以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
なお、演出表示装置9とは別に、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、第1特別図柄に対応した第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aと、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、第2特別図柄に対応した第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bとを備えるようにしてもよい。この場合、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御され、例えば、2つのLEDや7セグメントのLEDによって構成される。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御され、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御され、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
なお、特別図柄表示器が1つの表示器として構成され、そのうちの一部の表示領域が第1特別図柄の可変表示を行う第1可変表示部を形成し、他の一部の表示領域が第2特別図柄の可変表示を行う第2可変表示部を形成していてもよい。この場合、例えば、特別図柄表示器が4つの7セグメントLEDを含む1つの表示器として構成され、そのうちの2つの7セグメントLEDが第1可変表示部を形成し、他の2つの7セグメントLEDが第2可変表示部を形成していてもよい。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうち第2始動入賞口14への入賞を優先させて可変表示の開始条件を成立させる。すなわち、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の可変表示を続けて実行する。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合計保留記憶数)を表示する領域(以下、合計保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合計保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合計保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される(高ベース状態に移行される)。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、または、開放回数が増加される(高ベース状態に移行される)。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
この実施の形態では、打球供給皿(上皿)3に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。この操作ボタン120は、後述する確変昇格演出の実行中に遊技者によって操作される。操作ボタン120が遊技者によって押されると、電極が接触することによりオン状態になって、オン信号(検出信号)が基板上に搭載されているマイクロコンピュータ(この実施の形態では演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100:図3参照)に出力される。なお、図1に示す例では、操作ボタン120は打球供給皿(上皿)3に設けられているが、他の箇所(例えば打球操作ハンドル5の真上)に設けられていてもよい。
この実施の形態では、大当りと決定された場合に、大当り遊技中に確変に昇格するか否かを報知する確変昇格演出が実行される場合がある。なお、この実施の形態で実行される確変昇格演出では、大当り遊技のうち、大当りのラウンド中に実行されるラウンド中確変昇格演出と、大当りのエンディングに実行されるエンディング確変昇格演出とがある。エンディング確変昇格演出が実行される場合には、エンディング演出中において、確変大当りと決定されていることを条件として、確変に昇格することが報知される。また、ラウンド中確変昇格演出が実行される場合には、所定の報知条件が成立するとともに内部的に確変大当りと決定されていることを条件として、確変に昇格することが報知される。この実施の形態では、ラウンド中確変昇格演出の実行中に操作ボタン120による操作が行われたことにもとづいて所定の報知条件が成立し、さらに内部的に確変大当りと決定されていることを条件として、確変に昇格することが報知される。具体的には、この実施の形態では、ラウンド中確変昇格演出が実行される場合には、遊技者が操作ボタン120を所定の条件成立回数以上連打したときに確変に昇格することを報知する演出が実行される。この場合、遊技者が操作ボタン120を所定の条件成立回数以上連打したときに所定の報知条件が成立し、内部的に確変大当りと決定されていることを条件として、確変に昇格することが報知される。なお、確変大当りと決定されている場合であって、ラウンド中確変昇格演出中に操作ボタン120による操作に成功せず所定の報知条件が成立しなかったことにより確変に昇格することが報知されなかった場合には、エンディングにおいてエンディング確変昇格演出が実行され、確変に昇格することが報知される。
なお、確変昇格演出の演出態様は、この実施の形態で示すものにかぎられない。例えば、ラウンド中確変昇格演出が実行される場合には、遊技者が操作ボタン120を所定の操作成功期間内に操作したときに確変に昇格したことを報知する演出が実行されるようにしてもよい。この場合、例えば、遊技者が操作ボタン120を所定の操作成功期間内に操作したときに所定の報知条件が成立し、内部的に確変大当りと決定されていることを条件として、確変に昇格することが報知される。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、ランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合計保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103aを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、入力ポート103bを介して、操作ボタン120からの検出信号を入力する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
VDP109は、演出制御用CPU101の指示に従って、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。VDP109は、演出制御用CPU101の指示に従って、キャラクタROMから読み出したデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示は、第1始動入賞口13に進入した遊技球が第1始動口スイッチ13aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特別図柄の可変表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことにもとづいて、開始される。第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示は、第2始動入賞口14に進入した遊技球が第2始動口スイッチ14aによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特別図柄の可変表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことにもとづいて、開始される。
第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示では、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特別図柄の可変表示での可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示における大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特別図柄の可変表示において共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特別図柄の可変表示における確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される15ラウンド大当り状態では、特別可変入賞球装置20の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば「2」)となる。また、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる場合(後述する第1突然確変大当り)と、15ラウンド大当り状態における第1期間(例えば29秒)と同じ期間となる場合(後述する第2突然確変大当り)とがある。
また、この実施の形態では、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示された場合には、通常大当りと確変大当りとのいずれかの大当りとなる。15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづいて通常大当りとなり、15ラウンド大当り状態が終了した後には、通常状態に比べて特別図柄の可変表示における特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態、後述する確変状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。この実施の形態では、通常大当りによる大当り遊技終了後に、時短状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。
15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづいて確変大当りとなり、15ラウンド大当り状態が終了した後や、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづく2ラウンド大当り状態が終了した後には、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率遊技状態)に制御される。この確変状態では、各特別図柄の可変表示や演出図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。この実施の形態では、確変状態は、確変状態となった後に、次に可変表示結果が「大当り」なったときに終了する。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示における普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普通図柄の可変表示で普通図柄の可変表示結果が「普通図柄当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普通図柄当り」となったことにもとづく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口14に遊技球が進入する可能性を高めて第2始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。従って、この実施の形態では、確変状態および時短状態以外の通常状態においては、第2始動入賞口14と比較して第1始動入賞口13の方が始動入賞しやすいのであるが、確変状態または時短状態においては、第1始動入賞口13と比較して第2始動入賞口14の方が始動入賞しやすい。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。確変状態と時短状態とでは、行われる制御が異なるようにしてもよいし、行われる制御の組合せ(同一の制御を含んでも含まなくてもよい)が異なるようにしてもよい。
演出図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、演出図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」および「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、演出表示装置9の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、演出図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が、停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が停止表示され通常大当りとなる場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定の通常大当りを想起させる組合せとなる確定演出図柄が停止表示される。ここで、通常大当りを想起させる組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。なお、この実施の形態では、後述するように、通常大当りとなる場合であっても、抽選により大当り遊技中にラウンド中確変昇格演出(必ず確変の昇格に失敗した態様の演出が実行される)が実行される場合がある。
なお、この実施の形態では、所定の有効ラインとして、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて1つのライン上に演出図柄が表示される場合を示しているが、演出表示装置9上に1ラインの有効ラインが表示される場合に限らず、複数ライン(例えば5ライン)の有効ラインが表示されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、確変大当りには、第1確変大当り、第2確変大当り、第3確変大当りおよび第4確変大当りの4つがある。この実施の形態では、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が停止表示され第1確変大当りとなる場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定の確変大当りを想起させる組合せとなる確定演出図柄が停止表示される。ここで、確変大当りを想起させる組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」、「9」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」、「9」である演出図柄は、確変図柄と称される。
また、この実施の形態では、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が停止表示され第2確変大当りとなる場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、一旦、通常大当りを想起させる組合せとなる仮停止図柄が仮停止表示される。そして、左中右の演出図柄が再び変動を開始する再抽選の演出が実行され、最終的に確変大当りを想起させる組合せとなる確定演出図柄が停止表示される。
また、この実施の形態では、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が停止表示され第3確変大当りとなる場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、最終的に通常大当りを想起させる組合せとなる確定演出図柄が停止表示される。そして、その後、大当り遊技中にラウンド中確変昇格演出を行い、操作ボタン120による操作に応じて所定の報知条件が成立したことにもとづいて確変に昇格することが報知される。また、ラウンド中確変昇格演出で確変に昇格することが報知されなかった場合には、エンディング確変昇格演出が実行され確変に昇格することが報知される。
また、この実施の形態では、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が停止表示され第4確変大当りとなる場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、最終的に通常大当りを想起させる組合せとなる確定演出図柄が停止表示される。そして、その後、大当り遊技のエンディングにエンディング確変昇格演出が実行され、確変に昇格することが報知される。
また、この実施の形態では、2ラウンド大当りである突然確変大当りには、第1突然確変大当りおよび第2突然確変大当りの2つがある。この実施の形態では、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示され第1突然確変大当りとなる場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の突然確変大当り図柄(例えば、「135」などの図柄の組合せ)が停止表示される。そして、大当り遊技中に、特別可変入賞球装置20を0.5秒間開放する制御が2ラウンド実行される。また、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示され第2突然確変大当りとなる場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の突然確変大当り図柄(例えば、「135」などの図柄の組合せ)が停止表示される。そして、大当り遊技中に、特別可変入賞球装置20を29秒間開放する制御が2ラウンド実行される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される制御コマンドについて説明する。中継基板15を介して主基板31から演出制御基板80に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置9における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ27L,27Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図4(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図4(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図4(A)に示す例において、コマンド8001(H)は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示における変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002(H)は、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示における変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアで可変表示される演出図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XX(H)は不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXX(H)は、特別図柄や演出図柄などの可変表示結果を指定する表示結果コマンドである。表示結果コマンドでは、例えば図4(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」または「大当り」のいずれとなるかの事前判定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における演出図柄の可変表示態様が通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当り、第1突然確変大当り、または第2突然確変大当りのいずれとなるかの大当り種別判定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。
具体的には、コマンド8C00(H)は、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の判定結果を示す第1表示結果コマンドである。コマンド8C01(H)は、可変表示結果が「通常大当り」となる旨の判定結果を示す第2表示結果コマンドである。コマンド8C02(H)は、可変表示結果が「第1確変大当り」となる旨の判定結果を示す第3表示結果コマンドである。コマンド8C03(H)は、可変表示結果が「第2確変大当り」となる旨の判定結果を示す第4表示結果コマンドである。なお、第4表示結果コマンドは、第2確変大当りを指定するとともに、再抽選演出の実行も指定するコマンドである。コマンド8C04(H)は、可変表示結果が「第3確変大当り」となる旨の判定結果を示す第5表示結果コマンドである。なお、第5表示結果コマンドは、第3確変大当りを指定するとともに、ラウンド中確変昇格演出の実行も指定するコマンドである。コマンド8C05(H)は、可変表示結果が「第4確変大当り」となる旨の判定結果を示す第6表示結果コマンドである。なお、第6表示結果コマンドは、第4確変大当りを指定するとともに、エンディング確変昇格演出の実行も指定するコマンドである。コマンド8C06(H)は、可変表示結果が「第1突然確変大当り」となる旨の判定結果を示す第7表示結果コマンドである。コマンド8C07(H)は、可変表示結果が「第2突然確変大当り」となる旨の判定結果を示す第8表示結果コマンドである。
コマンド8F00(H)は、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアで演出図柄の可変表示の停止を指定する演出図柄停止指定コマンドである。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示に同期して演出図柄の可変表示を行う場合と、第2特別図柄の可変表示に同期して演出図柄の可変表示を行う場合とで、共通の演出図柄停止指定コマンドを用いる。
コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であるときに送信される演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)であり、コマンド9501(H)は、遊技状態が高確率状態であるときに送信される演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。以下、コマンド9500(H),9501(H)の演出制御コマンドを背景指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した背景指定コマンドに応じて、演出表示装置9に表示する背景の種類(例えば色)を選択する。なお、この実施の形態では、遊技状態が高確率状態を伴わない時短状態に制御されている場合にも、通常状態背景指定コマンド(コマンド9500(H))が送信される。
A0XX(H)は、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。大当り開始指定コマンドでは、例えば表示結果コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、大当り開始指定コマンドでは、事前判定結果および大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、表示結果コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。例えば、図4(B)に示すように、表示結果コマンドでは、大当りの種類が通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当り、第1突然確変大当り、または第2突然確変大当りのいずれであるかに応じてEXTデータとして「01」〜「07」のデータが設定されるのであるが、大当りの種類にかかわらず、大当り開始指定コマンドではEXTデータとして同じデータ(例えば、「01」)が設定されるようにしてもよい。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する15ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する15ラウンド大当り用の大入賞口開放後指定コマンドである。15ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば15ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA3XX(H)は、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。大当り終了指定コマンドでは、例えば表示結果コマンドや大当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、大当り終了指定コマンドでは、事前判定結果および大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、表示結果コマンドや大当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。例えば、図4(B)に示すように、表示結果コマンドでは、大当りの種類が通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当り、第1突然確変大当り、または第2突然確変大当りのいずれであるかに応じてEXTデータとして「01」〜「07」のデータが設定されるのであるが、大当りの種類にかかわらず、大当り終了指定コマンドではEXTデータとして同じデータ(例えば、「01」)が設定されるようにしてもよい。
コマンドA4XX(H)は、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が第1突然確変大当りまたは第2突然確変大当りであることにもとづく2ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドや可変入賞動作で大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する突然確変大当り用の大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA5XX(H)は、2ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドや可変入賞動作の終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間における演出画像の表示を指定する突然確変大当り用の大入賞口開放後指定コマンドである。突然確変大当り用の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば2ラウンド大当り状態における可変入賞動作の実行回数(例えば「1」または「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB001(H)は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことにもとづき、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002(H)は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことにもとづき、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、演出表示装置9の表示領域に設けられた合計保留記憶表示部18cなどにて合計保留記憶数を特定可能に表示するために、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、例えば、後述する合計保留記憶数カウンタの値(例えば「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板80の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板31から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、合計保留記憶数を特定することができる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560における遊技制御処理において用いられる各乱数について説明する。この実施の形態では、大当り判定を行うための大当り判定用乱数として、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ560が備える乱数回路503が発生するハードウェア乱数(ランダムR)が用いられる。また、大当り判定用乱数以外の遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数としてソフトウェア乱数が用いられる。図5は、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてカウントされるソフトウェア乱数の乱数値を例示する説明図である。図5に示すように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ソフトウェア乱数として、大当り種別判定用の乱数値MR1、リーチ判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
大当り判定用の乱数値(ランダムR)は、特別図柄の可変表示における特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。
大当り種別判定用の乱数値MR1は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、演出図柄の可変表示態様を通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当り、第1突然確変大当り、または第2突然確変大当りといった複数種類の特定可変表示種別としての大当り種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。リーチ判定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「ハズレ」とする場合に、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「300」の範囲の値をとる。
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、演出図柄の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「241」の範囲の値をとる。変動パターン判定用の乱数値MR4は、演出図柄の変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、リーチ状態とする場合にどの種類のリーチの変動パターン種別とするか(例えば、スーパーリーチAとするかスーパーリーチBとするか)に分類したり、リーチ状態としない場合に特定の演出(例えば「滑り」演出)のある変動パターン種別とするか否かに分類するための乱数値である。そして、分類したあとに、乱数値MR4を用いて、分類した変動パターン種別中のどの変動パターンとするか(例えば、分類したスーパーリーチAの変動パターン種別のうちのどのスーパーリーチAを含む変動パターンとするか)が決定される。
図6は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して予め用意された演出図柄の変動パターンを例示する説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−7、非リーチPB1−1および非リーチPB1−2、非リーチPC1−1および非リーチPC1−2の変動パターンが用意されている。また、演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−8、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−5、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4の変動パターンが用意されている。
図7は、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応して予め用意された演出図柄の変動パターンを例示する説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8、スーパーPA4−1〜スーパーPA4−8、スーパーPA5−1〜スーパーPA5−4、スーパーPB4−1〜スーパーPB4−4、スーパーPB5−1〜スーパーPB5−4、スーパーPC4−1およびスーパーPC4−2、スーパーPD1−1およびスーパーPD1−2、スーパーPE1−1およびスーパーPE1−2、スーパーPF1−1〜スーパーPF1−3、特殊PG1−1〜特殊PG1−4、特殊PG2−1〜特殊PG2−3、特殊PG3−1〜特殊PG3−3の変動パターンが用意されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、演出図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、例えば図8に示す大当り判定テーブル130が含まれている。大当り判定テーブル130は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄表示機8bにおける第2特別図柄の可変表示において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、大当り判定用の乱数値(ランダムR)にもとづいて判定するために参照されるテーブルである。大当り判定テーブル130は、後述する確変フラグがオフであるかオンであるか(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて、大当り判定用の乱数値(ランダムR)を、大当り判定値データやハズレ判定値データに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)などから構成されている。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図9に示す大当り種別判定テーブル131が含まれている。大当り種別判定テーブル131は、可変表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数値MR1にもとづき、演出図柄の可変表示態様を通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当り、第1突然確変大当り、または第2突然確変大当りといった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131は、後述する特別図柄ポインタの値(特別図柄ポインタ値)が1であるか2であるか(第1特別図柄の可変表示に対応した大当りであるか、第2特別図柄の可変表示に対応した大当りであるか)に応じて、大当り種別判定用の乱数値MR1を、通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当り、第1突然確変大当り、または第2突然確変大当りの大当り種別に割り当てる決定用データなどから構成されている。また、大当り種別判定テーブル131は、後述する大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、大当り種別判定用の乱数値MR1にもとづいて決定された大当り種別に対応した「00」〜「06」のいずれかに設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
この実施の形態では、図9に示す大当り種別判定テーブル131の設定では、特別図柄ポインタ値が1であるか2であるかに応じて、確変昇格演出を伴う第3確変大当りや第4確変大当りに対する大当り種別用の乱数値MR1の割当てが異なっている。すなわち、特別図柄ポインタ値が1である場合(第1特別図柄の変動表示が行われる場合)には、大当り種別判定用の乱数値MR1のうち「66」〜「75」の範囲(10%)の値が第3確変大当りに割り当てられている一方で、特別図柄ポインタ値が2である場合(第2特別図柄の変動表示が行われる場合)には、大当り種別判定用の乱数値MR1のうち「61」〜「80」の範囲(20%)の値が第3確変大当りに割り当てられている。また、特別図柄ポインタ値が1である場合(第1特別図柄の変動表示が行われる場合)には、大当り種別判定用の乱数値MR1のうち「76」〜「80」の範囲(5%)の値が第4確変大当りに割り当てられている一方で、特別図柄ポインタ値が2である場合(第2特別図柄の変動表示が行われる場合)には、大当り種別判定用の乱数値MR1のうち「81」〜「90」の範囲(10%)の値が第4確変大当りに割り当てられている。すなわち、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄の変動表示が行われる場合と比較して、確変昇格演出を伴う第3確変大当りや第4確変大当りとなる割合が高い。
また、この実施の形態では、図9に示す大当り種別判定テーブル131の設定では、特別図柄ポインタ値が1であるか2であるかに応じて、突然確変大当り(第1突然確変大当り、第2突然確変大当り)に対する大当り種別判定用の乱数値MR1の割当てが異なっている。すなわち、特別図柄ポインタ値が1である場合には、大当り種別判定用の乱数値MR1のうち「81」〜「100」の範囲(20%)の値が突然確変大当り(第1突然確変大当り)に割り当てられる一方で、特別図柄ポインタ値が2である場合には、大当り種別判定用の乱数値MR1のうち「91」〜「100」の範囲(10%)の値が突然確変大当り(第2突然確変大当り)に割り当てられる。すなわち、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄の変動表示が行われる場合と比較して、突然確変大当りとなる割合が高い。このような設定により、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示を開始するための第1開始条件が成立したことにもとづいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示を開始するための第2開始条件が成立したことにもとづいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を突然確変大当りに決定する割合を、異ならせることができる。
また、この実施の形態では、図9に示すように、大当り種別判定テーブル131において、特別図柄ポインタ値が1である場合に突然確変大当りと決定される場合には、2種類の突然確変大当りのうちの第1突然確変大当りと決定され、特別図柄ポインタ値が2である場合に突然確変大当りと決定される場合には、2種類の突然確変大当りのうちの第2突然確変大当りと決定される。すなわち、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示が行われて突然確変大当りとなった場合には、ラウンド時間が0.5秒と短い2ラウンドの突然確変大当り遊技が行われるのに対して、第2特別図柄の変動表示が行われて突然確変大当りとなった場合には、ラウンド時間が29秒と長い2ラウンドの突然確変大当りが行われる。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図10(A)〜(F)および図11(A)〜(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Iが含まれている。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Iは、可変表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Iは、例えば図11(D)に示すようなテーブル選択設定に従い、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれであるかや、大当り種別の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Iは、大当り種別の判定結果が通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当り、第1突然確変大当り、または第2突然確変大当りのいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を、ノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−8、スーパーCB3−1〜スーパーCB3−5、特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2の変動パターン種別のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
一例として、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である場合に着目すれば、大当り種別が通常大当り、第3確変大当り、または第4確変大当りである場合に用いられる図10(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が第1確変大当りである場合に用いられる図10(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとでは、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する変動パターン種別判定用の乱数値MR3の割当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132AではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている一方で、大当り用変動パターン種別判定テーブル132BではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられていない。他方、大当り用変動パターン種別判定テーブル132AではスーパーCA3−4の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられていない一方で、大当り用変動パターン種別判定テーブル132BではスーパーCA3−4の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。このように、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれかである場合に着目して、その遊技状態において大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dや(通常状態のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132E〜132H(確変状態のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C、132I(時短状態のときに選択)を互いに比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する変動パターン種別判定用の乱数値MR3の割当てが異なっており、また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能となり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
特に、大当り種別が突然確変大当り(第1突然確変大当り、第2突然確変大当り)である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132D、132H、132Iでは、例えば特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2といった、大当り種別が突然確変大当り以外である場合には変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられない変動パターン種別に対して、変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。これにより、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が突然確変大当りとなることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、他の一例として、大当り種別が通常大当りに決定された場合に着目すれば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態である場合に用いられる図10(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、遊技状態が確変状態である場合に用いられる図10(E)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Eとでは、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する変動パターン種別判定用の乱数値MR3の割当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132AではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている一方で、大当り用変動パターン種別判定テーブル132EではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられていない。このように、大当り種別が通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当り、第1突然確変大当り、または第2突然確変大当りのいずれかに決定された場合に着目して、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A、132E(通常大当り、第3確変大当り、または第4確変大当りのときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132B、132F(第1確変大当りのときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132C、132G(第1確変大当りのときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132D、132H、132I(突然確変大当りのときに選択)を互いに比較すると、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかなどに応じて各変動パターン種別に対する変動パターン種別判定用の乱数値MR3の割当てが異なっており、また、遊技状態に応じて異なる変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられることがある。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかなどに応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能となり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図12(A),(B)および図13(C)〜(F)に示すリーチ判定テーブル134A〜134Fが含まれている。リーチ判定テーブル134A〜134Fは、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定がなされたときに、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを、リーチ判定用の乱数値MR2にもとづいて判定するために参照されるテーブルである。各リーチ判定テーブル134A〜134Fは、例えば図13(G)に示すようなテーブル選択設定に従い、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれであるかと、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示を行うか(具体的には、特別図柄ポインタ値によって判定される)に応じて、使用テーブルとして選択される。各リーチ判定テーブル134A〜134Fは、リーチ判定用の乱数値MR2を、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態としない旨の判定結果や、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態とする旨の判定結果のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
例えば、図12(A)に示すリーチ判定テーブル134Aの設定では、保留記憶数が「0」である場合に対応して、「1」〜「250」の範囲の値が非リーチHA1−1に割り当てられ、「251」〜「300」の範囲の値がリーチHA2−1に割り当てられている。また、保留記憶数が「1」である場合や「2」である場合に対応して、非リーチHA1−1に割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「260」の範囲の値が、非リーチHA1−2や非リーチHA1−3に割り当てられ、リーチHA2−1に割り当てられている判定値の個数よりも少ない「261」〜「300」の範囲の値が、リーチHA2−2に割り当てられている。また、保留記憶数が「3」〜「4」である場合や「5」〜「8」である場合に対応して、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−3のそれぞれに割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「270」の範囲の判定値が、非リーチHA1−4や非リーチHA1−5に割り当てられ、リーチHA2−1やリーチHA2−2に割り当てられている判定値の個数よりも少ない「271」〜「300」の範囲の値が、リーチHA2−3に割り当てられている。
また、例えば、図12(B)に示すリーチ判定テーブル134Bの設定では、保留記憶数が「0」である場合に対応して、「1」〜「260」の範囲の値が非リーチHA1−1に割り当てられ、「261」〜「300」の範囲の値がリーチHA2−1に割り当てられている。また、保留記憶数が「1」である場合や「2」である場合に対応して、非リーチHA1−1に割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「270」の範囲の値が、非リーチHA1−2や非リーチHA1−3に割り当てられ、リーチHA2−1に割り当てられている判定値の個数よりも少ない「271」〜「300」の範囲の値が、リーチHA2−2に割り当てられている。また、保留記憶数が「3」〜「4」である場合や「5」〜「8」である場合に対応して、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−3のそれぞれに割り当てられる判定値の個数よりも多い「1」〜「280」の範囲の判定値が、非リーチHA1−4や非リーチHA1−5に割り当てられ、リーチHA2−1やリーチHA2−2に割り当てられている判定値の個数よりも少ない「281」〜「300」の範囲の値が、リーチHA2−3に割り当てられている。
上記のような設定によって、保留記憶数が所定数(例えば、「1」や「2」、「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態にする旨の判定がなされる割合が低くなる。そして、「非リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間が「リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
また、図12および図13に示すように、第1特別図柄の変動が行われる場合には、第2特別図柄の変動が行われる場合に比べて、高い割合でリーチすることに決定される。すなわち、リーチ確率が高い。また、合計保留記憶数が少ないほど、リーチ確率が高い。なお、図12および図13に示されたリーチ確率は一例であって、第1特別図柄の変動が行われる場合に第2特別図柄の変動が行われる場合に比べて全体的なリーチ確率が高く、かつ、合計保留記憶数が少ないほどリーチ確率が高ければ、他の値にしてもよい。
また、図13(C),(E)に示すように、この実施の形態では、確変状態や時短状態である場合には、合計保留記憶数が「2」〜「8」であっても「0」や「1」である場合と同様に非リーチHB1−1や非リーチHC1−1が選択される。この場合、変動パターン種別として非リーチCB1−1や非リーチCB1−3、非リーチCC1−1、非リーチCC1−3が選択され(図15(B),(C)参照)、最終的に変動パターンとして非リーチPA1−4〜非リーチPA1−7、非リーチPB1−1、非リーチPC1−1が選択される(図17(A)参照)。すなわち、短縮変動を含む変動パターンは選択されない(図6に示す非リーチPA1−2や非リーチPA1−3、非リーチPB1−2、非リーチPC1−2は選択されない)。従って、この実施の形態では、合計保留記憶数が所定値(例えば2)に達しているときであっても、確変状態や時短状態であるときには、第1特別図柄の変動時間が短縮されず、合計保留記憶数が所定値(例えば2)に達していないときに開始される変動表示と同様に設定される。また、そのような設定によって、この実施の形態では、合計保留記憶数が所定値(例えば2)に達しているときであっても、確変状態や時短状態であるときには、第1特別図柄の平均的な変動時間が、第2特別図柄の平均的な変動時間よりも長く設定される(第2特別図柄では合計保留記憶数が所定値(例えば2)に達していれば短縮変動が行われる場合がある)。
また、上記のような設定により、この実施の形態では、合計保留記憶数が所定値(例えば2)に達しているときであっても、確変状態や時短状態であるときには、第1特別図柄の最短の変動時間は5.75秒である(図6に示す非リーチPB1−1、非リーチPC1−1参照)。この実施の形態では、後述するように、通常状態における普通図柄の変動時間は5.0秒である(図39参照)のであるから、合計保留記憶数が所定値(例えば2)に達しているときであっても、確変状態や時短状態であるときには、第1特別図柄の変動時間が、通常状態における普通図柄の変動時間よりも長い時間に設定される。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図14(A)〜(C)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cが含まれている。リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態とする旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、リーチHA2−1〜リーチHA2−3の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Aが使用テーブルとして選択され、リーチHB2−1の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Bが使用テーブルとして選択され、リーチHC2−1の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Cが使用テーブルとして選択される。各リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、リーチ状態とする旨の判定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を、ノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2の変動パターン種別のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、例えば図14(A)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Aの設定では、リーチHA2−1の判定結果に対応して、変動パターン種別判定用の乱数値MR3のうち「1」〜「128」の範囲の値をノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てる一方で、それ以外の乱数値をスーパーCA2−2やスーパーCA2−3の変動パターン種別に割り当てる。また、リーチHA2−2の判定結果に対応して、変動パターン種別判定用の乱数値MR3のうち「1」〜「170」の範囲の値をノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てる。さらに、リーチHA2−3の判定結果に対応して、変動パターン種別判定用の乱数値MR3のうち「1」〜「182」の範囲の値をノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てる。リーチHA2−1の判定結果は、図12(A),(B)に示すリーチ判定テーブル134A,134Bの設定により、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2が割り当てられている。リーチHA2−2の判定結果は、合計保留記憶数が「1」である場合や「2」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2が割り当てられている。リーチHA2−3の判定結果は、合計保留記憶数が「3」、「4」のいずれかである場合や「5」〜「8」のいずれかである場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2が割り当てられている。これらの設定により、合計保留記憶数が所定数(例えば「1」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、「ノーマル」のリーチ演出が実行されるノーマルCA2−1の変動パターン種別に決定される割合が高くなる。そして、「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特図変動時間が「ノーマル」以外のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特図変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図15(A)〜(C)に示す非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cが含まれている。非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態としない旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態としない旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Aが使用テーブルとして選択され、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Bが使用テーブルとして選択され、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Cが使用テーブルとして選択される。各非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、リーチ状態としない旨の判定結果が非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を、非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3の変動パターン種別のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図16、図17(A)および(B)に示す当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cが含まれている。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、可変表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターンを、変動パターン判定用の乱数値MR4にもとづいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−8のいずれかとする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をスーパーCB3−1〜スーパーCB3−5のいずれかとする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2のいずれかとする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Cが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数値MR4を、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図18および図19に示すハズレ変動パターン138A、138Bが含まれている。ハズレ変動パターン判定テーブル138A、138Bは、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定がなされたときに、リーチ状態とするか否かや変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターンを、変動パターン判定用の乱数値MR4にもとづいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各ハズレ変動パターン判定テーブル138A、138Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別を非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3のいずれかとする旨の決定結果に応じてハズレ変動パターン判定テーブル138Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2のいずれかとする旨の決定結果に応じてハズレ変動パターン判定テーブル138Bが使用テーブルとして選択される。ハズレ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数値MR4を、演出図柄の可変表示結果が「ハズレ」であり可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。ハズレ変動パターン判定テーブル138Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数値MR4を、演出図柄の可変表示結果が「ハズレ」であり可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、図18に示すハズレ変動パターン判定テーブル138Aの設定では、非リーチCA1−4や非リーチCC1−3といった非リーチの変動パターン種別となる場合に対応して、非リーチPA1−4〜非リーチPA1−7といった特定演出を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。また、非リーチCB1−3の変動パターン種別に対応して、変動パターン判定用の乱数値MR4のうち、「1」〜「100」の範囲の値が「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する非リーチPA1−7の変動パターンに割り当てられている。このような設定により、演出図柄の可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定、および、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態としない旨の判定に対応して、非リーチPA1−4〜非リーチPA1−7の変動パターンのいずれかとする決定を行い、特定演出となる演出動作を実行することができる。
図19に示すハズレ変動パターン判定テーブル138Bの設定では、ノーマルCA2−1の変動パターン種別となる場合に対応して、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4といった「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。また、スーパーCA2−2の変動パターン種別となる場合に対応して、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−4といったリーチ演出α1を実行する変動パターンや、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−8といったリーチ演出α2を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。スーパーCA2−3やスーパーCB2−1の変動パターン種別となる場合に対応して、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−5といったリーチ演出β1を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。
加えて、例えばスーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPB3−4の変動パターンのように、「擬似連」の特定演出を実行する変動パターンについては、擬似連変動が行われた後に演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことにもとづいて実行されるリーチ演出における演出動作の種類により変動パターン種別が分類されている。すなわち、スーパーPA3−4の変動パターンは、リーチ演出α1を実行する変動パターンであることから、図19に示すハズレ変動パターン判定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−2の変動パターン種別となる場合に対応して、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。スーパーPA3−8の変動パターンは、リーチ演出α2を実行する変動パターンであることから、ハズレ変動パターン判定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−2の変動パターン種別となる場合に対応して、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。スーパーPB3−4の変動パターンは、リーチ演出β1を実行する変動パターンであることから、ハズレ変動パターン判定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−3やスーパーCB2−1の変動パターン種別となる場合に対応して、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。
そして、ノーマルCA2−1やスーパーCA2−2の変動パターン種別に対しては、図14(A)〜(C)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cのいずれにおいても、変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。また、スーパーCA2−3の変動パターン種別に対しては、図14(A)および(C)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A、135Cにおいて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。スーパーCB2−1の変動パターン種別に対しては、図14(B)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Bにおいて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。このように、図14(A)〜(C)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cでは、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことにもとづいて実行されるリーチ演出における演出動作の種類により分類された変動パターン種別のいずれかに決定できるように、テーブルデータ(決定用データ)が構成されている。また、リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cでは、「擬似連」の特定演出を実行した後に演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことにもとづいて実行されるリーチ演出における演出動作の種類により分類された変動パターン種別のいずれかに決定できるように、テーブルデータが構成されている。
次に遊技機の動作について説明する。図20および図21は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。ステップS4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次に、入力ポート1のビット0の状態によって電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する(ステップS5)。遊技機に対する電力供給が開始されたときに、+5V電源などの各種電源の出力電圧は徐々に規定値に達するのであるが、ステップS5の処理によって、すなわち、電源断信号が出力されていない(ハイレベルになっている)ことを確認することによりCPU56は電源電圧が安定したことを確認することができる。
電源断信号がオン状態である場合には、CPU56は、所定期間(例えば、0.1秒)の遅延時間の後に(ステップS80)、再度、電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する。電源断信号がオフ状態になっている場合には、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、電源断信号がオフ状態である場合に、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って停電復旧中であることを報知することを指定する停電復旧指定コマンドをサブ基板(演出制御基板)に送信する処理を実行する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
次いで、CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する乱数回路の状態を確認する乱数回路確認処理を実行する(ステップS95)。乱数回路確認処理では、CPU56は、乱数回路が遊技機1に内蔵されている場合には、乱数回路の設定(例えば、乱数回路の動作を開始させる)を行う。また、CPU56は、乱数回路が出力する乱数確認信号を所定時間監視する。乱数確認信号は、乱数回路が内蔵するクロック信号発生回路が内部クロック信号を正常に出力している場合にはオン状態であり、そうでなければ(例えば、内部クロック信号のレベルが低下した場合には)オフ状態になる。CPU56は、所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する乱数回路に異常が発生したと判定し、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する主基板エラー指定コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出しなければ、CPU56は、乱数回路が正常に動作していると判定して、そのままステップS15に移行する。
なお、ハードウェア乱数を生成する乱数回路503は、遊技機1に内蔵してもよいし、遊技機1に外付けで備えてもよい。この実施の形態では、図2に示したように、乱数回路503は、ROM54およびRAM55とともに1チップ内(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560)に内蔵されている。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、表示図柄乱数更新処理(ステップS17)および初期値決定用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。CPU56は、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。
なお、表示図柄乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示図柄乱数として、リーチ判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4などが用いられる。この実施の形態では、これらの乱数値は、例えば、リフレッシュレジスタを用いて、更新する対象や更新時の加算値を異ならせることによってランダムに更新することができる。そのようにすることによって、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に用いる変動パターンをよりランダムに決定するようにすることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、表示図柄乱数更新処理とは、表示図柄乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、初期値決定用乱数更新処理とは、初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値決定用乱数とは、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当り判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。また、例えば、大当り種別判定用の乱数値MR1、リーチ判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、および変動パターン判定用の乱数値MR4のうちソフトウェアによって更新する乱数がある場合には、その乱数を発生するためのカウンタのカウント値の初期値を決定するための乱数も初期値決定用乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS25,S26でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示図柄乱数や初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
以上のように、遊技店員等は、クリアスイッチをオン状態してクリア信号が出力される状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始する(例えば電源スイッチをオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
次に、遊技制御処理について説明する。図22は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS16〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次いで、CPU56は、第1特別図柄表示器8aや、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、状態表示灯などの各種表示器へのDG信号の出力やクリアを行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞を検出したことを報知する異常入賞報知処理を実行する(ステップS23)。具体的には、後述する特別図柄プロセス処理において大入賞口を開放する前である(具体的には、後述するステップS300〜S303の処理の段階である)にもかかわらず、カウントスイッチ23のオンを検出した場合に、大入賞口への異常入賞を検出したと判定し報知する制御を行う。
次に、遊技制御に用いられる各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(乱数更新処理:ステップS24)。また、CPU56は、初期値決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値決定用乱数更新処理:ステップS25)。さらに、CPU56は、表示図柄乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示図柄乱数更新処理:ステップS26)。
乱数更新処理、初期値決定用乱数更新処理および表示図柄乱数更新処理を行うと、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS29)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数コマンド等の払出指令コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示す賞球個数コマンドの受信に応じて球払出装置97を駆動する。
また、CPU56は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート2のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS33:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS34)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄および第2特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理で開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を更新するようにしてもよい。例えば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン設定処理に対応した値(この実施の形態では1)となると、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理に対応した値(この実施の形態では3)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。そして、CPU56は、終了フラグがセットされ、または特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理に対応した値となると、特別図柄プロセス処理で決定されている特別図柄の停止図柄を第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bに導出表示する。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。
さらに、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS37)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)である場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯1の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。また、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態であることを示す状態表示灯2の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。
なお、遊技機への電源投入時以外の時に状態表示灯表示処理を実行する場合には、遊技状態が時短状態である場合にのみ、時短状態であることを示す状態表示灯2の表示を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態が確変状態であることが内部的に決定されている場合であっても、遊技者に確変状態であることを認識できないようにすることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(例えば2msごと)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はフラグがセットされたことにもとづいてメイン処理において実行されるようにしてもよい。なお、この実施の形態において、ステップS21〜S37の処理(ステップS30およびS32を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
その後、CPU56は、割込許可状態に設定し(ステップS38)、処理を終了する。
次に、メイン処理における特別図柄プロセス処理(ステップS27)を説明する。図23は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56)が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理において、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
なお、ステップS311では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、入力ポートから入力した入力データのうち、第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14aに対応するビットがオン状態であるか否かを確認してもよい。また、例えば、スイッチ処理(ステップS21参照)において、第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14aが2回連続してオン状態となったことにもとづいてフラグをセットするようにし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS311において、そのフラグがセットされているか否かを確認するようにしてもよい。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合計保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン種別判定用の乱数MR3および変動パターン判定用の乱数値MR4の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
なお、この実施の形態では、各乱数値を始動入賞発生時に抽出する場合を示すが、変動パターン種別判定用の乱数MR3や変動パターン判定用の乱数値MR4など変動パターンを決定するための乱数値については、特別図柄の変動開始時に(すなわち、変動パターン決定のタイミングで(ステップS331,S333参照))抽出するようにしてもよい。そのようにすれば、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に偶然同じタイミングで遊技球が入賞してしまった場合であっても、変動開始のタイミングで変動パターンを決定するための乱数値を読み出すことによって、読み出す乱数値を異ならせることができ、異なる変動パターンで変動表示を行なうことができる。従って、特別図柄の可変表示の演出バリエーションを増加させることができる。
特別図柄変動処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすなわち特別図柄プロセスタイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(この例では3)に移行するように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄表示器8における特別図柄を停止させる。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口の閉成条件が成立したときには、大入賞口を閉成する制御を行う。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を閉状態にして大入賞口を閉成する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放後処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態の残りラウンドがあるか否かを確認する処理等を行う。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図24は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否かを確認する(ステップS212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、各乱数値(大当り判定用の乱数値(ランダムR)、大当り種別判定用の乱数値MR1、リーチ判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。
図25は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図25に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、第1始動口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS217)。そして、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合計保留記憶数を示す保留記憶数通知コマンドを送信する(ステップS218)。なお、保留記憶数通知コマンドを、第1始動口入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否かを確認する(ステップS222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(ステップS211参照)処理を行うようにしてもよい。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS223)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、各乱数値(大当り判定用の乱数値(ランダムR)、大当り種別判定用の乱数値MR1、リーチ判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS225)。
次いで、CPU56は、第2始動口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS226)。また、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS227)。そして、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値にもとづいて保留記憶数通知コマンドを送信する(ステップS228)。なお、保留記憶数通知コマンドを、第2始動口入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
図26および図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、合計保留記憶数の値を確認する(ステップS1501)。具体的には、合計保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。特別図柄通常処理では、CPU56は、まず、合計保留記憶数カウント値などにもとづき、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS1501)。
合計保留記憶数が「0」であれば、CPU56は、客待ちデモンストレーションの演出を行うためのデモ表示設定処理を実行する(ステップS1502)。具体的には、CPU56は、客待ちデモンストレーションの演出が実行されていることを示すデモ表示フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、そのまま特別図柄通常処理を終了する。セットされていなければ、CPU56は、デモ表示フラグをセットし、客待ちデモンストレーションの表示を指定するデモ表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
合計保留記憶数が「0」でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が「0」であるか否かを確認する(ステップS1503)。第2保留記憶数が「0」でなければ(ステップS1503のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS1504)。第2保留記憶数が「0」であれば(ステップS1503のY:この場合、第1保留記憶数のみが溜まっていることになる)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS1505)。
ステップS1503〜S1505の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示と比較して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。すなわち、第2保留記憶数が1つでも溜まっていれば、第2特別図柄の変動表示が優先して実行され、第2保留記憶数が溜まっておらず第1保留記憶数のみが溜まっている場合に、第1特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS1508)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値(具体的には、大当り判定用の乱数値(ランダムR)を示す数値データと、大当り種別判定用の乱数値MR1を示す数値データ)を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値(具体的には、大当り判定用の乱数値(ランダムR)を示す数値データと、大当り種別判定用の乱数値MR1を示す数値データ)を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS1509)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする。
次いで、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値を1減算し(ステップS1510)、減算後の合計保留記憶数カウンタの値にもとづいて保留記憶数通知コマンドを送信する(ステップS1511)。
次いで、CPU56は、大当り判定テーブル130(図8参照)を参照することにより、ステップS1508にて読み出した大当り判定用の乱数値(ランダムR)を示す数値データが、大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS1513)。なお、この場合、CPU56は、確変フラグがオン状態であるか否かを確認し、確変フラグがオン状態であれば、図8に示す確変フラグオンに対応する大当り判定値データと合致するか否かを判定する。また、確変フラグがオフ状態であれば、図8に示す確変フラグオフに対応する大当り判定値データと合致するか否かを判定する。そのようにすることによって、遊技状態が確変状態である場合には、通常状態や時短状態である場合と比較して高い割合で大当りとすることに決定する。
大当り判定用の乱数値(ランダムR)を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には(ステップS1513のY)、CPU56は、大当りと決定したことを示す大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS1514)。次いで、CPU56は、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図9に示す大当り種別判定テーブル131を選択してセットする(ステップS1515)。そして、CPU56は、ステップS1508で読み出した大当り種別判定用の乱数値MR1を示す数値データにもとづき、ステップS1515にてセットした大当り種別判定テーブル131を参照することにより、大当り種別を、通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当り、第1突然確変大当り、または第2突然確変大当りという複数種類のいずれかに決定する(ステップS1516)。なお、この場合、CPU56は、特別図柄ポインタの値が「1」である場合には、図9に示す特別図柄ポインタ「1」に対応する大当り種別バッファ値にもとづいて、大当りの種別を決定する。また、特別図柄ポインタの値が「2」である場合には、図9に示す特別図柄ポインタ「2」に対応する大当り種別バッファ値にもとづいて、大当りの種別を決定する。
そして、CPU56は、ステップS1517にて決定した大当り種別に対応して、大当り種別バッファ値を、「00」〜「06」のいずれかに設定する(ステップS1517)。
次いで、CPU56は、大入賞口開放回数最大値を設定する(ステップS1520)。この場合、CPU56は、例えば、大当り種別が通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当りのいずれかであれば、大入賞口開放回数最大値を15回開放遊技に対応した「15」に設定する。また、CPU56は、大当り種別が第1突然確変大当りまたは第2突然確変大当りである場合には、大入賞口開放回数最大値を2回開放遊技に対応した「2」に設定する。なお、CPU56は、大入賞口開放回数最大値の設定を、大当り遊技の開始前(例えば、特別図柄停止処理や大入賞口開放前処理)に行うようにしてもよい。
次いで、CPU56は、可変表示結果の判定や大当り種別の決定を行った結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS1521)。一例として、ステップS1513で大当り判定用の乱数値(ランダムR)を示す数値データが大当り判定値データと合致しなかった場合(すなわち、ハズレと決定した場合)には、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS1513で大当り判定用の乱数値(ランダムR)を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には、ステップS1516における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を通常大当り、第1確変大当り〜第4確変大当りのいずれかとする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、大当り種別を第1突然確変大当りまたは第2突然確変大当りとする決定結果に応じて、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
次いで、CPU56は、遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1522)。この場合、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、高確率状態背景指定コマンド(図4に示すコマンド9501(H))を送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンド(図4に示すコマンド9500(H))を送信する制御を行う。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態であれば高確率状態背景指定コマンドが送信され、確変状態以外の遊技状態(通常状態または時短状態)であれば通常状態背景指定コマンドが送信される。なお、遊技状態が通常状態である場合にのみ通常状態背景指定コマンドを送信するようにし、遊技状態が時短状態であれば(例えば、時短状態であることを示す時短フラグがセットされていれば)、時短状態背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS1523)。
図28は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理では、CPU56は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS321)。大当りフラグがオンであれば(ステップS321のY)、CPU56は、遊技状態が通常状態、確変状態または時短状態のいずれであるかにもとづき(具体的には、確変フラグがセットされているか、時短フラグがセットされているかにもとづき)、図11(D)に示すテーブル選択設定に従い、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図10および図11に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Iのいずれかを選択してセットする(ステップS322)。そして、ステップS331に移行する。
大当りフラグがオフである場合には(ステップS321のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、遊技状態が通常状態、確変状態または時短状態のいずれであるか(具体的には、確変フラグがセットされているか、時短フラグがセットされているか)と、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示を行う場合であるか(具体敵意は、特別図柄ポインタ値が1であるか2であるか)にもとづいて、、図13(G)に示すテーブル選択設定に従い、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するための使用テーブルとして、図12および図13に示すリーチ判定テーブル134A〜134Fのいずれかを選択してセットする(ステップS325)。
次いで、CPU56は、例えば、合計保留記憶数カウンタのカウント値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定する(ステップS326)。次いで、CPU56は、特定した合計保留記憶数およびリーチ判定用の乱数値MR2にもとづき、ステップS325でセットしたリーチ判定テーブル134A〜134Fのいずれかを参照することにより、リーチ状態の有無を判定する(ステップS327)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されているリーチ判定用の乱数値MR2を読み出して、読み出したリーチ判定用の乱数値MR2にもとづいてリーチ状態の有無を判定する。
リーチ状態ありとする旨の判定結果が得られた場合には(ステップS328のY)、CPU56は、ステップS328でリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1またはリーチHC2−1のいずれのリーチ状態ありの判定結果(図12および図13参照)としたかに応じて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図14に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択してセットする(ステップS329)。リーチ状態なしとする旨の判定結果が得られた場合には(ステップS328のN)、CPU56は、ステップS328で非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1または非リーチHC1−2のいずれのリーチ状態なしの判定結果(図12および図13参照)としたかに応じて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図15に示す非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択してセットする(ステップS330)。そして、ステップS331に移行する。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづき、ステップS322,S329,S330のいずれかにてセットした使用テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS331)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている変動パターン種別判定用の乱数値MR3を読み出して、読み出した変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづいて変動パターン種別を決定する。
ステップS331の処理では、第1始動条件が成立したことにもとづき第1特別図柄表示器8aにより第1特別図柄の可変表示に対応した演出図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことにもとづき第2特別図柄表示器8bにより第2特別図柄の可変表示に対応した演出図柄の変動パターン種別を決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別判定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する。また、ステップS331の処理では、ステップS327におけるリーチ状態の有無の判定結果に関わりなく、変動パターン種別判定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、ステップS331の処理では、判定テーブルポインタにセットされたROM54のアドレスに記憶された判定テーブルを参照して変動パターン種別の決定を行うようにすればよい。
次いで、CPU56は、変動パターン種別の決定結果にもとづき、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A〜137C(図16,図17参照)やハズレ変動パターン判定テーブル138A、138B(図18,図19)といった複数種類の変動パターン判定テーブルのいずれかを選択してセットする(ステップS332)。次いで、CPU56は、変動パターン判定用の乱数値MR4にもとづき、ステップS332でセットした変動パターン判定テーブルを参照することにより、ステップS331で決定した変動パターン種別に含まれる複数種類の変動パターンのうちのいずれかを決定する(ステップS333)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている変動パターン判定用の乱数値MR4を読み出して、読み出した変動パターン判定用の乱数値MR4にもとづいて変動パターンを決定する。
ステップS333の処理では、第1始動条件が成立したことにもとづき第1特別図柄表示器8aにより第1特別図柄の可変表示に対応した演出図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことにもとづき第2特別図柄表示器8bにより第2特別図柄の可変表示に対応した演出図柄の変動パターンを決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン判定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、ステップS331で決定した変動パターン種別に含まれる複数種類の変動パターンのうちのいずれかを決定する。また、ステップS333の処理では、ステップS327におけるリーチ状態の有無の判定結果に関わりなく、変動パターン判定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、ステップS333の処理では、判定テーブルポインタにセットされたROM54のアドレスに記憶された判定テーブルを参照して変動パターンが決定されればよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄の変動を開始する(ステップS334)。例えば、ステップS35の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。なお、開始フラグや終了フラグを用いずに、ステップS35の特別図柄表示制御処理において、特別図柄プロセスフラグの値のみにもとづいて特別図柄の変動を制御する場合には、ステップS334において、CPU56は、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動であるかを示すフラグをセットするようにしてもよい。また、CPU56は、ステップS333の変動パターンの判定結果に応じて、特図変動時間を変動時間タイマに設定する(ステップS335)。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS336)。例えば、特別図柄ポインタ値が1である場合、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果コマンドを順次に送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタ値が2である場合、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果コマンドを順次に送信する制御を行う。なお、コマンドの送信は、具体的には、ステップS336における設定に従って、CPU56によって演出図柄コマンド制御処理(ステップS29参照)が実行されることによってなされる。
ステップS336の処理を実行することによって、CPU56は、同一のタイマ割込内で変動開始コマンドおよび変動パターン指定コマンドを送信する。そして、CPU56は、変動開始コマンドおよび変動パターン指定コマンドを送信した後に、表示結果コマンドおよび保留記憶数通知コマンドの順に、2msecごと(または4msecごとでもよい)に送信する。そのようにすれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、少なくとも演出表示装置9における液晶表示に関するコマンドを確実に受信することができる。
また、この実施の形態では、CPU56がステップS336の処理を行い、ステップS336の設定に従って演出図柄コマンド制御処理(ステップS29参照)を実行することによって、少なくとも特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行させるか否かと可変表示パターン(変動パターン)とを特定可能なコマンドを送信するコマンド送信手段が実現される。なお、コマンド送信手段は、この実施の形態に示すように、変動パターンを特定可能な変動パターンコマンドと表示結果を特定可能な表示結果コマンドとを別々のコマンドとして送信するようにしてもよいし、1つのコマンド(例えば、変動パターンと表示結果との両方を特定可能な変動パターンコマンド)のみを送信するようにしてもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS337)。
なお、この実施の形態では、ステップS327において、合計保留記憶数にもとづいて、図12に示すリーチ判定テーブル134A〜134Fのいずれかを用いて判定処理を行うことによって、遊技状態が通常状態である場合には、合計保留記憶数(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数)が多いときには、変動表示中にリーチ演出を実行する頻度を低減するように、リーチ状態の有無が決定される。
また、この実施の形態では、ステップS327で合計保留記憶数にもとづいてリーチ状態の有無が判定された判定結果に従ってステップS330でセットされた非リーチ用変動パターン種別判定テーブルを用いて、ステップS331で変動パターン種別が決定され、さらにステップS333で最終的に変動パターンが決定されることによって、はずれであってリーチ演出を実行しない場合に、合計保留記憶数が多いときには短縮変動用の変動パターンが決定される(確変状態または時短状態である場合に第1特別図柄の変動表示を行う場合を除く)。具体的には、遊技状態が通常状態であって合計保留記憶数が3個または4個である場合には、短縮用の変動パターンである非リーチPA1−2に決定され、合計保留記憶数が5〜8個である場合には、短縮用の変動パターンである非リーチPA1−3に決定される。また、遊技状態が確変状態であって合計保留記憶数が2〜8個である場合には、短縮用の変動パターンである非リーチPB1−2に決定される。また、遊技状態が時短状態であって合計保留記憶数が2〜8個である場合には、短縮用の変動パターンである非リーチPC1−2に決定される。
図29は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、まず、CPU56は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS351)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認し(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認し)、タイムアップしていなければ(ステップS352のN)、そのまま特別図柄変動処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS352のY)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する(ステップS353)。
図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動停止処理において、CPU56は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS1301)。例えば、CPU56は、ステップS35の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う。また、CPU56は、演出表示装置9における演出図柄の変動の停止を指定する演出図柄停止指定コマンド(8F00(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1302)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1303)。
大当りフラグがセットされていれば(ステップS1303のY)、CPU56は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)の実行時間(大当り表示時間(例えば、3秒))をセットする(ステップS1304)。そして、CPU56は、大当り開始指定コマンド(ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1305)。
次いで、CPU56は、大当りフラグをリセットする(ステップS1306)とともに、セットされていれば、確変フラグや時短フラグ、時短回数カウンタをリセットする(ステップS1307)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する(ステップS1308)。
ステップS1303で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1309)。セットされていなければ、そのままステップS1318に移行する。セットされていれば、CPU56は、時短回数カウンタの値を1減算する(ステップS1310)とともに、時短回数カウンタの減算後の値が0であるか否かを確認する(ステップS1311)。なお、時短回数カウンタとは、時短状態に移行してからの特別図柄および演出図柄の変動表示の実行回数をカウントするためのカウンタである。
時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、そのままステップS1313に移行する。時短回数カウンタの値が0であれば、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS1312)。すなわち、大当り終了後に時短状態に移行した後に、特別図柄および演出図柄の変動表示を所定回数(例えば100回)終了した場合であるので、時短フラグをリセットし、通常状態に移行する。
そして、CPU56は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する(ステップS1318)。
図31は、大当り遊技における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放中指定コマンドを送信していなければ大入賞口開放中指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1470,S1471)。また、ラウンド開始前タイマの値を−1する(ステップS1472)。ラウンド開始前タイマがタイムアウト(ラウンド開始前タイマの値が0)したら(ステップS1473)、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS1474)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU56は、第1突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS1475)。具体的には、CPU56は、ステップS1517において設定された大当り種別バッファ値が第1突然確変大当りを示す「05」であるか否かを確認する。第1突然確変大当りである場合には、CPU56は、開放時間タイマに開放時間(例えば、0.5秒)に相当する値を設定する(ステップS1476)。第1突然確変大当りでなければ、CPU56は、開放時間タイマに開放時間(例えば、29秒)に相当する値を設定する(ステップS1477)。
なお、この実施の形態では、ステップS1475〜S1477の処理が実行されることによって、2ラウンド大当りである突然確変大当りのうち、第1突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.5秒がセットされる。一方、第2突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として15ラウンド大当りと同じ29秒がセットされる。
次いで、CPU56は、大入賞口(役物)を開放状態に制御する。具体的には、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする(ステップS1478)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS1479)。
図32は、大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS1481)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS1486に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS1482)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS1486に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS1483)。また、カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1484)、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS1485)。
ステップS1486では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS1487)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS1488)。
図33は、大入賞口閉鎖後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS5011)。開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS5013に移行する(ステップS5012)。開放回数カウンタの値が0になっている場合、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、大当りフラグをリセットする(ステップS5015)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS5016)。
ステップS5013では、CPU56は、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS5014)。
図34は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS461)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS462)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS462のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0であれば(ステップS462のY)、CPU56は、ステップS1516で決定した大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS463)。次いで、CPU56は、読み出した大当り種別バッファ値が通常大当りに対応した「00」であるか否かを判定する(ステップS464)。この場合、CPU56は、大当り種別バッファ値が「00」であれば(ステップS464のY)、時短状態への制御を開始するために、時短フラグをセットする(ステップS465)とともに、時短回数カウンタに所定値(例えば「100」)をセットする(ステップS466)。そして、ステップS470に移行する。
ステップS464で大当り種別バッファ値が「00」以外である場合には(ステップS464のN)、確変状態への制御を開始するために、確変フラグをセットする(ステップS467)とともに、時短フラグをセットする(ステップS468)。そして、ステップS470に移行する。
そして、CPU56は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する(ステップS470)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図35は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS100〜S103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS112):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS100):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS101):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS102):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS103):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図36は、普通図柄通常処理(ステップS100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS121のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS122)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS124)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS125)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。例えば、時短フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態(時短状態、確変時短状態)のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、低ベース状態のときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(ステップS126)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(ステップS127)。なお、この実施の形態では、図39に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は5.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS128)。
図37は、普通図柄変動処理(ステップS101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS131)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS131のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS135)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS131のY)、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS132)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS133)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS134)。
図38は、普通図柄停止処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS142)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS141のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS125にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS143)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、ステップS125にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS143のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(ステップS144)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。この実施の形態では、高ベース状態のときには普通電動役物作動時間として7秒を設定し、低ベース状態のときには普通電動役物作動時間として1.5秒を設定するものとする。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(ステップS145)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、時短フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。時短フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、時短フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。なお、高ベース状態のときに、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットし、そのフラグがセットされているかどうかによって、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断するようにしてもよい。
高ベース状態であるときは(ステップS145のY)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図39に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS146)。一方、低ベース状態であるときは(ステップS145のN)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図39に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS147)。図39に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で閉鎖時間が1.0秒であり、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。この実施の形態では、低ベース状態のときには、前述のように普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として1.5秒が設定されており、可変入賞球装置15が0.5秒間1回だけ開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過したときに普通図柄プロセスタイマがタイムアップする。また、図39に示す例では、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で閉鎖時間が1.0秒であり、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。この実施の形態では、高ベース状態のときには、前述のように普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として7秒が設定されており、可変入賞球装置15が2.5秒間開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過した後に再び可変入賞球装置15が開放される。そして、開放時間2.5秒間経過すると再び可変入賞球装置15が閉鎖され、閉鎖時間が1.0秒が経過したときに普通図柄プロセスタイマがタイムアップする。なお、閉鎖時間(本例では1.0秒)は、所定のインターバル期間に相当する。したがって、この実施の形態では、図39に示す開放パターンに示される開放時間に従って可変入賞球装置15が物理的に開放されている状態と、開放パターンに示される閉鎖時間の間に可変入賞球装置15が閉鎖されている状態とが、可変入賞球装置15の開状態に相当する。
そして、CPU56は、ステップS146またはS147で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS148)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行われる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS149)。
ステップS143において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS143のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS150)。
図40は、普通電動役物作動処理(ステップS103)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS161のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
そして、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS163)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
CPU56は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(ステップS164)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS164のN)、ステップS168の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS164のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPU56は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(ステップS165)。そして、CPU56は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(ステップS166)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(ステップS166のN)、つまり8以上である場合は、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(ステップS167)。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(ステップS161のY、S172参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS168)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS169)。タイムアウトしていなければ(ステップS169のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS169のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS170)。そして、CPU56は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(ステップS171)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開いた状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のステップS168〜S171の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開いた状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開いた状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開いた状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
ステップS161において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(ステップS161のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS172)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図41は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、33ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
次いで、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行し(ステップS702)、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS705)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。その後、ステップS702に移行する。
図42および図43は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS705)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS1611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS1612)。
受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド:81XX(H))であれば(ステップS1613)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS1614)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS1615)。
受信した演出制御コマンドが、表示結果指定の演出制御コマンド(表示結果コマンド:8CXX(H))であれば(ステップS1616)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS1617)、表示結果受信フラグをセットする(ステップS1618)。
また、受信した演出制御コマンドが、ファンファーレ指定の演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:A0XX(H))であれば(ステップS1619)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるファンファーレデータ格納領域に格納し(ステップS1620)、ファンファーレコマンドを受信したことを示すファンファーレフラグをセットする(ステップS1621)。
また、受信した演出制御コマンドが、エンディング指定の演出制御コマンド(エンディングコマンド:A3XX(H))であれば(ステップS1622)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるエンディングデータ格納領域に格納し(ステップS1623)、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディングフラグをセットする(ステップS1624)。
また、受信した演出制御コマンドが、高確率状態背景指定コマンド(コマンド9501(H))であれば(ステップS1625)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に背景色として赤色の背景を表示する制御を行う(ステップS1627)。また、受信した演出制御コマンドが、通常状態背景指定コマンド(コマンド9500(H))であれば(ステップS1628)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に背景色として緑色の背景を表示する制御を行う(ステップS1629)。
また、受信した演出制御コマンドが、第1変動開始指定コマンド(コマンド8001(H))であれば(ステップS1630)、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を開始することを示す第1変動開始フラグをセットする(ステップS1631)。
また、受信した演出制御コマンドが、第2変動開始指定コマンド(コマンド8002(H))であれば(ステップS1632)、演出制御用CPU101は、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を開始することを示す第2変動開始フラグをセットする(ステップS1633)。
また、受信した演出制御コマンドが、演出図柄停止指定コマンド(コマンド8F00(H))であれば(ステップS1634)、演出制御用CPU101は、演出図柄停止指定コマンドを受信したことを示す演出図柄停止指定受信フラグをセットする(ステップS1635)。
ステップS1612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS1636)。
図44は、図41に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれを受信したかを確認する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる第1変動開始コマンド受信フラグや、第2変動開始コマンド受信フラグ、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかと変動パターンコマンドとを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(演出図柄停止指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中指定コマンドにもとづいてラウンド数の表示制御等を行う。また、ラウンド中確変昇格演出を実行することに決定されている場合には、ラウンド15においてラウンド中確変昇格演出を実行する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後指定コマンドにもとづいてインターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。また、エンディング確変昇格演出を実行することに決定されている場合には、エンディング確変昇格演出を実行する。
図45は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、変動パターンを構成する各変動態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で演出図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図45に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
図46および図47は、図44に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、表示結果コマンド格納領域から表示結果コマンド、または表示結果コマンドを示すデータを読み出す(ステップS820)。そして、演出制御用CPU101は、可変表示結果が「ハズレ」であるか否かを判定する(ステップS821)。可変表示結果が「ハズレ」であれば(ステップS821のY)、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の最終停止図柄として、はずれ図柄を決定する(ステップS822)。
可変表示結果が「ハズレ」でなければ(ステップS821のN)、演出制御用CPU101は、可変表示結果が突然確変大当り(第1突然確変大当りまたは第2突然確変大当り)であるか否かを確認する(ステップS823)。可変表示結果が突然確変大当りであれば(ステップS823のY)、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の最終停止図柄として、突然確変大当り図柄(例えば、「135」などの図柄の組合せ)を決定する(ステップS824)。
可変表示結果が突然確変大当りでなければ(ステップS823のN)、演出制御用CPU101は、可変表示結果が第1確変大当りであるか否かを確認する(ステップS825)。可変表示結果が第1確変大当りであれば(ステップS825のY)、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の最終停止図柄として、確変図柄の大当り図柄(例えば、左中右の演出図柄が同じ奇数図柄で揃った図柄の組合せ)を決定する(ステップS826)。
可変表示結果が第1確変大当りでなければ(ステップS825のN)、演出制御用CPU101は、可変表示結果が第2確変大当りであるか否かを確認する(ステップS827)。可変表示結果が第2確変大当りであれば(ステップS827のY)、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の仮停止図柄(再抽選演出の直前に仮停止する図柄)として、非確変図柄の大当り図柄(例えば、左中右の演出図柄が同じ偶数図柄で揃った図柄の組合せ)を決定する(ステップS828)。また、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の最終停止図柄として、確変図柄の大当り図柄を決定する(ステップS829)。
可変表示結果が第2確変大当りでなければ(ステップS827のN)、演出制御用CPU101は、可変表示結果が第3確変大当りであるか否かを確認する(ステップS830)。可変表示結果が第3確変大当りであれば(ステップS830のY)、演出制御用CPU101は、ラウンド中確変昇格演出を実行することを示すラウンド中昇格フラグをセットする(ステップS831)。また、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の最終停止図柄として、非確変図柄の大当り図柄を決定する(ステップS832)。
可変表示結果が第3確変大当りでなければ(ステップS830のN)、演出制御用CPU101は、可変表示結果が第4確変大当りであるか否かを確認する(ステップS833)。可変表示結果が第4確変大当りであれば(ステップS833のY)、演出制御用CPU101は、エンディング確変昇格演出を実行することを示すエンディング昇格フラグをセットする(ステップS834)。また、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の最終停止図柄として、非確変図柄の大当り図柄を決定する(ステップS835)。
可変表示結果が第4確変大当りでなければ(ステップS833のN)、すなわち通常大当りであれば、演出制御用CPU101は、確変昇格演出決定用乱数を用いた抽選処理により、大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出(ラウンド中確変昇格演出)を実行するか否かを決定する(ステップS836)。なお、この実施の形態では、通常大当りである場合には、所定の割合(例えば、50パーセントの割合)でラウンド中確変昇格演出を実行することに決定するものとする。演出制御用CPU101は、ラウンド中確変昇格演出を実行することに決定した場合には(ステップS837のY)、ラウンド中昇格フラグをセットする(ステップS838)。そして、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の最終停止図柄として、非確変図柄の大当り図柄を決定する(ステップS839)。
ステップS836〜S838の処理が実行されることによって、この実施の形態では、通常大当りの場合であっても、所定の割合で大当り遊技のラウンド中にラウンド中確変昇格演出が実行される。なお、通常大当りである場合には、ラウンド中確変昇格演出が実行された場合に、必ず確変の昇格には失敗したような態様の演出が実行される。なお、通常大当りである場合に抽選処理によりラウンド中確変昇格演出を実行するか否かを決定するのではなく、通常大当りである場合には必ずラウンド中昇格演出を行うように構成してもよい。
また、この実施の形態では、確変大当りである場合には確変昇格演出とするか否かを遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定し(ステップS1516で大当り種別を第3確変大当りや第4確変大当りとすることにより決定)、通常大当りである場合には確変昇格演出とするか否かを演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定(ステップS836〜S838参照)するように構成したが、確変昇格演出の有無の決定の仕方は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、確変大当りである場合に加えて、通常大当りである場合にも、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で確変昇格演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。この場合、例えば、確変昇格演出を伴わない第1通常大当りと、ラウンド中確変昇格演出を伴う第2通常大当りとを用意するようにし、ステップS1516で大当り種別を第2通常大当りと決定することによって、確変昇格演出の有無を決定するようにしてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で確変昇格演出の有無を全く決定しないようにし、全て演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定するようにしてもよい。この場合、例えば、確変大当りの場合であっても、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS836〜S838と同様の抽選処理を行い、確変昇格演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS840)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS841)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27L,27R)の制御を実行する(ステップS842)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27L,27Rからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS843)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS844)。
図48は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、演出図柄停止指定受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1831)。なお、演出図柄停止指定受信フラグは、コマンド解析処理において、演出図柄停止指定コマンドを受信したことにもとづいてセットされる(ステップS1635参照)。演出図柄停止指定受信フラグがセットされていれば、ステップS1839に移行する。セットされていなければ、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS1832)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、ステップS1839に移行する。そして、ステップS1839では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示す値に更新する。
なお、この実施の形態では、演出図柄停止指定コマンドを受信したか否かを判断するとともに(ステップS1831参照)、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判断して(ステップS1832参照)、演出図柄変動停止処理に移行する場合を示すが、演出図柄停止指定コマンドを受信したか否かのみを判断して演出図柄変動停止処理に移行するようにしてもよい。この場合、CPU56は、ステップS1831で演出図柄停止指定受信フラグがセットされていなければ、ステップS1832を実行することなく、そのままステップS1833に移行するようにすればよい。
変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用CPU101は、プロセスタイマを1減算するとともに(ステップS1833)、変動時間タイマを1減算する(ステップS1834)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、スピーカ27L,27R)の制御を実行する(ステップS1835)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1836)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1837)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1838)。
図49は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS871)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS877に移行する。この実施の形態では、後述するように、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS878で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS870で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS871〜S873の演出図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS872)。そして、ステップS872で大当り図柄を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS873のN)には、演出制御用CPU101は、所定のフラグ(例えば、演出図柄停止指定受信フラグ)をリセットし(ステップS874)、演出制御プロセスフラグの値を変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS875)。
ステップS872で大当り図柄を表示する場合には(ステップS873のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS876)、ファンファーレフラグがセットされたか否か確認する(ステップS877)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS877のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS878)、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS879)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS880)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS882)。
図50は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27L,27R、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS903)。例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS907)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS908)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS909)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS910)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS911)。
図51および図52は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディングフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1902)。
大入賞口開放後フラグもセットされていないときは(ステップS1902のN)、演出制御用CPU101は、ラウンド中確変昇格演出を実行することを示す確変昇格演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1903)。なお、確変昇格演出実行フラグは、後述するラウンド後処理においてラウンド中昇格フラグがセットされていることにもとづいてセットされる(ステップS1977〜S1980参照)
確変昇格演出実行フラグがセットされていないときは(ステップS1903のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1905)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27L,27R、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1906)。例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1907)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1908)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1909)。
ステップS1902において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS1902のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS1910)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS1911)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1912)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1913)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS1914)。
ステップS1901においてエンディングフラグがセットされたときは(ステップS1901のY)、演出制御用CPU101は、エンディングフラグをリセットする(ステップS1915)。次いで、演出制御用CPU101は、エンディング昇格フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1916)。エンディング昇格フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、エンディング確変昇格演出を伴うエンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1917A)。エンディング昇格フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、通常のエンディング演出(エンディング確変昇格演出を含まないエンディング演出)に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1917B)。また、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマをスタートさせるとともに、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1918)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS1919)。
ステップS1903において確変昇格演出実行フラグがセットされていたときは(ステップS1903のY)、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマを1減算する(ステップS1920)。そして、演出制御用CPU101は、減算後の演出期間計測タイマの値にもとづいて、確変昇格演出の実行開始時間である確変昇格演出開始時間(例えば、ラウンド15のラウンド演出開始から5秒経過後)を経過したか否かを確認する(ステップS1921)。確変昇格演出開始時間を経過していなければ(ステップS1921のN)、ステップS1905に移行する。この場合、確変昇格演出開始時間となるまでは、ステップS1905,S1906の処理が実行されることによって、通常のラウンド中演出と同様の演出(例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出)が実行されることになる。
確変昇格演出開始時間を経過していれば(ステップS1921のY)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマを1減算する(ステップS1922)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27L,27R、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1923)。例えば、演出制御用CPU101は、後述するように、演出表示装置9にメータを表示させるとともに、後述する操作回数カウンタの値に応じたメータのレベルを表示する演出を行う。また、例えば、演出表示装置9において所定のキャラクタなどを表示させ、キャラクタのセリフとしてメータのレベルが最大まで増加するように操作ボタン120を連打する操作をすることを促す旨を表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマの値にもとづいて、確変昇格演出の終了時間である確変昇格演出終了時間(例えば、ラウンド15のラウンド演出開始から15秒経過後)を経過したか否かを確認する(ステップS1924)。確変昇格演出終了時間を経過していなければ(ステップS1924のN)、演出制御用CPU101は、操作ボタン120からのオン信号を検出したか否かを確認する(ステップS1925)。操作ボタン120からのオン信号を検出しなかった場合(すなわち、遊技者によって操作ボタン120が操作されなかった場合)には、ステップS1907に移行する。操作ボタン120のオン信号を検出した場合(すなわち、遊技者によって操作ボタン120が操作された場合)には、演出制御用CPU101は、遊技者が操作ボタン120を操作した回数を示す操作回数カウンタを1加算する(ステップS1926)。そして、演出制御用CPU101は、加算後の操作回数カウンタの値が所定の条件成立回数以上であるか否かを確認する(ステップS1927)。
なお、所定の条件成立回数は、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に移行されることの報知の実行条件(以下、確変報知実行条件という)を成立させるための操作ボタン120の操作回数である。この実施の形態では、所定の条件成立回数として、あらかじめ10回が設定されている。よって、ラウンド中演出(この実施の形態では、ラウンド15のラウンド中演出)において、確変昇格演出の実行期間内に遊技者が操作ボタン120を10回連打することに成功すると、ステップS1927で操作回数カウンタの値が所定の条件成立回数以上であると判定され、確変報知実行条件が成立したと判定される。
操作回数カウンタの値が所定の条件成立回数以上であると判定すると(ステップS1927のY)、演出制御用CPU101は、確変報知実行条件が成立したと判定し、操作ボタン120を用いた操作に成功し確変報知実行条件が成立したことを示す操作条件成立フラグをセットする(ステップS1928)。そして、ステップS1907に移行する。操作回数カウンタの値が所定の条件成立回数以上でなければ(ステップS1927のN)、そのままステップS1907に移行する。
確変昇格演出終了時間を経過していれば(ステップS1924のY)、演出制御用CPU101は、可変表示結果が第3確変大当りであるか否かを確認する(ステップS1929)。具体的には、演出制御用CPU101は、表示結果コマンド格納領域に格納されている表示結果コマンド、または表示結果コマンドを示すデータにもとづいて、可変表示結果が第3確変大当りであるか否かを判定する。可変表示結果が第3確変大当りでなければ(すなわち、通常大当りの場合である)、そのままステップS1933に移行する。可変表示結果が第3確変大当りであれば、演出制御用CPU101は、操作条件成立フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1930)。
操作条件成立フラグがセットされていれば(ステップS1930のY)、すなわち、この場合、第3確変大当りであるとともに、遊技者が操作ボタン120の操作に成功して確変報知実行条件が成立した場合である。この場合、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に確変に昇格する旨を重畳表示させる制御を行う(ステップS1931)。例えば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に「確変に昇格しました!」などの文字列を重畳表示させる制御を行う。そして、ステップS1907に移行する。
操作条件成立フラグがセットされていなければ(ステップS1930のN)、すなわち、この場合、第3確変大当りであるものの、遊技者が操作ボタン120の操作に失敗して確変報知実行条件が成立しなかった場合である。この場合、演出制御用CPU101は、エンディング昇格フラグをセットする(ステップS1932)。そして、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に確変への昇格に失敗した旨を重畳表示させる制御を行う(ステップS1933)。例えば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に「残念!!昇格失敗」などの文字列を重畳表示させる制御を行う。そして、ステップS1907に移行する。その後、ステップS1932でエンディング昇格フラグがセットされたことにもとづいて、大当り遊技のエンディング中にエンディング確変昇格演出が実行され、最終的に確変に昇格したことが報知される。
ステップS1929で第3確変大当りでなければ(ステップS1929)、通常大当りである場合にラウンド中確変昇格演出が実行された場合である。この場合、演出制御用CPU101は、そのままステップS1933に移行し、演出表示装置9に確変への昇格に失敗した旨を重畳表示させる制御を行う(ステップS1933)。例えば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に「残念!!昇格失敗」などの文字列を重畳表示させる制御を行う。そして、ステップS1907に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS1929の判定を行うことによって、操作ボタン120を遊技者が所定の条件成立回数以上連打し確変報知実行条件を成立させた場合であっても、通常大当りと決定されている場合には、確変への昇格に失敗した旨を重畳表示するように制御する。この場合、演出制御用CPU101は、例えば、操作回数カウンタの値にかかわらず、演出表示装置9において恰もメータのレベルが最大まで達しなかったかのような表示制御を行えばよい。
また、この実施の形態では、遊技者が操作ボタン120の操作に成功し確変報知実行条件が成立したときに、確変昇格演出終了時間を経過してから確変に昇格した旨を報知する場合を示したが、ステップS1927で所定の条件成立回数以上であると判定しステップS1928で操作条件成立フラグをセットした後に、直ちにステップS1930,S1931の処理を実行して確変に昇格した旨を報知するようにしてもよい。
図53は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1971)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1971のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1972)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27L,27R、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1973)。例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1974)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1975)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1976)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1971のY)、演出制御用CPU101は、ラウンド中昇格フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1977)。ラウンド中昇格フラグがセットされていなければ、そのままステップS1984に移行する。ラウンド中昇格フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中コマンドで示されるラウンド数が15であるか否かを確認する(ステップS1978)。ラウンド数が15でなければ、ステップS1984に移行する。ラウンド数が15であれば、演出制御用CPU101は、ラウンド中確変昇格演出を伴うラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択するとともに(ステップS1979)、ラウンド中確変昇格演出の実行を示す確変昇格演出実行フラグをセットする(ステップS1980)。
次いで、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1981)。そして、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマをスタートさせる(ステップS1982)とともに、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1983)。そして、ステップS1988に移行する。
ステップS1977でラウンド中昇格フラグがセットされていなかった場合、またはラウンド数が15でなかった場合には、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中コマンドに示されるラウンド数にもとづいてラウンド中演出を選択する(ステップS1984)。また、演出制御用CPU101は、選択したラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1985)。また、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1986)とともに、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1987)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1988)。
なお、この実施の形態では、ステップS1978の処理が実行されることによって、大当り遊技中のラウンド15に対応するラウンド中演出において確変昇格演出を実行する場合を示しているが、確変昇格演出の実行タイミングは、この実施の形態で示した場合に限られない。例えば、確変昇格演出をラウンド15以外の他のラウンド中演出において実行してもよいし、ラウンド間のインターバル演出において実行するようにしてもよい。また、確変報知実行条件が成立しなかったことを条件に確変昇格演出を複数回実行するようにしてもよい。
図54は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算するとともに(ステップS971)、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS972)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS972のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS973)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27L,27R等)を制御する処理を実行する(ステップS974)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
なお、エンディング確変昇格演出を伴うエンディング演出に応じたプロセスデータが選択された場合には(ステップS1917A参照)、ステップS974の処理が実行されることによって、確変に昇格したことを報知するエンディング確変昇格演出(この実施の形態では、操作ボタン120の操作にかかわらず、確変に昇格したことを報知する演出)が実行される。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS975)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS976)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS977)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしたときは(ステップS972のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグ(例えば、確変昇格演出実行フラグ)をリセットし(ステップS978)、演出制御プロセスフラグの値を変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS979)。
次に、演出表示装置9において実行される確変昇格演出の演出態様について説明する。図55は、演出表示装置において実行されるラウンド中確変昇格演出の表示例を示す説明図である。また、図56は、演出表示装置において実行されるエンディング確変昇格演出の表示例を示す説明図である。また、図55において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。また、図55および図56に例示するような表示演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる演出制御コマンドにもとづいて実行される。また、図55では、大当り遊技のラウンド15のラウンド中演出においてラウンド中確変昇格演出を実行する場合を例に説明する。
なお、確変昇格演出の実行タイミングは、この実施の形態で示した場合に限らず、例えば、確変昇格演出をラウンド15以外の他のラウンド中演出において実行してもよいし、ラウンド間のインターバル演出において実行するようにしてもよい。また、確変報知実行条件が成立しなかったことを条件に確変昇格演出を複数回実行するようにしてもよい。
まず、図55を用いて、大当り遊技のラウンド中に実行されるラウンド中確変昇格演出の演出態様について説明する。前提条件として、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が、大当りの判定(ステップS1513参照)において大当りとする旨の判定を行い、また大当り種別としてラウンド中確変昇格演出を伴う第3確変大当りと決定をしたものとする(ステップS1516参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、可変表示結果が第3確変大当りであると判定し(ステップS830,S831参照)、大入賞口開放中コマンドにもとづいてラウンド数が15であると判定(ステップS1978のY参照)したことにもとづいて、ラウンド中確変昇格演出を選択して実行する(ステップS1979,S1923参照)。
ラウンド中確変昇格演出を実行する場合、まず、図55(1)に示すように、ラウンド15に対応するラウンド中演出の実行が開始される。例えば、演出表示装置9において、ラウンド数である15を示す文字列が表示されたり、所定のキャラクタを表示する演出が行われる。
次いで、確変昇格演出開始時間を経過すると(ステップS1921のY参照)、図55(2)に示すように、演出表示装置9においてラウンド中確変昇格演出が開始される。例えば、演出表示装置9の画面上にメータが表示されるとともに、キャラクタのセリフとして「確変に昇格させたければボタンを連打!」などの文字列が表示される。遊技者は、演出表示装置9の表示に従って、操作ボタン120を操作(連打)する。すると、操作ボタン120の操作に従って操作回数カウンタの値が加算され(ステップS1926参照)、図55(3)に示すように、操作回数カウンタの値に応じてメータのレベルが徐々に上昇していくような表示が行われる(ステップS1923参照)。
ラウンド中確変昇格演出中に遊技者が操作ボタン120を所定の条件成立回数以上操作することに成功し操作条件成立フラグがセットされた場合には、図55(4)の左側の図に示すように、演出表示装置9においてメータのレベルが最大に達しているような表示が行われる。一方、遊技者が操作ボタン120を所定の条件成立回数以上操作することに失敗し操作条件成立フラグがセットされなかった場合には、図55(4)の右側の図に示すように、演出表示装置9においてメータのレベルが最大に達しなかったような表示が行われる。なお、遊技者が操作ボタン120を所定の条件成立回数以上操作することに成功し操作条件成立フラグがセットされた場合であっても、可変表示結果が通常大当りである場合には、図55(4)の右側の図と同様な態様で、演出表示装置9においてメータのレベルが恰も最大に達しなかったような表示を行えばよい。
次いで、確変昇格演出終了時間を経過すると(ステップS1924のY参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示結果が第3確変大当りであるか否かを確認する(ステップS1929参照)。また、第3確変大当りであれば、操作条件成立フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1930参照)。そして、操作条件フラグがセットされていれば、図55(5)の左側の図に示すように、演出表示装置9に確変に昇格する旨を重畳表示する(ステップS1931参照)。例えば、演出表示装置9にキャラクタのセリフとして「確変に昇格しました!」などの文字列を表示する演出が行われる。
一方、操作条件フラグがセットされていなかった場合や、可変表示結果が通常大当りであった場合には、図55(5)の右側の図に示すように、演出表示装置9に確変への昇格に失敗した旨を重畳表示する(ステップS1933参照)。例えば、演出表示装置9にキャラクタのセリフとして「残念!!昇格失敗」などの文字列を表示する演出が行われる。
次に、図56を用いて、大当り遊技のエンディングに実行されるエンディング確変昇格演出の演出態様について説明する。前提条件として、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が、大当りの判定(ステップS1513参照)において大当りとする旨の判定を行い、また大当り種別としてエンディング確変昇格演出を伴う第4確変大当りと決定をしたものとする(ステップS1516参照)。または、大当り種別としてランド中確変昇格演出を伴う第3確変大当りと決定をしたものの(ステップS1516参照)、ラウンド中確変昇格演出において遊技者が操作ボタン120の操作に失敗して確変報知実行条件が成立せず、確変に昇格した旨が報知されていないものとする。この場合、大当り遊技のエンディングにおいて、図56に示すように、「大当り終了!」などの大当り遊技の終了を報知する旨の文字列が表示されるとともに、所定のキャラクタを表示する演出が行われる。また、図56に示すように、演出表示装置9に確変に昇格する旨を重畳表示する(ステップS974参照)。例えば、演出表示装置9にキャラクタのセリフとして「確変に昇格しました!」などの文字列を表示する演出が行われる。なお、エンディング確変昇格演出では、操作ボタン120からの操作にかかわらず、そのまま図56に示すように確変に昇格する旨の報知が行われる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、可変入賞球装置15が開放される頻度が高くなることによって第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞しやすくなる高ベース状態に移行するとともに、第2特別図柄の可変表示の実行頻度を高めた時短状態に移行する。また、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示よりも、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示を優先して実行する。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示が実行されるときに確変大当りと決定される場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示が実行されるときに確変大当りと決定される場合と比較して、高い割合で確変昇格演出を実行すると決定する。そのため、第2特別図柄の可変表示を優先して実行されている場合には確変昇格演出が発生しやすくすることができる。よって、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞しやすくし第2特別図柄の可変表示の実行頻度を高め、第2特別図柄の可変表示を優先実行する遊技機において、第2特別図柄の可変表示が行われる場合に大当りとなった場合に、大当り遊技状態終了後に確変状態となるか否かに対して遊技者の関心を引きつけることができる。また、大当り遊技状態が開始された後に確変昇格演出を実行するので、大当り遊技状態中も確変に昇格するか否かに対する期待感を持続させることができ、遊技に対する興趣を一層向上させることができる。
また、この実施の形態で示したように、確変状態において第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞しやすくし第2特別図柄の可変表示の実行頻度が高まるようにし、第2特別図柄の可変表示を優先実行するように構成すると、遊技状態が確変状態に移行されているときに特に第2特別図柄の可変表示が連続して行われやすくすることができる。ここで、一般に、確変状態に制御されている場合には、遊技者は、連続して確変大当りが発生することに対して高い期待を抱く。この実施の形態では、第2特別図柄の可変表示が実行される場合には、直ちに確変大当りであることが報知されるのではなく、大当り遊技開始後に確変昇格演出によって確変に昇格することが報知される割合が高められるのであるから、大当り遊技開始後に確変に昇格することに対する期待感を遊技者に持続させることができる。従って、確変状態に制御されている場合に、大当りとなったときに確変が継続するか否かを直ちには認識不能として大当り開始後に確変昇格演出によって報知する頻度を高めることができ、確変が継続することに対する期待感を大当り開始後も持続させることができる。
なお、この実施の形態では、特別決定手段の決定として確変大当りと決定したことにもとづいて、大当り遊技状態を終了した後に確変状態に制御し、所定の有利条件の成立として確変大当りや通常大当り(時短付き)と決定したときに、高ベース状態および時短状態に制御する場合を示したが、特別決定手段の決定と所定の有利条件の成立とは、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、特別決定手段の決定と所定の有利条件の成立とを全く同じ条件(例えば、確変大当りと決定したこと)にしてもよい。この場合、例えば、確変大当りと決定したことにもとづいて、大当り遊技状態を終了した後に確変状態に制御するとともに、高ベース状態および/または時短状態に制御するようにしてもよい。また、例えば、特別決定手段の決定と所定の有利条件の成立とを全く異なる条件としてもよい。この場合、例えば、確変大当りと決定したことにもとづいて、大当り遊技状態を終了した後に確変状態に制御するとともに、大当り種別の決定とは別に抽選処理を行うことによって所定の有利条件が成立したか否かを判定するようにし、所定の有利条件が成立したと判定したことにもとづいて、高ベース状態および/または時短状態に制御するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技中に報知する対象として、確変大当りと決定され大当り遊技後に確変状態に移行する場合を示し、大当り遊技中に確変昇格演出を実行する場合を示したが、報知対象とする遊技状態は、この実施の形態で示したものにかぎられない。要するに、遊技価値の異なる遊技状態が複数種類用意され、大当り遊技中により有利な遊技状態であることを報知するもので、優先実行される方の特別図柄の可変表示(この実施の形態では、第2特別図柄の可変表示)を行う場合に、より高い割合でより有利な遊技状態であることを報知するように構成すればよい。
例えば、大当りとして通常大当りと時短大当りとを備え、時短大当りと決定された場合に大当り遊技中に時短状態に移行することを報知する(例えば、演出図柄の可変表示結果として通常大当り時と同様の大当り図柄を停止表示させ、大当り遊技開始後に、この実施の形態で示したラウンド中確変昇格演出やエンディング確変昇格演出と同様の態様で、時短に昇格することを報知するラウンド中時短昇格演出やエンディング時短昇格演出を実行する)もので、第2特別図柄の変動表示を行う場合に、より高い割合で時短状態に移行する旨の報知を行うように構成してもよい。また、例えば、時短回数の異なる複数種類の時短大当り(例えば、大当り終了後10回時短継続の大当りと、100回時短継続の大当り)を備え、より時短回数の多い時短大当りと決定された場合に大当り遊技中に報知を行う(例えば、演出図柄の可変表示結果として10回時短大当り時と同様の大当り図柄を停止表示させ、大当り遊技開始後に、この実施の形態で示したラウンド中確変昇格演出やエンディング確変昇格演出と同様の態様で、100回継続の時短に昇格することを報知するラウンド中時短継続数昇格演出やエンディング時短継続数昇格演出を実行する)もので、第2特別図柄の変動表示を行う場合に、より高い割合で報知を行うように構成してもよい。
また、例えば、ラウンド数の異なる複数種類の大当り(例えば、7ラウンド大当りと15ラウンド大当り)を備え、よりラウンド数の多い大当りと決定された場合に大当り遊技中に報知を行うもので、第2特別図柄の変動表示を行う場合に、より高い割合で報知を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1513と同様の処理を実行して大当りとするか否かを決定するとともに、ステップS1516と同様の処理を実行して、大当り種別として、7ラウンド大当りまたは15ラウンド大当りを決定する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、7ラウンド大当りと決定したことにもとづいて、ステップS304〜S307と同様の処理を実行して7ラウンドの大当り遊技を実行し、15ラウンド大当りと決定したことにもとづいて、ステップS304〜S307と同様の処理を実行して15ラウンドの大当り遊技を実行する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1516と同様の処理を実行する際に、15ラウンド大当りであることを特定可能な大当り図柄が最終停止される大当り種別と決定したり、大当り遊技中に7ラウンド経過後も大当りが継続する旨の報知演出を行う大当り種別と決定する。そして、その決定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS872と同様の処理で15ラウンド大当りであることを特定可能な大当り図柄を停止表示したり、ステップS1921〜S1933と同様の処理を実行してラウンド中確変昇格演出と同様の態様で7ラウンド経過後も大当りが継続する旨の報知演出を実行する。なお、例えば、7ラウンド大当りと15ラウンド大当りとがある場合には、少なくとも大当り遊技中の7ラウンドが終了する前の段階で、大当りが継続する旨の報知演出を実行することが望ましい。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、ステップS1516と同様の処理を行う際に、図9と同様に、ラウンド中確変昇格演出と同様の態様で7ラウンド経過後も大当りが継続する旨を報知する報知演出を伴う確変大当りを、第1特別図柄の可変表示を行う場合には10%の割合で決定するのに対して、第2特別図柄の可変表示を行う場合には20%の割合で決定するようにすればよい。
さらに、例えば、ラウンド時間の異なる複数種類の大当り(例えば、1ラウンド10秒の大当りと1ラウンド29秒の大当り)を備え、よりラウンド時間の多い大当りと決定された場合に大当り遊技中に報知を行うもので、第2特別図柄の変動表示を行う場合に、より高い割合で報知を行うように構成してもよい。この場合、例えば、1ラウンド29秒の大当りと決定するとともに報知演出を行うことに決定した場合には、大当り開始後、所定ラウンド(例えば、7ラウンド)まで1ラウンド10秒の大当り中制御を行い、所定ラウンド(例えば、7ラウンド)が終了するまでに、1ラウンド29秒の大当りに昇格する旨を報知するようにしてもよい。そして、報知終了後の8ラウンド目以降から1ラウンド29秒の大当り中制御を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示が実行される場合には、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示が実行される場合と比較して、高い割合で突然確変大当り(2ラウンド大当り)とすることに決定する。そのため、第2特別図柄の可変表示結果が大当りとなったときには遊技価値の高い大当り遊技状態(15ラウンド大当り)に移行される割合を高くすることができ、遊技者に対して確変昇格演出の発生をより期待させることができる。従って、遊技に対する興趣を一層向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、ラウンド中確変昇格演出の実行中に操作ボタン120による操作にもとづいて所定の報知条件が成立したことを条件に、確変に昇格する旨を報知する。そのため、遊技者が操作ボタン120の操作を行うことで報知が行われるようにすることができ、遊技に対する興趣を一層向上させることができる。
なお、この実施の形態では、ラウンド中確変昇格演出の演出態様として、大当り遊技中に所定のゲームの演出(この実施の形態では、操作ボタン120の操作を促す演出)を実行し、ゲームクリアしたら(この実施の形態では、操作ボタン120を所定回数以上連打できたら)確変に昇格する旨を報知する場合を示したが、ラウンド中確変昇格演出の演出態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、ゲームなどを伴わず、大当り遊技中にランプ25,28a,28b,28cを所定のパターンで点灯または点滅させることによって、確変に昇格する旨を報知するようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、大当り遊技状態には、2ラウンド大当りである突然確変大当りの大当り遊技状態と、突然確変大当りより多い15ラウンド大当り(通常大当り、確変大当り)の大当り遊技状態とがあるように構成されている。そのため、ラウンド数の少ない突然確変大当りを設けることによって、射幸性が必要以上に高くなることを防止することができる。例えば、15ラウンド大当りのみで構成した場合、連続して確変大当りとなり、大当りとなりやすい確変状態が連続して継続した場合には、射幸性が必要以上に高くなりすぎてしまう。この実施の形態では、大当りとなる場合であっても、ラウンド数が少ない突然確変大当りとなる場合を設けることによって、遊技球の大入賞口への入賞を低減することができ、射幸性が必要以上に高くなることを防止している。
また、この実施の形態によれば、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示よりも、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示を優先して実行する。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示が実行される場合に突然確変大当りとすることに決定された場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示が実行される場合に突然確変大当りとすることに決定された場合と比較して、期間が長いラウンドを含むラウンド遊技を実行する。具体的には、第1特別図柄の可変表示が実行される場合にはラウンド時間が0.5秒の第1突然確変大当りと決定され、第2特別図柄の可変表示が実行される場合にはラウンド時間が29秒の第2突然確変大当りと決定される。そのため、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞しやすくし第2特別図柄の可変表示の実行頻度を高め、第2特別図柄の可変表示を優先実行する遊技機において、第2特別図柄の可変表示結果として突然確変大当りとなった場合であっても、ラウンドの期間が29秒と長くある程度入賞が期待できるラウンド遊技が実行され、遊技者の遊技に対する興趣が著しく減退してしまう事態を防止することができる。従って、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞しやすくし第2特別図柄の可変表示の実行頻度を高め、第2特別図柄の可変表示を優先実行する遊技機において、適度な射幸性を保つことができるとともに、遊技者の遊技に対する興趣を維持できるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、高ベース状態(確変状態や時短状態)であるときに、その高ベース状態中に開始される可変表示について、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示時間を、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示時間に比べて長い時間に設定する。具体的には、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、合計保留記憶数にかかわらず短縮変動を行わないように制御することによって、第1特別図柄の平均の可変表示時間が第2特別図柄の平均の可変表示時間に比べて長い時間となるようにしている。そのため、第1特別図柄の可変表示の実行回数を抑制することができ、高ベース状態に移行される大当り遊技状態となった直後に生じる不利益を低減して遊技興趣を向上させることができる。
例えば、この実施の形態では、第2特別図柄の可変表示が優先して実行されるものの、低ベース状態(通常状態)では可変入賞球装置15が開状態とされる頻度が低く第2始動入賞口14に始動入賞しにくいため、第1特別図柄の変動表示が実行される割合が比較的高い。これに対して、遊技状態が高ベース状態(確変状態や時短状態)に移行された場合には、可変入賞球装置15が開状態とされる頻度が高められ第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなるため、第2特別図柄の可変表示が実行される割合が高まることが期待される。この実施の形態では、第2特別図柄の可変表示が行われる場合には、15ラウンド大当りの割合が高く、また2ラウンド大当りとなったとしてもラウンド時間の長い突然確変大当り遊技が行われるのであるから、高ベース状態に移行されれば、第2特別図柄の変動表示が行われることに対して、遊技者の期待が高まることになる。
しかしながら、遊技状態が低ベース状態から高ベース状態に移行された直後の状態では、直前まで低ベース状態であったのであるから、第1保留記憶数が溜まっているのみで第2保留記憶数が全くない状態であることが多い。そのため、高ベース状態に移行されたにもかかわらず、第1特別図柄の可変表示ばかりが行われ、遊技者の期待を減退させてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、高ベース状態である場合には、第1特別図柄の可変表示時間を長い時間に設定することによって、第1特別図柄の可変表示ばかりが行われる事態を防止し、遊技者の期待を減退させてしまうことを防止している。すなわち、第1特別図柄の可変表示時間が長い時間になるようにすれば、高ベース状態に移行された直後の1回目の可変表示は第1特別図柄の可変表示が行われるものの、その長い第1特別図柄の可変表示時間中に第2始動入賞口14への始動入賞の可能性が高まり、2回目以降の可変表示が実行される場合には、第2特別図柄の可変表示が優先実行される可能性を高めることができる。従って、第1特別図柄の可変表示の実行回数を抑制することができ、高ベース状態に移行される大当り遊技状態となった直後に生じる不利益を低減して遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、高ベース状態(確変状態や時短状態)であるときに、その高ベース状態中に開始される可変表示について、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示時間を、合計保留記憶数が所定値に達しているときでも短縮せず、合計保留記憶数が所定値に達していないときに開始される可変表示と同様に設定する。そのため、高ベース状態であるときには、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示時間が、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示時間に比べて長い時間に設定される可能性が高められ、高ベース状態に移行される大当り遊技状態となった直後に生じる不利益を低減して遊技興趣を向上させることができる。すなわち、この実施の形態では、高ベース状態である場合には、第1特別図柄の可変表示時間を短縮しないように設定することによって、第1特別図柄の可変表示ばかりが行われる事態を防止し、遊技者の期待を減退させてしまうことを防止している。
また、この実施の形態によれば、高ベース状態(確変状態や時短状態)であるときに、その高ベース状態中に開始される可変表示について、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示時間を、低ベース状態における普通図柄の可変表示時間に比べて長い時間に設定する。そのため、第1特別図柄の可変表示の実行回数を抑制することができ、高ベース状態に移行される大当り遊技状態となった直後に生じる不利益を低減して遊技興趣を向上させることができる。すなわち、この実施の形態では、高ベース状態である場合には、第1特別図柄の可変表示時間の方が普通図柄の可変表示時間よりも長くすることによって、1回目の第1特別図柄の可変表示中に普通図柄当りとなりやすくし、可変入賞球装置15が開状態に制御されやすくすることによって、第2始動入賞口14に始動入賞しやすくしている。従って、第1特別図柄の可変表示の実行回数を抑制することができ、高ベース状態に移行される大当り遊技状態となった直後に生じる不利益を低減して遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、合計保留記憶数が所定数以上であるか否かに応じてリーチ態様を生じさせると決定する割合を変化させるとともに、合計保留記憶数が所定数以上であると判定されたときであっても、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示を実行するときと第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示を実行するときとでリーチ態様を生じさせると決定する割合を変化させる。そのため、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示が実行されるのか第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示が実行されるのかの違いに応じてリーチ発生確率が変わることになり、遊技に対する興趣を一層向上させることができる。
なお、この実施の形態では、各演出装置(演出表示装置9、スピーカ27L,27R、ランプ28a,28b,28c)を制御するための基板のうち、演出制御基板80にのみ演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載される場合を示したが、各演出装置を制御する複数の基板にマイクロコンピュータが搭載されるようにしてもよい。
例えば、遊技機1は、スピーカ27L,27R、ランプ28a,28b,28cを制御する音/ランプ制御基板と、演出表示装置9を制御する図柄制御基板とを備え、音/ランプ制御基板に音/ランプ制御用マイクロコンピュータが搭載され、図柄制御基板に図柄制御用マイクロコンピュータが搭載されるようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始コマンドや変動パターンコマンド、表示結果コマンドを、まず、音/ランプ制御用マイクロコンピュータに送信するようにし、音/ランプ制御用マイクロコンピュータから図柄制御用マイクロコンピュータにこれらのコマンドが転送(または加工を加えた上で送信)されるようにしてもよい。そして、図柄制御用マイクロコンピュータは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータから転送(または受信)したコマンドにもとづいて、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を行なうようにしてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出図柄停止指定コマンドを、まず、音/ランプ制御用マイクロコンピュータに送信するようにし、音/ランプ制御用マイクロコンピュータから図柄制御用マイクロコンピュータに演出図柄停止指定コマンドが転送(または加工を加えた上で送信)されるようにしてもよい。そして、図柄制御用マイクロコンピュータは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータから転送(または受信)した演出図柄停止指定コマンドにもとづいて、演出表示装置9における演出図柄の変動表示を停止して、演出図柄の停止図柄を導出表示するようにしてもよい。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータは、予告演出の有無や予告演出の種類、演出図柄の停止図柄などを決定するようにし、それらの決定内容をコマンドに付加して図柄制御用マイクロコンピュータに転送するようにしてもよい。そして、図柄制御用マイクロコンピュータは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータから転送(または受信)したコマンドにもとづいて、予告演出を実行したり、演出図柄の停止図柄を導出表示するようにしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始コマンドや変動パターンコマンド、表示結果コマンド、演出図柄停止指定コマンドなどのコマンドを、まず、図柄制御用マイクロコンピュータに送信するようにし、図柄制御用マイクロコンピュータから音/ランプ制御用マイクロコンピュータにこれらのコマンドが転送(または加工を加えた上で送信)されるようにしてもよい。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータは、図柄制御用マイクロコンピュータから転送(または受信)したコマンドにもとづいて、スピーカ27L,27R、ランプ28a,28b,28cを制御するようにしてもよい。
また、例えば、遊技機1は、スピーカ27L,27Rを制御する音制御用基板と、ランプ28a,28b,28cおよび演出表示装置9を制御するランプ/図柄制御基板とを備えるものであってもよい。さらに、遊技機は、スピーカ27L,27Rおよび演出表示装置9を制御する音/図柄制御用基板と、ランプ28a,28b,28cを制御するランプ制御基板とを備えるものであってもよい。