遅延回路
6…判定部
7…出力部
9…第2の遅延回路
10…ガラス
11…通報装置
Claims (5)
- ガラスの振動を検出し、電気的に変換して出力信号とする振動検出手段と、
前記振動検出手段の前記出力信号から所定の周波数成分の信号を抽出する第1の抽出手段と、
前記振動検出手段の前記出力信号から前記第1の抽出手段よりも低い周波数成分を含む信号を抽出する第2の抽出手段とを有するガラス破壊検出装置であって、
前記第2の抽出手段が所定強度以上の信号を抽出してから第1の所定時間が経過した後、第2の所定時間内に前記第1の抽出手段が抽出した信号が所定強度以上である場合に警報を出力することを特徴とするガラス破壊検出装置。 - 通常時は前記第2の抽出手段を駆動して前記第1の抽出手段は停止させ、前記第2の抽出手段が所定強度以上の信号を検出した場合に前記第1の抽出手段を駆動させることを特徴とする請求項1のガラス破壊検出装置。
- 前記第2の抽出手段が所定強度以上の信号を検出してから前記第1の所定時間が経過するまでの間は、前記第1の抽出手段が抽出した信号が所定強度以上であるか否かの判定を禁止する禁止手段を有することを特徴とする請求項2に記載のガラス破壊検出装置。
- 前記第2の抽出手段が所定強度の信号を抽出してから前記第1の所定時間より短い第3の所定時間の経過の後に、前記第1の抽出手段を駆動させることを特徴とする請求項2又は3に記載のガラス破壊検出装置。
- 前記第1の抽出手段が抽出する信号の周波数成分は、前記第2の抽出手段が抽出する信号の周波数成分に含まれることを特徴とする請求項2乃至4に記載のガラス破壊検出装置。
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