JP5312587B2 - 無線通信装置 - Google Patents

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Description

この発明は、RFID(Radio Frequency Identification)システムで使用されるタグのアンテナ構成を備えた無線通信装置に関し、特に多周波共用可能な無線通信装置に関するものである。
近年、人や物品を自動的に認識および管理するRFIDシステムの普及が急速に進んでいる。RFIDシステムに用いられるアンテナから放射される電磁界には、準静電界、誘導界、及び放射界の3つの界がある。これらの界強度は、それぞれ、アンテナからの距離の3乗、アンテナからの距離の2乗、及びアンテナからの距離の1乗に反比例する。
この観点からRFIDシステムの通信方式を分類すると、LF帯やHF帯の誘導界を用いる誘導界結合方式と、数百MHz以上(UHF帯、マイクロ波帯など)の放射界を用いる放射界結合方式とに大別される。
前者の誘導界結合方式については、LF帯の125kHz〜135kHz帯を利用するRFIDシステムが、1980年代頃から工場のFA(Factory Automation)分野などで利用されている。また、HF帯の13.56MHz帯を使用したRFIDシステムは、入退室、入退場セキュリティー管理や、バス、鉄道などの公共交通機関における料金精算などに広く実用化されている。
一方、後者の放射界結合方式は、433MHz帯、860MHz〜960MHz、2.45GHz帯の周波数を使用し、前者に比べて通信距離が長く、主に物流管理、生産工場における部品管理などの用途に実用化されつつある。ただし、現在では、前者の誘導界結合方式、特にHF帯RFIDシステムが最も広く普及している。
このような状況のなか、既存のHF帯RFIDシステムをそのまま保持し、これに加えて、新たにUHF帯RFIDシステムを導入したいという要望がある。この場合、ユーザの利便性を考慮すると、ユーザがそれぞれのRFIDシステム用の複数のRFIDタグを所有することは望ましくなく、1つのタグで複数のRFIDシステムに対応できることが望ましい。
このような背景から、近年、HF帯RFIDシステムとUHF帯RFIDシステムとの双方で利用可能なカード型RFIDタグの研究開発が進められている。一例として、カード上に形成されたHF帯通信用コイル導体の内側に、UHF帯通信用ダイポールアンテナを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
すなわち、1枚のカード内にHF帯通信用コイルおよびUHF帯通信用アンテナを配置する方法としては、特許文献1および非特許文献1に記載のように、HF帯用コイルの内側にUHF帯用アンテナを配置する方法と、これとは別に、HF帯用コイルの外側にUHF帯用アンテナを配置する方法の2つの配置法に大別される。
特開2004−240899号公報
K. S. Leong, M. L. Ng, and P.H.Cole,"Miniaturization of dual frequency RFID antenna with high frequency ratio"2007 IEEE Antennas and Propagation Society International Symposium Digest,pp.5475-5478,July 2007
従来の無線通信装置では、特許文献1および非特許文献1のように、HF帯用コイルの内側にUHF帯用アンテナを配置する方法に関しては、非特許文献1中に、UHF帯の通信距離が約2mである点が記載されている。例えば、このタグを車両入退場管理に使用することを考えた場合、その通信距離は必ずしも十分ではなく、通信距離の改善が必要であり、実用に際して十分な通信距離を達成するのは容易ではないという問題点があった。
ただし、非特許文献1ではUHF帯の通信距離が約2mである点のみが記載されており、利得あるいは放射効率などアンテナそのものの性能は記載されていない。通信距離はタグアンテナに接続するタグ集積回路(以下、ICと記す)の性能にも大きく依存する。仮に、非特許文献1の通信試験に使用されたアンテナの性能は良好だが使用したICの性能が悪かったということであれば、非特許文献1のようにHF帯用コイルの内側にUHF帯用アンテナを配置する方法は、HF帯用コイルの開口面積を限られたカードサイズ内で最大にできる利点を有する。従って、本発明が目指す高性能HF帯/UHF帯共用カード型タグに対するアンテナ方式として非常に有効であると考えられる。
そこで、本発明者らは、この方法の有効性を見極めるために、HF帯用コイルの内側に配置されたUHF帯用ダイポールアンテナの放射効率を測定する基礎実験を行った。
図31は、実験に使用した無線通信装置の構成を示す平面図である。誘電体基板91上にコイル92を形成し、メアンダリングと先端容量装荷により小形化したダイポールアンテナ93を配置した。ダイポールアンテナ93の長さは0.176λc、幅は0.033λcである。ここで、λcはパッシブUHF−RFIDの世界帯域(860MHz−960MHz)の中心周波数910MHzにおける空気中波長である。また、コイル巻線の線幅と線間隔については、実用化されている非接触ICカード(HF帯カード型RFIDタグ)を参考に選定し、巻き数も実用化されている非接触ICカードを参考に3巻から6巻とした。
図32は、図31に示したUHF帯用ダイポールアンテナ93の放射効率の測定結果を示す図である。横軸は中心周波数910MHzで規格化された周波数、縦軸は放射効率の測定値をdB単位で表示しており、例えば、放射効率−10dBは放射効率10%に相当する。ダイポールアンテナ93の周囲にコイル92がある場合の放射効率は、巻き数を3(3−turn)から6(6−turn)まで変化しても、−7dB以下であり、ダイポールアンテナ93の周囲にコイル92がないダイポール単体(w/o coil)の放射効率に比べて、5dB以上劣化する。
この実験結果から、特許文献1および非特許文献1のように、HF帯用コイルの内側にUHF帯用アンテナを配置する方法では、高性能な、すなわち通信距離の長いUHF帯タグを実現するのは困難であることが分かった。この原因は、ダイポールアンテナ93とコイル92との電磁結合によりコイル導体上にUHF帯電流が誘起され、その誘起電流からの放射界がダイポールアンテナ93に流れる電流のうち、遠方への放射に寄与する電流(図31のz方向の電流成分)からの放射界を打ち消すことにより、放射抵抗が大幅に減少することである。
一方、別の従来技術として、HF帯用コイルの外側にUHF帯用アンテナを配置する方法では、UHF帯用アンテナを配置するために、HF帯用コイルの実装面積を小さくする必要がある。しかしながら、HF帯の通信距離は、大まかにはコイルの面積に比例するので、HF帯用コイルの実装面積を小さくすることは、HF帯通信距離の低下を招くという問題点があった。
さらに、2つの配置法のいずれにおいても、HF帯用コイルとUHF帯用アンテナとの相互干渉が発生する。その相互干渉による通信距離低下を軽減するためには、両アンテナ導体間の距離を、ある程度離すことが要求されるので、さらに各アンテナの実装面積が小さくなって通信距離の低下を招く可能性があるという問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、各アンテナの実装面積をできるだけ大きく確保し、LF帯RFIDシステム(またはHF帯RFIDシステム)とUHF帯RFIDシステムの各単体の通信距離と同等の通信距離を有し、LF帯RFIDシステム(またはHF帯RFIDシステム)とUHF帯RFIDシステムに共用可能なRFIDタグ機能を備えたカード型の無線通信装置を得るものである。
この発明に係る無線通信装置は、第1の周波数帯と、前記第1の周波数帯より周波数が低い第2の周波数帯のそれぞれの信号に対応して通信する無線通信装置であって、平板状物体と、前記第1の周波数帯の通信機能を有する第1の集積回路と、前記第1の集積回路の2つの入出力端子の一方に接続された第1の導電性物体と、複数の第2の導電性物体から構成され、少なくとも1つが前記第1の集積回路の2つの入出力端子の他方に接続された導電性物体群と、前記第2の周波数帯の通信機能を有する第2の集積回路と、前記第2の集積回路の2つの入出力端子の一方に巻き始め側が接続され、かつ前記第2の集積回路の2つの入出力端子の他方に巻き終り側が接続された渦巻状導電性物体とを設け、前記導電性物体群と前記渦巻状導電性物体は、それぞれ互いに前記平板状物体の反対面に形成され、前記平板状物体の法線方向から透視したとき、前記渦巻状導電性物体の半分以上が前記導電性物体群に重なるものである。
この発明に係る無線通信装置は、各アンテナの実装面積をできるだけ大きく確保することができ、LF帯RFIDシステム(またはHF帯RFIDシステム)とUHF帯RFIDシステムの各単体の通信距離と同等の通信距離を有し、LF帯RFIDシステム(またはHF帯RFIDシステム)とUHF帯RFIDシステムに共用することができるという効果を奏する。
この発明の実施例1に係るカード型の無線通信装置の上面の構成を示す平面図である。 この発明の実施例1に係るカード型の無線通信装置の下面の構成を示す平面図である。 図1及び図2のA−A’線断面図である。 この発明の実施例1に係る無線通信装置の導電性物体6と渦巻状導電性物体2の電磁結合の様子を示す図である。 この発明の実施例1に係る無線通信装置の集積回路4の入出力端子からアンテナ側を見たインピーダンス周波数特性Z1を示す特性図である。 この発明の実施例1に係る無線通信装置の放射効率を示す図である。 この発明の実施例1に係る無線通信装置のx−z面及びy−z面の放射パターンの計算結果を示す図である。 この発明の実施例1に係る無線通信装置の第2の周波数における渦巻状導電性物体2の入力インピーダンスの計算結果を示す表である。 この発明の実施例1に係るカード型の無線通信装置の第1の別の構成を上面からみた平面図である。 この発明の実施例1に係るカード型の無線通信装置の第1の別の構成を下面からみた平面図である。 図9及び図10の無線通信装置のインピーダンス周波数特性Z2を示す特性図である。 この発明の実施例1に係るカード型の無線通信装置の第2の別の構成を上面からみた平面図である。 この発明の実施例1に係るカード型の無線通信装置の第2の別の構成を下面からみた平面図である。 図12及び図13の無線通信装置のインピーダンス周波数特性Z3を示す特性図である。 この発明の実施例2に係るカード型の無線通信装置の上面の構成を示す平面図である。 この発明の実施例2に係るカード型の無線通信装置の下面の構成を示す平面図である。 この発明の実施例2に係るカード型の無線通信装置の第1の別の構成を上面からみた平面図である。 この発明の実施例2に係るカード型の無線通信装置の第1の別の構成を下面からみた平面図である。 この発明の実施例2に係るカード型の無線通信装置の第2の別の構成を上面からみた平面図である。 この発明の実施例2に係るカード型の無線通信装置の第2の別の構成を下面からみた平面図である。 この発明の実施例2に係るカード型の無線通信装置の第3の別の構成を上面からみた平面図である。 この発明の実施例2に係るカード型の無線通信装置の第3の別の構成を下面からみた平面図である。 この発明の実施例3に係るカード型の無線通信装置の上面の構成を示す平面図である。 この発明の実施例3に係るカード型の無線通信装置の下面の構成を示す平面図である。 この発明の実施例3に係るカード型の無線通信装置の第1の別の構成を上面からみた平面図である。 この発明の実施例3に係るカード型の無線通信装置の第1の別の構成を下面からみた平面図である。 この発明の実施例3に係るカード型の無線通信装置の第2の別の構成を上面からみた平面図である。 この発明の実施例3に係るカード型の無線通信装置の第2の別の構成を下面からみた平面図である。 この発明の実施例3に係るカード型の無線通信装置の第3の別の構成を上面からみた平面図である。 この発明の実施例3に係るカード型の無線通信装置の第3の別の構成を下面からみた平面図である。 実験に使用した無線通信装置の構成を示す平面図である。 図31に示したUHF帯用ダイポールアンテナの放射効率の測定結果を示す図である。 この発明の実施例4と実施例1に係る無線通信装置の放射効率周波数特性の計算結果を示す図である。 この発明の実施例4に係るカード型の無線通信装置の上面の構成を示す平面図である。 この発明の実施例4に係るカード型の無線通信装置の下面の構成を示す平面図である。 この発明の実施例4に係るカード型の無線通信装置の第1の別の構成を上面からみた平面図である。 この発明の実施例4に係るカード型の無線通信装置の第1の別の構成を下面からみた平面図である。 この発明の実施例4に係るカード型の無線通信装置の第2の別の構成を上面からみた平面図である。 この発明の実施例4に係るカード型の無線通信装置の第2の別の構成を下面からみた平面図である。 この発明の実施例4に係るカード型の無線通信装置の第3の別の構成を上面からみた平面図である。 この発明の実施例4に係るカード型の無線通信装置の第3の別の構成を下面からみた平面図である。
この発明の実施例1〜実施例4について以下説明する。
この発明の実施例1に係る無線通信装置について図1から図14までを参照しながら説明する。図1、図2及び図3は、この発明の実施例1に係る無線通信装置の構成を示す図である。なお、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は、カード型の無線通信装置の上面の構成を示す平面図、図2は、カード型の無線通信装置の下面の構成を示す平面図、図3は、図1及び図2のA−A’線断面である。
図1〜図3において、この発明の実施例1に係る無線通信装置は、誘電体や磁性体などの平板状物体1と、外形寸法L(長さ)、W(幅)を有する渦巻状導電性物体2と、導電性物体(第1の導電性物体)3と、集積回路(第1の集積回路)4と、集積回路(第2の集積回路)5と、導電性物体(導電性物体群)6(導電性物体(第2の導電性物体)6a、6b、6c、6d)と、導電性物体7a、7bと、スルーホールなどの異層間接続部8(8a、8b)と、1対の平板状導電性物体30a、30b(図3参照)から構成される平行平板キャパシタ(第1のキャパシタ)30とが設けられている。
なお、平行平板キャパシタ30の一方(上面側)の平板30aは、導電性物体7aに導通され、平行平板キャパシタ30の他方(下面側)の平板30bは、導電性物体7bに導通されている。
図1〜図3の構成から導電性物体3、集積回路4、及び導電性物体6を除去したものは、現在において広く普及している非接触ICカードの最も基本的な公知の構成である。
集積回路4は、第1の周波数帯での通信に必要な機能を備えている。集積回路5は、第2の周波数帯での通信に必要な機能を備えている。通常、集積回路4、5はそれぞれ2つの入出力端子(1端子対)を備えている。導電性物体7a、7bは、渦巻状導電性物体2と集積回路5の2つ入出力端子とを接続する。つまり、集積回路5は、2つの入出力端子の一方に渦巻状導電性物体2の巻き始め側が接続され、かつ2つの入出力端子の他方に渦巻状導電性物体2の巻き終り側が接続されている。異層間接続部8は、平板状物体1の上面に形成された導電性物体2、7bと、平板状物体1の下面に形成された導電性物体7bとを接続する。
つぎに、この実施例1に係る無線通信装置の動作について図面を参照しながら説明する。
平行平板キャパシタ30は、集積回路5に対して電気的に並列に接続される。平行平板キャパシタ30は、通常、渦巻状導電性物体2とともにLC並列共振回路を構成し、その容量値は、第2の周波数帯の所望周波数において共振するように設計される。または、平行平板キャパシタ30の容量値は、第2の周波数帯の所望周波数において、渦巻状導電性物体2が形成する回路と集積回路5とのインピーダンス整合が良好になるように設計される。
一般に、キャパシタの静電容量値をCとし、交流電源の周波数をfとすると、キャパシタのインピーダンス値Zは、周知のように、以下の式(1)で与えられる。
Z=−j/(2πfC) ・・・(1)
式(1)から明らかなように、キャパシタのインピーダンス値Zの比は、周波数fの比の逆数となる。第1及び第2の中心周波数f1、f2が、f1=2.45[GHz]、f2=13.56[MHz]であれば、中心周波数比f1/f2は、以下の式(2)で与えられる。
1/f2≒181 ・・・(2)
また、第1及び第2の中心周波数f1、f2が、f1=960[MHz]、f2=13.56[MHz]であれば、中心周波数比f1/f2は、以下の式(3)で与えられる。
1/f2≒71 ・・・(3)
さらに、第1及び第2の中心周波数f1、f2が、f1=860[MHz]、f2=13.56[MHz]であれば、中心周波数比f1/f2は、以下の式(4)で与えられる。
1/f2≒63 ・・・(4)
なお、上記の条件では、第2の中心周波数f2を13.56[MHz]としたが、仮に、f2=135[kHz]であれば、中心周波数比f1/f2を、式(2)〜(4)の値の100倍にすればよい。
多くの実用されている非接触ICカード(HF帯カード型RFIDタグ)では、図1〜図3の平行平板キャパシタ30に対応する静電容量値は十数[pF]〜数十[pF]に選定されている。例えば、キャパシタの静電容量値を10[pF]、周波数f1を860MHzとしてキャパシタのインピーダンスZ1を見積もると、Z1=0−j18.5[Ω]である。また、第2の中心周波数f2を13.56[MHz]とするとZ2≒0−j1166[Ω]となる。
このように、第1の周波数帯が第2の周波数帯に比べて周波数が十分高い場合には、平行平板キャパシタ30は、第1の周波数帯において電気的にほぼ短絡構造となる。従って、第1の周波数帯のアンテナ特性は集積回路5の電気特性にほとんど依存しなくなる。
一方、渦巻状導電性物体2のみで第2の周波数帯のリーダーライターが発する磁気エネルギーを効率良く集積回路5に伝送できる場合には、平行平板キャパシタ30は必ずしも必要ではなく、省略可能である。このとき、第1の周波数帯のアンテナ特性は集積回路5の電気特性に依存する場合が生じる。集積回路5の電気特性によって第1の周波数帯のアンテナ性能が大幅に劣化する場合には、第1の周波数帯のアンテナ性能の劣化を防ぐ目的で、図1のように、平行平板キャパシタ30を集積回路5に対して並列に装荷すればよい。この際、平行平板キャパシタ30が無いときの共振周波数を保持するためには、渦巻状導電性物体2が有するインダクタンスを低減する必要がある。これは、渦巻状導電性物体2の外形寸法LやW、渦巻状導電性物体2の巻線幅、渦巻状導電性物体2の巻線間隔を適宜変更することで容易に実現できる。
なお、集積回路5に対して電気的に並列に接続される容量を平行平板キャパシタ30で例示したが、チップコンデンサやインターディジタルキャパシタなど、電気的に容量性リアクタンスを有する部品、構造であればよい。
次に、図1〜図3に示した無線通信装置を第1の周波数帯で良好に動作させる方法を説明する。
上に述べたように、第1の周波数帯での通信に必要な機能を備えた集積回路4は、通常、2つの入出力端子(1端子対)を有している。本実施例では、図2に示すように、一方の端子を導電性物体3に、他方の端子を導電性物体6aに接続する。更に、導電性物体3の端部Bから導電性物体6aの端部Cまでの長さを第1の周波数帯の半波長程度に選定し、第1の周波数帯で共振特性が得られるようにする。このような構成とすることによって、第1の周波数帯において、導電性物体3と導電性物体6aを腕とする半波長非対称ダイポールアンテナが構成でき、両導体間に集積回路4を接続することによってタグとして動作させることが可能になる。導電性物体3の端部Bから導電性物体6aの端部Cまでの長さは所望の通信性能が得られれば半波長以外でもよいが、第1の周波数帯の半波長程度に選定するのが望ましい。また、第1の周波数帯において共振特性を得るという観点からは、導電性物体6aの配置は図2のとおりである必要はなく、導電性物体6b〜6dは不必要である。
しかしながら、導電性物体6aが図2以外に配置された場合や、導電性物体6b〜6dが配置されない場合には、上記の[発明が解決しようとする課題]において示した図31のアンテナと同様の問題が生じる可能性が高いと考えられる。即ち、導電性物体3と導電性物体6aから構成される非対称ダイポールアンテナから放射された第1の周波数帯の電磁波が渦巻状導電性物体2に結合して、渦巻状導電性物体2上に第1の周波数帯の電流が流れる。その誘起電流からの放射界が上記非対称ダイポールアンテナに流れる電流からの放射界を相殺し、その結果、放射効率が低下する恐れがある。
上記の問題を解消するための一つの方法は、渦巻状導電性物体2上に誘起される電流が遠方に電磁波を放射しないようにすることである。以下に、その方法を簡素な構成で実現するアイデアを説明する。
渦巻状導電性物体2を平板状物体1の上面に形成し、導電性物体3と導電性物体6(6a〜6d)を平板状物体1の下面に形成する。この際、平板状物体1の法線方向(真上)から透視的に本無線通信装置を見たとき、渦巻状導電性物体2の大部分(半分以上)が導電性物体6a〜6dに重なるように、導電性物体6を配置する。
ここで、図4に示すように、導電性物体6と渦巻状導電性物体2との電磁結合、両導電性物体に流れる電流、およびその電流からの放射を考える。z方向を向いたモーメントIlの微小電流素によって生じる電界はよく知られているように、通常の極座標において次の式(5)、式(6)で与えられる。
Figure 0005312587
ここで、Erは電界ベクトルのr方向成分、Eθは電界ベクトルのθ方向成分、jは虚数単位、ηは波動インピーダンス、k=2π/λは波数、λは波長、rは微小電流素から観測点までの距離、θはz軸と観測方向ベクトルrとの成す角である。式(5)及び式(6)において、1/(kr)、1/(kr)2、及び1/(kr)3に比例する項はそれぞれ放射界、誘導界、及び準静電界と呼ばれ、kr=1のときこれら3種の界強度は等しくなり、kr>>1の領域では放射界が、kr<<1の領域では準静電界が支配的になる。
本無線通信装置をカード化して実用に供する形態とする場合、平板状物体1の厚さtは規格で定められた厚さ以下にする必要があり、実用化されている非接触ICカードではt=100μm以下に選定されている。一方、UHF帯パッシブRFIDタグで使用される世界的周波数帯の中心周波数は約910MHzであるから、kt=1.9×10-3<<1となり、準静電界が支配的となる。
従って、導電性物体6に流れる電流J6が渦巻状導電性物体2上につくる電界は近似的に以下の式(7)のように表される。
Figure 0005312587
一方、渦巻状導電性物体2が完全導体(導電率∞の導体)であると考えた場合、渦巻状導電性物体2の表面において電界の接線成分は零にならなければならないから、渦巻状導電性物体2の表面にはこの境界条件を満足させるような電流、即ち、図4にJ2として示す電流が誘起され流れる。
渦巻状導電性物体2上に誘起された電流J2からの放射を考えると、導電性物体6の幅が平板状物体1の厚さtに比べて比較的広い場合には、近似的にイメージセオリー(鏡像定理)が適用できると考えられる。つまり、導電性物体6に関して、図4のJ2の位置(y=t)と対称な位置(y=−t)に−J2のイメージ電流を配置し、オリジナル電流J2からの放射界Eaとイメージ電流−J2からの放射界Ebとの重ね合わせと考える。オリジナル電流J2とイメージ電流−J2との距離2tは波長に比べて十分に短いので、EaとEbは全方向でほぼ相殺される。
以上の考察から、導電性物体6と渦巻状導電性物体2との電磁結合によって渦巻状導電性物体2に電流は誘起されるが、その電流からの放射界が導電性物体6に流れるアンテナ電流からの放射界を相殺することはなく、その結果、良好な放射効率が達成できると考えられる。
なお、導電性物体6の幅が狭く、例えば渦巻状導電性物体2の導体幅と同程度である場合には、上記イメージセオリーは近似的にも適用できなくなる。この場合、導電性物体6と渦巻状導電性物体2は平行2線のように動作すると考えられ、導電性物体6に流れる電流からの放射界を渦巻状導電性物体2に流れる電流からの放射界が相殺し、放射効率が大幅に低下すると考えられる。従って、導電性物体6の幅は渦巻状導電性物体2の幅に比べて十分大きい方が望ましいと考えられる。
なお、図2では、導電性物体6が6aから6dまでの4つに物理的に分割されているが、これらは第1の周波数帯および第2の周波数帯において所望の通信性能が得られれば、適宜、相互に接続されてよい。例えば、導電性物体7bを迂回して導電性物体6cと6dを接続してもよいし、導電性物体6bと6cを接続してもよい。但し、導電性物体6aから導電性物体6dまでをすべて接続して電気的閉回路を形成することは、第2の周波数帯への影響が大きくなるので好ましくない。
また、導電性物体3の配置は第1の周波数帯で所望の通信性能が得られれば図2以外でもよいが、平板状物体1の法線方向から透視的に本無線通信装置を見たとき、導電性物体3が渦巻状導電性物体2の外側に位置するように、導電性物体3を配置することが望ましい。
また、導電性物体3を必ずしも平板状物体1の下面に形成する必要はなく、導電性物体3を平板状物体1の上面の渦巻状導電性物体2の外側に形成しても電気特性の観点からは何ら問題ないことは明白である。つまり、平板状物体1の上面の導電性物体3の一端を、異層間接続部8aや8bと同じ、異層間接続部を通じて、平板状物体1の下面の集積回路4の一方の端子に接続すればよい。導電性物体3を平板状物体1の上面に形成するか、平板状物体1の下面に形成するかは、製造性を考慮して適宜選定すればよい。
さらに、図2では導電性物体3を細線として例示したが、円形、楕円形、多角形など細線以外の形状でもよい。
図1〜図3のアンテナ構成の有効性を検証するために、発明者は、数値電磁界解析を行った。図1〜図3に示す構成を簡易化した基礎検討モデルを作成し、渦巻状導電性物体2の巻数を6、導電性物体3の幅および長さをそれぞれ0.0032λ1および0.254λ1、渦巻状導電性物体2のWを0.14λ1、渦巻状導電性物体2のLを0.121λ1、0.143λ1、0.168λ1、及び0.194λ1として第1の周波数におけるアンテナ特性を計算した。
図5(a)、(b)、(c)及び(d)は、集積回路4の入出力端子からアンテナ側を見たインピーダンス周波数特性Z1を示す特性図である。図5(a)〜(d)においては、インピーダンスを50[Ω]で正規化した値を示している。
図5(a)〜(d)において、インピーダンス周波数特性Z1は、0.894f1から1.106f1まで、0.053f1刻みで、5ポイントにわたってスミスチャートにプロットされている。図5(a)〜(d)のインピーダンス周波数特性Z1から明らかなように、図1〜図3のアンテナ構成の場合、自由空間に置かれた半波長ダイポールアンテナと比べると、抵抗が小さいとともにリアクタンス変化量が大きい。つまり、上記のアンテナ構成は狭帯域ではあるが、類似のインピーダンス特性(直列共振特性)を示していることが分かる。
図6は放射効率を示している。放射効率の渦巻状導電性物体2の長さLへの依存性は非常に小さく、約−0.4dB以上の非常に高い放射効率が得られることがわかる。
図7はx−z面及びy−z面の放射パターンの計算結果を示す図であり、主偏波(Eθ成分)と交差偏波(Eφ成分)とを示している。図7から明らかなように、図1〜図3のアンテナ構成により、半波長ダイポールアンテナと同様の放射パターンが得られており、平板状物体1に垂直な方向の利得は、約2dBiである。なお、y−z面に交差偏波(Eφ成分)が生じているが、主偏波(Eθ成分)の利得低下を招くレベルではなく、タグアンテナとしては実用上問題ない。これらの検討結果から、第1の周波数に対する本実施例の有効性が確認できる。
一方、図8に示す表1は、第2の周波数における渦巻状導電性物体2の入力インピーダンスの計算結果を示しており、第1の周波数のために配置する導電性物体6の有無によるインピーダンス計算結果を比較している。この結果から、導電性物体6の有無によって、渦巻状導電性物体2の入力インピーダンスは変化するが、その変化量は比較的小さく、大きな悪影響はないことがわかる。導電性物体6が無いときの共振周波数を保持する必要がある場合には、渦巻状導電性物体2が有するインダクタンスを低減する必要がある。これは、渦巻状導電性物体2の外形寸法LやW、渦巻状導電性物体2の巻線幅、渦巻状導電性物体2の巻線間隔を適宜変更することで容易に実現できる。
以上の考察および検討結果から、図1〜図3に示した無線通信装置は、第1および第2の周波数帯のそれぞれのアンテナの実装面積を、第1の周波数帯のアンテナと第2の周波数帯のアンテナのそれぞれを同じ面に並設した場合よりも、広く確保できる。この結果、本無線通信装置は、各アンテナが単体で存在した場合と同等の通信性能を確保することが可能となる。
なお、導電性物体3の電気長は、第1の周波数帯で良好な通信性能が得られれば第1の周波数帯の実効波長以外でもよいが、第1の周波数帯の実効波長λ1e程度以下に選定されることが多い。ここで、第1の周波数帯の実効波長λ1eは、平板状物体1やその他の周囲物体など(図示せず)の、導電性物体3の周囲に配置される物体の電気的影響を考慮した値である。
ところで、一般に、RFIDタグに用いられる集積回路4のインピーダンスは、概して低抵抗であって高容量性リアクタンスを有している。したがって、アンテナと集積回路4とのインピーダンス整合を考えた場合、図5のようなアンテナインピーダンスでは不都合な場合がある。
上記の不都合な場合に対処するためには、例えば、図10の平面図に示すように、平板状物体1の下面上に導電性物体(第3の導電性物体)9を設ける。そして、導電性物体9の一端を導電性物体3に接続し、導電性物体9の他端を導電性物体6bに接続し、更に導電性物体6aと導電性物体6bを接続して、いわゆるショートスタブを構成すればよい。図9及び図10において、前述(図1〜図3参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。この場合、導電性物体9が追加され、導電性物体6aと導電性物体6bが接続された点を除けば、前述(図1〜図3参照)と同様の構成である。
図9及び図10のアンテナ構成とし、導電性物体3の形状、長さや、導電性物体6の長さを適宜選定することにより、図11のインピーダンス周波数特性Z2に示すように、集積回路4のインピーダンスに対して複素共役の関係となるインピーダンスの付近に、所望帯域インピーダンスを変位させることができる。そして、アンテナと集積回路4とのインピーダンス整合を確保することが可能になる。なお、図11において、インピーダンス周波数特性Z2のプロット周波数は、0.96f1から1.04f1まで、0.01f1刻みで、9ポイントにわたって示されている。
また、インピーダンス整合方法は、図10に示したショートスタブに限られない。他の手段として、例えば、図13の平面図に示すように、平板状物体1の下面上に閉ループ状の導電性物体(第4の導電性物体)10を設け、導電性物体10の一部に集積回路4を挿入したアンテナ構成が考えられる。
図13において、集積回路4は、導電性物体3から隔離されている。導電性物体10は、導電性物体6および/または導電性物体3(導電性物体3および導電性物体6の少なくとも一方)の近傍に配置されている。導電性物体10の一端は集積回路4の一方の端子に接続され、導電性物体10の他端は集積回路4の他方の端子に接続されている。また、導電性物体3は、導電性物体6aに接続されている。
図12及び図13のアンテナ構成においては、導電性物体6および導電性物体3に流れる電流によって生じる磁界が導電性物体10のループ内の空間を貫くことにより、集積回路4および導電性物体10からなる回路と、導電性物体3および導電性物体6からなるアンテナとが、上記の磁界を介して結合される。
図14は、図12及び図13のアンテナ構成によって得られたインピーダンス周波数特性Z3の計算結果を示す特性図である。図14において、インピーダンス周波数特性Z3のプロット周波数は、0.95f1から1.05f1まで、0.005f1刻みで、21ポイントにわたって示されている。図14から明らかなように、図12及び図13のアンテナ構成とすることにより、集積回路4とのインピーダンス整合を確保するのに好適なアンテナインピーダンス特性が得られる。
なお、導電性物体10は、導電性物体3および/または導電性物体6に接していてもよい。この状態は、導電性物体10と導電性物体3および/または導電性物体6との距離を零にした極限であり、アンテナとして上述と同様の動作をすると考えられる。
以上のように、この発明の実施例1により、各アンテナの実装面積をできるだけ大きく確保し、LF帯RFIDシステムまたはHF帯RFIDシステムと、UHF帯RFIDシステムの各単体の通信距離と同等の通信距離を有するLF帯RFIDシステムまたはHF帯RFIDシステムとUHF帯RFIDシステムに共用可能なRFIDタグ機能を備えた無線通信装置を得ることができる。
この発明の実施例2に係る無線通信装置について図15から図22までを参照しながら説明する。図15及び図16は、この発明の実施例2に係る無線通信装置の構成を示す図である。
第2の周波数帯の通信性能を高めるためには、基本的に、渦巻状導電性物体2の開口面積が広いことが好ましい。一方、上記の実施例1(図1−図2、図9−図10、図12−図13)のアンテナ構成では、第1の周波数帯の通信性能を高めるためには、導電性物体3を渦巻状導電性物体2の外側に配置する方が望ましい。これらの制約は相反する要求であり、両要求をともに実現するのは困難である。即ち、上記の実施例1では、渦巻状導電性物体2の開口面積を平板状物体1内で最大にできないので、第2の周波数帯の通信性能を最大限に高めることが難しくなる。
しかしながら、上記の実施例1で考察した原理により、第1の周波数帯、第2の周波数帯ともに良好な通信性能が得られるのであれば、渦巻状導電性物体2の開口面積を平板状物体1内で最大しても、両周波数帯ともに良好な通信性能が得られるアンテナ構成が考えられる。その方法を以下に説明する。
図15及び図16において、上記の実施例1と同一または同様の役割をする要素に対しては、上記の実施例1と同一または同様の番号で示す。以下に実施例1と異なる事項を説明する。
図15では、渦巻状導電性物体2の開口面積が平板状物体1内で最大となるように設けられている。実施例1と同様に、平板状物体1の法線方向(真上)から透視的に本無線通信装置を見たとき、渦巻状導電性物体2の大部分が導電性物体6a〜6dに重なるように、導電性物体6を配置する。このように配置する理由は、上記の実施例1で述べたとおりである。そして、複数に分割された導電性物体6のうちの2つの導電性物体(図16では導電性物体6aと導電性物体6b)の間に、導電性物体(第5の導電性物体)10aと、導電性物体(第6の導電性物体)10bを介して集積回路4を接続する。このように構成して、導電性物体6aと導電性物体6bの長さを適当に選定すれば、両導電性物体を腕とするダイポールアンテナとして動作させることができる。
基本的には、導電性物体6aと導電性物体6bの長さの和Labを約λ1/2に選定すれば、第1の周波数帯で共振させることができる。しかしながら、Labを約λ1/2に選定すると、集積回路4と、導電性物体6a及び6bから構成されるダイポールアンテナとのインピーダンス整合を確保できない可能性がある。このような場合には、導電性物体6aと導電性物体6bの長さ、および導電性物体10aと導電性物体10bの長さや間隔を適宜選定することにより、集積回路4とのインピーダンス整合を確保すればよい。
導電性物体6を第1の周波数帯においてダイポールアンテナとして動作させる構成は、図16に図示した構成に限定されるわけではない。
図17及び図18は、この発明の実施例2に係る無線通信装置の第1の別の構成を示す平面図である。
図18では、図16の導電性物体6aと導電性物体6bとを接続し、その導電性物体が改めて導電性物体6aと定義されている。そして、図18の導電性物体6aの近傍に、集積回路4が接続された導電性物体10を配置する。
図17及び図18の構成とすることにより、実施例1と同様に、導電性物体6aに流れる電流によって生じる磁界が導電性物体10のループ内の空間を貫くことにより、集積回路4および導電性物体10からなる回路と、導電性物体6aからなるアンテナとが、上記の磁界を介して結合される。そして、上記の構成は、第1の周波数帯においてタグアンテナとして動作させることができる。
基本的には、導電性物体6aの長さLaを約λ1/2に選定すれば、第1の周波数帯で共振させることができる。集積回路4とのインピーダンス整合は、長さLaと、導電性物体10の形状、大きさ及び位置とを最適化することにより達成される。
集積回路4が接続された導電性物体10は、図18では平板状物体1の下面に配置されているが、図19に示すように、平板状物体1の上面に配置してもアンテナとしての動作は変わらない。このような構成とすることによって、集積回路4と集積回路5を平板状物体1の同一面に形成することができ、製造が容易になる。
また、上記の実施例1でも述べたように、図18に示した導電性物体10は導電性物体6aから分離されている必要はなく、動作原理的には、図22に示すように、導電性物体10(10a、10b)が導電性物体6aに接続されていても問題ない。
図15−図16、図17−図18、図19−図20及び図21−図22の構成については、設計性、製造性、通信性能など全体を勘案して、最適な形態を選択すればよい。
この発明の実施例3に係る無線通信装置について図23から図30までを参照しながら説明する。図23及び図24は、この発明の実施例3に係る無線通信装置の構成を示す図である。
上記の実施例1及び実施例2では、第1の周波数帯での通信に必要な機能を備えた集積回路4と、第2の周波数帯での通信に必要な機能を備えた集積回路5の、各周波数帯に1つずつ、集積回路を必要とした。近年、各周波数帯それぞれに必要な通信機能を兼ね備えた多周波共用集積回路が実用化されつつある。本実施例では、上記の多周波共用集積回路に対応するためのアンテナ構成を説明する。
図23及び図24は、第1の周波数帯と第2の周波数帯の双方の通信に必要な機能を有する集積回路11を使用するためのアンテナ構成を示している。ここでは、集積回路11は、第1の周波数帯の信号を送受するための2つの入出力端子(1端子対)と、第2の周波数帯の信号を送受するための2つの入出力端子(1端子対)の、合計4つの入出力端子を備えている。導電性物体10が第1の周波数帯の入出力端子対(第1の入出力端子対)に、導電性物体7(7a、7b)が第2の周波数帯の入出力端子対(第2の入出力端子対)に接続される。集積回路11の内部において、第1の周波数帯に関する回路と第2の周波数帯に関する回路とのアイソレーションが高ければ、図23及び図24の構成によって、1つの集積回路11だけで、第1および第2の周波数帯で良好に通信することが可能となる。
一方、第1の周波数帯の入出力端子対と第2の周波数帯の入出力端子対が同一である場合、即ち、集積回路11が2つの端子(1端子対)しか備えていない場合も想定される。この場合、単純に図25のように接続して両周波数帯ともに良好に通信できればよいが、必ずしも良好な通信が行えるとは限らない。
例えば、図25及び図26に示す回路構成を考える。図25では、渦巻状導電性物体2に接続される導電性物体7と、第1の周波数帯の給電回路として働く導電性物体10がともに集積回路11の入出力端子対に接続されている。
第1の周波数帯において、集積回路11の入出力端子対から渦巻状導電性物体2の方をみたインピーダンスは、集積回路11の入出力端子対から平行平板キャパシタ30までの距離が約λ1/4の奇数倍であればほぼ無限大(電気的に開放)となる。従って、第2の周波数帯の回路特性が第1の周波数帯のアンテナ特性に与える悪影響は小さいと考えられる。
一方、第2の周波数帯において、集積回路11の入出力端子対から導電性物体10の方をみたインピーダンスはほぼ零(電気的に短絡)となる。従って、このままでは第2の周波数帯において良好な通信を行うことが困難となる。
このような場合には、第1の周波数帯のアンテナ構成として図16の構成を選択し、図27及び図28のように構成すればよい。図27及び図28では、集積回路11の入出力端子対と導電性物体10(10a、10b)とが異層間接続部8c及び8dとで接続されている。第1の周波数帯が第2の周波数帯に対して十分に高い場合には、導電性物体10と導電性物体6は第2の周波数帯の波長λ2に比べて十分に短いので、第2の周波数帯において集積回路11の入出力端子対から導電性物体10の方をみたインピーダンスはほぼ無限大(電気的に開放)となる。従って、導電性物体10と導電性物体6で形成される第1の周波数帯のアンテナが集積回路11に接続されても、第2の周波数帯の通信特性に悪影響を与えることはない。
図17−図18、図19−図20に示す構成をベースにして2周波共用の集積回路11に対応するには、図29及び図30に示す構成も考えられる。図29及び図30では、第1の周波数帯においてダイポールアンテナとなる導電性物体6aと磁界結合する導電性物体10が10a、10b及び10cの3つに分割されている。導電性物体10aと10bを平板状物体1の上面に配置し、導電性物体10cを平板状物体1の下面に配置している。導電性物体10aと10bはそれぞれの一端が集積回路11の端子に接続され、それぞれの他端が10cと容量結合されている。
即ち、導電性物体10aの一部である円形導体と導電性物体10cの一部である円形導体、および導電性物体10b一部である円形導体と導電性物体10cの一部である円形導体がそれぞれ平行平板キャパシタ(第2のキャパシタ)を形成している。上記の実施例1で述べたように、第1の周波数帯が第2の周波数帯に対して十分に高い場合には、上記の平行平板キャパシタのインピーダンスの絶対値は極めて大きくなり、電気的にはほぼ開放となる。その結果、第2の周波数帯において、集積回路11の入出力端子対から導電性物体10の方をみたインピーダンスをほぼ電気的に開放とすることができ、第2の周波数帯において良好な通信性能を確保することが可能となる。
この際、導電性物体10aの一部と導電性物体10cの一部、および導電性物体10bの一部と導電性物体10cの一部がそれぞれ形成する平行平板キャパシタの静電容量値については、第1の周波数において、集積回路11と、導電性物体10および導電性物体6aから成る第1の周波数帯のアンテナとのインピーダンス整合が確保できるように選定すればよい。
この発明の実施例4に係る無線通信装置について図33から図41までを参照しながら説明する。図33は、この発明の実施例4と実施例1に係る無線通信装置の放射効率周波数特性の計算結果を示す図である。また、図34、図35、図36、図37、図38、図39、図40及び図41は、この発明の実施例4に係る無線通信装置の構成を示す図である。
さて、上記の実施例1〜3のアンテナ構成とすれば、コイルのサイズや誘電体基板の誘電率に依存せず常に良好な放射効率が得られるであろうか。発明者らはこれを確かめるために、コイル外形長Lと放射効率周波数特性との関係を電磁界解析で調べた。図33の○印を線で結んだグラフは、上記の実施例1の図1及び図2に示したアンテナ構成においてコイル外形寸法をW=0.133λc、L=0.206λcとしたときの放射効率周波数特性の計算結果である。中心周波数fcを中心に広い帯域にわたって放射効率が低下していることがわかる。更に、この原因を明確にするために、電流分布と入力インピーダンスを計算した。その結果、巻かれているコイルの全長がおよそ波長の整数倍となるときに放射効率が大幅に低下することがわかった。これは、コイルの全長が波長の整数倍となるときにコイルが共振すること、共振器がエネルギーを吸い寄せ蓄える性質を有すること、および、アンテナ構成媒質(導体、誘電体)が有限の損失要因(抵抗、誘電正接)を有していることに起因すると考えられる。つまり、UHF帯のアンテナ給電点(図2の集積回路4の位置に相当する)に供給した電力の大部分が共振器(コイル)に吸い寄せられ、その一部が導体と誘電体で熱損として消散し、給電電力に対する遠方への放射電力の割合(放射効率)が低下したと考えられる。
実際に、このアンテナを備えたタグを設計、製作することを考えた場合、コイルの巻数や寸法はHF帯の通信特性が良好となるように決定される。従って、このままではUHF帯アンテナの放射効率が大幅に低下し、UHF帯において良好な通信性能が得られない場合がある。
コイルの共振によってその共振周波数付近でUHF帯アンテナの放射効率が低下するのであれば、コイルの共振周波数をUHF帯アンテナの使用周波数帯域から遠ざければよい。その一つの方法は、導電性物体群6とコイルとを少なくとも1か所で短絡することである。
この方法の有効性を確認するために、数値電磁界解析を行った。図33の△印を線で結んだグラフは、実施例1の図1及び図2に示したアンテナ構成に対して、図34及び図35に示すように、コイル2と導電性物体群6の一構成要素6aとを短絡手段(スルーホールなどの異層間接続部)8eで短絡し、コイル外形寸法をW=0.133λc、L=0.206λcとしたときの放射効率周波数特性の計算結果である。つまり、図33のグラフは、図34及び図35の短絡手段8eの有無による放射効率周波数特性の変化を示している。コイル2と導電性物体群6の一構成要素6aとを短絡手段8eで短絡することにより、UHF−RFID世界帯域内におけるコイル2の不要共振が消滅し、放射効率が大幅に向上していることがわかる。
短絡手段8eを設けることによって電気特性上の問題、あるいは製造上の問題が生じる場合には、例えば、図36及び図37に示すように、コイル2および導体6aを部分的に太くし、あるいは部分的に突出させて平板状導電性物体32aおよび32bを形成し、誘電体の平板状物体1の法線方向からみたとき平板状導電性物体32aと32bが重なるようにする。こうすることによって平行平板キャパシタ32が形成できる。キャパシタのリアクタンスXcは、Xc=−1/ωCだから、UHF−RFID世界帯域の中心周波数910MHzならば、32pFとすればXc=−5.5Ωとなり、ほぼ短絡と等価になる。また、その半分の16pFでも、Xc=−11Ωとなり、概ね短絡と同等になる。
なお、短絡(Xc=0Ω)が必ずしも最適である理論的根拠はなく、コイル2および導体6を電気的に接続するリアクタンスの値は、設計において通信特性が良好となるように適宜定められる設計事項である。
また、これまでの実施例1〜3に示したすべての構成(図30まで)に対しても本手法が有効であることは明白であり、例えば実施例2の図17及び図18に示した構成への適用例は図38及び図39と図40及び図41である。
また、コイル2および導体6を容量結合する方法として、図36及び図37では平行平板キャパシタ32を用いたが、チップコンデンサ部品やインターディジタルキャパシタなどでコイル2と導体6とを容量結合してもよい。
また、コイルの共振特性を変化させる、即ち、コイルに流れるUHF帯電流の分布を変化させるという観点からは、コイル2と導体6とを結合するリアクタンスは必ずしも容量性である必要はないと考えられ、誘導性でもよいと考えられる。誘導性にした方が良好な通信性能となる場合には、コイル2と導体6とをチップインダクタやスパイラルインダクタで結合すればよい。
また、コイル2と導体6とを電気的に結合する位置と数は、図34から図37までに示した位置、数に限定されるものではなく、これらは良好な通信特性が得られるように適宜定められる設計事項である。
上記の実施例1〜4で説明した無線通信装置を実用に供する形態とするには、平板状物体1として、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)などを用いればよい。
また、各導電性物体2、3、6a、6b、6c、6d、7a、7b、9、10、10a、10b、10cは、平板状物体1の上面または下面に形成されるが、例えば、エッチングで形成することができる。また、インクジェット印刷やシルクスクリーン印刷などの印刷技術を応用して、金属粒子を含んだ液体を平板状物体1に付着させることにより、形成することができる。
また、平板状物体1として両面基板を用いて、エッチング加工により平板状物体1と各導電性物体2、3、6a、6b、6c、6d、7a、7b、9、10、10a、10b、10cを形成してもよい。
また、異層間接続部8a、8b、8c、8d、8eは、スルーホール加工技術などを用いて形成することができ、集積回路4、5、11は、半田、導電性接着剤、または超音波を用いて、各導電性物体と電気的に結合することができる。
また、特に図示するまでもなく、上記の実施例1〜4で示した電気電子回路の表面(各導電性物体が形成された平板状物体1の上面または下面)をコーティング樹脂などで被覆することにより、さらに実用可能なアンテナ構成を実現することができる。この場合、コーティング樹脂としては、印刷/印字が可能な材料、または、ラベルを貼付しても容易には剥がれない材料を用いることが好ましい。
さらに、実施例1〜4に係る無線通信装置は、クレジット機能または認証機能を有する無線通信に適用することができる。
また、第1の周波数帯をUHF帯(300MHz〜3000MHz)に含め、第2の周波数帯をLF帯(30kHz〜300kHz)またはHF帯(3MHz〜30MHz)に含めることにより、各アンテナの実装面積をできるだけ大きく確保し、各単体システムの通信距離と同等の通信距離を有するLF帯またはHF帯とUHF帯の共用RFIDカード型タグによる無線通信装置を得ることができる。
1 平板状物体、2 渦巻状導電性物体、3 導電性物体、4 集積回路、5 集積回路、6、6a、6b、6c、6d 導電性物体、7、7a、7b 導電性物体、8、8a、8b、8c、8e 異層間接続部、9 導電性物体、10、10a、10b、10c 導電性物体、11 集積回路、30 平行平板キャパシタ、30a、30b 平板状導電性物体、32 平行平板キャパシタ、32a、32b 平板状導電性物体。

Claims (18)

  1. 第1の周波数帯と、前記第1の周波数帯より周波数が低い第2の周波数帯のそれぞれの信号に対応して通信する無線通信装置であって、
    平板状物体と、
    前記第1の周波数帯の通信機能を有する第1の集積回路と、
    前記第1の集積回路の2つの入出力端子の一方に接続された第1の導電性物体と、
    複数の第2の導電性物体から構成され、少なくとも1つが前記第1の集積回路の2つの入出力端子の他方に接続された導電性物体群と、
    前記第2の周波数帯の通信機能を有する第2の集積回路と、
    前記第2の集積回路の2つの入出力端子の一方に巻き始め側が接続され、かつ前記第2の集積回路の2つの入出力端子の他方に巻き終り側が接続された渦巻状導電性物体とを備え、
    前記導電性物体群と前記渦巻状導電性物体は、それぞれ互いに前記平板状物体の反対面に形成され、
    前記平板状物体の法線方向から透視したとき、前記渦巻状導電性物体の半分以上が前記導電性物体群に重なる
    無線通信装置。
  2. 前記平板状物体の法線方向から透視したとき、前記第1の導電性物体が前記渦巻状導電性物体の外側に位置する
    請求項1記載の無線通信装置。
  3. 第3の導電性物体をさらに備え、
    前記第3の導電性物体の一端は、前記第1の導電性物体に接続され、前記第3の導電性物体の他端は、前記導電性物体群のうち前記第1の集積回路の2つの入出力端子の他方に接続された前記第2の導電性物体に接続された
    請求項1又は2記載の無線通信装置。
  4. 第1の周波数帯と、前記第1の周波数帯より周波数が低い第2の周波数帯のそれぞれの信号に対応して通信する無線通信装置であって、
    平板状物体と、
    前記第1の周波数帯の通信機能を有する第1の集積回路と、
    前記平板状物体の一方の面に形成された第1の導電性物体と、
    複数の第2の導電性物体から構成され、少なくとも1つが前記第1の導電性物体に接続された導電性物体群と、
    前記第1の集積回路の2つの入出力端子間に接続された閉ループ状の第4の導電性物体と、
    前記第2の周波数帯の通信機能を有する第2の集積回路と、
    前記第2の集積回路の2つの入出力端子の一方に巻き始め側が接続され、かつ前記第2の集積回路の2つの入出力端子の他方に巻き終り側が接続された渦巻状導電性物体とを備え、
    前記導電性物体群と前記渦巻状導電性物体は、それぞれ互いに前記平板状物体の反対面に形成され、
    前記平板状物体の法線方向から透視したとき、前記渦巻状導電性物体の半分以上が前記導電性物体群に重なり、
    前記第4の導電性物体は、前記第1の導電性物体及び前記渦巻状導電性物体の少なくとも一方に近接配置された
    無線通信装置。
  5. 第1の周波数帯と、前記第1の周波数帯より周波数が低い第2の周波数帯のそれぞれの信号に対応して通信する無線通信装置であって、
    平板状物体と、
    前記第1の周波数帯の通信機能を有する第1の集積回路と、
    複数の第2の導電性物体から構成された導電性物体群と、
    前記第1の集積回路の2つの入出力端子の一方と前記導電性物体群のうちの少なくとも1つの間に接続された第5の導電性物体と、
    前記第1の集積回路の2つの入出力端子の他方と前記導電性物体群のうちの少なくとも1つの間に接続された第6の導電性物体と、
    前記第2の周波数帯の通信機能を有する第2の集積回路と、
    前記第2の集積回路の2つの入出力端子の一方に巻き始め側が接続され、かつ前記第2の集積回路の2つの入出力端子の他方に巻き終り側が接続された渦巻状導電性物体とを備え、
    前記導電性物体群と前記渦巻状導電性物体は、それぞれ互いに前記平板状物体の反対面に形成され、
    前記平板状物体の法線方向から透視したとき、前記渦巻状導電性物体の半分以上が前記導電性物体群に重なる
    無線通信装置。
  6. 第1の周波数帯と、前記第1の周波数帯より周波数が低い第2の周波数帯のそれぞれの信号に対応して通信する無線通信装置であって、
    平板状物体と、
    前記第1の周波数帯の通信機能を有する第1の集積回路と、
    複数の第2の導電性物体から構成された導電性物体群と、
    前記第1の集積回路の2つの入出力端子間に接続された閉ループ状の第4の導電性物体と、
    前記第2の周波数帯の通信機能を有する第2の集積回路と、
    前記第2の集積回路の2つの入出力端子の一方に巻き始め側が接続され、かつ前記第2の集積回路の2つの入出力端子の他方に巻き終り側が接続された渦巻状導電性物体とを備え、
    前記導電性物体群と前記渦巻状導電性物体は、それぞれ互いに前記平板状物体の反対面に形成され、
    前記平板状物体の法線方向から透視したとき、前記渦巻状導電性物体の半分以上が前記導電性物体群に重なり、
    前記第4の導電性物体は、前記渦巻状導電性物体の少なくとも1つに近接配置された
    無線通信装置。
  7. 前記第2の集積回路の2つの入出力端子間に接続された第1のキャパシタをさらに備えた
    請求項1から請求項6までのいずれか1項記載の無線通信装置。
  8. 第1の周波数帯と、前記第1の周波数帯より周波数が低い第2の周波数帯のそれぞれの信号に対応して通信する無線通信装置であって、
    平板状物体と、
    前記第1及び第2の周波数帯の通信機能、前記第1の周波数帯の信号を入出力する第1の入出力端子対、並びに前記第2の周波数帯の信号を入出力する第2の入出力端子対を有する集積回路と、
    複数の第2の導電性物体から構成された導電性物体群と、
    前記集積回路の第1の入出力端子対間に接続された閉ループ状の第4の導電性物体と、
    前記集積回路の第2の入出力端子対の一方に巻き始め側が接続され、かつ前記集積回路の第2の入出力端子対の他方に巻き終り側が接続された渦巻状導電性物体とを備え、
    前記導電性物体群と前記渦巻状導電性物体は、それぞれ互いに前記平板状物体の反対面に形成され、
    前記平板状物体の法線方向から透視したとき、前記渦巻状導電性物体の半分以上が前記導電性物体群に重なり、
    前記第4の導電性物体は、前記渦巻状導電性物体の少なくとも1つに近接配置された
    無線通信装置。
  9. 第1の周波数帯と、前記第1の周波数帯より周波数が低い第2の周波数帯のそれぞれの信号に対応して通信する無線通信装置であって、
    平板状物体と、
    前記第1及び第2の周波数帯の通信機能、並びに前記第1及び第2の周波数帯の信号を入出力する入出力端子対を有する集積回路と、
    複数の第2の導電性物体から構成された導電性物体群と、
    前記集積回路の入出力端子対間に接続された閉ループ状の第4の導電性物体と、
    前記集積回路の入出力端子対の一方に巻き始め側が接続され、かつ前記集積回路の入出力端子対の他方に巻き終り側が接続された渦巻状導電性物体とを備え、
    前記導電性物体群と前記渦巻状導電性物体は、それぞれ互いに前記平板状物体の反対面に形成され、
    前記平板状物体の法線方向から透視したとき、前記渦巻状導電性物体の半分以上が前記導電性物体群に重なり、
    前記第4の導電性物体は、前記渦巻状導電性物体の少なくとも1つに近接配置された
    無線通信装置。
  10. 前記第4の導電性物体の閉ループの途中に挿入された第2のキャパシタをさらに備えた
    請求項9記載の無線通信装置。
  11. 第1の周波数帯と、前記第1の周波数帯より周波数が低い第2の周波数帯のそれぞれの信号に対応して通信する無線通信装置であって、
    平板状物体と、
    前記第1及び第2の周波数帯の通信機能、並びに前記第1及び第2の周波数帯の信号を入出力する入出力端子対を有する集積回路と、
    複数の第2の導電性物体から構成された導電性物体群と、
    前記集積回路の入出力端子対の一方と前記導電性物体群のうちの少なくとも1つの間に接続された第5の導電性物体と、
    前記集積回路の入出力端子対の他方と前記導電性物体群のうち前記第5の導電性物体が接続されない第2の導電性物体の間に接続された第6の導電性物体と、
    前記集積回路の入出力端子対の一方に巻き始め側が接続され、かつ前記集積回路の入出力端子対の他方に巻き終り側が接続された渦巻状導電性物体とを備え、
    前記導電性物体群と前記渦巻状導電性物体は、それぞれ互いに前記平板状物体の反対面に形成され、
    前記平板状物体の法線方向から透視したとき、前記渦巻状導電性物体の半分以上が前記導電性物体群に重なる
    無線通信装置。
  12. 前記集積回路の入出力端子対間に接続された第1のキャパシタをさらに備えた
    請求項11項記載の無線通信装置。
  13. 前記第1のキャパシタあるいは前記第2のキャパシタは、平行平板キャパシタ、インターディジタルキャパシタ、コンデンサ部品のいずれかである
    請求項7、10又は12記載の無線通信装置。
  14. 全ての導電性物体が形成された前記平板状物体の表面及び裏面は、樹脂で被覆された
    請求項1から請求項13までのいずれか1項記載の無線通信装置。
  15. 前記第1の周波数帯は、300MHz〜3000MHzであり、
    前記第2の周波数帯は、30kHz〜300kHz、あるいは3MHz〜30MHzである
    請求項1から請求項14までのいずれか1項記載の無線通信装置。
  16. 前記渦巻状導電性物体と前記導電性物体群とを、少なくとも1か所で短絡する短絡手段をさらに備える
    請求項1から請求項15までのいずれか1項記載の無線通信装置。
  17. 前記渦巻状導電性物体と前記導電性物体群とを、少なくとも1か所で接続するインピーダンスをさらに備える
    請求項1から請求項15までのいずれか1項記載の無線通信装置。
  18. 前記インピーダンスは、平行平板キャパシタ、コンデンサ部品、インターディジタルキャパシタ、インダクタ部品、スパイラルインダクタのいずれかである
    請求項17記載の無線通信装置。
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