JP5312248B2 - 残響抑圧システムおよび残響抑圧方法 - Google Patents

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Description

本発明は、残響抑圧システムおよび残響抑圧方法に関する。
厳密な逆フィルタを実現するMINT法をブラインドに拡張したセミブラインドMINT法が提案されている(非特許文献1参照)。遠隔会議システムでの残響抑圧を応用例として、当該手法の有効性が報告されている。
K.Furuya and A.Kataoka,"Robust speech delrevereberation using multichannel blind deconvolution with spectral subtraction,"IEEE Trans on Speech and Processing,vol.15,no.5,pp.1579−1591,2007
しかし、セミブラインドMINT法によれば、伝達系の情報をブラインドで推定した後、逆フィルタを設計するという2段階の構成になっている。このため、適応的に処理するためには定常とみなせる一定の時間フレームごとに伝達系の情報および逆フィルタを更新する処理が必要であり、高速での適応が困難である。また、原理的にMINT法の拡張であるため、たとえば1チャンネルである等、厳密な逆フィルタが推定できない条件下では利用できないという制限がある。
そこで、本発明は、任意の条件に柔軟に対応しながら音声または音源信号を認識することができるシステム等を提供することを解決課題とする。
前記課題を解決するための本発明の残響抑圧システムは、逆フィルタを設定する第1演算処理要素と、N個の(N=1,2,‥)のマイクロホンを通じて得られた入力信号を、前記第1演算処理要素により設定された前記逆フィルタに通すことにより、出力信号を生成する第2演算処理要素とを備え、前記第1演算処理要素が、離散時系列的な前記入力信号に基づき、前記入力信号の相関行列としての、N・L行N・N列(L=N+N−1である。Nは音源から前記マイクロホンにいたるまでの音源信号の伝達系の応答長を表わす。Nは前記逆フィルタのフィルタ長を表わす。)の非正方行列の擬似逆行列を計算し、前記入力信号の残響成分が前記出力信号に含まれていないという条件を満たす前記入力信号および前記出力信号の目標相関値と、前記擬似逆行列とに基づいて前記逆フィルタを設定し、窓関数により前記相関行列を推定することにより推定相関行列を生成し、前記推定相関行列および前記逆フィルタに基づき、前記目標相関値に対する、前記入力信号および前記出力信号の相関値の誤差コストを算出し、前記誤差コストに基づき、勾配法にしたがって適応的に前記逆フィルタを更新し、前記逆フィルタの変化が前記推定相関行列の変化よりも遅く、かつ、前記推定相関行列の非定常成分は定常成分より少ないという条件下で前記逆フィルタを更新することを特徴とする。
前記課題を解決するための本発明の残響抑圧方法は、逆フィルタを設定する第1ステップと、N個(N=1,2,‥)のマイクロホンを通じて得られた入力信号を前記逆フィルタに通すことにより出力信号を生成する第2ステップとを備え、前記第1ステップにおいて、離散時系列的な前記入力信号に基づき、前記入力信号の相関行列としての、N・L行N・N列(L=N+N−1である。Nは音源から前記マイクロホンにいたるまでの音源信号の伝達系の応答長を表わす。Nは前記逆フィルタのフィルタ長を表わす。)の非正方行列の擬似逆行列を計算し、前記入力信号の残響成分が前記出力信号に含まれていないという条件を満たす前記入力信号および前記出力信号の目標相関値と、前記擬似逆行列とに基づいて前記逆フィルタを設定し、窓関数により前記相関行列を推定することにより推定相関行列を生成し、前記推定相関行列および前記逆フィルタに基づき、前記目標相関値に対する、前記入力信号および前記出力信号の相関値の誤差コストを算出し、前記誤差コストに基づき、勾配法にしたがって適応的に前記逆フィルタを更新し、前記逆フィルタの変化が前記推定相関行列の変化よりも遅く、かつ、前記推定相関行列の非定常成分は定常成分より少ないという条件下で前記逆フィルタを更新することを特徴とする。
本発明の残響抑圧システムおよび方法のそれぞれによれば、入力信号の相関行列としての非正方行列の擬似逆行列が用いられて逆フィルタが設定される。このため、マイクロホン数、フィルタ数およびフィルタ長Nのそれぞれが厳密な逆行列を求めるための条件を満足する必要はなく任意に選択されうる。したがって、マイクロホンの数が制限されている、あるいは、システムの信号処理能力に鑑みてフィルタ長が制限されている等、任意の条件下で当該逆フィルタが用いられて出力信号が生成されうる。この結果、任意の条件に柔軟に対応しながら音声または音源信号を認識することができる。また、入力信号および出力信号の相関値(正確には相関値を表わすベクトルまたは行列)を目標相関値に近づける観点から、逆フィルタが音源の位置変化等の環境変化に対して適当かつ適応的に設定されうる。また、前記条件が満たされるという仮定に基づく近似法にしたがうことにより、逆フィルタの設定に要する計算量の低減および計算時間の短縮が図られる。
本発明の一実施形態としての残響抑圧システムの構成説明図。 残響抑圧システムが搭載されているロボットの構成説明図。 残響抑圧方法の手順を示す説明図。 単一入出力系に関する説明図。 相互相関関数に関する説明図。 多点入出力系に関する説明図。 逆フィルタにより補正された応答に関する説明図。 逆フィルタにより補正された波形の相対誤差に関する説明図。
本発明の音源分離システムの実施形態について図面を用いて説明する。
図1に示されている残響抑圧システムはマイクロホンMに接続されている電子制御ユニット(CPU,ROM,RAM/O回路、A/D変換回路等の電子回路などにより構成されている。)10により構成されている。
マイクロホンMはたとえば図2に示されているようにロボットRの頭部P1に配置されている。なお、残響抑圧システムはロボットRのほか、車両(四輪自動車)、音源が存在する環境下に置かれる任意の機械や装置に搭載されうる。また、マイクロホンMの数および配置は任意に変更されうる。マイクロホンMはシステムの構成要素であってもよい。
ロボットRは脚式移動ロボットであり、人間と同様に基体P0と、基体P0の上方に配置された頭部P1と、基体P0の上部に上部両側から延設された左右の腕体P2と、左右の腕体P2のそれぞれの先端に連結されている手部P3と、基体P0の下部から下方に延設された左右の脚体P4と、左右の脚体P4のそれぞれに連結されている足部P5とを備えている。
基体P0はヨー軸回りに相対的に回動しうるように上下に連結された上部および下部により構成されている。頭部P1は基体P0に対してヨー軸回りに回動する等、動くことができる。腕体P2は肩関節機構、肘関節機構および手根関節機構のそれぞれにおいて1〜3軸回りの回動自由度を有している、手部P3は、手掌部から延設され、人間の手の親指、人差指、中指、薬指および小指のそれぞれに相当する5つの指機構を備え、物体の把持動作等が可能に構成されている。脚体P4は股関節機構、膝関節機構および足関節機構のそれぞれにおいて1〜3軸回りの回動自由度を有している。ロボットRは音源分離システムによる音源分離結果に基づき、左右の脚体P4を動かして移動する等、適当な動作をすることができる。
電子制御ユニット10は図2に示されているようにロボットRに搭載されている。電子制御ユニット10は、第1演算処理要素11と、第2演算処理要素12とを備えている。各演算処理要素は、たとえば演算処理回路、または、メモリと、メモリからプログラムを読み出してそのプログラムにしたがって担当する演算処理を実行する演算処理装置(CPU)とにより構成されている。
前記構成の残響抑圧システムの機能について説明する。まず、残響抑圧システム10によりマイクロホンMを通じて入力信号x(t)が取得される(図3/STEP10)。
また、第1処理部11により、後述する原理および手順にしたがって逆フィルタhが設定される(図3/STEP11)。
そして、第2演算処理要素12により、マイクロホンMを通じて得られた入力信号x(t)を、第1演算処理要素11により設定された逆フィルタh(t)に通すことにより出力信号y(t)を生成する(図3/STEP12)。
(単一入出力系における原理)
図4には単一入出力形の概念図が示されている。時刻tにおける入力信号x(t)は、音源信号s(t)および伝達系のインパルス応答(以下「伝達系」という。)g(t)に基づいて関係式(011)により表現される。
x(t)=s(t)*g(t) ‥(011)
ここで「*」は畳み込みを表わしている。
インパルス応答がh(t)であるフィルタ(以下「フィルタh(t)」という。)に、入力信号x(t)を通して得られる出力信号y(t)は関係式(012)により表現される。
y(t)=x(t)*h(t) ‥(012)
逆フィルタはy(t)=s(t)となるフィルタで、関係式(013)を満たすように定義される。
g(t)*h(t)=δ(t) ‥(013)
ここでδ(t)はt=0でのみ値を有するδ関数である。
伝達系g(t)が既知である場合、周波数領域での逆数または線型方程式の最小二乗解から逆フィルタが求められる。ただし、一般には伝達系g(t)は非最小位相信号であるため、近似的な逆フィルタになる。しかし、伝達系g(t)が未知の場合、関係式(013)から逆フィルタを求めることはできない。
入力信号x(t)と出力信号y(t)との相互相関関数rxy(t)は、途中で関係式(011)および(012)に基づいて変形された関係式(014)により表現される。
Figure 0005312248
ここでrssは音源信号s(t)の(正規化されていない)自己相関関数である。
説明の簡単のため、音源は白色(rss=δ(t))である場合を考える。この場合、相互相関関数rxy(t)は関係式(015)により表現される。
xy(t)=g(−t)*g(t)*h(t) ‥(015)
図5(a)には逆フィルタがない場合(h(t)=δ(t)である場合)における相互相関関数rxy(t)が示されている。図5(a)から明らかなように、この場合における相互相関関数rxy(t)が両側にNg値を持つ関数である。
また、h(t)≠δ(t)である場合、右側の応答長はさらに長くなる。しかし、フィルタh(t)が伝達系g(t)の逆フィルタである場合、相互相関関数rxy(t)は関係式(016)により表現される。
xy(t)=g(−t) ‥(016)
図5(b)から明らかなように、伝達系g(t)は未知であっても因果的信号であるため、t<0においてg(t)=0となる。これを踏まえると、関係式(016)によればt>0においてrxy(t)=0となるのに対して、関係式(015)においてはその保障はないことがわかる。
0<t<Ng+Nh−1(Ng:伝達系g(t)の応答長。Nh:フィルタh(t)の長さ)において、一般的にrxy(t)≠0である。このため、関係式(017)を満たす自明ではないフィルタh(t)が求められれば、全体の振幅の不定性を除いて逆フィルタが求められたといえる。
xy(t)=0(0<t<Ng+Nh−1) ‥(017)
これは、関係式(017)が、出力信号y(t)が入力信号x(t)の非直接音成分とは無相関であること、言い換えると、入力信号x(t)の残響成分が出力信号y(t)に含まれていないことを示すためである。
(多点入出力系における原理)
図6には多点入出力系の概念図が示されている。図6に示されているようにN個の入力チャンネルのうちn番目の入力チャンネルへの入力信号xn(t)は、M個の音源のうちm番目の音源の音源信号sm(t)、および、m番目の音源からn番目の入力チャンネルまでの系のインパルス応答gnm(t)に基づき、関係式(021)により表現される。
x(t)=G(t)*s(t)
x(t)=[x1(t)x2(t)..xN(t)]
s(t)=[s1(t)s2(t)..sM(t)]
G(t)=[g1(t)g2(t)..gN(t)]
m(t)=[g1m(t)g2m(t)..gNm(t)] ‥(021)
ここで「*」は、行列とベクトルとの積における乗算を畳み込みに置き換えた演算を表わしている。
同様にn(t)番目の入力と、m番目の出力との間に接続されたフィルタのインパルス応答をhmn(t)と表現すれば、m番目の出力信号ym(t)は関係式(022)により表現される。
y(t)=H(t)*x(t)
y(t)=[y1(t)y2(t)..yM(t)]
H(t)=[h1(t)h2(t)..hM(t)]
m(t)=[h1m(t)h2m(t)..hNm(t)] ‥(022)
入力信号x(t)および出力信号y(t)の相互相関行列Rxy(t)は関係式(024)により表現される。
xy(t)=x(−t)*y(t)
=G(−t)*s(−t)*s(t)*G(t)*H(t)
=G(−t)*G(t)*H(t) ‥(024)
ここで、異なる音源間の音源信号は無相関(s(−t)*s(t)=Iδ(t))であると仮定されている。
0<t<L=Ng+Nh−1において、一般的にRxy(t)≠0(零行列)である。単一入出力系の場合と同様に、フィルタHが伝達系Gの逆フィルタである場合(H(t)*G(t)=Iδ(t)である場合)、Rxy(t)=G(−t)となる。このため、関係式(027)を満たす自明ではないフィルタH(t)が求められれば、フィルタで補正されたT=0の系の応答性の不定性を除いて、多点入出力系においても逆フィルタが求められたといえる。
xy(t)=0(0<t<L) ‥(027)
これは、関係式(027)が入力信号x(t)の残響成分が出力信号y(t)に含まれていないことを示すためである。
(第1実施例(DIF:Decorrelation based Inverse Filter))
(単一入出力系の場合)
伝達系の遅延を除外し、g(0)≠0のみを仮定することで、h(t)が求められる。関係式(017)およびrxy(0)=g(0)は、入力信号ベクトル(相関値算出用)xL(t)と、出力y(t)と、相関値の目標ベクトルdと、期待値E[〜]とを用いて関係式(111)により表現される。
E[xL(t)y(t)]=d
L(t)=[x(t)x(t−1)..x(t−L+1)]
d=[g(0)0..0] ‥(111)
ここでL=Ng+Nh−1である。「」は転置を表わしている。
出力y(t)は、入力信号ベクトル(フィルタ用)xh(t)およびフィルタ係数ベクトルhを用いて関係式(112)により表現される。
y(t)=xL(t)h
h(t)=[x(t)x(t−1)..x(t−Nh+1)]
d=[h(0)h(1)..h(Nh−1)] ‥(112)
したがって関係式(111)は方程式(113)に変形されうる。
Rh=d
R=E[xL(t)xh (t)] ‥(113)
ここでRはL行Nh列の入力の非正方の相関行列である。この関係式の厳密解は一般に存在しない。しかし、方程式(113)の最小二乗近似解h^が利用されることにより、近似的な逆フィルタが構成されうる。
h^=Rd ‥(114)
ここでRは非正方の相関行列Rの擬似逆行列である。関係式(114)に基づく逆フィルタを無相関化逆フィルタDIFと呼ぶ。
(多点入出力系の場合)
多点入出力系の場合も単一入出力系の場合と同様に無相関化逆フィルタDIFは方程式(123)の解である。なお、マイクロホンがN個(N=1,2,‥)の場合、入力の相関行列RNはN・L行N・Nh列の非正方行列となる。
Nh=D
N=E[xNL(t)xNh (t)]
NL(t)=[x(t)x(t−1)..x(t−L+1)]
Nh(t)=[x(t)x(t−1)..x(t−Nh+1)]
h=[H(0)H(1)..H(Nh−1)]
D=[G(0)0..0 ‥(123)
したがって、関係式(124)により無相関化逆フィルタDIFが求められる。
h=RN D ‥(124)
逆フィルタHhの精度は、入力チャンネル数およびフィルタ長によって異なり、MINTが規定する数または長さ以上であれば、一般に誤差のない逆フィルタが得られる。逆フィルタを求めるためには時刻t=0における伝達系G(0)が既知である必要があるが、G(0)の各列ベクトルgm(0)は、m番目の音源信号がはじめに到達する入力チャンネル(以下「初期到達チャンネル」という。)が既知であれば、そのチャンネルに相当する係数以外は0とすることができる。また、初期到達チャンネルが既知で、それが音源により異なっていれば、各音源の振幅の不定性を除き、逆フィルタが作成されうる。
なお、音源数が1で、入力チャンネル数およびフィルタ長がMINT条件に一致する場合、無相関化逆フィルタDIFはセミブラインドMINT法による逆フィルタと理論上一致する。
(第2実施例(DAIF:Decorrelation based Adaptive Inverse Filtering))
(単一入出力系の場合)
入出力信号の相関値を利用して適応的に逆フィルタ処理が実行される。関係式()の解を適応的に求めるため、関係式(211)により表現される誤差コストJ(h)が定義される。
J(h)=||e||2+σ||h||2
e=d−Rh ‥(211)
ここでσは解のノルムに対する重みである。重みσが大きくなると伝達関数の変動または雑音に対するロバスト性は向上するが制御精度は低下する。誤差コストJ(h)が最小となるhは、勾配法により関係式(212)および(213)により求められる。
h=h−μJ’(h) ‥(212)
J’(h)=−R(d−Rh)+σh ‥(213)
ここで「μ」はステップサイズパラメータである。ステップサイズパラメータμは一定であってもよいし、適応的に調節されてもよい。ステップサイズパラメータμの適応的調節方法としては、たとえばNewton法が採用されてもよい(日本国 特開2008−306712号公報参照)。
hの導出に際して、手法の拡張性を考慮して複素勾配が用いられた(D.H.Brandwood,“A complex gradient operator and its application inadaptive array theory,”IEE Proc.,vol.130,no.1,pp.251−276(1983)参照)。
関係式(213)は相関行列Rを含んでいるため、全区間の観測が必要である。そこで、DAIFでは、窓関数w(t)により推定された期待値
Figure 0005312248
が利用される。窓関数w(t)が利用された推定相関行列R^=Ew[xh(t)xL (t)]とすれば、DAIFは関係式(214)〜(216)により表現される。
y(t)=h(t)x(t) ‥(214)
h(t+1)=h(t)−μJ’(t) ‥(215)
J’(t)=−R^(t)(d−R^(t)h(t))+σh ‥(216)
(多点入出力系の場合)
多点入出力系におけるDAIFは、誤差行列E=D−RNhのフロベニウスノルム||E||2を最小化するHhを勾配法により求めることで関係式(225)〜(226)により定式化される。
h(t+1)=hh(t)−μJ’(t) ‥(225)
J’(t)=−RN(t)(D−RN (t)Hh(t))+σHh(t) ‥(226)
(第3実施例(R−DAIF:Real time Decorrelation based Adaptive Inverse Filtering))
(単一入出力系の場合)
次の2つの条件が満たされていることが仮定されることにより関係式(216)が関係式(316)に変更されることにより、R−DAIFが表現される。
J’(t)=−R^(t)(d−R^(t)h(t))+σh ‥(316)
(第1条件)
フィルタh(t)の変化は推定相関行列R^(t)の変化よりも遅く、近似式(301)が成立する。
w[xh(t)xL (t)]h(t)≒Ew[xh(t)xL (t)] ‥(301)
(第2条件)
推定相関行列R^(t)の非定常成分は定常成分よりも少なく、近似式(302)が成立する。
R^(t)R^(t)≒Ew[xh(t)xL (t)xL(t)xh (t)] ‥(302)
(多点入出力系の場合)
多点入出力系におけるR−DAIFは関係式(326)にしたがって計算される。
J’(t)=−G(0) Ew[xNh(t)x(t)]+Ew[pN(t)xNh(t)y(t)]+σHh(t)
N(t)=||xNL(t)||2 ‥(326)
多点入出力系においてはHh(t)=G(0)とすることで収束が安定化される。
前記機能を発揮する本発明の残響抑圧システム10によれば、入力信号xの相関行列としての非正方行列Rの擬似逆行列Rが用いられて逆フィルタhが設定される(関係式(114)(124)参照)。このため、マイクロホンMの数、フィルタ数およびフィルタ長Nhのそれぞれが厳密な逆行列を求めるための条件を満足する必要はなく任意に選択されうる。したがって、マイクロホンMの数が制限されている、あるいは、システムの信号処理能力に鑑みてフィルタ数またはフィルタ長が制限されている等、任意の条件下で当該逆フィルタhが用いられて出力信号yが生成されうる(関係式(012)参照)。その結果、任意の条件に柔軟に対応しながら音声または音源信号sを認識することができる。
特に、DAIF(第2実施例)によれば、逆フィルタhと、窓関数wにより生成された推定相関行列R^とに基づき、目標相関値dに対する入力信号xおよび出力信号yの相関値の誤差コストJ(h)が算出され、この誤差コストJ(h)に基づき、勾配法にしたがって適応的に逆フィルタhが更新される(関係式(211)〜(216)(225)(226)参照)。この結果、入力信号xおよび出力信号yの相関値(正確には相関値を表わすベクトルまたは行列)を目標相関値dまたはDに近づける観点から、逆フィルタhが音源の位置変化等の環境変化に対して適当かつ適応的に設定されうる。
さらに、R−DAIF(第3実施例)によれば、逆フィルタhの変化が推定相関行列R^の変化よりも遅く、かつ、推定相関行列R^の非定常成分は定常成分より少ないという条件下で逆フィルタhが更新される。この結果、前記条件が満たされるという仮定に基づく近似法にしたがうことにより、逆フィルタhの設定に要する計算量の低減および計算時間の短縮が図られる。
(実験)
本手法の有効性を確認するため、1チャンネルの逆フィルタを用いた実験を行った。逆フィルタとしては、DIF(第1実施例)、DAIF(第2実施例)、R−DAIF(第3実施例)および最小二乗法(LSE)(比較例)のそれぞれが用いられた。
系のインパルス応答として、室内で実測した応答の最小位相成分を300サンプルで切り出したものを用いた。音源信号として、10000サンプルのガウス雑音が用いられた。第1〜第3実施例のそれぞれにおいて系の応答は未知であるとし、10000点で切り出した入力信号のみを用いて設計した。第1実施例(DIF)では、すべて入力信号を元に推定した相関行列から逆フィルタが求められた。第2実施例(DAIF)では、1サンプルの減衰率が0.999の指数窓を窓関数とし、ステップサイズμを0.001として逆フィルタが適応的に求められた。第3実施例(R−DAIF)では、インパルス(即時データが用いられた。)を窓関数とし、ステップサイズμを1e−7として適応的に逆フィルタが求められた。
図7には系のインパルス応答(Original)、目標のインパルス応答(Desired)、第1実施例(DIF)、第2実施例(DAIF)、第3実施例(R−DAIF)および比較例(LSE)のそれぞれによる逆フィルタで補正された応答が示されている。図7から明らかなように、第1〜第3実施例のそれぞれによれば、系の応答を既知として用いられる比較例と比較して精度は下がるものの、系の応答と比較するとインパルスに近づいていることがわかる。
図8には第1〜第3実施例および比較例のそれぞれの逆フィルタにより補正された波形の相対誤差が示されている。相対誤差E(ω)は関係式(400)にしたがって計算された。
E(ω)=20log10||1−G(ω)H(ω)||/||1−G(ω)|| ‥(400)
ここでG(ω)は伝達系g(t)の周波数特性である。H(ω)は逆フィルタh(t)の周波数特性である。
図8から明らかなように、第1実施例(DIF)によれば−10〜−20dBの精度で逆フィルタが構成され、第2実施例(DAIF)および第3実施例(R−DAIF)のそれぞれによれば−5〜−10dBの精度で逆フィルタが構成されている。また、第2実施例(DAIF)および第3実施例(R−DAIF)の差が小さいことから、ステップサイズμが適切に調節されることで、即時データを用いた相関行列であっても平滑化した場合に近い精度で野制御が可能であることがわかる。
前記結果から、本願発明の逆フィルタが原理的に有効であることが確認された。
なお、多点入出力系の場合についても同様に有効性が確認されうる。たとえば、多くの音源が存在する環境下において、音源分離が同時に実行されうる。
本発明の残響抑圧システムは、遠隔会議の通話にも適用可能である。
10‥残響抑圧システム、11‥第1演算処理要素、12‥第2演算処理要素、M‥マイクロホン

Claims (2)

  1. 逆フィルタを設定する第1演算処理要素と、
    N個(N=1,2,‥)のマイクロホンを通じて得られた入力信号を、前記第1演算処理要素により設定された前記逆フィルタに通すことにより、出力信号を生成する第2演算処理要素とを備え、
    前記第1演算処理要素が、離散時系列的な前記入力信号に基づき、前記入力信号の相関行列としての、N・L行N・N列(L=N+N−1である。Nは音源から前記マイクロホンにいたるまでの音源信号の伝達系の応答長を表わす。Nは前記逆フィルタのフィルタ長を表わす。)の非正方行列の擬似逆行列を計算し、前記入力信号の残響成分が前記出力信号に含まれていないという条件を満たす前記入力信号および前記出力信号の目標相関値と、前記擬似逆行列とに基づいて前記逆フィルタを設定し、
    窓関数により前記相関行列を推定することにより推定相関行列を生成し、前記推定相関行列および前記逆フィルタに基づき、前記目標相関値に対する、前記入力信号および前記出力信号の相関値の誤差コストを算出し、前記誤差コストに基づき、勾配法にしたがって適応的に前記逆フィルタを更新し、
    前記逆フィルタの変化が前記推定相関行列の変化よりも遅く、かつ、前記推定相関行列の非定常成分は定常成分より少ないという条件下で前記逆フィルタを更新することを特徴とする残響抑圧システム。
  2. 逆フィルタを設定する第1ステップと、
    N個(N=1,2,‥)のマイクロホンを通じて得られた入力信号を前記逆フィルタに通すことにより出力信号を生成する第2ステップとを備え、
    前記第1ステップにおいて、離散時系列的な前記入力信号に基づき、前記入力信号の相関行列としての、N・L行N・N列(L=N+N−1である。Nは音源から前記マイクロホンにいたるまでの音源信号の伝達系の応答長を表わす。Nは前記逆フィルタのフィルタ長を表わす。)の非正方行列の擬似逆行列を計算し、前記入力信号の残響成分が前記出力信号に含まれていないという条件を満たす前記入力信号および前記出力信号の目標相関値と、前記擬似逆行列とに基づいて前記逆フィルタを設定し、
    窓関数により前記相関行列を推定することにより推定相関行列を生成し、前記推定相関行列および前記逆フィルタに基づき、前記目標相関値に対する、前記入力信号および前記出力信号の相関値の誤差コストを算出し、前記誤差コストに基づき、勾配法にしたがって適応的に前記逆フィルタを更新し、
    前記逆フィルタの変化が前記推定相関行列の変化よりも遅く、かつ、前記推定相関行列の非定常成分は定常成分より少ないという条件下で前記逆フィルタを更新することを特徴とする残響抑圧方法。
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